JP2018069946A - 更生タイヤ - Google Patents
更生タイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018069946A JP2018069946A JP2016212600A JP2016212600A JP2018069946A JP 2018069946 A JP2018069946 A JP 2018069946A JP 2016212600 A JP2016212600 A JP 2016212600A JP 2016212600 A JP2016212600 A JP 2016212600A JP 2018069946 A JP2018069946 A JP 2018069946A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- width
- belt
- buff
- belt layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
【課題】直進性能を向上させ、かつ、タイヤのショルダー部の偏摩耗が発生しない更生タイヤを提供する。【解決手段】更生タイヤ1は、台タイヤ20の既存のベルト層で最大幅となるベルトの幅をB0w、更生トレッドの幅をT1wとした場合に、T1w/B0w≧1.50である台タイヤと更生トレッドとを組み合わせて製造され、台タイヤの既存のベルト層で最大幅となるベルトと同程度以上の剛性および強力を有する追加ベルト層B1を、バフクラウン幅BFwのバフ界面の外側に配置し、追加ベルト層の幅をB1wとした場合、トレッド幅T1wに対し、1.00≦T1w/B1w≦1.50およびB0w≦B1w≦BFwを満たし、かつ、バフ界面のショルダー幅をBFwとした場合、B0w×1.05≦BFw≦T1w×0.95および0.96≦B1w/BFw<1.00を満たす。【選択図】図5
Description
本発明は、更生タイヤに関する。
従来の空気入りタイヤの中には、トレッドに形成される溝の溝深さが所定の深さより浅くなることによってトレッドが使用寿命に達した際に、更生加工を行い、再利用できるようにした更生タイヤがある。更生加工は、古いトレッドゴムを除去してバフがけ作業を行った後、トレッドゴムを貼り替える加工である。更生タイヤの製造方法には、リモールド方式とプリキュア方式とがある。リモールド方式は、台タイヤに、未加硫のトレッドゴムを貼り付け、パターンを彫刻した金型(モールド)に入れ加硫する方式である。プリキュア方式は、台タイヤに、予め加硫されたトレッドゴムを貼り付け、加硫する方式である。台タイヤは、更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである。
ここで、特許文献1には、幅広のトレッド幅の金型で幅狭のトレッド幅の台タイヤを使用することで、金型の種類を減らす技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術では、更生タイヤの直進性能やタイヤのショルダー部の偏摩耗について配慮がなされておらず、改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、直進性能を向上させ、かつ、タイヤのショルダー部の偏摩耗が発生しない更生タイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明による更生タイヤは、更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである台タイヤの既存のベルト層で最大幅となるベルトの幅をB0w、更生加工後の更生トレッドの幅をT1wとした場合に、T1w/B0w≧1.50である台タイヤと更生トレッドとを組み合わせて製造された更生タイヤであって、前記台タイヤの既存のベルト層で最大幅となるベルトと同程度以上の剛性および強力を有する追加ベルト層を、バフクラウン幅BFwのバフ界面の外側に配置し、前記追加ベルト層の幅をB1wとした場合、更生タイヤのトレッド幅T1wに対し、1.00≦T1w/B1w≦1.50およびB0w≦B1w≦BFwを満たし、かつ、バフ界面のショルダー幅をBFwとした場合、B0w×1.05≦BFw≦T1w×0.95および0.96≦B1w/BFw<1.00を満たす。
前記追加ベルト層のベルトコードの配置角度が更生タイヤの赤道面に対し、50度以上70度以下をなすことが好ましい。
