JP6161058B2 - 放射能検査装置及び放射能検知方法 - Google Patents

放射能検査装置及び放射能検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射能検査装置及び放射能検知方法に関する。詳しくは、食品中の放射性セシウムスクリーニング法に準じた放射能検査に関する。
放射性セシウムの測定法として、ゲルマニウム半導体を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法が規定されているが、この方法に用いる機器の数が限られていること、必要とする試料が比較的多いこと等、多数の試料を効率よく検査する手段は限られている。この状況を踏まえ、放射性セシウム濃度が暫定基準値よりも確実に低い検体を判別するために、食品安全委員会における放射性物質の食品健康影響評価を受け、厚生労働省薬事・食品衛生審議会の野の答申を受け、食品衛生法(昭和22年法律第233号)の規格基準として、食品中の放射性セシウムスクリーニング法が平成24年4月1日より施行されることとなった。これを受けて、一般食品の基準値である100 Bq/kgに対応できるようスクリーニング法の見直が行われた。
一方、核種を特定した測定を行う場合はエネルギー分解能の高い検出器(NaIシンチレーション検出器等)を使用してマルチチャンネルでのスペクトル分析を行なっていたが、エネルギー分解能の高い検出器で大きな結晶を準備するにはコストがかかるため、検出効率の高い測定器を作成するのは困難であった。
従来の一般的なNaIシンチレーション検出器を図5に示す。5図に示すように、ヨウ化ナトリウム(NaI)単結晶であるシンチレータ01を透明窓02を間において光電子増倍管03に取り付けたものであり、図中に矢印で示すように、γ線をシンチレータ01にあてると蛍光が発し、その蛍光が光電面04にあたると光電子が飛び出し、これが複数のダイノード1〜9で衝突を繰り返して増倍され、陽極05で捕捉されて電気信号として取り出される。
光電子増倍管03は、複数のダイノード1〜9及び陽極05を収容する遮光ケース06及び磁気シールド07を備え、光電子を加速する集束電極08を備えている。シンチレータ01は、反射材09を内面に貼り付けたアルミニウムケース010に配置されている。シンチレータとは、放射線を当てると蛍光を発する蛍光物質のことを言い、放射線による蛍光をシンチレーションという。シンチレータとして、蛍光物質を含むプラスチックシンチレータを用いた検出器は、プラスチックシンチレーション検出器と呼ばれる。
このようなNaIシンチレーション検出器を使用してマルチチャンネルでのスペクトル分析を行うと、図6に示すように、核種に応じたピークが検出されるため、核種の特定が可能である。図6は、セシウム137(Cs137)に対応する662Kevのピークを黒く示したものである。図6において横軸は、エネルギーに応じて区分された複数のチャンネルを示す。
放射能検査の一般的な技術としては、特許文献1,2が知られている。特許文献1は、入射γ放射によって照射されると結晶が可視光を放射する、γ線用の放射検出装置を開示している。特許文献2は、ウイルス、細胞、細胞内構造、または細胞外構造などによって媒介され、またはこれに関連する状態、障害、または疾患の治療を含めた、生物活性を媒介し、またはこれに関連する標的構造を改変するための生成物、組成物、システム、および方法を開示している。
特表2002−523786号公報 特表2011−518781号公報
エネルギー分解能の高い検出器は総じてエネルギーシフトをしやすく(温度変化等に敏感)なおかつ分解能が高いがゆえにエネルギーシフトすると測定値が大幅に変動する。
通常の測定器と違い、スクリーニングの場合は測定のたびに線源を使用してエネルギー校正するわけには行かず、精度を保証するためには恒温室を準備する等の対策を要する。
安価で大きな結晶を準備できる検出器(プラスチックシンチレーション検出器等)はエネルギー分解能が低いため、これを使用する場合は領域を広く取りシングルチャンネルでの測定をしていたため、精度が悪かった。
例えば、プラスチックシンチレーション検出器を利用して、マルチチャンネルでのスペクトル分析を行うと、図7に示す結果が得られる。プラスチックシンチレーション検出器は、NaIシンチレーション検出器に比較して、エネルギー分解能の悪いため、NaIシンチレーション検出器を使用した図6に比較して、図7では顕著なビークが表れていなかった。
本発明は、プラスチックシンチレーション検出器を使用して、検出効率が高く、精度のよい安価な放射能検査装置及び放射能検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の請求項1に係る放射能検査装置は、検査対象から放出された放射線により蛍光を発するプラスチックシンチレータと、前記プラスチックシンチレータから発せられた蛍光を光電子として増倍し、電気信号として出力する光電子増倍管と、前記光電子増倍管から出力される電気信号を、エネルギーに応じた複数のチャンネルに区分してマルチチャンネルでのスペクトル分析を行うマルチチャンネルアナライザと、前記マルチチャンネルアナライザによるマルチチャンネルでのスペクトル分析の結果により、前記検査対象の放射性セシウムの放射能量を演算するコンピュータとからなる放射能検査装置において、
前記コンピュータは、マルチチャンネルでのスペクトル分析の結果、放射性セシウムを特徴づけるチャンネルの区分をセシウム領域とすると共に、放射性カリウムを特徴づけるチャンネルの区分をカリウム領域とする領域設定部と、
前記検査対象として放射性カリウムの校正体を測定した時のセシウム領域計数率(nk)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じた値を分子(nk−nb)とし、前記校正体を測定した時のカリウム領域計数率(nkk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値を分母(nkk−nbk)とする補正係数(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))を求める補正係数演算部と、
