JP2006305048A - 電気炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 その家庭固有の電気炊飯器使用パターンに応じた省エネモードの電気炊飯器を提供する。
【解決手段】 この発明では、炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段を備え、炊飯加熱制御手段による炊飯工程終了後、保温加熱制御手段による保温工程に移行するようにしてなる電気炊飯器であって、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンを通常モードとは別の省エネモードとして記憶する使用パターン記憶手段と、省エネモード選択手段とを備え、該省エネモード選択手段を操作すると、上記使用パターン記憶手段に記憶されているユーザー固有の電気炊飯器使用パターンで、炊飯又は保温制御が行われるようにした。
【選択図】 図5

Description

本願発明は、ユーザー固有の省エネ制御機能を備えた電気炊飯器に関するものである。
最近のマイコン制御式の電気炊飯器では、高い加熱出力で加熱効率良く炊飯を行ない、炊飯が完了すると、自動的に保温工程に移行し、ユーザーにより取消スイッチが押されるか又は保温設定時間が経過するまでの間は、ご飯の温度が予じめ設定した所望の保温温度に維持されるように、ご飯の温度を検出しながら保温ヒータ等保温加熱手段の加熱量を制御するようになっている(特許文献1参照)。
特開2000−14541号公報(明細書第1−10頁、図1−11)
以上のように、これまでの電気炊飯器の場合、確かに炊飯時の加熱効率が高く、早く美味しく炊き上り、保温性能も良い点で、メリットが大きい。
しかし、一方消費電力が大きく、省エネ性に劣る欠点がある。
そこで、例えば多くの家電製品に見られるような予じめメーカー側で電力節減量を設定した省エネモード(セーブモード)を設け、該省エネモードが選択された時には、通常よりも小さな出力で炊飯又は保温制御を行うようにすることも考えられる。
しかし、そのような構成の場合、ユーザー側で自由なコントロールを行うことができず、設定された電力節減量が大きすぎる場合には、ユーザーに不満を抱かせる原因ともなり、折角の省エネモードも殆ど使用されないという結果を招く。また、省エネモードの使用、その時の電力節減量等電気炊飯器の使用パターンは、本来各ユーザー毎に固有の傾向があり、個々のユーザー毎に相違がある。
したがって、上記設定される省エネモードも、そのようなユーザー固有の傾向を反映したものであることが望まれ、そのように構成すると、ユーザーも省エネモードを積極的に活用することになると考えられる。
本願発明は、このような事情に基いてなされたので、その家庭固有の電気炊飯器使用パターンに応じた適切な省エネモードを備えた電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願の請求項1〜6の発明は、各々以上のような課題を解決することを目的としてなされたものであり、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1記載の発明
この発明では、炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段を備え、炊飯加熱制御手段による炊飯工程終了後、保温加熱制御手段による保温工程に移行するようにしてなる電気炊飯器であって、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンを、通常モードとは別の省エネモードとして記憶する使用パターン記憶手段と、省エネモード選択手段とを備え、該省エネモード選択手段を操作すると、上記使用パターン記憶手段に記憶されているユーザー固有の電気炊飯器使用パターンにより炊飯又は保温制御を行うようにしたことを特徴としている。
したがって、このような構成によると、省エネモード選択手段を操作して省エネモードを選択すると、予じめメーカーサイドで設定されている通常の炊飯又は保温制御モードに比べて、省エネ性が高く、ユーザー固有の生活パターンを反映した適切な炊飯又は保温制御が実現される。
(2) 請求項2記載の発明
この発明では、上記請求項1記載の発明において、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンは、所定時間内にユーザーが手動で選択設定した炊飯又は保温制御モードと所定のセンサにより自動的に検知された実際の炊飯又は保温制御データとの組み合わせによる自動的な炊飯又は保温制御パターンであることを特徴としている。
このような構成によると、ユーザー固有の炊飯又は保温制御が、所定のセンサにより自動的に検出された実際の炊飯又は保温制御データに基いて自動的に実現される。
