JP2004500321A - 金属錯体を含む薬学的組成物 - Google Patents

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Abstract

式[M(XL)±の化合物であって、ここで、Mが、金属イオンまたは金属イオンの混合物であり;Xが、カチオンまたはカチオンの混合物であり;Lが、リガンドまたはリガンドの混合物であり、それぞれが、周期律表のIV族、V族、またはVI族の元素から選択される少なくとも2つの異なるドナー原子を含み;Yが、リガンドあるいは同じかまたは異なるリガンドの混合物であって、それぞれが、周期律表のIV族、V族、またはVI族の元素から選択される少なくとも1つのドナー原子または1つより多いドナー原子を含み;そしてZが、ハライドイオンまたは偽ハライドイオンあるいはハライドイオンおよび偽ハライドイオンの混合物であり;そして、ここで、a=1〜3;b=0〜12;c=0〜18;d=0〜18;e=0〜18;そしてn=0〜10である。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、新規の薬学的組成物、および体内において、局所的に高濃度の反応性酸素種(一酸化窒素を含む)の過剰産生によって生じるか、またはこれに関連する疾患に対する活性を有する薬学的組成物に関する。
【0002】
(背景)
一酸化窒素(NO)は、ヒトまたは他の哺乳動物の体内で、様々な重要な役割を果たす。例えば、NOは、血圧の制御において重要な役割を果たす:NOは、神経伝達物質として作用し;NOは、血小板凝集の阻害(血栓症または血管の閉塞において重要である)、および細胞性塞栓(腫瘍の戦闘において重要である)において役割を果たす。しかし、NOの過剰産生は、以下を含む多数の疾患状態に関連している:血管/昇圧疾患(例えば、敗血症性ショック、虚血後の大脳損傷、偏頭痛、および透析誘発性腎性高血圧症);免疫疾患(例えば、炎症および敗血症における肝臓損傷、同種移植拒絶、対宿主性移植片病、糖尿病、および創傷治癒);神経変性疾患(例えば、大脳虚血、外傷、慢性癲癇、アルツハイマー病、ハンティングトン病、およびAIDS痴呆複合体);ならびに脈管形成処置後の再狭窄のような処置の副作用、およびサイトカイン治療後の二次低血圧。
【0003】
任意のこれらの疾患状態における一酸化窒素または他の反応性酸素種の薬理学的な調節は、非常に有利であることを証明しなければならない。
【0004】
NOの過剰産生に関連する1つの上記の疾患は、敗血症ショックである。これは、局所性敗血症または内毒血症(高い局所レベルの細菌性内毒素)によって促進される。この結果は、マクロファージ、白血球、内皮細胞、およびこれらの細胞によるサイトカイン産生によってさらに媒介される、NOを産生し得る他の細胞型の活性化である。この活性化されたマクロファージは、過剰のNOを産生し、このNOは血管拡張を生じ、そして局所性血管損傷および血管虚脱を生じる。血管完全性のこの破壊は、あまりに大きいため、血行動態ホメオスタシスの虚脱を生じ得、その結末は死である。
【0005】
このような疾患おける一酸化窒素の薬理学的調節のための現在の考案は、敗血症ショックのメディエイタ(例えば、サイトカイン、エンドトキシンおよび血小板活性化因子(PAF))を用いる処置に基づく。このアプローチは、サイトカインに対する抗体(例えば、リポ多糖類に対するインターロイキン I(IL−I)抗体(グラム陰性細菌によって産生されるエンドトキシン)およびPAFアンタゴニストのような腫瘍壊死因子(TNF)レセプターアゴニスト)の使用を包含する。全てのこのようなアプローチは、特定のショックを媒介する因子をチャレンジするが、疾患の病因または原因の処置は試みない。NOの理解における最近の進歩は、NOシンターゼ酵素(例えば、N−モノメチ(monomethy)−L−アルギニン(L−NMMA))のインヒビターは、それらがNO産生を阻害するため、疾患に関連する特定のショックおよび他のNO過剰産生の処置に有用であり得るという提案に至った。これらのインヒビターは、動物モデル、および体内における全NO合成の望ましくない阻害の欠点を有する予備臨床研究において幾分かの有用性を示した。
【0006】
本発明の目的は、体内のNOおよび他の反応性酸素種のレベルを調節し得る新規の組成物を提供することである。他の反応性種の例には、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、ペルオキシド、過酸化亜硝酸、およびタンパク質付加物を含む他の窒素酸化物が挙げられる。本明細書中で記載される金属錯体の組成物は、除去することによってこれらの有害な種のレベルを減少する重要な役割を果たす。
【0007】
(発明の要旨)
ヒトまたは他の動物の身体の疾患の処置のための薬学的組成物において、いくつかの金属錯体が知られている。例えば、白金およびルテニウムの特定の錯体は、癌の処置において使用されるかまたは示されている。しかし、金属錯体は、反応性酸素種の過剰産生(NOの過剰産生を含む)に関連する疾患の処置において、以前には示されなかった。
【0008】
疾患に関係する場合、NOレベルおよび他の反応性酸素種の弱毒化のための医薬の製造において、本発明は、式IのNOに配位するための少なくとも1つの部位を有する中性、アニオン性またはカチオン性の金属錯体の使用を提供する:
【0009】
【化6】
Figure 2004500321
ここで、
Mは、金属イオン、または金属イオンの混合物であり;
Xは、カチオン、カチオンの混合物であり;
Lは、リガンド、またはそれぞれが、周期表のIV族、V族またはVI族の元素から選択される少なくとも2つの異なるドナー原子を含むリガンドの混合物であり;
Yは、リガンド、またはそれぞれが、少なくとも1つのドナー原子、または1つ以上のドナー原子を含む同じかまたは異なるリガンドの混合物であり、ここで、このドナー原子は、周期表のIV族、V族またはVI族の元素から選択され;そして
Zは、ハライド、または偽ハライドイオン、またはハライドイオンと偽ハライドイオンの混合物であり;
a=1〜3;b=0〜12;c=0〜18;d=0〜18;e=0〜18;そしてn=0〜10であり;ただし、c、dおよびeのうち少なくとも1つは1以上である。
【0010】
そして、cが0である場合;bもまた0であり;
そして、aが1である場合;c、dおよびeは9より大きくなく;
そして、aが2である場合;c、dおよびeは12より大きくない。
【0011】
本明細書中において、「錯体」とは、中性の錯体またはアニオン性またはカチオン性の種を意味する。
【0012】
本明細書中で使用される場合、用語「族」は、周期表の縦の行として理解され、ここで各族の元素は、類似の物理的特性および化学的特性を有する。周期表の定義は、Mendeleev;Chamber Dictionary of Science and Technology,1974(W&R Chambers Ltd.により出版)に帰するものである。本明細書中に開示されるような化合物の命名は、一般の用法に基づいている。American Chemical Abstracts Service(American Chemical Society)の命名法に従う化合物の名前はまた、表5に示される。
【0013】
本発明はまた、ヒトの身体または他の哺乳動物の身体の疾患に関係する場合、反応性酸素種を弱毒化する方法を提供するように示される。従って、本発明は、中性、アニオン性またはカチオン性の式Iの金属錯体を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0014】
本発明はまた、反応性酸素種が過剰産生される疾患の処置のための医薬の製造における、式Iの中性、アニオン性、またはカチオン性の金属錯体の使用を提供する。
【0015】
本発明はまた、ヒトの身体または他の哺乳動物の身体の疾患に関係する場合、一酸化窒素を弱毒化する方法を提供すると示される。従って、本発明は、中性、アニオン性、またはカチオン性の式Iの金属錯体を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0016】
本発明はまた、体内のNOの過剰産生の結果として起こる、ヒトまたは他の哺乳動物の身体の疾患を処置する方法を提供し、この方法は、中性、アニオン性、またはカチオン性の式Iの金属錯体を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0017】
式Iがアニオン性種を表す場合、カチオンも存在する。式Iがカチオン性種を表す場合、アニオンもまた存在する。金属錯体は水和され得る。
【0018】
好ましくは、Mは、第1周期、第2周期、または第3周期の遷移金属イオンである。例えば、Mは、Rh、Ru、Os、Mn、Co、Cr、またはReイオンであり得、そして好ましくは、Rh、Ru、またはOsである。
【0019】
適切なMは、III価の酸化状態である。本発明者らは、驚くべきことに、金属イオン(例えば、ルテニウム)がIII価の酸化状態である場合、NOと結合する速度は、II価の酸化状態と比較して有意に速くなることを見出した。
【0020】
Xは、任意のカチオン(例えば、1価、2価または3価のカチオン)であり得る。適切なカチオンは、H、K、Na、NH またはCaであり得る。好ましいXは、H、KまたはNaであり得る。
【0021】
好ましいLは、一般式AおよびBにより本明細書中に記載されるポリアミノカルボキシレートリガンドである:
【0022】
【化7】
Figure 2004500321
ここで、
V’、W’、X’、Y’、およびZ’は、独立して、H、フェニル、ヘテロアリール、C1−6アルキル、C1−6アルキルヒドロキシ、C1−6アルキルチオール、C1−6アルキルアリール、C1−6アルキルヘテロアリール、C1−6アルキルヘテロシクリル、およびそれらの誘導体から選択される。好ましいアルキル複素環式基は、ピリジニルメチレン、ピラジニルメチレン、ピリミジニルメチレンである。芳香族基およびヘテロ芳香族基は、単一または複数の位置で、ハライド、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシアリール、またはベンジルオキシ、ヒドロキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、チオール、カルボン酸、カルボキシアルキルC1−6、カルボキサミド、カルボキサミドアルキルC1−6、アニリドで適切に置換され得る。
【0023】
P’=CH、(CH、CHOHCH、CH(OC1−6アルキル)CHであり、
V’、W’、X’、Y’、およびZ’はまた、メチレンカルボン酸、メチレンカルボキシC1−6アルキル、メチレンカルボキサミドC1−6アルキル、またはヘテロシクリル、メチレンカルボキシアニリド、アミノ酸またはペプチドのメチレンカルボキサミド誘導体、メチレンヒドロキサム酸、メチレンホスホン酸、C1−6アルキルチオールであり得る。
【0024】
上記の式において、リガンドは、複素環式環R(n=0または1)に必要に応じて縮合され得る。好ましい複素環式基は、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾールである。
【0025】
より好ましいLは、例えば、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(edda)、エチレンジアミン四酢酸(edta)、ニトロ三酢酸(nta)、ジピコリン酸(dipic)、ピコリン酸(pic)、ジエチレントリアミン五酢酸(dtpa)、チオビス(エチレンニトリロ)四酢酸(tedta)、ジチオエタンビス(エチレンニトリロ)四酢酸(dtedta)、およびN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(hedtra)のようなリガンドである。
【0026】
好ましいYは、窒素、酸素、硫黄、炭素またはリンドナー基を含むリガンドである。適切な窒素ドナー基は、例えば、アンミン、アミン、ニトリル、およびニトリドまたはそれらの誘導体であり得る。適切な酸素ドナー基は、例えば、カルボン酸、エステル、またはそれらの誘導体、水、オキシド、スルホキシド、ヒドロキシド、アセテート、ラクテート、プロピオネート、オキサレート、およびマルトレートであり得る。適切な硫黄ドナー基は、例えば、スルホキシド、ジアルキルスルフィド、ジチオカルバメートまたはジチオホスフェートであり得る。適切な炭素ドナー基は、例えば、一酸化炭素またはイソシアニドであり得る。適切なリンドナー基は、例えば、トリアルキルホスフィンであり得る。
【0027】
Zは、任意のハライドであり得、そして好ましくは、クロリド、ブロミド、またはヨージドである。最も好ましくは、Zはクロリドである。
【0028】
本発明に従う使用のための金属錯体の例には、必要に応じて水和された式IIのルテニウム錯体が挙げられる:
【0029】
【化8】
Figure 2004500321
ここで、LIIは、本明細書中で一般式AおよびBによりすでに記載されたようなポリアミノカルボキシレートリガンドであり、より好ましくは、多座アミノカルボキシレートリガンド(例えば、edta、nta、dipic、pic、edda、トロポロン、dtpa、hedtra、tedta、もしくはdtedta、またはedtaもしくはdtpaのジアミド(またはそれらのアミド誘導体もしくはエステル誘導体)、あるいは任意のそれらの混合物であり、そしてYは上記で定義された通りであり、そして例えば、以下から選択される:
アセチルアセトン(acac)、β−ジケトネート、水;ジメチルスルホキシド(dmso);カルボキシレート;二座カルボキシレート;カテコール;コウジ酸;マルトール;ヒドロキシド;トロポロン;マロン酸;シュウ酸;2,3−ジヒドロキシナフタレン;スクエア酸;アセテート;スルフェートおよびグリコレート。
【0030】
当業者は、Yを他の公知のリガンドで置換し得、そしてこれは本発明の範囲内である。
【0031】
tedta、dtedta、ならびにedtaおよびdtpaのジアミドの調製方法は、それぞれ以下の参考文献に記載される:
【0032】
【化9】
Figure 2004500321
式IIの錯体がアニオンである場合、カチオンが必要である。例えば、式IIの錯体は、以下の状態で存在する:
【0033】
【化10】
Figure 2004500321
式IIの錯体は、本発明者らの知る限りでは、任意の薬学的組成物において以前に示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて水和された式IIのルテニウム錯体を含む薬学的組成物を提供する。
【0034】
本発明に従って使用するための金属錯体のさらなる例には、必要に応じて水和された式IIIの錯体が挙げられる:
【0035】
【化11】
Figure 2004500321
 ここで、Yは、硫黄ドナーリガンドである。例えば、このような錯体は、
[Ru(mtc)](mtc=4−ホルホリンカルボジチオン酸)
Ru(SCNCHCHNMeCHCH1/2H
で存在する。
【0036】
式IIIの錯体(ここで、Yは、硫黄ドナーリガンドである)は、本発明者らの知る限りでは、任意の薬学的組成物において以前に示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて水和された式IIIの錯体(Yが硫黄ドナーの場合)を含む薬学的組成物を提供する。
【0037】
本発明に従う使用のための金属錯体のなおさらなる例には、必要に応じて水和された式IIIのルテニウムの錯体が挙げられる:
【0038】
【化12】
Figure 2004500321
ここで、MIIIはルテニウムであり、そしてYIIIは酸素ドナーリガンド(例えば、アセテート、ラクテート、水、オキシド、プロピオネート(COEt)、オキサレート(ox)、またはマルトレート(マルトール)、あるいはそれらの組合せである。例えば、式IIIの錯体は、以下の状態で存在する:
【0039】
【化13】
Figure 2004500321
いくつかの式IIIの錯体は、本発明者らの知る限りでは、任意の薬学的組成物において以前に示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて水和された式IIIのルテニウムの錯体を含む薬学的組成物を提供し、ここで、MIIIはルテニウムであり、そしてYIIIは、アセテート、ラクテート、オキシド、プロピオネート、およびマルトレート基から選択される酸素ドナーリガンドである。
【0040】
本発明に従う使用のための金属錯体のさらなる例には、必要に応じて水和された式IVのルテニウム錯体が挙げられる:
【0041】
【化14】
Figure 2004500321
ここで、YIVは、窒素ドナーリガンド(例えば、アンミン;エチレンジアミン(en);ピリジン(py);1,10−フェナントロリン(phen);2,2−ビピリジン(bipy)、または1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(cyclam);1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4,7−トリアザシクロノナントリス酢酸;2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリン(oep);またはそれらの組合せ)が挙げられる。例えば、式IVの錯体は、以下の状態で存在する:
【0042】
【化15】
Figure 2004500321
いくつかの式IVの錯体は、本発明者らの知る限りでは、任意の薬学的組成物において以前に示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて水和された式IVのルテニウムの錯体を含む薬学的組成物を提供する。ここで、YIVは、en、py、phen、bipy、cyclam、およびoepから選択される窒素ドナーリガンドである。これらのリガンドの誘導は、当業者によって調製され得、そして本発明の範囲内である。
【0043】
本発明に従う使用のための金属錯体のなおさらなる例には、必要に応じて水和された一般式Vのルテニウムまたはオスニウムの錯体が挙げられる:
【0044】
【化16】
Figure 2004500321
ここで、Yは、上記のようなドナーリガンド(例えば、アンミン、dmso、オキサレート、bipy、acac、およびメチルシアニド)の組合せである。式Vの錯体は、例えば以下の状態で存在する:
【0045】
【化17】
Figure 2004500321
上記の後者の2つの化合物の錯体イオンは、本発明者らの知る限りでは、任意の薬学的組成物において以前に示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて水和された、式[Os(ox)bipy)]の錯体を含む薬学的組成物;さらに必要に応じて水和された式[Ru(acac)(MeCN)の錯体を含む薬学的組成物を提供する。
【0046】
使用において、本発明の錯体は、活性成分として必要に応じて水和された任意の式I〜Vの錯体を含む薬学的組成物中に、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と混合されて、含まれ得る。この薬学的組成物は、周知の原理に従って処方され、そして単回または繰返し用量の非経口投与のための溶液または懸濁液の形態であり得るか、またはカプセル、錠剤、糖剤、または他の固体組成物の形態であり得るか、または経口投与のための溶液または懸濁液の形態であり得るか、または腟坐薬または坐剤に処方され得るか、上記の任意の持続性放出形態であり得る。溶液または懸濁液は、単回または繰返しボーラス注射または連続注入、あるいは任意の他の所望のスケジュールによって投与され得る。適切な希釈剤、キャリア、賦形剤および他の成分が公知である。この薬学的組成物は、従来の薬理学的方法に従って、慣用的な臨床医の診断によって決定されるように、ヒトにおいて1g/日〜10g/日、そして他の哺乳動物における特定の投薬量の投薬範囲で活性錯体を適切に提供するように決定される投薬量を含み得る。実際に必要とされる投薬量は、体内に過剰な濃度のNOまたは他の活性酸素種が存在すること、およびNOまたは活性酸素種の過剰産生がどれだけ長いかまたはこのレベルの弱毒化に大きく依存し、ここで、疾患に関連するような活性酸素種が所望される。
【0047】
(発明の詳細な説明)
(導入および発明の一般的な説明)
本発明は、十分に高い親和性で一酸化窒素と結合する際に有用な金属錯体に関し、その結果、哺乳動物、好ましくはヒト身体における疾患の処置のための薬学的組成物として有用なこのような錯体を作製する。
【0048】
哺乳動物における疾患、好ましくはヒト身体の疾患における処置のための薬学的組成物において、いくつかの金属錯体が公知である。例えば、特定の白金およびルテニウムの錯体が、癌の処置において使用または示されてきた。しかし、反応性酸素種の過剰生産(NOの過剰生産を含む)に関連する疾患の処置において、金属錯体は以前は示されていない。本発明は、疾患に関連する場合に、NOのレベルおよび他の反応性酸素種の減弱のための薬物の製造において、式IのNOが配位するための少なくとも1つの部位を有する、中性、アニオン性またはカチオン性の金属錯体の使用を提供する。
【0049】
【化18】
Figure 2004500321
ここで:
Mは、金属イオンまたは金属イオンの混合物であり:
Xは、カチオンまたはカチオンの混合物であり:
Lは、リガンド、またはリガンドの混合物であって、その各々が周期表のIV族、V族またはVI族の元素から選択される少なくとも2つの異なるドナー原子を含み:
Yは、リガンド、あるいは同じかまたは異なるリガンドの混合物であって、その各々が少なくとも1つのドナー原子または1つより多くのドナー原子を含み、このドナー原子は周期表のIV族、V族、VI族の元素から選択され:そして
Zは、ハライドまたは擬ハライドイオン、あるいはハライドおよび擬ハライドイオンの混合物であり:
a=1〜3であり:b=0〜12であり:c=0〜18であり:d=0〜18であり:e=0〜18であり:そしてn=0〜10であり;ただし、c、dおよびeのうち少なくとも1つは1以上である。
【0050】
そしてcが0の場合:bもまた0であり;
そしてaが1の場合:c、dおよびeは9以下であり;
そしてaが2の場合:c、dおよびeは12以下である。
【0051】
本明細書中において、「錯体」は、中性錯体あるいはアニオン性またはカチオン性種を意味する。
【0052】
本明細書中で使用される用語「族」は、周期表の垂直方向の欄として理解されるべきでり、そこにおける各族の元素は、同様の物理的および化学的性質を有する。周期表の規定は、Mendeleev;W&R Chambers Ltd.により1974年公開のChamber Dictionary of Science and Technologyの功績である。本明細書中で開示される化合物の命名法は、通常の用法に基づく。米国化学情報検索サービス(米国化学会)の命名法に従う化合物の名前もまた、表5に示される。
【0053】
本発明はまた、哺乳動物における疾患、好ましくはヒト身体の疾患において関連する場合、反応性酸素種を減弱する方法の提供として述べられ得る。従って、本発明は、式Iの中性、アニオン性またはカチオン性の金属錯体を含む薬学的組成物の投与を含む。
【0054】
本発明はまた、哺乳動物における疾患、好ましくは反応性酸素種が過剰生産されるヒト身体における疾患の処置のための薬物の製造において、式Iの中性、アニオン性またはカチオン性の金属錯体の使用を提供し得る。
【0055】
本発明はまた、哺乳動物における疾患、好ましくはヒト身体の疾患において関連する場合、一酸化窒素を減弱する方法の提供として述べられ得る。従って、本発明は、式Iの中性、アニオン性またはカチオン性の金属錯体を含む薬学的組成物の投与を含む。
【0056】
本発明はまた、ヒト身体におけるNOの過剰生産の結果として生じるヒト身体の疾患を処置する方法であって、式Iの中性、アニオン性またはカチオン性の金属錯体を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する方法の提供として述べられ得る。
【0057】
式Iがアニオン性種を示す場合、カチオンもまた存在する。式Iがカチオン性種を示す場合、アニオンもまた存在する。金属錯体は、水和され得る。
【0058】
好ましくは、Mは、第一、第二および第三列の遷移金属イオンである。例えば、MはRh、Ru、Os、Mn、Co、CrまたはReイオンであり得、そして好ましくはRh、RuまたはOsイオンである。
【0059】
適切なMは、酸化状態IIIである。本発明者らは、驚くべきことに、例えばルテニウムのような金属イオンが酸化状態IIIである場合、そのNOに結合する速度が酸化状態IIの場合よりも有意に速いことを見出した。
【0060】
Xは、例えば一価、二価または三価のカチオンのような任意のカチオンであり得る。適切なカチオンは、H、K、Na、NH またはCa2+であり得る。好都合には、Xは、H、K、またはNaであり得る。
【0061】
好ましくは、Lは、一般式AおよびBによって本明細書中に記載されるポリアミノカルボキシレートリガンドである:
【0062】
【化19】
Figure 2004500321
ここで、V’、W’、X’、Y’およびZ’は、H、フェニル、ヘテロアリール、C1−6アルキル、C1−6アルキルヒドロキシ、C1−6アルキルチオール、C1−6アルキルアリール、C1−6アルキルヘテロアリール、C1−6アルキルヘテロシクリルおよびこれらの誘導体から独立して選択される。好ましいアルキル複素環式基は、ピリジニルメチレン、ピラジニルメチレン、ピリミジニルメチレンである。芳香族および複素環式芳香族基は、単一または複数の位置で、ハライド、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシアリールまたはベンジルオキシ、ヒドロキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、チオール、カルボン酸、カルボキシアルキルC1−6、カルボキサミド、カルボキサミドアルキルC1−6、アニリドで適切に置換され得る。
【0063】
P’=CH、(CH、CHOHCH、CH(OC1−6アルキル)CHである。
【0064】
V’、W’、X’、Y’およびZ’はまた、メチレンカルボン酸、メチレンカルボキシC1−6アルキル、メチレンカルボキサミドC1−6アルキル、あるいはアミノ酸またはペプチド、メチレンヒドロキサム酸、メチレンホスホン酸、C1−6アルキルチオールのヘテロシクリル、メチレンカルボキサニリド、メチレンカルボキサミド誘導体であり得る。
【0065】
上記の式において、リガンドは、必要に応じて複素環式環R(n=0または1)と縮合され得る。好ましい複素環式基は、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾールである。
【0066】
より好ましくは、Lは、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(edda)、エチレンジアミン四酢酸(edta)、ニトリロ三酢酸(nta)、ジピコリン酸(dipic)、ピコリン酸(pic)、ジエチレントリアミン五酢酸(dtpa)、チオビス(エチレンニトリロ)四酢酸(tedta)、ジチオエタンビス(エチレンニトリロ)四酢酸(dtedta)、およびN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(N−(2−hydroxethyl)ethylenediamine−triacetic acid)(hedtra)のようなリガンドである。
【0067】
好ましくは、Yは、窒素、酸素、硫黄、炭素またはリンのドナー基を含むリガンドである。適切な窒素ドナー基は、例えばアンミン、アミン、ニトリルおよびニトリドまたはこれらの誘導体であり得る。適切な酸素ドナー基は、例えば、カルボン酸、そのエステルまたは誘導体、水、オキシド、スルホキシド、ヒドロキシド、アセテート、ラクテート、プロピオネート、オキサレートおよびマルトレートであり得る。適切な硫黄ドナー基は、例えば、スルホキシド、ジアルキルスルフィド(dialkysulphide)、ジチオカルバメート、またはジチオホスフェートであり得る。適切な炭素ドナー基は、例えば、一酸化炭素またはイソシアニドであり得る。適切なリンドナー基は、例えば、トリアルキルホスフィンであり得る。
【0068】
Zは任意のハライドであり得、そして好ましくはクロリド、ブロミド、またはヨージドである。最も好都合には、Zはクロリドである。
【0069】
本発明に従う使用のための金像錯体の例は、必要に応じて式IIの水和ルテニウム錯体を含む:
【0070】
【化20】
Figure 2004500321
ここで、LIIは、
好ましくは、Lは、一般式AおよびBによって本明細書中にすでに記載されたポリアミノカルボキシレートリガンドである。より好ましくは、Lは、例えばedta、nta、dipic、pic、edda、トロポロン、dtpa、hedtra、tedtaまたはdtedta、あるいはedtaまたはdtpaのジアミド(あるいはこれらのアミドまたはエステル誘導体)あるいはこれらの任意の混合物のような多座アミノカルボキシレートリガンドであり、そしてYは、上記に規定された通りであり、例えば以下から選択され得る:アセチルアセトン(acac) β−ジケトネート;水;ジメチルスルホキシド(dmso);カルボキシレート;二配座カルボキシレート;カテコール;コウジ酸(kojiic acid);マルトール;ヒドロキシド;トロポロン;マロン酸;シュウ酸;2,3−ジヒドロキシナフタレン;スクアリン酸(squaric acid);アセテート;サルフェートおよびグリコレート。当業者は、Yを他の公知のリガンドで置換し得、そしてこれは本発明の範囲内である。
