JP5979109B2 - 非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法 - Google Patents

非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)あるいは電気自動車(EV)等の用途に利用されている。
非水電解質二次電池は、一対の電極である正極および負極と、これらの間を絶縁するセパレータと、非水電解質とを備える。
非水電解質二次電池用の電極(正極または負極)の構造としては、集電体とその上に形成された電極活物質層(正極活物質層または負極活物質層)とを含む積層構造が知られている。
正極活物質層は例えば、リチウム含有複合酸化物等の正極活物質と炭素粉末等の導電助剤とポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の分散媒とを含むペーストをアルミニウム箔等の集電体上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、形成される。
負極活物質層は例えば、黒鉛等の負極活物質と変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)等の結着剤とカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC)等の増粘剤と水等の分散媒とを含むペーストを銅箔等の集電体上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、形成される。
通常、上記の電極用ペーストは、活物質と他の固形分とを混合した後、得られた混合粉体とNMPあるいは水等の分散媒とを合わせて混練することで、製造される。
混合粉体と分散媒との混練には通常、スクリューとパドルとを備えた連続式二軸混練機が使用される。
通常、混合粉体は、分散媒の一部と共に強いせん断力で固練りされた後、追加の分散媒によって希釈練りされる。
固練り工程において、活物質が粉体状態あるいはそれに近い状態で混練機から強いせん断応力を受ける時間が長くなると、活物質の欠けあるいは割れが生じてしまう恐れがある。活物質の欠けあるいは割れは、電池セルの耐久性低下等につながり、好ましくない。
従来は、活物質の欠けあるいは割れを抑制するために、活物質を含む混合粉末と固練り用の分散媒との投入タイミングを合わせ、これらの投入速度を制限している。しかしながら、材料の投入速度を小さくすれば、製造効率が低下し、製造コストが増加してしまう。
製造効率の向上および製造コストの低減のために材料の投入速度を大きくすれば、活物質の湿潤化に時間がかかり、活物質が粉体状態あるいはそれに近い状態で混練機からせん断応力を受ける時間が長くなり、活物質の欠けあるいは割れが生じやすくなる。
特許文献1には、正極混練物を搬送方向と逆方向に戻すパドルを有する連続式二軸混練機を用い、混練時の固形分濃度を90〜98質量%にすることにより、混練物に高せん断力を付与し、正極活物質表面に導電助剤を均一に接着させ、電池を高容量化する、正極用ペーストの製造方法が開示されている(要約書)。
特開2005-222772号公報
特許文献1では、粉体供給ユニット(1)および結着剤溶液供給ユニット(2)と溶媒供給ユニット(3)との間に混練部を有する混練機が用いられている(図1)。この混練機では、粉体に溶媒が供給されるのは、混練部における混練を終えた後である。混練時の固形分濃度は90〜98質量%と高く設定されている。そのため、この方法では、活物質が粉体状態あるいはそれに近い状態で混練機からせん断応力を受ける時間が長く、活物質の欠けあるいは割れが生じやすい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、活物質の欠けあるいは割れを安定的に抑制することが可能な非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法は、
活物質を含む粉体が投入される粉体投入口と分散媒が投入される分散媒投入口とを備えた固練り部と、前記分散媒が追加投入される分散媒投入口を備えた希釈練り部とを有するバレルと、
前記バレルの内部に設けられ、前記バレルの内部に投入された材料を混練する複数のパドルを含むパドル部と、