前記検査対象として質量及び単位質量あたりの放射線量が既知の標準体を測定した時のセシウム領域計数率(nh)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記標準体を測定した時のカリウム領域計数率(nhk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nhk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)を求め、前記標準体の単位質量当たりの放射性セシウムの放射能量(C)と前記標準体の質量(W)の積(C・W)を前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth)で除することにより換算係数(K=C・W/nth)を求める換算係数演算部と、
前記検査対象として放射線量が未知の試料を測定した時のセシウム領域計数率(ns)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記試料を測定した時のカリウム領域計数率(nsk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nsk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記試料を測定した時のセシウム領域正味計数率(nt=ns−(nsk−nbk)・α−nb)を求め、前記試料測定時のセシウム領域正味計数率(nt)と前記換算係数(K)の積(nt・K)を前記試料の質量(W')で除することにより前記試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')を求める放射能量演算部とを備えることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項2に係る放射能検査装置は、請求項1において、前記放射性セシウム放射能量演算部により演算された放射能量が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定部を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項3に係る放射能検査方法は、検査対象から放出された放射線により蛍光を発するプラスチックシンチレータと、前記プラスチックシンチレータから発せられた蛍光を光電子として増倍し、電気信号として出力する光電子増倍管と、前記光電子増倍管から出力される電気信号を、エネルギーに応じた複数のチャンネルに区分してマルチチャンネルでのスペクトル分析を行うマルチチャンネルアナライザと、前記マルチチャンネルアナライザによるマルチチャンネルでのスペクトル分析の結果により、前記検査対象の放射性セシウムの放射能量を演算するコンピュータとを用いた放射能検査方法において、
前記コンピュータは、マルチチャンネルでのスペクトル分析の結果、放射性セシウムを特徴づけるチャンネルの区分をセシウム領域とすると共に、放射性カリウムを特徴づけるチャンネルの区分をカリウム領域とするステップと、
前記検査対象として放射性カリウムの校正体を測定した時のセシウム領域計数率(nk)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じた値を分子(nk−nb)とし、前記校正体を測定した時のカリウム領域計数率(nkk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値を分母(nkk−nbk)とする補正係数(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))を求めるステップと、
前記検査対象として質量及び単位質量あたりの放射線量が既知の標準体を測定した時のセシウム領域計数率(nh)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記標準体を測定した時のカリウム領域計数率(nhk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nhk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)を求め、前記標準体の単位質量当たりの放射性セシウムの放射能量(C)と前記標準体の質量(W)の積(C・W)を前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth)で除することにより換算係数(K=C・W/nth)を求めるステップと、
前記検査対象として放射線量が未知の試料を測定した時のセシウム領域計数率(ns)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記試料を測定した時のカリウム領域計数率(nsk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nsk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記試料測定時のセシウム領域正味計数率(nt=ns−(nsk−nbk)・α−nb)を求め、前記試料を測定した時のセシウム領域正味計数率(nt)と前記換算係数(K)の積(nt・K)を前記試料の質量(W')で除することにより前記試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')を求めるステップとを備えることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