【0071】
tedta、dtedtaならびにedtaおよびdtpaのジアミドの調製法は、以下の参考文献にそれぞれ記載される:
P Tse&JE Powell、Inorg Chem,(1985)、24、2727
G Schwartzenbach、H Senner、G Anderegg、Helv Chim Acta 1957、40、1886
MS Konings、WC Dow、DB Love、KN Raymond、SC QuayおよびSM Rocklage、Inorg、Chem(1990)、29、1488−1491
PN Turowski、SJ Rodgers、RC ScarrowおよびKN Raymond、Inorg Chem(1988)、27、474−481。
【0072】
式IIの錯体がアニオンの場合、カチオンが必要である。例えば、式IIの錯体は、以下で存在する:
K[Ru(Hedta)Cl]2H
[Ru(Hedta)(acac)]
K[Ru(hedtra)Cl]H
K[Ru(dipic)]H
(Hpic)[RuCl(pic)](Hpic)H
K[Ru(Hedta)Cl]H
K[Ru(Hnta)]1/2H
K[Ru(Hdtpa)Cl]H
[Ru(Hhedtra)acac]H
[Ru(Hhedtra)trop]
[Ru(Hdtpa)Cl]。
【0073】
式IIの錯体は、本発明者らの知識の限りでは、任意の薬学的組成物において、以前は示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて式IIの水和ルテニウム錯体を含む薬学的組成物を提供する。
【0074】
本発明に従う使用のための金属錯体のさらなる例は、必要に応じて式IIIの水和錯体を含む:
【0075】
【化21】
Figure 2004500321
ここで、Yは硫黄ドナーリガンドである。例えば、このような錯体は、以下で存在する:
[Ru(mtc)] (mtc=4−モルホリンカルボジチオ酸(4−morpolinecarbodithoic acid))
Ru(SCNCHCHNMeCHCH1/2HO。
【0076】
Yが硫黄ドナーリガンドである式IIIの錯体は、本発明者らの知識の限りでは、任意の薬学的組成物において、以前は示されていない。従って、本発明はまた、Yが硫黄ドナーリガンドの場合、必要に応じて式IIIの水和錯体を含む薬学的組成物を提供する。
【0077】
本発明に従う使用のための金属錯体のなおさらなる例は、必要に応じて式IIIのルテニウムの水和錯体を含む:
【0078】
【化22】
Figure 2004500321
ここで、MIIIはルテニウムであり、そしてYIIIは、アセテート、ラクテート、水、オキシド、プロピオネート(COEt)、オキサレート(ox)、またはマルトレート(maltol)あるいはこれらの組合わせのような酸素ドナーリガンドである。例えば、式IIIの錯体の例は、以下で存在する:
[RuO(OAc)](OAc)
[RuO(lac)](lac)
[Ru(OAc)]NO
[Ru(OCOEt)]NO
[Ru(ox)
[Ru(OAc)]Cl
[Ru(maltol)]。
【0079】
式IIIのいくつかの錯体は、本発明者らの知識の限りでは、任意の薬学的組成物において、以前は示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて式IIIのルテニウムの水和錯体(ここで、MIIIはルテニウムであり、そしてYIIIは、アセテート、ラクテート、オキシド、プロピオネート、およびマルトレートの群から選択される酸素ドナーリガンドである)を含む薬学的組成物を提供する。
【0080】
本発明に従う使用のための金属錯体のさらなる例は、必要に応じて式IVのルテニウムの水和錯体を含む:
【0081】
【化23】
Figure 2004500321
ここで、YIVは、窒素ドナーリガンドであり、例えば以下である:アンミン;エチレンジアミン(en);ピリジン(py);1,10−フェナントロリン(phen);2,2−ビピリジン(bipy)または1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(cyclam);2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリン(oep);あるいはこれらの組合わせ。例えば、式IVの錯体は以下で存在する:
[Ru(HNCl]Cl
[Ru(en)]I
トランス−[RuCl(py)
K[Ru(phen)Cl
[Ru(cyclam)Cl]Cl
K[Ru(bipy)Cl
[Ru(NH]Cl
[Ru(NHCl]Cl
Ru(oep)Ph。
【0082】
式IVのいくつかの錯体は、本発明者らの知識の限りでは、任意の薬学的組成物において、以前は示されていない。従って、本発明はまた、必要に応じて式IVのルテニウムの水和錯体(ここで、YIVは、en、py、phen、bipy、cyclamおよびoepの群から選択される窒素ドナーリガンドである)を含む薬学的組成物を提供する。これらのリガンドの誘導体は、当業者によって調製され得、そしてこれは本発明の範囲内である。
【0083】
本発明に従う使用のための金属錯体のなおさらなる例は、必要に応じて一般式Vのルテニウムまたはオスミウムの水和錯体を含む:
【0084】
【化24】
Figure 2004500321
ここで、Yは、本明細書上記に記載されるようなドナーリガンド組み合わせであり、例えばアンミン、dmso、オキサレート、bipy、acacおよびメチルシアニドである。式Vの錯体は、例えば以下で存在する:
[Ru(NH)(dmso)Cl
シス−[Ru(dmso)Cl
シス−[Ru(NH)(dmso)Cl
[Ru(dmso)Cl
[Os(ox)(bipy)]H
[Ru(acac)(MeCN)]CFSO
【0085】
上記の後者2つの化合物の錯体イオンは、本発明者らの知識の限りでは、任意の薬学的組成物において、以前は示されていない。従って、本発明はまた、式[Os(ox)(bipy)]の水和錯体を必要に応じて含む薬学的組成物;およびさらに、式[Ru(acac)(MeCN)の水和錯体を必要に応じて含む薬学的組成物を提供する。
【0086】
使用の際に、本発明の錯体は、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤との混合物において、式I〜Vの任意の水和錯体を必要に応じて含む薬学的組成物中に活性成分として含まれ得る。この薬学的組成物は、周知の原理に従って処方され得、そして単一用量もしくは反復用量での非経口投与のための溶液もしくは懸濁液の形態であり得、またはカプセル、錠剤、糖剤もしくは他の固体組成物、または経口投与のための溶液もしくは懸濁液であり得、あるいはぺッサリーまたは坐薬へと処方されるか、あるいは上記の任意の徐放性形態であり得る。この溶液または懸濁液は、単一または反復ボーラスの注射または連続注入によって、あるいは他の任意の所望の計画によって投与され得る。適切な希釈剤、キャリア、賦形剤および他の成分は公知である。この薬学的組成物は、ヒトにおいて1日当たり1mg〜10gの範囲の投薬量で、活性錯体を提供するのに適切な従来の薬理学的方法に従って決定された投薬量を含み得る。実際に必要な投薬量は、主に、NOまたは他の反応性酸素種の過剰濃度が存在する身体の部位に依存し、そして過剰生産が続いた期間あるいはNOまたは反応性酸素種のレベルの減弱について、このような反応性酸素種が疾患において関連する部位が必要である。本発明が、この目的に有用な他の任意の薬学的組成物と組み合わせて使用され得ることが理解される。
【0087】
上記の文書の引用は、前記の任意が適切な従来技術であることを承認するようには意図されない。これらの文書の日付についての記載または内容についての表示の全ては、出願人が入手可能な情報に基づき、そしてこれらの文書の日付または内容の正確さについてのいずれの承認も成さない。さらに、本出願の全体を通して参照される全ての文書は、その全体において本明細書中に参考として援用される。本明細書中で使用される用語は、他に指示されない限りその分野で認識される意味に基づき、そして当業者によって明瞭に理解されるべきである。
【0088】
(実施例)
ここで、本発明を一般に記載しており、本発明は、以下の実施例の参照を通してより容易に理解される。以下の実施例は、例示の目的で提供され、そして指示されない限り、本発明の限定として意図されない。
【0089】
本発明の錯体を含む多くの市販の化合物、および文献において公知の経路によって調製される化合物を、NOに配位する能力を決定するために、インビトロ、インビトロ細胞培養物、およびエキソビボで試験した。試験した錯体は以下のようであった:
【0090】
【表1】
Figure 2004500321
Figure 2004500321
多くの新しい化合物を、以下のプロトコルに従って調製した。最初の4つの化合物は、式
【0091】
【化25】
Figure 2004500321
のルテニウム錯体の例であり、後の2つは、
【0092】
【化26】
Figure 2004500321
の例である。
【0093】
([Ru(Hhedtra)acac]・HOの調製)
K[Ru(hedtra)Cl](0.5g)の水溶液(5cm)に、過剰のアセチルアセトン(1cm)を添加した。溶液の色は、スミレ色に変化した。この混合物を20分間暖め、次いで室温で20分間放置した。このスミレ色の溶液をクロロホルム(20cm)で抽出した。抽出をさらに2回繰り返した。水性画分から、スミレ色の生成物を沈殿させた。この生成物を濾過し、アセトン中で洗浄し、そして真空中で乾燥させ、0.1g(18%)を得た。
【0094】
分析.C152510Ruについての計算値:C,36.43:H,5.11;N,5.70。実測値:C,36.16;H,5.42;N,5.16%。
【0095】
([Ru(Hhedtra)trop]2HOの調製)
50:50の水/無水エタノール(5cm)に溶解した3倍過剰のトロポロン(tropolone)(0.78g)を、K[Ru(hedtra)Cl](10cm)の暖かい水溶液に添加した。この混合物を、1時間加熱した。冷却して、濃緑色混合物を、ジクロロメタン3×20cm部分で抽出した。静置して、濃緑色生成物を、水性分画から沈殿させた。この生成物を濾過し、水(1cm)、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥し、0.4g(36%)を得た。
【0096】
分析、計算値C1722Ru・2HO:C,38.13;H,4.86;N,5.23。測定値:C,38.55;H,4.67;N,5.28%。
【0097】
([Ru(Hdtpa)Cl]の調製)
[RuClO]×HO(1g)をHClO(15cm,1mM)に懸濁させ、そしてジエチレントリアミンペンタ酢酸(1.05g)を添加した。この反応混合物を、還流状態で1.5時間加熱し、黄色/褐色溶液を形成した。冷却して黄色の生成物を結晶化して、これを濾過により採取し、90%の無水エタノール/水、ジエチルエーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥し、0.75g、53%を得た。
【0098】
分析、計算値C142110ClRu:C,31.85;H,3.98;N,7.96;Cl,6.73。測定値:C,29.77;H,3.81;N,7.36;Cl,6.64。
【0099】
(K[RuHHBEDCl]3HOの調製)
[RuCl]×HO(0.41g)を水(20ml)に溶解した。この溶液に、KOH(0.12g)およびMeOH(1ml)を含む水(50ml)に溶解した、1当量のN,N’ジ(2−ヒドロキシ−ベンジル)エチレン−ジアミンN,N−ジ酢酸(hbed)(0.39g)を添加した。この混合物を、還流状態で90分加熱した。冷却すると、暗色の不溶性沈殿物が形成した。この物質を濾過により取り除き、そして得られた赤紫色の溶液を、ロータリーエバポレーションにより乾燥させた。水で粉砕し、そしてアセトンで洗浄して、90mgの暗色固体を得た。
【0100】
分析、計算値C1822RuClK:C,36.89;H,3.96;N,4.78;Cl,6.04。測定値:C,37.09;H,4.23;N,4.92;Cl,6.28。
【0101】
(Ru(SCNCHCHNMeCHCH1/2HOの調製)
MeN[SCNCHCHNMeCHCH]を、標準方法によって作製し、そしてメタノール−エーテルから結晶化した(収率71%)。
【0102】
RuCl×HO(0.50g、2.15mmol)を、30mlのメタノール中で10分間還流し、そして冷却した。MeN[SCNCHCHNMeCHCH](1.87g、7.50mmol)を添加し、そして混合物を、16時間還流した。冷却後、0.72gの粗生成物を濾別し、ジクロロメタンに溶解し、そして濾過した。この濾液を15ccの塩基性アルミナ(basic alumina)に充填し、ジクロロメタンで溶出した。溶媒を除去し、そしてエーテルを含むジクロロメタンから気相を拡散することで結晶化し、茶−黒色の結晶(Ru(SCNCHCHNMeCHCH1/2HO)(0.51g、0.80mmol、37%)を得た。
【0103】
分析、計算値C1834.5RuS:C,34.00;H,5.39;N,13.22;S,30.25。測定値:C,34.21;H,5.47;N,13.12;S,30.36。
【0104】
(Ru[SP(OCOCOMe)の調製)
K[SP(OCOCOMe)を、標準方法によって作製し、そしてエタノールから結晶化した(収率76%)。
【0105】
RuCl×HO(1.00g、4.30mmol)を、1mlのエタノールを含む、0.1N HCl(50ml)中で20分間還流し、そして冷却した。この溶液に、5.28g(過剰)のK[SP(OCOCROMe)]を添加し、そしてこの混合物を30℃で1時間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタンを用いて抽出し、そして溶媒を除去した。この残渣を、エーテル−ヘキサンを用いて抽出し、そして溶媒を除去した。この残渣を、25mlの暖かいエーテルを−20℃まで冷却することによって結晶化し、2.98の赤色結晶を得た。2.41gの粗生成物を、60ccのシリカゲルクロマトグラフィーによって5%のエタノール(エーテル中)を用いて精製した。第1ブランドを採取して、減圧して乾燥させ、そしてエーテルを−20℃まで冷却することによって結晶化した。2.16g(56%)の赤色結晶(Ru[SP(OCOCOMe))を得た。
【0106】
分析、計算値C306618RuS:C,32.72;H,6.04;S,17.47。測定値:C,32.68;H,6.08;S,17.16。
【0107】
インビトロ実験(アルゴン雰囲気下において実施した)において、各化合物(1×10mole)を、2回蒸留した脱イオン化および脱酸素化水に溶解した。得られた溶液を、3口のナスフラスコに配置し、そしてマグネットスターラー(1000rpmの一定のスピード)によって、20℃〜24℃の範囲の一定の温度で攪拌した。マノメーターをフラスコに取り付け、そして純粋で、乾燥した一酸化窒素ガス(既知の体積(3〜5cmの範囲))を、ガスシリンジを用いるセプタムを介して、反応溶液の上のヘッドスペースに大気圧で導入した。フラスコ内の圧力を、1時間の間、周期的に記録した。
【0108】
コントロール実験を、上記に従うが、任意の錯体の存在なしで実施した。
【0109】
コントロール実験の結果に関連する記録した圧力を分析して、試験される各化合物に対して、時間の関数として、NOの取り込みの速度を決定した。
【0110】
各インビトロ試験が完了すると、この反応溶液を凍結乾燥した。この凍結乾燥した生成物の赤外スペクトルは、金属−NO結合の形成の情報を提供した。
【0111】
インビトロ細胞培養試験において、マウス(RAW 264)のマクロファージ細胞株(一酸化窒素を産生するために誘導され得る)を、フェノールレッドを含まない、イーグル改変最小必須培地(MEM)および10%の胎児ウシ血清の、1ウェル当たり2ml容積の24ウェル培養プレート(10細胞/ウェル)で幡種させた。
【0112】
この細胞を、10μg/mlのリポポリサッカリドおよび100単位/mlのインターフェロンγを用いて、18時間、一酸化窒素を産生するために活性化した。同時に、MEM中で作製した試験化合物を、非細胞傷害性濃度で添加した。上記のコントロール細胞(これは、上記のように一酸化窒素を産生するために活性化されるが、試験化合物は、添加していない)を、試験の間、細胞によって産生される一酸化窒素の量を測定するのに使用した(S.P.Fricker,E.Slade,N.A.Powell,O.J.Vaugham,G.R.Henderson,B.A.Murrer,I.L.Megson,S.K.Bisland,F.W.Flitney,Ruthenium complexes as nitric oxide scavengers(一酸化窒素捕捉剤としてのルテニウム錯体):a potential therapeutic approach to nitric oxide−mediated disease(一酸化窒素媒介疾患に対する強力な治療アプローチ),Br.J.Pharmacol.,1997,122,1441−1449を参照のこと)。
【0113】
バックグラウンド(background)の一酸化窒素を、活性化していない細胞中の硝酸イオンおよび亜硝酸イオンを測定することによって評価した。
【0114】
細胞の生存度を、インキュベーション期間の終わりに、トリパンブルー色素排除によって確認した。
【0115】
一酸化窒素を、細胞上清中の硝酸イオンおよび亜硝酸イオンの測定によって決定した。これらのアニオンは、溶液中におけるNOの反応の安定な最終産物である。このような反応は、生物系で触媒されても、されなくてもよい。硝酸イオンおよび亜硝酸イオンの濃度の合計は、総NO産物である。亜硝酸イオンを、Griess反応を使用して決定し、この亜硝酸イオンは、5%のHPO/0.1%のナフチルエチレンジアミンジヒドロクロリド中の1%のスルファニルアミドと反応し、540nmで吸収する発色団を形成した。硝酸イオンは、Pseudomonas oleovorans由来の細菌性硝酸還元酵素を用いて硝酸イオンから亜硝酸イオンへと還元し、次いでGriess反応で亜硝酸イオンを測定することによって決定された。試験化合物の非存在下での硝酸イオン濃度および亜硝酸イオン濃度は、全ての一酸化窒素産物に等しい。有効な一酸化窒素(硝酸イオンおよび亜硝酸イオンとして測定される)における試験化合物の効果を、決定した。コントロールレベルと比較した有効な一酸化窒素の減少は、試験化合物によるNOの結合の程度を表示するものとして受け取られ得る。
【0116】
エキソビボ試験において、ラットの尾の動脈のセグメント(0.8〜1.5cm)を、正常血圧の成体ウィスターラットから切開した。この動脈を、クレープス溶液(mM:NaCl 118,KCl 4.7,NaHCO 25,NaHPO 1.15,CaCl 2.5,MgCl 1.1,グルコース 5.6、そしてpHを7.4に維持するために95%O/5%COでガス処理)を用いて、一定のフロー灌流装置中で最初に灌流した。容器の上流に配置した差圧変換器により、背圧の変化を測定した。このラットの尾の動脈調製物を、6.5μMのフェニルエフリン(phenylephrine)で予め収縮させ、100〜120mmHgの生理学的な正常圧を得た。次いで、この予め収縮させた脈管を、試験化合物を用いて灌流した。この動脈を、試験化合物を洗浄するために試験化合物の適用の間に、クレープス溶液で灌流した。
【0117】
このシステムでの圧力変化は、動脈血管収縮を示すのに役に立つ。この血管収縮は、ラットの尾の動脈の内皮細胞からの内因性一酸化窒素の除去の直接的な結果である。
【0118】
(結果)
インビトロ、インビトロ細胞培養物およびエキソビボ試験の結果は、以下のとおりである:
(インビトロ試験)
(実施例1:K[Ru(hedta)Cl]2HO)
減圧による、NOの金属化合物への結合を示した。これは、図1に示される。
【0119】
IRスペクトルは、1897cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0120】
(実施例2:[Ru(Hedta)(acac)])
IRスペクトルは、1896cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0121】
(実施例3:K[Ru(hedtra)Cl]HO)
減圧による、NOの金属化合物への結合を示した。これは、図1に示される。
【0122】
IRスペクトルは、1889cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0123】
(実施例4:K[Ru(dipic)O)
減圧による、NOの金属化合物への結合を示した。これは、図1に示される。
【0124】
IRスペクトルは、1915cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0125】
(実施例5:(Hpic)[RuCl(pic)](Hpic)HO)
IRスペクトルは、1888cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0126】
(実施例6:K[Ru(Hedta)Cl]HO)
減圧による、NOの金属化合物への結合を示した。これは、図1に示される。
【0127】
IRスペクトルは、1896cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0128】
(実施例7:K[Ru(Hnta)]1/2HO)
減圧による、NOの金属化合物への結合を示した。これは、図1に示される。
【0129】
IRスペクトルは、1889cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0130】
(実施例8:K[Ru(Hdtpa)Cl]HO)
減圧による、NOの金属化合物への結合を示した。これは、図1に示される。
【0131】
IRスペクトルは、1905cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0132】
(実施例9:[RuO(lac)](lac))
IRスペクトルは、1884cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0133】
(実施例10:[RuO(OAc)](OAc))
IRスペクトルは、1877cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0134】
(実施例11:[Ru(OAc)]NO
IRスペクトルは、1891cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0135】
(実施例12:[Ru(OCOEt)]NO
IRスペクトルは、1891cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0136】
(実施例13:K[Ru(ox)])
IRスペクトルは、1889cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0137】
(実施例14:[Ru(OAc)]Cl)
IRスペクトルは、1895cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0138】
(実施例15:[Ru(NHCl]Cl
IRスペクトルは、1909cm−1および1928cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0139】
(実施例16:[Ru(en)]I
IRスペクトルは、1906cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0140】
(実施例17:K[RuCl(phen)]HO)
IRスペクトルは、1904cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0141】
(実施例18:[Ru(cyclam)Cl]Cl)
IRスペクトルは、1895cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0142】
(実施例19:K[RuCl(bipy)])
IRスペクトルは、1885cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0143】
(実施例20:[RuCl(dmso)(NH)])
IRスペクトルは、1889cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0144】
(実施例21:[Ru(NH]Cl
IRスペクトルは、1910cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0145】
(実施例22:cis−[RuCl(dmso)])
IRスペクトルは、1881cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0146】
(実施例23:cis−[RuCl(dmso)(NH)])
IRスペクトルは、1893cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0147】
(実施例24:[RuCl(dmso)])
IRスペクトルは、1880cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0148】
(実施例25:[Ru(mtc)])
IRスペクトルは、1862cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0149】
(実施例26:[Ru(maltol)])
IRスペクトルは、1866cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0150】
(実施例27:[Ru(acac)(MeCN)](CFSO))
IRスペクトルは、1899cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0151】
(実施例28:K[RuCl(HO)])
IRスペクトルは、1903cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0152】
(実施例29:[Os(ox)(bipy)]HO)
IRスペクトルは、1894cm−1にピークを示した(Ru−NO結合の存在を示す)。
【0153】
(インビトロ細胞培養試験)
以下のような実施例1〜3、6、14、15および26の化合物を使用する、ビンビトロ細胞培養試験についての結果を、表2および図2に示す。
【0154】
(実施例1:K[Ru(Hedta)Cl]2HO)
有効な一酸化窒素は、100μMの濃度において、用量依存性様式で減少した(最大75%の減少)。
【0155】
(実施例2:[Ru(Hedta)(acac)])
有効な一酸化窒素は、100μMの濃度において、82%減少した。
【0156】
(実施例3:K[Ru(Hedtra)Cl]HO)
有効な一酸化窒素は、100μMの濃度において、42%減少した。
【0157】
(実施例6:K[Ru(Hedta)Cl]HO)
有効な一酸化窒素は、100μMの濃度において、77%減少した。
【0158】
(実施例14:[Ru(OAc)]Cl)
有効な一酸化窒素は、100μMの濃度において、47%減少した。
【0159】
(実施例15:[Ru(NHCl]Cl
有効な一酸化窒素は、100μMの濃度において、86%減少した。
【0160】
(実施例26:[Ru(maltol)])
有効な一酸化窒素は、100μMの濃度において、71%減少した。
【0161】
【表2】
Figure 2004500321
(エクスビボ試験)
以下のような実施例2、3、14、15および26の化合物を使用する、エクスビボ試験についての結果を、表3に示す。
【0162】
(実施例2)
試験化合物の適用により、10μMおよび100μMで用量依存性血管収縮が得られた。この効果は、Krebs溶液で洗浄することで可逆性であった。
【0163】
(実施例14)
試験化合物の適用により、10μMおよび100μMで用量依存性血管収縮が得られた。この効果は、Krebs溶液で洗浄することで可逆性であった。
【0164】
(実施例15)
試験化合物の適用により、10μMおよび100μMで用量依存性血管収縮が得られた。この効果は、Krebs溶液で洗浄することで可逆性であった。
【0165】
(実施例26)
試験化合物の適用により、10μMおよび100μMおよび1000μMで用量依存性血管収縮が得られた。この効果は、Krebs溶液で洗浄することで可逆性であった。
【0166】
【表3】
Figure 2004500321
(実験)
(実施例33)
(AMD7040:N,N’−[2,6−ピリジルビス(メチレン)]ビス−イミノ二酢酸(pbbida)のRu(III)錯体の合成)
(N,N’−[2,6−ピリジルビス(メチレン)]ビス−イミノ二酢酸(NaHpbbida))
