JP4470888B2 - スラグフューミング方法 - Google Patents

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    • Y02P10/20Recycling

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、スラグフューミング方法に関し、さらに詳しくは、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出されるスラグを加熱還元し、亜鉛と鉛を揮発分離するスラグフューミング方法において、ヒ素及びアンチモン含有量が少ない亜鉛と鉛を含むダストと、安定的に土壌環境基準を満足するスラグとが得られ、かつ低処理コストであるスラグフューミング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
亜鉛、鉛製錬において、Imperial Smelting Processと呼ばれる亜鉛と鉛を同時に製錬する熔鉱炉法が広く用いられている。前記熔鉱炉法において熔鉱炉で発生するスラグの処理方法としては、該スラグを熔鉱炉の前床に導いて含銅粗鉛と炉鉄を粗分離した後に水砕して、セメント原料用等の製品スラグを得る方法が用いられている。この際、一般には、前記スラグは、亜鉛含有量が高く、かつ鉛とともにスパイスの成分であるヒ素、アンチモンその他の金属を含むため、スラグフューミング炉に装入してフューミングを行った後に水砕される。
【0003】
ところで、前記スラグフューミングとは、熔融状態のスラグを加熱還元することによって、スラグに含まれる亜鉛、鉛、ヒ素、アンチモン等の金属を揮発させるものである。これによって、スラグから亜鉛と鉛を回収するとともに不純物金属を除去することができるので、清浄化されたスラグが得られる。
ここで、スラグフューミング処理は、ガス吹き込み用のランス又は炉下部に羽口を備えた加熱炉を用いて行われる。例えば、ガス吹き込み用のランスを備えた炉を用いて、該炉内に装入したスラグにランスを浸漬してランス先端から重油、微粉炭等の炭素質燃料と空気を噴出させることにより、スラグ中の金属を還元し、揮発させる処理である。ここで、処理後のスラグは炉底部から抜き出され、一方、揮発された金属は炉頂部への移動の途中で空気を加えて酸化され、亜鉛と鉛を含むスラグフューミングダストとして回収される。
【0004】
しかしながら、従来、スラグフューミング処理では、低沸点で蒸気圧の高いヒ素、アンチモンなどの15族元素の金属は、回収の主目的金属である亜鉛、鉛とともに揮発され、回収した亜鉛と鉛を含むダスト中に濃縮される。その後、前記ダストは、例えば、上記熔鉱炉法の焼結工程に繰り返されるが、この場合に、これら15族元素は、焼結工程で揮発して排ガス処理系統への負荷を増加させるという問題、あるいは、焼結塊中に含まれて熔鉱炉内へ繰返されると高融点金属化合物であるスパイスを生成させる原因となって、熔鉱炉操業を困難にさせるという問題があった。
また、スラグフューミング処理の操業のばらつきにより、鉛又はヒ素といった有害元素がスラグ中に残留した場合には、上記清浄化されたスラグの溶出試験において、土壌環境基準を満足することができないという問題がおこる。したがって、安定的に土壌環境基準を満足するスラグが得られるスラグフューミング方法が望まれていた。
【0005】
この解決策として、スラグの改質方法が提案されており、代表的なものとしては、熔鉱炉産出のスラグを前床に導いて含銅粗鉛と炉鉄を粗分離した後、電気炉で加熱して含銅粗鉛と炉鉄を十分に沈降分離して、その後スラグフューミング炉で処理する2段処理法(例えば、特許文献1参照。)が挙げられる。しかしながら、この方法では、スラグ中の亜鉛、鉛及びヒ素の含有量及びスラグの土壌環境基準は満足されるが、一方、スラグフューミングダストへのヒ素とアンチモンの揮発は避けられず、このダストの焼結工程への繰返し処理に際してヒ素とアンチモンに伴ない生じる問題については根本的な解決策は得られないので、その処理コストを上昇させるという問題が残る。また、2段で処理することも処理コストを上昇させる要因となる。
【0006】
