JP6008979B2 - 作業機器および部品実装機 - Google Patents

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Description

本発明は、作業部材が延伸動作して作業対象物に当接し所定の作業を施す方式の作業機器、およびこの方式の作業機器の範疇に含まれる部品実装機に関する。
多数の部品が実装された基板を生産する設備として、はんだ印刷機、部品実装機、基板検査機、リフロー機などがあり、これらを基板搬送装置で連結して基板生産ラインを構築することが一般的になっている。このうち部品実装機は、基板搬送装置、部品供給装置、および部品移載装置を備えて、基板に部品を装着する。部品移載装置は、直交2軸方向に駆動される実装ヘッドおよびノズルホルダと、ノズルホルダに保持されて下方に延伸動作する装着ノズルとを備えている。装着ノズルは、負圧を利用して先端の吸着部に部品を吸着し、延伸動作して部品を基板に当接させつつ吸着を解除して装着する。部品装着作業を短時間で終了するためには装着ノズルの延伸速度を高速化するのが好ましいが、反面で部品が基板に当接するときの衝撃荷重が増加して作業信頼性が低下する。部品装着作業の短時間化と作業信頼性の確保とを両立させるための技術が、特許文献1を始めとして多数開示されている。
特許文献1の電子部品実装方法は、電子部品の厚みや基板の反りなどによる変動誤差を減算した目標位置まで吸着ノズル(装着ノズル)を下降させ、目標位置から吸着ノズルの下降速度を減速して基板に接近させ、電子部品の基板への衝突を検出すると吸着ノズルの下降を止めて吸着を解除する。これにより、衝撃による電子部品の破損をなくし、電子部品と基板の実装位置との確実な接合が実現できる、と記載されている。
特許第4172902号公報
ところで、近年の部品実装機への要求として、スマートフォンに代表される最終製品の小型化への対応が挙げられる。具体的には、部品が著しく小形化および薄形化しており、低背チップコンデンサや極薄ウェハからなる集積回路部品(IC、LSIなど)を実装できることが要求されている。これらの部品では、装着時に許容される衝撃荷重や位置誤差が従来よりも厳しくなっており、従来技術に頼っていては部品を破損させたり、装着位置精度が低下したりするおそれがある。
この点で、特許文献1の技術は、装着ノズルの下降の途中で減速して衝撃荷重を低減できる点は好ましいが、装着ノズルが振動するという弊害が発生する。つまり、装着ノズルの下降速度が著変するときに発生する反力で装着ノズルが振動してしまい、装着位置精度が低下する。特に、部品が基板に当接する直前まで装着ノズルを高速で延伸動作させると、装着の直前で大きな減速が必要になり、必然的に大きな反力が発生して好ましくない。このように、従来技術の延長で単純に装着ノズルの延伸速度や加速度、減速度を大きくすることは許容されない。
この種の問題点は、部品実装機に限定されず、作業部材が延伸動作して作業対象物に当接し所定の作業を施す方式の作業機器では共通になっている。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、作業部材の延伸速度を高速化して作業時間を短縮化し、作業部材が作業対象物に当接するときの衝撃荷重を低減しつつ作業位置精度を確保できる作業機器を提供することを解決すべき課題とする。さらには、低背部品や極薄部品に対しても部品装着時間を短縮化し、部品が基板に当接するときの衝撃荷重を低減しつつ装着位置精度を確保できる部品実装機を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る作業機器の発明は、基体部材と、前記基体部材に延伸可能に保持され、前記基体部材の基準位置から延伸動作して、位置決めされた作業対象物に作業位置で当接して所定の作業を施す作業部材と、駆動パワーを出力して前記作業部材の延伸動作を駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動パワーを制御することにより、前記作業部材の現在位置および延伸速度の少なくとも一方を可変に制御する作業制御部と、を備えた作業機器であって、前記作業制御部は、前記作業部材が前記基準位置から前記作業位置まで延伸するストローク長さの途中に切替位置を設定し、前記基準位置から前記切替位置までの粗動駆動領域および前記切替位置から前記作業位置までの低速駆動領域を設定する切替設定手段と、前記粗動駆動領域内で前記作業部材の延伸速度を高速に制御しつつ、前記作業部材が延伸動作するときの反力によって前記作業部材および前記基体部材の少なくとも一方に発生する振動を抑制する粗動制御手段と、前記低速駆動領域内で前記作業部材の延伸速度を低速に制御しつつ、前記作業部材が前記所定の作業に適した許容速度以下となってから前記作業位置まで延伸するように制御する低速制御手段と、前記作業部材が前記切替位置を通過するときに、前記作業部材の延伸速度および加速度が滑らかに変化するように調整する切替調整手段とを有する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の作業機器において、前記粗動制御手段は、前記作業部材および前記基体部材の構造に依存して定まる前記振動の固有周波数に基づき、前記駆動部の駆動パワーのうちで前記固有周波数を含んだ周波数成分を選択的に減衰させる制振フィルタ手段を含む。