JP5211505B2 - インプリントモールド、インプリントモールド製造方法及び光インプリント法 - Google Patents

インプリントモールド、インプリントモールド製造方法及び光インプリント法 Download PDF

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本発明は、インプリントモールド、インプリントモールド製造方法及び該インプリントモールドを用いた光インプリント法に関するものである。
近年、半導体デバイス、ディスプレイ、記録メディア、バイオチップ、光デバイスなどの製造工程における微細パターンの形成工程について、インプリント法を用いることが提案されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
インプリント法において、ナノメーターレベルのものを特にナノインプリント法と呼ぶが、以降、単にインプリント法と称するときはナノインプリント法も含むものとする。
インプリント法は、最終的に転写すべきパターンのネガポジ反転像に対応するパターンが形成されたインプリントモールド(テンプレートという場合もある)と呼ばれる金型を、樹脂に型押しし、その状態で樹脂を硬化させることにより、パターン転写を行うものである。このとき、露光光を照射することにより光硬化性樹脂を硬化させる光インプリント法が知られている(特許文献1参照)。
インプリント法において、インプリントモールドと基板上に生成した樹脂パターンとの剥離性は極めて重要である。一般的に、樹脂の硬化は樹脂収縮を引き起こし、インプリントモールドと樹脂パターンとの間に応力を発生させる。このため、樹脂を硬化させた後(図1(a))、インプリントモールドと樹脂パターンを引き離す工程において、インプリントモールド側に樹脂が移動すること(図1(b))、パターンの一部分がインプリントモールド側に残留すること(図1(c))などが起こり、樹脂パターンに欠陥が発生することが知られている。
このとき、剥離における樹脂パターンの欠陥は、剥離時に応力が集中する凹凸パターンの凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部で頻度よく発生することが報告されている(図1(d))(非特許文献3参照)。
また、剥離性を向上させる方法として、表面エネルギーの小さいフッ素ポリマーを剥離剤としてインプリントモールド表面に塗布する方法が提案されている(特許文献2参照)。
一方、フォトリソグラフィの分野において、コヒーレントな露光光と、光路差が制御されたフォトマスクを用いることで露光強度を制御する露光方法が提案されている(特許文献3参照)。
また、上述した光路差が制御されたフォトマスクとして、モリブデン、タングステン、タンタルなどの金属、シリコン、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料からなる位相変位層を備えたフォトマスクが提案されている(特許文献4参照)。
特開2000−194142号公報 特開2002−283354号公報 特開平4−359254号公報 特開2006−48033号公報 Appl.phys.Lett., vol.67, p3314(1995) ナノインプリント技術徹底回折 Electric Journal 2004年11月22日発行、p20−38 Y.Hirai, et al. J.Vac.Sci.Technol. B21(6), 2003
しかしながら、剥離剤を表面に塗布したとしても、剥離剤は繰り返しインプリント法を行うと、剥離剤がインプリントモールド表面から徐々に剥がれ、インプリントモールドと樹脂との剥離性が低下してしまう。
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、インプリントモールドと樹脂パターンの剥離性に優れ、繰り返しインプリント法を行っても剥離性が低下することのない光インプリント法を行うことが出来るインプリントモールドを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、転写基板とインプリントモールドとを接触させ、露光光により光硬化性樹脂を硬化させる光インプリント法に用いるインプリントモールドであって、インプリントモールドと転写基板との接触面側に凹凸パターンが形成され前記凹凸パターン形成面と逆側の面に、インプリントモールドに用いた材料の屈折率と異なる屈折率を有する位相変位層を備えたことを特徴とするインプリントモールドである。