JP6027116B2 - 台タイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの基台となる台タイヤの製造方法に関し、特に、後工程においてトレッドゴムが配設される台タイヤの製造方法に関する。
タイヤの製造方法の1つに、タイヤにおける土台となる新品として製造した台タイヤとトレッドゴムとを個別に加硫成型し、トレッドゴムの貼付面である台タイヤの外周面に接着層を設けた上に帯状、又は円環状に加硫成形されたトレッドゴムを貼付して加硫することで、台タイヤとトレッドゴムとを一体にして製品としてのタイヤを製造する方法が知られている。トレッドゴムが貼付される台タイヤの外周面は、加硫成型時に滑らかな曲面状となって成型されるが、一度、その外周面をバフ掛けし、トレッドゴムを貼付するための貼付面を所定形状に成形した後に、貼付面にトレッドゴムを接着するための接着層を設けた上でトレッドゴムが配設される。
特開平08−230072号公報 特開2010−173139号公報 特開2011−025853号公報
しかしながら、台タイヤは、加硫成型後に外周面をバフ掛けにより削ることで所定形状の貼付面に成形されるが、バフ掛け後の貼付面からベルト層までの厚さに最適な厚さを確保するためには、バフ掛け前の外周面のゴム層に適切なバフ代を用意しておく必要がある。そのため、従来は、ベルト層のうち、半径方向最外に位置する最外ベルトよりもタイヤ半径方向へのゴム層の厚さを十分厚くしておくことによりバフ代を確保した上で、バフ掛け後の貼付面の形状及び厚さを調整しているが、バフ代の最適な条件を見出せていないのが現状である。例えば、ゴム層の厚さを厚くすれば、バフ掛け時の貼付面の形状や厚さが調整しやすくなる一方で、最適加硫や材料コストなどが犠牲となる。しかし、ゴム層の厚さを薄くしすぎるとバフ掛け時の貼付面の形状が限定されたり、バフ掛け後のゴム層の厚さを適切に確保することが困難になったり、貼付面に所定の形状が得られなくなる等の虞がある。
そこで、本発明では、加硫成型された台タイヤのバフ代が最適となるように、台タイヤのゴム層の厚さを設定することで、バフ掛け後の貼付面の形状を限定することなく、また、ゴム層の厚さを適切に確保できる台タイヤの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る台タイヤの製造方法として、ベルト層と、当該ベルト層の上部に設けられたトレッド配設用の所定幅の最外ゴム層と、当該最外ゴム層の幅方向両側に位置する端部ゴム部材とを有する台タイヤの製造方法であって、最外ゴム層の損失正接tanδを前記端部ゴム部材の損失正接tanδよりも低く設定するとともに、当該最外ゴム層のバフ掛け前の赤道部の厚さA1をバフ掛け後に得られる厚さA2の150%以下、かつ、前記厚さA2を1mm〜3.5mmに設定し、最外ゴム層及び端部ゴム部材を金型により加硫成型するので、従来よりもバフ掛け前の最外ゴム層の厚さA1が薄くなり、台タイヤを加硫成型するときの加硫時間を短縮することができる。また、台タイヤの加硫成型後に、トレッドを貼付するための貼付面をバフ掛けにより所定形状に成形するときの削除すべきバフ掛け量を低減することができるので、バフ掛けに要する時間を短縮することが可能となる。また、バフ掛け量を低減させたことにより、バフ掛け時に発生するバフかすの発生量を削減できるので、材料の無駄を抑制できる。
損失正接tanδは、転がり抵抗性能に関する指標であり、この数値が低いほど転がり抵抗性能が良いとされているが、損失正接tanδが低いと一般的に耐外傷性も低くなってしまう。このため、本発明においては最外ゴム層の損失正接tanδを、路面等との接触の虞のある端部ゴム部材の損失正接tanδよりも低く設定することで、転がり抵抗性能と耐外傷性を両立させている。
台タイヤの構成を示す断面図である。 台タイヤの拡大断面図である。 従来台タイヤ及び発明台タイヤの比較結果を纏めた表である。 発明台タイヤにおけるバフ掛け前後の好適な厚さの設定を検証した検証結果を纏めた表である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組合せのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、後工程においてトレッドゴム3が配設される本発明に係る台タイヤの製造方法により製造された台タイヤ2の幅方向における断面図の一例を示す。図1に示すように、台タイヤ2は、ビードコードと呼ばれるスチールコードを束ねたビードコア11と、スチールコードからなる補強コードをラジアル方向に配向したカーカス12と、スチールコードからなる補強コードをタイヤ周方向に対して傾斜、若しくは平行に配列して帯状に成形した複数のベルト13乃至16によって構成されるベルト層とを有する。ベルト13乃至16は、例えば、それぞれ異なる幅に形成されており、ベルト14が最も幅広である。このベルト層の上部には、トレッド配設用の所定幅の最外ゴム層からなる台トレッド20が、この台トレッド20の幅方向両側には、後述の端部ゴム部材が設けられている。
