JP2014165038A - 非水電解質二次電池用電極材料とそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池の性能を向上させることが可能な非水電解質二次電池用電極材料とそれを用いた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池用電極材料は、エーテル化度が1.0以上の第1のカルボキシメチルセルロースと、エーテル化度が1.0未満の第2のカルボキシメチルセルロースとを含む。第2のカルボキシメチルセルロースに対する第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が1.0以上18.5未満である。
【選択図】なし
【解決手段】非水電解質二次電池用電極材料は、エーテル化度が1.0以上の第1のカルボキシメチルセルロースと、エーテル化度が1.0未満の第2のカルボキシメチルセルロースとを含む。第2のカルボキシメチルセルロースに対する第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が1.0以上18.5未満である。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解質二次電池用電極材料とそれを用いた非水電解質二次電池に関するものである。
従来から、たとえば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池の電極を製造するために用いられる電極材料としての電極スラリーは、電極活物質、導電剤、結着剤、および、分散媒等を混合して攪拌することにより、作製される。しかしながら、電極スラリーの製造工程では、電極活物質や導電剤の粒子が凝集体を形成するためにこれらの粒子を経時的に安定して分散した状態で作製することが困難であるという問題がある。
このような問題を解消するために、たとえば、負極スラリーにおいて負極活物質の分散性を高めるために、特開2009‐99441号公報(以下、特許文献1という)には、粘度が異なる複数の増粘剤、たとえば、カルボキシメチルセルロースを添加することが提案されている。
しかしながら、特許文献1では、粘度が異なる複数の増粘剤を添加した負極スラリーを用いて作製された負極合材層の塗工面と密着力について評価がなされているが、その負極を備えた電池の性能については考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、電池の性能を向上させることが可能な非水電解質二次電池用電極材料とそれを用いた非水電解質二次電池を提供することである。
本発明に従った非水電解質二次電池用電極材料は、エーテル化度が1.0以上の第1のカルボキシメチルセルロースと、エーテル化度が1.0未満の第2のカルボキシメチルセルロースとを含む。第2のカルボキシメチルセルロースに対する第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が1.0以上18.5未満である。
本発明の非水電解質二次電池用電極材料において、第2のカルボキシメチルセルロースに対する第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が2.0以上9.0未満であることが好ましい。
また、本発明の非水電解質二次電池用電極材料は、導電剤と正極活物質とを含む正極材料であることが好ましい。
上記の場合、正極活物質は、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、および、リン酸鉄リチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料を含むことが好ましい。
また、上記の場合、正極活物質は、オリビン型構造のリチウム含有リン酸化合物を含むことが好ましい。
本発明に従った非水電解質二次電池は、上述した非水電解質二次電池用電極材料を用いて製造される。
本発明の非水電解質二次電池用電極材料を用いることにより、電解液と電極活物質の間の界面の抵抗を低減することができ、かつ、導電剤の分散性を高めることができるので、電池の性能を向上させることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の非水電解質二次電池用電極材料の一つの実施形態としての電極スラリーは、電極活物質と、必要に応じて導電剤と、分散媒に分散した結着剤とを含み、これらの材料を混合して攪拌することによって作製される。エーテル化度が1.0以上の第1のカルボキシメチルセルロースと、エーテル化度が1.0未満の第2のカルボキシメチルセルロースとを含む。第2のカルボキシメチルセルロースに対する第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が1.0以上18.5未満である。
エーテル化度が1.0以上の第1のカルボキシメチルセルロースは電解液に対する濡れ性が良好であるので、第1のカルボキシメチルセルロースを含む電極スラリーを用いると、電解液と電極活物質の間の界面の抵抗を低減することができる。一方、エーテル化度が1.0未満の第2のカルボキシメチルセルロースは導電剤に吸着しやすく、導電剤の分散性を高め、導電剤の安定化に寄与する。したがって、2種のカルボキシメチルセルロースの配合比(エーテル化度の高いもの/エーテル化度の低いもの)、すなわち、エーテル化度の低い第2のカルボキシメチルセルロースに対するエーテル化度の高い第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率を1.0以上18.5未満にすることによって、電解液と電極活物質の間の界面の抵抗の低減と、導電剤の分散性の向上という二つの作用を得ることができる。その結果、電極の内部抵抗を低下させることができ、電池の特性、特にレート特性を向上させることができる。