(3) 請求項3記載の発明
この発明では、上記請求項2記載の発明において、省エネモードの内容をセットアップする所定の時間は、ユーザーが任意に設定することができるようになっていることを特徴としている。
このような構成によると、設定操作が容易になり、省エネモードを、より使いやすいユーザーフレンドリーなシステムとすることが可能となる。
(4) 請求項4記載の発明
この発明では、上記請求項1,2又は3記載の発明において、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンは、過去複数回の電気炊飯器使用パターンの内の最も省エネ性の高い使用パターンが採用されるようになっていることを特徴としている。
このような構成によると、最も省エネ性の高い自動省エネモードを容易に実現することができる。
(5) 請求項5記載の発明
この発明では、上記請求項1,2,3又は4記載の発明において、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンは、過去にユーザーが炊飯又は保温の各工程毎に手動で選択設定した省エネモードの炊飯又は保温制御パターンであることを特徴としている。
このような構成によると、そのユーザー固有の生活パターン上の特徴を生かした有効かつ満足度の高い自動省エネ制御が可能となる。
(6) 請求項6記載の発明
この発明では、上記請求項1,2,3,4又は5記載の発明において、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンが、通常モードと比較して省エネにならない場合には所定の報知手段で報知するようにしたことを特徴としている。
このような構成によると、本来省エネにならない場合にまで、敢えて別制御を行う余分な制御動作を回避することができる。
以上のように、本願発明の電気炊飯器によると、一種の学習制御機能を有し、順次蓄積更新された過去の電気炊飯器使用データを基にして、当該ユーザーのオリジナルな省エネ制御内容が自動的に設定されて、省エネ性能の高い炊飯又は保温制御が行われるようになる。
したがって、ユーザーは炊飯又は保温の都度、手動で省エネ条件を設定する繁雑さからも解放される。
図1〜図3は、ユーザー固有の省エネ制御機能を備えた本願発明の最良の実施の形態に係るマイコン式電気炊飯器の炊飯器本体の全体および要部の構成と作用をそれぞれ示している。
(全体の特徴)
先ず本願発明の最良の実施の形態における電気炊飯器は、例えば内鍋(飯器)3として電磁誘導の可能な磁性金属板よりなるものが採用されている一方、当該内鍋3に対する炊飯時の加熱手段として、合成樹脂製の内ケース4を介して当該内鍋3の底壁部3aから側壁部3bの略全体を包み込むように当該内鍋3の底壁部3aの中央部側と側方部側、および側壁部3b側の3ケ所の全周に対応する3組のワークコイルC1,C2,C3が設けられ、また当該内鍋3に対する保温時の加熱手段として、当該内鍋3の側壁部3bの全周に対応する保温ヒータH1が設けられている。そして、それらをマイコン制御ユニット32によって適切に駆動制御することによって適切な炊飯機能と保温機能とを実現できるようになっている。
一方、それらの各機能に対するタイマー予約や炊飯および保温メニューの選択、それら各メニューに対応した加熱量、加熱パターン、保温温度、保温時間などの操作設定は、当該電気炊飯器本体Aの前面側操作パネル部20に設けられた各種入力スイッチ群22a〜22iを介してユーザーにより行われ、その設定内容に応じて最終的に上記ワークコイルC1〜C3および保温ヒータH1が制御されるようになっている。
なお、上記保温温度、保温時間の設定、変更は、一つの方法としてメニュー選択スイッチ22fによって保温温度設定又は保温時間設定機能を選んだ上で、例えば保温スイッチ22dを何度かON操作することにより行われる。
また、上記操作パネル部20の中央部には、炊飯、保温の各メニュー、設定された保温温度、設定保温時間並びに現在時刻および炊飯完了までの残時間その他の必要事項を表示する液晶表示部21が設けられている。
そして、同電気炊飯器では、上述した炊飯又は保温制御を省エネ性能を考慮しない通常モードと該通常モードとは別の省エネ性能を考慮した省エネモードとの2つの炊飯又は保温制御モードを備えており、通常モードの場合には予じめメーカー側で定めた加熱出力、加熱パターン、加熱時間で自動的に加熱制御が行われるが、省エネモードの場合には、さらにユーザーが炊飯又は保温の各工程毎に手動で加熱出力、加熱パターン、加熱時間を選択設定する手動設定モードと、それらを自動設定する自動設定モードとの2つのモードがある。自動設定モードの場合、上記炊飯又は保温制御に必要な各種のファクターが、過去ユーザーにより省エネ性を考えて任意に手動設定モードで設定された当該ユーザー固有の制御条件(パラメータ)に基いて定められるようになっている。それらの各条件は、現在までの所定使用回数(所定日数)分の炊飯、保温制御データを基にして所定の基準で設定される。