以上の状況から、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出されるスラグのスラグフューミング方法において、ヒ素及びアンチモン含有量が少ない亜鉛と鉛を含むダストが得られるとともに、安定的に土壌環境基準(環境庁告示第46号による溶出試験でのPb、As溶出量:各0.01mg/L以下)を満足するスラグが得られるスラグフューミング方法が求められている。
【特許文献1】
特開平11−269567号公報(第1頁、第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出されるスラグを加熱還元し、亜鉛と鉛を揮発分離するスラグフューミング方法において、ヒ素及びアンチモン含有量が少ない亜鉛と鉛を含むダストと、安定的に土壌環境基準を満足するスラグとが得られ、かつ低処理コストであるスラグフューミング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出される亜鉛、鉛及びヒ素を含有するスラグのスラグフューミング方法について、鋭意研究を重ねた結果、特定の条件でスラグと銅の融体を共存させてスラグフューミングを行ったところ、ヒ素及びアンチモン含有量が少ない亜鉛と鉛を含むダストが得られるとともに、安定的に土壌環境基凖を満足することができるスラグが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出される、亜鉛及び鉛とともにヒ素又はヒ素及びアンチモンを含有するスラグをスラグフューミング炉内で加熱還元し、亜鉛と鉛を揮発分離するスラグフューミング方法において、
前記スラグの融体に、1075〜1500℃の温度下で、前記炉中に装入するスラグ量に対して5〜100重量%であるとともに前記炉内の装入物中の鉛に対して100重量%以上である銅量を含有する銅融体を共存させながら、スラグ中に含有されるヒ素又はヒ素及びアンチモンとを反応させてCu−Fe−Pb−As系均一融体を形成し、その際、該Cu−Fe−Pb−As系均一融体中のFeの含有比率を、3.5〜31重量%とすることを特徴とするスラグフューミング方法が提供される。
【0010】
(削除)
【0011】
(削除)
【0012】
また、本発明の第発明によれば、第1の発明において、前記スラグ融体の酸素分圧は、次式に示す範囲に制御されることを特徴とするスラグフューミング方法が提供される。
−8>logPo>−11.5
(但し、式中、Poはatm単位によるスラグ中の酸素分圧を表し、かつ1400℃の温度基準に換算したものである。)
【0013】
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、銅融体として、Cu−Fe−Pb−As系均一融体を繰り返し用いることを特徴とするスラグフューミング方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明のスラグフューミング方法は、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出されるスラグのスラグフューミング方法において、ヒ素とアンチモンの含有量が少ない亜鉛と鉛を含むダストを得ることができるので、ダストの溶錬炉への繰り返しに際してヒ素とアンチモンの負荷を軽減しコストの削減に寄与する。また、スラグ中の鉛とヒ素を低減させ、かつ安定的に土壌環境基準を満足するスラグを得ることができるので、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[図1]図1は、銅−鉄二元系状態図である。
[図2]図2は、1200℃における銅−鉛−ヒ素三元系の状態図である。
[図3]図3は、実施例に用いたスラグフューミング装置の概念図である。
【符号の説明】
【0016】
1 雰囲気担保用窒素吹き込み管
2 ダスト回収用セラミック管
3 撹拌窒素用吹き込み管
4 測温用熱電対
5 セラミック外るつぼ
6 温度制御用熱電対
7 アルミナるつぼ
8 るつぼ保持用レンガ
9 電気炉
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のスラグフューミング方法を詳細に説明する。
