JP7119775B2 - 樹脂製モールドの製造方法、凹凸パターンの形成方法、中間版モールドの製造方法、中間版モールド及び光学素子の製造方法 - Google Patents

樹脂製モールドの製造方法、凹凸パターンの形成方法、中間版モールドの製造方法、中間版モールド及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本開示の実施形態は、樹脂製モールドの製造方法、凹凸パターンの形成方法、中間版モールドの製造方法、中間版モールド及び光学素子の製造方法に関するものである。
近年、モールド上の微細な構造を樹脂や金属等の被加工部材に転写する微細加工技術が開発され、注目を集めている。
このインプリント技術は、転写すべきパターンが予め形成された原版の型(モールド)を、基材上の光硬化性樹脂等の被転写材料へ押し付け、光を加えながら硬化させたり、加熱した熱可塑性の被転写材料に押し付けることによってモールドのパターンを被転写材料に転写し冷却する方法である。微細な凹凸パターンとしては、10nmレベルのナノスケールのものから、100μm程度のものまで存在し、半導体材料、電子・光学デバイス、記録メディア、バイオ、環境、マイクロマシン等、様々な分野で用いられている。
一方、近年においては、例えば液晶表示装置や発光表示装置等の表示装置の大面積化、且つ高性能化が望まれている。表示装置には、微細な凹凸パターンがその表面に転写された微細構造を有する様々な光学素子が用いられる。そのため、大面積の微細凹凸パターンを形成する技術が望まれている。
ところが、ナノオーダーの微細な凹凸パターンを表面に有するモールドは、パターンの形成に時間がかかるため非常に高価である上、製造方法や装置の制約上、小面積の原版しか作製できない場合が多い。
そこで、小面積のモールドを用いたインプリントを、加工領域が重ならないようにモールドの位置を順次ずらしながら繰り返す行うことによって大面積のインプリントを可能にする方法が提案されている(ステップアンドリピート法)。
しかしながら、従来の加工領域が重ならないようにモールドの位置を順次ずらしながら繰り返す行う方法によれば、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生してしまい、当該パターンが形成されていない繋ぎ目部分が所望の性能を満たさない場合が生じるという課題があった。
そこで、特許文献1では、パターンが形成されていない繋ぎ目部分をなくすために、複数の基本微細構造パターンを高い精度で繋ぎ合わせることができる微細構造パターン集合体の製造方法として、平坦な基材の上に光硬化性樹脂を滴下で供給する第1ステップと、前記光硬化性樹脂に微細構造型を押し付けて広げる第2ステップと、前記光硬化性樹脂に光を照射し露光させて固めることによって、円形の基本微細構造パターンを形成する第3ステップと、前記微細構造型を前記基本微細構造パターンから離型して上昇させる離型移動第4ステップとで構成される、基本微細構造パターン形成単位ステップを複数回繰り返すことによって、微細構造パターン集合体を製造する方法であって、既に形成されている前記基本微細構造パターンに隣接する新たな前記基本微細構造パターンを形成する際に、前記既に形成されている前記基本微細構造パターンの外周部分に、前記新たな前記基本微細構造パターンの外周部分が一部重なるように、形成することを特徴とする、微細構造パターン集合体の製造方法が記載されている。
また、比較的小面積のモールドのパターンを、比較的大面積の基材の表面の被転写材料に繰り返し並列転写して連続したパターンを形成し、基材の表面に連続した微細パターンを形成する方法が提案されている。
しかしながら、上記した、大面積の基材表面の被転写材料に小面積のモールドを繰り返し並列転写して連続パターンを形成する方法によれば、転写の際に、モールドを被転写材料に押し付けた状態で光照射して被転写材料を硬化させるため、モールドのパターン転写領域の周辺に漏れた光により被転写材料が硬化してしまい、次の転写の際に、先のパターン転写領域に隣接する領域の被転写材料にモールドを押し付けることができず、所望の連続微細パターンを形成できないという課題があった。
そこで、特許文献2、3では、転写材料膜を基材の表面に形成する工程、マスターモールドの反転パターンを転写材料膜に繰り返し転写する工程、転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行う工程、残った転写材料膜を除去する工程を1サイクルとし、1回目のサイクルにおいてマスターモールドの反転パターンと同じ面積の微細パターンが形成される第1の領域と、2回目のサイクルにおいてマスターモールドの反転パターンと同じ面積の微細パターンが形成される第2の領域とが、隣接しかつ交互に配列するように、前記サイクルを2回繰り返す方法が開示されている。
特開2013-161997号公報 特開2008-247022号公報 国際公開第2013/154077号公報
しかしながら、特許文献1の技術によれば、特許文献1の図5に記載されているように(本明細書の図47)、既に転写された凹凸パターン部分501に次に転写された凹凸パターン502が乗り上げるため、501と502との繋ぎ目に、凹凸パターンの凸部の高さ程度かそれ以上の段差ができてしまう。
このような繋ぎ目に凸部の高さ程度かそれ以上の段差がある樹脂製モールド500を、後に詳述するようにエッチングのレジスト膜へのインプリントパターニングに適用すると、図48に示すように、レジスト膜504にも、樹脂製モールド500の凹凸パターンに対応して繋ぎ目に段差がある凹凸パターンが転写される。
そして、レジストの凹部の残膜をエッチングする際に、例えば、モールド繋ぎ時に乗り上げられてレジストインプリント面が高くなっている部分505の凹部の残膜をエッチングしようとすると、モールド繋ぎ時に乗り上げてレジストインプリント面が低くなっている部分506においてはレジスト膜の凹凸パターン自体がエッチングされて平坦化してしまうという問題が生じる。
そのため、小面積のモールドの繋ぎ目に上記のような高い段差を生じさせることなく、高精度で小面積のモールドの凹凸パターンが繋がれている大面積の樹脂製モールドの製造方法が求められていた。
また、特許文献2、3に記載の技術では、大面積の基材表面の被転写材料に小面積のモールドを繰り返し並列転写して連続パターンを形成するため、上記したような、小面積のモールドの繋ぎ目に高い段差を生じさせることは抑制されるものの、2回目のサイクルにおいて、1回目のサイクルで形成された微細パターンの間にマスターモールドを配置して、微細パターンを形成するため、2回目のサイクルにおけるマスターモールドの位置合わせが困難である。
このため、微細パターンの角度や重ね合わせ幅が、所望の範囲から外れたり、マスターモールドの押圧回数が多くなり、微細パターンの潰れ等による外観不良が発生したりすることによる、不良個所が生じ易いという問題があった。
特許文献2、3に記載されているように、比較的小面積のモールドのパターンを、比較的大面積の基材表面の被転写材料に繰り返し並列転写する場合、一旦、不良個所が生じると、それまでに形成された、不良箇所を含まないパターン領域も含めて、製品として採用できなくなるため、歩留まりを向上させることが困難であった。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことを可能とし、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制され、また高い歩留まりを実現できる、樹脂製モールドの製造方法及び凹凸パターンの形成方法、これらに用いる中間版モールドの製造方法及び中間版モールド、並びに前記樹脂製モールドの製造方法又は凹凸パターンの形成方法を用いる光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の1実施形態は、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
を有し、
前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する
第一の工程群(I)と、
第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(II-1)と、
前記第二の樹脂層に、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im1’)又はその複製版(im1’’)である中間版モールド(im1)を押圧することにより、前記中間版モールド(im1)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-2)と、
前記中間版モールド(im1)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する工程(II-3)と、
前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im2’)又はその複製版(im2’ ’)である中間版モールド(im2)を押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)と、
前記中間版モールド(im2)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する工程(II-5)と、
を有し、
前記中間版モールド(im1)と前記中間版モールド(im2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(II-4)~前記工程(II-5)からなる工程群を、前記中間版モールド(im2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記中間版モールド(im1)又は前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された樹脂製モールドを作製する、第二の工程群(II)と、を有する、樹脂製モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記第一の工程群(I)は、前記中間版モールドの原版(im1’)の凹凸パターンを、光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを光照射することにより硬化させて、前記中間版モールドの原版(im1’)の複製版(im1’’)を作製する工程(I-11)を有する、樹脂製モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記第一の工程群(I)で製造された中間版モールドの凹凸パターンの良否を評価する検査工程を有する、樹脂製モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、
前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、樹脂製モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、 前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、 前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、樹脂製モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、樹脂製モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、樹脂製モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態は、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
を有し、
前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する第一の工程群(I)と、
第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(II-1)と、
前記第二の樹脂層に、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im1’)又はその複製版(im1’’)である中間版モールド(im1)を押圧することにより、前記中間版モールド(im1)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-2)と、
前記中間版モールド(im1)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する工程(II-3)と、
前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im2’)又はその複製版(im2’ ’)である中間版モールド(im2)を押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)と、
前記中間版モールド(im2)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する工程(II-5)と、
を有し、
前記中間版モールド(im1)と前記中間版モールド(im2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(II-4)~前記工程(II-5)からなる工程群を、前記中間版モールド(im2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記中間版モールド(im1)又は前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された樹脂製モールドを作製する、第二の工程群(II)と、を有する、凹凸パターンの形成方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、 前記第一の工程群(I)は、前記中間版モールドの原版(im1’)の凹凸パターンを、光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを光照射することにより硬化させて、前記中間版モールドの原版(im1’)の複製版(im1’ ’)を作製する工程(I-11)を有する、凹凸パターンの形成方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記第一の工程群(I)で製造された中間版モールドの凹凸パターンのパターン形状の良否を評価する検査工程を有する、凹凸パターンの形成方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、
前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、
前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、凹凸パターンの形成方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、
前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、
前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、 前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、凹凸パターンの形成方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、凹凸パターンの形成方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、凹凸パターンの形成方法を提供する。
本開示の1実施形態は、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
を有し、
前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する工程群を有する、
中間版モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記中間版モールドの原版(im1’)の凹凸パターンを、光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを光照射することにより硬化させて、前記中間版モールドの原版(im1’)の複製版(im1’ ’)を作製する工程(I-11)を有する、中間版モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有する、
中間版モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有する、中間版モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有する、中間版モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有する、中間版モールドの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態は、 支持体と、 前記支持体上に形成された、凹凸パターンを有する樹脂層と、を有し、 前記凹凸パターンは、パターン形状を有する2以上のパターン区域が連設してなり、 前記パターン区域は、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状を有し、 前記凹凸パターンに含まれるパターン区域の中から任意に選ばれる隣り合う2つのパターン区域を第1のパターン区域及び第2のパターン区域としたときに、前記第1のパターン区域と前記第2のパターン区域との境界に、前記第1のパターン区域及び前記第2のパターン区域に配列された線状凸部の平均高さと異なる高さを有する線状凸部を有するか又は線状凸部を有しない繋ぎ目部が形成されている、中間版モールドを提供する。
本開示の1実施形態においては、前記凹凸パターンは、同じパターン形状を有する2以上のパターン区域が連設してなり、前記線状凸部は、前記中間版モールドの長手方向に延在するように配列されている、中間版モールドを提供する。
本開示の1実施形態においては、前記凹凸パターンは、同じパターン形状を有する2以上のパターン区域が連設してなり、前記線状凸部は、前記中間版モールドの短手方向に延在するように配列されている、中間版モールドを提供する。
本開示の1実施形態においては、前記本開示の1実施形態の樹脂製モールドの製造方法、又は、前記本開示の1実施形態の凹凸パターンの形成方法の工程を有する、光学素子の製造方法を提供する。
本開示の1実施形態においては、光学素子が、ワイヤグリッド偏光子、反射防止板、光拡散板、集光板、接触防止板、光回折格子、導光板、及びホログラムからなる群から選ばれるいずれかの素子である、光学素子の製造方法を提供する。
本開示の実施形態は、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことを可能とし、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制され、また高い歩留まりを実現できる、樹脂製モールドの製造方法及び凹凸パターンの形成方法、これらに用いる中間版モールドの製造方法及び中間版モールド、並びに前記樹脂製モールドの製造方法又は凹凸パターンの形成方法を用いる光学素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-1)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図であり、(b)は模式的平面図である。 図2は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-2)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図、(c)は樹脂層の短手方向の模式的断面図である。 図3は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-3)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図4は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図5は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図6は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図7は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図8は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図9は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図10は、本開示の第一の実施形態に係る中間版モールドの原版を示す図であり、(a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図11は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-1)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図12は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-2)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図13は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-3)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図14は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図15は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図16は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図17は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図18は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図19は、本開示の第一の実施形態に係る工程(II-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図20は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-2)を説明する図であり、熱可塑性光硬化性樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図である。 図21は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-1)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図22は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-2)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図23は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-3)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図24は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図25は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図26は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図27は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図28は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図29は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図30は、本開示の第二の実施形態に係る中間版モールドの原版を示す図であり、(a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図31は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-1)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図32は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-2)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図33は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-3)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図34は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図35は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向の模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図36は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図37は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-4’)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図38は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-4)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向の模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図39は、本開示の第二の実施形態に係る工程(II-5)を説明する図であり、(a)は樹脂層の短手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図40は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-11)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図、(c)は樹脂層の短手方向の模式的断面図である。 図41は、本開示の第一の実施形態に係る工程(I-11)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図42は、本開示の第一の実施形態に係る中間版モールドの原版の複製版を示す図であり、(a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図43は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-11)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図44は、本開示の第二の実施形態に係る工程(I-11)を説明する図であり、(a)は樹脂層の長手方向に沿う模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図45は、本開示の第二の実施形態に係る中間版モールドの原版の複製版を示す図であり、(a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図である。 図46は、凹凸パターンに含まれる矩形形状の各パターン区域が、基準線に対し角度をなして同じ方向に傾いた状態で連設している様子を示す模式図である。 図47は、従来技術(特許文献4)の実施の形態により得られる基本微細構造パターンの重ねあわせの状態を示す図である。 図48に示す基本微細構造パターンのネガパターンが転写されたレジスト層を示す図である。 比較例1の比較例樹脂製モールドの製造において、凹凸パターン形成する領域を示す図である。
以下、本開示に係る樹脂製モールドの製造方法、凹凸パターンの形成方法、及び光学素子の製造方法について詳細に説明する。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
また、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を表す。
また、本明細書において「光」とは、活性光線又は放射線を意味し、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等が包含されるものである。また本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
I.樹脂製モールドの製造方法
本開示の樹脂製モールドの製造方法は、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
を有し、
前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する
第一の工程群(I)と、
第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(II-1)と、
前記第二の樹脂層に、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im1’)又はその複製版(im1’’)である中間版モールド(im1)を押圧することにより、前記中間版モールド(im1)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-2)と、
前記中間版モールド(im1)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する工程(II-3)と、
前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im2’)又はその複製版(im2’ ’)である中間版モールド(im2)を押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)と、
前記中間版モールド(im2)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する工程(II-5)と、
を有し、
前記中間版モールド(im1)と前記中間版モールド(im2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(II-4)~前記工程(II-5)からなる工程群を、前記中間版モールド(im2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記中間版モールド(im1)又は前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された樹脂製モールドを作製する、第二の工程群(II)と、を有する、樹脂製モールドの製造方法である。
なお、本開示の樹脂製モールドの製造方法により製造される樹脂製モールドは、一部に樹脂材料とは異なる材料を含んでいても良いし、前記凹凸パターン形成用基板の前記支持体が剥離されていても良い。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
[第一の実施形態]
本開示の樹脂製モールド100の製造方法は、中間版モールドを作製する第一の工程群(I)と、前記中間版モールドを用いて樹脂製モールドを作製する第二の工程群(II)と、を有する。
以下に、図1~図19を用いて、本開示の第一の実施形態に係る樹脂製モールド製造方法について説明する。
<第一の工程群(I)>
まず、第一の実施形態に係る樹脂製モールドの製造方法における、第一の工程群(I)について、図1~図10を用いて説明する。
(図1)
本開示の樹脂製モールドの製造方法の第一の工程群(I)においては、まず、図1に示すように、第一の支持体101上に、第一の樹脂層102を有する第一の凹凸パターン形成用基板103を準備する(工程(I-1))。
なお、以下の説明では、第一の樹脂層102として、少なくとも熱可塑性樹脂を含む樹脂層を形成する場合を例に説明する。
(図2)
次に、図2に示すように、前記第一の樹脂層102が加熱装置111’により所定の賦形温度に部分加熱111された状態で、単位モールドであるモールド110をロール状押圧装置112’を用いてロールを回転させながら押圧112することにより、前記モールド110の凹凸パターンを、軟化した前記第一の樹脂層102の一部に転写する(工程(I-2))。
図2に示すように、加熱装置111’は、第一の支持体101側において移動可能に構成されており、次に凹凸パターンを形成する予定の領域122(Z1)に対応する位置に配置した状態で、部分加熱111する。
(図3)
