JP2004049337A - 炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発芽玄米のコースを選択可能な操作手段42と、発芽玄米を選択すると通常の白米とは異なる加熱制御を加熱コイル16に行なわせる発芽玄米炊飯制御手段63とを備える。操作手段42にて発芽玄米のコースを選択すると、通常の白米コースとは異なる加熱制御で発芽玄米に適した鍋11への加熱が行なわれる。これにより、吹きこぼれにくく、しかも玄米コースを利用したときよりも短い炊飯時間で、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被炊飯物を収容する鍋を加熱手段にて加熱する炊飯器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来この種の炊飯器は、一般の精白米あるいは玄米をいずれも炊飯できるように、制御手段が加熱手段の加熱量をそれぞれ制御しており、選択スイッチにより白米あるいは玄米のコースを選択できるものが知られている。このような炊飯器は発芽していない玄米には対応するものの、発芽玄米には対応しておらず、発芽玄米の炊飯時には通常の精白米と同じ火加減で炊飯を行なっていた。
【0003】
しかし、発芽玄米は胚の部分から芽が出た状態の玄米であり、全周がヌカで覆われている玄米や、精白米とは異なる性質を持っている。すなわち、玄米よりは水を吸いやすいが精白米よりは水を吸いにくいため、玄米に適した加熱では柔らかすぎ、精白米に適した加熱ではやや硬めに炊ける。また、発芽玄米を普通の白米コースで水をやや多めにして炊くと、ふきこぼれやすくなる問題を生じていた。さらに、発芽玄米を玄米コースで炊くと、吸水時間や沸騰継続時間が長くなって炊飯時間が延びるという不便さがあった。
【0004】
一方、炊飯を開始したり炊飯メニューを選択するための各種操作を行なう操作部カバ−が、炊飯器の本体若しくは蓋体に設けられているが、この操作部カバ−を近年では、印刷シートをAS樹脂などの透明度の高い材料と一体成形した部品で頻繁に形成している。こうした部品は、操作部における表示の自由度が高く、異なる機種間の差別化を図れるなどの利点が多いので、炊飯器を含む調理器などの家電製品では便利である。
【0005】
とりわけ、同一の外観モデルで製品仕様を変えて、例えば2,3種類のシリーズ化を行なったり、量販店向けの専用モデルを製品化したり、次年度に外観色を変更したり、操作部カバーの印刷シートのデザインを変更するなど、比較的軽微な仕様変更の際には、外観モデルを共通とし、発生する金型点数を抑えてモデルチェンジすることが頻繁に行なわれる。しかし、操作部の変更に伴なって、操作するボタンの数を減らす仕様変更を行なうと、次のような問題があった。
【0006】
すなわち、操作部カバーの外面に形成されるボタン部は、通常指による操作を行ないやすくするために、またどこがボタン部であるかをわかりやすくするために、膨らみのある形状となっている。しかし、操作するボタンの数を減らす仕様変更を行なう場合、使用しないボタン部に膨らみを持たせたままにすることは不自然であり、ボタン部を押してもスイッチが入らずに使用者が故障であると勘違いする虞れもある。そのため、ボタン部を押せないようにすることが有効である。
【0007】
これは、新規に金型を発生させて、使用しないボタン部の箇所を平坦にした操作部カバーを作成すれば解決するが、金型費用の発生や相手部品の隙間調整などの製造上の問題点が発生する。また、使用しないボタン部に膨らみを持たせないように、金型の対応箇所に入れ子などを追加して、操作部カバーのボタン部を削除することも考えられるが、これもその都度金型を成形機から外したり、成形機のストローク調整などが必要となって、同様に製造性の低下を招いていた。
【0008】
また、一般の炊飯器は、水と米を鍋に収容して、この鍋の上部開口部を蓋体により閉塞した後で、加熱手段により鍋を加熱する。そのときの加熱行程は、米の吸水を促進するひたし炊き行程と、約100℃に鍋内の内容物を加熱し炊き上げる本炊飯行程と、余分な水分を飛ばして風味付けを行なうむらし行程とからなる3行程の炊飯加熱制御を行ない、さらに鍋に飯を入れたときには飯が約70℃前後になるように前記加熱手段を制御して保温を行なう。こうした炊飯制御や保温制御を選択するために、一乃至複数のキーにより選択できる選択手段も設けられている。
【0009】
しかし、複数のキーを有している選択手段では、使用時の取り扱いが不慣れな場合や障害のある使用者には煩雑で使いづらい。さらに製造に際しても、複数のキーを必要とする分だけ製造が困難になり、故障の原因となる。また、一つのキーで炊飯制御や保温制御を選択できる選択手段では、使用者が意図するような加熱制御にできず、例えば水と米を鍋に入れたときに間違えて保温制御を行なってしまい、炊飯ができなかったり、逆に飯を鍋に入れたにも拘らず誤って炊飯制御を行なってしまい、鍋内が100℃以上になって飯がこげたり、本体が異常加熱により故障する原因となる。
【0010】
さらに、鍋に飯が入っていて保温を行なう場合、飯が冷えた状態から保温を行なうと、その飯を70℃前後にまで加熱させるために乾燥や黄変を起こし、食味が悪化する。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができる炊飯器を提供することを、その第1の目的とする。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、製造性を低下させることなく、使用しない操作部の箇所を押せないようにできる炊飯器を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第3の目的は、使用者が間違えることなく目的の制御を選択できる炊飯器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の炊飯器では、操作手段にて発芽玄米のコースを選択すると、発芽玄米に適した鍋への加熱が行なわれる。これにより、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができる。
