JP5994169B2 - 放射性物質の測定方法およびそのための測定装置 - Google Patents
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Description
既存の放射性ストロンチウム測定法は以下(1)(2)に大別される。
(1)β線エネルギーの違いを利用した透過能差分測定法:
この測定法は、ストロンチウム90と平衡状態にあるイットリウム(Y)90から放出されるβ線エネルギーが非常に高く,物質を透過する能力が他に比べて高いことを利用して測定する方法である。
(2)化学分離の後に,液体シンチレーション測定,または,チェレンコフ光測定を行う測定法:
この測定法は、化学分離により放射性セシウムから放射性ストロンチウムを選択的に取り出す測定法である。
また、(2)の方法は、図8に示すように、試料中の放射性セシウムと放射性ストロンチウムを分離して測定可能な性状に変えるための化学処理作業として,王水による分解,遠心分離,長時間の高温加熱などが必要であり,手間と時間がかかる。また、この測定法を実施するための専門家の数および実施装置の数が小さく処理能力が著しく不足している。
図1は、本発明の測定方法およびそれに用いる測定装置の動作および処理手順を示す。
測定時、測定試料サンプルを測定用にセットすると、4πβ−γ測定法により全β線放出率を測定し、次に、γ線スペクトロメトリにより、サムピーク法が適用される。Cs(セシウム)−134とCs−137を遷移時間の相違を使って分離測定し、次に、γ線スペクトロメトリにより、求めたCs−134との相対的な関係からCs−137の感度を求め、Cs−137の放射能を推定する。既に求められた全β線放出率から、既に求めたCs−134とCs−137の放射能に対応するβ線放出率を引き算してSrの放射能を求める。引き算処理は、Cs−134やCs−137の放射能を導出した段階で行ってもよい。
成され、処理回路の各構成要素の動作を制御すると共に、各計数器からの信号を取り込み、所定のアルゴリズムに従ったプログラムを実行して、Srの放射能を求め、出力する。
4πβ−γ測定手順では、β線計数率、γ線計数率、β線およびγ線の同時計数率から、測定器の検出効率に依らずに全β線放出率を絶対測定する。
Cs−134放射能測定手順では、γ線スペクトル情報からサムピーク法によりCs−134の放射能を絶対測定する。
Cs−137放射能測定手順では、求めたCs−134の放射能とγ線検出器の感度曲線からCs−137のγ線に対する感度を推定し、Cs−137の光電ピーク計数率から放射能を測定する。
Srの放射能測定手順では、核種毎の核データを用いて、既に求めてあるCs−134の放射能とCs−137の放射能に対応するβ線放出率を求め、既に求めてある全β線放出率からCs−134のβ線放出率とCs−137のβ線放出率を引き算し、Srのβ線計数率を求め放射能を測定する。
(1)放射性物質の測定方法は、
γ線検出器、β線検出器、前記両検出器の出力を取り込み、所定の手順を実行し所定の演算を行うことによりSrの放射能を求める処理装置を備えた計測装置を用いた放射性物質の測定方法であって、
前記処理装置の処理手順を、
4πβ−γ同時測定手順を実行してβ線計数率Nβ、γ線計数率Nγ、γ・β同時計数率Nγβを測定し、それら計数率を用いて所定の数式から全β線放出率を求める手順1、
γ線スペクトル情報からサムピーク法によりCs−134の放射能を絶対測定するCs−134放射能測定手順2、
前記手順2で求めたCs−134の放射能とγ線検出器の感度曲線からCs−137のγ線に対する感度を推定し、Cs−137の光電ピークにおけるγ線計数率からCs−137の放射能を測定するCs−137放射能測定手順3、
核種毎の核データを用いて、Cs−134の放射能と、Cs−137の放射能に対応する
β線計数率を求め、既に求めてある全β線放出率からCs−134のβ線放出率とCs−137のβ線放出率を引き算し、Srのβ線放出率を求め放射能を測定するSr放射能測定手順4としたことを特徴とする。
γ線検出器、β線検出器、前記両検出器の出力を取り込み、所定の手順を実行し所定の演
算を行うことによりSrの放射能を求める処理装置を備えた放射性物質の測定装置であって、