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の作業機器において、前記切替調整手段は、前記作業部材が前記切替位置を通過するときの前記延伸速度および前記加速度を前記粗動制御手段から前記低速制御手段へ受け渡す切替値をあらかじめ設定し、前記粗動制御手段は、前記作業部材が前記切替位置を通過するときの前記延伸速度および前記加速度が前記切替値に一致するように制御する終端状態制御手段またはリニアマトリクスインイコーリティ手段を含む。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機器において、前記切替調整手段は、前記作業部材が前記切替位置を通過するときの前記延伸速度を前記許容速度以下に設定する。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業機器において、前記作業制御部は、前記切替設定手段、前記粗動制御手段、前記低速制御手段、および前記切替調整手段により決定されて、前記作業部材が延伸動作を開始した後の経過時間と前記作業部材の前記現在位置との関係を示す位置指令プロファイル、および、前記経過時間と前記作業部材の前記延伸速度との関係を示す速度指令プロファイルの少なくとも一方をあらかじめ演算して保持し制御に用いる事前演算手段をさらに有する。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の作業機器は、基板を位置決め保持する基板保持装置と、複数の部品を供給する部品供給装置と、前記部品供給装置から前記部品を吸着して保持された基板に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを延伸動作可能に保持するノズルホルダ、および前記装着ノズルの延伸動作を駆動するノズル駆動機構を有する部品移載装置と、を備えた部品実装機であり、前記基体部材は前記ノズルホルダであり、前記作業部材は前記装着ノズルであり、前記駆動部は前記ノズル駆動機構であり、前記所定の作業は、前記作業対象物を前記保持された基板とし、前記作業位置を前記基板の表面として、前記装着ノズルが前記位置決めされた基板の表面に当接して前記部品を装着する部品装着作業である。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の部品実装機において、前記切替設定手段は、前記部品の種類によって異なる部品高さ寸法および前記位置決めされた基板の変形の少なくとも一方に依存して変化する前記ストローク長さを考慮し、前記ストローク長さが最小となるときの作業位置に前記切替位置を設定する。
請求項1に係る作業機器の発明では、作業部材が基準位置から作業位置まで延伸するストローク長さの途中に切替位置を設定して粗動駆動領域と低速駆動領域とに区分し、粗動駆動領域内で作業部材を高速に制御しつつ振動を抑制し、低速駆動領域内で作業部材を低速に制御しつつ許容速度以下となってから作業対象物に当接させ、作業部材が切替位置を通過するときの延伸速度および加速度が滑らかに変化するように調整する。したがって、作業部材の平均的な延伸速度が高速化して、作業時間を短縮化できる。また、作業対象物に当接するときに作業部材の延伸速度は許容速度以下となっているので、衝撃荷重が低減され、所定の作業が適正に行われる。さらに、粗動駆動領域では作業部材の振動が抑制され、加えて、切替位置では延伸速度および加速度が滑らかに変化して発生する反力はわずかであるので、振動の影響を受けずに作業位置精度を確保できる。
請求項2に係る発明では、粗動制御手段は、駆動部の駆動パワーのうちで振動の固有周波数を含んだ周波数成分を選択的に減衰させる制振フィルタ手段を含んでいる。したがって、作業部材を高速で延伸動作させても、固有周波数を含んだ周波数成分の振動が抑制され、振動を顕著に抑制して作業位置精度を一層確実にできる。
請求項3に係る発明では、切替調整手段は切替位置における延伸速度および加速度の切替値をあらかじめ設定し、粗動制御手段は切替値を実現する終端状態制御手段またはリニアマトリクスインイコーリティ手段を含んでいる。したがって、切替位置で制御方法が変更されても延伸速度および加速度が不連続にならずに過大な反力が発生せず、振動を顕著に抑制して作業位置精度を一層確実にできる。
請求項4に係る発明では、切替調整手段は、作業部材が切替位置を通過するときの延伸速度を許容速度以下に設定する。したがって、この後に作業部材が作業対象物に当接するときの延伸速度は必ず許容速度以下となり、確実に衝撃荷重が低減される。
請求項5に係る発明では、事前演算手段は、位置指令プロファイルおよび速度指令プロファイルの少なくとも一方をあらかじめ演算して保持し制御に用いることもできる。これによれば、作業部材が延伸動作を開始した後にプロファイルを求める演算の必要がなく、演算処理に起因した制御の遅れが生じない。また、プロファイルを目標値に設定し、作業部材の位置または速度を実測してフィードバック制御することが容易になる。これにより、高精度な動作制御を行える。
