JP2010112726A - 核分裂性物質の核種組成決定法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Pu-fissileとU-fissileが混在している測定対象物で、それらの存在比が未知であっても、核分裂性物質の核種組成を正確に決定できるようにする。
【解決手段】核分裂性核種を含む測定対象物に対し、中性子源を用いないパッシブ中性子測定と中性子源を用いるアクティブ中性子測定を行い、取得した中性子の放出時間分布を解析し、アクティブ中性子測定により即発中性子計数とフラット成分を取り出し、次にアクティブ中性子測定によるフラット成分からパッシブ中性子測定によるフラット成分を差し引く演算によって遅発中性子計数を求め、[遅発中性子数/即発中性子]と[U-fissile/Pu-fissile質量比]との相関を利用して、前記即発中性子計数と遅発中性子計数との割合から測定対象物のPu-fissileとU-fissileとの質量比を特定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、中性子源を用いないパッシブ中性子測定と中性子源を用いるアクティブ中性子測定を組み合わせ、中性子の放出時間分布の解析により即発中性子計数と遅発中性子計数を求め、その割合から測定対象物のPu-fissileとU-fissileとの質量比を特定する核分裂性物質の核種組成決定法に関するものである。この技術は、再処理工場やMOX燃料加工工場等の核燃料関連施設から排出される超ウラン元素を含む廃棄物(以下、「TRU廃棄物」と略記する)について、処分時の評価などのために、詳しい放射能情報を得るのに有用である。
再処理工場やMOX燃料加工工場等の核燃料関連施設から排出される放射性廃棄物には多種の放射性核種が含まれている。その中でも超ウラン元素(TRU)の核種を正確に測ることは、処分時の評価上極めて重要である。特にプルトニウムの同位体のうちの核分裂性核種(主にPu−239とPu−241、以下では「Pu-fissile」と記す)の放射能は、ウランの同位体のうちの核分裂性核種(主にU−235以下では「U-fissile」と記す)の放射能の10,000倍程度であり、他のTRU核種(Am−241、Cm−244等)の放射能を定量するための代表核種となるので、廃棄物処分時の評価において、非常に重要度が高い。更に、ウラン同位体の評価においても、U-fissileは代表核種となるので、Pu-fissileとU-fissileが混在している廃棄物の放射能を評価する場合、これらの核種の放射能を正確に評価する必要がある。
ところで、TRU廃棄物中に含まれる核分裂性核種は、主にPu-fissileとU-fissileであるので、Pu-fissileとU-fissileの比が決まっている場合、アクティブ中性子測定を行い即発中性子を測定することにより、その存在量を精度よく決定できる。アクティブ中性子測定体系については、特許文献1に開示されている。この技術は、測定対象物、中性子源、及び中性子検出器を、減速体を用いずに反射体によって取り囲み、測定対象物自体の減速能力のみを利用して核分裂を誘起させ、その結果放出された核分裂中性子を測定する方式である。そのため減速体由来の熱中性子による核分裂が生じないので、計数成分の分離精度が向上し、位置感度差(中心部と周辺部での検出感度の差)が殆ど生じないという利点があり、廃棄物に含まれている核分裂物質の含有量の測定に極めて有用である。
しかしながら、Pu-fissileとU-fissileの組成比が既知でない場合、即発中性子の情報だけでは、Pu-fissileとU-fissileの量を決定することができない。従って、後々の放射能による影響を考慮して、通常、廃棄物の放射能評価を安全側に見積もるため、Pu-fissileに起因して計測される即発中性子が100%であるとして判断しており、大幅に過大評価することになる。そのため、過剰な遮蔽や厳しい処分区分などに起因する経済損失が生じる。
特許3845685号公報
本発明が解決しようとする課題は、Pu-fissileとU-fissileが混在している測定対象物で、それらの存在比が未知であっても、核分裂性物質の核種組成を正確に決定できるようにすることである。
