JPH10121164A - 金属スカンジウムの脱酸素方法 - Google Patents

金属スカンジウムの脱酸素方法

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JPH10121164A
JPH10121164A JP26979096A JP26979096A JPH10121164A JP H10121164 A JPH10121164 A JP H10121164A JP 26979096 A JP26979096 A JP 26979096A JP 26979096 A JP26979096 A JP 26979096A JP H10121164 A JPH10121164 A JP H10121164A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低酸素スカンジウム金属の製造方法の提
供 【解決手段】 金属スカンジウムを低融点合金化し、そ
の融液にハロゲン化スカンジウム(ScX3:Xはハロゲ
ン)を接触させてSc中の酸素濃度を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属スカンジウム
の脱酸素方法に関する。
【0002】
【従来技術と問題点】スカンジウム(Sc)は、触媒や蛍
光体あるいは熱伝導材料の原料として幅広い応用が期待
されている元素である。また、アルミニウム(Al)にS
cを0.01〜1%程度含有させるとその強度が改善さ
れるため、最近ではAl系ターゲット材に添加して半導
体のゲート電極や配線の材料としても利用されている。
【0003】現在、スカンジウムの一般的な製造方法と
しては、スカンジウム鉱石から得られる酸化スカンジウ
ム(Sc23)をフッ酸で処理して難溶性のフッ化スカン
ジウム(ScF3)を沈殿させ、これを濾過し乾燥後、カ
ルシウムで還元する方法が行なわれている。しかし、ス
カンジウムは酸素との親和力が強いため、上記の製造方
法で得られる金属スカンジウムは最低でも2000ppm
程度の酸素を含有している。
【0004】しかし、スカンジウム中の酸素濃度が高い
とその性質に悪影響が出る場合が多い。例えば、配線材
料として用いる場合に、高酸素含有量は抵抗の増大を招
き、信号遅延や断線の原因となる。そこで、金属スカン
ジウム中の酸素濃度を低減する方法が求められている。
【0005】実験室的な方法としては、金属スカンジウ
ムをその融点(約1400℃)以上の1500℃程度まで加熱
し、真空中で蒸留する方法がある(F.H.Spedding et a
l. "The resistivity of scandium sigle crystals",
J. Less-Common Metals, 23, 263-270 (1971)) 。しか
し、このような方法は設備コストの点でもエネルギーコ
ストの点でも不利であり工業的な脱酸素方法としては適
さない。
【0006】スカンジウム以外の希土類元素に対して
は、希土類金属に対して対応する希土類フッ化物および
アルカリ土類フッ化物を添加して不活性ガス中または真
空中で加熱溶融し脱酸素を図る方法が提案されている
(特公平5-83622号)。しかし、上記文献においてもス
カンジウムはその対象外とされている。また、この方法
では、1500℃程度の高温でフッ化物を扱うため、た
とえ耐熱性の高いルツボ、例えば黒鉛ルツボやタンタル
ルツボを用いたとしても、ルツボの材料(例えば、Cや
Ta)が侵されて希土類金属中に混入するという新たな
問題が生じる。
【0007】
【発明の解決課題】本発明は、従来の金属スカンジウム
における上記問題を解決したものであり、効率的かつコ
スト的に有利な金属スカンジウムの脱酸素方法を提供す
るものである。
【0008】すなわち、本発明によれば以下の構成から
なる金属スカンジウムの脱酸素方法が提供される。 (1)金属スカンジウム(Sc)を低融点合金化し、その
融液にハロゲン化スカンジウム(ScX3:Xはハロゲ
ン)を接触させて金属スカンジウム中の酸素濃度を低減
する方法。 (2)金属スカンジウムにMg、Al、Ga、In、S
