JP2002235123A - 使用済触媒からの有用金属の回収方法 - Google Patents

使用済触媒からの有用金属の回収方法

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JP2002235123A JP2001065740A JP2001065740A JP2002235123A JP 2002235123 A JP2002235123 A JP 2002235123A JP 2001065740 A JP2001065740 A JP 2001065740A JP 2001065740 A JP2001065740 A JP 2001065740A JP 2002235123 A JP2002235123 A JP 2002235123A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 使用済触媒よりV,Ni,Moなどの有用金
属を簡単な工程で効率よく回収できる方法を提案する。 【解決方法】 使用済触媒をロータリーキルン1にてS
分を除去しながら、1,150℃以下の温度で該触媒に
含まれるNi分及びMo分を固相還元した後、電気炉2
に装入・加熱してFe,Ni,Moを主成分とするメタ
ルとVリッチスラグを生成させ、更にこのVリッチスラ
グは、レードルファーネス3に移注し、還元材を投入す
ると共に充分攪拌を行ってスラグ中のVを還元してV合
金鉄を得る。このもう一つの手段として、使用済触媒を
1,160℃〜1,350℃に保持したロータリーキル
ンに装入し、S分を除去しながら、該触媒中のMo分を
昇華させ、酸化Mo粉末を得る。一方、ロータリーキル
ン1より排出された還元済触媒は、FeとNiを主成分
とするNi合金鉄と前述の方法にてV合金鉄を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使用済触媒から
V,Mo,Niなどの有用金属を回収する方法に関す
る。かかるV,Mo,Niなどは、製鋼用原料などとし
て有効に活用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】バナジウムは、鉄鋼の耐熱性を向上させ
る有用な成分であり、これまで耐熱鋼や工具鋼などに添
加されてきた。また、バナジウムは、微量の添加で鋼の
強度を飛躍的に向上させる効果があり、省エネルギー、
地球環境保全の機運が高まっている近年では、車体の軽
量化のために自動車の高強度化を図るべく、自動車用鋼
としての低合金鋼、構造用鋼、パイプ用鋼などに微量添
加されるようになってきている。このため、バナジウム
の需要は年々増加の一途をたどっており、直近の5年間
のバナジウム消費量は、粗鋼トン当たりで0.043k
g/tから0.054kg/tと、25%以上の伸びを
示している。
【0003】製鋼時にバナジウム添加のために用いられ
るフェロバナジウムは、含チタンバナジウム磁鉄鉱など
の鉱石を原料に五酸化バナジウムを抽出し、この五酸化
バナジウムをテルミット法によりアルミニウム還元して
得られるものが主流である。かかるテルミット法により
得られるフェロバナジウムは、不純物が少なく、バナジ
ウム含有率の高いものであるが、反面、製造コストが嵩
み、高価である。
【0004】そこで、近年では重油焚きボイラーからの
廃棄物、あるいは石油精製業界等から廃棄物処理される
使用済脱硫触媒からバナジウムを抽出しようとする機運
が高まりつつある。すなわち、発電業界においては、火
力発電の燃料コストを低減するために、S量の多い重
油、更には減圧残査油(VRO)、あるいはオリマルジ
ョン(ORM)といった重質で低価格の燃料が使用され
るようになってきている。これらの減圧残査油、オリマ
ルジョンには、多量のバナジウムが含有されるため、燃
焼させると重油焚きボイラの底に沈着するスラグや、電
気集塵装置にて集塵される煙灰中に多量のバナジウムが
凝縮されることになり、これらのスラグや煙灰が新たな
V資源として脚光を浴びつつある。
【0005】また、石油精製業界においては、その石油
精製過程で触媒による脱硫装置が設けられている。かか
る脱硫装置に用いられた使用済触媒にもバナジウムが凝
縮されているので、この使用済脱硫触媒をバナジウム資
源として活用することが考えられるようになってきた。
【0006】これらの重油焚きボイラの底に沈着するス
ラグや電気集塵装置にて集塵される煙灰、使用済脱硫触
媒からV,Ni,Mo等の有用金属を回収することは、