例えば、Pu−239の遅発中性子割合(遅発中性子割合=遅発中性子数/(即発中性子数+遅発中性子数))はU−235の遅発中性子割合の1/3程度である。従って、Pu−239に対してU−235が含まれている割合が多ければ遅発中性子の割合が多くなることになる。本発明者等は、この点に着目し、核分裂時、即発中性子とは異なる時間分布を持って放出される遅発中性子の計数情報を取り出す手法を案出し、得られた遅発中性子の計数情報と即発中性子の計数情報とを組み合わせることによってPu-fissileとU-fissileの存在量を決定するための理論式を導き出し、測定実験で理論式と実験値とが精度よく一致していることを確認した。本発明は、このような新たな測定法の開発に基づき完成されたものである。
本発明は、核分裂性核種を含む測定対象物に対し、中性子源を用いないパッシブ中性子測定と中性子源を用いるアクティブ中性子測定を行い、取得した中性子の放出時間分布を解析し、アクティブ中性子測定により即発中性子計数とフラット成分を取り出し、次にアクティブ中性子測定によるフラット成分からパッシブ中性子測定によるフラット成分を差し引く演算によって遅発中性子計数を求め、[遅発中性子数/即発中性子]と[U-fissile/Pu-fissile質量比]との相関を利用して、前記即発中性子計数と遅発中性子計数との割合から測定対象物のPu-fissileとU-fissileとの質量比を特定することを特徴とする核分裂性物質の核種組成決定法である。なお、フラット成分とは、中性子計数が経過時間に殆ど依存しない成分をいう。これらには、バックグラウンド、(α,n)中性子、及び自発核分裂中性子を含む中性子計数があり、アクティブ中性子測定の場合には、それらの他に中性子源からの中性子を照射することによって得られる遅発中性子も含んだ中性子計数となる。
本発明で使用するアクティブ中性子測定法としては、測定対象物、中性子源、及び中性子検出器を、減速体を用いずに反射体によって取り囲み、測定対象物自体の減速能力のみを利用して核分裂を誘起させ、その結果放出された核分裂中性子を測定する方式が好ましい。
測定対象物は、典型的には、核燃料関連施設から排出される超ウラン元素を含む放射性廃棄物を含む自己中性子減速作用のあるセメント固化体などである。
本発明は、パッシブ中性子測定とアクティブ中性子測定を組み合わせて測定対象物からの遅発中性子計数と即発中性子計数の割合を把握することにより、核分裂性物質の核種組成を決定する方法であるから、Pu-fissileとU-fissileが混在している測定対象物で、それらの存在比が未知であっても、Pu-fissileとU-fissileとの質量比を精度よく測定することができる。その結果、廃棄物の放射能評価が過大になったり過小になることが無く、廃棄物に対する取り扱いならびに遮蔽対策等の対応を適切に行うことができ、処分コストの削減や処分の安全性の向上に大きく貢献できる。
本発明は、Pu-fissile及びU-fissile等の核分裂性核種を含む測定対象物に対し、中性子源を用いないパッシブ中性子測定と中性子源を用いるアクティブ中性子測定を行い、取得した中性子の放出時間分布を解析し、アクティブ中性子測定により即発中性子計数とフラット成分(計数が経過時間に殆ど依存しない成分)を取り出し、次にアクティブ中性子測定によるフラット成分からパッシブ中性子測定によるフラット成分を差し引く演算によって遅発中性子計数を求め、[遅発中性子数/即発中性子]と[U-fissile/Pu-fissile質量比]との相関を利用して、前記即発中性子計数と遅発中性子計数との割合から測定対象物のPu-fissileとU-fissileとの質量比を特定する核分裂性物質の核種組成決定法である。
本発明で使用するのに好適なアクティブ中性子測定体系の一例を図1に示す。ここで、(A)は測定対象物を含む測定部を示し、(B)は測定システム全体を示している。
測定対象物を含む測定部10は、測定対象物12、中性子源(14MeV−T中性子発生器)14、及び中性子検出器(高速中性子ディテクターバンク)16を、減速体を用いずに金属反射体(ステンレス反射体)18によって取り囲んだ構成である。中性子源14と中性子検出器16は、測定対象物12を挟んで対面するように配置する。金属反射体18の外側を、更にポリエチレン遮蔽体20で取り囲む。アクティブ中性子測定体系では、中性子源14からの中性子を測定対象物12に照射し、測定対象物自体の減速能力のみを利用して核分裂を誘起させ、その結果放出された核分裂中性子を測定する方式である。パッシブ中性子測定体系は、上記アクティブ中性子測定体系で、中性子源を取り除いた構成でよい。このように、減速体を用いずに金属反射体18で6面を覆うことによって、中性子減速体に起因する熱中性子発生に伴う測定誤差の軽減を図ることができる。