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のインプリントモールドであって、基板に微細な凹凸パターンが形成され、前記凹凸パターンが形成された基板表面とは逆側の基板表面に、前記位相変位層を少なくとも一層以上積層し、前記位相変位層は、前記凹凸パターンの凹部または凸部に対応するようにパターニングされていることを特徴とするインプリントモールドである。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2のいずれかに記載のインプリントモールドであって、前記位相変位層は、モリブデン、タングステン、タンタル、シリコン、酸素、窒素、からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の元素を含む材料であることを特徴とするインプリントモールドである。
請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれかに記載のインプリントモールドであって、位相変位層は、凹凸パターンの凸パターン部に相対するようにパターニングされ、前記位相変位層は、前記転写基板側に到達する露光光強度を制御することを特徴とするインプリントモールドである。
請求項5に記載の本発明は、光インプリント法に用いる請求項1〜4何れかに記載のインプリントモールドの製造方法であって、基板に凹凸パターンを形成する工程と、前記凹凸パターンを形成した基板表面とは逆側の基板表面に位相変位層を積層する工程と、前記積層した位相変位層を、前記凹凸パターンの凹部または凸部に対応する位置に、パターニングする工程と、を備えたことを特徴とするインプリントモールド製造方法である。
請求項6に記載の本発明は、露光光により樹脂を硬化させる光インプリント法において、露光光がコヒーレントな光であり、請求項1〜4何れかに記載のインプリントモールドを用意する工程と、転写基板に光硬化性樹脂を塗布する工程と、前記インプリントモールドと前記転写基板とを接触させ、前記インプリントモールド側から前記転写基板に露光光を照射する工程と、前記インプリントモールドと前記転写基板とを剥離する工程と、露光光を照射した前記光硬化性樹脂に現像処理を行う工程と、を備えたことを特徴とするパターン形成方法である。
本発明のインプリントモールドは位相変位層を備えることを特徴とする。これにより、コヒーレントな露光光を照射したとき、位相変位層の厚み、屈折率を変更することにより露光強度を制御することが出来る。このとき、露光強度を制御することで、特定部位の光硬化性樹脂について硬化の度合いを選択的に低くすることが出来、硬化による固着や収縮応力に起因するせん断力を低減出来る。よって、インプリントモールドと樹脂パターンを剥離する工程において、樹脂パターンの欠陥が発生する部位を選択的に未硬化とすることが出来、転写パターンの欠陥の発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明のインプリントモールドについて説明を行う。
本発明のインプリントモールドは
インプリントモールドと転写基板との接触面と、
コヒーレントな露光光を発する露光光源と、の間に、
インプリントモールドに用いた材料の屈折率と、異なる屈折率を有する位相変位層を備えたこと
を特徴とする。
インプリントモールドと転写基板との接触面と、コヒーレントな露光光を発する露光光源と、の間に、インプリントモールドに用いた材料の屈折率と、異なる屈折率を有する位相変位層を有することで、転写基板上の樹脂の硬化度合いを位相変位層の部位、厚み、屈折率などにより制御することが出来る。このため、インプリントモールドと樹脂パターンを剥離する工程において、樹脂パターンの欠陥が発生する部位を選択的に未硬化とすることが出来、転写パターンの欠陥の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明のインプリントモールドは基板に微細な凹凸パターンが形成され、前記凹凸パターンが形成された基板表面とは逆側の基板表面に、位相変位層を少なくとも一層以上積層し、前記位相変位層は、前記凹凸パターンと相対するようにパターニングされていることが好ましい。凹凸パターンと相対するようにパターニングされていることにより、特に、欠陥が頻度良く発生することが知られている凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部に対応する部位の樹脂を未硬化とすることが出来る。このため、凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部の欠陥を抑制することが出来る。
このとき、位相変位層は、凹凸パターンの凹パターン部/凹凸パターンの凸パターン部のいずれに相対するように配置してもかまわない。図3に凹凸パターンの凸パターン部に選択的に位相変位層を配置した場合の、本発明のインプリントモールドの一例を示す。
