JP6019685B2 - ナノインプリント方法及びナノインプリント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、微細な凹凸パターンを形成するナノインプリント方法、及び該ナノインプリント方法を用いたナノインプリント装置に関する。
近年、特に半導体デバイスにおいては、微細化の一層の進展により高速動作、低消費電力動作が求められ、また、システムLSIという名で呼ばれる機能の統合化などの高い技術が求められている。このような中、半導体デバイスのパターンを作製する要となるリソグラフィ技術は、デバイスパターンの微細化が進むにつれ露光波長の問題などからフォトリソ方式の限界が指摘され、また、露光装置などが極めて高価になってきている。
その対案として、近年、微細凹凸パターンを用いたナノインプリントリソグラフィ(NIL)法が注目を集めている。1995年Princeton大学のChouらによって提案されたナノインプリント(インプリントとも言う)法は、装置価格や使用材料などが安価でありながら、10nm程度の高解像度を有する微細パターンを形成できる技術として期待されている。
ナノインプリント法は、予め表面にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したテンプレートを、被加工基板表面に塗布形成された樹脂などの転写材料に押し付けて力学的に変形させて凹凸パターンを精密に転写し、パターン形成されたナノインプリント材料をレジストマスクとして被加工基板を加工する技術である。一度テンプレートを作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため高いスループットが得られて経済的であるとともに、有害な廃棄物が少ないナノ加工技術であるため、近年、半導体デバイスに限らず、さまざまな分野への応用が進められている。
このようなナノインプリント法には、熱可塑性樹脂を用いて熱により凹凸パターンを転写する熱ナノインプリント法や、光硬化性材料を用いて紫外線により凹凸パターンを転写する光ナノインプリント法などが知られている。転写材料としては、熱ナノインプリント法では熱可塑性樹脂、光ナノインプリント法では光硬化性樹脂などの光硬化性材料が用いられる。光ナノインプリント法は、室温で低い印加圧力でパターン転写でき、熱ナノインプリント法のような加熱・冷却サイクルが不要でテンプレートや樹脂の熱による寸法変化が生じないために、解像性、アライメント精度、生産性などの点で優れていると言われている。以後、本発明では、光ナノインプリント法を単に、ナノインプリント法と言う。
従来、ナノインプリント方法では、ナノインプリント後、密着したテンプレートと被加工基板とを離型するのに困難を伴う場合が多く、この離型工程で転写パターンに欠陥が発生したり、転写パターンにディストーション(歪み)によるパターンの変位を生じる問題があった。
離型工程での欠陥発生を防ぐために、図6に示すように、テンプレート(モールドとも言う)の凹凸パターンの反対の裏面側を加工し、厚さを薄くしてくぼみを設けたテンプレート64を用い、被転写基板62とテンプレートの間、パターン層内のガスの閉じ込め及び/またはガス・ポケットを防止、最小化するテンプレートが提案されている(特許文献1参照)。また、転写パターンのディストーションを補正するために、転写されたパターンのディストーションの情報に基づいて、駆動機構の動作を制御するために、テンプレートの周辺部を保持する複数の保持部と、複数の保持部を基部に対しZ軸方向においてそれぞれ位置決めする機構を有する押印装置が開示されている(特許文献2参照)。
特表2009−536591号公報 特開2010−80714号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、転写パターンの歪みには触れられておらず、裏面にくぼみを有するテンプレートを用いてナノインプリントすると、テンプレートと被加工基板とが接触しているナノインプリント領域(凸状の段差領域であり、メサ領域とも言う)の境界付近で、局所的なパターンの歪みが生じることがわかった。この局所的なパターン歪みという問題は、転写パターンの「パターン位置精度」の劣化をもたらすことになる。「パターン位置精度」とは、等方的倍率誤差を除いて定義された理想格子とパターン中心との位置ずれの標準偏差(3σ)である。また、特許文献2に記載の装置は、テンプレートによるウェハへのインプリントに対して、転写パターンのXY平面のディストーションを、XY方向、Z方向の保持駆動機構を用いて強制的に補正する発明であるが、上記の新たに見出された局所的な歪みに関しては対応しにくい機構であるという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、テンプレートもしくは被加工基板の少なくともいずれか一方の表面に段差構造及び裏面にくぼみを有する場合のナノインプリント方法において、ナノインプリントにより転写パターンに生じる局所的なパターン歪みによるパターン変位を抑制したナノインプリント方法及び該ナノインプリント方法を用いたナノインプリント装置を提供することにある。