ベルト層の幅方向端部には、ベルト層における端部が隣接するゴム部材から剥離を防止するためのクッションゴム層を備える。クッションゴム層は、ベルト層の端部において、台タイヤ2の加硫成型後のベルト間の隙間を補填してベルト同士の一体性及びベルト層の端部近傍における他の部材との密着性を補償する部材である。詳細には、クッションゴム層は、ベルト層のうち、幅方向に最も幅広のベルト14よりも下側に位置するベルトアンダークッションゴム層23と、上側に位置するベルト間クッションゴム層24とに分けられる。ベルトアンダークッションゴム層23は、ベルト14の端部14a側において、端部14aを含むようにベルト14とカーカス12との間に配設され、台トレッド20のゴム部材の損失正接tanδよりも、損失正接tanδが低いゴム部材により構成される。
このように、ベルト層のうち最も幅の広いベルト14の端部14a側において、当該ベルト14と台トレッド20との間に、台トレッド20の硬さよりも柔らかいゴムからなるベルトアンダークッションゴム層23を備えることにより、タイヤ回転時の路面との接触によりトレッドから台タイヤ2にベルト14を変形させる力が入力されても、クッションゴム層の柔らかさによってベルト14の変形にクッションゴム層を追従させることができる。特に、最も幅の広いベルト14の端部が、当該ベルト14を包囲するベルトアンダークッションゴム層23及びベルト間クッションゴム層24に隣接するゴム部材から剥離することが抑制されるので、耐久性に優れた台タイヤ2とすることができる。
損失正接tanδは、転がり抵抗性能に関する指標であり、この数値が低いほど転がり抵抗性能が良いとされているが、前述のとおり、損失正接tanδが低いと、一般的に耐外傷性も低くなってしまう。そこで、最外ゴム層の損失正接tanδを、路面等との接触の虞のある端部ゴム部材の損失正接tanδよりも低く設定することで、転がり抵抗性能と耐外傷性を両立させることを可能とした。
ベルトアンダークッションゴム層23は、最も幅広なベルト14の端部14aよりも半径方向内側におけるカーカス12とベルト14との空間を補填するものであって、ベルト13、ベルト14、カーカス12、後述のサイドゴム19及び台トレッド20とに接合される。このように、ベルトアンダークッションゴム層23を設けることにより、タイヤ使用時における台タイヤ2に対するトレッドゴム3の変形にベルトアンダークッションゴム層23が追従させて、ベルト14が台トレッド20、サイドゴム19、カーカス12等から剥離することを防止することができる。
ベルト間クッションゴム層24は、ベルト14の端部14a側及びベルト15の端部15a側との間からベルト14の端部14a及びベルト15の端部15aを含み、ベルト15の半径方向表面側に周り込むようにベルト14の端部14a及びベルト15の端部15aを保護する。このベルト間クッションゴム層24には、台トレッド20の硬さよりも柔らかいゴム部材が適用される。なお、ゴム部材の硬さは、室温25℃におけるJIS−Aで規格された測定方法により測定されたものである。
即ち、ベルト間クッションゴム層24は、ベルト層のうち最も幅の広いベルト14の端部14a近傍において、ベルト14の端部14aと上層に位置するベルト15の端部15aとを包囲して、ベルト15の半径方向外側の表面と密着する。このように、ベルト間クッションゴム層24を設けることにより、タイヤとしての使用時に、台タイヤ2に対するトレッドゴム3の変形にベルト間クッションゴム層24が追従することで、ベルト15が台トレッド20や幅広なベルト14から剥離することを防止できる。
なお、クッションゴム層を構成するベルトアンダークッションゴム層23及びベルト間クッションゴム層24は、上記条件を満たすことが可能な場合には、同一の組成からなるゴム部材によって構成しても良い。
このベルトアンダークッションゴム層23及びベルト間クッションゴム層24により構成されるクッションゴム層、後述のサイドゴム19及びミニサイドゴム21によりベルト層の幅方向端部側に位置してベルト層の端部を補強する端部補強ゴム層を形成する。
また、台タイヤ2は、ビードコア11を補強するビードフィラー17と、カーカス12の内周面を覆うインナーライナー18と、台タイヤ側面に対応する位置のカーカス12を覆うサイドゴム19と、ベルト層を被覆するとともにトレッドゴム3が配設される台トレッド20とを備える。
台トレッド20は、ゴムを主体として構成される最外ゴム層であって、この台トレッド20の幅方向両端には、ミニサイドゴム21が設けられる。ミニサイドゴム21は、台トレッド20の幅方向両端部が台タイヤ2の表面に露出しないように覆い、保護するための端部ゴム部材であって、サイドゴム19の半径方向上端において連接して台トレッド20の側面を覆う。このミニサイドゴム21は、台タイヤ2のハンプ部において外周面2aとサイド面とに露出している。なお、ハンプ部とは、台タイヤ2におけるトレッド領域T1とサイド領域T2とが連接する境界近傍を示す。
したがって、台タイヤ2における外周面2aは、台トレッド20とミニサイドゴム21とにより構成され、この台トレッド20及びミニサイドゴム21の上に加硫済みのトレッド、又は未加硫のトレッドが後工程において貼付される。
なお、上記図1に示した台タイヤ2の断面図は、トラックバス用タイヤの構造を一例として採用したもので、本発明は乗用車用タイヤ、航空機用タイヤ、建設車両用タイヤなどタイヤ用途に限定されない。
