JP2011025853A - タイヤ及びタイヤの更生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】台タイヤを作製する際に、トレッドの溝底にバフラインがかかることを確実に防止することのできる構成のタイヤと、タイヤの更生方法を提供する。
【解決手段】タイヤ10のショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kの位置を、トレッド踏面とのタイヤ径方向距離が最短になるベルト外面位置よりも2〜5mmタイヤ径方向外側にある点Pと、タイヤセンター部における最外層のベルト13dよりも1〜5mmタイヤ径方向外側にある点Qとを通り、かつ、トレッドのタイヤセンター側に設けられた周方向溝16aの溝底16kよりもタイヤ径方向内側を通る曲線Cと、タイヤ10の表面との交点Kよりもタイヤ径方向外側に設けたので、トレッド14の摩耗によりタイヤ10の更生が必要になった場合には、前記曲線Cをバフラインとして摩耗したトレッド14をバフ研磨して取り除いて台タイヤを作製するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】タイヤ10のショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kの位置を、トレッド踏面とのタイヤ径方向距離が最短になるベルト外面位置よりも2〜5mmタイヤ径方向外側にある点Pと、タイヤセンター部における最外層のベルト13dよりも1〜5mmタイヤ径方向外側にある点Qとを通り、かつ、トレッドのタイヤセンター側に設けられた周方向溝16aの溝底16kよりもタイヤ径方向内側を通る曲線Cと、タイヤ10の表面との交点Kよりもタイヤ径方向外側に設けたので、トレッド14の摩耗によりタイヤ10の更生が必要になった場合には、前記曲線Cをバフラインとして摩耗したトレッド14をバフ研磨して取り除いて台タイヤを作製するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、更生が容易なタイヤの構造とタイヤの更生方法に関するものである。
トレッドが消耗した中古タイヤを更生する方法としては、中古タイヤの表面を削り取った後、更にバフマシーン等でバフ研磨してトレッドを除去して台タイヤを作製し、この台タイヤに新たにトレッドを貼り付けて更生タイヤを製造するリトレッド法がある。
リトレッド時のバフ研磨後の形状を表すバフラインは、タイヤ幅方向断面で見たときに、タイヤセンター部のベルトのうちの最外層のベルトのタイヤ径方向1mm〜5mm外側の位置から、最外層のベルトよりも1mm〜5mmタイヤ径方向に離れた箇所を通って、タイヤショルダー部のラグ溝を避けるような単一の曲率(単一R)を有する曲線とするのが一般的である。
更に、ショルダー部に開口するラグ溝がバフ研磨後に残っている場合には、これらの残溝を埋めて補修するスカイブ処理を施す。
リトレッド時のバフ研磨後の形状を表すバフラインは、タイヤ幅方向断面で見たときに、タイヤセンター部のベルトのうちの最外層のベルトのタイヤ径方向1mm〜5mm外側の位置から、最外層のベルトよりも1mm〜5mmタイヤ径方向に離れた箇所を通って、タイヤショルダー部のラグ溝を避けるような単一の曲率(単一R)を有する曲線とするのが一般的である。
更に、ショルダー部に開口するラグ溝がバフ研磨後に残っている場合には、これらの残溝を埋めて補修するスカイブ処理を施す。
前記バフ研磨は、予め設定したバフラインに沿って行われるが、一般のタイヤでは、バフがけの終了位置が表示されていないため、トレッドの除去量がタイヤにより不均一になりやすく、場合によっては、部分的に削りすぎて、ベルト外面の一部が露出してしまうことがあった。
また、バフラインのタイヤ径方向外側端部がショルダー部に設けられたラグ溝の開口部の底部よりも上に来ている場合には、溝を除去してフラットな面を出すために、上記溝を除去する処理を行う必要があるが、その結果、リトレッド後のタイヤのトレッド幅が新品タイヤよりも狭くなってしまい、新品タイヤと同等の性能を確保することが困難であった。
