JP5978291B2 - 一酸化炭素放出分子およびその使用 - Google Patents

一酸化炭素放出分子およびその使用 Download PDF

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Description

発明の分野
本開示は、一酸化炭素放出分子(CO-RM)、ならびに、肝臓疾患および炎症性状態を処置するためのその使用に関する。
発明の背景
一酸化炭素(CO)は、最も一般的に遭遇する毒物である。逆説的に、半世紀以上前に、一酸化炭素が常にヒトにおいて少量形成されること、および、特定の病態生理学的条件下においてこの一酸化炭素の内部産生が増大することが見出された(Sjostrand, Scan J Clin Lab Invest. (1949) 1: 201−214)。したがって、一酸化炭素がヒトの体内において産生されることについては長い間知られていたが、科学者がこの気体分子の潜在的な生物学的活性を研究し始めたのは、つい近年になってからである。一酸化炭素の主要な内部ソースは、ヘムオキシゲナーゼであり、これは、常在型(HO-2およびHO-3)ならびに誘導型(HO-1)のアイソフォームにおいて存在する。ヘムは、一酸化炭素、遊離の二価の鉄およびビリベルジンの形成におけるHO-1およびHO-2のための基質として働き、ビリベルジンは、ビリベルジンレダクターゼによりビリルビンへと迅速に変換される(例えば、Maines, Annu Rev Pharmacol Toxicol. (1997) 37:517−554を参照)。一般に、HO-1が、UVA照射、発癌物質、虚血−再灌流傷害、エンドトキシンショック、および酸素により誘導されるフリーラジカルの産生により特徴づけられる幾つかの他の状態を含むストレス刺激に対する、中心的な誘導型防御システムを代表すると考えられている(例えば、Abraham et al., Cell Physiol Biochem. (1996) 6: 129−168を参照)。その生理学的および細胞保護的作用の一部として、ヘムオキシゲナーゼにより誘導される一酸化炭素は、神経伝達物質、類洞の緊張の調節因子、血小板凝集の阻害剤、および急性高血圧応答の抑制因子として、主要な役割を果たすと考えられる。外因的に適用される一酸化炭素は、動物の疾患モデルにおける一酸化炭素の有益な効果を明らかにするために、非常に有用な実験的手法となっている(例えば、US 2002155166、US 2003039638、US 2003219496、US 2003219497、US 2004052866、WO 03/103585、WO 04/043341を参照)。したがって、一貫する知見は、一酸化炭素についての多目的な役割を支持する一連の重要な細胞機能を明らかとする。
吸入による一酸化炭素投与は、換気装置、フェイスマスク、テントまたは携帯用吸入器などの特別な送達デバイスを必要とするので、臨床的適用のためには現実的ではない。さらに、吸入による治療標的への一酸化炭素の送達は、ヘモグロビンによる一酸化炭素の輸送を伴うので、非効率的である。ヘモグロビンは、一酸化炭素と可逆的に結合するが、そのアフィニティーは非常に高い。したがって、疾患組織における治療標的へ一酸化炭素を送達するために必要とされる用量は、有害効果を伴う可能性がある。一酸化炭素放出分子(CO-RM)は、中間のCO−ヘモグロビン複合体の形成を伴わずに一酸化炭素を直接的に治療標的へと送達することができる、潜在的な治療選択肢である(例えば、Johnson et al., Angew Chem Int Ed Engl (2003) 42:3722−3729を参照)。吸入による一酸化炭素送達に対するCO-RMによる一酸化炭素送達の利点は、一般に認識されている。しかし、CO-RMは、一酸化炭素を選択的に疾患組織へ送達することができるべきである。特定の疾患の処置のため最適であるCO-RMのアイデンティティーは、CO-RM開発の主要な問題であり続けている。したがって、in vivoでの投与により特定の疾患または器官を選択的に標的化する、治療上の利益を有するCO-RMについての必要性が存在し続けている。
発明の要旨
本出願は、発明のモリブデンCO-RM化合物、その医薬組成物、ならびに調製、使用および処置の方法を提供する。
一側面において、提供されるのは、式(I):
の化合物であって、
式中:
の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC1−3アルキル、または−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルであり、ここで、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルであり;
の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC1−3アルキル、または−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルであり、ここで、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである;
あるいは、RおよびRならびにそれらが結合している炭素は、独立して、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する;
ただし、同じ炭素に結合しているRおよびRの各々の場合は、両方がともに水素であることはない。
ある態様において、Rの各々の場合は、水素である。ある態様において、Rの各々の場合は、水素であり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキル、または−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−COで置換されたC1−3アルキルである。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキル、または−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルであり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキル、または−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルであり;Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルである。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルであり;Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたC1−3アルキルである。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたC1−3アルキルであり;Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたC1−3アルキルである。
ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素は、独立して、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する。
例示的な式(I)の化合物として、限定されないが、
ならびにその塩、エステル、アミド、溶媒和物および水和物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
また提供されるのは、式(I)の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせ、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、医薬組成物である。
別の側面において、提供されるのは、式(I)のエステル、例えば式(II):
式中、RおよびRは、本明細書において定義されるとおりであり;ならびに、Rの各々の場合は、独立して、C1−6アルキルである
のもの、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである。
さらに別の側面において、提供されるのは、式(I)のアミド、例えば式(III):
式中、RおよびRは、本明細書において定義されるとおりであり;ならびに、Rの各々の場合は、独立して、水素またはC1−6アルキルである
のもの、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである。
なお、さらに別の側面において、提供されるのは、対象において肝臓疾患および/または 炎症性疾患を処置する方法またはその使用である。ある態様において、方法は、式(I)の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせの有効量を投与することを含む。他の態様において、方法は、対象に、式(I)の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせの有効量を服用することを指示することを含む。ある態様において、有効量は治療有効量である。ある態様において、有効量は予防有効量である。
また提供されるのは、本発明の化合物を調製する方法である。
本開示の1または2以上の態様の詳細を、添付の図面および詳細な説明において記載する。本開示の他の特徴、目的および利点は、明細書および請求の範囲から明らかであろう。
図面の簡単な説明
特許または出願のファイルは、少なくとも1つのカラーで実行された図面を含む。この特許または特許出願の刊行物のカラー図面を含むコピーは、請求および必要な手数料の支払いにより、庁により提供される。
図1Aは、暗所における、または明所における、50mMのHEPESバッファー(pH7.4)中の化合物1b(50μM)からのCO放出を表わす。 図1Bは、ラット肝臓ミクロソームの存在下または不在下における、0.5MのK−リン酸バッファー(pH7.4)中の化合物1b(10μM)から放出されたCOを表わす。 図1Cは、CD-1メスマウスにおいて行われた組織CO分布実験を表わす。化合物1bを静脈内投与した(150μLのPBS(pH7.5)中50mg/kg)。投与の25分後、動物を安楽死させ、心臓、腎臓、肝臓および肺を収集し、CO素量化を行った。新しく収集した血液の試料を、AVOXimeter 4000キュベット(ITC)に移し、ポータブルのAVOXimeter 4000 CO−オキシメーターを用いて、カルボキシヘモグロビン(COHb)、オキシヘモグロビン(O2Hb)およびメトヘモグロビン(MetHb)のレベルを測定した。結果を、循環中の総ヘモグロビン種の平均パーセンテージとして示す。
図2Aは、暗所における、または明所における、50mMのHEPESバッファー(pH7.4)中の化合物2b(50μM)からのCO放出を表わす。 図2Bは、ラット肝臓ミクロソームの存在下または不在下における、0.5MのK−リン酸バッファー(pH7.4)中の化合物2b(10μM)から放出されたCOを表わす。 図2C〜2Eは、CD-1メスマウスにおいて行った3回の同一の組織CO分布実験を表わす。化合物2bを、静脈内投与した(150μLのPBS(pH7.5)中50mg/kg)。投与の25分後、動物を安楽死させ、心臓、腎臓、肝臓および肺を収集し、CO素量化を行った。新しく収集した血液の試料を、AVOXimeter 4000キュベット(ITC)に移し、ポータブルのAVOXimeter 4000 CO−オキシメーターを用いて、カルボキシヘモグロビン(COHb)、オキシヘモグロビン(O2Hb)およびメトヘモグロビン(MetHb)のレベルを測定した。結果を、循環中の総ヘモグロビン種の平均パーセンテージとして示す。 図2Dは、CD-1メスマウスにおいて行った同一の組織CO分布実験を表わす。 図2Eは、CD-1メスマウスにおいて行った同一の組織CO分布実験を表わす。
図3Aは、化合物3aのORTEP図を表わす;全ての非水素原子についての標識スキームを示す。熱楕円は、30%の確率レベルにある。 図3Bは、化合物3aのX線粉末回析(XRPD)パターンを表わす。
図4Aは、化合物3bのORTEP図を表わす;全ての非水素原子についての標識スキームを示す。熱楕円は、30%の確率レベルにある。 図4Bは、化合物3b、I型生成物のX線粉末回析(XRPD)パターンを表わす。 図4Cは、化合物3b、II型生成物のX線粉末回析(XRPD)パターンを表わす。 図4Dは、暗所における、または明所における、50mMのHEPESバッファー(pH7.4)中の化合物3b(50μM)からのCO放出を表わす。 図4Eは、ラット肝臓ミクロソームの存在下または不在下における、0.5MのK−リン酸バッファー(pH7.4)中の化合物3b(10μM)からのCO放出を表わす。 図4F〜4Gは、CD-1メスマウスにおいて行った2回の同一の組織CO分布実験を表わす。化合物3bを、静脈内投与した(150μLのPBS(pH7.5)中50mg/kg)。投与の25分後、動物を安楽死させ、心臓、腎臓、肝臓および肺を収集し、CO素量化を行った。新しく収集した血液の試料を、AVOXimeter 4000キュベット(ITC)に移し、ポータブルのAVOXimeter 4000 CO−オキシメーターを用いて、カルボキシヘモグロビン(COHb)、オキシヘモグロビン(O2Hb)およびメトヘモグロビン(MetHb)のレベルを測定した。結果を、循環中の総ヘモグロビン種の平均パーセンテージとして示す。 4Gは、CD-1メスマウスにおいて行った同一の組織CO分布実験を表わす。
図5Aは、ラット肝臓ミクロソームの存在下または不在下における、0.5MのK−リン酸バッファー(pH7.4)中の化合物4b(10μM)からのCO放出を表わす。 図5Bは、CD-1メスマウスにおいて行った組織CO分布実験を表わす。化合物4bを、静脈内投与した(150μLのPBS(pH7.5)中50mg/kg)。投与の25分後、動物を安楽死させ、心臓、腎臓、肝臓および肺を収集し、CO素量化を行った。新しく収集した血液の試料を、AVOXimeter 4000キュベット(ITC)に移し、ポータブルのAVOXimeter 4000 CO−オキシメーターを用いて、カルボキシヘモグロビン(COHb)、オキシヘモグロビン(O2Hb)およびメトヘモグロビン(MetHb)のレベルを測定した。結果を、循環中の総ヘモグロビン種の平均パーセンテージとして示す。
図6Aは、ラット肝臓ミクロソームの存在下または不在下における、0.5MのK−リン酸バッファー(pH7.4)中の化合物5b(10μM)からのCO放出を表わす。 図6Bは、CD-1メスマウスにおいて行った組織CO分布実験を表わす。化合物5bを、静脈内投与した(150μLのPBS(pH7.5)中50mg/kg)。投与の25分後、動物を安楽死させ、心臓、腎臓、肝臓および肺を収集し、CO素量化を行った。新しく収集した血液の試料を、AVOXimeter 4000キュベット(ITC)に移し、ポータブルのAVOXimeter 4000 CO−オキシメーターを用いて、カルボキシヘモグロビン(COHb)、オキシヘモグロビン(O2Hb)およびメトヘモグロビン(MetHb)のレベルを測定した。結果を、循環中の総ヘモグロビン種の平均パーセンテージとして示す。
図7は、CD-1マウスにおける化合物3bの薬物動態学を表わす。化合物3bを、静脈内(i.v.)で、100mg/kgの用量において投与した。血液試料を、投与の1、5、10、20および30分後に収集した。血清中の化合物3bの濃度を、HPLCによりアッセイした。実験の曲線は、循環からの排出およびCO放出を通しての減衰を表わす。
図8は、リン酸バッファー(pH7.4)(「バッファー」)、ヒト肝臓ミクロソーム(「ヒト」)またはラット肝臓ミクロソーム(「ラット」)の存在下におけるリン酸バッファー(pH7.4)中の、COの当量において表わされた、化合物3bから放出されたCOの量を表わす。アッセイは、1時間37℃で密封されたバイアル中で行った。気体のアリコートをバイアルの気体空間から取り除き、異なる時点におけるCO濃度をGC-RCPにより決定した。
図9は、CD-1メスマウスにおいて、化合物3bの300mg/kgにおける静脈内での投与の後で測定されたカルボキシヘモグロビン(CO-Hb)のパーセンテージを表わす。CO-Hbを、オキシメーター(A-vox Instruments製のAVOXimeter 4000)を用いて80分間にわたり測定した。この装置を用いて測定されたCO-Hbのベースラインは、3〜4%である。
図10A〜10Bは、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の生成およびクリアランスのダイナミクスを表わす。図10Aは、300mg/kgのアセトアミノフェン(APAP)の腹腔内(i.p.)注射による投与の後でのALT生成のダイナミクスを表わす。ALTは、経時的な(時間)U/Lにおいて表わす。図10Bは、300mg/kgのi.p.注射による投与の後でのAPAPクリアランスのダイナミクスを表わす。APAPは、経時的な(時間)g/Lにおいて表わす。
図11A〜11B。図11Aは、APAP誘導性の急性肝不全(ALF)モデルにおける血清ALTに対する化合物3bによる処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。APAP注射の1時間後に、動物を、0.3、3、30または60mg/kgの用量の化合物3bで処置した。APAP注射の22時間後にALTを測定した(各群についてn=5マウス)。図11Bは、APAPにより誘導される肝臓の損傷における化合物3bの効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。マウスに化合物3b(0.3、3、30、60mg/kg)または化合物1b(60mg/kg)をAPAPの1時間後に投与した。APAP注射の22時間後に、血清ALTを測定し(結果を図11Aにおいて示す)、マウス肝臓の小葉中心切片を作製し、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色し、肝臓ネクローシスのパーセンテージを決定した(図11B)。
図12A〜12Bは、ALFモデルにおける血清ALTに対するNACまたは化合物3bによる処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。動物を、APAP注射の1または3時間後に投与したNAC(N−アセチル−システイン;300mg/kg)または化合物3b(60もしくは120mg/kg)により処置した。APAP注射の22時間後にALTを測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。図12Bは、処置群における差異を可視化することを補助するための図12Aの拡大である。 図12Cは、ALTの血清での決定(図12A〜12B)により得られた結果を確認し、APAP誘導性のALFモデルにおける肝臓の損傷に対するNACまたは化合物3bによる処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。動物を、APAP注射の1または3時間後に投与したNAC(300mg/kg)または化合物3b(60もしくは120mg/kg)により処置した。APAP注射の22時間後に、血清ALTを測定し(図12A〜12Bにおいて示す)、マウス肝臓の小葉中心切片を作製し、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色し、肝臓ネクローシスのパーセンテージを決定した。
図13は、APAP誘導性の急性肝不全(ALF)モデルにおける血清ALTに対するNACまたは化合物3bによる処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。APAP注射の5時間または7時間後に、動物を、NAC(150mg/kg)もしくは化合物3b(120mg/kg)により、または両方の化合物の組み合わせにより処置した。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。
図14は、ALFモデルにおける血清ALTに対する化合物3bによる遅い処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。APAP注射の16時間後に、動物を、異なる用量の化合物3b(0.3、3、30または60mg/kg)で処置した。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。
図15A〜15Bは、ALFモデルにおける血清ALTに対するNACと化合物3bとによる組み合わせ処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。NAC(300mg/kg)および化合物3b(120mg/kg、図15A、または60mg/kg、図15B)を、マウスに、別々にまたは組み合わせて、APAP注射の1時間および3時間後に投与した。実験1および2は、2回の独立した実験を表わす。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。
図16は、アセトアミノフェンにより誘導される肝臓の損傷におけるNACおよび化合物3bの効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。NACおよび化合物3bを、APAP投与の1および3時間後に投与した。APAP注射の22時間後に、血清ALTを測定し、マウス肝臓の小葉中心切片を作製し、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色した。A:ナイーブなマウス;BおよびC:APAP対照マウス;DおよびE:APAPプラス化合物3b、2×100mg/kg(複製実験);FおよびG:APAPプラス化合物3b、2×300mg/kg(複製実験);HおよびI:APAPプラスNAC、2×300mg/kg(複製実験)。
図17は、500mg/kgのAPAPを注射された(i.p.)C57BL/6マウスの生存曲線を表わす。マウスを一晩絶食させ、その後APAPを投与した(n=15)。マウスの生存を4日間モニタリングした。
図18A〜18Bは、500mg/kgのAPAPを注射され(i.p.)、化合物3bで処置されたC57BL/6マウスの生存曲線を表わす。マウスを一晩絶食させ、その後APAPを投与した(n=15)。化合物3bを、120mg/kgの用量において、APAP投与の後1hおよび3hにおいて(A)または3hおよび5hにおいて(B)投与した。マウスの生存を4日間モニタリングした。
図19は、500mg/kgのAPAPを注射され(i.p.)、異なる時点において投与された化合物3b、NACまたは両方で処置されたC57BL/6マウスの生存曲線を表わす。マウスを一晩絶食させ、その後APAPを投与した(n=15)。化合物3bを、120mg/kg(ip)の用量において、APAP投与の後+3hまたは+4hにおいて投与した。別の群のマウスは、NAC(150mg/kg、ip)を、APAPの後+1hにおいて投与された。残りの2群には、NAC+化合物3bの組み合わせ様式において投与した;1群のマウスには、+1hにおいてNAC(150mg/kg、ip)プラス+3hにおいて化合物3b(120mg/kg、ip)を、他方には、+1hにおいて化合物3b(150mg/kg、ip)プラス+4hにおいて化合物3b(120mg/kg、ip)を投与した。マウスの生存を4日間モニタリングした。
図20は、虚血−再灌流モデルにおける化合物3bの効果を表わす。麻酔したC57BL/6マウスにおいて、肝動脈および門脈を30分間クランプし、24時間後に血清ALTレベルを決定した。化合物3bを、i.p.注射により30mg/kgにおいて手術の1時間前および1時間後に投与した。
図21A〜21Bは、アポトーシスのex-vivoモデルにおける化合物3bの効果を表わす。C57BL/6マウスからの初代培養肝細胞のアポトーシスを、アクチノマイシンD(ActD;200ng/mL)および腫瘍壊死因子−α(TNF−α;10ng/mL)により誘導した。アポトーシス誘導因子ActD/TNF−αの添加の1時間前および1時間後に、化合物3bを培養に添加した。化合物3bを、0.5mLのウェルあたり25、50、100および150μgの濃度で試験した。アポトーシス誘導因子の添加の24時間後に、肝細胞の生存率を決定した。図21A:アポトーシス誘導因子のみにより処置された細胞と比較しての、化合物3bの存在下におけるActD/TNF−α処置細胞の生存の増大のパーセンテージ。図21B:マウス肝細胞(アポトーシス誘導因子により処置されていないもの)に対する化合物3bの用量の毒性。データは、3〜5回の独立した実験(異なるマウスからの3〜5個の肝臓)の平均±S.D.である。
図22は、肝臓再生のモデルにおける化合物3bの効果を表わす。動物を麻酔し、肝臓の左葉および中葉に相当する肝臓の70%を摘除した。手術の1時間前および1時間後に、化合物3bを投与した(2×100mg/kg)。2日後、動物を安楽死させ、肝臓を採取し、計量し、ホスホヒストンH3(PH3、細胞分裂についての特異的マーカー)について染色した。
図23A〜23Cは、TNBS(2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸)により誘導される大腸炎のモデルにおける化合物3bの効果を表わす。Balb/Cマウスにおいて、4mgのTNBSを含む100mLの40%エタノールの1回の大腸内投与により、大腸炎を誘導した。デキサメタゾン(Dex:0.3mg/kg)、化合物3b(120mg/kg)またはそのビヒクルを、大腸炎誘導の1日前(第1日)から始まる連続した3日間の間、毎日投与した。大腸炎誘導の4日後において、マウスを安楽死させ、大腸を単離し、洗浄し、遠位大腸の7cmのセグメントを摘除し、計量した(図23A)。以下のスコアを用いて便のコンシステンシーを決定した:0、よく形成されたペレット;1、軟便;2、液状便または血便(図23B)。研究全体を通して動物を計量した(図23C)。
図24は、0.3、3、10または30mg/kgの用量において、APAP(300mg/kg)投与の3時間および5時間(+3h、+5h)後に投与された(i.p.)マウスにおけるALFモデルにおける化合物4bの効果を表わす。APAP投与の22時間後に血清ALTレベルを評価した。化合物4bは、APAPにより誘導されたALTレベルを、用量依存的な様式において低下させることができた;30mg/kgの用量において、ALTレベルは、未処置の対照動物と比較して75%低下した。
図25は、10、30または120mg/kgの用量においてAPAP(300mg/kg)投与の3時間および5時間(+3h、+5h)後に投与された(i.p.)マウスにおけるALFモデルにおける化合物5bの効果を表わす。APAP投与の22時間後に血清ALTレベルを評価した。化合物5bは、APAPにより誘導されたALTレベルを、用量依存的な様式において、低下させることができた;120mg/kgの用量において、ALTレベルは、未処置の対照動物と比較して70%低下した。