本発明のスラグフューミング方法は、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出される、亜鉛及び鉛とともにヒ素又はヒ素及びアンチモンを含有するスラグをスラグフューミング炉内で加熱還元し、亜鉛と鉛を揮発分離するスラグフューミング方法において、前記スラグの融体に、1075〜1500℃の温度下で、前記炉中に装入するスラグ量に対して5〜100重量%であるとともに前記炉内の装入物中の鉛に対して100重量%以上である銅量を含有する銅融体を共存させながら、スラグ中に含有されるヒ素又はヒ素及びアンチモンとを反応させてCu−Fe−Pb−As系均一融体を形成することを特徴とする。
【0018】
本発明において、スラグのフューミングに際して、スラグ融体と所定量の銅融体を共存させて所定温度で保持し、該銅融体とスラグ中に含有されるヒ素又はヒ素及びアンチモンとを反応させて特定のCuに対するFeの含有比率を有するCu−Fe−Pb−As系均一融体(「銅合金の均一融体」と呼称することがある。)を形成させることに重要な意義を有する。これによって、ヒ素及びアンチモン含有量が少ない亜鉛と鉛を含むダストと、安定的に土壌環境基準を満足するスラグとが得られる。すなわち、ヒ素とアンチモンの揮発を抑制して、それらが安定して含有される銅合金の均一融体中に分配させることにより、揮発生成される亜鉛と鉛を含むダストと清浄化されたスラグの両者へのヒ素とアンチモンの分布を低減させることが達成される。
【0019】
ここで、前述した銅合金の均一融体の生成について、図面を用いて、より詳しく説明する。図1は、銅−鉄二元系状態図を示す。
図1より、例えば、1350℃では、銅中に鉄が約15%まで熔融し、均一融体となることが分かる。すなわち、鉄スパイスが金属状の銅と共存した際には、鉄スパイスは銅中に熔融し、一部の鉛とともに銅主体のCu−Fe−Pb−As系均一融体を生成することになる。また、高銅品位領域では、均一融体を形成する銅に対する鉄の溶解量は温度によって変化し、温度が高いほど溶解量は増加する。したがって、高温度で行うほど、少ない銅量でも処理が可能であるというメリットを有する。
【0020】
本発明のスラグフューミング方法としては、以下のような還元吹錬方法を用いて行うことができる。
例えば、ガス吹き込み用のランスを備えたスラグフューミング炉を用いて、炉内に装入したスラグ融体と銅融体の混合物中にランスを浸漬し、ランス先端から重油、天然ガス、微粉炭等と酸素含有ガスを噴出するガス吹錬を行なって、これらを混合撹拌するとともに、融体内を還元性雰囲気下にして、亜鉛、鉛、ヒ素、アンチモン等を金属状態へ還元する。ここで、金属化された亜鉛の大部分と鉛の一部を揮発させ、ダストとして回収する。
【0021】
一方、金属化されたヒ素とアンチモンは、蒸気圧が高いという性質の一方で鉄及び銅との親和力が強いという性質を有している。ここで、銅融体が共存すると、ヒ素とアンチモンは銅と反応する。この反応によりヒ素が銅中に溶融あるいは固溶すると、銅中のヒ素の活量はヒ素濃度が低い場合には著しく小さいので、その蒸気圧は低くなる。したがって、ヒ素は揮発することなく銅合金を形成しCu−Fe−Pb−As系均一融体中に含まれることになる。アンチモンに関しても、ヒ素と同様の挙動を示し、銅合金の均一融体中に含有される。
【0022】
本発明に用いるヒ素又はヒ素及びアンチモンを含むスラグとしては、特に限定されるものではなく、亜鉛、鉛のほかにヒ素又はヒ素及びアンチモンを含有する、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出された、熔錬炉において還元性雰囲気で形成されたスラグが用いられる。
【0023】
上記熔錬炉のスラグは、原料とフラックスの調合によって、例えば、FeO−SiO−Al−CaO−ZnO−PbO系の比較的低融点であるスラグ組成に調製される。そこで、スラグ温度は1200〜1350℃で操業される。このスラグには、多量の酸化物としての鉄が存在しており、例えば、上記熔鉱炉法の熔鉱炉内のような還元性雰囲気においては、局部的な強還元性によって生成された金属鉄と、ヒ素とアンチモンがスパイスを形成する。形成されたスパイスは、主に、スラグ層とメタル層の間に半溶融状又は固体状で存在する。したがって、熔錬炉から産出されたスラグには、スラグ中に混濁した状態でスパイスが存在する。
【0024】