また、バフラインのタイヤ径方向外側端部がショルダー部に設けられたラグ溝の開口部の底部よりも上に来ている場合には、溝を除去してフラットな面を出すために、上記溝を除去する処理を行う必要があるが、その結果、リトレッド後のタイヤのトレッド幅が新品タイヤよりも狭くなってしまい、新品タイヤと同等の性能を確保することが困難であった。
そこで、本願出願人は、この問題を解決するため、更生が容易なタイヤとして、ベルトのトレッド踏面とのタイヤ径方向距離が最短になるベルト外面位置からタイヤ径方向外側に2mm〜5mm離れた位置を通り、新品時のタイヤのトレッド踏面のクラウン形状と相似な曲線の延長線とバットレス部のとの交点をバフ想定点としたとき、ショルダー部に開口するラグ溝の開口端がバフ想定点よりもタイヤ径方向外側に位置するようなラグ溝を有するとともに、バフ想定点位置にタイヤ周方向に沿って延びるリング状の凸部を設けた構成の更生用タイヤを提案している(例えば、特許文献1参照)。これにより、トレッドゴムの除去量の不均一を抑制することができるとともに、台タイヤの貼り付け面の寸法精度を向上させることができる。
前記特許文献1のように、ショルダー部に開口するラグ溝の開口端がバフ想定点よりもタイヤ径方向外側に位置するようなタイヤでは、ラグ溝がバフ研磨後に残ることを確実に防止することはできるが、トレッドクラウン部の曲率やベルト外面位置によっては、トレッドの溝底にバフラインがかかってしまう場合がある。この場合には、前述したように、スカイブ処理をするか、残溝がなくなるまでバフ研磨を継続してフラットな面を出す必要がある。
しかしながら、スカイブ処理は、残溝の大きさの程度に合わせて行うため、自動化が難しく、1本ずつ行うため、生産性が低下してしまうといった問題点がある。
なお、タイヤ寿命を維持しようとしてトレッド厚さを厚くすることは、ブロック剛性が低下するので好ましくない。
また、リモールドによるリトレッドの場合、狙いの踏面Rとは別にバフ研磨後の形状を設定できるが、バフ研磨後の踏面Rを小さくすると、その分貼り付けるのに必要なトレッドゴムの体積が増えるので、好ましくない。
なお、タイヤ寿命を維持しようとしてトレッド厚さを厚くすることは、ブロック剛性が低下するので好ましくない。
また、リモールドによるリトレッドの場合、狙いの踏面Rとは別にバフ研磨後の形状を設定できるが、バフ研磨後の踏面Rを小さくすると、その分貼り付けるのに必要なトレッドゴムの体積が増えるので、好ましくない。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、台タイヤを作製する際に、トレッドの溝底にバフラインがかかることを確実に防止することのできる構成のタイヤと、タイヤの更生方法を提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、コードをゴムで被覆して成る少なくとも一層のベルトを備えたベルト層と、このベルトのタイヤ径方向向外側に設けられた、ショルダー部に開口するラグ溝を含む複数本の溝が形成されているトレッドとを備えたタイヤであって、タイヤ幅方向断面における前記ラグ溝の開口端が、トレッド踏面とのタイヤ径方向距離が最短になるベルト外面位置よりも2〜5mmタイヤ径方向外側の点と、タイヤセンター部における最外層のベルトの位置よりも1〜5mmタイヤ径方向外側の点とを通る単一の曲率を有し、かつ、前記トレッドのタイヤセンター側に設けられた溝の溝底よりもタイヤ径方向内側を通る曲線Cとタイヤ表面との交点よりもタイヤ径方向外側に設けられたことを特徴とするものである。
なお、タイヤセンター部は、図1のCLで示すタイヤの幅方向中心線を中心とした、幅がトレッド幅Twの60%の領域を指す。
これにより、本発明のタイヤを更生する際には、前記曲線Cをバフラインとして摩耗したトレッドを削れば、前記ラグ溝の開口端やトレッドの溝底にバフラインがかかることがないので、トレッド幅の減少を大幅に低減することができるとともに、スカイブ処理を大幅に減らすことができる。