上記台タイヤ2は、加硫前に生台タイヤとして次のように成形される。まず、円筒状の成形ドラムにインナーライナー18となる未加硫のシート状のインナーライナーゴムを円周方向に沿って巻き回し、当該インナーライナーゴムの外周上にカーカス12となる未加硫のシート状のカーカス部材を巻き回して配設される。
次に、あらかじめ環状に成形されたビードコア11及びビードフィラー17を成形ドラムの両端側からカーカス部材の外周上の両端側に嵌装し、ビードコア11及びビードフィラー17に巻き付けるようにカーカス部材の端部側を折り返し、台タイヤ2におけるビード領域T3が形成される。
次に、左右のビード領域T3から台タイヤ2のサイド領域T2に相当する位置に、サイドゴム19を形成する帯状のサイドウォールゴムを巻き回してカーカス部材上に積層し、カーカス部材上の台タイヤ2におけるベルト層のうち最も幅広なベルト14の端部14a;14aに対応する位置にベルトアンダークッションゴム層23が巻き回される。
次に、成形ドラムに内蔵される膨出手段であるブラダーを動作させて、上記積層された部材群の幅方向中央を膨出させてトロイダル状に成形し、最も膨出したカーカス部材中央の外周に、帯状に成形されたベルト13乃至16となる未加硫のベルト部材を順次巻き回して積層することでベルト層が形成される。このベルト層の最も幅広なベルト14の端部14a;14aとベルト15の端部15a;15aとに跨るようにベルト間クッションゴム層24が巻き回される。
次に、台トレッド20となるベルト層の幅よりも幅広な帯状の未加硫の台トレッドゴムを左右のサイドウォールゴムの端部と重なるようにベルト層上に巻き回して積層する。この台トレッドゴムは、加硫成型後に台タイヤ2の半径方向最外に位置する最外ゴム層としての台トレッド20となる。台トレッドゴムの幅方向端部に、ミニサイドゴム21となるミニサイド生ゴムを、台トレッドゴムの端部両側とサイドウォールゴムとに掛け渡すようにベルトアンダークッションゴム層23及びベルト間クッションゴム層24上に巻き付けることで生台タイヤが成形される。
この、生台タイヤは、図外の加硫成型装置に投入されて、金型により加硫成型されることで台タイヤ2となる。生台タイヤの外周面を成型する金型の成型面には、トレッドパターン等の溝を形成する凹凸が形成されておらず、所定の曲率を持った滑らかな曲面状となっている。例えば、加硫成型後の台タイヤ2の外周面2aは、幅方向の断面形状において、少なくとも大きさが500mm乃至2500mmの曲率半径を有する円弧を含むように成型される。台タイヤ2の外周面2aは、例えば、ひとつの曲率半径からなる円弧、若しくは大きさの異なる円弧を複数選択し、これら複数の円弧を組み合わせた曲面形状に加硫成型される。
即ち、金型により成型された外周面2aは、幅方向の断面形状において、上記範囲の曲率半径からなる円弧を少なくとも1つは含み、この円弧の中心が台タイヤ2の赤道面上のタイヤ回転中心軸側に設定され、かつ、円弧が台タイヤ2の幅方向に延長するように成型される。
例えば、単一の曲率半径からなる円弧で外周面2aを成型する場合には、この円弧の円弧中心を台タイヤ2の赤道面上に設けて、1つの円弧を台タイヤ2の幅方向に延長する。
また、曲率半径が500mm〜2500mmの範囲から大きさの異なる曲率半径の2つの円弧で外周面2aを成型する場合には、選択された2つの円弧のうち、曲率半径の大きい円弧で外周面2aの中央部を成型し、この曲率半径の大きな円弧の両端から外側を曲率半径の小さな円弧で成型するように設定する。この場合においても、単一の曲率半径からなる円弧で外周面2aを成型するときと同様に、幅方向断面において、曲率半径の大きな円弧及び曲率半径の小さな円弧の円弧中心が台タイヤ2の赤道面上のタイヤ回転中心軸側に設定して、曲率半径の大きな円弧及び曲率半径の小さな円弧が台タイヤ2の幅方向に延長するように外周面2aを成型する。なお、外周面2aの中央部に成型される大きな曲率半径の円弧の幅は、トレッド幅に対して50%〜70%の範囲とする。
また、曲率半径が500mm〜2500mmの範囲から大きさの異なる曲率半径の複数の円弧を選択して成型する場合には、選択した複数の円弧のうち、曲率半径の大きさが最も大きい円弧を幅方向の中央に設定してトレッド幅に対して50%〜70%の範囲で成型し、この大きい円弧の両端側に、上記最も大きい円弧よりも曲率半径が小さい円弧を半径方向外側に漸次接続するように設定すれば良い。なお、この場合においても、選択された複数の円弧の円弧中心は、赤道面上のタイヤ回転中心軸側に設定される。
好ましくは、外周面2aの成型において、曲率半径が900mmを超える大きさの円弧を少なくとも幅方向断面における中央部に成型しておけば、後工程での接着層の形成(バフ掛け)やトレッドの配設における作業性等を向上させるとともに、バフ掛け時のバフ掛け量(切削量)を少なくして、台トレッド20とトレッドゴム3との接着面積が大きくなるように貼付面を成形することができる。
上記ミニサイドゴム21とサイドゴム19と台トレッド20とは、それぞれ異なる組成のゴム材料によって構成される。例えば、サイド領域T2を形成するサイドゴム19と、台トレッド20とに異なる材料を用いることにより、台タイヤ2における各部位の性能に特化したものとすることができる。