前記処理装置は、
4πβ−γ同時測定手順を実行してβ線計数率Nβ、γ線計数率Nγ、γ・β同時計数率Nγβを測定し、それら計数率を用いて所定の数式から全β線放出率を求め、
γ線スペクトル情報からサムピーク法によりCs−134の放射能を絶対測定し、
前記絶対測定して求めたCs−134の放射能とγ線検出器の感度曲線からCs−137のγ線に対する感度を推定し、Cs−137の光電ピークにおける計数率からCs−137の放射能を求め、核種毎の核データを用いて、Cs−134の放射能とCs−137の放射能に対応するβ線放出率を求め、既に求めてある全β線放出率からCs−134のβ線放出率とCs−137のβ線放出率を引き算し、Srのβ線放出率を求め放射能を測定するように構成されていることを特徴とする。
前記処理装置が、前記γ線検出器およびβ線検出器の出力を取り込み、出力信号を処理する処理手段を構成し、
前記γ線検出器のγ線PMT出力信号を取り込み、チャネル毎のロジックパルスRPγを出力するシングルチャンネル波高分析器SCA11aと、前記β線検出器のβ線PMT出力信号を取り込み、チャネル毎のロジックパルスRPβを出力するシングルチャンネル波高分析器SCA11bと、前記β線検出器と前記γ線検出器のそれぞれに固有の検出にかかる時間のズレを合わせる遅延回路と、同期がとれたイベントが入力される度にパルスを出力する機能を有し、遅延させた前記RPβ信号と前記RPγ信号の同期がとれたときにパルスを出力する同時計数回路と、前記SCA11aからのロジックパルスを計数するγ線計数器14aと、前記SCA11bからのロジックパルスを計数するβ線計数器14bと、前記SCA11aからのロジックパルスと前記SCA11bからのロジックパルスが同期した場合に計数する同時計数器14cと、計算機15から構成したことを特徴とする。
本発明のSr放射能測定器は、前記両者の特徴を活かし、ディスポーザル(廃棄処理可能)なプラスチックシンチレータで、汚染試料中のCs−134、Cs−137、Sr(Sr−89、Sr−90およびY−90)の放射能を定量することができる。
4πβ−γ測定法では、β線計数率、γ線計数率、β線およびγ線の同時計数率から、測定器の検出効率に依らずに全β線放出率を絶対測定できる。一方で、NaI(Tl)検出器で得られたスペクトル情報からサムピーク法によりCs−134放射能が絶対測定できる。
また、この求められたCs−134放射能からCs−137の光電ピークにおける検出効率が導出され、Cs−137放射能が測定される。
本発明の検出器は、γ線およびβ線を検出した蛍光を信号に変換して出力する装置でチャネル毎の波高値パルスに変換して出力するように構成したので、次段の処理回路がパルス信号の入力を対象とした簡単な回路構成とすることができる。
γ線スペクトル情報からサムピーク法によりCs−134の放射能を絶対測定するCs−134放射能測定手順2、
前記手順2で求めたCs−134の放射能とγ線検出器の感度曲線からCs−137のγ線に対する感度を推定し、Cs−137の光電ピークにおけるγ線計数率からCs−137の放射能を測定するCs−137放射能測定手順3、
核種毎の核データを用いて、Cs−134の放射能とCs−137の放射能に対応するβ線放出率を求め、既に求めてある全β線放出率からCs−134のβ線放出率とCs−137のβ線放出率を引き算し、Srのβ線放出率を求め放射能を測定するSr放射能測定手順4からなるので、化学分離を必要とせずに迅速に、処理途中での人為的入力操作を必要とせず、簡単に所期のSrの放射能、または必要に応じてCs−134、Cs−137の放射能を求めることができる。
原子力発電所における事故により放出された核種の中で、γ線を放出しない核種は放射性ストロンチウム(Sr)が主であるとわかっている。このSrの測定方法を以下に述べる。
測定試料に対してβ線検出器とγ線検出器を配置して,それぞれの検出器の計数率とβ線・γ線を同時に検出した計数率から,全β線放出率を求める。
計算式を例示する。
上式からAを以下のように求める。
