JP5941999B2 - リチウムイオン二次電池用負極活物質及びそれらを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質及びそれらを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質及びそれらを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池に対する開発が盛んに進められている。1980年代,1990年代の携帯電話やノートPCの発達に伴い、それらの電源用として二次電池は高性能化されている。二次電池としては鉛蓄電池やニッカド電池より、高エネルギー密度を持つリチウムイオン二次電池が主に用いられている。
負極活物質としてリチウムイオンの吸蔵・放出が可能な炭素材料を用いた場合、充電時に、炭素材料の層間にリチウムイオンが吸蔵されるため、負極上に金属リチウムが析出することがなく、デンドライトによる内部短絡の問題を回避することができる。しかしながら、負極材料として炭素材料を用いた電池においても、電池内で正極と負極とが接触し、内部短絡が発生することがある。内部短絡が発生すると、正極と負極とが接触した部分に大電流が集中するとともに発熱が起こり、電池の温度が急激に上昇して発火に至る可能性がある。
また、リチウムイオン二次電池の電解液には、主に非水溶媒が用いられている。従って、過充電,加熱,短絡などが生じても発熱暴走状態となったりせず、さらに、電池が破裂発火しないよう信頼性の確保が重要である。
信頼性を高めるための技術として、特開2004−39558号公報(特許文献1)では、正負極に、180℃における体積抵抗率が−20℃以上〜60℃における体積抵抗率に比べて2.5倍以上である導電材を設けることが開示されている。その結果、短絡電流による急激な温度上昇を抑制することができる。
さらに、特開2011−76822号公報(特許文献2)には、負極活物質層の体積抵抗率を上昇させることが開示されている。
特開2004−39558号公報 特開2011−76822号公報
特許文献1のように、高温にならないと短絡電流が抑えられないシャットダウン機構には、常温での発熱を穏やかにする効果がない。従って、100〜200℃以下で電流を流れにくくすることができても、急激な発熱では、正極や負極や電解液がそれまでに自己発熱する温度に達してしまうと、継続的に発熱が起こり、熱暴走してしまうおそれがある。
特許文献2のように、体積抵抗率を単純に増大させる場合、サイクル劣化後の信頼性向上への寄与が小さい。また、電池の抵抗を増大させてしまうおそれがある。
従って本発明の目的は、電池の抵抗の上昇を抑制しつつ、リチウムイオン二次電池の信頼性を向上させることにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。リチウムイオンを吸蔵・放出するリチウムイオン二次電池用負極活物質であって、前記負極活物質は、炭素よりなる核材を有し、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が、0.32Ω・cm以上で、かつ式(1)を満たし、前記炭素は、X線回折装置測定により求められる炭素002面の面間隔が0.334nm以上0.338nm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極活物質。
式(1): r2≧0.13× r1
式(1)において、r2は、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率、r1は、密度1.2g/ccにおける体積抵抗率を表す。
本発明によると、電池の抵抗の上昇を抑制しつつ、リチウムイオン二次電池の信頼性を向上させたリチウムイオン二次電池用負極活物質を提供することができる。特に、サイクル劣化後の電池での効果が大きい。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書に取り入れるものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図である。図1に示す本発明の一実施形態に係る電池1は、正極10、セパレータ11、負極12、電池缶13、正極集電タブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数(Positive temperature coefficient;PTC)抵抗素子19、及び電池蓋20、軸心21から構成される。電池蓋20は、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、及び抵抗素子19からなる一体化部品である。また、軸心21には、正極10、セパレータ11及び負極12が捲回されている。
セパレータ11を正極10及び負極12の間に挿入し、軸心21に捲回した電極群を作製する。軸心21は、正極10、セパレータ11及び負極12を担持できるものであれば、公知の任意のものを用いることができる。電極群は、図1に示した円筒形状の他に、短冊状電極を積層したもの、又は正極10と負極12を扁平状等の任意の形状に捲回したもの等、種々の形状にすることができる。電池缶13の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒形、偏平長円形状、扁平楕円形状、角形等の形状を選択してもよい。