なお、トレッドに設けられた溝が2本しかない場合には、これら2本の溝をトレッドのタイヤセンター側に設けられた溝とする。
なお、タイヤセンター部は、図1のCLで示すタイヤの幅方向中心線を中心とした、幅がトレッド幅Twの60%の領域を指す。
これにより、本発明のタイヤを更生する際には、前記曲線Cをバフラインとして摩耗したトレッドを削れば、前記ラグ溝の開口端やトレッドの溝底にバフラインがかかることがないので、トレッド幅の減少を大幅に低減することができるとともに、スカイブ処理を大幅に減らすことができる。
なお、トレッドに設けられた溝が2本しかない場合には、これら2本の溝をトレッドのタイヤセンター側に設けられた溝とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤのトレッドが摩耗した際に、この摩耗したタイヤを更生する方法であって、前記曲線Cをバフラインとして設定し、前記摩耗したトレッドを前記バフラインまで削ってトレッド取付け面を有する台タイヤを形成する工程と、前記トレッド取付け面に加硫または未加硫のトレッドゴムを取付ける工程と、前記トレッドゴムが取付けられた台タイヤを加硫する工程とを備えたことを特徴とする。これにより、台タイヤの生産効率を向上させることができるとともに、新品タイヤと同等の性能を備えた更生タイヤを得ることができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施の形態に係る空気入りタイヤ(以下、タイヤという)10の構成を示す断面図で、同図において、11はビード部、12はカーカス、13はベルト層、14はトレッド、15はインナーライナーである。
ビード部11はビードコア11aとビードフィラー11bとを備えている。ビードコア11aは、タイヤ10の半径方向内側の端部付近に埋設され、ビードフィラー11bはビードコア11aのトレッド14側に配置される。ビードコア11aとビードフィラー11bとは、タイヤ10の半径方向内側の端部付近にそれぞれ左右1対ずつ配置される。
カーカス12は、タイヤ10の骨格を成すプライで、1対のビードコア11aにトロイド状をなして跨るように設けられて、ビード部11を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包み、ビード部11のトレッド14側で終端する。
インナーライナー15は、カーカス12のタイヤ径方向内側に設けられて、タイヤ10の内面側を覆っている。
ビード部11はビードコア11aとビードフィラー11bとを備えている。ビードコア11aは、タイヤ10の半径方向内側の端部付近に埋設され、ビードフィラー11bはビードコア11aのトレッド14側に配置される。ビードコア11aとビードフィラー11bとは、タイヤ10の半径方向内側の端部付近にそれぞれ左右1対ずつ配置される。
カーカス12は、タイヤ10の骨格を成すプライで、1対のビードコア11aにトロイド状をなして跨るように設けられて、ビード部11を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包み、ビード部11のトレッド14側で終端する。
インナーライナー15は、カーカス12のタイヤ径方向内側に設けられて、タイヤ10の内面側を覆っている。
ベルト層13は、トレッド14とカーカス12との間に設けられて、タイヤ径方向に積層される4枚のベルト13a〜13dを備える。
ベルト13a〜13dは、スチールコードもしくは有機繊維を撚ったコードが、赤道方向に対して20°〜70°の角度で交錯するように、かつ、互いに隣接するベルトのコードの延長方向が互いに交錯するように配置されている。
以下、ベルト13a〜13cを、タイヤ径方向内側に位置するベルトから順に、第1〜第3のベルトとし、トレッド14側に位置するベルト13dを最外層のベルトとする。
トレッド14は、ベルト層13のタイヤ径方向外側に配置されるゴム部材で、トレッド14のタイヤ踏面側には、周方向溝16a,16bやショルダー部17に開口するラグ溝18を含む複数本の溝から成るトレッドパターンが形成されている。ここで、周方向溝16aはトレッド14のタイヤセンター側に設けられた周方向溝で、周方向溝16bはトレッド14のタイヤ幅方向外側に設けられた周方向溝である。