項4に係る放射能検査方法は、請求項3において、前記放射能量(D=nt・K/W')が所定の閾値を超えるか否かを判定するステップを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る放射能検査装置は、領域設定部により、放射性セシウムを特徴づけるチャンネルの区分をセシウム領域と放射性カリウムを特徴づけるチャンネルの区分をカリウム領域とし、補正係数(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))、換算係数(K=C・W/nth)を求め、補正係数及び換算係数を利用して、試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')を求めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項2に係る放射能検査装置は、請求項1に係る放射能検査装置と同様な効果を奏する他、試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')が所定の閾値を超えるか否か判定することが可能となるという効果を奏する。
本発明の請求項3に係る放射能検査方法は、領域設定部により、放射性セシウムを特徴づけるチャンネルの区分をセシウム領域と放射性カリウムを特徴づけるチャンネルの区分をカリウム領域とし、補正係数(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))、換算係数(K=C・W/nth)を求め、補正係数及び換算係数を利用して、試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')を求めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項4に係る放射能検査方法は、請求項3に係る放射能検査装置と同様な効果を奏する他、試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')が所定の閾値を超えるか否か判定することが可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施例に係る放射能検査装置の概略構成図である。 本発明の一実施例に係る放射能検査装置により実施される放射能検査方法を示すフローチャートである。 バックグラウンド、放射性セシウム、放射性カリウムをそれぞれ単独でマルチチャンネルでのスペクトル分析した結果を示すグラフである。 バックグラウンド、試料をマルチチャンネルでのスペクトル分析した結果を示すグラフである。 従来技術に係る光電子増倍管を取り付けたNaIシンチレーション検出器の概略構成図である。 従来技術に係るNaIシンチレーション検出器によるマルチチャンネルでのスペクトル分析した結果を示すグラフである。 従来技術に係るプラスチックシンチレーション検出器によるマルチチャンネルでのスペクトル分析した結果を示すグラフである。
以下、本発明について、図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の一実施例に係る放射能検査装置を図1に示す。
図1に示すように、本実施例の放射能検査装置は、プラスチックシンチレーション検出器10、光電子増倍管20、マルチチャンネルアナライザ30、パソコン40、シーケンサ(PLC)50及び操作部60とから構成される。
プラスチックシンチレーション検出器10は、シンチレータ(図示省略)として、蛍光物質を含むプラスチックシンチレータを用いる。プラスチックシンチレータは、検査対象から放出された放射線により蛍光を発するものであり(図5参照)、安くて加工しやすいという利点がある。但し、プラスチックシンチレータ自体は、NaIシンチレータに比較して、エネルギー分解能が低い。
光電子増倍管20は、プラスチックシンチレータから発せられた蛍光が光電面に当たることにより光電子が飛び出し、これが複数のダイノードで衝突を繰り返して増倍され、陽極で捕捉されて電気信号として取り出される(図5参照)。
マルチチャンネルアナライザ30は、光電子増倍管20により出力された電気信号を、エネルギーに応じた複数のチャンネルに区分してマルチチャンネルでのスペクトル分析を行うものである。例えば、バックグラウンド(BG)、放射性セシウム(Cs134,Cs137)、放射性カリウム(K40)をそれぞれ単独で測定した結果を図3に示す。図3において、横軸は、エネルギーに応じて区分された複数のチャンネルであり、縦軸は、各チャンネル毎に測定されたカウントである。
パソコン40は、マルチチャンネルアナライザ30によるマルチチャンネルでのスペクトル分析の結果により、検査対象の放射性セシウムの放射能量を演算するコンピュータである。具体的には、解析ソフトをインストールすることにより、領域設定部41、補正係数演算部42、換算係数演算部43及び放射能量演算部44により実現される。なお、領域設定、補正係数計算、換算係数計算は、スペクトルを見ながら手計算で行っても良い。
領域設定部41は、マルチチャンネルでのスペクトル分析の結果、放射性セシウムを特徴づけるチャンネルの区分をセシウム領域とすると共に、放射性カリウムを特徴づけるチャンネルの区分をカリウム領域とする。
具体的には、図3に示すバックグラウンド(BG)、放射性セシウム(Cs134,Cs137)、放射性カリウム(K40)をそれぞれ単独でマルチチャンネルでのスペクトル分析した結果に基づき、セシウム領域(Cs領域)としては、チャンネル20からチャンネル38を設定し、カリウム領域(K領域)としては、チャンネル65からチャンネル105を設定する。
セシウム領域は、バックグランドや放射性カリウムに比較して放射性セシウム(Cs134,Cs137)のカウントが比較的高い領域であり、その下限値であるチャンネル20を下回ると、バックグランドや放射性カリウムのカウントが上昇したり、ノイズが混入しやすくなり、また、その上限値であるチャンネル38を上回ると、放射性セシウムのカウントが急激に減少する。