そして、自動設定モードの場合、以後は、例えば後述する省エネスイッチ22iを押す(これを自動設定モード開始の条件としている)ことにより、同設定内容に基いて自動的に省エネ炊飯、省エネ保温が行われる。
このような自動省エネ設定における上記所定の基準としては、例えば次のようなものが考えられる。
(1) 過去複数回の電気炊飯器使用パターン(炊飯又は保温制御)の内の最も省エネ性の高い使用パターンを採用する。
(2) 保温時間については、過去の平均時間が設定される。その場合、過去の保温時間は電源OFFまでの時間である。
(3) 食事時刻は過去の全ての食事時刻が該当し、その時間に合わせて加熱するようにする。
そして、過去の食事時刻は、例えば保温中の蓋の開閉検知や内鍋の急激な温度低下により判定する。
(炊飯器本体部分の構成)
該電気炊飯器の炊飯器本体Aは、例えば図1に示すように、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な例えばステンレス鋼板等の磁性金属板よりなる内鍋(飯器ないし保温容器)3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された合成樹脂製の有底筒状の内ケース(保護枠)4と、該内ケース4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース4とを一体化して形成された炊飯器器体Aの上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋)2とから構成されている。
上記内ケース4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイル台7が設けられ、その上部には、フェライトコアを介し、上記内鍋3の底壁部(底部)3aの中央部と側方部および内鍋3の側壁部3bの各位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された3組のワークコイルC1,C2,C3が、それぞれ内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る略全体を包み込むように設けられており、それらにより通電時には内鍋3の略全体にうず電流を誘起して、その全体を略均一に加熱するようになっている。そして、該ワークコイルC1,C2,C3は、それぞれ相互に直列に接続されている(したがって、以下の動作説明および図3の制御回路図では単にワークコイルCとして示す)。そして、その一端は、例えば図3の制御回路図に示すように整流回路35および平滑回路36を介した電源ラインに、また他端はIGBT(パワートランジスタ)37のコレクタにそれぞれ接続されている。
また、上記側壁部側ワークコイルC3の上方部には、保温時において加熱手段として機能する保温ヒータH1が設けられており、保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。
また、上記内ケース4およびコイル台7の下方部側には、例えば図2に示されるような、ワークコイルC1,C2,C3、保温ヒータH1、肩ヒータH2等を駆動制御する上記IGBT37やヒータ駆動回路33,34、マイコン制御ユニット32、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路35、平滑回路36などを備えた制御回路基板9が設けられている。
また上記外ケース1は、例えば合成樹脂材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記内ケース4の底壁部4aとの間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。そして、該外ケース1の前面部上方には、例えば図2に示すような略半月形状の操作パネル部20が設けられている。該操作パネル部20面には、十分に広く大きな表示面積をもつ液晶表示部21と炊飯スイッチ22a、タイマー予約スイッチ22b、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h、省エネモード選択手段である省エネスイッチ22i等の各種入力スイッチが設けられている。また、上記肩部材11の肩部内周側には、肩ヒータH2が設けられている。
