JP2015204178A - リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池およびそれらの製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初回の充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池に用いられるリチウムイオン二次電池用負極を提供する。
【解決手段】(R1O)(R2O)(R3O)(BO)3(R1、R2、R3は炭化水素基)で示される環状ボロキシン化合物を含むリチウムイオン二次電池用負極であり、例えば、環状ボロキシンの混合量が10%以下であり、R1、R2、R3のいずれか一つ以上が2級炭素であり、環状ボロキシン化合物はトリイソプロポキシボロキシンであるリチウム二次電池または、リチウムイオン二次電池用負極を有するリチウムイオン二次電池であって、リチウムイオン二次電池は、リチウムイオン二次電池用電解液を含み、リチウム二次電池用電解液は、ビニレンカーボネートを含むリチウムイオン二次電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池およびそれらの製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池に対する開発が盛んに進められている。特許文献1には、正極と負極と非水電解質を備えた非水電解質電池において、前記負極は、黒鉛と不定形炭素(ハードカーボン)の混合物である炭素材料を含有する負極活物質を有し、前記非水電解質は、ホウ酸が添加された非水電解質であることを特徴とする非水電解質二次電池を提供する技術が開示されている。
特開2013−175456号公報
特許文献1のように、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比3:7の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解させた電解液を作製し、前記電解液に対して、さらに0.5質量%でボロキシン環化合物(TiPBx)を添加して溶解させた場合、セパレータや電池内部の電池反応に関与しないデッドスペースにボロキシン環化合物を含んだ電解液が付着するため、本来の目的である正負極界面での被膜形成にボロキシン化合物が作用しにくくなり、電解液の分解を抑制することが難しい。よって、所望のリチウムイオン二次電池の初回の充放電効率が得られないという問題がある。
本発明の目的は、初回の充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池に用いられるリチウムイオン二次電池用負極を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、例えば以下の通りである。
(R1O)(R2O)(R3O)(BO)3(R1、R2、R3は炭化水素基)で示される環状ボロキシン化合物を含むリチウムイオン二次電池用負極。
本発明により、初回の充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池に用いられるリチウムイオン二次電池用負極を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書に取り入れるものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図である。図1に示す本発明の一実施形態に係る電池1は、正極10、セパレータ11、負極12、電池缶13、正極集電タブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数(Positive temperature coefficient;PTC)抵抗素子19、及び電池蓋20、軸心21から構成される。電池蓋20は、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、及び抵抗素子19からなる一体化部品である。また、軸心21には、正極10、セパレータ11及び負極12が捲回されている。
セパレータ11を正極10及び負極12の間に挿入し、軸心21に捲回した電極群を作製する。軸心21は、正極10、セパレータ11及び負極12を担持できるものであれば、公知の任意のものを用いることができる。電極群は、図1に示した円筒形状の他に、短冊状電極を積層したもの、又は正極10と負極12を扁平状等の任意の形状に捲回したもの等、種々の形状にすることができる。電池缶13の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒形、偏平長円形状、扁平楕円形状、角形等の形状を選択してもよい。
電池缶13の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製等、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択される。また、電池缶13を正極10又は負極12に電気的に接続する場合は、非水電解質と接触している部分において、電池缶13の腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように、電池缶13の材料の選定を行う。
電池缶13に電極群を収納し、電池缶13の内壁に負極集電タブ15を接続し、電池蓋20の底面に正極集電タブ14を接続する。電解液は、電池の密閉の前に電池缶13の内部に注入する。電解液の注入方法は、電池蓋20を解放した状態にて電極群に直接添加する方法、又は電池蓋20に設置した注入口から添加する方法がある。
その後、電池蓋20を電池缶13に密着させ、電池全体を密閉する。電解液の注入口がある場合は、それも密封する。電池を密閉する方法には、溶接、かしめ等公知の技術がある。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、例えば、下記のような負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解質を注入することによって製造することができる。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池の構造は特に限定されないが、通常、正極及び負極とそれらを隔てるセパレータとを捲回して捲回式電極群にするか、又は正極、負極及びセパレータを積層させて積層型の電極群とすることができる。