次に、図3に示すように、前記モールド110が圧着された状態で前記第一の樹脂層102を冷却113することにより、第一の樹脂層102を硬化させ、前記第一の樹脂層102の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する(工程(I-3))。なお、図3(b)では、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を分かり易く示すために、前記第一の樹脂層102を冷却後に前記モールド110を剥離している場合を示している。
(図4)
次に、図4に示すように、前記第一の樹脂層102のうち次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第一の樹脂層102に含まれる部分における未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第一の樹脂層102の前記第一の領域(X1)を除く領域120(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域122(Z1)(以下、第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)という)と、すでに凹凸パターンを有する第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)とを部分加熱111する(工程(I-4’))。
部分加熱111する際には、加熱装置111’は、図4に示すように、第一の支持体101側において、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)、及び前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)に対応する位置に移動させた状態で、部分加熱111する。
当該部分加熱111により、図4に示すように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)の前記第一の樹脂層102は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図4に示す工程(I-4’)では、上記したように、部分加熱111する際に、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)だけでなく、すでに凹凸パターンを有する第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)として、前記第一の領域(X1)のうち、当該第一の領域(X1)に形成された、凹凸パターンの線状凸部の延在方向の端部のうちの一方の領域(121(Y1))も、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と共に、部分加熱111(斜線部)する。
このように、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)を部分加熱111して、軟化させることによって、後述する工程(I-4)(図5参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)に、モールド110を重ねて押圧112できる。このため、当該モールド110の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、前記第一の領域(X1)に既に形成されている凹凸パターン125との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、モールド110の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図4及び後述する図5において、図示しないが、部分加熱111する際には、例えば第一の支持体101側において、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する領域(図5における第一の領域(X1’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図5)
次に、部分加熱111した状態で、図5に示すように、軟化した第一の樹脂層102に、前記第一の領域(X1)の凹凸パターン125とつながるように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、前記第一の領域(X1)の一部、即ち、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)に重ねて前記モールド110をロール状押圧装置112’を用いてロールを回転させながら押圧112することにより、前記モールド110の凹凸パターンを前記第一の樹脂層102の一部に転写する(工程(I-4))。
なお、本明細書において、「前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、モールドを押圧する」とは、少なくとも、前記モールド110の凹凸パターンが、前記第一の領域(X1)における凹凸パターン125の形成領域の一端側と隣接するか又は一部重複するように、前記モールド110の凹凸パターンを前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターン125と接続させて押圧112することをいい、必ずしも、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターン125のパターン形状と同一のパターン形状が連続的に転写されるように、モールド110を押圧する形態でなくてもよい。
前記凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)は、第一の樹脂層102が軟化しているため、単位モールドである前記モールド110の凹凸パターンを上書きできる。前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に前記モールド110を重ねて、前記モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積の単位モールドによるパターン同士をつなげ、単位モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図5において図示しないが、上記したように、例えば第一の支持体101側において、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱111した場合には、当該第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125が軟化するのを抑制することができ、当該部分加熱111後の前記第一の樹脂層102において、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125が硬化した状態を維持することができる。
工程(I-4)においては、図5に示すように、前記モールド110の凹凸パターンを、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)と、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の一部(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)側の領域)とに重ねて、押圧112することが好ましい。
このようにすることで、図5において転写されるモールド110の凹凸パターン(2回目の賦型形状)を、図3において形成された凹凸パターンのうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125(1回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図5に示す工程(I-4)では、図5(b)に示すように、前記モールド110を、該モールド110の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125と、該第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド110の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)の一部、即ち、前記凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)と、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の一部(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)側の領域)に重ねて押圧する(工程(I-4))。
なお、工程(I-4)で使用するモールド110(図5参照)は、工程(I-2)で使用するモールド110(図2参照)と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであっても良い。
(図6)
次に、図6に示すように、前記モールド110が圧着された状態で前記第一の樹脂層102を冷却113することにより、前記第一の樹脂層102を硬化させ、前記第一の樹脂層102の一部に、更に、凹凸パターン125を有する第一の領域(X1)を拡大する(工程(I-5))。なお、図6(b)では、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を分かり易く示すために、前記第一の樹脂層102を冷却後に前記モールド110を剥離している場合を示している。
そして、更に、前記工程(I-4’)、前記工程(I-4)及び前記工程(I-5)からなる工程群を、二回以上繰り返してもよい。
図7~図9は、本開示の樹脂製モールド製造方法の一例を示す工程図であり、図6に次いで、更に、前記工程(I-4’)、前記工程(I-4)及び前記工程(I-5)を繰り返す場合を示す。
(図7)
図6に次いで、図7に示すように、凹凸パターン125が形成された第一の凹凸パターン形成用基板103の前記第一の樹脂層102の、次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第一の樹脂層102に含まれる部分における、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち、前記第一の樹脂層102の拡大された第一の領域(X1)を除く領域120(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、すでに凹凸パターンを有する、拡大された第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)とを部分加熱111する(工程(I-4’))。
部分加熱111する際には、加熱装置111’は、図7に示すように、第一の支持体101側において、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)及び前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)に対応する位置に移動させた状態で、部分加熱111する。
当該部分加熱111により、図7に示すように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、すでに凹凸パターンを有する拡大された第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)の前記第一の樹脂層102は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図7に示す工程(I-4’)では、上記したように、部分加熱111する際に、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)だけでなく、拡大された前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)として、拡大された前記第一の領域(X1)のうち、当該第一の領域(X1)に形成された、凹凸パターンの線状凸部の延在方向の端部のうちの一方の領域(121(Y1))も、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と共に、部分加熱111(斜線部)する。
図7に示す工程(I-4’)では、図4に示す工程と同様に、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)を部分加熱111して、軟化させることによって、後述する工程(I-4)(図8参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する拡大された第一の領域(X1)の一部121(Y1)に、モールド110を重ねて押圧112できる。このため、当該モールド110の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、拡大された前記第一の領域(X1)に既に形成されている凹凸パターン125との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、モールド110の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図7及び後述する図8において、図示しないが、部分加熱111する際には、例えば第一の支持体101側において、拡大された第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する領域(図8における第一の領域(X1’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図8)
図7に次いで、部分加熱111した状態で、図8に示すように、軟化した第一の樹脂層102に、拡大された第一の領域(X1)の凹凸パターン125とつながるように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、拡大された前記第一の領域(X1)の一部、即ち、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)に重ねて前記モールド110をロール状押圧装置112’を用いてロールを回転させながら押圧112することにより、前記モールド110の凹凸パターンを前記第一の樹脂層102の一部に転写する(工程(I-4))。
前記凹凸パターンを有する拡大された第一の領域(X1)の一部121(Y1)は、第一の樹脂層102が軟化しているため、単位モールドである前記モールド110の凹凸パターンを上書きできる。拡大された前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に前記モールド110を重ねて、前記モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積の単位モールドによるパターン同士をつなげ、単位モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図8において図示しないが、上記したように、例えば第一の支持体101側において、拡大された第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱111した場合には、当該第一の領域(X1’)が有する凹凸パターンが軟化するのを抑制することができ、部分加熱111後の前記第一の樹脂層102において、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125が硬化した状態を維持することができる。
図8に示す工程(I-4)においては、図5に示す工程と同様に、前記モールド110の凹凸パターンを、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)と、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の一部(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)側の領域)とに重ねて、押圧112することが好ましい。
このようにすることで、図8において転写されるモールド110の凹凸パターン(3回目の賦型形状)を、図6において形成された凹凸パターンのうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125(2回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図8に示す工程において、前記モールド110を重ねる方向及び前記モールド110を重ねるときの凹凸パターンの線状凸部の延在方向は、図5に示す工程で説明したのと同様とする。
なお、図8で示す工程で用いるモールド110は、図2又は図5で示す工程で用いるモールド110と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであってもよい。
(図9)
次に、図9に示すように、前記モールド110が圧着された状態で前記第一の樹脂層102を冷却113することにより、前記第一の樹脂層102を硬化させ、前記第一の樹脂層102の一部に、更に、凹凸パターン125を有する第一の領域(X1)を拡大する(工程(I-5))。なお、図9(b)では、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を分かり易く示すために、前記第一の樹脂層102を冷却後に前記モールド110を剥離している場合を示している。
なお、前記工程(I-4’)、前記工程(I-4)及び前記工程(I-5)からなる工程群を、さらに繰り返す場合、モールド110としては、同じモールドを繰り返し用いても良く、適宜異なるモールドを用いても良い。
これにより、前記モールド110の凹凸パターンに対応するパターンとして、前記モールド110の凹凸パターンのネガパターンが、定められた一つの方向につながるように二回以上配列された中間版モールドの原版210A(図10参照)を得ることができる。
また、第一の工程群(I)は、第三の支持体301上に光硬化性樹脂層302を形成した後、図40に示すように、前記中間版モールドの原版210Aを、ロール状押圧装置112’を用いてロールを回転させながら、前記光硬化性樹脂層302に押圧112することにより、前記中間版モールドの原版210Aの凹凸パターンを前記光硬化性樹脂層302に転写し、次いで図41に示すように、前記光硬化性樹脂層302に転写された凹凸パターンを、光照射323して硬化させ、第三の硬化後凹凸パターン325を形成する工程(I-11)を有していてもよい。
これにより、前記中間版モールドの原版210Aの凹凸パターンのネガパターンを有し、当該ネガパターンにおいて、前記前記モールド110の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが、定められた一つの方向につながるように二回以上配列された、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’(図42参照)を得ることができる。
なお、図41~図42では、第三の支持体301上に光硬化性樹脂層302を形成して、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’を形成する例を示したが、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’は、前記光硬化性樹脂層302を用いて形成したものには限られず、例えば、第三の支持体301上に、熱可塑性樹脂層を形成し、当該熱可塑性樹脂層に、前記中間版モールドの原版210Aの凹凸パターンを転写して形成することも可能である。この場合には、第三の支持体301上に形成する熱可塑性樹脂層が、前記中間版モールドの原版210Aに用いた熱可塑性樹脂が熱可塑性を示す温度よりも低い温度で熱可塑性を示すように、当該熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂を、適宜選択して用いることが好ましい。
(検査工程)
また、本開示の樹脂製モールドの製造方法は、前記第一の工程群(I)で製造された、中間版モールドの原版210A又はその複製版210A’の凹凸パターンの良否を評価する検査工程を有していてもよい。これにより、中間版モールドの原版210A又はその複製版210A’の凹凸パターンの各線状凸部の形状、任意の線状凸部同士のなす角度、線状凸部同士の重なり部分における重なり幅等が所定の基準を満たし、且つ外観が所定の基準を満たす、パターン形状の良好な、中間版モールドの原版210A又はその複製版210A’を選別し、パターン形状の良好な、中間版モールドの原版210A又はその複製版210A’のみを用いて、後述する第二の工程群(II)を行うことができる。
これにより、樹脂製モールドの製造において、より高い歩留まりを実現することが可能となる。
図10は、図1~図9に示す、第一の実施形態の第一の工程群(I)を経て製造された中間版モールドの原版(以下、第1の実施形態に係る中間版モールドの原版という)を示す図である。
本開示の第1の実施形態に係る中間版モールドの原版210Aは、図10(a)に示すように、第一の支持体101上に、凹凸パターン51を有する樹脂層50を有している。樹脂層50は、第一の樹脂層102を冷却することにより硬化させて形成された層である。凹凸パターン51は、同じパターン形状を有する2以上のパターン区域52…52が繰り返し配列されて構成されている。
図10に示す中間版モールドの原版210Aの各パターン区域52…52は、図10(a)に示すように、それぞれ中間版モールドの原版210Aの長手方向に延在する複数の線状凸部53が平行に繰り返し配列されたパターン形状を有している。中間版モールド210Aは、これらのパターン区域52…52が、第一の支持体101の面方向に且つ長手方向に連設して、前記線状凸部53が、前記中間版モールド210Aの長手方向に延在するように配列されて構成されている。
図10(a)に示す凹凸パターン51において、パターン区域52…52の中から任意に選ばれる隣り合う2つのパターン区域を第1のパターン区域52-1及び第2のパターン区域52-2とする。前記第1のパターン区域52-1と前記第2のパターン区域52-2との境界には、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さと異なる高さを有する線状凸部を有するか又は線状凸部を有しない、繋ぎ目部60が形成されている。
繋ぎ目部60は、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さより高さの高い線状凸部を有していてもよいし、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さより高さの低い線状凸部を有していてもよい。
中間版モールドの原版210Aの凹凸パターンのピッチサイズとしては、特に限定されるものではないが、本開示においては、1000nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下のピッチサイズであることが好ましい。
なお、本開示において、ピッチサイズとは、隣り合う線状凸部53の中心間の間隔をいう。
(中間版モールド210A’)
図42は、中間版モールドの原版210Aを用い、当該中間版モールドの原版210Aの凹凸パターンを光硬化性樹脂に転写し、光照射により硬化させて作製された(図40~41参照)、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’を示す図である。
中間版モールドの原版210Aの複製版210A’は、第一の支持体101に代えて第三の支持体301を有している点、及び第一の樹脂層102を硬化させた樹脂層50に代えて光硬化性樹脂層302を硬化させた樹脂層50’を有している点を除き、その他の構成は、図10に示す中間版モールドの原版210Aと同様である。このため、共通する部分の説明は省略する。
なお、中間版モールドの原版210Aが、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さよりも高さの高い線状凸部を有する繋ぎ目部60を有する場合、当該中間版モールドの原版210Aを用いて作製された、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’は、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さよりも、高さの低い線状凸部を有する繋ぎ目部60を有する。
<第二の工程群(II)>
次に、第一の実施形態に係る樹脂製モールドの製造方法における第二の工程群(II)について、図11~図19を用いて説明する。
なお、以下の説明では、前記第二の樹脂層202に対する凹凸パターンの転写を行う中間版モールドとして、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’(図42参照。以下、単に中間版モールド210A’という。)を用いて行う場合を例に説明するが、前記第二の樹脂層202に対する凹凸パターンの転写は、中間版モールドとして、複製版210A’に代えて中間版モールドの原版210A(図10参照)を用いて行ってもよい。
(図11)
本開示の第一の実施形態に係る樹脂製モールドの製造方法の第二の工程群(II)においては、まず、図11に示すように、第二の支持体201上に、第二の樹脂層202を有する第二の凹凸パターン形成用基板203を準備する(工程(II-1))。
なお、以下の説明では、第二の樹脂層202として、少なくとも熱可塑性樹脂を含む樹脂層を形成する場合を例に説明する。
(図12)
次に、図12に示すように、前記第二の樹脂層202が加熱装置211’により所定の賦形温度に部分加熱211された状態で、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールド210A’をロール状押圧装置212’を用いてロールを回転させながら押圧212することにより、前記中間版モールド210A’の凹凸パターンを軟化した前記第二の樹脂層202の一部に転写する(工程(II-2)。
図12に示すように、加熱装置211’は、第二の支持体201側において移動可能に構成されており、次に凹凸パターンを形成する予定の領域222(Z2)に対応する位置に配置した状態で、部分加熱211する。
(図13)
次に、図13に示すように、前記中間版モールド210A’が圧着された状態で前記第二の樹脂層202を冷却213することにより、前記第二の樹脂層202を硬化させ、前記第二の樹脂層202の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する(工程(II-3))。
なお、図13(b)では、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を分かり易く示すために、前記第二の樹脂層202を冷却後に前記中間版モールド210A’を剥離している場合を示している。
(図14)
次に、図14に示すように、前記第二の樹脂層202のうち次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第二の樹脂層202に含まれる部分における、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第二の樹脂層202の前記第二の領域(X2)を除く領域220(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域222(Z2)(以下、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)という)と、すでに凹凸パターンを有する第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)とを部分加熱211する(工程(II-4’))(工程(II-4))。
部分加熱211する際には、加熱装置211’は、図14に示すように、第二の支持体201側において、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)及び前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)に対応する位置に移動させた状態で、部分加熱211する。
当該部分加熱211により、図14に示すように、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)の前記第二の樹脂層202は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図14に示す工程(II-4’)では、上記したように、部分加熱211する際に、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)だけでなく、すでに凹凸パターンを有する第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)として、前記第二の領域(X2)のうち、当該第二の領域(X2)に形成された凹凸パターンの線状凸部の配列方向の端部のうちの一方の領域(221(Y2))も、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と共に、部分加熱211(斜線部)する。
このように、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)を部分加熱211して、軟化させることによって、後述する工程(II-4)(図15参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)に、中間版モールド210A’を重ねて押圧212できる。
このため、当該中間版モールド210A’の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、前記第二の領域(X2)に既に形成されている凹凸パターン225との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、中間版モールド210A’の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図14及び後述する図15において、図示しないが、部分加熱211する際には、例えば第二の支持体201側において、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する領域(図15における第二の領域(X2’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図15)
次に、部分加熱211した状態で、図15に示すように、軟化した第二の樹脂層202に、前記第二の領域(X2)の凹凸パターン225とつながるように、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、前記第二の領域(X2)の一部、即ち、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)に重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールド210A’をロール状押圧装置212’を用いてロールを回転させながら押圧212することにより、前記中間版モールド210A’の凹凸パターンを前記第二の樹脂層202の一部に転写する(工程(II-4))。
なお、本明細書において、「前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、中間版モールドを押圧する」とは、少なくとも、前記中間版モールド210A’若しくは前記中間版モールドの原版210A、又は後述する中間版モールド210B’若しくは中間版モールドの原版210B(以下、単に中間版モールド210A’等という)の凹凸パターンが、前記第二の領域(X2)における凹凸パターン225の形成領域の一端側と隣接するか又は一部重複するように、前記中間版モールド210A’等の凹凸パターンを前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターン225と接続させて押圧212することをいい、必ずしも、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターン225のパターン形状と同一のパターン形状が連続的に転写されるように、前記中間版モールド210A’等を押圧する形態でなくてもよい。
前記凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)は、第二の樹脂層202が軟化しているため、前記中間版モールド210A’等の凹凸パターンを上書きできる。前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に前記中間版モールド210A’等を重ねて、前記中間版モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、中間版モールドによるパターン同士をつなげ、中間版モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図15において図示しないが、上記したように、例えば第二の支持体201側において、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する第二の領域(X2’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱211した場合には、当該第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225が軟化するのを抑制することができ、当該部分加熱211後の前記第二の樹脂層202において、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225が硬化した状態を維持することができる。
