JP2016520538A - 鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療および予防のためのFe(III)錯体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、鉄(III)錯体、ならびにそれらを含む医薬組成物であって、医薬品として使用する医薬組成物、特に鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療および/もしくは予防のために使用する医薬組成物に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物であって、医薬品として使用する医薬組成物、特に鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療および/もしくは予防のために使用する医薬組成物に関する。
鉄は、ほとんどすべての生物にとって必須微量元素であり、特に、増殖および血液の形成に対して関連する。この場合、鉄代謝のバランスは、老化赤血球のヘモグロビンからの鉄の回収レベルと食事中の鉄の十二指腸での吸収レベルとに基づいて主に制御されている。遊離した鉄は腸を通じて、特に特異的な輸送系(DMT−1、フェロポーチン、トランスフェリン、トランスフェリン受容体)を通じて吸収され、そして循環系へと移送し、それによって適切な組織や器官へと運搬される。
ヒトの生体内において、酸素運搬、酸素摂取、ミトコンドリア電子伝達系のような細胞の機能、そして最終的にはエネルギー全体の代謝にとって、元素鉄は非常に重要である。
平均として、ヒトの生体は、4〜5グラムの鉄を含み、それは、酵素中、ヘモグロビンおよびミオグロビン中、ならびにフェリチンおよびヘモジデリンの形態での貯留もしくは貯蔵の鉄として存在する。
これらの鉄のおおよそ半分の約2グラムは、赤血球のヘモグロビンと結合するヘム鉄として存在する。これらの赤血球は、限られた寿命(75〜150日)のみを持つので、新規のものが定常的に形成されるべきであり、かつ古いものは排除される(1秒当たり200万個異常の赤血球が形成される)。この高い再生能力は、マクロファージが老化した赤血球を貪食し、それらを溶解し、これによって鉄を再利用し、鉄の代謝のために取得することによって達成される。赤血球のために必要である毎日約25mgの鉄の量は、主要部分としてこのように提供される。
ヒト成人の毎日の鉄の必要量は、1日当たり0.5mg〜1.5mgの間であり、幼児および妊娠中の女性は、1日当たり2mg〜5mgの鉄を必要とする。例えば皮膚および上皮細胞の落屑による毎日の鉄の消失は低いが、鉄の消失の増加は、例えば女性における月経出血の際に起こる。約2mlの血液当たり約1mgの鉄を消失するので、一般的に血液の消失は、鉄のレベルを大いに減少させる。健康なヒト成人において、約1mgの通常の毎日の鉄の消失は、毎日の食物摂取によって通常は取って代わられる。鉄レベルは吸収によって調節され、食料中に存在する鉄の吸収率は6〜12%の間であり、鉄欠乏の場合は、吸収率は25%にまで上昇する。吸収率は、鉄への要求性および鉄貯蔵のサイズにもとづいて生命体によって調節される。その過程において、人体は二価鉄イオンならびに三価鉄イオンの両方を用いる。通常、鉄(III)化合物は、十分に酸性のpH値において胃で溶解し、そして、吸収可能になる。鉄の吸収は、上部小腸において粘膜細胞によってなされる。その過程において、三価の非ヘム鉄は、例えば、三価鉄還元酵素(膜結合型十二指腸シトクロムb)によって吸収のために小腸細胞膜において還元されてFe(II)となり、これにより、輸送たんぱく質DMT1(二価金属イオン輸送体1)の手段によって小腸細胞へと輸送され得る。対照的に、ヘム鉄は、いかなる変化も必要とせずに、細胞膜を通じて腸細胞へと進入する。腸細胞において、鉄は沈着した鉄としてフェリチン中に貯蔵されるか、または輸送たんぱく質フェロポーチンによって血液中に排出されるかする。ヘプシジンは鉄の取り込みを調節する最も重要な要素であるので、この過程において、中心的な役割を果たす。フェロポーチンにより血液中へ輸送された二価の鉄は、酸化酵素(セルロプラスミン、ヘファスチン)によって三価の鉄へと転換され、そして三価の鉄はトランスフェリンによって生体内の関連する場所に輸送される(例えば「Balancing acts:molecular control of mammalian iron metabolism」、M.W.Hentze、Cell、117、2004年、285〜297ページを参照できる)。
哺乳類の生命体は、鉄を積極的に排出することができない。鉄代謝は、マクロファージ、肝細胞および腸細胞からの鉄の細胞放出を介してヘプシジンによって実質的に調節される。
病的な状態において、減少した血清鉄レベルは、減少したヘモグロビンレベル、減少した赤血球産生を導き、そして貧血へと導く。
貧血の外部症状は、疲労、蒼白、ならびに集中力の低下を含む。貧血の臨床症状は、低い血清レベル(低鉄血症)、低いヘモグロビンレベル、低いヘマトクリットレベル、ならびに、赤血球の数の減少、網状赤血球の減少、および可溶性のトランスフェリン受容体レベルの上昇を含む。
鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血は鉄の供給により治療される。この場合、鉄置換は経口によってか、または静脈内鉄投与によって行われる。さらに、赤血球形成を加速するために、エリスロポエチンおよび他の赤血球生成促進物質もまた、貧血の治療において使用され得る。
貧血は、しばしば栄養失調もしくは鉄分の低い食事、または鉄分の低いバランスの悪い食事習慣にまでさかのぼることができる。さらに、貧血は、例えば胃切除もしくはクローン病のような疾患による、減少した鉄の吸収もしくは鉄吸収の欠乏によっても起こる。さらに、鉄の欠乏は、傷害、強い月経出血、もしくは献血によるような、血液の損失の増加の結果によっても起こり得る。さらに、青年および子供の成長期ならびに妊娠した女性における増加した鉄への要求についても知られる。鉄の欠乏は、赤血球形成の減少を引き起こすのみではなく、それによる生命体における酸素供給の欠乏を引き起こし、結果として、上述の疲労、蒼白、集中力の低下のような症状を引き起こし得、特に青年期において認知発達に長期的な悪影響を引き起こし得るので、非常に有効であり、かつ十分に許容され得る療法が特に関心を持たれている。
本発明によるFe(III)錯体化合物を用いることを通じて、古典的な製剤である、FeSO4のようなFe(II)鉄塩による酸化ストレスによって引き起こされる副作用の大きな可能性を受け入れる必要もなく、経口投与によって鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血を効果的に治療する可能性がある。鉄欠乏状態の不十分な解消の理由であるコンプライアンスの欠乏は、このように避けられる。
先行技術
鉄欠乏状態の治療のための鉄錯体の多くは、先行技術において公知である。
鉄欠乏状態の治療のための鉄錯体の多くは、先行技術において公知である。
これらの錯体化合物の非常に大きな割合は、ポリマー構造からなる。これらの錯体化合物の多くは、鉄−ポリサッカライド錯体化合物である(WO20081455586、WO2007062546、WO20040437865、US2003236224、EP150085)。市販の薬剤(たとえばMaltofer、Venofer、Ferinject、Dexferrum、Ferumoxytol)が存在するのはまさにこの領域である。
ポリマー錯体化合物の群の他の大きな割合は、鉄−ペプチド錯体化合物からなる(CN101481404、EP939083、JP02083400)。
ヘモグロビン、クロロフィル、クルクミンおよびヘパリンのような高分子から構造的に誘導される鉄錯体化合物が文献中に記載される(US474670、CN1687089、Biometals、2009年、22、701〜710ページ)ように存在する。
さらに、低分子Fe錯体化合物もまた文献中に記載される。これらのFe錯体化合物の多数は、配位子としてカルボン酸およびアミノ酸を含む。この場合、焦点は配位子としてのアスパラギン酸(US2009035385)およびクエン酸(EP308362)である。配位子としてフェニルアラニン基誘導体を含むFe錯体化合物はまたこれに関連して記載される(ES2044777)。
さらに、単量体糖単位より構成されるかまたは単量体単位とポリマー単位との組み合わせより構成される、Fe錯体化合物が文献に記載される(FR19671016)。
ヒドロキシピロンFe錯体化合物およびヒドロキシピリドンFe錯体化合物もまた、文献に記載される(EP159194、EP138420、EP107458、EP0120670)。関連する五環系である、ヒドロキシフラノンFe錯体化合物もまたそれらと同様に記載される(WO2006037449)。しかしながら、特にヒドロキシピリドンFe錯体化合物は、比較的低い水溶性を示し、それらを経口投与により好適でなくしている。さらに、ヒドロキシピリドンFe錯体化合物は比較的低い鉄活用度を示す。
さらに、ピリミジン−2−オール−1−オキシド配位子とのFe錯体化合物もまた、鉄欠乏性貧血の治療に利用すべきものとして記載される(WO2012130882)。WO2012163938は、鉄欠乏性貧血の治療に使用すべき、式(I):
の配位子との鉄(III)−2,4−ジオキソ−1−カルボニル錯体化合物を記載する。そのような配位子の構造によって、本願の一般式(I)
による配位子が実現できないことは明らかであり、R1およびR2で示される置換基が一緒に好適なヘテロ環の芳香族環を形成するような場合においても実現されない。残余のカルボニル残基(R3−C(=O)−)は、本願における対応する位置に強制的に存在するアミド基とは明らかに異なる。
の配位子との鉄(III)−2,4−ジオキソ−1−カルボニル錯体化合物を記載する。そのような配位子の構造によって、本願の一般式(I)
による配位子が実現できないことは明らかであり、R1およびR2で示される置換基が一緒に好適なヘテロ環の芳香族環を形成するような場合においても実現されない。残余のカルボニル残基(R3−C(=O)−)は、本願における対応する位置に強制的に存在するアミド基とは明らかに異なる。
さらに、β−ケトアミド配位子との鉄錯体が文献に記載され、それらの鉄欠乏状態の治療における使用が提案される。WO2011117225は、鉄錯体化合物を開示し、それは、β−ケトアミド配位子
から形成される。
から形成される。
そこに定義される置換基R1およびR2の意味に関して、それらが結合する炭素原子と一緒に、それらが任意選択で置換された五員環もしくは六員環を形成し、それらは任意選択で一つもしくはそれ以上のヘテロ原子を含むことが述べられている。しかしながら、芳香族ヘテロ環の環の形態において環形成されないことが記載される。R1およびR2を介するそのような環形成を持つ配位子の具体例として、WO2011117225は、
を示す。
を示す。
そのような置換基R1およびR2を介する環形成を示す鉄(III)錯体の唯一の具体的に開示された例は、トリス−(N,N−ジメチル−2−オキソシクロペンタン:
を含む実施例66に示される。
を含む実施例66に示される。
特にイソニコチンアミド配位子のようなヘテロ環芳香族配位子もしくはそれらから形成される鉄(III)錯体は、WO2011117225には記載されない。しかしながら、そこに示されるシクロペンタンもしくはシクロヘキサンカルボキシアミド鉄(III)錯体は、非常に低い安定性を示し、それらを医薬組成物としてほぼ適用不可能にし、そしてそれらを医療用途として不適切にする。
鉄塩(例えば硫酸鉄(II)、フマル酸鉄(II)、塩化鉄(II)、アスパラギン酸鉄(II)、コハク酸鉄(II))は、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療のための他の重要な構成要素である。
これらの鉄塩は、部分的に、それらが吐き気、嘔吐、下痢、ならびに便秘および生理痛の形で非常に不適合である(50%まで)ため、非常に問題がある。さらに、反応性酸素種(ROS)の形成を触媒する(とりわけフェントン反応)遊離した鉄(II)イオンが、これらの鉄(II)塩の使用の際に生じる。これらのROSは、細胞、組織および器官において広範囲の機能を有しているDNA、脂質、たんぱく質および炭水化物に障害を生じる。これらの問題の複合体が知られており、文献において、それが高い不適合性の原因として大部分が考えられ、そして、酸化ストレスと称される。
目的
本発明の目的は、良好な活性、鉄活用度、ならびに錯体の安定性および錯体の可溶性(それぞれ特に、中性の水性媒体のpHにおいて良好な安定性および良好な可溶性)を持つ、新規の治療に有効な化合物の開発することにあり、それは、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の経口投与による効果的な治療のために使用できる。特に、良好な安定性と良好な可溶性は、有効な経口の鉄治療のために非常に重要である。
本発明の目的は、良好な活性、鉄活用度、ならびに錯体の安定性および錯体の可溶性(それぞれ特に、中性の水性媒体のpHにおいて良好な安定性および良好な可溶性)を持つ、新規の治療に有効な化合物の開発することにあり、それは、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の経口投与による効果的な治療のために使用できる。特に、良好な安定性と良好な可溶性は、有効な経口の鉄治療のために非常に重要である。
さらに、これらの鉄錯体は、特に、従来使用されるFe(II)塩と比較して、有意により少ない副作用もしくは有意により少ない毒性を示すことが推定される。さらに、これらの鉄錯体は、公知のポリマーイオン錯体化合物と比較して、定義された構造(化学量論)を持つと推定され、かつ単純な合成過程によって調製できると推定される。この目的は、新規のFe(III)錯体化合物の開発によって達成された。
さらに、新規の鉄錯体は、それらの錯体に結合した鉄を直接的にフェリチンもしくはトランスフェリンへと放出するためか、または完全な錯体として直接的に血流へと到達させるために、それらが膜を通じて直接的に腸管細胞に取り込まれるように設計されると推定される。それらの性質のために、それら新規の錯体は、高濃度の遊離鉄イオンの存在を実質的に生じることがないと推定される。最終的に生じる副作用の原因であるROSの発生を導くのは、まさに遊離の鉄イオンであるからである。
これらの要求を満たすために、発明者らは、大きすぎない分子量、中間の親油性、非常に良好な活性もしくは鉄活用度、それぞれ、高い水溶性および最適のpH依存性の錯体安定性を持つ新規のFe(III)錯体化合物を開発した。
新規の錯体の開発において、特に中性の水性媒体における安定性の向上は、可溶性を犠牲にして達成されるべきではなく、経口の使用のために、可溶性は非常に重要な基準であるためである。この複合した目的は本発明のFe錯体によって達成される。それらは、中性pHにおける水性媒体中の良好な安定性を示し、かつ同時に水中における非常に良好な可溶性を持つ。このように本発明の鉄錯体化合物は、非常に早期の治療の成功の達成を可能にする。
本発明の発明者は、驚くべきことに、3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子を持つ新規のFe(III)錯体化合物が、上述の要求に特に好適であることを見出した。
本発明の鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物はまた、「鉄(III)−3−ヒドロキシ−ピリジン−4−カルボキシアミド錯体(化合物)」とも交換可能に称され、かつ、それぞれの、本発明の3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子は、「3−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−ピリジン−4−カルボキシアミド」もしくは「3−ヒドロキシピリジン−4−カルボキシアミド」または対応する「〜配位子」と交換可能に称される。
これらのFe錯体化合物が高い鉄取り込みを示し、それによって鉄欠乏性貧血の治療における素早い治療上の成功が達成できることが証明できた。特に、鉄塩と比較して、本発明による錯体化合物は、より早く、かつ、より高い活用を示す。さらに、これらの新規のシステムは遊離の鉄イオンの特筆すべきほど発生することがないため、従来使用された鉄塩よりも有意に副作用を減ずる。本発明による錯体化合物は、フリーラジカルの形成がないため、酸化ストレスをほとんどまったく示さない。このように、従来技術で公知のFe塩の場合よりもこれらの錯体化合物の場合において、有意により少ない副作用が起きる。錯体化合物は、酸性ならびに中性のpH値の範囲において、良好な安定性を示し、それは経口投与において有利である。錯体化合物は、より良く調製でき、かつ、薬剤、特に経口投与のための薬剤の作製において最適である。
このように、本発明の主題は、薬剤として利用する、鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその塩、特に医薬的に許容可能な塩である。本発明の主題はまた、それぞれヒトもしくは動物の生体の治療のための方法において使用される、鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはそれらの医薬的に許容可能な塩である。
本発明のさらなる主題は、本明細書において定義されるような鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物それ自体である(特定の医薬としての使用に関係ない)。
本発明によって使用される鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物は、以下の構造要素:
を含有するような化合物を含む。
を含有するような化合物を含む。
本発明による用語、
「3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド」、
「3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド化合物」もしくは
「3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子」は交換可能であり、
「3−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−ピリジン−4−カルボキシアミド」、
「3−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−ピリジン−4−カルボキシアミド化合物」もしくは