請求項6に係る部品実装機の発明では、装着ノズルによる部品装着作業において顕著な効果が発生する。すなわち、許容される衝撃荷重や位置誤差が従来よりも厳しい低背部品や極薄部品に対しても、粗動駆動領域内での高速延伸動作により部品装着時間を短縮化できる。また、部品が基板に当接するときの衝撃荷重を低減できるので、部品装着作業が適正に行われて、部品を損傷するおそれが生じない。さらには、装着ノズルの振動が抑制されるので、部品の装着位置精度を確保できる。
請求項7に係る発明では、部品高さ寸法および基板の変形の少なくとも一方に依存して変化するストローク長さを考慮し、ストローク長さが最小となるときの作業位置に切替位置を設定する。これにより、最小限の低速駆動領域を確保して、ストローク長さの大部分を粗動駆動領域に設定できるので、装着ノズルの平均的な延伸速度を最大化して部品装着時間を最短化できる。
実施形態の部品実装機の全体構成を示した斜視図である。 実施形態の部品実装機の部品移載装置が部品装着作業に入る直前の状態を模式的に示す側方視図である。 作業制御部の制御機能を表す機能ブロック図である。 位置指令プロファイルを微分して求めた速度指令プロファイルを示した図である。 位置指令部の演算処理内容を示すフローチャートの図である。 3種類の制振フィルタ手段の周波数特性、ならびにそれら全てを組み合わせて使用したときの総合周波数特性を例示した図である。 位置制御部62およびトルク制御部の制振フィルタ手段の効果を確認する基礎実験の方法を説明する波形の図である。 トルク制御部の制振フィルタ手段の作用を例示説明する周波数スペクトル図である。 制振フィルタ手段の効果を確認する基礎実験の結果を示す波形の図である。
本発明の実施形態の部品実装機1について、図1〜図9を参考にして説明する。部品実装機1は、作業部材が延伸動作して作業対象物に当接し所定の作業を施す方式の作業機器の範疇に含まれている。図1は、実施形態の部品実装機1の全体構成を示した斜視図である。図1には共通ベース90上に並設された2台の部品実装機1が示されている。部品実装機1は、基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、部品カメラ5、および図略の制御コンピュータなどが機台91に組み付けられて構成されている(符号は右手前側の部品実装機1のみに付してある)。図1の右上のXYZ座標軸に示されるように、部品実装機1の水平幅方向(図1の紙面左上から右下に向かう方向)をX軸方向、部品実装機1の水平長手方向(図1の紙面右上から左下に向かう方向)をY軸方向、鉛直高さ方向をZ軸方向とする。
基板搬送装置2は、部品実装機1の長手方向の中間辺りに設けられている。基板搬送装置2は、第1搬送装置21および第2搬送装置22が並設された、いわゆるダブルコンベアタイプの装置である。基板搬送装置2は、2枚の基板Kを並行操作してX軸方向に搬入し位置決めし搬出する。第1および第2搬送装置21、22はそれぞれ、機台91上に離隔してX軸方向に平行に並設された一対のコンベアレール(符号略)を有している。各コンベアレールは、搬送経路を形成しており、コンベアベルト(図示省略)が輪転可能に装架されている。コンベアベルトは、輪転することにより載置された基板Kを搬送する。第1および第2搬送装置21、22はそれぞれ、部品実装位置まで搬送された基板Kを機台91側から押し上げて位置決め保持する基板保持装置(図示省略)を有している。
部品供給装置3は、フィーダ方式の装置である。部品供給装置3は、部品実装機1の長手方向の前部(図1の左前側)に設けられている。部品供給装置3は、機台91上に複数のカセット式フィーダ31がX軸方向に並設されて構成されている。各カセット式フィーダ31は、機台91に離脱可能に取り付けられた本体32と、本体32の後部(部品実装機1の前側)に回転可能かつ着脱可能に装着された供給リール33と、本体32の先端(部品実装機1の中央寄り)に設けられた部品供給部34とを備えている。供給リール33は部品を供給する媒体である。供給リール33には、多数の部品を一定の間隔で保持したキャリアテープ(図示省略)が巻回されている。このキャリアテープの先端が部品供給部34まで引き出され、キャリアテープごとに異なる部品が供給される。
部品移載装置4は、X軸方向およびY軸方向に移動可能ないわゆるXYロボットタイプの装置である。部品移載装置4は、部品実装機1の長手方向の後部(図1の右奥側)から前部の部品供給装置3の上方にかけて配設されている。部品移載装置4は、ヘッド駆動機構41(図1では大部分を省略)、部品実装ヘッド45などにより構成されている。ヘッド駆動機構41は、部品実装ヘッド45をX軸方向およびY軸方向に駆動する。
部品実装ヘッド45の下方には、ノズルホルダ46が設けられている。ノズルホルダ46は、負圧を利用して部品を吸着および装着する装着ノズル47を複数個下向きに保持している。部品実装ヘッド45は、Z軸の回りにノズルホルダ46を回転駆動するR軸回転駆動機構(図示省略)を有している。さらに、部品実装ヘッド45は、選択した装着ノズル47をZ軸方向に延伸動作および縮退動作させるZ軸駆動機構49(符号は図3示)、および選択した装着ノズル47をZ軸の回りに回転駆動するθ軸回転駆動機構(図示省略)を有している。Z軸駆動機構49は、駆動源にサーボモータが用いられており、サーボアンプ67(図3示)から出力される駆動電流Iによって駆動される。
