以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(部品実装装置の構成)
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板PをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Pに部品31を実装する部品実装装置である。図1に示すように、部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識カメラ7と、制御部8(図2参照)とを備えている。
図1に示すように、一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板PをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2は、搬送中の基板Pを実装作業位置Mで停止させた状態で保持するように構成されている。また、一対のコンベア2は、基板Pの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
部品供給部3は、部品31を供給するように構成されている。具体的には、部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、複数のテープフィーダ3aが配置されている。つまり、部品31は、部品供給部3に配置されたテープフィーダ3aからヘッドユニット4に供給される。なお、テープフィーダ3aは、特許請求の範囲の「部品供給装置」の一例である。
テープフィーダ3aは、部品31を送り出して部品31を部品取り出し位置に供給するように構成されている。具体的には、テープフィーダ3aは、部品31を保持するテープ3bを送り出して部品31を部品取り出し位置に供給するように構成されている。具体的には、テープフィーダ3aは、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープ3b(図2参照)が巻き付けられたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ3aは、部品31を保持するテープ3bを送出することにより、テープフィーダ3aの先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサ、コイルおよび抵抗などの電子部品を含んでいる。複数のテープフィーダ3aは、台車30を介して部品実装装置100に接続されている。また、テープフィーダ3aは、テープ3bに設けられたカバーテープを剥離して部品31を露出させるように構成されている。具体的には、テープフィーダ3aは、部品取り出し位置に部品31が供給される際に供給する部品31を覆うカバーテープを剥離させるように構成されている。
テープフィーダ3aは、図2に示すように、モータ32と、エンコーダ33と、通信部34とを含んでいる。モータ32は、テープ3b(部品31)を送るように構成されている。具体的には、モータ32は、ギアを介してスプロケットを回転させるように構成されている。モータ32により回転されるスプロケットは、テープ3bに設けられた孔に係合し、回転することにより、テープ3b(部品31)を送るように構成されている。エンコーダ33は、モータ32の駆動位置を検出するように構成されている。つまり、エンコーダ33によりモータ32の駆動位置を検出することにより、テープ3b(部品31)の送り位置情報を取得することが可能である。なお、エンコーダ33は、特許請求の範囲の「位置検出部」の一例である。また、通信部34は、特許請求の範囲の「第1通信部」の一例である。
通信部34は、台車30に設けられたフィーダバンク基板30aを介して、制御部8に信号を送信するように構成されている。また、通信部34は、フィーダバンク基板30aを介して、制御部8から信号を受信するように構成されている。通信部34は、エンコーダ33により検出したモータ32の駆動位置に基づくテープ3b(部品31)の送り位置情報を制御部8に送信するように構成されている。また、通信部34は、制御部8から送信される送り指令信号を受信するように構成されている。また、通信部34は、制御部8からの送り指令信号に対してREADY信号を制御部8に送信するように構成されている。つまり、テープフィーダ3aは、制御部8からの送り指令に基づいて、テープ3b(部品31)を送り出すように構成されている。また、制御部8は、READY信号に基づいて、実装ヘッド42を部品取り出し位置に向けて下降を開始させる制御を行うように構成されている。なお、フィーダバンク基板30aは、特許請求の範囲の「第2通信部」の一例である。
図1に示すように、ヘッドユニット4は、部品31が装着される基板Pに対して作業を行うように構成されている。具体的には、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。また、図2に示すように、ヘッドユニット4は、エジェクタ44と、Z軸モータ45と、R軸モータ46と、ロータリ軸モータ47とを含んでいる。