前記更生加工において最外層のベルトを除去して前記台タイヤとする場合は、前記追加ベルト層のコードの配置角度aが、前記台タイヤの除去したベルト層のタイヤ赤道面に対する角度bに対し、b−10度≦a≦b+10度をなすことが好ましい。
バフ界面と前記追加ベルト層との間に接着性を向上させるクッションゴム層を、前記追加ベルト層のコードと前記バフ界面との最小距離が少なくとも0.1mmとなるように配置してもよい。
本発明によれば、更生タイヤの直進性能を向上させ、かつ、タイヤのショルダー部の偏摩耗が発生しないという効果を奏する。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の各図の説明において、他の図と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、更生タイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう方向、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
図1は、本実施形態にかかる更生タイヤ1の要部を示す子午断面図である。図1に示す更生タイヤ1は、更生前の空気入りタイヤ(図示省略)のトレッド踏面(図示省略)が摩耗してトレッド(図示省略)に形成される溝の溝深さが所定の深さより浅くなることにより、トレッドが使用寿命に達した際に、トレッドゴム(図示省略)を貼り替えて空気入りタイヤとして再利用可能な状態にしたものになっている。更生タイヤ1は、子午断面図で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分に更生後のトレッドである更生トレッド2が配設されており、更生トレッド2の表面、すなわち、当該更生タイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド踏面3として形成されている。
トレッド踏面3には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝11が複数形成されており、周方向主溝11に交差するラグ溝(図示省略)が複数形成されている。トレッド踏面3には、これらの複数の周方向主溝11やラグ溝によって複数の陸部10が区画されている。なお、周方向主溝11の本数やタイヤ周方向におけるラグ溝の間隔、ラグ溝の長さや角度、各溝の溝幅や溝深さ等は、適宜設定されるのが好ましい。すなわち、トレッド踏面3に形成される、いわゆるトレッドパターンは、適宜設定されるのが好ましい。
更生トレッド2は、更生前の空気入りタイヤからトレッドを取り除いた台タイヤ20の外周面、及び台タイヤ20のタイヤ幅方向の両側面における外周面近傍の位置に配置されている。詳しくは、空気入りタイヤからトレッドを除去する際には、トレッドが設けられている位置に対してバフかけ作業を行うことによって除去するため、このバフがけ作業が行われた部分が、台タイヤ20においてはバフ部40として形成される。更生トレッド2は、このように形成される台タイヤ20のバフ部40に貼り付けられることにより、バフ部40に配設される。
更生トレッド2のタイヤ幅方向における両端は、ショルダー部5として形成されており、ショルダー部5から、タイヤ径方向内側の所定の位置までは、サイドウォール部23が配設されている。サイドウォール部23は、台タイヤ20を有しており、タイヤ幅方向における更生タイヤ1の両側2箇所に配設されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部23のタイヤ径方向内側には、ビード部35が位置している。ビード部35は、サイドウォール部23と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されている。すなわち、ビード部35は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に一対が配設されている。一対のビード部35のそれぞれにはビードコア36が設けられている。それぞれのビードコア36のタイヤ径方向外側にはビードフィラー37が設けられている。ビードコア36は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー37は、後述するカーカス25のタイヤ幅方向端部がビードコア36の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