β崩壊時、Sr、Cs−134およびCs−137はβ線を放出する。β線検出器の出力は、Sr、Cs−134およびCs−137のβ線放出率の中で試料内での自己吸収などに因り検出されない割合を除いたβ線計数率になる。Srのβ線放出率を求めるためには、β線検出器の出力が全核種のβ線計数率であるため、β線検出器の出力から全β線放出率を求めCs−134およびCs−137のβ線放出率を除かなければならない。
Cs−134は、例えば、70.2%の放出割合で最大β線エネルギー0.658MeVを放出するβ崩壊で励起準位(半減期0.83ps)へ遷移した後、1度目のγ崩壊(γ線放出率0.8553、放出γ線エネルギー0.796MeV)で次の励起準位へ遷移し、2度目のγ崩壊(γ線放出率0.976、放出γ線エネルギー0.604MeV)で基底準位に遷移する。
Cs−137の半減期が2.552m(分)と一般的な同期時間に比べ非常に長いことを利用して、Cs−134とCs−137のγ線を分離して計測する。
個々の光電ピークの計数率をそれぞれN1、N2とし、サムピークの計数率N12、γ線の全計数率をNtとすると、線源の放射能Bは次式により求められる。
Cs−137の場合は、図6に示すように、γ線検出器の感度曲線が既知で、Cs−134のγ線感度が上述のように求まるので、同じγ線感度曲線上のCs−137のγ線感度が求める値となる。これにより、Cs−134のγ線エネルギーとそのγ線エネルギーにおける感度(放射能)から、Cs−137のγ線エネルギーにおける感度(放射能)が求まる。
計測器の計測した全β線放出率から、Cs−134およびCs−137のセシウム分のβ線放出率を引き算してSrのβ線放出率を求める。このSrのβ線放出率から核データを用いて放射能を求める。
図2は本発明の測定器の実施例1を示す。
本発明の測定器は、β線検出器をプラスチックシンチレータ(PLS)とし、NaI(Tl)検出器(γ線検出器)と組み合わせて使う方法を応用して、放射性セシウムを含む汚染試料から化学分離工程無しで含有される放射性ストロンチウムを絶対測定する測定器にある。この測定器をSr放射能測定器という。
γ線検出器は、NaI(Tl)(タリウム活性化ヨウ化ナトリウムシンチレーション)検出器3aおよび3bと、NaI(Tl)検出器3aおよび3bで発生した蛍光を信号に変換して出力する装置PMT6aおよび6bで構成する。
図3の処理装置10は、図2のSr放射能測定器の出力信号を処理する処理手段を構成し、図2のγ線PMT出力信号(所定の大きさの波高信号)を取り込み、チャネル毎のロジックパルスを出力するシングルチャンネル波高分析器SCA11aと、図2のβ線PMT出力信号(所定の大きさの波高信号)を取り込み、チャネル毎のロジックパルスを出力するシングルチャンネル波高分析器SCA11bと、β線検出器とγ線検出器のそれぞれに固有の検出にかかる時間のズレを合わせる遅延回路13と、同期がとれたイベントが入力される度にパルスを出力する機能を有し、遅延させたRPβ信号とRPγ信号の同期がとれたときにパルスを出力する同時計数回路12と、SCA11aからのロジックパルスを計数するγ線計数器14a、SCA11bからのロジックパルスを計数するβ線計数器14b、同期したSCA11aからのロジックパルスとSCA11bからのロジックパルスが同期した場合に計数する同時計数器14cと、計算機15と、モニター16からなる。図3の処理装置10において、太線は各検出器からの検出信号を処理する処理回路を構成し、細線は測定装置の各構成要素を制御する制御信号の伝送回路を構成する。この伝送回路は、計数器14a,14bおよび14cと計算機15の間の制御信号の伝送路を構成する。
同時計数回路12、遅延回路13、γ線計数器14a、β線計数器14bおよび同時計数器14cの処理機能を、これら回路要素の代わりに計算機15に持たせることもできる。
本発明の測定装置20は、図4に示されているように、図3のγ線PMT出力信号のところにこの信号を発生するγ線検出器21aを設け、図3のβ線PMT出力信号のところにこの信号を発生するβ線検出器21bを設けた構成となる。γ線検出器21aは図2のNaI(Tl)検出器3a、3bとγ線PMT6a、6bから構成される。β線検出器21bは図2のプラスチックシンチレータ(PLS)2とβ線に起因するシンチレータ蛍光を検出し信号を発生する装置PMT5aおよび5bから構成される。