「3−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−ピリジン−4−カルボキシアミド配位子」は交換可能であり、
「3−ヒドロキシピリジン−4−カルボキシアミド」、
「3−ヒドロキシピリジン−4−カルボキシアミド化合物」もしくは
「3−ヒドロキシピリジン−4−カルボキシアミド配位子」は、
対応するヒドロキシ開始物質
ならびに対応する脱プロトン化配位子
もしくは
をそれぞれ含み、それらは対応する鉄(III)錯体化合物中に存在する。
「3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド」、
「3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド化合物」もしくは
「3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子」は交換可能であり、
「3−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−ピリジン−4−カルボキシアミド」、
「3−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−ピリジン−4−カルボキシアミド化合物」もしくは
「3−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−ピリジン−4−カルボキシアミド配位子」は交換可能であり、
「3−ヒドロキシピリジン−4−カルボキシアミド」、
「3−ヒドロキシピリジン−4−カルボキシアミド化合物」もしくは
「3−ヒドロキシピリジン−4−カルボキシアミド配位子」は、
対応するヒドロキシ開始物質
ならびに対応する脱プロトン化配位子
もしくは
をそれぞれ含み、それらは対応する鉄(III)錯体化合物中に存在する。
配位子は、形状として対応する3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド化合物からプロトンの抽出によって生じ:
それゆえ、形状として、単一の負の電荷を持つ。
それゆえ、形状として、単一の負の電荷を持つ。
従って、上述の用語は、それぞれ、本発明の意味において、対応する塩基部:
もしくは、基礎となるヒドロキシ化合物の脱プロトン化により生じる配位子化合物
を含有する。
もしくは、基礎となるヒドロキシ化合物の脱プロトン化により生じる配位子化合物
を含有する。
従って、本発明にとって、上述の用語は、それぞれ全体として、「3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド化合物」もしくは脱プロトン化した配位子の類を指定する。
形状として、本発明によって使用される(脱プロトン化した)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子は、形状として、上述のように負の電荷を持つ。このことは、鉄原子当たり三つの配位子の場合、鉄原子が形状として、+3の酸化状態を持つことを意味する。
本発明による鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物において、鉄原子の配位数は一般に6であり、配位原子は一般に八面体に配置される。従って、鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物は、好ましくは、少なくとも一つの中心鉄イオンと三つの3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子とを持つ単核錯体として存在する。
本発明の鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物は、一般的に中性型として存在する。しかしながら、鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物のような塩もまた含まれ、ここで錯体が、特に医薬的に適合可能な、(特に塩化物のようなハロゲン化物のような)実質的に非配位性のアニオンによって補償されるような正の電荷を持つ。
本発明による鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物は、特に、式:
であり、上述のように、架橋により一つの鉄原子と結合できる、少なくとも一つの、好ましくは二座の3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子を含有する錯体化合物を含む。
であり、上述のように、架橋により一つの鉄原子と結合できる、少なくとも一つの、好ましくは二座の3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子を含有する錯体化合物を含む。
好ましくは、同一であっても異なっていてもよい、二座の3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子を排他的に含有する、鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物が好まれる。さらに、排他的に同一の3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド配位子を含有する鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物が特に好まれ、非常に特に好ましくはトリス(3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド)鉄(III)化合物である。
特に好ましい実施態様において、本発明による鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩は式(I)
の、3個の同一のもしくは異なる配位子、好ましくは同一の配位子を含有し、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、3〜6員の環を形成する。
の、3個の同一のもしくは異なる配位子、好ましくは同一の配位子を含有し、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、3〜6員の環を形成する。
特に好ましいものは、少なくとも一つの式(I)
の配位子を含有する鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であり、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、5〜6員の環を形成する。
の配位子を含有する鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であり、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、5〜6員の環を形成する。
さらに好ましい実施態様は、式(I):
の少なくとも一つの配位子を持ち、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、特に、アルキル置換基中の一つもしくはそれ以上のメチレン基(−CH2−)を−O−で置換でき、そしてそれらが任意選択で一つもしくはそれ以上のアルコキシ基−および/もしくはヒドロキシ基と置換されていてもよいようなアルキルを含有し、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、5〜6員の環を形成する、
鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩を含む。
の少なくとも一つの配位子を持ち、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、特に、アルキル置換基中の一つもしくはそれ以上のメチレン基(−CH2−)を−O−で置換でき、そしてそれらが任意選択で一つもしくはそれ以上のアルコキシ基−および/もしくはヒドロキシ基と置換されていてもよいようなアルキルを含有し、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、5〜6員の環を形成する、
鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩を含む。
さらにより好ましいのは、式(I):
の少なくとも一つの配位子を持ち、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、およびアルキルからなる群より選択され、特に、
一つのメチレン基(−CH2−)が−O−で置換されてもよく、そしてそれが一つもしくはそれ以上のアルコキシ基で置換されていてよいアルキルを含有し、ここで一つのメチレン基(−CH2−)が−O−で置換されているアルキル基の場合には、少なくとも二つのメチレン基(−CH2−)がそのような−O−基の前に存在し、少なくとも二つのメチレン基がそのような−O−基およびアルコキシ置換基の−O−基の間に存在し、[(−CH2−)x−O−(CH2−)x−O−(CH2)yCH3]による構造に対応し、式中それぞれの場合のxは2〜4の整数であり、かつyは0〜2の整数である、
鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩を含有する実施態様である。
の少なくとも一つの配位子を持ち、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、
水素、およびアルキルからなる群より選択され、特に、
一つのメチレン基(−CH2−)が−O−で置換されてもよく、そしてそれが一つもしくはそれ以上のアルコキシ基で置換されていてよいアルキルを含有し、ここで一つのメチレン基(−CH2−)が−O−で置換されているアルキル基の場合には、少なくとも二つのメチレン基(−CH2−)がそのような−O−基の前に存在し、少なくとも二つのメチレン基がそのような−O−基およびアルコキシ置換基の−O−基の間に存在し、[(−CH2−)x−O−(CH2−)x−O−(CH2)yCH3]による構造に対応し、式中それぞれの場合のxは2〜4の整数であり、かつyは0〜2の整数である、
鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩を含有する実施態様である。
非常に好ましいものは、式(I):
の少なくとも一つの配位子を持ち、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sek−ブチル、イソブチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロポキシエトキシエチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルおよびエトキシプロピルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子、好ましくは酸素原子を含有する、ヘテロ環の、5〜6員の環を形成する、
鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩である。
の少なくとも一つの配位子を持ち、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子、好ましくは単一の鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sek−ブチル、イソブチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロポキシエトキシエチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルおよびエトキシプロピルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子、好ましくは酸素原子を含有する、ヘテロ環の、5〜6員の環を形成する、
鉄(III)−3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩である。
特に好ましい鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩は、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ならびに一つのメトキシ基もしくは一つのエトキシ基によって置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニルおよびピロリジニルからなる群より選択される、ヘテロ環の、5〜6員の環を形成する。
の少なくとも一つの配位子を含み、
式中、矢印は、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2は、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれの場合において、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ならびに一つのメトキシ基もしくは一つのエトキシ基によって置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニルおよびピロリジニルからなる群より選択される、ヘテロ環の、5〜6員の環を形成する。
特に好ましいものは、式(II):
の鉄(III)錯体化合物であり、式中R1よびR2は上に定義される通りである。
の鉄(III)錯体化合物であり、式中R1よびR2は上に定義される通りである。
非常に好ましいものは、以下の群より選択される鉄(III)錯体化合物である。
好ましくは鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物の分子量は、1000g/モル未満であり、より好ましくは800g/モル未満である(それぞれ構造式より求められる)。
本発明のすべての内容において、特に置換基R1およびR2のための、任意選択で置換されるアルキルは、好ましくは:
1〜9個の、好ましくは1〜6個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐のアルキル、3〜6個の、好ましくは5〜6個の炭素原子を持つシクロアルキル、またはシクロアルキルで置換される1〜4個の炭素原子を持つアルキルを含み、ここでこれらのアルキル基は、任意選択で置換されていてよい。
1〜9個の、好ましくは1〜6個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐のアルキル、3〜6個の、好ましくは5〜6個の炭素原子を持つシクロアルキル、またはシクロアルキルで置換される1〜4個の炭素原子を持つアルキルを含み、ここでこれらのアルキル基は、任意選択で置換されていてよい。
前記アルキル基は、任意選択で好ましくは1〜3の置換基をそれぞれ持ち得る。
アルキル基におけるこれらの置換基は、好ましくは、ヒドロキシおよび任意選択で置換されるアルコキシからなる群より選択され、特に以下に定義されるようなものである。
上に定義されるアルキル基において、任意選択で一つもしくは二つの炭素原子はさらに酸素によって置換され得る。これは、特に、一つもしくは二つのメチレン基(−CH2−)が、アルキル基において−O−によって置換され得ることを意味する。好ましくは、そのような実施態様において、一つのメチレン基が−O−によって置換される。
1〜6個の炭素原子を持つアルキル残基の例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基などを含む。1〜4個の炭素原子を含むものが好ましい。メチル、エチル、n−プロピルおよびn−ブチルが最も好ましい。
3〜6個の炭素原子を持つシクロアルキル基は、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を含む。シクロアルキル基は、好ましくは、ヒドロキシル、特にメチルおよびエチルのようなアルキル、または特にメトキシおよびエトキシのようなアルコキシのような置換基によって任意選択で置換されていてもよい。
任意選択で置換されたアルキル基の定義はまた、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチルもしくはシクロヘキシルメチルのような、上述のシクロアルキル基によって置換されたアルキル基を含む。
ヒドロキシによって置換されたアルキル基の例は、例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチルなどのような、1〜2個のヒドロキシ残基を含む上述のアルキル残基を含む。
アルコキシによって置換されたアルキル基の例は、メトキシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、3−エトキシプロピルなどのような1〜2個の後述のようなアルコキシ残基を持つ上述のアルキル残基を含む。メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルおよびエトキシプロピルが好ましく、特に好ましいのは2−メトキシエチルである。
一つのメチレン基(−CH2−)が−O−によって置換されるようなアルキル残基が、アルコキシ基、好ましくは、メトキシ、エトキシもしくはプロポキシによって置換され、ただし、少なくとも二つのメチレン基(−CH2−)が結果として中心に配置される−O−基の前後に存在し、[(−CH2−)x−O−(−CH2−)x−O−(CH2)yCH3]に相当し、式中xが2〜4の整数であり、yが0〜2の整数であることが、さらに好ましい。代表例は、特に、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロポキシエトキシエチル、メトキシエトキシプロピル、エトキシエトキシプロピル、プロポキシエトキシプロピル、メトキシエトキシブチル、エトキシエトキシブチル、プロポキシエトキシブチル、メトキシプロポキシエチル、エトキシプロポキシエチル、プロポキシプロポキシエチル、メトキシプロポキシプロピル、エトキシプロポキシプロピル、プロポキシプロポキシプロピル、メトキシプロポキシブチル、エトキシプロポキシブチル、プロポキシプロポキシブチル、メトキシブトキシエチル、エトキシブトキシエチル、プロポキシブトキシエチル、メトキシブトキシプロピル、エトキシブトキシプロピル、プロポキシブトキシプロピル、メトキシブトキシブチル、エトキシブトキシブチル、プロポキシブトキシブチルを含み、好ましくは、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチルおよびプロポキシエトキシエチルである。
任意選択で置換されたアルコキシ(RO−)は、形式的には、上述の任意選択で置換されたアルキル残基から酸素原子を付加することによって誘導され、本発明と関連して、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、およびi−プロピルオキシ基などのような、好ましくは4個までの炭素原子の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を含む。
アルコキシ基は、上述のアルキルにおいて可能性のある置換基のような、特に1〜3個の、好ましくは1個の置換基によって、任意選択で置換されていてもよい。
メトキシ、エトキシおよびn−プロポキシは、アルコキシによって好ましくあり、特に好ましくは、メトキシおよびエトキシであり、さらにより好ましくはメトキシである。
本発明の全体の文脈において、置換基R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって任意選択で置換される3〜6員の環を、特に、任意選択で置換される5〜6員の環を形成し、それらは、好ましくは酸素原子であるさらなる一つのヘテロ原子を任意選択で含有し得る。好ましくは、その中で、R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって脂肪族環を形成する。本発明による例は、窒素原子を介して結合し、かつ特にOもしくはN、好ましくはOのようなヘテロ原子をさらに任意選択で含有する、飽和の、3〜6員の、好ましくは5〜6員の、ヘテロ環の環を含み、例えば、アジリジニル(アジリジン−1−イル)、置換アジリジン−1−イル、アゼチジニル(アゼチジン−1−イル)、置換アゼチジン−1−イル、ピロリジニル(ピロリジン−1−イル)、置換ピロリジン−1−イル、ピペリジン-1-イル、置換ピペリジン-1-イルのようなピペリジニル、イミダゾリニル(イミダゾリン−1−イル)、置換イミダゾリン−1−イル、ピペラジニル(ピペラジン−1−イル)、置換ピペラジン−1−イル、モルホリニル、置換モルホリニルを含む。好ましくは、R1およびR2がそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニルもしくはモルホリニル残基を形成する。
本発明は、本発明による鉄(III)錯体化合物を調製する方法に関連し、本発明の配位子のプロトン化したものに対応する3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド(III)を鉄(III)塩(IV)と反応することを含有する。
3−ヒドロキシ−イソニコチンアミドは、特に式(III):
のものを含み、式中、R1およびR2は上に定義される通りである。
のものを含み、式中、R1およびR2は上に定義される通りである。
好適な鉄(III)塩の例は、塩化鉄(III)、酢酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、鉄(III)アセチルアセトナートを含み、この中で、塩化鉄(III)が好ましい。
好ましい方法は以下のスキーム:
に示され、ここで、R1およびR2は上に定義される通りであり、Xはクロリドのようなハロゲニド、アセタートのようなカルボキシラート、スルファート、ニトラートおよびアセチルアセトナートのようなアニオンであり、塩基は、一般的な有機塩基もしくは無機塩基である。
に示され、ここで、R1およびR2は上に定義される通りであり、Xはクロリドのようなハロゲニド、アセタートのようなカルボキシラート、スルファート、ニトラートおよびアセチルアセトナートのようなアニオンであり、塩基は、一般的な有機塩基もしくは無機塩基である。
本発明による方法において、好ましくは3当量の配位子(III)が、好適な鉄(III)塩(IV)(この場合、塩化Fe(III)、酢酸Fe(III)、硫酸Fe(III)およびFe(III)アセチルアセトナートが特に好適である)を用いて、標準的な条件において反応し、一般式(II)の対応する錯体を形成する。この場合、合成は、錯体形成に最適のpH条件において実施される。最適なpH値は、塩基(V)を添加することによって任意選択で設定され、この場合、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムもしくはカリウムメタノラートの使用が特に好適である。
錯体の調製に必要な配位子(III)は、市販されるか、もしくは以下の合成方法によって調製される。ここでは、以下の合成経路に従った。
開始化合物として必要とされる3−ヒドロキシ−イソニコチン酸エチルエステル(IV)は、CrumおよびFuchsman(J.Heterocyclic Chem.1966年、3、252〜256ページ)と同様に合成され、そして一般反応式によって一般式(VII)の異なるアミンと反応して対応する一般式(III)の3−ヒドロキシ−イソニコチンアミドを形成する。3−ヒドロキシ−イソニコチン酸ハロゲニドもしくは活性化3−ヒドロキシ−イソニコチン酸エステルを、当業者によく知られた標準的な反応条件下で反応して、所望の一般式(III)の化合物を形成することもまた可能である。
鉄(III)錯体が形状として正の電荷を持つ、本発明による化合物の医薬的に許容可能な塩は、例えば、カルボキシラート、スルホナート、スルファート、クロリド、ブロミド、イオジド、ホスファート、タルトラート、メタンスルホナート、ヒドロキシエタンスルホナート、グリシナート、マレアート、プロピオナート、フマラート、トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トリフルオロアセタート、ナフタレンジスルホナート−1,5−サリシラート、ベンゾアート、ラクタート、マレイン酸の塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の塩、シトラートおよびアセタートのような好適なアニオンを持つ塩を含む。
鉄(III)錯体が形状として負の電荷を持つ、本発明による化合物の医薬的に許容可能な塩は、例えば、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2などのようなアルカリヒドロキシドもしくはアルカリ土類ヒドロキシドを持つ塩、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミン、N−メチルピペリジン、2−アミノ−2−メチル−プロパノール−(1)、2−アミノ−2−メチル−プロパンジオール−(1,3)、2−アミノ−2−ヒドロキシル−メチル−プロパンジオール−(1,3)(TRIS)などのようなアミン化合物を持つ塩のような、例えば好適な医薬的に許容可能な塩基を持つ塩を含む。
生理食塩水中の水溶性もしくは可溶性、ならびに任意選択での本発明による化合物の有効性はまた、一般的に、塩形成によって影響を受け、特に、対イオンの選択によって影響を受ける。
好ましくは、本発明による化合物は、中性の錯体化合物を構成する。
有利な薬理学的効果
驚くべきことに、本発明者は、本発明の課題であり、特に一般構造式(II)によって示されている鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物が、安定な生物学的に利用可能な鉄錯体であり、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血、ならびにそれらに付随する症状の治療および予防のための医薬としての使用に好適であるということを見出した。
驚くべきことに、本発明者は、本発明の課題であり、特に一般構造式(II)によって示されている鉄(III)3−ヒドロキシ−イソニコチンアミド錯体化合物が、安定な生物学的に利用可能な鉄錯体であり、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血、ならびにそれらに付随する症状の治療および予防のための医薬としての使用に好適であるということを見出した。
本発明による化合物を含む医薬は、ヒトの医学および獣医学における使用に好適である。
本発明による化合物はまた、例えば、疲労、だるさ、集中力の欠如、低い認知効率、正しい言葉を見つける困難性、物忘れ、不自然な蒼白、神経過敏、心拍数の加速(頻脈)、舌痛もしくは舌の腫れ、脾腫、奇妙な食品への欲求(異食症)、頭痛、食欲不振、感染症対する感受性の増加、または抑うつ気分のような、鉄欠乏性貧血の症状を持つ患者の治療のための医薬を調製するのに好適である。
本発明による鉄(III)錯体化合物は、さらに、妊娠中の女性における鉄欠乏性貧血、子供や青年における潜在性の鉄欠乏性貧血、鉄欠乏および/もしくは鉄欠乏性貧血を持つ子供もしくはそれを持たない子供における注意欠陥/多動性障害(ADHD)の治療のためのような、注意欠陥/多動性障害(ADHD)の子供における鉄欠乏および鉄欠乏性貧血、胃腸の異状によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、消化管失血(例えば潰瘍、がん腫、痔、炎症性疾患、アセチルサリチル酸の摂取による)のような失血による鉄欠乏性貧血、月経によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、負傷によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、スプルーによる鉄欠乏性貧血、特に子供および青年における偏食おける食事による鉄摂取の減少による鉄欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる免疫不全、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる脳機能障害、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる下肢静止不能症候群、がんの場合における鉄欠乏性貧血、化学療法によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、炎症(AI)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、鬱血性心不全(CHF;鬱血性心不全)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性腎不全ステージ3〜5(CKD3〜5;慢性腎臓病ステージ3〜5)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性炎症(ACD)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、間接リウマチ(RA)の場合における鉄欠乏性貧血、全身性エリテマトーデス(SLE)の場合における鉄欠乏性貧血、ならびに炎症性腸疾患(IBD)の場合における鉄欠乏性貧血の治療に好適である。
例えば患者のヘモグロビンレベル、トランスフェリン飽和および血清フェリチンレベルによって反映されるような鉄の状況が改善するまで、または、鉄欠乏性貧血によって影響を受ける健康状態の所望の改善まで、数ヶ月の期間を超えて投与を行うことができる。本発明による組成物は、子供、青年および大人によって摂取され得る。
この場合、本発明により投与される化合物は、経口ならびに非経口の両方で投与され得る。経口投与が好ましい。
本発明による化合物、ならびに上述の本発明による化合物と他の有効成分もしくは医薬との組み合わせは、特に、妊娠中の女性における鉄欠乏性貧血、子供および青年における潜在性の鉄欠乏性貧血、胃腸の異状によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、消化管失血(例えば潰瘍、がん腫、痔、炎症性疾患、アセチルサリチル酸の摂取による)、月経、負傷のような失血による鉄欠乏性貧血、スプルーによる鉄欠乏性貧血、特に子供および青年における偏食おける食事による鉄摂取の減少による鉄欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる免疫不全、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる脳機能障害、下肢静止不能症候群のような鉄欠乏性貧血の治療のための医薬の調製に使用できる。
本発明による投与は、鉄レベル、ヘモグロビンレベル、フェリチンレベルおよびトランスフェリンレベルにおける改善を導き、これは、特に、子供および青年において、しかしながら成人においてもまた、短期記憶試験(STM)、長期記憶試験(LTM)、レーヴン漸進的マトリックス試験において、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)において、および/または情動係数(Baron EQ−i、YV試験、青年版)において、改善をもたらすこと、または、中球レベル、抗体レベル、および/もしくはリンパ球機能の改善をもたらすことを伴う。
さらに、本発明は、本発明による化合物、特に式(II)による化合物を一つもしくはそれ以上含有し、ならびに、任意選択で一つもしくはそれ以上のさらなる医薬的に有効な成分、ならびに、任意選択で一つもしくはそれ以上の医薬的に許容可能な担体、および/もししくは、補助物質および/もししくは溶剤を含有する医薬組成物に関する。前記医薬組成物は、例えば、99重量%までの、もしくは90重量%までの、もしくは80重量%までの、もしくは70重量%までの、本発明の化合物を含有し、その残余は、医薬的に許容可能な担体、および/もしくは補助剤、および/もしくは溶剤、および/もしくは任意選択でさらなる医薬的に有効な成分によってそれぞれ形成される。
これらは、一般的な医薬的な担体、補助物質もしくは溶剤である。上述の医薬組成物は、例えば、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、膣内投与、頬内投与、経皮投与、皮下投与、粘膜投与、経口投与、直腸投与、経皮投与、局所投与、真皮内投与、胃内投与、もしくは皮内投与に好適であり、そして、例えば、ピル、錠剤、腸溶性錠剤、フィルム錠剤、層錠、経口投与、皮内投与、もしくは皮膚投与(特に湿布薬として)のための徐放性製剤、デポ製剤、糖衣錠、坐薬、ジェル、軟膏、シロップ、顆粒、坐剤、エマルジョン、分散液、マイクロカプセル、マイクロ製剤、ナノ製剤、リポソーム製剤、カプセル、腸溶性カプセル、粉末、吸入用粉末、半結晶性製剤、吸入スプレー、粉末剤、液滴、鼻ドロップ、鼻スプレー、エアロゾル、アンプル、溶液、ジュース、懸濁液、輸液もしくは注射溶液などの形態で提供される。
本発明の好ましい実施態様において、鉄錯体化合物は、錠剤もしくはカプセルの形態で投与される。これらは、例えば、酸耐性の形態もしくはpH依存性コーティングを伴って存在し得る。
本発明の課題はまた、本発明の鉄(III)錯体化合物と、少なくとも一つのさらなる医薬的に有効な成分とを組み合わせた組成物である。そのような医薬的に有効な成分の例は、特に、鉄代謝異常および/もしくは貧血(鉄欠乏性貧血)と関連した疾患を治療するための剤と一緒に適用される、周知の有効な成分もしくは有効な医薬、ならびに鉄代謝に効果を示し、そしてそのために鉄代謝異常の治療に好ましく適用されるような化合物を含有する。鉄代謝異常、ならびに鉄代謝異常と関連するさらなる疾患ならびに/または貧血を治療するための、混合投与に用いられるそのような剤の例は、例えば、ビタミンCおよびビタミンDならびに/またはそれらの誘導体を含有し得る。
好ましくは、本発明の化合物ならびにそのような化合物を含有する医薬組成物は、経口投与されるが、しかしながら、特に静脈内投与であるような非経口のような他の形態もまた可能である。
この目的のために、本発明の化合物は、好ましくは、ピル、錠剤、腸溶性錠剤、フィルム錠剤、層錠、経口投与のための徐放性製剤、デポ製剤、糖衣錠、顆粒、エマルジョン、分散液、マイクロカプセル、マイクロ製剤、ナノ製剤、リポソーム製剤、カプセル、腸溶性カプセル、粉末、半結晶性製剤、粉末剤、ドロップ、アンプル、溶液、懸濁液、輸液もしくは注射溶液の形態での医薬組成物中で提供される。
本発明による化合物は、例えば、賦形剤(サッカロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、滑石、カルシウム、リン酸塩、炭酸カルシウムのようなもの)、結合剤(セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、サッカロース、デンプンのようなもの)、崩壊剤(デンプン、加水分解デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのカルシウム塩、ヒドロキシプロピルデンプン、ナトリウムデンプングリコール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウムのようなもの)、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、滑石、ラウリル硫酸ナトリウムのようなもの)、香味料(クエン酸、メントール、グリシン、オレンジ粉末のようなもの)、保存剤(安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなもの)、安定剤(クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸および例えばジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)のようなtitriplexシリーズからの多カルボン酸のようなもの)、懸濁化剤(メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニウムのようなもの)、分散剤、希釈剤(水、有機溶媒のようなもの)、蜜ろう、ココアバター、ポリエチレングリコール、白色ワセリンのような、通常医薬目的のために、特に固形の医薬組成物のために使用されるような、さまざまな有機担体もしくは無機担体ならびに/または補助物質含む、医薬組成物として投与され得る。