ビード部35は、15°テーパーの規定リムに装着することができるように構成されている。ここでいう規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。すなわち、本実施形態にかかる更生タイヤ1は、ビード部35と嵌合する部分が回転軸に対して15°の傾斜角で傾斜する規定リムに装着することが可能になっている。
更生トレッド2のタイヤ径方向内側には、ベルト層30が設けられている。つまり、台タイヤ20における、外周面にバフ部40が形成されて更生トレッド2が配設される部分は、トレッド部21として構成され、ベルト層30は、このトレッド部21に設けられている。ベルト層30は、例えば、4層のベルト31,32,33,34を積層した多層構造をなし、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。また、ベルト31,32,33,34は、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角として定義されるベルトコード角度が互いに異なっており、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成される。
このベルト層30のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部23のタイヤ赤道面CL側には、ラジアルプライのコードを内包するカーカス25が連続して設けられている。このカーカス25は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤの骨格を構成する。詳しくは、カーカス25は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部35のうち、一方のビード部35から他方のビード部35にかけて配設されており、ビードコア36及びビードフィラー37を包み込むようにビード部35でビードコア36に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。また、カーカス25のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成されている。
また、カーカス25の内側、或いは、当該カーカス25の、更生タイヤ1における内部側には、インナーライナ26がカーカス25に沿って形成されている。
ところで、図1に示すように、バフ部40のタイヤ径方向外側に、追加ベルト層B1が設けられている。追加ベルト層B1は、台タイヤ20の既存のベルト層30で最大幅となるベルト(B0)と同程度以上の剛性および強力を有する。ここで、同程度とは、±20%の範囲をいい、以降の説明においても同様である。
[新品タイヤと更生タイヤとの関係]
図2は、新品タイヤの子午断面の例を示す図である。図2は、子午断面の右半分を示しており、左半分は赤道面CLを対称軸として右半分と対称になっている。以降の説明において参照する図3から図8についても同様に、子午断面の右半分を示しており、左半分は赤道面CLを対称軸として右半分と対称になっている。図2において、新品タイヤ1aのトレッド幅T0wとベルト層30に含まれるベルトのうち最大のベルト幅(以下、最大ベルト幅と呼ぶ)B0wとの関係T0w/B0wは、0.90以上1.50以下である。
図2は、新品タイヤの子午断面の例を示す図である。図2は、子午断面の右半分を示しており、左半分は赤道面CLを対称軸として右半分と対称になっている。以降の説明において参照する図3から図8についても同様に、子午断面の右半分を示しており、左半分は赤道面CLを対称軸として右半分と対称になっている。図2において、新品タイヤ1aのトレッド幅T0wとベルト層30に含まれるベルトのうち最大のベルト幅(以下、最大ベルト幅と呼ぶ)B0wとの関係T0w/B0wは、0.90以上1.50以下である。
図3および図4は、更生タイヤの子午断面の例を示す図である。図3は、新品タイヤのトレッド幅T0wと更生タイヤ1bのトレッド幅T1wが同程度の場合を示す。図3において、更生タイヤ1bのトレッド幅T1wと最大ベルト幅B0wとの関係T1w/B0wは、0.90以上1.20以下である。一般に、夏用タイヤを台タイヤとすると夏用タイヤとして更生され、冬用タイヤを台タイヤとすると冬用タイヤとして更生される。台タイヤをこのように更生する場合、図3に示すように更生タイヤ1bのトレッド幅T1wと最大ベルト幅B0wとの関係T1w/B0wは、0.90以上1.50以下になる。