ベルト13a〜13dは、スチールコードもしくは有機繊維を撚ったコードが、赤道方向に対して20°〜70°の角度で交錯するように、かつ、互いに隣接するベルトのコードの延長方向が互いに交錯するように配置されている。
以下、ベルト13a〜13cを、タイヤ径方向内側に位置するベルトから順に、第1〜第3のベルトとし、トレッド14側に位置するベルト13dを最外層のベルトとする。
トレッド14は、ベルト層13のタイヤ径方向外側に配置されるゴム部材で、トレッド14のタイヤ踏面側には、周方向溝16a,16bやショルダー部17に開口するラグ溝18を含む複数本の溝から成るトレッドパターンが形成されている。ここで、周方向溝16aはトレッド14のタイヤセンター側に設けられた周方向溝で、周方向溝16bはトレッド14のタイヤ幅方向外側に設けられた周方向溝である。
本発明のタイヤ10の特徴は、ショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kが、トレッド踏面とのタイヤ径方向距離が最短になるベルト外面位置よりも2〜5mmタイヤ径方向外側にある点Pとタイヤセンター部における最外層のベルト13dよりも1〜5mmタイヤ径方向外側にある点Qとを通る単一の曲率を有し、かつ、トレッド14のタイヤセンター側に設けられた周方向溝16aの溝底16kよりもタイヤ径方向内側を通る曲線Cと、タイヤ10の表面との交点Kよりもタイヤ径方向外側に設けられていることにある。
前記曲線Cは、具体的には円弧であり、曲線Cの曲率である円弧の半径Rは、特許文献1に記載された、新品時のタイヤのトレッド踏面のクラウン形状と相似な曲線C0の曲率である円弧の半径R0よりも大きく、かつ、周方向溝16aの溝底16kよりもタイヤ径方向内側を通る。したがって、曲線C0がトレッド14に形成された周方向溝16a,16bの溝底にかかってしまう場合でも、曲線Cは周方向溝16a,16bの溝底にはかからないので、この曲線Cをバフラインとすれば、溝残りのないフラットな面を得ることができる。
前記曲線Cは、具体的には円弧であり、曲線Cの曲率である円弧の半径Rは、特許文献1に記載された、新品時のタイヤのトレッド踏面のクラウン形状と相似な曲線C0の曲率である円弧の半径R0よりも大きく、かつ、周方向溝16aの溝底16kよりもタイヤ径方向内側を通る。したがって、曲線C0がトレッド14に形成された周方向溝16a,16bの溝底にかかってしまう場合でも、曲線Cは周方向溝16a,16bの溝底にはかからないので、この曲線Cをバフラインとすれば、溝残りのないフラットな面を得ることができる。
前記曲線Cを設定する際の点Pの位置を、ベルト外面位置よりも2〜5mmタイヤ径方向外側としたのは、5mmを超えると、溝が深いときに溝底までバフがけできない場合があるからである。また、2mm未満では、最外層のベルト13dを傷つける恐れがあるからである。
一方、前記曲線Cを設定する際の点Qの位置を、タイヤセンター部における最外層のベルト13dよりも1〜5mmタイヤ径方向外側としたのは、5mmを超えると、曲線Cの半径Rが小さくなって、溝が深いときに溝底までバフがけできない場合があるだけでなく、新たなトレッドを貼り付けたときに、トレッドのゴム層が厚くなって放熱が悪くなるからである。また、1mm未満では、最外層のベルト13dを傷つける恐れがあるからである。
このように、ショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kを前記曲線Cとタイヤ10の表面との交点Kよりもタイヤ径方向外側に設けたタイヤ10を作製すれば、タイヤ10の更生が必要になった場合には、不要な追加のバフ研磨をすることなく、フラットな面を出すことができるので、台タイヤを効率よく作製することができる。