溶剤、懸濁液およびジェルのような液体の医薬組成物は、通常、水および/もしくは医薬的に許容可能な有機溶媒のような液体担体を含む。さらに、そのような液体組成物はまた、pH調整剤、乳化剤もしくは分散剤、緩衝剤、保存剤、湿潤剤、ゲル化剤(例えばメチルセルロース)、染料、および/もしくは香味剤を含み得る。組成物は等張であってよく、それはすなわち血液と同一の浸透圧を持ち得る。組成物の等張性は、塩化ナトリウム、ならびに例えば、デキストロース、マルトース、ホウ酸、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール、ならびに他の無機溶性物質もしくは有機溶性物質のような、他の医薬的に許容可能な剤を用いて調整できる。液体組成物の粘度は、メチルセルロースのような医薬的に許容可能な増粘剤の手段によって調整できる。他の好適な増粘剤は、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマーなどを含む。増粘剤の好ましい濃度は、選択される剤による。医薬的に許容可能な保存剤は、液体組成物の貯蔵期間を延長するために使用できる。例えばパラベン、チメロサール、クロロブタノールおよび塩化ベンザルコニウムを含む複数の保存剤もまた使用できるが、ベンジルアルコールが好適であり得る。
有効成分は、例えば1日1〜4回、例えば0.001mg/kg体重〜500mg/kg体重の単位用量で投与できる。しかしながら、年齢、体重、患者の状況、疾患の重篤度もしくは投与の型に応じて、用量を増加したり減少したりできる。
例
本発明は以下の例により詳細に示される。例は、例示のみを構成し、具体的な例をさらに請求の範囲の化合物にまで拡張することは当業者の知識の範囲内である。例の名称の指定は、ChemDraw Ultra Version 12.0のプログラムによって決定された。
本発明は以下の例により詳細に示される。例は、例示のみを構成し、具体的な例をさらに請求の範囲の化合物にまで拡張することは当業者の知識の範囲内である。例の名称の指定は、ChemDraw Ultra Version 12.0のプログラムによって決定された。
開始化合物
例において使用される開始化合物は、以下のように得られた。
例において使用される開始化合物は、以下のように得られた。
A. 3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルイソニコチンアミド
v
0.09モル(15グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステル(J.D Crum、C.H.Fuchsman、J.Heterocyclic Chem.1966年、3、252〜256ページと同様)および0.9モルのジメチルアミン(160mlのエタノール中5.6Mの溶液)が、圧力容器中で120℃5時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、そして、粗生成物は、200mlテトラヒドロフランおよび100mlエタノールから再結晶された。10グラム(67%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1626、1601、1573、1501、1444、1418、1394、1300、1263、1238、1202、1166、1084、1066、964、934、838、780、741、711、645
LC−MS(m/z):167.5(M+H)
CHN−元素分析:C、58.22;H、6.20;N、16.72
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.29(s、1H)、8.22(s、1H)、8.06(d、1H)、7.11(d、1H)、2.95(s、3H)、2.77(s、3H)
v
0.09モル(15グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステル(J.D Crum、C.H.Fuchsman、J.Heterocyclic Chem.1966年、3、252〜256ページと同様)および0.9モルのジメチルアミン(160mlのエタノール中5.6Mの溶液)が、圧力容器中で120℃5時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、そして、粗生成物は、200mlテトラヒドロフランおよび100mlエタノールから再結晶された。10グラム(67%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1626、1601、1573、1501、1444、1418、1394、1300、1263、1238、1202、1166、1084、1066、964、934、838、780、741、711、645
LC−MS(m/z):167.5(M+H)
CHN−元素分析:C、58.22;H、6.20;N、16.72
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.29(s、1H)、8.22(s、1H)、8.06(d、1H)、7.11(d、1H)、2.95(s、3H)、2.77(s、3H)
B. 3−ヒドロキシイソニコチンアミド
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.72モルのアンモニア(103mlのメタノール中7M溶液)が、圧力容器中で120℃5時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、165mlのテトラヒドロフランで懸濁され、そして30分間還流下で加熱された。冷やされた後、産物はろ過され、そして乾燥された。5グラム(50%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1699、1665、1638、1597、1561、1498、1440、1418、1349、1310、1250、1227、1197、1096、1063、1027、911、788、767、672、653、623
LC−MS(m/z):139.4(M+H)
CHN−元素分析:C、50.92;H、4.21;N、19.16
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=8.52(s、1H)、8.37(s、1H)、8.21(s、1H)、8.18(d、1H)、7.80(d、1H)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.72モルのアンモニア(103mlのメタノール中7M溶液)が、圧力容器中で120℃5時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、165mlのテトラヒドロフランで懸濁され、そして30分間還流下で加熱された。冷やされた後、産物はろ過され、そして乾燥された。5グラム(50%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1699、1665、1638、1597、1561、1498、1440、1418、1349、1310、1250、1227、1197、1096、1063、1027、911、788、767、672、653、623
LC−MS(m/z):139.4(M+H)
CHN−元素分析:C、50.92;H、4.21;N、19.16
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=8.52(s、1H)、8.37(s、1H)、8.21(s、1H)、8.18(d、1H)、7.80(d、1H)
C.3−ヒドロキシ−N−メチルイソニコチンアミド
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.25モルのジメチルアミン(31mlのエタノール中33%の溶液)が、圧力容器中で120℃3時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発された。粗生成物は、130mltert−ブチルメチルエステルおよび120mlエタノールから再結晶され、そしてシリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール9:1に1%酢酸を足したものを溶離液として精製された。6グラム(55%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1646、1539、1428、1405、1360、1184、1060、1019、893、859、818、785、664
LC−MS(m/z):153.8(M+H)
CHN−元素分析:C、55.18;H、5.46;N、18.36
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.17(s、1H)、8.94(breit、1H)、8.34(s、1H)、8.15(d、1H)、7.69(d、1H)、2.85(d、3H)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.25モルのジメチルアミン(31mlのエタノール中33%の溶液)が、圧力容器中で120℃3時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発された。粗生成物は、130mltert−ブチルメチルエステルおよび120mlエタノールから再結晶され、そしてシリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール9:1に1%酢酸を足したものを溶離液として精製された。6グラム(55%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1646、1539、1428、1405、1360、1184、1060、1019、893、859、818、785、664
LC−MS(m/z):153.8(M+H)
CHN−元素分析:C、55.18;H、5.46;N、18.36
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.17(s、1H)、8.94(breit、1H)、8.34(s、1H)、8.15(d、1H)、7.69(d、1H)、2.85(d、3H)
D.3−ヒドロキシ−N−エチルイソニコチンアミド
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.22モルのエチルアミン(108mlのエタノール中2Mの溶液)が、圧力容器中で100℃2時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、粗生成物は、400mlエチルアセタートおよび20mlエタノールから再結晶された。7.8グラム(65%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1643、1527、1481、1443、1353、1293、1211、1150、1060、843、814、783、663
CHN−元素分析:C、57.68;H、6.15;N、16.81
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.21(s、1H)、8.97(m、1H)、8.34(s、1H)、8.15(d、1H)、7.72(d、1H)、3.35(m、2H)、1.16(t、3H)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.22モルのエチルアミン(108mlのエタノール中2Mの溶液)が、圧力容器中で100℃2時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、粗生成物は、400mlエチルアセタートおよび20mlエタノールから再結晶された。7.8グラム(65%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1643、1527、1481、1443、1353、1293、1211、1150、1060、843、814、783、663
CHN−元素分析:C、57.68;H、6.15;N、16.81
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.21(s、1H)、8.97(m、1H)、8.34(s、1H)、8.15(d、1H)、7.72(d、1H)、3.35(m、2H)、1.16(t、3H)
E.3−ヒドロキシ−N−プロピルイソニコチンアミド
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.3モルのn−プロピルアミン(24.5ml)が、圧力容器中で100℃2時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール4:1を溶離液として精製された。6.4グラム(49%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1640、1597、1542、1492、1462、1416、1322、1304、1217、1150、1128、1061、979、914、815、786、735、667
LC−MS(m/z):181.5(M+H)
CHN−元素分析:C、56.33;H、6.57;N、14.27
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.17(breit、1H)、8.96(m、1H)、8.33(s、1H)、8.14(d、1H)、7.72(d、1H)、3.38(q、2H)、1.56(hextett、2H)、0.90(t、3H)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.3モルのn−プロピルアミン(24.5ml)が、圧力容器中で100℃2時間加熱された。その後、反応混合物は、乾固するまで蒸発され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール4:1を溶離液として精製された。6.4グラム(49%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1640、1597、1542、1492、1462、1416、1322、1304、1217、1150、1128、1061、979、914、815、786、735、667
LC−MS(m/z):181.5(M+H)
CHN−元素分析:C、56.33;H、6.57;N、14.27
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.17(breit、1H)、8.96(m、1H)、8.33(s、1H)、8.14(d、1H)、7.72(d、1H)、3.38(q、2H)、1.56(hextett、2H)、0.90(t、3H)
F.N−ブチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミド
0.054モル(9グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.27モルのn−ブチルアミン(26.7ml)が90℃3時間加熱された。その後、過剰なn−ブチルアミンが真空下で蒸発され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール4:1を溶離液として精製された。7.7グラム(74%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1632、1599、1549、1465、1416、1334、1211、1177、1117、1056、951、921、878、829、788、734、701、660、599、557
LC−MS(m/z):195.1(M+H)
CHN−元素分析:C、60.33;H、7.76;N、14.32
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.2(breit、1H)、8.92(s、1H)、8.30(s、1H)、8.12(d、1H)、7.70(d、1H)、3.29(q、2H)、1.52(quintett、2H)、1.31(sextett、2H)、0.88(t、3H)
0.054モル(9グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.27モルのn−ブチルアミン(26.7ml)が90℃3時間加熱された。その後、過剰なn−ブチルアミンが真空下で蒸発され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール4:1を溶離液として精製された。7.7グラム(74%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1632、1599、1549、1465、1416、1334、1211、1177、1117、1056、951、921、878、829、788、734、701、660、599、557
LC−MS(m/z):195.1(M+H)
CHN−元素分析:C、60.33;H、7.76;N、14.32
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.2(breit、1H)、8.92(s、1H)、8.30(s、1H)、8.12(d、1H)、7.70(d、1H)、3.29(q、2H)、1.52(quintett、2H)、1.31(sextett、2H)、0.88(t、3H)
G.3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)イソニコチンアミド
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.36モル(31.2ml)の2−メトキシエチルアミンが、還流下で3時間加熱された。その後、過剰な2−メトキシエチルアミンが真空下で蒸留され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール9:1を溶離液として精製された。9.3グラム(66%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1645、1592、1537、1493、1454、1428、1409、1346、1326、1308、1243、1224、1194、1163、1131、1115、1092、1065、1051、1017、908、887、818、795、671
LC−MS(m/z):197(M+H)
CHN−元素分析:C、54.91;H、6.14;N、14.26