従来、産業廃棄物として無駄に処理されていたものから
有限且つ高価な資源を回収するという点でも好ましい。
【0007】このような重油焚きボイラの底に沈着する
スラグや電気集塵装置にて集塵される煙灰、使用済脱硫
触媒といったバナジウム含有廃棄物等からバナジウム等
の有用金属を回収することは、従来から試みられてき
た。
【0008】この方法を図3に示す工程図を用いつつ説
明すると、使用済触媒をロータリーキルン21にて焙焼
し、S分を除去した後炭素系還元材及び鉄源と共に電気
炉22に装入する。ここで、装入物を溶融すると同時に
該触媒中のNi,Moを還元して、Ni,Mo及びFe
を主成分とするメタルであるNi−Mo合金鉄を得る。
一方、電気炉22内でNi−Mo合金鉄と分離されたV
リッチスラグは、別の電気炉23に移注され、Siおよ
び/またはAl等の還元材が投入される。スラグ内のV
は還元されてV合金鉄がつくられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】請求項1について言え
ば、従来の方法では、特開2000−20420にみら
れるように、使用済触媒はまず第一の焙焼炉に装入さ
れ、950℃以下の比較的低温でS分およびC分を酸化
除去し、次に第二の焙焼炉に移送し1,150℃から
1,350℃の温度に加熱して該触媒中に残留するNi
分およびMo分を固相還元した後、次工程である電気炉
に搬送することが提案されている。しかし、この方法で
は焙焼炉を2基装備しなければならずまた、第一焙焼炉
で処理された触媒を第二焙焼炉に移送する際に触媒が保
有する熱量を失うためエネルギーの消費が大きくなると
いう難点を有していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、ロタリーキルン
あるいは回転炉床炉等の焙焼炉1基にてS分の除去とN
i,Mo等の金属分の固相還元を連続して行い、設備投
資額を押え、且つ熱ロスを少なくして、エネルギーの消
費を低減させようとするものである。即ち、使用済触媒
をロータリーキルンあるいは回転炉床炉等の焙焼炉に装
入し焙焼するが、まず550℃〜950℃の低温領域で
該触媒中のS分を酸化除去した後、950℃〜1,15
0℃の高温領域において該触媒中に含まれる大部分のN
i分及びMo分を固相のまま還元して、その還元済触媒
を次工程である電気炉に装入する。
【0011】
【発明の実施の形態】即ち、この発明では、焙焼に必要
なエネルギーを節約すると共に使用済触媒中のNi分、
Mo分が電気炉に装入するに先立って固相還元されるた
め、NiやMo等の歩留まりも高い。しかも、この固相
還元は、ロータリーキルンや回転炉床炉などのような加
熱炉で行うことができるので従来技術のように電気炉の
みでNiやMo等を還元する方法に比べて還元コストが
格段に安い。加えて、次工程の電気炉へ、原料を固相還
元された直後の赤熱状態で装入することができるので、
電気炉においては原料加熱のための投入エネルギーがわ
ずかで済む。かつ、その原料中のNi,Mo等はすでに
大部分が固相還元されているので、電気炉では還元操業
は、ほとんどしなくても良く、単に溶融させてメタル分
とスラグ分を分離させるだけでも足りる。この点からも
電気炉での投入エネルギーは少なくて済む。
【0012】また、この発明では、Vリッチスラグから
のVの還元回収作業を加熱機能および/または攪拌機能
をもつ容器にて行うことにより効率よく且つVを高歩留
で回収できる。特に、不活性ガス吹込み装置の付設され
たレードルファーネスであれば、加熱しながら強攪拌が
可能であるためスラグ中のVとSi,Al等の還元材と
の接触反応が促進され、短時間に還元反応が完了して生
産性が向上する。更に、レードルファーネスでは気密状
態や非酸化性雰囲気下で操業を行うことが可能であるか
ら、還元材のSiやAlが大気中の酸素で消耗されるの
を極力防止できるのである。
【0013】以下、この発明を図1に示す。この発明の
一実施例の説明図を用いながら具体的に説明する。使用
済触媒の1種または2種以上をロータリキルン1に装入
し、まず550℃〜950℃の低温領域内で該触媒中の
S分を除去した後、高温領域に導き、950℃〜1,1
50℃で該触媒中に含まれるNi分及びMo分の大部分
を固相のまま還元する。
【0014】次いで、還元済触媒は、鉄源及び必要あら
ば炭素系還元材と共に電気炉2に装入する。ここにおい
て、還元済触媒は赤熱状態のまま電気炉に装入するのが
有利である。これは、ロータリーキルン1で加えられた