即ち、ミニサイドゴム21やサイドゴム19には、耐カット性に優れた硬度の高いゴムを用い、台トレッド20には加硫接着性が高くミニサイドゴム21やサイドゴム19よりも柔らかいゴムを用いることでベルト層に対するクッション性を確保することができる。詳細には、台トレッド20は、当該台トレッド20のゴム特性である損失正接tanδが、隣接するゴム部材のミニサイドゴム21、サイドゴム19、ベルトアンダークッションゴム層23及びベルト間クッションゴム層24の損失正接tanδよりも低いゴム部材で構成される。
また、操縦性を向上させるために剛性の高いゴム性能を有するものや乗心地性を向上させるために剛性の低いゴム性能を有するものをサイドゴム19や台トレッド20に適用することにより製造する台タイヤ2の特性に対応させるようにしても良い。
また、ミニサイドゴム21とサイドゴム19とは、同じ組成のゴム材料により一体に構成しても良い。
本例では、トレッド領域T1は、最も幅広なベルト14の両端部14a,14aの間を示し、具体的には、台タイヤ2の内周面2bから延長する法線のうち、ベルト14の端部14aを通る法線が台タイヤ2の外周面2aと交差する範囲をいう。
また、サイド領域T2は、ベルト14の端部14aからタイヤ内径の縁部Baまでの間を示す。また、ビード領域T3は、サイド領域T2においてビードフィラー17の上端からタイヤ内径の縁部Baまでの間を示す。即ち、ビード領域T3は、サイド領域T2内に含まれるものとする。なお、台タイヤ2がビードフィラー17が使用されていない場合には、ビード領域T3はビードコア11上端からタイヤ内径の縁部Baまでの間を示す。また、ビードコア11を備えていない場合は、ビードコア11に相当するビード上端からタイヤ内径の縁部Baまでの間を示す。
また、タイヤにおける厚さとは、台タイヤ2における断面厚さを示し、タイヤサイズにおける適用リムにタイヤを装着した大気圧状態において、タイヤ幅方向断面のタイヤ径方向最内面と直交する仮想線を設け、仮想線におけるタイヤ径方向最内面とタイヤ径方向最外面の交点を結んだ距離を指す。
したがって、トレッド領域T1のトレッド厚さは、トレッド領域T1における幅方向中心位置である赤道部31の厚さを指し、サイド領域T2のサイド厚さは、サイド領域T2における最薄部を指し、ビード領域T3のビード厚さは、ビードコア11より径方向外側かつビード領域T3の最厚部を指す。なお、ビードコア11がない場合は、ビード領域T3の最厚部を指す。また、ハンプ厚さC1(図2参照)は、トレッド領域T1とサイド領域T2とが接続される点とタイヤ内周面までの距離を指す。
つまり、上記生台タイヤは、トレッド領域T1にトレッドゴム3を備えていない以外は、一般的なタイヤ製造方法により製造されるタイヤと同一の構造を有している。一般的なタイヤ製造方法とは、生台タイヤの台トレッド20上に未加硫のトレッドゴムを配設した状態で、加硫成型装置に投入して、トレッドパターンとともにタイヤ全体を加硫成型する方法である。
生台タイヤは、トレッドゴムを配設しない状態で図外の加硫成型装置により加硫される。なお、上記台タイヤ2の製造方法の他、タイヤ内面形状をした金型に部材を配置した後、外側金型で部材を覆い加硫成型して本発明の台タイヤ2を製造するようにしても良い。
加硫成型された台タイヤ2の外周面2aを形成する台トレッド20及びミニサイドゴム21は、金型により所定の形状に成型されることになる。即ち、加硫成型後の台トレッド20には、後工程におけるバフ掛けによりトレッドゴム3の貼付面を成形するための所定の厚さのバフ代が形成される。したがって、バフ掛け前の最外ゴム層としての台トレッド20の厚さA1(図2参照)は、このバフ代の分だけ肉厚となってあらかじめ成形されている。
最外ゴム層としての台トレッド20のバフ代は、図2に示す通り、台タイヤ2における赤道部(幅方向中心部)31のバフ掛け前の厚さ(最外ベルト16から台トレッド20の表面までの厚さ)A1において、バフ掛け後に得る厚さA2の150%以下となるように設定されている。すなわち、最外ゴム層としての台トレッド20の、台タイヤ2における赤道部31のバフ掛け前の厚さA1が、バフ掛け後に得る厚さA2の150%以下となるように設定されている。また、このときのバフ掛け後の赤道部31における厚さA2は1mm〜4mmの範囲で設定される。したがって、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2を1mm〜4mmの範囲で設定した場合のバフ掛け前の赤道部31におけるベルト16から台トレッド20の表面までの厚さA1は、6.0mm以下となる。
また、赤道部31におけるバフ掛け前の厚さA1の下限は、バフ掛け後の厚さA2の110%に設定されている。即ち、台トレッド20のバフ掛け後の厚さA2の許容できる範囲が1mm〜4mmであるから、厚さA1の下限として、バフ掛け後の厚さA2が1mmのときを採用して、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1を1.1mm以上とすることで、バフ掛け時のバフ形状の自由度を確保できる。このようにバフ掛け前の台トレッド20における赤道部31の厚さA1の下限を設定しておくことで、厚さA1を薄く設定し過ぎて、バフ掛け時のバフ形状の設定の自由度が損なわれることを防止できる。例えば、バフ掛け前の厚さA1がバフ掛け後の厚さA2×110%よりも小さい場合には、バフ掛け時の曲率半径Rを所定の範囲から設定できずに表面形状が略平坦となり、台タイヤ2とトレッドとの貼付面積を広げることができなくなってしまう。この場合、バフ掛け後の外周面2aを所定形状とすることができないため、後工程においてトレッドを貼付しても最適なタイヤ性能が得られる接地形状から逸脱したものとなってしまう。