前記バレルの内部に設けられ、前記バレルの内部に投入された材料を前記パドル部に供給するスクリューとを備えた連続式二軸混練機を用いて、
前記粉体と前記分散媒とを混練する、
非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法であって、
前記バレル内部の初期パドル部における前記粉体の充填率を80%以下に制御するものである。
本発明の非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法においては、
前記初期パドル部における前記粉体の充填率が80%以下になるように、前記粉体の投入速度と前記初期パドル部の容量とを決定することができる。
ここで、
前記初期パドル部の容量をX(L)とし、前記粉体の投入速度をY(g/s)としたとき、
Y≦50.37X+0.3を充足するように、前記粉体の投入速度と前記初期パドル部の容量とを決定することが好ましい。
本明細書における、「初期パドル部」と「初期パドル部内における粉体の充填率」の定義については、後述する。
本発明によれば、活物質の欠けあるいは割れを安定的に抑制することが可能な非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法を提供することができる。
非水電解質二次電池の構成例を示す模式全体図である。 図1の非水電解質二次電池における電極積層体の模式断面図である。 図1の非水電解質二次電池における電極の構造を示す模式断面図である。 連続式二軸混練機の一構成例を示す模式側面図である。 [実施例]において、混合粉体の投入速度とペーストの黒色度との関係を示すグラフである。 [実施例]において、初期パドル部容量と粉体投入速度と初期パドル部の充填率との関係を示すグラフである。
「非水電解質二次電池」
図1〜図3に、非水電解質二次電池の構成例を示す。図1は模式全体図、図2は電極積層体の模式断面図、図3は電極の模式断面図である。
図1に示す非水電解質二次電池1は、外装体(電池容器)11内に、電極積層体30と非水電解質(符号略)とが収容されたものである。
図2に示すように、電極積層体30は、正極21と負極22とがこれらを絶縁するセパレータ31を介して積層されたものである。
外装体11の外面には、外部接続用の2個の外部端子(プラス端子及びマイナス端子)12が設けられている。
図3に示すように、電極20(正極21または負極22)は、集電体20A上に電極活物質層20Bが形成されたものである。電極活物質層20Bは、集電体20Aの片面または両面に設けられる。図3は、集電体20Aの片面に電極活物質層20Bを設けた例を示している。
正極活物質層は例えば、リチウム含有複合酸化物等の正極活物質と炭素粉末等の導電助剤とポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の分散媒とを含むペーストをアルミニウム箔等の集電体上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、形成される。
負極活物質層は例えば、黒鉛等の負極活物質と変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)等の結着剤とカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC)等の増粘剤と水等の分散媒とを含むペーストを銅箔等の集電体上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、形成される。
本発明は、非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法に関する。
本発明は、正極用ペーストおよび負極用ペーストのいずれにも適用可能である。
本発明の電極用ペーストの製造方法では、連続式二軸混練機を用いて、活物質を含む粉体とNMPまたは水等の分散媒とを混練する。
図4に、連続式二軸混練機の一構成例を示す。
この図は模式側面図であり、バレルの一部を外して内部を視認しやすく露出させた図である。縮尺等は実際のものとは異ならせてある。
図4に示す連続式二軸混練機100は、
活物質を含む粉体が投入される粉体投入口と分散媒が投入される分散媒投入口とを備えた固練り部と、分散媒が追加投入される分散媒投入口を備えた希釈練り部とを有するバレル110を備えている。