位相変位層は、インプリントモールドに用いた材料の屈折率と異なることが求められ、光インプリント法に用いるコヒーレントな露光光に応じて、適宜選択することが出来る。
このとき、位相変位層は、モリブデン、タングステン、タンタル、シリコン、酸素、窒素、からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の元素を含む材料であることが好ましい。前記材料を用いることで、膜厚、屈折率などの制御を好ましく行うことが出来る。
以下、位相変位層がコヒーレントな露光光に対し、どのように作用するのか説明を行う。
図2は、インプリントモールドにコヒーレントな露光光が照射された図である。
図2(a)でモールド100に対して入射したコヒーレント光200の波面Aは410、420部で示したモールド100の凹凸部間で距離A、距離Bをそれぞれ通過する。この凸パターン部の断面寸法(距離A)と凹パターン部の断面寸法(距離B)の差分距離Cをコヒーレントな露光光の半波長または半波長の奇数倍に相当する光路長にすれば、波面Bは隣り合った410、420で相対して位相反転した光として射出される。
図2(b)、(c)を用いて光強度に関して説明する。410、420を透過した光において、光強度は同一である(ここでは説明の便宜上モールド100自体の透過率減衰は無視する)。位相が反転していることから、波面Bにおける410と420の光振幅(強度)を便宜上分離して相対的に縦軸を図面上下に対向させて示す。このとき、角部C、Dによる回折影響により、すそ引き状の回折光430を生じる。回折光430において光強度は同一であり、図2(c)に示す合成光強度440では反転した位相によって打ち消しあうため、角部Cでの光エネルギー強度はゼロに近くなる。この光エネルギーゼロの部分は、位相反転が発現する波面B位置で選択的に起こる。このため、剥離時に応力が集中する樹脂パターンの凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部(角部C)のみ選択的に光硬化性樹脂120が硬化しない部分が発生し、モールドの離型において光硬化した樹脂の収縮または膨張による密着力や摩擦力が作用しないことになる。
図2で示した位相反転に必要な距離Cについて説明する。位相反転のメカニズムは前述の通り、光路長で波長(λ)の2分の1または波長(λ)の2分の1の奇数倍変化をつければよい。光源波長をλ(nm)、インプリントモールド材質の屈折率をn、凸パターン部の断面寸法と凹パターン部の断面寸法の差分をT、大気の屈折率をnairとした場合、関係式は「数1」で現される。
本発明のインプリントモールドは位相変位層を備えることを特徴とする。このため、凹凸パターンの寸法によらず、位相変位層の厚み、屈折率を制御することで、凸パターン部の断面と、凹パターン部の断面と、の露光光に対する光路差が、コヒーレントな露光光の半波長または半波長の奇数倍に相当させることが出来る。よって、任意寸法の凹凸パターンを形成する場合であっても、位相変位層の厚み、屈折率を制御することで、光路差を制御することが出来る。
図3に本発明のインプリントモールドの一例を示す。
図3において、凹凸パターンの寸法をt、位相変位層の厚みをtとする。
図3の場合、数1において、Tが2つに分かれることに相当し、Tとnは別々のt、t、n、nに分割される。また、位相反転を発現させる光の伝播媒体の屈折率が波面Aの段階では一般に大気中(屈折率nair=1)であり、波面Bでは光硬化性樹脂中(屈折率n)となる。
以上より、関係式を導く。
まず、数1を数2に変形する。
本発明のインプリントモールドの場合、距離Tと屈折率nが各々t、t、n、nに分割されるため、
上記「数3」式を満たす関係のとき、凸パターン部と凹パターン部の境界において、露光光は180°位相が反転する。
具体例として、例えば、下記の条件で、石英ガラス製とするインプリントモールド100(t,n)に100nmの凹凸パターンを有するモールドに必要な位相変位層90(n)の膜厚tは、「数3」より、77.7nmとなる。
λ:193nm(ArFエキシマレーザーの波長)
:1.5(石英ガラス基板10の屈折率)
:100nm(凹凸パターンの寸法)
:2.5(位相変化層90の屈折率)
:1.7(光硬化樹脂の屈折率)
air:1(大気の屈折率)
図4に、図3に示す場合における、光強度の分布を示す。モールド100を透過した合成光強度は波面B位置で図4(b)に示す分布となり、剥離時に応力が集中する樹脂パターンの凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部が、光エネルギーゼロ部に対応する部に対応する。このため、露光の工程において、剥離時に応力が集中する樹脂パターンの凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部が、未硬化の部位となり、樹脂収縮による応力の発生を低下させることが出来る。