【0015】
本発明の請求項2の炊飯器では、発芽玄米だけを炊く場合と発芽玄米を混ぜて炊く場合のいずれにおいても、同じ発芽玄米のコースに基づく加熱制御が行なわれる。したがって、加熱制御が無用に複雑にならない。
【0016】
本発明の請求項3の炊飯器では、操作手段にて発芽玄米だけを炊くコースと、発芽玄米に例えば任意の割合で精白米あるいは他の穀物を混ぜて炊くコースのいずれかを選択すると、それらのコースに適した鍋への加熱がそれぞれ異なる加熱制御で行なわれる。これにより、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができると共に、発芽玄米を混ぜる場合でも、簡単にかつおいしく炊くことが可能になる。
【0017】
本発明の請求項4の炊飯器では、仕様変更などに伴ない使用しなくなった操作部に飾り部を設けておけば、飾り部を操作してもこの飾り部で隠された操作部は動作しない。このように、カバーの操作部を減らす仕様変更を行なう場合でも、新たに金型を作成したり、入れ子を追加するような金型改造を抑制し、それに伴なう調整作業も廃止できるので、製造性を低下させることなく、使用しない操作部の箇所を簡単に押せないようにできる。
【0018】
本発明の請求項5の炊飯器では、選択手段により例えば保温制御を選択すると、他の複数の炊飯制御とは異なる報知を行なうので、使用者は報知の違いから現在選択している加熱制御が炊飯制御であるか保温制御であるかを正しく認識できる。そのため、使用者が間違えることなく目的の加熱制御を選択できる。
【0019】
本発明の請求項6の炊飯器では、複数の制御を選択する選択手段が一つのキーであるため、操作に際して使用者が煩雑に感じることはなく、しかもキーを一つにすることで製造性を高めることができる。
【0020】
本発明の請求項7の炊飯器では、例えば保温制御の選択時において鍋が一定温度以下であれば、報知手段より報知を行なう。こうすれば、冷飯を保温するので食味が悪化することなどを事前に知らせてこれを防ぐことが可能になる。
【0021】
本発明の請求項8の炊飯器では、例えば保温制御の選択時において鍋を一定時間加熱した際に、温度上昇が所定値未満であったり、所定温度に達しなければ、前記鍋に被炊飯物が入っていると判断して、報知手段より警告を行なう。このように、保温制御の選択後一定時間が経過してからの警告により、使用者は被炊飯物が入っているにも拘らず保温制御を行なった誤りに気付くことができる。さらにこの場合は保温に代わり自動的に炊飯を行なうことで、炊飯ができない状況を防止できる。
【0022】
【発明の実施形態】
以下、本発明における炊飯器の各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1〜図5は本発明の第1実施例を示すもので、炊飯器全体の構成を示す図1において、1は炊飯器の外郭となる炊飯器本体で、この炊飯器本体1は、胴部を形成するほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口部を覆って設けられた底板3とにより形成されている。炊飯器本体1の上部には、その後部に位置する弾性部材としてのヒンジバネ4により開閉可能な蓋すなわち蓋体5が配設される。また、外枠2の上部内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容上部6と、この内枠上部6の下面開口に連なる円筒状の鍋収容側部7と、鍋収容側部7を覆って設けられ、PETなどの合成樹脂で形成した内枠8とにより、後述する鍋11を収納する有底筒状で非磁性材料からなる鍋収容部9が形成される。
【0024】
炊飯器本体1の外観は、上部と側部を一体化した外側枠すなわち外枠2と、この外枠2の底部を覆う底板3で構成されるが、上部を覆う上枠と、側部と底部とを一体化した底側枠とにより炊飯器本体1の外観を構成してもよい。その際、外側枠,底板,上枠,底側枠は、PP(ポリプロピレン)などの合成樹脂で形成する。また、側枠はポリプロピレンなどの合成樹脂でもよいし、ステンレスなどの金属板でもよい。
【0025】
前記鍋収容部9内には、米や水などの被加熱物を収容する有底筒状の鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした熱伝導部としての鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合され、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。鍋11の側面中央から上部に発熱体13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。
【0026】
前記鍋収容部9の一部を構成する内枠8は、鍋11の発熱体13に対向して位置しているが、この内枠8の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11を電磁誘導により加熱させる加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。また、鍋11の上端部には円環状のコードヒータ17が設けられていると共に、熱伝導性の良い例えばアルミニウム板からなる金属板部18が、コードヒータ17を覆うようにして設けられる。特にコードヒータ17の放熱部となる金属板部18は、冷え易い部位である蓋体5と炊飯器本体1との隙間に対向する位置に備えてあり、これらのコードヒータ17と金属板部18とにより、鍋11のフランジ部14を加熱するフランジヒータが構成される。