部品カメラ5は、部品移載装置4の装着ノズル47が部品を吸着したときの状態を撮像する装置である。部品カメラ5は、部品供給装置3の部品供給部34付近の機台91上に配設されている。図略の制御コンピュータは、基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、および部品カメラ5と通信ケーブルによって接続されている。制御コンピュータは、各装置2〜5から必要な情報を入手して演算や判定などを行い、適宜指令を発して各装置2〜5の動作を制御する。オペレータが制御コンピュータから出力された情報を確認し、さらには必要な操作や設定を行うために、上部のカバー92の前側上部に表示操作装置93が配設されている。
実施形態の部品実装機1において、部品の吸着から装着に至る一連の作業は次のように行われる。すなわち、まず、部品移載装置4のヘッド駆動機構41は、装着する部品Pが供給されるカセット式フィーダ31の部品供給部34の上方まで部品実装ヘッド45を移動する。次に、Z軸駆動機構49が動作して、装着ノズル47は基準位置から下向きに延伸動作する。装着ノズル47は、負圧を利用して下方の吸着部48で部品Pを吸着し、縮退動作して基準位置に戻る。装着ノズル47が縮退動作した後あるいは縮退動作中に、ヘッド駆動機構41は、部品カメラ5の上方まで部品実装ヘッド45を移動する。部品カメラ5は、装着ノズル47が部品を吸着している状態を撮像し、撮像データに基づいて当該の部品を装着してよいか否かを判定する。
殆どの場合は当該の部品を装着してもよく、ヘッド駆動機構41は、位置決めされた基板Kの上方まで部品実装ヘッド45を移動する。次に、部品移載装置4は、部品装着作業に入る。図2は、実施形態の部品実装機1の部品移載装置4が部品装着作業に入る直前の状態を模式的に示す側方視図である。図2では、説明を簡易にするためにノズルホルダ46に保持された複数個の装着ノズル47のうち1個のみが図示されている。装着ノズル47のZ軸方向の位置Zは、基準位置Z0となっている。なお、実施形態の説明では、装着ノズル47の位置Zを吸着している部品Pの下端位置で表す。また、基板Kは変形しておらず、その表面が規定の位置hNに保持された状態が例示されている。図2において、部品Pの下端と基板Kの表面との距離LNがストローク長さLとなる。つまり、装着ノズル47がストローク長さLNだけ下方に延伸動作すると、部品Pが基板Kの表面に当接して装着される。
ノズルホルダ46は本発明の基体部材に相当し、装着ノズル47は本発明の作業部材に相当し、Z軸駆動機構49は本発明の駆動部に相当する。また、部品装着作業は本発明の所定の作業に相当し、基板Kは本発明の作業対象物に相当し、部品Pが基板Kの表面に当接したときの装着ノズル47の位置Zが本発明の作業位置Z2に相当する。
図2で、基板Kに変形が生じていると、例えば、基板Kの上反りで表面は位置hHまで上昇し、基板Kの下反りで表面は位置hLまで下降する。これに対応して、作業位置Z2が変化し、ストローク長さLは最小値LHから最大値LLまで変化する。また、ストローク長さLは、部品Pの部品高さ寸法hPにも依存して変化する。
部品Pが基板Kの表面に当接する際の衝撃荷重の影響を和らげるために、装着ノズル47には図略の弾性構造が採用されている。すなわち、装着ノズル47は、ノズルホルダ46から延伸動作するノズル本体部と、ノズル本体部に弾性部材を介して保持され部品Pを吸着するノズル先端部とで構成されている。このため、Z軸駆動機構49がストローク長さLを超えてノズル本体部を延伸動作させると、部品Pが基板Kに当接した以降は弾性部材が変形する。この作用により、基板Kに過大な荷重は作用せず、破損することはない。
従来技術において、装着作業時間を短縮化するために装着ノズル47の延伸速度を増加させると、大きな加減速が必要になる。すると、装着ノズル47が延伸動作するときの反力により、装着ノズル47およびノズルホルダ46に振動が発生する。ここで、図1に示されるように、装着ノズル47およびノズルホルダ46は、部品実装ヘッド45を介してヘッド駆動機構41に片持ち支持されている。したがって、装着ノズル47は、概ねYZ平面内でピッチング振動する。これにより、装着ノズル47の先端の吸着部48がY軸方向およびZ軸方向に振動してしまい、装着位置精度が低下する。
この装着位置精度の低下を抑制するため、本実施形態では、部品装着作業を制御する制御コンピュータに作業制御部6を設ける。図3は、作業制御部6の制御機能を表す機能ブロック図である。作業制御部6は、Z軸駆動機構49の駆動パワー(トルク)をフィードフォワード制御するとともに、装着ノズル47の現在位置Zを位置指令Zcdと照らし合わせてフィードバック制御する。図示されるように、作業制御部6は、位置指令部61、位置制御部62、トルク制御部63、およびフィードバック制御部64などで構成されている。位置指令部61は、本発明の切替設定手段611、切替調整手段612、および終端状態制御手段613を含んでいる。位置制御部62は、本発明の制振フィルタ手段を含んでいる。トルク制御部63は、トルク変換手段631および本発明の制振フィルタ手段632を含んでいる。