バレル110には、その内部を貫通して回転自在に設けられた2本の回転軸120が設けられている。
上記2本の回転軸120には、螺旋状に形成された複数のスクリューSと、中央部に開口を有する略三角形状の羽を有する複数のパドルPと、中央部に開口を有する略円形状の羽を有する複数の仕切り部材Rとが設けられている。
図中、混練機100の上方に記載された図示左方から図示右方に向かう矢印は、材料の流下方向を示している。
図示例の混練機100では、材料の流下方向に向かって、
スクリューSを含む第1のスクリュー部130a、
交互に配置された複数のパドルPと複数の仕切り部材Rとを含む第1のパドル部140a、
スクリューSを含む第2のスクリュー部130b、
交互に配置された複数のパドルPと複数の仕切り部材Rとを含む第2のパドル部140b、
スクリューSを含む第3のスクリュー部130c、
交互に配置された複数のパドルPと複数の仕切り部材Rとを含む第3のパドル部140c、
および、
スクリューSを含む第4のスクリュー部130dの順で配置されている。
上記複数のスクリュー部140a〜140dのうち、最後尾の第4のスクリュー部130dにおけるスクリューSは、材料の送り方向が他のスクリューSとは逆のいわゆる「逆スクリュー」である。
上記のスクリューS、パドルP、および仕切り部材Rの形状等は、一般に連続式二軸混練機に用いられるものと同様である。
スクリュー部およびパドル部の数等は、適宜設計変更可能である。
混練機100では、スクリューSがパドル部130a〜130cに材料を供給し、パドル部130a〜130c内でバレル110の内部に投入された材料が混練される。
パドル部130a〜130cにおいて、材料の混練は主に複数のパドルPが担う。仕切り部材Rは回転軸120の回動に合わせて回動するが、材料にせん断力は与えず、混練にはほとんど寄与しない。
ここでは例として、負極用ペーストの混練機について、材料の投入箇所と電極用ペーストの排出箇所について、説明する。
負極用ペーストの混練機では、活物質と増粘剤とを含む混合粉体が投入される粉体投入口と、分散媒が投入される分散媒投入口と、結着剤溶液が投入される結着剤投入口とが設けられる。
図4においては、各材料の投入口と電極用ペーストの排出口について詳細な図示は省略する代わりに、材料の投入箇所および投入方向と電極用ペーストの排出箇所および排出方向を矢印で示してある。各材料の投入口と投入機構、および電極用ペーストの排出口と排出機構については、公知の混練機と同様である。
図中、符号Powは活物質を含む粉体、符号Wは分散媒、符号SBRは結着剤溶液、符号Paは電極用ペーストを示している。
なお、この例では、分散媒投入口および結着剤溶液投入口には、材料をストレートに噴射する一般的なノズルが設けられている。
図4に示す例では、活物質と増粘剤とを含む混合粉体は第1のスクリュー部130aの相対的に上流側の位置に投入され、分散媒は第1のスクリュー部130aの相対的に下流側の位置と第2のスクリュー部130bに投入され、結着剤溶液は第3のスクリュー部130cに投入される。
第1のスクリュー部130aに投入された混合粉体と分散媒は、第2のスクリュー部130bから分散媒が追加投入されるまでの間の部分で固練りされる。すなわち、図4では、1回目の分散媒(W)の投入箇所から2回目の分散媒(W)の投入箇所までの間が固練り部である。
固練り部での固形分濃度はたとえば60〜63%程度である。
第2のスクリュー部130bに分散媒が追加投入され、材料は希釈される。すなわち、図4では、2回目の分散媒(W)の投入箇所以降が希釈練り部である。最終固形分濃度はたとえば54〜61%程度である。
図4に示す例では、電極用ペーストは第3のパドル部140cから排出される。
各材料の投入箇所および電極用ペーストの排出箇所については、混練に支障のない限りにおいて、適宜変更可能である。
本発明では、バレル内部の初期パドル部における粉体の充填率を80%以下に制御して、電極用ペーストを製造する。
本明細書において、「初期パドル部」とは、材料の流下方向に向かって、第1のスクリュー部の下流側末端から、第1のパドル部内の最初の仕切り部材Rの上流側末端までの部分を指す。
図4では、パドルPのうち初期パドル部に含まれるものに符号PXを付し、仕切り部材Rのうち最初の仕切り部材に符号RXを付してある。すなわち、図4の例では、「初期パドル部」は、第1のスクリュー部140aの下流側末端から、第1のパドル部130a内の最初の仕切り部材RXの上流側末端までの部分である。
