JP5392145B2 - インプリント方法およびインプリント装置 - Google Patents

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本発明は、微細な凹凸パターンを形成するインプリント方法において、樹脂によるパターン欠陥を低減させた離型性に優れたインプリント方法、および該インプリント方法を用いたインプリント装置に関する。
近年、特に半導体デバイスについては、微細化の一層の進展により高速動作、低消費電力動作が求められ、また、システムLSIという名で呼ばれる機能の統合化などの高い技術が求められている。このような中、半導体デバイスのパターンを作製する要となるリソグラフィ技術は、パターンの微細化が進むにつれ、露光装置などが極めて高価になってきており、また、それに用いるマスク価格も高価になっている。
これに対して、1995年Princeton大学のChouらによって提案されたナノインプリント法(以後、インプリント法と言う)は装置価格や使用材料などが安価でありながら、10nm程度の高解像度を有する微細パターン形成技術として注目されている(特許文献1参照)。
インプリント法は、予め表面にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したモールド(テンプレート、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、被加工材である基板表面に塗布形成された樹脂などの転写材料に押し付けて力学的に変形させて微細パターンを精密に転写し、パターン形成された樹脂をレジストマスクとして被加工材を加工する技術である。一度モールドを作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため高いスループットが得られて経済的であるとともに、有害な廃棄物が少ないナノ加工技術であるため、近年、半導体デバイスに限らず、さまざまな分野への応用が期待されている。
このようなインプリント法には、熱可塑性樹脂を用いて熱により凹凸パターンを転写する熱インプリント法や、光硬化性樹脂を用いて紫外線により凹凸パターンを転写する光インプリント法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。転写材料である樹脂としては、熱インプリント法では熱可塑性樹脂、光インプリント法では光硬化性樹脂が用いられる。光インプリント法は、室温で低い印加圧力でパターン転写でき、熱インプリント法のような加熱・冷却サイクルが不要でモールドや樹脂の熱による寸法変化が生じないために、解像性、アライメント精度、生産性などの点で優れていると言われている。
図7は、従来の光インプリント法によるパターン形成を示す工程断面図である。図7(a)に示すように、まず、転写すべきパターンを有するモールド70を準備する。一方、被加工基板71上に低粘性の光硬化性樹脂72を塗布する。
次に、モールド70の凹凸パターンを被加工基板71上の光硬化性樹脂72に接触させて加圧し、図7(b)に示すように、モールド70を押し付けた状態で光(紫外線)73を照射し、光硬化性樹脂を硬化させ、硬化した光硬化性樹脂74とする。
次に、図7(c)に示すように、モールド70を硬化した光硬化性樹脂74から離型する。図7(c)に示す例では、モールドの相対する両端の2箇所から紙面上方に離型力Fを加えて、離型する状態を示す。離型後、被加工基板71上に光硬化性樹脂74による転写パターンが形成される。
インプリント法では、モールド70の凸部に相当する部分の光硬化性樹脂74が被加工基板71上に薄い残膜として残るので、被加工基板71表面を露出させる必要がある場合には、図7(d)に示すように、酸素ガスを用いたイオンエッチング処理などで残膜を除去する。
インプリント法で用いられるモールドには、パターン寸法の安定性、耐薬品性、加工特性などが求められる。光インプリント法の場合を例に取ると、一般的には光硬化に用いる紫外線を透過する石英ガラスが用いられている。インプリント法においては、モールドのパターン形状を忠実に転写材料である樹脂に転写しなければならない。そのためには、モールド形状を樹脂に転写してから、モールドを離すときに、樹脂に形状変化を与えずに離型する必要がある。
しかし、通常、石英ガラスなどによるモールドはパターン転写材料である樹脂との離型性が低く、転写パターンを形成した樹脂からモールドを離型する際に樹脂の一部がモールド側に密着してしまうため、転写された樹脂の凹凸パターンに欠け欠陥を生じ、パターン精度が低下しやすいという問題があった。また樹脂がパターンに付着したモールドは、付着樹脂を取り除かないと以後のパターン転写に使えなくなるという問題がある。このため、モールドと樹脂との離型性を向上させる方法として、例えば、モールドの凹凸パターン表面にフッ素樹脂などの離型剤の薄膜を塗布形成して離型性を高める方法が提案されている。
しかし、たとえ離型剤を用いたとしても、モールドを連続使用してインプリントする場合、塗布された離型剤が凹凸パターン表面から徐々に失われて離型性が低下し、その結果、転写時に樹脂がモールドに付着し、正確なパターン転写ができなくなるという問題があった。一般的に、樹脂の硬化は樹脂収縮を引き起こして応力を生じさせ、樹脂による凹凸パターンの欠陥は離型時に応力が集中し易い箇所に生じることが知られている。
このため、光インプリント法においてモールドと樹脂との離型性を向上させるために、位相変位層を備えたモールドを用い、露光強度を制御することで、特定部位の光硬化性樹脂について硬化の度合いを選択的に低くし、収縮応力を低減することにより、樹脂パターンの欠陥が発生する部位を選択的に未硬化として転写パターンの欠陥の発生を抑制する方法が提案されている(特許文献3参照)。
特表2004−504718号公報 特開2002−93748号公報 特開2008−201020号公報