上記の重量比率が1未満であると、カルボキシメチルセルロース全体のエーテル化度が低くなるので、電極活物質が電解液に対してほとんど膨潤しなくなる。このため、電極活物質と電解液の間の界面の抵抗が増加してしまい、レート特性が悪化する。一方、上記の重量比率が19以上になると、導電剤の偏析が頻繁に発生する。このため、導電パスの形成がなされない部位が発生し、レート特性が悪化する。
以上のようにして、本発明の電極材料を用いることにより、電解液と電極活物質の間の界面の抵抗を低減することができ、かつ、導電剤の分散性を高めることができるので、電池の性能を向上させることが可能になる。
第2のカルボキシメチルセルロースに対する第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が2.0以上9.0未満であることが好ましい。このように上記の重量比率がさらに限定された非水電解質二次電池用電極材料を用いることにより、電解液と電極活物質の間の界面の抵抗の低減と、導電剤の分散性の向上という二つの作用を適切に得ることができる。その結果、電極の内部抵抗をさらに低下させることができ、電池の特性、特にレート特性を向上させることができ、出力特性も向上させることができる。
また、本発明の非水電解質二次電池用電極材料は、導電剤と正極活物質とを含む正極材料であることが好ましい。正極を作製する際、電子導電パスを形成するために導電剤を必要量添加する必要がある。このような場合に本発明の電極材料を採用すると、導電剤の分散性を高めることができるので、本発明の上記の作用効果をより顕著に発揮することができる。いいかえれば、電極材料に導電剤が多く含まれているほど、上記の作用効果が顕著になる。なお、本発明の非水電解質二次電池用電極材料は、負極材料に適用することを除外するものではない。
本発明の非水電解質二次電池用電極材料が導電剤と正極活物質とを含む正極材料である場合、正極活物質は、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、および、リン酸鉄リチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料を含むことが好ましい。このような正極活物質を用いる場合、電子導電パスを形成するために導電剤を必要量添加する必要があるので、本発明の上記の作用効果をより顕著に発揮することができる。
また、本発明の非水電解質二次電池用電極材料が導電剤と正極活物質とを含む正極材料である場合、正極活物質は、オリビン型構造のリチウム含有リン酸化合物を含むことが好ましい。たとえば、リン酸鉄リチウム、リン酸マンガンリチウム等のオリビン型構造のリチウム含有リン酸化合物は他の正極活物質材料に比べて電子導電性に劣るため、オリビン型構造のリチウム含有リン酸化合物を正極活物質として含む正極材料においては、電子導電パスを形成するために導電剤の添加量を多くする必要がある。上述したように、電極材料に導電剤が多く含まれているほど、上記の作用効果が顕著になるため、オリビン型構造のリチウム含有リン酸化合物を正極活物質として含む正極材料においては、本発明の効果はさらに顕著になる。
本発明の一つの実施の形態では、非水電解質二次電池は、上述した非水電解質二次電池用電極材料を用いて製造される。非水電解質二次電池の正極と負極とは、セパレータを介して交互に積層されて配置されている。電池要素の構造は、複数の短冊状の正極、複数の短冊状のセパレータおよび複数の短冊状の負極の積層体、いわゆる枚葉構造の積層体から構成されてもよく、長尺状のセパレータを九十九折りして、短冊状の正極と短冊状の負極とを交互に介在させることによって構成してもよい。また、電池要素の構造として、長尺状の正極、長尺状のセパレータおよび長尺状の負極を巻回してなる巻回型構造を採用してもよい。
正極は、正極集電体の両面に正極活物質と導電剤と結着剤とを含む正極合材層が形成されている。一例として、正極集電体はアルミニウムまたは銅からなる。正極の導電剤としては、アセチレンブラック等の炭素材料が用いられる。正極活物質は、特に限定されるものではないが、コバルト酸リチウム(LiCoO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)等のスピネル型構造のリチウム金属複合酸化物、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)等のオリビン型構造のリチウム含有リン酸化合物、等を用いることができる。正極活物質と導電剤を結着させるための結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が用いられる。
一方、負極は、負極集電体の両面に負極活物質と結着剤とを含む負極合材層が形成されている。一例として、負極集電体はアルミニウムまたは銅からなる。負極活物質は特に限定されるものではないが、炭素材料であるグラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等を用いることができ、これらの混合物からなる炭素材料を用いてもよい。また、負極活物質として、リチウムチタン複合酸化物、たとえば、スピネル型構造のチタン酸リチウム(Li4Ti5O12等)等を使用することができる。この場合、負極は、導電剤として作用するアセチレンブラック等の炭素材料を含んでもよい。負極活物質を結着させるための結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル等が用いられる。