水酸化ナトリウム水溶液(30mL、0.01M)、2,6−ジブロモメチルピリジン・HBr(1.0g、2.9mmol)、イミノ二酢酸ジメチルエステル(0.934g、5.8mmol)、およびセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(0.21g、0.58mmol)を、室温にて3日間撹拌した。白色沈殿物が形成し、これを濾過により除去し、そして濾液を、エバポレートして白色固体を得た。この固体を、水およびエタノールにて再結晶により精製し、所望の化合物(0.9g、71%)をトリナトリウム塩として得た。H NMR(DO)δ3.27(s,8H)、3.93(s,4H)、7.30(d,2H,J=7.5Hz)、7.80(t,1H,J=7.8Hz)。
【0167】
([Ru(Hpbbida)Cl]・2.5HOの調製)
[二水素 クロロ[[2,6−(ピリジニル−κN)メチル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,κO]]ルテニウム(III)]
NaHpbbida(0.78g、1.8mmol)を、HCl(20mL、1mM)中に溶解し、そしてpHを、1N HClでpH4に調節した。最小量のHCl水溶液(1mM)中に溶解したK[RuCl(OH)](0.67g、1.8mmol)を、リガンド溶液中に添加し、そして生じた混合物を、1.5時間加熱して還流した。黄色の沈殿物が、反応の経過を通じて形成した。この反応混合物を、氷浴中で冷却し、そして黄色の固体を、濾過を介して収集し、氷冷水、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、次いで、減圧で70℃にて2時間乾燥した(0.55g、56%)
【0168】
【数1】
Figure 2004500321
(実施例34)
(AMD7043:N,N’−ビス[2−ピリジル(メチレン)]エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(Hbped)のRu(III)錯体の合成)
リガンド(Hbped)を、文献の手順に従って調製した:P.Caravan,S.J.Rettig,C.Orvig.Inorg.Chem.1997,36,1306を参照のこと。
【0169】
([Ru(Hbped)Cl]Clの調製
[二水素 ジクロロ[[N,N’−1,2−エタンジイル]ビス[(2−ピリジニル−κN)メチルグリシナト−κN]ルテニウム(III)クロリド]]
bped・2HCl(1.0g、2.5mmol)を、HCl(25mL、1mM)中に溶解し、そしてpHを、1N NaOHでpH4に調節した。HCl(最小容量、1mM)中のK[RuCl(OH)]の溶液を、リガンド溶液に添加し、そして反応混合物を、1.5時間加熱して還流した。濃緑色溶液を、元の容量の約半分に減少させ、そしてゆっくりとしたエバポレートにより、黄色〜オレンジ色の固体が、反応混合物から沈殿した。これを濾過により収集し、そしてHO/EtOHで再結晶して、オレンジ色の微結晶性固体(0.37g、26%)を得た
【0170】
【数2】
Figure 2004500321
(実施例35)
(AMD7056:N−[2−(2−ピリジルカルボキサミド)エチル]イミノ二酢酸(pceida)のRu(III)錯体の合成)
ジオキサン(10mL)中のN−BOCエチレンジアミン(0.462g)の撹拌した溶液に、ピコリン酸ヒドロキシスクシンイミジルエステル(0.635g)を添加し、そしてこの混合物を、一晩撹拌させた。この反応混合物を濾過し、そして濾液を、ジクロロメタンで溶出し、そして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。有機層を、乾燥し(NaSO)、次いでエバポレートして白色固体(0.691g、90%)を得た。これを、さらに精製せずに使用した。
【0171】
上記の固体(0.691g)を、予め冷却した(0℃)トリフルオロ酢酸(5mL)中に溶解させた。この混合物を、0℃にて2時間撹拌し、次いで室温にて15分間撹拌した。この混合物を、乾燥するまでエバポレートし、ピリジルアミン中間体(約定量的)を得た。この残渣を、撹拌しながらDMF(20mL)中に溶解させ、そしてKCO(1.8g、5.0当量)続いてt−ブチルブロモアセテート(0.84mL、2.1当量)を添加し、そしてこの反応混合物を、室温にて6日間撹拌させた。この反応混合物を、水で溶出し、酢酸エチルで抽出した。次いで、合わせた有機相を、ブラインおよび水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そしてエバポレートして、所望のビス−t−ブチルエステル(1.02g、100%)を淡黄色の油状物として得た
【0172】
【数3】
Figure 2004500321
(N−[2−(2−ピリジルカルボキサミド)エチル]イミノ二酢酸・TFA塩(Hpceida・TFA))
上記のジ−t−ブチルエステル(1.02g)を、ジクロロメタン(1mL)中に溶解させ、そして0℃まで冷却した。予め冷却したトリフルオロ酢酸を、添加し(7mL)、そしてこの溶液を、室温にて一晩撹拌させた。次いで、この反応混合物を、エバポレートし、そして残渣を水(10mL)中に溶解し、凍結乾燥して、所望のリガンド(pceida)(0.71g、69%)を淡黄色の固体として得た
【0173】
【数4】
Figure 2004500321
([Ru(pceida)(OH)Cl・1.5HO]の調製)
[アクアクロロ[[N−2−[(2−ピリジニル−κN)オキソ−メチル)アミノエチル][((2−カルボキシ−κO)メチル)グリシナト−κN,κO]]ルテニウム(III)]]
pceida・TFA(0.4g、1mmol)およびK[RuCl(OH)](0.38g、1mmol)を、脱イオン化水(10mL)中に溶解させ、そしてpHを1N NaOHでpH5に調節した。KCl(0.075g、1mmol)を、反応混合物に添加し、そしてこの溶液を3時間加熱して還流した。この溶液を、室温まで冷却し、そして続いて氷浴中で冷却した。冷却の際に、暗赤オレンジ沈殿物が形成し、これを濾過により収集し、氷冷水で洗浄し、そして40℃で真空にて一晩乾燥した
【0174】
【数5】
Figure 2004500321
(実施例36)
(AMD7046:N−[2−ピリジル(メチレン)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(pedta)のRu(III)錯体の合成)
ベンゼン(50mL)中の2−ピリジンカルボキシアルデヒド(3.2g、0.03mol)の溶液に、N−BOCエチレンジアミン(5.26g、1.1当量)を添加し、そしてこの混合物を、Dean−Stark装置で撹拌しながら1.5時間加熱して還流した。この反応混合物を、乾燥するまでエバポレートし、メタノール(50mL)中に溶解し、そして炭素担持5%パラジウム(0.5g)を添加した。この混合物を、Parr装置にて50psiで一晩水素添加した。この混合物をセライトを通して濾過し、そしてこの濾液をエバポレートして、ピリジン中間体(約定量的)を得た
【0175】
【数6】
Figure 2004500321
ジクロロメタン(30mL)中の上記のピリジン中間体(5.08g)の撹拌した溶液に、トリフルオロ酢酸(30mL)を添加し、そしてこの混合物を、室温にて一晩撹拌し続けた。この混合物をエバポレートして暗色油状物を得た
【0176】
【数7】
Figure 2004500321
この中間体を、さらに精製せずに次の工程で使用した。
【0177】
(N−[2−ピリジル(メチレン)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル)
DMF(約80mL)中の上記の油状物の溶液に、KCO(27.9g、10.0当量)続いてt−ブチルブロモアセテート(8.95mL、3.0当量)を添加し、そしてこの混合物を室温にて48時間撹拌させた。この反応混合物を、セライトを通して濾過し、そしてこの濾液をエバポレートして暗色油状物を得た。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(5% MeOH/CHCl)による精製により、トリ−t−ブチルエステル(4.14g、42%(2工程について))を淡黄色油状物として得た
【0178】
【数8】
Figure 2004500321
(N−[2−ピリジル(メチレン)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸・TFA塩(pedta))
上記のトリ−t−ブチルエステル(4.14g)を、CHCl(20mL)中に撹拌しながら溶解させ、そしてトリフルオロ酢酸(30mL)を、一部分づつ添加した。この混合物を、室温にて一晩撹拌させ、次いでエバポレートした。この残渣を、水(約40mL)中に溶解させ、そして活性炭(550mg)を添加した。この混合物を、70℃まで加熱し、そしてセライトを通して濾過し、次いで合わせた濾液を小容量までエバポレートし、かつ凍結乾燥して所望のリガンド(pedta)(3.24g、73%)を黄色の固体として得た
【0179】
【数9】
Figure 2004500321
([Ru(Hpedta)Cl]・0.5HOの調製)
[水素 クロロ[N−[ビス((2−(カルボキシ−κO)メチル)イミノ−κN)エチル]−(2−ピリジニル−κN)メチルグリシナト−κN]ルテニウム(III)]
pedta・TFA(0.75g、1.3mmol)を、HCl(1.5mL、1mM)中に溶解した。HCl(2mL、1mM)中のK[RuCl(OH)](0.5g、1.3mmol)の溶液を、このリガンド溶液に添加した。この反応混合物を、2時間加熱して還流し、続いて室温まで冷却した。オレンジ色の固体がこの溶液から沈殿し、これを濾過により収集し、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、そして真空で40℃にて一晩乾燥した(0.26g、43%)
【0180】
【数10】
Figure 2004500321
(実施例37)
(AMD7087:フェニレンジアミン−N,N,N’,N’−三酢酸(Hpdta)のRu(III)錯体の合成)
(フェニレンジアミン−N,N,N’,N’−三酢酸テトラメチルエステル) 1,2−フェニレンジアミン(1.4g、1.3mmol)、メチルブロモアセテート(12.3mL、13mmol)およびKCO(17.9g、13mmol)を、不活性雰囲気下でDMF(130mL)中で85℃にて3日間加熱した。DMFを、減圧下で除去し、そして残渣をCHCl中に溶解した。この溶液を、飽和NHClの水溶液で洗浄し、次いでHOで洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)そしてエバポレートして茶色の油状物を得た。この茶色の油状物をMeOHで粉砕し、白色固体を得、これを濾過にて除去しそしてメタノールで洗浄した(0.3g、5.8%)
【0181】
【数11】
Figure 2004500321
(フェニレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(Hpdta))
テトラメチルエステル(0.1g、0.25mmol)を、MeOH/HO(25mL,3/1)中に懸濁し、0℃まで冷却した。リチウムヒドロキシドモノ水和物(0.106g、2.5mmol)をこの懸濁液に添加し、そしてこの反応混合物を暗所にて一晩撹拌した(この間、室温まで温めた)。透明な溶液を、HCl(2N)で酸性化し、そしてこの溶媒を減圧化で除去して白色固体を得た。H NMR(DO/KCO)δ4.27(s,8H)、7.25−7.4(m,4H)。この白色固体をさらに精製せずに使用してルテニウム錯体を調製した。
【0182】
[Ru(Hpdta)(OH)]・3HOの調製)
[水素 アクア[N−ビス((2−カルボキシ−κO)メチル)イミノ−κN]−1,2−フェンジイル(phendiyl)(2−(カルボキシ−κO)メチル)グリシナト−κN]ルテニウム(III)]
pdta・xLiCl(0.25mol)を、完全に溶解するまでHCl(3mL、1mM)中で加熱した。K[RuCl(OH)](0.095g、0.25mmol)を、リガンド溶液に添加し、そしてこの反応混合物を1.5時間過熱して還流した。この溶液を室温まで冷却させ、そして黄緑色の沈殿物が形成し、これを濾過により収集し、そしてHO、EtOHおよびEtOで洗浄した(15mg、12%)
【0183】
【数12】
Figure 2004500321
(実施例38)
(AMD7459:N’−ベンジルジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−三酢酸(bdtta)のルテニウム(III)錯体)
(N−(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル)
エタノールアミン(1.84g、0.03mol)を、乾燥THF(300mL)中に溶解し、そしてトリエチルアミン(12.3g、0.12mol)を添加した。この撹拌した溶液に、t−ブチルブロモアセテート(23.5g、0.12mol)を添加し、そして反応混合物を16時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、そして残渣をEtO(100mL)およびHO(100mL)との間で分離(partition)させた。水層をEtO(3×100mL)で抽出し、そして組み合わせた有機部分を、MgSOで乾燥した。懸濁液を濾過し、そしてこの溶媒を減圧で除去して生成物(7.75g、89%)を白色固体として得た
【0184】
【数13】
Figure 2004500321
(N−[(メタンスルホニル)エチル]イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル)
N−(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(7.50g、0.03mol)を、乾燥CHCl(250mL)中に溶解し、そしてトリエチルアミン(14.8g、0.15mol)を添加した。この溶液を氷浴中で冷却し、そしてメタンスルホニルクロリド(3.55g、0.03mol)を撹拌しながら滴下した。この反応混合物をゆっくりと室温まで温め、さらに16時間撹拌した。次いで、この反応を飽和NaHCO(150mL)でクエンチし、そして水層をCHCl(2×150mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧で除去して生成物(9.5g、99%)を油状物として得た
【0185】
【数14】
Figure 2004500321
(N’−ベンジルジエチレントリアミン−N、N、N’’,N’’−四酢酸テトラ−t−ブチルエステル)
一般的手順A:
N−[(メタンスルホニル)エチル]イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(4.86g、13mmol)を、乾燥アセトニトリル(50mL)中に溶解し、そしてベンジルアミン(0.47g、4.4mmol)を撹拌しながら添加した。KCO(2.4g、0.45mmol)を添加し、そしてこの懸濁液を45℃にて16時間撹拌した。この溶媒を減圧にて除去し、そして残渣はCHCl(100mL)と飽和NaHCO(100mL)との間で分離した。水性部分をCHCl(3×75mL)で抽出し、そして組み合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧で除去して粗生成物を茶色の油状物として得た。この生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(2% MeOH、1% NEt CHCl)により精製し、生成物(1.35g、37%)を無色の油状物として得た
【0186】
【数15】
Figure 2004500321
(N’−ベンジルジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−四酢酸・xTFA(bdtta))
一般的手順B:
N’−ベンジルジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−四酢酸テトラ−t−ブチルエステル(1.0g、1.5mmol)を、トリフルオロ酢酸(14.8g、130mmol)中に溶解し、そしてこの溶液を16時間撹拌しながら放置した。この溶液を減圧で除去し、そして残渣を凍結乾燥して生成物(1.19g、100%)を白色固体として得た
【0187】
【数16】
Figure 2004500321
([Ru(Hbdtta)Cl]・4.5HOの調製)
[二水素 クロロ[[N,N’−[[(フェニルメチル)イミノ−κN]−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,κO]]ルテニウム(III)]]
一般的手順C:
N’−ベンジルジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−四酢酸(bdtta)(0.256g、0.33mmol)を、1mM HCl(5mL)中に溶解した。K[RuCl(HO)](0.124g、0.33mmol)を添加し、そして反応混合物を100℃まで1.5時間加熱した。次いで、この溶液を冷却し、そして黄色/緑粉末を収集した。この粉末を母液、HO(2×10mL)、およびEtO(3×5mL)で洗浄し、生成物(0.078g、24%)を淡黄色の粉末として得た
【0188】
【数17】
Figure 2004500321
(実施例39)
(AMD7460:N’−[2−ピリジル(メチレン)]ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’−四酢酸(pdtta)のルテニウム(III)錯体)
一般的手順Aの使用:
N−[(メタンスルホニル)エチル]イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(3.14g、8.5mmol)を、アミノメチルピリジン(0.23g、2.0mmol)と反応させ、そして粗反応混合物をシリカゲルクロマトグラフフィー(5% MeOH/CHCl)により精製した。生成物の画分を組み合わせ、そしてEtO(30mL)とNaOH(15mL 0.1M)との間で分離した。水層をEtO(3×20mL)で抽出し、そして組み合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、そして溶媒を減圧で除去して生成物(0.38g、30%)を油状物として得た
【0189】
【数18】
Figure 2004500321
(N’−[2−ピリジル(メチレン)]ジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−四酢酸・xHCl(pdtta))
一般的手順Bの使用:
上記の油状物(0.381g、0.59mmol)を、TFA(7.4g、65mmol)で処理した。この粗物質をDowexカチオン交換樹脂(H形態 50W〜200メッシュ)上で精製し、生成物(0.225g、44%)を白色固体として得た
【0190】
【数19】
Figure 2004500321
([Ru(Hpdtta)Cl]・2HOの調製)
[二水素 クロロ[[N,N’−[[(2−ピリジニルメチル)イミノ−κN]ジ−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,κO]]]ルテニウム(III)]
一般的手順Cの使用:
pdtta(0.225g、0.27mmol)をK[RuCl(HO)](0.095g、0.25mmol)と反応させた
【0191】
【数20】
Figure 2004500321
(実施例40)
(AMD8676:N’−ブチルジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−四酢酸(budtta)のルテニウム(III)錯体
(N’−ブチルジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−四酢酸テトラ−t−ブチルエステル)
一般的手順Aの使用:
N−[(メタンスルホニル)エチル]イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(2.97g、8.1mmol)を、ブチルアミン(0.20g、3.0mmol)と反応させ、そして粗反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(5% MeOH/CHCl)により精製し、生成物(0.439g、27%)を無色の油状物として得た
【0192】
【数21】
Figure 2004500321
(N’−ブチルジエチレントリアミン−N,N,N’’,N’’−四酢酸・xTFA(budtta))
一般的手順Bの使用:
上記の油状物(0.425g、0.69mmol)をTFA(14.8g、100mmol)で処理し、生成物(0.442g、87%)をオフホワイトの固体として得た
【0193】
【数22】
Figure 2004500321
([Ru(Hbudtta)Cl]・4HOの調製)
[二水素[[N,N’−[(ブチルイミノ−κN)ジ−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナート−κN,κO]]]クロロルテニウム(III)]
一般的手順Cを使用して:
budtta(0.243g、0.33mmol)を、K[RuCl(HO)](0.123g、0.33mmol)と反応させて、生成物(0.083g、42%)を得た:
【0194】
【数23】
Figure 2004500321
(実施例41)
(AMD8679:N’−エチルジエチレントリアミン−N,N,N”,N”−四酢酸(edtta)のルテニウム(III)錯体)
(N’− エチルジエチレントリアミン−N,N,N”,N”−四酢酸テトラ−t−ブチルエステル)
一般的手順Aを使用して:
N−[(メタンスルホニル)エチル]イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(3.169g、8.6mmol)を、エチルアミン(0.13g、2.9mmol)と反応させ、シリカゲル(2%MeOH、1%NEt、CHCl)でのカラムクロマトグラフィーによる精製後、生成物(0.7g、55%)を無色油状物として得た:
【0195】
【数24】
Figure 2004500321
(N’−エチルジエチレントリアミン− N,N,N”,N”−四酢酸・xTFA(edtta))
一般的手順Bを使用して:
上記で得られた油状物(0.591g、1.01mmol)を、TFA(14.8g、100mmol)で処理して、生成物(0.699g、98%)をオフホワイトの固体として得た。
【0196】
【数25】
Figure 2004500321
([Ru(Hedtta)Cl]・HOの調製)
[二水素クロロ[[N,N’−[(エチルイミノ−κN)ジ−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナート−κN,κO]]]ルテニウム(III)]
一般的手順Cを使用して:
edtta(0.241g、0.34mmol)をK[RuCl(HO)](0.128g、0.34mmol)と反応させて、生成物(0.0373g、21%)を得た。
【0197】
【数26】
Figure 2004500321
(実施例42)
(AMD8684:N’−フェニルジエチレントリアミン−N,N,N”,N”−四酢酸(phdtta)のルテニウム(III)錯体)
(N’− フェニルジエチレントリアミン−N,N,N”,N”−四酢酸テトラ−t−ブチルエステル)
一般的手順Aを使用して:
N−[(メタンスルホニル)エチル]イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(3.358g、9.1mmol)を、アニリン(0.28g、3.0mmol)と反応させ、シリカゲル(4:1 ヘキサン:酢酸エチル)でのカラムクロマトグラフィーによる精製後、生成物(0.402g、21%)を無色油状物として得た:
【0198】
【数27】
Figure 2004500321
(N’−フェニルジエチレントリアミン−N,N,N”,N”−四酢酸・xTFA(phdtta))
一般的手順Bを使用して:
上記で得られた油状物(0.281g、0.44mmol)を、TFA(7.4g、50mmol)で処理して、生成物(0.272g、81%)をオフホワイトの固体として得た。
【0199】
【数28】
Figure 2004500321
([Ru(Hphdtta)Cl]・1.25HOの調製)
[二水素クロロ[[N,N’−[(フェニルイミノ−κN)ジ−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナート−κN,κO]]]ルテニウム(III)]
一般的手順Cを使用して:
phdtta(0.146g、0.18mmol)をK[RuCl(HO)](0.085g、0.23mmol)と反応させて、生成物(0.0194g、16%)を得た。
【0200】
【数29】
Figure 2004500321
(実施例43)
(AMD7436:N’,N”−ビス−[2−ピリジル(メチレン)]ジエチレントリアミン−N,N’,N”−三酢酸(bpdtta)のルテニウム(III)錯体)
(N,N’,N”−トリトシルジエチレントリアミン)
EtO(120mL)中の塩化トシル(21.18g、0.11mol)の溶液に、ジエチレントリアミン(3.82g、0.04mol)を添加した。この溶液に、脱イオン水(40mL)中のNaOH(4.44g、0.11mol)の水溶液を滴下した。得られた懸濁液を2時間撹拌し、そしてこの白色固体を濾過によって収集し、そしてHO、次いでEtOで洗浄した。この粗製生成物を熱MeOHから再結晶して、生成物(12.63g、60.4%)を白色結晶性固体として得た。
【0201】
【数30】
Figure 2004500321
(2−[メタンスルホニル(メチル)]ピリジン)
2−ピリジンメタノール(3.39g、31.1mmol)およびトリエチルアミン(9.44g、93mmol)を乾燥CHCl(250mL)中に溶解し、そして得られた溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。メタンスルホニルクロリド(4.27g、37.3mmol)を滴下し、そしてこの反応混合物を50分間撹拌した。次いでこの反応を、飽和NaHCO(115mL)でクエンチした。水相をCHCl(2×50mL)で洗浄し、そして有機部分を合わせて、MgSOで乾燥した。濾過後、溶媒を真空で除去して、生成物(6.5g、100%)を赤色油状物として得た。
【0202】
【数31】
Figure 2004500321
(N,N”−ビス−[2−ピリジル(メチレン)]−N,N’,N”−トリトシルジエチレントリアミン)
DMF(75mL)中のN,N’,N”−トリトシルジエチレントリアミン(8.8g、15.6mmol)の溶液に、窒素雰囲気下でNaH(油中で60%、1.24g、31.1mmol)を添加し、そしてこの混合物を45分間撹拌した。次いで、10mLのCHCl中に溶解した[メタンスルホニル(メチル)]ピリジン(6.5g、34.7mmol)を添加し、そしてこの反応を20時間、80℃まで加熱した。次いで、エタノールを添加し、そしてDMFを真空で除去した。残渣を、CHCl中に溶解し、そしてブライン(3×100mL)、飽和NHCl溶液(3×100mL)、および最後にKCO(3×100mL)の飽和水溶液で洗浄した。この有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空で除去して、粗製生成物(9.0g)をオフホワイトの固体として得た。
【0203】
【数32】
Figure 2004500321
この生成物をさらに精製することなく使用した。
【0204】
(N,N”−ビス−[2−ピリジル(メチレン)]ジエチレントリアミン)
上記で得られた固体(3.79g、5.1mmol)を、120℃の温度で維持された13mLの濃縮HSOに添加した。5分後、この反応混合物を冷却し、そしてEtOH(90mL)を添加して、茶色固体の沈澱を得た。この固体を濾過によって収集し、HO(100mL)中に溶解し、そして活性化チャコールの存在下で加熱した。この混合物をセライトと通して濾過し、そしてこの濾過物の容積を約20mLまで減少させ、次いで濃縮HCl(20mL)を添加した。溶媒の大部分を真空で除去し、そして冷EtOHを添加して白色固体を沈澱させた。次いで、この白色固体をHO中に溶解し、そして3M NaOHでpHを12に調節した。この水溶液をCHCl(3×50mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥した(MgSO)。この溶媒を蒸発させて、生成物(0.785g、54%)を無色油状物として得た。
【0205】
【数33】
Figure 2004500321
(N,N”−ビス−[2−ピリジル(メチレン)]ジエチレントリアミン−N,N’,N”−三酢酸トリ−t−ブチルエステル)
上記で得られた油状物(0.737g、2.59mmol)を、t−ブチルブロモアセテート(3.02g、15.50mmol)およびトリエチルアミン(5.20g、51.0mmol)を含有する乾燥トルエン(20mL)中に溶解し、そしてこの反応混合物を一晩撹拌した。16時間後、溶媒を真空で除去し、そしてこの残渣をEtO(40mL)とHO(40mL)との間で分配した。水溶性部分をEtO(2×40mL)で抽出し、そして有機部分を合わせて、MgSOで乾燥した。溶媒を真空で除去して、所望の生成物(1.00g、62%)を油状物として得た。
【0206】
【数34】
Figure 2004500321
(N,N”−ビス−[2−ピリジル(メチレン)]ジエチレントリアミン−N,N’,N”−三酢酸・5TFA(bpdtta))