カリウム領域は、放射性セシウムに比較して放射性カリウムのカウントが比較的高い領域であり、その下限値であるチャンネル65を下回ると放射性カリウムのカウントがなだらかに減少し、また、その上限値であるチャンネル105を上回ると放射性カリウムのカウントがなだらかに減少する。
なお、チャンネルとエネルギーとの関係については別途の手法にて特定する。
補正係数演算部42は、検査対象として放射性カリウムの校正体を測定した時のセシウム領域計数率(nk)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じた値を分子(nk−nb)とし、校正体を測定した時のカリウム領域計数率(nkk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値を分母(nkk−nbk)とする補正係数(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))を求める。
放射性カリウムの校正体とは、放射性カリウムの単一線原であり、バックグラウンドを除き放射性カリウムのみが検出される。
校正体を測定した時のセシウム領域計数率(nk)とは、図3のセシウム領域における放射性カリウムのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積である。
バックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)とは、図3のセシウム領域におけるバックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積である。
従って、分子(nk−nb)は、図3のセシウム領域における放射性カリウムのカウントからバックグラウンドを減じた値を各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル20とチャンネル38とバックグランドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積である。
校正体を測定した時のカリウム領域計数率(nkk)とは、図3のカリウム領域における放射性カリウムのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積である。
バックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)とは、図3のカリウム領域におけるバックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積である。
従って、分母(nkk−nbk)は、図3のカリウム領域における放射性カリウムのカウントからバックグラウンドを減じた値を各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル65とチャンネル106とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積である。
このようにして求めた補正値(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))は、バックグラウンドを除き、カリウム領域で計測された放射性カリウムのカウントに対するセシウム領域で計測された放射性カリウムのカウントの比率を示す指数である。
換算係数演算部43は、検査対象として質量及び単位質量あたりの放射線量が既知の標準体を測定した時のセシウム領域計数率(nh)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、標準体を測定した時のカリウム領域計数率(nhk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nhk−nbk)に補正係数(α)を乗じて減じることにより、標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)を求め、標準体の単位質量当たりの放射性セシウムの放射能量(C)と標準体の質量(W)の積(C・W)を標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth)で除することにより換算係数(K=C・W/nth)を求める。
標準体は、質量及び単位質量あたりの放射線量が既知であり、放射性セシウムと放射性カリウムの両方が計測される混合線原である。一般的には、試料と同一質量であり、試料の種類に応じて作成される。
標準体を測定した時のセシウム領域計数率(nh)とは、図3のセシウム領域における放射性カリウムからバックグラウンドを減じたもの、放射性セシウムからバックグラウンドを減じたもの、バックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積及びチャンネル20とチャンネル38と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積の和からチャンネル20とチャンネル38とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積を減じた面積である。
標準体を測定した時のカリウム領域計数率(nhk)とは、図3のカリウム領域における放射性カリウムからバックグラウンドを減じたもの、放射性セシウムからバックグラウンドを減じたもの、バックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積及びチャンネル65とチャンネル106と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積の和からチャンネル65とチャンネル106とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積を減じた面積である。但し、チャンネル65とチャンネル106と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積は小さく、0とみなすことができる。