e、Te、Zn、Cdから選択される少なくとも1種の
金属を添加して低融点スカンジウム合金を形成する上記
(1)に記載の方法。 (3)塩素ガスで処理して酸素を除いたハロゲン化スカ
ンジウムを用いる上記(1)または(2)に記載の方法。 (4)ハロゲン化スカンジウムに塩化カルシウムおよび
/またはフッ化カルシウムを添加し、その融液に塩素ガ
スを導入して酸素を除いたハロゲン化スカンジウムを用
いる上記(1)または(2)に記載の方法。 (5)金属スカンジウムにMg、Se、Te、Znまた
はCdから選択される少なくとも1種の金属を添加して
低融点スカンジウム合金を形成し、その融液にハロゲン
化スカンジウム(ScX3:Xはハロゲン)を接触させて
金属スカンジウム中の酸素濃度を低減し、その後、上記
添加金属を真空分離する上記(1)に記載の方法。 (6) ハロゲン化スカンジウムがフッ化スカンジウム
(ScF3)である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方
法。
【0009】
【具体的な説明】(I)金属スカンジウム 本発明で処理する金属スカンジウム(金属Scと略記)は
どのような精練法により得られたものでもよい。上述し
た一般的製法、即ち、鉱石から得たSc23をフッ酸で
処理して難溶性のScF3を沈殿させ、これを濾過し乾
燥後、Ca等で還元する方法により得たものでも良く、
Sc23をフッ素以外のハロゲン化物、例えば塩化物に
転化した後、これを溶融塩電解して得たものでも良い。
また、イオン交換樹脂等を用いて回収したものでも良
く、或いは、これら以外の方法によるものでも良い。更
に、本発明の方法により酸素濃度を低減させた精製金属
Scからさらに酸素を除くことも可能である。
【0010】(II)合金形成元素 低融点スカンジウム合金を製造するために金属Scに添
加される合金形成元素(Y)は、脱酸素処理後に容易に金
属Scから除去することができる元素、またはScの使
用目的に鑑みて有害とならない金属元素である。前者の
例としては、Mg、Se、Te、Zn、Cd等が挙げら
れる。例えば、Mg(沸点:約1102℃)は真空蒸留により
揮発除去することができる。Zn(沸点:約907℃)等も
同様である。また、後者の例としては、Al、Ga、I
n等が挙げられる。例えば、Alに添加してターゲット
材に用いる場合には、Alの混入は通常は許容される。
【0011】(III)脱酸素方法 本発明の脱酸素方法は、(イ)低融点Sc合金の形成によ
る溶融化工程、(ロ)ScX3の予備処理工程、(ハ)脱酸素
工程、および必要に応じて行なわれる(ニ)脱合金化工程
を含む。(イ)合金形成による溶融化工程 金属Scに上記合金元素を添加することにより低融点S
c合金を生成させる。Scに対する添加量は、添加金属
の種類、あるいはScの使用目的などによって異なる
が、通常は、合金化した後の融点が900〜1300℃
程度まで低下するような量である。一般的には、重量で
50〜90%、好ましくは70〜80%の範囲である。
添加元素の量が少なすぎると融点が十分に低下しない。
過剰であると後工程での除去または脱酸素後の使用に問
題を生じる。
【0012】これらの金属は、予め精練により得られた
金属Scに加えてその合金化を図ってもよいが、金属S
cの製造プロセスにおいて、金属Scを単離することな
く、これらの金属元素との合金を製造しても良い。図1
にこのような例を示す。
【0013】図1に示す例では、原料となるSc23
まず塩酸で溶解する。次いでこの溶液に1〜3M程度の
フッ酸を添加しScF3を生成させる。易溶性のScC
3と異なりScF3は難溶性であるため沈殿するので、
これを濾別し乾燥する。しかる後、ScF3に低融点S
c合金を形成するためのZn-Ca合金をCaCl2と共
に添加し(図1の右上の工程)、溶融還元してSc-Zn
合金の融液を得る。このSc-Zn合金をそのまま脱酸
素工程(図1下の工程)に導くことにより、金属Scの製
造プロセス全体が簡略化できると共に溶融・凝固を繰返
す必要がないのでエネルギーコストの無駄が解消され
る。
【0014】なお、上記プロセスにおいて、CaCl2
は主として原料のScF3の融点を低下させるための添