この鉄スパイス中のヒ素とアンチモンは、著しく活量が低下しており、極めて安定化された状態にあることが知られている。そのため、ヒ素とアンチモンは、熔鉱炉内ののスラグ温度がそれらの金属の沸点以上である1200〜1350℃であることにもかかわらず、揮発せずにスパイス相として存在する。
【0025】
本発明で用いるスラグフューミングの温度としては、1075〜1500℃であり、1200〜1500℃が好ましく、1200〜1400℃がより好ましい。すなわち、銅融体とスラグ中に含有されるスパイスとを反応させてCu−Fe−Pb−As系均一融体を形成するためには、上記温度範囲が用いられる。温度が1075℃未満では、スラグの粘性が高すぎたり、あるいは固化するといった問題が生じる。一方、温度が1500℃を超えると、耐火物の損傷量が多くなるとともに、加熱のため必要とされる熱エネルギーが大きくなるという問題が生ずる。
【0026】
本発明で用いる銅融体としては、特に限定されるものではなく、スラグフューミングに際して、スラグフューミング炉内で還元性雰囲気下、1075〜1500℃の温度で鉄と均一融体を形成することができる銅含有物が用いられるが、例えば、金属銅のほか、銅スクラップ、及び銅製錬工程から得られる粗銅(銅品位98〜99重量%)等の中間物を熔融して用いることができる。
【0027】
本発明で用いる銅融体中の銅量は、下記の2つの要件を満たすように制御する。
(イ)前記炉中に装入するスラグ量に対して5〜100重量%
(ロ)前記炉への装入物中の鉛量に対して100重量%以上
【0028】
すなわち、(イ)の要件では、銅融体中の銅量が、前記炉中に装入するスラグ量に対して5重量%未満では、スラグ中のヒ素及びアンチモンと銅との接触が十分に図れないので、ヒ素及びアンチモンは銅合金の均一融体中に十分に固定されない。一方、銅融体中の銅量が、前記炉中に装入するスラグ量に対して100重量%を超えると、一度に炉内で処理することができるスラグ量が少なくなるので、処理効率を下げることになる。
また、銅合金の均一融体の形成において、銅スパイス相の生成が懸念されるが、上記のような過剰の銅量の添加条件では銅スパイス相の生成はおきない。
【0029】
(ロ)の要件では、銅融体中の銅量が、前記炉への装入物中の鉛量に対して100重量%未満では、鉛リッチ相が生成する。すなわち、上記熔鉱炉での実操業においては、通常、熔鉱炉の炉底部からスラグを一部の鉛と共に抜き出し、前床と呼ばれる保持容器等で鉛を分離する操作を行っている。しかしながら、得られるスラグ中には鉛が含有されている。したがって、銅融体を共存させてスラグフューミング処理を行った場合、形成される銅合金中の鉛量がある一定の割合以上になると、銅−ヒ素リッチ相(銅スパイス相)と鉛リッチ相に分離する。
【0030】
ここで、上記鉛リッチ相の生成条件を、図面を用いて、より詳しく説明する。図2は、1200℃における銅−鉛−ヒ素三元系の状態図(例えば、「資源と素材」1998年、第4号、p.218、第7図を参照。)を示す。
図2において、楕円形の領域の組成内では、スパイス相と鉛リッチ相の2液相分離範囲を形成することを示している。この鉛相が形成され炉内で別層となって存在すると、炉底部に蓄積して炉内体積を減少させる。また、鉛層が増えることにより、層間界面部の耐火物の侵食が大きくなる。したがって、鉛層を生成させることは実操業上好ましくない。
この領域以外では、最も鉛の割合が少なくて2相分離するヒ素を含まない銅−鉛合金の場合であっても、銅量が鉛量以上存在すれば、均一融体となることを示している。また、鉛を約10重量%含有する場合には、ヒ素を約20重量%含有する組成まではスパイス相は生成しないことが分かる。また、鉛品位がそれ以下であれば、銅メタル近傍ではスパイスが生成しないことが分かる。
【0031】
さらに、上記銅融体中の銅量は、特に限定されるものではないが、前記炉への装入物中のヒ素及びアンチモン量に対して100重量%以上であることが好ましい。すなわち、ヒ素及びアンチモンに対して銅量が少なすぎると、十分に固定できないという問題が生ずる。しかしながら、通常、銅融体中の銅量が、上記(イ)及び(ロ)の要件が満足されるとき、この要件も満たされる。
【0032】
本発明で用いるスラグフューミングの雰囲気としては、特に限定されるものではなく、亜鉛、鉛、ヒ素及びアンチモンを金属状態に還元することができる雰囲気が用いられるが、この中で、特に、−8>logPo>−11.5(但し、Poはatm単位によるスラグ中の酸素分圧を表し、かつ1400℃の温度基準に換算したものである。)で示す範囲の酸素分圧に制御することが好ましい。