作業制御部6は、装着ノズル47が延伸動作を開始した後の経過時間tと装着ノズル47の現在位置Zとの関係を示す位置指令プロファイルZprを演算によって求め、これを保持して制御に用いる。図4は、位置指令プロファイルZprを微分して求めた速度指令プロファイルを示した図である。速度指令プロファイルは、実際には作業制御部6の制御に用いられないが、制御内容を分かりやすく説明するために例示する。
図4で、横軸は装着ノズル47が延伸動作を開始した後の経過時間tを示し、縦軸は装着ノズル47の延伸速度Vを示している。図4のポイントZ0、Z1、Z2はそれぞれ、図2で装着ノズル47の現在位置Zが基準位置Z0、切替位置Z1、および作業位置Z2であることに対応している(前述したように現在位置Zは部品Pの下端位置で表す)。時刻t0からt1までの間は後述の粗動駆動領域LHに相当し、時刻t1からt2までの間は後述の低速駆動領域LSに相当する。
作業制御部6の位置指令部61は、具体的には図5に示される演算処理手順にしたがって位置指令プロファイルZprを作成する。図5は、位置指令部61の演算処理内容を示すフローチャートの図である。図5のステップS1で、位置指令部61の切替設定手段611は、装着ノズル47が延伸動作するストローク長さL=LLを設定する。このとき、切替設定手段611は、部品Pの部品高さ寸法hPを考慮し、かつストローク長さLが最大値LLになる基板Kの下降した位置hLまでを考慮する。また、切替設定手段611は、ストローク長さLが最小値LHとなるときの作業位置に切替位置を設定する。具体的には、図2で基板Kの上反りの上限の位置hHが切替位置Z1となる。これにより、基準位置Z0から切替位置Z1までの粗動駆動領域LH(最小値LHと同じ)、および切替位置Z1から作業位置Z2までの低速駆動領域LSが設定される。図2には、基板Kの表面が規定の位置hNに保持されたときの低速駆動領域LSが例示されている。
次のステップS2で、位置指令部61は、粗動駆動領域LHで装着ノズル47が延伸動作するときの初期条件および終端条件を設定する。位置指令部61は、装着ノズル47が基準位置Z0から延伸し始めるときの初期条件として、位置Z=基準位置Z0、速度V=0、加速度A=0を設定する。また、位置指令部61の切替調整手段612は、装着ノズル47が切替位置Z1を通過するときの終端条件として、位置Z=切替位置Z1、速度V=低速度VL、加速度A=0を設定する。低速度VLは、部品Pに発生する衝撃荷重が十分に小さく抑制されて部品装着作業に適した速度Vav以下とし、低背部品や極薄部品に対しても許容される速度とする。
次のステップS3で、位置指令部61は、装着ノズル47が粗動駆動領域LHの移動に要する目標移動時間Tmを設定する。ここで、装着ノズル47の延伸動作の制御は、作業制御部6の制御周期Tsの間隔で行われる。したがって、制御ステップ数nを次式で演算することができる。
制御ステップ数n=(目標移動時間Tm/制御周期Ts)
次のステップS4で、位置指令部61の終端状態制御手段613は、粗動駆動領域LHで制御周期Tsごとに必要となるトルク値を演算する。制御周期Ts間隔のn個のトルク値を時系列的に並べたものがトルク指令プロファイルである。終端状態制御手段613は、前述した初期条件、終端条件および制御ステップ数nを満足しかつフィードフォワード制御を行えるトルク指令プロファイルを演算する数学的演算手法である。なお、演算に用いる装着ノズル47の質量(慣性の大きさ)やZ軸駆動機構49のサーボモータの特性などは、あらかじめ終端状態制御手段613に保持されている。
終端状態制御手段613の詳細については、例えば、電気学会論文誌D部門第129巻第9号「終端状態制御によるガルバノスキャナのナノスケールサーボ制御」の論文に開示されている。また、終端状態制御手段613に代えて、類似する別の数学的演算手法である公知のリニアマトリクスインイコーリティ手段(LMI手段、Linear Matrix Inequality 手段)を用いるようにしてもよい。
次のステップS5で、位置指令部61は、得られたトルク指令プロファイルを変換して粗動駆動領域LHの位置指令プロファイルを生成する。この変換演算は、基本的には慣性の除算と2階の時間積分演算によって行う。
次のステップS6で、位置指令部61は、切替位置Z1における速度V=低速度VL、および加速度A=0が滑らかに変化する条件で、低速駆動領域LSで制御周期Tsごとの位置指令を演算する。制御周期Ts間隔の位置指令を時系列的に並べたものが低速駆動領域LSの位置指令プロファイルになる。例えば、低速駆動領域LS内で常に加速度A=0とすれば、装着ノズル47が低速度VLで等速延伸動作を続ける位置指令プロファイルが得られる。
最後のステップS7では、粗動駆動領域LHおよび低速駆動領域LSの位置指令プロファイルをつなぎ合わせて全体の位置指令プロファイルZprを作成する。位置指令部61は、全体の位置指令プロファイルZprを位置制御部62およびトルク制御部63に出力する。位置指令部61は、装着する部品Pが定まった時点で、あらかじめ上述した演算を行って位置指令プロファイルZprを求め保持しておくことができる。つまり、位置指令部61は、本発明の事前演算手段とすることができる。