原料の顕熱をそのまま有効利用することにより、電気炉
2での投入エネルギーの軽減を図ることができるからで
ある。この電気炉2において、Fe,Ni,Moを主成
分とするNi−Mo合金鉄とVリッチスラグとを生成さ
せる。この際、必要に応じて追加の炭素系還元材、鉄源
及び生石灰等の造滓材を追装する。触媒中のNi,Mo
は、先に行われた固相還元によりほとんど還元されてい
るので、この電気炉2においては、これらの有用金属の
還元処理を行うことは必ずしも要しない。単に触媒を溶
融させ、メタルとスラグとを分離できる程度の加熱でも
十分である。したがって、電気炉2に投入する電気エネ
ルギーは、従来技術に比べて格段に軽減され、製造コス
トの低減が図られる。
【0015】一方、還元済触媒のバナジウム分は、電気
炉2においてスラグとしてメタルから分離浮上されるの
で、このVリッチスラグを電気炉から強攪拌機能及び加
熱機能を有するレードルファーネス3に移注して、還元
材を投入するとともに攪拌して、スラグ中のVを接触還
元させてFe−V合金を得る。強攪拌機能を有する容器
は他に、誘導炉,揺動取鍋及び底吹き転炉などがある。
また、これらの容器に投入する還元材としてはFe−S
iやAlなどがあり、これらを単独で、又は複数を組み
合わせて用いることができる。これらの容器は蓋によ
り、容器内部を気密あるいは非酸化性雰囲気にすること
ができることから、投入された還元材の空気酸化が極力
防止でき、還元材をVの還元のために有効に使用するこ
とができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】また、請求項2,3,
4項について言えば、従来の方法においては、該触媒中
のNi,Mo分は電気炉2において最終的にそれらのほ
とんどが同時に還元されるため、Ni分及びMo分は、
Fe−Ni−Mo合金の形で回収され、鉄鋼原料として
の使用が特定の鋼種に制限されてしまい汎用性が低いと
いう問題がある。即ち、Ni,Moが同時に必要な鋼種
にしか使用できず、またそのような鋼種であっても、N
i/Mo含有比率が当Fe−Ni−Mo合金のそれと近
いものでなければ、使用しづらいという難点がある。ま
た、電気炉2においてもMoを歩留良く回収しようとす
ればVの一部が還元されてしまいVの歩留が低下する
し、又Moの歩留を抑えるとMoの一部がVリッチスラ
グに移行し最終的に得られるV合金鉄にMoが不純物と
して残留することになるなど溶融作業に熟練を要すると
いう問題もあった。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで、まず使用済触媒
を炉内温度1,160℃〜1,350℃に保持したロー
タリーキルンあるいは回転炉床炉等の焙焼炉に必要あら
ば、炭素系還元材と共に装入して加熱する。該触媒中の
S分は除去され、又Ni分は固相状態のまま還元され触
媒中に留まる。しかし、Mo分は昇華し、且つ酸化物と
なって集塵機にて捕集される。
【0018】
【発明の実施の形態】従ってこの発明では、電気炉に装
入される還元済触媒中にはMo分はほとんど存在しない
ため、得られるメタルはMoを含有しない、NiとFe
を主成分とするNi合金鉄であり、極めて汎用性の高い
製鋼原料をつくることが出来る。
【0019】以下この発明を図2に示す。この発明の一
実施例の説明を用いながら具体的に説明する。使用済触
媒の1種又は2種以上を炉内温度1,160℃〜1,3
50℃にコントロールしたロータリーキルン11に装入
する。まず、該触媒中のS分が除去され、次にMo分が
昇華除去される。一方、Ni分は固相のまま還元され還
元済触媒が得られる。この還元済触媒は必要あらば、鉄
源、炭素系還元材及び造滓材と共に電気炉2に装入され
る。この電気炉2において、溶融・還元を行いNiとF
eを主成分とするNi合金鉄とVリッチスラグを生成さ
せる。一方Ni合金鉄と比重分離されたVリッチスラグ
は、電気炉2よりレードルファーネス13に移注され、
SiもしくはAl等の還元材を投入しながら攪拌を行い
V合金鉄とスラグを得る。
【0020】又、ロータリーキルン11にて昇華し、集
塵機14で捕集・回収された酸化Mo粉末は、必要あら
ばバインダーと共に製団機15にかけられMoOを主
成分とするMoブリケットがつくられる。
【0021】更に純度の高いMo原料を該Mo粉末より
得ようとすれば回収された酸化Mo粉末を鉄源及び炭素
系還元材と共に電気炉16に装入し、溶融還元すること