測定部10を含む核種組成測定システム30全体は、データ集積・制御装置32によって制御される。なお、データ集積・制御装置32には中性子解析手段33も内蔵されている。中性子の発生側及び測定側のタイミングは、タイミングパルスモジュール34でとられる。発生側は、加速器コントローラ36、ドライブシャーシ38、測定部10に内蔵されている中性子源14などからなり、測定用のパルス中性子を発生させ、測定対象物12に中性子を照射する。他方、測定側は、測定部10に内蔵されている中性子検出器16の他、プリアンプ40、メインアンプ42、サムゲートユニット44、及びマルチチャネルスケーラ46(いずれも複数個)からなり、それらによって増幅・波形処理ならびに集約処理が行われ、データ集積・制御装置32へ測定データの送信が行われる。
測定に際しては、まずデータ集積・制御装置32の各種の初期条件設定が行われ、その後、実際の測定が行われる。その測定にあたっては、データ集積・制御装置32からタイミングパルスモジュール34へ測定開始(パルス発生指示)信号が送信される。この測定開始信号は、測定開始から所定の測定時間間隔毎(例えば10ms毎)に、所定時間(例えば10分間)の間、繰り返し送信される。このようにタイミングパルスモジュール34は、送られてきた測定開始信号をもとに中性子発生用のタイミングパルスを発生させ、発生側である加速器コントローラ36と、測定側であるマルチチャネルスケーラ46へ並行して同時送信し、中性子発生と検出、測定との同期をとり、測定のタイミングを合わせるためのものである。
タイミングパルスモジュール34からの信号で動作する加速器コントローラ36は、ドライブシャーシ38を介して中性子源14を制御し、測定用のパルス中性子を発生させ、測定対象物12に中性子を照射する。測定対象物12に照射した中性子は、測定対象物内およびその周辺において様々な相互作用を起こし、照射した中性子自体及び測定対象物内の核物質による核分裂等の2次的な中性子が発生する。その2次的な中性子は、測定部10内の中性子検出器16内に入り、FA01〜FAn(ここではHe−3比例検出器)内のHeに捕捉され、電気信号を作り出す。この電気信号は、プリアンプ40およびメインアンプ42内で増幅・波形処理される。処理された後の信号はサムゲートユニット44で集められ、マルチチャネルスケーラ46に蓄積される。
前述のタイミングパルスモジュール34に関連して説明した所定の測定時間間隔とは、マルチチャネルスケーラ46においてデータを蓄える時間幅のことである。この電気信号のマルチチャネルスケーラ46へのデータの蓄積は、前記の測定開始信号を起点に、測定開始から所定の測定時間間隔毎(例えば10ms毎)に所定時間(例えば10分間)にわたって行われる。
パッシブ中性子測定は、中性子源を用いず、中性子を照射しない状態で計測するものである。これによって、バックグラウンド、(α,n)中性子、及び自発核分裂中性子を含む中性子計数が得られる。これは、計測される中性子の放出時間分布を解析すると、図2に示すように、経過時間に対して中性子計数がほぼ一定で推移するフラット成分(第1成分)である。アクティブ中性子測定は、中性子源から中性子を照射した状態で計測するものである。図1に示すようなアクティブ中性子測定体系を用いた場合には、図3に示すように、遅発中性子、バックグラウンド、(α,n)中性子、及び自発核分裂中性子を含む中性子計数であるフラット成分(第2成分)と、入射中性子計数である第3成分と、即発中性子計数である第4成分からなる。
アクティブ中性子測定において、遅発中性子計数がフラット成分に含まれるのは、核分裂時、即発中性子以外にも中性子過剰核となった多くの種類の核分裂片が生成され、遅発中性子は、それらのβ崩壊に伴い放出されるのであるが、核分裂片の半減期は第4成分の死滅時間などに比べて十分に長いためである。そこで本発明では、第2成分から第1成分を差し引く演算によって遅発中性子計数を求める。
ところで、熱中性子による1回の核分裂あたりの遅発中性子の放出数は、Pu-fissileよりもU-fissileの方が3倍程度多い。また、1回の核分裂あたりの即発中性子の放出数は、Pu-fissileよりU-fissileの方が若干少ない。従って、[遅発中性子数/即発中性子]は[U-fissile/Pu-fissile質量比]に対して相関関係を持つ。そこで、上記のようにして得られる第4成分の即発中性子計数と、第2成分から第1成分を差し引く演算によって得られる遅発中性子計数との割合から、上記相関関係を利用して、Pu-fissileとU-fissileとの質量比を特定するのである。このような中性子解析処理が、データ集積・制御装置32に含まれている中性子解析手段33で行われる。
Pu-fissileとU-fissileの存在量を決定するための理論式について説明する。遅発中性子検出数Nd は、
d =In d (βU ΣU mass+βPuΣPuPumass