このとき、位相変位層は、位相変位層を通過した露光光が光硬化性樹脂を硬化させるのに必要な光強度とならない程度の、露光光に対する透過率を有する位相変位層であることが好ましい。上記の場合について図5を用いて説明を行う。
位相変位層の透過率を減じた場合、モールド100を透過した合成光強度は図5(b)に示す分布となり、410部を透過した光強度は420に比べ減少する。このとき、420部を透過した露光光の光強度では硬化し、410部を透過した露光光の光強度では硬化しない感度の光硬化性樹脂を用いることで、位相変位層を透過した部位の光硬化性樹脂を選択的に硬化しないことが出来る。位相変位層を、凹凸パターンの凸パターン部に相対するようにパターニングすることで、上記未硬化の部分は所望する転写パターンに必要のない残膜の部位となる。このため、光インプリント法の露光光を照射した光硬化性樹脂に現像処理を行う工程において、未硬化の光硬化性樹脂を除去するにあたり、転写パターンに不要な残膜の処理も同時に行うことが出来る。
以下、本発明のインプリントモールド製造方法について説明を行う。
本発明のインプリントモールド製造方法は、
基板に凹凸パターンを形成する工程と、
前記凹凸パターンを形成した基板表面とは逆側の基板表面に位相変位層を積層する工程と、
前記位相変位層を、前記凹凸パターンと相対するようにパターニングする工程と、を備えたこと
を特徴とする。
<基板に凹凸パターンを形成する工程>
まず、基板に凹凸パターンを形成する。
基板は、光インプリント法に用いる露光光を透過する材料であることが求められる。一般的な露光光を透過する材料としては、例えば、石英ガラスなどが挙げられる。
凹凸パターンを形成する方法としては、所望する凹凸パターンの寸法、形状に応じて適宜公知の微細加工技術を用いて形成してよい。例えば、フォトリソグラフィ法、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、レーザ加工方法、微細機械加工方法、などを適宜組み合わせることにより形成しても良い。
<位相変位層を積層する工程>
次に、凹凸パターンを形成した基板表面とは逆側の基板表面に位相変位層を積層する。
位相変位層は、インプリントモールドに用いた材料の屈折率と異なることが求められ、光インプリント法に用いるコヒーレントな露光光の波長に応じて、適宜選択することが出来る。また、位相の反転に必要な光路差に応じて、複数層積層しても良い。
このとき、位相変位層は、モリブデン、タングステン、タンタル、シリコン、酸素、窒素、からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の元素を含む材料(例えば、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiO))であることが好ましい。前記材料を用いることで、膜厚、屈折率などの制御を好ましく行うことが出来る。
位相変位層を積層する方法としては、適宜公知の薄膜形成法を用いて良い。例えば、PVD法、CVD法、スピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法、ディップコート法などを用いて形成しても良い。
<位相変位層をパターニングする工程>
次に、位相変位層を、凹凸パターンと相対するようにパターニングする。
位相変位層をパターニングする工程としては、適宜公知のパターニング方法を用いることができ、例えば、リソグラフィ技術、エッチング技術などを用いてパターンを形成しても良い。
このとき、凹凸パターンとのアライメントのために、基板表裏の位置あわせを行う工程を、位相変位層をパターニングする工程前に行うことが好ましい。
以上より、本発明のインプリントモールド製造方法を実施することが出来る。
以下、本発明の光インプリント法について説明を行う。
本発明の光インプリント法は、
露光光がコヒーレントな光であり、
位相変位層を備えたインプリントモールドを用意する工程と、
転写基板に光硬化性樹脂を塗布する工程と、
前記インプリントモールドと前記転写基板とを接合し、前記インプリントモールド側から前記転写基板に露光光を照射する工程と、
前記インプリントモールドと前記転写基板とを剥離する工程と、