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.08(s、1H)、8.99(s、1H)、8.34(s、1H)、8.15(d、1H)、7.75(d、1H)、3.50(m、4H)、3.29(s、3H)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.36モル(31.2ml)の2−メトキシエチルアミンが、還流下で3時間加熱された。その後、過剰な2−メトキシエチルアミンが真空下で蒸留され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール9:1を溶離液として精製された。9.3グラム(66%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1645、1592、1537、1493、1454、1428、1409、1346、1326、1308、1243、1224、1194、1163、1131、1115、1092、1065、1051、1017、908、887、818、795、671
LC−MS(m/z):197(M+H)
CHN−元素分析:C、54.91;H、6.14;N、14.26
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=12.08(s、1H)、8.99(s、1H)、8.34(s、1H)、8.15(d、1H)、7.75(d、1H)、3.50(m、4H)、3.29(s、3H)
H.3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルイソニコチンアミド
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.223モル(20.8ml)のN−(2−メトキシエチル)メチルアミンが還流下で3時間加熱された。その後、過剰な2−メトキシエチルアミンが真空下で蒸留され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール9:1を溶離液として精製された。14グラム(92%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1633、1600、1569、1478、1453、1415、1397、1309、1296、1264、1247、1237、1195、1164、1127、1088、1063、976、932、895、837、793、778、742、721、643、613
LC−MS(m/z):211.6(M+H)
CHN−元素分析:C、56.93;H、6.70;N、13.28
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.27(s、1H)、1.23/1.22(s、1H)、8.08/8.07(d、1H)、7.12/7.11(d、1H)、3.59/3.54(t、2H)、3.36/3.25(t、2H)、3.29/3.14(s、3H)、2.98/2.82(s、3H)(53:47の比でのシグナルの二重の組は、E/Z−異性体のためである)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.223モル(20.8ml)のN−(2−メトキシエチル)メチルアミンが還流下で3時間加熱された。その後、過剰な2−メトキシエチルアミンが真空下で蒸留され、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール9:1を溶離液として精製された。14グラム(92%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1633、1600、1569、1478、1453、1415、1397、1309、1296、1264、1247、1237、1195、1164、1127、1088、1063、976、932、895、837、793、778、742、721、643、613
LC−MS(m/z):211.6(M+H)
CHN−元素分析:C、56.93;H、6.70;N、13.28
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.27(s、1H)、1.23/1.22(s、1H)、8.08/8.07(d、1H)、7.12/7.11(d、1H)、3.59/3.54(t、2H)、3.36/3.25(t、2H)、3.29/3.14(s、3H)、2.98/2.82(s、3H)(53:47の比でのシグナルの二重の組は、E/Z−異性体のためである)
I.3−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)イソニコチンアミド
0.084モル(14グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.108モル(14.38g)のビス−(2−メトキシエチル)アミンが110℃6時間加熱された。その後、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール5:1を溶離液として精製された。6.19グラム(30%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1633、1597、1463、1416、1364、1306、1232、1202、1181、1114、1066、1015、828、777、744
LC−MS(m/z):255.5(M+H)
CHN−元素分析:C、54.14;H、7.30;N、10.49
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.25(s、1H)、8.21(s、1H)、8.07(d、1H)、7.10(d、1H)、3.61(t、2H)、3.52(t、2H)、3.34(t、2H)、3.29(m、5H)、3.12(s、3H)
0.084モル(14グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.108モル(14.38g)のビス−(2−メトキシエチル)アミンが110℃6時間加熱された。その後、粗生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーで、エチルアセタート/メタノール5:1を溶離液として精製された。6.19グラム(30%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1633、1597、1463、1416、1364、1306、1232、1202、1181、1114、1066、1015、828、777、744
LC−MS(m/z):255.5(M+H)
CHN−元素分析:C、54.14;H、7.30;N、10.49
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.25(s、1H)、8.21(s、1H)、8.07(d、1H)、7.10(d、1H)、3.61(t、2H)、3.52(t、2H)、3.34(t、2H)、3.29(m、5H)、3.12(s、3H)
J.N,N−ジエチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミド
0.072モル(12.4グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.49モルのジエチルアミン(51ml)が圧力容器中で110℃3時間攪拌された。その後、反応混合物は乾固するまで蒸発された。そして、粗生成物は、20mlエチルアセタートに溶解され、20mlのジエチルエーテルの添加後、1時間攪拌され、ろ過され、ろ過の残留物が乾燥された。11.3グラム(80%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1630、1564、1500、1479、1458、1431、1383、1360、1313、1298、1288、1253、1222、1197、1167、1095、1069、945、907、881、862、832、783、737、699、636、605
LC−MS(m/z):195.2(M+H)
CHN−元素分析:C、61.58;H、7.15;N、14.43
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.20(s、1H)、8.22(s、1H)、8.07(d、1H)、7.11(d、1H)、3.43(q、2H)、3.08(q、2H)、1.13(t、3H)、0.99(t、3H)
0.072モル(12.4グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.49モルのジエチルアミン(51ml)が圧力容器中で110℃3時間攪拌された。その後、反応混合物は乾固するまで蒸発された。そして、粗生成物は、20mlエチルアセタートに溶解され、20mlのジエチルエーテルの添加後、1時間攪拌され、ろ過され、ろ過の残留物が乾燥された。11.3グラム(80%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1630、1564、1500、1479、1458、1431、1383、1360、1313、1298、1288、1253、1222、1197、1167、1095、1069、945、907、881、862、832、783、737、699、636、605
LC−MS(m/z):195.2(M+H)
CHN−元素分析:C、61.58;H、7.15;N、14.43
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.20(s、1H)、8.22(s、1H)、8.07(d、1H)、7.11(d、1H)、3.43(q、2H)、3.08(q、2H)、1.13(t、3H)、0.99(t、3H)
K.(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(モルホリノ)メタノン
0.07モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.288モルのモルホリン(25ml)が100℃4時間攪拌された。その後、過剰のモルホリンがトルエンを繰り返し添加して蒸留され、粗生成物が、140mlエチルアセタートおよび130mlエタノールによって再結晶された。11.5グラム(79%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1642、1606、1576、1507、1451、1429、1361、1328、1304、1276、1266、1234、1177、1140、1111、1062、1016、907、896、858、830、773、742、712、648、623
LC−MS(m/z):209.7(M+H)
CHN−元素分析:C、57.69;H、5.80;N、13.47
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.35(s、1H)、8.23(s、1H)、8.09(d、1H)、7.17(d、1H)、3.62(m、4H)、3.53(t、2H)、3.16(t、2H)
0.07モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.288モルのモルホリン(25ml)が100℃4時間攪拌された。その後、過剰のモルホリンがトルエンを繰り返し添加して蒸留され、粗生成物が、140mlエチルアセタートおよび130mlエタノールによって再結晶された。11.5グラム(79%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1642、1606、1576、1507、1451、1429、1361、1328、1304、1276、1266、1234、1177、1140、1111、1062、1016、907、896、858、830、773、742、712、648、623
LC−MS(m/z):209.7(M+H)
CHN−元素分析:C、57.69;H、5.80;N、13.47
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.35(s、1H)、8.23(s、1H)、8.09(d、1H)、7.17(d、1H)、3.62(m、4H)、3.53(t、2H)、3.16(t、2H)
L.(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノン
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.39モルのピペリジン(40ml)が100℃3時間攪拌された。その後、過剰のピペリジンがエタノールを繰り返し添加して蒸留された。残留物が、100mlエチルアセタートで懸濁され、1時間攪拌され、沈殿物がろ過された。乾燥後、13グラム(88%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1631、1606、1573、1505、1427、1363、1351、1303、1280、1252、1232、1184、1126、1109、1063、1029、1002、951、931、909、885、847、822、772、742、707、639、617
LC−MS(m/z):207.6(M+H)
CHN−元素分析:C、64.08;H、6.862;N、13.59
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.23(s、1H)、8.21(s、1H)、8.06(d、1H)、7.12(d、1H)、3.57(m、2H)、3.11(m、2H)、1.59(m、2H)、1.52(m、2H)、1.44(m、2H)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.39モルのピペリジン(40ml)が100℃3時間攪拌された。その後、過剰のピペリジンがエタノールを繰り返し添加して蒸留された。残留物が、100mlエチルアセタートで懸濁され、1時間攪拌され、沈殿物がろ過された。乾燥後、13グラム(88%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1631、1606、1573、1505、1427、1363、1351、1303、1280、1252、1232、1184、1126、1109、1063、1029、1002、951、931、909、885、847、822、772、742、707、639、617
LC−MS(m/z):207.6(M+H)
CHN−元素分析:C、64.08;H、6.862;N、13.59
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.23(s、1H)、8.21(s、1H)、8.06(d、1H)、7.12(d、1H)、3.57(m、2H)、3.11(m、2H)、1.59(m、2H)、1.52(m、2H)、1.44(m、2H)
M.(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.48モルのピロリジン(40ml)が還流下で3時間加熱された。その後、過剰のピロリジンがエタノールを繰り返し添加して蒸留された。残留物が、100mlエチルアセタートで懸濁され、1時間攪拌され、産物がろ過された。乾燥後、8.1グラム(42%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1575、1470、1452、1414、1383、1336、1306、1258、1223、1200、1179、1067、856、831、796、775、735、654
LC−MS(m/z):193.6(M+H)
CHN−元素分析:C、62.27;H、6.57;N、14.47
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.33(s、1H)、8.25(s、1H)、8.08(d、1H)、7.16(d、1H)、3.44(d、2H)、3.20(d、2H)、1.81(m、4H)
0.072モル(12グラム)の3−ヒドロキシイソニコチン酸エチルエステルおよび0.48モルのピロリジン(40ml)が還流下で3時間加熱された。その後、過剰のピロリジンがエタノールを繰り返し添加して蒸留された。残留物が、100mlエチルアセタートで懸濁され、1時間攪拌され、産物がろ過された。乾燥後、8.1グラム(42%の収率)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1575、1470、1452、1414、1383、1336、1306、1258、1223、1200、1179、1067、856、831、796、775、735、654
LC−MS(m/z):193.6(M+H)
CHN−元素分析:C、62.27;H、6.57;N、14.47
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ[ppm]=10.33(s、1H)、8.25(s、1H)、8.08(d、1H)、7.16(d、1H)、3.44(d、2H)、3.20(d、2H)、1.81(m、4H)
調製例
例1
トリス−(3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体:
v
72mmol(12グラム)の3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルイソニコチンアミドが250mlエタノール中で提供され、72mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中30%溶液)が添加された。24mmol(3.89グラム)のFeCl3(無水物)が20mlのエタノールに溶解され、滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が乾燥された。13.6g(96%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1574、1525、1473、1394、1308、1273、1236、1206、1161、1059、928、867、850、826、790、732、711、652、615
CHN−元素分析:C、51.11;H、5.44;N、14.37
鉄含量:9.47%(m/m)
例1
トリス−(3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体:
v