【0033】
すなわち、Poが10−8atmを超えると、還元性が弱まるので、金属亜鉛の揮発が起りにくくなる。また、FeO−Fe平衡のPo依存性によって、高融点であるFeがスラグ中に増加してスラグの流動性が悪化するので、安定したスラグフューミング操業が困難になる。一方、Poが10−11.5atm未満では、Fe−FeO平衡のPo依存性によって、鉄が金属状態で安定になり炉鉄の生成が起り操業を阻害する。
【0034】
本発明のスラグフューミングに際しては、融体温度が1075〜1500℃であり、かつスラグ融体の酸素分圧が−8>logPo>−11.5(但し、POはatm単位によるスラグ中の酸素分圧を表し、かつ1400℃の温度基準に換算したものである。)を満たすことが、より好ましい。これによって、ヒ素とアンチモンを含む銅合金の均一融体を形成させるとともに、炉鉄の生成を抑えて、なおかつ亜鉛の大部分を揮発回収することができる。
【0035】
以上の条件でCu−Fe−Pb−As系均一融体が形成されるが、この中で、特に、該均一融体中のCuに対するFeの含有比率は、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは添加銅量を低減することができる5.0〜50重量%である。すなわち、スラグに対する銅の使用量は、前述のように、スラグに含まれるスパイスと反応して、1075〜1500℃の温度範囲においてCu−Fe−Pb−As系均一融体を形成する条件が選ばれるが、例えば、1200〜1500℃の温度範囲において該均一融体中への鉄の溶解量は銅に対して5〜50重量%である。
【0036】
本発明において得られる銅合金の均一融体の回収法としては、スラグフューミング炉内で比重差でスラグと分離し、該炉の傾転あるいはタッピングにより行なわれる。また、回収された銅合金は、例えば酸化雰囲気である銅製錬の転炉工程に投入することで、銅を回収するとともに、鉄をスラグとして除去し、鉛、ヒ素及びアンチモンをダストとして処理することが可能である。このように、既存プロセス工程での処理が可能であることから、回収された銅合金の処理におけるコストの上昇も非常に少なくてすむ。
【0037】
しかしながら、銅を大量に使用すると、コストの上昇につながるため、生成する銅合金の均一融体を新規の処理スラグに対して繰り返し使用して、使用銅量を最少にすることが望ましい。また、スラグ中のスパイスとの反応はスラグ融体と銅融体の接触度合に依存するので、1バッチあたりのスラグ量に対する銅量が多いほど好ましい。
したがって、1バッチあたりのスラグ量に対する銅量は、上記の銅に対する鉄の溶解量から求められる1バッチあたりの銅量以上を用いて、銅に対する鉄の溶解量が、5〜50重量%、さらに好ましくは5〜35重量%で飽和するまで新規スラグの複数バッチを繰り返し用いる方法が望ましい。上記銅融体の繰り返し使用は、ヒ素あるいは鉄が銅融体中へ固溶しなくなる、あるいは均一融体を形成できなくなるまで行うことができる。この際、ヒ素量に関しては、スラグ中の含有率が、通常、0.n重量%以下と低いので、事実上は鉄量によって制限される。また、銅融体中の鉄が飽和した場合でも、銅を継ぎ足すことで、その銅融体を継続して用いることができる。
【0038】
本発明において得られるスラグは、環境庁告示第46号による溶出試験において土壌環境基準(Pb、As溶出量:各0.01mg/L以下)を満足するスラグであり、セメント原料等へ好ましく使用することができる。
【実施例】
【0039】
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析方法は、ICP発光分析法で行った。
また、実施例及び比較例で用いた原料スラグは、熔鉱炉から産出されたスラグを用いた。表1にその化学組成を示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004470888
【0041】
また、実施例及び比較例で用いたスラグフューミング方法は、下記の通りである。
[スラグフューミング方法]