本発明者は、テンプレートに段差構造及びくぼみがある場合、被加工基板の転写パターンの変位が大きい領域は、被加工基板のテンプレートの段差構造(メサ構造)周辺部と接する領域であり、テンプレートの押し付ける力が適正でない場合に段差構造の周辺部に歪みが生じていることが、その要因であることを見出した。また、その状態である場合、テンプレートの段差構造の周辺部において、被加工基板に対する局所的な傾き(角度)も変わることを見出した。本発明においては、テンプレートの段差領域外(ナノインプリント領域外)の変形の程度を測定し、押し付ける力を調節して、転写パターンの設計値からの変位(位置ずれ量)を低減させてナノインプリントするものである。また、本発明において、被加工基板に段差構造及びくぼみがある場合には、被加工基板の段差領域外の変形の程度を測定し、押し付ける力を調節して、転写パターンの設計値からの変位(位置ずれ量)を低減させてナノインプリントするものである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明に係るナノインプリント方法は、被加工基板上に光硬化性樹脂層を形成し、前記光硬化性樹脂層に凹凸パターンを設けた光透過性のテンプレートを押し付け、前記テンプレートを介して光を照射して前記光硬化性樹脂層を硬化させ、前記テンプレートを前記硬化した光硬化性樹脂層から離型し、前記被加工基板上に前記硬化した光硬化性樹脂層を形成し、前記硬化した光硬化性樹脂層及び前記被加工基板をエッチングして、前記被加工基板に凹凸の転写パターンを形成するナノインプリント方法であって、前記テンプレートが、第1の主面と第2の主面を有し、前記第1の主面が、周囲よりも高い凸状の段差構造を有し、前記段差構造に前記凹凸パターンを設けたパターン領域が形成されており、前記第1の主面に相対する前記第2の主面が、前記第1の主面のパターン領域と重なり、かつ、前記第1の主面のパターン領域よりも広い面積のくぼみを備え、前記光硬化性樹脂層に前記テンプレートを押し付けるに際し、前記テンプレートの前記くぼみを備えた領域の前記段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、前記テンプレートの局所的な傾きまたは前記テンプレートと前記被加工基板との局所的な間隔を計測し、計測した前記傾きまたは前記間隔の大きさに基づいて前記押し付ける力を調節して、前記転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に記載の発明に係るナノインプリント方法は、被加工基板上に光硬化性樹脂層を形成し、前記光硬化性樹脂層に凹凸パターンを設けた光透過性のテンプレートを押し付け、前記テンプレートを介して光を照射して前記光硬化性樹脂層を硬化させ、前記テンプレートを前記硬化した光硬化性樹脂層から離型し、前記被加工基板上に前記硬化した光硬化性樹脂層を形成し、前記硬化した光硬化性樹脂層及び前記被加工基板をエッチングして、前記被加工基板に凹凸の転写パターンを形成するナノインプリント方法であって、前記テンプレートが、平行平面の光透過性基板上に前記凹凸パターンを設けたパターン領域が形成され、段差構造及びくぼみを有していないテンプレートであり、前記被加工基板が、第1の主面と第2の主面を有し、前記第1の主面が、前記転写パターンを形成するパターン領域として周囲よりも高い凸状の段差構造を有し、前記第1の主面に相対する前記第2の主面が、前記第1の主面のパターン領域と重なり、かつ、前記第1の主面のパターン領域よりも広い面積のくぼみを備え、前記光硬化性樹脂層に前記テンプレートを押し付けるに際し、前記被加工基板の前記くぼみを備えた領域の前記段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、前記被加工基板の局所的な傾きまたは前記テンプレートと前記被加工基板との局所的な間隔を計測し、計測した前記傾きまたは前記間隔の大きさに基づいて前記押し付ける力を調節して、前記転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に記載の発明に係るナノインプリント方法は、請求項1または請求項2に記載のナノインプリント方法において、前記テンプレートもしくは前記被加工基板の傾き、または前記テンプレートと前記被加工基板との間隔を計測するのに、レーザ顕微鏡またはオートコリメータを用いることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に記載の発明に係るナノインプリント方法は、請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法において、前記段差構造の境界領域の前記テンプレートの押し付ける力を局所的に制御して、前記押し付ける力を調節することを特徴とするものである。
本発明の請求項5に記載の発明に係るナノインプリント方法は、請求項1から請求項4までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法において、前記テンプレートもしくは前記被加工基板の前記くぼみ内の圧力を制御して、前記押し付ける力を調節することを特徴とするものである。
本発明の請求項6に記載の発明に係るナノインプリント方法は、請求項1から請求項5までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法において、前記テンプレートが、石英ガラス基板であることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に記載の発明に係るナノインプリント装置は、請求項1から請求項6までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法を用いたことを特徴とするものである。
本発明のナノインプリント方法によれば、裏面にくぼみを備え表面のパターン領域に段差構造を有するテンプレートを用いて、被加工基板にナノインプリントして転写パターンを製造する際に、テンプレートのくぼみを備えた領域において、段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、テンプレートの傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔を計測し、テンプレートを押し付ける力を調節することにより、転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることが可能となる。