72mmol(12グラム)の3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルイソニコチンアミドが250mlエタノール中で提供され、72mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中30%溶液)が添加された。24mmol(3.89グラム)のFeCl3(無水物)が20mlのエタノールに溶解され、滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が乾燥された。13.6g(96%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1574、1525、1473、1394、1308、1273、1236、1206、1161、1059、928、867、850、826、790、732、711、652、615
CHN−元素分析:C、51.11;H、5.44;N、14.37
鉄含量:9.47%(m/m)
例2
トリス−(3−ヒドロキシイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
9mmol(1.37グラム)の3−ヒドロキシイソニコチンアミドが、わずかな加熱下で60mlエタノール中で溶解され、3mmol(0.49グラム)のFeCl3(無水物)ならびに9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中30%溶液を1.67ml)が添加された。それは0.5時間攪拌され、反応混合物は半分まで蒸発され、そしてろ過された。ろ過物はロータリーエバポレーターで乾固するまで蒸発され、そして、残留物は真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.84g(96%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1644、1596、1561、1477、1445、1395、1320、1221、1102、1065、1012、904、877、827、787、761、651、618
CHN−元素分析:C、35.75;H、2.92;N、13.53
鉄含量:8.71%(m/m)
塩化物含量:12.1%(m/m)
トリス−(3−ヒドロキシイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
9mmol(1.37グラム)の3−ヒドロキシイソニコチンアミドが、わずかな加熱下で60mlエタノール中で溶解され、3mmol(0.49グラム)のFeCl3(無水物)ならびに9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中30%溶液を1.67ml)が添加された。それは0.5時間攪拌され、反応混合物は半分まで蒸発され、そしてろ過された。ろ過物はロータリーエバポレーターで乾固するまで蒸発され、そして、残留物は真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.84g(96%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1644、1596、1561、1477、1445、1395、1320、1221、1102、1065、1012、904、877、827、787、761、651、618
CHN−元素分析:C、35.75;H、2.92;N、13.53
鉄含量:8.71%(m/m)
塩化物含量:12.1%(m/m)
例3
トリス−(3−ヒドロキシ−N−メチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
9mmol(1.37グラム)の3−ヒドロキシ−N−メチルイソニコチンアミドが、20mlエタノール中で溶解され、3mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を2.06ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.487グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.61g(95%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1590、1548、1474、1406、1319、1217、1155、1125、1067、966、904、881、832、784、665
CHN−元素分析:C、47.21;H、4.73;N、15.38
鉄含量:9.91%(m/m)
塩化物含量:0.64%(m/m)
トリス−(3−ヒドロキシ−N−メチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
9mmol(1.37グラム)の3−ヒドロキシ−N−メチルイソニコチンアミドが、20mlエタノール中で溶解され、3mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を2.06ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.487グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.61g(95%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1590、1548、1474、1406、1319、1217、1155、1125、1067、966、904、881、832、784、665
CHN−元素分析:C、47.21;H、4.73;N、15.38
鉄含量:9.91%(m/m)
塩化物含量:0.64%(m/m)
例4
トリス−(3−ヒドロキシ−N−エチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
9mmol(1.5グラム)の3−ヒドロキシ−N−エチルイソニコチンアミドが20mlエタノール中で提供され、9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を2.06ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.49グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.71g(96%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1583、1546、1473、1403、1321、1264、1216、1146、1128、1070、1037、898、838、784、698、665
CHN−元素分析:C、48.07;H、4.99;N、13.97
鉄含量:9.43%(m/m)
塩化物含量:2.92%(m/m)
トリス−(3−ヒドロキシ−N−エチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
9mmol(1.5グラム)の3−ヒドロキシ−N−エチルイソニコチンアミドが20mlエタノール中で提供され、9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を2.06ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.49グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.71g(96%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1583、1546、1473、1403、1321、1264、1216、1146、1128、1070、1037、898、838、784、698、665
CHN−元素分析:C、48.07;H、4.99;N、13.97
鉄含量:9.43%(m/m)
塩化物含量:2.92%(m/m)
例5
トリス−(3−ヒドロキシ−N−プロピルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(2.78グラム)の3−ヒドロキシ−N−プロピルイソニコチンアミドが70mlエタノール中で提供され、15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を3.43ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.84グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。2.95g(99%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1582、1549、1473、1437、1403、1323、1270、1246、1216、1145、1125、1069、871、825、786、699、666
CHN−元素分析:C、50.87;H、5.68;N、13.10
鉄含量:9.41%(m/m)
塩化物含量:2.5%(m/m)
トリス−(3−ヒドロキシ−N−プロピルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(2.78グラム)の3−ヒドロキシ−N−プロピルイソニコチンアミドが70mlエタノール中で提供され、15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を3.43ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.84グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。2.95g(99%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1582、1549、1473、1437、1403、1323、1270、1246、1216、1145、1125、1069、871、825、786、699、666
CHN−元素分析:C、50.87;H、5.68;N、13.10
鉄含量:9.41%(m/m)
塩化物含量:2.5%(m/m)
例6
トリス−(N−ブチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(2.9グラム)のN−ブチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして5mlのエタノールに溶解された5mmol(0.81グラム)のFeCl3(無水物)が添加され、30mmolの炭酸水素ナトリウムも同様に添加された。それは3時間攪拌され、そして、反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.1g(92%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1581、1548、1472、1436、1403、1323、1215、1125、1069、979、950、836、785、740、698、666、622、590、553、526、507
CHN−元素分析:C、54.80;H、6.03;N、12.70
鉄含量:8.32%(m/m)
塩化物含量:1.2%(m/m)
トリス−(N−ブチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(2.9グラム)のN−ブチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして5mlのエタノールに溶解された5mmol(0.81グラム)のFeCl3(無水物)が添加され、30mmolの炭酸水素ナトリウムも同様に添加された。それは3時間攪拌され、そして、反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.1g(92%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1581、1548、1472、1436、1403、1323、1215、1125、1069、979、950、836、785、740、698、666、622、590、553、526、507
CHN−元素分析:C、54.80;H、6.03;N、12.70
鉄含量:8.32%(m/m)
塩化物含量:1.2%(m/m)
例7
トリス−(3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)イソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15.8mmol(3.1グラム)の3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)イソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして5mlメタノール中に溶解された15mmol(0.81グラム)のナトリウムメタノラートが添加された。10mlのエタノールに溶解された5.24mmol(0.85グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.1g(85%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1585、1550、1475、1404、1363、1323、1218、1196、1117、1018、962、893、826、784、671
CHN−元素分析:C、46.77;H、5.38;N、11.98
鉄含量:8.14%(m/m)
塩化物含量:3.2%(m/m)
トリス−(3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)イソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15.8mmol(3.1グラム)の3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)イソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして5mlメタノール中に溶解された15mmol(0.81グラム)のナトリウムメタノラートが添加された。10mlのエタノールに溶解された5.24mmol(0.85グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.1g(85%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1585、1550、1475、1404、1363、1323、1218、1196、1117、1018、962、893、826、784、671
CHN−元素分析:C、46.77;H、5.38;N、11.98
鉄含量:8.14%(m/m)
塩化物含量:3.2%(m/m)
例8
トリス−(3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(3.25グラム)の3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルイソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.84グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.4g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1563、1523、1472、1396、1309、1230、1204、1157、1113、1063、1015、976、910、823、790、729、707、650、614
CHN−元素分析:C、50.32;H、5.97;N、11.60
鉄含量:8.18%(m/m)
塩化物含量:1.3%(m/m)
トリス−(3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(3.25グラム)の3−ヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルイソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.84グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.4g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1563、1523、1472、1396、1309、1230、1204、1157、1113、1063、1015、976、910、823、790、729、707、650、614
CHN−元素分析:C、50.32;H、5.97;N、11.60
鉄含量:8.18%(m/m)
塩化物含量:1.3%(m/m)
例9
トリス−(3−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)イソニコチンアミド)鉄(III)錯体
5.1mmol(1.30グラム)の3−ヒドロキシ−N、N−ビス(2−メトキシエチル)イソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして5.1mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を1.17ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された1.7mmol(0.277グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.53g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1631、1556、1469、1429、1397、1364、1309、1221、1203、1181、1140、1111、1067、1015、824、791、726、701
CHN−元素分析:C、50.17;H、6.30;N、9.72
鉄含量:6.06%(m/m)
塩化物含量:0.76%(m/m)
トリス−(3−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)イソニコチンアミド)鉄(III)錯体
5.1mmol(1.30グラム)の3−ヒドロキシ−N、N−ビス(2−メトキシエチル)イソニコチンアミドが50mlエタノール中で提供され、そして5.1mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を1.17ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された1.7mmol(0.277グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.53g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1631、1556、1469、1429、1397、1364、1309、1221、1203、1181、1140、1111、1067、1015、824、791、726、701