図3のスラグフューミング装置を用いた。図3に示すように、スラグフューミング装置は、外熱式の電気炉9によって加熱され、温度制御用熱電対6と雰囲気担保用窒素吹き込み管1によって温度と電気炉内雰囲気が制御される。
ここで、まず、反応に用いるアルミナるつぼ7に原料調合物を装入し、るつぼ保持用レンガ8の上に載せたセラミック外るつぼ5の中にアルミナるつぼ7を設置する。次に、加熱されて熔融状態の融体に撹拌窒素用吹き込み管3により窒素を吹きこみ、測温用熱電対4で反応温度を測定しながらスラグフューミングを行う。なお、発生するダストは、ダスト回収用セラミック管2を通じて、電気炉外部で回収される。
【0042】
(実施例1)
アルミナるつぼ内に、上記原料スラグ500gと金属銅(銅品位99.99重量%)100gとともに炉内への混入酸素による酸化分を考慮したコークス(全炭素品位87.5重量%)28gを添加した原料調合物を入れた。添加銅量は、原料スラグ重量の20重量%、及び装入物中の鉛量の1667重量%にあたる。次に、上記スラグフューミング方法にしたがって、窒素雰囲気下において1350℃に加熱し、熔融後30分保持した後、窒素ガスで浴内を50分撹拌した。撹拌終了後30分保持し、その後、スラグと銅合金をサンプリングした。また、揮発したダストを回収した。
このスラグフューミング処理操作後、アルミナるつぼを冷却し、スラグと銅合金を分離し回収した。次に、この銅合金とともに、新たな原料スラグ500gとコークス28gをアルミナるつぼ内に入れ、同様のフューミング操作を繰り返し行った。この操作を合計3回行った。その後、各操作で得られたスラグ、銅合金及びダストの化学組成を分析した。結果を表2に示す。また、各スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表3に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0004470888
【0044】
【表3】
Figure 0004470888
【0045】
表2より、3回の各操作は、本発明に基づいて行われたので、ヒ素とアンチモンが銅合金中に濃縮し、スラグ中の鉛とヒ素が低減し、かつヒ素とアンチモンはダストに分布しないことが分かる。また、得られた銅合金の繰り返しに際しても悪化は見られない。
表3より、3回の各操作は、本発明に基づいて行われたので、鉛とヒ素の溶出量が低減し、安定的に土壌環境基準(Pb、As溶出量:各0.01mg/L以下)を満足できることが分かる。
【0046】
(実施例2)
スラグフューミング処理操作において、2回目以降は銅合金層のサンプリングを行わず熔体のまま、全量次回の操作に繰り返したこと、及び操作の繰り返し回数が5回であること以外は実施例1と同様に行い、各操作で得られたスラグ及びダストの化学組成を分析した。結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
Figure 0004470888
【0048】
表4より、5回の各操作は、本発明に基づいて行われたので、スラグ中の鉛とヒ素が低減し、かつヒ素とアンチモンはダストに分配しないことが分かる。さらに、銅合金を熔体のまま連続的に繰り返し使用しても、分離性能が保たれることが分かる。
【0049】
(実施例3)
原料調合においてコークス量を42g用いたこと、及びスラグフューミング処理操作において、1400℃に加熱した以外は実施例1と同様に行い、操作で得られたスラグ、銅合金及びダストの化学組成を分析した。なお、繰り返し操作は行わなかった。結果を表5に示す。また、スラグに対し、環境庁告示46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表6に示す。
【0050】
(実施例4)
スラグフューミング処理操作において、1250℃に加熱した以外は実施例1と同様に行い、操作で得られたスラグ、銅合金及びダストの化学組成を分析した。なお、繰り返し操作は行わなかった。結果を表5に示す。また、スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表6に示す。
【0051】
(実施例5)
