JP6009042B2 - 転圧ローラ - Google Patents
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Description
・振動源がそれぞれ、右側2つのタイヤを駆動する走行駆動軸の内部と、左側2つのタイヤを駆動する走行駆動軸の内部とに配置されることとなるので、右側2つのタイヤ間において振動のばらつきが低減され、左側2つのタイヤ間においても振動のばらつきが低減される。したがって、4つのタイヤ全てに効率良く振動を伝達することができる。
・右側2つのタイヤと左側2つのタイヤとを互いに差動回転駆動させることができる。
本発明によれば、次のような効果を奏する。
・内側のタイヤ同士の間に第2支持ブラケットを備えることで、サイドオーバーハングを無しにできるか或いは小さくできる。
・第2支持ブラケットは、左右一対の第1支持ブラケットの双方に接続する構成であることから、次のような効果を奏する。もし仮に第1支持ブラケットを挟んで位置する2つのタイヤの質量バランスがとれており、振動源による振動が実質的に2つのタイヤの中央位置に加わっているならば、起振装置の振動が両タイヤに伝達されると両タイヤは略同じ動きで正常に振動することとなる。しかしながら実際は、第1支持ブラケットを挟んで位置する2つのタイヤ間には、走行駆動軸、起振装置、走行用モータ、振動用モータ等のレイアウト構造の設計上、車幅方向に質量バランスの違いが生じてしまうことがある。この場合、起振装置の振動が両タイヤに伝達されると、2つのタイヤが互いに車体前後方向の水平軸回りの異常な揺動を伴って振動する。この問題に対し、第2支持ブラケットを左右一対の第1支持ブラケットの双方に接続させることで、前記した車体前後方向の水平軸回りのタイヤの異常な揺動を伴う振動を確実に抑制することとした。
・内側のタイヤ同士の間に第2支持ブラケットを備えることで、サイドオーバーハングを無しにできるか或いは小さくできる。
・第2防振手段を介して車体に取り付けた第2支持ブラケットによる簡単な構造により、走行用モータの駆動回転反力を受け止め、前記車体前後方向の水平軸回りのタイヤの異常な揺動を伴う振動を抑制できる。
・外側のタイヤよりも外方に振動用モータの支持ブラケットを配置する必要がないので、サイドオーバーハングを無しにすることができる。
・第2支持ブラケットが、起振機ケースを介して、第1防振手段よりもばね下質量側において左右一対の第1支持ブラケットの双方に接続することとなるので、右側2つのタイヤ間における質量バランスの違いや、偏心錘位置の設計誤差、製造誤差等により、右側2つのタイヤが互いに車体前後方向の水平軸回りの異常な揺動を伴って振動することを確実に抑制できる。左側2つのタイヤについても同様である。
・右側2つのタイヤと左側2つのタイヤとを互いに差動回転駆動させることができる。
・走行用モータとして特殊な構造の高価な中空構造のモータを使用せずに済み、また、起振装置および振動用モータが1つで済む。
図2を参照して第1実施形態を説明する。振動タイヤローラRは、振動用モータ2により振動を発生する起振装置3と、外側のタイヤT1,T4とこれに隣接する内側のタイヤT2(T1に隣接するタイヤ),T3(T4に隣接するタイヤ)とを同期して走行駆動しつつ、起振装置3の振動を外側のタイヤT1,T4と内側のタイヤT2,T3に伝達する左右一対の走行駆動軸4,4と、各走行駆動軸4をそれぞれ駆動する左右一対の走行用モータ5,5と、第1防振手段(以降、単に防振手段という)6を介して車体1に取り付けられて外側のタイヤT1,T4と内側のタイヤT2,T3との間に位置し、軸受7を介して走行駆動軸4を支持する左右一対の第1支持ブラケット8,8と、防振手段6よりもばね下質量側において左右一対の第1支持ブラケット8,8の双方に接続して内側のタイヤT2,T3同士の間に位置し、走行用モータ5を支持する第2支持ブラケット9とを備えて構成されている。本実施形態は第2支持ブラケット9が左右一対として設けられている。この場合、本発明の「防振手段6よりもばね下質量側において左右一対の第1支持ブラケット8,8の双方に接続して内側のタイヤT2,T3同士の間に位置し、走行用モータ5を支持する第2支持ブラケット9」とは、左右の第2支持ブラケット9のいずれもが、「防振手段6よりもばね下質量側において左右一対の第1支持ブラケット8,8の双方に接続する」という要件を備えていることを意味する。
タイヤT1およびタイヤT2周りの構造とタイヤT3およびタイヤT4周りの構造とは左右対称であり、以下ではタイヤT1およびタイヤT2周りの構造について詳細に説明する。
なお、「ばね上質量」とは、防振手段6よりも車体1側の振動タイヤローラRの質量を意味し、「ばね下質量」とは、防振手段6よりもタイヤT側の振動タイヤローラRの質量を意味している。