しかしながら、特許文献3に記載された光インプリント方法は、露光光としてコヒーレントな光を用いる必要があり、光源、装置が複雑化するという問題があり、モールドに位相変位層を設けるには、位相変位層の成膜、モールド表裏のパターンの位置合せ、表裏のエッチング加工などの複雑な工程が必要となり、さらにはモールドごとに位相変位層のパターンを変えなくてはならないという問題があり、モールド価格やインプリント装置が高価になり、インプリント法の安価に高精度パターンを形成するという本来の目的から外れてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、微細な凹凸パターンを形成するインプリント方法において、モールドと樹脂との離型性に優れ、樹脂によるパターン欠陥を低減させ、安価に高精度パターンを形成するインプリント方法、および該インプリント方法を用いたインプリント装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係るインプリント方法は、パターンを形成したモールドを被加工基板上の光硬化性樹脂に押し付けると共に、光源から発した光を、前記モールドを介して、前記光硬化性樹脂にショットごとに露光することによって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記モールドを前記硬化した光硬化性樹脂から離型するインプリント方法であって、前記光源と前記モールドとの間に、前記光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整する露光量調整部を設け、前記露光量調整部を用いて、前記ショットごとのパターン形成領域内において、前記モールドが前記硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域の露光量を他の領域の露光量よりも小さくすることを特徴とするものである。
本発明の請求項2の発明に係るインプリント方法は、請求項1に記載のインプリント方法において、前記モールドが前記硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域が、前記パターン形成領域内の中央部であることを特徴とするものである。
本発明の請求項3の発明に係るインプリント方法は、パターンを形成したモールドを被加工基板上の光硬化性樹脂に押し付けると共に、光源から発した光を、前記モールドを介して、前記光硬化性樹脂にショットごとに露光することによって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記モールドを前記硬化した光硬化性樹脂から離型するインプリント方法であって、前記光源と前記モールドとの間に、前記光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整する露光量調整部を設け、前記露光量調整部を用いて、前記ショットごとのパターン形成領域内において、前記パターンの密度の高い領域の露光量を前記パターン密度の低い領域の露光量よりも小さくすることを特徴とするものである。
本発明の請求項4の発明に係るインプリント方法は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のインプリント方法において、前記露光量調整部が、前記光硬化性樹脂を硬化させる光の透過率分布、または反射率分布を有することを特徴とするものである。
本発明の請求項5の発明に係るインプリント方法は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のインプリント方法において、前記ショットごとのパターン形成領域内において、前記露光量調整部の光の透過率および透過率分布、または反射率および反射率分布が可変であることを特徴とするものである。
本発明の請求項6の発明に係るインプリント方法は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のインプリント方法において、前記露光量調整部が、光の透過率が2段階以上に変化する透過率領域を有する階調マスクであることを特徴とするものである。
本発明の請求項7の発明に係るインプリント装置は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のインプリント方法を用いたことを特徴とするものである。
本発明のインプリント方法は、モールドへの離型力のかけ方あるいはモールドのパターン密度に対応して、光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整する露光量調整部を設け、該露光量調整部を用いることにより、ショットごとのパターン形成領域内において、離型時の欠陥が発生し易い領域の光硬化性樹脂の硬化度を下げて、モールドと樹脂との離型性に優れ、樹脂によるパターン欠陥の発生を抑止もしくは低減させ、安価に高精度パターンを形成することができるという効果を奏する。
本発明のインプリント方法を用いたインプリント装置は、光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整する露光量調整部を設けることにより、モールドと樹脂との離型性に優れ、樹脂によるパターン欠陥の発生を抑止もしくは低減させ、高精度パターンを形成することができる安価なインプリント装置とすることができる。
本発明のインプリント方法を用いたインプリント装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のインプリント方法を用いたインプリント装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態における露光量調整部に用いられる階調マスクの例を示す平面図および断面図である。 本発明の第1の実施形態における露光量調整部に用いられる階調マスクの他の例を示す平面図および断面図である。 本発明の第2の実施形態における露光量調整部に用いられる階調マスクの例を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態における露光量調整部に用いられる階調マスクの例を示す平面図および断面図である。 従来の光インプリント方法によるパターン形成の一例を示す工程断面図である。
本発明者は、インプリント用モールドと光硬化性樹脂とを離型する際の欠陥は、ショットごとのパターン形成領域内において欠陥の分布に傾向があり、硬化した光硬化性樹脂からモールドが最後に離型する領域に欠陥が生じ易いことを見出した。ここで、離型時の欠陥は、光硬化性樹脂側に生じた欠けなどの欠陥を意味するものであり、光硬化性樹脂の一部がモールド側に付着したことによる欠陥に対応している。
また、離型時の欠陥は、ショットごとのパターン形成領域内において、パターン形成領域の周辺部よりも中央部の方が欠陥を生じ易い。離型時の欠陥がショットの中央部に生じ易いのは、モールドと光硬化性樹脂とを離型する際に、図7(c)に示すように、一定の力(F)でモールドの相対する両端から離型を開始する場合が多いので、モールドの転写領域の周辺部から中央部に向けて剥離が進み、特にショットの中央部では離型速度が大きくなり、ショット中央部に対応する領域の光硬化性樹脂にショット周辺部よりも大きな離型力が作用し、樹脂が引きちぎられて欠陥になると推察される。