さらに、図示はしないが、上記内ケース4下方側のコイル台7の中央部には、上下方向に同心状に貫通したセンタセンサ収納空間部が形成されており、該センタセンサ収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態で図2に示す内鍋温度検知センサSおよび内鍋検知スイッチLSを備えたセンタセンサが設けられている。
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12と内枠14との間に設けられた金属製の断熱構造体13と、該断熱構造体13の内側にパッキン17を介して設けられた金属製の内カバー15と、該内カバー15の下方に設けられた金属製の放熱板16とによって内側が中空の断熱構造体に形成されている。また、上記断熱構造体13は上下2枚の金属板13a,13bを閉断面構造に対向させて一体化することにより形成されている。
この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の肩部材11に対してヒンジ機構を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構18が設けられている。
これらヒンジ機構およびロック機構18の何れかには、蓋開閉検知手段が設けられる。この蓋開閉検知手段は、ヒンジ機構に設けられた角度センサー又はロック機構18のロック解除レバーのON操作時に押されてON作動するリミットスイッチその他の手段により構成される。
したがって、該構成では、先ず炊飯時には、上記内鍋3は、上記3組のワークコイルC1,C2,C3の駆動によりその底壁部3aから側壁部3b側にかけて略全体が均一に発熱し、例えば内鍋3内の水に浸された飯米が断熱部として作用する吸水工程などにおいても内鍋3の上部側をもムラなく加熱して略全体に均一な吸水性能を可能にするとともに、炊飯量が多い時などにも内鍋3の全体を略均一に加熱して加熱ムラなく効率良く炊き上げることができる。また、沸騰工程以降の水分がなくなった状態における内鍋3の底壁部3aの局部的な熱の集中を防止して焦げ付きの発生を防止することができる。次に、保温時には、上記内鍋3の側壁部3bに対応して設けられた上記保温ヒータH1および肩ヒータH2の駆動により、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bおよび上方部の全体が適切な加熱量で均一に加熱されて加熱ムラのない保温が実現される。
一方、上記制御回路基板9のマイコン制御ユニット32には、上記各入力スイッチ22a〜22iを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて所望の炊飯又は保温機能、所望の炊飯又は保温メニュー、それら炊飯又は保温メニューに対応した所定の加熱パターンを設定して、その炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温を行うようになっている。
したがって、ユーザーは、上記各入力スイッチ22a〜22iを使って炊飯又は保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊、おかゆ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、通常モード又は省エネモードその他の各種の炊飯又は保温機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン等設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御が所望の制御パターン(通常/省エネ)で適切になされるようになる。
(炊飯器本体側制御回路部分の構成)
次に、図3は上述のように構成された炊飯器本体A側の炊飯および保温制御(通常/省エネ)、保温中止判定制御、その他の制御を行うマイコン制御ユニット32を中心とする制御回路部分の構成を示す。
図中、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段、保温中止判定制御手段に加え、内鍋温度判定手段、内鍋検知手段、ブザー報知手段等を備えた炊飯・保温・保温中止判定等制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば内鍋3の温度検知回路部、ワークコイル駆動制御回路部、内鍋3の検知回路部、発振回路部、リセット回路部、保温ヒータおよび肩ヒータ等駆動制御回路部、保温中止判定/保温中止制御回路部、ブザー報知部、電源回路部等を各々有して構成されている。
そして、先ず上記内鍋3の底壁部3a側センタセンサ部の内鍋温度検知センサS、内鍋検知スイッチLSに対応して設けられた温度検知回路43および鍋検知回路44には、例えば上記内鍋温度検知センサSによる内鍋3の底壁部3aの温度検知信号、内鍋検知スイッチLSによる鍋検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