4πβ−γ測定手順では、β線計数率、γ線計数率、β線およびγ線の同時計数率から、測定器の検出効率に依らずに全β線放出率を絶対測定する。
Cs−134放射能測定手順では、γ線スペクトル情報からサムピーク法によりCs−134の放射能を絶対測定する。
Cs−137放射能測定手順では、求めたCs−134の放射能とγ線検出器の感度曲線からCs−137のγ線に対する感度を推定し、Cs−137の光電ピーク計数率から放射能を測定する。
Srの放射能測定手順では、核種毎の核データを用いて、既に求めてあるCs−134の放射能とCs−137の放射能に対応するβ線放出率を求め、既に求めてある全β線放出率からCs−134のβ線放出率とCs−137のβ線放出率を引き算し、Srのβ線放出率を求め放射能を測定する。
予め、図3の処理回路に図2のSr放射能測定器を接続し、図2のSr放射能測定器に測定試料サンプルをセットしておく。
演算処理に必要な計数値、4πβ−γ絶対測定法における全β線放出率Aを求める数式、サムピーク法における絶対測定を行う数式、γ線感度曲線の数式、その他の関数式等は予め計算機に読み出し可能に記憶しておく。
シングルチャンネル波高分析器SCAは、検出器の出力データから目的とする内容のデータを取り出すロジックを組むように構成されている。例えば、目的のデータとして、γ線スペクトルにおけるピーク(光電ピーク、サムピーク)の計数率、β崩壊に伴って同時に放出されるγ線の計数率、β線の計数率、γ線の計数率等がある。
(1)任意の時刻t1から任意時間nの間、Sr放射能測定器1のPMT5aおよび5bとPMT6aおよび6bから検出信号を出力させ、シングルチャンネル波高分析器(SCA)11aでγ線PMT出力信号を取り込み、ロジックパルス(RP)γを作成すると共に、シングルチャンネル波高分析器(SCA)11bでβ線PMT出力信号を取り込み、ロジックパルス(RP)βを作成する。遅延回路13でβ線検出器とγ線検出器のそれぞれに固有の検出にかかる時間のズレをあわせる。同時計数回路12で出力パルスRPγと遅延回路13からの出力パルスRPβとの同期がとれたとき、パルスを出力する。(ステップ1)
ステップ1で、Sr、Cs−134およびCs−137のβ線、γ線の同時測定を行う。
γ線計数器14aでSCA11aの出力パルスRPγを取り込み、γ線計数率Nγを求めたら、その求めたNγをメモリに記憶する。
同時計数器14cで同時計数回路12の出力パルスを取り込み、γ・β同時計数率Nγβを求めたら、その求めたNγβをメモリに記憶する。
γ線の光電ピーク、サムピーク、の計数率P2を求め、メモリに記憶する。(ステップ2)
Cs−134およびCs−137を合わせたβ線計数率を求める。
計測器の計測した全β線放出率から、Cs−134とCs−137を合わせたセシウム分のβ線放出率を引き算してSrのβ線放出率を求める。このSrのβ線放出率から核データをメモリから読み出して放射能を求め、メモリへ記憶する。(ステップ6)
終了
既に、測定方法としては、薄くて小さなプラスチックシンチレータと井戸型NaI(Tl)シンチレーションカウンタを用いて放射能絶対測定を行う方法(非特許文献1参照)が提案されている。また、従来から純β線放出核種に他のγ線放出核種を加えてβ線の検出効率を外挿する方法(非特許文献2参照)が適用されてきている。
プラスチックシンチレータを試料が一定量入れられることを考慮した形状、例えば、くぼみを付けた板形状や、ストロー形状にして、NaI(Tl)検出器を対向する2円柱形状、井戸型形状や中抜き円柱形状とする。
4πβ−γ測定法では、β線計数率、γ線計数率、β線およびγ線の同時計数率から、測定器の検出効率に依らずに全β線放出率を絶対測定できる。一方で、NaI(Tl)検出器で得られたスペクトル情報からサムピーク法によりCs−134放射能が絶対測定される。
また、この求められたCs−134放射能からCs−137の光電ピークにおける検出効率が導出され、Cs−137放射能が推定される。
Cs−134放射能測定手順では、γ線スペクトル情報からサムピーク法によりCs−134の放射能を絶対測定する。
Cs−137放射能推定手順では、求めたCs−134の放射能とγ線検出器の感度曲線からCs−137の放射能を測定する。
