JP5975181B2 - 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、励起X線を試料に照射し、それに応じて試料から放出された蛍光X線を測定して試料成分の定量を行う蛍光X線分析方法及び装置に関し、特に、ファンダメンタルパラメータ法(以下、「FP法」と呼ぶ。)を用いて試料成分の定量を行う蛍光X線分析方法及び装置に関する。
樹脂製品や食品などに含まれる金属元素等の微量成分の種類を特定したり、それらを定量したりするために、蛍光X線分析が用いられる。検出された蛍光X線のエネルギーから微量成分の特定が、また、蛍光X線の強度からそれらの定量が行われる。
試料の成分の定量を行う方法の1つにFP法がある(例えば特許文献1、2)。FP法では、検量線法のように、測定対象試料と類似の成分で構成された、濃度の異なる標準試料を数多く準備し、それらを測定して検量線を予め作成しておくという必要がないため、含有成分の種類が不明である試料の分析に適している。
FP法では、蛍光X線の強度を計算する理論式を使用し、蛍光X線の強度の実測値に基づいて各成分の含有量を決定する。有機物からは蛍光X線を検出することができないため、樹脂製品等のように主成分が有機物である場合には、主成分の定量値は、先に決定した主成分以外の各成分の定量値を全体から差し引いて決定する。
特開平8-334481号公報 特開2010-223908号公報
FP法では、試料室のX線照射窓に照射されたX線が全て試料に入射することを前提とした理論計算を行う。そのため、X線照射窓の全面を覆うように試料を成形して分析を行っている。しかし、線状に加工された樹脂製品等のように成形できない試料の場合には、照射したX線の一部しか試料に入射しない。そのため、試料から発せられる蛍光X線の強度は、X線照射窓の全面を覆う形状の試料から発せられる蛍光X線の強度よりも小さくなり、測定された強度値との比較から理論的に計算される試料成分の量が、実際の成分の量よりも少なくなってしまうという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、試料形状に影響されることなく、試料に含まれる成分を精度よく定量することができる蛍光X線分析方法及び装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、分子式が既知である有機物を主成分とする試料にX線を照射し、該試料から放出されるX線を測定した結果を利用して該試料に含まれる前記主成分以外の含有成分を定量する蛍光X線分析方法であって、
a) 測定された蛍光X線のエネルギーに基づいて、前記含有成分の種類を決定し、
b) 前記試料からの蛍光X線強度の測定値に基づいて前記含有成分の定量値を設定し、
c) 前記試料からの散乱X線強度の測定値と、試料が前記主成分からなり、かつ照射されたX線が全て試料に入射すると仮定して算出した散乱X線強度の理論値に基づいて、前記試料に対するX線の照射率を表す面積占有率を計算し、
d) 前記含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した蛍光X線強度の理論値と、前記蛍光X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記含有成分の定量値を再計算し、
e) 前記再計算後の含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した散乱X線強度の理論値と、前記散乱X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記面積占有率を再計算し、
f) 前記含有成分の定量値の再計算及び前記面積占有率の再計算を繰り返し、該再計算後の定量値及び/又は前記面積占有率が予め設定された収束条件を満たした時点における定量値を前記含有成分の確定定量値とする
ことを特徴とする。
上記散乱X線としては、典型的にはX線管ターゲットのコンプトン散乱X線やレイリー散乱X線を用いるが、試料に対するX線の照射領域の大きさを反映して強度が変化するものであればよく、事前に設定したエネルギーにおける連続X線を用いることもできる。
本発明に係る蛍光X線分析方法では、原則として厚さが既知である試料の含有成分を定量するが、仮に試料の厚さが不明である場合には、エネルギーが異なる散乱線強度の比に基づく理論計算により、試料の厚さを推定した上で、該試料の含有成分を定量するようにしてもよい。エネルギーが異なる散乱線としては、例えば、ロジウムをターゲット材料として発せられたX線の散乱線である、RhKα線とRhLα線を用いることができる。