また、上記ワークコイル駆動制御回路部は、例えばパルス幅変調回路41、同期トリガー回路40、IGBT駆動回路42、IGBT37、共振コンデンサ38によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット32のワークコイル駆動制御回路部により、上記パルス幅変調回路41を制御することにより、例えば炊飯工程に応じて上記ワークコイルC(C1,C2,C3)の出力値および同出力値でのONデューティー比(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯工程の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンを炊飯量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのないご飯の炊き上げを実現するための適切な出力制御が行われるようになっている。
また同マイコン制御ユニット32の保温ヒータ駆動制御回路部および肩ヒータ駆動制御回路部により、それぞれ保温ヒータ駆動回路33および肩ヒータ駆動回路34を制御することにより、例えば保温又は炊飯工程に応じて上記保温ヒータH1、肩ヒータH2の出力値および同出力値でのONデューティー比(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、保温又は炊飯工程の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンとを実際の炊飯量を考慮して適切に可変コントロールするための適切な出力制御が行われるようになっている。
また、符号22a〜22iは上述した各種入力スイッチ部であり、同スイッチの必要なものが適切に操作されると、上記マイコン制御ユニット32側の認識手段によってユーザーの指示内容が認識され、その認識内容に応じて所望の炊飯又は保温加熱パターンを設定して上記炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温(通常/省エネ)を行うようになっている。
したがって、ユーザーは、同入力スイッチ22a〜22iを使用して炊飯又は保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊、おかゆ、かため又はやわらかめ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、通常モード又は省エネモード等の各種の炊飯又は保温機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32の上述した認識手段を介して炊飯又は保温加熱パターン設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御が適切になされる。
なお、図2、図3中の符号23aは炊飯表示ランプ、23bは保温表示ランプ、23cは予約表示ランプ、23dは省エネ表示ランプ、また図3中の符号39は、上記IGBT37のフライホイールダイオード、35は、家庭用AC電源30との間に挿入された上記ワークコイル駆動用のダイオードブリッジを内蔵した電源側整流回路、36はその平滑回路である。
さらに、符号17は炊飯完了を知らせるブザー報知部、16はリセット回路、21は液晶表示部である。この実施の形態の場合、上記液晶表示部21には、上記入力スイッチ22a〜22iのON操作に対応して所望のメニューや時刻等の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示がなされて行くようになっている。
なお、図3の制御回路では、繁雑さを避けるために、上記マイコン制御ユニット32側への定電圧電源回路は省略して示している。
(炊飯〜保温制御・・・図4参照)
先ず、図4のフローチャートは、本最良の実施の形態の基本となる通常モードにおける炊飯〜保温制御フロー(メインルーチン)を示すものである。
すなわち、該炊飯〜保温制御フローでは、先ず炊飯器本体側の炊飯スイッチ22aが押された時点で、上述のワークコイルCをONにして炊飯を開始し、その制御動作をスタートさせる(ステップS1)。
その後、ステップS2で、上述した時計手段により該炊飯を開始した時刻(〇時〇分)をメモリする。そして、それにつづいて、ステップS3で吸水タイマーのタイマー動作をスタートさせた上で吸水工程に入る。