非水電解液は、支持電解質を非水溶媒に溶解して調製される。支持電解質としては、たとえば、非水溶媒中にLiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解したものが使用される。LiPF6以外の支持電解質としては、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiAlCl4、LiSiF6等のリチウム塩を挙げることができる。これらの中でも、支持電解質として特にLiPF6、LiBF4を用いることが酸化安定性の点から望ましい。このような支持電解質は、非水溶媒中に、0.1mol/L〜3.0mol/Lの濃度で溶解されて用いられることが好ましく、0.5mol/L〜2.0mol/Lの濃度で溶解されて用いられることがさらに好ましい。上記の非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状炭酸エステルに、低粘性溶媒であるジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の低級鎖状炭酸エステルを加えたものが用いられる。
セパレータとしては、特に限定されるべきものではなく、従来から公知のものを用いることができる。なお、本発明においては、セパレータは、その名称によって限定されるべきものではなく、セパレータの代わりにセパレータとしての機能(役割)を有するような固体電解質またはゲル状電解質を用いてもよい。また、アルミナ、ジルコニア等の無機材料を含有させたセパレータを用いてもよい。たとえば、セパレータは、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレンを含む多孔質フィルムを用いる。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
非水電解質二次電池用電極材料の実施例1〜4と比較例1〜4として正極スラリーを以下のようにして作製した。
(実施例1)
平均粒径が0.45μmのリン酸鉄リチウム36.8重量部、導電剤として平均粒径が48nmの電気化学工業株式会社製のアセチレンブラック(製品名:HS-100)5.2重量部、第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液(純水とダイセル株式会社製のカルボキシメチルセルロース(製品名:CMC1330)(エーテル化度:1.35)とを97:3の重量比率で調製した溶液)14.6重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液(純水とダイセル株式会社製のカルボキシメチルセルロース(製品名:CMC1250)(エーテル化度:0.8)とを97:3の重量比率で調製した溶液)14.6重量部、および、純水26.8重量部を、プライミクス社製T.K.ハイビスミックス(2P‐03型))の容器内に入れて、攪拌を行った。その後、得られた混合物に、アクリル系の水系バインダー(日本ゼオン株式会社製、製品名:AY9267)2.0重量部を添加して、攪拌を行った。このようにして正極スラリーを作製した。
平均粒径が0.45μmのリン酸鉄リチウム36.8重量部、導電剤として平均粒径が48nmの電気化学工業株式会社製のアセチレンブラック(製品名:HS-100)5.2重量部、第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液(純水とダイセル株式会社製のカルボキシメチルセルロース(製品名:CMC1330)(エーテル化度:1.35)とを97:3の重量比率で調製した溶液)14.6重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液(純水とダイセル株式会社製のカルボキシメチルセルロース(製品名:CMC1250)(エーテル化度:0.8)とを97:3の重量比率で調製した溶液)14.6重量部、および、純水26.8重量部を、プライミクス社製T.K.ハイビスミックス(2P‐03型))の容器内に入れて、攪拌を行った。その後、得られた混合物に、アクリル系の水系バインダー(日本ゼオン株式会社製、製品名:AY9267)2.0重量部を添加して、攪拌を行った。このようにして正極スラリーを作製した。
(実施例2)
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を19.4重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を9.8重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を19.4重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を9.8重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
(実施例3)
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を23.3重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を5.8重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を23.3重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を5.8重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