上記で得られた油状物(1.45g、2.30mmol)を、トリフルオロ酢酸(8.8g、78mmol)中に溶解し、そして16時間撹拌しながら放置した。溶媒を真空で除去し、そして得られた油状物を凍結乾燥した。オフホワイトの粉体(2.05g、86%)が得られた。
【0207】
【数35】
Figure 2004500321
([Ru(Hbpdtta)][CFCO]・3HOの調製)
[N−[2−[[(カルボキシ−κO)メチル][2−ピリジニル−κN)メチル]アミノ−κN]エチル−N−[2−[(カルボキシメチル)[(2−ピリジニル−κN]メチル]アミノ−κN]エチル]グリシナート−κN]ルテニウム(III)ビス(トリフルオロアセテート)
bpdtta(0.37g、0.35mmol)を1mM HCl(3mL)中に溶解し、そして1M NaOHでpHを4に調節した。K[RuCl(HO)](0.13g、0.35mmol)を最小量の1mM HCl中に溶解し、反応混合物に添加した。この溶液を1.5時間還流し、次いで氷浴中で冷却した。この残渣をSephadexゲル(G−10)を通過させ、そして黄色バンドを収集して凍結乾燥した(0.11g、37%)。
【0208】
【数36】
Figure 2004500321
(実施例44)
(AMD8701:1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(pdta)のルテニウム(III)錯体)
(1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸テトラ−t−ブチルエステル)
1,3−プロパンジアミン(0.528g、7.1mmol)を、乾燥THF(50mL)、トリエチルアミン(5.76g、57mmol)およびt−ブチルブロモアセテート(8.34g、43mmol)の混合物中に溶解し、そしてこの反応混合物を窒素雰囲気下で24時間撹拌した。次いで、溶媒を真空で除去し、そしてこの残渣をCHCl(40mL)と飽和NaHCO(30mL)との間で分配した。水溶性部分をCHCl(3×30mL)で抽出し、そして合わせた有機部分をMgSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空で除去した。この粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製して、生成物(3.00g、80%)を無色油状物として得た。
【0209】
【数37】
Figure 2004500321
(1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸・xTFA(pdta))
一般的手順Bを使用して:
上記で得られた油状物(0.866g、1.63mmol)をTFA(8.88g、78mmol)と反応させて、生成物(0.8405g、96%)を得た。
【0210】
【数38】
Figure 2004500321
(K[Ru(Hpdta)Cl]・3HOの調製)
[カリウム二水素ジクロロ[[N,N’−1,3−プロパンジイルビス[N−(カルボキシメチル)グリシナート−κN,κO]]]ルテニウム(III)] 一般的手順Cを使用して:
pdta(0.291g、0.54mmol)をK[RuCl(HO)](0.203g、0.54mmol)と反応させて、生成物(0.075g、24%)を黄色固体として得た。
【0211】
【数39】
Figure 2004500321
(実施例45)
(AMD7494:N−[2−(カルボキシ)−6−ピリジル(メチレン)]イミノ二酢酸(cpida)のルテニウム(III)錯体)
(メチル2−(ヒドロキシメチル)ピリジンカルボキシレート)
ジメチル−2,6−ピリジンジカルボキシレート(1.057g、5.4mmol)を乾燥CHCl(45mL)中に溶解し、そしてこの溶液を−78℃まで冷却した。DIBAL−H(11mL、10.8mmol)を、撹拌しながら滴下し、そしてこの溶液を−78℃で0.5時間撹拌し、次いで、1時間かけて室温までゆっくりと温めた。反応をHO(15mL)/酒石酸カリウムナトリウム(15mL)でクエンチし、そしてCHCl(3×80mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、そして真空で蒸発させて、粗製生成物を得た。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(10% MeOH/CHClに対して4:1 ヘキサン:酢酸エチル)によって精製し、所望の生成物(0.220g、26%)を無色油状物として得た。
【0212】
【数40】
Figure 2004500321
(メチル2−(メタンスルホニルメチル)ピリジンカルボキシレート)
氷浴中で冷却された乾燥CHCl(13mL)およびトリエチルアミン(0.40g、4.0mmol)中に溶解したメチル2−(ヒドロキシメチル)ピリジンカルボキシレート(0.220g、1.3mmol)の撹拌溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.18g、1.6mmol)を滴下した。30分後、この反応を飽和NaHCO(15mL)でクエンチし、そして水相をCHCl(3×15mL)で分離し、そして抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、そして溶媒を真空で蒸発させて、生成物(0.347g、100%)を黄橙色油状物として得た。
【0213】
【数41】
Figure 2004500321
(N−[2−(カルボキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)]イミノ二酢酸ジメチルエステル)
一般的手順D:
上記で得られた油状物(0.323g、1.3mmol)を乾燥DMF(13mL)中に溶解し、そしてイミノ二酢酸ジメチルエステル(0.191g、1.2mmol)を添加した。一旦、反応物が溶解すると、KCO(0.36g、2.6mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を16時間35℃で撹拌した。溶媒を真空で除去し、そしてHO(10mL)とCHCl(15mL)との間で分配した。水溶性部分をCHCl(3×15mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、真空で蒸発させた。この粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(75%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、生成物(0.220g、49%)を無色油状物として得た。
【0214】
【数42】
Figure 2004500321
(N−[2−(カルボキシ)−6−ピリジル(メチレン)]イミノ二酢酸・xHCl(cpida))
上記で得られた油状物(0.200g、0.65mmol)をMeOH(19mL)およびHO中に溶解し、この溶液を、氷浴を使用して0℃まで冷却した。水酸化リチウム一水和物(0.270g、6.4mmol)を添加し、そしてこの混合物を、光の存在下、室温で17時間撹拌した。この溶液を2N HClで酸性化し、そして溶媒を真空で除去した。この粗製物質を、Dowexカチオン交換樹脂(H型、50W−200メッシュ)で精製して、生成物(0.172g、78%)を得た。
【0215】
【数43】
Figure 2004500321
([Ru(Hcpida)(OH)(Cl)]・1.5HOの調製)
[水素アクア[6−[[[(カルボキシ−κO)メチル](カルボキシメチル)アミノ−κN]メチル]−2−ピリジンカルボキシラート−κN,κO]クロロルテニウム(III)]
一般的手順Cを使用して:
cpida(0.157g、0.48mmol)をK[RuCl(HO)](0.172g、0.46mmol)と反応させて、生成物を得た。
【0216】
【数44】
Figure 2004500321
(実施例46)
(AMD7493:N−[2−(ヒドロキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)イミノ二酢酸(hpida)のルテニウム(III)錯体)
(2−[メタンスルホニル(メチレン)−6−ピリジンカルボキサルデヒド)
2−(ヒドロキシメチル)−6−ピリジンカルボキサルデヒド(2.30g、0.017mol)を、トリエチルアミン(5.08g、0.05mol)を含有する乾燥CHCl(160mL)中に溶解した。この溶液を氷浴中で0℃まで冷却し、そしてメタンスルホニルクロリド(2.12g、0.018mol)を滴下した。撹拌を0.5時間続けて、この反応を飽和NaHCO(160mL)でクエンチした。水溶性部分をCHCl(3×150mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、溶媒を真空で除去して生成物(3.61g、100%)を茶色油状物として得た。
【0217】
【数45】
Figure 2004500321
これをさらに精製することなく使用した。
【0218】
一般的手順Dを使用して:
上記で得られた油状物(3.61g、0.017mol)をイミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(3.706g、0.015mmol)と反応させて、シリカ(4:1 ヘキサン:EtOAc)でのカラムクロマトグラフィーの後、生成物(2.136g、40%)を無色油状物として得た。
【0219】
【数46】
Figure 2004500321
(N−[2−(ヒドロキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)]イミノ二酢酸ジt−ブチルエステル)
上記で得られた油状物(2.25g、6.2mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥MeOH(60mL)中に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(0.235g、6.2mmol)を一度に添加し、そしてこの反応を撹拌しながら60℃まで加熱した。1時間後、溶媒を真空で除去し、そして残渣をHO(30mL)とCHCl(30mL)との間で分配した。水相をCHCl(3×40mL)で分離して抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、真空で蒸発させて、生成物(2.16g、95%)を無色油状物として得た。
【0220】
【数47】
Figure 2004500321
(N−[2−(ヒドロキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)イミノ二酢酸・xTFA(hpida))
一般的手順Bを使用して:
N−[2−(ヒドロキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステルをTFA(4.44g、40mmol)と反応させて、生成物(0.492g、100%)を白色固体として得た。
【0221】
【数48】
Figure 2004500321
([Ru(Hhpida)(OH)Cl]・HOの調製)
[水素アクア[N−(カルボキシメチル)−N−[[6−(ヒドロキシメチル)−2−ピリジニル−κN]メチル]グリシナート−κN,κO]ジクロロルテニウム(III)]
一般的手順Cに従って:
hpida(0.152g、0.32mmol)をK[RuCl(HO)](0.118g、0.32mmol)と反応させて、生成物(0.0352g、24%)を得た。
【0222】
【数49】
Figure 2004500321
(実施例47)
(AMD8699:N−[2−(ベンジルオキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)]イミノ二酢酸(bpida)のルテニウム(III)錯体)
(2−(ベンジルオキシメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジン)
2,6−ピリジンジメタノール(1.523g、0.011mol)をDMSO(5mL)中に溶解し、そして粉末状のKOH(0.63g、0.011mol)を添加した。10分後、ベンジルブロマイド(1.87g、0.011mol)を添加し、そしてこの反応を17時間80℃まで加熱した。この反応混合物をHO(9mL)でクエンチし、EtO(3×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空で蒸発させた。この粗製生成物をシリカ(1:1 ヘキサン:EtOAc、次いでEtOAc)でのゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物(0.971g、39%)を無色油状物として得た。
【0223】
【数50】
Figure 2004500321
(2−(ベンジルオキシメチル)−6−(メタンスルホニルメチル)ピリジン)
上記で得られた油状物(0.971g、4.24mmol)を、トリエチルアミン(1.29g、12.7mmol)を含有する乾燥CHCl(40mL)中に窒素雰囲気下で溶解し、そしてこの溶液を氷浴中で撹拌しながら0℃まで冷却した。次いで、メタンスルホニルクロリド(0.577g、5.0mmol)を滴下し、そしてこの混合物を45分間撹拌し、次いで飽和NaHCO(30mL)でクエンチした。分離した水相をCHCl(2×20mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空で蒸発させて、生成物(1.18g、91%)を茶色油状物として得た。
【0224】
【数51】
Figure 2004500321
(N−[2−(ベンジルオキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)]イミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル)
(一般的手順Dを使用)
上記からの油状物(1.18g、3.84mmol)をイミノ二酢酸ジ−t−ブチルエステル(0.85g、3.47mmol)と反応させ、シリカゲルクロマトグラフィー(4:1ヘキサン:EtOAc)の後に、生成物(0.772g、45%)を無色の油状物として得た。
【0225】
【数52】
Figure 2004500321
(N−[2−(ベンジルオキシメチル)−6−ピリジル(メチレン)]イミノ二酢酸・xTFA(bpida))
(一般的手順Bを使用)
上記の生成物(0.7g、1.53mmol)をTFA(10.36g、90mmol)と反応させ、黄色の粘性油状物として生成物(0.876g、100%)を得た。
【0226】
【数53】
Figure 2004500321
([Ru(bpida)Cl(OH)]の調製)
[アクア[N−(カルボキシ−κO)メチル]−N−[[6−[(フェニルメトキシ)メチル]−2−ピリジニル−κN]メチル]グリシナト−κN,κO]クロロルテニウム(III)]
(一般的手順C)
bpida(0.376g、0.66mmol)をK[RuCl(HO)](0.247g、0.66mmol)と反応させ、生成物(0.0910g、26%)を黄色の固体として得た。
【0227】
【数54】
Figure 2004500321
(実施例48)
(AMD8677:N−[(3−カルボキシメチル)ベンジル]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(cmbedta)のルテニウム(III)錯体)
(エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル)
乾燥THF(70mL)およびトリエチルアミン(3.34g、33mmol)中のエチレンジアミン(0.50、8.3mmol)の撹拌溶液に、t−ブチルブロモアセテート(4.9g、25mmol)を加え、この反応混合物を室温で16時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をCHCl(80mL)とHO(50mL)との間で分配した。この分離した水相をCHCl(2×80mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、そして減圧下でエバポレートした。この粗物質をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)によって精製し、油状物として生成物(0.887g、27%)を得た。
【0228】
【数55】
Figure 2004500321
(N−[(3−カルボキシメチル)ベンジル]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル)
(一般的手順E)
乾燥THF(5mL)およびトリエチルアミン(0.087g、0.86mmol)中の上記の油状物(0.165g、0.41mmol)の攪拌溶液に、3−ブロモメチル安息香酸(0.094g、0.41mmol)を加え、この反応溶液を35℃で22時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をCHCl(10mL)と飽和NaHCO(10mL)との間で分配した。この飽和水相をCHCl(2×10mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、減圧下でエバポレートした。この粗物質をシリカゲルのラジアルクロマトグラフィー(7:1ヘキサン:EtOAc)によって精製し、無色の油状物として生成物(0.115g、51%)を得た。
【0229】
【数56】
Figure 2004500321
(N−[(3−カルボキシメチル)ベンジル]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸・xTFA(cmbedta))
(一般的手順Bを使用)
上記の油状物(0.115g、0.21mmol)をTFA(7.4g、65mmol)と反応させ、薄褐色固体として生成物(0.094g、74%)を得た。
【0230】
【数57】
Figure 2004500321
(K[Ru(cmbedta)Cl]・HOの調製)
(カリウムクロロ[メチル3−[[[2−[ビス[(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]エチル][(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]メチル]安息香酸ルテニウム(III)])
(一般的手順Cを使用)
cmbedta(0.094g、0.16mmol)をK[RuCl(H0)](0.058g、0.16mmol)と反応させ、黄色固体として生成物(0.0334g、36%)を得た。
【0231】
【数58】
Figure 2004500321
(実施例49)
(AMD8893:N−[2−(N−アセチルピロリジン)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(apedta)のルテニウム(III)錯体)
(クロロアセチルピロリジン)
無水THF(10mL)中の塩化クロロアセチル(3.6mL、45.0mmol)の溶液を、0℃に冷却した無水THF(50mL)中のピロリジン(2.56g、36.0mmol)および炭酸カリウム(7.46g、54.0mmol)の攪拌混合物に滴下した。この反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いでこの反応混合物をエバポレートして白色固体を得た。この固体をCHClとHOとの間で分配し、水層をCHClで2回抽出した。合わせた有機相をHOで2回、NHCl(1N)で2回洗浄し、次いで乾燥し(MgSO)、エバポレートして黄色油状物(2.97g、55.9%)を得た。
【0232】
【数59】
Figure 2004500321
(N−[2−(N−アセチルピロリジン)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル)
炭酸カリウム(0.69g、4.98mmol)を、無水アセトニトリル(20mL)中のエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル(0.80g、1.99mmol)およびクロロアセチルピロリジン(0.59g、3.98mmol)の溶液に加えた。この混合物をN下で60時間加熱還流し、次いでエバポレートした。この有機残渣をCHClおよびKCO(飽和)の混合物中に溶解した。次いで、この水層を分離し、CHClで2回抽出した。合わせた有機相を飽和KCO水溶液で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)、そしてエバポレートした。この得られた橙色の油状物をシリカゲルで遠心クロマトグラフィー(溶離液としてCHClを使用して)を使用して2回精製し、黄色油状物として所望の化合物を得た(0.48g、47%)。
【0233】
【数60】
Figure 2004500321
(N−[2−(N−アセチルピロリジン)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸・xTFA(apedta))
トリフルオロ酢酸(1.0mL、0.49mmol)を、無水CHCl(5mL)中の上記の生成物(0.25g、12.98mmol)の溶液に加え、この混合物を室温で窒素下で一晩攪拌した。この反応混合物をエバポレートし、次いで凍結乾燥し、所望の化合物を薄黄色固体(0.21g、74.7%)として得た。
【0234】
【数61】
Figure 2004500321
([Ru(apedta)(OH)]・1.2HOの調製)
([アクア[N−[2−[ビス[(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]エチル]−N−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]グルシナト−κN,κO]ルテニウム(III)])
apedta(0.37g、0.65mmol)を、完全に溶解するまでHCl(1mM、6mL)中で加熱した。次いで、この溶液のpHをKOH(1N)でpH3.0に調節した。K−[RuCl(OH)](0.24g、0.65mmol)をこの溶液に加え、この反応混合物を100℃まで2時間加熱した。この溶液をエバポレートし、Sephadex G−10樹脂(HO)でサイズ排除カラムクロマトグラフィーによって精製し、この得られた固体を減圧下で40℃で、一晩乾燥し、褐色の結晶固体(0.062g、18.1%)を得た。
【0235】
【数62】
Figure 2004500321
(実施例50)
(AMD8894:N−[2−(N−アセチル−(L)−イソロイシル)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(aiedta)のルテニウム(III)錯体)
(N−クロロアセチル−(L)−イソロイシンt−ブチルエステル)
0℃、窒素下において、乾燥THF(10mL)中の塩化クロロアセチル(0.64mL、8.01mmol)の溶液を、乾燥THF(10mL)中の(L)−イソロイシンt−ブチルエステル(1.2g、6.41mmol)および炭酸カリウム(1.33g、9.62mmol)の懸濁液に滴下した。この反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで、この混合物をエバポレートして白色残渣を得、これをCHClおよびHOの混合物に溶解した。この水層をCHClで2回洗浄し、次いで、この有機層をHOで2回洗浄し、NHCl(1N)で2回洗浄した。この合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、エバポレートして黄色油状物を得た。この粗生成物をシリカゲル(5%MeOH/CHCL)のカラムクロマトグラフィーによって精製し、黄色油状物として所望の化合物(0.66g、40.9%)を得た。
【0236】
【数63】
Figure 2004500321
乾燥アセトニトリル(15mL)中のN−クロロアセチル−(L)−イソロイシンt−ブチルエステル(0.66g、2.62mmol)、炭酸カリウム(0.46g、3.30mmol)およびエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル(0.53g、1.31mmol)の攪拌懸濁液を窒素下で60時間加熱還流し、次いでエバポレートした。この薄褐色の残渣をCHClと飽和KCO水溶液との間で分配した。この分離した水層をCHClで2回抽出し、次いで、合わせた有機相をKCO(飽和)で2回洗浄し、次いで乾燥し(MgSO)、エバポレートして橙色の油状物を得た。この粗生成物をシリカゲル(1%NHOHで処理したCHCl)の遠心クロマトグラフィーによって精製し、黄色油状物として所望の化合物(0.51g、63.4%)を得た。
【0237】
【数64】
Figure 2004500321
(N−[2−(N−アセチル−(L)−イソロイシル)]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸・xTFA(aiedta))
乾燥CHCl(8mL)中の上記の中間体(0.51g、0.83mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(4.0mL、51.9mmol)を加え、この混合物を窒素下で室温において、一晩攪拌した。この溶媒をエバポレートして、残渣を凍結乾燥し、薄黄色固体を得た(0.45mg、86%)。
【0238】
【数65】
Figure 2004500321
([Ru(aiedta)(OH)]・1.6HOの調製)
([カリウムアクア[N−[2−[ビス[(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]エチル]−N−[(カルボキシ−κO)メチル]グリシル−κN−L−イソロイシナトルテニウム(III)]]
aiedta(0.35g、0.55mmol)を完全に溶解するまでHCl水溶液(1mM、5.5mL)中で加熱し、次いで、この溶液のpHをKOH(1N)でpH3.0に調節した。K[RuCl(OH)](0.21g、0.55mmol)をこの溶液に加え、この反応混合物を100℃まで2時間加熱した。この溶液をエバポレートし、Sephadex G−10樹脂(HO)でサイズ排除カラムクロマトグラフィーによって精製し、この得られた固体を減圧下で40℃で、一晩乾燥し、褐色の結晶固体(0.030g、8.6%)として所望の化合物を得た。
【0239】
【数66】
Figure 2004500321
(実施例51)
(AMD8711:N−ベンジルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(bedta)のルテニウム(III)錯体)
(N−ベンジルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル)
(一般的手順Eに従って)
エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル(0.734g、1.8mmol)のベンジルブロミド(0.316g、1.8mmol)との反応は、シリカゲル(7:1ヘキサン:EtOAc)のカラムクロマトグラフィー後、無色油状物として生成物(0.496g、55%)を得た。
【0240】
【数67】
Figure 2004500321
(N−ベンジルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸・xTFA(bedta))
(一般的手順Bに従って)
上記の中間体(0.496g、1.0mmol)をTFA(12.6g、100mmol)と反応させ、白色固体として生成物(0.454g、82%)を得た。
【0241】
【数68】
Figure 2004500321
(K[Ru(Hbedta)Cl]・1.6HOの調製)
([カリウム水素アクア[N−[2−[[(カルボキシ−κO)メチル](カルボキシメチル)アミノ−κN]エチル]−N−(フェニルメチル)グリシナト−κN,κO]ジクロロルテニウム(III)])
(一般的手順Cに従って)
bedta(0.210g、0.38mmol)をK[RuCl(HO)](0.142g、0.38mmol)と反応させ、黄色固体として生成物(0.0460g、21%)を得た。
【0242】
【数69】
Figure 2004500321
(実施例52)
(AMD8702:N−[(3−カルボキシ)ベンジル]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(cbedta)のルテニウム(III)錯体)
(N−[(3−カルボキシ)ベンジル]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸・xTFA(cbedta))
MeOH(19mL)およびHO(6mL)中のN−[(3−カルボキシメチル)ベンジル]エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸トリ−t−ブチルエステル(0.771g、1.4mmol)の攪拌溶液に、水酸化リチウム(0.236g、5.6mmol)を加え、この反応溶液を16時間、室温で(光の非存在下で)攪拌し、次いで溶媒を減圧下でエバポレートした。この中間体をさらなる精製なしで次の工程で直接使用した。
【0243】
この残渣をTFA(8.3g、73mmol)中に溶解し、16時間攪拌し、減圧下でエバポレートした。EtOHをこの残渣に加え、得られた懸濁液を濾過し、生成物を凍結乾燥し、白色固体(1.04g、100%)を得た。