加剤であり、通常はScF3に対して50〜90重量%
添加すればよい。CaCl2に代えて塩化マグネシウ
ム、フッ化カルシウムなどを用いてもよい。また、合金
形成材料として用いたZn-Ca合金は、低融点Sc合
金を形成する合金形成元素(Y)と原料のScF3に対し
て還元力を有する金属元素(Z)との組合わせであれば良
く、合金化したものに限らず、これらの金属元素Y、Z
を個々に共存させて用いても良い。合金形成元素(Y)は
先に述べたとおりであり、またScF3に対して還元力
を有する金属元素(Z)としてはCaの他にマグネシウム
(Mg)やリチウム(Li)などが用いられる。還元性金属(Z)
の添加量としては、原料のScF31当量に対して1.5
〜4当量程度が適当である。
【0015】(ロ)ScX3の予備処理工程 上記低融点Sc合金の融液にScX3を接触させること
により脱酸素が行なわれるが、これに先立ち、ScX3
をハロゲンガスによって予備処理し、ScX3中の酸素
を除去ないし低減しておくことが好ましい。一般に純粋
なScX3の合成は難しく、次亜ハロゲン酸塩(ScOx)
等が混在してしまう。このようなScX3を用いると、
金属Sc中の酸素量を1000ppm程度以下に低減する
のは難しい。そこで、脱酸素剤であるScX3に予めハ
ロゲンガス(塩素ガスあるいはフッ素ガス)を導入して次
亜ハロゲン酸塩等の酸素をガス化して離脱させる。
【0016】例えば、塩素ガスによる脱酸素は、乾燥し
た塩素ガス雰囲気下、800〜900℃程度に加熱し
た、ScX3を30〜60分程度維持することにより行
なうことができる。好ましくは、ScX3に対して70
〜90重量%のCaCl2および/またはCaF2を添加
して加熱(900〜1000℃程度)溶融し、これに乾燥した塩
素ガスを導入する。この混合物は、ScX3とCaCl2
ないしCaX2の混合融液であるが、そのまま脱酸素工
程に用いることが可能である。これらのカルシウム塩
は、脱酸素終了後、ScX3等を含むスラグ層を金属S
c層から剥離し易くする。
【0017】(ハ)脱酸素工程 Sc低融点合金の融液とScX3とを接触させることに
より、Sc低融点合金中の酸素を除去する。該合金中の
酸素は、次式に示すように純粋なScX3に吸収され、
ScOXとなって除去される。 O+ScX3 → ScOX + X2 Sc低融点合金融液とScX3との接触は任意の方法に
より行なうことができる。例えば、固体の上記Sc低融
点合金とScX3とを混合した上で加熱溶融してもよ
く、或いは該Sc低融点合金を加熱溶融後、ScX3
添加してもよい。エネルギーコストの点からは、上記
(イ)の工程において調製したSc合金を溶融状態のまま
脱酸素工程に導き、これに(ロ)の工程において調製した
ScX3(好ましくは、ScX3-CaCl2-CaF2)融液を加えて
ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下に混合・撹拌すること
が好ましい。
【0018】ScX3とSc低融点合金との混合比(S
cX3:Sc低融点合金)は、好ましくは2:3〜4:
1、より好ましくは1:1〜2:1程度である。なおS
cX3が上記カルシウム塩との混合物である場合には混
合物中のScX3の対して上記範囲のSc低融点合金が
適当である。この混合比が2:3未満では酸素除去効果
が十分に発揮されない。4:1を超えると効果が飽和
し、しかも反応容器等の設備のスケールに対して十分な
処理効果が発揮されない。
【0019】本発明の方法によれば、低融点Sc合金を
用いることにより、900〜1300℃程度の温度で脱
酸素処理を行なうことができる。この結果、黒鉛ルツボ
やTaルツボのような通常のルツボを用いてもルツボ成
分による汚染が進行することがない。また、上述のよう
に酸素を実質的に完全に除いたScX3を用いることに
より、金属Sc中の酸素濃度を500ppm程度以下まで
低減することが可能である。吸湿性が少なく取扱いが容
易であることから、ScX3としてはフッ化スカンジウ
ム(ScF3)が好ましい。
【0020】(ニ)脱合金化工程 合金形成元素がMg、Se、Te、ZnまたはCdから