電池缶13の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製等、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択される。また、電池缶13を正極10又は負極12に電気的に接続する場合は、非水電解質と接触している部分において、電池缶13の腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように、電池容器13の材料の選定を行う。
電池缶13に電極群を収納し、電池缶13の内壁に負極集電タブ15を接続し、電池蓋20の底面に正極集電タブ14を接続する。電解液は、電池の密閉の前に電池缶13の内部に注入する。電解液の注入方法は、電池蓋20を解放した状態にて電極群に直接添加する方法、又は電池蓋20に設置した注入口から添加する方法がある。
その後、電池蓋20を電池缶13に密着させ、電池全体を密閉する。電解液の注入口がある場合は、それも密封する。電池を密閉する方法には、溶接、かしめ等公知の技術がある。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、例えば、下記のような負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解質を注入することによって製造することができる。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極及び負極とそれらを隔てるセパレータとを捲回して捲回式電極群にするか、又は正極、負極及びセパレータを積層させて積層型の電極群とすることができる。
図1に示す電池の構成は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極活物質を適用可能なリチウムイオン二次電池の内部構造のあくまでも一例であり、本発明の一実施形態に係る負極が適用可能な電池は図1に記載のものに制限されるものでない。
<負極>
前記の問題に鑑み、発明者らが鋭意検討を行った結果、サイクル劣化後のリチウムイオン二次電池の信頼性には、高密度時の体積抵抗率が大きい負極活物質を用いる事が重要である事がわかった。負極活物質として黒鉛を用いた場合、サイクル劣化後の負極は、負極中の黒鉛が膨張収縮により移動することで、負極内に黒鉛粒子の分布が生まれ、黒鉛が疎な部分と密な部分が存在する。そして、内部短絡が発生した際に黒鉛が密な部分で大電流が流れると推測される。この黒鉛が密な負極部分で流れる常温での電流を抑制することが、内部短絡が発生した際の発火を防ぐ点において、重要であることを見出した。黒鉛が高密度になった箇所は、低密度の箇所に比べて電子伝導性が高く、大電流が流れてしまうため、高密度時の体積抵抗率の大きな黒鉛を用いることが重要である。
一方で、サイクル劣化後の黒鉛が高密度な状態に比べて、黒鉛が低密度な状態での体積抵抗率は大きくないことが好ましい。低密度での体積抵抗率が大きい場合、電子伝導性が低下し、電池の抵抗が大きくなってしまうからである。また、サイクル劣化後の電流は高密度領域で流れるため、リチウムイオン二次電池の信頼性の向上への効果も小さい。
すなわち、低密度から高密度に変化した際の体積抵抗率の減少量が小さい負極活物質を用いる事で、初期の抵抗が小さくサイクル劣化後の電池の信頼性向上を両立出来ることを見出した。
本発明の負極活物質は、XRD測定により求められる炭素002面の面間隔が0.334nm〜0.338nmの炭素材料であって、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が、0.32Ω・cm以上でかつ以下式(1)を満たす事を特徴としたリチウムイオン二次電池負極用炭素粒子である。
式(1) r2≧0.13× r1
1は、密度1.2g/ccの体積抵抗率
2は、密度2.0g/ccの体積抵抗率
密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が、0.32Ω・cm未満の場合、サイクル劣化後のリチウムイオン二次電池の信頼性が低下するおそれがある。2.0g/ccの体積抵抗率は0.33Ω・cm以上が好ましく、さらに0.34Ω・cm以上が好ましい。
またr2<0.13× r1の場合、電池の初期の抵抗が増大してしまうため、好ましくない。r2≧0.13× r1を満たすこと好ましく、r2≧0.14× r1を満たす方がさらに好ましい。
負極の体積抵抗率を増大させる手段の例として、炭素活物質表面に酸化物や窒化物等の無機物や、ポリマー等で吸着もしくは被覆する方法が挙げられる。なお、本発明の吸着は物理吸着を表す。
吸着、被覆させる材料は、黒鉛表面になるべく均一、平滑で存在出来る事が好ましい。不均一な場合、低密度から高密度へ変化した際の体積抵抗率の減少が大きい傾向がある。
また、吸着、被覆させる材料は、高密度時に変形、切断、崩壊が起こりにくい材料が好ましい。特に切断、崩壊が起こった場合、低密度から高密度へ変化した際の体積抵抗率の減少が大きい傾向がある。
酸化物で被覆する場合、材料はリチウムイオンと合金化しない材料が好ましい。リチウムイオンと合金化する材料は、合金化することで膨張しやすく、このような材料を用いた場合サイクル特性が悪化する場合がある。
吸着、被覆させる材料は、窒化物や、酸化物やポリマーの中では特にポリマーが好ましい。ポリマーの場合、無機物や、酸化物に比べて比較的安価でかつ平滑に吸着させやすいためである。