【0244】
【数70】
Figure 2004500321
(K[Ru(Hcbedta)Cl]・4.5HOの調製)
([カリウム二水素[3−[[[(カルボキシ−κO)メチル][2−[[(カルボキシ−κO)メチル](カルボキシメチル)アミノ−κN]エチル]アミノ−κN]メチル]ベンゾアト]ジクロロルテニウム(III)])
(一般的手順Cに従って)
cbedta(0.377g、0.60mmol)をK[RuCl(HO)](0.236g、0.60mmol)と反応させ、黄色固体として生成物(51.0mg、12%)を得た。
【0245】
【数71】
Figure 2004500321
(実施例53)
(AMD8849:N,N’−ビス[2−(N−アセチルピロリジン)]エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(bpedda)のルテニウム(III)錯体)
(N,N’−ビス[2−(N−アセチルピロリジン)]エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(bpedda))
無水THF(20mL)中のピロリジン(0.56g、3.90mmol)の溶液を乾燥THF(20mL)中のエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸二無水物(1.0g、7.81mmol)の撹拌溶液に窒素下で滴下し、混合物を15.5時間攪拌した。形成した沈殿物を濾過によって回収し、減圧下で一晩乾燥し、白色固体として生成物(1.59g、約100%)を得た。
【0246】
【数72】
Figure 2004500321
([Ru(bpedda)Cl(OH)]・3HOの調製)
([アクアクロロ[[N,N’−1,2−エタンジイルビス[N−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]グリシナト−κN,κO]]]ルテニウム(III)])
bpedda(0.50g、1.26mmol)を、完全に溶解するまで、HCl水溶液(1mM、10mL)中で加熱した。K[RuCl(OH)](0.47g、1.26mmol)をこの溶液に加え、この反応混合物を100℃まで2時間加熱した。この溶液を濾過し、エバポレートした。この残渣をSephadex G−10樹脂(HO)のサイズ排除カラムクロマトグラフィーによって精製し、赤色固体として所望の錯体(0.039g、5.2%)を得た。
【0247】
【数73】
Figure 2004500321
(実施例54)
(AMD7461:2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(hpdta)のルテニウム(III)錯体)
([Ru(Hhpdta(OH)(OSCF)]・EtOHの調製])
([二水素アクア[[N,N’−(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル)ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,O]]](トリフルオロメタンスルホナト−κO)ルテニウム(III)])
EtOH(20mL)に、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(0.082g、0.25mmol)を溶解し、[Ru(DMF)](OTf)(0.26g、0.25mmol)を加えた。この反応溶液を69℃まで3日間攪拌しながら加熱し、室温まで冷却し、得られる沈殿物を濾過によって回収した。この固体をEtOH(10mL)およびEtO(2×10mL)で洗浄し、所望の生成物(0.0420g、26%)を得た。
【0248】
【数74】
Figure 2004500321
(実施例55)
(AMD7462:1,2−エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(edda)のルテニウム(III)錯体)
(K[Ru(edda)Cl]・2.5HOの調製)
([カリウムジクロロ[[N,N’−1,2−エタンジイルビス[グリシナト−κN,κO]]ルテニウム(III)]]
EtOH(20mL)に1,2−エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(0.130g、0.74mmol)を溶解し、RuCl・HO(0.155g、0.74mmol)を加えた。この混合物を、沈殿物が形成する間、60℃まで加熱した。この固体を濾過によって回収し、EtOで洗浄し、所望の生成物(0.0620g、22%)を褐色固体として得た。
【0249】
【数75】
Figure 2004500321
(実施例56)
(ジチオカルバメート配位子の合成)
(一般的手順F)
乾燥ジエチルエーテルに二硫化炭素(1.5〜2当量)を溶解し、氷浴中、0℃に冷却した。適切なアミン(1当量)およびKOH(1〜2当量)を乾燥メタノールに溶解し、二硫化炭素溶液に滴下した。この反応混合物を0℃で3時間攪拌した。溶媒を除去し、得られた残渣をジエチルエーテルで粉砕した。この白色固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0250】
以下の配位子を一般的手順Fを使用して調製した。
【0251】
(ピロリジンジチオカルバミン酸カリウム塩[KSCNC])
二硫化炭素(2.16mL,36mmol)をピロリジン(2mL、24mmol)およびKOH(1.34g、24mmol)と反応させ、3.8g(85%)生成物を得た。
【0252】
【数76】
Figure 2004500321
(L−プロリンジチオカルバミン酸二カリウム塩[KSCNProK])
二硫化炭素(1.04mL、17.4mmol)をL−プロリン(1.0g、8.7mmol)およびKOH(0.97g、17.4mmol)と反応させ、1.37g(59%)の生成物を得た。
【0253】
【数77】
Figure 2004500321
(L−プロリンメチルエステルジチオカルバミン酸カリウム塩[KSCNProOMe])
二硫化炭素(0.53mL、8.8mmol)を、L−プロリンメチルエステル(0.57g、4.4mmol)およびKOH(0.49g、8.8mmol)と反応させて、0.66g(62%)の生成物を得た。この生成物は、いくらかの残留出発物質を含み、さらに精製することなく、ルテニウム錯体の調製において使用した。
【0254】
【数78】
Figure 2004500321
(N−メチル−L−イソロイシンジチオカルバミン酸二カリウム塩[KSCNMeIleK])
二硫化炭素(0.83mL、13.8mmol)を、N−メチル−L−イソロイシン(1.0g、6.89mmol)およびKOH(0.77g、13.8mmol)と反応させて、0.73g(37%)の生成物を得た。この生成物は、いくらかの出発物質を含み、さらに精製することなく、ルテニウム錯体の調製において使用した。
【0255】
【数79】
Figure 2004500321
(実施例57)
(AMD8672:クロロ(1,4,7−トリアザシクロノナン)ビス−(ジメチルスルホキシド)ルテニウム(II)クロリド、[Ru(tacn)(DMSO)Cl]Clの調製)
([クロロ[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ビス[(スルフィニル−κS)ビス[メタン]ルテニウム(II)クロリド])
文献の手順に従って調製した:A.Geilenkirchen,P.Neubold,R.Schneider,K.Wieghardt,U.Florke,H−J.Haupt,B.Nuber J.Chem.Soc.,Dalton Trans.1994,457。
【0256】
(実施例58)
(AMD8641:トリクロロ(1,4,7−トリアザシクロノナン)ルテニウム(III):[Ru(tacn)Cl]の調製)
([トリクロロ[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)])
文献の手順に従って調製した:A.Geilenkirchen,P.Neubold,R.Schneider,K.Wieghardt,U.Florke,H−J.Haupt,B.Nuber J.Chem.Soc.,Dalton Trans.1994,457。
【0257】
(実施例59)
(AMD8671:トリクロロ(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)ルテニウム(III):[Ru(Metacn)Cl]の調製)
([トリクロロ[ヘキサヒドロ−1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)])
文献の手順に従って調製した:P.Neubold,K.Weighardt,B.Nuber,J.Wiess Inorg.Chem.1989,28,459。
【0258】
(実施例60)
(AMD8670:[Ru(tacn)(SCNMe][PF]の調製)
([(ジメチルカルバモジチオエト−κS)(ジメチルカルバモジチオエト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順G)
RuLCl(ここで、Lは、1,4,7−トリアザシクロノナン(tacn)または1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン(Metacn)のいずれかを表す)を、脱イオン水に懸濁し、そして40℃に加熱した。2当量のジチオカルバミン酸塩を添加し、そしてこの反応を、反応混合物が、濃い青色または紫色に変わる時間の間、1〜1.5時間継続した。この反応混合物を熱から取り除き、そして熱い内に濾過した。飽和NHPFを濾液に添加し、これは、暗黒の沈澱を生成した。固体を濾過し、そして脱イオン水およびジエチルエーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥した。
【0259】
(一般的手順Gの使用:)
Ru(tacn)Cl(0.30g、0.89mmol)を、N,N−ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩(NaSCNMe・2HO)(Aldrich、0.32g、1.78mmol)と反応させて、0.448gの生成物(80%)を得た。分析C1226RuPFについての計算値:C,23.45;H,4.26;N,11.39;S,20.86。実測値:C,23.23;H,4.34;N,11.18;S,20.61。ES−MS m/z 471[M−PF
【0260】
(実施例61)
(AMD8803:[Ru(tacn)(SCNEt][PF]の調製)
([(ジエチルカルバモジチオエト−κS)(ジエチルカルバモジチオエト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順Gの使用:)
Ru(tacn)Cl(0.10g、0.29mmol)を、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩(NaSCMEt・3HO)(Aldrich、0.134g、0.6mmol)と反応させて、0.163gの生成物(81%)を得た。分析C1635RuPFについての計算値:C,28.61;H,5.25;N,10.43;S,10.09。実測値:C,28.44;H,5.12;N,10.31;S,19.30。ES−MS m/z 527[M−PF
【0261】
(実施例62)
(AMD8842:[Ru(tacn)(SCNC][PF]の調製)
([(1,4−ブタンジイルカルバモジチオエト−κS)(1,4−ブタンジイルカルバモジチオエト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順Gの使用:)
Ru(tacn)Cl(0.10g、0.29mmol)を、ピロリジンジチオカルバミン酸カリウム塩(0.109g、0.59mmol)と反応させて、0.11gの粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(MeCN/飽和KNO/HO 7/1/0.5)によって精製した。溶媒を、所望の生成物を含む合わせた画分から除去し、そして残渣をアセトニトリルで粉砕した。過剰のKNOを濾過によって除去し、メタノール中のNHPFの飽和溶液を濾液に添加した。得られた沈澱を濾過によって回収し、そして脱イオン水、次いでジエチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥して表題化合物(0.069g、36%)を得た。分析C1631RuPF・0.2HO・0.2NHPFについての計算値:C,27.30;H,4.61;N,10.35;S,18.22。実測値:C,27.06;H,4.50;N,10.23;S,18.24。ES−MS m/z 523[M−PF
【0262】
(実施例63)
(AMD8731:[Ru(tacn)(SCNPro)][PF]の調製)
([二水素((1−カルボキシ)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオエト−κS)((1−カルボキシ)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオエト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順Gの使用:)
Ru(tacn)Cl(0.30g、0.90mmol)を、L−プロリンジチオカルバミン酸二カリウム塩(0.48g、1.8mmol)と反応させて、0.273g(38%)の生成物を得た。分析C1831RuPF・1.8HOについての計算値:C,27.43;H,4.42;N,8.89;S,16.27。実測値:C,27.36;H,4.38;N,9.07;S,16.33。ES−MS m/z 611[M−PF。IR(CsI)ν(cm−1)1723(COH)。
【0263】
(実施例64)
(AMD8802:[Ru(tacn)(SCNProOMe)][PF]の調製)
(((1−カルボキシメチル)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオエト−κS)((1−カルボキシメチル)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオエト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート)
(一般的手順Gの使用:)
Ru(tacn)Cl(0.136g、0.40mmol)を、L−プロリンメチルエステルジチオカルバミン酸カリウム塩(0.20g、0.80mmol)と反応させて、0.078g(25%)の生成物を得た。分析C2035RuPFについての計算値:C,30.65;H,4.50;N,8.94;S,16.35。実測値:C,30.54;H,4.47;N,8.81;S,16.52。ES−MS m/z 639[M−PF。IR(CsI)ν(cm−1)1742(COH)。
【0264】
(実施例65)
(AMD8801:[Ru(tacn)(SCNMeIle)][PF]の調製)
([二水素(N−メチル−N−sec−ブチルカルボキシカルバモジチオエト−κS)(N−メチル−N−sec−ブチルカルボキシカルバモジチオエト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート)
(一般的手順Gの使用:)
Ru(tacn)Cl(0.10g、0.30mmol)を、N−メチル−L−イソロイシンジチオカルバミン酸二カリウム塩(0.178g、0.60mmol)と反応させて、0.068g(28%)の生成物を得た。分析C2243RuPFについての計算値:C,32.39;H,5.31;N,8.58;S,15.72。実測値:C,32.41;H,5.46;N,8.85;S,15.58。ES−MS m/z 671[M−PF。IR(CsI)ν(cm−1)1726(COH)。
【0265】
(実施例66)
(AMD8682:[Ru(Metacn)(SCNMe][PF]の調製)
([(ジメチルカルバモジチオエト−κS)(ジメチルカルバモジチオエト−κS,κS’)[ヘキサヒドロ−1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順Gの使用:)
Ru(Metacn)Cl(0.10g、0.264mmol)を、N,N−ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩(Aldrich、0.094g、0.528mmol)と反応させて、0.10gの粗生成物を得た。この粗生成物(0.05g)をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(MeCN/飽和KNO/HO 7/1/0.5)によって精製した。溶媒を、所望の生成物を含む合わせた画分から除去し、そして残渣をアセトニトリルで粉砕した。KNOを濾過によって除去し、メタノール中のNHPFの飽和溶液を濾液に添加した。得られた沈澱を回収し、そして脱イオン水およびジエチルエーテルで洗浄し、そして次いで真空中で乾燥して表題化合物(0.030g、35%)を得た。分析C1533RuPFについての計算値:C,27.39;H,5.06;N,10.65;S,19.50;Cl、0.00。実測値:C,27.51;H,5.01;N,10.58;S,19.28;Cl,0.00。ES−MS m/z 513[M−PF
【0266】
(実施例67)
(AMD8800:[Ru(tacn)(mida)][PF]の調製)
([(N−(カルボキシ−κO)−メチル)−N−メチルグリシナト−κN,κO)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート)
Ru(tacn)Cl(0.10g、0.30mmol)およびN−メチルイミノ二酢酸(mida)(0.044g、0.30mmol)を、脱イオン水(30mL)中で3時間還流した。反応混合物をいずれの未反応の出発物質を除去するために熱いまま濾過した。飽和水性NHPFを濾液に添加し、そして結晶化をエタノールの添加によって引き起こした。薄黄色の沈澱を濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄しそして真空中で乾燥して0.041g(26%)の生成物を得た。分析C1122RuPFについての計算値:C,25.39;H,4.26;N,10.77。実測値:C,25.37;H,4.24;N,10.59。ES−MS m/z 376[M−PF。IR(CsI)ν(cm−1)1642(CO−)。
【0267】
(実施例68)
(AMD8811:[Ru(Hnota)Cl]の調製)
([水素クロロ[ヘキサヒドロ−1,4,7−(トリカルボキシ−κO,κO’−メチル)−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN、κN]ルテニウム(III)])
1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(nota)(0.50g、1mmol)を脱イオン水(5mL)に溶解し、そしてpHをpH3〜4にKOH(1M)を用いて調節した.K[RuCl(OH)](0.40g、1mmol)の水溶液を溶液に添加し、反応混合物を加熱して、2時間還流した。溶液を冷却し、そして不溶性物質を濾過して除去した。エタノールの濾液への添加によって、[Ru(Hnota)Cl](0.1g)の沈澱を生じ、この沈澱を濾過して除去した。濾液を放置し、第2の沈殿を得、この沈澱を回収し、そしてジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物(0.040g、8.5%)を得た。分析C1219RuCl・HO・0.2KClについての計算値:C,30.62;H,4.50;N,8.93;Cl,9.04。実測値:C,30.48;H,4.64;N,8.84;Cl,9.12。ES−MS m/z 403[M−Cl]。IR(CsI)ν(cm−1)1728,(COH);1678(CO−)。
【0268】
(実施例69)
(AMD7044:[Ru(terpy)(bpy)Cl][PF]の調製)
([クロロ(2,2−ビピリジン−κN,κN’)(2,2’:6’.2”−テルピリジン−κN,κN’,κN”]ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順H:)
テルピリジルルテニウムトリクロリド(Ru(terpy)Cl)(E.C.Constableら、New J.Chem.1992,16,855)(0.50g、1.13mmol)、二座配位子であるL(1当量)および4−エチルモルホリン(4滴)をメタノール(100mL)中で加熱して、2時間還流した。熱溶液をセライトを通して濾過し、そしてメタノール中のNHPFの飽和溶液を濾液に添加した。容積を、元の容積の約3分の1に減少させ、このときに沈澱が形成した。粗生成物を、濾過によって回収し、そしてMeCN/MeOH溶液からの再結晶によってか、またはシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(7/1/0.5:MeCN/飽和KNO/HO)によってかのいずれかによって精製した。
【0269】
(一般的手順Hの使用:)
Ru(terpy)Cl(0.50g、1.13mmol)および2,2’−ジピリジル(0.18g、1.13mmol)の反応、続いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物0.27g(35%)を得た。
【0270】
【数80】
Figure 2004500321
(実施例70)
(AMD7054:[Ru(terpy)(2−ピリジンチオン)Cl][PF]の調製)
([クロロビス(2(1H)−ピリジンチオン−κS)(2,2’:6’.2”−テルピリジン−κN,κN’,κN”]ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順Hの使用:)
Ru(terpy)Cl(0.50g、1.13mmol)および2−メルカプトピリジン(0.25g、2.27mmol)の反応、MeCN/MeOHからの再結晶後、所望の生成物(0.263g、32%)を得た。
【0271】
【数81】
Figure 2004500321
(実施例71)
(AMD7055:[Ru(terpy)(2−ピリミジンチオン)Cl][PF]の調製)
([クロロビス(2(1H)−ピリミジンチオン−κS)(2,2’:6’.2”−テルピリジン−κN,κN’,κN”]ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート])
(一般的手順Hの使用:)
Ru(terpy)Cl(0.50g、1.13mmol)および2−メルカプトピリミジン(0.25g、2.28mmol)の反応、続いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物(0.073%、8.6%)を得た。
【0272】
【数82】
Figure 2004500321
(実施例72)
(AMD7086:[Ru(terpy)(SCNMe)Cl][PF]の調製)
([クロロ(ジメチルカルバモジチオエト−κS,κS’)(2,2’:6’.2”−テルピリジン−κN,κN’,κN”]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート])
Ru(terpy)Cl(0.50g、1.14mmol)およびN,N−ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩(Aldrich,0.204g、1.14mmol)を、メタノール中(100mL)で加熱して、2時間還流した。熱溶液をセライトを通して濾過し、そして濾液の容積を、元の容積の約2分の1に減少させた。メタノール中のNHPFの飽和溶液の濾液への添加は、沈澱の形成を生じ、この沈澱を、濾過によって回収し、そしてシリカゲルのクロマトグラフィー(MeCN/飽和KNO/HO:7/1/0.5)によって精製して、表題化合物(0.20g、28%)を得た。分析C1817ClRuPFについての計算値:C,34.05;H,2.70;N,8.82;S,10.10。実測値:C,33.76;H,2.80;N,9.62;S,9.95。
【0273】
(実施例73)
(AMD7036:[Ru(bpy)Cl]・2HOの調製)
([ジクロロビス(2,2’−ビピリジン−κN,κN’)ルテニウム(II)二水和物])
文献の手順に従って調製した:B.Bosnich,F.P.Dwyer Aust.J.Chem.1966,19,2229。
【0274】
(実施例74)
(AMD7037:[Ru(phen)Cl]・2HOの調製)
([ジクロロビス(1,10’−フェナントロリン−κN,κN10)ルテニウム(II)二水和物])
文献の手順に従って調製した:B.Bosnich,F.P.Dwyer Aust.J.Chem.1966,19,2229。
【0275】
(実施例75)
(AMD7039:[Ru(bpy)(2−メルカプトピリジン)][ClO]の調製)
([ビス(2,2’−ビピリジン−κN,κN’)(2(1H)−ピリジンチオナト−κN、κS)ルテニウム(II)]パークロレート)
文献の手順に従って調製した:B.Kumar Santra,M.Menon,C.Kumar Pal,G.Kumar Lahiri J.Chem.Soc.,Dalton Trans.1997,1387。
【0276】
(実施例76)
(AMD7045:[Ru(bpy)(2−メルカプトピリジン)][PF]の調製)
([ビス(2,2’−ビピリジン−κN,κN’)(2(1H)−ピリジンチオナト−κN、κS)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート]) [Ru(bpy)Cl]・2HO(1.0g、1.9mmol)を、メタノール 水の1:1混合物(100mL)に溶解した。2−メルカプトピリジンをこの溶液に添加し、そしてこの反応混合物を加熱して、1.5時間還流した。この溶液を室温に冷却し、メタノール中のNHPFの飽和溶液を添加した。静置して、暗い紫色の沈澱が形成され、この沈澱を濾過によって取り出し、そして水で洗浄した。この粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(2:1wCHClMeCN)によって精製して、表題化合物(0.92g、72%)を得た。
【0277】
【数83】
Figure 2004500321
(実施例77)
(AMD8657:[Ru(acac)(MeCN)][CFSO]の合成)
([ビス(アセトニトリル)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
(一般的手順I:)
この合成は、文献の手順から適合された:Oomura,K.;Ooyama,D.;Satoh,Y.;Nagao,N.;Nagao,H.;Howell,M.;Mukaida,M.Inorg.Chim.Acta 1998,269,342。シュレンク管において,Ru(β−ジケトナト)をアセトニトリルに溶解させ(約1g/50mL)、そしてこの混合物を、65℃で5分間攪拌し、オレンジ色/赤色/紫色の溶液を得た;次いで、トリフルオロメタンスルホン酸(1.1〜4当量)を滴下した。まもなく、この溶液は、茶色/緑色になった;次いで、還流凝縮器を取り付け、そしてこの混合物を加熱して、0.5〜4時間還流した。最終的な濃紺色(Ru(III))および/またはオレンジ色/赤色/茶色(Ru(II))の混合物を濃縮し、そして結晶化またはカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0278】
トリス−(2,4−ペンタジオナト)ルテニウム(III)[Ru(acac)]を文献から適合された手順に従って調製した:Johnson,A.;Everett,Jr.,G.W.J.Am.Chem.Soc.1972,94,1419。
【0279】
([Ru(acac)(MeCN)][CFSO]の調製)
(一般的手順Iの使用:)
Ru(acac)(1.07g、2.68mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解した。トリフルオロメチルスルホン酸(300μL、3.39mmol)の添加、還流での1時間の攪拌後、表題錯体を得た;EtO:CHClの40:1混合物からの、5℃で一晩の結晶化により、暗い青色の結晶固体(1.42g、96%)を得た。分析C1520SFRu・HOについての計算値:C,31.85;H,3.91;N,3.98。実測値:C,32.13;H,3.87;N,3.96。ES−MS m/z 382 [M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)2326,2296(C≡N);1524(C=O)。
【0280】
(実施例78)
AMD8660:Ru(acac)(MeCN)の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]。
【0281】