一方、前記曲線Cを設定する際の点Qの位置を、タイヤセンター部における最外層のベルト13dよりも1〜5mmタイヤ径方向外側としたのは、5mmを超えると、曲線Cの半径Rが小さくなって、溝が深いときに溝底までバフがけできない場合があるだけでなく、新たなトレッドを貼り付けたときに、トレッドのゴム層が厚くなって放熱が悪くなるからである。また、1mm未満では、最外層のベルト13dを傷つける恐れがあるからである。
このように、ショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kを前記曲線Cとタイヤ10の表面との交点Kよりもタイヤ径方向外側に設けたタイヤ10を作製すれば、タイヤ10の更生が必要になった場合には、不要な追加のバフ研磨をすることなく、フラットな面を出すことができるので、台タイヤを効率よく作製することができる。
次に、タイヤ10の更生方法について説明する。
トレッド14の摩耗によりタイヤ10の更生が必要になった場合には、前記曲線Cをバフラインとして摩耗したトレッド14をバフ研磨して取り除いて台タイヤを作製する。
バフ研磨の終了の目安としては、バフがけによりラグ溝18が消失してから継続するバフ研磨の深さを設定しておけばよいが、予め、前記曲線Cとタイヤ10の表面との交点Kの位置に、タイヤ周方向に延びる凸部もしくは凹部を形成しておき、この凸部もしくは凹部をバフ研磨終了位置の目安とすれば、台タイヤのトレッド貼り付け面の寸法精度を更に向上させることができる。
トレッド14の摩耗によりタイヤ10の更生が必要になった場合には、前記曲線Cをバフラインとして摩耗したトレッド14をバフ研磨して取り除いて台タイヤを作製する。
バフ研磨の終了の目安としては、バフがけによりラグ溝18が消失してから継続するバフ研磨の深さを設定しておけばよいが、予め、前記曲線Cとタイヤ10の表面との交点Kの位置に、タイヤ周方向に延びる凸部もしくは凹部を形成しておき、この凸部もしくは凹部をバフ研磨終了位置の目安とすれば、台タイヤのトレッド貼り付け面の寸法精度を更に向上させることができる。
台タイヤの作製後には、台タイヤのトレッド面に新たなトレッドを貼り付ける。
台タイヤのトレッド面に新たなトレッドを貼り付けて更生タイヤを作製する方法としては、予めトレッドパターンの形成された加硫ゴム(プレキュアトレッド)を台タイヤのトレッド面に貼り付けた後、加硫缶に投入して加熱し、プレキュアトレッドと台タイヤとを加硫接着する「プレキュア製法」と、トレッドパターンの形成されていない未加硫のトレッドゴムを台タイヤのトレッド面に貼り付けた後、これを加硫金型に投入し、トレッドゴムを加硫するとともにトレッド表面にトレッドパターンを形成する「リモールド製法」とがある。
台タイヤのトレッド面に新たなトレッドを貼り付けて更生タイヤを作製する方法としては、予めトレッドパターンの形成された加硫ゴム(プレキュアトレッド)を台タイヤのトレッド面に貼り付けた後、加硫缶に投入して加熱し、プレキュアトレッドと台タイヤとを加硫接着する「プレキュア製法」と、トレッドパターンの形成されていない未加硫のトレッドゴムを台タイヤのトレッド面に貼り付けた後、これを加硫金型に投入し、トレッドゴムを加硫するとともにトレッド表面にトレッドパターンを形成する「リモールド製法」とがある。
プレキュア製法によるリトレッドでは、更生タイヤのトレッド幅とトレッド踏面のRとは、バフ研磨後の形状により決まる。本発明のタイヤ10は、バフ研磨後にトレッド14に溝底が残らないので、リトレッドのトレッド幅を新品タイヤと同程度に設定することができる。したがって、新品タイヤと同等の性能(寿命やブロック剛性など)を発現することのできる更生タイヤを得ることができる。
リモールド製法によるリトレッドでは、貼り付けるトレッドゴムの厚さを変更することで、狙いの踏面の曲率とは別にバフ研磨後の形状を設定できるが、本発明のタイヤ10では、バフラインの曲率Rを大きく設定できるので、トレッドゴムの厚さを変更する必要がない。したがって、リモールド時に使用するゴム量を低減できるので、廃棄物の低減とコストの低減とを図ることができる。