【0027】
金属板部18の上面には、鍋11の上端周囲に延出させたフランジ部14の下面が載置し、鍋11は吊設状態にて鍋収容部9に収容される。したがって、鍋11と鍋収容部9の上端部における隙間が殆どない構成となる。但し、鍋11の持ち手部(図示せず)は鍋収容部9に対し非接触になるようにし、鍋収容部9との間に部分的に隙間を形成することで、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯を行ったときに、隙間から蒸気が排出される構成としてもよい。
【0028】
内枠8の底部中央部には、鍋11の底部外面と弾発的に接するように、鍋11の温度検知手段としての鍋温度センサ21が配置され、鍋11の温度を検知するようになっている。この鍋温度センサ21はサーミスタからなり、図示しない防磁用のフェライトと共に非磁性材料からなるフェライトカバー22にて押えられている。そして、フェライトカバー22を内枠8の底部に配置することにより前記加熱コイル16も押えられ、この加熱コイル16に電流が流れたときに、電流によって加熱コイル16が振動することを抑制している。
【0029】
鍋11の上方を覆う蓋体5は、その回転軸であるヒンジ軸23に巻装されたヒンジバネ4の力により開く方向へ付勢されている。また、外枠2の前部上側に設けられたフックボタン24が、蓋体5の前部にあるクランプ25と係脱自在に係合することにより、ヒンジバネ4の付勢に抗して、蓋体5を閉じた状態に保持する。
【0030】
蓋体5は、炊飯器の上部外観となる外蓋26と、この外蓋26と嵌合し鍋11の開口部上方を覆う外蓋カバー27とを主たる構成要素としている。外蓋26には、この外蓋26とほぼ同一の外観形状をなし、ステンレスやアルミニウムをアルマイト加工した金属製の放熱板28が設けられている。この放熱板28は、外蓋26に対してインサート成形により一体成形されてもよいし、爪やねじなどによる嵌合構造を採用してもよい。また放熱板28の裏側には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ29と、蓋温度検出手段としての蓋温度センサ30がそれぞれ設けられる。なお、蓋加熱手段は、コードヒータなどの電熱式ヒータでもよいし、さもなければ電磁誘導加熱式でもよく、蓋ヒータ29から放熱板28を介して後述する内蓋31を温め、かつ鍋11の内側を加熱する。
【0031】
前記鍋11の上面開口部は、蓋体5を閉じたときに、その内側に設けられた内蓋31により閉塞されるようになっている。内蓋31は、清掃などの手入れがしやすいように、蓋体5の下面に着脱可能に設けられ、内蓋31の外側すなわち上側には、この内蓋31を外した時に視認できる前記放熱板28が配置される。さらに、内蓋31の外周部には、鍋11の周囲をその弾性によりシールする例えばシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材たる蓋パッキン32が設けられ、蓋体5を閉じたときに蓋パッキン32が鍋11のフランジ部14の上面に当接するようになっている。とりわけ、蓋パッキン32の当接部は、前記金属板部18の上面に当接させてあり、鍋11のフランジ部14は、金属板部18を覆うように外形が金属板部18と同等以上の大きさに形成される。さらに、蓋体5の上部には、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気口33が着脱可能に取り付けられている。
【0032】
前記蓋体5の前方部には、使用者が直接指で触れることのできる操作部としての操作パネル35が設けられている。操作パネル35の内方には、炊飯や保温の加熱行程を制御する制御基板36が設けられる。
【0033】
ここで、図2および図3を共に参照しながら、操作パネル35および制御基板36周辺の構成を説明する。これらの各図において、41は制御基板36に設けられた制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと称する)であり、これはいずれも図示しないが、周知のマイクロプロセッサを構成する制御装置および演算装置の他に、計時装置,ROMやRAMなどからなる記憶装置,および入出力装置などを備えて構成される。マイコン41の入力側には、前記蓋体5若しくは炊飯器本体1に設けられる操作パネル35のボタン部と、これに対応して制御基板36に設けられたスイッチ部とからなる操作手段42が設けられる。この操作手段42のボタンは、炊飯動作の開始を指示する炊飯スイッチ42aと、保温動作の開始を指示する保温スイッチ42bと、全ての動作を中止して切状態にする切スイッチ42cと、保温再加熱を指示する保温再加熱スイッチ42dと、予約動作の開始を指示する予約スイッチ42eと、後述するLCD43に表示される現在時刻またはタイマー時刻の時,分を調整する時調整スイッチ42gおよび分調整スイッチ42hと、白米コースを選択したときの炊き上がりの硬さを選択するかたさ炊き分けスイッチ42iと、複数のメニュー(コース)の中で所望のメニューを選択するメニュースイッチ42jと、ひたし炊きを省略して炊飯を行なう早炊き動作を指示する早炊きスイッチ42kとにより構成される。
【0034】
また前記マイコン41の入力側には、その他に、鍋温度センサ21と、蓋温度センサ30と、鍋11の有無を検知する負荷検知回路44と、マイコン41へのリセット信号を出力するリセット回路45が各々接続される。さらに、46は電源の停電発生を検知する停電検知回路であり、この停電検知回路46が停電を検知すると、停電バックアップ回路47がマイコン41の記憶装置に記憶された内容を保持するように構成している。なお、前記負荷検知回路44は、本実施例のようなIH加熱式の場合、加熱コイル16による鍋11の負荷電流によって鍋11の有無を判断しているが、IH加熱式以外の炊飯器では、鍋11の炊飯器本体1への着脱に応じてオン/オフが切り換る鍋スイッチを利用するのが好ましい。
