JP2004270036A - 有用金属含有廃棄物からの有用金属の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】還元反応に伴って生ずる還元材の還元効率の低下を抑制し、有用金属含有廃棄物から有用金属を高効率で回収するとが出来る有用金属含有廃棄物からの有用金属の回収方法を提供する。
【解決手段】有用金属含有廃棄物を加熱、還元してメタルとVリッチなフラックスとを生成させる廃棄物からの有用金属の回収する方法において、有用金属含有廃棄物を鉄源および還元材と共に電気炉に装入し、溶融還元してFe、Ni、Moを主成分とするメタルとVリッチなフラックスとを生成させる。
【選択図】 なし
【解決手段】有用金属含有廃棄物を加熱、還元してメタルとVリッチなフラックスとを生成させる廃棄物からの有用金属の回収する方法において、有用金属含有廃棄物を鉄源および還元材と共に電気炉に装入し、溶融還元してFe、Ni、Moを主成分とするメタルとVリッチなフラックスとを生成させる。
【選択図】 なし
Description
この発明は、有用金属含有廃棄物からの有用金属の回収方法に関し、詳しくは、V、Mo、Niなどの有用金属含有廃棄物から前記有用金属を回収する方法に関する。かかるV、Mo、Niなどは、製鋼用原料として有効に活用することが出来る金属である。
バナジウムは、鉄鋼の耐熱性を向上させる有用な成分であり、耐熱鋼や工具鋼などに添加されている。また、バナジウムは、微量の添加で鋼の強度を効果的に向上させる効果があり、省エネルギー、地球環境保全の機運が高まっている近年では、車体の軽量化に伴い自動車の高強度化を図るために、自動車用鋼としての低合金鋼、構造用鋼、パイプ用鋼などにバナジウムが微量添加されている。このため、近年の鉄鋼用バナジウムの需要は年々増加の一途をたどってきており、最近の5年間のバナジウム使用量は、粗鋼トン当たりで0.043kg/tから0.054kg/tと、25%以上の伸びを示している。
製鋼時にバナジウム添加のために用いられるフェロバナジウムは、含チタンバナジウム磁鉄鉱などの鉱石を原料に五酸化バナジウムを抽出し、この五酸化バナジウムをテルミット法によりアルミニウム還元して得られるものが主流である。かかるテルミット法により得られるフェロバナジウムは、不純物が少なく、バナジウム含有率の高いものであるが、反面、製造コストが嵩み、高価である。
そこで、近年では重油焚きボイラーからの廃棄物、あるいは石油精製業界等から廃棄処分される使用済み脱硫触媒からバナジウムを抽出しようとする機運が高まりつつある。すなわち、発電業界においては、火力発電の燃料コストを低減するために、S量の多い重油、更には減圧残査油(VRO)、あるいはオリマルジョン(ORM)といった重質で低価格の燃料が使用されるようになってきている。これらの減圧残査油、オリマルジョンには、多量のバナジウムが含有されるため、燃焼させると重油焚きボイラの底に沈着するスラグや、電気集塵装置にて集塵される煙灰中に多量のバナジウムが凝縮されることになり、これらのスラグや煙灰が新たなV資源として脚光を浴びつつある。
また、石油精製業界においては、その石油精製過程で触媒による脱硫装置が設けられている。かかる脱硫装置に用いられた使用済み触媒にもバナジウムが凝縮しているので、この使用済み脱硫触媒をバナジウム資源として活用することが考えられている。
これらの重油焚きボイラの底に沈着するスラグや電気集塵装置にて集塵される煙灰および使用済み脱硫触媒からのV、Ni、Mo等の有用金属の回収は、従来、産業廃棄物として無駄に廃棄処理されていたものから有限な資源の利用という点でも好ましい。
このような重油焚きボイラの底に沈着するスラグや電気集塵装置にて集塵される煙灰および使用済み脱硫触媒といった有用金属含有廃棄物からバナジウム等の有用金属を回収することは、従来から試みられてきた。
この方法として、サブマージドアーク炉(電気炉)を使用し、還元剤としてコークスを使用する炭素還元法が知られている。
改訂5版 金属便覧(平成2年3月31日、丸善株式会社発行、第82、83頁)
改訂5版 金属便覧(平成2年3月31日、丸善株式会社発行、第82、83頁)