従って、値(nhk−nbk)は、図3のカリウム領域における放射性カリウムのカウントからからバックグラウンドを減じたものを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル65とチャンネル106とバックグランドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積となる。
そのため、標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)は、図3のセシウム領域における放射性セシウムのカウントのみ(正味)を各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル20とチャンネル38とバックグランドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積となる。
即ち、値(nhk−nbk)に補正係数αを乗じることにより、図3のセシウム領域における放射性カリウムのカウントのみを各チャンネルにわたり総和したもの、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル20とチャンネル38とバックグランドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積を求めたことになる。
そのため、標準体を測定した時のセシウム領域計数率(nh)から、(nhk−nbk)・αを減じ、更に、バックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じれば、セシウム領域においてバックグラウンドや放射性カリウムを含まない放射性セシウムのみを計測したセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)を求めることができる。
なお、標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)は、チャンネル20とチャンネル38と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル20とチャンネル38とバックグランドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積である。
換算係数(K=C・W/nth)は、標準体の単位質量当たりの放射性セシウムの放射能量(C)と標準体の質量(W)の積(C・W)を標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth)で除することにより求める。
このようにして求めた換算係数とは、セシウム領域において放射性セシウムのみを計測したセシウム領域正味計数率(nth)に対する、標準体の放射性セシウムの放射能量(C)を示す指標となるものである。
放射能量演算部44は、検査対象として放射線量が未知の試料を測定した時のセシウム領域計数率(ns)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、試料を測定した時のカリウム領域計数率(nsk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nsk−nbk)に補正係数(α)を乗じて減じて、試料を測定した時のセシウム領域正味計数率(nt=ns−(nsk−nbk)・α−nb)を求め、試料測定時のセシウム領域正味計数率(nt)と換算係数(K)の積(nt・K)を試料の質量(W')で除することにより試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')を求める。ただし、標準体を作成するときに試料と同じ質量とするので、W=W'である。そのため、以下では、標準体の質量Wを用いて、試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W)と示す。
ここで、検査対象として放射線量が未知の試料とは、実際に放射性セシウムの放射線量を求める対象であり、バックグラウンドの他に放射性セシウム、放射性カリウムを含む、例えば、米等の食料品である。
試料を測定した時のセシウム領域計数率(ns)とは、図4中にセシウム領域における、試料のカウント各チャンネルにわたり総和したものである。即ち、図3に示すように、セシウム領域における試料に含まれる放射性カリウム、放射性セシウム、バックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積及びチャンネル20とチャンネル38と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積の和からチャンネル20とチャンネル38とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積を減じた面積である。
バックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)とは、図4中のセシウム領域におけるバックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものである。即ち、図3のセシウム領域におけるバックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積である。
