JP5973450B2 - 圧力炊飯器の制御方法およびこの方法を実施するための圧力炊飯器 - Google Patents

Description

本発明は、圧力炊飯器の制御方法およびこの方法を実施するための炊飯器に関する。本発明による方法は、玄米（または全粒米）の調理においてγ−アミノ酪酸（ＧＡＢＡ）の含有量を高めるのに特に適している。

ＧＡＢＡは脳細胞の神経伝達物質で、特定の病気の予防や成長ホルモンの生成に関する刺激に一定の役割を果たす。一方、発芽玄米または部分発芽玄米は、ＧＡＢＡの含有量が高いことは周知の通りである。

玄米の発芽のさせ方は周知の通りである。それは、芽が出るまで米を水に浸けておくというものである。特許文献１は、圧力炊飯器内における発芽玄米の発芽および炊飯の方法の一例を記している。この方法は、４０℃前後の設定温度による米の浸漬ステップからなる。浸漬ステップの後、順次数回にわたる温度上昇を含む炊飯ステップが続く。

韓国特許第２００５００９１８０２号

本発明の目的は、米に含まれるＧＡＢＡの量の増大を果たしながら、よりシンプルな圧力炊飯器の制御方法を提案することにある。

この目的は、蓋付きの筐体を具えた圧力炊飯器の制御方法であって、筐体は、この筐体内に配置される釜の主たる加熱要素と、釜の上縁を加熱する要素と、蓋を加熱する要素と、制御式減圧弁と、釜の底の近傍に位置する第１の温度センサーと、蓋に配置された第２の温度センサーとを具え、２時間超の所定の継続時間にわたって、釜の内部が３０℃から４０℃までの設定温度に維持されるように加熱要素を制御する浸漬ステップと、浸漬の所定の継続時間の経過後に始まり、釜の内部が１００℃から１２０℃までの設定温度に達するように加熱要素を制御する加熱ステップと、前記設定温度に達した時点から始まり、１５分から２０分までの所定の継続時間にわたって釜の内部が設定温度に維持するように加熱要素を制御する炊飯ステップとを含むことを特徴とする圧力炊飯器の制御方法を通して達成される。

本方法の他の変形形態によると、加熱ステップおよび炊飯ステップにある間、減圧弁は閉鎖位置に保たれ、炊飯ステップの終了後に減圧弁は筐体内外の圧力差がほぼゼロになるまで断続的に開放される。

炊飯ステップの設定温度は、減圧弁が閉じている場合には１１２℃から１１８℃までの間にあり、減圧弁が開いている場合は１００℃から１０５℃までの間にある。

浸漬ステップは８時間未満である。

浸漬温度は３６℃から４０℃までの間にある。

減圧弁の断続的な開放時間はおよそ１分であり、その後に数秒の閉鎖時間が続く。

浸漬ステップの間、蓋を加熱する要素は停止する。

本発明は、本発明による方法を実施するように特に適合させた圧力炊飯器の制御装置およびこの制御装置を具えた圧力炊飯器にも関する。

本発明のその他の特徴や利点は、何ら限定的でない例として添付の図面によって図解しながら示す実施形態に関する以下の説明において明らかになろう。

本発明による方法を実施することができる圧力炊飯器の概略図である。 本発明による制御方法の第１の変形実施形態に対応する温度および圧力を経時的に示すグラフである。

本発明による方法を実施するのに適した圧力炊飯器について、以下に図１に沿って説明する。

本発明によると、圧力炊飯器１は、炊飯用の内釜１１を入れる区画が画成された本体１０、すなわち筐体を具える。この筐体は、本体の上部が蓋１０によって開閉されるように筐体１０に装着される蓋１２を具える。炊飯器１の制御操作を行う制御装置１３もまた、筐体１０に装備される。

炊飯器１は、釜１１の下部の温度を検出するための第１のセンサー１５をさらに具える。第１のセンサー１５は釜の底の近傍に取り付けられる。蓋１２内面の温度を検出するための第２のセンサー１６は蓋に取り付けられる。第１のセンサーおよび第２のセンサーは制御装置１３に接続される。

炊飯器１の加熱手段は、炊飯器の釜１１内で浸漬／炊飯動作および高温維持動作が行われるようにするための熱源を提供する主たる加熱要素１７と、釜１１の上縁を加熱する要素１８と、蓋１２の内面を加熱する要素１９とを具える。