位置制御部62は、位置指令部61から受け取った位置指令プロファイルZprに基づき、制振フィルタ手段を用いて、制御周期Tsごとに必要となる位置指令Zcdを逐次演算する。位置制御部62の制振フィルタ手段は、装着ノズル47、ノズルホルダ46、および実装ヘッド45などの構造に依存して定まる振動の固有周波数に基づき、位置指令プロファイルZprに含まれる固有周波数を含んだ周波数成分を選択的に減衰させる。振動の固有周波数は、例えば、実測によって求めることができる。制振フィルタ手段は、制御周期Tsごとにフィルタ処理に相当する所定の演算を行って位置指令Zcdを求める。位置指令Zcdは、制御周期Tsごとの制御ステップでフィードバック制御部64の制御目標値となる量である。位置制御部62は、位置指令Zcdを制御周期Tsの間隔で加算器65に出力する。
一方、トルク制御部63は、位置指令部61から受け取った位置指令プロファイルZprに基づいて、トルク変換およびフィードフォワードトルク指令TQ1の生成を行う。まず、トルク制御部63のトルク変換手段631は、位置指令プロファイルZprを変換して制御周期Tsごとのトルクの原指令値を演算する。この変換演算は、基本的には慣性の積算と2階の時間微分演算によって行う。
次に、トルク制御部63の制振フィルタ手段632は、位置制御部62の制振フィルタ手段と同様の演算手法により、Z軸駆動機構49の駆動パワー(トルク)のうちで固有周波数を含んだ周波数成分を選択的に減衰させる。制振フィルタ手段632には、トルク変換手段631から粗動駆動領域LHのトルクの原指令値が時系列的に順番に入力される。制振フィルタ手段632は、制御周期Tsごとにフィルタ処理に相当する所定の演算を行ってフィードフォワードトルク指令TQ1を求め、制御周期Tsごとに加算器66に出力する。したがって、フィードフォワードトルク指令TQ1の時系列的な変化は、トルクの原指令値の時系列な変化にフィルタ処理を施したものとなる。
なお、低速駆動領域LSでも、必要に応じて制振フィルタ手段を用いるようにすることができる。
位置制御部62およびトルク制御部63の制振フィルタ手段632は、具体的には、ディジタル演算方式のノッチフィルタ(帯域除去フィルタ)で実現されている。図6は、3種類の制振フィルタ手段F1〜F3の周波数特性、ならびにそれら全てを組み合わせて使用したときの総合周波数特性Ftotを例示した図である。これらの例に限定されず、前述した振動の固有周波数に合わせて、位置制御部62およびトルク制御部63の制振フィルタ手段632のフィルタ特性を適宜設計することができる。また、制振フィルタ手段632は、ノッチフィルタに限定されず、ローパスフィルタやハイパスフィルタなどを適宜組み合わせて構成してもよい。
図3に戻り、フィードバック制御部64は、位置波形をリアルタイムで高精度に実現するための手段である。図示されるように、Z軸駆動機構49に駆動された装着ノズル47の現在位置Zが実測され、現在位置Zの情報は減算器65の負側端子にフィードバック入力されている。そして、減算器65の正側端子には位置制御部62から出力された位置指令Zcdが入力されている。減算器65は、位置指令Zcdから現在位置Zを減算して位置誤差ΔZを求め、フィードバック制御部64に入力する。
フィードバック制御部64には、例えば、公知の比例積分微分制御や比例積分制御などを用いることができる。フィードバック制御部64は、位置誤差ΔZを低減するフィードバックトルク指令TQ2を演算して加算器66に入力する。また、加算器66には、トルク制御部63からフィードフォワードトルク指令TQ1が入力されている。加算器66は、フィードフォワードトルク指令TQ1とフィードバックトルク指令TQ2とを加算することで、位置誤差ΔZを低減しつつ所望する加速度Aを得るための最終トルク指令TQ3を演算し、サーボアンプ67に入力する。
サーボアンプ67は、あらかじめ設定されたモータ特性を保持している。モータ特性は、Z軸駆動機構49に用いられたサーボモータのトルクと駆動電流との関係を表すものである。サーボアンプ67は、モータ特性に基づいて最終トルク指令TQ3から駆動電流Iを演算し、実際の駆動電流Iをサーボモータに出力する。
図4の速度指令プロファイルに戻り、作業制御部6は、時刻t0に装着ノズル47の基準位置Z0からの延伸動作を開始し、その後は延伸速度Vを急激に加速して高速に制御する。装着ノズル47が切替位置Z1に近づく少し前に、作業制御部6は、装着ノズル47の延伸速度Vを急激に減速して許容速度Vav程度まで減速し、以降は減速を徐々に緩める。これにより、時刻t1に装着ノズル47が切替位置Z1を通過するとき、延伸速度Vは許容速度Vav以下の低速度VLとなる。
また、切替位置Z1において、延伸速度Vを低速度VLで一定とし、加速度Aをゼロにできる。このため、装着ノズル47が切替位置Z1を通過した以降に、延伸速度Vが許容速度Vavを超過することは生じ得ない。したがって、仮に作業位置Z2が基板Kの反ったときの位置hH〜hLの範囲内で変化していても、部品Pが基板Kに当接する時の延伸速度Vは、確実に許容速度Vav以下になる。
本実施形態において、粗動制御手段および低速制御手段は、位置指令部61、位置制御部62、およびトルク制御部63に分散して含まれている。