したがって、赤道部31におけるバフ掛け前の厚さA1に設定可能な範囲は、1.1mm以上6.0mm以下となる。
また、複数のベルトのうち13乃至16のうちハンプ部に近接し、外周面2aに最も近接する台トレッド20のベルト15の端部15a;15aにおける外周面2aから端部15aまでのバフ掛け前の厚さB1は、バフ掛け前の赤道部31における台トレッド20の厚さA1の±3mmで設定すると良い。
例えば、バフ掛け前の赤道部31における台トレッド20の厚さA1が最も厚く設定されたときには、端部15aにおける厚さB1をA1−3mmに設定し、バフ掛け前の赤道部31における台トレッド20の厚さA1が最も薄く設定されたときには、厚さB1をA1+3mmに設定する。具体的には、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1は、1.1mm〜6.0mmで設定されることから、赤道部31における厚さA1が6.0mmのときには、端部15aにおける厚さB1を6.0mm−3.0mm=3.0mmとすることで、バフ掛け時に発生するバフかすの発生量を抑制することができ、厚さA1が1.1mmのときには、端部15aにおける厚さB1を1.1mm+3mm=4.1mmに設定することで、バフ掛け後の赤道部31の厚さA2を薄く設定しても、バフ掛け時に設定可能な曲率半径Rを複数の範囲から選択することが可能となる。
即ち、バフ掛け前のベルト15の端部15aに対応する位置の台トレッド20の厚さB1は、バフ掛け前の赤道部31の厚さA1に依存し、この厚さA1が最薄の厚さよりも厚く設定される毎に、厚さB1を漸次薄くするように設定される。つまり、赤道部31に設定される厚さA1に対して端部15aにおける厚さB1が反比例するように設定することで、トレッドの貼付面を最適な形状でバフ掛けすることができる。
なお、端部15aにおける厚さB1の設定は、上記例に限定されず、厚さA1の上限値に対して±3mmの範囲から設定しても良い。また、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1の下限値1.1mmに対しては、バフ掛け前の端部15aにおける厚さB1が少なくとも0mmよりも大きくなるように±3mmの範囲から設定すれば良い。好ましくは、バフ掛け前のベルト15の端部15aにおける厚さB1は、赤道部31の厚さA1の±10%、より好ましくは、赤道部31の厚さA1と同じ厚さに設定すると良い。
また、バフ掛け後のベルト15の端部15aにおける厚さは、1mm〜3mmとなるように設定される。バフ掛け後の端部15aにおける厚さを薄く設定しすぎるとベルトの露出につながり、厚く設定しすぎると台タイヤの重量が増加して転がり抵抗を悪化させてしまう虞があるため、上記範囲の1mm〜3mmの厚さが残るようにバフ掛けすると良い。つまり、バフ掛け後のベルト15の端部15aにおける厚さは、実質的に2mm前後で設定すると良い。
なお、バフ掛け後の赤道部31及び端部15aの上記範囲における厚さの設定によっては、端部15aを包囲するように設けられたベルト間クッションゴム層24の台トレッド20側にはみ出た領域が、台トレッド20とともにバフ掛けされる場合もある。
上記所定の曲率半径で加硫成型された台タイヤ2の外周面2aは、バフ掛け後のタイヤ幅方向の断面視において、最外ゴム層の表面形状が、少なくとも500mm〜2500mmの範囲の曲率半径Rで設定される円弧によってバフ掛けされる。具体的には、バフ掛け後の赤道部31に1mm〜4mmの厚さ、端部15aに1mm〜3mmの厚さを残すように、曲率半径Rが500mm〜2500mmの範囲の曲率半径Rを有する1つの円弧、又は、大きさの異なる円弧を複数組み合わせた表面形状となるようにバフ掛けされる。バフ掛けに設定される円弧は、台タイヤ2の断面形状において、台タイヤ2の回転中心側、かつ赤道面上に円弧中心が設定され、バフ掛けするときの円弧がタイヤ幅方向に延長するように設定される。
例えば、曲率半径Rが500mm〜2500mmの範囲から選択された1つの大きさからなる曲率半径Rの円弧によりバフ掛けする場合、円弧の頂部が赤道部31に位置するようにバフ掛けする。このように、バフ掛けすることにより、直線的な断面形状に比べてトレッドを貼付するときの貼付面積を大きくすることができる。また、台トレッド20の表面を上記形状とすることで、台トレッド20をバフ掛けするときのタイヤ半径方向へのバフ掛け量が少なくなるので、部分的に曲率半径を大きくするようなバフ掛けが不要となるとともに、バフ掛け時の総バフ量を少なくすることができる。つまりバフ掛けにともなう切削ゴミ(バフかす)の発生量を少なくするとともにバフ掛けに要する時間を短縮することができるので台タイヤ2の生産性を向上させることができる。
また、外周面2aをバフ掛けするときに、曲率半径Rが500mm〜2500mmの範囲から大きさの異なる曲率半径Rの2つの円弧を選択してバフ掛けする場合、選択された円弧のうち、曲率半径Rの大きい円弧の中心を赤道面上に設定して、外周面2aの中央部をトレッド幅に対して50%〜70%の範囲でバフ掛けし、さらに、曲率半径Rの小さい円弧の中心を赤道面上に設定して、上記大きい円弧の両端から幅方向外側にかけてバフ掛けする。