しかしながら、上記の方法では、炭素還元反応が進むに伴って、コークスの還元効率が十分発揮されなくなるという問題がある。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、還元反応に伴って生ずる還元材の還元効率の低下を抑制し、有用金属含有廃棄物から有用金属を高効率で回収するとが出来る有用金属含有廃棄物からの有用金属の回収方法を提供することにある。
本発明者は、種々検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、有用金属含有廃棄物を鉄源および還元材と共に電気炉で加熱すると、意外にも、還元反応が進むに従って起こる還元効率の低下を抑制することが出来る。これは、還元反応に伴って生成するメタルが共存する鉄源の溶融相に逐次移行することによって、還元反応における被還元物の濃度低下を抑制するものと推定される。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、有用金属含有廃棄物を鉄源および還元材と共に電気炉に装入し、加熱してFe、Ni、Moを主成分とするメタルとVリッチなフラックスとを生成させることから成る有用金属含有廃棄物からの有用金属の回収方法に存する。
本発明によれば、還元効率の低下の抑制により、有用金属含有廃棄物から有用金属を高効率で回収するとが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、有用金属含有廃棄物を鉄源および還元材と共に電気炉に装入し、溶融還元してFe、Ni、Moを主成分とするメタルとVリッチなフラックスとを生成させる。そして、その好ましい態様においては、有用金属含有廃棄物を450〜950℃に加熱して該廃棄物中のS分、N分およびC分を除去した後、得られた廃棄物を鉄源および還元材と共に混合、粉砕して粒状に成形し、次いで、1150〜1350℃に加熱して原料中のFe分、Ni分、Mo分を固相還元した後、電気炉に装入し、溶融還元してFe、Ni、Moを主成分とするメタルとVリッチなフラックスとを生成し、得られたFe、Ni、Moを主成分とするメタルを脱P処理して低P合金を生成させ、他方、強攪拌機能を有する容器を使用して得られたVリッチなフラックスを還元剤と共に攪拌し、フラックス中のVを還元してFe−V合金を生成させる。
図1は、本発明の有用金属含有廃棄物からの有用金属の回収する好ましい態様の工程図である。以下、図1を参照して説明する。
先ず、本発明で処理される有用金属含有廃棄物について説明する。有用金属含有廃棄物、例えばバナジウム含有廃棄物としては、重油焚きボイラーの底に沈着するスラグ、排ガスから電気集塵機により除去、回収される煙灰、使用済み脱硫触媒などのV、Ni、Mo等の有用金属を含有する廃棄物が挙げられる。かかる有用金属含有廃棄物は、これまで有用金属の回収原料として注目されていたものの、従来は、有用金属を回収するにコストが嵩み過ぎるため、より低廉な処理法として廃棄処分にされていたのが実情である。本発明の方法によれば、低コストで有用金属を回収できるので、廃棄処分にするよりもコスト面、有用資源回収の面でも優れている。なお、重油焚きボイラー等から回収した煙灰には湿式脱硫処理による(NH4)2SO4が付着しており、また、脱硫装置の使用済み脱硫触媒にSが付着している。
有用金属含有廃棄物の1種又は2種以上をミキサー1により常温で混合し、次いで450〜950℃で加熱処理する。この加熱処理によって、有用金属含有廃棄物に付着しているS成分、N成分およびC成分が加熱分解され、NOX、SOX及びCO2等として除去される。加熱温度の下限値:450℃は、脱硫装置の使用済み触媒のS及びCが450℃以上で分解除去する、また、煙灰の(NH4)2SO4が570℃程度以上で分解する点を考慮した値である。また、加熱温度の上限値:950℃は、加熱温度が高過ぎると、有用金属含有廃棄物中のMoが昇華するために、Moの回収量が減少する、および、Moの昇華温度が950℃である点を考慮した値である。加熱手段としては、例えば、ロータリーキルン2が挙げられる。