本明細書において、「初期パドル部容量」とは、上記初期パドル部に入りうる材料の最大量である。
本明細書において、「初期パドル部内における粉体の充填率」は以下のように求める。
混練が定常状態になった後、混練機を開けて初期パドル部内のペースト質量を測定し、比重から初期パドル部内のペースト容積を求め、このペースト容積を初期パドル部容量で除して、初期パドル部内における粉体の充填率(%)を求める。
初期パドル部における粉体の充填率を80%以下に制御することで、活物質が混練初期から充分に湿潤され、活物質が粉体状態あるいはそれに近い状態で混練機からせん断応力を受ける時間が短縮される。その結果、活物質の欠けあるいは割れが生じることが安定的に抑制される。
粉体の投入速度と初期パドル部容量とを制御することにより、初期パドル部における粉体の充填率を80%以下に制御することができる。
すなわち、初期パドル部における粉体の充填率が80%以下になるように、粉体の投入速度と初期パドル部容量とを決定すればよい。
具体的には、バレル内部の初期パドル部容量をX(L)とし、粉体の投入速度をY(g/s)としたとき、
Y≦50.37X+0.3を充足するように、粉体の投入速度と初期パドル部容量とを決定することで、
初期パドル部における粉体の充填率を80%以下に制御することができる(図6を参照)。
粉体の投入速度と初期パドル部容量とを制御する代わりに、固練り用の分散媒を供給する分散媒投入口を複数箇所に設けた連続式二軸混練機を用いてもよい。かかる連続式二軸混練機を用いることで、固練りの工程で粉体に対して分散媒が効率よく供給され、初期パドル部における粉体の充填率を80%以下に制御することができる。
この方法では、粉体の投入速度を上げても、初期パドル部における粉体の充填率を安定的に80%以下に制御することができる(後記実施例6、7を参照)。
粉体の投入速度と初期パドル部容量とを制御する代わりに、固練り用の分散媒を供給する分散媒投入口に分散媒を霧状に噴霧するノズルを設けた連続式二軸混練機を用いてもよい。かかる連続式二軸混練機を用いることで、固練りの工程で粉体全体に対して分散媒が効率よく供給され、初期パドル部における粉体の充填率を80%以下に制御することができる。
この方法では、粉体の投入速度を上げても、初期パドル部における粉体の充填率を安定的に80%以下に制御することができる(後記実施例4、5を参照)。
正極用ペーストでは一般に導電助剤としてカーボンが用いられるため、活物質の欠けあるいは割れは黒色度で評価できる。
負極用ペーストでは一般に活物質として黒鉛等のカーボンが使用されるため、活物質の欠けあるいは割れはペーストの黒色度で評価できる。
本発明の電極用ペーストの製造方法によれば、活物質の欠けあるいは割れが安定的に抑制されるので、電極用ペーストの黒色度を安定的に所望の値以下にすることができる。
黒色度の評価方法にはたとえば、以下の方法で実施できる。
混練により得られたペーストを、純水を用いて質量基準で10倍希釈する。これを遠心分離機にて15000rpm30分間の条件で遠心分離する。
遠心分離後の上澄み液を採取し、純水を用いて体積基準で5倍希釈する。この希釈液の上澄み液の吸光度を、吸光光度計を用いて測定する。400nm、500nm、600nm、および700nmの波長の吸光度の平均値を5倍したものを黒色度として求める。
非水電解質二次電池としては、リチウムイオン二次電池等が挙げられる。
以下、リチウムイオン二次電池を例として、主な構成要素について説明する。
(正極)
正極は、公知の方法により、アルミニウム箔などの正極集電体に正極活物質を塗布して、製造することができる。
公知の正極活物質としては特に制限なく、例えば、LiCoO、LiMnO、LiMn、LiNiO、LiNiCo(1−x)、およびLiNiCoMn(1−x−y)等のリチウム含有複合酸化物等が挙げられる(式中、0<x<1、0<y<1)。
正極の製造方法は、前述の通りである。
(負極)
負極活物質としては特に制限なく、Li/Li+基準で2.0V以下にリチウム吸蔵能力を持つものが好ましく用いられる。負極活物質としては、黒鉛等の炭素、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属酸化物/遷移金属窒化物/遷移金属硫化物、及び、これらの組合わせ等が挙げられる。