実装ヘッド42は、基板Pに部品31を実装するように構成されている。つまり、実装ヘッド42は、部品取り出し位置の部品31を取り出して基板Pに実装するように構成されている。実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、エジェクタ44(図2参照)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、部品供給部3のテープフィーダ3aから供給される部品31を吸着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、部品実装装置100の外部から供給される正圧によりノズル41の先端部に発生された正圧によって、基板Pにおける装着位置に部品31を装着(実装)する作業を行うように構成されている。なお、負圧とは、実装ヘッド42の雰囲気(周辺)の空気圧より低い空気圧のことであり、部品31を吸着するのに十分な空気圧である。また、正圧とは、実装ヘッド42の雰囲気(周辺)の空気圧より高い空気圧のことである。
複数の実装ヘッド42は、円周状に配置されている。また、複数の実装ヘッド42は、上下方向に延びるロータリ軸線回りに回転されるように構成されている。つまり、複数の実装ヘッド42は、ロータリ式である。また、複数の実装ヘッド42は、部品31を吸着または装着する吸装着位置に対して回転して移動されるように構成されている。
基板認識カメラ43は、認識対象としての基板Pを撮像可能に構成されている。具体的には、基板認識カメラ43は、図1に示すように、基板Pの位置を認識するために、基板PのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Pにおける部品31の装着位置を正確に取得することが可能である。また、基板認識カメラ43の近傍には、照明(図示せず)が設けられている。照明は、基板認識カメラ43の撮像時に光(可視光や赤外光など)を基板Pに照射するように構成されている。これにより、基板認識カメラ43により基板Pを鮮明に撮像することが可能である。
また、基板認識カメラ43は、部品供給部3の部品31が供給される位置を撮像可能に構成されている。具体的には、基板認識カメラ43は、テープフィーダ3aの部品取り出し位置を撮像可能に構成されている。これにより、テープフィーダ3aにより供給される部品31の状態を取得することが可能である。
エジェクタ44は、実装ヘッド42に負圧を供給するように構成されている。具体的には、エジェクタ44は、実装ヘッド42により部品31を吸着する動作の際に実装ヘッド42に負圧を供給するように構成されている。また、エジェクタ44は、実装ヘッド42により部品31を搬送する動作の際に実装ヘッド42により部品31を保持するための負圧を供給するように構成されている。また、エジェクタ44は、実装ヘッド42により部品31を基板Pに装着する動作の際に実装ヘッド42により部品31を保持するための負圧を供給するように構成されている。また、エジェクタ44は、ヘッドユニット4に設けられている。これにより、負圧を供給する装置を、ヘッドユニット4に設けることができるので、ヘッドユニット4の外部に設ける場合に比べて、負圧を供給する配管を簡素化することが可能である。
Z軸モータ45は、実装ヘッド42を上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。具体的には、Z軸モータ45は、ヘッドユニット4において吸装着位置に位置する実装ヘッド42を上下方向に移動させるように構成されている。つまり、実装ヘッド42は、ヘッドユニット4において吸装着位置に回転移動されることにより上下移動が可能となる。また、Z軸モータ45は、吸装着位置に位置する実装ヘッド42を上下方向に移動させるので、複数の実装ヘッド42の各々に設ける必要がない。
R軸モータ46は、実装ヘッド42を上下方向に延びる軸線を中心に回転させるように構成されている。これにより、実装ヘッド42に吸着された部品31の水平方向の向きを調整することが可能である。R軸モータ46は、複数の実装ヘッド42を連動して回転させるように構成されている。これにより、複数の実装ヘッド42毎にR軸モータ46を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することが可能である。
ロータリ軸モータ47は、複数の実装ヘッド42を、上下方向に延びるロータリ軸線回りに回転させるように構成されている。
支持部5は、図1および図2に示すように、X軸モータ51を含んでいる。支持部5は、図1に示すように、X軸モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、Y軸モータ61を含んでいる。レール部6は、Y軸モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4はXY方向に移動可能である。
部品認識カメラ7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識カメラ7は、部品31を撮像可能に構成されている。具体的には、部品認識カメラ7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識カメラ7は、部品31の基板Pへの装着に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。また、部品認識カメラ7の近傍には、照明(図示せず)が設けられている。照明は、部品認識カメラ7の撮像時に光(可視光や赤外光など)をノズル41に吸着された部品31に照射するように構成されている。これにより、部品認識カメラ7によりノズル41に吸着された部品31を鮮明に撮像することが可能である。