そして、その後、ステップS4の炊き上げ工程に進んで、上記ワークコイルCのフルパワー出力で内鍋3を加熱し、飯米を速やかに昇温させる。その後、ステップS5で炊飯量を判定し、その判定結果(大量),(中量),(小量)に対応して、その量の炊飯に必要な以後の電力量(強),(中),(弱)を設定して、ステップS6の昇温、沸とう維持工程を実行する。
そして、以後、同ステップS6の沸とう維持工程を経てステップS7の炊き上げ検知判定に進み、上記温度検知センサによって検知される内鍋3の温度が、炊き上げ検知温度以下であるか、それよりも高くなったかを判定し、YES(以下)の場合は沸とう維持を継続するが、NO(より高い)の時は炊き上げ完了と判断して、ステップS8のむらし工程に進む。
そして、同むらし工程が終了(むらし時間が経過)すると、それにより炊飯を完了し、以後ステップS9の保温工程に移行する。
そして、本最良の実施の形態の場合、同保温工程では、上記ステップS2でメモリした炊飯の開始時刻に基いて自動的に設定された保温時間、保温温度で、保温制御が実行される。
(省エネモード選択時の制御)
ところで、上記のような電気炊飯器の実際の使用状況は、各家庭(ユーザー)において一定の傾向があり、パターン化されていることが多い。しかしながら、これまでの電気炊飯器における炊飯又は保温制御パターンの変更(可変)は、例えば早炊き選択や保温選択などに限定されている。それ以外のメニューでは、ユーザーによる調整変更は行えない。
そこで、この実施の形態では、手動による設定は素より、各家庭の過去の電気炊飯器使用パターンを学習制御的に使用パターン記憶手段に記憶させて置き、上述の省エネスイッチ22iを押すことにより、所定の基準でその内のパターンを読み出して使用することにより、ご飯の味と省エネを目的としたユーザー固有のオリジナルな自動省エネ制御モードを実現することを目的としている。
図5のフローチャートは、同ユーザー固有のオリジナルな自動省エネ制御モードの内容を示している。
本実施の形態では、上述のように、操作パネル部20に省エネモード選択スイッチ22iが設けられている。したがって、先ずステップS1で、該省エネモード選択スイッチ22iが押されたか否かを判定し、YES(ON)の場合には、自動的に上記ユーザー固有の省エネモード(自動設定)に入る一方、NO(OFF)の場合には上記一般の通常炊飯・通常保温モード(ステップS9)に進む。
省エネモードに入った場合、先ずステップS2で、ユーザーが記憶させたい過去所定時間内の全ての制御実施パターンを使用パターン記憶手段に記憶させる。例えば早炊き・保温使用時間(開始・終了時刻はもちろんのこと、蓋開閉頻度及び時間帯なども)を記憶させる。そして、この記憶動作中は、上述の省エネ表示ランプ23dを点滅させて、ユーザーに制御データ記憶動作中であることを知らせる(ステップS3)。そして、この記憶動作終了時に、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンが、通常モードと比較して省エネにならない場合には省エネ表示ランプ23dの点滅速度を速くして、その旨をユーザーに報知する。
次に省エネ表示ランプ23dの点滅終了により、上記記憶動作が終了し、通常モードよりも省エネであることが確認されると、さらにステップS4に進み、上記省エネ表示ランプ23dの点滅終了時から所定時間(操作待機時間)以内に再び省エネスイッチ22iが押されたか否かを判定する。
その結果、YESの省エネスイッチ22iが押された時は、ステップS5に進んで、上記記憶された制御データに基く当該ユーザー固有の省エネモードの自動制御を開始する。
そして、同制御では、最も最適な炊飯工程(早炊き)・炊飯時間より各制御内容を実行する。また保温時間については、当該ユーザーの過去の生活パターンに基いてパターン化された内容に従い、最も省エネとなる制御を実行する。この場合、最も省エネとなる保温制御とは、例えば蓋開閉ピーク時間及び保温終了時間より見て、高温にすべきか低温にすべきかを適切に判定し、その温度と時間について省エネ性が高くなるようにする。
例えば保温時間6時間の使用回数が最も多ければ、6時間省エネ保温を提供し、6時間以降はつやつや保温を提供するか、または電源を切る。また省エネ動作開始と同時に、その時の動作内容を液晶表示部20上に表示する一方、時間表示については常時表示を止める。
そして、該制御が行われている間は、省エネ表示ランプ23dを点滅させて、省エネ制御中であることを表示する(ステップS6)。
その後、当該制御が終了し、省エネスイッチ22iが再度押されると(ステップS6でYES)、省エネ動作終了処理(ステップS7)をして、省エネ制御を終了する。
なお、もちろん手動省エネ設定モードの場合には、設定されたモードを変更しない限り次回もこの手動省エネモード(一旦設定されたモード)が継続されるが、上記自動省エネモードの場合には、同自動省エネモードでの制御データ自体をも次の自動省エネ制御に反映させるようにする。