また、離型時の欠陥は、ショットごとのパターン形成領域内において、パターン密度が高い領域において発生し易い。パターン密度が高い領域は、モールドの凹凸パターンと光硬化性樹脂との接触面積が大きいために、モールドと光硬化性樹脂との付着力が大きくなり、大きな離型力が作用し、欠陥を生じ易くなると解釈される。
(インプリント方法)
そこで、本発明のインプリント方法は、凹凸のパターンを形成したモールドを被加工基板上の光硬化性樹脂に押し付けると共に、光源から発した光を、モールドを介して、光硬化性樹脂にショットごとに露光することによって光硬化性樹脂を硬化させてパターンを転写した後、モールドを硬化した光硬化性樹脂から離型するインプリント方法において、光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整する露光量調整部を用いて、ショットごとのパターン形成領域内において、離型時の欠陥が発生し易い領域の光硬化性樹脂の露光量を通常の露光が行われる領域よりも小さくすることにより、樹脂の架橋密度を低下させて樹脂の硬化度を下げて離型しやすくし、離型時の欠陥の発生を抑止もしくは低減するものである。
以下、実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態におけるインプリント方法は、光源とモールドとの間に、光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)の露光量を調整する露光量調整部を設け、該露光量調整部を用いて、ショットごとのパターン形成領域内において、モールドが硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域の露光量を変え、最後に離型する領域の露光量を他の領域の露光量よりも小さくするものである。最後に離型する領域の露光量を小さくすることにより、該領域の光硬化性樹脂の硬化度を低下させ、その領域の離型性を向上させる。
以下、図面を参照しながら本発明のインプリント方法について説明する。図1は、本発明のインプリント方法を用いたインプリント装置100の一例を示す概略構成図である。本実施形態の説明では、モールドが硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域がパターン形成領域内の中央部であり、最後に離型する領域と異なる他の領域がパターン形成領域内の中央部を除いた領域である場合を例にして説明する。図7で説明したように、モールドを硬化した光硬化性樹脂から離型する場合、通常、モールドの相対する両端側から離型力を加えて離型する場合が多い。この場合には、最後に離型する領域はパターン形成領域内の中央部となる。
図1に示す一例としてのインプリント装置100は、光源101と、光源からの光(紫外線)102を導く光学系を構成するコンタクトレンズ103と、光源のムラを均一化する拡散板104と、露光量調整部105と、光をコンデンサレンズ109に導く光路にあり光線の向きを変えるフィールドレンズ107と、照明光入射角範囲を制御する開口絞り108と、露光量調整部105に従った光の分布を結像させるコンデンサーレンズ109と、モールド110と、ウェハなどの表面に光硬化性樹脂を塗布した被加工基板111とを備え、さらにモールド駆動部と、被加工基板駆動部と、その他の機構とを有する。
光源101は、光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)102を発生する高圧水銀灯やハロゲンランプなどからなり、照射か遮光かを切り替えるためのシャッター(不図示)などを含む。
モールド110は、転写すべき凹凸パターンが被加工基板111側に向けて形成されており、光硬化性樹脂を光硬化するための露光光を透過するため、一般に合成石英などの透明な部材で作られている。
モールド駆動部は、モールド110をインプリント装置100に保持するためのモールド保持部(不図示)と、モールド110を下方向に押し付ける駆動部としてのインプリント機構部(不図示)とを含む。インプリント機構部は上下動作機構、加圧機構、モールド110転写面と被加工基板111とが密着するように姿勢制御機構、回転位置合わせ機構も有する。
被加工基板駆動部は、被加工基板111を保持する基板保持部112と、基板保持部112の位置、姿勢を調整するための基板移動ステージ113とを含む。基板移動ステージ113は、基板移動駆動部114によりx,y平面方向に移動可能であり、被加工基板111全面を転写可能としている。基板移動ステージ113は、高精密な位置決めも可能である。また、基板移動ステージ113は、位置決めだけではなく、被加工基板111の表面の姿勢を調整する手段も有しており、被加工基板111の表面の姿勢を調整する機能を有する。
その他の機構としては、定盤、除振器、フレーム、アライメントスコープ(不図示)などが含まれる。定盤は、インプリント装置100全体を支えると共に基板移動ステージ113の移動の基準平面を形成する。除振器は、床からの振動を除去する機能を有し、定盤を支える。フレームは、被加工基板111より上方に位置する構成部分の光源101からモールド110までを支える。アライメントスコープは、被加工基板111上のアライメントマーク位置を計測し、その結果に基づいて基板移動ステージ113の位置決めを行う。
(露光量調整部)
本発明において、露光量調整部105は、光源101から発した光(紫外線)102の露光量を変えることにより、露光しようとする被加工基板111の所定領域の露光量を変える機能を有する部材を意味するものであり、光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)の露光量を調整する透過率分布または反射率分布を有するものである。図1に示す本実施形態の一例では、光源101から発した光(紫外線)102は、中央部の領域の透過率を変えた露光量調整部105を経ることにより、光強度が減衰した中央部の光102aと光強度がほぼ維持されている周辺部の光102bとなり、コンデンサーレンズ109を介して、モールド110に達する。したがって、モールド110を透過した光による被加工基板111上に塗布された光硬化性樹脂の露光量は、中央部が周辺部よりも小さくなり、光硬化性樹脂の中央部の硬化度は周辺部よりも小さくなる。その結果、モールドと硬化した光硬化性樹脂を離型するときに、ショット中心部の離型が容易になり、インプリントにおける樹脂によるパターン欠陥の発生が抑制される。