(実施例4)
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を26.2重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を2.9重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を26.2重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を2.9重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
(比較例1)
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を用いないで、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を29.1重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を用いないで、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を29.1重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
(比較例2)
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を9.8重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を19.4重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を9.8重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を19.4重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
(比較例3)
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を27.7重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を1.5重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を27.7重量部、第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を1.5重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
(比較例4)
第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を用いないで、第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を29.1重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
第2のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を用いないで、第1のカルボキシメチルセルロースを含む溶液を29.1重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、正極スラリーを作製した。
(電池性能の評価)
<正極の作製>
得られた実施例1〜4と比較例1〜4のそれぞれの正極スラリーを、集電体としての厚みが20μmのアルミニウム箔の片面上に、塗工装置としてダイコーターを用いて、10m/minの塗工速度で塗工し、乾燥させた後、圧延ローラーにより圧延して、アルミニウム箔の片面上に正極合材層を形成することにより、正極板を作製した。このときの単位面積あたりの負極合材の目付け量を5mg/cm2とした。
<正極の作製>
得られた実施例1〜4と比較例1〜4のそれぞれの正極スラリーを、集電体としての厚みが20μmのアルミニウム箔の片面上に、塗工装置としてダイコーターを用いて、10m/minの塗工速度で塗工し、乾燥させた後、圧延ローラーにより圧延して、アルミニウム箔の片面上に正極合材層を形成することにより、正極板を作製した。このときの単位面積あたりの負極合材の目付け量を5mg/cm2とした。
<負極の作製>
厚みが240μmの金属リチウム箔を負極板として用いた。
厚みが240μmの金属リチウム箔を負極板として用いた。
<非水電解液の作製>
非水溶媒として、環状カーボネートであるエチレンカーボネートと、鎖状カーボネートであるジエチルカーボネートを3:7の体積比率で混合した混合溶媒を用い、この混合溶媒に支持電解質としてのLiPF6を1mol/Lの濃度になるように溶解させて、非水電解液を作製した。
非水溶媒として、環状カーボネートであるエチレンカーボネートと、鎖状カーボネートであるジエチルカーボネートを3:7の体積比率で混合した混合溶媒を用い、この混合溶媒に支持電解質としてのLiPF6を1mol/Lの濃度になるように溶解させて、非水電解液を作製した。
<電池の作製>