によりFe,Moを主成分とするMo合金鉄をつくるこ
ともできる。
【実施例1】石油精製工場より排出される使用済直接脱
硫触媒を原料として、該触媒中に含まれるV,Mo,N
iの有用金属の回収実験を行った。使用した触媒の量及
び成分を表−1に示す。
【表−1】
【0022】まず、使用済直接脱硫触媒2,000kg
を炉温、850℃〜950℃にコントロールしたロータ
リーキルンに装入しS分及びOil分の除去を行った
後、炉温を1,000℃〜1.100℃に上昇させMo
分及びNi分を固相還元した。固相還元后、得られた還
元済触媒の量と組成を表2に示す。
【表−2】
【0023】得られた還元済触媒1,400kgの内6
00kgを3チャージに分けて溶融実験を行った。1チ
ャージ当たりの原料配合は以下の通りであった。 還元済触媒 200kg 鉄スクラップ 30kg コークス 20kg 生石灰 50kg 蛍石 10kg 尚、生石灰及び蛍石は、スラグの融点を下げ且つ、流動
性を改善する目的で使用した。溶融炉は高周波誘導炉を
用い,まず鉄スクラップを装入し溶融した後、よく混ぜ
合わせたその他原料を少々づつ投入した。全ての装入原
料が完全に溶融したあと、溶融温度を1,540〜1,
560℃に保持しながら充分攪拌を行った。反応が終わ
るのを待って、高周波誘導炉より取り出されたメタルと
スラグは取鍋に移注され、メタルのみ鋳型に注入され
た。なお、スラグは溶融状態のまま別の高周波誘導炉に
移された。回収されたメタルの重量及び組成を表−3に
示す。
【表−3】
【0024】別の高周波誘導炉では、新たに鉄スクラッ
プ10kgが溶融されており、移されたスラグを加熱し
て、溶湯温度が1,530℃に上昇した時点でAlシヨ
ット17kgを序序に投入し、十分攪拌を行った。還元
反応が完了するのを待って、高周波誘導炉を傾斜し、炉
内のメタルとスラグを鋳込んだ。凝固完了后、スラグと
メタルを分離し重量測定及び成分分析を行った。その結
果を表−4に示す。
【表−4】
【実施例2】石油精製工場より排出される使用済触媒を
原料として、V,Mo,Ni用の有用金属の回収実験を
行った。使用した触媒の量及び成分値を表−5に示す。
【表−5】
【0025】まず、使用済直接脱硫触媒2,000kg
をロータリーキルンに装入し、加熱しながらまずS分及
び油分を除去した。引き続き炉内を高温に上げてゆき炉
温1,200℃〜1,250℃にコントロールしながら
Mo分を昇華・除去した。この昇華した酸化Moパウダ
ーは、バグフィルターにて捕集した。なお、Ni分は同
時に固相還元された。焙焼後の直接脱硫触媒の量及び組
成を表−6に示す。
【表−6】 又、バグフィルターにて捕集した酸化Mo粉末の重量と
組成を表−7に示す。
【表−7】
【0026】まずは、得られた還元済触媒を200kg
づつ3チャージに分けてNi回収のための溶融実験を行
った。1チャージ当たりの原料配合は、以下の如くであ
った。 還元済触媒 200kg 鉄スクラップ 35kg コークス 15kg 生石灰 50kg 蛍石 10kg 尚、生石灰及び蛍石はスラグの溶融を下げ、且つ流動性
を改善する目的で使用した。溶融炉は同じく高周波誘導
炉を用い、まず鉄スクラップを装入し溶融した後、よく
混ぜ合わせたその他原料を少量づつ投入した。全ての装
入原料が完全に溶融した後、溶湯温度を1,540℃〜
1,560℃に保持しながらNiを還元した。その后、
高周波誘導炉を傾けてメタルとスラグを同時に取鍋に移
注し、メタルのみを鋳型に注入した。一方、スラグはそ
のまま別の高周波誘導炉に移注した。回収されたメタル
の重量及び組成を表−8に示す。
【表−8】
【0027】別の高周波誘導炉では新たに鉄スクラップ
16kgが装入・溶融され、移注れたスラグと共に再加
熱された。溶湯の温度が1,530℃になったのを確認
してAlショット18kgを徐々に投入して、充分攪拌
を行った。Alによる還元反応が完了するのを待って、
高周波誘導炉を傾斜し炉内のメタルとスラグを同時に砂
型の中に鋳込んだ。大気冷却后、スラグよりメタルを分
離回収し、重量測定及び成分分析を行った。その結果を
表9に示す。
【表−9】
【実施例 3】バグフィルターにて捕集された酸化Mo
粉末130kgの内30kgをセメント10%と水,約
10%と共によく混練した後、製団機にてブリッケト約
35kgを試作した。約100℃にて、丸1日養生した
結果、圧潰強度も約30kg/ヶもあり、充分製鋼用原
料として使用可能であることを確認した。成分分析結果
を表−10に示す。
【表−10】