(Ru(acac)(MeCN)の調製)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.201g、0.378mmol)を、EtOH(10mL)に溶解し、青色溶液を得た。MeNCSNa・2HO(0.076g、0.426mmol)を添加し、すぐに橙色/褐色の溶液を得た。この混合物を、室温で5分間攪拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。橙色/褐色の残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)により精製した。主要な橙色のバンドを、いくつかの画分で収集し、そして溶媒を減圧下で除去して、黄色/橙色の固体(0.094g、65%)を得た。
【0282】
【化27】
Figure 2004500321
(実施例79)
AMD8892:[Ru(3Meacac)(MeCN)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(3−メチル−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0283】
トリス−(3−メチル−2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(3Meacac)]を、文献の手順に従って調製した:Endo,A.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Chem.Lett.1985,581。
【0284】
([Ru(3Meacac)(MeCN)][CFSO]の調製)
一般的手順Iを使用:
Ru(3Meacac)(0.522g、1.19mmol)を、アセトニトリルに溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(115μL、1.31mmol)を添加し、1時間還流後、表題の錯体を得;EtO:CHClの40:1混合物から5℃で終夜で結晶化することにより、濃青色の結晶性固体(0.608g、92%)を得た。
【0285】
【化28】
Figure 2004500321
(実施例80)
AMD8901:Ru(3Meacac)(MeCN)の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(3−メチル−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]。
【0286】
(Ru(3Meacac)(MeCN)の調製)
[Ru(3Meacac)(MeCN)][CFSO](0.105g,0.188mmol)を、アセトニトリル(25mL)に溶解して、青色溶液を得た。亜鉛削り屑(約12g)を添加し、次いで室温で4時間、素早く攪拌して、明るい橙色の溶液を形成した。亜鉛を濾過により除去し、溶媒を減圧下で濃縮し、次いで混合物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)により精製した。主要な橙色のバンドを、いくつかの画分で収集し、そして溶媒を減圧下で除去して、明るい橙色の固体(0.025g、32%)を得た。
【0287】
【化29】
Figure 2004500321
(実施例81)
AMD8883およびAMD8884:Ru(3Clacac)(MeCN)および[Ru(3Clacac)(MeCN)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(3−クロロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]および[ビス(アセトニトリル)ビス(3−クロロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0288】
トリス−(3−クロロ−2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(3Clacac)]を、文献の手順に従って調製した:Endo,A.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Chem.Lett.1985,581。
【0289】
(Ru(3Clacac)(MeCN)および[Ru(3Clacac)(MeCN)][CFSO]の調製)
一般的手順Iを使用:
Ru(3Clacac)(0.375g、0.745mmol)を、アセトニトリル(25mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(220μL、2.48mmol)を加え、混合物を還流で1時間加熱し;シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)で精製し、2つの主要なバンド(橙色および青色)を単離した。橙色のバンドを含む画分を、約5mLまで濃縮し、そしてヘキサンを加えて明るい橙色のRu(II)(3Clacac)(MeCN)の沈殿を得、これを吸引濾過を介して単離した(0.085g、25%)。
【0290】
【化30】
Figure 2004500321
青色のバンドを含む画分を濃縮し、濃青色の生成物を、EtO:CHClの40:1混合物から、5℃で終夜で結晶化して[Ru(III)(3Clacac)(MeCN)][CFSO](0.155g、35%)を得た。
【0291】
【化31】
Figure 2004500321
(実施例82)
AMD8881:[Ru(3Bracac)(MeCN)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(3−ブロモ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0292】
トリス−(3−ブロモ−2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(3Bracac)]を、文献の手順に従って調製した:Endo,A.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Chem.Lett.1985,581。
【0293】
([Ru(3Bracac)(MeCN)][CFSO]の調製)
一般的手順Iを使用:
Ru(3Bracac)(0.638g、1.00mmol)を、アセトニトリル(25mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(265μL、2.99mmol)を添加し、1時間還流後、表題の錯体を得;混合物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)で精製し、次いでEtO:CHClの40:1混合物から、5℃で終夜で結晶化し、濃青色の結晶性固体(0.315g、46%)を得た。
【0294】
【化32】
Figure 2004500321
(実施例83)
AMD8900:Ru(3Bracac)(MeCN)の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(3−ブロモ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]。
【0295】
(Ru(3Bracac)(MeCN)の調製)
[Ru(3Bracac)(MeCN)][CFSO](0.350g、0.508mmol)を、アセトニトリル(50mL)に溶解して、青色溶液を得た。塩基性アルミナ(約15g)を添加し、次いで室温で2時間、素早く攪拌すると、橙色/褐色の溶液の形成を生じた。アルミナを濾過により除去し、溶媒を減圧下で濃縮し、そして残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)で精製した。主要な橙色のバンドを、いくつかの画分で収集し、溶媒を減圧下で除去した。橙色の残渣を、アセトン:ヘキサンから再結晶し、明るい橙色の固体(0.115g、42%)を得た。
【0296】
【化33】
Figure 2004500321
(実施例84)
AMD8910およびAMD8896:[Ru(3Iacac)(acac)(MeCN)][CFSO]および[Ru(3Iacac)(MeCN)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)(3−ヨード−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]および[テトラキス(アセトニトリル)(3−ヨード−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0297】
トリス−(3−ヨード−2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(3Iacac)]を、文献の手順に従って調製した:Endo,A.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Chem.Lett.1985,581。
【0298】
[(Ru(3Iacac)(MeCN)][CFSO]および[Ru(3Iacac)(MeCN)][CFSO]の調製)
一般的手順Iを使用:
Ru(3Iacac)(0.460g、0.593mmol)を、アセトニトリル(25mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(60μL、0.678mmol)を添加し、反応を還流で1時間加熱し;反応混合物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(15:1 CHCl:MeCN)により精製し、[Ru(3Iacac)(acac)(MeCN)][CFSO]を、濃青色の結晶性固体(0.089g、30%)として得た。
【0299】
【化34】
Figure 2004500321
上記の手順を、4等量のトリフルオロメタンスルホン酸を用いて繰り返し、次いでシリカゲルカラム精製およびアセトン:ヘキサンからの生成物の再結晶により、[Ru(3Iacac)(MeCN)][CFSO]を灰色/紫色の結晶性固体(0.125g、33%)として得た。
【0300】
【化35】
Figure 2004500321
(実施例85)
AMD8691:[Ru(dpac)(MeCN)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0301】
トリス−(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(dpac)]を、文献から適応した手順に従って調製した:Endo,A.;Shimizu,K.;Sato,G.P.;Mukaida,M.Chem.Lett.1984,437。
【0302】
([Ru(dpac)(MeCN)][CFSO]の調製)
一般的手順Iを使用:
Ru(dpac)(8.103g、10.5mmol)を、アセトニトリル(250mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(2.5mL、28.2mmol)を加え、そして反応混合物を還流で20分間加熱した。混合物を、乾燥するまでエバポレートし、そして残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CHCl→20:1 CHCl:MeOH)により精製した。濃緑色のバンドを含む画分を合わせ、そしてエバポレートして濃緑色の結晶性固体(5.75g、70%)を得た。
【0303】
【化36】
Figure 2004500321
(実施例86)
AMD8692:Ru(dpac)(MeCN)の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]。
【0304】
(Ru(dpac)(MeCN)の調製)
[Ru(dpac)(MeCN)][CFSO](0.225g、0.289mmol)を、CHCl(25mL)に溶解し、緑色の溶液を得た。塩基性アルミナ(約10g)を添加すると、すぐに橙色への色の変化を生じた。混合物を、室温で30分間攪拌し、アルミナを濾過により除去し、そして濾液を乾燥するまでエバポレートして明るい橙色の固体(0.045g、25%)を得た。
【0305】
【化37】
Figure 2004500321
(実施例87)
AMD8707:[Ru(hmac)(MeCN)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0306】
トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(hmac)]を、文献の手順に従って調製した:Endo,A.;Kajitani,M.;Mukaida,M.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Inorg.Chim.Acta 1988,150,25。
【0307】
([Ru(hmac)(MeCN)][CFSO]の調製)
一般的手順Iを使用:
Ru(hmac)(0.145g、0.207mmol)を、アセトニトリル(10mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(40μL、0.452mmol)を加え、混合物を還流で30分間加熱した。混合物を乾燥するまでエバポレートし、そして残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CHCl:ヘキサン 1:1次いで20:1 CHCl:MeOH)で精製した。青色のバンドを含む画分を合わせ、エバポレートして濃青色の結晶性固体(0.104g、67%)を得た。
【0308】
【化38】
Figure 2004500321
(実施例88)
AMD8658:Ru(hfac)(MeCN)の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]。
【0309】
トリス−(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(hfac)]。文献の手順に従って、ルテネート錯体(K[Ru(hfac)])を単離し、次いでRu(hfac)に酸化した:Endo,A.;Kajitani,M.;Mukaida,M.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Inorg.Chim.Acta 1988,150,25。
【0310】
(Ru(hfac)(MeCN)の調製)
一般的手順Iを使用:
Ru(hfac)(4.00g、5.54mmol)をアセトニトリル(200mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(865μL、6.06mmol)を加え、混合物を還流で1時間加熱した。溶媒をエバポレートし、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CHCl)で精製して、褐色/黒色の結晶性固体(2.71g、95%)を得た。
【0311】
【化39】
Figure 2004500321
(実施例89)
AMD8693およびAMD8694:sym−Ru(tfac)(MeCN)およびasym−Ru(tfac)(MeCN)の合成。
[sym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]および[asym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]。
【0312】
トリス−(1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(tfac)]を、文献の手順に従って調製した(Δ異性体およびΛ異性体の混合物を単離):Endo,A.;Kajitani,M.;Mukaida,M.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Inorg.Chim.Acta 1988,150,25。
【0313】
(sym−Ru(tfac)(MeCN)およびasym−Ru(tfac)(MeCN)の合成)
一般的手順Iに従う:
アセトニトリル(100mL)中のΔ−Ru(tfac)およびΛ−Ru(tfac)の混合物(1.57g、2.80mmol)。トリフルオロメタンスルホン酸(500μL、3.50mmol)を加え、混合物を還流で4時間加熱し、その時間の間、溶液は紫色/青色に変わった。塩基性アルミナ(約50g)を加えて、表題の錯体の混合物を含む橙色の溶液を得た。アルミナを濾過を介して除去し、濾液をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)により精製し、以下の順序で溶出した3つのバンドを得た:sym−Ru(tfac)(MeCN)、sym/asym−Ru(tfac)(MeCN)混合物、およびasym−Ru(tfac)(MeCN)。各画分を、乾燥するまでエバポレートして、橙色の固体を得;アセトン/ヘキサンからの再結晶後のそれぞれの化合物の収量は、それぞれ0.121g、0.319gおよび0.244gであり、48%の全体の収率を与えた。両方の純粋な異性体は、基本的に同一の分析データを有する。
【0314】
【化40】
Figure 2004500321
(実施例90)
AMD8730およびAMD8710:sym−Ru(tftmac)(MeCN)およびasym−Ru(tftmac)(MeCN)の合成。
[sym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]および[asym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)]。
【0315】
トリス−(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオナト)ルテニウム(III)[Ru(tftmac)]を、文献の手順に従って調製した(Δ異性体およびΛ異性体の混合物を単離):Endo,A.;Kajitani,M.;Mukaida,M.;Shimizu,K.;Sato,G.P.Inorg.Chim.Acta 1988,150,25。
【0316】
(sym−Ru(tftmac)(MeCN)およびasym−Ru(tftmac)(MeCN)の調製)
一般的手順Iを使用:
Δ−Ru(tftmac)およびΛ−Ru(tftmac)の混合物(1.30g、1.89mmol)を、アセトニトリル(100mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(425μL、2,97mmol)を加え、反応混合物を還流で3時間加熱し、その時間の間に、溶液は紫色に変化した。塩基性アルミナ(約35g)を添加し、室温で1.5時間の攪拌後、表題の錯体の混合物を含む橙色の溶液を得た。アルミナを濾過によって除去し、濾液をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製した。以下の順序で溶出した2つの化合物を単離した:sym−Ru(tftmac)(MeCN)次いでasym−Ru(tftmac)(MeCN)。収集した画分をエバポレートして、橙色の固体を得、これをアセトン/ヘキサンからの再結晶して、それぞれ0.098gおよび0.461g得、64%の全体の収率を得た。両方の純粋な異性体は、基本的に同一の分析データを有する。
【0317】
【化41】
Figure 2004500321
(実施例91)
AMD8757:[Ru(maltol)(MeCN)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス[(3−ヒドロキシ−κO)−2−メチル−4−ピロナト−κO’]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0318】
([Ru(maltol)(MeCN)][CFSO]の調製)
一般的手順Iに従う:
Ru(maltol)(0.210g、0.441mmol)を、アセトニトリル(20mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(50μL、0.565mmol)を加え、反応混合物を還流で3時間加熱した。混合物をエバポレートし、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(10:1 CHCl:MeOH)で精製した。濃緑色のバンドを含む画分を合わせてエバポレートし、次いで残渣をアセトン/ヘキサンから再結晶して、濃緑色の結晶性固体(0.085g、35%)を得た。
【0319】
【化42】
Figure 2004500321
(実施例92)
AMD8695およびAMD8696:[Ru(acac)(MeCN)(tmpd)][CFSO]および[Ru(acac)(MeCN)(tmpd)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト](N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン−κN,κN’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]および[ビス(アセトニトリル)ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン−κN)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0320】
(一般的手順J)
シュレンク管中で、[Ru(acac)(MeCN)][CFSO]をCHClに溶解し、青色溶液を得た。アミン配位子を滴下すると、すぐに赤色/橙色への色の変化を生じた。溶媒を減圧下で除去する前に、混合物を40℃で0.5〜3時間攪拌し、赤色/褐色の残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製した。使用されるアミン配位子としては以下が挙げられる:N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(tmpd)、ジエチレントリアミン(dien)、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール(aeae)、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(aepd)、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン(appd)、およびL1。
【0321】
([Ru(acac)(MeCN)(tmpd)][CFSO]および[Ru(acac)(MeCN)(tmpd)][CFSO]の調製)
一般的手順Jを使用:
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.353g、0.665mmol)のCHCl溶液に、tmpd(135μL、0.807mmol)を加え、1.5時間後に赤色/橙色の溶液を得た。混合物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)により精製し、赤色の生成物および橙色の生成物を得た。赤色のバンドおよび橙色のバンドからの画分をエバポレートして、濃赤色固体(0.039g、9%)および明るい橙色の固体(0.069g、13%)をそれぞれ得た。赤色の固体を、[Ru(acac)(MeCN)(tmpd)][CFSO]として特徴付けた。
【0322】
【化43】
Figure 2004500321
橙色の固体を、[Ru(acac)(MeCN)(tmpd)][CFSO]として特徴付けた。
【0323】
【化44】
Figure 2004500321
(実施例93)
AMD8704およびAMD8705:sym−[Ru(acac)(MeCN)(dien)][CFSO]およびasym−[Ru(acac)(MeCN)(dien)][CFSO]の合成。
[ビス(アセトニトリル)[N,N’−ビス[2−(アミノ−κN)エチル]アミン]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]および[ビス(アセトニトリル)[N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン−κN,κN’]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]。
【0324】
(symおよびasym−[Ru(acac)(MeCN)(ジエン)][CFSO]の調製)
(一般的手順Jに従う:)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.325g、0.613mmol)のCHCl溶液へのジエン(70μL、0.613mmol)の添加により、1時間後に赤色/橙色の溶液を得た。容量を5mLに減らし、そしてEtO(約50mL)を添加して、橙色/褐色の沈殿物を得て、この沈殿物を、濾過によって除去した。艶やかな橙色の濾液を減圧下で濃縮し、そして残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1→12:1のCHCl:MeOH)によって精製した。最初の橙色バンドにより、明るい橙色の固体(0.048g、12%)を得た。この固体のキャラクタリゼーションデータは、asym−[Ru(acac)(MeCN)(ジエン)][CFSO]の構造と一致した。分析C1933SFRuについての計算値:C、36.02;H、5.25;N、11.05。実測値:C、35.75;H、5.18;N,10.78。ES−MS m/z 485[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)1628、1514(C=O)。
【0325】
第2の橙色バンドにより、橙色の固体(0.035g、9%)を得た。この固体のキャラクタリゼーションデータは、sym−[Ru(acac)(MeCN)(ジエン)][CFSO]の構造と一致した。分析、C1933SFRu・3.6CHClについての計算値:C、25.50;H、3.46;N、6.58。実測値:C、25.44;H、3.75;N、6.61。ES−MS m/z 485[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)1624、1521(C=O)。
【0326】
(実施例94)
(AMD8874:[Ru(acac)(MeCN)(aeae)][CFSO]の合成)
([ビス(アセトニトリル)[2−(2−アミノ−κN−エチルアミノ−κN’)エタノール]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンタン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
([Ru(acac)(MeCN)(aeae)][CFSO]の合成)
(一般的手順Jを使用する:)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.391g、0.737mmol)のCHCl溶液へのaeae(85μL、0.841mmol)の添加により、5時間後に赤色/橙色の溶液を得た。この混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(15:1から10:1のCHCl:MeOH)によって精製して、赤色/褐色の固体(0.127g、27%)を得た。分析C1932SFRu・1.2CFSOH・0.8HOについての計算値:C、29.26;H、4.23;N、6.76;S、8.51。実測値:C、29.25;H、4.01;N、6.41;S、8.40。ES−MS m/z 486[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)2263(C≡N)、1626、1550、1524(C=O)。
【0327】
(実施例95)
(AMD8878:[Ru(acac)(MeCN)(appd)][CFSO]の合成)
([ビス(アセトニトリル)[N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン−κN,κN’]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンタン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
([Ru(acac)(MeCN)(appd)][CFSO]の調製)
(一般的手順Jを使用する:)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.373g、0.704mmol)のCHCl溶液へのappd(110μL、0.774mmol)の添加により、5時間後に赤色/橙色の溶液を得た。この混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1から8:1のCHCl:MeOH)によって精製して、橙色固体(0.041g、9%)を得た。分析C2137SFRu・0.4CFSOH・0.7CH12についての計算値:C、33.98;H、5.01;N、8.97;S、5.75。実測値:C、34.28;H、4.97;N、8.33;S、5.89。ES−MS m/z 513[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)2335、2289(C≡N);1626、1551(C=O)。
【0328】
(実施例96)
(AMD8879:[Ru(acac)(MeCN)(aepd)][CFSO]の合成)