左右の走行用モータ5,5が駆動すると、出力部のフランジ部34とボルト35によって連結した起振機ケース16(走行駆動軸4)が、軸受7を介して第1支持ブラケット8に支承されつつ回転する。これにより、一方の起振機ケース16を介してタイヤT1とタイヤT2とが一体に走行回転するとともに、他方の起振機ケース16を介してタイヤT3とタイヤT4とが一体に走行回転する。第1支持ブラケット8は、ばね上質量側からの荷重をタイヤ側に伝達する機能を担う。
また、右側2つのタイヤT1,T2と左側2つのタイヤT3,T4とを互いに差動回転駆動させることができる。
また、縁石とか壁の際の転圧を行う際には、路面の隅々まで転圧できるように、運転者は、その際ぎりぎりをねらって作業を行いがちであり、場合によってはタイヤ側面を壁等に押し付けながらその作業を行うため、最外側のタイヤ側面が傷みやすく、タイヤの交換頻度が多い。本実施形態の場合、その最外側のタイヤの取付けおよび取外しを妨げるサイドプレートや駆動モータ類等がなく、メンテナンス性に優れる。
図5〜図7を参照して第2実施形態を説明する。図5はタイヤ周りの平面図、図6、図7はそれぞれ図5におけるC−C断面図、D−D断面図である。第1実施形態では連結板29をタイヤTの上方に配したのに対し、第2実施形態では連結板29をタイヤTの前方および後方に配している。その他の構成要素の配置については第1実施形態と同じであり、同一の要素については同一の符号を付してその説明は省略する。
この第2実施形態では、第2支持ブラケット9はその前後端が前後の連結板29に接続され連結板29の板幅により、第1実施形態に比して前記車体前後方向の水平軸回りに関するタイヤアッシィ全体を支える第1支持ブラケット8の実質的な剛性が一層高まり、前記異常な揺動を伴う振動を効果的に抑制できる。
また、第1実施形態と同様、タイヤ側面を壁等に押し付けながら転圧作業をする結果、最外側のタイヤ側面が傷んでタイヤの交換頻度が多い場合でも、最外側のタイヤの取付けおよび取外しを妨げるサイドプレートや駆動モータ類等がないため、メンテナンス性に優れる。
図8〜図10を参照して第3実施形態を説明する。図8はタイヤ周りの後面図、図9、図10はそれぞれ図8におけるE−E断面図、F矢視図である。第1実施形態および第2実施形態では、起振装置3の振動源17が走行駆動軸4の内部に配置されていたのに対し、第3実施形態では、起振装置3は、その起振機ケース16がタイヤTの上方において一対の第1支持ブラケット8間に掛け渡されるように取り付けられている。この起振機ケース16は、第2支持ブラケット9を、防振手段6よりもばね下質量側において左右一対の第1支持ブラケット8,8の双方に接続させる連結部としての機能も担っている。なお、第1、第2実施形態と同一の要素については同一の符号を付す。
左右の走行用モータ5,5が駆動して出力部5Bが回転すると、一方の走行駆動軸4を介してタイヤT1とタイヤT2とが一体に走行回転するとともに、他方の走行駆動軸4を介してタイヤT3とタイヤT4とが一体に走行回転する。第1支持ブラケット8は、ばね上質量側からの荷重をタイヤ側に伝達する機能を担う。第2支持ブラケット9には、走行用モータ5にばね上質量側の荷重は加わらず、走行用モータ5の駆動回転反力を受ける機能を担う。
また、第1実施形態と同様、タイヤ側面を壁等に押し付けながら転圧作業をする結果、最外側のタイヤ側面が傷んでタイヤの交換頻度が多い場合でも、最外側のタイヤの取付けおよび取外しを妨げるサイドプレートや駆動モータ類等がないため、メンテナンス性に優れる。
図11〜図13を参照して第4実施形態を説明する。図11はタイヤ周りの平面図、図12、図13はそれぞれ図11におけるG矢視図、H−H断面図である。本実施形態は、車体1に取り付けられ、外側のタイヤT1,T4よりも車幅方向外側に位置する第3支持ブラケット61を備え、振動用モータ2が第3支持ブラケット61に支持されていることを主な特徴とする。なお、第1〜第3実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、重複する一部の構造についてはその説明を省略する。
左右の走行用モータ5,5が駆動して出力部5Bが回転すると、一方の走行駆動軸4である起振機ケース16を介してタイヤT1とタイヤT2とが一体に走行回転するとともに、他方の走行駆動軸4である起振機ケース16を介してタイヤT3とタイヤT4とが一体に走行回転する。第1支持ブラケット8は、ばね上質量側からの荷重をタイヤ側に伝達する機能を担う。第2支持ブラケット9には、走行用モータ5にばね上質量側の荷重は加わらず、走行用モータ5の駆動回転反力を受ける機能を担う。