CHN−元素分析:C、50.17;H、6.30;N、9.72
鉄含量:6.06%(m/m)
塩化物含量:0.76%(m/m)
例10
トリス−(N,N−ジエチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(3.0グラム)のN、N−ジエチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミドが100mlエタノールに溶解され、そして15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.83グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.2g(100%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1557、1520、1471、1397、1362、1308、1259、1222、1159、1095、1062、1004、947、893、824、789、725、697、645、610
CHN−元素分析:C、53.48;H、6.25;N、12.33
鉄含量:8.72%(m/m)
塩化物含量:1.1%(m/m)
トリス−(N,N−ジエチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミド)鉄(III)錯体
15mmol(3.0グラム)のN、N−ジエチル−3−ヒドロキシイソニコチンアミドが100mlエタノールに溶解され、そして15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.83グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.2g(100%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1557、1520、1471、1397、1362、1308、1259、1222、1159、1095、1062、1004、947、893、824、789、725、697、645、610
CHN−元素分析:C、53.48;H、6.25;N、12.33
鉄含量:8.72%(m/m)
塩化物含量:1.1%(m/m)
例11
トリス((3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(モルホリノ)メタノン)鉄(III)錯体
9mmol(1.93グラム)の(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(モルホリノ)メタノンが50mlエタノール中で提供され、そして9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.497グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。2.2g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1624、1559、1523、1469、1435、1398、1361、1305、1281、1266、1219、1181、1137、1110、1063、1022、939、902、865、827、788、724、705、626
CHN−元素分析:C、50.36;H、5.52;N、11.48
鉄含量:7.43%(m/m)
塩化物含量:0.67%(m/m)
トリス((3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(モルホリノ)メタノン)鉄(III)錯体
9mmol(1.93グラム)の(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(モルホリノ)メタノンが50mlエタノール中で提供され、そして9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.497グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。2.2g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1624、1559、1523、1469、1435、1398、1361、1305、1281、1266、1219、1181、1137、1110、1063、1022、939、902、865、827、788、724、705、626
CHN−元素分析:C、50.36;H、5.52;N、11.48
鉄含量:7.43%(m/m)
塩化物含量:0.67%(m/m)
例12
トリス((3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノン)鉄(III)錯体
15mmol(3.12グラム)の(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノンが80mlエタノール中で提供され、そして15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.83グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.3g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1556、1524、1469、1442、1397、1309、1285、1258、1235、1216、1187、1149、1105、1062、1025、1004、954、927、894、853、822、788、724、701、646、616
CHN−元素分析:C、55.39;H、6.024;N、11.48
鉄含量:8.27%(m/m)
塩化物含量:0.88%(m/m)
トリス((3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノン)鉄(III)錯体
15mmol(3.12グラム)の(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノンが80mlエタノール中で提供され、そして15mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液)が添加された。10mlのエタノールに溶解された5mmol(0.83グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。3.3g(98%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1556、1524、1469、1442、1397、1309、1285、1258、1235、1216、1187、1149、1105、1062、1025、1004、954、927、894、853、822、788、724、701、646、616
CHN−元素分析:C、55.39;H、6.024;N、11.48
鉄含量:8.27%(m/m)
塩化物含量:0.88%(m/m)
例13
トリス−((3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン)鉄(III)錯体
9mmol(1.37グラム)の(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノンが70mlエタノール中で提供され、そして9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を2.06ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.497グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.98g(94%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1552、1517、1452、1393、1310、1272、1223、1205、1171、1128、1065、914、871、827、787、741、712、657
CHN−元素分析:C、53.47;H、5.49;N、12.26
鉄含量:7.98%(m/m)
塩化物含量:1.85%(m/m)
トリス−((3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン)鉄(III)錯体
9mmol(1.37グラム)の(3−ヒドロキシピリジン−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノンが70mlエタノール中で提供され、そして9mmolのナトリウムメタノラート(メタノール中25%溶液を2.06ml)が添加された。10mlのエタノールに溶解された3mmol(0.497グラム)のFeCl3(無水物)が滴下され、そして2時間攪拌された。反応混合物はろ過され、ろ過物はロータリーエバポレーターで蒸発され、そして残留物が真空のドライオーブン中で50℃で乾燥された。1.98g(94%鉄収量)の見出しの化合物が得られた。
IR(物質中、cm−1):1552、1517、1452、1393、1310、1272、1223、1205、1171、1128、1065、914、871、827、787、741、712、657
CHN−元素分析:C、53.47;H、5.49;N、12.26
鉄含量:7.98%(m/m)
塩化物含量:1.85%(m/m)
試験方法
本発明によるFe錯体によって達成できる優れたFeの活用度は、以下のマウスモデルを用いて測定された。
本発明によるFe錯体によって達成できる優れたFeの活用度は、以下のマウスモデルを用いて測定された。
オスのNMRI(SPF)マウス(おおよそ3週齢)が、おおよそ3週間、低鉄食料(おおよそ5ppm鉄)で給餌された。それらに対し、鉄錯体が、2日間の中断を伴い5日間(1〜5日目、および8〜12日目)、2回、胃管によって投与(2mg鉄/kg体重/日)された。6匹のマウスは対照群(陰性対照)であり、代わりに水が投与された。15日目における活用度が以下の式
〔式中、
0.07=kg体重当たりの70ml血液の係数(BW)
0.0034=0.0034Fe/gHbの係数
Hb1=1日目におけるヘモグロビンレベル(g/l)
Hb2(3)=8日目(もしくは15日目)におけるヘモグロビンレベル(g/l)
BW4=1日目における体重(g)
BW9(14)=8日目(もしくは15日目)における体重(g)
Hb1対照=対照群における1日目の平均ヘモグロビンレベル(g/l)
Hb2(3)=対照群における8日目(もしくは15日目)の平均ヘモグロビンレベル(g/l)
BW4対照=対照群における1日目の平均体重(g)
BW9(14)対照=対照群における8日目(もしくは15日目)の平均体重(g)
Fe Dos.=5日目間もしくは10日間における全ての投与された鉄(mgFe)
Fe ut.=(Hb2(3)×BW9(14)−Hb1×BW4)×0.07×0.0034(mgFe)
Δ活用度=活用されたFeTot.(試験群)−Fe Ut.対照群、食料から活用された分(mgFe)
〕
を用いてヘモグロビン増加および体重増加より計算された。
〔式中、
0.07=kg体重当たりの70ml血液の係数(BW)
0.0034=0.0034Fe/gHbの係数
Hb1=1日目におけるヘモグロビンレベル(g/l)
Hb2(3)=8日目(もしくは15日目)におけるヘモグロビンレベル(g/l)
BW4=1日目における体重(g)
BW9(14)=8日目(もしくは15日目)における体重(g)
Hb1対照=対照群における1日目の平均ヘモグロビンレベル(g/l)
Hb2(3)=対照群における8日目(もしくは15日目)の平均ヘモグロビンレベル(g/l)
BW4対照=対照群における1日目の平均体重(g)
BW9(14)対照=対照群における8日目(もしくは15日目)の平均体重(g)
Fe Dos.=5日目間もしくは10日間における全ての投与された鉄(mgFe)
Fe ut.=(Hb2(3)×BW9(14)−Hb1×BW4)×0.07×0.0034(mgFe)
Δ活用度=活用されたFeTot.(試験群)−Fe Ut.対照群、食料から活用された分(mgFe)
〕
を用いてヘモグロビン増加および体重増加より計算された。
以下の表1は鉄の活用度を示す。
比較例:
比較例としてWO2011117225に記載される、
AAO.N,N−ジメチル−2−オキソシクロヘキサンカルボキシミド
および
AAP.N,N−ジメチル−2−オキソシクロペンタンカルボキシミド
ならびに、例66による錯体化合物、トリス−(N,N−ジメチル−2−オキソシクロペンタンカルボキシミド)鉄(III)錯体
のような配位子が調製された。
比較例としてWO2011117225に記載される、
AAO.N,N−ジメチル−2−オキソシクロヘキサンカルボキシミド
および
AAP.N,N−ジメチル−2−オキソシクロペンタンカルボキシミド
ならびに、例66による錯体化合物、トリス−(N,N−ジメチル−2−オキソシクロペンタンカルボキシミド)鉄(III)錯体
のような配位子が調製された。
WO2011117225の例66による錯体は、非常に低い安定性のみを示す。その低い安定性のため、鉄錯体を得ること、ならびに、試験管内での試験を実施することが可能だが、上述のマウスモデルを用いる生体内での試験をさらに可能にするような組成物を見出すことが不可能であった。
六員環構造類似体の配位子(配位子AAO)は、さらにより不安定であった。ここでは、配位子を調製することは可能だが、その錯体は非常に不安定であるために、その精製およびその分析的測定は不可能であり、ましてや試験管内試験および生体内試験も不可能であった。
その非常に低い安定性のために、そのような化合物は、医薬投与のためには総合的に好適ではないとみなされるべきである。
驚くべきことに、本発明の新規の錯体は、上述の問題を解決することが可能であった。生体内試験において、これらの錯体が十分な安定性を示すこと、ならびにこれらの錯体が鉄治療における医薬投与において良好に使用できることを示すことが可能であった。マウスモデル試験は、優れた活用度のデータを提供した。
測定された鉄の活用度の値は、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療の指標に関して、重要なパラメーターであり、これは、このパラメーターが鉄の吸収を反映するのみではなく、動物モデルにおいて成長期の動物を用いるときに特に重要であるような、体重と鉄吸収との間の関係性をもまた反映するためである。もし、有効に吸収された鉄の測定であるようなヘモグロビンレベルのみが試験された場合、動物の成長に基づいた量が考慮されていないままである。従って、鉄の活用度とヘモグロビンレベルが、大部分が相互に関連するにも関わらず、鉄の活用度はより確かな測定である。生体に到達する提供され得る鉄の量を予測できるが、生体によって使用できるその量については考慮されないため、測定可能である鉄の血清レベルのみの試験もまた考慮されるべきではない。
試験結果は、本発明の鉄錯体化合物は優れた鉄の活用度を示し、それは、鉄欠乏性貧血およびそれに付随する症状の治療のための剤として好適にあるようにすることを示す。
好ましい実施態様
本発明によるさらに好ましい実施態様は以下のものである。
実施態様1 鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療および予防において使用するための鉄(III)−3−ヒドロキシイソニコチンアミド錯体化合物もしくはそれらの医薬的に許容可能な塩。
実施態様2 実施態様1による使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで、
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、3〜6員の環を形成する、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様3 実施態様1もしくは2による使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで、
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様4 実施態様1〜3のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、およびアルコキシ基もしくはヒドロキシ基によって置換され得るアルキル、好ましくはアルコキシ基によって置換されるアルキルであって、一つもしくは二つのメチレン基(−CH2−)を−O−で置換できるようなアルキルもまた含む群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様5 実施態様1〜4のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sek−ブチル、イソブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルおよびエトキシプロピル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロポキシエトキシエチルからなる群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様6 実施態様1〜5のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I)
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、任意選択で置換されたアルキルからなる群、好ましくはメチルおよびエチルからなる群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様7 実施態様1〜6のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であて、式(II):
であり、ここでR1およびR2が上に定義されるようなものである、鉄(III)錯体化合物。
実施態様8 実施態様1〜7のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血ならびにそれらに付随した症状の、治療および予防のための、鉄(III)錯体化合物。