([ビス(アセトニトリル)[N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン−κN,κN’]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンタン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
([Ru(acac)(MeCN)(aepd)][CFSO]の調製)
(一般的手順Jに従う:)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.377g、0.711mmol)のCHCl溶液のaepd(100μL、0.782mmol)への添加によって、2時間後に赤色/橙色の溶液を得た。この混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1から8:1のCHCl:MeOH)によって精製して、橙色固体(0.055g、12%)を得た。分析C2035SFRu・0.4HOについての計算値:C、36.68;H、5.51;N、10.69;S、4.90。実測値:C、36.96;H、5.38;N、10.33;S、4.85。ES−MS m/z 499[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)2367,2334(C≡N)、1624,1550(C=O)。
【0329】
(実施例97)
(AMD8813:[Ru(acac)(MeCN)(L1)][CFSO]の合成)
([ビス(アセトニトリル)[N,N−ビス[2−(アミノ−κN)エチル]−L−イソロイシル−L−プロリナト]ビス[4(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
(N,N−ビス(2−アミノエチル)−Ile−Pro(L1)の合成)
乾燥THF(20mL)中のノシルアジリジン(nosyl aziridine)(0.744g、3.26mmol)の溶液に、ジペプチドIle−Pro(0.372g、1.63mmol)を添加した。白色スラリーを、N下で65℃にて16時間攪拌し、明澄な黄色溶液を得た。溶媒を減圧下で除去して、黄色オイルを得た。このオイルを、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(3:2のEtOAc:ヘキサン、次いで25:1のCHCl:MeOH)で精製して、所望の中間体を淡黄色オイル(0.377g、34%)として得た。H NMR(CDCl)δ0.79(t、3H)、0.91(d、4H)、1.04(m、1H)、1.55(m、2H)、1.94(m、2H)、2.29(dm、1H)、2.79(m、2H)、3.35−3.56(m、8H)、4.27(m、1H)、4.34(m、1H)、6.13(s、1H)、6.34(s、1H)、7.71(m、6H)、8.04(m、2H);13C NMR(CDCl)δ11.63、16.13、24.79、25.69、29.26、38.21、42.75、44.20、47.29、53.93、59.69、64.13、65.07、124.74、125.62、131.01、133.47、133.20、133.62、134.03、134.34、148.29、172.31。ES−MS m/z 707[M+Na]、685[M+H]
【0330】
乾燥アセトニトリル(15mL)中の上記からのオイル(0.377g、0.550mmol)の溶液に、KCO(0.761g、5.50mmol)およびチオフェノール(454μL、4.41mmol)を添加した。この混合物を窒素下で室温にて3.5時間攪拌し、その間に明るい黄色のスラリーが形成された。この混合物を濾過し、そして固体をアセトニトリルで洗浄した。合わせた濾液をエバポレートし、そして残渣を、5:1のCHCl:MeOH、続いて7:2:1のCHCl:MeOH:NHOHを用いた中性アルミナでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、L1を淡黄色オイル(0.085g、49%)として得た。ES−MS m/z 337[M+Na]、315[M+H]
【0331】
([Ru(acac)(MeCN)(L1)][CFSO]の調製)
(一般的手順Jを使用する:)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.126g、0.238mmol)のCHCl溶液へのL1(0.085g、0.271mmol)の添加により、混合物を還流するまで5時間加熱した後に赤色/橙色の溶液を得た。この混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(14:1から10:1のCHCl:MeOH)によって精製して、深赤色の固体(0.041g、25%)を得た。分析C305010SFRu・3.6CHClについての計算値:C、35.07;H、5.01;N、7.30。実測値:C、35.11;H、4.90;N、7.05。ES−MS m/z 696[M−CFSO
【0332】
(実施例98)
(AMD8656:[Ru(acac)(SCNMe)]の合成)
[(ジメチルカルバモジチオアト−κS、κS’)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)])
(一般的手順K:)
シュレンク(schlenk)チューブ中で、[Ru(β−ジケトナト)(MeCN)][CFSO](ここで、β−ジケトナト=acacまたはdpac)をEtOH:HO(20:1)に溶解して、青色または緑色の溶液を得た。ジチオカルバメート塩の添加により、直ちに色が赤色/褐色へと変化した。この混合物を70℃にて4〜16時間攪拌し、その後、溶媒を減圧下で除去し、そして赤色/褐色の残渣を、カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。ジチオカルバメート塩は、Aldrich(NaSCNMe・2HO)から購入したかまたは一般的手順F(KSCNProK、KSCNProOMe、KSCNMeIleK)に従って合成したかのいずれかであった。
【0333】
(Ru(acac)(SCNMe)の調製)
(一般的手順Kを使用する:)
エタノールおよび水の混合物中の[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.263g、0.496mmol)の溶液へのNaSCNMe・2HO(0.101g、0.563mmol)の添加により、直ちに色が青色から橙色へと変化した。この混合物を70℃にて5時間攪拌して、赤色/褐色の混合物を得た。この混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1のCHCl:MeOH)によって精製し、減圧下での乾燥によって暗赤色の固体(0.092g、44%)を得た。分析C1320NORu・0.5EtOHについての計算値:C、37.89;H、5.18;N、3.19。実測値:C、38.01;H、4.99;N、3.26。ES−MS m/z 443[M+Na]
【0334】
(実施例99)
(AMD8792:[Ru(dpac)(SCNMe)]の合成)
[(ジメチルカルバモジチオアト−κS、κS’)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO、κO’)ルテニウム(III)])
([Ru(dpac)(SCNMe)]の調製)
(一般的手順Kを使用する:)
エタノールおよび水の混合物中の[Ru(dpac)(MeCN)][CFSO](0.290g、0.372mmol)の溶液へのNaSCNMe・2H0(0.073g、0.409mmol)の添加により、直ちに色が緑色から赤色/橙色へと変化した。この混合物を70℃にて16時間攪拌して、赤色/褐色の混合物を得た。この混合物をエバポレートし、そしてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(5:1のCHCl:ヘキサン)によって精製して、深赤色の固体(0.025g、11%)を得た。分析C3328NORu・0.3MeCN・0.4ヘキサンについての計算値:C、60.51;H、4.87;N、2.55;S、8.97。実測値:C、60.25;H、4.90;N、2.38;S、8.50。ES−MS m/z 650[M+Na]。IR(KBr)ν(cm−1)1514(C=O)。
【0335】
(実施例100)
(AMD8822:[Ru(acac)(SCNProOMe)]の合成)
[(1−カルボキシメチル)−1、4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS、κS’]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III))
([Ru(acac)(SCNProOMe)]の調製)
(一般的手順Kを使用する:)
エタノールおよび水の混合物中の[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](1.06g、2.00mmol)の溶液へのKSCNProOMe(0.548g、2.24mmol)の添加により、直ちに色が青色から橙色へと変化した。この混合物を70℃にて4時間攪拌して、赤色/橙色の混合物を得た。この混合物をエバポレートし、そして残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(50:1のCHCl:MeOH)によって精製して深赤色固体(0.147g、13%)を得た。分析C1724NORuについての計算値:C、40.55;H、4.80;N、2.78;S、12.73。実測値:C、40.68;H、4.82;N、2.76;S、12.60。ES−MS m/z 527[M+Na]、505[M+H]。IR(KBr)ν(cm−1)1746(COMe)、1549(C=O)。
【0336】
(実施例101)
(AMD8823およびAMD8826:Ru(dpac)(SCNProOMe)およびRu(dpac)(Pro)の合成)
([(1−カルボキシメチル)−1、4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’]ビス(1、3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)および[L−プロリナト(1−)−κN,κO]ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III))
(Ru(dpac)(SCNProOMe)およびRu(dpac)(Pro)の合成)
(一般的手順Kを使用する:)
エタノール/水溶液中でのKSCNProOMe(0.382g、2.24mmol)と[Ru(dpac)(MeCN)][CFSO](0.947g、1.22mmol)との反応、続いてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(50:1のCHCl:MeOH)による反応混合物の精製によって、2つの生成物を得た。キャラクタリゼーションデータが[Ru(dpac)(SCNProOMe)](0.065g、5%)と一致した赤色の固体。分析C3732NORu・0.3dpac・1.0EtOHについての計算値:C、60.41;H、4.81;N、1.62;S、7.41。実測値:C、60.48;H、4.91;N、1.80;S、7.64。ES−MS m/z 752[M+H]。IR(KBr)ν(cm−1)1746(COMe);1587(C=O)。キャラクタリゼーションデータが[Ru(dpac)(Pro)](0.095g、18%)と一致した橙色/褐色の固体。分析C3529NORuについての計算値:C、63.63;H、4.42;N、2.12。実測値:C、63.45;H、4.43;N、2.24。ES−MS m/z 661[M+H]。IR(KBr)ν(cm−1)1667(CO )、1586(C=O)。
【0337】
(実施例102)
(AMD8736:[Ru(acac)(SCNProK)]の合成)
[カリウム[(1−カルボキシ)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)])
([Ru(acac)(SCNProK)の調製)
(一般的手順Kを使用する:)
KSCNProK(0.422g、1.58mmol)と[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.756g、1.42mmol)との反応により、暗青色のスラリーを得た。この混合物を1時間還流しながら攪拌し、赤色/黒色の混合物を得た。この混合物をエバポレートして、乾固させた。CHClを用いた残渣の超音波処理により、黒色固体が得られた。この黒色固体を、濾過により除去した。濾液をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1から12:1のCHCl:MeOH)によって精製して、深赤色の固体(0.105g、15%)を得た。分析C1621NORuK・2.1HO・0.2KCFSOについての計算値:C、32.26;H、4.21;N、2.32;S、11.69。実測値:C、32.43;H、4.25;N、2.25;S、11.66。ES−MS m/z 490[M+H]。IR(KBr)ν(cm−1)1558(C=O)。
【0338】
(実施例103)
(AMD8791:[Ru(acac)(NMeIle)]の合成)
([N−メチル−L−イソロイシナト(1−)−κN,κO]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO、κO’)ルテニウム(III))
((Ru(acac)(NMeIle)]の調製)
(一般的手順Kを使用する:)
エタノールおよび水の混合物中のKSCNMeIleK(0.269g、0.903mmol)と[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.445g、0.839mmol)との反応により、直ちに色が青色から橙色/褐色へと変化した。この混合物を70℃にて7時間攪拌して、赤色/褐色溶液を得た。反応混合物の容量を約3mLまで減らし、そしてEtOを添加して褐色の沈殿物を得た。この沈殿物を濾過によって分離した。濾液をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1のCHCl:MeOH)によって精製して、橙色/褐色の固体(0.050g、12%)を得た。分析C1727NORu・0.2C10Oについての計算値:C、46.75;H、6.39;N、3.06。実測値:C、47.03;H、6.16;N、3.28。ES−MS m/z 465[M+Na]、443[M+H]。IR(KBr)ν(cm−1)1670、1560(C=O)。
【0339】
(実施例104)
(AMD8795:[Ru(acac)(NMeIle)]の合成)
(ビス[μ−[N−メチル−L−イソロイシナト(1−)−κN:κO]]テトラキス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ジルテニウム(III))
([Ru(acac)(NMeIle)]の調製)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.270g、0.508mmol)をEtOH(6mL)に溶解して、暗青色の溶液を得た。NMeIle(0.084g、0.581mmol)を添加し、そしてこの混合物を75℃にて16時間攪拌して橙色の溶液を得た。溶媒を減圧下で除去し、そして橙色の残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1のCHCl:MeOH)によって精製して、橙色の固体(0.150g、67%)を得た。分析C345612Ru・0.3C14についての計算値:C、47.11;H、6.65;N、3.07。実測値:C、47.21;H、6.62;N、3.08。ES−MS m/z 911[M+Na]。IR(KBr)ν(cm−1)1649、1552(C=O)。
【0340】
(実施例105)
(AMD8845:[Ru(dpac)(Pro)]
([ビス[μ−[L−プロリナト(1−)−κN:κO]]テトラキス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ジルテニウム(III)]の合成)
([Ru(dpac)(Pro)]の調製)
[Ru(dpac)(MeCN)][CFSO](0.493g、0.633mmol)を、EtOH(8mL)に溶解して、暗緑色溶液を得た。(L)−プロリン(0.078g、0.677mmol)を添加し、そしてこの混合物を75℃で16時間攪拌して、褐色/橙色の溶液を得た。この溶媒を減圧下で除去し、そして褐色の残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(50:1 CHCl:MeOH)によって精製して、橙色/褐色の固体(0.035g、8%)を得た。分析C706012Ru・0.4CHClについての計算値:C、62.43;H、4.50;N、2.06。実測値:C、62.44;H、4.53;N、1.98。ES−MS m/z 1345[M+Na]。IR(KBr)ν(cm−1)1666、1522(C=O)。
【0341】
(実施例106)
(AMD8856:Ru(acac)(2−ピリジンチオラト)(2−ピリジンチオン)の合成)
([ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)[2(1H)−ピリジンチオナト−κS][2(1H)−ピリジンチオン−κS]ルテニウム(III)])
(Ru(acac)(2MP)の調製)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.399g、0.751mmol)をEtOH(10mL)中に溶解して、暗青色の溶液を得た。2−メルカプトピリジン(0.340g、3.06mmol)を添加し、そしてこの混合物を攪拌し、そして75℃にて5時間加熱して、赤色/紫色の溶液を得た。溶媒を減圧下で除去し、そして紫色の残渣をシリカゲルでの分取TLC(20:1のCHCl:MeOH)によって精製して、紫色の固体(0.057g、14%)を得た。分析C2023Ruについての計算値:C、46.14;H、4.45;N、5.38;S、12.32。実測値:C、46.15;H、4.48;N、5.42;S、12.23。ES−MS m/z 522[M+H]。IR(KBr)ν(cm−1)1545(C=O)、1120(C=S)。
【0342】
(実施例107)
(AMD8857:Ru(acac)(η−2−ピリジンチオラト)の合成)。
【0343】
([ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)[2(1H)−ピリジンチオナト−κN,κS]ルテニウム(III)])
([Ru(acac)(2MP)]の調製)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.292g、0.550mmol)をEtOH(10mL)中に溶解して、暗青色の溶液を得た。2−メルカプトピリジン(0.065g、0.588mmol)およびKOH(0.036g、0.645mmol)を添加して、瞬間の橙色の溶液を得た。この混合物を80℃にて4時間攪拌して、ターコイズ色の溶液を得た。溶媒を減圧下で除去し、そして青色の残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(25:1のCHCl:MeOH)により精製した。ターコイズブルー色のバンドを単離し、このバンドを分取TLCによってさらに精製して、青色の固体(0.089g、40%)を得た。分析C1518NOSRu・0.3COについての計算値:C、44.74:H、4.68;N、3.28;S、7.51。実測値:C、44.70;H、4.55;N、3.37;S、7.51。ES−MS m/z 433[M+Na]、411[M+H]。IR(KBr)ν(cm−1)1545(C=O)。
【0344】
(実施例108)
(AMD8865:[Ru(acac)(4ImP)][CFSO]の合成)
([ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ビス[4−(1H−イミダゾール−1−イル−κN)フェノール]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
([Ru(acac)(4ImP)][CFSO]の調製)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.405g、0.550mmol)をEtOH(10mL)中に溶解して、暗青色溶液を得た。4−(イミダゾール−1−イル)フェノール(4ImP)(0.538g、3.36mmol)を添加し、そしてこの混合物を80℃にて21時間攪拌して、深赤色溶液を得た。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1のCHCl:MeOH)によって精製して赤色結晶固体(0.203g、34%)を得た。分析C2930SFRuについての計算値:C、45.31;H、3.93;N、7.29;S、4.17。実測値:C、45.44;H、4.11;N、7.00;S、3.88。ES−MS m/z 620[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)1524(C=O)。
【0345】
(実施例109)
(AMD8873およびAMD8877:[Ru(dpac)(4ImP)(MeCN)][CFSO]EtOHおよび[Ru(dpac)(4ImP)][CFSO]の合成)
([(アセトニトリル)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)[4−(1H−イミダゾール−1−イル−κN)フェノール]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート]および[ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ビス[4−(1H−イミダゾール−1−イル−κN)フェノール]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
[Ru(dpac)(MeCN)][CFSO](0.305g、0.341mmol)をEtOH(10mL)中に溶解して、暗緑色溶液を得た。4−(イミダゾール−1−イル)フェノール(0.327g、2.04mmol)を添加し、そして混合物を80℃にて24時間攪拌して褐色溶液を得た。溶媒を減圧下で除去し、そして褐色残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(20:1のCHCl:MeOH)によって精製して、以下の2つの生成物を得た:褐色固体(0.080g、25%)としての[Ru(dpac)(4ImP)][CFSO](C4439SFRuについての分析、計算値:C、55.99;H、4.16;N、4.45;S、3.40。実測値:C、56.18;H、4.25;N、4.46;S、3.16。ES−MS m/z 795[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)2361(C≡N)、1522(C=O));および褐色固体(0.085g、24%)としての[Ru(dpac)(4ImP)(MeCN)][CFSO]・EtOH(C4938SFRu・3.4COについての分析、計算値:C、61.22;H、4.21;N、9.69;S、2.05。実測値:C、61.51;H、4.44;N、9.42;S、1.87。ES−MS m/z 868[M−CFSO。IR(KBr)ν(cm−1)1522(C=O))。
【0346】
(実施例110)
(AMD8866:[Ru(acac)(ImProOMe)][CFSO]の合成)
([ビス[メチル−1−[(1H−イミダゾール−1−イル−κN)アセチル]−L−プロリネート]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO、κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート])
(リガンド:ImProOMeの合成)
(N−(2−クロロ)アセトアミド−(L)−プロリンメチルエステル)
クロロ酢酸(0.674g、7.13mmol)をTHF(40mL)中に0℃にて窒素下で溶解した。次いで、N−メチルモルホリン(784μL、7.18mmol)を添加し、そして無色の混合物を10分間攪拌し、イソ−ブチルクロロホルメート(1.01mL、7.84mmol)を添加し、そしてこの混合物を30分間攪拌し、この間に、白色スラリーが形成された。氷浴を除去し、そして(L)−プロリンメチルエステル(0.600g、4.65mmol)およびN−メチルモルホリン(550μL、5.04mmol)を添加した。反応スラリーを室温にて5.5時間攪拌し、そして得られた白色沈殿物を濾別し、そしてTHF(3×5mL)で洗浄した。合わせた濾液をエバポレートして乾固し、そして残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(22:1のCHCl:MeOH)によって精製して、表題化合物を淡黄色オイル(0.422g、44%)として得た。ES−MS m/z 206[M+H]H NMR(CDCl)δ1.96(m、2H)、2.14(m、2H)、3.56(m、2H)、3.63(s、3H)、3.96(d、2H、J=3.3Hz)、4.42(dd、1H、J=8.5Hz);13C NMR(CDCl)δ25.2、29.5、42.3、47.4、52.7、59.7、165.2、172.5。
【0347】
(ImProOMeの調製)
N−(2−クロロ)アセトアミド−(L)−プロリンメチルエステル(0.422g、2.05mmol)を、イミダゾレートナトリウム(0.281g、3.12mmol)のDMF(5mL)懸濁液に室温で添加し、そしてこの混合物を75℃に、さらに16時間加熱した。この反応混合物をエバポレートし、そしてその残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)により精製し、白色結晶性固体(0.244g、50%)を得た。
【0348】
【数84】
Figure 2004500321
([Ru(acac)(ImProOMe)][CFSO]の調製)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.275g、0.518mmol)を、EtOH(10mL)に溶解し、暗青色溶液を得た。ImProOMe(0.244g、1.08mmol)を添加し、そしてこの混合物を攪拌して80℃で20時間加熱して、赤/紫溶液を得た。溶媒を減圧下で除去し、そしてその残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)により精製し、赤色固体(0.127g、32%)を得た。元素分析 C334413SFRuについての計算値:C,42.95;H,4.81;N,9.11;S,3.47.実測値:C,43.06;H,4.94;N,8.83;S,3.27.ES−MS m/z 774[M−CFSO.IR(KBr)ν(cm−1)1670,1522(C=O)。
【0349】
(実施例111)
AMD8891:[Ru(acac)(ヒスタミン)(MeCN)][CFSO]の合成。[(アセトニトリル)(4−エチルアミノ−1H−イミダゾール−κN)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)]。
【0350】
([Ru(acac)(ヒスタミン)(MeCN)][CFSO]の調製)
[Ru(acac)(MeCN)][CFSO](0.338g、0.638mmol)をEtOH(10ml)に溶解し、暗青色の溶液を得た。ヒスタミン(0.083g、0.744mmol)を添加し、そしてこの混合物を80℃で1時間攪拌し、次いで室温で18時間攪拌して、赤/褐色溶液を得た。溶媒を減圧下で除去し、そして褐色の残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(20:1 CHCl:MeOH)により精製して、橙色固体(0.066g、17%)を得た。元素分析 C1826SFRu・0.9COについての計算値:C,38.09;H,4.85;N,8.58;S,4.91.実測値C,38.15;H,4.61;N,8.41;S,4.70.ES−MS m/z 452[[M−CFSO.IR(KBr)ν(cm−1)2291(C≡N)、1670,1547(C=O)。
【0351】
(実施例112)
AMD8903:[Ru(edtmp)]・3HO調製。
【0352】
水(15mL)中のK[RuCl(HO)](0.35g)およびエチレンジアミン四ホスホン酸(edtmp)(0.40g)の混合物を、1時間加熱還流した。この暗色溶液を2日間放置し、次いで約3mLまでエバポレートした。メタノール(約15mL)を加えると、緑色沈殿が形成した。この固体を濾過により集め、そしてメタノールをこの濾液に加えて、黄色固体を沈殿させた。この黄色固体をまた、濾過により集め、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、表題化合物(60mg、11%)を得た。元素分析 C2315Ru:C,12.24;H,3.95;N,4.76.実測値:C,11.82;H,3.43;N,4.43.