工程(II-4)においては、図15に示すように、前記中間版モールド210A’の凹凸パターンを、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)と、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の一部(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)側の領域)とに重ねて、押圧212することが好ましい。
このようにすることで、図15において転写される中間版モールド210A’の凹凸パターン(2回目の賦型形状)を、図13において形成された凹凸パターンのうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225(1回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図15に示す工程工程(II-4)では、図15(b)に示すように、前記中間版モールド210A’を、該中間版モールド210A’の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225と、該第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド210A’の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)の一部、即ち、前記凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)と、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の一部(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)側の領域)に重ねて押圧する(工程(II-4))。
なお、工程(II-4)で使用する中間版モールド210A’(図15参照)は、工程(II-2)で使用する中間版モールド210A’(図12参照)と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであっても良い。
(図16)
次に、図16に示すように、前記中間版モールド210A’が圧着された状態で前記第二の樹脂層202を冷却213することにより、前記第二の樹脂層202を硬化させ、前記第二の樹脂層202の一部に、更に、凹凸パターン225を有する第二の領域(X2)を拡大する(工程(II-5))。
なお、図16(b)では、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を分かり易く示すために、前記第二の樹脂層202を冷却後に前記中間版モールド210A’を剥離している場合を示している。
そして、更に、前記工程(II-4’)、前記工程(II-4)及び前記工程(II-5)からなる工程群を、二回以上繰り返してもよい。
図17~図19は、本開示の樹脂製モールド製造方法の一例を示す工程図であり、図16に次いで、更に、前記工程(II-4’)、前記工程(II-4)及び前記工程(II-5)を繰り返す場合を示す。
(図17)
図16に次いで、図17に示すように、凹凸パターン225が形成された第二の凹凸パターン形成用基板203の前記第二の樹脂層202の、次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第二の樹脂層202に含まれる部分における、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第二の樹脂層202の拡大された第二の領域(X2)を除く領域220(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、すでに凹凸パターンを有する、拡大された第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)とを部分加熱211する(工程(II-4’))。
部分加熱211する際には、加熱装置211’は、図17に示すように、第二の支持体201側において、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)及び前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)に対応する位置に移動させた状態で、加熱211する。
当該部分加熱211により、図17に示すように、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、すでに凹凸パターンを有する拡大された第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)の前記第二の樹脂層202は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図17に示す工程(II-4’)では、上記したように、部分加熱211する際に、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)だけでなく、
拡大された前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)として、拡大された前記第二の領域(X2)のうち、当該第二の領域(X2)に形成された、凹凸パターンの線状凸部の配列方向の端部のうちの一方の領域(221(Y2))も、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と共に、部分加熱211(斜線部)する。
図17に示す工程(II-4’)では、図14に示す工程と同様に、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)を部分加熱211して、軟化させることによって、後述する工程(II-4)(図18参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する拡大された第二の領域(X2)の一部221(Y2)に、中間版モールド210A’を重ねて押圧212できる。このため、当該中間版モールド210A’の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、拡大された前記第二の領域(X2)に既に形成されている凹凸パターン225との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、中間版モールド210A’の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図17及び後述する図18において、図示しないが、部分加熱211する際には、例えば第二の支持体201側において、拡大された第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する領域(図18における第二の領域(X2’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図18)
図17に次いで、部分加熱211した状態で、図18に示すように、軟化した第二の樹脂層202に、拡大された前記第二の領域(X2’)の凹凸パターン225とつながるように、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、拡大された前記第二の領域(X2)の一部、即ち、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)に重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールド210A’をロール状押圧装置212’を用いてロールを回転させながら押圧212することにより、前記中間版モールド210A’の凹凸パターンを前記第二の樹脂層202の一部に転写する(工程(I-4))。
前記凹凸パターンを有する拡大された第二の領域(X2)の一部221(Y2)は、第二の樹脂層202が軟化しているため、前記中間版モールド210A’等の凹凸パターンを上書きできる。拡大された前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に前記中間版モールド210A’等を重ねて、前記中間版モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、中間版モールドによるパターン同士をつなげ、中間版モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図18において図示しないが、上記したように、例えば第二の支持体201側において、拡大された第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する第二の領域(X2’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱211した場合には、当該第二の領域(X2’)が有する凹凸パターンが軟化するのを抑制することができ、当該第二の領域(X2’)後の前記第二の樹脂層202において、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225が硬化した状態を維持することができる。
図18に示す工程(II-4)においては、図15に示す工程と同様に、前記中間版モールド210A’の凹凸パターンを、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)と、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の一部(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)側の領域)とに重ねて、押圧212することが好ましい。
このようにすることで、図18において転写される中間版モールド210A’の凹凸パターン(3回目の賦型形状)を、図16において形成された凹凸パターンのうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225(2回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図18に示す工程において、前記中間版モールド210A’を重ねる方向及び前記中間版モールド210A’を重ねるときの凹凸パターンの線状凸部の延在方向は、図15に示す工程で説明したのと同様とする。
なお、図18で示す工程で用いる中間版モールド210A’は、図12又は図15で示す工程で用いる中間版モールド210A’と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであってもよい。
(図19)
次に、図19に示すように、前記中間版モールド210A’が圧着された状態で前記第二の樹脂層202を冷却213することにより、前記第二の樹脂層202を硬化させ、前記第二の樹脂層202の一部に、更に、凹凸パターン225を有する第二の領域(X2)を拡大する(工程(II-5))。なお、図19(b)では、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を分かり易く示すために、前記第二の樹脂層202を冷却後に前記中間版モールド210A’を剥離している場合を示している。
なお、前記工程(II-4’)、前記工程(II-4)、及び前記工程(II-5)からなる工程群を、さらに繰り返す場合、前記中間版モールド210A’としては、同じモールドを繰り返し用いても良く、適宜異なるモールドを用いても良い。
これにより、前記中間版モールド210A’の凹凸パターンに対応する凹凸パターンとして、前記中間版モールド210Aの凹凸パターンのネガパターンが、定められた一つの方向につながるように二回以上配列された樹脂製モールドを作製することができる。
[第二の実施形態]
次に、図20~図39を用いて、本開示の第二の実施形態に係る樹脂製モールド製造方法について説明する。
本開示の第二の実施形態に係る樹脂製モールドの製造方法は、第一の実施形態に係る樹脂製モールドの製造方法と同様、中間版モールドを作製する第一の工程群(I)と、前記中間版モールドを用いて樹脂製モールドを作製する第二の工程群(II)と、を有する。
<第一の工程群(I)>
まず、第二の実施形態に係る樹脂製モールドの製造方法における第一の工程群(I)について、図21~図29を用いて説明する。
(図21)
本開示の樹脂製モールドの製造方法の第一の工程群(I)においては、まず、図21に示すように、第一の支持体101上に、第一の樹脂層102を有する第一の凹凸パターン形成用基板103を準備する(工程(I-1))。図21に示す工程(I-1)は、第一の実施形態において、図1を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、以下の説明では、第一の樹脂層102として、少なくとも熱可塑性樹脂を含む樹脂層を形成する場合を例に説明する。
(図22)
次に、図22に示すように、前記モールド110の凹凸パターンを前記第一の樹脂層102の一部に転写する(工程(I-2))。図22に示す工程(I-2)は、第一の実施形態において、図2を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
(図23)
次に、図23に示すように、前記第一の樹脂層102の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する(工程(I-3))。図23に示す工程(I-3)は、第一の実施形態において、図3を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図23(b)では、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を分かり易く示すために、前記第一の樹脂層102を冷却後に前記モールド110を剥離している場合を示している。
(図24)
次に、図24に示すように、前記第一の樹脂層102のうち次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第一の樹脂層102に含まれる部分における、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第一の樹脂層102の前記第一の領域(X1)を除く領域120(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域122(Z1)(以下、第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)という)と、すでに凹凸パターンを有する第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)とを部分加熱111する(工程(I-4’))。
当該部分加熱111により、図24に示すように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、すでに凹凸パターンを有する第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)の前記第一の樹脂層102は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図24に示す工程(I-4’)では、上記したように、部分加熱111する際に、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)だけでなく、すでに凹凸パターンを有する第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)として、前記第一の領域(X1)のうち、当該第一の領域(X1)に形成された、凹凸パターンの線状凸部の配列方向の端部のうちの一方の領域(121(Y1))も、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と共に、部分加熱111(斜線部)する。図24に示す工程(I-4)は、このようにした点以外は、第一の実施形態において、図4を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
このように、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)を部分加熱111して、軟化させることによって、後述する工程(I-4)(図25参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)に、モールド110を重ねて押圧112できる。このため、当該モールド110の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、前記第一の領域(X1)に既に形成されている凹凸パターン125との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、モールド110の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図24及び後述する図25において、図示しないが、部分加熱111する際には、例えば第一の支持体101側において、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する領域(図25における第一の領域(X1’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図25)
次に、部分加熱111した状態で、図25に示すように、軟化した第一の樹脂層102に、前記第一の領域(X1)の凹凸パターン125とつながるように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、前記第一の領域(X1)の一部、即ち、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)に重ねて前記モールド110をロール状押圧装置112’を用いてロールを回転させながら押圧112することにより、前記モールド110の凹凸パターンを前記第一の樹脂層102の一部に転写する(工程(I-4))。
前記凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)は、第一の樹脂層102が軟化しているため、単位モールドである前記モールド110の凹凸パターンを上書きできる。前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に前記モールド110を重ねて、前記モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積の単位モールドによるパターン同士をつなげ、単位モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図25において図示しないが、上記したように、例えば第一の支持体101側において、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱111した場合には、当該第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125が軟化するのを抑制することができ、当該部分加熱111後の前記第一の樹脂層102において、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125が硬化した状態を維持することができる。
工程(I-4)においては、図25に示すように、前記モールド110の凹凸パターンを、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)と、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の一部(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)側の領域)とに重ねて、押圧112することが好ましい。
このようにすることで、図25において転写されるモールド110の凹凸パターン(2回目の賦型形状)を、図23において形成された凹凸パターンのうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125(1回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図25に示す工程(I-4)では、図25(b)に示すように、前記モールド110を、該モールド110の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125と、該第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド110の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)の一部、即ち、前記凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)と、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の一部(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)側の領域)に重ねて押圧する。
このようにした点以外は、図25に示す工程(I-4)は、第一の実施形態において、図5を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、工程(I-4)で使用するモールド110(図25参照)は、工程(I-2)で使用するモールド110(図22参照)と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであっても良い。
(図26)
次に、図26に示すように、前記第一の樹脂層102の一部に、更に、凹凸パターン125を有する第一の領域(X1)を拡大する(工程(I-5))。図26に示す工程(I-5)は、第一の実施形態において、図6を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図26(b)では、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を分かり易く示すために、前記第一の樹脂層102を冷却後に前記モールド110を剥離している場合を示している。
第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様、前記工程(I-4’)、前記工程(I-4)及び前記工程(I-5)からなる工程群を、二回以上繰り返してもよい。
図27~29は、本開示の樹脂製モールド製造方法の一例を示す工程図であり、図26に次いで、更に、前記工程(I-4’)、前記工程(I-4)及び前記工程(I-5)を繰り返す場合を示す。
(図27)
図26に次いで、図27に示すように、凹凸パターン125が形成された第一の凹凸パターン形成用基板103の前記第一の樹脂層102の、次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第一の樹脂層102の拡大された第一の領域(X1)を除く領域120(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、拡大された第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)とを部分加熱111する(工程(I-4))。
当該部分加熱111により、図27に示すように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、すでに凹凸パターンを有する拡大された第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)の前記第一の樹脂層102は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図27に示す工程(I-4’)では、上記したように、部分加熱111する際に、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)だけでなく、拡大された前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)として、拡大された前記第一の領域(X1)のうち、当該第一の領域(X1)に形成された、凹凸パターンの線状凸部の配列方向の端部のうちの一方の領域(121(Y1))も、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と共に、部分加熱111(斜線部)する。このようにした点以外は、図27に示す工程(I-4’)は、第一の実施形態において、図7を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
図27に示す工程(I-4’)では、図24に示す工程と同様に、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)を部分加熱111して、軟化させることによって、後述する工程(I-4)(図28参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する拡大された第一の領域(X1)の一部121(Y1)に、モールド110を重ねて押圧112できる。
このため、当該モールド110の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、拡大された前記第一の領域(X1)に既に形成されている凹凸パターン125との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、モールド110の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図27及び後述する図28において、図示しないが、部分加熱111する際には、例えば第一の支持体101側において、拡大された第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する領域(図28における第一の領域(X1’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図28)
図27に次いで、部分加熱111した状態で、図28に示すように、軟化した第一の樹脂層102に、拡大された第一の領域(X1)の凹凸パターン125とつながるように、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、拡大された前記第一の領域(X1)の一部、即ち、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)に重ねて前記モールド110をロール状押圧装置112’を用いてロールを回転させながら押圧112することにより、前記モールド110の凹凸パターンを前記第一の樹脂層102の一部に転写する(工程(I-4))。
前記凹凸パターンを有する拡大された第一の領域(X1)の一部121(Y1)は、第一の樹脂層102が軟化しているため、単位モールドである前記モールド110の凹凸パターンを上書きできる。拡大された前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に前記モールド110を重ねて、前記モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積の単位モールドによるパターン同士をつなげ、単位モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図28において図示しないが、上記したように、例えば第一の支持体101側において、拡大された第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱111した場合には、当該第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125が軟化するのを抑制することができ、部分加熱111後の前記第一の樹脂層102において、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125が硬化した状態を維持することができる。
図28に示す工程(I-4)においては、図25に示す工程と同様に、前記モールド110の凹凸パターンを、前記第一の樹脂層102の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部121(Y1)と、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125の一部(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)側の領域)とに重ねて、押圧112することが好ましい。
このようにすることで、図28において転写されるモールド110の凹凸パターン(3回目の賦型形状)を、図26において形成された凹凸パターンのうち、前記第一の領域(X1)の一部121(Y1)に隣接する第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン125(2回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図28に示す工程(I-4)は、前記モールド110を重ねる方向及び前記モールド110を重ねるときの凹凸パターンの線状凸部の延在方向を、図25に示す工程で説明したのと同様とした点以外は、第一の実施形態において、図8を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図28で示す工程で用いるモールド110は、図22又は図25で示す工程で用いるモールド110と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであってもよい。
(図29)
次に、図29に示すように、前記第一の樹脂層102の一部に、更に、凹凸パターン125を有する第一の領域(X1)を拡大する(工程(I-5))。図29に示す工程(I-5)は、第一の実施形態において、図9を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図29(b)では、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を分かり易く示すために、前記第一の樹脂層102を冷却後に前記モールド110を剥離している場合を示している。
なお、前記工程(I-4’)、前記工程(I-4)及び前記工程(I-5)からなる工程群を、さらに繰り返す場合、前記モールド110としては、同じモールドを繰り返し用いても良く、適宜異なるモールドを用いても良い。
これにより、前記モールド110の凹凸パターンに対応するパターンとして、前記モールド110の凹凸パターンのネガパターンが、定められた一つの方向につながるように二回以上配列された中間版モールドの原版210B(図30参照)を得ることができる。
また、第一の工程群(I)は、第三の支持体301上に光硬化性樹脂層302を形成した後、図43に示すように、前記中間版モールドの原版210B(図30参照)を、ロール状押圧装置112’を用いてロールを回転させながら、前記光硬化性樹脂層302に押圧112することにより、前記中間版モールドの原版210Bの凹凸パターンを前記光硬化性樹脂層302に転写し、次いで図44に示すように、前記光硬化性樹脂層302に転写された凹凸パターンを、光照射323して硬化させ、第三の硬化後凹凸パターン325を形成する工程(I-11)を有していてもよい。
これにより、前記中間版モールドの原版210Bの凹凸パターンのネガパターンを有し、当該ネガパターンにおいて、前記モールド110の凹凸パターンに対応するパターンが、定められた一つの方向につながるように二回以上配列された、中間版モールドの原版210Bの複製版210B’(図45参照)を得ることができる。
なお、図43~図44では、第三の支持体301上に光硬化性樹脂層302を形成して、中間版モールドの原版210Bの複製版210B’を形成する例を示したが、中間版モールドの原版210Bの複製版210B’は、前記光硬化性樹脂層302を用いて形成したものには限られず、例えば、第三の支持体301上に、熱可塑性樹脂層を形成し、当該熱可塑性樹脂層に、前記中間版モールドの原版210Bの凹凸パターンを転写して形成することも可能である。この場合には、第三の支持体301上に形成する熱可塑性樹脂層が、前記中間版モールドの原版210Bに用いた熱可塑性樹脂が熱可塑性を示す温度よりも低い温度で熱可塑性を示すように、当該熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂を、適宜選択して用いることが好ましい。
(検査工程)