本発明のナノインプリント方法によれば、裏面にくぼみを備え表面の転写パターンを形成する領域に段差構造を有する被加工基板を用いて、テンプレートのパターンをナノインプリントして転写パターンを製造する際に、被加工基板のくぼみを備えた領域において、段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、被加工基板の傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔を計測し、テンプレートを押し付ける力を調節することにより、転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることが可能となる。
本発明のナノインプリント用装置は、ナノインプリント用装置にテンプレートもしくは被加工基板の傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔を計測する測定器を備えることにより、転写パターンのパターン歪みを低減させることが可能なナノインプリント用装置が得られる。
本発明のナノインプリント方法の第1の実施形態を示す工程断面模式図である。 図1に続く本発明のナノインプリント方法の第1の実施形態を示す工程断面模式図である。 本発明のナノインプリント方法の第2の実施形態を示す工程断面模式図である。 図3に続く本発明のナノインプリント方法の第2の実施形態を示す工程断面模式図である。 テンプレートに段差構造がある場合、テンプレートの段差構造の境界領域におけるパターンの変位を示す図である。 従来のメサ領域を有し裏面にくぼみを有する厚さが変化するテンプレートを用いてナノインプリントするパターン形成装置の断面図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係るナノインプリント方法及び該ナノインプリント方法を用いたナノインプリント装置について詳細に説明する。
<ナノインプリント方法>
(第1の実施形態)
図1及びそれに続く図2は、本発明のナノインプリント方法の第1の実施形態を示す工程断面模式図である。
まず凹凸パターンを有する光透過性のテンプレートを準備する。図1(a)は、本発明のナノインプリント方法の第1の実施形態において用いるテンプレート10の一例を示す断面模式図である。テンプレート10は、第1の主面11と第2の主面12とを有し、テンプレート10の第1の主面11は、周囲よりも高い凸状の段差構造(メサ構造とも言う)14を有しており、この段差構造に上記の凹凸パターンを設けたパターン領域が形成されている。テンプレート10の第1の主面11に相対する第2の主面12には、第1の主面のパターン領域13と重なり、かつ、第1の主面のパターン領域13よりも広い面積を有するくぼみ15を有している。以下に、上記の構成のテンプレート10について、さらに詳しく説明する。
従来のナノインプリント方法においては、テンプレートと被加工基板との双方が厚い基板同士では、ナノインプリント後に離型することが困難であったのに対し、本実施形態のナノインプリント方法におけるテンプレート10は、パターン領域13と重なり、かつ、パターン領域13よりも広い面積のくぼみ15を有することにより、ナノインプリント後にテンプレートを被加工基板から離型する際に、テンプレート10がある程度変形し、テンプレート10の端部から引き離していくことが可能となる。また、上記テンプレート10は、ナノインプリント時においても、凹凸パターン周辺の空気を押し出す効果があり、欠陥発生が抑えられた光硬化性樹脂パターンを転写することができる。
上記のように、離型を容易に開始させるためには、テンプレート10または被加工基板の少なくとも一方にくぼみを設ければよい。しかし、被加工基板は要求特性上、くぼみが設けられないことが多い。したがって、本実施形態のナノインプリント方法では、テンプレート側にくぼみを設けている。もとより、被加工基板側にくぼみが設けられる場合には、被転写基板側にもくぼみを設けてあってもよい。
本発明のナノインプリント方法では、テンプレート10は電子線リソグラフィでパターンを形成し、ドライエッチングなどにフォトマスク製造装置を使用するので、従来のフォトマスク製造装置やマスクプロセスに適合し易い基板構造であることが望ましい。例えば、外形6インチ角、厚さ0.25インチの平行平面の石英ガラス基板の一方の主面に段差構造を有し、この段差構造に凹凸パターンを設けたパターン領域を形成し、他方の主面にくぼみを有するテンプレートが用いられる。
本発明のテンプレート10のくぼみ15の形状は、正方形、長方形、円形、楕円からなる一群の幾何学形状から選択される形状を有するものである。
さらに、テンプレート10のくぼみ15は、第1の主面11と平行な底面16を備え、第1の主面11からくぼみの底面16までの距離が、テンプレート10の厚さの半分よりも小さいのが好ましい。テンプレートの厚さの半分よりも小さくして、くぼみ領域の基板の厚さを薄くすることにより、ナノインプリント後にテンプレートと被加工基板を離型する際に、テンプレート10が弾性変形し、離型し易くなるからである。
一方、第1の主面11からくぼみの底面16までの距離の下限は、テンプレートの材質、くぼみ領域や段差構造の形状・面積などにより異なるが、テンプレートとしての強度を保持するために一定の厚さ以上が必要である。例えば、厚さ0.25インチの石英ガラス基板に直径60mmの円形状のくぼみを設ける場合には、少なくとも0.5mm以上の厚さとするのが好ましい。