図1に示すインプリント装置100では、露光量調整部105がフィールドレンズ107の上側にある場合を例に説明したが、もとより露光量調整部105の位置は上記の例に限定されるわけではなく、露光量調整部105は、光源101から発した光(紫外線)102をモールド110の所定の領域に、所定の透過率で照射するように設けるのであるから、光源101とモールド110間の光路中において、モールドパターン面と共役ないずれかに位置するように設ければよい。
図1に示すインプリント装置100は、露光量調整部105により光透過率を調整し、透過光を用いて光硬化性樹脂を硬化させる光102の露光量を調整する場合を例示しているが、本発明においては、後述するように、露光量調整部により光反射率を調整し、反射光を用いて光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整することも可能である。
本発明において、光源101から発した光を透過光として用いて露光量を調整する場合には、露光量調整部105としては、光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)102の透過率分布を有し、光(紫外線)102の透過率が2段階以上に変化する透過率領域を有する部材が用いられる。透過率領域としては、実質的に光(紫外線)102の透過率が100%の領域が含まれていてもよい。光透過率を調整する上記の露光量調整部105としては、例えば、光(紫外線)の透過率分布を有する階調マスクと称されるフォトマスク、あるいは回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)などが挙げられる。回折光学素子としては、回折格子やホログラフィク光学素子あるいは計算機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)素子が適用でき、計算機ホログラム素子は、所望の光強度分布の光パターンを発生させるようにあらかじめ設計され、透明な合成石英基板を階段状に多段にエッチング加工して作製することができる。
さらに、本発明において、光源から発した光を透過光として用いて露光量を調整する場合の露光量調整部105としては、光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)の透過率分布を有する上記の階調マスクが、マスク製造が比較的容易であり、より好ましい。本発明において用いることができる階調マスクは、グレートーンマスクあるいはスリットマスクと呼ばれるマスクも含むものである。階調マスクは、合成石英基板の一主面上に透過率分布を有する領域を形成することにより、光硬化性樹脂を硬化させる光の透過率を調整することができる。階調マスクは、所定の薄膜を設けたマスクブランクスを用い、フォトレジストあるいは電子線レジストを塗布し、紫外線、レーザまたは電子線などで露光し、該薄膜をエッチングしてパターン化して形成される。
以下に、光透過率を調整する露光量調整部105として階調マスクを用いた場合の代表的な例について詳しく説明する。
図3は、本発明の露光量調整部105に用いられる階調マスクの平面図および断面図であり、3種類の例を示す。いずれのマスクもマスク中央部の透過率が小さい場合の例であり、光の透過率が実質的に100%の領域を含む少なくとも3段階に変化する透過率領域を有する階調マスクの例である。
図3(a)は、透過率の異なる薄膜を2層構成とした階調マスク30Aで、図3(a)−1が平面図、図3(b)−1が図3(a)−1のA−A線における断面図である。マスク30Aは、光の透過率が実質的に100%の透明基板部31aと、透過率が異なる半透明領域32a、33aとからなる。2層を構成する薄膜は同一の材料からなる薄膜であってもよいし、あるいは異なる材料からなる薄膜であってもよい。この階調マスクは、例えば、特開平7−49410に開示されている方法で作成することができる。透過率の大小は、33a<32a<31aであり、上記のように領域31aは実質的に100%を含む高透過率の領域であり、領域32aは100%未満で領域31aよりも小さい所定の中透過率の領域で、領域33aは領域32aよりも小さく0%を超える所定の低透過率の領域として設けることができる。
図3(b)は、半透明膜よりなる1層構成の階調マスク30Bで、図3(b)−1が平面図、図3(b)−2が図3(b)−1のB−B線における断面図である。マスク30Bは、光の透過率が実質的に100%の透明基板部31bと、透過率が異なる半透明領域32b、33bとからなる。領域32bは、露光光では解像しない大きさの矩形または円形のドットパターンが存在する領域である。この階調マスクは、例えば、特開2004−70087に開示されている方法で作成することができる。透過率の大小は、33b<32b<31bである。上記のように領域31bは実質的に100%を含む高透過率の領域であり、領域32bは100%未満で領域31bよりも小さい所定の中透過率の領域で、ドットパターンの大きさと数を調整することにより、多階調を表示することも可能である。領域33bは領域32bよりも小さく0%を超える所定の低透過率の領域として設けることができる。
図3(c)は、半透明膜よりなる1層構成の階調マスク30Cで、スリットマスクあるいはグレートーンマスクと称されるマスクであり、図3(c)−1が平面図、図3(c)−2が図3(c)−1のC−C線における断面図である。マスク30Cは、光の透過率が実質的に100%の透明基板部31cと、透過率が異なる半透明領域32c、33cとからなる。領域32cは、露光光では解像しない大きさのスリットパターンが存在する領域である。この階調マスクは、例えば、特開2002−189280に開示されている方法で作成することができる。透過率の大小は、33c<32c<31cであり、上記のように領域31cは実質的に100%を含む高透過率の領域であり、領域32cは100%未満で領域31cよりも小さい所定の中透過率の領域で、領域33cは領域32cよりも小さく0%を超える所定の低透過率の領域として設けることができる。
上記の例示した階調マスクのいずれか一つのマスクを露光量調整部105として用いることにより、モールド110を透過した光による被加工基板111上に塗布された光硬化性樹脂の露光量は、ショット中央部が周辺部よりも小さくなり、モールド中央部に対応する光硬化性樹脂の硬化度が小さくなり、モールドと硬化した光硬化性樹脂とを離型するときに、ショット中心部の離型が容易になり、インプリントにおける樹脂によるパターン欠陥の発生が抑制されるという効果を奏する。