【0035】
一方、マイコン41の出力側には、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給するIH加熱装置51と、蓋ヒータ29の通断電を制御する蓋加熱装置52と、コードヒータ17の通段電を制御する鍋フランジ加熱装置53と、報知手段たる圧電ブザーなどのブザー54と、操作パネル35の表示手段として取り付けられたLCD55およびLED56が各々接続される。このなかで、LED56は、炊飯時に点灯する炊飯ランプ56aと、早炊き時に点灯する早炊きランプ56bと、保温時に点灯する保温ランプ56cと、予約炊飯設定時に点灯する予約ランプ56dとにより構成される。
【0036】
マイコン41は、自身の保有するプログラムの機能的な構成として、鍋11内の被加熱物を炊き上げる炊飯動作を制御する炊飯制御手段61と、鍋11内の飯を一定温度に保持する保温動作を制御する保温制御手段62などを備えている。特に本実施例では、通常の精白米を炊く白米コースや、玄米を炊く玄米コースなどの他に、発芽玄米を炊く発芽玄米コースに対応した炊飯動作を制御する発芽玄米炊飯制御手段63を備えたことが注目される。そして、操作手段42に各入力信号と、鍋温度センサ21および蓋温度センサ30からの各温度データ信号と、負荷検知回路44からの負荷検知信号と、リセット回路45からのリセット信号と、停電検知回路46からの停電検知信号とをマイコン41に入力し、予めマイコン41の記憶装置にプログラムされた制御シーケンスにしたがって、炊飯制御手段61や保温制御手段62がIH加熱装置51や、蓋加熱装置52や、鍋フランジ加熱装置53や、ブザー54や、LCD55およびLED56を制御しつつ、炊飯から保温に至る一連の動作と、予約炊飯などを行なう構成となっている。その際、鍋温度センサ21は、加熱コイル16による鍋11の底部の加熱温度を主に温度管理すると共に、サーミスタ式の蓋温度センサ30は、主に蓋ヒータ29による内蓋31の加熱温度を温度管理している。
【0037】
その他に、炊飯器本体1の後部には、各種電子部品を搭載した加熱制御手段としての加熱制御基板65が設けられる。加熱制御基板65には加熱コイル16を駆動させる素子(駆動素子)が備えてあって、加熱コイル16の発振と共に加熱される。この駆動素子は使用条件温度を持つので、一定温度以下で駆動させる必要がある。そのために、駆動素子はアルミニウムのような熱伝導性の良い材料で構成された放熱器66に取付けられ、冷却手段である冷却ファン67から発する風により冷却され、使用条件温度以内で駆動するようになっている。
【0038】
冷却ファン67は放熱器66の下方または側部に配置され、放熱器66により温かくなった風を外部へ排出する孔68が設けられる。加熱制御基板65は炊飯器本体1内に収容されるが、鍋11に対してどの位置に設けてもよく、炊飯器本体の低部または側部に設けた孔68も、どの位置に設けてもよい。しかし、近年は製品の小形化設計が求められており、加熱制御基板65や冷却ファン67と風を排出する孔68は、鍋11をはさんで炊飯器本体1の略反対位置に設けられている。
【0039】
次に、図4および図5のグラフを参照しながら、上記構成についてその作用を説明する。なお図4は、白米コースを選択した場合の鍋11の温度と、加熱コイル16の加熱量を行程順に示し、また図5は、白米コースを選択した場合の鍋11の温度と、加熱コイル16の加熱量を行程順に示している。これらはいずれも、投入する米(発芽玄米)の量が3カップ(540ミリリットル)の場合である。
【0040】
メニュースイッチ42jを押して白米コースを選択した場合の制御を説明する。炊飯スイッチ42cにより炊飯を開始すると、炊飯制御手段61は鍋温度センサ21からの検知温度を基にして、加熱コイル16により鍋11の底部や側面下部を加熱する。そして、鍋11内の水温を約45〜60℃の状態で15〜20分保持するひたし炊き行程を行なう。所定時間のひたし炊きが終了すると沸騰加熱行程に移行し、鍋11内が沸騰状態に至るまで鍋11を強加熱する。この沸騰加熱時において、鍋温度センサ21による鍋11の底部温度が90℃以上になり、しかも蓋温度センサ30による蓋体5の温度が90℃以上で安定(温度上昇率の検知による)したら沸騰を検知し、鍋11への加熱量を低減した沸騰継続加熱に移行する。このように沸騰検知では、鍋11の底部および蓋体5が全て90℃以上になったことが確認でき、鍋11内が完全に沸騰したことを精度よく検知可能になる。また、鍋11の底部若しくは蓋体5のいずれかが、例えば120℃以上の通常ではありえない温度になったら異常と判断し、炊飯加熱を低減して切状態にするか、さもなければむらしにするか保温にし、鍋11への異常加熱を防止する。また、鍋11の底部若しくは蓋体5の一方が90℃以上になって所定時間(例えば5分)経過しているのに、他方が90℃未満の低い温度の場合、鍋温度センサ21または蓋温度センサ30のいずれかが、何らかの理由で温度検知精度が悪化している(センサの汚れ,傾き,接触不良など)と判断し、同様に炊飯加熱を低減して切状態にするか、さもなければむらしにするか保温にし、鍋11への異常加熱を防止する。
【0041】
沸騰継続行程になると、蓋体5への加熱を開始する。この蓋体5への加熱は、蓋温度センサ30による蓋体5の温度が100〜110℃になるように、蓋温度センサ30の検知温度に基づき温度管理される。そして、鍋11の底部温度が所定の温度上昇に達したら炊き上げを検知して、むらしに移行する。むらし中は蓋体5を温度管理して露付きを防止し、鍋11の底部または鍋11の側面温度が焦げない程度に高温(98〜100℃)を保持する温度管理を行なう。所定時間のむらしが終了したら、保温制御手段62による保温に移行する。