リモールド製法によるリトレッドでは、貼り付けるトレッドゴムの厚さを変更することで、狙いの踏面の曲率とは別にバフ研磨後の形状を設定できるが、本発明のタイヤ10では、バフラインの曲率Rを大きく設定できるので、トレッドゴムの厚さを変更する必要がない。したがって、リモールド時に使用するゴム量を低減できるので、廃棄物の低減とコストの低減とを図ることができる。
このように、本実施の形態では、タイヤ10のショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kの位置を、トレッド踏面とのタイヤ径方向距離が最短になるベルト外面位置よりも2〜5mmタイヤ径方向外側にある点Pと、タイヤセンター部における最外層のベルト13dよりも1〜5mmタイヤ径方向外側にある点Qとを通り、かつ、トレッド14のタイヤセンター側に設けられた周方向溝16aの溝底16kよりもタイヤ径方向内側を通る曲線Cと、タイヤ10の表面との交点Kよりもタイヤ径方向外側に設けたので、トレッド14の摩耗によりタイヤ10の更生が必要になった場合には、前記曲線Cをバフラインとして摩耗したトレッド14をバフ研磨して取り除いて台タイヤを作製すれば、ベルト層13を傷つけることなく、溝残りのないフラットな面を得ることができるので、台タイヤを効率よく作製することができる。
図2に示すような、本発明による空気入りタイヤ(本発明)のトレッドをバフ研磨して台タイヤにプレキュアトレッドを加硫接着して更生タイヤを作製し、タイヤ寿命(ライフ)とブロック剛性とを調べた結果を図3の表に示す。
また、比較のため、ショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kが点Kの位置よりもタイヤ径方向外側にあるタイヤ(タイヤ1,2)と、点Qの位置とタイヤセンター部における最外層のベルト13dとの距離が5mmを超えているタイヤ(タイヤ5)と1mm未満のタイヤ(タイヤ6)についても更生タイヤを作製し、タイヤ寿命とブロック剛性とを調べた結果も併せて記した。タイヤ1は新品タイヤで、タイヤ4が本発明によるタイヤを更生したタイヤである。
なお、図2において、aは点Kからラグ溝18の開口端18kまでの距離で、タイヤ径方向外側を(+)としている。bは周方向溝16aの溝深さで、cはフラット面を出すために行ったバフ研磨により減少したトレッド幅の大きさの半分を示す。また、hは、タイヤセンター部における最外層のベルト13dから点Qまでの距離で、タイヤ径方向外側を(+)としている。
また、比較のため、ショルダー部17に開口するラグ溝18の開口端18kが点Kの位置よりもタイヤ径方向外側にあるタイヤ(タイヤ1,2)と、点Qの位置とタイヤセンター部における最外層のベルト13dとの距離が5mmを超えているタイヤ(タイヤ5)と1mm未満のタイヤ(タイヤ6)についても更生タイヤを作製し、タイヤ寿命とブロック剛性とを調べた結果も併せて記した。タイヤ1は新品タイヤで、タイヤ4が本発明によるタイヤを更生したタイヤである。
なお、図2において、aは点Kからラグ溝18の開口端18kまでの距離で、タイヤ径方向外側を(+)としている。bは周方向溝16aの溝深さで、cはフラット面を出すために行ったバフ研磨により減少したトレッド幅の大きさの半分を示す。また、hは、タイヤセンター部における最外層のベルト13dから点Qまでの距離で、タイヤ径方向外側を(+)としている。
タイヤ寿命は、試験車両に各タイヤを装着して、85km/hで走行させたとき、摩耗率が70%になるまでの時間により評価した。評価結果は、新品タイヤを100とした指数で表した。数字が大きいほど寿命が長い。なお、このときのタイヤサイズは、11R22.5で、タイヤ内圧は900kPaである。
ブロック剛性は、摩耗率が30%のときのブロックの欠け数により評価した。評価結果は、新品タイヤを100とした指数で表した。数字が大きいほどブロック剛性が高い。
ブロック剛性は、摩耗率が30%のときのブロックの欠け数により評価した。評価結果は、新品タイヤを100とした指数で表した。数字が大きいほどブロック剛性が高い。
図3の表から明らかなように、本発明のタイヤ(タイヤ4)は、スカイブ処理が必要でないばかりか、タイヤ寿命もブロック剛性も新品タイヤと同等であることが確認された。