圧力炊飯器１は、制御装置１３によってパイロット操作される減圧弁２０をさらに具える。減圧弁２０は周知のようにして蓋１２に取り付けられる。

周知のように、炊飯器１は、筐体１０の内部の圧力の過度な上昇から炊飯器を守る安全弁２１を具えることができる。

筐体１０も蓋も、例えばプラスチック製である。

制御装置１３は本体１０の内部に設置される。制御装置１３は、ユーザーによる炊飯器のプログラミングを可能にする制御ボタン２２にさらに接続される。

また、制御装置１３は加熱手段１７，１８，１９に接続されており、一方では、ユーザーが選択する調理プログラムに応じて、また２つのセンサー１５，１６によって読み取られた温度測定値に応じて、これらの作動または停止を操作する。

１つの変形実施形態によると、主たる加熱要素１７は誘導型であり、釜１１の上縁を加熱する要素１８および蓋１２を加熱する要素１９は抵抗型である。

本発明による炊飯器１の制御方法は、炊き上がった玄米中のＧＡＢＡ（γ−アミノ酪酸）の含有量が増大する玄米または全粒米の炊飯が可能である。ご飯に含まれるＧＡＢＡの増大は玄米の事前発芽と直接相関する。玄米の事前発芽は、周知のようにして、とりわけ室温での玄米の浸漬によって得られる。

本件出願人は、米に含まれるＧＡＢＡの量が温度と浸漬時間とに依存することに気づいた。従って、温度が高すぎると、玄米中のＧＡＢＡの量は減少する。これは、温度が種子を休眠から目覚めさせるための最適温度から、かけ離れたものとなることによる。一方、米の浸漬がある時間を超えると、米の中で細菌が繁殖するおそれがある。

図２は、減圧弁２０を閉じた状態で本発明による方法を実施したときの温度および圧力の経時変化のグラフを示したものである。

本発明による制御方法では、調製サイクルの間にユーザーが手出しすることなく、炊飯器で玄米の浸漬および炊飯を行うことができる。

本発明による制御方法の主たるステップは浸漬ステップＡである。このステップでは、減圧弁２０が開放位置にあっても閉鎖位置にあってもよい。これは、浸漬温度を考えれば蒸気の放出がなく、従って温度の上昇もないためである。実際、減圧弁に信号が送られることはない。

その一方で、釜１１の内部の温度が３６℃から４０℃の間に維持されるように加熱要素１７，１８，１９のすべてまたは一部を作動させる。すなわち、釜１１の底に位置する第１の温度センサー１５の信号に対する加熱要素１７，１８，１９の制御ループが実行される。浸漬ステップの継続時間は少なくとも２時間である。本発明によると、ユーザーは、制御ボタン（図示せず）を介して浸漬ステップの継続時間を８時間まで延長することができる。１つの変形実施形態によると、浸漬ステップにおける設定温度は３５℃±１℃である。もう１つの変形実施形態によると、蓋に設置された加熱要素１９は浸漬ステップを通して停止したままである。

浸漬ステップが終了すると、すなわちユーザーが選んだ浸漬継続時間が経過すると、加熱ステップＢが自動的に開始される。加熱ステップは、釜１１の内部が１００℃から１２０℃までの所定の設定温度に達するようにするものである。このようにするため、制御装置１３は、蓋１２に位置する第２のセンサー１６が設定温度を示さない限り、炊飯器１のすべての加熱要素１７，１８，１９を作動させる。

この加熱ステップは、減圧弁２０が開放位置にある状態で行っても、減圧弁２０が閉鎖位置にある状態で行ってもよい。減圧弁２０を開放して加熱ステップを行う場合は、設定温度は１００℃から１０５℃までの間にある。減圧弁２０が閉鎖している場合、設定温度は例えば１１２℃から１１８℃の間にある。

加熱ステップの設定温度に達すると、制御装置１３によって直ちに炊飯ステップＣが実行される。このステップは、１５分から２０分までの所定の継続時間にわたって加熱ステップの設定温度を維持するものである。このため、炊飯ステップは、蓋１２の第２の温度センサー１６の信号に対する加熱要素１７，１８，１９の制御ループからなる。炊飯時間が経過すると、加熱要素１７，１８，１９は直ちに停止する。

減圧弁２０が閉鎖位置にある状態で炊飯ステップを行う場合、炊飯継続時間が経過した時点で減圧弁２０が断続的に開放される。この断続的な開放は、連続的な蒸気の排出音を防ぐことを可能にし、さらに副次的に釜１１からの吹きこぼれを防ぐことを可能にする。一例を挙げれば、断続的な開放は、減圧弁２０の開放サイクルと閉鎖サイクルとの繰り返しからなる。およそ１分間行われる開放サイクルに対して、閉鎖サイクルはわずか数秒行われるだけで、釜１１内部の圧力が周囲圧力と平衡状態となるまでこれが同じように続けられる。