上記の実施形態では、モールドが硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域が、パターン形成領域の中央部である場合を例に説明したが、モールドの一端側から離型力を加えて離型する場合もある。この場合には、最後に離型する領域はパターン形成領域内の離型力を加えた側に相対する反対側のモールドの端部となる。図4は、上記のモールドの一端側から離型力を加えて離型する場合の露光量調整部105に用いられる階調マスクの例を示す平面図および断面図であり、光の透過率が実質的に100%の領域を含む3段階に変化する透過率領域を有する階調マスクの例である。
図4は、透過率の異なる2層構成の階調マスク40で、図4(a)−1が平面図、図4(a)−2が図4(a)−1のD−D線における断面図である。マスク40は、光の透過率が実質的に100%の透明基板部41と、透過率が異なる半透明領域42、43とからなる。2層を構成する薄膜は同一の材料からなる薄膜であってもよいし、あるいは異なる材料からなる薄膜であってもよい。透過率の大小は、43<42<41であり、上記のように領域41は実質的に100%を含む高透過率の領域で、離型力を加える側のモールド端部を露光する領域であり、領域42は100%未満で領域41よりも小さい所定の中透過率の領域で、領域43は領域42よりも小さく0%を超える所定の低透過率の領域で、最後に離型する領域を露光する領域として設けることができる。
上記の露光量調整部105として用いる階調マスクの例では、いずれもマスク上の透過率が異なる領域として正方形を含む矩形状の場合を示しているが、もとより矩形状に限定されるわけではなく、モールドによるショットごとのパターン形成領域内において、少なくともモールドが硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域の形状に応じて、透過率が異なる領域として円形、楕円形、不定形など任意の形状を設定することができる。また、階調マスクの透過率領域も実質的に100%の領域を含む3段階に変化する場合について例示しているが、もとより3段階に限定されるわけではなく、2段階あるいは4段階と変化する透過率領域であってもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態におけるインプリント方法について説明する。本実施形態におけるインプリント方法は、光源とモールドとの間に、光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)の露光量を調整する露光量調整部を設け、該露光量調整部を用いて、ショットごとのパターン形成領域内において、パターンの密度により露光量を変え、パターン密度の高い領域の露光量をパターン密度の低い領域の露光量よりも小さくするものである。インプリント装置としては、第1の実施形態で説明した図1に示すインプリント装置100あるいは後述する図2に示すインプリント装置200が用いられる。以下、本実施形態では、図1に示すインプリント装置100を用いた場合について説明する。
本実施形態における露光量調整部105としては、第1の実施形態と同様に、図1に示す光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)102の透過率分布を有し、光の透過率が2段階以上に変化する透過率領域を有する部材が用いられる。
図5は、本実施形態において、露光量調整部105に階調マスクを用いた場合の例であり、階調マスク50の概略平面図である。階調マスク50の光透過率は、モールドのパターン密度に対応して、モールドのパターン密度が低い領域には露光光の光透過率が大きい領域51を設け、パターン密度が中間の領域には露光光の光透過率が中間の半透明領域52を設け、パターン密度が高い領域には露光光の光透過率が小さい半透明領域53を設けるものである。モールドのパターン密度の高低に関する情報は、モールドの凹凸パターン形成時のレイアウトパターンデータを解析することで得ることができる。
本実施形態の階調マスクは、上記の第1の実施形態で説明した図3(a)〜図3(c)のいずれの階調マスクも用いることができる。透過率の大小は、53<52<51であり、領域51は実質的に100%を含む高透過率の領域であり、領域52は100%未満で領域51よりも小さい所定の中透過率の領域で、領域53は領域52よりも小さく0%を超える所定の低透過率の領域として設けることができる。
本実施形態の階調マスクを露光量調整部105として用い、上記の第1の実施形態で説明したインプリント装置100で露光することにより、モールド110を透過した光による被加工基板111上に塗布された光硬化性樹脂の露光量は、ショットごとのパターン形成領域内において、パターンの密度により露光量が変えられ、パターン密度の高い領域の露光量がパターン密度の低い領域の露光量よりも小さくなり、パターン密度の高い領域に対応する光硬化性樹脂の硬化度が小さくなり、モールドと硬化した光硬化性樹脂を離型するときに、パターン密度の高い領域の離型が容易になり、インプリントにおける樹脂によるパターン欠陥の発生が抑制されるという効果を奏する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、上記の第1の実施形態、または第2の実施形態において、ショットごとのパターン形成領域内において、露光量調整部の光(紫外線)の透過率および透過率分布、あるいは反射率および反射率分布が可変であるインプリント方法である。以下、本実施形態では、図1に示すインプリント装置100を用いた場合について、透過率を調整する階調マスクを露光量調整部105に用いた場合の例について説明する。例えば、上記の図4で示した階調マスク40を用い、露光量調整部105に、図4(a)−1のD−D方向の移動機構(不図示)を設けることにより光の透過率および透過率分布を可変とすることができる。
本実施形態においては、さらに、露光量調整部105に設ける階調マスクを2枚以上の複数構成とすることにより、モールドの相対する両端側の光透過率を可変とすることもできる。図6は、図4に示した階調マスクを2枚構成とした露光量調整部105の例である。