選択される少なくとも1種の金属である場合には、通
常、上記脱酸素工程で得られた低酸素Sc合金からこれ
らの金属元素を真空分離によって容易に除去することが
できる。真空分離は上記Sc合金を真空中で約1000
〜1100℃に加熱することにより行う。真空分離によ
り合金成分のうちScを除く上記金属元素が揮発し、ス
ポンジ状の精製金属Scが得られる。
【0021】
【実施例および比較例】実施例1 酸化Sc粉末(純度:99.9%)37.8gを特級試薬の塩
酸250mlに溶解した後、イオン交換水を添加して30
0mlの塩化Sc水溶液とした。これに半導体級純度のフ
ッ化水素酸100mlを添加し、フッ化Sc沈殿を生成さ
せ、これを濾過回収後、300℃で乾燥してフッ化Sc
粉末53gを得た。このフッ化Sc粉末40gを用い、
金属カルシウム16g、亜鉛94g、塩化カルシウム8
8gと共に内容積500mlのタンタルルツボに入れ、ア
ルゴンガス雰囲気下に950℃で1時間反応させた。反
応終了後、同雰囲気内にて室温まで放冷して内容物を取
り出し、スラグ層(フラックス層)と合金層(Sc-Zn合金)
とを分離した。一方、同様にして得られたフッ化Sc3
0gを塩化カルシウム88gと共にグラッシーカーボン
ルツボに入れ、900℃に加熱して溶融し、この融体に
塩素ガスを200ml/minの割合で2時間吹き込み反応さ
せた。反応終了後、室温にてルツボを取り出し、フッ化
Sc-塩化Ca混合物を取り出した。さらに、上記Sc-
Zn合金とこのフッ化Sc-塩化Ca混合物とを内容積
500mlのタンタルルツボに入れ、再びアルゴンガス雰
囲気の反応容器内にて950℃で1時間反応させた。反
応終了後、室温にてルツボを取り出し、スラグ層とSc
-Zn合金層とを分離した。次いでアルゴン雰囲気のグ
ローブボックス中で上記合金92gを1cm程度に粉砕
し、再度タンタルルツボに入れて真空容器内で1000
℃で5時間加熱してZnを除去し、精製金属Scを得
た。原料Scと精製Sc中の酸素濃度を燃焼赤外吸収法
により測定したところ、原料中では2000ppmであっ
た酸素濃度が本発明の処理により450ppmまで低減で
きたことが確認された。
【0022】実施例2 実施例1と同様に調製したフッ化Sc粉末を40g、金
属カルシウム粒6g、純度99.999%のアルミニウム10
0g、塩化カルシウム120gと共に内容積500mlの
タンタルルツボに入れ、アルゴンガス雰囲気下に950
℃で1時間反応させた。反応終了後、同雰囲気内にて室
温まで放冷して内容物を取り出し、スラグ層(フラック
ス層)と合金層とを分離した。一方、同様にして得たフ
ッ化Sc30gを塩化カルシウム88gと共にグラッシ
ーカーボンルツボに入れ、900℃にて塩素ガスを20
0ml/minの割合で2時間融体に吹き込み反応させた。反
応終了後、室温にてルツボを取り出し、フッ化Sc-塩
化Ca混合物を取り出した。さらに、前述した合金層と
フッ化Sc-塩化Ca混合物とを内容積500mlのタン
タルルツボに入れ、再びアルゴンガス雰囲気の反応容器
内にて950℃で1時間反応させた。反応終了後、室温
にてルツボを取り出し、スラグ層と合金層とを分離し、
精製Sc-Al合金110gを得た。精製Sc-Al合金
中の酸素濃度を実施例1と同様にして測定したところ、
酸素濃度は700ppmであった。
【0023】実施例3 純度99.999%のアルミニウム300gに実施例1で得た
精製金属Sc3.6gを添加し、真空中800℃で溶融
し、鋳造した。得られた鋳塊を520℃で10時間保持
した後、圧延率80%の冷間圧延を施し、さらに420
℃で30分間の熱処理を施した。得られた素材を用いて
直径120mmφ、厚さ2mmのスパッタリングターゲット
を作成した。このターゲットを用い、スパッタリング法
およびリソグラフィー法により配線パターンを形成し
た。配線パターン中の各配線の幅は2μm、長さ3mm、
厚さ1μmとし、各試料ターゲット毎に10本づつの配
線を選定した。各配線に通電して加速信頼性試験を行な
った。試験条件は基板温度150℃、電流密度5×10
6 A/cm2とした。各試料ターゲットから得られる配線の
それぞれについて、断線が発生した本数の全体本数に対