で表せる。ここで、In :入射中性子数、Td :遅発中性子の検出効率、β:核分裂あたりの遅発中性子数、Σ:単位質量あたりの核分裂確率である。
入射中性子あたりの即発中性子検出数Np は、
p =In p (νU ΣU mass+νPuΣPuPumass
で表せる。ここで、Tp :即発中性子の検出効率、ν:核分裂あたりの即発中性子数である。
両辺同士を割ると、
d /Np =Td /Tp (βU ΣU (Umass/Pumass)+βPuΣPu)/(νU ΣU(Pumass/Umass)+νPuΣPu
d /Np をYd/p 、Umass/PumassをXU/Puと置くと、
d/p =(Td /Tp ) (βU ΣU U/Pu+βPuΣPu)/(νU ΣU U/Pu+νPuΣPu
また、(νPuΣPu/νU ΣU )をMPu/U(Pu-fissileとU-fissileが同重量のときの核分裂割合)と置くと
d/p =(Td /Tp )((βU /νU )XU/Pu+(βPu/νPu)MPu/U)/(XU/Pu+MPu/U)・・・・(1)
となる。よって、XU/PuはYd/p を変数とする分数関数になることがわかる。
ここで、βU 、βPu、νU 、νPu、MPu/Uは既知である。なお、(Td /Tp )は、廃棄物のマトリクスによって異なるので、模擬廃棄物を用いた予備測定により、パラメータ実験を行い、理論式をフィッティングすることにより事前に求めることができる。これらを、遅発中性子計数と即発中性子計数の比を求める上記(1)式に代入し、U-fissileとPu-fissileの比を決定することで放射能を決定する情報を得ることができる。以上の結果より、具体的な測定対象物のU、Puの比率を事前に把握しなくても、本発明の中性子解析手段33を利用することにより、U-fissileとPu-fissileの質量比を精度よく決定することができる。
本発明方法における測定データ解析の手順の一例を図4に示す。
S1ステップ:まず、中性子源を用いずにパッシブ中性子測定を行い、バックグラウンドと(α,n)中性子及び自発核分裂中性子が混在している成分の計数D1を取得する。これは図2の第1成分に相当するフラット成分である。
S2ステップ:次に中性子源を用いて中性子を照射し、核分裂を誘起させる。
S3ステップ:中性子検出器によって中性子を検出し、中性子の放出時間分布(時間依存データ)を取得する(アクティブ測定)。この放出時間分布を解析することにより、遅発中性子、バックグラウンド、(α,n)中性子、及び自発核分裂中性子が混在しているフラット成分(図3の第2成分)、入射中性子による成分(図3の第3成分)、即発中性子による成分(図3の第4成分)に各々を分離する。これによって、遅発中性子、バックグラウンド、(α,n)中性子、及び自発核分裂中性子による計数D2を取得し、また即発中性子による計数D3を取得する。
S4ステップ:そして、計数D2から計数D1を差し引き演算し、遅発中性子計数D4を取得する。
S5ステップ:これら遅発中性子計数D4と即発中性子計数D3を求める。具体的には、上記(1)式に代入して演算する。これによって、U-fissileとPu-fissileの質量比を決定する。
以上の結果より、具体的な測定対象物のU、Puの比率を事前に把握しなくても、本発明の中性子解析手法を利用することにより、U-fissileとPu-fissileの比を精度よく決定することができ、放射能を決定する情報を得ることができる。
(実施例1)
図1の(A)に示すアクティブ中性子測定体系を用い、図4に示す測定・解析手順に従って、含有比率が既知のPu-fissileとU-fissileを含む試料に14MeVD−T中性子発生器から中性子を入射し、中性子を測定する実験を行った。Pu-fissileとU-fissileの質量比を0.1〜30程度まで変化させた試料について、この実験を繰り返した。
実験結果を図5に示す。このグラフでは、縦軸が[遅発中性子数/即発中性子]、横軸が[U-fissile/Pu-fissile質量比](対数値)である。実験値は統計誤差(1σ)と併せてプロットされており、実線は理論式(1)を実験値にフィッティングしたものである。χ二乗検定の結果、R値が約0.99となり、理論値と実験値が良く合致している。また、図5から分かるように、実験値は理論値に非常に近い値をとり、この理論式が正しいことが分かる。従って、この結果から、[遅発中性子数/即発中性子]を測定によって導けば、理論式(1)を用いて[U-fissile/Pu-fissile質量比]を精度良く決定することができる。
(実施例2)