図6において、露光量調整部105は透過率の異なる2枚の階調マスク60Aおよび60Bで構成され、図6(a)−1、図6(b)−1が平面図、図6(a)−2が図6(a)−1のE1−E1線における断面図、図6(b)−2が図6(b)−1のE2−E2線における断面図である。マスク60A、60Bは、それぞれ光の透過率が実質的に100%の透明基板部61と、透過率が異なる半透明領域62、63とからなる。半透明領域を構成する薄膜は同一の材料からなる薄膜であってもよいし、あるいは異なる材料からなる薄膜であってもよい。透過率の大小は、63<62<61であり、上記のように領域61は実質的に100%を含む高透過率の領域で、離型力を加える側のモールド端部を露光する領域であり、領域62は100%未満で領域61よりも小さい所定の中透過率の領域で、領域63は領域62よりも小さく0%を超える所定の低透過率の領域で、最後に離型する領域を露光する領域として設けることができる。なお、領域63は、単独の半透明領域として、あるいは領域62と重ねた透過率領域としてのいずれの使用も可能である。
上記の階調マスク60A、60Bを図6(c)に示すように2枚構成の露光量調整部105として用い、それぞれが独立して図6(c)の矢印方向(x方向とする)に移動する機構にすれば、露光量調整部105の光の透過率を所定の範囲内において可変とすることができる。また、x方向に加えx方向に垂直な方向(y方向)の移動も可能な機構とすれば、より複雑な可変の露光量調整部105とすることができる。
本実施形態の光透過率および透過率分布が可変の階調マスクを露光量調整部105として用い、上記の第1の実施形態で説明したインプリント装置100で露光することにより、モールド110を透過した光による被加工基板111上に塗布された光硬化性樹脂の露光量は、ショットの一端側が相対する他端側よりも段階的に小さくなり、モールドの一端側に対応する光硬化性樹脂の硬化度が小さくなり、モールドと硬化した光硬化性樹脂をモールドの他端側から離型するときに、最後に離型する領域となるショットの一端側の離型が容易になり、欠陥の発生が抑制される。さらに、露光量調整部105の位置を移動させて光の透過率および透過率分布を調整することにより、光硬化性樹脂とモールドの離型性をより精密に高めることができ、インプリントにおける樹脂によるパターン欠陥の発生が抑制される。
(第4の実施形態)
上記の実施形態では、露光量調整部としていずれも光透過率を調整する場合について説明したが、本発明においては、露光量調整部の領域ごとの光反射率を調整し、露光量調整部の反射光を用いて光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整することも可能である。図2は、本発明のインプリント方法を用いた反射光学系によるインプリント装置200の一例を示す概略構成図である。
図2に示す一例としてのインプリント装置200は、光源201と、光源からの光(紫外線)202を導く光学系を構成するコンタクトレンズ203と、光源のムラを均一化する拡散板204と、露光量調整部205と、ミラー206と、光をコンデンサレンズ209に導く光路にあり光線の向きを変えるフィールドレンズ207と、照明光入射角範囲を制御する開口絞り208と、露光量調整部205に従った光の分布を結像させるコンデンサーレンズ209と、モールド210と、ウェハなどの表面に光硬化性樹脂を塗布した被加工基板211とを備え、さらにモールド駆動部と、被加工基板駆動部と、その他の機構とを有する。
図2に示すインプリント装置200は、露光量調整部205により光反射率を調整し、反射光を用いて光硬化性樹脂を硬化させる露光量を調整するものである。図2において、ミラー206は、光源からの光202を反射して露光量調整部205に向け、露光量調整部205からの反射光を再び反射してフィールドレンズ207に向ける機能を有する。露光量調整部205については、以下に述べるが、インプリント装置200を構成する他の部材は、図1で述べた内容と共通するので、説明を省略する。
図2に示す本実施形態の一例では、光源201から発した光(紫外線)202は、中央部の領域の反射率を低くした露光量調整部205を経ることにより、光強度が減衰した中央部の光202aと光強度がほぼ維持されている周辺部の光202bとなり、コンデンサーレンズ209を介して、モールド210に達する。したがって、モールド210を透過した光による被加工基板211上に塗布された光硬化性樹脂の露光量は、中央部が周辺部よりも小さくなり、光硬化性樹脂の中央部の硬化度は周辺部よりも小さくなる。その結果、モールドと硬化した光硬化性樹脂を離型するときに、ショット中心部の離型が容易になり、インプリントにおける樹脂によるパターン欠陥の発生が抑制される。
本発明において、露光量調整部205としては、光硬化性樹脂を硬化させる光(紫外線)の反射率分布を有し、光(紫外線)の反射率が2段階以上に変化する反射率領域を有する部材が用いられる。反射率領域としては、実質的に光(紫外線)202の反射率が100%の領域が含まれていてもよい。上記の露光量調整部205としては、例えば、光(紫外線)の反射率分布を有する反射型フォトマスク、あるいは多数の微小ミラーを2次元的に配列したDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス:テキサスインスツルメント社の商標)などのミラーアレイを用いてオンオフ状態を形成して露光量を調整することができる。
反射光を用いた本実施形態においては、露光量調整部205に反射型フォトマスクあるいはDMDを用いることにより、光硬化性樹脂を硬化させる光の反射率および反射率分布を任意に変えることができ、また可変とすることも可能である。
上記の各実施形態に示された本発明において、モールドを離型後、被加工基板上に形成された光硬化性樹脂による転写パターンの露光量を小さくした領域の樹脂の硬化度が、転写パターン形成後の後工程において十分でないと想定されるときには、形成された転写パターンを樹脂が硬化する光(紫外線)により全面露光あるいは部分露光処理をすることにより、あるいは被加工基板を所定の温度で加熱処理をすることにより、転写パターン精度を維持しながら、転写されたパターンの樹脂の硬化度を向上、均一化させることができる。
(実施例1)
モールド用基板として、外形が6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、この合成石英基板の一主面上に、電子線レジストを厚さ200nmで塗布し、電子線描画し、現像した後、ドライエッチングして凹凸パターンを有するモールドを形成した。モールド上の凹凸パターンは、ショットごとのパターン形成領域内において、1チップ内に幅70nm、ピッチ140nmのライン/スペースパターンを設けた6チップのパターンを形成したものである。