原料調合において金属銅(銅品位99.99重量%)量を250g(添加銅量は、原料スラグ重量の50重量%にあたる。)用いたこと以外は実施例1と同様に行い、操作で得られたスラグ、銅合金及びダストの化学組成を分析した。なお、繰り返し操作は行わなかった。結果を表5に示す。また、スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表6に示す。
【0052】
【表5】
Figure 0004470888
【0053】
【表6】
Figure 0004470888
【0054】
表5より、実施例3〜5は、本発明に基づいて行われたので、ヒ素とアンチモンが銅合金中に濃縮し、スラグ中の鉛とヒ素が低減し、かつヒ素とアンチモンはダストに分配しないことが分かる。
表6より、実施例3〜5は、本発明に基づいて行われたので、鉛とヒ素の溶出量が低減し、安定的に土壌環境基準(Pb、As溶出量:各0.01mg/L以下)を満足できることが分かる。
【0055】
(実施例6)
アルミナるつぼ内に、上記原料スラグ2000g、金属銅(銅品位99.99重量%)400g、及び炉内への混入酸素による酸化分を考慮したコークス(全炭素品位87.5重量%)40gを原料調合物として入れた。なお、添加銅量は、原料スラグ重量の20重量%、及び装入物中の鉛量の1667重量%にあたる。次に、上記スラグフューミング方法にしたがって、窒素雰囲気下において1400℃に加熱し、熔融後30分保持した後、窒素ガスで浴内を120分撹拌した。撹拌終了後、消耗型の酸素測定用プローブをスラグ中に浸漬させて酸素分圧を測定した。このときのスラグの酸素分圧(atm)は、logPO2で−9.6(1400℃換算値)であった。その後、60分保持してセトリングした後、冷却した。
次いで、スラグと銅合金をサンプリングし化学組成を分析した。また、揮発したダストを回収し化学組成を分析した。結果を表7に示す。また、得られたスラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表8に示す。なお、スラグ及び銅合金の生成量は、各々、1780g及び290gであった。
【0056】
(実施例7)
アルミナるつぼ内に、上記原料スラグ2000g、実施例6の操作にて得られた銅合金270g、所定量の金属銅(銅品位99.99重量%)及び炉内混入酸素による酸化分を考慮した40gのコークスを原料調合物として入れ、実施例6と同様の条件でスラグフューミングを行い、ダスト、スラグ及び銅合金を形成した。なお、全装入銅量を400gに調合した。その後、同様の操作を7回繰り返した。各8回の操作において、スラグの酸素分圧(atm)は、logPo で−9.4〜−10.1(1400℃換算値)であった。
次いで、第8回目の操作で得られたスラグ及び銅合金をサンプリングし化学組成を分析した。また、揮発したダストを回収し化学組成を分析した。結果を表7に示す。また、第8回目の操作で得られたスラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表8に示す。なお、第8回目の操作で得られたスラグ及び銅合金の生成量は、各々、1785g及び295gであった。
【0057】
(実施例8(参考例)
原料調合物のコークスの添加量が60gであること以外は実施例6と同様の条件で還元吹錬操作を行った。スラグの酸素分圧(atm)はlogPO2で−11.8(1400℃換算値)であった。その後、スラグ、銅合金及びダストをサンプリングし化学組成を分析した。なお、スラグの粘性は高かった。結果を表7に示す。
【0058】
Figure 0004470888
【0059】
表7より、実施例6又は7では、本発明の方法に従って行われたので、ヒ素、アンチモンが銅合金に濃縮しており、スラグへの鉛、ヒ素及びアンチモンの分配とダストへのヒ素及びアンチモンの分配が低いことが分かる。また、実施例7では、銅合金中の鉄が十分に少なく、銅合金を繰返し使用することができることが分かる。さらに、比較例4では、スラグの酸素分圧が低下すると銅合金中の鉄品位が上昇するとともに、スラグ中の鉄品位が低下することが分かる。これに伴ない、粘性が上昇したと見られる。
【0060】
Figure 0004470888
【0061】
表8より、実施例6又は7では、本発明の方法に従って行われたので、鉛とヒ素の溶出量が低下し、安定的に土壌環境基準を満足することができることが分かる。
【0062】
(比較例1)