図4は、新品のタイヤのトレッド幅T0wに対して、更生タイヤ1cのトレッド幅T1wが広い場合の例を示す図である。例えば、夏用タイヤや幅狭軽量のタイヤを台タイヤとし、トレッド幅の広い冬用タイヤやトラクションタイヤのパターンを更生するような場合である。図4において、更生タイヤ1cのトレッド幅T1wと最大ベルト幅B0wとの関係T1w/B0wは、1.50以上である。図4に示す更生タイヤ1cでは、ベルト層30で保持されないショルダー部5の領域の剛性が低くなり、早期摩耗、偏摩耗が発生する。そこで、本実施形態では追加ベルト層を設ける。
図5は、本実施形態にかかる更生タイヤ1の子午断面の例を示す図である。図5において、本実施形態にかかる更生タイヤ1は、台タイヤ20の既存のベルト層で最大幅となるベルト(B0)の幅をB0w、新たに設ける更生トレッド2の幅をT1wとした場合に、
T1w/B0w≧1.50
である台タイヤ20と更生トレッド2とを組み合わせて製造される更生タイヤである。
T1w/B0w≧1.50
である台タイヤ20と更生トレッド2とを組み合わせて製造される更生タイヤである。
この更生タイヤ1は、台タイヤ20の既存のベルト層で最大幅となるベルト(B0)と同程度以上の剛性、強力を有する追加ベルト層B1がバフ部40のバフクラウン幅BFwのバフ界面の外側に配置されている。更生タイヤ1は、追加ベルト層B1の幅B1wとした場合、更生タイヤ1のトレッド幅T1wとの関係T1w/B1wは、条件(1)および条件(2)を満たす。
条件(1):1.00≦T1w/B1w≦1.50
条件(2):B0w≦B1w≦BFw
条件(1):1.00≦T1w/B1w≦1.50
条件(2):B0w≦B1w≦BFw
条件(1)は、偏摩耗性に優れた更生トレッド2の幅と追加ベルト層B1の幅との関係を規定する。条件(2)は、追加ベルト幅を台タイヤ20の最大ベルト幅以上とすることで偏摩耗を防止するための条件である。
また、更生タイヤ1は、バフ部40のバフ界面のショルダー幅(すなわち、バフクラウン幅)をBFwとした場合、追加ベルト層B1の幅B1wに対し、条件(3)および条件(4)を満たす。
条件(3):B0w×1.05≦BFw≦T1w×0.95
条件(4):0.96≦B1w/BFw<1.00
条件(3):B0w×1.05≦BFw≦T1w×0.95
条件(4):0.96≦B1w/BFw<1.00
条件(3)は、バフ界面から台タイヤ20のベルトエッジとバットレス部22の新ゴムゲージとの距離を確保するための条件である。条件(4)は、追加ベルト層B1をバフクラウン幅の領域に配置することで剥離を防止するための条件である。
なお、追加ベルト層B1のベルトコードの配置角度aは、更生タイヤ1の赤道面CLに対し、50度以上70度以下(50°≦a≦70°)とする。この角度範囲内であれば、更生タイヤ1の直進性能を確保することができる。図5に示すように、追加ベルト層B1を設けることにより、ショルダー部5の領域の剛性の低下を防止でき、早期摩耗、偏摩耗を防止できる。
[バフ部の面取りについて]
ところで、タイヤ更生を行う際のバフがけ作業によってはバフ部40に面取りが形成されることがある。バフ部40に面取りが存在する場合、その面取りを除いた部分をショルダー幅とする。
ところで、タイヤ更生を行う際のバフがけ作業によってはバフ部40に面取りが形成されることがある。バフ部40に面取りが存在する場合、その面取りを除いた部分をショルダー幅とする。
図6は、面取り401を有するバフ部40aを有する更生タイヤ1の子午断面を示す図である。図6に示すように、更生タイヤ1は、曲面の面取り401を有する。面取り401を有する場合、面取り401の曲線とそれ以外の部分との変曲点Pを基準にしてショルダー幅BFwaを定義する。すなわち、変曲点Pからタイヤ幅方向内側がショルダー幅BFwaとなる。そして、ショルダー幅BFwaよりも短い幅B1waの追加ベルト層B1aを定義する。
[最外層のベルトの除去]
図7は、台タイヤ20の最外層のベルトを除去した場合の更生タイヤの例を示す子午断面図である。図7に示す更生タイヤ1dは、図5に示す最外層のベルト34が除去されている。このため、図7の更生タイヤ1dのベルト層30aは、3層のベルト31,32,33からなり、タイヤ径方向の最外層がベルト33である。そして、ベルト33のタイヤ径方向外側がバフ部40bとなり、バフ部40bのタイヤ径方向外側に追加ベルト層B1が設けられている。