次に、露光量調整部として、外形6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板の一主面上に、酸窒化シリコン(SiON)、窒化クロム(CrN)の順に成膜してマスクブランクスを作製した。次に、上記のマスクブランクスの上にフォトレジストを塗布してパターン露光して現像した後、窒化クロムを塩素と酸素の混合ガス、酸窒化シリコンをCF4でパターンエッチングし、レジストを剥離して、階調マスクよりなる露光量調整部を作製した。この露光量調整部は、図3(a)に示すように、外形152×152mmの石英基板よりなる露光光の透過率が実質的に100%の領域、その内側に外形90×90mmの正方形状の酸窒化シリコン膜よりなる露光光の透過率75%の領域、さらに内側の中央部に外形40×40mmの正方形状の酸窒化クロムよりなる露光光の透過率50%の領域が形成されている。
次に、直径200mmのシリコン・ウェハ上に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業社製)をスピン塗布して塗膜を形成した後、図1に示すインプリント装置に上記の露光量調整部を設置し、上記のモールドを樹脂に押し付け、波長320nmの紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させた。次に、モールドの相対する2箇所の端面から上方に離型力を加えて、モールドを硬化した樹脂から離型した。離型時に、最後に離型したモールドの領域はモールドの中央部である。離型によりウェハ上に、光硬化性樹脂による幅70nm、ピッチ140nm、深さ70nmのパターンが転写された。ウェハ上の光硬化性樹脂によるパターンおよびモールドのパターンには離型による欠陥は生じていなかった。
(比較例1)
実施例1で用いたモールドを用い、露光量調整部を設けずに、図1に示すインプリント装置により実施例1と同じ条件でインプリントし、光硬化性樹脂を硬化させた後、モールドの相対する2箇所の端面から上方に離型力を加えて、モールドを硬化した樹脂から離型したところ、ウェハ上のショット中央部に、離型による光硬化性樹脂のパターン欠陥が数箇所に発生していた。
(実施例2)
モールドとして、実施例1と同様の合成石英基板を用い、凹凸パターンを有するモールドを形成した。モールド上の凹凸パターンは、ショットごとのパターン形成領域内において、1チップ内に直径80nm、ピッチ160nmのコンタクトホールパターンを設け、6チップのパターンを形成したものである。
次に、露光量調整部として、外形6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板の一主面上に、モリブデンシリサイド(MoSi)薄膜、酸窒化クロム(CrON)薄膜をこの順に成膜し、その上にフォトレジストを塗布した後、パターン露光し、現像し、酸窒化クロムを塩素と酸素の混合ガス、酸窒化シリコンをCF4でエッチングした後、レジストを剥離し、階調マスクよりなる露光量調整部を得た。この露光量調整部は、図4(a)−1に示すように、外形152×52mmの石英基板よりなる露光光の透過率が実質的に100%の領域、その透過率100%領域に接して外形90×50mmの長方形状の酸窒化シリコン膜よりなる露光光の透過率75%の領域、さらに透過率75%領域に接して外形40×50mmの長方形状の酸窒化クロムよりなる露光光の透過率50%の領域を形成したものである。
次に、図1に示すインプリント装置に上記の露光量調整部を設置し、上記のモールドを樹脂に押し付け、紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させた。次に、紫外線の透過率が実質的に100%となった領域側のモールドの端面から上方に離型力を加えて、モールドを硬化した樹脂から離型した。離型時に、最後に離型したモールドの領域はモールドに離型力を加えた側とは反対側の端部であり、露光量調整部の透過率が50%の領域に相当する。離型によりウェハ上に、光硬化性樹脂による直径80nm、ピッチ160nmのコンタクトホールパターンが転写された。ウェハ上の光硬化性樹脂によるパターンおよびモールドのパターンには離型による欠陥は生じていなかった。
(実施例3)
モールドとして、実施例1と同様の合成石英基板を用い、図5に示すように、ショットごとのパターン形成領域内において、パターン密度の高い領域と、パターン密度の中位の領域と、パターン密度の低い領域とを有するモールドを作製した。
次に、実施例1と同様のマスクブランクスを用い、モールドのパターン密度に対応して図5に示すように、ショットごとのパターン形成領域内において、パターンの密度の高い領域を窒化クロム膜と酸窒化シリコン膜の2層膜とし、光の透過率を50%と小さくし、パターン密度の中位の領域を酸窒化シリコン膜とし、光の透過率を75%とし、パターン密度の低い領域の光の透過率を実質的に100%とし透明基板を露出させた階調マスクよりなる露光量調整部を得た。
次に、図1に示すインプリント装置に上記の露光量調整部を設置し、上記のモールドを樹脂に押し付け、紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させた。次に、モールドの相対する2箇所の端面から上方に離型力を加えて、モールドを硬化した樹脂から離型した。ウェハ上の光硬化性樹脂によるパターンおよびモールドのパターンには、離型による欠陥は生じていなかった。
(比較例2)
実施例3で用いたモールドを用い、露光量調整部を設けずに、図1に示すインプリント装置により実施例3と同じ条件でインプリントし、光硬化性樹脂を硬化させた後、モールドの相対する2箇所の端面から上方に離型力を加えて、モールドを硬化した樹脂から離型したところ、パターンの密度の高い領域に、離型による光硬化性樹脂のパターン欠陥が発生していた。
(実施例4)
本実施例では、モールドとして実施例2で用いたものを用いた。
露光量調整部として、実施例2で用いた2層構成の階調マスクに換えて、2枚構成の階調マスクを用い、図6に示すように、一方の階調マスクは合成石英基板上に、モリブデンシリサイド薄膜を透過率75%の透過膜としてパターニングし、他方の階調マスクは酸窒化クロム薄膜を透過率50%の透過膜としてパターニングした。