次に、制振フィルタ手段632の作用および効果について説明する。図7は、位置制御部62およびトルク制御部63の制振フィルタ手段632の効果を確認する基礎実験の方法を説明する波形の図である。図7で、横軸は時間tを示し、縦軸は装着ノズル47の位置Zを示している。基礎実験では、装着ノズル47を基準位置Z0から切替位置Z1まで延伸動作させて停止させる場合を想定して、位置指令部61で位置指令プロファイルW1を作成した。この位置指令プロファイルW1を位置制御部62およびトルク制御部63に入力し、総合周波数特性Ftotを有する制振フィルタ手段632を適用した。
図7の破線のグラフは、位置指令プロファイルW1を示している。また、図7の実線のグラフは、位置制御部62で制振フィルタ手段を適用して求めた位置指令の波形W2を示している。制振フィルタ手段を適用しても、位置指令の波形W2の傾きは位置指令プロファイW1から著変しておらず、切替位置Z1に近づくと少しだけ傾きが緩くなっている。つまり、粗動駆動領域LHで装着ノズル47に指令される延伸速度Vは著変しない。なお、ディジタル演算上で位置指令の波形W2は位置指令プロファイW1よりも時間的に遅れるが、遅延量は小さいため支障ない。
また、図8は、トルク制御部63の制振フィルタ手段632の作用を例示説明する周波数スペクトル図である。図8で、横軸は周波数fを示し、縦軸はトルクの周波数成分の大きさを示している。破線のグラフは、位置指令プロファイルW1を変換したトルクの原指令値が有する周波数スペクトルW3を示している。また、実線のグラフは、制振フィルタ手段632を適用した後のフィードフォワードトルク指令TQ1が有する周波数スペクトルW4を示している。図8の例では、総合周波数特性Ftotの制振フィルタ手段632を適用することで、トルクの原指令値の低周波成分が大きく減衰されている。このように、制振フィルタ手段632では、振動の固有周波数を含んだ周波数成分を選択的に減衰させることができる。
図9は、制振フィルタ手段632の効果を確認する基礎実験の結果を示す波形の図である。図9で、横軸は時間tを示し、縦軸は装着ノズル47の位置Zの実測値を示しており、図7と比較して切替位置Z1付近を拡大している。破線のグラフは、図7の位置指令プロファイW1に基づく位置制御を行ったとき、すなわち制振フィルタ手段632を適用しなかったときの装着ノズル47の位置Zの実測値W5を示している。また、実線のグラフは、図7の位置波形W2に基づく位置制御を行ったとき、すなわち制振フィルタ手段632を適用したときの装着ノズル47の位置Zの実測値W6を示している。
破線のグラフおよび実線のグラフは、時刻t1以降で切替位置Z1を中央として上下に振動している。ここで、実線の実測値W6の振幅は、破線の実測値W5の振幅の半分以下になっている。つまり、制振フィルタ手段632を適用することで、装着ノズル47の振動を抑制できる。
実施形態の部品実装機1では、作業制御部6は、装着ノズル47が基準位置Z0から作業位置Z2まで延伸するストローク長さLNの途中に切替位置Z1を設定して粗動駆動領域LHと低速駆動領域LSとに区分する。さらに、作業制御部6は、粗動駆動領域LH内で装着ノズル47を高速に制御しつつ振動を抑制し、低速駆動領域LS内で装着ノズル47を低速VLに制御しつつ許容速度Vav以下となってから部品Pを基板Kに当接させる。さらに、作業制御部6は、装着ノズル47が切替位置Z1を通過するときの延伸速度Vおよび加速度Aが滑らかに変化するように調整する。したがって、装着ノズル47の平均的な延伸速度が高速化して、部品装着時間を短縮化できる。
また、装着ノズル47が切替位置Z1を通過するときの延伸速度Vが許容速度Vav以下の低速度VLであるので、部品Pが基板Kに当接するときの延伸速度Vは確実に許容速度Vav以下となる。これにより、部品Pに発生する衝撃荷重が低減され、許容される衝撃荷重や位置誤差が従来よりも厳しい低背部品や極薄部品に対しても部品装着作業が適正に行われる。さらに、粗動駆動領域LHでは、制振フィルタ手段632により装着ノズル47の固有周波数を含んだ周波数成分の振動が顕著に抑制される。加えて、切替位置Z1では、延伸速度Vおよび加速度Aが滑らかに変化して発生する反力はわずかであるので、振動の影響を受けずに作業位置精度を一層確実にできる。
また、位置指令プロファイルZprをあらかじめ演算して保持し制御に用いることのできる位置指令部61を備えている。したがって、装着ノズル47が延伸動作を開始した後に位置指令プロファイルZprを求める演算の必要がなく、演算処理に起因した制御の遅れが生じない。また、位置指令プロファイルZprを制御目標値に設定し、装着ノズル47の現在位置Zを実測してフィードバック制御するフィードバック制御部64を備えている。これらの総合的な作用で、高精度な動作制御を行える。
なお、図4に示される速度指令プロファイルは一例であって。速度指令プロファイルや位置指令プロファイルZprには様々な形態を適用できる。また、実施形態で説明した終端制御手段や制振フィルタ手段も、適宜変更することができる。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