本発明のナノインプリント方法におけるテンプレート10は、第1の主面11のパターン領域13が周囲よりも高い凸状の段差構造(メサ構造)14を有し、段差構造とすることにより、ナノインプリント時にパターン領域以外の被転写基板の部位がマスターテンプレートと接触して欠陥や破損が生じるのを防止し、また接触部分を少なくすることにより両者の離型を容易にしている。さらに、被転写基板に特に複数ショットのナノインプリントをする場合、先にナノインプリントしたパターンに干渉させることなく、良好なパターン形成ができる。
被加工基板としては、石英ガラス基板、シリコンウェハ基板等のナノインプリントパターンの形成を所望する各種の基板が用いられる。
半導体ウェハ用途の場合、段差構造(メサ構造)14の形状は、通常はウェハの生産効率の観点から矩形状とされるが、必ずしも限定される訳ではなく、形状が他の形状あるいは不定形であってもよい。凸状の段差構造の高さは、数μm〜数10μmの範囲で設けられる。段差構造をなすパターン領域13の面積は、必要とする1フィールドのパターンに依存するが、例えば、数10mm×数10mmの矩形状で設定される。
本発明において、テンプレート10を構成する材料としては、ナノインプリントに用いる光を透過する光学研磨された石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどが挙げられるが、石英ガラスは、フォトマスク用基板としての使用実績が高く品質が安定しており、段差構造、くぼみ及び凹凸パターンを設けることにより一体化した光透過性の構造とすることができ、高精度の微細な凹凸パターンを形成できるので、より好ましい。
再び、図1に戻って説明する。
図1(b)に示すように、被加工基板17を準備し、その加工すべき表面に光硬化性樹脂を塗布し、光硬化性樹脂層18を形成する。一方、転写すべき凹凸パターンを設けた上記のテンプレート10を用意する。
本発明において、光硬化性樹脂の塗布方法としては、従来公知のスピン塗布方式やインクジェット塗布方式が用いられるが、フィールド内を所定の領域毎に分けて塗布量を制御して光硬化性樹脂を塗布することが可能なインクジェット方式がより好ましい。ナノインプリント法では、塗布する光硬化性樹脂の必要量を転写すべきパターン密度に応じて変化させる必要が生じることがあるからである。1フィールドはナノインプリントする際の1ショットサイズに相当する。
次に、図1(c)に示すように、被加工基板17上の光硬化性樹脂層18にテンプレート10の凹凸パターンを密着させ、所定の押し付ける力19で押し付ける。本実施形態のナノインプリント方法においては、光硬化性樹脂層18にテンプレート10を押し付けるに際し、段差構造14の領域外の少なくとも2箇所以上で、テンプレートの傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔(ギャップ)を計測し、押し付ける力19を調節して、転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させるものである。
本発明においては、図1(c)に示すように、上記のテンプレート10の傾きまたはテンプレート10と被加工基板17との間隔を計測するのに、測定器21としてレーザ顕微鏡またはオートコリメータが用いられる。パターン転写時の力が適正でない場合には、特に転写領域の外周部周辺に局所的に大きなパターン歪みが生じる。この場合、テンプレートのくぼみを備えた領域において、転写領域(段差領域)の外側の領域でテンプレートの変形の程度を測定することにより、局所的なパターン歪みを生じる押し付ける力19を調整し、パターン歪みを低減することが可能である。
押し付ける力19を調節する手段としては、テンプレート10の押し付ける力を制御する方法、あるいはくぼみ15側の圧力を制御する方法を適用することができる。図1(d)は、くぼみ15側の圧力を制御する方法として、くぼみ15内の背圧力(バックプレッシャー)22を制御して転写時の圧力を適正に調整する場合を例示している。
次に、転写パターンの歪みが低減するように転写時の圧力を適正に調整した後、図2(e)に示すように、光(紫外光)23を照射して硬化した光硬化性樹脂層24を形成する。
次に、テンプレート10を硬化した光硬化性樹脂層24から離型する。離型後、図2(f)に示すように、被加工基板17上に硬化した光硬化性樹脂層24による転写パターンが形成される。
ナノインプリント法では、テンプレート10の凹凸パターンの凸部に相当する部分の光硬化性樹脂が被加工基板17上に薄い残膜として残るので、図2(g)に示すように、酸素ガスを用いたイオンエッチング処理などで薄い残膜を除去し、硬化した光硬化性樹脂パターン25を形成する。
次いで、光硬化性樹脂パターン25をマスクとし、例えば、CF4ガスなどを用いて被加工基板をドライエッチングして、図2(h)に示すように、凹凸の転写パターン26を形成した被加工基板20を得る。
図5(a)及び図5(b)は、段差構造(メサ構造)とくぼみを有するテンプレート51を用いて、被加工基板52にナノインプリントしてパターン転写したとき、テンプレート51に働く変形を説明する断面模式図である。図5(b)は、図5(a)に示す円形内の段差構造の境界付近の変形の水平方向成分の大きさを、白黒濃度で表示した拡大図である。水平方向の変形を示す白黒濃度はシミュレーションにより求めており、黒濃度が高いほど図5(b)において右方向の変形が、黒濃度が低いほど、左方向の変形が大きいことを示している。
図5(a)に示すように、テンプレート51の被加工基板52への押し付ける力が強い場合、テンプレート51と被加工基板52が接触しているナノインプリント領域(段差構造領域)の境界付近53では、応力が集中し、変形が生じている。結果として、図5(b)に示すように、特に段差構造の境界56周辺に局所的に黒太の矢印で示す変形が生じ、荷重(押し付ける力)が開放されると、段差構造54の中心部から外向きのパターンの変位が残ることになる。尚、図5においては、テンプレートの変形の水平方向成分を示したが、垂直方向にも変形は生じている(図示せず)。