次に、図1に示すインプリント装置に上記の2枚の階調マスクよりなる露光量調整部を設置し、酸窒化クロム薄膜よりなる階調マスクの位置を調整した後、上記のモールドを樹脂に押し付け、紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させた。次に、紫外線の透過率が実質的に100%となった領域側のモールドの端面から上方に離型力を加えて、モールドを硬化した樹脂から離型した。離型時に、最後に離型したモールドの領域はモールドに離型力を加えた側とは反対側の端部であり、露光量調整部の透過率が50%の領域に相当する。離型によりウェハ上に、光硬化性樹脂による直径80nm、ピッチ160nmのコンタクトホールパターンが転写された。ウェハ上の光硬化性樹脂によるパターンおよびモールドのパターンには離型による欠陥は生じていなかった。
(実施例5)
本実施例では、モールドとして実施例1で用いたものを使用した。
次に、露光量調整部として、外形6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板の一主面上に、クロム(Cr)膜、酸化クロム(CrO)膜の順に成膜して2層構成のマスクブランクスを作製した。次に、上記のマスクブランクスの上にフォトレジストを塗布してパターン露光して現像した後、酸化クロム膜を塩素と酸素の混合ガスでパターンエッチングし、下層のクロム膜を残した状態でレジストを剥離して、クロム高反射膜と酸化クロム低反射膜よりなる反射型フォトマスクによる露光量調整部を作製した。この露光量調整部は、中央部に外形90×90mmの酸化クロムよりなる露光光の反射率が15%の領域、その外側に外形152×152mmの正方形状のクロム膜よりなる露光光の反射率が60%の領域が形成されている。
次に、直径200mmのシリコン・ウェハ上に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業社製)をスピン塗布して塗膜を形成した後、図2に示すインプリント装置に上記の露光量調整部を設置し、上記のモールドを樹脂に押し付け、波長320nmの紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させた。次に、モールドの相対する2箇所の端面から上方に離型力を加えて、モールドを硬化した樹脂から離型した。離型時に、最後に離型したモールドの領域はモールドの中央部である。離型によりウェハ上に、光硬化性樹脂による幅70nm、ピッチ140nm、深さ70nmのパターンが転写された。ウェハ上の光硬化性樹脂によるパターンおよびモールドのパターンには離型による欠陥は生じていなかった。
100、200 インプリント装置
101、201 光源
102、202 光(紫外線)
102a、202a 強度が減衰した中央部の光
102b、202b 強度を維持した周辺部の光
103、203 コンタクトレンズ
104、204 拡散板
105、205 露光量調整部
206 ミラー
107、207 フィールドレンズ
108、208 開口絞り
109、209 コンデンサーレンズ
110、210 モールド
111、211 被加工基板
112、212 基板保持部
113、213 基板移動ステージ
114、214 基板移動駆動部
30A、30B、30C、40、50、60A、60B 階調マスク
31a、31b、31c、41、51、61 高透過率領域
32a、32b、32c、42、52、62 中透過率領域
33a、33b、33c、43、53、63 低透過率領域
70 モールド
71 被加工基板
72 光硬化性樹脂
73 光(紫外線)
74 硬化した光硬化性樹脂

Claims (7)

  1. パターンを形成したモールドを被加工基板上の光硬化性樹脂に押し付けると共に、光源から発した光を、前記モールドを介して、前記光硬化性樹脂にショットごとに露光することによって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記モールドを前記硬化した光硬化性樹脂から離型するインプリント方法であって、
    前記光源と前記モールドとの間に、前記光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整する露光量調整部を設け、前記露光量調整部を用いて、
    前記ショットごとのパターン形成領域内において、前記モールドが前記硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域の露光量を他の領域の露光量よりも小さくすることを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記モールドが前記硬化した光硬化性樹脂から最後に離型する領域が、前記パターン形成領域内の中央部であることを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. パターンを形成したモールドを被加工基板上の光硬化性樹脂に押し付けると共に、光源から発した光を、前記モールドを介して、前記光硬化性樹脂にショットごとに露光することによって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記モールドを前記硬化した光硬化性樹脂から離型するインプリント方法であって、
    前記光源と前記モールドとの間に、前記光硬化性樹脂を硬化させる光の露光量を調整する露光量調整部を設け、前記露光量調整部を用いて、
    前記ショットごとのパターン形成領域内において、前記パターンの密度の高い領域の露光量を前記パターンの密度の低い領域の露光量よりも小さくすることを特徴とするインプリント方法。
  4. 前記露光量調整部が、前記光硬化性樹脂を硬化させる光の透過率分布、または反射率分布を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のインプリント方法。
  5. 前記ショットごとのパターン形成領域内において、前記露光量調整部の光の透過率および透過率分布、または反射率および反射率分布が可変であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のインプリント方法。
  6. 前記露光量調整部が、光の透過率が2段階以上に変化する透過率領域を有する階調マスクであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のインプリント方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のインプリント方法を用いたことを特徴とするインプリント装置。
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