負極の製造方法は、前述の通りである。
(非水電解質)
非水電解質としては公知のものが使用でき、液状、ゲル状もしくは固体状の非水電解質が使用できる。
例えば、プロピレンカーボネ−トあるいはエチレンカーボネ−ト等の高誘電率カーボネート溶媒と、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の低粘度カーボネート溶媒との混合溶媒に、リチウム含有電解質を溶解した非水電解液が好ましく用いられる。
混合溶媒としては例えば、エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)、およびエチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)等の混合溶媒が好ましく用いられる。
リチウム含有電解質としては例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF{C(2k+1)(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)等のリチウム塩、およびこれらの組合わせが挙げられる。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し、かつリチウムイオンが透過可能な膜であればよく、多孔質高分子フィルムが好ましく使用される。
セパレータとしては例えば、PP(ポリプロピレン)製多孔質フィルム、PE(ポリエチレン)製多孔質フィルム、あるいは、PP(ポリプロピレン)−PE(ポリエチレン)の積層型多孔質フィルム等のポリオレフィン製多孔質フィルムが好ましく用いられる。
(外装体(電池容器))
外装体としては公知のものが使用できる。
二次電池の型としては、円筒型、コイン型、角型、あるいはフィルム型(ラミネート型)等があり、所望の型に合わせて外装体を選定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、活物質の欠けあるいは割れを安定的に抑制することが可能な非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法を提供することができる。
本発明に係る実施例および比較例について説明する。
(比較例1および実施例1〜7)
比較例1および実施例1〜7では、負極用ペーストを製造した。
材料として、負極活物質である黒鉛、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC)、結着剤溶液である変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)、および分散媒である水を用意した。
固形分の材料配合比は、黒鉛/CMC/SBR=98.6/0.7/0.7(固形分質量比)とした。
はじめに、活物質とCMCとを混合して、混合粉体を得た。
連続式二軸混練機を用いて、上記混合粉体と水とSBRを混練して、ペーストを得た。
ペーストの固練り工程での固形分濃度は62%とし、ペーストの最終固形分濃度は61%とした。
パドル回転数は600rpmとした。混練機から排出されるペーストの流量は1.4L/minとした。
比較例1および実施例1〜3では、図4に示したような連続式二軸混練機を用いて混練を実施した。
実施例4、5では、固練り用の分散媒の投入口が複数箇所にある連続式二軸混練機を用いて混練を実施した。
実施例6、7では、固練り用の分散媒の投入ノズルが霧状噴射ノズルである連続式二軸混練機を用いて混練を実施した。
比較例1および実施例1〜7で用いた連続式二軸混練機の基本構成を表1に示す。
表中、「位置」は、材料の流下方向に対するバレル内部の相対位置に番号を付したものである。「部材」は、各位置の構成部材を示したものである。
表中の各略号は以下の部材を示す。
S:スクリュー、逆S:逆スクリュー、P:パドル、R:仕切り部材。
Pに続く「7.5」等の数値は、パドルの最外周とバトル内面との間のクリアランス(mm)である。
比較例1および実施例1〜3で用いた連続式二軸混練機においては、固練り用の分散媒の投入箇所は1箇所であり、固練り用の分散媒および希釈練り用の投入ノズルはいずれもストレート噴射ノズルである。