試料を測定した時のカリウム領域計数率(nsk)とは、図4中にカリウム領域における、試料のカウント各チャンネルにわたり総和したものである。即ち、図3に示すように、カリウム領域における試料に含まれる放射性カリウムからバックグランドを減じたもの、放射性セシウムからバックグランドを減じたもの、バックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積及びチャンネル65とチャンネル106と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積の和からチャンネル65とチャンネル106とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積を減じた面積である。但し、但し、チャンネル65とチャンネル106と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積は小さく、0とみなすことができる。
バックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)とは、図4中のカリウム領域におけるバックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものである。即ち、図3のカリウム領域におけるバックグラウンドのカウントを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた領域の面積である。
従って、値(nsk−nbk)は、図3のカリウム領域における放射性カリウムのカウントからバックグランドを減じたものを各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル65とチャンネル106と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル65とチャンネル106とバックグラウンドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積となる。
そのため、試料測定時のセシウム領域正味計数率(nt=ns−(nsk−nbk)・α−nb)は、図3のセシウム領域における放射性セシウムのカウントのみ(正味)を各チャンネルにわたり総和したものであり、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性セシウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル20とチャンネル38とバックグランドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積となる。
即ち、値(nsk−nbk)に補正係数αを乗じることにより、図3のセシウム領域における放射性カリウムのカウントのみを各チャンネルにわたり総和したもの、具体的には、チャンネル20とチャンネル38と放射性カリウムのカウントを示す折れ線で囲まれた面積からチャンネル20とチャンネル38とバックグランドのカウントを示す折れ線で囲まれた面積を減じた面積を求めたことになる。
そのため、試料を測定した時のセシウム領域計数率(ns)から、(nsk−nbk)・αを減じ、更に、バックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じれば、バックグラウンドや放射性カリウムを含まないセシウム領域正味計数率(nt=ns−(nsk−nbk)・α−nb)を求めることができる。
試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W)は、試料測定時のセシウム領域正味計数率(nt)と換算係数(K)の積(nt・K)を試料の質量(W')と同じ標準体の質量(W)で除することにより求められる。
シーケンサ(PLC)50は、パソコン40により求められた試料の放射性セシウムの放射線量に基づいて各種の動作を行わせるものであり、例えば、プラスチックシンチレーション検出器10に対して試料を運搬するコンベア(図示省略)のコンベア駆動用モータや、プラスチックシンチレーション検出器10を配した検査空間と外部との間の扉(図示省略)を開閉する扉開閉用モータを動作させるものであり、駆動部制御用検出器に基づいて動作を行わせる。
シーケンサ(PLC)50には、その他、パソコン40により求められた試料の放射性セシウムの放射線量が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定部を設けても良い。ここで用いる所定の閾値としては、食品中の放射性セシウムスクリーニング法で定められた基準値である100 Bq/kgに対する装置固有のスクリーニングレベルを使用するか、或いはこれに、一定比率を乗じた値(安全側であることが必要)を用いることができる。
シーケンサ(PLC)50には、更に、上記判定部の結果により合否を表示するためのアラーム表示灯を接続しても良い。
操作部60は、パソコン40又はシーケンサ50を作業員が操作するための装置である。
このような構成を有する本実施例の放射能検査装置により、放射能検査方法を実施する手順について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、バックグラウンド(BG)、放射性セシウム(Cs134,Cs137)、放射性カリウム(K40)をそれぞれ単独で測定する(ステップS1)。その結果を図3に示す。図3に示すように、横軸はエネルギー毎に区分されたチャンネルであり、バックグラウンド(BG)、放射性セシウム(Cs134,Cs137)、放射性カリウム(K40)は、各チャンネル毎に異なる値を示している。
引き続き、領域設定部41により、上述した通り、セシウム(Cs)領域とカリウム(K)領域を設定する(ステップS2)。具体的には、図3に示すバックグラウンド(BG)、放射性セシウム(Cs134,Cs137)、放射性カリウム(K40)をそれぞれ単独で測定した結果に基づき、セシウム領域(Cs領域)としては、チャンネル20からチャンネル38を設定し、カリウム領域(K領域)としては、チャンネル65からチャンネル105を設定する。