温度を上昇させた後の炊飯ステップには１つのステップしかないため、本発明による方法はきわめてシンプルである。このことは、米を高温にさらす時間を極力短くすることで、米の栄養素を保つことも可能にする。また、浸漬の温度および継続時間を最適に選択することで、玄米中のＧＡＢＡの量を顕著に増大させることができる（玄米の浸漬を行わない場合に比べてＧＡＢＡが１０％増から５０％増）。

本発明は、本発明による方法を実施するように特に適合させた制御装置１３にも関する。本発明による制御装置は、加熱要素およびセンサーおよび減圧弁に接続する一方、本発明による方法の実施に対応する様々なシーケンスのプログラムを格納する記憶装置を具える。

また本発明は、この制御装置が装備された炊飯器に関する。

本発明は、上に説明した実施例だけに限られるものではない。例えば、温度センサーは別の形で炊飯器に配置することができる。また、センサーから発信される信号は、炊飯設定温度または浸漬設定温度の調節のために区別なく利用することができる。２つの動作モードの間の違いは、釜の内部温度を判断するために制御装置がどのような内挿を行うかにある。

Claims (9)

1. 蓋付きの筐体（１０）を具えた圧力炊飯器の制御方法であって、前記筐体（１０）は、前記筐体（１０）内に配置される釜（１１）の加熱要素（１７）と、前記釜（１１）の上縁を加熱する加熱要素（１８）と、蓋（１２）を加熱する加熱要素（１９）と、制御式減圧弁（２０）と、前記釜（１１）の底の近傍に位置する第１の温度センサー（１５）と、前記蓋（１２）に配置された第２の温度センサー（１６）とを具え、
   前記制御式減圧弁（２０）を閉じた状態で２時間超の所定の継続時間にわたって、前記釜（１１）の内部が３５±１℃の範囲の浸漬温度に維持されるように、前記第１の温度センサー（１５）の信号に対する前記加熱要素（１７，１８，１９）の制御ループにより前記加熱要素（１７，１８，１９）を制御する浸漬ステップ（Ａ）と、
   浸漬の前記所定の継続時間の経過後に始まり、前記釜（１１）の内部が１００℃から１２０℃までの設定温度に達するように、前記第２の温度センサー（１６）が前記設定温度を示さない限り前記加熱要素（１７，１８，１９）のすべてを作動させて前記加熱要素（１７，１８，１９）を制御する加熱ステップ（Ｂ）と、
   前記設定温度に達した時点から始まり、前記第２の温度センサー（１６）の信号に対する前記加熱要素（１７，１８，１９）の制御ループからなる炊飯ステップ（Ｃ）であって、１５分から２０分までの所定の継続時間にわたって前記釜（１１）の内部が前記設定温度に維持されるように前記加熱要素（１７，１８，１９）を制御する炊飯ステップ（Ｃ）と
   を含むことを特徴とする圧力炊飯器の制御方法。
2. 前記加熱ステップおよび前記炊飯ステップにある間、前記減圧弁（２０）は閉鎖位置に保たれ、前記炊飯ステップの終了後の前記減圧弁（２０）は、前記筐体（１０）の内外の圧力差がほぼゼロになるまで断続的に開放されることを特徴とする請求項１に記載の圧力炊飯器の制御方法。
3. 前記炊飯ステップの前記設定温度が１１２℃から１１８℃までの間にあることを特徴とする請求項２に記載の圧力炊飯器の制御方法。
4. 前記炊飯ステップの前記設定温度が１００℃から１０５℃までの間にあることを特徴とする請求項１に記載の圧力炊飯器の制御方法。
5. 前記浸漬ステップが８時間未満であることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の圧力炊飯器の制御方法。
6. 前記減圧弁（２０）の断続的な開放時間はおよそ１分であり、その後に数秒の閉鎖時間が続くことを特徴とする請求項２に記載の圧力炊飯器の制御方法。
7. 前記浸漬ステップの間、前記蓋（１２）を加熱する前記加熱要素（１９）が停止することを特徴とする請求項１から請求項６の何れかに記載の圧力炊飯器の制御方法。
8. 請求項１から請求項７の何れかに記載の方法を実施するように特に適合させたことを特徴とする圧力炊飯器の制御装置（１３）。
9. 請求項８に記載の制御装置を具えたことを特徴とする圧力炊飯器。

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