発明のある態様の詳細な説明
本開示は、少なくとも部分的に、式(I):
の特定の一酸化炭素放出分子(CO-RM)化合物が、治療的なCOを放出する分子であり、肝臓に対する特異性を有し、肝臓のネクローシスを低減し、肝臓の再生を刺激し、炎症を軽減することを発見したという驚くべき知見に基づく。
以下の開示から理解されるであろうが、式(I)の化合物は、同じ炭素に結合しているRおよびRの各々の場合は、両方ともが水素とはならないことを必要とする。この要件は、本発見の重要な側面である。例えば、RおよびRの各々の場合が水素である構造的に類似のCO放出分子は、in vivoでの肝不全のモデルにおいて不活性である。
したがって、本開示の化合物は、肝臓の疾患の処置のために特に有用であると考えられるが、また、一般に、炎症性疾患の処置における使用についても企図される。
化合物
一側面において、本開示は、式(I):
の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせを提供し、
式中:
の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC1−3アルキル、または−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルであり、ここで、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルであり;
の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC1−3アルキル、または−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルであり、ここで、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである;
あるいは、RおよびRならびにそれらが結合している炭素は、独立して、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する;
ただし、同じ炭素に結合しているRおよびRの各々の場合は、両方がともに水素であることはない。
具体的な化学用語は、以下に記載される。有機化学の一般的な原則、ならびに具体的な官能部分および反応性は、以下において記載される:Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年;SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc., New York、2001年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc., New York、1989年;ならびにCarruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年。有機金属化学の一般的な原則は、以下において記載される:S. W. Kirtley、Comprehensive Organometallic Chemistry I中、(G. Wilkinson、F. G.A. Stone、W. Abel編)、第3巻、1080、Pergamon、Oxford、1982年;M. J. Winter、Comprehensive Organometallic Chemistry II中(W. Abel、F. G.A. Stone、G. Wilkinson編)、第5巻、163、Pergamon、Oxford、1995年;ならびにM. Tamm、R. J. Baker、Comprehensive Organometallic Chemistry III中(R. H. CrabtreeおよびD. M. P. Mingos編)、第5巻、391、Elsevier、Oxford、2007年。
値の範囲が列記される場合、それは、各々の値および当該範囲内の部分範囲を包含することを意図される。例えば「C1−6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1−6、C1−5、C1−4、C1−3、C1−2、C2−6、C2−5、C2−4、C2−3、C3−6、C3−5、C3−4、C4−6、C4−5およびC5−6アルキルを包含することを意図される。
「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝状の飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1−10アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜9個の炭素原子を有する(「C1−9アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1−8アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を有する(「C1−7アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1−6アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する(「C1−5アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1−4アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1−3アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1−2アルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。一部の態様において、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルキル」)。C1−6アルキル基の例として、メチル(C)、エチル(C)、n−プロピル(C)、イソプロピル(C)、n−ブチル(C)、tert−ブチル(C)、sec−ブチル(C)、イソ−ブチル(C)、n−ペンチル(C)、3−ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3−メチル−2−ブタニル(C)、3級アミル(C)、およびn−ヘキシル(C)が挙げられる。アルキル基のさらなる例として、n−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)、n−ノニル(C)、n−デシル(C10)などが挙げられる。
「カルボシクリル」とは、非芳香族環系中に3〜4個の環炭素原子(「C3−4カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。例示的なC3−4カルボシクリル基として、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)およびシクロブテニル(C)が挙げられる。一部の態様において、「カルボシクリル」は、3〜4個の環炭素原子を有する、単環式の、飽和カルボシクリル基である(「C3−4シクロアルキル」)。
「アルケニル」とは、2〜10個の炭素原子および1または2以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分枝状の炭化水素基のラジカルを指す(「C2−10アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2−9アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2−8アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2−7アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2−5アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2−4アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2−3アルケニル」)。一部の態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1または2以上の炭素−炭素二重結合は、内部(2−ブテニルにおけるもののように)であっても、末端(1−ブテニルにおけるもののように)であってもよい。C2−4アルケニル基の例として、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが挙げられる。C2−6アルケニル基の例として、前述のC2−4アルケニル基に加えて、ペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが挙げられる。アルケニルのさらなる例として、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などが挙げられる。
「アルキニル」とは、2〜10個の炭素原子および1または2以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝状の炭化水素基のラジカルを指す(「C2−10アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2−9アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2−8アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2−7アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2−5アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2−4アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2−3アルキニル」)。一部の態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1または2以上の炭素−炭素三重結合は、内部(2−ブチニルにおけるもののように)であっても、末端(1−ブチニルにおけるもののように)であってもよい。C2−4アルキニル基の例として、限定されないが、エチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)などが挙げられる。C2−6アルケニル基の例として、前述のC2−4アルキニル基に加えて、ペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが挙げられる。アルキニルのさらなる例として、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが挙げられる。
「ヘテロシクリル」とは、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5員〜10員の非芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロシクリル」)。1または2以上の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合の点は、結合価の許容する限り、炭素原子であっても窒素原子であってもよい。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式のいずれかであってよく、飽和していても、1または2以上の炭素−炭素の二重または三重結合を含んでもよい。ヘテロシクリル二環式環系は、一方または両方の環において、1または2以上のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロシクリルはまた、上で定義されるようなヘテロシクリル環が1または2以上のカルボシクリル基に融合している環系であって、結合の点がカルボシクリルまたはヘテロシクリル環のいずれかにあるもの、または、上で定義されるようなヘテロシクリル環が1または2以上のアリールまたはヘテロアリール基に融合している環系であって、結合の点がヘテロシクリル環にあるものを含み、かかる例においては、環員の数は、ヘテロシクリル環系における環員の数を指し続ける。
一部の態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の非芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロシクリル」)。一部の態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の非芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロシクリル」)。一部の態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。一部の態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。一部の態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
例示的な1個のヘテロ原子を含む5員のヘテロシクリル基として、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。例示的な2個のヘテロ原子を含む5員のヘテロシクリル基として、限定されないが、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルが挙げられる。例示的な3個のヘテロ原子を含む5員のヘテロシクリル基として、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが挙げられる。例示的な1個のヘテロ原子を含む6員のヘテロシクリル基として、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが挙げられる。例示的な2個のヘテロ原子を含む6員のヘテロシクリル基として、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。例示的な2個のヘテロ原子を含む6員のヘテロシクリル基として、限定されないが、チアジナニル(triazinanyl)が挙げられる。例示的な1個のヘテロ原子を含む7員のヘテロシクリル基として、限定されないが、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが挙げられる。例示的な1個のヘテロ原子を含む8員のヘテロシクリル基として、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル(oxecanyl)およびチオカニルが挙げられる。例示的な二環式のヘテロシクリル基として、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドーリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニルなどが挙げられる。
「アリール」とは、芳香族環系中に提供される6〜10個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する単環式または二環式の4n+2の芳香族環系(例えば環配列中に共有される6または10πの電子を有する)のラジカルを指す(「C6−10アリール」)。一部の態様において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えばフェニル)。一部の態様において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。アリールはまた、上で定義されるようなアリール環が1または2以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基に融合している環系であって、ラジカルまたは結合の点がアリール環にあるものを含み、かかる例においては、炭素原子の数は、アリール環系における炭素原子の数を指し続ける。
「ヘテロアリール」とは、芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員の単環式または二環式の4n+2の芳香族環系(例えば環配列中に共有される6または10πの電子を有する)のラジカルを指し、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロアリール」)。1または2以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合の点は、結合価の許容する限り、炭素原子であっても窒素原子であってもよい。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環において1または2以上のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアリールは、上で定義されるようなヘテロアリール環が1または2以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基に融合している環系であって、結合の点がヘテロアリール環にあるものを含み、かかる例においては、環員の数は、ヘテロアリール環系における環員の数を指し続ける。ヘテロアリールはまた、上で定義されるようなヘテロアリール環が1または2以上のアリール基に融合している環系であって、結合の点がアリールまたはヘテロアリール環のいずれかにあるものを含み、かかる例においては、環員の数は、融合した多環式(アリール/ヘテロアリール)環系における環員の数を指す。二環式のヘテロアリール基であって、一方の環がヘテロ原子を含まないもの(例えばインドーリル、キノリニル、カルバゾリルなど)においては、結合の点は、いずれの環上にあっても、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば2−インドーリル)またはヘテロ原子を含まない環(例えば5−インドーリル)のいずれにあってもよい。
一部の態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロアリール」)。一部の態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロアリール」)。一部の態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。一部の態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。一部の態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
例示的な1個のヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定されないが、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが挙げられる。例示的な2個のヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが挙げられる。例示的な3個のヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。例示的な4個のヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。例示的な1個のヘテロ原子を含む6員のヘテロアリール基として、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。例示的な2個のヘテロ原子を含む6員のヘテロアリール基として、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられる。例示的な3または4個のヘテロ原子を含む6員のヘテロアリール基として、限定されないが、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。例示的な1個のヘテロ原子を含む7員のヘテロアリール基として、限定されないが、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが挙げられる。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基として、限定されないが、インドーリル、イソインドーリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルが挙げられる。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基として、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが挙げられる。
本明細書において定義されるようなアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、随意に置換されていてもよい(例えば「置換された」もしくは「未置換の」アルキル、「置換された」もしくは「未置換の」カルボシクリル、「置換された」もしくは「未置換の」ヘテロシクリル、「置換された」もしくは「未置換の」アリール、または「置換された」もしくは「未置換の」ヘテロアリール)。一般的に、用語「置換された」とは、用語「随意に」により先行されていてもいなくとも、基(例えば炭素または窒素原子)上に存在する少なくとも1の水素が、許容し得る置換基、すなわち、置換により安定な化合物(例えば転位、環化、脱離または他の反応などにより自発的に変化しない化合物)を生じる非水素置換基により置き換えられることを意味する。他に示されない限り、「置換された」基は、当該基の1または2以上の置換可能な位置において置換基を有し、任意の所与の構造において1つより多くの位置が置換される場合、置換基は、各々の位置において同じであるかまたは異なっている。用語「置換された」とは、有機化合物の全ての許容可能な置換基であって安定な化合物の形成をもたらすものによる置換を含むことを企図される。例示的な置換基として、限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、置換されているかもしくは未置換のヒドロキシル(例えば−OH、アルコキシ)、置換されているかもしくは未置換のチオール(例えば−SH、アルキルチオオキシ)、置換されているかもしくは未置換のアミノ(例えば−NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ)、シアノ、ニトロ、ハロ(すなわち、−F、Br、−Cl、−I)、エステル、アミド、イミノ、−COH、−CHOなどが挙げられる。
用語「塩」または「薬学的に受容可能な塩」とは、健全な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴うことなく、ヒトおよびより下等な動物の組織と接触して使用するために好適である塩であって、妥当な利益/リスク比により釣り合うものを指す。薬学的に受容可能な塩は、当該分野において周知である。例えば、J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1-19において薬学的に受容可能な塩を詳細に記載するBergeら、ならびにP. Heinrich StahlおよびCamille G. Wermuth, Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use. International Union of Pure and Applied Chemistry, Wiley-VCH 2002を参照。薬学的に受容可能な塩として、薬学的に受容可能な酸付加塩(すなわち、酸の付加により化合物から形成される塩)および薬学的に受容可能な塩基付加塩(すなわち、塩基の付加により化合物から形成される塩)が挙げられる。薬学的に受容可能な酸付加塩として、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩が挙げられる。薬学的に受容可能な塩基付加塩として、限定されないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛および4級アミンの塩が挙げられる。
本開示の化合物の「エステル」とは、分子中に提供されるカルボン酸(−COH)基の酸性の水素のうちの1または2以上が、非水素基(例えばアルキル基)により置き換えられる化合物を指す。例示的な本開示の化合物のエステルとして、限定されないが、以下の基:
式中、R、RA1、およびRA2は、本明細書において記載されるとおりであるが、ただし、R、RA1、およびRA2は、水素ではない
のうちの1または2以上を含む化合物が挙げられる。
本開示の化合物の「アミド」とは、分子中に提供されるカルボン酸(−COH)の−OH基のうちの1または2以上が、置換されているかもしくは未置換のアミノ基により置き換えられる化合物を指す。例示的な本開示の化合物のアミドとして、限定されないが、以下の基:
式中、R、RA1、およびRA2は、本明細書において記載されるとおりである
の1または2以上を含む化合物が挙げられる。
用語「水和物」とは、1または2以上の水の分子に非共有的に結合している本開示の化合物を指す。同様に、「溶媒和物」とは、1または2以上の有機溶媒の分子に非共有的に結合している本開示の化合物を指す。
(i)RおよびRの多様な態様
ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の少なくとも1つの場合は、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する。ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の少なくとも1つの場合は、連結されてシクロプロパニル(C)環を形成する。ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の少なくとも1つの場合は、連結されてシクロブタニル(C)環を形成する。
ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の少なくとも2つの場合は、独立して、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する。ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の少なくとも2つの場合は、連結されてシクロプロパニル(C)環を形成する。ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の少なくとも2つの場合は、連結されてシクロブタニル(C)環を形成する。
ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の各々の場合は、独立して、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する。ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の各々の場合は、連結されてシクロプロパニル(C)環を形成する。ある態様において、RおよびRならびにそれらが結合している炭素の各々の場合は、連結されてシクロブタニル(C)環を形成する。
ある態様において、RおよびRの少なくとも1つの場合は(ここで、RおよびRは同じ炭素に結合している)、水素、未置換のC1−3アルキルおよび−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルから独立して選択されるR(ここで、RA1は各々の場合、独立して、水素またはC1−10アルキルである);ならびに、水素、未置換のC1−3アルキルおよび−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルから独立して選択されるR(ここで、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである)を含む。
ある態様において、RおよびRの少なくとも2つの場合は(ここで、RおよびRは同じ炭素に結合している)、水素、未置換のC1−3アルキルおよび−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルから独立して選択されるR(ここで、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである);ならびに、水素、未置換のC1−3アルキルおよび−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルから独立して選択されるR(ここで、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである)を含む。
ある態様において、RおよびRは、各々の場合は(ここで、RおよびRは同じ炭素に結合している)、水素、未置換のC1−3アルキルおよび−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルから独立して選択されるR(ここで、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである);ならびに、水素、未置換のC1−3アルキルおよび−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルから独立して選択されるR(ここで、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである)を含む。
本明細書において用いられる場合、Rが未置換のC1−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである場合、Rが、各々の場合において、多様な異なる基を包含し得ること、例えば、Rの各々の場合は、未置換のC1−2アルキル、−COA1で置換されたC1−2アルキル、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−2アルキル、未置換のC2−3アルキル、−COA1で置換されたC2−3アルキル、−C(=O)N(RA1で置換されたC2−3アルキル、未置換のCアルキル、−COA1で置換されたCアルキル、−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキル、未置換のCアルキル、−COA1で置換されたCアルキル、−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキル、未置換のCアルキル、−COA1で置換されたCアルキル、または−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルから独立して選択することができることが、理解される。例えば、ある態様において、Rは、各々の場合において、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCOA1、−CHCHCOA1、−CH(COA1)CH、−CHCHCHCOA1、−CHCH(COA1)CH、−CH(COA1)CHCH、−CH(CH)(CHCOA1)、−C(COA1)(CH、−CHC(=O)N(RA1、−CHCHC(=O)N(RA1、−CH(C(=O)N(RA1)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA1、−CHCH(C(=O)N(RA1)CH、−CH(C(=O)N(RA1)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA1)および−C(C(=O)N(RA1)(CHから選択される。
上に一般的に記載するように、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである。ある態様において、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−8アルキルである。ある態様において、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−6アルキルである。ある態様において、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−4アルキルである。ある態様において、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−3アルキルである。ある態様において、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−2アルキルである。ある態様において、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはCアルキルである。ある態様において、RA1の各々の場合は、独立して、水素である。
さらに、本明細書において用いられる場合、Rが未置換のC1−3アルキルまたは−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルである場合、Rが、各々の場合において、多様な異なる基を包含し得ること、例えば、Rの各々の場合は、未置換のC1−2アルキル、−COA2で置換されたC1−2アルキル、−C(=O)N(RA2で置換されたC1−2アルキル、未置換のC2−3アルキル、−COA2で置換されたC2−3アルキル、−C(=O)N(RA2で置換されたC2−3アルキル、未置換のCアルキル、−COA2で置換されたCアルキル、−C(=O)N(RA2で置換されたCアルキル、未置換のCアルキル、−COA2で置換されたCアルキル、−C(=O)N(RA2で置換されたCアルキル、未置換のCアルキル、−COA2で置換されたCアルキル、または−C(=O)N(RA2で置換されたCアルキルから独立して選択することができることが、理解される。例えば、ある態様において、Rは、各々の場合において、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCOA2、−CHCHCOA2、−CH(COA2)CH、−CHCHCHCOA2、−CHCH(COA2)CH、−CH(COA2)CHCH、−CH(CH)(CHCOA2)、−C(COA2)(CH、−CHC(=O)N(RA2、−CHCHC(=O)N(RA2、−CH(C(=O)N(RA2)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA2、−CHCH(C(=O)N(RA2)CH、−CH(C(=O)N(RA2)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA2)および−C(C(=O)N(RA2)(CHから選択される。
上に一般的に記載するように、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである。ある態様において、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−8アルキルである。ある態様において、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−6アルキルである。ある態様において、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−4アルキルである。ある態様において、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−3アルキルである。ある態様において、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−2アルキルである。ある態様において、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはCアルキルである。ある態様において、RA2の各々の場合は、独立して、水素である。
(ii) RおよびRの一方が水素である態様
ある態様において、Rの各々の場合は、水素である。この場合、ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、未置換のC1−3アルキルまたは−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、未置換のC1−3アルキルである。
ある態様において、Rは水素であり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−2アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC2−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCOA1、−CHCHCOA1、−CH(COA1)CH、−CHCHCHCOA1、−CHCH(COA1)CH、−CH(COA1)CHCH、−CH(CH)(CHCOA1)、−C(COA1)(CH、−CHC(=O)N(RA1、−CHCHC(=O)N(RA1、−CH(C(=O)N(RA1)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA1、−CHCH(C(=O)N(RA1)CH、−CH(C(=O)N(RA1)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA1)および−C(C(=O)N(RA1)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCOA1もしくは−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCOHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA1である。
ある態様において、Rの各々の場合は、水素であり、Rの各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA1、−CHCHCOA1、−CH(COA1)CH、−CHCHCHCOA1、−CHCH(COA1)CH、−CH(COA1)CHCH、−CH(CH)(CHCOA1)または−C(COA1)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCOHである。
ある態様において、Rの各々の場合は、水素であり、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA1で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA1、−CHCHC(=O)N(RA1、−CH(C(=O)N(RA1)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA1、−CHCH(C(=O)N(RA1)CH、−CH(C(=O)N(RA1)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA1)および−C(C(=O)N(RA1)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHC(=O)NHである。
ある態様において、Rの各々の場合は、水素であり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキル。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH,または−CH(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。
(iii)RまたはRのいずれも水素ではない態様
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルであり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−2アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC2−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCOA1、−CHCHCOA1、−CH(COA1)CH、−CHCHCHCOA1、−CHCH(COA1)CH、−CH(COA1)CHCH、−CH(CH)(CHCOA1)、−C(COA1)(CH、−CHC(=O)N(RA1、−CHCHC(=O)N(RA1、−CH(C(=O)N(RA1)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA1、−CHCH(C(=O)N(RA1)CH、−CH(C(=O)N(RA1)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA1)および−C(C(=O)N(RA1)(CH。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCOA1または−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCOHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)NHである。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルであり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−2アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC2−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCOA1、−CHCHCOA1、−CH(COA1)CH、−CHCHCHCOA1、−CHCH(COA1)CH、−CH(COA1)CHCH、−CH(CH)(CHCOA1)、−C(COA1)(CH、−CHC(=O)N(RA1、−CHCHC(=O)N(RA1、−CH(C(=O)N(RA1)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA1、−CHCH(C(=O)N(RA1)CH、−CH(C(=O)N(RA1)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA1)および−C(C(=O)N(RA1)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCOA1または−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCOH。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)NHである。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたC1−3アルキルであり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−2アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC2−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCOA1、−CHCHCOA1、−CH(COA1)CH、−CHCHCHCOA1、−CHCH(COA1)CH、−CH(COA1)CHCH、−CH(CH)(CHCOA1)、−C(COA1)(CH、−CHC(=O)N(RA1、−CHCHC(=O)N(RA1、−CH(C(=O)N(RA1)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA1、−CHCH(C(=O)N(RA1)CH、−CH(C(=O)N(RA1)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA1)および−C(C(=O)N(RA1)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCOA1または−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCOHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)NHである。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルであり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの少なくとも2つの場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−COA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、未置換のC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−2アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC2−3アルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルまたは−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCOA1、−CHCHCOA1、−CH(COA1)CH、−CHCHCHCOA1、−CHCH(COA1)CH、−CH(COA1)CHCH、−CH(CH)(CHCOA1)、−C(COA1)(CH、−CHC(=O)N(RA1、−CHCHC(=O)N(RA1、−CH(C(=O)N(RA1)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA1、−CHCH(C(=O)N(RA1)CH、−CH(C(=O)N(RA1)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA1)および−C(C(=O)N(RA1)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCOA1または−CHC(=O)N(RA1である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA1。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCOH。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA1である。
上の態様のいずれかにおいて、Rは、独立して、未置換のC1−3アルキルまたは−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルである。
上の態様のいずれかにおいて、Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA2、−CHCHCOA2、−CH(COA2)CH、−CHCHCHCOA2、−CHCH(COA2)CH、−CH(COA2)CHCH、−CH(CH)(CHCOA2)または−C(COA2)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHCOA2である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCOHである。
上の態様のいずれかにおいて、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA2で置換されたC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA2で置換されたC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA2で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA2で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−C(=O)N(RA2で置換されたCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA2、−CHCHC(=O)N(RA2、−CH(C(=O)N(RA2)CH、−CHCHCHC(=O)N(RA2、−CHCH(C(=O)N(RA2)CH、−CH(C(=O)N(RA2)CHCH、−CH(CH)(CHC(=O)N(RA2)および−C(C(=O)N(RA2)(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CHC(=O)N(RA2である。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHC(=O)NHである。
上の態様のいずれかにおいて、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルである。この場合、ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−2アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC2−3アルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、未置換のCアルキル。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCHまたは−CH(CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。
(iv)さらなる態様
上の議論から、上記のような式(I)の化合物、およびそのサブセット(例えば式(II)の化合物)が、そのリガンド(i):
が、各々の場合に、同じであっても異なっていてもよい化合物を包含することが理解されるべきである。例えば、ある態様において、リガンド(i)の各々の場合は、同じである。ある態様において、リガンド(i)の少なくとも1つの場合は異なっている。
ある態様において、Rの各々の場合は、同じである。ある態様において、Rの各々の場合は、同じである。例えば、ある態様において、同じ炭素に結合しているRとRとは、同じである。ある態様において、RおよびRの各々の場合は、−CHである。ある態様において、RおよびRの各々の場合は、−CHCHである。ある態様において、RおよびRの各々の場合は、−CHCHCHである。ある態様において、RおよびRの各々の場合は、−CHCOHである。ある態様において、RおよびRの各々の場合は、−CHCOCHである。
しかし、ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、同じ炭素に結合しているRと、またはRの別の場合と異なる。ある態様において、Rの少なくとも1つの場合は、同じ炭素に結合しているRまたはRの別の場合と異なる。ある態様において、同じ炭素に結合しているRとRとは異なる基である。例えば、ある態様において、Rは水素であり、Rは−CHである。ある態様において、Rは水素であり、Rは−CHCHである。ある態様において、Rは水素であり、Rは−CHCHCHである。ある態様において、Rは水素であり、Rは−CHCOHである。ある態様において、Rは水素であり、Rは−CHCOCHである。
上の議論から理解されるとおり、同じ炭素に結合している基RおよびRは、各々、異なっていてもよく、例えば、ここで、Rは水素であり、Rは水素ではない。この場合、式(i)のキラルリガンドであり、すなわち(R)または(S)立体化学を有する。ある態様において、キラルリガンドは、(R)立体化学を有する。ある態様において、キラルリガンドは、(S)立体化学を有する。
上記の態様の多様な組み合わせが、本明細書においてさらに企図される。
例えば、式(I)のある態様において、RまたはRのいずれも、水素ではない。
式(I)の他の態様において、Rの各々の場合は、水素であり、すなわち、式(I−a)の化合物:
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせを提供する;式中、Rは、本明細書において記載されるとおりである。
が未置換のC1−3アルキルである他の態様において、式(I)の化合物は、式(I−b)の化合物:
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである;式中、Rは、本明細書において記載されるとおりであり、mの各々の場合は、独立して、0、1または2である。ある態様において、mは0である。ある態様において、mは1である。ある態様において、mは2である。ある態様において、Rは、水素である。ある態様においてRは水素ではない。
例えば、Rが水素である式(I−b)のある態様において。式(I)の化合物は、式(I−c)の化合物:
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、各々の場合、mは、独立して、0、1または2である。ある態様において、mは0である。ある態様において、mは1である。ある態様において、mは2である。
が未置換のC1−3アルキルである式(I−b)のある態様において化合物は、式(I−d):