また、外周面2aをバフ掛けするときに、曲率半径Rが500mm〜2500mmの範囲から大きさの異なる曲率半径Rの複数の円弧を選択してバフ掛けする場合には、選択した円弧のうち、曲率半径Rの大きさが、最も大きい円弧を外周面2aの幅方向の中央部に、トレッド幅に対して50%〜70%の範囲で設定し、この大きい円弧の両端側に、上記最も大きい円弧よりも曲率半径の小さい円弧を漸次幅方向外側に接続するように設定される。なお、この場合においても、各選択された円弧の中心は、赤道面上に位置するように、異なる大きさの円弧を接続すれば良い。上記中央部に設定される円弧は、円弧の頂部が赤道部31に一致するように設定される。
外周面2aのバフ掛けにおいて、好ましくは、曲率半径が900mmを超える円弧となるように、中央部をバフ掛けすることで、接着層の形成(バフ掛け)やトレッドの配設における作業性等を向上させながら、バフ掛け時のバフ掛け量(切削量)を少なくして、台トレッド20とトレッドゴム3との接着面積が大きくなるように貼付面を成形することができる。
また、上記のように、台トレッド20のバフ掛け前の厚さA1を設定することで、台タイヤ2自身を加硫成型するときの加硫時間を短縮することができる。また、バフ代があらかじめ制御されているため、バフ掛け時のバフ掛け量を低減するとともに、バフ掛けに要する時間を短縮することができる。
したがって、バフ掛け前の台トレッド20の赤道部31の厚さA1とベルト15の端部15aに対応する位置の厚さB1との変化を少なくすることにより、バフ掛け量を少なく設定できるので、バフ掛けに要する時間を短縮するとともにバフ掛け時のバフかすの発生量も少なくなり、バフ掛け時の生産性を向上させることができる。
図3は、本発明の効果を検証するために、上記範囲内で成形した発明台タイヤ及び従来の寸法で成形された従来台タイヤとのバフ掛け前の赤道部31における厚さA1、ベルト15の端部15aの厚さB1、ハンプ部の厚さC1の寸法を纏めた表である。
図3に示すように、従来台タイヤには、タイヤサイズ11R22.5、赤道部31の台トレッド20の厚さA1を14mm、ベルト15の端部15aの厚さB1を14mm、ハンプ厚さC1を38.0mmとなるように加硫成型したものを用いた。また、本発明に係る発明台タイヤには、タイヤサイズ275/80R22.5、赤道部31の台トレッド20の厚さA1を6mm、ベルト15の端部15aにおける厚さB1を6mm、ハンプ厚さC1を28.0mmとなるように加硫成型したものを用いた。
従来台タイヤのベルト15の幅が185mm、発明台タイヤのベルト15の幅が190mmである。なお、従来台タイヤ及び発明台タイヤは、幅方向断面における外周面2aの表面形状がほぼ同じ曲率半径の円弧で成型されている。
まず、従来台タイヤ及び発明台タイヤの加硫時間や設定可能なバフ掛け条件について比較した。ここで、設定可能なバフ掛け条件とは、バフ掛け時に設定できる円弧の曲率半径R及びバフ掛け可能な厚さをいう。
従来台タイヤは、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1及び端部15aにおける厚さが14mmと厚いため、バフ掛け時に許容される円弧の曲率半径Rの範囲を500mmからフラットまで幅広い条件を設定することができる。また、上記範囲の曲率半径Rでバフ掛けするときに設定可能な赤道部31のバフ掛け後の厚さA2は、1.6mm〜10mmの範囲で可能となる。
バフ掛け後の台トレッド20の赤道部31における厚さA2を下限値の1.6mmにバフ掛けできる曲率半径Rは、曲率半径Rの上限値である平坦に設定されたときであり、上限値の10.0mmにバフ掛けできる曲率半径Rは、バフ掛け前の外周面2aが成型された曲率半径よりも大きい曲率半径でバフ掛けしたときに可能である。
つまり、この従来台タイヤは、バフ掛け可能な円弧の曲率半径Rの範囲が500mm〜平坦状(flat)までと最も広い範囲で設定可能であり、さらに、バフ掛け後の台トレッド20の厚さA2を1.6mmから10.0mmまでの広範囲で設定できるものの、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1及び端部15aにおける厚さB1が14mmと厚いため、台タイヤとしての加硫成型時の加硫時間が長くなってしまう。
発明台タイヤは、設定可能なバフ掛け条件において、赤道部31における厚さA1及び端部15aにおける厚さB1が6mmに設定されているため、バフ掛け時に許容される円弧の曲率半径Rの範囲が500mmから2500mmであり、バフ掛け後に設定できる台トレッド20の赤道部31における厚さA2が1.0mmから4.0mmの範囲となる。
バフ掛け後の台トレッド20の赤道部31における厚さA2を下限値の1mmにバフ掛けできる曲率半径Rは、曲率半径Rの上限値である2500mmであり、上限値の4.0mmにバフ掛けできる曲率半径Rは、曲率半径Rの下限値である500mmに設定したときである。
本実施例の発明台タイヤは、設定可能なバフ掛け条件において、バフ掛け時に許容される曲率半径Rの範囲が500mmから2500mmまでとなり、従来台タイヤに比べてその範囲は狭くはなるものの、バフ掛け後の台トレッド20の厚さA2を1.0mmから4.0mmまでの範囲とトレッド貼付時に適切な台トレッド20の厚さを残すことができる。また、赤道部31における厚さA1及び端部15aにおける厚さが6mmに設定されているため、発明台タイヤは、従来台タイヤの加硫時間に比べて短い時間で加硫成型することができる。