【0042】
保温では加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱する。また、鍋11内のご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように、ご飯の温度よりも蓋体5の温度が僅かに高くなるように、蓋ヒータ29により蓋体5を加熱すると共に、コードヒータ17により鍋11の側面を加熱する温度管理を行なう。鍋11内のご飯は、70〜76℃に温度保持するが、ここでも蓋温度センサ21および蓋温度センサ30の検出温度が相互に異常に高かったり、低かったりした場合は異常を検知し、異常加熱を防止するようにする。
【0043】
炊飯後、ご飯の温度が保温温度に低下するまで(約100℃〜73℃)と保温安定期(約73℃)に、コードヒータ17を発熱させて、蓋体5と炊飯器本体1との隙間空間に金属板部18から熱を放射する。これにより、隙間からの外気の侵入による冷えを抑制すると共に、鍋11のフランジ部14を加熱する。また、保温時にご飯を再加熱するあつあつ再加熱を実行している期間にも、コードヒータ17により鍋11のフランジ部14を加熱し、鍋11への加熱に伴ない発生する水分の鍋11の上部内面への結露を防止する。
【0044】
次に、メニュースイッチ42jを押して発芽玄米コースを選択した場合の制御を説明する。この発芽玄米コースにおいても、炊飯スイッチ42aを押して炊飯を開始すると、ひたし炊き→沸騰加熱→沸騰継続→むらし→保温の各行程が順に行なわれるが、ひたし炊きは通常の白米コースに比べてひたし時間を長くするか、あるいは加熱量を多くして吸水をより促進させる。これは白米コースで発芽玄米を炊飯した場合に、炊き上がりがやや硬くなることを考慮してのことである。但し発芽玄米は、発芽の際に硬いぬか層を破って芽が出てくるため、玄米よりは吸水しやすく、したがって玄米コースを選択した場合ほど、ひたし炊きの時間を長くしたり加熱量を多くする必要はない。また、沸騰加熱時は吹きこぼれないように白米コースよりも加熱量を少なくし、沸騰継続の時間は白米コースよりも長く、玄米コースよりも短くなるように加熱量を調整して、発芽玄米に最適な加熱を行なう。こうした独自の制御を、発芽玄米炊飯制御手段63が行なうことで、水加減などを気にせずに、発芽玄米に関し好ましい炊き上がり状態を得ることが可能になる。
【0045】
より具体的に、白米コースと発芽玄米コースとの制御の違いを説明すると、同一カップ量において、ひたし炊き行程は白米コースでは20分とし、発芽玄米コースでは白米コースよりも長い25分とする。また、鍋11への加熱量も、途中から白米コースでは700Wの電力で5秒通電/15秒断電(加熱の全時間は160秒)するのに対し、発芽玄米コースでは同じ700Wの電力でありながら、2秒通電/8秒断電(加熱の全時間は390秒)として、実質的な加熱量を多くする。また、沸騰加熱は、白米コースでは最初に1100Wでフル通電し、後に700Wに加熱量を低減させて同様にフル通電するが、発芽玄米コースでは最初に1100Wで30秒通電/5秒断電させ、後に850Wに加熱量を低減させて10秒通電/5秒断電させ、白米コースよりも加熱量を少なくする。
【0046】
沸騰継続は、白米コースでは約5分(3カップの場合)行なわれ、800Wで15秒通電/15秒断電するが、発芽玄米コースでは約12分(3カップの場合)行なわれ、800Wで10秒通電/20秒断電する動作を行なって、白米コースよりも時間を長くする。さらにむらしは、白米コースでは14分であるが、発芽玄米コースでは15分となり、白米コースよりも若干長く時間を取っている。
【0047】
以上のように、本実施例では、鍋11と、この鍋11を加熱する加熱手段としての加熱コイル16と、発芽玄米のコースを選択可能な操作手段42と、発芽玄米を選択すると通常の白米とは異なる加熱制御を加熱コイル16に行なわせる制御手段すなわち発芽玄米炊飯制御手段63とを備えている。
【0048】
このように、操作手段42にて発芽玄米のコースを選択すると、通常の白米コースとは異なる加熱制御で発芽玄米に適した鍋11への加熱が行なわれる。これにより、吹きこぼれにくく、しかも玄米コースを利用したときよりも短い炊飯時間で、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができる。
【0049】
また、発芽玄米炊飯制御手段63は、発芽玄米だけを炊く場合と発芽玄米に所定の割合で精白米を混ぜて炊く場合の両方で同じ加熱制御を行なわせるように構成するのが好ましい。
【0050】
こうすると、発芽玄米だけを炊く場合と発芽玄米に所定の割合で精白米を混ぜて炊く場合のいずれにおいても、同じ発芽玄米のコースに基づく加熱制御が行なわれる。したがって、加熱制御が無用に複雑にならない。
【0051】
また、鍋11と、この鍋を加熱する加熱手段としての加熱コイル16と、発芽玄米だけを炊くコースと発芽玄米に任意の割合で精白米あるいは他の穀物を混ぜて炊くコースとを選択可能な操作手段42と、発芽玄米だけを炊く場合と発芽玄米に任意の割合で精白米あるいは他の穀物を混ぜて炊く場合に、それぞれ異なる加熱制御を前記加熱手段に行なわせる制御手段をマイコン41に備えてもよい。
【0052】
こうすると、操作手段42にて発芽玄米だけを炊くコースと、発芽玄米に任意の割合で精白米あるいは他の穀物を混ぜて炊くコースのいずれかを選択すると、それらのコースに適した鍋11への加熱がそれぞれ異なる加熱制御で行なわれる。これにより、吹きこぼれにくく、しかも玄米コースを利用したときよりも短い炊飯時間で、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができると共に、発芽玄米に任意の割合で精白米あるいは他の穀物を混ぜる場合でも、簡単にかつおいしく炊くことが可能になる。