1:部品実装機(作業機器)
2:基板搬送装置 3:部品供給装置
4:部品移載装置
41:ヘッド駆動機構 45:部品実装ヘッド
46:ノズルホルダ(基体部材)
47:装着ノズル(作業部材)
49:Z軸駆動機構(駆動部)
5:部品カメラ
6:作業制御部
61:位置指令部(事前演算手段)
611:切替設定手段 612:切替調整手段
613:終端状態制御手段 62:位置制御部
63:トルク制御部 631:トルク変換手段
632:制振フィルタ手段 64:フィードバック制御部
67:サーボアンプ
K:基板(作業対象物) P:部品
Z0:基準位置 Z1:切替位置 Z2:作業位置
LN、LL:ストローク長さ
LH:粗動駆動領域 LS:低速駆動領域

Claims (7)

  1. 基体部材と、
    前記基体部材に延伸可能に保持され、前記基体部材の基準位置から延伸動作して、位置決めされた作業対象物に作業位置で当接して所定の作業を施す作業部材と、
    駆動パワーを出力して前記作業部材の延伸動作を駆動する駆動部と、
    前記駆動部の駆動パワーを制御することにより、前記作業部材の現在位置および延伸速度の少なくとも一方を可変に制御する作業制御部と、を備えた作業機器であって、
    前記作業制御部は、
    前記作業部材が前記基準位置から前記作業位置まで延伸するストローク長さの途中に切替位置を設定し、前記基準位置から前記切替位置までの粗動駆動領域および前記切替位置から前記作業位置までの低速駆動領域を設定する切替設定手段と、
    前記粗動駆動領域内で前記作業部材の延伸速度を高速に制御しつつ、前記作業部材が延伸動作するときの反力によって前記作業部材および前記基体部材の少なくとも一方に発生する振動を抑制する粗動制御手段と、
    前記低速駆動領域内で前記作業部材の延伸速度を低速に制御しつつ、前記作業部材が前記所定の作業に適した許容速度以下となってから前記作業位置まで延伸するように制御する低速制御手段と、
    前記作業部材が前記切替位置を通過するときに、前記作業部材の延伸速度および加速度が滑らかに変化するように調整する切替調整手段とを有する作業機器。
  2. 請求項1に記載の作業機器において、
    前記粗動制御手段は、前記作業部材および前記基体部材の構造に依存して定まる前記振動の固有周波数に基づき、前記駆動部の駆動パワーのうちで前記固有周波数を含んだ周波数成分を選択的に減衰させる制振フィルタ手段を含む作業機器。
  3. 請求項1または2に記載の作業機器において、
    前記切替調整手段は、前記作業部材が前記切替位置を通過するときの前記延伸速度および前記加速度を前記粗動制御手段から前記低速制御手段へ受け渡す切替値をあらかじめ設定し、
    前記粗動制御手段は、前記作業部材が前記切替位置を通過するときの前記延伸速度および前記加速度が前記切替値に一致するように制御する終端状態制御手段またはリニアマトリクスインイコーリティ手段を含む作業機器。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機器において、
    前記切替調整手段は、前記作業部材が前記切替位置を通過するときの前記延伸速度を前記許容速度以下に設定する作業機器。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業機器において、
    前記作業制御部は、前記切替設定手段、前記粗動制御手段、前記低速制御手段、および前記切替調整手段により決定されて、前記作業部材が延伸動作を開始した後の経過時間と前記作業部材の前記現在位置との関係を示す位置指令プロファイル、および、前記経過時間と前記作業部材の前記延伸速度との関係を示す速度指令プロファイルの少なくとも一方をあらかじめ演算して保持し制御に用いる事前演算手段をさらに有する作業機器。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の作業機器は、基板を位置決め保持する基板保持装置と、複数の部品を供給する部品供給装置と、前記部品供給装置から前記部品を吸着して保持された基板に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを延伸動作可能に保持するノズルホルダ、および前記装着ノズルの延伸動作を駆動するノズル駆動機構を有する部品移載装置と、を備えた部品実装機であり、
    前記基体部材は前記ノズルホルダであり、前記作業部材は前記装着ノズルであり、前記駆動部は前記ノズル駆動機構であり、
    前記所定の作業は、前記作業対象物を前記保持された基板とし、前記作業位置を前記基板の表面として、前記装着ノズルが前記位置決めされた基板の表面に当接して前記部品を装着する部品装着作業である部品実装機。
  7. 請求項6に記載の部品実装機において、
    前記切替設定手段は、前記部品の種類によって異なる部品高さ寸法および前記位置決めされた基板の変形の少なくとも一方に依存して変化する前記ストローク長さを考慮し、前記ストローク長さが最小となるときの作業位置に前記切替位置を設定する部品実装機。
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