本発明に係る蛍光X線分析方法では、散乱X線強度の測定値と、X線が全て試料に対して有効に照射されると仮定して算出した散乱X線の全強度の理論値とを比較して、面積占有率を計算し、該面積占有率を蛍光X線強度の理論値の計算に用いることによって、試料形状に応じて異なる蛍光X線強度を補正する。そして、散乱X線強度及び蛍光X線強度の理論値が、それぞれの測定値と整合するように面積占有率及び含有成分の定量値を収束させ、該定量値を決定する。従って、試料形状に影響されることなく、試料に含まれる成分を精度よく定量することができる。
上記課題を解決するために成された本発明の別の態様は、分子式が既知である有機物を主成分とする試料にX線を照射し、該試料から放出されるX線を測定した結果を利用して該試料に含まれる前記主成分以外の含有成分を定量する蛍光X線分析装置であって、
a) 測定された蛍光X線のエネルギーに基づいて、前記含有成分の種類を決定する含有成分決定部と、
b) 前記試料からの蛍光X線強度の測定値に基づいて前記含有成分の定量値を設定する定量値設定部と、
c) 前記試料からの散乱X線強度の測定値と、試料が前記主成分からなり、かつ照射されたX線が全て試料に入射すると仮定して算出した散乱X線強度の理論値に基づいて、前記試料に対するX線の照射率を表す面積占有率を計算する面積占有率計算部と、
d) 前記含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した蛍光X線強度の理論値と、前記蛍光X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記含有成分の定量値を再計算する定量値再計算部と、
e) 前記再計算後の含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した散乱X線強度の理論値と、前記散乱X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記面積占有率を再計算する面積占有率再計算部と、
f) 前記定量値再計算部による計算及び前記面積占有率再計算部による計算を繰り返し実行させ、該再計算後の定量値及び/又は前記面積占有率が予め設定された収束条件を満たした時点における定量値を前記含有成分の確定定量値として決定する定量値決定部と
を備えることを特徴とする。
本発明に係る蛍光X線分析方法及び装置では、試料形状に応じて異なる蛍光X線強度の補正を行うための面積占有率を用い、散乱X線強度及び蛍光X線強度の理論値が、それぞれの測定値と合致するように面積占有率及び含有成分の定量値を収束させ、該定量値を決定する。従って、試料形状に影響されることなく、試料に含まれる成分を精度よく定量することができる。
本発明に係る蛍光X線分析方法に用いられる蛍光X線分析装置の一例の要部構成図。 本発明に係る蛍光X線分析方法の一実施例における分析手順を説明するフローチャート。 本発明に係る蛍光X線分析方法を好適に適用できる試料の例を示す図。 本実施例の蛍光X線分析方法を用いて試料の含有成分を定量した結果を示す表。
本発明に係る蛍光X線分析方法に用いられる蛍光X線分析装置の一例を説明する。本実施例において、試料は厚さが既知である樹脂製品であり、主成分であり分子式が既知の樹脂成分と、樹脂成分以外の1乃至複数種類の含有成分(以下、単に「含有成分」と呼ぶ。)をそれぞれ定量する。図1に、その要部構成を示す。
図1において、制御部15による制御の下に、ターゲット材料がロジウム(Rh)であるX線管1から発せられた励起X線が試料2に当たると、励起X線により励起された蛍光X線が試料2から放出され、リチウムドリフト型シリコン検出器などのX線検出器3に入射して電流信号として検出される。また試料2に当たった励起X線はその一部が試料2によって散乱され、こうした散乱X線もX線検出器3で検出される。検出された電流はX線検出器3内部で積分され、その積分は一定時間を超えるとリセットされる。これにより、X線検出器3の出力信号は階段状の電流パルス信号となる。この信号の各段の高さが試料2に含まれる各元素のエネルギーに対応している。この電流パルス信号は、プリアンプ4、さらに波形整形回路を含む比例増幅器5に入力され、上記各階段の高さに応じた波高を持つ適当な形状のパルスに成形されて出力される。