図7は、台タイヤ20の最外層のベルトを除去した場合の更生タイヤの例を示す子午断面図である。図7に示す更生タイヤ1dは、図5に示す最外層のベルト34が除去されている。このため、図7の更生タイヤ1dのベルト層30aは、3層のベルト31,32,33からなり、タイヤ径方向の最外層がベルト33である。そして、ベルト33のタイヤ径方向外側がバフ部40bとなり、バフ部40bのタイヤ径方向外側に追加ベルト層B1が設けられている。
図7において、台タイヤ20において最外層のベルト34を除去した場合は、追加ベルト層B1のコードの配置角度aは、台タイヤ20の除去したベルト34のタイヤ赤道面CLに対する角度bに対し、(b−10)度以上(b+10)度以下であることが望ましい。このような角度範囲であれば、更生タイヤ1dの直進性能を確保することができる。
なお、台タイヤ20においてベルト層30の最外層のベルト34が除去されているかどうかは、バフ部40bのバフ界面にベルト33が現われているかどうかで判断することができる。すなわち、バフ界面にベルト33が現われていなければ最外層のベルト34は除去されていないと判断でき、バフ界面にベルト33が現われていれば最外層のベルト34が除去されていると判断できる。また、ベルト34を除去した場合でもその痕跡がバフ部40bのバフ界面に残るため、除去されたベルト34の痕跡を確認することにより、角度bを特定することができる。つまり、更生加工において除去されたベルトの痕跡に基づいて、追加ベルト層B1のベルトコードの配置角度aを決定することができる。
[クッションゴム層の追加]
バフ部40と追加ベルト層B1との間にクッションゴム層を追加してもよい。図8は、クッションゴム層41を追加した更生タイヤ1eの例を示す図である。図8に示す更生タイヤ1eは、バフ部40と追加ベルト層B1との間にクッションゴム層41を有する。クッションゴム層41を構成するゴム材料としては、JIS K6253−3:2012に準拠して測定されるタイプAデュロメータ硬度68以上で、JIS K6251:2010に準拠して測定される100%引っ張り応力5〜8MPaの物性を有する未加硫ゴムが好ましい。クッションゴム層41を設けることにより、バフ部40のバフ界面と追加ベルト層B1との接着性を向上させ、追加ベルト層B1の剥離を防止することができる。
バフ部40と追加ベルト層B1との間にクッションゴム層を追加してもよい。図8は、クッションゴム層41を追加した更生タイヤ1eの例を示す図である。図8に示す更生タイヤ1eは、バフ部40と追加ベルト層B1との間にクッションゴム層41を有する。クッションゴム層41を構成するゴム材料としては、JIS K6253−3:2012に準拠して測定されるタイプAデュロメータ硬度68以上で、JIS K6251:2010に準拠して測定される100%引っ張り応力5〜8MPaの物性を有する未加硫ゴムが好ましい。クッションゴム層41を設けることにより、バフ部40のバフ界面と追加ベルト層B1との接着性を向上させ、追加ベルト層B1の剥離を防止することができる。
図9Aは、追加ベルト層B1とバフ部40のバフ界面との間に生じたセパレーションの長さを測定した結果を示す図である。図9Aは、追加ベルト層B1とバフ部40との距離と、セパレーションの長さとの関係を示す。図9Bは、図9Aに示す結果を示す表である。
本例では、台タイヤ20の最大ベルト幅B0wを140mm、更生トレッド2の幅T1wを230mmとし、T1w/B1w=1.44、B1w/BFw=0.98、B1w=160mm、BFw=163mm、最外層ベルト層を除去しない場合の赤道面CLに対する角度a=60度、最外層ベルト層を除去しない場合の赤道面CLに対する角度a=b+10度、とした場合において、追加ベルト層B1のベルトコードとバフ部40のバフ界面との距離を5種類に変化させた更生タイヤを作製した。追加ベルト層B1のベルトコードとバフ部40のバフ界面との距離は、0.05mm、0.08mm、0.10mm、0.12mm、0.15mmの5種類に変化させた。これら5種類の更生タイヤについて、試験機で走行させて、追加ベルト層B1とバフ部40のバフ界面との間に生じたセパレーションのタイヤ幅方向の最大長さを比較した。
本例では、セパレーション量が1mm以内である場合に合格とし、セパレーション量が1mmを超える場合に不合格とした。この結果、図9B中の矢印Y9で示す範囲が合格である。したがって、追加ベルト層B1のコードとバフ部40のバフ界面との最小距離は少なくとも0.1mmを確保するような厚さでクッションゴム層41を配置することが望ましい。
[実施例]