露光光を照射した光硬化性樹脂に現像処理を行う工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明のインプリント法は、露光光がコヒーレントな光であり、位相変位層を備えたインプリントモールドを用いることを特徴とする。位相変位層を通過した露光光と、該位相変位層を通過しなかった露光光は、位相が異なり、位相が180°異なる面においては、露光光の光強度はゼロに近しいものとなる。このため、位相変位層により露光強度を制御することが出来、特定部位の光硬化性樹脂について硬化の度合いを選択的に低くすることが出来る。よって、樹脂の硬化による固着や収縮応力に起因するせん断力を低減出来、転写パターンの欠陥の発生を抑制することが可能となる。
また、凹凸パターンが形成された基板表面とは逆側の基板表面に、位相変位層を少なくとも一層以上積層し、前記位相変位層は、前記凹凸パターンと相対するようにパターニングされているインプリントモールドを用いることにより、凹凸パターンの凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部を未硬化の部位とすることが出来る。このため、露光光を照射した光硬化性樹脂に現像処理を行う工程において、未硬化の光硬化性樹脂を除去するため、凸パターン部と凹パターン部の境界であるコーナー部のエッジを鋭くすることが出来、凹凸パターンを精度良く転写することが出来る。
また、位相変位層が凹凸パターンの凸パターン部に相対するようにパターニングされ、前記位相変位層は、位相変位層を通過した露光光が光硬化性樹脂を硬化させるのに必要な光強度とならない程度の、露光光に対する透過率を持った位相変位層であるインプリントモールドを用いることにより、転写パターンに不要な残膜の部位を未硬化とすることが出来る。このため、露光光を照射した光硬化性樹脂に現像処理を行う工程において、未硬化の光硬化性樹脂を除去するため、転写パターンに不要な残膜を除去し、処理することが可能となる。
<実施例1>
以下、本発明のインプリントモールド製造方法の実施の一例を示す。当然のことながら、本発明のインプリントモールド製造方法は下記実施例に限定されず、各工程において類推することの出来る他の製造方法であっても良い。
まず、モールド材料となる石英ガラス基板10に導電性金属であるクロム(Cr)を材料とした犠牲膜20をスパッタリング法により形成した(図6(a))。
次に、電子線反応型のレジスト30を犠牲膜20に塗布し、リソグラフィ法による露光、現像処理により犠牲膜20上にレジストパターン40を形成した(図6(b))。
次に、レジストパターン40をマスクとして塩素と酸素の混合ガスによるリアクティブエッチング(RIE)法によるドライエッチング法で犠牲膜20にマスクパターン50を形成した(図6(c))。
次に、Cと酸素混合ガスによるリアクティブエッチング(RIE)法によるドライエッチング法で石英ガラス基板10に凹凸パターン60(凹凸パターンの寸法(t):100nm)を形成した(図6(d))。
次に、レジストパターン40を酸素プラズマ処理による灰化により除去し、凹凸パターンが形成された基板表面とは逆側の基板表面に、CVD法を用いて光透過材料70(屈折率(n):2.5)を成膜した(図6(e))。
次に、電子線反応型のレジスト30を光透過材料70に塗布し、リソグラフィ法による露光、現像処理により光透過材料70上にレジストパターン80を形成した(図6(f))。
このとき、基板表裏の位置あわせはマスクパターン50を基準に行った。
次に、レジストパターン80をマスクとして光透過材料70を腐食性ガスによるドライエッチング法によりエッチングを行うことにより、凹凸パターン60に対応した位相変位層90(膜厚(t):77.7nm)を形成し、酸素プラズマ処理による灰化によりレジストパターン80及びマスクパターン50を除去した(図6(g))。
以上より、本発明のインプリントモールドの一例であるモールド100を製造することが出来た。
<実施例2>
以下、本発明の光インプリント法の実施の一例を、図4を用いて具体的に説明を行う。当然のことながら、本発明の光インプリント法は下記実施例に限定されず、各工程において類推することの出来る他の光インプリント法であっても良い。
まず、実施例1で製造されたモールド100と、一定間隔を設けて対向位置に転写基板110を配置し、転写基板110上に光硬化性樹脂120を塗布した(図7(a))。
次に、モールド100を光硬化性樹脂120が塗布された転写基板110を大気中で接合し、樹脂硬化のための所定波長のコヒーレント光200(ArFエキシマレーザ)を照射、光硬化性樹脂120を硬化した(図7(d))。
次に、モールド100と転写基板110を接合方向とは反対側に引き戻し、転写基板110上に光硬化性樹脂120からなる転写パターン130を得た(図7(c))。
次に、未硬化部分140を現像処理により溶解除去した(図7(d))。
このとき、所望する転写パターンに不要な残膜150も同時に除去された(図7(e))。