そして、補正係数演算部42により、上述した通り、数1で示す数式に基づき、バックグラウンド(BG)と放射性カリウム(K40)測定結果から補正係数αを決定する(ステップS3)。
Figure 0006161058
但し、
nk :校正体(K-40)測定時のCs領域計数率(cps)
nkk:校正体(K-40)測定時のK領域計数率(cps)
nb :BG測定時のCs領域計数率(cps)
nbk:BG測定時のK領域計数率(cps)

更に、標準体を測定し、換算係数演算部43により、上述した通り、数2で示す数式に基づいて値(nth)を求め、更に、数3に示す数式に基づいて換算係数Kを決定する(ステップS4)。
Figure 0006161058
Figure 0006161058
但し、
nth:標準体測定時のCs領域正味計数率(cps)
nhk:標準体測定時のK領域計数率(cps)
nh :標準体測定時のCs領域計数率(cps)
K :換算係数(Bq/cps)
C :標準体の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(Bq/kg)
W :標準体の質量(kg)、試料の質量と同じ
その後、運用を開始する(ステップS5)。運用中は日々エネルギー校正を実施する。
運用中においては、試料を測定し、数4で示す数式に基づいて補正係数αを使用することにより値(nt)を求め、更に、数5に示す数式に基づいて換算係数Kを使用することにより、試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量Dを算出する(ステップS6)。
Figure 0006161058
Figure 0006161058
但し、
nt :試料測定時のCs領域正味計数率(cps)
nsk:試料測定時のK領域計数率(cps)
ns :試料測定時のCs領域計数率(cps)
D :試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(Bq/kg)
更に、試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量Dの値をスクリーニングレベルと比較することにより食品中の放射性セシウムスクリーニング法に準拠した判定を行う(ステップS7)。
なお、試料としては、米等の食料品を想定しているため、食品中の放射性セシウムスクリーニング法に準拠しているが、必ずしもこの法律に準拠せず、他の基準に準拠して判定することも可能である。
このように説明したように、本実施例では、エネルギー分解能の悪いプラスチックシンチレーション検出器を使用してマルチチャンネルでのスペクトル分析をエネルギー分解能を高く行うことができる。即ち、プラスチックシンチレータの分解能を高くすることはできない。プラスチックシンチレータは分解能が悪いので、従来ではスペクトル分析による核種の同定ができないため放射線測定には用いられず、大型の物を制作しやすい利点を利用し、ゲートモニタ等のγ線があるかないかだけを判定する目的に使用されるケースがほとんどであったが、本発明のように対象核種が限定されている場合、分解能が悪くともスペクトル分析を行い、その領域をある程度の幅で決めることにより特定の核種の放射能量を測定できるようにしたものです。また、分解能が悪いのでNaIのようなピークが現れないため多少チャンネルのリフトがあっても測定精度が悪くなりにくい利点もある。しかもプラスチックシンチレータはほかの検出器に比べて温度依存があまりなく、結果的に高い精度での測定が可能となる。要するに、通常プラスチックシンチレーション検出のスペクトルは分解能が悪く、特定の核種を同定することは困難であったが、本発明では、それを可能にするものである。また、スペクトル分析することにより核種に対応した領域を比較的厳密に決めることが出来る。
更には、スペクトル分析することによりソフトによるエネルギー校正を実施できるため温度等によるチャンネルのドリフトを考慮せずに領域を決められる。
従って、本発明は、検出効率が高く、精度のよい安価な放射能検査装置及び放射能検査方法を提供すること、言い換えると、検出効率が高く、精度のよい検査装置が安価で製作できる。
本発明の放射能検査装置及び放射能検知方法は、比較的安価で手に入りやすいプラスチックシンチレータを使用して分解能の高い検出を行える装置又は方法として広く産業上利用可能なものである。
10 プラスチックシンチレーション検出器
20 光電子増倍管
30 マルチチャンネルアナライザ
40 パソコン
41 領域設定部
42 補正係数演算部
43 換算係数演算部
44 放射能量演算部
50 シーケンサ(PLC)
60 操作部

Claims (4)

  1. 検査対象から放出された放射線により蛍光を発するプラスチックシンチレータと、前記プラスチックシンチレータから発せられた蛍光を光電子として増倍し、電気信号として出力する光電子増倍管と、前記光電子増倍管から出力される電気信号を、エネルギーに応じた複数のチャンネルに区分してマルチチャンネルでのスペクトル分析を行うマルチチャンネルアナライザと、前記マルチチャンネルアナライザによるマルチチャンネルでのスペクトル分析の結果により、前記検査対象の放射性セシウムの放射能量を演算するコンピュータとからなる放射能検査装置において、
    前記コンピュータは、マルチチャンネルでのスペクトル分析の結果、放射性セシウムを特徴づけるチャンネルの区分をセシウム領域とすると共に、放射性カリウムを特徴づけるチャンネルの区分をカリウム領域とする領域設定部と、