評価方法および評価結果について説明する。サイズが11R22.5 16PR の夏用タイヤを台タイヤとし、冬用トレッドを設けた更生タイヤを複数種類作製した。表1において、比較例1は追加ベルト層B1の無い更生タイヤである。実施例1から実施例10および比較例2から比較例14は、更生トレッドの幅T1w/追加ベルト層B1の幅B1w、追加ベルト層B1の幅B1w/バフクラウンの幅BFw、追加ベルト層B1の幅B1w、バフクラウンの幅BFw、更生タイヤの赤道面に対する追加ベルト層B1のベルトコードの配置角度aを変化させたものである。
評価方法および評価結果について説明する。サイズが11R22.5 16PR の夏用タイヤを台タイヤとし、冬用トレッドを設けた更生タイヤを複数種類作製した。表1において、比較例1は追加ベルト層B1の無い更生タイヤである。実施例1から実施例10および比較例2から比較例14は、更生トレッドの幅T1w/追加ベルト層B1の幅B1w、追加ベルト層B1の幅B1w/バフクラウンの幅BFw、追加ベルト層B1の幅B1w、バフクラウンの幅BFw、更生タイヤの赤道面に対する追加ベルト層B1のベルトコードの配置角度aを変化させたものである。
偏摩耗性については、ショルダー部の摩耗速度(1mm摩耗する走行距離)をセンター部の摩耗速度に対する比で評価した。また、直進性能については、直進路での車両走行時の車両直進性について評価した。なお、台タイヤの最大ベルト幅B0wは140mmで、更生タイヤのトレッド幅T1wは230mmである。
表1においては、追加ベルト層B1の無い比較例1の指数を「100」とし、指数の値が大きいほど好ましい。偏摩耗性能は、数値が80以上である場合に良好であるとした。直進性能は、数値が80以上である場合に良好であるとした。
表1に示す実施例1から実施例10、および、比較例1から比較例14からわかるように、更生トレッドの幅T1w/追加ベルト層B1の幅B1wが1.00以上1.50以下で、追加ベルト層B1の幅B1wが最大ベルト幅B0w以上でバフクラウンの幅BFw以下、バフクラウンの幅BFwが1.05×最大ベルト幅B0w以上かつ0.95×更生トレッドの幅T1w以下で、追加ベルト層B1の幅B1w/バフクラウンの幅BFwが0.96以上1.00未満の場合に、良好な結果が得られた。
また、最外層ベルトを除去しない場合の追加ベルト層B1のベルトコードの配置角度aが更生タイヤの赤道面に対し50度以上かつ70度以下の場合に、良好な結果が得られた。さらに、最外層ベルトを除去した場合の追加ベルト層B1のベルトコードの配置角度aが、前記台タイヤの除去したベルト層のタイヤ赤道面に対する角度bに対し、(b−10)度以上かつ(b+10)度以下である場合に、良好な結果が得られた。
1、1b、1c、1d、1e 更生タイヤ
1a 新品タイヤ
2 更生トレッド
3 トレッド踏面
5 ショルダー部
10 陸部
11 周方向主溝
20 台タイヤ
21 トレッド部
23 サイドウォール部
25 カーカス
26 インナーライナ
30、30a ベルト層
31、32、33、34 ベルト
35 ビード部
36 ビードコア
37 ビードフィラー
40、40a、40b バフ部
41 クッションゴム層
B1、B1a 追加ベルト層
1a 新品タイヤ
2 更生トレッド
3 トレッド踏面
5 ショルダー部
10 陸部
11 周方向主溝
20 台タイヤ
21 トレッド部
23 サイドウォール部
25 カーカス
26 インナーライナ
30、30a ベルト層
31、32、33、34 ベルト
35 ビード部
36 ビードコア
37 ビードフィラー
40、40a、40b バフ部
41 クッションゴム層
B1、B1a 追加ベルト層
Claims (4)
- 更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである台タイヤの既存のベルト層で最大幅となるベルトの幅をB0w、更生加工後の更生トレッドの幅をT1wとした場合に、
T1w/B0w≧1.50
である台タイヤと更生トレッドとを組み合わせて製造された更生タイヤであって、
前記台タイヤの既存のベルト層で最大幅となるベルトと同程度以上の剛性および強力を有する追加ベルト層を、バフクラウン幅BFwのバフ界面の外側に配置し、
前記追加ベルト層の幅をB1wとした場合、更生タイヤのトレッド幅T1wに対し、
1.00≦T1w/B1w≦1.50
および
B0w≦B1w≦BFwを満たし、
かつ、バフ界面のショルダー幅をBFwとした場合、
B0w×1.05≦BFw≦T1w×0.95
および
0.96≦B1w/BFw<1.00
を満たす、更生タイヤ。 - 前記追加ベルト層のベルトコードの配置角度が更生タイヤの赤道面に対し、