本発明のナノインプリント方法は、テンプレートを光硬化性樹脂層に押し付けたときに、段差構造の境界周辺に生じる局所的なパターン歪みを除くために、テンプレートのくぼみを備えた領域において、段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、テンプレートの傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔(ギャップ)57を計測し、押し付ける力を調節して、転写パターンの設計値からの変位(位置ずれ量)を低減させるものである。変形の程度(変位)は、テンプレートの被加工基板に対する傾きの測定、あるいはテンプレートと被加工基板との間隔(ギャップ)57の測定により得ることができ、測定機器としてレーザ顕微鏡またはオートコリメータを用いることができる。
本発明において、図1に示すテンプレート10の段差構造14を掘り込んで形成したパターン領域13の凹部の深さは、ウェハ基板などのナノインプリントする基板に形成する光硬化性樹脂パターンの所望する樹脂パターンの厚さに依存するが、例えば、凹凸パターンの凹部の深さが20nm〜100nmの範囲で用いられる。
本発明のナノインプリント方法においては、図2(h)に示すように、凹凸の転写パターン26を形成した被加工基板20の凹凸の転写パターン26は、図1(a)に示すテンプレート10のパターン領域の凹凸関係、左右関係が反転したパターンとなる。したがって、必要とされる被加工基板のパターンに対応して、予めテンプレートのパターンデータを変換し、凹凸関係、左右関係が反転したパターンを有するテンプレートを用いて被加工基板を作製すれば、必要とされる所望のパターンを有する被加工基板を得ることができる。予めパターンデータを変換しておく方法は、被加工基板製造プロセスに負荷がかからず、欠陥発生が増加することのない好ましい方法である。
本実施形態のナノインプリント方法によれば、裏面にくぼみを備え表面のパターン領域に段差構造を有するテンプレートを用いて、被加工基板にナノインプリントして転写パターンを製造する際に、テンプレートのくぼみを備えた領域において、段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、テンプレートの傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔を計測し、テンプレートを押し付ける力を調節することにより、転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることが可能となる。
(第2の実施形態)
図3及びそれに続く図4は、本発明のナノインプリント方法の第2の実施形態を示す工程断面模式図である。本実施形態は、マスターテンプレートからレプリカテンプレートを製造するのに好適なナノインプリント方法である。以下、レプリカテンプレートを例にしての第2の実施形態を説明するが、第1の実施形態と共通する内容については説明を省略する。
まず、図3(a)に示すように、レプリカテンプレートとする被加工基板30を準備する。図3(a)は、被加工基板30の一例の断面模式図である。
本実施形態において、被加工基板30は、例えば、大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの平行平面の石英ガラス基板上に、第1の主面31と第2の主面32とを有し、転写パターンを形成する第1の主面31のパターン領域33が周囲よりも高い凸状の段差構造(メサ構造)34を有しており、第1の主面31に相対する第2の主面32に、第1の主面のパターン領域33と重なり、かつ、第1の主面のパターン領域33よりも広い面積を有するくぼみ35を有し、上記の凸状の段差構造34が、6インチ角の石英ガラス基板の中央部に位置するものである。
本実施形態に用いる被加工基板30のくぼみ35の形状は、正方形、長方形、円形、楕円からなる一群の幾何学形状から選択される形状を有するものである。
さらに、被加工基板30のくぼみ35は、第1の主面31と平行な底面36を備え、第1の主面31からくぼみの底面36までの距離(d)が、被加工基板30の厚さ(t)の半分よりも小さいのが好ましい。被加工基板30の厚さ(t)の半分よりも小さくして、くぼみ領域の基板の厚さを薄くすることにより、ナノインプリント後にマスターテンプレートと被加工基板を離型する際に、被加工基板30が弾性変形し、離型し易くなるからである。
次に、図3(b)に示すように、準備された上記の被加工基板30の第1の主面31の凸状の段差構造34上に光硬化性樹脂層37を形成する。
一方、転写すべき凹凸パターン39を設けたテンプレート(マスターテンプレートとも言う)38を用意する。
本実施形態のナノインプリント方法において、マスターテンプレート38は、フォトマスク製造装置やマスクプロセスに適合する基板構造として、例えば、大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの平行平面の石英ガラス基板上に凹凸パターンが形成され、段差構造及びくぼみを有していないマスターテンプレートを用いている。上記の大きさの石英ガラス基板は、フォトマスクで使用実績が高く、高品質である。
次に、図3(c)に示すように、被加工基板30上の光硬化性樹脂層37にテンプレート38の凹凸パターン39を密着させ、所定の押し付ける力42で押し付ける。本実施形態のナノインプリント方法においては、光硬化性樹脂層37にテンプレート38を押し付けるに際し、被加工基板30のくぼみを備えた領域において、段差構造34の領域外の少なくとも2箇所以上で、被加工基板30の傾きまたはテンプレート38と被加工基板30との間隔(ギャップ)を計測し、押し付ける力42を調節して、転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させるものである。