ポリマーとして具体的には、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸Na、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸Na、ポリアクリル酸,ポリアクリル酸塩,ポリアクリル酸エステル,ポリメタクリル酸,ポリメタクリル酸塩,ポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。ポリマーの重量平均分子量は、1万〜120万であることが望ましい。上記の重量平均分子量は、液体クロマトグラフィーにより測定した値とする。
溶解性の観点から、ポリマーは、重合性官能基としてビニル基、スチレン基を有するモノマーの重合体であることが望ましい。
また、極性の観点からは、ポリマーは、ビニル基よりもスチレン基のような芳香族化合物を持つモノマーの重合体であることが好ましい。極性を高くすることで、吸着均一性が向上するためである。
ポリマーは、硫黄含有官能基を有することが特に好ましい。硫黄含有官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホニル基、チオール基、スルフィド基等が挙げられる。これらの官能基は極性が高く、吸着均一性が向上するためである。硫黄含有官能基として、これらの官能基を一種単独または複数種用いても良い。吸着均一性が向上することによって、低密度から高密度へ変化した際の体積抵抗率の減少が小さくなる。
また、pHの観点では特に官能基を塩にしている物が好ましい。例えば、アルカリ金属塩であり、カウンターイオンとしてはLi,Na,K,Ca等を挙げることが出来る。この中では、LiおよびNaが特に好ましい。
また、炭素表面を被覆する無機物としては、たとえばCaO,Sc23,SrO2,SnO2,BaO,La23,Nd23,WO3,Al23,SiO2等の酸化物、またはAlN,GaN,SiN等の窒化物、またはこれらの混合物を用いることができる。また、炭素表面を被覆する方法としてはたとえば溶液からの塗布法,蒸着法,ラングミュアブロジェット(LB)法,電解重合法,プラズマ重合法,CVD(chemical vapor deposition)法,スパッタリング法などを用いることができる。
本発明の一実施形態における負極12は、上記の負極活物質、バインダ及び集電体を含む。高レート充放電が必要な場合には、導電剤を添加することもある。
本発明の一実施形態で使用可能なポリマーが吸着した負極活物質(核材)としては、黒鉛を選択することができる。黒鉛は、黒鉛層間距離(d002)が0.334nm以上0.338nm以下であることが好ましい。0.338nmを超えると活物質の容量が小さく、電池の容量が小さくなってしまうため好ましくない。
負極活物質としての黒鉛は、リチウムイオンを化学的に吸蔵・放出可能な天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェ−ズ炭素、膨張黒鉛、炭素繊維、気相成長法炭素繊維、ピッチ系炭素質材料、ニードルコークス、石油コークス、及びポリアクリロニトリル系炭素繊維等を原料として製造される。なお、上記の黒鉛層間距離(d002)は、XRD(X線粉末回折法)(X−Ray Diffraction Method)等を用いて測定することができる。
負極活物質へのポリマーを吸着させる方法は以下の方法を用いることが出来る。但し、上記特徴を満たしているのであれば、その限りではない。
負極活物質の粒径は、負極活物質及びバインダから形成される負極合剤層の厚さ以下にすることが望ましい。負極活物質の粉末中に負極合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級や風流分級等により粗粒を除去し、負極合剤層の厚さ以下の粒子を使用することが好ましい。
具体的な粒径としては、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置により求めた平均粒径が、3μm以上30μm以下であることが好ましく、さらに3μm以上25μm以下、特に5μm以上20μm以下であることが好ましい平均粒径が30μmを超える場合、電極に凹凸ができやすくなるため、電池特性が低下する場合がある。また、3μm未満である場合、黒鉛がつぶれ難くなるため、密度を上げにくくなる傾向がある。なお、粒度分布は界面活性剤を含んだ精製水に試料を分散させ、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定することができ、平均粒径は累積50%粒径(50%D)として算出される。
0.1m2/g未満の場合は、負極活物質とリチウムイオンとの反応面積が減少するため、充放電特性が悪化する場合がある。また、10m2/gを超える場合は、電解質との反応が起こりやすくなるため、不可逆容量が増大してしまい、寿命特性が悪化する恐れがある。
吸着させるポリマーは、吸着均一性を高める観点から予め純水に溶かして水溶液にしておくのが好ましい。ポリマー水溶液の作製方法は、特に限定されないが、溶け残りは不均一化の原因となるため、溶け残りが無いように注意する必要がある。例えば、プロペラやウエーブロータで撹拌しながら少量ずつ添加する事で溶解することが出来る。この際、必要に応じて熱をかけても構わない。また、溶解後の水溶液の濾過を実施しても構わない。ポリマー水溶液の濃度は特に限定されないが、溶け残りの観点を考えると、0.5〜2.0質量%前後である事が好ましい。濃度が薄すぎる、もしくは濃すぎる場合、均一吸着性が低下する。