(変形例)
電気炊飯器の省エネ性能の向上は、上述のような自動/手動省エネモードの設定、改善等の省エネ制御機能による以外にも、ユーザー側の工夫一つで、当該機能が提案する省エネ効果以上のものを実現することが可能である。その1つとして、例えば図6に示すように、消費電力を提示するための電力スイッチ22jを設け、同電力スイッチ22jを押す度に、上記液晶表示部20に「24時間前、消費電力値/〇〇〇WH」を表示するようにする(例えば同電力スイッチ22jを押している間のみ1分間継続表示)。
また、この消費電力機能使用時に、例えば時(アップ)スイッチ22g、分(ダウン)スイッチ22hを押し、その表示内容を増減させる。そして、希望する数字設定後、電力スイッチ22jを再度押すと、上記24時間前消費電力値を強制的に同希望電力に合わせる制御を実施するようにする(例えば、保温時間を強制的に6時間設定とする等)。
さらに、上記液晶表示部20に、文字表示の可能なドットマトリクスタイプの液晶を用いれば、要望する電力値に関する制御の概略をユーザーに知らせ、電力スイッチ22jのONにより、その内容を承認させるようにするような方法も取ることができる。
本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器本体の構成を示す一部切欠断面図である。 同電気炊飯器の操作パネル部分の正面図である。 同電気炊飯器の制御回路部分の構成を示すブロック図である。 同電気炊飯器のマイコン制御ユニットによる一般的な炊飯〜保温制御の内容を示すフローチャートである。 同電気炊飯器のマイコン制御ユニットによるオリジナル省エネ制御の内容を示すフローチャートである。 同本願発明の最良の実施の形態の変形例に係る電気炊飯器の構成を示す操作パネル部分の正面図である。
符号の説明
Aは炊飯器本体、C1〜C3,Cはワークコイル、H1は保温ヒータ、1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、10は電源OFFスイッチ、22iは省エネスイッチ、22jは電力スイッチ、23dは省エネ表示ランプ、30はAC電源、32はマイコン制御ユニットである。

Claims (6)

  1. 炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段を備え、炊飯加熱制御手段による炊飯工程終了後、保温加熱制御手段による保温工程に移行するようにしてなる電気炊飯器であって、ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンを、通常モードとは別の省エネモードとして記憶する使用パターン記憶手段と、省エネモード選択手段とを備え、該省エネモード選択手段を操作すると、上記使用パターン記憶手段に記憶されているユーザー固有の電気炊飯器使用パターンにより炊飯又は保温制御を行うようにしたことを特徴とする電気炊飯器。
  2. ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンは、所定時間内にユーザーが手動で選択設定した炊飯又は保温制御モードと所定のセンサにより自動的に検知された実際の炊飯又は保温制御データとの組み合わせによる自動的な炊飯又は保温制御パターンであることを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
  3. 省エネモードの内容をセットアップする所定の時間は、ユーザーが任意に設定することができるようになっていることを特徴とする請求項2記載の電気炊飯器。
  4. ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンは、過去複数回の電気炊飯器使用パターンの内の最も省エネ性の高い使用パターンが採用されるようになっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気炊飯器。
  5. ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンは、過去にユーザーが炊飯又は保温の各工程毎に手動で選択設定した省エネモードの炊飯又は保温制御パターンであることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の電気炊飯器。
  6. ユーザー固有の電気炊飯器使用パターンが、通常モードと比較して省エネにならない場合には所定の報知手段で報知するようにしたことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の電気炊飯器。
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