本発明においては、図3(c)に示すように、上記の被加工基板30の傾きまたはテンプレート38と被加工基板30との間隔を計測するのに、測定器41としてレーザ顕微鏡またはオートコリメータが用いられる。図3(c)では、被加工基板30のくぼみ35側から計測している場合を示しているが、石英ガラスなどの光透過性基板を用いたマスターテンプレート38側から計測することも可能である。パターン転写時の力が適正でない場合には、特に転写領域の外周部周辺に局所的に大きなパターン歪みが生じる。この場合、被加工基板30のくぼみを備えた領域において、転写領域(段差領域)の外側の領域で被加工基板30の変形の程度を測定することにより、局所的なパターン歪みを生じる押し付ける力42を調整し、パターン歪みを低減することが可能である。
押し付ける力42を調節する手段としては、テンプレート38の押し付ける力を制御する方法、あるいは被加工基板30のくぼみ35側の圧力を制御する方法を適用することができる。
次に、転写パターンの歪みが低減するように転写時の圧力を適正に調整した後、図3(d)に示すように、光(紫外光)43を照射して硬化した光硬化性樹脂層44を形成する。
次に、図4(e)に示すように、テンプレート38を硬化した光硬化性樹脂層44から離型し、離型後、被加工基板30の第1の主面31の凸状の段差構造34上に硬化した光硬化性樹脂層44による転写パターンを形成する。
ナノインプリント法では、テンプレートの凹凸パターンの凸部に相当する部分の光硬化性樹脂が被加工基板30上に薄い残膜として残るので、図4(f)に示すように、酸素ガスを用いたイオンエッチング処理などで薄い残膜を除去し、硬化した光硬化性樹脂パターン45を形成する。
次いで、光硬化性樹脂パターン45をマスクとし、例えば、CF4ガスなどを用いて被加工基板をドライエッチングして、図4(g)に示すように、凹凸の転写パターン46を形成した被加工基板(レプリカテンプレートと言う)40を得る。
本発明のナノインプリント方法は、被加工基板が、被加工表面に金属膜が形成されているのも好ましい形態である。被加工基板をドライエッチングして転写パターンを形成するに際し、硬化した光硬化性樹脂パターンのみではエッチング耐性が十分でない場合がある。そこで、硬化した光硬化性樹脂パターンを金属膜パターンに変換し、金属膜パターンをハードマスクとして被加工基板をドライエッチングし、最後に金属膜パターンをエッチングして除去する方法が用いられるからである。
上記の金属膜としては、被加工基板の特性により種々の金属膜が用いられるが、例えば、被加工基板が石英ガラス基板の場合には、石英ガラスをエッチングするときに用いるフッ素系ガスに耐性が大きいクロムまたはクロムを含む化合物(酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロムなど)が好ましく、膜厚5nm〜80nm程度の範囲で用いられる。
本実施形態のナノインプリント方法によれば、裏面にくぼみを備え表面の転写パターンを形成する領域に段差構造を有する被加工基板を用いて、テンプレートのパターンをナノインプリントして転写パターンを製造する際に、被加工基板のくぼみを備えた領域において、段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、被加工基板の傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔を計測し、テンプレートを押し付ける力を調節することにより、転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることが可能となる。
<ナノインプリント装置>
本発明のナノインプリント装置は、上記のナノインプリント方法を用いた装置であり、テンプレートもしくは被加工基板の段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、テンプレートもしくは被加工基板の傾きまたはテンプレートと被加工基板との間隔を計測する測定器を備えることにより、テンプレートを被加工基板に押し付ける力を調節することができ、転写パターンのパターン歪みを低減させることが可能なナノインプリント用装置である。上記の傾きまたは間隔を計測する測定器としては、レーザ顕微鏡またはオートコリメータを用いるのが好ましい。
次に、実施例により本発明を説明する。
(実施例1)
ナノインプリント用のテンプレートとして、外形が6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の第1の主面に、周囲よりも30μm高い面積25mm×30mmの段差構造(メサ構造)を有し、この段差構造に凹凸パターンが形成され、第2の主面に、第1の主面のパターン領域と重なり、かつ、第1の主面のパターン領域よりも広い面積を有する直径60mmの円形状のくぼみを有する基板を準備した。くぼみを形成している箇所の石英ガラス基板の厚さは1mmとした。
作製したテンプレートのパターンの凹部の深さは50nmとした。パターンは、凹部の幅40nm、ピッチ80nmの複数のラインアンドスペースパターンと、凹部の幅30nm、ピッチ60nmの複数のラインアンドスペースパターンとの2つのパターンとした。上記のテンプレートのパターンは、必要とされる被加工基板のパターンの凹凸関係、左右関係を反転したパターンを予め設定したものである。