したがって、発明台タイヤのように赤道部31の厚さA1、ベルト15の端部15aにおける厚さB1、ハンプ部の厚さC1の寸法関係を満たすような形状で台トレッド20を成型しておくこと、即ち、台タイヤの加硫成型において、上記実施形態で説明した範囲内となるように台トレッド20の赤道部31の厚さA1及び端部15aにおける厚さB1を設定しておくことにより、台タイヤとしての加硫時間及びバフ掛け時のバフ掛け時間の短縮、さらにはバフかすの発生量を減少させることができるので、台タイヤの製造に係る生産効率を向上させることができる。
図4(a)は、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2を一定の2mmに設定し、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1を2mmから3.2mmの範囲を0.2mm刻みで変化させたときの、転がり抵抗性能、バフかすの発生量、加硫時間及び形状設定の自由度を纏めた表である。また、図4(b)は、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2とバフ掛け前の厚さA1との比を140%に固定して、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2を変化させたときの、転がり抵抗性能、バフかすの発生量、加硫時間及び形状設定の自由度を纏めた表である。なお、図4(a),(b)における転がり抵抗性能、バフかすの発生量及び加硫時間は、比較例1を基準として100とし、100よりも数値が小さいものが良好若しくは優れていることを示す。また、形状設定の自由度については、曲率半径500mm〜2500mmの範囲での自由な設定が可能かどうかで○及び×により評価した。
図4(a)に示すように、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2を一定の2mmに設定し、バフ掛け後の厚さA2に対するバフ掛け前の赤道部31における厚さA1を変化させた場合では、実施例1乃至実施例5の範囲、すなわち、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1を2.2mmから3mmの範囲に設定することで、形状設定の自由度を維持したままゴムかすの発生量が比較例1よりも抑制され、バフ掛け前の赤道部31における厚さA1が薄くなるほどゴムかすの発生量が減少していることがわかる。すなわち、バフ掛け後の赤道部31に得る厚さA2に対するバフ掛け前の赤道部31の厚さA1を厚さA2の110%から150%の範囲に設定したときである。
また、図4(b)に示すように、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2とバフ掛け前の厚さA1との比を140%に固定して、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2を変化させたときに、転がり抵抗性能に着目した場合には、上述の比較例1(図4(a))に比べて加硫時間は長くなるものの、実施例8で示すようなバフ掛け前の厚さA1及びバフ掛け後の厚さA2に設定することで、転がり抵抗性能が最も優れる。より好ましくは、加硫時間が実施例8に比べてやや長くなるものの、実施例9で示すように、バフ掛け前の厚さA1及びバフ掛け後の厚さA2を設定することで、バフ掛けにおけるゴムかすの発生量も抑制することができる。
特に、バフ掛け後の台トレッド20の赤道部31における厚さA2は、転がり抵抗性能に影響を与えるため、損失正接tanδの低いゴムの厚さA2が薄くなると、走行時の変形を台トレッド20上に配設されるトレッドゴムに負担させることになってしまう。トレッドゴムは、ゴム特性として路面との接触に対する耐外傷性、耐摩耗性などの性能が要求されるため、損失正接tanδが台トレッド20に比べて高い。
比較例3及び実施例6〜実施例8で示すように、バフ掛け後の厚さA2が厚くなるほど転がり抵抗性能が向上していることが分かる。これは、損失正接tanδの高いトレッドゴムに走行時の変形を負担させるよりも、トレッドゴムの損失正接tanδよりも損失正接tanδの低い台トレッド20に負担させる方が転がり抵抗性能が高くなることを示している。
一方で、実施例8,9及び比較例4,5で示すように、実施例8をピークとして台トレッド20の厚さA2が厚くなると、転がり抵抗性能が低下していくことが分かる。特に比較例4,5で示すような、厚さA2が4mm以上となる場合には、台トレッド20のゴム体積が大きくなり過ぎて走行時の発熱量も大きくなってしまい、転がり抵抗性能が低下したことを示している。