50度以上70度以下をなす、請求項1に記載の更生タイヤ。 - 前記更生加工において最外層のベルトを除去して前記台タイヤとする場合は、前記追加ベルト層のベルトコードの配置角度aが、前記台タイヤの除去したベルト層のタイヤ赤道面に対する角度bに対し、
b−10度≦a≦b+10度
をなす、請求項1に記載の更生タイヤ。 - バフ界面と前記追加ベルト層との間に接着性を向上させるクッションゴム層を、前記追加ベルト層のコードと前記バフ界面との最小距離が少なくとも0.1mmとなるように配置した、請求項2または請求項3に記載の更生タイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016212600A JP2018069946A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 更生タイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016212600A JP2018069946A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 更生タイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018069946A true JP2018069946A (ja) | 2018-05-10 |
Family
ID=62113583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016212600A Pending JP2018069946A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 更生タイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018069946A (ja) |
-
2016
- 2016-10-31 JP JP2016212600A patent/JP2018069946A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2014010351A1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009040179A (ja) | 更生タイヤ用プレキュアトレッド及び更生タイヤ | |
US11052708B2 (en) | Pneumatic tire | |
EP3845396A1 (en) | Pneumatic tire | |
JP6269306B2 (ja) | 更生タイヤ | |
JP2018114781A (ja) | 更生タイヤ | |
CN104626886B (zh) | 充气轮胎 | |
JP6221788B2 (ja) | 更生タイヤ | |
JP6287276B2 (ja) | 更生タイヤ | |
JP6269135B2 (ja) | 更生タイヤ | |
JP2007216634A (ja) | 更生タイヤの製造方法、及び更生タイヤ | |
JP2017061233A (ja) | 更生タイヤ | |
JP2018069946A (ja) | 更生タイヤ | |
JP6221789B2 (ja) | 更生タイヤ | |
EP3459764B1 (en) | Tire | |
JP2004098953A (ja) | 更生用空気入りタイヤおよび更生方法、ならびに更生タイヤ | |
JP5188936B2 (ja) | 航空機用更生タイヤおよびその製造方法 | |
JP5708234B2 (ja) | 更生タイヤ及びその製造方法 | |
US11097575B2 (en) | Pneumatic tire | |
JP2021116043A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ、空気入りラジアルタイヤの製造方法、及びタイヤ加硫金型 | |
JP6369184B2 (ja) | 更生タイヤ | |
JP2011025853A (ja) | タイヤ及びタイヤの更生方法 | |
JP5084255B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 | |
JP3051456B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤの更生方法 | |
JP6805544B2 (ja) | 更生タイヤ |