(実施例113)
AMD6245:[Ru(Hedta)]HOの調製。
【0353】
K[Ru(Hedta)Cl]・2HO(16.0g、0.032mmol)を脱イオン水(750mL)中で2時間加熱還流した。溶液の体積を元の体積の2分の1まで減らし、そしてこの溶液に約2〜3mgのRu(Hedta)(OH)結晶種を加えた。冷却した際に沈殿が生成し、この沈殿を濾過により取り出し、氷冷水、エタノールそしてジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を減圧下40℃で一晩乾燥した(10.0g、77%)。元素分析 C1015Ru:C,29.42;H,3.70;N,6.86;Cl,0.0.実測値:C,29.34;H,3.66;N,6.92;Cl,0.0.IR(CsI)ν(cm−1)3148(OH);1741(COH);1651(CO)。(Mukaidaら、Nippon Kagaku Zassi,86,589(1965))
(実施例114)AMD6245およびAMD6221による腫瘍増殖の阻害における結果
NOは、腫瘍増殖および血管新生の制御において重要である(Thomsenら、Cancer and Metastasis Rev.17 107−118,(1998);Jenkinsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,4392−4396,(1995);Edwardsら、J.Surg.Res.,63,49−52,(1996))。一酸化窒素シンターゼは、数多くのヒトおよび齧歯類の癌において発現されるということが示されてきた。これらの癌としては、ヒトの婦人科学的癌(Thomsenら、Cancer Res.,54,1352−1354,(1994),Thomsenら、Biochem.Pharmacol.,56,1365−1370,(1998))ならびにヒト乳癌の支質(Thomsenら、Br.J.Cancer,72,41−44,(1995)、ヒト肺癌の支質(Ambsら、Br.J.Cancer,78,233−239,(1998))、ヒト結腸癌の支質(Ambsら、Cancer Res.,58,334−341,(1998))、およびラット結腸腫瘍の支質(Takahashiら、Cancer Res.,57,1233−1237,(1997))が挙げられる。一酸化窒素は、新脈管形成(新しい血管の生長)の活性メディエーターである(Fukumuraら、Cancer and Metastasis Rev.、17,77−89,(1998);Zicheら、J.Clin.Invest.,99,2625−2634、(1997);Galloら、J.Natl.Cancer Inst.,90,587−596(1998))。充分な血液供給の確立は、充実性腫瘍の増殖に必須である。さらに、一酸化窒素は、腫瘍の血管拡張神経の緊張(tone)を維持するため(Tozerら、Cancer Res,57,948−955,(1997))、腫瘍血流を調節するため(Tozerら、Cancer Res,57,948−955,(1997)、Doiら、Cancer、77,1598−1604,(1996))、そして腫瘍酸素付加およびエネルギー状態のため(Woodら、Biochem.Biphys.Res.Commun.,192,505−510,(1993))に重要であることが示されてきた。新脈管形成プロセスは、充実性腫瘍の転移と深く関連する。一酸化窒素は、腫瘍保有マウスにおいて血管浸透性、すなわち転移の必要条件を増大させる(Doiら、Cancer,77,1598−1604,(1996);Maedaら、Jpn.J.Cancer Res.,85,331−334,(1994);Wuら、Cancer Res.,58,159−165,(1998))。NOSインヒビターによるNO合成の阻害は、EMT−6マウス胸部腫瘍における増大したNO産生に関連する、転移および腫瘍サイズにおける増大を阻害するということが示されてきた(Edwardsら、J.Surg.Res.,63,49−52,(1996))。NOSインヒビターの投与は、インビボでの実験的腫瘍の増殖を阻害するということが示されてきた(Kennovinら、Biology of Nitric Oxide,第4巻(S.Moncada,M.Feelisch,R.Busse,およびA.E.Higgs編)、Portland Press,London,1994,473−479頁、Thomsenら、Cancer Res.,57,3300−3304(1997))。
【0354】
腫瘍増殖に対するAMD6245(実施例113)およびAMD6221(実施例8)の効果を、BD−IXラットにおけるラットP22癌肉腫増殖を使用して評価した(Kennovinら、Biology of Nitric Oxide,第4巻(S.Moncada,M.Feelisch,R.Busse,およびA.E.Higgs編)、Portland Press,London,1994,473−479頁)。この腫瘍を、0日目に雄性BD−IXラットの背部表面に皮下的に移植した。腫瘍増殖を、カリパスおよび式:体積=(X.Y)π/6(ここで、X=腫瘍の短軸、およびY=腫瘍の長軸)から算出された腫瘍体積を用いて、毎日測定した。腫瘍は10日目まで測定可能であった。AMD6245およびAMD6221を、50mg/kgの用量で腹腔内注入により、10〜28日目まで毎日投与した。腫瘍血管新生(微小血管密度(Microvascular Density)すなわちMVD)を、抗CD31抗体を用いる免疫染色後のChalkley点計数法(point counting)により測定した(Vermeulenら、Eur.J.Cancer,32A,2474−2484,(1996))。亜硝酸イオン(nitrite)/硝酸イオン(nitrate)を、Griessアッセイにより測定した(表4を参照のこと)。これらのアニオンは、溶液中のNOの安定な最終産物である。硝酸イオンは最初に亜硝酸イオンレダクターゼにより還元された。亜硝酸イオンと硝酸イオンの合計が、全NO産生を与える。
【0355】
AMD6245およびAMD6221は、P22癌肉腫の増殖を阻害した(図3)。腫瘍血管新生(MVD)は、処置されていないコントロール腫瘍(平均Chalkeyスコア=13.0)と比較して、AMD6245で処置された動物由来の腫瘍(平均Chalkeyスコア=3.0)およびAMD6221で処置された動物由来の腫瘍(平均Chalkeyスコア=5.3)においてより低かった。28日目における亜硝酸イオン/硝酸イオンレベルは、処置されていないコントロール動物(血漿1リットルあたり7.75μモル)と比較して、AMD6245で処理された動物(血漿1リットルあたり3.88μモル)およびAMD6221処置された動物(血漿1リットルあたり5.09μモル)においてより低かった。従って、AMD6245およびAMD6221は、腫瘍増殖を阻害した。このことは、腫瘍血液供給の減少および血漿NOレベルの減少と関連した。
(表4)
結果を、Griessアッセイにより測定されたような、刺激されたインビボRAW264細胞培養上清中の亜硝酸イオンの正味の減少として表す。
【0356】
【表4】
Figure 2004500321
Figure 2004500321
AMD6221についての代表的な結果は、100μMでの37.6μMであり、250μM L−NMMAは、100μM AMD6221に対して同様の結果を与えた。他に記述されないかぎり、全ての化合物を、100μMで試験した。100μMでの毒性のために、より低い濃度を使用した。
(表5)
化合物名の要約
【0357】
【表5】
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
Figure 2004500321
本発明の前記の局面および多くの付属の利点は、より容易に明らかになり、そしてこれは以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照することによって、より良く理解される:
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の化合物により誘発される圧力変化を示し、これはコントロールレベルと比較した有効な一酸化窒素の減少を示す。
【図2】
図2は、コントロールレベルと比較した、一酸化窒素と本発明の化合物との反応後の有効な一酸化窒素の濃度(μmol/l)を示す。
【図3】
図3は、AMD6245およびAMD6221による腫瘍増殖の阻害を示す。
【図4】
図4A〜4Gは、開示されるAMD−番号化合物の化学構造式を示す。
【図5】
図5A〜5Cは、開示されるAMD−番号化合物の化学構造式を示す。

Claims (26)

  1. NO以外の反応性酸素種の高レベルによって特徴付けられる哺乳動物被験体の状態の処置のための医薬品の製造のための、以下の式
    Figure 2004500321
    の化合物(その任意の薬学的に受容可能な塩およびその任意の立体異性体およびその立体異性体の混合物を含む)の使用であって、
    ここで:
    Mが、金属イオンまたは金属イオンの混合物であり;
    Xが、カチオンまたはカチオンの混合物であり;
    Lが、リガンドまたはリガンドの混合物であり、それぞれが、周期律表のIV族、V族、またはVI族の元素から選択される少なくとも2つの異なるドナー原子を含み;
    Yが、リガンドあるいは同じかまたは異なるリガンドの混合物であって、それぞれが、周期律表のIV族、V族、またはVI族の元素から選択される少なくとも1つのドナー原子または1つより多いドナー原子を含み;そして
    Zが、ハライドイオンまたは偽ハライドイオンあるいはハライドイオンおよび偽ハライドイオンの混合物であり;そして
    ここで、a=1〜3;b=0〜12;c=0〜18;d=0〜18;e=0〜18;そしてn=0〜10;但し、c、d、およびeの少なくとも1つが1以上であり;
    ここで、cが0である場合、bも0であり;
    ここで、aが1である場合、c、dおよびeは、9よりも大きくはなく;そして
    ここで、aが2である場合、c、dおよびeは、12より大ききくない、
    使用。
  2. 請求項1に記載の使用であって、ここで、前記反応性酸素種が、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、過酸化物、ペルオキシ−ニトライト、およびNO以外の窒素酸化物からなる群から選択され、該種が、タンパク質付加物を含む、使用。
  3. 請求項1または2に記載の使用であって、ここで、Mが第1、第2または第3列の遷移金属であるか、または酸化状態IIIであるか、またはRh、Ru、Os、Mn、Co、Cr、およびReからなる群から選択される、使用。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の使用であって、ここで、Xが、1価、2価または3価のカチオンであるか、あるいは、H、K、Na、NH およびCa2+からなる群から選択される、使用。
  5. 請求項1〜4にいずれかに記載の使用であって、ここで、Lが、トロポロン;エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(edda)、エチレンジアミン四酢酸(edta)、ニトリロ三酢酸(nta)、ジピコリン酸(dipic)、ピコリン酸(pic)、ジエチレントリアミン五酢酸(dtpa)、チオビス(エチレンニトリロ)四酢酸(tedta)、ジチオエタンビス(エチレンニトリロ)四酢酸(dtedta)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(hedtra)、edtaのジアミド、dtpaのジアミド、これらのアミドもしくはエステル誘導体、またはこれらの任意の混合物からなる群から選択されるか、あるいはLIIが、多座アミノカルボキシレートリガンドである、使用。
  6. 請求項1または2のいずれかに記載の使用であって、ここで、式1の化合物が、以下の式:
    Figure 2004500321
    の化合物(その任意の薬学的に受容可能な塩およびその任意の立体異性体およびその立体異性体の混合物を含む)であって、
    ここで、LIIが、リガンドあるいは同じかまたは異なるリガンドの混合物であり、それぞれが、トロポロン;エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(edda)、エチレンジアミン四酢酸(edta)、ニトリロ三酢酸(nta)、ジピコリン酸(dipic)、ピコリン酸(pic)、ジエチレントリアミン五酢酸(dtpa)、チオビス(エチレンニトリロ)四酢酸(tedta)、ジチオエタンビス(エチレンニトリロ)四酢酸(dtedta)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−三酢酸(hedtra)、edtaのジアミド、dtpaのジアミド、これらのアミドもしくはエステル誘導体、またはこれらの任意の混合物からなる群から選択されるか、あるいはLIIが、多座アミノカルボキシレートリガンドであり;
    Yが、リガンドあるいは同じかまたは異なるリガンドの混合物であり、それぞれが、少なくとも1つのドナー原子または1つより多いドナー原子を含み、該ドナー原子が、アセチルアセトン(acac)、βジケトネート;水;ジメチルスルホキシド(dmso);カルボキシレート;二座カルボキシレート;カテコール;コウジ酸;マルトール;ヒドロキシド;トロポロン;マロン酸;シュウ酸;2,3−ジヒドロキシナフタレン;スクエア酸;アセテート;スルフェートおよびグリコレートからなる群から選択される、使用。
  7. 請求項6に記載の使用であって、ここで、式Iの化合物が、K[Ru(Hedta)Cl]2HO;[Ru(Hedta)(acac)];K[Ru(hedtra)Cl]HO;K[Ru(dipic)]HO;(Hpic)[RuCl(pic)](Hpic)HO;K[Ru(Hedta)Cl]HO;K[Ru(Hnta)]1/2HO;K[Ru(Hdtpa)Cl]HO;[Ru(Hhedtra)acac]HO;[Ru(Hhedtra)trop];および[Ru(Hdtpa)Cl]からなる群から選択される、使用。
  8. 請求項1または2に記載の使用であって、ここで、式Iの化合物が、以下の式:
    Figure 2004500321
    の化合物であり、
    ここで、
    Mが、金属イオンまたは金属イオンの混合物であり;
    Yが、リガンドあるいは同じかまたは異なるリガンドの混合物であって、それぞれが、周期律表のIV族、V族、またはVI族の元素から選択される少なくとも1つのドナー原子または1つより多いドナー原子を含む、使用。
  9. 請求項8に記載の使用であって、ここで、Yが、イオウドナーリガンドである、使用。
  10. 請求項8に記載の使用であって、ここで、前記錯体が、[Ru(mtc)]またはRu(SCNCHCHNMeCHCH 1/2HOであり、ここで、mtcが4−モルホリンカルボジチオ酸である、使用。
  11. 請求項8に記載の使用であって、ここで、MIIIが、ルテニウムであり、そしてYIIIが、アセテート、ラクテート、水、オキサイド、プロピオネート(COEt)、オキサレート(ox)、およびマルトレート(maltol)、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される酸素ドナーリガンドである、使用。
  12. 請求項8に記載の使用であって、ここで、前記式Iの化合物が、[RuO(OAc)](OAc);[RuO(lac)](lac);[Ru(OAc)]NO;[Ru(OCOEt)]NO;K[Ru(Ox)];[Ru(OAc)]Cl;および[Ru(maltol)]からなる群から選択される、使用。
  13. 請求項1または2に記載の使用であって、ここで、前記式Iの化合物が、以下の式:
    Figure 2004500321
    の化合物であり、YIVが、窒素ドナーリガンドである、使用。
  14. 請求項13に記載の使用であって、ここで、YIVが、アミン;エチレンジアミン(en);ピリジン(py);1,10−フェナントロリン(phen);2,2−ビピリジン(bipy)または1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(cyclam);1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4,7−トリアザシクロノナントリス酢酸;2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリン(oep);およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、使用。
  15. 請求項13に記載の使用であって、ここで、前記式Iの化合物が、[Ru(HN)Cl]Cl;[Ru(en)]I;トランス−[RuCl(py)];K[Ru(phen)Cl];[Ru(cyclam)Cl]Cl;K[Ru(bipy)Cl];[Ru(NH]Cl;[Ru(NHCl]Cl;Ru(oep)Ph;およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、使用。
  16. 請求項1または2に記載の使用であって、ここで、前記式Iの化合物が、以下の式:
    Figure 2004500321
    の化合物であり、ここで、Yがドナーリガンドの組み合わせである、使用。
  17. 請求項16に記載の使用であって、ここで、Yが、アミン;dmso;オキサレート;bipy;acac;シアン化メチル;およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、使用。
  18. 請求項16に記載の使用であって、ここで、前記式Iの化合物が、[Ru(NH)(dmso)Cl];シス−[Ru(dmso)Cl];シス−[Ru(NH)(dmso)Cl];[Ru(dmso)Cl];[Os(ox)(bipy)]HO;[Ru(acac)(MeCN)]CFSO;およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、使用。
  19. 請求項1または2に記載の使用であって、ここで、前記式Iの化合物が、Ru(Hdtpa)ClまたはRu(Hedta)、すなわちAMD6221(実施例8)またはAMD6245(実施例113)である、使用。
  20. 必要に応じて水和される錯体であって、以下:
    (a)AMD7040、二水素 クロロ[[2,6−(ピリジニル−κN)メチル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN、κO]]ルテニウム(III);
    (b)AMD7043、二水素 ジクロロ[[N,N’−1,2−エタンジイル]ビス[(2−ピリジニル−κN)メチルグリシナト−κN]ルテニウム(III)塩化物;
    (c)AMD7056、アクアクロロ[[N−2[(2−ピリジニル−κN)オキソ−メチル)アミノエチル][((2−カルボキシ−κO)メチル)グリシナト−κN、κO]]ルテニウム(III);
    (d)AMD7046、水素 クロロ[N−[ビス((2−(カルボキシ−κO)メチル)イミノ−κN)エチル]−(2−ピリジニル−κN)メチルグリシナト−κN]ルテニウム(III);
    (e)AMD7087、水素 アクア[N−ビス((2−カルボキシ−κO)メチル)イミノ−κN]−1,2−フェンジイル(2−(カルボキシ−κO)メチル)グリシナト−κN]ルテニウム(III);
    (f)AMD7459、二水素 クロロ[[N,N’−[[(フェニルメチル)イミノ−κN]−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グルシナト−κN,κO]]ルテニウム(III);
    (g)AMD7460、二水素 クロロ[[N,N’−[[(2−ピリジニルメチル)イミノ−κN]ジ−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN、κO]]]ルテニウム(III);
    (h)AMD8676、二水素 [[N,N’−[(ブチルイミノ−κN)ジ−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,κO]]]クロロルテニウム(III);
    (i)AMD8679、二水素 クロロ[[N,N’−[(エチルイミノ−κN)ジ−2,1−エタンジイル]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,κO]]]ルテニウム(III);
    (j)AMD8684、二水素 クロロ[[N,N’−[(フェニルイミノ−κN)ジ−2,1−エタンジイル]]ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κK,κO]]]ルテニウム(III);
    (k)AMD7436、[N−[2−[[(カルボキシ−κO)メチル][(2−ピリジニル−κN)メチル]アミノ−κN]エチル−N−[2−[(カルボキシメチル)[(2−ピリジニル−κN]メチル]アミノ−κN]エチル]グリシナト−κN]ルテニウム(III)ビス(トリフルオロアセテート);
    (l)AMD8701、カリウム 二水素 ジクロロ[[N,N’−1,3−プロパンジイルビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,κO]]]ルテニウム(III);
    (m)AMD7494、水素 アクア[6−[[[(カルボキシ−κO)メチル](カルボキシメチル)アミノ−κN]メチル]−2−ピリジンカルボキシラト−κN,κO]クロロルテニウム(III);
    (n)AMD7493、水素 アクア[N−(カルボキシメチル)−N−[[6−(ヒドロキシメチル)−2−ピリジニル−κN]メチル]グリシナト−κN,κO]ジクロロルテニウム(III);
    (o)AMD8699、アクア[N−[[(カルボキシル−κO)メチル]−N−[[6−[(フェニルメトキシ)メチル]−2−ピリジニル−κN]メチル]グリシナト−κN,κO]クロロルテニウム(III);
    (p)AMD8677、カリウム クロロ[メチル3−[[[2−[ビス[(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]エチル][(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]メチルベンゾエートルテニウム(III);
    (q)AMD8893、アクア[N−[2−[ビス[(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]エチル]−N−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]グリシナト−κN,κO]ルテニウム(III);
    (r)AMD8894、カリウム アクア[N−[2−[ビス[(カルボキシ−κO)メチル]アミノ−κN]エチル]−N−[(カルボキシ−κO)メチル]グリシル−κN−L−イソロイシナトルテニウム(III);
    (s)AMD8711、水素 アクア「N−[2−[[(カルボキシ−κO)メチル](カルボキシメチル)アミノ−κN]エチル]−N−(フェニルメチル)グリシナト−κN,κO]クロロルテニウム(III);
    (t)AMD8702、二水素 アクア[3−[[[(カルボキシ−κO)メチル][2−[[(カルボキシ−κO)メチル](カルボキシメチル)アミノ−κN]エチル]アミノ−κN]メチル]ベンゾアト]クロロルテニウム(III);
    (u)AMD8849、アクアクロロ[[N,N’−1,2−エタンジイルビス[N−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]グリシナト−κN,κO]]]ルテニウム(III);
    (v)AMD7461、2水素 アクア[[N,N’−(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル)ビス[N−(カルボキシメチル)グリシナト−κN,O]]](トリフルオロメタンスルホナト−κO)ルテニウム(III);
    (w)AMD7462、カリウム ジクロロ[[N,N’−1,2−エタンジイルビス[グリシナト−κN,κO]]ルテニウム(III);
    (aa)AMD8670、(ジメチルカルバモジチオアト−κS)(ジメチルカルバモジチオアト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (bb)AMD8803、(ジエチルカルバモジチオアト−κS)(ジエチルカルバモジチオアト−κS、κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (cc)AMD8842、(1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS)(1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (dd)AMD8731、二水素 ((1−カルボキシ)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS)((1−カルボキシ)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (ee)AMD8802、((1−カルボキシメチル)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS)((1−カルボキシメチル)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (ff)AMD8801、二水素 (N−メチル−N−sec−ブチルカルボキシカルバモジチオアト−κS)(N−メチル−N−sec−ブチルカルボキシカルバモジチオアト−κS,κS’)[オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (gg)AMD8682、(ジメチルカルバモジチオアト−κS)(ジメチルカルバモジチオアト−κS,κS’)[ヘキサヒドロ−1,4,7−トリメチル1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (hh)AMD8800、[(N−(カルボキシ−κO)−メチル)−N−メチルグリシナト−κN,κO)][オクタヒドロ−1H−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III)ヘキサフルオロホスフェート;
    (ii)AMD8811、水素 クロロ[ヘキサヒドロ−1,4,7−(トリカルボキシ−κO,κO’−メチル)−1,4,7−トリアゾニン−κN,κN,κN]ルテニウム(III);
    (jj)AMD7044、クロロ(2,2’−ビピリジン−κN,κN’)((2,2’:6’.2’’−テルピリジン−κN,κN’,κN’’)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート;
    (kk)AMD7054、クロロビス(2(1H)−ピリジンチオン−κS)(2,2’:6’.2’’− テルピリジン−κN,κN’,κN’’)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート;
    (ll)AMD7055、クロロビス(2(1H)−ピリミジンチオン−κS)(2,2’:6’.2’’− テルピリジン−κN,κN’,κN’’)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート;
    (mm)AMD7086、クロロ(ジメチルカルバモジチオアト−κS,κS’)(2,2’:6’.2’’− テルピリジン−κN,κN’,κN’’)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート;
    (qq)AMD7045、ビス(2,2’−ビピリジン−κN,κN’)(2(1H)−ピリジンチオナト−κN,κS)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート;
    (rr)AMD8657、ビス(アセトニトリル)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (ss)AMD8660、ビス(アセトニトリル)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (tt)AMD8892、ビス(アセトニトリル)ビス(3−メチル−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (uu)AMD8901、ビス(アセトニトリル)ビス(3−メチル−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (vv)AMD8883、ビス(アセトニトリル)ビス(3−クロロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (ww)AMD8884、ビス(アセトニトリル)ビス(3−クロロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (xx)AMD8881、ビス(アセトニトリル)ビス(3−ブロモ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (yy)AMD8900、ビス(アセトニトリル)ビス(3−ブロモ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);および
    (zz)AMD8910、ビス(アセトニトリル)(2,4−ペンタンジチオナト−κO,κO’)(3−ヨード−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート、
    からなる群から選択される、錯体。
  21. 必要に応じて水和される錯体であって、以下:
    (a)AMD8896、テトラキス(アセトニトリル)(3−ヨード−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II)トリフルオロメタンスルホネート;
    (b)AMD8691、ビス(アセトニトリル)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (c)AMD8692、ビス(アセトニトリル)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (d)AMD8707、ビス(アセトニトリル)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO、κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (e)AMD8658、ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (f)AMD8693、sym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (g)AMD8694、asym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (h)AMD8730、sym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (i)AMD8710、asym−ビス(アセトニトリル)ビス(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(II);
    (j)AMD8757、ビス(アセトニトリル)ビス[(3−ヒドロキシ−κO)−2−メチル−4−ピロナト−κO’]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (k)AMD8695、ビス(アセトニトリル)ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト](N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン−κN,κN’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (l)AMD8696、ビス(アセトニトリル)ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン−κN)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (m)AMD8704、ビス(アセトニトリル)[N,N’−ビス[2−(アミノ−κN)エチル]アミン]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (n)AMD8705、ビス(アセトニトリル)[N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン−κN,κN’]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (o)AMD8874、ビス(アセトニトリル)[2−(2−アミノ−κN−エチルアミノ−κN’)エタノール]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (p)AMD8878、ビス(アセトニトリル)[N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン−κN,κN’]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (q)AMD8879、ビス(アセトニトリル)[N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン−κN,κN’]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (r)AMD8813、ビス(アセトニトリル)[N,N−ビス[2−(アミノ−κN)エチル]−l−イソロイシル−L−プロリナト]ビス[4−(ヒドロキシ−κO)−3−ペンテン−2−オナト]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (s)AMD8656、(ジメチルカルバモジチオアト−κS,κS’)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III);
    (t)AMD8792、(ジメチルカルバモジチオアト−κS,κS’)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III);
    (u)AMD8822、[(1−カルボキシメチル)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III);
    (v)AMD8823、[(1−カルボキシメチル)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’]ビス(1,3−ジフェニル−1,3−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III);
    (w)AMD8826、[L−プロリナト(1−)−κN,κO]ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III);
    (x)AMD8736、カリウム[(1−カルボキシ)−1,4−ブタンジイルカルバモジチオアト−κS,κS’]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III);
    (y)AMD8791、[N−メチル−L−イソロイシナト(1−)−κN,κO]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III);
    (z)AMD8795、ビス[μ−[N−メチル−L−イソロイシナト(1−)−κN,κO]]テトラキス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ジルテニウム(III);
    (aa)AMD8845、ビス[μ−[L−プロリナト(1−)κN:κO]]テトラキス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ジルテニウム(III);
    (bb)AMD8856、ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)[2(1H)−ピリジンチオナト−κS][2(1H)−ピリジンチオン−κS]ルテニウム(III);
    (cc)AMD8857、ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)[2(1H)−ピリジンチオナト−κN,κS]ルテニウム(III);
    (dd)AMD8865、ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ビス[4−(1H−イミダゾイル−1−イル−κN)フェノール]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (ee)AMD8873、(アセトニトリル)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)[4−(1H−イミダゾール−1−イル−κN)フェノール]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (ff)AMD8877、ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト−κO,κO’)ビス[4−(1H−イミダゾール−1−イル−κN)フェノール]ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;
    (gg)AMD8866、ビス[メチル−1−[(1H−イミダゾール−1−イル−κN)アセチル]−L−プロリネート]ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)トリフルオロメタンスルホネート;および
    (hh)AMD8891、(アセトニトリル)(4−エチルアミノ−1H−イミダゾール−κN)ビス(2,4−ペンタンジオナト−κO,κO’)ルテニウム(III)、
    からなる群から選択される、錯体。
  22. 薬学的組成物であって、該組成物が、ヒトまたは動物の被験体における疾患を処置するために、請求項20または21に記載の、必要に応じて水和される中性、アニオン性またはカチオン性の金属錯体を含み、ここで、該疾患が、反応性酸素種の過剰産生から生じる、組成物。
  23. 薬学的組成物であって、該組成物が、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤との混合物中に、請求項20または21に記載の必要に応じて水和される錯体を含む治療的有効量の活性成分を含む、組成物。
  24. 哺乳動物被験体における腫瘍増殖を阻害するための医薬品としての使用のための、式Iの必要に応じて水和される錯体。
  25. 請求項24に記載の錯体であって、ここで、前記錯体が、請求項20または21に記載される、錯体。
  26. 請求項24に記載の錯体であって、ここで、前記錯体が、AMD6221、K[Ru(Hdtpa)Cl]HO;またはAMD6245、[Ru(Hedta)]HOである、錯体。
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