また、本開示の樹脂製モールドの製造方法は、前記第一の工程群(I)で製造された、中間版モールドの原版210B又はその複製版210B’の凹凸パターンの良否を評価する検査工程を有していてもよい。これにより、中間版モールドの原版210B又はその複製版210B’の凹凸パターンの各線状凸部の形状、任意の線状凸部同士のなす角度、線状凸部同士の重なり部分における重なり幅等が所定の基準を満たし、且つ外観が所定の基準を満たす、パターン形状の良好な、中間版モールドの原版210B又はその複製版210B’を選別し、パターン形状の良好な、中間版モールドの原版210B又はその複製版210B’のみを用いて、後述する第二の工程群(II)を行うことができる。
これにより、樹脂製モールドの製造において、より高い歩留まりを実現することが可能となる。
図30は、図21~図29に示す、第二の実施形態の第一の工程群(I)を経て製造された中間版モールドの原版(以下、第2の実施形態に係る中間版モールドの原版という)を示す図である。
本開示の第2の実施形態に係る中間版モールドの原版210Bは、図30(a)に示すように、第一の支持体101上に、凹凸パターン51を有する樹脂層50を有している。樹脂層50は、第一の樹脂層102を冷却することにより固化させて形成された層である。凹凸パターン51は、同じパターン形状を有する2以上のパターン区域52…52が繰り返し配列されて構成されている。
図30(a)に示すように、中間版モールドの原版210Bの各パターン区域52…52は、それぞれ中間版モールドの原版210Bの短手方向に延在する複数の線状凸部53が平行に繰り返し配列されたパターン形状を有しており、これらのパターン区域52…52が、第一の支持体101の面方向に且つ長手方向に連設して、前記線状凸部53が、前記中間版モールド210Bの短手方向に延在するように配列されて構成されている。中間版モールド210Bは、この点以外の基本的な構成は、前述した第1の実施形態に係る中間版モールドの原版210Aと同様である。
中間版モールドの原版210Bにおいても、中間版モールドの原版210Aと同様に、パターン区域52…52の中から任意に選ばれる隣り合う2つのパターン区域である前記第1のパターン区域52-1と前記第2のパターン区域52-2との境界に、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さと異なる高さを有する線状凸部を有するか又は線状凸部を有しない、繋ぎ目部60が形成されている。
繋ぎ目部60は、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さより高さの高い線状凸部を有していてもよいし、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さより高さの低い線状凸部を有していてもよい。
中間版モールドの原版210Bの凹凸パターンのピッチサイズとしては、特に限定されるものではないが、本開示においては、1000nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下のピッチサイズであることが好ましい。
(中間版モールド210B´)
図45は、中間版モールドの原版210Bを用い、当該中間版モールドの原版210Bの凹凸パターンを光硬化性樹脂に転写し、光照射により硬化させて作製された(図43~44参照)、中間版モールドの原版210Bの複製版210B’を示す図である。
中間版モールドの原版210Bの複製版210B’は、第一の支持体101に代えて第三の支持体301を有している点、及び第一の樹脂層102を硬化させた樹脂層50に代えて光硬化性樹脂層302を硬化させた樹脂層50’を有している点を除き、その他の構成は、図30に示す中間版モールドの原版210Bと同様である。このため、共通する部分の説明は省略する。
なお、中間版モールドの原版210Bが、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さよりも高さの高い線状凸部を有する繋ぎ目部60を有する場合、当該中間版モールドの原版210Bを用いて作製された、中間版モールドの原版210Bの複製版210B’は、前記第1のパターン区域52-1及び前記第2のパターン区域52-2に配列された線状凸部53の平均高さよりも、高さの低い線状凸部を有する繋ぎ目部60を有する。
なお、図10、図30、図42及び図45に示す例では、同じパターン形状を有する2以上のパターン区域52…52が繰り返し配列されて構成された中間版モールドの原版210A、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’、中間版モールドの原版210B及び中間版モールドの原版210Bの複製版210B’を示したが、中間版モールドは、その一部又は全部が異なるパターン形状を有する2以上のパターン区域が、繰り返し配列されて構成されたものであってもよい。
<第二の工程群(II)>
次に、第二の実施形態に係る樹脂製モールドの製造方法における第二の工程群(II)について、図20、図31~図39を用いて説明する。
なお、以下の説明では、前記第二の樹脂層202に対する凹凸パターンの転写を行う中間版モールドとして、中間版モールドの原版210Bの複製版210B’(図45参照。以下、単に中間版モールド210B’という。)を用いて行う場合を例に説明するが、前記第二の樹脂層202に対する凹凸パターンの転写は、中間版モールドとして、複製版210B’に代えて中間版モールドの原版210B(図30参照)を用いて行ってもよい。
(図31)
本開示の樹脂製モールドの製造方法の第二の工程群(II)においては、まず、図31に示すように、第二の支持体201上に、第二の樹脂層202を有する第二の凹凸パターン形成用基板203を準備する(工程(II-1))。図31に示す工程(II-1)は、第一の実施形態において、図11を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、以下の説明では、第二の樹脂層202として、少なくとも熱可塑性樹脂を含む樹脂層を形成する場合を例に説明する。
(図32)
次に、図32及び図20に示すように、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールド210B’の凹凸パターンを軟化した前記第二の樹脂層202の一部に転写する(工程(II-2))。図32及び図20に示す工程(II-2)は、中間版モールド210A’に代えて中間版モールド210B’を用いたこと以外は、第一の実施形態において、図12を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
(図33)
次に、図33に示すように、前記第二の樹脂層202の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する(工程(II-3))。図33に示す工程(II-3)は、第一の実施形態において、図13を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図33(b)では、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を分かり易く示すために、前記第二の樹脂層202を冷却後に前記中間版モールド210B’を剥離している場合を示している。
(図34)
次に、図34に示すように、前記第二の樹脂層202のうち次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第二の樹脂層202に含まれる部分における、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第二の樹脂層202の前記第二の領域(X2)を除く領域220(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域222(Z2)(以下、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)という)と、すでに凹凸パターンを有する第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)とを部分加熱211する(工程(II-4’))。
当該部分加熱211により、図34に示すように、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)の前記第二の樹脂層202は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図34に示す工程(II-4’)では、上記したように、部分加熱211する際に、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)だけでなく、すでに凹凸パターンを有する第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)として、前記第二の領域(X2)のうち、当該第二の領域(X2)に形成された、凹凸パターンの線状凸部の延在方向の端部のうちの一方の領域(221(Y2))も、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と共に、部分加熱211(斜線部)する。このようにした点以外は、図34に示す工程(II-4’)は、第一の実施形態において、図14を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
このように、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)を部分加熱211して、軟化させることによって、後述する工程(II-4)(図35参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)に、中間版モールド210B’を重ねて押圧212できる。
このため、当該中間版モールド210B’の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、前記第二の領域(X2)に既に形成されている凹凸パターン225との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、中間版モールド210B’の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図34及び後述する図35において、図示しないが、部分加熱211する際には、例えば第二の支持体201側において、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する領域(図35における第二の領域(X2’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図35)
次に、部分加熱211した状態で、図35に示すように、軟化した第二の樹脂層202に、前記第二の領域(X2)の凹凸パターン225とつながるように、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、前記第二の領域(X2)の一部、即ち、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)に重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールド210B’をロール状押圧装置212’を用いてロールを回転させながら押圧212することにより、前記中間版モールド210B’の凹凸パターンを前記第二の樹脂層202の一部に転写する(工程(II-5))。
前記凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)は、第二の樹脂層202が軟化しているため、前記中間版モールド210B’等の凹凸パターンを上書きできる。前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に前記中間版モールド210B’等を重ねて、前記中間版モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、中間版モールドによるパターン同士をつなげ、中間版モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図35において図示しないが、上記したように、例えば第二の支持体201側において、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する第二の領域(X2’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱211した場合には、当該第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225が軟化するのを抑制することができ、当該部分加熱211後の前記第二の樹脂層202において、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225が硬化した状態を維持することができる。
工程(II-4)においては、図35に示すように、前記中間版モールド210B’の凹凸パターンを、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)と、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の一部(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)側の領域)とに重ねて、押圧212することが好ましい。
このようにすることで、図35において転写される中間版モールド210B’の凹凸パターン(2回目の賦型形状)を、図33において形成された凹凸パターンのうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225(1回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図35に示す工程(II-4)では、中間版モールド210A’に代えて中間版モールド210B’を用いた点、及び図35(b)に示すように、前記中間版モールド210B’を、該中間版モールド210B’の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225と、該第二の硬化後凹凸パターン225の線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド210B’の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第二の領域(X2)の一部、即ち前記凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)と、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の一部(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)側の領域)に重ねて押圧するようにした点以外は、第一の実施形態において、図15を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる(工程(II-4))。
なお、(工程(II-4))で使用する中間版モールド210B’(図35参照)は、工程(II-2)で使用する中間版モールド210B’(図32、図20参照)と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであっても良い。
(図36)
次に、図36に示すように、前記第二の樹脂層202の一部に、更に、凹凸パターン225を有する第二の領域(X2)を拡大する(工程(II-5))。
図36に示す工程(II-5)は、第一の実施形態において、図16を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図36(b)では、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を分かり易く示すために、前記第二の樹脂層202を冷却後に前記中間版モールド210B’を剥離している場合を示している。
第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様、前記工程(II-4’)、前記工程(II-4)及び前記工程(II-5)からなる工程群を、二回以上繰り返してもよい。
図37~39は、本開示の樹脂製モールド製造方法の一例を示す工程図であり、図36に次いで、更に、前記工程(II-4’)、前記工程(II-4)及び前記工程(II-5)を繰り返す場合を示す。
(図37)
図36に次いで、図37に示すように、凹凸パターン225が形成された第二の凹凸パターン形成用基板203の前記第二の樹脂層202の、次に凹凸パターンを形成する領域を中心とした部分を部分加熱する。
具体的には、前記第二の樹脂層202に含まれる部分における、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第二の樹脂層202の拡大された第二の領域(X2)を除く領域220(破線枠内)のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、すでに凹凸パターンを有する、拡大された第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)とを部分加熱211する(工程(II-4’))。
当該部分加熱211により、図37に示すように、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、すでに凹凸パターンを有する拡大された第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)の前記第二の樹脂層202は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
図37に示す工程(II-4’)では、上記したように、部分加熱211する際に、前記第二の凹凸パターン形成予定領域220だけでなく、すでに凹凸パターンを有する拡大された前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域220(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)として、拡大された前記第二の領域(X2)のうち、当該第二の領域(X2)に形成された、凹凸パターンの線状凸部の延在方向の端部のうちの一方の領域(221(Y2))も、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と共に、部分加熱211(斜線部)する。図37に示す(II-4’)は、このようにした点以外は、第一の実施形態において、図17を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
図37に示す工程(II-4’)では、図34に示す工程と同様に、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)を部分加熱211して、軟化させることによって、後述する工程(II-4)(図38参照)において、軟化状態となった、凹凸パターンを有する拡大された第二の領域(X2)の一部221(Y2)に、中間版モールド210B’を重ねて押圧212できる。このため、当該中間版モールド210B’の凹凸パターンの転写によるパターン形成を、拡大された前記第二の領域(X2)に既に形成されている凹凸パターン225との間にパターンが形成されない部分を発生させることなく、且つ、中間版モールド210B’の繋ぎ目の段差を抑制して、行うことができる。
なお、図37及び後述する図38において、図示しないが、部分加熱211する際には、例えば第二の支持体201側において、拡大された第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する領域(図38における第二の領域(X2’))に対応する位置に、冷却板を配置してもよい。
(図38)
図37に次いで、部分加熱211した状態で、図38に示すように、軟化した第二の樹脂層202に、拡大された前記第二の領域(X2’)の凹凸パターン225とつながるように、第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、拡大された第二の領域(X2)の一部、即ち、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)に重ねて、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールド210B’を、ロール状押圧装置212’を用いてロールを回転させながら押圧212することにより、前記中間版モールド210B’の凹凸パターンを前記第二の樹脂層202の一部に転写する(工程(II-5))。
前記凹凸パターンを有する拡大された第二の領域(X2)の一部221(Y2)は、第二の樹脂層202が軟化しているため、前記中間版モールド210B’等の凹凸パターンを上書きできる。拡大された前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に前記中間版モールド210B’等を重ねて、前記中間版モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、中間版モールドによるパターン同士をつなげ、中間版モールドの繋ぎ目の段差を抑制することが可能となる。
なお、図38において図示しないが、上記したように、例えば第二の支持体201側において、拡大された第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する第二の領域(X2’)に対応する位置に、冷却板を配置した状態で、部分加熱211した場合には、当該第二の領域(X2’)が有する凹凸パターンが軟化するのを抑制することができ、当該部分加熱211後の前記第二の樹脂層202において、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225が硬化した状態を維持することができる。
図38に示す工程(II-4)においては、図35に示す工程と同様に、前記中間版モールド210B’の凹凸パターンを、前記第二の樹脂層202の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部221(Y2)と、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225の一部(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)側の領域)とに重ねて、押圧212することが好ましい。
このようにすることで、図38において転写される中間版モールド210B’の凹凸パターン(3回目の賦型形状)を、図36において形成された凹凸パターンのうち、前記第二の領域(X2)の一部221(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン225(2回目の賦型形状)と、その繋ぎ目が目視で視認されない程度に良好に接合された状態で、パターン形成することができる。
図38に示す工程(II-4)は、中間版モールド210A’に代えて中間版モールド210B’を用いた点、及び前記中間版モールド210B’を重ねる方向及び前記中間版モールド210B’を重ねるときの凹凸パターンの線状凸部の延在方向を、図35に示す工程で説明したのと同様とした点以外は、第一の実施形態において、図18を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図38で示す工程で用いる中間版モールド210B’は、図32又は図35で示す工程で用いる中間版モールド210B’と同一のモールドであってもよく、異なるモールドであってもよい。
(図39)
次に、図39に示すように、前記第二の樹脂層202の一部に、更に、凹凸パターン225を有する第二の領域(X2)を拡大する(工程(II-5))。図39に示す工程(II-5)は、第一の実施形態において、図19を用いて説明したのと同様の手順により行うことができる。
なお、図39(b)では、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を分かり易く示すために、前記第二の樹脂層202を冷却後に前記中間版モールド210B’を剥離している場合を示している。
なお、前記工程(II-4)、前記工程(II-4’)及び前記工程(II-5)からなる工程群を、さらに繰り返す場合、前記中間版モールド210B’としては、同じモールドを繰り返し用いても良く、適宜異なるモールドを用いても良い。
これにより、前記中間版モールド210B’の凹凸パターンに対応する凹凸パターンとして、前記中間版モールド210B’の凹凸パターンのネガパターンが、定められた一つの方向につながるように二回以上配列された樹脂製モールドを作製することができる。
本開示の樹脂製モールドの製造方法は、最終製品である樹脂製モールドのパターンに含まれる最小単位のパターン又はそのネガパターンを有するモールド(小面積のモールド)を用意し、当該小面積のモールドのパターンを第一の樹脂層上に2個分以上隣接させて転写することにより、最小単位のパターン又はそのネガパターンを2個以上、かつ、樹脂製モールドのパターンに含まれる最小単位のパターン又はそのネガパターンの全個数よりも少ない個数含む中間版モールドを形成し、当該中間版モールドのパターンを第二の樹脂層上に2個分以上隣接させて転写することにより、樹脂製モールドのパターンを形成する。
先ず、本開示の樹脂製モールドの製造方法は、凹凸パターンを形成するための被転写材料として、予め層として形成された第一の樹脂層を用い、第一の工程群において、小面積のモールドのパターンを熱転写して第一の樹脂層の一部に、小面積のモールドの凹凸パターンに対応するネガパターンを有する前記第一の領域(X1)を形成する。
次いで、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部(Y1)を含めて前記第一の領域(X1)の一部に前記モールドを重ねて、前記モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことが可能となり、且つ、予め層として形成された第一の樹脂層を用い、当該第一の樹脂層に小面積のモールドのパターンを転写することにより、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された乃至段差がない中間版モールドを製造することができる。
また、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)側の領域)とつながるように、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターンの一部に重ねて前記モールドを熱転写してもよい。本開示では、予め層として形成された第一の樹脂層を用いているので、特許文献1のように光硬化性樹脂を滴下してモールドを押し付けて広げる場合と異なり、前記第一の領域(X1’)が有する凹凸パターンにモールドを重ねて凹凸パターンを転写しても、重ねた部分に樹脂が乗り上げて繋ぎ目部分に凸部の高さ程度かそれ以上の段差が生じることが抑制される。その結果、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された乃至段差がない中間版モールドを製造することができる。
本開示の樹脂製モールドの製造方法は、さらに、第二の工程群において、凹凸パターンを形成するための被転写材料として、予め層として形成された第二の樹脂層を用い、第一の工程群において製造された中間版モールドのパターンを転写して第二の樹脂層の一部に、中間版モールドの凹凸パターンに対応するネガパターンを有する前記第二の領域(X2)を形成する。
次いで、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部(Y2)を含めて前記第二の領域(X2)の一部に前記中間版モールドを重ねて、前記中間版モールドのパターンを転写することにより、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、中間版モールドによるパターン同士をつなぐことが可能となり、且つ、予め層として形成された第二の樹脂層を用い、当該第二の樹脂層に小面積のモールドのパターンを転写することにより、中間版モールドの繋ぎ目の段差が抑制された乃至段差がない樹脂製モールドを製造することができる。
また、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)側の領域)とつながるように、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターンの一部に重ねて前記中間版モールドを転写してもよい。本開示では、予め層として形成された第二の樹脂層を用いているので、特許文献1のように光硬化性樹脂を滴下してモールドを押し付けて広げる場合と異なり、前記第二の領域(X2’)が有する凹凸パターンに中間版モールドを重ねて凹凸パターンを転写しても、重ねた部分に樹脂が乗り上げて繋ぎ目部分に凸部の高さ程度かそれ以上の段差が生じることが抑制される。その結果、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、中間版モールドの繋ぎ目の段差が抑制された乃至段差がない樹脂製モールドを製造することができる。
また、中間版モールドの原版の凹凸パターンを光硬化性樹脂に転写し、光硬化性樹脂に転写された凹凸パターンを光照射して硬化させることにより、中間版モールドを作製してもよい。これにより、形状安定性に優れ、強度が高く、より耐久性の高い樹脂製モールドを製造することができる。
また、モールドの転写を行う際には、先に形成された凹凸パターンの線状凸部と、次に転写する凹凸パターンの線状凸部とのなす角度や、各凹凸パターンの線状凸部の重なり部分の幅が、所望の基準を満たすように位置合わせして行われ、これらが所望の範囲を満たさない状態で転写された凹凸パターンを含む樹脂製モールドや、凹凸パターンに外観不良の領域が含まれる樹脂製モールドは、製品対象から除外される。
従来の、小面積のモールドを複数回押圧することにより作製する製造方法では、大面積の樹脂製モールドを作製する場合に、モールドの押圧回数が多くなり、押圧回数が増加した分、各凹凸パターンの線状凸部同士のなす角度や、線状凸部の重なり部分の重なり幅等が、所望の範囲から外れた凹凸パターンを含まない樹脂製モールドを得られる確率が低くなり、製品の歩留まりを向上させることが困難であった。
本開示の樹脂製モールドの製造方法は、小面積のモールドによるパターンを複数個つなげた中間版モールドを用いている。このため、中間版モールドに含まれる、小面積のモールドのパターンの個数分の凹凸パターンを、1回の押圧で転写することができる。このため、小面積のモールドを複数回押圧して凹凸パターンを形成する場合と比較して、少ない押圧回数で、大面積の樹脂製モールドを製造することができる。
本開示の樹脂製モールドの製造方法は、前記中間版モールドとして、小面積のモールドによる凹凸パターン同士がつながっており、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された、上記工程(I-1)~(I-5)により作製される中間版モールドを用いているため、当該中間版モールドに含まれる、小面積のモールドによる凹凸パターンの個数分の凹凸パターンが、中間版モールドの1回の押圧により、良好な状態で転写される。
モールドの押圧による凹凸パターン形成においては、モールドの押圧を1回行う毎に、凹凸パターンの線状凸部同士のなす角度や、凹凸パターンの線状凸部の重なり部分の幅等が、所定の基準を満たさない状態でパターン形成される確率が、所定の割合で生じる。
本開示の樹脂製モールドの製造方法は、上記したように、当該中間版モールドに含まれる、小面積のモールドによる凹凸パターンの個数分の凹凸パターンが、中間版モールドの1回の押圧により、良好な状態で転写されるため、小面積のモールドを複数回押圧する従来の樹脂製モールドの製造方法と比較して、例えば各線状凸部の形状、任意の線状凸部同士のなす角度、線状凸部同士の重なり部分における重なり幅等が所定の基準を満たす凹凸パターンを有する樹脂製モールドを得られる確率が高くなる。
また、小面積のモールドを、位置をずらしながら複数回押圧して樹脂製モールドの全体パターンを形成する従来の製造方法では、当該小面積のモールドにより、3回以上押圧される部分(即ち、重複して2回以上押圧される部分)が生じる頻度が高かった。
モールドにより3回以上押圧される部分(即ち、重複して2回以上押圧される部分)では、パターンの潰れ等が発生し易く、外観不良となり易かった。
これに対し、小面積のモールドの複数個分のパターンを有する中間版モールドを用いて、樹脂製モールドの全体パターンを形成する、本開示の樹脂製モールドの製造方法では、当該中間版モールドにより、3回以上押圧される部分(即ち、重複して2回以上押圧される部分)が生じる頻度を少なくすることができる。例えば図1~19及び図20~39で説明した方法では、中間版モールドが3回以上押圧される部分を生じさせることなく、樹脂製モールドの全体パターンを作製することができる。従って、モールドが重複して複数回押圧されることによる外観不良の発生を抑制することができる。
以上より、本開示の樹脂製モールドの製造方法は、小面積のモールドを複数回押圧する従来の樹脂モールドの製造方法と比較して、例えば各線状凸部の形状、任意の線状凸部同士のなす角度、線状凸部同士の重なり部分における重なり幅等が所定の基準を満たしかつ外観が良好な凹凸パターンを有する樹脂製モールドを得られる確率が高くなり、製品の歩留まりを向上させることができる。
以下、本開示の樹脂製モールドの製造方法の各工程について、詳細に説明する。
工程(I-1)