原料調合物として上記原料スラグ500gのみを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、操作で得られたスラグ及びダストの化学組成を分析した。結果を表9に示す。また、スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表10に示す。
【0063】
【表9】
Figure 0004470888
【0064】
【表10】
Figure 0004470888
【0065】
表9、10より、銅融体の添加において本発明の条件と異なるので、スラグとダストへのヒ素と鉛の分布が大きく、また、スラグのヒ素と鉛の溶出量も土壌環境基準(Pb、As溶出量:各0.01mg/L以下)より高く、満足すべき結果が得られないことが分かる。
【0066】
(比較例2)
金属銅の添加量が80g(原料スラグ重量の4重量%にあたる。)である以外は実施例6と同様の条件でスラグフューミング処理操作を行った。その後、冷却後の試料の状態を観察したところ、銅合金の均一融体の形成が不十分で、鉄スパイスが銅に吸収された銅合金がスラグ中に分散した状態であった。
【0067】
(比較例3)
金属銅の代わりに、1250℃で溶融後に急冷して作成した銅−鉛合金(銅品位40重量%、鉛品位60重量%)400gを用いた以外は実施例6と同様の条件で還元吹錬操作に行った。なお、添加銅量は、原料スラグ重量の8重量%にあたり、また、装入物中の鉛量(銅−鉛合金中240g+原料スラグ中24g)の60重量%にあたる。その後、冷却後の試料の状態を観察したところ、スラグと銅合金の形成に加えて、るつぼ底部に鉛層が形成されていた。また、得られたスラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表11に示す。
【0068】
【表11】
Figure 0004470888
【0069】
表11より、銅融体の添加において本発明の条件と異なるので、スラグのヒ素と鉛の溶出量も土壌環境基準(Pb、As溶出量:各0.01mg/L以下)より高く、満足すべき結果が得られないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上より明らかなように、本発明のスラグフューミング方法は、亜鉛及び/又は鉛製錬における熔錬炉から産出されるスラグ、例えば熔鉱炉法により熔鉱炉から産出されるスラグを加熱還元し、亜鉛と鉛を揮発分離回収するスラグフューミング方法において、ヒ素とアンチモンの含有量が少ない亜鉛と鉛を含むダストを得ることができるので、ダストの溶錬炉への繰り返しに際してヒ素とアンチモンの負荷を軽減しコストの削減に寄与するものとして有用であり、また、スラグ中の鉛とヒ素を低減することができるスラグ改質方法として好適である。なお、改質されたスラグの用途は、セメント用材等多岐に渡るものである。

Claims (3)

  1. 亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出される、亜鉛及び鉛とともにヒ素又はヒ素及びアンチモンを含有するスラグをスラグフューミング炉内で加熱還元し、亜鉛と鉛を揮発分離するスラグフューミング方法において、
    前記スラグの融体に、1075〜1500℃の温度下で、前記炉中に装入するスラグ量に対して5〜100重量%であるとともに前記炉内の装入物中の鉛に対して100重量%以上である銅量を含有する銅融体を共存させながら、スラグ中に含有されるヒ素又はヒ素及びアンチモンとを反応させてCu−Fe−Pb−As系均一融体を形成し、その際、該Cu−Fe−Pb−As系均一融体中のFeの含有比率を、3.5〜31重量%とすることを特徴とするスラグフューミング方法。
  2. 前記スラグ融体の酸素分圧は、次式に示す範囲に制御されることを特徴とする請求項1に記載のスラグフューミング方法。
    −8>logPo>−11.5
    (但し、式中、Poはatm単位によるスラグ中の酸素分圧を表し、かつ1400℃の温度基準に換算したものである。)
  3. 銅融体として、Cu−Fe−Pb−As系均一融体を繰り返し用いることを特徴とする請求項1に記載のスラグフューミング方法。
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