この第4実施形態では、第2支持ブラケット9はその前後端が前後の連結板29に接続され連結板29の板幅により、第1実施形態に比して前記車体前後方向の水平軸回りに関するタイヤアッシィ全体を支える第1支持ブラケット8の実質的な剛性が一層高まり、前記異常な揺動を効果的に抑制できる。
また、走行駆動軸4と第1支持ブラケット8との間に介設される軸受7としては、例えば旋回ベアリングを用いることもできる。
また、第1,第2,第4実施形態においては、第2支持ブラケット9を左右一対として設けているが、寸法配置的に問題がなければ、第3実施形態のように第2支持ブラケット9を1つに共通化しても構わない。
図15を参照して第5実施形態を説明する。第1〜第4実施形態においてはいずれも、第2支持ブラケット9が、第1防振手段6よりもばね下質量側において左右一対の第1支持ブラケット8の双方に接続して内側のタイヤT2,T3同士の間に位置する構造であるのに対し、第5実施形態においては、第2支持ブラケット9が、第1防振手段6とは別の部材である第2防振手段71を介して車体1に取り付けられて内側のタイヤT2,T3同士の間に位置する構造である。第2支持ブラケット9の取付構造以外については、第1実施形態および第2実施形態と同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
2 振動用モータ
3 起振装置
4 走行駆動軸
5 走行用モータ
6 第1防振手段
7 軸受
8 第1支持ブラケット
9 第2支持ブラケット
10 ブラケット
11 防振ゴム(防振手段)
16 起振機ケース
17 振動源
22 起振軸
23 偏心錘
29 連結板(連結部)
61 第3支持ブラケット
71 第2防振手段
T1〜T4 タイヤ
Claims (6)
- 前輪または後輪が、車幅方向に同軸に並設された4つのタイヤから構成される転圧ローラにおいて、
左右一対の振動用モータと、
前記各振動用モータにより振動を発生する左右一対の起振装置と、
外側のタイヤとこれに隣接する内側のタイヤとを同期して走行駆動しつつ、前記起振装置の振動を前記外側のタイヤと前記内側のタイヤに伝達する左右一対の走行駆動軸と、
前記各走行駆動軸をそれぞれ駆動する左右一対の走行用モータと、
第1防振手段を介して車体に取り付けられて前記外側のタイヤと前記内側のタイヤとの間に位置し、軸受を介して前記走行駆動軸を支持する左右一対の第1支持ブラケットと、
を備え、
前記左右一対の起振装置は、その振動源が前記左右一対の走行駆動軸の内部にそれぞれ配置されていることを特徴とする転圧ローラ。 - 前記第1防振手段よりもばね下質量側において前記左右一対の第1支持ブラケットの双方に接続して内側のタイヤ同士の間に位置し、前記走行用モータを支持する第2支持ブラケットを備えることを特徴とする請求項1に記載の転圧ローラ。
- 第2防振手段を介して車体に取り付けられて内側のタイヤ同士の間に位置し、前記走行用モータを支持する第2支持ブラケットを備えることを特徴とする請求項1に記載の転圧ローラ。
- 車体に取り付けられ、前記外側のタイヤよりも車幅方向外側に位置する第3支持ブラケットを備え、
前記振動用モータは前記第3支持ブラケットに支持されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の転圧ローラ。 - 前記振動用モータは前記第2支持ブラケットに支持され、
前記走行用モータは貫通孔を有した中空構造のモータからなり、
前記貫通孔を介して前記振動用モータと前記振動源とが軸部材により連結されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の転圧ローラ。 - 前輪または後輪が、車幅方向に同軸に並設された4つのタイヤから構成される転圧ローラにおいて、
振動用モータにより振動を発生する起振装置と、
外側のタイヤとこれに隣接する内側のタイヤとを同期して走行駆動しつつ、前記起振装置の振動を前記外側のタイヤと前記内側のタイヤに伝達する左右一対の走行駆動軸と、
前記各走行駆動軸をそれぞれ駆動する左右一対の走行用モータと、
第1防振手段を介して車体に取り付けられて前記外側のタイヤと前記内側のタイヤとの間に位置し、軸受を介して前記走行駆動軸を支持する左右一対の第1支持ブラケットと、
前記第1防振手段よりもばね下質量側において前記左右一対の第1支持ブラケットの双方に接続して内側のタイヤ同士の間に位置し、前記走行用モータを支持する第2支持ブラケットと、
を備え、
前記起振装置は、その起振機ケースがタイヤの上方において前記一対の第1支持ブラケット間に掛け渡されるように取り付けられ、
前記第2支持ブラケットが前記起振機ケースに取り付けられていることを特徴とする転圧ローラ。
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