【0053】
なお、ここでの炊飯器はIH加熱式に限らず、例えば電熱ヒータ式やガス加熱式など、どのような炊飯方式であってもよい。
【0054】
次に、本発明の第2実施例を図6〜図8に基づき説明する。なお、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。この第2実施例は、操作パネル35およびその周辺の構成に特徴を有しており、したがってそれ以外の箇所は第1実施例と共通している。
【0055】
図6は、ある製品仕様の炊飯器における操作パネル35の正面図を示している。操作パネル35はAS樹脂のような透明度の高い材料で形成され、表面には印刷シート(図示せず)がインサート成形により一体的に形成される。また、制御基板36に配置した操作手段42のスイッチ部80(図8参照)を操作するための印刷部81や、表示部であるLCD55が見えるようにした透明部82が、操作パネル35の適所に形成される。操作パネル35は、蓋体5内にある制御基板36に埃や水が付着することも防止している。ここでの操作手段42は、炊飯スイッチ42a,保温再加熱の指示も兼用する保温スイッチ42b,切スイッチ42c,予約スイッチ42e,時調整スイッチ42gおよび分調整スイッチ42h,メニュースイッチ42j,早炊きスイッチ42kとにより構成される。またLED56は、炊飯ランプ56a,早炊きランプ56b,保温ランプ56c,予約ランプ56dとにより構成される。
【0056】
操作手段42を構成する操作パネル35のボタン部83は、一般に操作しやすいように、またどこが操作手段42であるのかを分かりやすくするために、操作手段42の断面図を示す図8のように、外側に膨らみを持たせた形状を有している。また各スイッチ80を押すための操作ボタン84が、操作パネル35と制御基板55との間に設けられる。そして、操作パネル35のボタン部83を押すと、操作パネル35のシートが撓み、その下にある操作ボタン84が制御基板36上のスイッチ部80を押動して、動作が開始あるいは停止するなどの指示信号が出力されるようになっている。
【0057】
ここで、複数個あるボタン部83の中で、例えば早炊きスイッチ42kに対応したボタン部83を廃止する場合、図7および図8に示すように、ボタン部83の外形形状よりも大きな粘着材付きのエンブレム85を、ボタン部83の表面に貼り付ける。このエンブレム85は、その上面を指で押してもエンブレム85自体が撓まない程度の厚さと材質のものを選定する。こうすることで、誤ってその部分を押してもスイッチ部80が動作しない。またエンブレム85は無地であるか、さもなければ商品の特徴を表記するグラフィックを印刷形成してもよい。こうすることで、ユーザが頻繁に目にする操作パネル35の意匠性を高めることができる。
【0058】
以上のように、本実施例では、鍋11と、この鍋11を加熱する加熱コイル16と、加熱コイル16を制御すると共に複数の動作部であるスイッチ部80を備えた制御手段としての制御基板36と、スイッチ部80を覆うカバーすなわち操作パネル35とからなり、操作パネル35にはスイッチ部80に対向してボタン部83を設けた炊飯器において、ボタン部83を覆う飾り部としてのエンブレム85を設け、このエンブレム85を押してもボタン部83が動作しないように構成している。
【0059】
このようにすると、仕様変更などに伴ない使用しなくなったボタン部83にエンブレム85を設けておけば、エンブレム85を押してもこのエンブレム85で隠されたボタン部83は動作しない。このように、操作パネル35のボタン部83を減らす仕様変更を行なう場合でも、新たに金型を作成したり、入れ子を追加するような金型改造を抑制し、それに伴なう調整作業も廃止できるので、製造性を低下させることなく、使用しないボタン部83の箇所を簡単に押せないようにできる。製造性を低下させることなく、使用しないボタン部83の箇所を押せないようにできる。
【0060】
次に、本発明の第3実施例を図9に基づき説明する。ここでも、第1実施例とと同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0061】
図9に示す操作パネル35は、操作手段42として、白米炊飯コース,早炊きコースおよび保温コースのいずれかを選択できる選択手段としての炊飯スイッチ42aと、複数の炊飯行程や保温行程を終了させる切スイッチ42cと、予約炊飯モードを選択する際に指示する予約スイッチ42eと、時刻を設定するための時調整スイッチ42gおよび分調整スイッチ42hの他に、現在時刻モードを選択する際に指示する現在時刻スイッチ42mと、おかゆ炊飯コースを選択する際に指示するおかゆスイッチ42nと、玄米炊飯コースを選択する際に指示する玄米スイッチ42oとをそれぞれ備えている。またLED56は、炊飯ランプ56a,保温ランプ56c,予約ランプ56dの他に、おかゆ炊飯の実行時に点灯するおかゆランプ56eと、玄米炊飯の実行時に点灯する玄米ランプ56fとにより構成される。さらに、操作パネル35の中央には、LCD55が設けられる。
【0062】