次に、有用金属含有廃棄物、還元材および鉄源を粉砕機3で粉砕して直径0.03mm程度以下の微粉にする共に、均一に混合する。これにより、次工程での固相還元が均一に行こなわれ、その反応効率を高くすることが出来る。鉄源としては、鉄鉱石、スケールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。また、還元材としては、微粉炭、コークスなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。なお、ここで使用する鉄源および還元材は、後述する電気炉における溶融還元の際に共存する鉄源および還元材に相当する。
有用金属含有廃棄物、鉄源および還元材とを混合、粉砕する際に、最終的に得られるFe−V合金中のV含有量を調整するため、バナジウム原料を更に添加してもよい。バナジウム原料を添加することによって、廃棄物の種類、廃棄物中のV含有量などの変動があった場合でも、得られるFe−V合金中のV含有量を一定に調整するのが容易である。バナジウム原料としては、粗五酸化バナジウムや、純度の高い五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウムなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
次いで、有用金属含有廃棄物、還元材および鉄源の混合物をペレタイザー4によって造粒し、生のペレット又はブリケットを形成する。造粒物の径は、およそは5〜10mm程度である。
得られた生のペレット又はブリケットを加熱炉、例えば、ロータリキルンや回転炉床炉5に導入して固相還元する。固相還元温度は1150〜1350℃である。固相還元処理により、有用金属含有廃棄物中のFe分、Ni分、Mo分が還元されると共に、焼成されて強固なペレット状物またはブリケット状物が得られる。
本発明の固相還元は、ロータリキルン、回転炉床炉などの燃焼炉で行われるため、電気炉で還元する従来方法に比べて還元のコストが格段に低い。
本発明においては、有用金属含有廃棄物と鉄源と還元材とを電気炉で溶融還元することが重要である。具体的には、固相還元された造粒物を電気炉6に装入して溶融還元し、Fe、Ni、Moを主成分とするメタルと、Vリッチなスラグとを得る。造粒物の電気炉6への装入は、固相還元後の赤熱状態のまま電気炉に装入するのが有利である。これにより、加熱炉で加えられた原料の顕熱をそのまま有効利用することが出来、電気炉での投入エネルギーの軽減を図ることが出来る。なお、電気炉で有用金属含有廃棄物を鉄源および還元材と共に溶融還元することにより、還元効率の低下が抑制され、有用金属含有廃棄物から有用金属を高効率で回収するとが出来る。
電気炉6での溶融還元の際、必要に応じて、追加の還元材およびフラックスを追装してもよい。なお、Ni、Mo等は既に大部分が固相還元されていることがあり、この場合、電気炉での還元操業は、ほとんどしなくてもよい。すなわち、電気炉6での加熱は、単に原料を溶融させ、メタルとスラグとを分離できる程度で十分である。したがって、電気炉に投入する電気エネルギーは、従来技術に比べて格段に軽減され、製造コストの低減が図られる。
また、原料が焼成された強固なペレット状またはブリケット状で電気炉に装入されるため、電気炉内で崩壊せずに棚吊りや吹き上げが生じることがなく、安定した操業が可能である。また、装入した原料が粉塵として炉外を散逸するのも防止することが出来るので、原料の高い歩留まりを得ることが出来る。
次いで、溶融還元で得られたFe、Ni、Moを主成分とするメタルを更に脱P処理して低P含有率合金を生成させる。電気炉で生成されたメタルは、Pの濃度が高い。そこで、脱P処理を行うことにより、得られたメタルは、高合金鋼の原料などとしても使用出来る。この脱P手段は特に限定されないが、AOD炉7や転炉などによる処理が例示される。これらの手段は、大量のメタルを処理することができる点で有利である。脱P処理後、鋳造装置8により鋳込んでFe−Ni−Mo合金インゴットが得られる。得られたFe−Ni−Mo合金は、Pの含有率が低いため、鉄鋼の原料として高級鋼などにも有効に用いることが出来る。