    前記検査対象として放射性カリウムの校正体を測定した時のセシウム領域計数率(nk)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じた値を分子(nk−nb)とし、前記校正体を測定した時のカリウム領域計数率(nkk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値を分母(nkk−nbk)とする補正係数(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))を求める補正係数演算部と、
    前記検査対象として質量及び単位質量あたりの放射線量が既知の標準体を測定した時のセシウム領域計数率(nh)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記標準体を測定した時のカリウム領域計数率(nhk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nhk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)を求め、前記標準体の単位質量当たりの放射性セシウムの放射能量(C)と前記標準体の質量(W)の積(C・W)を前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth)で除することにより換算係数(K=C・W/nth)を求める換算係数演算部と、
    前記検査対象として放射線量が未知の試料を測定した時のセシウム領域計数率(ns)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記試料を測定した時のカリウム領域計数率(nsk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nsk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記試料を測定した時のセシウム領域正味計数率(nt=ns−(nsk−nbk)・α−nb)を求め、前記試料測定時のセシウム領域正味計数率(nt)と前記換算係数(K)の積(nt・K)を前記試料の質量(W')で除することにより前記試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')を求める放射能量演算部とを備えることを特徴とする放射能検査装置。
  2. 前記放射性セシウム放射能量演算部により演算された放射能量が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定部を備えたことを特徴とする請求項1記載の放射能検査装置。
  3. 検査対象から放出された放射線により蛍光を発するプラスチックシンチレータと、前記プラスチックシンチレータから発せられた蛍光を光電子として増倍し、電気信号として出力する光電子増倍管と、前記光電子増倍管から出力される電気信号を、エネルギーに応じた複数のチャンネルに区分してマルチチャンネルでのスペクトル分析を行うマルチチャンネルアナライザと、前記マルチチャンネルアナライザによるマルチチャンネルでのスペクトル分析の結果により、前記検査対象の放射性セシウムの放射能量を演算するコンピュータとを用いた放射能検査方法において、
    前記コンピュータは、マルチチャンネルでのスペクトル分析の結果、放射性セシウムを特徴づけるチャンネルの区分をセシウム領域とすると共に、放射性カリウムを特徴づけるチャンネルの区分をカリウム領域とするステップと、
    前記検査対象として放射性カリウムの校正体を測定した時のセシウム領域計数率(nk)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じた値を分子(nk−nb)とし、前記校正体を測定した時のカリウム領域計数率(nkk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値を分母(nkk−nbk)とする補正係数(α=(nk−nb)/(nkk−nbk))を求めるステップと、
    前記検査対象として質量及び単位質量あたりの放射線量が既知の標準体を測定した時のセシウム領域計数率(nh)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記標準体を測定した時のカリウム領域計数率(nhk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nhk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth=nh−(nhk−nbk)・α−nb)を求め、前記標準体の単位質量当たりの放射性セシウムの放射能量(C)と前記標準体の質量(W)の積(C・W)を前記標準体測定時のセシウム領域正味計数率(nth)で除することにより換算係数(K=C・W/nth)を求めるステップと、
    前記検査対象として放射線量が未知の試料を測定した時のセシウム領域計数率(ns)からバックグラウンド放射線測定時のセシウム領域計数率(nb)を減じ、更に、前記試料を測定した時のカリウム領域計数率(nsk)からバックグラウンド放射線測定時のカリウム領域計数率(nbk)を減じた値(nsk−nbk)に前記補正係数(α)を乗じて減じることにより、前記試料測定時のセシウム領域正味計数率(nt=ns−(nsk−nbk)・α−nb)を求め、前記試料を測定した時のセシウム領域正味計数率(nt)と前記換算係数(K)の積(nt・K)を前記試料の質量(W')で除することにより前記試料の単位質量あたりの放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')を求めるステップとを備えることを特徴とする放射能検査方法。
  4. 前記放射性セシウムの放射能量(D=nt・K/W')が所定の閾値を超えるか否かを判定するステップを備えたことを特徴とする請求項3記載の放射能検査方法。
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