図1に示す電池の構成は、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用負極材を適用可能なリチウムイオン二次電池の内部構造のあくまでも一例であり、本発明の一実施形態に係る負極が適用可能な電池は図1に記載のものに制限されるものでない。
<負極>
負極12は、負極活物質、導電剤、バインダ、添加剤及び集電体から構成される。
負極活物質を例示すると、黒鉛、非黒鉛炭素等、リチウムと合金を形成する材料又は金属間化合物を形成する材料が混合されていても良い。例えば、アルミニウム、シリコン、スズ等の金属及びこれらの合金、リチウム含有の遷移金属窒化物Li(3-x)xN、ケイ素の低級酸化物LixSiOy(0≦x、0<y<2)、及びスズの低級酸化物LixSnOy(0≦x、0<y<2)が挙げられる。
負極12の集電体には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μmで孔径0.01〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、又は発泡金属板等が用いられる。銅の他に、ステンレス、チタン、又はニッケル等の材質も適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
負極活物質、バインダ、及び有機溶媒を混合した負極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、又はスプレー法等によって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、負極を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回行うことにより、多層合剤層を集電体に形成させることも可能である。
<添加剤>
本発明の一実施形態における添加剤は、(R1O)(R2O)(R3O)(BO)3で表される環状ボロキシン化合物である。R1、R2、R3は炭化水素基であり、R1、R2、R3として例えば、−CH3、−CH2CH3、−CH(CH32、−C610等が挙げられる。環状ボロキシン化合物として具体的には、トリイソプロポキシボロキシン(C37O)(C37O)(C37O)(BO)3等が挙げられる。添加剤として、(R1O)(R2O)(R3O)(BO)3で表される環状ボロキシン化合物を二種類以上含んでいてもよいし、一種単独で構成されていてもよい。アルキル基の種類によって、1級炭素(例えば、CH3)、2級(CH(CH32)、3級(C(CH33)に分類される。1級炭素は水分、空気に対して不安定であり、3級炭素は電解液への溶解度が著しく低下するものもあり、添加剤として機能しない可能性があるので、R1、R2、R3のいずれか一つ以上、好ましくは二つ、更に好ましくは全てが2級炭素であることが望ましい。
環状ボロキシン化合物は、ホウ酸トリアルキルと無水ホウ酸の縮合反応(脱水反応)で合成することが可能であり、ホウ酸トリアルキルのアルキル基の種類を選定すれば、様々なアルキル基の結合した環状ボロキシンの合成が可能である。また、ホウ酸トリアルキルとOH基を有する化合物の反応モル数を変化すれば、異なるアルキル基を有する(R1O)(R2O)(R3O)(BO)3等を得ることができる。(R1O)(R2O)(R3O)(BO)3中のR1、R2、R3は互いに異なっていてもよく、同じであっても良い、あるいは、R1=R2≠R3で例示されるように2つのアルキル基が同一で1つのみ異なっていても良い。そのなかでR1、R2、R3が全て同一であることが望ましい。異なるアルキル基を導入する場合に比べて、合成条件によって複数種の合成ができる可能性を低減できる。
添加剤を電解液に混合すると、セパレータや電池内部の電池反応に関与しないデッドスペースにボロキシン環化合物を含んだ電解液が付着するため、本来の目的である正負極界面での被膜形成にボロキシン化合物が作用しないという問題がある。そのため、電解液ではなく電極に混合し、添加剤そのものの効果が直接、電極に作用し、添加剤による被膜形成のための反応場を高効率に提供することが可能になる。
<正極>
正極10は、正極活物質、導電剤、バインダ、及び集電体から構成される。
正極活物質を例示すると、LiCoO2、LiNiO2、およびLiMn24が代表例である。他に、LiMnO3、LiMn23、LiMnO2、Li4Mn512、LiMn2-xx2(ただし、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、Li2Mn3MO8(ただし、M=Fe、Co、Ni、Cu、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種)、Li1-xxMn24(ただし、A=Mg、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Caからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.1)、LiNi1-xx2(ただし、M=Co、Fe、Gaからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、LiFeO2、Fe2(SO43、LiCo1-xx2(ただし、M=Ni、Fe、Mnからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、LiNi1-xx2(ただし、M=Mn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、Mgからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、Fe(MoO43、FeF3、LiFePO4、およびLiMnPO4等を列挙することができる。