工程(I-1)は、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程である(図1、図21参照)。
(支持体)
本開示の第一の凹凸パターン形成用基板で用いられる第一の支持体は、第一の樹脂層を支持する機能を有すればよく、特に限定されるものではなく、樹脂製モールドの用途に合わせて適宜選択されれば良い。
第一の支持体としては、例えば、透明支持体であっても、不透明支持体であってもよく、特に限定されない。
前記透明支持体の材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、無アルカリガラス、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石等の透明無機材料等が挙げられる。前記不透明支持体の材料としては、例えば、必要に応じて顔料、染料等の着色剤を含んだ紙、布帛、木材、陶磁器、金属、石材及びこれらの2種以上を積層、混合等により複合した複合材料、並びにこれらと前記透明支持体の材料との複合材料等が挙げられる。
また、第一の支持体は、シートであってもフィルムであってもよく、また、巻き取れるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。第一の支持体の厚みは、用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、通常、10μm以上1000μm以下程度の範囲である。
第一の樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂等が挙げられ、具体的には、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、フェノール系樹脂、セルロース系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアセタール系樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
本開示で用いられる第一の樹脂層は、熱可塑性を有する熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層としてもよい。 本開示における熱可塑性樹脂にいう熱可塑性とは、加熱によって軟化し、成形できるようになり、それを冷却すれば固化する性質をいう。 本開示で用いられる第一の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合は、熱可塑性樹脂層である第一の樹脂層は、室温(23℃)においては固体状態で層を成しているものであり、加熱によって軟化して凹凸パターンを転写でき、それを室温(23℃)に冷却すれば凹凸パターンの形状を保持でき、再加熱によって再度軟化して凹凸パターンを転写可能な層であれば、適宜選択して用いることができる。
なお、上記した第一の樹脂層に関する説明は、後述する工程(II-1)で説明する、第二の樹脂層についても、同様に適用される。
第一の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合、当該熱可塑性樹脂層としては、室温でのハンドリング、保管の点から、軟化温度が、40℃以上であることが好ましく、更に50℃以上であることが好ましい。一方、軟化温度が高すぎると凹凸パターン転写時に既転写部へのダメージや支持体へのダメージの恐れがあることから、軟化温度は150℃以下であることが好ましく、更に100℃以下であることが好ましい。
第一の樹脂層の軟化温度は、TMA(熱機械分析)装置を用いてJIS K7196:2012 に準拠して測定することができる。
また、第一の樹脂層には、さらに離型剤、有機金属カップリング剤等の他の成分を含有していても良い。
第一の樹脂層に離型剤を含有することは、 第一の樹脂層に押し付けたモールドを取り外す時に樹脂の版取られを抑制し、モールドを長期間連続して使用することができるようになる点から、好ましい。
離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等が何れも使用可能である。
特に好ましいのはシリコーン系離型剤であり、水の接触角を90°以上とすることも可能である。シリコーン系離型剤には、ポリシロキサン、変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等がある。
変性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの側鎖及び/又は末端を変性したものであり、例えばアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、(メタ)アクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、フッ素変性等が挙げられる。一つのポリシロキサン分子に上記したような変性方法の2つ以上を行うこともできる。
シリコーン系アクリル樹脂は、(メタ)アクリロイル変性シリコーンオイルや、ケイ素を含有するモノマーを共重合或いはグラフト化したアクリル樹脂が用いられる。
上記シリコーン系離型剤は1種類のみ或いは2種類以上を組み合わせて添加することができる。
また、第一の樹脂層には、微細凹凸パターンを有する表面構造の耐熱性、強度を高めるために、有機金属カップリング剤を配合してもよい。有機金属カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、スズカップリング剤等の従来公知の各種カップリング剤を使用できる。
第一の樹脂層は、通常、希釈溶剤を用いて樹脂層形成用組成物を塗布液の状態に調製後、塗布して成膜することにより形成される。上記したような各材料を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4-ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤に溶解、分散することにより、塗布液の状態にした樹脂層形成用組成物を調製することができる。上記したような各材料の配合量は、適宜調整されれば良い。塗布液は、通常、固形分濃度が10~50重量%程度となるように調節される。
上記塗布液の状態にした樹脂層形成用組成物を、前記支持体の表面に均一に塗布し、塗布後の樹脂組成物の塗膜から、必要に応じて適宜加熱して、前記希釈溶剤を除去(乾燥)することにより、第一の樹脂層を形成する。
前記塗布する方法としては、所望の厚みで精度良く成膜できる方法であればよく、適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
第一の支持体に第一の樹脂層を塗布する前に、必要に応じて、第一の支持体上に、従来公知の剥離層、感圧又は感熱接着剤層等の他の層を形成してもよい。
以上のようにして、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備することができる。
以上説明した、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程に関する説明は、後述する工程(II-1)における、第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程にも、同様に適用して良い。
乾燥後の第一の樹脂層の厚みは、形成される凹凸パターンや用途に応じて適宜調整されれば良く、特に限定されるものではない。
第一の樹脂層の厚みは、例えば、50nm以上100μm以下が挙げられ、更に、100nm以上10μm以下が挙げられる。
(乾燥後の第一の樹脂層(未硬化状態)の硬さ)
乾燥後の第一の樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、後述するモールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも小さいことが好ましい。
乾燥して形成された第一の樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、具体的に例えば、モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さの20%以下であることが好ましく、更に、10%以下であることが好ましい。
ここでの所定の賦形温度は、凹凸パターンを転写する工程において第一の樹脂層を加熱する場合には、当該凹凸パターンを転写する工程において第一の樹脂層が加熱される温度とすることができる。
ナノインデンターによる押し込み硬さは、例えば、微小押込み試験機(例えば、TI950 Triboindenter (HYSITRON社製))で、バーコビッチ圧子を使用し、100μN荷重で押し込み測定し、測定することができる。
また、第一の樹脂層(未硬化状態)の表面は、工程中に未硬化状態でモールドの押し付け、剥離をするため、表面タック性が低い乃至ないことが好ましく、JIS K5600-1-1 第1部-第1節:試験一般(条件及び方法)4.3.5評価における b)半硬化乾燥の状態、又はc)硬化乾燥の状態であることが好ましい。
なお、前記4.3.5評価 は、製品規格に規定する乾燥時間を過ぎたとき、次のいずれかの方法によって乾燥の程度を調べる。
a)指触乾燥 塗面の中央に指先で軽く触れて、指先が汚れない状態。
b)半硬化乾燥 塗面の中央を指先で静かに軽くこすって塗面にすり跡が付かない状態。
c)硬化乾燥 塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態。
工程(I-2)
工程(I-2)は、前記第一の樹脂層に、モールドを押圧することにより、前記モールドの凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程である(図2、図22参照)。
前記第一の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(I-2)においては、前記第一の樹脂層が所定の賦形温度に加熱された状態で、モールドを押圧することにより、前記モールドの凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する(図2、図22参照)。
前記第一の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合、前記第一の樹脂層の賦形温度、すなわち、前記第一の樹脂層に前記モールドの凹凸パターンを転写する際に加熱する温度としては、前記第一の樹脂層の軟化温度以上である必要があり、前記第一の樹脂層の軟化温度よりも10℃以上高いことが好ましい。具体的に、前記第一の樹脂層を加熱する温度としては、60℃以上であることが挙げられ、更に70℃以上が好ましい。
一方で加熱する温度が高すぎると、前記第一の樹脂層が劣化する恐れがあることから、加熱する温度は150℃以下であることが好ましい。
前記第一の樹脂層が所定の賦形温度に加熱された状態とする方法としては、例えば、第一の樹脂層を、ホットプレート、電熱線、ランプ、オーブン、マイクロ波、赤外線放射装置等の加熱装置で加熱する方法を挙げることができる。
或いは、後述するモールドを加熱しておき、当該加熱されたモールドを用いることにより、前記樹脂層が所定の賦形温度に加熱された状態で、モールドを押圧する方法も用いることができる。
さらに別の方法として、後述する押圧ロール等の押圧装置の押圧する部分を加熱して高温とし、モールドと第一の樹脂層を押圧すると同時に加熱して凹凸パターンを転写する方法、当該凹凸パターンを転写する工程のプロセス雰囲気を高温として装置全体を賦形温度として転写する方法等がある。
工程(I-2)で使用される小面積のモールドは、製造される大面積の樹脂製モールドの所望の凹凸パターン又は所望の凹凸パターンの反転パターンを表面に有するものを用意する。モールドは、ガラス、石英、MoSi、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透過性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化性樹脂を用いた光硬化膜等の光透過性材料からなるものであっても良いし、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、CrxOyNz,Feなどの金属基板、SiC、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの非光透過型材料からなるものであっても良い。
工程(I-2)で使用されるモールドは、例えば、合成石英製などの原版から、例えば光硬化性樹脂を用いてナノインプリント法で形成された、樹脂製の複製版であることが、生産性の点から好ましい。
原版のパターンは、例えば、フォトリソグラフィーや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じて形成することができる。原版が有する凹凸パターンのピッチサイズは、特に限定されるものではないが、本開示においては、100nm以下のピッチサイズのものも用いることができる。
なお、本開示において、ピッチサイズとは、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状を有する凹凸パターンにおける、隣り合う線状凸部53の中心間の間隔をいう。
なお、モールドは、後述する工程(I-3)の後、工程(I-4)の前であれば、どのタイミングで剥がしてもよい。
(モールドの押し込み硬さ)
また、モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、前述の乾燥後の第一の樹脂層のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいが、後述する工程(I-3)の冷却後に形成される第一の領域(X1)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さよりも小さいことが、小面積のモールドによるパターン同士の繋ぎ目がより良好になる点から好ましい。
モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、前述の大小関係にあれば好ましいが、具体的に例えば、後述する工程(I-3)の冷却後に形成される第一の領域(X1)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さの50%以下であることが好ましく、更に、35%以下であることが好ましい。
このような押し込み硬さを有するモールドを実現するためには、当該モールドは、樹脂製であることが好ましく、少なくとも凹凸パターンを有する部分が、前記押し込み硬さを有するように適宜選択された樹脂膜であることが好ましい。
例えば、工程(I-1)において、第一の樹脂層を、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層として形成した場合、小面積のモールドとして、光硬化性樹脂を用いた光硬化膜を用いることにより、当該小面積のモールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さが、乾燥後の第一の樹脂層のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいという関係性を、容易に満たすものとすることができる。
また、工程(I-1)において、第一の樹脂層を、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層として形成した場合に、小面積のモールドとして、熱可塑性樹脂を用いた硬化膜を用いることも可能である。この場合には、前記第一の樹脂層に用いた熱可塑性樹脂が、前記小面積のモールドに用いた熱可塑性樹脂が熱可塑性を示す温度よりも低い温度で熱可塑性を示すように、前記第一の樹脂層に用いる熱可塑性樹脂及び前記小面積のモールドに用いる熱可塑性樹脂を、適宜選択して用いることがよい。これにより、熱可塑性樹脂により形成した小面積のモールドを用いた場合でも、当該小面積のモールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さが、乾燥後の第一の樹脂層のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいという関係性を、満たすものとすることができる。
なお、モールドの凹凸パターンや第一の領域(X1)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは、モールドの凹凸パターン外縁の平坦部や第一の領域(X1)が有する凹凸パターン外縁の平坦部で代表して測定することができる。
また、モールドは、転写後、前記第一の樹脂層又は第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとモールドとの離型性向上のために、使用前に離型剤等で表面処理が行われても良い。離型剤は具体的にはシリコーン系やフッ素系などのシランカップリング剤、例えば商品名オプツールDSX(ダイキン工業)、商品名Novec EGC-1720(住友スリーエム)、商品名デュラサーフ HD-1100(ハーベス)、商品名デュラサーフ HD-2100(ハーベス)、(3,3,3-トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(Gelest)のようなものが挙げられる。
モールドを押圧する圧力としては、前記モールドの凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写することができるように、適宜選択されれば良い。
モールドを押圧する装置としては、モールドとパターン形成用基板を平行に対向させ、モールド全面を加圧する直押し転写方式や、押圧ローラーでモールドを圧着するローラー方式の装置等が挙げられる。
工程(I-3)
工程(I-3)は、前記モールドが圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程である(図3、図23参照)。
前記第一の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(I-3)においては、前記モールドが圧着された状態で前記第一の樹脂層を冷却することにより、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する(図3、図23参照)。
即ち、工程(I-3)では、前記凹凸パターンとして、前記第一の樹脂層に圧着された前記モールドの凹凸パターンに対応するネガパターンを有する第一の領域(X1)が形成される。
工程(I-3)において、前記第一の樹脂層を冷却する際には、図3(a)、図23(a)に示されているように、前記モールドが圧着された状態で冷却する。前記モールドが圧着された状態で前記第一の樹脂層を冷却することにより、前記第一の樹脂層の一部に転写された、前記モールドの凹凸パターンに対応するネガパターンである凹凸パターンがそのまま固化される。
そのため、その後前記モールドを剥離しても、転写された凹凸パターン、即ち前記モールドの凹凸パターンに対応するネガパターンである凹凸パターンは維持され、良好な所望の凹凸パターンを有する領域(X1)を形成することができる。
なお、前記モールドが圧着された状態で前記第一の樹脂層を冷却する際には、前記モールドにパターン転写時の押圧する圧力と同様の圧力がかかっていなくても良く、転写された凹凸パターンの形状が維持される程度に前記モールドと前記第一の樹脂層が一体化された状態で冷却されれば良い。
前記第一の樹脂層を冷却する温度としては、前記第一の樹脂層の軟化温度より低い温度であればよいが、加熱を止めて、室温まで自然冷却することにより行われても良い。或いは、冷却時間を短時間とするために、ペルチェ素子や冷却管に冷媒を通す等の冷却装置乃至機構を用いても良い。
(第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの硬さ)
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは、前記モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいことが好ましい。 前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さが、前記モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいことにより、後述の工程(I-4)において、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)側の領域)の一部に重ねて前記モールドを押圧する際に、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターンの形状を悪化させることを抑制できる。
小面積のモールドとして、光硬化性樹脂を用いた光硬化膜を用いる場合、当該小面積のモールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さが、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さよりも小さい押し込み硬さ実現するためには、当該小面積のモールドは、少なくとも凹凸パターンを有する部分が、前記押し込み硬さを有するように適宜選択された光硬化性樹脂を用いた光硬化膜であることが好ましい。
工程(I-4)
工程(I-4)は、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記モールドの凹凸パターンを、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記モールドを押圧することにより、前記モールドの凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程である(図5、図25参照)。
前記第一の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(I-4)においては、凹凸パターンが形成された第一の凹凸パターン形成用基板の第一の樹脂層が所定の賦形温度に部分加熱された状態で(図4、図24参照)、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記モールドの凹凸パターンを、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と隣接する側の一部(Y1)とに重ねて前記モールドを押圧することにより、前記モールドの凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する(図5、図25参照)。
凹凸パターンが形成された第一の凹凸パターン形成用基板の第一の樹脂層を部分加熱することにより、次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)、及び前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と隣接する側の一部(Y1)は軟化しており、変形し得るものである。
工程(I-4)における、凹凸パターンが形成された第一の凹凸パターン形成用基板の第一の樹脂層が所定の賦形温度に部分加熱された状態とする方法としては、以下の方法が例示できる。
まず、図4(a)、図24(a)に示すように、熱可塑性樹脂層である第一の樹脂層の、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第一の樹脂層102の前記第一の領域(X1)を除く領域120のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、すでに凹凸パターンを有する第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)とを部分加熱111する。図4(a)、図24(a)中の一点鎖線は、部分加熱領域と、加熱しない領域との境を示す。当該部分加熱111により、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と、前記凹凸パターンを有する第一の領域(X1)のうち、前記第一の凹凸パターン形成予定領域122(Z1)と隣接する側の一部121(Y1)の前記第一の樹脂層102は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
前記凹凸パターンとつながるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて前記モールドを押圧するが、前記第一の領域(X1)の一部にモールドを重ねる部分としては、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と隣接する側の部分(Y1)の少なくとも一部が含まれる。
前記第一の領域(X1)は凹凸パターンを有しているが、熱可塑性を有している部分である。
前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と隣接する側の部分(Y1)の少なくとも一部に前記モールドを重ねて、前記モールドのパターンを熱転写することにより、小面積のモールドによって転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことが可能となり、且つ、前記第一の領域(X1)の重ねる部分のうち前記部分(Y1)が熱可塑性を有していることから、パターンが上書きされつつ小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制される。
また、前記第一の領域(X1)の一部にモールドを重ねる部分としては、図5、図25に示されているように、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と隣接する側の部分(Y1)の少なくとも一部に加えて、前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)側の領域)の一部も含まれるように、重ねることも好ましい。
本開示では、予め層として形成された第一の樹脂層を用いているので、特許文献1のように光硬化性樹脂を滴下してモールドを押し付けて広げる場合と異なり、冷却後に得られる凹凸パターンにモールドを重ねて転写しても、重ねた部分に樹脂が乗り上げて繋ぎ目部分に凸部の高さ程度かそれ以上の段差が生じることが抑制され、その結果、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された乃至段差のない中間版モールドを製造することができる。更に一度パターンを形成した部分に上書きする形で隣のパターンを転写するので、小面積のモールドによって転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことができる。
凹凸パターンの一部に重ねる幅は、モールドの凹凸パターンにおける繰り返しパターンの1周期分以上であることが好ましい。モールドの凹凸パターンにおける繰り返しパターンの1周期の長さにより適宜調整されれば良いが、プロセス工程上、1μm以上であることが好ましい。
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、モールドの位置を調整する装置乃至機構としては、従来公知の位置調整装置乃至機構を適宜用いて良い。
工程(I-4)におけるモールドと、モールドを押圧する方法としては、前記工程(I-2)において説明した方法と同様であって良い。
工程(I-4)においては、前述した第一の実施形態で説明したように、前記モールド110を、該モールド110の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド110の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧するようにしてもよいし(図5参照)、前述した第二の実施形態で説明したように、前記モールド110を、該モールド110の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド110の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧してもよい(図25参照)。
前記モールド110として、例えばアクリル系樹脂、中でも紫外線硬化樹脂等を用いて形成したフィルム状のモールドを使用した場合には、第一の実施形態で説明したように、前記モールド110の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、前記モールド110を押圧する形態(図5参照)とすることが好ましい。
これにより、後述する凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-5)を行った後、次の前記モールドの凹凸パターンを転写する工程(I-4)の前に、前記第一の樹脂層102に圧着された前記モールド110を、該モールド110の線状凸部の延在方向に沿って剥離し易い。該モールド110の線状凸部の延在方向に沿って剥離することにより、フィルム状の前記モールド110を剥離する際に前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンにかかる押圧力が低減されるため、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの破損を抑制しつつ、前記モールド110の剥離を効率的に行うことができる。
工程(I-5) 工程(I-5)は、前記モールドが圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程である(図6、図26参照)。
前記第一の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(I-5)においては、前記モールドが圧着された状態で前記第一の樹脂層を冷却することにより、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する(図6、図26参照)。
前記樹脂層を冷却する方法としては、前記工程(I-3)において説明した方法と同様であって良い。
前記第一の樹脂層を前記モールドと共に冷却することにより、工程(I-5)において前記第一の樹脂層の一部に転写された凹凸パターンがそのまま固化することにより、所望の凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大することができる。
即ち、工程(I-5)では、前記凹凸パターンとして、前記第一の樹脂層に圧着された前記モールドの凹凸パターンに対応するネガパターンを有する第一の領域(X1)が形成される。
小面積のモールドを用いて、中間版モールドを作製するためには、更に、前記工程(I-4’)、前記工程(I-4)、前記工程(I-5)を繰り返せばよい。 これにより、小面積のモールドによるパターン同士が定められた一つの方向につながっており、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された中間版モールドの原版を得ることができる。
工程(I-11)
また、前記第一の工程群(I)は、第三の支持体上に光硬化性樹脂層を形成し、前記光硬化性樹脂層に、前記工程(I-1)~前記工程(I-5)からなる工程群により作製される中間版モールドの原版を押圧することにより、前記中間版モールドの原版の凹凸パターンを前記光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを、光照射することにより硬化させて、前記中間版モールドの原版の複製版を作製する工程(I-11)を有していてもよい。
なお、第三の支持体上に形成する樹脂層としては、必ずしも光硬化性樹脂層には限定されず、第三の支持体上に、熱可塑性樹脂層を形成してもよい。
この場合には、第三の支持体上に形成する熱可塑性樹脂層が、前記中間版モールドの原版に用いた熱可塑性樹脂が熱可塑性を示す温度よりも低い温度で熱可塑性を示すように、当該熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂を、適宜選択して用いることが好ましい。
工程(I-11)において用いられる第三の支持体の材料及び第三の支持体の厚みは、前記工程(I-1)において説明した、本開示の第一の凹凸パターン形成用基板で用いられる第一の支持体の材料及び第一の支持体の厚みと同様であって良い。
前記光硬化性樹脂層は、光硬化性を有し、樹脂を含む層である。なお、本開示において、光硬化性とは、光照射によって架橋、重合、その他反応することにより硬化する性質をいう。
光硬化性樹脂層の材料としては、例えば、光硬化性樹脂を含む組成物が挙げられる。光硬化性樹脂が有する光硬化性基としては、オキシラン環、オキセタン環等の環状エーテル含有基のような光カチオン重合及び光アニオン重合反応性の有するもの、エチレン性二重結合含有基のような光ラジカル重合反応性を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも取り扱い性に優れる点から、光ラジカル重合性基、特にエチレン性二重結合含有基であることが好ましい。エチレン性二重結合含有基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。 光硬化性樹脂が有する光硬化性基としては、例えば、アクリレート基などである。この様な、架橋可能な光硬化性基を有する光硬化性樹脂を含む光硬化性樹脂層は、当該光硬化性樹脂層に光重合開始剤を数%程度混合させて、紫外線等を照射することにより、硬化させることができる。