実施態様9 実施態様8による使用のための鉄(III)錯体化合物であって、前記症状が、疲労、だるさ、集中力の欠如、低い認知効率、正しい言葉を見つける困難性、物忘れ、不自然な蒼白、神経過敏、心拍数の加速(頻脈)、舌痛もしくは舌の腫れ、脾腫、奇妙な食品への欲求(異食症)、頭痛、食欲不振、感染症対する感受性の増加、または抑うつ気分を含む、鉄(III)錯体化合物。
実施態様10 実施態様1〜9のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、妊娠中の女性における鉄欠乏性貧血、子供や青年における潜在性の鉄欠乏性貧血、胃腸の異状によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、消化管失血(例えば潰瘍、がん腫、痔、炎症性疾患、アセチルサリチル酸の摂取による)のような失血による鉄欠乏性貧血、月経によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、負傷によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、スプルー(スプルー)による鉄欠乏性貧血、特に子供および青年における偏食おける食事による鉄摂取の減少による鉄欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる免疫不全、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる脳機能障害、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる下肢静止不能症候群、がんの場合における鉄欠乏性貧血、化学療法によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、炎症(AI)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、鬱血性心不全(CHF;鬱血性心不全)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性腎不全ステージ3〜5(CKD3〜5;慢性腎臓病ステージ3〜5)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性炎症(ACD)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、間接リウマチ(RA)の場合における鉄欠乏性貧血、全身性エリテマトーデス(SLE)の場合における鉄欠乏性貧血、ならびに炎症性腸疾患(IBD)の治療のための、鉄(III)錯体化合物。
実施態様11 実施態様1〜10のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、経口投与のための鉄(III)錯体化合物。
実施態様12 実施態様11による鉄(III)錯体化合物であって、錠剤もしくはカプセルの形状での投与のための鉄(III)錯体化合物。
実施態様13 実施態様1〜7のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物を含有する医薬。
実施態様14 実施態様1〜7のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物、ならびに少なくとも一つの生理学的に適用可能な担体もしくは賦形剤を含有する医薬。
実施態様15 実施態様1〜7のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物と、少なくとも一つの鉄代謝に作用するさらなる医薬とを組み合わせて含有する組成物。
本発明によるさらに好ましい実施態様は以下のものである。
実施態様1 鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療および予防において使用するための鉄(III)−3−ヒドロキシイソニコチンアミド錯体化合物もしくはそれらの医薬的に許容可能な塩。
実施態様2 実施態様1による使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで、
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有する、3〜6員の環を形成する、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様3 実施態様1もしくは2による使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで、
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様4 実施態様1〜3のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、およびアルコキシ基もしくはヒドロキシ基によって置換され得るアルキル、好ましくはアルコキシ基によって置換されるアルキルであって、一つもしくは二つのメチレン基(−CH2−)を−O−で置換できるようなアルキルもまた含む群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様5 実施態様1〜4のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sek−ブチル、イソブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルおよびエトキシプロピル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロポキシエトキシエチルからなる群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様6 実施態様1〜5のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I)
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、任意選択で置換されたアルキルからなる群、好ましくはメチルおよびエチルからなる群より選択される、
鉄(III)錯体化合物。
実施態様7 実施態様1〜6のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であて、式(II):
であり、ここでR1およびR2が上に定義されるようなものである、鉄(III)錯体化合物。
実施態様8 実施態様1〜7のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血ならびにそれらに付随した症状の、治療および予防のための、鉄(III)錯体化合物。
実施態様9 実施態様8による使用のための鉄(III)錯体化合物であって、前記症状が、疲労、だるさ、集中力の欠如、低い認知効率、正しい言葉を見つける困難性、物忘れ、不自然な蒼白、神経過敏、心拍数の加速(頻脈)、舌痛もしくは舌の腫れ、脾腫、奇妙な食品への欲求(異食症)、頭痛、食欲不振、感染症対する感受性の増加、または抑うつ気分を含む、鉄(III)錯体化合物。
実施態様10 実施態様1〜9のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、妊娠中の女性における鉄欠乏性貧血、子供や青年における潜在性の鉄欠乏性貧血、胃腸の異状によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、消化管失血(例えば潰瘍、がん腫、痔、炎症性疾患、アセチルサリチル酸の摂取による)のような失血による鉄欠乏性貧血、月経によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、負傷によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、スプルー(スプルー)による鉄欠乏性貧血、特に子供および青年における偏食おける食事による鉄摂取の減少による鉄欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる免疫不全、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる脳機能障害、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる下肢静止不能症候群、がんの場合における鉄欠乏性貧血、化学療法によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、炎症(AI)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、鬱血性心不全(CHF;鬱血性心不全)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性腎不全ステージ3〜5(CKD3〜5;慢性腎臓病ステージ3〜5)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性炎症(ACD)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、間接リウマチ(RA)の場合における鉄欠乏性貧血、全身性エリテマトーデス(SLE)の場合における鉄欠乏性貧血、ならびに炎症性腸疾患(IBD)の治療のための、鉄(III)錯体化合物。
実施態様11 実施態様1〜10のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、経口投与のための鉄(III)錯体化合物。
実施態様12 実施態様11による鉄(III)錯体化合物であって、錠剤もしくはカプセルの形状での投与のための鉄(III)錯体化合物。
実施態様13 実施態様1〜7のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物を含有する医薬。
実施態様14 実施態様1〜7のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物、ならびに少なくとも一つの生理学的に適用可能な担体もしくは賦形剤を含有する医薬。
実施態様15 実施態様1〜7のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物と、少なくとも一つの鉄代謝に作用するさらなる医薬とを組み合わせて含有する組成物。
Claims (16)
- 鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の治療および予防において使用するための鉄(III)−3−ヒドロキシイソニコチンアミド錯体化合物もしくはそれらの医薬的に許容可能な塩。
- 請求項1による使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで、
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択され、
または、式中、R1およびR2が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有できる、3〜6員の環を形成する、
鉄(III)錯体化合物。 - 請求項1もしくは2による使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで、
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、および任意選択で置換されるアルキルからなる群より選択されるか、または
R1およびR2が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有できる、5〜6員の環を形成する、
鉄(III)錯体化合物。 - 請求項1〜3のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、
水素、およびアルコキシ基もしくはヒドロキシ基によって置換され得るアルキル、好ましくはアルコキシ基によって置換されるアルキルであって、一つもしくは二つのメチレン基(−CH2−)を−O−で置換できるようなアルキルもまた含む群より選択されるか、または、
R1およびR2が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、任意選択で置換され、かつ任意選択で一つのさらなるヘテロ原子を含有できる、5〜6員の環を形成する、
鉄(III)錯体化合物。 - 請求項1〜4のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I):
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sek−ブチル、イソブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルおよびエトキシプロピル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロポキシエトキシエチルからなる群より選択されるか、または、
R1およびR2が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニルおよびピロリジニルからなる群より選択される、任意選択で置換された5〜6員の環を形成する。
鉄(III)錯体化合物。 - 請求項1〜5のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であって、式(I)
の少なくとも一つの配位子を含み、ここで
矢印が、単一のもしくは異なる鉄原子に対する配位結合をそれぞれ示し、
R1およびR2が、同一であるかもしくは異なり、そしてそれぞれ、水素、任意選択で置換されたアルキルからなる群より選択されるか、またはメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ならびに一つのメトキシ基もしくは一つのエトキシ基によって置換されるアルキルからなる群より選択され、あるいは、
R1およびR2が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニルおよびピロリジニルからなる群より選択される、ヘテロ環の、5〜6員の環を形成する。
鉄(III)錯体化合物。 - 請求項1〜6のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩であて、式(II):
であり、ここでR1およびR2が先行する請求項のいずれかにおいて定義されるようなものである、鉄(III)錯体化合物。 - 請求項1〜7のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、以下の群:
および
より選択される、鉄(III)錯体化合物。 - 請求項1〜8のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血ならびにそれらに付随した症状の、治療および予防のための、鉄(III)錯体化合物。
- 請求項9による使用のための鉄(III)錯体化合物であって、前記症状が、疲労、だるさ、集中力の欠如、低い認知効率、正しい言葉を見つける困難性、物忘れ、不自然な蒼白、神経過敏、心拍数の加速(頻脈)、舌痛もしくは舌の腫れ、脾腫、奇妙な食品への欲求(異食症)、頭痛、食欲不振、感染症対する感受性の増加、または抑うつ気分を含む、鉄(III)錯体化合物。
- 請求項1〜10のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、妊娠中の女性における鉄欠乏性貧血、子供や青年における潜在性の鉄欠乏性貧血、注意欠陥/多動性障害(ADHD)の子供における鉄欠乏および鉄欠乏性貧血、胃腸の異状によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、消化管失血(例えば潰瘍、がん腫、痔、炎症性疾患、アセチルサリチル酸の摂取による)のような失血による鉄欠乏性貧血、月経によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、負傷によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、スプルー(スプルー)による鉄欠乏性貧血、特に子供および青年における偏食おける食事による鉄摂取の減少による鉄欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる免疫不全、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる脳機能障害、鉄欠乏性貧血によって引き起こされる下肢静止不能症候群、がんの場合における鉄欠乏性貧血、化学療法によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、炎症(AI)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、鬱血性心不全(CHF;鬱血性心不全)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性腎不全ステージ3〜5(CKD3〜5;慢性腎臓病ステージ3〜5)の場合の鉄欠乏性貧血、慢性炎症(ACD)によって引き起こされる鉄欠乏性貧血、間接リウマチ(RA)の場合における鉄欠乏性貧血、全身性エリテマトーデス(SLE)の場合における鉄欠乏性貧血、ならびに炎症性腸疾患(IBD)の治療のための、鉄(III)錯体化合物。
- 請求項1〜11のいずれかによる使用のための鉄(III)錯体化合物であって、経口投与のための鉄(III)錯体化合物。
- 請求項12による鉄(III)錯体化合物であって、錠剤もしくはカプセルの形状での投与のための鉄(III)錯体化合物。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物を含有する医薬。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物、ならびに少なくとも一つの生理学的に適用可能な担体もしくは賦形剤を含有する医薬。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて定義されるような鉄(III)錯体化合物と、少なくとも一つの鉄代謝に作用するさらなる医薬とを組み合わせて含有する組成物。
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