のもの、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、各々の場合、rは、独立して、0、1または2である。ある態様において、rは0である。ある態様において、rは1である。ある態様において、rは2である。
が−COA1により置換されたC1−3アルキルであるさらに他の態様において、式(I)の化合物は、式(I−e)の化合物:
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、RおよびRA1は、本明細書において記載されるとおりであり、pの各々の場合は、独立して、1、2または3である。ある態様において、pは1である。ある態様において、pは2である。ある態様において、pは3である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは水素ではない。ある態様において、RA1は水素である。
例えば、Rが水素である式(I−e)のある態様において、化合物は、式(I−f):
のもの、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、RA1は、本明細書において記載されるとおりであり、pの各々の場合は、独立して、1、2または3である。ある態様において、pは1である。ある態様において、pは2である。ある態様において、pは3である。ある態様において、RA1は水素である。
が−CON(RA1により置換されたC1−3アルキルであるさらに他の態様において、式(I)の化合物は、式(I−g)の化合物:
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、RA1は、本明細書において記載されるとおりであり、pの各々の場合は、独立して、1、2または3である。ある態様において、pは1である。ある態様において、pは2である。ある態様において、pは3である。ある態様において、RA1は、水素である。
例えば、Rが水素である式(I−g)のある態様において、化合物は式(I−h):
のもの、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、RA1は、本明細書において記載されるとおりであり、pの各々の場合は、独立して、1、2または3である。ある態様において、pは1である。ある態様において、pは2である。ある態様において、pは3である。ある態様において、RA1は、水素である。
およびRならびにそれらが結合している炭素が、各々の場合、独立して、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する式(I)のなおさらに別の態様において、化合物は、式(I−i):
のもの、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、qの各々の場合は、独立して、1または2である。ある態様において、qは1である。ある態様において、qは2である。
例示的な式(I)の化合物として、限定されないが、以下:
ならびにその塩、エステル、アミド、溶媒和物および水和物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
ある態様において、式(I)の化合物は、化合物(2−b):
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである。
本開示は、さらに、分子式C1515Moの化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせを提供する。
ある態様において、式(I)の化合物は、化合物(3−b):
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである。
本開示は、さらに、分子式C1821Moの化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせを提供する。
ある態様において、式(I)の化合物は、化合物(4−b):
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである。
本開示は、さらに、分子式C181515Moの化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせを提供する。
ある態様において、式(I)の化合物は、化合物(5−b):
またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである。
本開示は、さらに、分子式C1815Moの化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせを提供する。
式(I)の化合物が、当該化合物の塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物およびそれらの任意の組み合わせを包含することが理解される。塩、エステル、アミド、溶媒和物および水和物は、本明細書において記載される。
ある態様において、式(I)の化合物は、塩を含む。ある態様において、式(I)の化合物は、完全にプロトン化された化合物と1または2以上の塩との混合物を含む。式(I)の化合物の特定の塩形態は、本明細書において企図される。なぜならば、化合物は、塩基と接触した場合に塩を形成し得る複数の酸性基を含むからである(「塩基付加塩」)。
例えば、ある態様において、式(I)の化合物の塩は、それに結合した1、2、3またはそれより多くのカルボン酸基の脱プロトン化から製造される塩、例えば、式(I−j)、(I−k)、(I−l)または(I−m):
において表わされる塩、またはその溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせなどであり、式中、ここで、xは、1、2、3、4、5または6であり、Qはカチオン、すなわち、化合物を中性にするものである。
式(I−m)の化合物の描写から明らかであるが、本開示は、リガンド(i)に結合した1または2以上の−COH置換基の脱プロトン化からの塩形成を包含する。簡略化のために、式(I−m)の化合物は、完全に脱プロトン化されたものとして表わされる。しかし、カルボン酸基のうちの1、2、3、4または5個が脱プロトン化されている全ての中間の塩形態もまた企図される。
さらに、上記から理解されるように、Qは任意のカチオン、すなわち、正の電荷を帯びる原子のうちの任意の原子または基であってよい。ある態様において、カチオンQの各々の場合は、独立して、Na、K、Li、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Al3+、または式[NR の4級アミンであり、ここで、各々のRは、独立して、水素または置換されているかもしくは未置換のC1−10アルキルであるか、あるいは、2個のR基は、連結されて、置換されているかもしくは未置換の5〜10員のヘテロアリールまたは置換されているかもしくは未置換の5〜10員のヘテロシクリル環を形成する。
ある態様において、Qの少なくとも1つの場合は、Na、K、Li、Mg2+、Ca2+、Zn2+またはAl3+である。ある態様において、Qの少なくとも1つの場合は、Na、KまたはLiである。ある態様において、Qの少なくとも1つの場合は、Naである。ある態様において、Qの少なくとも1つの場合は、Kである。ある態様において、Qの少なくとも1つの場合は、Liである。ある態様において、カチオンQの各々の場合は、独立して、Na、KまたはLiである。ある態様において、カチオンQの各々の場合は、Naである(すなわち、ナトリウム塩を提供する)。ある態様において、カチオンQの各々の場合は、Kである(すなわち、カリウム塩を提供する)。ある態様において、カチオンQの各々の場合は、Liである(すなわち、リチウム塩を提供する)。
ある態様において、カチオンQの少なくとも1つの場合は、式[NR または[(RN=Rの4級アミンであり、式中、Rは、置換されているかもしくは未置換のC1−10アルキル(例えば置換されているかもしくは未置換のC1−8アルキル、置換されているかもしくは未置換のC1−6アルキル、置換されているかもしくは未置換のC1−4アルキル、置換されているかもしくは未置換のC1−3アルキル、または置換されているかもしくは未置換のC1−2アルキル)であるか、あるいは、RおよびRは、連結されて、置換されているかもしくは未置換の5〜10員のヘテロアリールまたは置換されているかもしくは未置換の5〜10員のヘテロシクリル環を形成する;ならびに、Rの各々の場合は、独立して、水素または置換されているかもしくは未置換のC1−10アルキル(例えば置換されているかもしくは未置換のC1−8アルキル、置換されているかもしくは未置換のC1−6アルキル、置換されているかもしくは未置換のC1−4アルキル、置換されているかもしくは未置換のC1−3アルキル、または置換されているかもしくは未置換のC1−2アルキル)であるか、あるいは、2個のR基およびそれらが結合している窒素は、連結されて、置換されているかもしくは未置換の5〜10員のヘテロアリール、置換されているかもしくは未置換の5〜10員のヘテロシクリル環を形成する。
例示的な式[NR の4級アミンとして、限定されないが、コリン、ヒスチジン、リジンおよびアルギニンが挙げられる:
ある態様において、化合物(2−b)の塩は、以下の一、二または三塩の形態:
またはその溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかから選択され、ここで、xは、1、2または3であり、Qは、上記のとおり、カチオンである。
ある態様において、化合物(3−b)の塩は、以下の一、二または三塩の形態:
またはその溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかから選択され、ここで、xは、1、2または3であり、Qは、上記のとおり、カチオンである。
ある態様において、式(I)の化合物は、本明細書において記載されるとおり、エステルおよび/またはアミドである。ある態様において、エステルおよび/またはアミドは、式(I)のカルボン酸化合物を、in vivoで加水分解する。ある態様において、エステルおよび/またはアミドは、プロドラッグである。「プロドラッグ」とは、生物学的条件(例えば、in vivoまたはin vivoでの酵素条件)下において、反応して親カルボン酸化合物を提供することができる、式(I)の化合物のエステルおよび/またはアミドを指す。ある態様において、プロドラッグは、親化合物に対して物理学的特性/または送達特性が改善されている。プロドラッグは、典型的には、親化合物に関連する薬理学的に、薬学的に、および/または薬物動態学的に基づいた特性を増強するように、設計される。プロドラッグの利点は、その物理学的特性、例えば、生理学的pHにおける非経口投与のために水溶性が親化合物と比較して増強されていることにおいて存在してもよく、または、それは、消化管からの吸収を増強するか、または、長期保存のための安定性が増強されていてもよい。
ある態様において、エステルはプロドラッグであり、すなわち、式(I)のカルボン酸化合物へとin vivoで加水分解する。
ある態様において、式(I)の化合物のエステルは、式(II):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせである;式中、RおよびRは、本明細書において記載されるとおりである;ならびに、Rの各々の場合は、独立して、C1−6アルキルであるが、ただし、RおよびRが同じ炭素に結合している場合、各々の場合、その両方がともに水素であることはない。
ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、C1−5アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルキル、C1−2アルキル、C2−6アルキル、C2−5アルキル、C2−4アルキル、C2−3アルキル、C3−6アルキル、C3−5アルキル、C3−4アルキル、C4−6アルキル、C5−6アルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキルである。ある態様において、Rの各々の場合は、独立して、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH、−C(CH、−CHCHCHCHCH、−CHCHCH(CHまたは−CHCHCHCHCHCHである。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHである。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCHである。
例示的な式(II)の化合物として、限定されないが、
ならびにその塩、溶媒和物および水和物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
ある態様において、式(I)の化合物は、本明細書において記載されるように、アミドである。ある態様において、アミドはプロドラッグであり、すなわち、式(I)のカルボン酸化合物へとin vivoで加水分解する。
ある態様において、式(I)の化合物のアミドは、式(III):
化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせであり;式中、RおよびRは、本明細書において記載されるとおりである;ならびに、Rの各々の場合は、独立して、水素またはC1−6アルキルであるが、ただし、RおよびRが同じ炭素に結合している場合の各々の場合は、その両方がともに水素であることはない。
ある態様において、Rは、C1−5アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルキル、C1−2アルキル、C2−6アルキル、C2−5アルキル、C2−4アルキル、C2−3アルキル、C3−6アルキル、C3−5アルキル、C3−4アルキル、C4−6アルキル、C5−6アルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキルである。ある態様において、Rは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH、−C(CH、−CHCHCHCHCH、−CHCHCH(CHまたは−CHCHCHCHCHCHである。ある態様において、Rの各々の場合は、−CH。ある態様において、Rの各々の場合は、−CHCHである。
例示的な式(III)の化合物として、限定されないが、
ならびにその塩、溶媒和物および水和物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
調製の方法
提供されるのは、本開示の化合物、すなわち、式(I)、(II)および(III)の化合物を製造する方法である。
例えば、一側面において、提供されるのは、式(II):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせ;式中、R、RおよびRは、本明細書において定義されるとおりである;
を製造する方法であって、方法は、モリブデントリ−CO複合体を、式:
式中、R、R、およびRは、本明細書において記載されるとおりである;
のイソシアニドと反応させて、式(II)の化合物を提供することを含む。
ある態様において、モリブデントリ−CO複合体は、式:
Mo(CO)
のものであって、式中、Lは、3個の単座のリガンド、1個の二座のリガンドおよび1個の単座のリガンド、または1個の三座のリガンドのいずれかを表わす。
例示的な単座のリガンドとして、限定されないが、CO、有機ニトリル(例えばCHCN、CHCHCN)、一置換アミン、二置換アミン、三置換アミン、ヘテロシクリル(例えばピリジン、ピペリジン)、ジアルキルシアナミド、トリフェニルホスフィンオキシド、THF、DMFまたはNMFが挙げられる。
例示的な二座のリガンドとして、限定されないが、1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエン、1,2−エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライムまたは2,5−ジチアヘキサンが挙げられる。
例示的な三座のリガンドとして、限定されないが、共役環式トリエン(例えばシクロヘプタトリエン)、共役非環式トリエン、アレーン(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン)、テトラアザ大員環(例えばテトラアザシクロドデカン)、ポリアミン(例えばジエチレントリアミン)、およびトリチオシクロノナンが挙げられる。
ある態様において、モリブデントリ−CO複合体は、式:
Mo(CO)
のものであって、式中、Lは、3個の単座のリガンドのいずれかを表わす。ある態様において、3個の単座のリガンドは、COリガンドである。ある態様において、3個の単座のリガンドは、有機ニトリルリガンドである。
ある態様において、モリブデントリ−CO複合体は、式:
Mo(CO)
のものであって、式中、Lは、1個の二座のリガンドおよび1個の単座のリガンドを表わす。
ある態様において、モリブデントリ−CO複合体は、式:
Mo(CO)
のものであって、式中、Lは、1個の三座のリガンドを表わす。ある態様において、三座のリガンドは、環式トリエンである。ある態様において、環式トリエンは、シクロヘプタトリエンである。
ある態様において、モリブデントリ−CO複合体は:
である。
ある態様において、モリブデントリ−CO複合体は:
である。
さらに別の側面において、提供されるのは、式(I):
の化合物、またはその溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせ;式中、RおよびRは、本明細書において定義されるとおりである;を調製する方法であって、該方法は、式(II)の化合物を加水分解して、式(I)の化合物を提供することを含む。
ある態様において、加水分解する工程は、酸を含む。ある態様において、酸は、酸触媒を含む。
ある態様において、加水分解する工程は、塩基を含む。ある態様において、塩基は塩基触媒である。ある態様において、塩基は無機塩基である。ある態様において、塩基は水酸化物である。例示的な水酸化物として、NaOH、KOHおよびLiOHが挙げられる。
ある態様において、加水分解する工程は、酵素を含む。ある態様において、酵素は、カルボキシエステラーゼである。ある態様において、酵素はリパーゼである。
カルボン酸と、アミン(例えば式HN(Rのもの)またはアルコール(例えば式HORのもの)との化学的なカップリングにおいて、 当該分野において周知の方法を使用することができる;例えば、これらの型の化学的変換において有用な反応条件の例については、SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc., New York、2001年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc., New York、1989年;ならびにCarruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press, Cambridge、1987年を参照。
例えば、一側面において、提供されるのは、式(III):
の化合物、またはその溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせ;式中、R、RおよびRは、本明細書において定義されるとおりである;を調製する方法であって、該方法は、式HN(Rのアミンを式(I)の化合物とカップリングさせて式(III)の化合物を提供することを含む。
ある態様において、カップリングする工程は、式(I)の化合物および式HN(Rのアミンを、ペプチドカップリング剤と接触させることを含む。
医薬組成物
ある態様において、本開示は、本開示の化合物またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物またはそれらの組み合わせならびに薬学的に受容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、本開示の化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、医薬組成物中で有効量において提供される。
薬学的に受容可能な賦形剤として、所望される特定の投与形態に好適であるように、任意のおよび全ての溶媒、希釈剤または他の液体のビヒクル、分散もしくは懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、濃縮化もしくは乳化剤、保存剤、固体の結合剤、潤滑剤などが挙げられる。医薬組成物剤の処方および/または製造における一般的な考察は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、E. W. Martin(Mack Publishing Co., Easton, Pa.、1980年)およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版(Lippincott Williams & Wilkins、2005年)において見出すことができる。
本明細書において記載される医薬組成物は、薬理学の分野において公知の任意の方法により調製することができる。一般的に、かかる調製方法は、本開示の化合物(「活性成分」)を、キャリアおよび/または1または2以上の他の副成分と関連させる工程、ならびに、次いで、必要である場合および/または望ましい場合、製品を所望される1回用量単位または複数用量単位へと成形および/または包装することを含む。
医薬組成物は、1回単位用量として、および/または複数の1回単位用量として、調製し、包装し、および/またはバルクにおいて販売することができる。本明細書において用いられる場合、「単位用量」とは、予め決定された量の活性成分を含む、医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与されるであろう活性成分の投与量、および/またはかかる投与量の便利な画分、例えばかかる投与量の2分の1もしくは3分の1などに等しい。
本開示の医薬組成物中の活性成分、薬学的に受容可能な賦形剤および/または任意のさらなる成分の相対量は、処置される対象のアイデンティティー、サイズおよび/または状態に依存して、ならびにさらに組成物が投与されるべき経路に依存して、変化するであろう。例として、組成物は、0.1%〜100%(w/w)の活性成分を含むことができる。
提供される医薬組成物の製造において用いられる薬学的に受容可能な賦形剤として、不活性な希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝化剤、潤滑剤および/または油脂が挙げられる。カカオバターおよび坐剤用ロウなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤もまた、組成物中に存在してもよい。
例示的な希釈剤として、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム 乳糖、ショ糖、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖など、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
例示的な造粒および/または分散剤として、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、柑橘類のパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材製品、天然の海綿、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニルピロリドン)(クロスポピドン)、ナトリウムカルボキシメチルデンプン(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微結晶性デンプン、非水溶性デンプン,カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物など、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
例示的な界面活性剤および/または乳化剤として、以下が挙げられる:天然の乳化剤(例えばアラビアゴム、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラクス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ロウおよびレシチン)、コロイド性粘土(例えばベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびVeegum[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリルおよびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマーおよびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン[Tween 80]、モノパルミチン酸ソルビタン[Span 40]、モノステアリン酸ソルビタン[Span 60]、トリステアリン酸ソルビタン[Span 65]、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン[Span 80])、ポリオキシエチレンエステル(例えばポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシ化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレンおよびSolutol)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばCremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij 30])、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F 68、Poloxamer 188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムなど、ならびにそれらの組み合わせ。