負極活物質である炭素材料に、作製したポリマー水溶液を添加し、ディスパー等を用いて撹拌する事で、ポリマーを吸着させる。この際、適宜純水を加えて、流動性を持たせる事が好ましい。十分に撹拌、分散させた後、炭素材料含有水溶液を恒温槽内に保持することで、乾燥させる。この際、温度は80℃以下で行うことが好ましい。100℃前後のような、水が沸騰する高温で処理すると吸着したポリマーの均一性が低下する恐れがあるため、好ましくない。
水分がある程度気化した段階で、高温や、真空下に保持する事で更に水分を飛ばす工程を加えても構わない。但し、ポリマーが分解するような高温は好ましくない。
得られた負極材は、解砕することが好ましい。解砕は、一般的なリチウムイオン二次電池用黒鉛材料の方法であれば特に限定されない。別の手法として、負極合剤スラリーの調整時に、ポリマーを添加する方法を用いても構わない。事後吸着は製造プロセスとの整合性を確保する必要があるが、事前吸着の場合に比べて製造コストを小さくする事が出来るメリットがある。
負極12の作製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、負極活物質、増粘剤、水溶性バインダ、及び事後吸着の場合、ポリマーを、溶媒中にいれ、ボールミル、プラネタリーミキサー等の一般的な混錬分散方法を用いてよく混練分散して、負極合剤スラリーを作製する。続いて、この負極合剤スラリーを、塗布機を用いて銅等の金属箔からなる集電体上に塗布し、例えば100℃前後の適当な温度にて真空乾燥し、プレス機を用いて圧縮成形した後に所望の大きさに切断又は打ち抜いて、目的の負極12を作製することができる。
負極合剤スラリーを調製する際の溶媒としては、特に限定されないが、例えば、純水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチレングリコール、トルエン、キシレン等が挙げられる。
水溶性バインダとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)やスチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の非フッ素系有機重合体を負極合剤に添加してもよい。更に増粘剤として、水溶性多糖類を併用する事が好ましい。水溶性多糖類としては、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、でんぷん、カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。これらのうち、一部を塩にしてもよい。この中では、特にカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
負極12の集電体には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μmで孔径0.1〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、又は発泡金属板等が用いられる。銅の他に、ステンレス、チタン、又はニッケル等の材質も適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
負極活物質、バインダ、及び有機溶媒を混合した負極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、又はスプレー法等によって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、負極を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回行うことにより、多層合剤層を集電体に形成させることも可能である。
負極には、上記の黒鉛、非黒鉛炭素等とは別の活物質として、リチウムと合金を形成する材料又は金属間化合物を形成する材料が混合されていても良い。例えば、アルミニウム、シリコン、スズ等の金属及びこれらの合金、リチウム含有の遷移金属窒化物Li(3-x)xN、ケイ素の低級酸化物LixSiOy(0≦x、0<y<2)、及びスズの低級酸化物LixSnOy(0≦x、0<y<2)が挙げられる。上記の材料以外の材料が混合する材料として、選択しても構わない。
<正極>
正極10は、正極活物質、導電剤、バインダ、及び集電体から構成される。正極活物質を例示すると、LiCoO2、LiNiO2、及びLiMn24が代表例である。他に、LiMnO3、LiMn23、LiMnO2、Li4Mn512、LiMn2-xMxO2(ただし、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、Li2Mn3MO8(ただし、M=Fe、Co、Ni、Cu、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種)、Li1-xxMn24(ただし、A=Mg、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Caからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.1)、LiNi1-xx2(ただし、M=Co、Fe、Gaからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、LiFeO2、Fe2(SO43、LiCo1-xx2(ただし、M=Ni、Fe、Mnからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、LiNi1-xx2(ただし、M=Mn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、Mgからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、Fe(MoO43、FeF3、LiFePO4、及びLiMnPO4等を列挙することができる。