制御部8は、CPU(セントラルプロセッシングユニット)と、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)などの記憶部とを含んでいる。制御部8は、一対のコンベア2による基板Pの搬送動作、ヘッドユニット4により部品31を吸着してから基板Pに装着するまでの実装動作、基板認識カメラ43や部品認識カメラ7による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部8は、実装動作を行うプログラムに基づいて、実装動作を制御するように構成されている。たとえば、制御部8は、X軸モータ51、Y軸モータ61を駆動させて、ヘッドユニット4を水平方向に移動させる制御を行うように構成されている。また、制御部8は、Z軸モータ45を駆動させて、実装ヘッド42の昇降移動を制御するように構成されている。また、制御部8は、R軸モータ46を駆動させて、実装ヘッド42を、上下方向(Z方向)の軸線回りに回転させるように構成されている。また、制御部8は、ロータリ軸モータ47を駆動させて、複数の実装ヘッド42をロータリ軸線回りに回転させるように構成されている。また、制御部8は、エジェクタ44のエア圧(負圧)を制御するように構成されている。また、制御部8は、テープフィーダ3aに送り指令を送信して、テープフィーダ3aによるテープ3bの送り(部品31の供給)を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態では、制御部8は、テープフィーダ3aのテープ3b(部品31)の送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42(ノズル41)を部品取り出し位置に下降させる制御を行うように構成されている。つまり、制御部8は、テープフィーダ3aが取得している送り位置情報(現在位置情報)をリアルタイムに取得し、1回の吸着動作内において、送り位置情報を参照しながら、実装ヘッド42の下降タイミングを動的に変更する制御を行う。また、制御部8は、テープフィーダ3a側の部品31の送り完了と同時に実装ヘッド42を下降端に到着させる制御を行う。また、制御部8は、送り位置情報を参照しながら、吸着のためのノズル41先端の負圧発生のタイミングも動的に変更する制御を行う。言い換えると、制御部8は、実装ヘッド42の下降動作と、テープフィーダ3aの部品送り動作とを同期させている。たとえば、同じテープフィーダ3aから連続して部品31を供給する場合に、上記のような制御が行われる。
また、制御部8は、送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させるタイミング、および、実装ヘッド42に負圧を供給するタイミングを動的に決定するように構成されている。具体的には、制御部8は、送り位置情報に基づいて、Z軸モータ45の駆動を制御して、実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させるタイミングが、部品31が部品取り出し位置に到達した直後となるように制御する。また、制御部8は、送り位置情報に基づいて、エジェクタ44の駆動を制御して、負圧を供給するタイミングを制御する。
また、制御部8は、送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42を下降途中において、加速、一定速または減速させて下降させる制御を行うように構成されている。つまり、制御部8は、テープ3bの送り完了の予想時刻に合わせて、実装ヘッド42を下降させる高さの通過時刻を変更する制御を行う。具体的には、図4に示す、部品吸着動作の第1動作例のように、制御部8は、実装ヘッド42の下降途中に、テープフィーダ3aによる部品31の送りが遅れている場合に、実装ヘッド42の下降速度を減速させる制御を行う。また、制御部8は、実装ヘッド42の下降途中に、テープフィーダ3aによる部品31の送りが遅れている場合に、例えば、通常であれば、加速する場合でも、実装ヘッド42の下降速度を一定速度に保つ制御を行う。また、制御部8は、実装ヘッド42の下降途中に、テープフィーダ3aによる部品31の送りが早くなる場合に、実装ヘッド42の下降速度を加速させる制御を行う。また、制御部8は、テープフィーダ3aによる部品31の送りが遅れている場合に、負圧をONにするタイミングも遅延させる制御を行う。
部品取り出し位置への実装ヘッド42の上下方向移動(Z軸移動)の到着時間を遅らせるためには、たとえば、(1)〜(3)のいずれかの制御が行われる。
(1)本来加速する時間帯に、加速度を小さくする/一定速/減速/停止の少なくとも1つの制御を行う。
(2)本来一定速の時間帯に、減速する/停止の少なくとも1つの制御を行う。
(3)本来減速する時間帯に、さらに急減速する/停止の少なくとも1つの制御を行う。
また、制御部8は、送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42を、高さ方向(Z方向)において、下降途中の所定の位置に停止させ、テープフィーダ3aのテープ3bの送り完了時に実装ヘッド42を所定の位置から部品取り出し位置に下降させる制御を行うように構成されている。具体的には、図5に示す、部品吸着動作の第2動作例のように、制御部8は、実装ヘッド42の下降途中に、テープフィーダ3aによる部品31の送りが遅れている場合に、実装ヘッド42を下降途中の所定の位置に停止させる制御を行う。制御部8は、実装ヘッド42のノズル41の先端が、テープフィーダ3aのテープ3bの送りに干渉しないで、かつ、部品取り出し位置に近い位置において、実装ヘッド42を停止させる。たとえば、制御部8は、実装ヘッド42のノズル41の先端が、部品取り出し位置(テープ3bの上面)から2mm〜3mm程上の位置になるように、実装ヘッド42を停止させる。そして、制御部8は、テープフィーダ3aのテープ3bの送りが完了後、実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させる制御を行う。また、制御部8は、テープフィーダ3aによる部品31の送りが遅れている場合に、負圧をONにするタイミングも遅延させる制御を行う。