例示的な結合剤として、以下が挙げられる:デンプン(例えばコーンスターチおよびデンプンペースト)、ゼラチン、糖(例えばショ糖、ブドウ糖、デキストロース、デキストリン、モラセス、乳糖、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成のゴム(例えばアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム,アイリッシュモスの抽出物、パンワー(panwar)ゴム、ガッチ(ghatti)ゴム、イサポール皮(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)およびカラマツアラボガラクタン)、アルギナート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリラート、ロウ、水、アルコールなど、ならびに/またはそれらの組み合わせ。
例示的な保存剤として、抗酸化剤、キレート剤、抗菌保存剤、抗真菌保存剤、アルコール 保存剤、酸性保存剤および他の保存剤が挙げられる。
例示的な抗酸化剤として、以下が挙げられる:アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウム。
例示的なキレート剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例えばエデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えばクエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、ならびに酒石酸ならびにその塩および水和物が挙げられる。例示的な抗菌保存剤として、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール,硝酸第二水銀フェニル、プロピレングリコールおよびチメロサールが挙げられる。
例示的な抗真菌保存剤として、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよびソルビン酸が挙げられる。
例示的なアルコール保存剤として、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸およびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
例示的な酸性保存剤として、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸およびフィチン酸が挙げられる。
他の保存剤として、以下が挙げられる:トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(hydroxytoluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、硫酸ナトリウムラウリルエーテル(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、カリウムメタ重亜硫酸、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、KathonおよびEuxyl。ある態様において、保存剤は抗酸化剤である。他の態様において、保存剤はキレート剤である。
例示的な緩衝化剤として、以下が挙げられる:クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、カリウムリン酸混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張食塩水、リンガー溶液、エチルアルコールなど、およびそれらの組み合わせ。
例示的な潤滑剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、モルト、ベハン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
例示的な天然の油脂として、以下が挙げられる:アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、ブラックカラントシード油、ルリジサ油、カデ油、カモミール油、キャノーラ油、キャラウェイ油、カルナウバロウ油、ヒマシ油、シナモン油、カカオバター油、ココナッツ油、タラ肝油、コーヒー油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、ユーカリ油、月見草油、魚油、亜麻仁油、ゲラニオール油、ウリ油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル油、ホホバ油、ククイ油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、リツェアクベバ油、マカデミアナッツ油、ゼニアオイ油、マンゴー種子油、メドウフォーム種子油、ミンク油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラフィー油、ヤシ油、パーム核油、杏仁(peach kernel)油、ピーナッツ油、ケシ種子油、カボチャ種子油、菜種油、米ぬか油、ローズマリー油、ベニバナ油、ビャクダン油、ツバキ(sasquana)油、サボリー油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバター油、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー油、アザミ油、ツバキ油、ベチベル油、クルミ油、および小麦胚芽油。例示的な合成の油脂として、限定されないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
経口および非経口投与のための液体の投与形態として、薬学的に受容可能な乳液、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて、液体投与形態は、当該分野に一般に用いられる不活性な希釈剤(例えば水または他の溶媒など)、可溶化剤および乳化剤(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなど)、油脂(例えば綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含んでもよい。不活性な希釈剤のほかに、経口用組成物は、湿潤化剤、乳化剤および懸濁剤などのアジュバント、甘味剤、香味剤および芳香剤を含んでもよい。非経口投与のためのある態様において、本開示の化合物は、Cremophor(登録商標)、アルコール、油脂、変性油脂、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマーおよびそれらの組み合わせなどの可溶化剤と混合される。
注射可能な調製物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液は、公知の技術に従って、好適な分散剤または湿潤化剤および懸濁剤を用いて、処方することができる。無菌の注射可能な調製物は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能溶液、懸濁液または乳液であってよい。使用することができる受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張の塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の硬化油が溶媒または懸濁媒として便利に用いられる。この目的のために、合成の、モノ−またはジグリセリドを含む任意の無菌の硬化油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能な調製物において用いられる。
注射可能な処方物は、例えば、細菌を保持するフィルターを通す濾過により、または、使用の前に無菌水または他の無菌の注射可能な培地中に溶解または分散させることができる無菌の固体組成物の形態において滅菌剤を組み込むことにより、滅菌することができる。
薬物の効果を延長するために、しばしば、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。このことは、水溶性が低い結晶質または非晶質の材料の液体懸濁液の使用により達成することができる。薬物の吸収の速度は、したがって、その溶解の速度に依存し、これは、結晶のサイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物の形態の吸収の遅延は、薬物を油性のビヒクル中に溶解または懸濁することにより達成される。
直腸または膣投与のための組成物は、典型的には坐剤であり、これは、本開示の化合物を、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤用のロウなどの、常温では固体であるが体内の温度においては液体であり、したがって直腸または膣腔において融解して活性成分を放出する、好適な非刺激性の賦形剤またはキャリアと混合することにより、調製することができる。
経口投与のための固体の投与形態として、カプセル、錠剤、丸剤、散剤および顆粒が挙げられる。かかる固体投与形態において、活性成分は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも一つの不活性な薬学的に受容可能な賦形剤もしくはキャリア、ならびに/または、a)デンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアラビアゴムなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)と混合される。パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤化剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびに、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、ならびにそれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投与形態は、緩衝化剤を含んでもよい。
類似の型の固体組成物を、乳糖(lactose)または乳糖(milk sugar)ならびに高分子ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質または硬質の充填されたゼラチンカプセル中の充填剤として使用してもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒の固体投与形態は、腸溶性コーティングおよび製薬の分野において周知の他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルと共に調製してもよい。それらは、随意に、乳白剤(opacifying agent)を含んでもよく、活性成分を、排他的にまたは優先的に、腸管内の特定の部位において、随意に、遅延された様式において、放出する組成物であってよい。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびロウが挙げられる。類似の型の固体組成物を、乳糖(lactose)または乳糖(milk sugar)ならびに高分子ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質または硬質の充填されたゼラチンカプセル中の充填剤として使用することができる。
活性成分は、上記のような1または2以上の賦形剤と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒の固体投与形態は、腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび制約の分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルと共に調製してもよい。かかる固体投与形態において、活性成分を、ショ糖、乳糖またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性な希釈剤と混合することができる。かかる投与形態は、通常の実施におけるもののように、不活性な希釈剤の他にさらなる物質、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの打錠用潤滑剤および他の打錠補助剤を含んでもよい。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投与形態は、緩衝化剤を含んでもよい。それらは、随意に、乳白剤を含んでもよく、活性成分を、排他的にまたは優先的に、腸管内の特定の部位において、随意に、遅延された様式において、放出する組成物であってよい。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびロウが挙げられる。
本開示の化合物の局所および/または経皮投与のための投与形態として、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤および/または賦形剤が挙げられる。一般に、活性成分を、無菌条件下において、必要となり得るとおりに、薬学的に受容可能なキャリアならびに/または任意の必要とされる保存剤および/もしくは緩衝化剤と、混合される。さらに、本開示は、経皮貼付剤の使用を企図し、これはしばしば、身体への活性成分の徐放をもたらすというさらなる利点を有する。かかる投与形態は、例えば活性成分を適切な媒体中に溶解および/または分散させることにより、調製することができる。あるいは、またはさらに、速度制御膜を提供することにより、ならびに/または、活性成分をポリマーマトリックスおよび/もしくはゲル中に分散させることにより、速度を制御することができる。
本明細書において記載される皮内用医薬組成物の送達における使用のための好適なデバイスとして、米国特許第4,886,499号:同第5,190,521号:同第5,328,483号:同第5,527,288号:同第4,270,537号:同第5,015,235号:同第5,141,496号:同第および5,417,662号において記載されるもののような、短い針デバイスが挙げられる。皮内用組成物は、PCT公開WO 99/34850において記載されるものおよびその機能的均等物のような、皮膚中への有効な針の浸透長を限定するデバイスにより投与することができる。角質層を穿孔して真皮に到達するジェットを発生させる液体ジェットインジェクターを介しておよび/または針を介して、液体のワクチンを真皮へ送達するジェットインジェクションデバイスが好ましい。ジェットインジェクションデバイスは、例えば、米国特許第5,480,381号:同第5,599,302号:同第5,334,144号:同第5,993,412号:同第5,649,912号:同第5,569,189号:同第5,704,911号:同第5,383,851号:同第5,893,397号:同第5,466,220号:同第5,339,163号:同第5,312,335号:同第5,503,627号:同第5,064,413号:同第5,520,639号:同第4,596,556号:同第4,790,824号:同第4,941,880号:同第4,940,460号:PCT公開WO 97/37705およびWO 97/13537において記載される。圧縮ガスを用いて粉末形態のワクチンを皮膚の外層を通して真皮へと加速させる、弾道的な粉末/粒子送達デバイスが好適である。あるいは、またはさらに、古典的なツベルクリンの皮内投与の方法において、従来のシリンジを用いてもよい。
局所投与のために好適な処方物として、限定されないが、リニメント、ローション、水中油型および/または油中水型の乳液(クリーム、軟膏および/またはペーストなど)、および/または溶液および/または懸濁液などの、液体および/または半液体の調製物が挙げられる。局所投与可能な処方物は、例えば、約1%〜約10%(w/w)の活性成分を含んでもよいが、活性成分の濃度は、当該溶媒中での当該活性成分の可溶性の限界まで高くてもよい。局所投与のための処方物は、さらに、本明細書において記載されるさらなる成分の1または2以上を含んでもよい。
本開示の医薬組成物は、頬側口腔を介する肺投与のために好適な処方において、調製し、包装し、および/または販売することができる。かかる処方物は、活性成分を含み約0.5〜約7ナノメートルまたは約1〜約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は、便利に、乾燥粉末の形態にあり、これは、噴霧剤の流動を向けて粉末を散布することができる乾燥粉末のリザーバを含むデバイスを用いるか、または、自走式の溶媒/粉末分配用容器(密封された容器中で低沸点の噴霧剤中に溶解および/または懸濁された活性成分を含むデバイスなど)を用いる投与のためのものである。かかる粉末は、少なくとも98重量%の粒子が0.5ナノメートルを超える直径を有し、少なくとも95%の数の粒子が7ナノメートル未満の直径を有する、粒子を含む。あるいは、少なくとも95重量%の粒子が1ナノメートルを超える直径を有し、少なくとも90%の数の粒子が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体の微細粉末希釈剤を含んでもよく、単位投与形態において便利に提供される。
低沸点噴霧剤は、一般に、大気圧において華氏65度未満の沸点を有する液体噴霧剤を含む。一般に、噴霧剤は、組成物の50〜99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1〜20%(w/w)を構成してもよい。噴霧剤はさらに、液体の非イオン性界面活性剤および/もしくは固体のアニオン性界面活性剤、ならびに/または固体の希釈剤(これは、活性成分を含む粒子と同じ桁の粒子サイズを有する)などの、さらなる成分を含んでもよい。
肺送達のために処方された本開示の医薬組成物は、活性成分を、溶液および/または懸濁液の液滴の形態において提供してもよい。かかる処方物は、随意に無菌の、活性成分を含む、水性および/または希釈されたアルコール性溶液および/または懸濁液として、調製し、包装し、および/または販売することができ、任意の噴霧(nebulization)および/または微粒化(atomization)デバイスを用いて、便利に投与することができる。かかる処方物は、さらに、限定されないが、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性オイル、緩衝化剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾアートなどの保存剤を含む、1または2以上のさらなる成分を含んでもよい。この投与の経路により提供される液滴は、約0.1〜約200ナノメートルの平均直径を有してもよい。
肺送達のために有用であるとして本明細書において記載される処方物は、本開示の医薬組成物の鼻内送達のために有用である。鼻内投与のために好適な別の処方物は、活性成分を含み、約0.2〜500マイクロメートルの平均粒子を有する粗い粉末である。かかる処方物は、鼻孔の近くに保持された粉末の容器からの鼻腔を通しての迅速吸入により投与される。
鼻内投与のための処方物は、例えば、わずか0.1%(w/w)の活性成分、および100%(w/w)までもの活性成分を含んでもよく、本明細書において記載されるさらなる成分の1または2以上を含んでもよい。本開示の医薬組成物は、頬側投与のための処方物において、調製し、包装し、および/または販売することができる。かかる処方物は、例えば、従来の方法を用いて製造された錠剤および/またはロゼンジの形態であってよく、例えば、0.1〜20%(w/w)の活性成分、経口で溶解可能なおよび/または分解可能な組成物を含むバランス、ならびに随意に本明細書において記載されるさらなる成分の1または2以上を含んでもよい。あるいは、頬側投与のための処方物は、活性成分を含む、粉末、ならびに/またはエアロゾル化および/もしくは微粒化された溶液および/もしくは懸濁液を含んでもよい。かかる粉末化、エアロゾル化および/または微粒化された処方物は、散布された場合、約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有してもよく、さらに、本明細書において記載されるさらなる成分の1または2以上を含んでもよい。
本開示の医薬組成物は、眼適用のための処方物において、調製し、包装し、および/または販売することができる。かかる処方物は、例えば、水性または油性の液体キャリア中の例えば0.1/1.0%(w/w)の活性成分の溶液および/または懸濁液を含む点眼剤の形態であってよい。かかる液滴は、さらに、緩衝化剤、塩、および/または本明細書において記載されるさらなる成分の1または2以上を含んでもよい。有用な他の眼投与可能な処方物として、活性成分を微結晶形態においておよび/またはリポソーム調製物において含むものが挙げられる。点耳剤および/または点眼剤は、本開示の範囲内にあるものとして企図される。
本明細書において提供される化合物は、代表的には、投与の容易性および投与量の均一性のために、投与単位形態において処方される。しかし、本開示の組成物の合計の一日の使用は、主治医により、健全な医学的判断の範囲内において決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象または生物のための具体的な治療有効用量レベルは、処置されている疾患、障害または状態、および障害の重篤度;使用される特定の活性成分;使用される特定の組成物;対象の年齢、体重、一般的健康状態、性別および食事;投与の時間、投与の経路、および使用される特定の活性成分の排出の速度;処置の期間;使用される特定の活性成分と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;ならびに医学の分野において周知の類似の要因を含む多様な要因に依存するであろう。
本明細書において提供される化合物および組成物は、腸内(例えば経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、クモ膜下腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、クリームおよび/または液滴によるものなど)、粘膜、鼻、頬側、舌下;気管内注入、気管支注入および/または吸入によるものを含む、任意の経路により投与することができる。特に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば全身静脈内注射)、血液および/もしくはリンパ補給を介する局所投与、ならびに/または患部への直接投与である。一般的に、最も適切な投与の経路は、剤の性質(例えば胃腸管の環境におけるその安定性)、対象の状態(例えば、対象が経口投与を耐容することができるか否か)などを含む多様な要因に依存するであろう。
有効量を達成するために必要とされる化合物の正確な量は、対象毎に、例えば、対象の種、年齢およ一般的状態、副作用または障害の重篤度、特定の化合物のアイデンティティー、投与の様式などに依存して変化するである。所望の投与量は、1日3回、1日2回、1日1回、2日毎、3日後、毎週、隔週、3週毎、または4週毎に送達することができる。ある態様において、所望の投与量は、複数回の投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回またはそれより多くの投与)を用いて送達してもよい。
ある態様において、本開示の化合物は、経口でまたは非経口で、所望の治療効果を得るために、1日1回または2回以上、対象の体重当たり1日あたり、約0.001mg/kg〜約200mg/kg、0.001mg/kg〜約150mg/kg、0.001mg/kg〜約100mg/kg、0.001mg/kg〜約50mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg〜約40mg/kg、好ましくは約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、およびより好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgを送達するために十分な投与レベルにおいて投与することができる。
本明細書において記載されるような用量の範囲は、提供される医薬組成物の成人に対する投与のためのガイダンスを提供することが理解されるであろう。小児または青年に対して投与される量は、医師または当業者により決定することができ、成人に対して投与されるものよりも低くても、同じであってもよい。
本明細書において記載される化合物または組成物は、1または2以上のさらなる治療的に活性な剤と組み合わせて投与することができることもまた理解されるであろう。化合物または組成物は、それらのバイオアベイラビリティーを改善するか、それらの代謝を低減および/もしくは改変するか、それらの排出を阻害するか、ならびに/または体内におけるそれらの分布を改変する、さらなる治療的に活性な剤と組み合わせて投与することができる。使用される治療は、同じ障害に対して所望の効果を達成してもよいこと、および/またはそれが異なる効果を達成してもよいこともまた理解されるであろう。
化合物または組成物は、1または2以上のさらなる治療的に活性な剤と同時に投与しても、それより前に投与しても、またはそれに続けて投与してもよい。一般的に、各々の剤は、その剤について決定された用量において、および/または時間的スケジュールにおいて、投与される。さらに、この組み合わせにおいて利用されるさらなる治療的に活性な剤は、単一の組成物中で一緒に投与されても、異なる組成物において別々に投与されてもよいことが理解される。レジメンにおいて使用されるべき特定の組み合わせは、本発明の化合物とさらなる治療的に活性な剤との適合性、および/または達成されるべき所望の治療効果を考慮する。一般的に、組み合わせて利用されるさらなる治療的に活性な剤は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルにおいて利用されることが予測される。一部の態様において、組み合わせにおいて利用されるレベルは、此処に利用されるものよりも低い。
本明細書において提供される医薬組成物の記載は、主に、ヒトに対する投与のために好適である医薬組成物を対象とするが、当業者は、かかる組成物が、全ての種類の動物に対する投与のために一般的に好適であることを理解するであろう。ヒトに対する投与のために好適な医薬組成物の、当該組成物を多様な動物に対する投与のために好適にするための改変は、よく理解されており、通常の技術を有する獣医学薬理学者は、通常の実験によりかかる改変を設計および/または実施することができる。
本開示によりなおさらに包含されるのは、キット(例えば医薬品のパック)である。提供されるキットは、本発明の医薬組成物または化合物、ならびに容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/もしくはディスペンサーパッケージ、もしくは他の好適な容器)を含むことができる。一部の態様において、提供されるキットは、随意にさらに、本発明の医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための医薬用賦形剤を含む、第2の容器を含んでもよい。一部の態様において、容器中に提供される本発明の医薬組成物または化合物と第2の容器とは、組み合わされて単位投与形態を形成する。