正極活物質の粒径は、正極活物質、導電剤、及びバインダから形成される合剤層の厚さ以下になるように通常は規定される。正極活物質の粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級や風流分級等により粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を作製することが好ましい。
また、正極活物質は、一般に酸化物系であるために電気抵抗が高いので、電気伝導性を補うための炭素粉末からなる導電剤を利用する。正極活物質及び導電剤はともに通常は粉末であるので、粉末にバインダを混合して、粉末同士を結合させると同時に集電体へ接着させることができる。
正極10の集電体には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μmで孔径が0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、又は発泡金属板等が用いられる。アルミニウムの他に、ステンレスやチタン等の材質も適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
正極活物質、導電剤、バインダ、及び有機溶媒を混合した正極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、又はスプレー法等によって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、正極10を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能である。
<セパレータ>
以上の方法で作製した正極10及び負極12の間にセパレータ11を挿入し、正極10及び負極12の短絡を防止する。セパレータ11には、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるポリオレフィン系高分子シート、又はポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンを代表とするフッ素系高分子シートを溶着させた2層構造等を使用することが可能である。電池温度が高くなったときにセパレータ11が収縮しないように、セパレータ11の表面にセラミックス及びバインダの混合物を薄層状に形成してもよい。これらのセパレータ11は、電池の充放電時にリチウムイオンを透過させる必要があるため、一般に細孔径が0.01〜10μm、気孔率が20〜90%であれば、リチウムイオン二次電池に使用可能である
<電解質>
本発明の一実施形態で使用可能な電解液の代表例として、エチレンカーボネートにジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、又はエチルメチルカーボネート等を混合した溶媒に、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、又はホウフッ化リチウム(LiBF4)を溶解させた溶液がある。本発明は、溶媒や電解質の種類、溶媒の混合比に制限されることなく、他の電解液も利用可能である。
なお、電解液に使用可能な非水溶媒の例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート、1、2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1、3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1、2−ジエトキシエタン、クロルエチレンカーボネート、又はクロルプロピレンカーボネート等の非水溶媒がある。本発明の電池に内蔵される正極10又は負極12上で分解しなければ、これ以外の溶媒を用いてもよい。
また、電解質の例としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、又はリチウムトリフルオロメタンスルホンイミドで代表されるリチウムのイミド塩等、多種類のリチウム塩がある。これらの塩を、上記の溶媒に溶解してできた非水電解液を電池用電解液として使用することができる。本実施形態に係る電池が有する正極10及び負極12上で分解しなければ、これ以外の電解質を用いてもよい。
固体高分子電解質(ポリマー電解質)を用いる場合には、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド等のイオン伝導性ポリマーを電解質に用いることができる。これらの固体高分子電解質を用いた場合、セパレータ11を省略することができる利点がある。