他方、溶融還元で得られたVリッチなフラックス中のVを更に還元してFeーV合金を生成させる。有用金属含有廃棄物中のバナジウム分は、電気炉においてフラックスとしてメタルから分離浮上する。このVリッチなフラックスは、電気炉から強攪拌機能を有する容器に移注し、投入された還元剤と共に攪拌し、フラックス中のVを接触還元してFe−V合金を生成する。この強攪拌機能を有する容器としては、例えば、揺動取鍋9や底吹き転炉などが挙げられる。また、これらの容器に投入する還元材としては、Fe−Si、Alなどが挙げられ、これらを単独で、又は、複数を組み合わせて使用する。これらの容器は蓋により、容器内部を気密あるいは非酸化性雰囲気にすることが出来ることから、投入された還元材の空気酸化が極力防止出来ると共に、還元剤をVの還元のために有効に使用することが出来る。
VリッチなフラックスからのVの還元回収に電気炉を使用しないので、高価な電力エネルギーを必要とせずにバナジウムを回収することが出来る。また、この揺動取鍋や底吹き転炉では、強力な攪拌を行うことができるため、還元材との接触反応が促進され、短時間に還元反応が完了して生産性が向上する。更に、この揺動取鍋や底吹き転炉では、気密状態や非酸化性雰囲気で操業を行うのが一般的であるから、還元材のSiやAlが大気中の酸素で酸化消耗するのを極力防止出来る。
反応終了後は、容器を静置し、Fe−Vが主要成分になるメタルとスラグとを比重により分離し、メタルは鋳造装置10によりFe−Vインゴットとし、スラグは鋳型11に鋳込んで塊状スラグとする。
得られたFe−V合金は、五酸化バナジウムからテルミット法により生成したフェロバナジウムと比べて、バナジウム含有率が低く、また、Mo、Ni等が混入するので不純物量は多い。しかし、得られたFe−V合金を鉄鋼原料として使用することを考えると、鋼中のV量を所定の値とするにはFe−V合金の添加量を単に増やせばいいだけの話であって、特に不具合は生じない。むしろ、V量が少ないほど融点が低くなるので、溶鋼中に容易に融解するという利点がある。そして、このFe−V合金は、五酸化バナジウムからテルミット法により生成したフェロバナジウムよりも格段に安価に製造出来るため、添加量を増加させたとしても、五酸化バナジウムからテルミット法により生成したフェロバナジウムを鉄鋼原料と使用した場合に比べてV添加コストは低価である。
また、Fe−V合金中の不純物としてのMo、Niは、バナジウムを添加するような鋼種では特に有害な作用を示さず、むしろ強度や耐食性を向上させることから、得られたFe−V合金を鉄鋼原料として使用しても何らの問題も生じない。また、自動車用鋼材のようにVを鋼中に微量添加する場合には、その微量添加されるFe−V合金中に不純物として含まれるMo、Niの添加量も僅少となり、Mo、Niの作用はほとんど無視でき、得られたFe−V合金を自動車用鋼材原料として使用しても何らの問題も生じない。
以下、本発明を、実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
石油精製工場より廃棄される脱硫廃触媒、発電所の重油焚きボイラーから排出されるボイラースラグおよび煙灰の3種類の廃棄物を原料として有用金属の回収を行った。これらの廃棄物の使用量および成分組成を表1に示す。
石油精製工場より廃棄される脱硫廃触媒、発電所の重油焚きボイラーから排出されるボイラースラグおよび煙灰の3種類の廃棄物を原料として有用金属の回収を行った。これらの廃棄物の使用量および成分組成を表1に示す。
これらの廃棄物をミキサーで軽く10分間混合した後、脱硫廃触媒中のSの酸化除去およびボイラーの煙灰中のNH3SO4の分解除去を目的として、ロータリーキルンで原料温度が650〜750℃になるよう調整しながら、約2時間焼成を行った。次いで、常温まで自然冷却した後、Fe源としてスケールを68kg、還元材としてコークスを55kg及びバインダーとしてベントナイト15kgを添加し、ボールミルにて全材料が0.03mmφ以下になるように粉砕を行った。次いで、小型皿型造粒機を用いて、水分を約10%添加しながら直径5〜10mmφ程度の生ペレットを約700kg製造した。