正極活物質の粒径は、正極活物質、導電剤、及びバインダから形成される合剤層の厚さ以下になるように通常は規定される。正極活物質の粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級や風流分級等により粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を作製することが好ましい。
また、正極活物質は、一般に酸化物系であるために電気抵抗が高いので、電気伝導性を補うための炭素粉末からなる導電剤を利用する。正極活物質及び導電剤はともに通常は粉末であるので、粉末にバインダを混合して、粉末同士を結合させると同時に集電体へ接着させることができる。
正極10の集電体には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μmで孔径が0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、又は発泡金属板等が用いられる。アルミニウムの他に、ステンレスやチタン等の材質も適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
正極活物質、導電剤、バインダ、及び有機溶媒を混合した正極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、又はスプレー法等によって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、正極10を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能である。
<セパレータ>
以上の方法で作製した正極10及び負極12の間にセパレータ11を挿入し、正極10及び負極12の短絡を防止する。セパレータ11には、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるポリオレフィン系高分子シート、又はポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンを代表とするフッ素系高分子シートを溶着させた二層構造等を使用することが可能である。電池温度が高くなったときにセパレータ11が収縮しないように、セパレータ11の表面にセラミックス及びバインダの混合物を薄層状に形成してもよい。これらのセパレータ11は、電池の充放電時にリチウムイオンを透過させる必要があるため、一般に細孔径が0.01〜10 μm、気孔率が20〜90%であれば、リチウムイオン二次電池に使用可能である。
<電解質>
本発明の一実施形態で使用可能な電解液の代表例として、エチレンカーボネートにジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、又はエチルメチルカーボネート等を混合した溶媒に、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、又はホウフッ化リチウム(LiBF4)を溶解させた溶液がある。本発明は、溶媒や電解質の種類、溶媒の混合比に制限されることなく、他の電解液も利用可能である。
なお、電解液に使用可能な非水溶媒の例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン、クロルエチレンカーボネート、又はクロルプロピレンカーボネート等の非水溶媒がある。これらの化合物は単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明のリチウムイオン二次電池に内蔵される正極10又は負極12上で分解しなければ、これ以外の溶媒を用いてもよい。非水溶媒以外に、電解液に添加剤として、ビニレンカーボネート、1フッ素化EC(F−EC)、Li[(OCO)22、LiBF2(OCO)2、プロパンサルトンなどを含有してもよい。電池の初期充放電でビニレンカーボネート等の添加剤が電解液中で反応する量を電解液に添加することが好ましく、過剰に添加すると正極で反応する、あるいは電解液の物性低下を招く可能性があるので、添加剤の添加量としては、0.1wt%以上5wt%以下、好ましくは0.5wt%以上2wt%以下が望ましい。
また、電解質の例としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、又はリチウムトリフルオロメタンスルホンイミドで代表されるリチウムのイミド塩等、多種類のリチウム塩がある。これらの塩を、上記の溶媒に溶解してできた非水電解液を電池用電解液として使用することができる。本実施形態に係る電池が有する正極10及び負極12上で分解しなければ、これ以外の電解質を用いてもよい。
固体高分子電解質(ポリマー電解質)を用いる場合には、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド等のイオン伝導性ポリマーを電解質に用いることができる。これらの固体高分子電解質を用いた場合、セパレータ11を省略することができる利点がある。
さらに、イオン性液体を用いることができる。例えば、1−ethyl−3−methylimidazo lium tetra−fluoroborate (EMI−BF4)、リチウム塩LiN(SO2CF32(LiTFSI)とトリグライムとテトラグライムとの混合錯体、環状四級アンモニウム系陽イオン(N−methyk−N−propylpyrrolidinium)が例示される)、およびイミド系陰イオン(bis(fluorosulfonyl)imideが例示される。)より、正極10及び負極12にて分解しない組み合わせを選択して、本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池に用いることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、例えば、上述のような負極12と正極10とをセパレータ11を介して対向して配置し、電解質を注入することによって製造することができる。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極10及び負極12とそれらを隔てるセパレータ11とを捲回して捲回式電極群にするか、又は正極10、負極12及びセパレータ11を積層させて積層型の電極群とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例は一例であり、これらに限定されるものではない。