また、送り位置情報は、フィードバックパルスまたはシリアルデータ通信により送信されるように構成されている。送り位置情報は、テープフィーダ3aと制御部8とが通信するための通信方法と同様の通信方法により通信を行うことが好ましい。図3に示すように、テープフィーダ3aと、制御部8とは、テープ3b(部品31)を送るトリガとして送り指令信号が送受信される。そして、テープフィーダ3aと、制御部8とは、実装ヘッド42を下降開始させるトリガとしてREADY信号が送受信される。送り位置情報の信号も、送り指令信号およびREADY信号と同様の通信方法により送受信されることが好ましい。また、送り指令と、送り位置情報とのデータ通信は、共通の配線により通信されるように構成されている。
また、複数のテープフィーダ3aの各々の通信部34から送信される送り位置情報は、統合されて制御部8に送信されるように構成されている。具体的には、図3に示すように、複数のテープフィーダ3aの各々の通信部34により送受信される信号は、台車30のフィーダバンク基板30aに送受信される。フィーダバンク基板30aは、各々の通信部34から受信した信号を統合して、端子30bおよびIO通信線81を介して制御部8に送信する。フィーダバンク基板30aは、制御部8とIO通信により通信可能に接続されている。フィーダバンク基板30aは、通信部34から受信した信号をIO通信に適した信号に変換して制御部8に送信するとともに、制御部8から受信した信号を通信部34との通信に適した信号に変換して通信部34に送信する。
ここで、テープフィーダ3aによるテープ3bの送り時間は、一定ではなくバラつくことがある。たとえば、送り時間は、±5%程度の時間分だけバラつく。この場合、確実に部品31を吸着するためには、常に最も遅くなる時間に合わせて実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させることが考えられる。しかし、この場合、早くなる時間により部品31が送られた場合でも、実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させるタイミングを遅くするため、吸着動作に要する時間が長くなってしまう。本実施形態では、図6に示すように、制御部8は、テープフィーダ3aによるテープ3bの送りに合わせて、実装ヘッド42の下降するタイミングを制御する。つまり、制御部8は、テープフィーダ3aによるテープ3bの送りが早い場合は、実装ヘッド42の下降を開始するタイミングを早くする制御を行う。この場合、制御部8は、負圧をONにするタイミングも早くする制御を行う。一方、制御部8は、テープフィーダ3aによるテープ3bの送りが遅い場合は、実装ヘッド42の下降を開始するタイミングを遅くする制御を行う。この場合、制御部8は、負圧をONにするタイミングも遅くする制御を行う。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、テープフィーダ3aのテープ3b(部品31)の送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させる制御を行う制御部8を設ける。これにより、テープフィーダ3aによる部品31の供給に合わせて実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させることができるので、吸着動作に要する時間を短縮することができる。これにより、テープフィーダ3aから供給される部品31の取り出し時間間隔を短縮することができる。また、何らかの要因によりテープフィーダ3aによる部品31の送り出しが遅れた場合には、テープ3b(部品31)の送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42の部品取り出し位置への下降を遅らせることができるので、吸着ミスの発生を抑制することができる。これらの結果、テープフィーダ3aから供給される部品31の取り出し時間間隔を短縮しながら、より確実に実装ヘッド42により部品31を吸着することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部8を、送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42を下降途中において、加速、一定速または減速させて下降させる制御を行うように構成する。これにより、テープフィーダ3aにより部品31を部品取り出し位置に供給されるのに合わせて、実装ヘッド42をタイミング良く部品取り出し位置に下降させることができるので、吸着ミスの発生を抑制しつつ、部品31の取り出し時間を効果的に短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部8を、送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42を下降途中の所定の位置に停止させ、テープフィーダ3aのテープ3bの送り完了時に実装ヘッド42を所定の位置から部品取り出し位置に下降させる制御を行うように構成する。