随意に、単一の容器は、本発明の医薬組成物もしくは化合物、および/または希釈もしくは懸濁のための薬学的に受容可能な賦形剤を含むための、1または2以上の区画を含んでもよい。一部の態様において、単一の容器は、容器が、区画の組み合わせおよび/または個々の区画を可能にするための物理的改変を受けることができるように、改変に適していてもよい。例えば、ホイルまたはプラスチックバッグが、シールを破壊するシグナルが発生した後で2つの個々の区画の内容物の組み合わせを可能にするために破壊することができる穿孔処理されたシールにより分離された、2または3以上の区画を含んでもよい。キットは、このように、本発明の医薬組成物または化合物および1または2以上の薬学的に受容可能な賦形剤を提供する、かかる多区画容器を含んでもよい。
随意に、使用のための説明が、本開示のかかるキット中にさらに提供される。かかる説明は、一般に、例えば、投与量および投与のための説明を提供することができる。他の態様において、説明は、さらに、特定の容器および/または投与のためのシステムについての具体的な説明に関するさらなる詳細を提供することができる。なおさらに、説明は、さらなる治療剤と共同しておよび/またはこれと組み合わせての使用のための具体的な説明を提供することができる。
処置の方法および使用
本開示は、少なくとも部分的に、式(I)の化合物が一酸化炭素(CO)の有効量を肝臓において優先的に放出するという知見に基づく。これらの化合物はまた、肝臓において抗炎症活性および再生活性を示す。
したがって、一側面において、提供されるのは、それを必要とする対象において肝臓疾患を処置する方法であって、該方法は、式(I)の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせの、肝臓疾患を処置するための有効量を投与することを含む。
別の側面において、提供されるのは、それを必要とする対象において肝臓疾患を処置する方法であって、該方法は、前記対象に、式(I)の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせの、肝臓疾患を処置するための有効量を服用することを指示することを含む。
別の側面において、提供されるのは、肝臓疾患を処置することにおける使用のための、式(I)の化合物である。
ある態様において、方法または使用は治療的処置であり、有効量は治療有効量である。他の態様において、方法または使用は予防的処置であり、有効量は予防有効量である。
例示的な肝臓疾患として、限定されないが、薬物に誘導される肝臓の傷害(例えばアセトアミノフェンにより誘導される肝臓の傷害)、肝炎(例えば慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコールに誘導される肝炎、自己免疫性肝炎、脂肪性肝炎)、非アルコール性脂肪肝疾患、アルコールに誘導される肝臓疾患(例えばアルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール関連性硬変)、肝硬変、肝臓癌、原発性胆汁性肝硬変、胆汁うっ滞、肝臓の嚢胞性疾患および原発性硬化性胆管炎が挙げられる。
ある態様において、肝臓疾患は、薬物に誘導される肝臓の傷害である。ある態様において、薬物に誘導される肝臓の傷害は、アセトアミノフェンにより誘導される肝臓の傷害である。
ある態様において、肝臓疾患は、対象において肝臓細胞の死を引き起こす。ある態様において、化合物の投与は、対象において肝臓細胞の再生を刺激する。
ある態様において、方法は、さらなる治療剤を投与することをさらに含む。ある態様において、さらなる治療剤は、N−アセチルシステイン(NAC)である。
ある態様において、肝臓疾患は炎症を伴う。
別の側面において、提供されるのは、それを必要とする対象において炎症性疾患を処置する方法であって、該方法は、式(I)の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせの、炎症性疾患を処置するための有効量を投与することを含む。
別の側面において、提供されるのは、それを必要とする対象において炎症性疾患を処置する方法であって、該方法は、前記対象に、式(I)の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの組み合わせの、炎症性疾患を処置するための有効量を服用することを指示することを含む。
別の側面において、提供されるのは、炎症性疾患の処置における使用のための式(I)の化合物である。
ある態様において、方法または使用は治療的処置であり、有効量は治療有効量である。他の態様において、方法または使用は予防的処置であり、有効量は予防有効量である。
例示的な炎症性疾患として、限定されないが、以下が挙げられる:喘息に関連する炎症、動脈炎(例えば多発性動脈炎、側頭動脈炎、結節性動脈周囲炎、高安動脈炎)、関節炎(例えば結晶誘発性関節炎、変形性関節症、乾癬性関節炎、通風関節炎、反応性関節炎、関節リウマチおよびライター関節炎)、強直性脊椎炎、穀粉症、筋萎縮性側索硬化症、自己免疫疾患、アレルギーもしくはアレルギー性反応、アテローム性動脈硬化症、気管支炎、滑液包炎、慢性前立腺炎、結膜炎、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、皮膚筋炎、憩室炎、糖尿病(例えばI型糖尿病、II型糖尿病)、皮膚の状態(例えば乾癬、湿疹、熱傷、皮膚炎、掻痒(pruritus/itch))、子宮内膜症、ギラン・バレー症候群、感染症、虚血性心臓疾患、川崎病、糸球体腎炎、歯肉炎、過敏症、頭痛(例えば片頭痛、緊張型頭痛)、イレウス(例えば術後イレウスおよび敗血症中のイレウス)、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎(膀胱痛症候群)、胃腸障害[例えば、消化性潰瘍、限局性腸炎、憩室炎、胃腸出血、好酸球性胃腸障害(例えば好酸球性食道炎、好酸球性胃炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性大腸炎)、胃炎、下痢、胃食道逆流性疾患(GORD、またはその異名GERD)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、ベーチェット症候群、大腸炎(例えば潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎(diversion colitis)、分類不能な大腸炎(indeterminate colitis)、顕微鏡的大腸炎、化学性大腸炎(chemical colitis)、感染性大腸炎、劇症大腸炎)、および炎症性腸症候群(IBS)から選択されるもの]、ループス、多発性硬化症、モルフェア、重症筋無力症、心筋虚血、ネフローゼ症候群、尋常性天疱瘡、悪性貧血、消化性潰瘍、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、脳障害に関連する神経炎症(例えばパーキンソン病、ハンチントン病およびアルツハイマー病)、前立腺炎、全脳照射傷害に関連する慢性炎症、骨盤の炎症性疾患、再灌流傷害、限局性腸炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、強皮症、全身性硬化症(scierodoma)、サルコイドーシス、脊椎関節症、シェーグレン症候群、甲状腺炎、移植拒絶、腱炎、外傷または傷害(例えば凍傷、化学刺激物、トキシン、瘢痕、熱傷、身体傷害)、血管炎、白斑およびウェゲナー肉芽腫症。一部の好ましい態様において、炎症性傷害は、大腸炎である。
投与が企図される「対象」として、限定されないが、ヒト(すなわち、任意の群の男性もしくは女性、例えば小児の対象(例えば乳児、小児、青年)もしくは成人の対象(例えば若年の成人、中年の成人または老年の成人))、ならびに/または他の非ヒト動物、例えば哺乳動物(例えば霊長類(例えばカニクイザル、アカゲザル);商業に関連する哺乳動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/もしくはイヌ)、鳥類(例えば商業に関連する鳥類、例えばニワトリ、アヒル、ガチョウおよび/もしくはシチメンチョウ)、爬虫類、両生類および魚類が挙げられる。ある態様において、非ヒト動物は、哺乳動物である。非ヒト動物は、発達の任意の段階におけるオスまたはメスであってよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物であってよい。
用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」および「処置(treatment)」とは、対象が疾患、障害または状態を罹患している間に行われる行為であって、当該疾患、障害または状態の重篤度を軽減するか、当該疾患、障害または状態の進行を遅延させるかまたは遅くさせるもの(「治療的処置」)を企図し、また、対象が疾患、障害または状態を罹患する前に行われる行為であって、当該疾患、障害または状態の重篤度を阻害または軽減するもの(「予防的処置」)を企図する。
一般的に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を惹起する、すなわち、疾患、障害または状態を処置するために十分な量を指す。当業者により理解されるであろうが、本開示の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置される疾患、投与の様式、ならびに対象の年齢、健康および状態などの要因に依存して変化し得る。有効量は、治療的および予防的処置を包含する。
化合物の「治療有効量」は、疾患、障害または状態の処置において治療的利益を提供するために、または、疾患、障害または状態に関連する1もしくは2以上の症状を遅延もしくは最小限化するために、十分な量である。化合物の治療有効量は、単独でまたは他の治療と組み合わせての治療剤の量であって、疾患、障害または状態の処置において治療的利益を提供するものを意味する。用語「治療有効量」は、全体的治療を改善する、疾患もしくは状態の症状もしくは原因を軽減もしくは回避する、または、別の治療剤の治療効力を増強する量を包含することができる。
化合物の「予防有効量」は、疾患、障害もしくは状態、または疾患、障害もしくは状態に付随する1または2以上の症状を予防するために、あるいはその再発を予防するために、十分な量である。化合物の予防有効量は、単独でまたは他の剤と組み合わせての治療剤の量であって、疾患、障害もしくは状態の予防において予防的利益を提供するものを意味する。用語「予防有効量」は、全体的予防を改善する、または別の予防剤の予防効力を増強する量を包含することができる。

本明細書において記載される開示がより完全に理解され得るように、以下の例を記載する。これらの例は、単に説明を目的とするものであって、決して本開示を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
例1.Mo複合体の調製
Mo(CO)(η−C)の合成
モリブデントリ−CO複合体Mo(CO)(η−C)の調製は、文献において記載されている(例えばW. A. HerrmannおよびA. Salzer、Synthetic Methods of Organometallic and Inorganic Chemistry、第1巻、Georg Thieme Verlag、New York、1996年、p129;および Abelら、J. Chem. Soc. (1958) 4559を参照)。
トリカルボニル[トリス(イソシアノ酢酸)]Mo(0)(1−b)の調製
トリカルボニル[トリス(イソシアノ酢酸エチルエステル)]Mo(0)(1−a)の調製:Mo(CO)(η−C)(2.1g;7.72mmol;272.1117g/mol)を、40mLのMeOH中に溶解し、赤色の、少し濁った溶液を得た、CNCHCOEt(3当量;2.53mL;23.15mmol;113.11g/mol;1.035g/mL)を、20mLのMeOH中に溶解し、先の溶液に添加した。赤色の溶液は、ただちに、より暗い緑色を帯びたものに変化し、次第に明るくなった。溶液を室温で45分間、TLC分析(ヘキサン:酢酸エチル=1:3)が、(Mo(CO)(η−C))が完全に消費されたことを示すまで撹拌した。混合物を濾過して、幾らかの微細な黒色の粉末を除去し、暗赤色の溶液を得、これを乾燥させて暗色のオイルを得た。オイルを、ただちに、ヘキサンで平衡化したシリカカラムにロードした。カラムを、ヘキサン(カラム溶液のおよそ1〜2倍)で溶離させ、次いで、生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(6:4)で溶離させた。生成物画分のTLC分析は、それが、2つのよく分離された化合物の混合物であることを示した。混合物を、再度、同じ溶離液を用いてクロマトグラフィーに供し、より小さい画分を収集した。主要な生成物は2番目に溶離した;それを収集し、乾燥させて、オフホワイトの粉末、化合物(1−a)を得た。C1821Mo(519.31g/mol)。収率:55%(バッチ番号2)および64%(バッチ番号4)。
(1−a)の特徴づけ:元素分析:C1821Moについて計算したもの:
トリカルボニル[トリス(イソシアノ酢酸)]Mo(0)(1−b)の調製:化合物(1−a)(0.250g、0.48mmol、519.31g/mol)を、無水THF(20mL)中に溶解し、水酸化ナトリウムの水性溶液(16当量、8.0mmol、0.32g、8mL)を1滴ずつ添加した。溶液は濁り、室温で窒素下において撹拌し続けた。24時間後、TLC(ヘキサン:酢酸エチル、6:4)は、出発材料の完全な消費を示した(R=0.2)。混合物を濃縮し、水(20mL)中で再溶解した。次いで塩酸(1M)を1滴ずつ添加し(約6mL−pHが約3になり、沈澱し始めるまで)、白色の沈殿が形成した。沈澱を濾過し、冷水で洗浄した。オフホワイトの化合物を真空中で乾燥させ、化合物(1−b)を得た。C12Mo(435.1583g/mol)。収率:100%。
(1−b)の特徴づけ:元素分析:C12Moについて計算したもの:
MoC12.(NaCl)0.6について計算したもの:
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノプロピオン酸)]Mo(0)(2−b)の調製
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノプロピオン酸メチルエステル)]Mo(0)(2−a)の調製:(η−C)Mo(CO)(0.383g;1.41mmol;272.11g/mol)を30mLのMeOH中に溶解し、10mLのMeOH中に溶解したCNCH(CH)COMe(3当量;0.4784g;4.23mmol;113.12g/mol)を、ゆっくり添加した。暗赤色の懸濁液が橙褐色に変化し、室温で1時間の間撹拌した。溶液を乾燥させ、橙色のオイルを得、これを、ヘキサン中で平衡化したシリカカラムに適用した。それを、ヘキサン、次いで酢酸エチル/ヘキサン(4:6)で溶離させた。TLC分析に基づいて、画分をプールした。生成した溶液を乾燥させて、緑色のオイル、化合物(2−a)を得た。C1821Mo(519.3186g/mol)。収量:0.3677g、(50%)。バッチ番号2を同様に調製し、63%の収率を得た。
(2−a)の特徴づけ:
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノプロピオン酸)]Mo(0)(2−b)の調製:化合物(2a)(0.3677g;7.08x10−4mol;519.3186g/mol)を、20mLのTHF中に溶解し、氷槽中に置いた。NaOH(10当量;0.283g;7.08mmol;40g/mol)を、5mLのHO中に溶解し、先の溶液にゆっくり添加した。溶液をゆっくりと室温まで温めながら4時間撹拌した。それを次いで乾燥させて白色の粉末を得た。固体を水中で溶解し、塩酸(1M)をpHが1に達するまで添加し、白色の沈殿、化合物(2−b)を得、これを濾過により収集し、氷水で洗浄した。C1515Mo(477.2382g/mol)。収率:96%。
(2−b)の特徴づけ:元素分析:C1515Mo.0.5NaClについて計算したもの:
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル)]Mo(0)(3−a)の調製
方法A
メチル2−イソシアノ−2−メチルプロパノアート(3.068g;24.127mmol;127.14g/mol)を、65mLのTHF中で溶解した。(η−C)Mo(CO)(1/3当量;2.2g;8.085mmol;272.11g/mol)を、少しずつ固体としてゆっくり添加した。橙赤色の、少し濁った溶液を得た。これを室温(22〜23℃)で500rpmで撹拌した。30分後の酢酸エチル:ヘキサン(1:1)中でのTLC分析は、Rf=0.65による1つのメインスポット(セリウムモリブデン酸アンモニウムにより明らかとなる)、およびセリウムモリブデン酸アンモニウムにより明らかとならなかったRf=0.9による別の小さなスポットを示した。1時間の反応時間の後で、TLC分析は、Rf=0.65による1つのみの主要なスポットを示した。溶液を濃縮し、溶媒の半分が蒸発したとき、沈澱が形成した。溶液を殆ど乾燥するまで(残り約5mL)さらに濃縮し、EtO(45mL)を添加した。生じた沈澱を濾過し、2×15mLのEtOで洗浄して、ベージュ色の粉末、化合物(3−a)を得た。収量:4.22g(93.0%)(MW=561.3939g/mol)。
化合物(3−a)の特徴づけ:元素分析:MoC2127について計算したもの:
方法B
以下の代替的調製は、Achatzら、Anorg. Allg. Chem (2005) 631:2339−2346から適応させたものであり、ここではMo(CO)(NCMe)が形成され、in situで用いられる。
Mo(CO)(0.6g;2.27mmol;264g/mol)を、CHCN中で還流しながら20時間加熱した。室温まで冷却した後、1g(3.5当量)のCNC(CHCOMeを添加して、反応を室温でさらに20時間、および55℃で5時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を酢酸エチル/ヘキサン(2:3)で洗浄し、黒色の残渣をシリカゲル上でジクロロメタンを用いてクロマトグラフィーに供し、250mgの化合物(3−a)を得た。収率:21%。
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル)]Mo(0)(3−c)の調製
(η−C)Mo(CO)(0.644g;2.37mmol;272.11g/mol)を、30mLのMeOH中に溶解し、10mLのMeOH中に溶解したCNC(CHCOEt(3当量;0.903g;6.40mmol;141.17g/mol)をゆっくり添加した。暗赤色の溶液が橙褐色に変化し、これを室温で25時間にわたり撹拌した。溶液を濃縮し、ジエチルエーテルを添加したが、沈澱は形成されず、したがって、溶液を乾燥するまで蒸発させた。粗生成物混合物のIR分析は、所望の生成物にMo(CO)(CNC(CHCOEt)が混入していたことを示した(2019cm−1におけるバンド)。したがって、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離した。カラムを初めにヘキサンで洗浄し、次いでヘキサンと酢酸エチルとの混合物(8:2)で溶離させて、化合物(3−c)を緑色を帯びたオイルとして得た。収量:0.94g(73%)。
化合物(3−c)の特徴づけ:元素分析:C2433Moについて計算したもの:
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノ−2−メチル−プロピオン酸)]Mo(0)(3b)の調製
Beckら(Achatz et al., Anorg. Allg. Chem (2005) 631:2339−2346)により記載される手順に従って、化合物(3−a)または(3−c)のNaOHによる?化、およびその後の水溶液中での酸(例えばHClまたはHSO)によるプロトン化は、トリカルボニル[トリス(2−イソシアノ−2−メチル−プロピオン酸)]Mo(0)(3−b)の形成をもたらした。化合物(3−b)は、褐色のバイアル中で常温においてN下で保存した場合、6か月間またはそれより長く安定であった。
いくつかのバッチの調製の後で、化合物(3−b)についての2セットの分光学的データが得られたことが観察された。I型の生成物は、完全にプロトン化されたトリカルボン酸複合体に対応し、II型の生成物は、低い程度の脱プロトン化から生じる微量のカルボン酸ナトリウム塩を含む(可変量:1モルのMo当たり0.4〜0.6molのNa)。II型の生成物は、合成の間に過剰な酸を添加することにより、または合成の最後において酸で洗浄することを通して、I型へと変換することができる。I型およびII型の生成物の生物学的活性は同じである。I型およびII型の生成物は、それらのIRスペクトル(KBr)および13C NMRスペクトルにおける差異により認識される。化合物(3−b)の全体的組成および面立体化学(facial stereochemistry)を、X線結晶学により確認した。
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノ−2−メチル−プロピオン酸)]Mo(0)、(3−b)I型の調製
方法A
化合物(3−a)(1.914g;3.41mmol;561.3939g/mol)を、36mLのTHF中に溶解し、氷槽中に置いた。NaOH(10当量;1.364g;34.1mmol;40g/mol)を、9mLのHO中に溶解し、先の黄色の溶液にゆっくり添加した。黄色の濁った溶液を得、これを室温までゆっくり温めながら1時間撹拌した。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)中でのTLC分析は、この時点の最後におけるRf=0による1つのスポットのみを示した。溶媒をTHFが無くなるまで濃縮した。次いで27mLの水を添加し、その後17.05mLの1MのHSO酸を添加した。白色の沈澱が形成され、これは次いで黄色のオイルへと変化した。白色の粉末が再形成されるまで水を蒸発させた。濾過した後、無色の溶液のpHは1であった。固体を5×20mLの量の水で洗浄した。洗浄用液のpHは、連続的に3、4、4、4および4であった。最後に洗浄された生成物を、真空下で乾燥させた。1.0×10−2トルで30時間、および2.0×10−5トルで9時間の乾燥の後で、IRスペクトル(840mgのKBr中1.2mgの化合物(3−b))およびNMR(10mg/600μLのアセトン−d)は、複合体が純粋であったことを示した。収量:1.600g(90.3%)。C1821Mo(519.31g/mol)。
化合物(3−b)、I型の特徴づけ。元素分析:C1821Moについて計算したもの:
方法B
I型の完全にプロトン化された複合体を得るための、第2の方法を開発した。
化合物(3−a)(1.01g;1.800mmol;561.3939g/mol)を、20mLのTHF中に溶解し、透明な黄色の溶液を得た。この溶液を、氷槽に置いて、約10分撹拌した。NaOH(10当量;0.722g;18.00mmol;40g/mol)を、5mLのHO(miliQ)中に溶解し、1滴ずつ添加した。氷槽を取り除かずに黄色の溶液を撹拌した。溶液が明黄色になり、濁った。20分後、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)中で行ったTLC分析は、出発材料の完全な消費(Rf=0.8、セリウムモリブデン酸アンモニウムで青色に染色される)、および開始点における新たなスポット(セリウムモリブデン酸アンモニウムで青色に強く染色される)を示した。さらに1時間後、Dowex 50WX8−200イオン交換樹脂(Ref. 217506;交換能1.7meq/mL;6g)を添加し、溶液を10分間撹拌した(Dowex樹脂は、使用の前に、1Mの水性HCl中に溶解して2時間撹拌し、その後濾過して、pHが中性になるまで水で洗浄することにより、活性化した)。Dowex樹脂を濾過除去し、溶液を蒸発させ(槽温度30℃)、白色の材料およびゴム性の褐色の残渣を得た(アセトン中でのNMRは、何らかのTHFの混入を示した)。翌日、粗生成物(crude)(白色の材料)を、水で洗浄した(2×30mL)。懸濁液を静置し、次いで濾過した。洗浄用液の最終pHは2.6であった(pH電極)。白色の粉末、化合物(3b)、I型生成物を、真空中で乾燥させた。収量:0.66g(70%)。
化合物(3−b)、I型の特徴づけ。元素分析:C1821Moについて計算したもの:
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノ−2−メチル−プロピオン酸)]Mo(0)、(3−b)II型の調製
化合物(3−a)(1.06g;1.888mmol;561.3939g/mol)を、40mLのTHF中に溶解し、氷槽中に置いた。NaOH(10当量;0.755g;18.88mmol;40g/mol)を、10mLのHO中に溶解し、先の溶液に10分間掛けて1滴ずつ添加した。明黄色の濁った溶液を、氷槽を取り除くことなく、室温までゆっくりと温めながら2時間撹拌した。2時間後にヘキサン:酢酸エチル(1:1)中で行ったTLC分析は、Rf=0の加水分解された生成物のみを示した。明黄色の濁った溶液を乾燥させて、大量の白色粉末を得た。固体を水(10mL)中に再溶解し、1MのHSO(9.4mL)を1滴ずつ添加した。溶液は青色になり、最終pH1〜2を有した。固体を濾過し、10mLの水で5回洗浄した。各回において、溶液を2分間撹拌し、静置した。洗浄用液の最終pHは4〜5であった。オフホワイトの粉末を真空中で乾燥させ、ナトリウムを含む化合物(3−b)(II型)を得た。収量:0.920g(93.8%)。
化合物(3−b)、II型の特徴づけ。元素分析:C1821Moについて計算したもの:
化合物を、高真空において1週間の間さらに乾燥させた(2×10−5トル):
トリカルボニル[トリス(リチウム2−イソシアノコハク酸)]Mo(0)(4−b)の調製
トリカルボニル[トリス(2−イソシアノコハク酸メチルエステル)]Mo(0)(4−a)の調製:(η−C)Mo(CO)(0.281g;1.032mmol;272.11g/mol)を、20mLのMeOH中に溶解し、10mLのMeOH中に溶解したCNCH(COOMe)CHCOOMe(3当量;0.5303g;3.1mmol;171.14g/mol)をゆっくり添加した。暗赤色の溶液は、ゆっくりと橙褐色に変化した。反応を1.5時間後に停止させ、乾燥させて、化合物(4−a)を得た。収率:100%。C242715Mo(693.4284g/mol)
化合物(4−a)の特徴づけ:元素分析:MoC242715について計算したもの:
トリカルボニル[トリス(リチウム2−イソシアノコハク酸)]Mo(0)(4−b)の調製:化合物(4−a)(0.6669g;9.62×10−4mol;693.4224g/mol)を、20mLのTHF中に0℃で溶解した。LiOH.HO(6当量;242mg;5.77mmol)をまた、5mLのHO中に0℃で溶解した。水酸化リチウムの溶液を添加し、反応を一晩維持し、室温まで温め、次いで乾燥するまで蒸発させて、化合物(4−b)をヘキサリチウム塩として得た。化合物(4−b)の収率:100%。
化合物(4−b)の特徴づけ:元素分析:MoC1815Liについて計算したもの:
トリカルボニル[トリス(イソシアノシクロプロピルカルボン酸]Mo(0)(5−b)の調製
トリカルボニル[トリス(イソシアノシクロプロピルカルボン酸エチルエステル)]Mo(0)(5−a)の調製:Mo(CO)(η−C)(0.521g;1.92mmol;272.1117g/mol)を、25mLのMeOH中に懸濁して、赤色の懸濁液を得た。イソシアノシクロプロピルカルビン酸エチル(3当量;0.8g;5.75mmol;139.16g/mol)を、20mLのMeOH中に溶解し、先の懸濁液にゆっくり添加した。ただちに明橙色の溶液を得た。溶液を、室温で1時間撹拌し、その後、溶媒を濃縮して、白色の粉末が落ち始めた。微量のオイルが少々混入した固体を、濾過し、5mLのMeOHで洗浄した。これを次いで、活性化したシリカゲルクロマトグラフィーカラムに移した。画分を試験管中に収集し、その後、TLCによる溶離を行った。溶離液の混合物(ヘキサン(7)/酢酸エチル(3))は常に同じであったが、溶離した初めの6本の試験管は、微量の不純物の混合物に対応したので廃棄した。きれいな画分を集め、乾燥するまで蒸発させ、緑色のオイルを得た。収率:54%(0.6194g)。
化合物(5a)の特徴づけ:C2427Moについて計算したもの:
トリカルボニル[トリス(イソシアノシクロプロピルカルボン酸)]Mo(0)(5−b)の調製:化合物(5−a)(0.619g、1.04mmol、597.432g/mol)を、無水THF(20mL)中に溶解し、氷槽中に置いた。5mLの水中の水酸化ナトリウム(10当量、10.37mmol、0.4148g)の水溶液を、黄色の溶液に1滴ずつ添加した。黄色の乳液を得、これを、4時間、室温までゆっくりと温めながら撹拌した。THFを蒸発させ、水のみが残ってから、さらに15mLのこの溶媒を添加した。溶液を濾過して、微量の固体を取り除き、5.2mLの1MのHSO水溶液(37mmol)を1滴ずつ添加した。全ての酸を添加して、褐色を帯びたオイルが沈澱した後、溶液のpHは2であった。溶媒を濃縮し、さらなるオイルが分離し、ある点の後、オイルは暗黄色の粉末へ変化した。それを濾過し、4回、各回20mLの水で洗浄した(pH5)。固体を真空中で乾燥させた。収率:79%(0.420g)。
(5b)の特徴づけ:C1815Moについて計算したもの:
例2.CO放出のダイナミクス
化合物1b、2b、3b、4bおよび5bのCO放出のダイナミクスを、in vitroで、HEPESバッファー(pH7.4)中またはリン酸バッファー(pH7.4)中で、肝臓ミクロソームの存在下において行った。放出されたCOの素量化を、Vreman et al. Anal. Biochem. (2005) 341: 280-289に従って、気体混合物中の1〜2ppbもの低い濃度におけるCOを定量することを可能にする還元性化合物分光検出器(Reducing Compound Photometric detector)を備えたガスクロマトグラフィー(GC-RCP;Peak Laboratories, Mountain View, CA)を用いて行った。
HEPESバッファー中のCO放出の決定のための一般的方法
全ての化合物のCO放出のダイナミクスを、密封された8mLのバイアル中の50mMのHEPESバッファー(pH7.4)中で評価した。化合物のストック溶液(5mM)を、PBSバッファー中で調製し(各化合物は、3当量のNaOHの添加の後でPBS中で可溶性であった)、10μLを、990μLの50mMのHEPESバッファーに添加した(バッファーの最終濃度は50μMであった)。光活性化によりモリブデンカルボニル化合物からCOを放出させることができるので、密封された、透明なガラスバイアル中の溶液により、明所において(研究室のベンチにおいて、通常の研究室の照明の下で)、または暗所において(アルミニウムホイル中に包んで、およびボール紙の箱の中に保って)、CO放出を決定することができた。バイアルのヘッドスペース(7mLの容積)の気体試料(10μLから500μLまで)を、気密シリンジで、インキュベーションの開始の15、30、60、120、240、360分、および24時間後に取り除いた。気体試料を、希釈のために、空気を含有する密封バイアル(8mL)中に注入した。バイアルの全気体容積(8mL)を、キャリアガスと共にGC-RCPに移し、COについて分析した。GC-RCPは、既知の量のCOを含む気体によりカリブレーションされていた。30ppmのCOを含む合成空気を含むシリンダーからの気体から始めて、上記のような8mLのバイアル中で希釈物を調製し、カリブレーション曲線を確立した。
肝臓ミクロソームの存在下におけるCO放出のための一般的方法
化合物1b、2b、3b、4bおよび5bのCO放出のダイナミクスもまた、ラットまたはヒトの肝臓ミクロソームの存在下において評価した。8mLバイアル中で、以下の試薬を組み合わせた:
713μLの精製水
200μLの0.5Mのカリウムリン酸バッファー、pH7.4
50μLのNADPH再生システム溶液A(BD、カタログ番号451220)
10μLのNADPH再生システム溶液B(BD、カタログ番号451200)
2μLのDMSO(10μMの最終濃度)中の化合物の5mMの溶液
混合した後でバイアルを密封し、試料を37℃で5分間加温し、その後、ラット肝臓ミクロソーム(BD、カタログ番号452511)またはヒト肝臓ミクロソーム(BD、カタログ番号452161)のアリコート(25μL、0.5mgのタンパク質含有量)を各バイアルに添加した。平行して、ミクロソームを除く全ての試薬を含む同様のバイアルを調製した。モリブデン化合物は光感受性であるため、反応は暗所において行った。試料を37℃でインキュベートして、バイアルのヘッドスペースの気体試料(100μL〜500μL)を、ミクロソーム添加の5、10、15、30および60分後(一部の場合、試料を、1、2、3または4分に採取した)、気密シリンジで取り除いた。気体試料を、次いで空の密封バイアル(8mLの容積)中に注入し、バイアル中に存在するCOの量を、GC-RCPを使用して測定した。
GC-RCPのためのCOカリブレーション曲線
既知のCO濃度に対するGC-RCPにおいて得られるピーク面積を推定することを可能にするために、COのカリブレーション曲線を確立した。異なる気体容積の30ppmのCOガスボトル(Linde、カタログ番号14960013)を、8mLのバイアル中に注入した。GC-RCPにおいて得られたピーク面積の値および対応する各試料中のCOのppmまたはpmolを、グラフ中にプロットした。0.857ppm(または268pmol)までのCO濃度について、直線的な応答曲線が得られた。これらの値より上では、GC-RCPの読み取りは正確ではない。
表4は、30ppmのCOガスボトル(Linde、カタログ番号14960013)から8mLバイアル中に注入された気体の容積、および対応するCO濃度を提供する。COのピーク面積の値は、GC-RCPにおいて分析された異なる試料からのものである。
各化合物から各時点において放出されたCOの当量を、以下の式により決定した:(放出されたCO(pmol)×分子中のCOリガンドの数)/(化合物中の[CO](pmol))。50μMの濃度における1mLのトリ−カルボニル化合物の溶液は、合計で150,000pmolのCOを含む。
化合物1bのCO放出のダイナミクス
50mMのHEPES(pH7.4)バッファー中の化合物1bのCO放出のダイナミクスを、図1Aにおいて表わす。CO放出の半減期は、暗所においておよそ4時間であり、明所においては約1時間である。50mMのHEPESバッファー中に24時間あった化合物1bは、明所においては1.6当量のCOを、暗所では1.4当量のCOを、それぞれ放出する。
in vitroでの化合物1bの代謝研究において、化合物1bの60%は、肝臓ミクロソームとの1時間の反応において減衰したことが決定された。60%の減衰は、1.8モル当量までのCOを放出することが可能であった。この減衰率は、pH7.4のバッファー単独において観察されたもの(ここでは0.5モル当量のCOが約4時間において放出された)よりも速い。したがって、肝臓ミクロソームは、化合物の分解を加速させる。このミクロソームの存在下において加速された化合物1bの分解が、化合物からの速いCO放出を誘導しているかを調べるために、肝臓ミクロソームの存在下における化合物1bのCO放出プロフィールを決定した。放出されたCOの定量的測定を可能にするために密封したバイアルを用いて、ミクロソームを化合物1bと共にインキュベートした。対照として、化合物1bを、ミクロソームの不在下において同様の条件下においてインキュベートした。結果を図1Bにおいて表わし、10分間の反応の後で、ミクロソームの存在下における化合物1bからのCO放出の速度の増大を示す。
化合物2bのCO放出のダイナミクス
50mMのHEPES(pH7.4)バッファー中の化合物2bのCO放出のダイナミクスを、図2Aにおいて表わす。化合物2bの場合のCO放出の半減期は、暗所においてはおよそ4時間であるが、明所においては、それは0.5当量のCOを放出するために約90分間を要する。50mMのHEPESバッファー中での24時間のインキュベーションの後で、化合物2bは、明所においては1.5当量のCOを、暗所では1.2当量のCOを、それぞれ放出する。
ラット肝臓ミクロソームの存在下における化合物2bのCO放出のダイナミクスもまた調べた。放出されたCOの定量的測定を可能にするために密封されたバイアルを用いて、ミクロソームを化合物2bと共にインキュベートした。対照として、化合物2bを、ミクロソームの不在下において同様の条件下においてインキュベートした。結果を、図2Bにおいて表わす。ミクロソームは、化合物2bの減衰を加速させた。
化合物3bのCO放出のダイナミクス
50mMのHEPES(pH7.4)バッファー中の化合物3bのCO放出のダイナミクスを、図4Dにおいて表わす。CO放出の半減期は、暗所においておよそ2時間であり、明所においては約1時間である。50mMのHEPESバッファー中に24時間あった化合物3bは、明所においては1.8当量のCOを、暗所においては1.3当量のCOを、それぞれ放出する。
化合物3bのCO放出のダイナミクスのin vitro代謝研究において、肝臓ミクロソームとの60分間のインキュベーションにおいて、化合物3bの80%が減衰したことを決定した。このミクロソームの存在下において加速された化合物3bの分解が、化合物からのより速いCO放出を誘導しているかを調べるために、肝臓ミクロソームの存在下における化合物3bのCO放出プロフィールを決定した。放出されたCOの定量的測定を可能にするために密封されたバイアルを用いて、ミクロソームを化合物3bと共にインキュベートした。対照として、化合物3bを、ミクロソームの不在下において同様の条件下においてインキュベートした。結果を図4Eにおいて表わし、ミクロソームの存在下における化合物3bからのCO放出の速度の増大を示す。CO放出の初期速度は、ミクロソームの存在下において1分間あたり0.0297当量(297.22pmol)のCO、ミクロソームの不在下において1分間当たり0.0072当量のCO(72.265pmol)である。これらの結果は、初期のCO放出速度は、ミクロソームの不在下においておよそ4倍速いことを示す。
化合物4bのCO放出のダイナミクス
50mMのHEPES(pH7.4)バッファー中の化合物4bのCO放出のダイナミクスを、図5Aにおいて表わす。RCPを備えたGCを用いてin vitroでの50mMのHepesバッファー(pH7.4)中でのCOの放出を測定することにより、化合物4bの安定性を決定した。化合物4bの濃度は、50μMであった。CO放出についての半減期は、0.5モル当量のCOを放出するために必要とする時間として定義され、化合物4bについては約1時間であることが見出された(光の不在において)。CO放出についての半減期はまた、オキシメーターを用いてヒツジの血液中でも測定した。632.1μg/mLの濃度の化合物4bを用いた。この濃度は、マウスにおいて50mg/kgの用量について計算されたCmaxに対応する。血液中でのCO放出についての半減期は、約2.5時間であることが見出された。
化合物5bのCO放出のダイナミクス
50mMのHEPES(pH7.4)バッファー中の化合物5bのCO放出のダイナミクスを、図6Aにおいて表わす。RCPを備えたGCを用いてin vitroでの50mMのHepesバッファー(pH7.4)中でのCOの放出を測定することにより、化合物5bの安定性を決定した。化合物5bの濃度は、50μMであった。CO放出についての半減期は、0.5モル当量のCOを放出するために必要とする時間として定義され、化合物5bについては約6時間であることが見出された(光の不在において)。
CO放出についての半減期はまた、オキシメーターを用いてヒツジの血液中でも測定した。632.1μg/mLの濃度の化合物5bを用いた(この濃度は、マウスにおいて50mg/kgの用量について計算されたCmaxに対応する)。化合物5bは、3時間において0.12モル当量のCOを放出した。
まとめ
表5は、ミクロソームの存在下における、50mMのHEPESバッファー(pH7.4)中、またはカリウムリン酸バッファー(pH7.4)中の、モリブデンカルボニルイソシアノ化合物のCO放出の半減期をまとめる。化合物4bは、最も安定性が低く、pH7.4の溶液中での自発的CO放出について1時間の半減期を有する。化合物1bおよび2bは、4時間の自発的CO放出の半減期を有する。
これらの化合物のCO放出のダイナミクスを、肝臓ミクロソームの存在下において評価した。評価した全ての化合物について、ミクロソームは、COの放出を加速させた。これらの結果は、化合物がin vivoで肝臓における代謝により活性化され得ることを示唆する。実際に、マウスにおいて行った組織CO分布実験は、化合物3bまたは化合物2bの投与が、肝臓におけるCOレベルを、血液、腎臓、心臓および肺組織と比較して増大させたことを示した(例3を参照)。しかし、化合物1bにより処置された動物の肝臓においては、この化合物がミクロソームによりin vitroで活性化されたにもかかわらず、より高いCOの蓄積は存在しなかった。
例3.一酸化炭素放出分子の投与の後での組織における一酸化炭素(CO)の蓄積
一酸化炭素放出分子(CO-RM)は、一酸化炭素(CO)のキャリアであり、in vivoでCOを放出することができる。COは、血液中でヘモグロビンに、および細胞において多様なヘムタンパク質に結合することができる。Vreman et al. Anal Biochem 341:280-289は、組織に結合したCOを気相へと放出させ、それをGC-RCPクロマトグラフィーを用いて定量する方法を記載する。本発明者らは、この方法論を、CO-RMで処置されたマウスの多様な組織におけるCOをアッセイするために適用した(本明細書において例2を参照)。しかし、VremanのCO放出方法(スルホサリチル酸と共のin vitroインキュベーション)はまた、CO-RMからCOを放出させるので、組織試料から放出されたCOは、組織タンパク質に結合したCO、および組織中に蓄積したCO-RM化合物からのCOを表わす。in vivoで低いCO放出速度を有するCO-RM化合物について、最初のサンプリングの時点(CO-RM投与の5分後)において測定されたCOは、したがって、主に、完全なCO-RMの組織分布についての指標であり得る。
方法
化合物を、PBS中に溶解し、酸を、3当量のNaOH(2.5MのNaOHストック溶液から)で中和した。pHを、HCl(1Mのストック溶液から)を添加することにより、約7.5まで下げた。化合物を、次いで、i.v.で(150μL中50mg/kg)CD-1メスマウス(Charles River)に投与した。マウスを、尾静脈からのi.v.投与を容易にするために赤外ランプの下で温めた。投与の5分後および20分後に、2個体のマウスをIsoFluoraneで麻酔し、約20μLのヘパリン溶液を含有するパスツールピペットを用いて、後眼窩神経叢(retro-orbital plexus)から血液を収集した。動物を開腹し、門脈を切開し、心臓の左心室において10〜15mLの冷たいPBSを注入することにより器官を灌流した。次いで、心臓、腎臓、肝臓および肺を収集し、カリウムリン酸バッファーで簡単に洗浄し、ペーパータオルで乾燥させ、液体窒素中で迅速凍結した。新たに収集した血液の試料を、AVOXimeter 4000キュベット(ITC)に移し、カルボキシヘモグロビン(COHb)、オキシヘモグロビン(O2Hb)およびメトヘモグロビン(MetHb)のレベルを、ポータブルのAVOXimeter 4000 CO−オキシメーターを用いて測定した。結果を、循環中の総ヘモグロビン種の平均パーセンテージとして示す。器官および血液を、CO素量化が行われるまで−20℃で保存した。
CO素量化について、Vremanらにより記載されるプロトコルに従った。器官を小片に切断し、これを計量して、4容積の水(組織試料の重量の4倍に対応する用量)を各器官試料に添加した。組織破砕機を用いて組織をホモジェナイズした。ホモジェネートのアリコート(30μL)をバイアル中に置き、これに水(25μL)およびスルホサリチル酸(SSA、5μL、30%[wt/vol])を添加し、その後ただちに気密隔壁キャップで密封した。バイアルを氷上で少なくとも20分間インキュベートし、その後GC-RCPにより分析した(後の実験においては、インキュベーション時間を45分間まで延長した)。COの量を、CO標準物から準備したカリブレーション曲線を用いて計算した。化合物1b(1回の実験、図1C)、化合物2b(3回の繰り返し実験、図2C〜2E)、化合物3b(2回の繰り返し実験、図4F〜4G)、化合物4b(図5B)、および化合物5b(図6B)についての結果を、フレッシュな湿組織1mgあたりのCOのpmol(pmolのCO/mgのFW)として表わす。COHbは、オキシメーター(AVOXimeter 4000、USA)を用いて決定した。
結果:マウスにおいて行われた組織CO分布実験は、化合物3bまたは化合物2bの投与が、血液、腎臓、心臓および肺組織とした場合、肝臓におけるCOレベルを増大したことを示す。対照的に、化合物1bにより処置された動物の肝臓においては、この化合物はin vitroではミクロソームにより活性化されたにもかかわらず、他の器官と比較してCOの優先的な蓄積は存在しなかった。結果は、化合物2bおよび3bは、投与の後すぐに肝臓に優先的に分布するが、化合物1bはそうではないことを示す。興味深いことに、これら3つの化合物全ては、肝臓ミクロソームにより分解されて、比較的似た速度においてCOを遊離するが、化合物3bの場合にいくらかより早い。肝臓における優先的な蓄積およびまた肝臓ミクロソームにより誘導されるCO放出速度を有する化合物3bは、2bおよび1bの両方よりもこの器官へのより良好なCO送達プロフィールを有する。後者は、2bよりも速くCOを放出するが、その肝臓への指向性は、その治療効力を完全に損なうのに十分なほど低い。化合物2bは、中間のバランスをとり、なお治療活性を保持するが、化合物3bのものよりは低い。これらの2つのセットの結果をまとめると、肝臓におけるCOの放出は、治療的作用をもたらすために十分ではなく、肝臓におけるいくらかの優先的蓄積がまた必要とされることが示唆される(以下の例4「APAP誘導性の急性肝不全(ALF)モデルにおける化合物3bの治療的利益」を参照)。
例4.肝臓疾患の処置のための一酸化炭素放出分子
マウスにおける事前の安全性の研究
マウスにおける事前の安全性の研究は、1g/kgまでの用量は何らの毒性も示さないことを示す。図7は、CD-1マウスにおける化合物3bの薬物動態学を表わす。化合物3bを、静脈内で(i.v.)100mg/kgの用量において投与した。投与の1、5、10、20および30分後に、血液試料を収集した。血清中の化合物3bの濃度を、HPLCによりアッセイした。実験的曲線は、循環からの排出およびCO放出を通しての減衰を表わす。
in vivoでの分布
化合物3bが迅速に肝臓に分布されることを見出した。化合物3bのi.v.注射の5分後に、COの濃度は、肝臓において、血液におけるものよりも5倍高い。20分後、アッセイされた非血液組織の中で、COの濃度は肝臓においてなお最も高い。
表6は、50mg/kgにおける化合物3bのi.p.注射による投与の後での血液、心臓、肝臓、肺および腎臓におけるCO分布を提供する。COを、化合物の投与の5および20分後に、GC-RCPによりアッセイした。幾つかの器官におけるCOの濃度を、血液中で定量したCOの量に対して正規化する(t=0において50mg/kgの化合物3bをi.v.で注射された血液中の濃度の割合としてのCO濃度;t=5分およびt=20分においてGCにより組織においてアッセイされたCO)。
ヒトおよびラットのミクロソームは、化合物3bからのCO放出を加速させる
図8は、リン酸バッファー(pH7.4)(「バッファー」)、ヒト肝臓ミクロソーム(「ヒト」)またはラット肝臓ミクロソーム(「ラット」)の存在下におけるリン酸バッファー(pH7.4)中の、COの当量において表わされた、化合物3bから放出されたCOの量を表わす。アッセイは、1時間37℃で密封されたバイアル中で行った。気体のアリコートをバイアルの気体空間から取り除き、異なる時点におけるCO濃度をGC-RCPにより決定した。
pH7.4のバッファーにおいて、化合物3bは1時間において0.25モル当量のCOを放出することを見出した。また、ミクロソームは、CO放出を、約4.0〜5.5倍加速させることを見出した。肝臓への組織分布および肝臓ミクロソームにより増強されるCO放出は、肝臓への特異的なCOの送達を示唆する。
化合物3b処置マウスにおけるCOHbレベル
図9は、CD-1メスマウスにおいて、化合物3bの300mg/kgにおける静脈内での投与の後で測定されたカルボキシヘモグロビン(CO-Hb)のパーセンテージを表わす。CO-Hbを、オキシメーター(A-vox Instruments製のAVOXimeter 4000)を用いて80分間にわたり測定した。この装置を用いて測定されたCO-Hbのベースラインは、3〜4%である。化合物3bでi.v.で300mg/kgの用量において処置されたマウスは、血液中で7.5%のCOHbを超えず、化合物3bの治療的用量は、マウスの血液中のCOHbの徴候性レベルを引き起こさなかったことを見出した。
APAP誘導性の急性肝不全(ALF)モデルにおける化合物3bの治療的利益
化合物3bを、アセトアミノフェン(APAP)誘導性の肝臓の傷害についての致死量以下のモデルにおいて研究した。
図10A〜10Bは、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の生成およびクリアランスのダイナミクスを表わす。図10Aは、300mg/kgのアセトアミノフェン(APAP)の腹腔内(i.p.)注射による投与の後でのALT生成のダイナミクスを表わす。ALTは、経時的な(時間)U/Lにおいて表わす。図10Bは、300mg/kgのi.p.注射による投与の後でのAPAPクリアランスのダイナミクスを表わす。APAPは、経時的な(時間)g/Lにおいて表わす。
図11Aは、APAP誘導性の急性肝不全(ALF)モデルにおける血清ALTに対する化合物3bによる処置の効果を表わす。CyP450活性を増大させるために、オスC57BL/6マウスを一晩絶食させた。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。APAP注射の1時間後に、動物を、0.3、3、30または60mg/kgの用量の化合物3bで処置した。血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=5マウス)。図11Bは、APAPにより誘導される肝臓の損傷における化合物3bの効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。マウスに化合物3b(0.3、3、30、60mg/kg)または化合物1b(60mg/kg)をAPAPの1時間後に投与した。APAP注射の22時間後に、血清ALTを測定し(結果を図11Aにおいて示す)、マウス肝臓の小葉中心切片を作製し、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色し、肝臓ネクローシスのパーセンテージを決定した。データは、APAP対照と比較して9%〜83%のALTレベルの用量依存的低下、およびAPAP対照と比較して0%〜56%のネクローシスの用量依存的減少を示す。データはまた、化合物1bが、最も高い60mg/kgの用量においてすら、APAP対照と比較してネクローシスを減少させないことを示す。これらのデータは、疑いようもなく、アセトアミノフェン誘導性ALFの処置における化合物3bの強力な治療活性、および同様の用量における化合物1bの活性の欠如を示す。この治療活性における差異は、蓄積による肝臓へのCO送達およびCO放出のプロフィールに強力に相関し、これらはいずれも、例3において議論するように、化合物1bに対して化合物3bがより有利である。
ALFモデルにおけるより高い用量における化合物3bの治療的利益
化合物3bをまた、より高い用量において治療的利益が存在するか否かを確認するために研究した。3群の5個体のマウスを、2回の用量の化合物で、APAP負荷の1時間および3時間後に処置し:(1)化合物3b、2×60mg/kg;(2)化合物3b、2×120mg/kg;および(3)NAC、2×300mg/kg、APAPの22時間後に効果を評価した。
図12A〜12Bは、ALFモデルにおける血清ALTに対するNACまたは化合物3bによる処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。動物を、APAP注射の1または3時間後に投与されたNAC(N−アセチル−システイン;300mg/kg)または化合物3b(60もしくは120mg/kg)で処置した。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。図12Bは、処置群における差異を可視化することを補助するための図12Aの拡大である。
図12Cは、ALT血清マーカー(図12A〜12B)により得られた結果を確認し、APAP誘導性のALFモデルにおける肝臓の損傷に対するNACまたは化合物3bによる処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。動物を、APAP注射の1または3時間後に投与したNAC(300mg/kg)または化合物3b(60もしくは120mg/kg)により処置した。APAP注射の22時間後に、血清ALTを測定し(図12A〜12Bにおいて示す)、マウス肝臓の小葉中心切片を作製し、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色し、肝臓ネクローシスのパーセンテージを決定した。
