JP7148916B2 - ストロンチウム90放射能測定装置、およびその測定方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1の実施形態に係るストロンチウム90放射能測定装置10の構成を表す図である。図2は、図1におけるA-A断面図であり、図3は、図1におけるB-B断面図である。図1乃至図3では、1つの比例計数管112を用いるストロンチウム90放射能測定装置10を表している。
R(E)<Dのとき ΔE=E (1)
R(E)>Dのとき ΔE=E-E1 ここで R(E)=D+R(E1) (2)
である。なお、R(E)は飛程(cm)を表し、Eは電子のエネルギー(MeV)を表す。本実施形態において、飛程R(E)はエネルギーEの粒子が物質中で電磁相互作用によってエネルギーを失って静止するまでの平均距離をいう。
ρR=0.407E1.38 (0.15<E<0.8) (3)
ρR=0.542E-0.133 (0.8<E<3) (4)
で近似的に与えられる(例えば、非特許文献3参照)。
0.15<E<(ρD/0.407)1/1.38のとき ΔE=E (5)
E>(ρD/0.407)1/1.38のとき ΔE=E-(ρ(R(E)-D)/0.407)1/1.38 (6)
となり、0.8<E<3.0の電子に対しては、
0.8<E<(ρD+0.133)/0.542のとき ΔE=E (7)
E>(ρD+0.133)/0.542のとき ΔE=ρD×1.84 (8)
となる。ここで、本実施形態に係る比例計数管112は、0.8>(ρD+0.133)/0.542を満たすように設けられている。比例計数管112におけるエネルギー損失は、式(5),(6),(8)から図4のように表される。図4から0.8MeV以上の電子については、比例計数管112中でのエネルギー損失は一定になることが分かる。本発明ではこの性質を利用する。また、他のエネルギーについては、比例計数管の検出実効距離Dで止まるエネルギーR-1(D)までのエネルギーの電子は0からR-1(D)の間で検出され、R-1(D)から0.8MeVまでのエネルギーの電子は、ρD×1.84からR-1(D)の間に分布することになる。
a=as×(N-NB)/(NS-NB) (9)
と求められる。
以上のように、第1の実施形態では、ガンマ線およびX線に対して光電効果を起こしにくい原子番号の小さい元素のガスが封入されている比例計数管112を、放射性同位元素から放出される電子線を遮断可能な筐体111に格納する。そして、筐体111の接続口に、イットリウム90からのベータ線よりもエネルギーの低い電子線を除去するベータ線遮蔽板113を、比例計数管112を遮蔽するように設けるようにしている。これにより、試料20を保持している筐体121を筐体111に接続した場合、試料20に含まれるストロンチウム90の娘核であるイットリウム90から放出されたベータ線がベータ線遮蔽板113を介して比例計数管112に入射することになる。また、ベータ線のエネルギーが0.8MeV以上では、比例計数管112のガス中でのベータ線のエネルギー損失は一定である。このため、一定のエネルギーが損失したベータ線の数を、制御・表示器133で計測することで、試料20に含まれるイットリウム90からのベータ線を検出することが可能となる。
第1の実施形態では、ストロンチウム90放射能測定装置10が1つの比例計数管112を備える例を説明した。第2の実施形態では、検出器としての比例計数管112を2つ備えるストロンチウム90放射能測定装置30について説明する。なお、検出限界値は、バックグラウンドの標準偏差の3倍程度であるので、バックグラウンドは小さければ小さいほど良い。そこで、比較的ストロンチウム90の放射能が高い場合は、第1の実施形態に係るストロンチウム90放射能測定装置10で検査する。実際、小型にできるので携帯的に使用できる。一方、ストロンチウム90の放射能が低い試料の場合は、本実施形態に係るストロンチウム90放射能測定装置30で検査する。
数ベクレル/kg程度の検出感度が欲しい場合は、検出領域を広くし、一度に測定する試料の量を増やすことにより、検出感度を上げることができる。検出領域を広くするために、試料と対向して配置される比例計数管の本数を増やしても構わない。