上記で作製した負極板にニッケル製のリードタブを設け、上記で準備した正極板にアルミニウム製のリードタブを設けた。負極板と正極板の間に、セルガード株式会社製のセパレータ(製品番号2325)を介在させて、電池要素を作製した。この電池要素を、大日本印刷株式会社製のラミネートフィルム(製品番号D‐EL‐408(3))からなる外包材の内部に収納した。その後、上記で作製した非水電解液を外包材の内部に注入した後、外包材の開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
上記で作製した負極板にニッケル製のリードタブを設け、上記で準備した正極板にアルミニウム製のリードタブを設けた。負極板と正極板の間に、セルガード株式会社製のセパレータ(製品番号2325)を介在させて、電池要素を作製した。この電池要素を、大日本印刷株式会社製のラミネートフィルム(製品番号D‐EL‐408(3))からなる外包材の内部に収納した。その後、上記で作製した非水電解液を外包材の内部に注入した後、外包材の開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
<放電レート特性>
株式会社IEM製の電池充放電試験装置を用いて、得られた実施例1〜4と比較例1〜4のそれぞれの電池の放電レート特性を次のようにして測定した。1Cの条件で電圧が4.3Vになるまでの定電流定電圧の充電を行った後、0.3Cの条件で電圧が2.5Vになるまで直流放電を行ったときの0.3C放電容量を測定した。また、1Cの条件で電圧が4.3Vになるまでの定電流定電圧の充電を行った後、8Cの条件で電圧が2.5Vになるまで直流放電を行ったときの8C放電容量を測定した。0.3C放電時の放電容量に対する8C放電時の放電容量の比率を算出して放電容量維持率とした。
株式会社IEM製の電池充放電試験装置を用いて、得られた実施例1〜4と比較例1〜4のそれぞれの電池の放電レート特性を次のようにして測定した。1Cの条件で電圧が4.3Vになるまでの定電流定電圧の充電を行った後、0.3Cの条件で電圧が2.5Vになるまで直流放電を行ったときの0.3C放電容量を測定した。また、1Cの条件で電圧が4.3Vになるまでの定電流定電圧の充電を行った後、8Cの条件で電圧が2.5Vになるまで直流放電を行ったときの8C放電容量を測定した。0.3C放電時の放電容量に対する8C放電時の放電容量の比率を算出して放電容量維持率とした。
<出力特性>
25℃の温度で充電深度(SOC)が60%になるまで充電された実施例1〜4と比較例1〜4のそれぞれの電池を、0.5C、1C、3C、5Cの各電流値での10秒間のパルス放電後の電圧値を電流値に対してプロットして、電流‐電圧の近似直線を求め、その傾きを出力DCRとして算出した。
25℃の温度で充電深度(SOC)が60%になるまで充電された実施例1〜4と比較例1〜4のそれぞれの電池を、0.5C、1C、3C、5Cの各電流値での10秒間のパルス放電後の電圧値を電流値に対してプロットして、電流‐電圧の近似直線を求め、その傾きを出力DCRとして算出した。
放電容量維持率[%]と出力DCR[Ω]の算出結果を、第2のカルボキシメチルセルロースに対する第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率(CMC重量比率)とともに表1に示す。
表1から、実施例1〜4の正極スラリーを用いると、放電容量維持率が66%以上で良好なレート特性が得られたことがわかる。また、実施例2〜4の正極スラリーを用いると、放電容量維持率が66%以上で良好なレート特性を示すともに、出力DCRが2.10未満で良好な出力特性を示したことがわかる。さらに、実施例2、3の正極スラリーを用いると、放電容量維持率が68%以上で最良のレート特性を示すともに、出力DCRが2.10未満で良好な出力特性を示したことがわかる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
本発明によれば、電解液と電極活物質の間の界面の抵抗を低減することができ、かつ、導電剤の分散性を高めることができるので、本発明は、非水電解質二次電池の性能向上に寄与することができる。
Claims (6)
- エーテル化度が1.0以上の第1のカルボキシメチルセルロースと、エーテル化度が1.0未満の第2のカルボキシメチルセルロースとを含み、前記第2のカルボキシメチルセルロースに対する前記第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が1.0以上18.5未満である、非水電解質二次電池用電極材料。
- 前記第2のカルボキシメチルセルロースに対する前記第1のカルボキシメチルセルロースの重量比率が2.0以上9.0未満である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極材料。
- 導電剤と正極活物質とを含む正極材料である、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極材料。
- 前記正極活物質が、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、および、リン酸鉄リチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料を含む、請求項3に記載の非水電解質二次電池用電極材料。
- 前記正極活物質が、オリビン型構造のリチウム含有リン酸化合物を含む、請求項3に記載の非水電解質二次電池用電極材料。
- 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極材料を用いて製造される、非水電解質二次電池。
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