実施例1と同様のアクティブ中性子測定体系を用いて、検出効率についての実験を行なった。その結果を、図6及び図7に示す。
この測定体系における核分裂発生確率は、グラファイト減速体を用いずステンレス反射体を使用しているため、減速体由来の熱中性子による核分裂が生じない。従って、核物質を含むセメント固化体等の測定対象物自身の減速能力のみを利用して核分裂を誘起するので、図6の上段に示す中央が凸の核分裂中性子数のグラフとなる。ここで、横軸の中心からの距離は、核分裂物質の測定対象物の径方向の位置に対する距離を示す。
また、中性子検出器で捕えられる核分裂中性子の距離に対する検出効率は、図7に示すとおり、中央が凹のグラフとなる。ここで、横軸の中心からの距離は、図6の横軸と同様である。これら核分裂中性子数と検出効率を乗じたものが最終的な核分裂中性子検出数となるが、グラフ上で、図6の核分裂中性子数の「上に凸」と図7の検出効率の「上に凹」との相乗効果によって、図6の下段に表示した核分裂中性子検出数が得られ、中心からの距離に影響されずに検出することができる。これらの結果から、アクティブ中性子測定体系としては,図1の(A)に示すような測定部を用いることが好ましいことが分かる。
なお、上記の説明及び実施例では、アクティブ中性子測定体系として、図1に示すように、測定対象物、中性子源、及び中性子検出器を、減速体を用いずに金属反射体によって取り囲み、測定対象物自体の減速能力のみを利用して核分裂を誘起させ、その結果放出された核分裂中性子を測定する方式を採用している。このようなアクティブ中性子測定体系を使用すれば、前述のように中性子減速体に起因する熱中性子発生に伴う測定誤差の軽減を図ることができ、また第2〜第4の3成分に分離すればよいため解析も容易となる。しかし、図1のようなアクティブ中性子測定体系が開発される以前のアクティブ中性子測定体系、即ち測定対象物、中性子源、及び中性子検出器を、減速体で取り囲んだ測定体系を用いることも可能である。その場合には、第2〜第4の3成分の他に、減速材から発生する熱中性子による核分裂成分(第5成分)が加わるため、その第5成分による影響を除去すればよい。この解析は必ずしも容易ではないし,誤差の混入も伴うため、本発明の実施にあたっては、上記の説明及び実施例のように、図1に示すような改良されたアクティブ中性子測定体系を使用するのが好ましい。
本発明で用いるアクティブ中性子測定体系の一例を示す構成概略図。 パッシブ中性子測定により得られる測定データの一例を示す説明図。 アクティブ中性子測定により得られる測定データの一例を示す説明図。 本発明による核種組成決定法の一例を示す手順説明図。 本発明方法により測定した遅発中性子計数/即発中性子計数とU−235/Pu−239との相関関係を示すグラフ。 図1のアクティブ中性子測定体系による核分裂中性子数及び核分裂中性子検出数と測定対象物の径方向位置との関係を示すグラフ。 図1のアクティブ中性子測定体系による核分裂中性子の検出効率と測定対象物の径方向位置との関係を示すグラフ。
符号の説明
10 測定部
12 測定対象物
14 中性子源
16 中性子検出器
18 金属反射体(ステンレス反射体)
20 ポリエチレン遮蔽体
30 核種組成測定システム
32 データ集積・制御装置
33 中性子解析手段

Claims (3)

  1. 核分裂性核種を含む測定対象物に対し、中性子源を用いないパッシブ中性子測定と中性子源を用いるアクティブ中性子測定を行い、取得した中性子の放出時間分布を解析し、アクティブ中性子測定により即発中性子計数とフラット成分(計数が経過時間に殆ど依存しない成分)を取り出し、次にアクティブ中性子測定によるフラット成分からパッシブ中性子測定によるフラット成分を差し引く演算によって遅発中性子計数を求め、[遅発中性子数/即発中性子]と[U-fissile/Pu-fissile質量比]との相関を利用して、前記即発中性子計数と遅発中性子計数との割合から測定対象物のPu-fissileとU-fissileとの質量比を特定することを特徴とする核分裂性物質の核種組成決定法。
  2. アクティブ中性子測定は、測定対象物、中性子源、及び中性子検出器を、減速体を用いずに反射体によって取り囲み、測定対象物自体の減速能力のみを利用して核分裂を誘起させ、その結果放出された核分裂中性子を測定する方式である請求項1記載の核分裂性物質の核種組成決定法。
  3. 測定対象物が、核燃料関連施設から排出される超ウラン元素を含む放射性廃棄物を含む自己中性子減速作用のある固化体である請求項1又は2記載の核分裂性物質の核種組成決定法。
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