A/D変換器(ADC)6は、このパルス波形状のアナログ信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル化する。マルチチャンネルアナライザ(MCA)7はデジタル化されたパルス信号の波高値に応じて各パルスを弁別した後にそれぞれ計数し、波高分布図、つまりX線スペクトルを作成してデータ処理部10に入力する。X線スペクトルを構成するデータは記憶部11に格納される。
X線スペクトルには、分析対象である試料中に含まれる元素から放出される蛍光X線のエネルギー値に対応する位置に各元素固有のスペクトル線がピークとして現れる。また、X線管ターゲットのレイリー散乱X線及びコンプトン散乱X線のスペクトル線のピークも現れる。データ処理部10において、ピーク抽出部12は、X線スペクトルを構成するデータを記憶部11から読み出し、X線スペクトル上の各ピークを検出して、該ピークのエネルギー値と強度値を記憶部11に保存する。続いて、定量演算部13は、各ピークのエネルギー値と強度値から、含有元素の種類を特定して定量する。定量演算部13による含有元素の特定及び定量の詳細については後述する。
定量演算部13は、上述のFP法を用いた蛍光X線分析を実行する。FP法では、試料に含まれる主成分(本実施例では樹脂成分)及び含有成分の含有量をそれぞれ仮定し、仮定した含有量から蛍光X線の理論強度を成分毎に計算し、その理論強度と実測強度とを比較し、その差に基づいて仮定した含有量を修正する、という処理を繰り返すことで、含有成分を定量する。なお、FP法において、各成分の定量値は重量百分率で示される。
蛍光X線強度に関して、実測強度Mと理論式を用いて計算される理論強度Tが次式(1)の関係にあることが知られている。
M=kT …(1)
ここでkは感度係数と呼ばれる係数である。この感度係数kは純物質試料の実測結果などに基づいて元素毎に予め算出され、記憶部11に保存されている。
以下、本実施例の定量演算部13により実行される蛍光X線分析について、図2のフローチャートを参照して説明する。定量演算部13は、含有成分決定部131、定量値設定部132、面積占有率計算部133、定量値再計算部134、面積占有率再計算部135、定量値決定部136を含んで構成される。なお、これらのうち、定量値設定部132と定量値再計算部134、面積占有率計算部133と面積占有率再計算部135は、後述するように類似の計算を行うため、含有成分計算部、面積占有率計算部、のように1つの計算部として構成することができる。
操作部16を通じて使用者から分析開始が指示されると、含有成分決定部131は、ピーク抽出部12により抽出され記憶部11に保存された、各ピークのエネルギー値を読み出し、該エネルギー値に基づいて各含有成分の種類を決定する(ステップS1)。また、定量値設定部132が、各含有成分にそれぞれ対応するピークの強度の実測値に基づき初期定量値を設定する(ステップS2)。
続いて、面積占有率計算部133は、試料が樹脂成分のみで構成されると仮定して散乱X線強度の理論値を計算する(ステップS3)。そして、散乱X線強度の理論値と測定値から面積占有率を計算する(ステップS4)。面積占有率は、X線照射窓全体の面積のうち、測定対象試料が位置している面積の比率を意味している。即ち、面積占有率が、試料に照射したX線のうち、試料に入射するX線の割合を示すパラメータとなる。散乱X線の強度は、試料に入射したX線の強度に応じて異なるため、散乱X線強度の理論値と測定値の比から、試料に入射したX線の割合を求めることができる。
上記散乱X線としては、典型的にはX線管ターゲットのコンプトン散乱X線やレイリー散乱X線を用いるが、試料に対するX線の照射領域の大きさを反映して強度が変化するものであればよく、事前に設定したエネルギーにおける連続X線を用いることもできる。
図3(a)に示すように、X線照射窓の全面を覆うような形状の試料Aの場合には面積占有率は100%となる。一方、図3(b)のようにX線照射窓の一部のみを覆うような形状の試料Bの場合には、面積占有率は当該試料の形状を反映した値となる。
面積占有率計算部133は、計算した面積占有率を、予め元素毎に設定された感度係数に乗じて修正感度係数を計算する(ステップS5)。