<負極>
負極活物質にはX線回折測定で得られた面間隔が0.368nm、平均粒径が20μm、比表面積が5m2/gの天然黒鉛を用いた。天然黒鉛とカルボキシメチルセルロースの水膨潤体、スチレンブタジエン共重合体の水分散液と回転翼のような攪拌手段を備えた混合機を用いて充分に混錬し負極スラリーを作製した。
その後、環状ボロキシンとしてトリイソプロポキシボロキシンを添加し、さらに混練し、負極スラリーを作製した。負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンおよび環状のボロキシンの混合比を、重量比で96.5:1.5:1.5:0.5になるようにした。このとき、環状ボロキシンの混合量が負極集電箔、負極電極リード等を除く負極構成物に対して、質量比で1.0%となる。
このスラリーを厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)に実質的に均一に両面に塗布した。乾燥後に、ロールプレス機により、電極の活物質密度が約1.5g/ccになるように圧縮成型した。密度調整プレス後に、電極を塗布長さ55cmと未塗布部5cmの合計60cm、塗布幅5.6cmになるように切断した。その後、未塗布にNi製のリード片を溶接し、電流取出し部を具備した負極を作製した。
<正極>
正極活物質には、平均粒径10μm、比表面積1.5m2/gのLi1.02Mn1.98Al0.024を用いた。正極活物質85重量%に、導電剤の塊状黒鉛とアセチレンブラックを9:2に混合したものとし、結着剤として予め5重量%PVDFに調整されたNMP溶液に導電剤を分散させてスラリーにした。スラリーの作製は、負極の場合と同様に、回転翼のような撹拌手段を備えた混合基を用いて充分に混練した。正極活物質、導電剤、PVDFの混合比は、重量比で85:10:5になるようにした。
このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)にできるだけ均一かつ均等に、負極と同じ手順でアルミニウム箔の両面に塗布し乾燥した。その後ロールプレス機により、活物質密度は2.6g/ccになるよう圧縮成型した。その後、電極を塗布長さ長さ50cmと未塗布部5cmの合計55cm、となるよう切断した。そして、電流を取り出すためのアルミニウム箔製のリード片を未塗布部に溶接し正極を作製した。
<電解液>
LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた。
作製した正極10と負極12を用いて図1に示す円筒型の電池1を作製した。図1に示す正極10と負極12とし、それぞれ電流引き出し用のタブ部の正極タブ14、負極タブ15を超音波溶接により形成する。タブ部の正極タブ14、負極タブ15は、長方形の形状をした集電体とそれぞれ同じ材質の金属箔からできており、電極から電流を取り出すために設置する部材である。タブ付けされた正極10及び負極12の間にポリエチレンの単層膜であるセパレータ11を挟んで重ね、これを、図1に示すように、円筒状(螺旋状)に捲いて電極群とし、円筒状容器の電池缶13に収納した。電極群を電池缶13に収納した後、電池缶13内に電解液を注入し、正極端子が取り付けられた密閉用の電池蓋20をガスケット18を介して電池缶13に注液し、かしめにより密閉して、径18mm、長さ650mmの円筒型の電池1とした。
このように作製した円筒型の電池1について、25℃の恒温槽内で、充電電流1.5A、電圧4.2V、3時間の定電流定電圧充電をし、5時間の休止後、放電電流1.5Aで電池電圧が3.0Vになるまで定電流放電した。この充電、放電プロセスを1サイクルとし、合計3回のサイクル充放電をした。そして、この1サイクル目の充電容量に対する3サイクル目の放電容量の比を充放電効率とし、この値が大きい程、充放電効率に優れることを示す指標とした。
LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にビニレンカーボネートを1wt%で混合した電解液を用いた以外は実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンおよびトリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で96:1.5:1.5:1.0になるようにした以外は、実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にビニレンカーボネートを1wt%で混合した電解液を用いた以外は実施例3と同様にして、18650電池を作製した。
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンおよびトリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で95:1.5:1.5:2.0になるようにした以外は、実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にビニレンカーボネートを1wt%で混合した電解液を用いた以外は実施例5と同様にして、18650電池を作製した。
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンおよびトリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で93:1.5:1.5:5.0になるようにした以外は、実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にビニレンカーボネートを1wt%で混合した電解液を用いた以外は実施例7と同様にして、18650電池を作製した。
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンおよびトリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で90:1.5:1.5:7.0になるようにした以外は、実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にビニレンカーボネートを1wt%で混合した電解液を用いた以外は実施例9と同様にして、18650電池を作製した。