これにより、テープフィーダ3aにより部品31が部品取り出し位置に送られる前に、実装ヘッド42が部品取り出し位置まで下降されるのを確実に抑制することができるので、吸着ミスの発生を確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部8を、送り位置情報に基づいて、実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させるタイミング、および、実装ヘッド42に負圧を供給するタイミングを動的に決定するように構成する。これにより、テープフィーダ3aによるテープ3b(部品31)の送り位置情報をリアルタイムに取得して、実装ヘッド42を部品取り出し位置に下降させることができる。また、実装ヘッド42が部品31の吸着に適した高さ位置に位置する適切なタイミングで実装ヘッド42に負圧を供給することができるので、さらに確実に実装ヘッド42により部品31を吸着することができる。
また、本実施形態では、上記のように、送り位置情報を、フィードバックパルスまたはシリアルデータ通信により送信するように構成する。これにより、送り位置情報を、フィードバックパルスまたはシリアルデータ通信により速やかに制御部8に伝えることができるので、制御部8により実装ヘッド42の下降動作を遅滞なく制御することができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ3aを、制御部8からの送り指令に基づいて、テープ3b(部品31)を送り出すように構成し、送り指令と、送り位置情報とのデータ通信を、共通の配線により通信するように構成する。これにより、送り位置情報を通信するための配線を別途設ける必要がないので、装置構成を簡素化するとともに、部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ3aに、テープ3b(部品31)を送るモータ32と、モータ32の駆動位置を検出するエンコーダ33と、エンコーダ33により検出したモータ32の駆動位置に基づく送り位置情報を制御部8に送信する通信部34と、を設ける。これにより、モータ32の駆動位置に基づいて容易に送り位置情報を取得することができるとともに、取得した送り位置情報を通信部34により容易に制御部8に送信することができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ3aを、複数設け、複数のテープフィーダ3aの各々の通信部34から送信される送り位置情報を統合して制御部8に送信するフィーダバンク基板30aを設ける。これにより、複数のテープフィーダ3aの送り位置情報を個々に制御部8に送信する場合に比べて、配線の数を減らすことができるとともに、フィーダバンク基板30aから制御部8への送信の制御を簡素化することができる。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、実装ヘッドが円周状に複数設けられたいわゆるロータリー式のヘッドユニットを備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の実装ヘッドが直線状に1列または複数列設けられたいわゆるインライン式のヘッドユニットを設けてもよい。
また、上記実施形態では、部品供給装置としてテープフィーダを用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、テープフィーダの代わりに、または、テープフィーダに加えて、バルクフィーダなどの部品供給装置を用いて部品を供給してもよい。
また、上記実施形態では、部品供給部にテープを保持したテープフィーダが配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、テープフィーダに加えて、部品供給部に部品が載置されたトレイを配置してもよい。
また、上記実施形態では、ヘッドユニットが1つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘッドユニットを複数設けてもよい。また、1つのヘッドユニットに複数のロータリを設けてもよい。
また、上記実施形態では、基板を搬送するコンベアが一対設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板を搬送するコンベアが複数対設けられていてもよい。たとえば、並行して基板を搬送可能であり、並行して基板に部品を実装可能な部品実装装置に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、テープを送るモータの駆動をエンコーダにより検出して送り位置情報を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エンコーダ以外の位置検出部によりモータの駆動を検出してもよい。また、スプロケットの駆動を検出して、送り位置情報を取得してもよい。また、スプロケットとモータがそれぞれ複数ある場合に、部品取り出し位置に最も近いスプロケットを駆動するモータの駆動、または、スプロケットの駆動を検出して、送り位置情報を取得してもよい。また、部品取り出し位置を撮像して得られる画像に基づいて、送り位置情報を取得してもよい。また、テープの送りを検知するセンサを設けて、センサの検知結果に基づいて、送り位置情報を取得してもよい。
また、上記実施形態では、エジェクタにより実装ヘッド(ノズル)に負圧を供給する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エジェクタを設けずに、真空源から負圧をバルブを介して実装ヘッド(ノズル)に供給する構成でもよい。