次に、定量値再計算部134は、定量値設定部132により各含有成分に対して設定された初期定量値を用いて蛍光X線強度の理論値を計算する(ステップS6)。そして、この蛍光X線強度の理論値に上述の修正感度係数を乗じて蛍光X線強度の推定値を計算する(ステップS7)。これにより、試料形状を考慮した蛍光X線強度の推定を行う。そして、蛍光X線強度の測定値と推定値に基づいて、各含有成分の定量値を再計算する(ステップS8)。
定量値再計算部134により含有成分の定量値が計算されると、定量値決定部136が予め設定された収束条件を満たすか否かを判定する(ステップS9)。本実施例における収束条件は、定量値再計算部134による計算が2回目以降の計算であること、及び当該回における定量値再計算部134による各含有成分の定量値と前回の定量値再計算部134による各含有成分の定量値の差がいずれも所定値以下であること、の2つである。定量値決定部136が収束条件を満たす、と判定した場合(ステップS9でYES)には、当該回に定量値再計算部134により計算された各含有成分の定量値を確定値とする。
一方、収束条件を満たさない、と判定した場合(ステップS9でNO)には、面積占有率再計算部135が、当該回に定量値再計算部134により計算された各含有成分の定量値を用いて散乱X線強度の理論値を計算し(ステップS11)、先のステップS3で計算された面積占有率を更新する(ステップS4)。以降は、定量値決定部136が収束条件を満たす(ステップS9でYES)、と判断するまで、上述のステップS4からステップS8を繰り返す。なお、上記ステップS6の説明では、定量値再計算部134による初回の計算であったため、各含有成分の初期定量値を用いて理論強度を計算する、としたが、2回目以降の計算時には既に定量値再計算部134により計算された各含有成分の定量値を用いて蛍光X線強度の理論値を計算する。
本実施例に係る蛍光X線分析方法では、散乱X線強度の理論値と測定値から面積占有率を計算し、これを用いて修正感度係数を計算する。これにより、照射したX線の一部のみしか試料に入射しない場合に、試料から発せられる蛍光X線の強度が、照射したX線の全部が試料に入射する場合の強度に比べて小さくなり、含有成分の定量値を実際よりも低く評価してしまう、という問題を回避している。従って、試料形状に影響されることなく、試料に含まれる成分を精度よく定量することができる。
ところで、分析対象試料の形状を確認して、面積占有率を計算するために、X線照射窓上に載置された試料を撮影するカメラを試料室内に配置することも考えられる。しかし、X線分析装置にカメラを追加すると、装置が大型かつ高価なものになってしまう。また、試料の表面が光沢を持つ場合には、カメラによる撮影を行っても上記割合を決定することは難しい。
一方、本実施例の方法及び装置では、カメラ等の撮影手段を用いることなく、また、試料の厚さを含めた形状を補正して、試料中の含有成分を精度良く定量することができる。
以下、上述した蛍光X線分析方法を用いて、X線照射窓の全面を覆う形状を有する試料1と、X線照射窓の半分を覆う形状の試料2について、それぞれ含有成分を定量した結果について説明する。試料1と試料2の厚さ、及び含有成分の種類とそれらの含有量は同じであり、形状のみが異なる。
図4に、本実施例の蛍光X線分析方法を用いた定量結果(補正あり)、従来の蛍光X線分析方法を用いた定量結果(補正なし)を示す。図に示すように、試料2からの蛍光X線強度は試料1からの蛍光X線強度よりも小さくなっているため、従来の方法で定量すると、各含有成分の定量値が実際の含有量よりも低くなり、それら含有量を除いて計算される主成分(樹脂成分)の定量値が実際の含有量よりも高くなっている。一方、本実施例の方法を用いて分析した場合には正しく定量されていることが分かる。
上記実施例は一例であって、本願発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。
上記実施例では、主成分が樹脂成分である試料を例に説明したが、これに限らず、分子式が既知である有機物を主成分とする試料(例えば、食品等)を分析することができる。
上記実施例では、定量値設定部132、面積占有率計算部133、定量値再計算部134、及び面積占有率再計算部135をそれぞれ独立した構成として説明したが、類似の計算を行う定量値設定部132と定量値再計算部134、面積占有率計算部133と面積占有率再計算部135は、1つの計算部として構成してもよい。
また、上記実施例における各ステップのうち、並行して計算可能なものについては、それらの実行順序を変更することもできる。