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンおよびトリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で87:1.5:1.5:10.0になるようにし、LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にビニレンカーボネートを1wt%で混合した電解液を用いた以外は実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
(比較例1)
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエン、トリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で97:1.5:1.5:0になるようにした以外は、実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
(比較例2)
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエン、トリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で97:1.5:1.5:0になるようにし、LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にトリイソプロポキシボロキシンを調整した電解液の重量比で1wt%の濃度で溶解した電解液を用いた以外は実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
(比較例3)
負極スラリーの混合比を、負極活物質、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエン、トリイソプロポキシボロキシンの混合比を、重量比で97:1.5:1.5:0になるようにし、LiPF6を1モルの濃度で、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)の混合溶液(体積比でEC:EMC=1:2)に溶解させた電解液にビニレンカーボネートを1wt%で混合し、さらにトリイソプロポキシボロキシンを調整した電解液に対して重量比で1wt%の濃度で溶解した電解液を用いた以外は実施例1と同様にして、18650電池を作製した。
結果を表1に示す。
<考察>
比較例1−3に示した試験結果に対して、トリイソプロポキシボロキシン等の環状ボロキシンを電極に混合した実施例1、実施例3、実施例5、実施例7、実施例9で初期効率は向上することが判明した。また、電解液にビニレンカーボネートを混合した電解液を用いた実施例2、実施例4、実施例6、実施例8、実施例10、実施例11においても比較例1−3よりも初期効率は向上することが判った。これは、環状ボロキシンと負極上で被膜形成をするビニレンカーボネートと共存させることでより良好な被膜が形成され、それにより充放電効率が向上したものと考えられる。さらに、実施例1−11の試験結果から、環状ボロキシンの添加量には最適値が存在することが判った。これは、スラリー作製過程でボロキシン添加によるスラリー性状が変化し、凝集物の無い実質的に均一な電極を作製できなかったことが一因であると考えられる。
以上の結果から、環状ボロキシンを負極に混合させることにより、初期効率は大幅に向上し、電池の高容量化が可能になることが判った。
実施例および比較例を参照すれば、環状ボロキシンの添加量としては、ビニレンカーボネート等の添加剤が電解液に添加されている場合、0.1wt%以上10wt%以下、好ましくは1wt%以上7wt%以下、さらに好ましくは2wt%以上5wt%以下であることが望ましい。また、環状ボロキシンの添加量としては、ビニレンカーボネート等の添加剤が電解液に添加されていない場合、0.1wt%以上10wt%未満、好ましくは1wt%以上7wt%以下、さらに好ましくは2wt%以上5wt%以下であることが望ましい。
1 電池
10 正極
11 セパレータ
12 負極
13 電池缶
14 正極タブ
15 負極タブ
16 内蓋
17 内圧開放弁
18 ガスケット
19 PTC素子
20 電池蓋
21 軸心

Claims (7)

  1. (R1O)(R2O)(R3O)(BO)3(R1、R2、R3は炭化水素基)で示される環状ボロキシン化合物を含むリチウムイオン二次電池用負極。
  2. 請求項1において、
    前記環状ボロキシンの混合量が10%以下であるリチウムイオン二次電用負極。
  3. 請求項1乃至2のいずれかにおいて、
    1、R2、R3のいずれか一つ以上が2級炭素であるリチウムイオン二次電用負極。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    環状ボロキシン化合物はトリイソプロポキシボロキシンであるリチウムイオン二次電用負極。
  5. 請求項1乃至4のいずれかのリチウムイオン二次電池用負極を有するリチウムイオン二次電池であって、
    前記リチウムイオン二次電池は、リチウムイオン二次電池用電解液を含み、
    前記リチウム二次電池用電解液は、ビニレンカーボネートを含むリチウムイオン二次電池。
  6. 前記請求項5において、
    ビニレンカーボネートの添加量は0.1wt%以上10wt%以下であるリチウムイオン二次電池。
  7. (R1O)(R2O)(R3O)(BO)3(R1、R2、R3は炭化水素基)で示される環状ボロキシン化合物を含むリチウムイオン二次電池用負極の製造方法であって、
    前記環状ボロキシン化合物が混合されたスラリーが負極集電体に塗布されることによりリチウムイオン二次電池用負極が作製されるリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
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