Claims (13)
- バックグラウンドとなる放射線を遮断し、内部に試料を保持可能に形成される筐体と、
前記筐体内の、前記試料と対向する位置に設けられ、入射されるベータ線とガスとの相互作用によるエネルギー損失に応じた信号を出力する第1の検出器と、
前記筐体内において、前記試料と前記第1の検出器との間に設けられ、予め設定されたエネルギー以下のベータ線を遮断するベータ線遮蔽板と、
前記第1の検出器から出力される、予め設定されたエネルギー範囲におけるエネルギー損失の信号に基づき、前記試料中に含まれるストロンチウム90の娘核イットリウム90から放出されるベータ線の数を測定する信号処理部と
を具備するストロンチウム90放射能測定装置。 - 前記第1の検出器は、比例計数管である請求項1記載のストロンチウム90放射能測定装置。
- 前記筐体内の、前記第1の検出器と前記試料との間に、前記第1の検出器と並列して設けられ、入射されるベータ線のエネルギー損失に応じた信号を出力する第2の検出器をさらに具備し、
前記ベータ線遮蔽板は、前記第1の検出器と前記第2の検出器との間に設けられ、
前記信号処理部は、前記第1の検出器と前記第2の検出器とから出力される、予め設定されたエネルギー範囲におけるエネルギー損失の信号に基づき、前記試料中に含まれるストロンチウム90の娘核イットリウム90から放出されるベータ線の数を測定する請求項1記載のストロンチウム90放射能測定装置。 - 前記第1の検出器と、前記第2の検出器とで所定時間内に検出されたベータ線の数をカウントする同時計数回路をさらに具備し、
前記信号処理部は、前記同時計数回路でカウントされた計数に基づき、前記試料中に含まれるストロンチウム90の娘核イットリウム90から放出されるベータ線の数を測定する請求項3記載のストロンチウム90放射能測定装置。 - 前記第1及び第2の検出器は、比例計数管である請求項3又は4記載のストロンチウム90放射能測定装置。
- 比例計数管である前記第1及び第2の検出器は、底面が水平方向を向くように、並列配置される請求項5記載のストロンチウム90放射能測定装置。
- 前記第1及び第2の検出器は、Gas Electron Multiplier(GEM)から成る請求項3又は4記載のストロンチウム90放射能測定装置。
- 試料から放出されるベータ線を、予め設定されたエネルギー以下のベータ線を遮断するベータ線遮蔽板を介して第1の検出器に入射させ、
前記第1の検出器により、前記入射させたベータ線とガスとの相互作用によるエネルギー損失に応じた信号を発生させ、
前記第1の検出器で発生された、予め設定されたエネルギー範囲におけるエネルギー損失の信号に基づき、前記試料中に含まれるストロンチウム90の娘核イットリウム90から放出されるベータ線の数を測定するストロンチウム90放射能測定方法。 - 前記第1の検出器は、比例計数管である請求項8記載のストロンチウム90放射能測定方法。
- 前記試料から放出されるベータ線を第2の検出器に入射させ、
前記第2の検出器により、前記入射させたベータ線のエネルギー損失に応じた信号を発生させ、
前記第2の検出器を透過したベータ線を、前記ベータ線遮蔽板を介して第1の検出器に入射させ、
前記第1の検出器と前記第2の検出器とで発生された、予め設定されたエネルギー範囲におけるエネルギー損失の信号の数に基づき、前記試料中に含まれるストロンチウム90の娘核イットリウム90から放出されるベータ線の数を測定する請求項8記載のストロンチウム90放射能測定方法。 - 前記第1の検出器と、前記第2の検出器とで所定時間内に発生した信号の数をカウントし、
前記カウントされた計数に基づき、前記試料中に含まれるストロンチウム90の娘核イットリウム90から放出されるベータ線の数を測定する請求項10記載のストロンチウム90放射能測定方法。 - 前記第1及び第2の検出器は、比例計数管である請求項10又は11記載のストロンチウム90放射能測定方法。
- 前記第1及び第2の検出器は、Gas Electron Multiplier(GEM)から成る請求項10又は11記載のストロンチウム90放射能測定方法。
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