さらに、イオン性液体を用いることができる。例えば、1−ethyl−3−methylimidazolium tetrafluoroborate(EMI−BF4)、リチウム塩LiN(SO2CF32(LiTFSI)とトリグライムとテトラグライムとの混合錯体、環状四級アンモニウム系陽イオン(N−methyl−N−propylpyrrolidiniumが例示される。)、及びイミド系陰イオン(bis(fluorosulfonyl)imideが例示される。)より、正極10及び負極12にて分解しない組み合わせを選択して、本実施形態に係る電池に用いることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、例えば、上述のような負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解質を注入することによって製造することができる。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極及び負極とそれらを隔てるセパレータとを捲回して捲回式電極群にするか、又は正極、負極及びセパレータを積層させて積層型の電極群とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例は一例であり、これらに限定されるものではない。
負極活物質の合成手順を示す。まずオートクレーブを用いて,石炭系コールタールを400℃で熱処理し生コークスを得た。この生コークスを粉砕した後,2800℃にて不活性雰囲気中でカ焼を行い,炭素層間距離(d002)が0.335nmの炭素材料を得た。この炭素材料を分級機付きの衝撃破砕機を用いて粉砕し,300メッシュの篩にて粗粉を除去して炭素粒子とした。その際の平均粒径は16.6μmで比表面積は5.8m2/gであった。
この黒鉛にポリマーを吸着させた。吸着させる高分子には、ポリビニルスルホン酸Naを用いた。水溶液濃度1.0質量%になるように純水にポリビニルスルホン酸Naを添加し、ウエーブロータで8h撹拌し溶液とした。
前述した黒鉛粒子100gに対し、ポリマーの固形分比が1質量%になるように、ポリビニルスルホン酸Na水溶液100gを撹拌しながら添加した。装置は、プラネタリーミキサーを用い、回転速度20rpmで混練分散した後、ディスパーを用い、5000rpmで3h撹拌し、スラリー化した。
得られたスラリーを80℃で3h保持して乾燥後、100℃真空乾燥を4h実施した。
得られた塊状黒鉛をミキサーで解砕し、目開き50μmの篩を用いて分級し、これをリチウムイオン二次電池用負極活物質とした。その際の平均粒径は17.8μmであり、比表面積は3.2m2/gであった。
正極活物質の合成手順を示す。原料として酸化ニッケル,酸化マンガン,酸化コバルトを使用し,原子比でNi:Mn:Co比が1:1:1となるように秤量し,湿式粉砕機で粉砕混合した。次に,バインダとしてポリビニルアルコール(PVA)を加えた粉砕混合粉を噴霧乾燥機で造粒した。得られた造粒粉末を高純度アルミナ容器に入れ,PVAを蒸発させるため600℃で12時間の仮焼成を行い,空冷後解砕した。さらに,解砕粉にLi:遷移金属(Ni,Mn,Co)の原子比が1:1:1 となるよう水酸化リチウム一水和物を添加し,充分混合した。この混合粉末を高純度アルミナ容器に入れて900℃で6時間の本焼成を行った。得られた正極活物質をボールミルで解砕分級した。この正極活物質の平均粒径は6μmであった。
本実施例の炭素材料における炭素002面の面間隔d002はリガク製X線回折装置RU200Bを用いて測定した。X線源には、Cuを用い回折確度はSiを用いて補正を行った。測定により得たピークをプロファイルフィッティングすることにより、ブラッグの式を用いて算出することが出来る。
実施例における材料の粒径(50%D)は(株)堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて調べた。光源としては,He−Neレーザ1mWを用い,炭素粒子の分散媒はイオン交換水に界面活性剤を2滴いれた物とした。予め5分以上超音波処理を行い,更に測定中も超音波処理を行って,凝集を防ぎつつ測定を行った。測定結果の累積50%粒径(50%D)を平均粒径とした。
実施例におけるリチウムイオン二次電池の負極活物質である炭素材料の比表面積は,炭素材料を120℃で3時間真空乾燥した後,日本ベル株式会社製BELSORP−miniを用い,77Kでの窒素吸着を用いて平衡時間300秒で測定した吸着等温線をBET法で解析し求めた。
本実施例における体積抵抗率は三菱化学製ロレスターGP、MCP-T610を用いて測定した。粉体抵抗は、圧力を1kNごとに20kNまで測定した。
次に,リチウムイオン二次電池を作成した。まず,正極を作製した。正極活物質85.0重量部に導電材として粉末状炭素とアセチレンブラックをそれぞれ7.0重量部と2.0重量部加え,あらかじめバインダとして6.0重量部のPVDFをNMPに溶解した溶液を加えて,さらにプラネタリ−ミキサーで混合し正極合剤スラリーとした。このスラリーを塗布機で厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一かつ均等に塗布した塗布後ロールプレス機により電極密度が2.55g/ccになるように圧縮成形し,正極とした。
次に,負極を作製した。負極活物質としての前記黒鉛97.0重量部に、CMC(カルボメチルセルロース)の1%水溶液の固形分1.5重量部相当量と、SBRの40%水溶液の固形分1.5重量部相当量を加え、さらにプラネタリ−ミキサーで混合し負極合剤スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ10μmの圧延銅箔からなる集電体の両面に塗布機で均一かつ均等に塗布した塗布後、ロールプレス機で圧縮成形し、負極とした。