次に、被加工基板としてテンプレートと同様の合成石英ガラス基板を準備した。この被加工基板上にナノインプリント用の光硬化性樹脂をインクジェット方式で、1フィールド分を塗布した。続いて、上記のテンプレートを用いて、被加工基板上の光硬化性樹脂層に押し付け、テンプレートのくぼみ側から、テンプレートの段差構造の領域外で、対称位置となるくぼみ側の2箇所にオートコリメータ(レーザ角度測定器)を設け、テンプレートの被加工基板に対する傾き角度を測定した。オートコリメータの精度は、±0.01秒である。
2箇所の傾き角度は0.20秒と0.23秒であったので、テンプレートを押し付ける力を調節して2箇所とも±0.02秒以下になるようにし、この状態でテンプレートを介して光硬化性樹脂を感光させる紫外光を照射して、光硬化性樹脂を光硬化させた。
次に、テンプレートの相対する2箇所の端面から上方に離型力を加えて、テンプレートを被加工基板から離型した。テンプレートはくぼみを有しており、ある程度変形することにより、端面から引き離していくことが可能であった。被加工基板上には光硬化性樹脂の凹凸パターンが転写され、光硬化性樹脂パターンはフィールド内に光硬化性樹脂高さ50nm、残膜厚15nmの均一な膜厚のパターンが形成された。
次に、被加工基板上に薄い残膜として残った光硬化性樹脂を、酸素ガスを用いたイオンエッチング処理を行って除去し、被加工基板上に硬化した高さ35nmの光硬化性樹脂パターンを形成した。
次いで、光硬化性樹脂パターンをマスクとし、CF4ガスを用いて被加工基板の石英ガラスをドライエッチングした後、光硬化性樹脂パターンを剥離し、石英ガラスによる凹凸の転写パターンを形成したレプリカテンプレートを得た。レプリカテンプレートのパターンは、マスターとなる元のテンプレートのパターンと凹凸関係、左右関係が反転したパターンであり、凹部の深さ50nm、凹部の幅40nm、ピッチ80nmの複数のラインアンドスペースパターンと、凹部の幅30nm、ピッチ60nmの複数のラインアンドスペースパターンとの2つのパターンを有するものである。
本実施例のナノインプリント方法は、ナノインプリント工程において発生する位置ずれの大きい領域の変位を、ナノインプリント領域の外でナノインプリント中に測定し、押し付ける力を調節して位置ずれ量を低減させることにより、パターン歪みの少ないナノインプリントを可能とするものである。
(実施例2)
本実施例は、レプリカテンプレートを作製する例である。ナノインプリント用のマスターテンプレートとして、大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の一主面上に電子線レジストを厚さ200nmで塗布し、電子線描画し、現像してレジストパターンを形成した後、石英ガラスをCF4ガスでドライエッチングした後、レジストパターンを剥離して、石英ガラスに凹凸パターンを形成したマスターテンプレートを作製した。
本実施例のマスターテンプレートは、段差構造及びくぼみを有しておらず、テンプレートのパターンの凹部の深さは50nmとした。パターンは、実施例1のパターンと同様に、凹部の幅40nm、ピッチ80nmの複数のラインアンドスペースパターンと、凹部の幅30nm、ピッチ60nmの複数のラインアンドスペースパターンとの2つのパターンとした。上記のテンプレートのパターンは、必要とされる被加工基板のパターンの凹凸関係、左右関係を反転したパターンを予め設定したものである。
一方、レプリカテンプレート用の被転写基板として、大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の第1の主面の中央部に、パターンを形成する領域(パターン領域)として、周囲よりも30μm高い面積25mm×30mmの凸状の段差構造(メサ構造)を有し、第2の主面に、第1の主面のパターン領域と重なり、かつ、第1の主面のパターン領域よりも広い面積を有する直径60mmの円形状のくぼみを有する基板を準備した。くぼみを形成している箇所の石英ガラス基板の厚さは1mmとした。
次に、この被加工基板上にナノインプリント用の光硬化性樹脂をインクジェット方式で、1フィールド分を塗布した。続いて、上記のマスターテンプレートを用いて、被加工基板上の光硬化性樹脂層に押し付け、被加工基板のくぼみ側から、被加工基板の段差構造の領域外で、対称位置となるくぼみ側の2箇所にオートコリメータ(レーザ角度測定器)を設け、被加工基板のテンプレートに対する傾き角度を測定し、テンプレートを押し付ける力を調節して2箇所とも±0.02秒以下になるようにし、この状態でテンプレートを介して光硬化性樹脂を感光させる紫外光を照射して、光硬化性樹脂を光硬化させた。
次に、テンプレートの端面から上方に離型力を加えて、テンプレートを被加工基板から離型した。被加工基板はくぼみを有しており、ある程度変形することにより、端面から引き離していくことが可能であった。被加工基板上には光硬化性樹脂の凹凸パターンが転写され、光硬化性樹脂パターンはフィールド内に光硬化性樹脂高さ50nm、残膜厚15nmの均一な膜厚のパターンが形成された。
次に、被加工基板上に薄い残膜として残った光硬化性樹脂を、酸素ガスを用いたイオンエッチング処理を行って除去し、被加工基板上に硬化した高さ35nmの光硬化性樹脂パターンを形成した。
次いで、光硬化性樹脂パターンをマスクとし、CF4ガスを用いて被加工基板の石英ガラスをドライエッチングした後、光硬化性樹脂パターンを剥離し、石英ガラスによる凹凸の転写パターンを形成したレプリカテンプレートを得た。レプリカテンプレートのパターンは、マスターテンプレートのパターンと凹凸関係、左右関係が反転したパターンで、凹部の深さ50nm、凹部の幅40nm、ピッチ80nmの複数のラインアンドスペースパターンと、凹部の幅30nm、ピッチ60nmの複数のラインアンドスペースパターンとの2つのパターンを有するものである。
本実施例のナノインプリント方法は、ナノインプリント工程において発生する位置ずれの大きい領域の変位を、ナノインプリント領域の外でナノインプリント中に測定し、押し付ける力を調節して位置ずれ量を低減させることにより、パターン歪みの少ないレプリカテンプレートの製造を可能とするものである。