光硬化性樹脂としては、従来公知の光硬化性を有する樹脂を用いることができる。前記光硬化性樹脂としては、具体的には、例えばPAK-01(東京合成工業(株)製)、サンラッドUXC-201(三洋化成工業(株)製)、UV-3000(三菱化学(株)製)等を用いることができる。
前記光硬化性樹脂層の形成に用いる、光硬化性樹脂以外の材料は、前記工程(I-1)において説明した、本開示の第一の凹凸パターン形成用基板で用いられる、第一の樹脂層の形成に用いる、樹脂以外の材料と同様であって良い。光硬化性樹脂以外の材料としては、例えば光重合開始剤、離型剤、有機金属カップリング剤が挙げられる。
また、光硬化性樹脂層の厚みは、前記工程(I-1)において説明した、本開示の第一の凹凸パターン形成用基板で用いられる、第一の樹脂層の厚みと同様であって良い。
工程(I-11)において、第三の支持体上に、光硬化性樹脂層を形成する方法は、前記工程(I-1)において説明した、第一の支持体上に、第一の樹脂層を形成する方法と同様であって良い。
(乾燥後の光硬化性樹脂層(未硬化状態)の硬さ)
乾燥後の光硬化性樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、中間版モールドの原版(例えば、中間版モールドの原版210A又は中間版モールドの原版210B)の凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも小さいことが好ましい。
乾燥して形成された光硬化性樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、具体的に例えば、中間版モールドの原版(例えば、中間版モールドの原版210A又は中間版モールドの原版210B)の凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さの20%以下であることが好ましく、更に、10%以下であることが好ましい。
ここでの所定の賦形温度は、凹凸パターンを転写する工程における、光硬化性樹脂層の温度である。
前記工程(I-1)~前記工程(I-5)からなる工程群により作製される、中間版モールドの原版としては、例えば、前述した中間版モールドの原版210A、中間版モールドの原版210B(図10、図30参照)を用いることができる。
なお、前記中間版モールドの原版は、光硬化性樹脂層に押し付けた後、光照射前に剥離しても良いし、光照射後に剥離しても良い。光照射後に中間版モールドの原版を剥離する場合には、当該中間版モールドの原版は、光照射する照射光に対して透過性を有する必要があり、光照射する照射光に対して透過率が80%以上となるように、適宜中間版モールドの原版の材料を光透過性材料の中から選択することが好ましい。前記透過率としては、前記工程(I-2)で説明したのと同様の指標に準じて測定することができる。
(モールドの押し込み硬さ)
中間版モールドの原版の凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、前述の乾燥後の光硬化性樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいことが好ましい。
このような押し込み硬さを有する中間版モールドの原版を実現するためには、当該中間版モールドの原版は、少なくとも凹凸パターンを有する部分が、前記押し込み硬さを有するように適宜選択された熱可塑性樹脂を用いた硬化膜であることが好ましい。
なお、中間版モールドの原版の凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは、中間版モールドの原版の凹凸パターン外縁の平坦部で代表して測定することができる。
また、中間版モールドの原版は、転写後、光硬化性樹脂層又はその硬化後の凹凸パターンと中間版モールドの原版との離型性向上のために、使用前に離型剤等で表面処理が行われても良い。離型剤としては、前記工程(I-2)において挙げた離型剤を用いて良い。
前記中間版モールドの原版を押圧することにより、前記中間版モールドの原版の凹凸パターンを前記光硬化性樹脂層に転写する際の、中間版モールドの原版を押圧する圧力としては、前記中間版モールドの原版の凹凸パターンを前記光硬化性樹脂層の一部に転写することができるように、適宜選択されれば良い。
中間版モールドの原版を押圧する装置としては、前記工程(I-2)において挙げた装置を用いて良い。
前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを、光照射することにより硬化させる際の、照射光としては、特に限定されず、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の波長領域の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、LED、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUVが含まれる。また、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も用いることができる。
また、光照射する際の照射光としては、平行光であることが好ましい。
本開示において平行光は、被写体に対して照射角のばらつきが±3度以内、好ましくは±1度以内であるものをいう。平行光としては例えば、紫外線光源からの光をレンズやミラー光学系を用いて平行光としたものを用いても良い。
また、光照射する場合には、不活性ガス雰囲気下や、酸素が低減された状態で行うことが、酸素阻害により樹脂表面に硬化が不十分な箇所ができる可能性を抑制できる点から、好ましい。不活性ガス雰囲気とは、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスで満たされた雰囲気をいう。当該不活性ガス雰囲気中の酸素濃度は1%以下を目安とすることができる。或いは、酸素が低減された状態としては、真空状態で光照射しても良い。
樹脂表面に硬化が不十分な箇所が存在すると、凹凸パターンの一部に重ねて前記中間版モールドの原版を押圧する際に、凹凸パターンの形状を悪化させる恐れがある。
光照射量は、光硬化性樹脂層の凹凸パターンを硬化させるように、適宜調整されれば良い。具体的には、硬化に必要な照射量を、光硬化性樹脂層の光硬化性基等の消費量等を調べて決定すれば良い。
なおここでいう硬化とは、光硬化性基が全て反応することを必ずしも必要とせず、硬化後の凹凸パターンに対して、後述する工程(II-2)、工程(II-4)において所定の圧力を加えたときに塑性変形が起こらないレベルであれば実用に耐えうる。
光照射量としては、例えば、紫外線波長365nmでの積算露光量として、例えば1000mJ/cm以上であることが好ましく、一方で、生産性の点から、100000mJ/cm以下の範囲内であることが好ましい。
また、図41、図44においては、中間版モールドの原版210A、中間版モールドの原版210Bを剥離した後に、光照射323を行っていることが示されているが、光照射323後に、前記中間版モールドの原版210A、210Bを剥離してもよい。光照射323後に、前記中間版モールドの原版210A、210Bを剥離する場合、前記中間版モールドの原版210A、210Bは露光部が光照射の照射光を透過する必要があるので、前述のように光照射の照射光を透過する前記中間版モールドの原版210A、210Bを準備して使用するようにする。光照射323後に、前記中間版モールドの原版210A、210Bを剥離する場合には、硬化前の凹凸パターンに塵等が付着する恐れがない点から好ましい。
これにより、中間版モールドの原版210A又は中間版モールドの原版210Bの凹凸パターンのネガパターンを有し、当該ネガパターンにおいて、前記前記モールド110の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’又は中間版モールドの原版210Bの複製版210B’(図42、45参照)を得ることができる。
本開示の樹脂製モールドの製造方法は、前記第一の工程群(I)で製造された、中間版モールドの原版210A、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’、中間版モールドの原版210B、又は中間版モールドの原版210Bの複製版210B’ (以下、単に中間版モールドという)の凹凸パターンの良否を評価する検査工程を有していてもよい。
前記中間版モールドの凹凸パターンの良否の評価は、例えば、中間版モールドを、熱可塑性樹脂層や光硬化性樹脂層に転写し、熱可塑性樹脂層や光硬化性樹脂層に転写された、中間版モールドの凹凸パターンのネガパターンである凹凸パターンについて、目視による異物欠陥検査を行い、その次に、当該凹凸パターンを、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することにより行うことができる。そして、観察画像における凹凸パターンの各線状凸部の形状、任意の線状凸部同士のなす角度、線状凸部同士の重なり部分における重なり幅等が所定の基準を満たすか否か、及びパターンの潰れ等による外観不良の発生の有無等を判定することにより、行うことができる。
これにより、パターン形状の良好な中間版モールドを選別することができ、選別された、パターン形状の良好な中間版モールドのみを用いて、後述する第二の工程群(II)を行うことができる。従って、樹脂製モールドの製造において、より高い歩留まりを実現することが可能となる。
工程(II-1)
工程(II-1)は、第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程である(図11、図31参照)。
工程(II-1)において、第二の支持体上に、第二の樹脂層を形成する方法は、前記工程(I-1)において説明した、第一の支持体上に、第一の樹脂層を形成する方法と同様であって良い。
また、本開示の第二の凹凸パターン形成用基板で用いられる第二の支持体の材料及び第二の支持体の厚みは、前記工程(I-1)において説明した、本開示の第一の凹凸パターン形成用基板で用いられる第一の支持体の材料及び第一の支持体の厚みと同様であって良く、本開示の第二の凹凸パターン形成用基板で用いられる第二の樹脂層の形成に用いる材料、第二の樹脂層の軟化温度及び第二の樹脂層の厚みは、前記工程(I-1)において説明した、本開示の第一の凹凸パターン形成用基板で用いられる、第一の樹脂層の形成に用いる材料、第一の樹脂層の軟化温度及び第一の樹脂層の厚みと同様であって良い。
(乾燥後の第二の樹脂層(未硬化状態)の硬さ)
乾燥後の第二の樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、前述した工程群(I)で作製した、中間版モールドの原版210A、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’、中間版モールドの原版210B、又は中間版モールドの原版210Bの複製版210B’ (以下、単に中間版モールドという)の凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも小さいことが好ましい。
乾燥して形成された第二の樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、具体的に例えば、前記中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さの20%以下であることが好ましく、更に、10%以下であることが好ましい。
ここでの所定の賦形温度は、凹凸パターンを転写する工程において、第二の樹脂層を加熱する場合には、当該凹凸パターンを転写する工程において第二の樹脂層が加熱される温度とすることができる。
また、第二の樹脂層(未硬化状態)の表面は、工程中に未硬化状態でモールドの押し付け、剥離をするため、表面タック性が低い乃至ないことが好ましく、JIS K5600-1-1 第1部-第1節:試験一般(条件及び方法)4.3.5評価における b)半硬化乾燥の状態、又はc)硬化乾燥の状態であることが好ましい。
工程(II-2)
工程(II-2)は、前記第二の樹脂層に、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドを押圧することにより、前記中間版モールドの凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-2)である。
前記第二の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(II-2)においては、
前記第二の樹脂層が所定の賦形温度に加熱された状態で、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドを押圧することにより、前記中間版モールドの凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する(図12、図20、図32参照)。
前記第二の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合、前記第二の樹脂層の賦形温度、すなわち、前記第二の樹脂層に前記中間版モールドの凹凸パターンを転写する際に加熱する温度としては、前記第二の樹脂層の軟化温度以上である必要があり、前記第二の樹脂層の軟化温度よりも10℃以上高いことが好ましい。具体的に、前記第二の樹脂層を加熱する温度としては、60℃以上であることが挙げられ、更に70℃以上が好ましい。
一方で加熱する温度が高すぎると、前記第二の樹脂層が劣化する恐れがあることから、加熱する温度は150℃以下であることが好ましい。
工程(II-2)において、前記第二の樹脂層が所定の賦形温度に加熱された状態とする方法としては、前記工程(I-2)において説明した、前記第一の樹脂層が所定の賦形温度に加熱された状態とする方法と同様であって良い。
工程(II-2)で使用される中間版モールドとしては、例えば、前述した工程群(I)で作製した、中間版モールドの原版210A、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’、中間版モールドの原版210B、又は中間版モールドの原版210Bの複製版210B’を用いることができる。
なお、前記中間版モールドは、後述する工程(II-3)の後、工程(II-4)の前であれば、どのタイミングで剥がしてもよい。
(モールドの押し込み硬さ)
また、中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、前述の乾燥後の第二の樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいが、後述する工程(II-3)の冷却後に形成される第二の領域(X2)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さよりも小さいことが、中間版モールドによるパターン同士の繋ぎ目がより良好になる点から好ましい。
中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さは、前述の大小関係にあれば好ましいが、具体的に例えば、後述する工程(II-3)の冷却後に形成される第二の領域(X2)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さの50%以下であることが好ましく、更に、35%以下であることが好ましい。
このような押し込み硬さを有する中間版モールドを実現するためには、当該中間版モールドは、少なくとも凹凸パターンを有する部分が、前記押し込み硬さを有するように適宜選択された樹脂膜を用いた光硬化膜であることが好ましい。
例えば、工程(II-1)において、第二の樹脂層を、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層として形成した場合、中間版モールドとして、前記中間版モールドの原版の凹凸パターンを、光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを光照射することにより硬化させて作製した、前記中間版モールドの原版の複製版を用いることが好ましい。前記中間版モールドとして、前記中間版モールドの原版の凹凸パターンを光硬化性樹脂層に転写して光照射により硬化させた、前記中間版モールドの原版の複製版を用いることにより、当該中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さが、乾燥後の第二の樹脂層(未硬化状態)のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいという関係性を、容易に満たすものとすることができる。
また、工程(II-1)において、第二の樹脂層を、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層として形成した場合に、中間版モールドとして、例えば、熱可塑性樹脂を用いた硬化膜により形成した中間版モールドの原版を用いることも可能である。この場合には、前記第二の樹脂層に用いた熱可塑性樹脂が、前記中間版モールドの原版に用いた熱可塑性樹脂が熱可塑性を示す温度よりも低い温度で熱可塑性を示すように、前記第二の樹脂層に用いる熱可塑性樹脂及び前記中間版モールドの原版に用いる熱可塑性樹脂を、適宜選択して用いることがよい。これにより、熱可塑性樹脂により形成した中間版モールドの原版を、中間版モールドとして用いた場合でも、当該中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さが、乾燥後の第二の樹脂層のナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいという関係性を、満たすものとすることができる。
なお、中間版モールドの凹凸パターンや第二の領域(X2)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは、中間版モールドの凹凸パターン外縁の平坦部や第二の領域(X2)が有する凹凸パターン外縁の平坦部で代表して測定することができる。
また、中間版モールドは、転写後、前記第二の樹脂層又は本開示の樹脂製モールドの凹凸パターンとモールドとの離型性向上のために、使用前に離型剤等で表面処理が行われても良い。離型剤としては、前記工程(I-2)において挙げた離型剤を用いて良い。
中間版モールドを押圧する圧力としては、前記中間版モールドの凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写することができるように、適宜選択されれば良い。
中間版モールドを押圧する装置としては、前記工程(I-2)において挙げた装置を用いて良い。
工程(II-3)
工程(II-3)は、前記中間版モールドが圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する工程である。
前記第二の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(II-3)においては、前記中間版モールドが圧着された状態で前記第二の樹脂層を冷却することにより、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する(図13、図33参照)。
工程(II-3)において、前記第二の樹脂層を冷却する際には、図13(a)、図33(a)に示されているように、前記中間版モールドが圧着された状態で冷却する。前記中間版モールドが圧着された状態で前記第二の樹脂層を冷却することにより、前記第二の樹脂層の一部に転写された凹凸パターンがそのまま固化される。
そのため、その後前記中間版モールドを剥離しても転写された凹凸パターンは維持され、良好な所望の凹凸パターンを有する領域(X2)を形成することができる。
即ち、工程(II-3)では、前記凹凸パターンとして、前記第二の樹脂層に圧着された前記中間版モールドの凹凸パターンに対応するネガパターンを有する領域(X2)が形成される。
工程(II-3)において、前記第二の樹脂層を冷却する方法及び前記第二の樹脂層を冷却する温度としては、前記工程(I-3)において説明した、前記第一の樹脂層を冷却する方法及び前記第一の樹脂層を冷却する温度と同様であって良い。
(第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの硬さ)
前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは、前記中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいことが好ましい。
前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さが、前記中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいことにより、後述の工程(II-4)において、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)側の領域)の一部に重ねて前記中間版モールドを押圧する際に、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターンの形状を悪化させることを抑制できる。
より好ましくは、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さが、前記中間版モールドの原版の凹凸パターンを、光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを光照射することにより硬化させて作製した前記中間版モールドの原版の複製版の凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さよりも大きいことが好ましい。
前記中間版モールドとして、前記中間版モールドの原版の凹凸パターンを光硬化性樹脂層に転写して光照射により硬化させた中間版モールドの複製版を用いる場合、当該中間版モールドの凹凸パターンのナノインデンターによる前記所定の賦形温度での押し込み硬さが、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さよりも小さい押し込み硬さ実現するためには、当該中間版モールドは、少なくとも凹凸パターンを有する部分が、前記押し込み硬さを有するように適宜選択された光硬化性樹脂を用いた光硬化膜であることが好ましい。
工程(II-4)
工程(II-4)は、 前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドを押圧することにより、前記中間版モールドの凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程である(図15、図35参照)。
前記第二の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(II-4)においては、凹凸パターンが形成された第二の凹凸パターン形成用基板の第二の樹脂層が所定の賦形温度に部分加熱された状態で、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記中間版モールドの凹凸パターンを、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と隣接する側の一部(Y2)とに重ねて中間版モールドを押圧することにより、前記中間版モールドの凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する(図15、図35参照)。
凹凸パターンが形成された第二の凹凸パターン形成用基板の第二の樹脂層を部分加熱することにより、次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)及び前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と隣接する側の一部(Y2)は軟化しており、変形し得るものである。
工程(II-4)における、凹凸パターンが形成された第二の凹凸パターン形成用基板の第二の樹脂層が所定の賦形温度に部分加熱された状態とする方法としては、以下の方法が例示できる。
まず、図14(a)、図34(a)に示すように、熱可塑性樹脂層である第一の樹脂層の、未だ凹凸パターンを形成していない領域、即ち前記第二の樹脂層202の前記第二の領域(X2)を除く領域220のうち、少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、すでに凹凸パターンを有する第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)とを部分加熱211する。図14(a)、図34(a)中の一点鎖線は、部分加熱領域と、加熱しない領域との境を示す。当該部分加熱211により、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と、前記凹凸パターンを有する第二の領域(X2)のうち、前記第二の凹凸パターン形成予定領域222(Z2)と隣接する側の一部221(Y2)の前記第二の樹脂層202は、軟化し、未硬化乃至半硬化の状態になる。
前記凹凸パターンとつながるように、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて前記中間版モールドを押圧するが、前記第二の領域(X2)の一部に中間版モールドを重ねる部分としては、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と隣接する側の部分(Y2)の少なくとも一部が含まれる。前記第二の領域(X2)は凹凸パターンを有しているが、熱可塑性を有している部分である。前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と隣接する側の部分(Y2)の少なくとも一部に前記中間版モールドを重ねて、前記中間版モールドのパターンを転写することにより、中間版モールドによって転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、中間版モールドによるパターン同士をつなぐことが可能となり、且つ、前記第二の領域(X2)の重ねる部分のうち前記部分(Y2)が熱可塑性を有していることから、パターンが上書きされつつ中間版モールドの繋ぎ目の段差が抑制される。
また、前記第二の領域(X2)の一部に中間版モールドを重ねる部分としては、図15、図35に示されているように、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と隣接する側の部分(Y2)の少なくとも一部に加えて、前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)側の領域)の一部も含まれるように、重ねることも好ましい。
本開示では、予め層として形成された第二の樹脂層を用いているので、特許文献1のように光硬化性樹脂を滴下してモールドを押し付けて広げる場合と異なり、冷却後に得られる凹凸パターンに中間版モールドを重ねて転写しても、重ねた部分に樹脂が乗り上げて繋ぎ目部分に凸部の高さ程度かそれ以上の段差が生じることが抑制され、その結果、中間版モールドの繋ぎ目の段差が抑制された乃至段差のない樹脂製モールドを製造することができる。更に一度パターンを形成した部分に上書きする形で隣のパターンを転写するので、中間版モールドによって転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことができる。
凹凸パターンの一部に重ねる幅は、中間版モールドの凹凸パターンにおける繰り返しパターンの1周期分以上であることが好ましい。中間版モールドの凹凸パターンにおける繰り返しパターンの1周期の長さにより適宜調整されれば良いが、プロセス工程上、1μm以上であることが好ましい。
前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、中間版モールドの位置を調整する装置乃至機構としては、従来公知の位置調整装置乃至機構を適宜用いて良い。
工程(II-4)における中間版モールドと、中間版モールドを押圧する方法としては、前記工程(II-2)において説明した方法と同様であって良い。
工程(II-4)においては、前述した第一の実施形態で説明したように、前記中間版モールドを、該中間版モールドの凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールドの凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧するようにしてもよいし(図15参照)、前述した第二の実施形態で説明したように、前記中間版モールドを、該中間版モールドの凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールドの凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧するようにしてもよい(図35参照)。
上記したように、中間版モールドを、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧することにより、中間版モールドに含まれる、小面積のモールドのパターンの個数分の凹凸パターンを、1回の押圧で転写することができる。このため、小面積のモールドを複数回押圧して凹凸パターンを形成する方法の場合には、当該小面積のモールドの凹凸パターンの転写を、複数回行う必要がある領域について、一回の中間版モールドの凹凸パターンの転写により、パターン形成することができる。
工程(II-4)では、前記中間版モールドとして、小面積のモールドによる凹凸パターン同士が定められた一つの方向につながっており、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された、上記工程(I-1)~(I-5)により作製される中間版モールドを用いているため、当該中間版モールドに含まれる、小面積のモールドによる凹凸パターンの個数分の凹凸パターンが、中間版モールドの1回の押圧により、良好な状態で転写される。
凹凸パターンの形成時には、凹凸パターンの線状凸部のなす角度や、線状凸部の重なり幅等が、所定の基準を満たすように、押圧するモールドの位置調整や角度調整が行われるが、モールドの押圧による凹凸パターン形成は、モールドの押圧を1回行う毎に、凹凸パターンの線状凸部同士のなす角度や、凹凸パターンの線状凸部の重なり部分の幅等が、上記の基準を満たさない状態でパターン形成される確率が、所定の割合で生じる。すなわち、小面積のモールド(最小単位モールド)を基板上に複数回押圧して全体パターンを形成する場合には、全体パターンを完成させるまでの累積不良発生率は、小面積のモールドの押圧1回あたりの不良発生率を、押圧回数から1引いた数で累乗した値となる。例えば、押圧1回あたりの不良発生率がxで、最小単位モールドを3回押圧して全体パターンを形成した場合、累積不良発生率はxとなる。
工程(II-4)では、上記したように、中間版モールドに含まれる、小面積のモールドによる凹凸パターンの個数分の凹凸パターンが、中間版モールドの1回の押圧により、良好な状態で転写されるため、全体パターンを完成させるために必要なモールドの押圧回数が少なくなり、全体パターンを完成させるまでの累積不良発生率が小さくなる。したがって、工程(II-4)では、小面積のモールドを複数回押圧する従来の樹脂製モールドの製造方法と比較して、例えば各線状凸部の形状、任意の線状凸部同士のなす角度、線状凸部同士の重なり部分における重なり幅等が所定の基準を満たす凹凸パターンを、高い確率で形成することができる。
また、例えば、図15又は図35に示す状態の凹凸パターンを、小面積のモールドの位置をずらしながら複数回押圧することにより形成する場合には、当該小面積のモールドにより、3回以上押圧される部分(即ち、重複して2回以上押圧される部分)が、複数箇所において生じる。
これに対し、工程(II-4)では、小面積のモールドの複数個分のパターンを有する中間版モールドを、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧しているため、当該中間版モールドにより、3回以上押圧される部分(即ち、重複して2回以上押圧される部分)が生じる頻度を抑制しつつ、凹凸パターンを形成することができる。例えば、図15又は図35に示す例では、中間版モールドが3回以上押圧される部分を生じさせることなく、凹凸パターンを形成することができる。
従って、工程(II-4)では、小面積のモールドを複数回押圧する従来の樹脂製モールドの製造方法と比較して、モールドが重複して複数回押圧されることによる外観不良の発生を抑制しつつ、凹凸パターンを形成することができる。
工程(II-5)
工程(II-5)は、前記中間版モールドが圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する工程である(図16、図36参照)。
前記第二の樹脂層が熱可塑性樹脂層である場合には、工程(II-5)においては、前記中間版モールドが圧着された状態で前記第二の樹脂層を冷却することにより、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する(図16、図36参照)。
前記樹脂層を冷却する方法としては、前記工程(II-3)において説明した方法と同様であって良い。
前記第二の樹脂層を前記中間版モールドと共に冷却することにより、工程(II-5)において前記第二の樹脂層の一部に転写された凹凸パターンがそのまま固化することにより、所望の凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大することができる。