まず,正極と負極を所望の大きさに裁断し,未塗布部にそれぞれ集電タブを超音波溶接した。集電タブはそれぞれ正極にはアルミニウムのリード片,負極にはニッケルのリード片を用いた。その後,厚み30μmのセパレータを多孔性のポリエチレンフィルムで正極と負極に挟みながら捲回したこの捲回体を電池缶に挿入し,負極タブを電池缶の缶底に抵抗溶接により接続し,正極タブには正極蓋を超音波溶接により接続した。体積比がEC,DMC,DECの体積比1:1:1の混合溶媒に1モル/リットルのLiPF6を溶解させた電解液を注液し,その後,正極蓋を電池缶にかしめて密封し,リチウムイオン二次電池を得た。
まず,電池の直流抵抗(DCR)を測定し、電池の出力密度を求めた。作製した電池を常温(25℃)前後で0.3C相当の電流で4.1Vまで充電し,その後4.1Vで電流が0.03Cになるまで定電圧充電を行った。30分休止後に0.3C相当の定電流で2.7Vまで定電流放電を行った。これを4サイクル行い初期化し、4サイクル目の放電容量より電池重量辺りの容量密度mAh/gを求めたさらに0.3Cで3.6Vまで定電流充電行った後,電流4CA,8CA,12CA,16CAの電流値で10秒間放電した。この時の電圧値を求めて,これを2.5Vまで外挿したときの限界電流から出力密度を求めた。結果を表1に示す。
次に、25℃で、500回の充放電サイクルを行った。各サイクルにおいては、1C相当の電流で4.1Vまで充電し、その後4.1Vで電流が0.03Cになるまで定電圧充電を行った。放電は、1C相当の電流で2.7Vまで放電した。充放電の間には休止を30分行った。
次いで、サイクルさせた電池を信頼性試験として電池の圧潰試験を行った。充電電圧4.1V、充電時間2時間、制限電流800mAの定電圧・定電流充電を行い、電池の圧潰試験を行った。直径6mmの円柱の丸棒を用いて、この丸棒が電池の外寸が最も長くなる方向に対して垂直になる方向から電池の中央部に押しつけて、電池の厚みが半分になるまで潰した。この際結果を変化無し,弁作動のみ,弁作動+発煙,弁作動+発煙+発火に分類した。ここで弁作動のみとは安全弁が開いた状態,弁作動+発煙は安全弁が開いて同時に気体が噴出した状態,弁作動+発煙+発火は気体が電池から噴出し,発火した状態である。また,各表では変化なしは「変化無し」,弁作動のみを「弁作動」,弁作動+発煙を「発煙」,弁作動+発煙+発火を「発火」と記載した。結果を表1に示す。
また信頼性試験として過充電試験をしてから電池の圧潰試験を行った。充電電圧を4.3Vに変更した以外は上述の方法と同様の手順で行った。結果を表1に示す。
ポリビニルスルホン酸Naをポリビニルスルホン酸に変更したこと以外は、同様に行った。
ポリビニルスルホン酸Naの水溶液濃度を0.5質量%にし、黒鉛と混合する際の添加量を200gにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
ポリビニルスルホン酸Naの水溶液濃度を2.0質量%にし、黒鉛と混合する際の添加量を50gにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
黒鉛に対するポリマーの添加量を、ポリマー固形分比を2質量%になるように、ポリビニルスルホン酸Naと黒鉛とを混合する際の添加量を200gにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
炭素への処理をCVDでWO3を100nmつけたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
炭素への処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様に行った。
(比較例2)
ポリスビニルスルホン酸Naの水溶液濃度を10質量%にし、黒鉛と混合する際の添加量を10gにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例3)
ポリスビニルスルホン酸Naの水溶液濃度を4.0質量%にし、黒鉛と混合する際の添加量を50gにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例4)
ポリスビニルスルホン酸Naの水溶液濃度を5.0質量%にし、黒鉛と混合する際の添加量を20gにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例5)
ポリマーをポリビニルアルコールに変更したこと意外は、実施例1と同様に行った。
Figure 0005941999
表1の実施例1−6と比較例1−4より、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が0.32Ω・cm未満であるときは、圧潰試験の際に4.1Vおよび4.3Vで発煙や発火が見られたのに対し、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が0.32Ω・cm以上では、圧潰試験の際に4.1Vおよび4.3Vで発火が見られなかったことから信頼性が向上していることは明らかである。また,実施例1−6と比較例5を比較すると,密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が0.32Ω・cm以上であっても、低密度から高密度へ変化した際の体積抵抗率の減少が大きい場合、DCRが急激に上昇し、出力密度が低下した。
このように,本発明で提供したリチウムイオン二次電池は従来技術と比較して,電池抵抗の上昇を最小限にしつつ、サイクル劣化後の電池の信頼性が向上したリチウムイオン二次電池であることが確認された。