する比率を算定し、配線の信頼性を評価した。結果を表
1に示す。
【0024】実施例4 実施例2で得た精製Sc-Al合金1.5gと純度99.999
%のアルミニウム300gとを真空中800℃で溶融し
た後、実施例3と同様にして配線を製造し、その信頼性
を調べた。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 市販の金属Sc(酸素濃度:2000ppm)を用いた他は実施例
3と同様の方法により配線の信頼性を試験した。結果を
表1に示す。
【0026】
【0027】この結果から明らかなように、本発明の酸
素含有量の少ない金属Scを用いたAl−Sc配線材料
は従来品に比べて断線発生率が半分以下であり、信頼性
に優れることがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば従来法では達成できなか
った数百ppm 程度の低い酸素濃度を容易に実現できるの
で、金属Scの本来の特徴を損なうことなく幅広い応用
が可能となる。特にAl−Sc配線材料として使用した
場合には従来品に比べて断線発生率や信号遅延が著しく
改善され、信頼性が高く電気特性に優れた製品が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による低酸素Scの製造プロセスを模式
的に示した流れ図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属スカンジウム(Sc)を低融点合金化
    し、その融液にハロゲン化スカンジウム(ScX3:Xは
    ハロゲン)を接触させて金属スカンジウム中の酸素濃度
    を低減する方法。
  2. 【請求項2】 金属スカンジウムにMg、Al、Ga、
    In、Se、Te、Zn、Cdから選択される少なくと
    も1種の金属を添加して低融点スカンジウム合金を形成
    する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 塩素ガスで処理して酸素を除いたハロゲ
    ン化スカンジウムを用いる請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化スカンジウムに塩化カルシウ
    ムおよび/またはフッ化カルシウムを添加し、その融液
    に塩素ガスを導入して酸素を除いたハロゲン化スカンジ
    ウムを用いる請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 金属スカンジウムにMg、Se、Te、
    ZnまたはCdから選択される少なくとも1種の金属を
    添加して低融点スカンジウム合金を形成し、その融液に
    ハロゲン化スカンジウム(ScX3:Xはハロゲン)を接
    触させて金属スカンジウム中の酸素濃度を低減し、その
    後、上記添加金属を真空分離する請求項1に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化スカンジウムがフッ化スカン
    ジウム(ScF3)である請求項1〜5のいずれかに記載
    の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102220503A (zh) * 2011-05-26 2011-10-19 中国地质科学院矿产综合利用研究所 钙热还原法制备铝钪中间合金的方法
CN102220502A (zh) * 2011-05-26 2011-10-19 中国地质科学院矿产综合利用研究所 一种铝钙合金热还原制备铝钪中间合金的方法
US11142809B2 (en) 2015-02-10 2021-10-12 Scandium International Mining Corp. Systems and processes for recovering scandium values from laterite ores

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