これらの例では、固練り用の分散媒の投入方法をストレート噴射とし、固練り用の分散媒を1箇所から投入し、混合粉末の投入速度を20〜70g/sの間で変化させた。これらの例において、固練り用の分散媒の投入速度は、混合粉末の投入速度に合うようにそれぞれ調整した(以降の他の例でも同様)。
実施例4、5で用いた連続式二軸混練機においては、固練り用の分散媒の投入箇所は1箇所であり、固練り用の分散媒の投入ノズルは霧状噴射ノズルであり、希釈練り用の投入ノズルはストレート噴射ノズルである。
これらの例では、固練り用の分散媒の投入方法を霧状噴射とし、固練り用の分散媒を1箇所から投入し、混合粉末の投入速度を50〜70g/sの間で変化させた。
実施例6で用いた連続式二軸混練機においては、固練り用の分散媒の投入箇所は2箇所であり、固練り用の分散媒および希釈練り用の投入ノズルはいずれもストレート噴射ノズルである。
実施例7で用いた連続式二軸混練機においては、固練り用の分散媒の投入箇所は3箇所であり、固練り用の分散媒および希釈練り用の投入ノズルはいずれもストレート噴射ノズルである。
実施例6〜7では、混合粉末の投入速度を70g/sとし、固練り用の分散媒の投入方法をストレート噴射とし、固練り用の分散媒の投入箇所を2〜3箇所の間で変更した。
各例における主な製造条件を表2に示す。
<初期パドル部内部における粉体の充填率>
各例において、混練機を開けて初期パドル部内のペースト質量を測定し、比重から初期パドル部内のペースト容積を求め、このペースト容積を初期パドル部容量で除して、初期パドル部内における粉体の充填率(%)を求めた。
各例における評価結果を表2に示す。
<ペーストの黒色度の測定>
各例において得られたペーストを、純水を用いて質量基準で10倍希釈した。これを2mLの遠心分離用容器に入れ、遠心分離機にて15000rpm30分間の条件で遠心分離した。
遠心分離後の上澄み液を採取し、純水を用いて体積基準で5倍希釈した。この希釈液の上澄み液の吸光度を、吸光光度計を用いて測定した。400nm、500nm、600nm、および700nmの波長の吸光度の平均値を5倍したものを黒色度として求めた。
活物質の欠けあるいは割れが生じると、ペーストの黒色度は増加する傾向がある。
ペーストの黒色度が18以下を良好(G)、18超を不良(NG)と判定した。
なお、「吸光度」の数値は、本発明者が用いた装置において測定される相対的な数値である。
各例における評価結果を表3に示す。
比較例1と実施例1〜3との比較から、固練り用の分散媒の投入箇所が1箇所であり、固練り用の分散媒の投入方法がストレート噴射であり、初期パドル部容量が0.81Lの条件では、粉体の投入速度を40g/s以下とすることで、初期パドル部内部の粉体の充填率を80%以下に制御することができることが分かった。粉体の投入速度を40g/s以下とした実施例1〜3では、活物質の欠けあるいは割れが抑制され、得られたペーストの黒色度は良好(18以下)であった。
比較例1と実施例4、5との比較から、固練り用の分散媒の投入箇所が1箇所であり、初期パドル部容量が0.81Lの条件において、粉体の投入速度が40g/s超であっても、固練り用の分散媒の投入方法を霧状噴射とすることで、粉体の水による湿潤化が促進され、初期パドル部内部の粉体の充填率を80%以下に制御することができることが分かった。固練り用の分散媒の投入方法を霧状噴射とした実施例4、5では、活物質の欠けあるいは割れが抑制され、得られたペーストの黒色度は良好(18以下)であった。
比較例1と実施例6、7との比較から、固練り用の分散媒の投入方法がストレート噴射であり、初期パドル部容量が0.81Lの条件において、粉体の投入速度が40g/s超であっても、固練り用の分散媒の投入口を2箇所以上とすることで、粉体の水による湿潤化が促進され、初期パドル部内部の粉体の充填率を80%以下に制御することができることが分かった。固練り用の分散媒の投入箇所を2箇所以上とした実施例6、7では、活物質の欠けあるいは割れが抑制され、得られたペーストの黒色度は良好(18以下)であった。
(初期パドル部容量と粉体投入速度と黒色度との関係)
初期パドル部容量と粉体投入速度を変化させた以外は実施例1と同様にして、初期パドル部容量と粉体投入速度と黒色度との関係を示すデータを取得した。
これらのデータは、固練り用の分散媒の投入箇所を1箇所とし、固練り用の分散媒の投入方法をストレート噴射としたときのデータである。