そして本実施例では、炊飯スイッチ42aを1回押すと、報知手段であるブザー54によって第1のブザー音が鳴動し、白米炊飯コースが開始する。白米炊飯コースが開始してから10秒以内に炊飯スイッチ42aを再度押すと、ひたし行程,本炊き行程(沸騰加熱行程および沸騰継続行程),むらし行程を白米炊飯コースとは異なった加熱量と加熱時間に設定される早炊きコースが選択され、白米炊飯コースと同じ第1のブザー音が鳴動し、早炊きコースが開始する。この早炊きコースが開始してから10秒以内に炊飯スイッチ42aを再度押すと、ブザー54によって第1のブザー音とは音色の異なる第2のブザー音が鳴動し、炊飯を省略して保温を行なう保温コースが開始する。そして、保温コースが開始してから10秒以内に炊飯スイッチ42aを再度押すと、ブザー54によって第1のブザー音が鳴動し、白米炊飯コースが開始し、以後、上述した同様の動作が繰り返される。このように、単独の炊飯スイッチ42aのみを用いて、複数の炊飯コースである白米炊飯コースおよび早炊きコースと、保温コースの順で、それらのいずれかを選択でき、操作が容易である。さらに鍋11内の被加熱物を約100℃まで加熱する白米炊飯コースと早炊き炊飯コースの各炊飯制御とは異なるブザー音で、鍋11内の被加熱物を約70℃に保持する保温コースを報知するため、保温コースを選択したはずであるのに、実際は白米炊飯コースや早炊き炊飯コースが選択されていたり、逆に白米炊飯コースや早炊き炊飯コースを選択したはずであるのに、実際は保温コースが選択されているような間違いを防止でき、必要な加熱制御を適確に選択できる。
【0063】
以上のように本実施例によれば、鍋11と、この鍋11を加熱する加熱コイル16と、加熱コイル16を制御する制御手段としてのマイコン41と、複数の炊飯制御と保温制御のいずれかを選択する選択手段としての炊飯スイッチ42aと、保温制御を選択したときに他の炊飯制御とは異なる報知音を出力する報知手段としてのブザー54とを備えている。
【0064】
このように、選択手段である炊飯スイッチ42aにより保温制御を選択すると、他の複数の炊飯制御とは異なる報知音が出力されるので、使用者は報知音の違いから現在選択している加熱制御が炊飯制御であるか保温制御であるかを正しく認識できる。そのため、使用者が間違えることなく目的の加熱制御を選択できる。
【0065】
またその場合、選択手段が一つのキー(炊飯スイッチ42a)で構成されるのが好ましい。複数の炊飯制御と保温制御のいずれかを選択する選択手段が一つの炊飯スイッチ42aであるため、操作に際して使用者が煩雑に感じることはなく、しかも炊飯スイッチ42aを一つにすることで、製造が容易で故障が少なくなり、製造性を高めることができる。特に、選択できる加熱制御の中に炊飯制御が含まれていると、水と米を鍋11に入れたときに誤って保温制御を選択すると、炊飯ができなくなったり、飯を鍋11に入れたときに誤って炊飯制御を選択すると、飯が焦げたり炊飯器本体1に熱による悪影響を及ぼすことがあるが、そうした問題を報知音の違いだけで一掃することができる。
【0066】
次に、本発明の第4実施例を図10に基づき説明する。なお、上記各実施例とと同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0067】
図10に示す操作パネル35は、操作手段42として、複数の炊飯コースである白米コース,かためコース,やわらかめコース,早炊きコース,玄米コース,おかゆコースと、保温コースの中で、いずれか一つのコースを選択するためのメニュースイッチ42jと、上記保温コース以外の6種類の各炊飯コースを開始するための炊飯スイッチ42aと、複数の炊飯行程や保温行程を終了させる切スイッチ42cと、タイマー予約時刻設定モードを選択する際に指示する予約スイッチ42eと、タイマー予約時刻設定モードで時刻を設定するための時調整スイッチ42gおよび分調整スイッチ42hと、現在時刻モードを選択する際に指示する現在時刻スイッチ42mとを備えて構成される。またLED56は、炊飯ランプ56a,保温ランプ56c,予約ランプ56dを備えて構成される。さらに、操作パネルの略中央にある表示部としてのLCD55は、時計時刻や現在のメニューなどを表示する機能を有する。
【0068】
そして、メニューキー42jを押す毎に、白米コース→かためコース→やわらかめコース→早炊きコース→玄米コース→おかゆコース→保温コースの順に選択されるコースが変化し、保温コースのときにメニューキー42jを再度押すと、白米コースに戻る。そして、選択した炊飯コースの動作を開始する場合は、炊飯スイッチ42aを押す。
【0069】
水と米が入っている場合を考えると、通常は夏場でも水道水が40℃以上になることは無いので、温度検知手段である鍋温度センサ21により鍋11の温度は40℃以下になる。ここでメニューキー42jを押して保温コースを選択すると、鍋温度センサ21の検知温度が所定の例えば45℃以下であれば、水と米が鍋11に入っていると判断し、ブザー54によるブザー音若しくは他の音発生装置による音声で警告を報知する。これにより、水と米が鍋11に入っている状態で保温コースを選択した場合は、使用者がその誤りにすぐに気付くことができる。
【0070】
また、鍋温度センサ21の検知温度が例えば45℃以上であった場合や、使用者が警告音に気付かない場合は、保温コースによる動作が開始する。水と米が入っているときの鍋11と水との熱交換に比べて、飯が入っているときの鍋11と飯の熱交換は小さいので、加熱コイル16にて一定時間加熱を行った場合に、鍋11に飯が入っていた状態よりも、鍋11に水と米が入っていた状態の方が、鍋11の温度上昇が鈍くなる。これを利用して、鍋11への加熱を一定時間行った後で、鍋温度センサ21の検知温度が所定温度に達している場合か、検知温度の温度上昇度が一定値以上であれば保温をそのまま継続し、さもなければブザー54による警報音を発生させて炊飯に切換えるようにマイコン41の機能を構成する。こうすれば、炊飯を行うつもりで保温コースを選択した場合や、あるいは使用者が警告音に気付かずに保温が開始した場合でも、こうした誤使用を修正することが可能になる。
【0071】
以上のように本実施例では、保温制御を選択したときに鍋11が一定温度以下であれば、ブザー54が警告音を出力するように構成してもよい。この場合、保温制御の選択時において鍋が一定温度以下であれば、ブザー54が警告音を出力する。こうすれば、冷飯を保温するので食味が悪化することを事前に知らせてこれを防ぐことが可能になる。