【実施例 4】焙焼時バグフィルターにて捕集された酸
化Mo粉末の残りの約90kgを30kgづつ3回に分
けて、Mo合金鉄をつくることを試みた。原料配合は以
下の如くとした。 配化Mo粉末 30kg 鉄スクラップ 15kg コークス 9kg 生石灰 5kg 溶融炉は同じく高周波誘導炉を用い、まず鉄スクラップ
を溶融した後、その他原料をよく混合した後少量づつ装
入した。原料が完全に溶融した後、約40分間溶湯温度
を1,550℃に保持した。還元が終了したのを見計ら
って高周波誘導炉を傾斜しメタルとスラグを同時に排
出、砂型に鋳込んだ。大気冷却后、スラグよりメタルを
分離回収し、重量測定及び成分分析を行った。その結果
を表−11に示す。
【表−11】
【0028】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、使用済触媒
から高級鋼の主要添加元素であるV,Mo,Niをもっ
とも使用し易い形態で、しかも大きなコストをかけるこ
となく、且つ極めてシンプルな工程で製造することが出
来る。特に、間接脱硫触媒には、Mo以外の高価な金属
元素は含有されていないため、リサイクルが困難とされ
ているが、これらをも有効に活用できる途を開くもので
あり、その工業上の効果は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図面 1】 この発明に従う工程を説明する図であ
る。
【図面 2】 この発明に従う工程を説明する図であ
る。
【図面 3】 従来の工程を説明する図である。
【符号の説明】
1. ロータリーキルン 2. 電気炉 3. レードルファーネス 11. ロータリーキルン 12. 電気炉 13. レードルファーネス 14. 集塵機 15. 製団機 16. 電気炉 21. ロータリーキルン 22. 電気炉 23. 電気炉
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 5/16 C22B 5/16 23/02 23/02 34/22 34/22 34/34 34/34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項 1】 使用済触媒を炭素系還元材と共に55
    0℃〜1,150℃に保持した加熱炉に装入し低温度領
    域にてS分を除去したのち、高温度領域にて該触媒中の
    Ni分及びMo分を固相還元した後、必要あらば、炭素
    系還元材及び鉄源と共に電気炉に装入、加熱してNi,
    MoおよびFeを主成分とするメタルを得る一方、V分
    の濃縮されたスラグは加熱機能および/または攪拌機能
    を有する容器に移注し、Siおよび/またはAlを必要
    あらば鉄源と共に投入し、スラグ中のV分を還元してV
    とFeを主成分とするメタルを得ることを特徴とする使
    用済み触媒からの有用金属の回収方法。
  2. 【請求項 2】 使用済触媒を炭素系還元材と共に加熱
    炉に装入し、1,160℃〜1,350℃に加熱してS
    分を除去しながら該触媒中のMo分を昇華させ、且つN
    i分を固相還元した後、必要あらば炭素系還元材および
    鉄源と共に電気炉に装入,加熱してNiおよびFeを主
    成分とするメタルを得る一方、V分の濃縮されたスラグ
    は加熱機能および/または攪拌機能を有する容器に移注
    し、Siおよび/またはAlを必要あらば鉄源と共に投
    入しスラグのV分を還元してFeとVを主成分とするメ
    タルを得ることを特徴とする使用済触媒からの有用金属
    の回収方法。
  3. 【請求項 3】 昇華後回収されたMo粉末を加圧成型
    して製鉄原料とすることを特徴とする請求項2記載の使
    用済触媒からの有用金属の回収方法。
  4. 【請求項 4】 昇華後回収されたMo粉末を炭素系還
    元材および必要あらば鉄源、造滓剤と共に溶融炉に装
    入、加熱してFeおよびMoを主成分とするメタルを得
    ることを特徴とする請求項2記載の使用済触媒からの有
    用金属の回収方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104611513A (zh) * 2015-02-03 2015-05-13 河北钢铁股份有限公司承德分公司 一种钢渣中钒的利用方法
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