以上より、転写基板に転写パターン130を形成することが出来た。
本発明のインプリントモールドは、微細なパターン形成が所望される広範な分野に用いることが期待され、例えば、半導体デバイス、光導波路や回折格子等の光学部品、ハードディスクやDVDなどの記録デバイス、ライフサイエンス分野でDNA分析等に用いるバイオチップ、ディスプレイ分野などで画像・映像表示器に用いる拡散板、および導光板、などの製品の製造工程に用いることが期待される。
インプリントモールドの剥離工程において欠陥の発生を示す図である。 インプリントモールドにコヒーレントな露光光を照射した場合の光強度を示す図である。 本発明のインプリントモールドの一例を示す図である。 本発明のインプリントモールドにコヒーレントな露光光を照射した場合の光強度を示す図である。 本発明のインプリントモールドにコヒーレントな露光光を照射した場合の光強度を示す図である。 本発明のインプリントモールド製造方法の実施の一例を示す図である。 本発明の光インプリント法の実施の一例を示す図である。
符号の説明
10 石英ガラス基板
20 犠牲膜
30 レジスト
40 レジストパターン
50 マスクパターン
60 凹凸パターン
70 光透過材料
80 レジストパターン
90 位相変位層
100 モールド
110 転写基板
120 光硬化性樹脂
130 転写パターン
140 未硬化部分
150 残膜
160 転写モールド
200 コヒーレント光
410 距離A部
420 距離B部
430 回折光
440 合成光強度

Claims (6)

  1. 転写基板とインプリントモールドとを接触させ、露光光により光硬化性樹脂を硬化させる光インプリント法に用いるインプリントモールドであって、
    インプリントモールドと転写基板との接触面側に凹凸パターンが形成され、前記凹凸パターン形成面と逆側の面に、インプリントモールドに用いた材料の屈折率と異なる屈折率を有する位相変位層を備えたこと
    を特徴とするインプリントモールド。
  2. 請求項1に記載のインプリントモールドであって、
    基板に微細な凹凸パターンが形成され、
    前記凹凸パターンが形成された基板表面とは逆側の基板表面に、前記位相変位層を少なくとも一層以上積層し、
    前記位相変位層は、前記凹凸パターンの凹部または凸部に対応するようにパターニングされていること
    を特徴とするインプリントモールド。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のインプリントモールドであって、
    前記位相変位層は、モリブデン、タングステン、タンタル、シリコン、酸素、窒素、からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の元素を含む材料であること
    を特徴とするインプリントモールド。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のインプリントモールドであって、
    位相変位層は、凹凸パターンの凸パターン部に相対するようにパターニングされ、
    前記位相変位層は、前記転写基板側に到達する露光光強度を制御すること
    を特徴とするインプリントモールド。
  5. 光インプリント法に用いる請求項1〜4何れかに記載のインプリントモールドの製造方法であって、
    基板に凹凸パターンを形成する工程と、
    前記凹凸パターンを形成した基板表面とは逆側の基板表面に位相変位層を積層する工程と、
    前記積層した位相変位層を、前記凹凸パターンの凹部または凸部に対応する位置に、パターニングする工程と、を備えたこと
    を特徴とするインプリントモールド製造方法。
  6. 露光光により樹脂を硬化させる光インプリント法において、
    露光光がコヒーレントな光であり、
    請求項1〜4何れかに記載のインプリントモールドを用意する工程と、
    転写基板に光硬化性樹脂を塗布する工程と、
    前記インプリントモールドと前記転写基板とを接触させ、前記インプリントモールド側から前記転写基板に露光光を照射する工程と、
    前記インプリントモールドと前記転写基板とを剥離する工程と、
    露光光を照射した前記光硬化性樹脂に現像処理を行う工程と、
    を備えたことを特徴とするパターン形成方法
JP2007040527A 2007-02-21 2007-02-21 インプリントモールド、インプリントモールド製造方法及び光インプリント法 Active JP5211505B2 (ja)

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