10 正極
11 セパレータ
12 負極
13 電池缶
14 正極タブ
15 負極タブ
16 内蓋
17 内圧開放弁
18 ガスケット
19 PTC素子
20 電池蓋
21 軸芯

Claims (10)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出するリチウムイオン二次電池用負極活物質であって、
    前記負極活物質は、炭素よりなる核材を有し、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が、0.32Ω・cm以上で、密度1.2g/ccにおける体積抵抗率が2.61Ω・cm以下であり、かつ式(1)を満たし、
    前記体積抵抗率は、粉体を加圧して所定密度としたときの粉体抵抗であり、
    前記炭素は、X線回折装置測定により求められる炭素002面の面間隔が0.334nm以上0.338nm以下であり、
    前記負極活物質は、前記核材を被覆する被覆層を備え、
    前記被覆層は、ポリマーを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池負極活物質。
    式(1): r≧0.13× r
    式(1)において、rは、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率、rは、密度1.2g/ccにおける体積抵抗率を表す。
  2. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質において、
    前記ポリマーは、スルホン酸基、スルホニル基、チオール基、スルフィド基の少なくともいずれかの官能基を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  3. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質において、
    前記ポリマーは、ビニル基、スチレン基の少なくともいずれかを有するモノマーの重合体であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  4. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質において、
    前記ポリマーはポリビニルスルホン酸ナトリウムであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  5. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質において、
    前記負極活物質の粒径が3μm以上30μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  6. リチウムイオンを吸蔵・放出するリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法であって、
    前記負極活物質は、炭素よりなる核材と前記核材を被覆する被覆層とを有し、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率が0.32Ω・cm以上0.371Ω・cm以下で、かつ密度1.2g/ccにおける体積抵抗率が2.61Ω・cm以下であり、式(1)を満たし、
    前記体積抵抗率は、粉体を加圧して所定密度としたときの粉体抵抗であり、
    前記炭素は、X線回折装置(XRD)測定により求められる炭素002面の面間隔が0.334nm以上0.338nm以下であり、
    前記被覆層は、ポリマーを有し、
    前記核材に前記ポリマーを添加する際の前記ポリマーの水溶液の濃度が0.5質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
    式(1): r≧0.13×r
    式(1)において、r2は、密度2.0g/ccにおける体積抵抗率、rは、密度1.2g/ccにおける体積抵抗率を表す。
  7. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法において、
    濃度が0.5質量%以上2.0質量%以下である前記ポリマーの水溶液を調製する工程と、
    前記核材に、前記ポリマーの水溶液を添加する工程と、
    前記核材を含むポリマー水溶液を、80℃以下で乾燥させる工程と、を含むリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  8. 請求項ないしのいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池用負極。
  9. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極であって、
    前記負極は負極活物質、負極集電体、バインダを有し、
    前記バインダは水溶性であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  10. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池。
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