したがって、バフ掛け後の台トレッド20には、適度な厚さA2が要求されることがわかる。実施例6乃至実施例9で示すように、厚さA2を1mm〜3.5mmの範囲で設定すると良く、中でも厚さA2を3mm程度に設定すると最も優れた転がり抵抗性能を得ることができる。このように、バフ掛け後の厚さA2を1mm〜3.5mmに設定することで、従来よりもバフ掛け前の最外ゴム層の厚さA1が薄くなるため、台タイヤを加硫成型するときの加硫時間を短縮することができる。また、台タイヤの加硫成型後に、トレッドゴムを貼付するための貼付面をバフ掛けにより所定形状に成形するときの削除すべきバフ掛け量を低減することができるので、バフ掛けに要する時間を短縮することが可能となる。また、バフ掛け量を低減させたことにより、バフ掛け時に発生するバフかすの発生量を削減できるので、材料の無駄を抑制できる。
バフかすの発生量に着目した場合には、比較例3が最も優れているものの、形状設定の自由度が損なわれてしまう。比較例3は、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2に対してバフ掛け前の赤道部31における厚さA1の差が0.2mmで、厚さA1−厚さA2の差が図4(a)の実施例5と同じであるが、バフ掛け前の赤道部31に設定された厚さA1が薄すぎるため、形状設定の自由度がなくなり、また、バフ掛け後の赤道部31における厚さA2も薄すぎるため、転がり抵抗性能が低下してしまっている。このため、実施例6で示す厚さA1及び厚さA2のように設定することで、バフかすの発生量を最も抑制しつつ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
加硫時間に着目した場合には、バフかすの発生量と同様に、比較例3が最も優れた結果となっているが、上記と同様に形状設定の自由度が損なわれることから、実施例6で示すバフ掛け前の厚さA1及びバフ掛け後の厚さA2に設定すると良いことがわかる。
また、台タイヤとして製造された後の性能を左右する転がり抵抗性能、及び材料の無駄を抑制するためのゴムかすの発生量に着目すれば、実施例9で示す厚さA1及び厚さA2に設定すると良い。
したがって、バフ掛け前の赤道部の厚さA1を、バフ掛け後に得る厚さA2に対し、A2×150%以下に設定し、かつ、バフ掛け後の厚さA2を1mm〜3.5mmに設定することで、形状設定の自由度を維持しながら、転がり抵抗性能の向上、ゴムかすの発生量の抑制及び加硫時間の短縮が可能となることがわかった。
台タイヤの製造において、上述したバフ掛け前の厚さA1及びバフ掛け後の厚さA2を上記範囲から良好に適用するにあたっては、速い走行速度が要求されるタイヤに使用される台タイヤ、例えば、乗用車用やトラック用の台タイヤでは、転がり抵抗性能やゴムかすの発生量を優先させるように実施例8,9で示すような厚さA1及び厚さA2に設定し、また、速い走行速度が要求されないタイヤに使用される台タイヤ、例えば、重荷重車用の台タイヤでは、台タイヤのサイズが大きいことから加硫時間やゴムかすの発生量を優先させるように実施例6,7で示すような厚さA1及び厚さA2に設定すれば良い。
なお、実施例7及び実施例8の間の傾向については、図4(a)の実施例2を参照することで、転がり抵抗性能、バフかすの発生量、加硫時間及び形状設定の自由度について容易に予測することができる。
なお、ベルト層のベルト構造は、上記4層に限定されない。また、各ベルトの幅、ベルト積層時の最も幅の広いベルトの位置も上記構造に限定されず、適宜タイヤの用途に応じて変更可能である。
また、台タイヤ2において、ミニサイドゴム21を備えていなくても良いが、ミニサイドゴム21を設けることにより路面に対して最も近接するサイド領域T2の耐カット性を向上させることができる。
2 台タイヤ、3 トレッド、13乃至16 ベルト、
20 台トレッド、21 ミニサイドゴム、
23 ベルトアンダークッションゴム層、
24 ベルト間クッションゴム層、
A1;A2;B1;B2;C1 厚さ、R 曲率半径。

Claims (5)

  1. ベルト層と、当該ベルト層の上部に設けられたトレッド配設用の所定幅の最外ゴム層と、当該最外ゴム層の幅方向両側に位置する端部ゴム部材とを有する台タイヤの製造方法であって、
    前記最外ゴム層の損失正接tanδを前記端部ゴム部材の損失正接tanδよりも低く設定するとともに、当該最外ゴム層のバフ掛け前の赤道部の厚さA1を、バフ掛け後に得られる厚さA2に対し、厚さA2×150%以下に設定し、かつ、バフ掛け後の厚さA2を1mm〜3.5mmに設定し
    前記最外ゴム層及び端部ゴム部材を金型により加硫成型することを特徴とする台タイヤの製造方法
  2. 台タイヤにおける前記最外ゴム層の幅方向端部、台タイヤの側面よりも内側に設定することを特徴とする請求項記載の台タイヤの製造方法
  3. バフ掛け後のタイヤ幅方向の断面視における前記最外ゴム層の表面形状が、少なくとも500mm〜2500mmの範囲の曲率半径の円弧を有することを特徴とする請求項又は請求項記載の台タイヤの製造方法
  4. 前記ベルト層のうち最も幅の広いベルトの端部側において、当該最も幅の広いベルトと前記最外ゴム層との間に、前記最外ゴム層の硬さよりも柔らかいゴムからなるクッションゴム層を設けることを特徴とする請求項乃至請求項いずれか記載の台タイヤの製造方法
  5. 前記最外ゴム層のバフ掛け前の赤道部の厚さA1、前記バフ掛け後の厚さA2の110%以上とすることを特徴とする請求項乃至請求項いずれか記載の台タイヤの製造方法
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