結果は、化合物3bは用いられた両方の用量において高度に治療的であること、および、2×120mg/kgにおいて、化合物3bはNACと同じように有効であることを示す。
ALFモデルにおいて、APAP傷害の後遅くに化合物3bを投与することは、NACを投与することよりも効果的である。
図13は、APAP誘導性の急性肝不全(ALF)モデルにおける血清ALTに対するNACまたは化合物3bによる処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。APAP注射の5時間または7時間後に、動物を、NAC(150mg/kg)もしくは化合物3b(120mg/kg)により、または両方の化合物の組み合わせにより処置した。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。*マウスへのNAC投与は、ヒトの用量を模倣し、これは、21時間にわたり300mgの合計のために、60分間にわたる150mg/kg(負荷用量);4時間にわたる50mg(第2の用量);16時間にわたる100mg(第3の用量)である。
図14は、ALFモデルにおける血清ALTに対する化合物3bによる遅い処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。 APAP注射の16時間後に、動物を、異なる用量の化合物3b(0.3、3、30または60mg/kg)で処置した。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。
APAP傷害の後遅くに投与したNACは、もはや有効ではなく、血清ALTレベルを上昇させた(すなわち毒性である)ことを見出した。化合物3bは、APAP傷害の後遅くに投与された場合に治療的であり、ここでNACは低活性である。さらに、NACは、化合物3bの活性を妨害しない。
また、APAP傷害の16時間後に投与された化合物3bの1回用量による処置は、用量依存的な治療効果をもたらすことを見出した。血清ALTレベルは、APAP投与の約22時間後に最大に達し(ここで測定を行う)、APAPの48時間後に正常付近に戻る。したがって、このモデルにおける遅い処置は、薬物の活性を示さない。
ALFモデルにおいて、化合物3bプラスNACをAPAP傷害の後早くに投与することは、相加的効果を示す
図15A〜15Bは、ALFモデルにおける血清ALTに対するNACと化合物3bとによる組み合わせ処置の効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。NAC(300mg/kg)および化合物3b(120mg/kg、図15A、または60mg/kg、図15B)を、マウスに、別々にまたは組み合わせて、APAP注射の1時間後または3時間後に投与した。実験1および2は、2回の独立した実験を表わす。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を、APAP注射の22時間後に測定した(各群についてn=4またはn=5マウス)。ALTレベル、および、APAPのみを注射されたマウスにおいて観察された増大と比較しての、対応するALT増大のパーセンテージを、表7において表わす。
表7は、APAP投与の22時間後にマウス血清において測定されたALTレベル、および、APAPのみを注射されたマウスにおいて観察された増大と比較しての、ALT増大のパーセンテージを提供する。
データは、各々の動物についての実験的な血清ALT値を提供する。
結果:2×60mg/kgの化合物3bは、2×120mg/kの化合物3bとほぼ同等に有効である。NACおよび化合物3bの治療効果は相加的である。組み合わせると、低い、およびより高い用量の化合物3bは、同等に有効である。
ALFモデルにおける肝臓の組織学的分析
図16は、アセトアミノフェンにより誘導される肝臓の損傷におけるNACおよび化合物3bの効果を表わす。C57Bl/6オスマウスにおいて、i.p.注射によるアセトアミノフェンの1回用量(300mg/kg)を用いて、ALFを誘導した。NACおよび化合物3bを、APAP投与の1および3時間後に投与した。APAP注射の22時間後に、血清ALTを測定し、マウス肝臓の小葉中心切片を作製し、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色した。A:ナイーブなマウス;BおよびC:APAP対照マウス(複製実験);DおよびE:APAPプラス化合物3b、2×100mg/kg(複製実験);FおよびG:APAPプラス化合物3b、2×300mg/kg(複製実験);HおよびI:APAPプラスNAC、2×300mg/kg(複製実験)。
結果:300mg/kgのアセトアミノフェンの用量は、マウスの肝臓において強力なネクローシスを引き起こす。ネクローシスは、文献において記載されるように、小葉中心性かつ血管周囲性である。化合物3bまたはNACにより処置された動物からの肝臓は、あったとしても非常に少ないネクローシスを有する。化合物3bおよびNACにより処置された動物からの肝臓は、異なるように観察され、これは、病理学者に、このモデルにおける異なる薬物の機序を示唆した。したがって、NACおよび化合物3bが組み合わせて投与される場合、治療効果についての相加性を期待することができる。
仮説:このモデルにおいて早く(<3〜5時間)に投与されたNACは、毒性のアセトアミノフェン代謝物であるNAPQIと反応することにより、肝臓の傷害を予防する。速くまたは遅く(<16時間)に投与された化合物3bは、炎症を限定することおよび再生を促進することにより、治癒を加速させる。この化合物3bの作用の機序の仮説は、血管周囲の領域が多数の有糸分裂の形状を有したという観察により支持される。
ALFモデルにおける化合物4bの投与
図24は、0.3、3、10または30mg/kgの用量において、APAP(300mg/kg)投与の3時間および5時間(+3h、+5h)後に投与された(i.p.)マウスにおけるALFモデルにおける化合物4bの効果を表わす。APAP投与の22時間後に血清ALTレベルを評価した。化合物4bは、APAPにより誘導されたALTレベルを、用量依存的な様式において、低下させることができた;30mg/kgの用量において、ALTレベルは、未処置の対照動物と比較して、75%低下した。
ALFモデルにおける化合物5bの投与
図25は、10、30または120mg/kgの用量においてAPAP(300mg/kg)投与の3時間および5時間(+3h、+5h)後に投与された(i.p.)マウスにおけるALFモデルにおける化合物5bの効果を表わす。APAP投与の22時間後に血清ALTレベルを評価した。化合物5bAPAPにより誘導されたALTレベルを、用量依存的な様式において、低下させることができた;120mg/kgの用量において、ALTレベルは、未処置の対照動物と比較して、70%低下した。
致死性APAP肝不全モデル
化合物3bを、致死性APAP肝不全モデルにおいて試験した(例えばImaeda et al. J Clin Invest (2009) 119:305-14を参照)。
オスC57BL/6マウスを、CyP450活性を増大させるために一晩絶食させた。APAPを、i.p.で500mg/kgにおいて投与した。生存率を3〜5日間にわたりモニタリングした。APAP処置された対照動物における生存率は、実験の終了時において40〜60%である。
図17は、500mg/kgのAPAPを注射された(i.p.)C57BL/6マウスの生存曲線を表わす。マウスを一晩絶食させ、その後APAPを投与した(n=15)。マウスの生存を4日間モニタリングした。
図18A〜18Bは、500mg/kgのAPAPを注射され(i.p.)、化合物3bで処置されたC57BL/6マウスの生存曲線を表わす。マウスを一晩絶食させ、その後APAPを投与した(n=15)。化合物3bを、120mg/kgの用量において、APAP投与の後1hおよび3hにおいて(A)または3hおよび5hにおいて(B)投与した。マウスの生存を4日間モニタリングした。
図19は、500mg/kgのAPAPを注射され(i.p.)、化合物3bおよびNACで、別々に、および異なる投与時間を用いて相当する組み合わせにより処置された、C57BL/6マウスの生存曲線を表わす。マウスを一晩絶食させ、その後APAPを投与した(n=15)。化合物3bを、120mg/kg(ip)の用量において、APAP投与の後+3hまたは+4hにおいて投与した。別の群のマウスは、NAC(150mg/kg、ip)を、APAPの後+1hにおいて投与された。残りの2群には、NAC+化合物3bの組み合わせ様式において投与した;1群のマウスには、+1hにおいてNAC(150mg/kg、ip)プラス+3hにおいて化合物3b(120mg/kg、ip)を、他方には、+1hにおいて化合物3b(150mg/kg、ip)プラス+4hにおいて化合物3b(120mg/kg、ip)を投与した。マウスの生存を4日間モニタリングした。
結果:2×120mg/kgにおいて、APAP投与の1時間および3時間または3時間および5時間後に投与された化合物3Bは、100%の生存率をもたらすが、一方、APAP対照群においては、53%(15個体のうち8個体)が死亡する。同じスケジュールを用いて2×300mg/kgにおいて投与されたNACもまた、両方の実験において100%の生存をもたらした(データは示さず)。上記のようなAPAPおよびNAC+化合物3bの組み合わせにより処置されたマウスの生存プロフィールは、NACまたは化合物3bにより処置された個体と比較して高く、このことは、ALFモデルにおけるこれらの分子の相加的な治療効果の可能性を示す。
虚血−再灌流モデル
C57BL/6マウスにおける肝臓虚血−再灌流モデル。麻酔したC57BL/6マウスにおいて、肝動脈および門脈を30分間クランプし;24時間後に血清ALTレベルを決定した。化合物3bを、i.p.で30mg/kgにおいて、各々、手術の1時間前および1時間後に投与した。
図20は、虚血−再灌流モデルにおける化合物3bの効果を表わす。麻酔したC57BL/6マウスにおいて、肝動脈および門脈を30分間クランプし、24時間後に血清ALTレベルを決定した。化合物3bを、i.p.注射により30mg/kgにおいて手術の1時間前および1時間後に投与した。
結果:化合物3bで処置された動物は、ベースラインレベル(29U/L)の血清ALTを有したが、一方、未処置の対照動物は、5倍(149U/L)高いALTレベルを有した。化合物3bは、マウスの肝臓において虚血/再灌流傷害の予防を示す。化合物3bは、肝臓における抗炎症活性を示す。
アポトーシスのex-vivoモデル
図21A〜21Bは、アポトーシスのex-vivoモデルにおける化合物3bの効果を表わす。C57BL/6マウスからの初代培養肝細胞のアポトーシスを、アクチノマイシンD(ActD;200ng/mL)および腫瘍壊死因子−α(TNF−α;10ng/mL)により誘導した。アポトーシス誘導因子ActD/TNF−αの添加の1時間前および1時間後に、化合物3bを培養に添加した。化合物3bを、0.5mLのウェルあたり25、50、100および150μgの濃度で試験した。アポトーシス誘導因子の添加の24時間後に、肝細胞の生存率を決定した。図21A:アポトーシス誘導因子のみにより処置された細胞と比較しての、化合物3bの存在下におけるActD/TNF−α処置細胞の生存の増大のパーセンテージ。図21B:マウス肝細胞(アポトーシス誘導因子により処置されていないもの)に対する化合物3bの用量の毒性。データは、3〜5回の独立した実験(異なるマウスからの3〜5個の肝臓)の平均±S.D.である。
結果:化合物3bは、肝臓において強力な抗アポトーシス活性を有する。ActD/TNF−α処置単独では、生存率を24.8±5.5%まで低下させる(n=23;データは示さず)。化合物3bはまた、ActD/TNF−αにより誘導される肝細胞の死を予防する。肝細胞の生存率が用量依存的な様式において増大すること、およびこの増大は5mLのウェルあたり2×150μg(2×600μM)の化合物3bによる処置において125%よりも高いことが見出された。
肝臓再生モデル
再生活性について試験するためのマウス部分肝切除モデルにおける肝臓再生。モデル:マウスにおける部分的(70%)肝臓摘除およびその後の再生の速度。
図22は、肝臓再生のモデルにおける化合物3bの効果を表わす。動物を麻酔し、肝臓の左葉および中葉に相当する肝臓の70%を摘除した。手術の1時間前および1時間後に、化合物3bを投与した(2×100mg/kg)。2日後、動物を安楽死させ、肝臓を採取し、計量し、ホスホヒストンH3(PH3、細胞分裂についての特異的マーカー)について染色した。データは、対象と比較して、処置群の有糸分裂活性の増大を示す。
結果:摘除の48時間後の肝臓の重量データは、化合物3bによるより早い再生を示唆する(対象における89%の増加に対して、化合物3bにより処置された動物における102%の増加)。化合物3bは、より高い頻度の細胞分裂が存在することを示すPH3染色を増加させる。NACは、効果を有さず、有害である場合もある(例えばYang et al., Crit Care (2009) 13: R55を参照)。
TNBS誘導性の大腸炎モデル
図23A〜23Cは、TNBSにより誘導される大腸炎のモデルにおける化合物3bの効果を表わす。Balb/Cマウスにおいて、4mgのTNBS(2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸)を含む100mLの40%エタノールの1回の大腸内投与により、大腸炎を誘導した。デキサメタゾン(Dex:0.3mg/kg)、化合物3b(120mg/kg)またはそのビヒクルを、大腸炎誘導の1日前(第1日)から始まる連続した3日間の間、毎日投与した。大腸炎誘導の4日後において、マウスを安楽死させ、大腸を単離し、洗浄し、遠位大腸の7cmのセグメントを摘除し、計量した(図23A)。以下のスコアを用いて便のコンシステンシーを決定した:0、よく形成されたペレット;1、軟便;2、液状便または血便(図23B)。研究全体を通して、動物を計量した(図23C)。
他の態様
本明細書において引用される全ての特許、特許出願、および参考文献は、本明細書において参考として援用される。
上記は、本開示のある非限定的な態様の記載である。当業者は、以下の請求の範囲において定義されるような本開示の精神および範囲から逸脱することなく、この記載に対して多様な変更および改変が行われ得ることを理解するであろう。

Claims (31)

  1. 式(I):
    式中:
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC1−3アルキル、または−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルであり、ここで、RA1の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルであり;
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC1−3アルキル、または−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルであり、ここで、RA2の各々の場合は、独立して、水素またはC1−10アルキルである;
    あるいは、RおよびRならびにそれら両方が結合している炭素は、独立して、連結されてC3−4カルボシクリルを形成する;
    ただし、同じ炭素に結合しているRおよびRの各々の場合は、両方がともに水素であることはない
    の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物であって、さらにここで、
    式(I)の化合物のエステルが、分子中のカルボン酸基の酸性の水素原子のうちの1または2以上が、C 1−10 アルキル基により置き換えられた化合物であり、
    式(I)の化合物のアミドが、分子中のカルボン酸基のOH基のうちの1または2以上が、アミノ、C 1−10 アルキルアミノ、およびC 1−10 ジアルキルアミノから選択される基により置き換えられた化合物である、
    前記化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物
  2. である、請求項1に記載の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物。
  3. 式(I−a):
    の化合物、あるいは
    式(I−b):
    式中、mの各々の場合は、独立して、0、1または2である、
    の化合物、あるいは
    式(I−e):
    式中、pの各々の場合は、独立して、1、2または3である、
    の化合物、あるいは
    式(I−g):
    式中、pの各々の場合は、独立して、1、2または3である、
    の化合物、あるいは
    式(I−i):
    式中、qの各々の場合は、独立して、1または2である、
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその塩、エステル、アミド、溶媒和物もしくは水和物
  4. の各々の場合は、水素である、請求項1に記載の化合物。
  5. の各々の場合は、水素であり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキル、または−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである、請求項4に記載の化合物。
  6. の各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルであるか、あるいは、Rの各々の場合は、−COで置換されたC1−3アルキルである、請求項5に記載の化合物。
  7. の各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキル、または−COA2もしくは−C(=O)N(RA2で置換されたC1−3アルキルであり、Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキル、または−COA1もしくは−C(=O)N(RA1で置換されたC1−3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  8. の各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキルであり;Rの各々の場合は、独立して、未置換のC1−3アルキル、または−COA2で置換されたC1−3アルキルであるか、あるいは、
    の各々の場合は、独立して、−COA1で置換されたC1−3アルキルであり;Rの各々の場合は、独立して、−COA2で置換されたC1−3アルキルである、請求項7に記載の化合物。
  9. 請求項1に記載の式(I):
    の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物。
  10. 化合物のエステルが、式(II):
    式中:
    の各々の場合は、独立して、C 1−6 アルキルであり;
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC 1−3 アルキル、または−CO A1 もしくは−C(=O)N(R A1 で置換されたC 1−3 アルキルであり、ここで、R A1 の各々の場合は、独立して、水素またはC 1−10 アルキルであり;
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC 1−3 アルキル、または−CO A2 もしくは−C(=O)N(R A2 で置換されたC 1−3 アルキルであり、ここで、R A2 の各々の場合は、独立して、水素またはC 1−10 アルキルである;
    あるいは、R およびR ならびにそれら両方が結合している炭素は、独立して、連結されてC 3−4 カルボシクリルを形成する;
    ただし、同じ炭素に結合しているR およびR の各々の場合は、両方がともに水素であることはない
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物。
  11. 化合物のアミドが、式(III):
    式中:
    の各々の場合は、独立して、水素またはC 1−6 アルキルであり;
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC 1−3 アルキル、または−CO A1 もしくは−C(=O)N(R A1 で置換されたC 1−3 アルキルであり、ここで、R A1 の各々の場合は、独立して、水素またはC 1−10 アルキルであり;
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC 1−3 アルキル、または−CO A2 もしくは−C(=O)N(R A2 で置換されたC 1−3 アルキルであり、ここで、R A2 の各々の場合は、独立して、水素またはC 1−10 アルキルである;
    あるいは、R およびR ならびにそれら両方が結合している炭素は、独立して、連結されてC 3−4 カルボシクリルを形成する;
    ただし、同じ炭素に結合しているR およびR の各々の場合は、両方がともに水素であることはない
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
  13. それを必要とする対象における肝臓疾患の処置における使用のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物を含む、医薬組成物。
  14. 肝臓疾患が肝臓細胞の死を引き起こす、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 化合物が肝臓細胞の再生を刺激する、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 肝臓疾患が、薬物に誘導される肝臓の傷害、肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、アルコールに誘導される肝臓疾患、肝硬変、肝臓癌、原発性胆汁性肝硬変、胆汁うっ滞、肝臓の嚢胞性疾患および原発性硬化性胆管炎からなる群より選択される、請求項13に記載の医薬組成物。
  17. 肝炎が、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコールに誘導される肝炎、自己免疫性肝炎または脂肪性肝炎である、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. アルコールに誘導される肝臓疾患が、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎またはアルコール関連性硬変である、請求項16に記載の医薬組成物。
  19. 薬物に誘導される肝臓の傷害が、アセトアミノフェンにより誘導される肝臓の傷害である、請求項16に記載の医薬組成物。
  20. さらなる治療剤をさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。
  21. さらなる治療剤がN−アセチルシステイン(NAC)である、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. それを必要とする対象における炎症性疾患の処置における使用のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物を含む、医薬組成物。
  23. 炎症性疾患が胃腸障害に関連する炎症である、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 胃腸障害が、消化性潰瘍、限局性腸炎、憩室炎、胃腸出血、好酸球性胃腸障害、胃炎、下痢、胃食道逆流性疾患、炎症性腸疾患、クローン病、ベーチェット症候群、大腸炎および炎症性腸症候群から選択される、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 請求項1に記載の式(I):
    式中:
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC 1−3 アルキル、または−CO A1 もしくは−C(=O)N(R A1 で置換されたC 1−3 アルキルであり、ここで、R A1 の各々の場合は、独立して、水素またはC 1−10 アルキルであり;
    の各々の場合は、独立して、水素、未置換のC 1−3 アルキル、または−CO A2 もしくは−C(=O)N(R A2 で置換されたC 1−3 アルキルであり、ここで、R A2 の各々の場合は、独立して、水素またはC 1−10 アルキルである;
    あるいは、R およびR ならびにそれら両方が結合している炭素は、独立して、連結されてC 3−4 カルボシクリルを形成する;
    ただし、同じ炭素に結合しているR およびR の各々の場合は、両方がともに水素であることはない
    化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を調製する方法であって、
    (i)モリブデントリ−CO複合体を、式:
    のイソシアニド、
    式中の各々の場合は、独立して、C1−6アルキルである
    反応させて、式(II):
    の化合物、またはその溶媒和物もしくは水和
    提供すること;
    ならびに、
    (ii)式(II)の化合物を加水分解して、式(I):
    の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和
    提供すること
    を含む、前記方法。
  26. 工程(ii)が、式(II)の化合物を塩基で加水分解して式(I)の化合物を提供することを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 塩基が水酸化物である、請求項26に記載の方法。
  28. 塩基が、NaOH、KOHまたはLiOHである、請求項27に記載の方法。
  29. 工程(ii)が、式(II)の化合物を酸で加水分解して式(I)の化合物を提供することを含む、請求項25に記載の方法。
  30. モリブデントリ−CO複合体が、式:
    Mo(CO)
    式中、Lは、3個の単座のリガンド、1個の二座のリガンドおよび1個の単座のリガンド、または1個の三座のリガンドのいずれかを表わす
    のものである、請求項25に記載の方法。
  31. モリブデントリ−CO複合体が、
    である、請求項25に記載の方法。
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