【0072】
また、保温制御を選択したときに鍋11を一定時間加熱した際の温度上昇が所定値以上であるか、あるいは所定温度に達したならば、鍋11内に飯が入っていると判断してそのまま保温を行ない、温度上昇が所定値未満であるか、あるいは所定温度に達しなければ鍋11に水と米が入っていると判断して、炊飯を開始するか若しくはブザー54により警告音を出力させる判断手段をマイコン41に備えている。
【0073】
この場合、保温制御の選択時において鍋11を一定時間加熱した際に、鍋11の温度上昇が所定値未満であったり、所定温度に達しなければ、鍋11に水と米が入っていると判断して、報知手段であるブザー54より警告音を出力する。このように、保温制御の選択後一定時間が経過してからの警告音により、使用者は米と水が入っているにも拘らず保温制御を行なった誤りに気付くことができる。さらにこの場合は保温に代わり自動的に炊飯を行なうことで、炊飯ができない状況を防止できる。
【0074】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。
【0075】
【発明の効果】
本発明の請求項1の炊飯器によれば、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができる。
【0076】
本発明の請求項2の炊飯器によれば、加熱制御を無用に複雑化させることなく、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができる。
【0077】
本発明の請求項3の炊飯器によれば、発芽玄米を簡単にかつおいしく炊くことができると共に、発芽玄米を混ぜる場合でも、簡単にかつおいしく炊くことが可能になる。
【0078】
本発明の請求項4の炊飯器によれば、製造性を低下させることなく、使用しない操作部の箇所を簡単に押せないようにできる。
【0079】
本発明の請求項5の炊飯器によれば、使用者が間違えることなく目的の制御を選択できる。
【0080】
本発明の請求項6の炊飯器によれば、操作に際して使用者が煩雑に感じることがなく、しかもキーを一つにすることで製造性を高めることができる。
【0081】
本発明の請求項7の炊飯器によれば、冷飯を保温するので食味が悪化することを事前に知らせてこれを防ぐことが可能になる。
【0082】
本発明の請求項8の炊飯器によれば、使用者は米と水が入っているにも拘らず保温制御を行なった誤りに気付くことができる。さらに保温に代わり炊飯を行なえば、米と水が鍋に入っている状態で炊飯ができない状況を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す炊飯器の全体断面図である。
【図2】同上操作パネルの正面図である。
【図3】同上電気的構成および制御系統を示すブロック図である。
【図4】同上白米コース選択時における行程毎の鍋の温度と加熱コイルの加熱量を示したグラフである。
【図5】同上発芽玄米コース選択時における行程毎の鍋の温度と加熱コイルの加熱量を示したグラフである。
【図6】本発明の第2実施例を示す、ある製品仕様の炊飯器における操作パネルの正面図である。
【図7】同上仕様を変更した炊飯器における操作パネルの正面図である。
【図8】同上操作パネルおよびその周辺の断面図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す操作パネルの正面図である。
【図10】本発明の第4実施例を示す操作パネルの正面図である。
【符号の説明】
11 鍋
16 加熱コイル(加熱手段)
35 操作パネル(カバー)
36 制御基板(制御手段)
41 マイコン(制御手段,判断手段)
42 操作手段
42a 炊飯スイッチ
54 ブザー(報知手段)
63 発芽玄米炊飯制御手段(制御手段)
80 スイッチ部(動作部)
83 ボタン部(操作部)
85 エンブレム(飾り部)
Claims (8)
- 鍋と、加熱する加熱手段と、発芽玄米のコースを選択可能な操作手段と、制御を行なわせる制御手段とを備えたことを特徴とする炊飯器。
- 前記制御手段は、発芽玄米だけを炊く場合と発芽玄米を混ぜて炊く場合の両方で同じ制御を行なわせるものであることを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
- 鍋と、加熱する加熱手段と、選択可能な操作手段と、発芽玄米だけを炊く場合と発芽玄米を混ぜて炊く場合とに、それぞれ異なる制御を行なわせる制御手段とを備えたことを特徴とする炊飯器。
- 鍋と、加熱する加熱手段と、動作部を備えた制御手段と、前記動作部を覆うカバーとからなり、操作部を設けた炊飯器において、飾り部を設け、この飾り部を操作しても前記操作部が動作しないように構成したことを特徴とする炊飯器。
- 鍋と、加熱する加熱手段と、制御する制御手段と、複数の制御を選択する選択手段と、異なる報知を行なう報知手段とを備えたことを特徴とする炊飯器。
- 前記選択手段がキーで構成されることを特徴とする請求項5記載の炊飯器。
- 前記鍋が一定温度以下であれば、前記報知手段が報知を行なうように構成したことを特徴とする請求項5または6記載の炊飯器。
- 温度上昇が所定値以上であるか、あるいは所定温度に達したならば保温を行ない、そうでなければ被炊飯物が入っていると判断して、炊飯を開始するか若しくは前記報知手段により報知を行なわせる判断手段を備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の炊飯器。
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