即ち、工程(II-5)では、前記凹凸パターンとして、前記第二の樹脂層に圧着された前記中間版モールドの凹凸パターンに対応するネガパターンを有する領域(X2)が形成される。
前記中間版モールドを用いて、樹脂製モールドを作製するためには、更に、前記工程(II-4’)、前記工程(II-4)、前記工程(II-5)を繰り返せばよい。
本開示の樹脂製モールドの製造方法においては、本開示による効果を損なわない限り、更に他の工程を有していても良い。
他の工程としては、例えば、離型処理、帯電防止処理等の表面処理や、他材料との積層、表面保護層貼合工程等があげられる。
本開示の樹脂製モールドの製造方法によれば、ステップアンドリピート法により、大面積の樹脂製モールドを製造することができ、例えば、後述する光学素子の製造方法に好適に用いることができる。
II. 凹凸パターンの形成方法
本開示の凹凸パターンの形成方法は、第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
を有し、
前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する
第一の工程群(I)と、
第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(II-1)と、
前記第二の樹脂層に、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im1’)又はその複製版(im1’’)である中間版モールド(im1)を押圧することにより、前記中間版モールド(im1)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-2)と、
前記中間版モールド(im1)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する工程(II-3)と、
前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im2’)又はその複製版(im2’ ’)である中間版モールド(im2)を押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)と、
前記中間版モールド(im2)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する工程(II-5)と、
を有し、
前記中間版モールド(im1)と前記中間版モールド(im2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(II-4)~前記工程(II-5)からなる工程群を、前記中間版モールド(im2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記中間版モールド(im1)又は前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された樹脂製モールドを作製する、第二の工程群(II)と、を有する、凹凸パターンの形成方法である。
本開示の凹凸パターンの形成方法によれば、小面積のモールドを用いて、ステップアンドリピート法により大面積の凹凸パターンを形成する方法において、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法において説明した作用と同様の作用により、小面積のモールドによって転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことを可能とし、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された大面積の凹凸パターンを形成することができ、また高い歩留まりを実現できる。
本開示の凹凸パターンの形成方法によれば、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法において説明したように、100nm以下の凹凸パターンのような微細凹凸パターンを形成することが可能である。
本開示の凹凸パターンの形成方法における、前記工程(I-1)~前記工程(I-5)及び前記工程(II-1)~前記工程(II-5)については、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法において説明した前記工程(I-1)~前記工程(I-5)及び前記工程(II-1)~前記工程(II-5)と同様に行うことができるので、ここでの説明は省略する。
また、本開示の凹凸パターンの形成方法においては、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法において説明した前記工程(I-11)と同様にして、工程(I-11)を行うことができるので、ここでの説明は省略する。
本開示の凹凸パターンの形成方法は、半導体材料分野、後述するような光学素子等の電子・光学デバイス分野、ディスプレイ分野、磁気記録媒体や光ディスク等の記録メディア分野、DNAチップやタンパク質チップや分離チップ等のμ-TAS、細胞培養シート等の再生医療用部材、μリアクターやマイクロミキサー等の化学バイオ分野、MEMS等、様々な分野に適用することができる。
III.中間版モールドの製造方法
本開示の中間版モールドの製造方法は、 第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
を有し、
前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する工程群を有する、
中間版モールドの製造方法である。
本開示の中間版モールドの製造方法によれば、小面積のモールドを用いて、ステップアンドリピート法により凹凸パターンを形成する方法において、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法の工程群(I)において説明した作用と同様の作用効果により、小面積のモールドによって転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドによるパターン同士をつなぐことを可能とし、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された中間版モールドを製造することができる。
本開示の中間版モールドの製造方法における、前記工程(I-1)~前記工程(I-5)については、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法において説明した前記工程(I-1)~前記工程(I-5)と同様に行うことができるので、ここでの説明は省略する。
また、本開示の中間版モールドの製造方法においては、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法において説明した前記工程(I-11)と同様にして、工程(I-11)を行うことができるので、ここでの説明は省略する。
IV.中間版モールド
本開示の中間版モールドは、 支持体と、 前記支持体上に形成された、凹凸パターンを有する樹脂層と、を有し、
前記凹凸パターンは、パターン形状を有する2以上のパターン区域が連設してなり、
前記パターン区域は、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状を有し、
前記凹凸パターンに含まれるパターン区域の中から任意に選ばれる隣り合う2つのパターン区域を第1のパターン区域及び第2のパターン区域としたときに、前記第1のパターン区域と前記第2のパターン区域との境界に、前記第1のパターン区域及び前記第2のパターン区域に配列された線状凸部の平均高さと異なる高さを有する線状凸部を有するか又は線状凸部を有しない繋ぎ目部が形成されている、中間版モールドである。
本開示の中間版モールドによれば、転写されたパターンの間にパターンが形成されていない部分が発生することなく、小面積のモールドによるパターン同士がつながっており、且つ、小面積のモールドの繋ぎ目の段差が抑制された、中間版モールドを提供することができる。
本開示の中間版モールドを、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法の工程群(II)に適用することで、大面積の樹脂製モールドの製造方法において、歩留まりの向上を実現することができる。
本開示の中間版モールドは、図10、図30、図42及び図45を用いて説明した、中間版モールドの原版210A、中間版モールドの原版210Aの複製版210A’、中間版モールドの原版210B、又は中間版モールドの原版210Bの複製版210B’と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
中間版モールドの原版又はその複製版に含まれる各パターン区域は、図46に示すように、基準線に対して角度をなして同じ方向に傾いた状態で連設されていてもよい。なお、図46において、各パターン区域に含まれる線状凸部は省略している。
図46に示す中間版モールドの原版は、凹凸パターンに含まれる矩形形状の各パターン区域52が、基準線70と一点で接し、かつ基準線70に対し角度をなして同じ方向に傾いた状態で連設されている。
本開示において基準線とは、パターン区域が連接する方向に直線状に延在する共通の線であって、当該線上に矩形形状の頂点の一つが一致する線を意味する。
図46中の鋭角θ~θは、いずれも0°を超え1°未満の角度であることが好ましい。各パターン区域52中の線状凸部の延在方向にもよるが、鋭角θ~θは、互いに同じ角度であってもよいし、それぞれ異なる角度であってもよい。
図46に示すようにパターン区域52を配置することにより、連接する全てのパターン区域52の傾きを規定することができ、その結果、平面視において、凹凸パターン全体における線状凸部の延在方向のズレを最小限に留めることができる。また、図46に示すような傾きの程度であれば、視認性の点では許容範囲であるため、大きな面積を有する凹凸パターン形成の機械化が可能となる結果、実用性の高い樹脂製モールドが得られる。また、図46に示すような好適な実施形態においては、パターン区域52が基準線70に対し同じ方向に傾いていることにより、凹凸パターンの面積(以下、有効面積という場合がある。)を広く確保することができる。
V.光学素子の製造方法
本開示の光学素子の製造方法は、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法、又は、前記本開示の凹凸パターンの形成方法の工程を有する。
本開示の光学素子の製造方法を用いて製造された光学素子は、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法、又は、前記本開示の凹凸パターンの形成方法の工程を有することから、凹凸パターンにおける繋ぎ目部分の段差が抑制されており、且つ、繋ぎ目部分に凹凸パターンが無い部分が存在せずパターン同士が繋がれているので、当該段差に起因する欠陥が抑制された光学素子を製造することができる。
本開示の光学素子の製造方法は、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法の工程を有し、前記本開示の製造方法で製造された樹脂製モールドをモールドとして用いて、光学素子を製造しても良いし、前記本開示の凹凸パターンの形成方法の工程を有し、凹凸パターンの形成方法を用いて製造された凹凸パターン構造体を用いて、光学素子を製造しても良い。
光学素子としては、例えば、ワイヤグリッド偏光子、反射防止板、光拡散板、集光板、接触防止板、光回折格子、導光板、及びホログラムからなる群から選ばれるいずれかの素子が挙げられる。
以下、本開示の光学素子の製造方法の1実施形態として、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法の工程を有し、前記本開示の製造方法で製造された樹脂製モールドをモールドとして用いて、ワイヤグリッド偏光子を製造する方法を説明するが、当該方法に限定されるものではない。
まず、前記本開示の樹脂製モールドの製造方法を用いて、製造された樹脂製モールドを準備する。
一方で、ガラス基板上にアルミニウム層とシリカ層が積層された積層体を準備する。
前記ガラス基板上にアルミニウム層とシリカ層が積層された積層体の、シリカ層上に、感光性組成物(レジスト)を塗布してレジスト層を形成する。
次いで、前記レジスト層に、樹脂製モールドを押し付け、樹脂製モールドを押し付けたまま樹脂製モールド側から露光し、レジスト層を硬化させ、レジスト層に樹脂製モールドの凹凸パターンを転写する。
次いで、樹脂製モールドを剥離し、表面にレジスト凹凸パターンが形成されている積層体を得る。
次いで、レジスト凹凸パターンの凹部の残膜をエッチングで除去後、更に、凹部においてアルミニウム層が露出するまで、凹部のシリカ層をエッチングする。
ここで、本開示の製造方法によれば、前記樹脂製モールドにおいて繋ぎ目に凸部の高さ程度かそれ以上の段差が生じないことから、被転写材料のレジストにも同様に段差が生じない凹凸パターンが転写される。そのため、レジスト凹凸パターンの凹部の残膜をエッチングする際に、高い部分の凹部に合わせると低い部分の凸部のパターンがなくなってしまうという問題が生じることがなく、欠陥が抑制された光学素子を製造することができる。
前記エッチングとしては、ドライエッチングが用いられ、ドライエッチングとしては、イオンが主として関与する反応性イオンエッチング(RIE)や、ラジカルが主として関与するプラズマエッチング(PE)等を用いることができる。前記ドライエッチングにおいて用いられるエッチャントガスとしては、ドライエッチングを行う膜の材質に合わせて適宜選択されたエッチャントガスを使用する。
次いで、凸部のシリカ層をマスクとして、凹部に露出されているアルミニウム層をエッチングすることにより、ガラス基板上にアルミニウム層による凸部を有する凹凸パターンを形成する。マスクとして用いられた凸部のシリカ層は、適宜剥離処理かエッチングにより除かれる。
ワイヤグリッド偏光子の製造方法においては、他にも従来公知の他の工程を含んでいても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、本開示の実施の態様について詳細に説明するが、本開示は以下の実施の態様に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<押し込み硬さの測定方法>
微小押込み試験機(例えば、TI950 Triboindenter (HYSITRON社製))で、バーコビッチ圧子を使用し、100μN荷重で押し込み測定し、測定した。
所定の賦形温度での押し込み硬さは、所定の賦形温度に加熱された状態にして、押し込み硬さを測定した。
<熱可塑性樹脂層の表面タック性>
熱可塑性樹脂層の表面について、JIS K5600-1-1 第1部-第1節:試験一般(条件及び方法)4.3.5の評価を行った。下記のb)半硬化乾燥又はc)硬化乾燥の状態である場合、表面タック性がない(タックフリー)と評価される。
a)指触乾燥 塗面の中央に指先で軽く触れて、指先が汚れない状態。
b)半硬化乾燥 塗面の中央を指先で静かに軽くこすって塗面にすり跡が付かない状態。
c)硬化乾燥 塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態。
(モールドの準備)
(1)原版の合成石英モールドの準備
<モールド1>
150mm×150mmで、厚さが6.35mmの合成石英の片面に、パターンエリアを100mm×100mmとして、レジストを塗布し、塗布したレジストに、幅50nm、深さ100nmの線状凹部を、ピッチ100nm(線状凸部幅50nm)でEB描画して、ドライエッチングにより形成した凹凸形状を表面に有する合成石英モールド1を原版として準備した。
<モールド2>
300mmφで、厚さが775μmのシリコンウェハーの片面に、パターンエリアを200mm×200mmとして、レジストを塗布し、フィトリソグラフィによりレジストパターンを形成して、合成石英モールド1と同様の幅、深さを有する線状凹部を、合成石英モールド1と同様のピッチ、線状凸部幅で、ドライエッチングにより形成したシリコンモールド2を原版として準備した。
(2)複製版のレプリカモールドの準備
<レプリカモールド1>
上記原版の合成石英モールド1の凹凸面に、紫外線硬化型樹脂を滴下し、その上に厚さ100μmの易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東洋紡(株)製 コスモシャイン A4100)を、易接着面が紫外線硬化型樹脂と接するように重ね合わせた後、ゴムローラーで樹脂を一定厚になるように圧し伸ばし積層体を得た。
その積層体に、紫外線光源(フュージョンUVシステムズ社製、Hバルブ)を用い、
300mJ/cm(365nm)の条件で紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。
PETフィルムを合成石英モールドから剥離することで、硬化した紫外線硬化型樹脂の表面に原版モールドの凹凸面の凹凸パターンに対応するネガパターンが再現され、PETフィルムで裏打ちされた複製版のレプリカモールド1を得た。複製版のレプリカモールド1の凹凸パターンのナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.084GPaであった。
<レプリカモールド2>
合成石英モールド1に代えて、シリコンモールド2を用いたこと以外は、レプリカモールド1の作製と同様にして、レプリカモールド2を得た。レプリカモールド2の凹凸パターンのナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.084GPaであった。
(実施例1:樹脂製モールドの製造)
<第一の工程群(I)>
(I-1)第一の凹凸パターン形成用基板の準備
縦297cm×横210cm、厚さ100μmの易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東洋紡(株)製 コスモシャイン A4100)の易接着面に、自動塗工装置(テスター産業(株)製 PI-1210)を用い、熱可塑性樹脂をマイヤーバー#6でバーコートした後、定温乾燥機で110℃、30秒間乾燥することにより、塗工量1.7g/mの塗膜を形成し、PETフィルム基材上に第一の熱可塑性樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を得た。第一の熱可塑性樹脂層のナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.01GPa以下であった。また、第一の熱可塑性樹脂層の110℃30秒乾燥後の表面は、塗面を指先で軽くこすっても跡がつかず、タックフリーであった。
(I-2)凹凸パターン転写
成形装置 熱ロール転写装置(ナビタス RH-150)の加圧ステージ上にホットプレート(アズワン(株)製 EC-1200N)を設置して75℃に加熱しておき、ホットプレート上に、縦297cm×横210cm、の第一の凹凸パターン形成用基板を第一の熱可塑性樹脂層が上面になるように載せ、前記第一の熱可塑性樹脂層のうち、次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)を部分加熱した(図22参照)。
なお、ホットプレートによる部分加熱は、ホットプレートの表面のうち、被加熱体((I-2)では、第一の凹凸パターン形成用基板)において部分加熱する領域以外の領域に対応する領域に、断熱板を配置し、部分加熱する領域以外の領域への、ホットプレートの熱の伝達を遮断するようにした上で、ホットプレートを加熱することにより行った。
この点は、後述する(I-4)、(II-2)、(II-4)において部分加熱する際にも、同様にして行った。
加熱した第一の凹凸パターン形成用基板の第一の熱可塑性樹脂層上に、前記レプリカモールド1を凹凸パターン面が第一の熱可塑性樹脂層と接触するように重ねて置き、転写装置の加圧ロールでホットプレートに押しつけて加熱加圧することで、第一の凹凸パターン形成用基板の第一の熱可塑性樹脂層とレプリカモールド1を一体化させた。(加圧ロール線圧:10kg/150mm幅、ロール速度:5mm/秒)
(I-3)冷却
一体化したレプリカモールド1/第一の凹凸パターン形成用基板の第一の熱可塑性樹脂層を室温(23℃)に冷却した後、レプリカモールド1を剥離することで、表面にレプリカモールド1の凹凸パターンを転写した。即ち、レプリカモールド1の凹凸パターンに対応するネガパターンを有する第一の領域(X1)が形成された熱可塑性樹脂層を得た。
(I-4)次面凹凸パターン転写(その1)
上記手順で得られた凹凸パターンが形成された第一の凹凸パターン形成用基板の第一の熱可塑性樹脂層のうち、次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域(Z1)と隣接する側の一部(Y1)とを含む領域について、ホットプレートで部分加熱した(図24参照)。
前記第一の領域(X1)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)に隣接する、第一の領域(X1’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第一の領域(X1’)のうち、前記第一の領域(X1)の一部(Y1)側の領域)とつながるように、前記第一の領域(X1’)の凹凸パターンに、前記レプリカモールド1のパターンが一部重なるようにレプリカモールド1を重ね合わせ、転写装置の加圧ロールでホットプレートに押しつけて、部分加熱しながら加圧することで、次面の凹凸パターンを転写した。なお、前記第一の領域(X1’)の凹凸パターンとレプリカモールド1の重ね幅は1mmとした。
レプリカモールド1は、該レプリカモールド1の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、前記第一の領域(X1)の凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ該レプリカモールド1の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、第一の領域(X1’)の凹凸パターンの一部に重ね合わせた(図25参照)。なお、図24及び図25において、部分加熱111する領域は、レプリカモールド1を、第一の熱可塑性樹脂層に重ね合わせる領域に対応する領域とした。
レプリカモールド1は、第一の領域(X1’)の凹凸パターンに対して、予めレプリカモールド1に設けておいたアライメントマークを用いて位置決め、角度調整を行った。
ロール加圧は、未硬化の未転写領域(第一の熱可塑性樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域120(第一の凹凸パターン形成予定領域を含む))から、未硬化の転写領域(凹凸パターンを有する第一の領域(X1)の一部(Y1))、第一の領域(X1’)の凹凸パターン(第一の領域(X1’))に渡って行った。
(I-5)~(I-4) 冷却、次面凹凸パターン転写(その1)の繰り返し
その後、上記(I-3)と同様にして、室温冷却(I-5)及びレプリカモールド1の剥離のプロセスを順次行った。
当該次面凹凸パターン転写(その1)(I-4)、冷却(I-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計14回繰り返して、第一の熱可塑性樹脂層にレプリカモールド1の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した中間版モールドの原版1を製造した。中間版モールドの原版1は、第一の熱可塑性樹脂層のうち、レプリカモールド1の凹凸パターンに対応するネガパターンが多面付けされた領域全体を含む、縦10cm×横144cmの領域を、易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムと共に切り出して得た。なお、中間版モールドの原版1の第一の領域(X1’)の凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
(I-11)中間版モールドの原版を用いた中間版モールドの製造
次いで、中間版モールドの原版1の凹凸面に、紫外線硬化型樹脂を滴下し、その上に厚さ100μmの易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東洋紡(株)製 コスモシャイン A4100)を、易接着面が紫外線硬化型樹脂と接するように重ね合わせた後、ゴムローラーで樹脂を一定厚になるように圧し伸ばし積層体を得た。
その積層体に、紫外線光源(フュージョンUVシステムズ社製、Hバルブ)を用い、300mJ/cm(365nm)の条件で紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。
PETフィルムを中間版モールドの原版1から剥離することで、硬化した紫外線硬化型樹脂の表面に中間版モールドの原版1の凹凸面の凹凸パターンに対応するネガパターンが再現され、PETフィルムで裏打ちされた、中間版モールドの原版1の複製版である、中間版モールド1’を得た。中間版モールド1’の、光照射により硬化させた凹凸パターンのナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.08GPaであった。
<第二の工程群(II)>
(II-1)凹凸パターン形成用基板の準備
縦297cm×横210cm、厚さ100μmの易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東洋紡(株)製 コスモシャイン A4100)を用い、熱可塑性樹脂の塗工量を1.7g/mに変更し、乾燥時間を30秒間にしたこと以外は、上記(I-1)と同様にして、PETフィルム基材上に第二の熱可塑性樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を得た。
第二の熱可塑性樹脂層のナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.01GPa以下であった。また、第二の熱可塑性樹脂層の110℃30秒乾燥後の表面は、塗面を指先で軽くこすっても跡がつかず、タックフリーであった。
(II-2)凹凸パターン転写
上記(I-2)において、第一の凹凸パターン形成用基板を加熱したのと同様にして、縦297cm×横210cmの第二の凹凸パターン形成用基板を部分加熱した。
加熱した第二の凹凸パターン形成用基板の第二の熱可塑性樹脂層上に、上記<第一の工程群(I)>で得られた中間版モールド1’を凹凸パターン面が第二の熱可塑性樹脂層と接触するように重ねて置き、転写装置の加圧ロールでホットプレートに圧しつけて加熱加圧することで、第二の凹凸パターン形成用基板の第二の熱可塑性樹脂層と中間版モールド1’を一体化させた。(加圧ロール線圧:10kg/150mm幅、ロール速度:5mm/秒)
(II-3)冷却
一体化した中間版モールド1’/第二の凹凸パターン形成用基板の第二の熱可塑性樹脂層を室温(23℃)に冷却した後、中間版モールド1’を剥離することで、中間版モールド1’の凹凸パターンを転写した。即ち、中間版モールド1’の凹凸パターンに対応するネガパターンを有する第二の領域(X2)が形成された第二の熱可塑性樹脂層を得た。
(II-4)次面凹凸パターン転写
上記手順で得られた凹凸パターンが形成された第二の凹凸パターン形成用基板の第二の熱可塑性樹脂層のうち、次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域(Z2)と隣接する側の一部(Y2)とを含む領域について、ホットプレートで部分加熱した(図34参照)。前記第二の領域(X2)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)に隣接する、第二の領域(X2’)が有する凹凸パターン(冷却により固化された部分であり、前記第二の領域(X2’)のうち、前記第二の領域(X2)の一部(Y2)側の領域)とつながるように、前記第二の領域(X2’)の凹凸パターンに、前記中間版モールド1’のパターンが一部重なるように中間版モールド1’を重ね合わせ、転写装置の加圧ロールでホットプレートに押しつけて、部分加熱しながら加圧することで、次面の凹凸パターンを転写した。なお、前記第二の領域(X2’)の凹凸パターンと中間版モールド1’の重ね幅は1mmとした。
中間版モールド1’は、該中間版モールド1’の凹凸パターンが転写される領域が、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド1の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、第二の領域(X2’)の凹凸パターンの一部に重ね合わせた(図35参照)。なお、図34及び図35において、部分加熱111する領域は、中間版モールド1’を、第二の熱可塑性樹脂層に重ね合わせる領域に対応する領域とした。
中間版モールド1’は、第二の領域(X2’)の凹凸パターンに対して、予め中間版モールド1’に設けておいたアライメントマークを用いて位置決め、角度調整を行った。
ロール加圧は、未硬化の未転写領域(第二の熱可塑性樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域220(第二の凹凸パターン形成予定領域を含む))から、未硬化の転写領域(凹凸パターンを有する第二の領域(X2)の一部(Y2))、第二の領域(X2’)の凹凸パターン(領域(X2’))に渡って行った。
(II-5)~(II-4)冷却次面凹凸パターン転写(その1)、の繰り返し
その後、上記(II-3)と同様にして、室温冷却(II-5)、モールド剥離のプロセスを順次行った。
当該次面凹凸パターン転写(II-4)、冷却(II-5)、モールド剥離のプロセス群を合計8回繰り返し(2列目~9列目の凹凸パターン形成)、第二の熱可塑性樹脂層に中間版モールド1’の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した樹脂製モールド1を製造した。
なお、樹脂製モールド1のサイズは、横144cm×縦81cmであった。また、第二凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
なお、樹脂製モールド1を原版として用い、光硬化性樹脂に樹脂製モールド1の凹凸パターンを転写して光硬化させることにより、樹脂製モールド1の凹凸パターンに対応するネガパターンを有する樹脂製モールド1’を製造してもよい。
樹脂製モールド1’の製造は、「(I-11)中間版モールドの原版を用いた中間版モールドの製造」において、中間版モールドの原版1に代えて、樹脂製モールド1を用いること以外は、上記(I-11)と同様にして行うことができる。
上記したように、実施例1では、レプリカモールド1の凹凸パターン転写を合計15回行って、中間版モールド1’を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、実施例1による中間版モールド1’の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.814×1=4.4%であった。
また、実施例1では、中間版モールド1’の凹凸パターン転写を合計9回行って、樹脂製モールド1を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、中間版モールド1’の転写による凹凸パターン形成の歩留まり(α)は、α=1×0.8=17%であった。従って、実施例1による樹脂製モールド1の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.814×1×1×0.8=4.4%×17%=0.75%であった。であった。
なお、上記した中間版モールド1’の製造の推定歩留まりの算出、及び中間版モールド1’の転写による凹凸パターン形成の歩留まりの算出において、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まり(0.8%)は、レプリカモールド1の凹凸パターンに対応するネガパターンのパターン形状形成の成功確率、及び中間版モールド1’の凹凸パターンに対応するネガパターンのパターン形状形成の成功確率を、それぞれ、1とみなした値である。この点は、後述する実施例2~4及び比較例1においても同様である。
(実施例1’)
上記実施例1において、<第一の工程群(I)>により中間版モールド1’を製造した後、得られた中間版モールド1’の凹凸パターンの良否を評価する検査工程を行った。
検査工程は、目視による異物欠陥検査を行い、次いで、予め作製しておいた検査パターン領域をサンプリングし、SEMによる観察を行うことにより行った。
次いで、<第一の工程群(I)>で得られた中間版モールド1’のうち、検査工程で良品と評価された中間版モールド1’のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、<第二の工程群(II)>を行い、樹脂製モールド1を製造した。
実施例1’では、<第一の工程群(I)>により製造した中間版モールド1’のうち、検査工程において良品と評価した中間版モールド1’のみを用いて、樹脂製モールド1を製造した。従って、実施例1’による樹脂製モールド1の製造の推定歩留まり(α)は、中間版モールド1’の転写による凹凸パターン形成の歩留まりとして算出することができ、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、α=1×0.8=17%であった。
(比較例1:比較樹脂製モールドの製造)
実施例1において、レプリカモールド1に代えて、レプリカモールド2を用いたこと以外は、上記(I-1)~(I-3)と同様のプロセスを行い、図49に示す領域1に、凹凸パターンを形成した。