結果を図5に示す。
上記データには、表1〜表3に示したデータも含まれている。
図5には、初期パドル部容量と粉体投入速度と黒色度との間には、相関関係があることが示されている。
初期パドル部容量が同条件であれば、粉体投入速度が小さい程、得られるペーストの黒色度は低く、活物質の欠けあるいは割れが抑制される傾向がある。
粉体投入速度が同条件であれば、初期パドル部容量が大きい程、得られるペーストの黒色度は低く、活物質の欠けあるいは割れが抑制される傾向がある。
(初期パドル部容量と粉体投入速度と初期パドル部内部の粉体の充填率との関係)
初期パドル部容量と粉体投入速度を変化させた以外は実施例1と同様にして、初期パドル部容量と粉体投入速度と初期パドル部内部の粉体の充填率との関係を示すデータを取得した。
これらのデータは、固練り用の分散媒の投入箇所を1箇所とし、固練り用の分散媒の投入方法をストレート噴射としたときのデータである。
主な製造条件と評価結果を表3および図6に示す。なお、希釈練り用の分散媒と結着剤溶液の投入条件は、表2と同様である。
上記データには、表1〜表3に示したデータも含まれている。
表3および図6のデータは、初期パドル部の粉体の充填率が80%となるときの初期パドル部容量と粉体投入速度を示したものである。
図6に示すグラフのデータから、初期パドル部内部の粉体の充填率が80%となるときの初期パドル部容量(X(L))と粉体投入速度(Y(g/s))との関係は、Y=50.37X+0.3で表されることが分かった。
Y≦50.37X+0.3を充足するように、初期パドル部容量(X(L))と粉体投入速度(Y(g/s))とを決定することで、初期パドル部内部の粉体の充填率を80%以下に安定的に制御することができる。この条件でペーストを混練することで、活物質の欠けあるいは割れが安定的に抑制できる。
Figure 0005979109
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Figure 0005979109
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本発明の非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法は、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)あるいは電気自動車(EV)に搭載されるリチウムイオン二次電池等に好ましく適用できる。
1 非水電解質二次電池
11 外装体
20 電極
20A 集電体
20B 電極活物質層
21 正極
22 負極
30 電極積層体
31 セパレータ
100 連続式二軸混練機
110 バレル
120 回転軸
130a〜130d スクリュー部
140a〜140c パドル部
P パドル
PX 初期パドル部に含まれるパドル
R 仕切り部材
RX 第1の仕切り部材
S (逆)スクリュー

Claims (3)

  1. 活物質を含む粉体が投入される粉体投入口と分散媒が投入される分散媒投入口とを備えた固練り部と、前記分散媒が追加投入される分散媒投入口を備えた希釈練り部とを有するバレルと、
    前記バレルの内部に設けられ、前記バレルの内部に投入された材料を混練する複数のパドルを含むパドル部と、
    前記バレルの内部に設けられ、前記バレルの内部に投入された材料を前記パドル部に供給するスクリューとを備えた連続式二軸混練機を用いて、
    前記粉体と前記分散媒とを混練する、
    非水電解質2次電池の電極用ペーストの製造方法であって、
    前記バレル内部の初期パドル部における前記粉体の充填率を80%以下に制御する、電極用ペーストの製造方法。
  2. 前記初期パドル部における前記粉体の充填率が80%以下になるように、前記粉体の投入速度と前記初期パドル部の容量とを決定する、請求項1に記載の電極用ペーストの製造方法。
  3. 前記初期パドル部の容量をX(L)とし、前記粉体の投入速度をY(g/s)としたとき、
    Y≦50.37X+0.3を充足するように、前記粉体の投入速度と前記初期パドル部の容量とを決定する、
    請求項2に記載の電極ペーストの製造方法。
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