10 テンプレート
11 第1の主面
12 第2の主面
13 パターン領域
14 段差構造
15 くぼみ
16 底面
17 被加工基板
18 光硬化性樹脂層
19 押し付ける力
20 転写パターンを形成した被加工基板
21 測定器
22 背圧力(バックプレッシャー)
23 光(紫外光)
24 硬化した光硬化性樹脂層
25 硬化した光硬化性樹脂パターン
26 凹凸の転写パターン
30 被加工基板
31 第1の主面
32 第2の主面
33 パターン領域
34 段差構造
35 くぼみ
36 底面
37 光硬化性樹脂層
38 テンプレート(マスターテンプレート)
39 凹凸パターン
40 転写パターンを形成した被加工基板(レプリカテンプレート)
41 測定器
42 押し付ける力
43 光(紫外光)
44 硬化した光硬化性樹脂層
45 硬化した光硬化性樹脂パターン
46 凹凸の転写パターン
51 テンプレート
52 被加工基板
53 ナノインプリント領域(段差構造領域)の境界付近
54 段差構造
55 インプリント領域
56 段差構造の境界
57 間隔(ギャップ)
61 パターン形成装置
62 被転写基板
63 ステージ
64 テンプレート
65 テンプレートチャック
66 高分子材料
67 アクチュエータ・システム

Claims (7)

  1. 被加工基板上に光硬化性樹脂層を形成し、前記光硬化性樹脂層に凹凸パターンを設けた光透過性のテンプレートを押し付け、前記テンプレートを介して光を照射して前記光硬化性樹脂層を硬化させ、前記テンプレートを前記硬化した光硬化性樹脂層から離型し、前記被加工基板上に前記硬化した光硬化性樹脂層を形成し、前記硬化した光硬化性樹脂層及び前記被加工基板をエッチングして、前記被加工基板に凹凸の転写パターンを形成するナノインプリント方法であって、
    前記テンプレートが、第1の主面と第2の主面を有し、前記第1の主面が、周囲よりも高い凸状の段差構造を有し、前記段差構造に前記凹凸パターンを設けたパターン領域が形成されており、前記第1の主面に相対する前記第2の主面が、前記第1の主面のパターン領域と重なり、かつ、前記第1の主面のパターン領域よりも広い面積のくぼみを備え、
    前記光硬化性樹脂層に前記テンプレートを押し付けるに際し、
    前記テンプレートの前記くぼみを備えた領域の前記段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、前記テンプレートの局所的な傾きまたは前記テンプレートと前記被加工基板との局所的な間隔を計測し、計測した前記傾きまたは前記間隔の大きさに基づいて前記押し付ける力を調節して、前記転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることを特徴とするナノインプリント方法。
  2. 被加工基板上に光硬化性樹脂層を形成し、前記光硬化性樹脂層に凹凸パターンを設けた光透過性のテンプレートを押し付け、前記テンプレートを介して光を照射して前記光硬化性樹脂層を硬化させ、前記テンプレートを前記硬化した光硬化性樹脂層から離型し、前記被加工基板上に前記硬化した光硬化性樹脂層を形成し、前記硬化した光硬化性樹脂層及び前記被加工基板をエッチングして、前記被加工基板に凹凸の転写パターンを形成するナノインプリント方法であって、
    前記テンプレートが、平行平面の光透過性基板上に前記凹凸パターンを設けたパターン領域が形成され、段差構造及びくぼみを有していないテンプレートであり、
    前記被加工基板が、第1の主面と第2の主面を有し、前記第1の主面が、前記転写パターンを形成するパターン領域として周囲よりも高い凸状の段差構造を有し、前記第1の主面に相対する前記第2の主面が、前記第1の主面のパターン領域と重なり、かつ、前記第1の主面のパターン領域よりも広い面積のくぼみを備え、
    前記光硬化性樹脂層に前記テンプレートを押し付けるに際し、
    前記被加工基板の前記くぼみを備えた領域の前記段差構造の領域外の少なくとも2箇所以上で、前記被加工基板の局所的な傾きまたは前記テンプレートと前記被加工基板との局所的な間隔を計測し、計測した前記傾きまたは前記間隔の大きさに基づいて前記押し付ける力を調節して、前記転写パターンの設計値からの位置ずれ量を低減させることを特徴とするナノインプリント方法。
  3. 前記テンプレートもしくは前記被加工基板の傾き、または前記テンプレートと前記被加工基板との間隔を計測するのに、レーザ顕微鏡またはオートコリメータを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナノインプリント方法。
  4. 前記段差構造の境界領域の前記テンプレートの押し付ける力を局所的に制御して、前記押し付ける力を調節することを特徴とする請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法。
  5. 前記テンプレートもしくは前記被加工基板の前記くぼみ内の圧力を制御して、前記押し付ける力を調節することを特徴とする請求項1から請求項4までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法。
  6. 前記テンプレートが、石英ガラス基板であることを特徴とする請求項1から請求項5までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法。
  7. 請求項1から請求項6までのうちのいずれか1項に記載のナノインプリント方法を用いたことを特徴とするナノインプリント装置。
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