Srの放射能測定手順では、核種毎の核データを用いて、Cs−134の放射能とCs−137の放射能に対応するβ線放出率を求め、既に求めてある全β線放出率からCs−134のβ線放出率とCs−137のβ線放出率を引き算し、Srのβ線放出率を求め放射能を測定する。
2 プラスチックシンチレータPLS
3 NaI(Tl)(タリウム活性化ヨウ化ナトリウムシンチレーション)検出器
4 検出器配置治具
5 PLSのシンチレータ蛍光を検出し信号を発生する装置PMT
6 NaI(Tl)検出器のシンチレータ蛍光を検出し信号を発生する装置PMT
7 測定試料
10 処理装置
11a γ線用のシングルチャンネル波高分析器SCA
11b β線用のシングルチャンネル波高分析器SCA
12 同時計数回路
13 遅延回路
14a γ線計数器
14b β線計数器
15 計算機
16 モニター
20 計測装置
21a γ線検出器
21b β線検出器
Claims (4)
- γ線検出器、β線検出器、前記両検出器の検出出力を取り込み、所定の手順を実行し所
定の演算を行うことによりSrの放射能を求める処理装置を備えた計測装置を用いた放射性物質の測定方法であって、前記処理装置の処理手順を、4πβ−γ同時測定手順を実行してβ線計数率Nβ、γ線計数率Nγ、γ・β同時計数率Nγβを測定し、それら計数率を用いて下記数式から全β線放出率Aを求める手順1、
サムピークの計数率N12、γ線の全計数率Ntを測定し、それらの計数率を用いて下記
数式からCs−134の放射能Bを求める手順2、
核種毎の核データを用いて、Cs−134の放射能とCs−137の放射能に対応するβ線放出率を求め、既に求めてある全β線放出率からCs−134のβ線放出率とCs−137のβ線放出率を引き算し、Srのβ線放出率を求め放射能を測定するSrの放射能測定手順4としたことを特徴とする放射性物質の測定方法。 - γ線検出器、β線検出器、前記両検出器の検出出力を取り込み、所定の手順を実行し所
定の演算を行うことによりSrの放射能を求める処理装置を備えた放射性物質の測定装置であって、
前記処理装置は、4πβ−γ同時測定手順を実行してβ線計数率Nβ、γ数計数率Nγ、γ・β同時計数率Nγβを測定し、それら計数率を用いて下記数式から全β線放出率Aを求め、
サムピークの計数率N12、γ線の全計数率Ntを測定し、それらの計数率を用いて下記
数式からCs−134の放射能Bを求める手順2、
- 前記処理装置は、前記γ線検出器およびβ線検出器の検出出力を取り込み、出力信号を処理する処理手段を構成し、前記γ線検出器のγ線PMT出力信号を取り込み、チャネル毎のロジックパルスRPγを出力するシングルチャンネル波高分析器と、前記β線検出器のβ線PMT出力信号を取り込み、チャネル毎のロジックパルスRPβを出力するシングルチャンネル波高分析器と、前記β線検出器と前記γ線検出器のそれぞれに固有の検出にかかる時間のズレを合わせる遅延回路と、同期がとれたイベントが入力される度にパルスを出力する機能を有し、遅延させた前記β線PMT出力信号に基づくロジックパルスRPβ信号と前記γ線PMT出力信号に基づくロジックパルスRPγ信号の同期がとれたときにパルスを出力する同時計数回路と、前記γ線PMT出力信号を取り込むシングルチャンネル波高分析器からのロジックパルスを計数するγ線計数器と、前記β線PMT出力信号を取り込むシングルチャンネル波高分析器からのロジックパルスを計数するβ線計数器と、同期した前記γ線PMT出力信号を取り込むシングルチャンネル波高分析器からのロジックパルスと前記β線PMT出力信号を取り込むシングルチャンネル波高分析器からのロジックパルスが同期した場合に計数する同時計数器と、計算機から構成したことを特徴とする請求項2記載の放射性物質の測定装置。
- 前記測定装置は測定器を備え、この測定器は、測定試料を装填するプラスチックシンチレータの導光方向両端にβ線に起因するシンチレータ蛍光を検出し信号を発生する装置PMTを対にして設けた前記β線検出器と、前記プラスチックシンチレータの導光方向と直交する方向にタリウム活性化ヨウ化ナトリウムシンチレーション検出器を対にして設けた前記γ線検出器とから構成したことを特徴とする請求項3記載の放射性物質の測定装置。
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