次いで、生ペレットを140kgずつに分け、試料No.1〜5としてテスト行った。先ず、生ペレット140kgをまとめてロータリーキルンに装入し、1250〜1280℃に加熱して固相還元を行った。得られた試料No.1〜5の重量および組成を後述の表2に示す。
ロータリーキルンにて固相還元された赤熱状態のペレットを直ちに高周波誘導炉Aに装入し、通電加熱により溶融してFe−Ni−Mo合金を生成した。次いで、静かに炉を傾けてメタルが排出されないように注意深く排滓し、得られたフラックスを溶融状態で高周波誘導炉Bに装入した。他方、メタルはそのまま高周波誘導炉A内に保持した。得られたメタルの重量および組成を後述の表3に示す。
次いで、高周波誘導炉A内のFe−Ni−Mo合金に1kgの生石灰と250gの螢石を投入し、ランスパイプを浴中に浸漬して気体酸素を吹き込み、脱P処理をして低P含有率のFe−Ni−Mo合金を得た。得られた合金の重量および組成を後述の表4に示す。
別に、高周波誘導加熱炉Bに移注されたVリッチなフラックス(推定重量80〜90kg)を、一定の流動性を確保するために、再び通電して加熱した。次いで、50%FeSiの小粒14.0kgを高周波誘導加熱炉Bに投入し、空気を遮断するため、加熱炉の蓋を閉め、Arを炉内に注入して攪拌しながらSiによるバナジウム還元を行った。また、バナジウム還元の完全を期すため、Siによる還元の完了後に、Alショット1.0kgを加熱炉内に投入して、Fe−V合金を得た。得られた合金の重量および組成を後述の表5に示す。
比較例1
実施例1において、Fe源としてスチールを添加しないこと以外は、実施例1と同様の条件にて操作を行った。生ペレット140kgを固相還元して得られた試料の量および組成を後述の表2に、電気炉で溶融還元して得られたFe−Ni−Mo合金の量および組成を後述の表3に、脱P処理したFe−Ni−Mo合金の量および組成を後述の表4に、および、Fe−V合金の量および組成を後述の表5に示す。実施例の試料No.1〜5との比較において、還元効率が低下しているのが明らかである。
実施例1において、Fe源としてスチールを添加しないこと以外は、実施例1と同様の条件にて操作を行った。生ペレット140kgを固相還元して得られた試料の量および組成を後述の表2に、電気炉で溶融還元して得られたFe−Ni−Mo合金の量および組成を後述の表3に、脱P処理したFe−Ni−Mo合金の量および組成を後述の表4に、および、Fe−V合金の量および組成を後述の表5に示す。実施例の試料No.1〜5との比較において、還元効率が低下しているのが明らかである。
1:ミキサー
2:ロータリーキルン
3:粉砕機
4:ペレタイザー
5:回転炉床炉
6:電気炉
7:AOD炉
8:鋳造装置
9:揺動取鍋
10:鋳造装置
11:鋳型
2:ロータリーキルン
3:粉砕機
4:ペレタイザー
5:回転炉床炉
6:電気炉
7:AOD炉
8:鋳造装置
9:揺動取鍋
10:鋳造装置
11:鋳型
Claims (7)
- 有用金属含有廃棄物を加熱、還元してメタルとVリッチなフラックスとを生成させる廃棄物からの有用金属の回収する方法において、有用金属含有廃棄物を鉄源および還元材と共に電気炉に装入し、溶融還元してFe、Ni、Moを主成分とするメタルとVリッチなフラックスとを生成させることを特徴とする有用金属含有廃棄物からの有用金属の回収方法。
- 溶融還元前に、有用金属含有廃棄物を450〜950℃に加熱して該廃棄物中のS分、N分およびC分を除去する請求項1に記載の回収方法。
- 溶融還元前に、有用金属含有廃棄物と鉄源と還元材とを混合、粉砕して粒状に成形する請求項1に記載の回収方法。
- 溶融還元前に、前記有用金属含有廃棄物と鉄源と還元材とを1150〜1350℃に加熱して廃棄物中のFe分、Ni分、Mo分を固相還元する請求項1に記載の回収方法。
- 溶融還元の際に、成分調整用バナジウム原料を添加する請求項1に記載の回収方法。
- 溶融還元で得られたメタルを更に脱P処理して低P含有率合金を生成させる請求項1〜4の何れかに記載の回収方法。
- 溶融還元で得られたVリッチなフラックス中のVを更に還元してFeーV合金を生成させる請求項1〜4の何れかに記載の回収方法。
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