さらに、上記実施例では、定量値再計算部により計算された定量値と前回の定量値の差が所定値以下であることを収束条件としたが、これ以外にも、面積占有率の値の変動に基づいて収束条件を設定したり、蛍光X線強度の推定値と測定値の差が所定値以下であることを収束条件としたりすることもできる。
その他、上記実施例では、厚さが既知である試料を測定する場合について説明したが、試料の厚さが不明である場合には、エネルギーが異なる散乱線強度の比に基づく理論計算により、試料の厚さを推定するようにしてもよい。エネルギーが異なる散乱線としては、例えば、X線スペクトル上に現れるRhKα線とRhLα線を用いることができる。
1…X線管
2…試料
3…X線検出器
4…プリアンプ
5…比例増幅器
6…A/D変換器
7…マルチチャンネルアナライザ
10…データ処理部
11…記憶部
12…ピーク抽出部
13…定量演算部
131…含有成分決定部
132…定量値設定部
133…面積占有率計算部
134…定量値再計算部
135…面積占有率再計算部
136…定量値決定部
15…制御部
16…操作部

Claims (2)

  1. 分子式が既知である有機物を主成分とする試料にX線を照射し、該試料から放出されるX線を測定した結果を利用して該試料に含まれる前記主成分以外の含有成分を定量する蛍光X線分析方法であって、
    a) 測定された蛍光X線のエネルギーに基づいて、前記含有成分の種類を決定し、
    b) 前記試料からの蛍光X線強度の測定値に基づいて前記含有成分の定量値を設定し、
    c) 前記試料からの散乱X線強度の測定値と、試料が前記主成分からなり、かつ照射されたX線が全て試料に入射すると仮定して算出した散乱X線強度の理論値に基づいて、前記試料に対するX線の照射率を表す面積占有率を計算し、
    d) 前記含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した蛍光X線強度の理論値と、前記蛍光X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記含有成分の定量値を再計算し、
    e) 前記再計算後の含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した散乱X線強度の理論値と、前記散乱X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記面積占有率を再計算し、
    f) 前記含有成分の定量値の再計算及び前記面積占有率の再計算を繰り返し、該再計算後の定量値及び/又は前記面積占有率が予め設定された収束条件を満たした時点における定量値を前記含有成分の確定定量値とする
    ことを特徴とする蛍光X線分析方法。
  2. 分子式が既知である有機物を主成分とする試料にX線を照射し、該試料から放出されるX線を測定した結果を利用して該試料に含まれる前記主成分以外の含有成分を定量する蛍光X線分析装置であって、
    a) 測定された蛍光X線のエネルギーに基づいて、前記含有成分の種類を決定する含有成分決定部と、
    b) 前記試料からの蛍光X線強度の測定値に基づいて前記含有成分の定量値を設定する定量値設定部と、
    c) 前記試料からの散乱X線強度の測定値と、試料が前記主成分からなり、かつ照射されたX線が全て試料に入射すると仮定して算出した散乱X線強度の理論値に基づいて、前記試料に対するX線の照射率を表す面積占有率を計算する面積占有率計算部と、
    d) 前記含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した蛍光X線強度の理論値と、前記蛍光X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記含有成分の定量値を再計算する定量値再計算部と、
    e) 前記再計算後の含有成分の定量値及び前記面積占有率を用いて計算した散乱X線強度の理論値と、前記散乱X線強度の測定値の比較結果に基づいて前記面積占有率を再計算する面積占有率再計算部と、
    f) 前記定量値再計算部による計算及び前記面積占有率再計算部による計算を繰り返し実行させ、該再計算後の定量値及び/又は前記面積占有率が予め設定された収束条件を満たした時点における定量値を前記含有成分の確定定量値として決定する定量値決定部と
    を備えることを特徴とする蛍光X線分析装置。
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