なお、図49は、比較例1の比較例樹脂製モールドの製造において、凹凸パターン形成する領域を示す図である。なお、図49においては、比較樹脂製モールドの全体に凹凸パターンが形成された状態を示している。
次いで、レプリカモールド1に代えて、レプリカモールド2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記次面凹凸パターン転写(その1)(I-4)、冷却(I-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計6回繰り返し、図49に示す領域2~7に、凹凸パターンを形成した(1列目の凹凸パターン転写)。
(I-4´)次面凹凸パターン転写(その2)
次いで、領域1に形成した凹凸パターンとつながるように、当該領域1の凹凸パターンに、前記レプリカモールド2のパターンが一部重なるようにレプリカモールド2を重ね合わせ、転写装置の加圧ロールでホットプレートに押し付けて加熱加圧することで、図49に示す領域21の位置に、次面の凹凸パターンを転写した。
なお、レプリカモールド2は、該レプリカモールド2の凹凸パターンが転写される領域が、前記領域1に形成した凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつレプリカモールド2の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記領域1に形成した凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記領域1の一部に重ね合わせた。それ以外の点は、上記(I-4)と同様にして、凹凸パターン転写(その2)を行った。
その後、上記(I-3)と同様にして、室温冷却、レプリカモールド2剥離を順次行い、図49に示す領域21に、凹凸パターンを形成した。
(I-4´´)次面凹凸パターン転写(その3)
次いで、領域21に形成した凹凸パターンとつながるように、当該領域21の凹凸パターンに、前記レプリカモールド2のパターンが一部重なるようにレプリカモールド2を重ね合わせ、転写装置の加圧ロールでホットプレートに圧しつけて加熱加圧することで、図49に示す領域22の位置に、次面の凹凸パターンを転写した。
なお、レプリカモールド2は、前記レプリカモールド2を、該レプリカモールド2の凹凸パターンが転写される領域が、前記領域21に形成した前記凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ該レプリカモールド2の凹凸パターンの線状凸部が、前記領域21に形成した凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、且つ前記領域2に形成した凹凸パターンの線状凸部とつながるように、前記領域21の凹凸パターンの一部に重ね合わせた。それ以外の点は、上記(I-4)と同様にして、凹凸パターン転写(その3)を行った。
その後、上記(I-3)と同様にして、室温冷却、レプリカモールド2剥離を順次行い、図49に示す領域22に、凹凸パターンを形成した。当該次面凹凸パターン転写(その3)、室温冷却(I-3)、モールド剥離プロセスのプロセス群を、合計6回繰り返して、図49に示す領域22~27に、第一の硬化後凹凸パターンを形成した。
上記(I-4´)~(I-4´´)の工程を、合計で3回繰り返して行った(2列目~4列目の凹凸パターン転写)。以上の工程により、第一の熱可塑性樹脂層にレプリカモールド2の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した樹脂製モールド5を製造した。
なお、2回目の(I-4´)では、レプリカモールド2を、領域21に形成された凹凸パターンと重ね合わせ、領域31に次面の凹凸パターン転写を行った。
また、3回目の(I-4´)では、レプリカモールド2を、領域31に形成された凹凸パターンと重ね合わせ、領域41に次面の凹凸パターン転写を行った。
樹脂製モールド5のサイズは、横144cm×縦81cmであった。また、凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
比較例1では、レプリカモールド2の凹凸パターン転写を、第一の熱可塑性樹脂層の長手方向に7回行う工程群を、第一の熱可塑性樹脂層の短手方向に4回繰り返して行って、樹脂製モールド5を得た。即ち、比較例1では、レプリカモールド2の凹凸パターン転写を、合計28回行った。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、比較例1による樹脂製モールド5の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.827=0.24%であった。
以上説明したように、横144cm×縦81cmの樹脂製モールドの製造における歩留まりは、比較例1では0.24%であったのに対し、実施例1では0.75%であった。従って、中間版モールドを用いて樹脂製モールドを製造する実施例1の製造方法では、中間版モールドを用いない比較例1の製造方法と比較して、歩留まりが向上することが確認できた。
(実施例2:樹脂製モールドの製造)
実施例1において、レプリカモールド1に代えて、レプリカモールド2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記(I-1)~(I-3)を行った。
次いで、レプリカモールド1に代えて、レプリカモールド2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、次面凹凸パターン転写(その1)(I-4)、冷却(I-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計6回繰り返して、第一の熱可塑性樹脂層にレプリカモールド2の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した中間版モールドの原版2を製造した。
中間版モールドの原版2は、第一の熱可塑性樹脂層のうち、レプリカモールド2の凹凸パターンに対応するネガパターンが多面付けされた領域全体を含む、縦20cm×横144cmの領域を、易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムと共に切り出して得た。なお、中間版モールドの原版2の第一凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
次いで、実施例1において、中間版モールドの原版1に代えて、中間版モールドの原版2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記(I-11)を行い、中間版モールドの原版2の複製版である中間版モールド2’を得た。中間版モールド2’の、光照射により硬化させた凹凸パターンのナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.08GPaであった。
次に、中間版モールド1’に代えて、中間版モールド2’を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記(II-1)~(II-3)を行った(1列目の凹凸パターン転写)。
次いで、中間版モールド1’に代えて、中間版モールド2’を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記次面凹凸パターン転写(II-4)、冷却(II-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計3回繰り返して行った(2列目~4列目の凹凸パターン転写)。
これにより、第二の熱可塑性樹脂層に中間版モールド2’の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した樹脂製モールド2を製造した。樹脂製モールド2のサイズは、横144cm×縦81cmであった。また、第二凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
なお、実施例2においても、実施例1と同様に、樹脂製モールド2を原版として用い、光硬化性樹脂に樹脂製モールド2の凹凸パターンを転写して光硬化させることにより、樹脂製モールド2の凹凸パターンに対応するネガパターンを有する樹脂製モールド2’を製造してもよい。
樹脂製モールド2’の製造は、「(I-11)中間版モールドの原版1を用いた中間版モールドの製造」において、中間版モールドの原版1に代えて、樹脂製モールド2を用いること以外は、上記(I-11)と同様にして行うことができる。
上記したように、実施例2では、レプリカモールド2の凹凸パターン転写を合計7回行って、中間版モールド2’を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、実施例2による中間版モールド2’の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.8×1=26%であった。
また、実施例2では、中間版モールド2’の凹凸パターン転写を合計4回行って、樹脂製モールド2を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、中間版モールド2の転写による凹凸パターン形成の歩留まり(α)は、α=1×0.8=51%であった。従って、実施例2による樹脂製モールド2の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.8×1×1×0.8=26%×51%=13.26%であった。
(実施例2’)
上記実施例2において、<第一の工程群(I)>により中間版モールド2’を製造した後、得られた中間版モールド2’の凹凸パターンの良否を評価する検査工程を行った。
検査工程は、実施例1’と同様にして行った。
次いで、<第一の工程群(I)>で得られた中間版モールド2’のうち、検査工程で良品と評価された中間版モールド2’のみを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、<第二の工程群(II)>を行い、樹脂製モールド2を製造した。
実施例2’では、<第一の工程群(I)>により製造した中間版モールド2’のうち、検査工程において良品と評価した中間版モールド2’のみを用いて、樹脂製モールド2を製造した。従って、実施例2’による樹脂製モールド2の製造の推定歩留まり(α)は、中間版モールド2’の転写による凹凸パターン形成の歩留まりとして算出することができ、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、α=1×0.8=51%であった。
以上説明したように、横144cm×縦81cmの樹脂製モールドの製造の歩留まりは、比較例1では0.2%、実施例1では0.75%あったのに対し、実施例2では、13.26%であった。従って、中間版モールドの製造に、実施例1で用いたレプリカモールド1より大サイズのレプリカモールド2を用いた実施例2の製造方法では、実施例1の製造方法から、さらに歩留まりが向上することが確認できた。
(実施例3:樹脂製モールドの製造)
<第一の工程群(I)>
実施例1と同様にして、上記(I-1)~(I-3)を行った。次いで、「(I-4)次面凹凸パターン転写(その1)」において、レプリカモールド1を、該レプリカモールド1の凹凸パターンが転写される領域が、工程(I-3)で形成された凹凸パターンと、当該凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ該レプリカモールド1の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、凹凸パターンの一部に重ね合わせたこと以外は、実施例1と同様にして、「(I-4)次面凹凸パターン転写(その1)」を行った(図4及び図5参照)。なお、「(I-4)次面凹凸パターン転写(その1)」において、部分加熱111する領域は、レプリカモールド1を、第一の熱可塑性樹脂層に重ね合わせる領域に対応する領域とした。
「(I-4)次面凹凸パターン転写(その1)」工程を、上記のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、次面凹凸パターン転写(その1)(I-4)、冷却(I-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計8回繰り返して、第一の熱可塑性樹脂層にレプリカモールド1の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した中間版モールドの原版3を製造した。
中間版モールドの原版3は、第一の熱可塑性樹脂層のうち、レプリカモールド1の凹凸パターンに対応するネガパターンが多面付けされた領域全体を含む、縦81cm×横10cmの領域を、易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムと共に切り出して得た。なお、中間版モールドの原版3の凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
次いで、実施例1において、中間版モールドの原版1に代えて、中間版モールドの原版3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記(I-11)を行い、中間版モールド3’を得た。中間版モールド3’の、光照射により硬化させた凹凸パターンのナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.08GPaであった。
<第二の工程群(II)>
次に、中間版モールド1’に代えて、中間版モールド3’を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記(II-1)~(II-3)を行った(1列目の凹凸パターン転写)。
次いで、「(II-4)次面凹凸パターン転写」において、中間版モールド3’を、該中間版モールド3’の凹凸パターンが転写される領域が、工程(II-3)で形成された凹凸パターンと、該凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド3’の凹凸パターンの線状凸部が、前記凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記凹凸パターンの一部に重ね合わせたこと以外は、実施例1と同様にして、「(II-4)次面凹凸パターン転写」を行った(図14及び図15参照)。なお、「(II-4)次面凹凸パターン転写」において、部分加熱111する領域は、レプリカモールド1を、第二の熱可塑性樹脂層に重ね合わせる領域に対応する領域とした。
「(II-4)次面凹凸パターン転写」工程を、上記のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、当該次面凹凸パターン転写(II-4)、冷却(II-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計14回繰り返し(2列目~15列目の凹凸パターン形成)、第二の熱可塑性樹脂層に中間版モールド3’の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した樹脂製モールド3を製造した。
なお、樹脂製モールド3のサイズは、横144cm×縦81cmであった。また、第二凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
上記したように、実施例3では、レプリカモールド1の凹凸パターン転写を合計9回行って、中間版モールド3’を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、実施例3による中間版モールド3’の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.8×1=17%であった。
また、実施例3では、中間版モールド3’の凹凸パターン転写を合計15回行って、樹脂製モールド3を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、中間版モールド3’の転写による凹凸パターン形成の歩留まり(α)は、α=1×0.814=4.4%であった。従って、実施例3による樹脂製モールド3の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.8×1×1×0.814=17%×4.4%=0.75%であった。
(実施例4:樹脂製モールドの製造)
<第一の工程群(I)>
実施例3において、レプリカモールド1に代えて、レプリカモールド2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記(I-1)~(I-3)を行った。
次いで、レプリカモールド1に代えて、レプリカモールド2を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、次面凹凸パターン転写(その1)(I-4)、冷却(I-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計3回繰り返して、第一の熱可塑性樹脂層にレプリカモールド2の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した中間版モールドの原版4を製造した。
中間版モールドの原版4は、第一の熱可塑性樹脂層のうち、レプリカモールド2の凹凸パターンに対応するネガパターンが多面付けされた領域全体を含む、縦20cm×横81cmの領域を、易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムと共に切り出して得た。なお、中間版モールドの原版4の第一凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
次いで、実施例3において、中間版モールドの原版3に代えて、中間版モールドの原版4を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、上記(I-11)を行い、中間版モールド4’を得た。中間版モールド4’の、光照射により硬化させた凹凸パターンのナノインデンターによる75℃での押し込み硬さは0.08GPaであった。
<第二の工程群(II)>
次に、中間版モールド3’に代えて、中間版モールド4’を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、上記(II-1)~(II-3)を行った(1列目の凹凸パターン転写)。
次いで、中間版モールド3’に代えて、中間版モールド4’を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、上記次面凹凸パターン転写(II-4)、冷却(II-5)、モールド剥離のプロセス群を、合計6回繰り返して行った(2列目~7列目の凹凸パターン転写)。
これにより、第二の熱可塑性樹脂層に中間版モールド4’の凹凸パターンに対応するネガパターンを多面付した樹脂製モールド4を製造した。樹脂製モールド4のサイズは、横144cm×縦81cmであった。また、第二凹凸パターンのナノインデンターによる押し込み硬さは0.275GPaであった。
上記したように、実施例4では、レプリカモールド2の凹凸パターン転写を合計4回行って、中間版モールド4’を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、実施例4による中間版モールド4’の製造の推定歩留まり(α)は、α=1×0.8×1=51%であった。
また、実施例4では、中間版モールド4’の凹凸パターン転写を合計7回行って、樹脂製モールド4を得た。従って、凹凸パターン転写の一回当たりの歩留まりを0.8%とした場合、中間版モールド4’の転写による凹凸パターン形成の歩留まり(α)は、α=1×0.8=26%であった。従って、実施例4による樹脂製モールド4の製造の推定歩留まり(α)は、α=0.8×0.8=51%×26%=13.26%であった。
Figure 0007119775000001
101、201 支持体
102、202 樹脂層
103、203 凹凸パターン形成用基板
110、210 モールド
111、211 部分加熱
111’、211’ 加熱装置
112、212 押圧
112’、212’ 押圧装置
113、213 冷却
120、220 樹脂層のうち領域(X)を除く領域
121、221 領域(X)のうち凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部(Y)
122、222 凹凸パターン形成予定領域
123、223 光照射
125、225 凹凸パターン

Claims (16)

  1. 第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
    前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
    前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
    前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
    前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
    を有し、
    前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
    前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する
    第一の工程群(I)と、
    第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(II-1)と、
    前記第二の樹脂層に、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im1’)又はその複製版(im1’’)である中間版モールド(im1)を押圧することにより、前記中間版モールド(im1)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-2)と、
    前記中間版モールド(im1)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する工程(II-3)と、
    前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im2’)又はその複製版(im2’ ’)である中間版モールド(im2)を押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)と、
    前記中間版モールド(im2)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する工程(II-5)と、を有し、
    前記中間版モールド(im1)と前記中間版モールド(im2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
    前記工程(II-4)~前記工程(II-5)からなる工程群を、前記中間版モールド(im2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記中間版モールド(im1)又は前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された樹脂製モールドを作製する、第二の工程群(II)と、を有する、樹脂製モールドの製造方法。
  2. 前記第一の工程群(I)は、前記中間版モールドの原版(im1’)の凹凸パターンを、光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを光照射することにより硬化させて、前記中間版モールドの原版(im1’)の複製版(im1’’)を作製する工程(I-11)を有する、請求項1に記載の樹脂製モールドの製造方法。
  3. 前記第一の工程群(I)で製造された中間版モールドの凹凸パターンの良否を評価する検査工程を有する、請求項1又は2に記載の樹脂製モールドの製造方法。
  4. 前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、
    前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂製モールドの製造方法。
  5. 前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、
    前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、 前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂製モールドの製造方法。
  6. 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、請求項4に記載の樹脂製モールドの製造方法。
  7. 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、請求項5に記載の樹脂製モールドの製造方法。
  8. 第一の支持体上に、第一の樹脂層を有する第一の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(I-1)と、
    前記第一の樹脂層に、モールド(m1)を押圧することにより、前記モールド(m1)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-2)と、
    前記モールド(m1)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を形成する工程(I-3)と、
    前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第一の樹脂層の前記第一の領域(X1)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第一の凹凸パターン形成予定領域と、前記第一の領域(X1)のうち前記第一の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねてモールド(m2)を押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)と、
    前記モールド(m2)が圧着された状態で、前記第一の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第一の領域(X1)を拡大する工程(I-5)と、
    を有し、
    前記モールド(m1)と前記モールド(m2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
    前記工程(I-4)~前記工程(I-5)からなる工程群を、前記モールド(m2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記モールド(m1)又は前記モールド(m2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された中間版モールドの原版(im1’)を作製する
    第一の工程群(I)と、
    第二の支持体上に、第二の樹脂層を有する第二の凹凸パターン形成用基板を準備する工程(II-1)と、
    前記第二の樹脂層に、前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im1’)又はその複製版(im1’’)である中間版モールド(im1)を押圧することにより、前記中間版モールド(im1)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-2)と、
    前記中間版モールド(im1)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を形成する工程(II-3)と、
    前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンとつながるように、前記第二の樹脂層の前記第二の領域(X2)を除く領域のうち少なくとも次に凹凸パターンを形成する予定の領域である第二の凹凸パターン形成予定領域と、前記第二の領域(X2)のうち前記第二の凹凸パターン形成予定領域と隣接する側の一部とに重ねて前記第一の工程群(I)で作製された中間版モールドの原版(im2’)又はその複製版(im2’ ’)である中間版モールド(im2)を押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)と、
    前記中間版モールド(im2)が圧着された状態で、前記第二の樹脂層の一部に、更に、凹凸パターンを有する第二の領域(X2)を拡大する工程(II-5)と、
    を有し、
    前記中間版モールド(im1)と前記中間版モールド(im2)とは、同一又は異なるモールドであっても良く、
    前記工程(II-4)~前記工程(II-5)からなる工程群を、前記中間版モールド(im2)として同一又は異なるモールドを使用して、一回又は二回以上繰り返すことにより、前記中間版モールド(im1)又は前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが二回以上配列された樹脂製モールドを作製する、第二の工程群(II)と、を有する、凹凸パターンの形成方法。
  9. 前記第一の工程群(I)は、前記中間版モールドの原版(im1’)の凹凸パターンを、光硬化性樹脂層に転写し、前記光硬化性樹脂層に転写された凹凸パターンを光照射することにより硬化させて、前記中間版モールドの原版(im1’)の複製版(im1’ ’)を作製する工程(I-11)を有する、請求項に記載の凹凸パターンの形成方法。
  10. 前記第一の工程群(I)で製造された中間版モールドの凹凸パターンのパターン形状の良否を評価する検査工程を有する、請求項又はに記載の凹凸パターンの形成方法。
  11. 前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、
    前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、請求項乃至10のいずれか1項に記載の凹凸パターンの形成方法。
  12. 前記モールド(m1)及び前記モールド(m2)として、所定の方向に延在する2つ以上の線状凸部が平行に繰り返し配列されたパターン形状の凹凸パターンを有するものを使用し、
    前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)の一部に重ねて押圧する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、 前記第二の領域(X2)の一部に重ねて押圧する工程(II-4)を有する、請求項乃至10のいずれか1項に記載の凹凸パターンの形成方法。
  13. 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、請求項11に記載の凹凸パターンの形成方法。
  14. 前記モールド(m2)を、該モールド(m2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンと、該第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部が配列されている方向に接続するように、かつ前記モールド(m2)の凹凸パターンの線状凸部が、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの線状凸部と平行となるように、前記第一の領域(X1)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記モールド(m2)の凹凸パターンを前記第一の樹脂層の一部に転写する工程(I-4)を有し、
    前記中間版モールド(im2)を、該中間版モールド(im2)の凹凸パターンが転写される領域が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンと、該第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部が延在する方向に接続するように、かつ前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンの線状凸部の延在方向が、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの線状凸部の延在方向と同じ方向となるように、前記第二の領域(X2)が有する凹凸パターンの一部に重ねて押圧することにより、前記中間版モールド(im2)の凹凸パターンを前記第二の樹脂層の一部に転写する工程(II-4)を有する、請求項12に記載の凹凸パターンの形成方法。
  15. 前記請求項1乃至のいずれか1項に記載の樹脂製モールドの製造方法、又は、前記請求項乃至14のいずれか1項に記載の凹凸パターンの形成方法の工程を有する、光学素子の製造方法。
  16. 光学素子が、ワイヤグリッド偏光子、反射防止板、光拡散板、集光板、接触防止板、光回折格子、導光板、及びホログラムからなる群から選ばれるいずれかの素子である、請求項15に記載の光学素子の製造方法。
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