これに対して、タイヤ1,2では、スカイブ処理が必要なだけでなく、トレッド幅が小さくなってしまい、寿命もしくはブロック剛性が低下していることがわかった。
また、タイヤ5では、トレッド厚みの増加を防止するためのスカイブ処理が必要であり、タイヤ6では、ベルト面の露出を修理するためのスカイブ処理が必要であった。
これにより、点Qの位置は、タイヤセンター部における最外層のベルトの位置よりも1〜5mmの範囲にする必要があることが確認された。
これに対して、タイヤ1,2では、スカイブ処理が必要なだけでなく、トレッド幅が小さくなってしまい、寿命もしくはブロック剛性が低下していることがわかった。
また、タイヤ5では、トレッド厚みの増加を防止するためのスカイブ処理が必要であり、タイヤ6では、ベルト面の露出を修理するためのスカイブ処理が必要であった。
これにより、点Qの位置は、タイヤセンター部における最外層のベルトの位置よりも1〜5mmの範囲にする必要があることが確認された。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
このように、本発明のタイヤは、トレッドが摩耗したときに容易にかつ効率よく更生することができるので、更生タイヤを安価で提供することができる。
10 空気入りタイヤ、11 ビード部、11a ビードコア、
11b ビードフィラー、12 カーカス、13 ベルト層、13a〜13d ベルト、14 トレッド、15 インナーライナー、16a,16b 周方向溝、
17 ショルダー部、18 ラグ溝、18k ラグ溝の開口端。
11b ビードフィラー、12 カーカス、13 ベルト層、13a〜13d ベルト、14 トレッド、15 インナーライナー、16a,16b 周方向溝、
17 ショルダー部、18 ラグ溝、18k ラグ溝の開口端。
Claims (2)
- コードをゴムで被覆して成る少なくとも一層のベルトを備えたベルト層と、
このベルトのタイヤ径方向外側に設けられた、ショルダー部に開口するラグ溝を含む複数本の溝が形成されているトレッドとを備えたタイヤであって、
タイヤ幅方向断面における前記ラグ溝の開口端が、
トレッド踏面とのタイヤ径方向距離が最短になるベルト外面位置よりも2〜5mmタイヤ径方向外側の点と、タイヤセンター部における最外層のベルトの位置よりも1〜5mmタイヤ径方向外側の点とを通る単一の曲率を有し、かつ、前記トレッドのタイヤセンター側に設けられた溝の溝底よりもタイヤ径方向内側を通る曲線Cとタイヤ表面との交点よりもタイヤ径方向外側に設けられたことを特徴とするタイヤ。 - 請求項1に記載のタイヤのトレッドが摩耗した際に、この摩耗したタイヤを更生する方法であって、
前記曲線Cをバフラインとして設定し、前記摩耗したトレッドを前記バフラインまで削ってトレッド取付け面を有する台タイヤを形成する工程と、
前記トレッド取付け面に加硫または未加硫のトレッドゴムを取付ける工程と、
前記トレッドゴムが取付けられた台タイヤを加硫する工程とを備えたことを特徴とするタイヤの更生方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012240506A (ja) * | 2011-05-18 | 2012-12-10 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 更生タイヤ及びその製造方法 |
WO2014013845A1 (ja) | 2012-07-19 | 2014-01-23 | 株式会社ブリヂストン | 台タイヤの製造方法及び台タイヤ |
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2009
- 2009-07-28 JP JP2009174909A patent/JP2011025853A/ja active Pending
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