JP2005006972A - 炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【課題】前回選択した炊飯コースの確認を容易にし、使い勝手と商品性を向上させた炊飯器を提供する。
【解決手段】選択された炊飯コースを表示するLCD55を備え、このLCD55は、前回選択された炊飯コースを点滅表示する。LCD55は、炊飯コースが確定するまで前回選択された炊飯コースを点滅表示する。前回選択した炊飯コースの確認を容易にし、前回選択した炊飯コースを確認しながら炊飯コースを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】選択された炊飯コースを表示するLCD55を備え、このLCD55は、前回選択された炊飯コースを点滅表示する。LCD55は、炊飯コースが確定するまで前回選択された炊飯コースを点滅表示する。前回選択した炊飯コースの確認を容易にし、前回選択した炊飯コースを確認しながら炊飯コースを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被炊飯物を収容する鍋を加熱手段により加熱する炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の炊飯コース中から希望する炊飯コース、例えば炊上がりをやわらかめ、かためにするなどを選択できるようにした炊飯器は、前回の炊飯時に選択した炊飯コースが表示されないため、いつも選択する炊飯メニューが同じであっても、各炊飯時に複数の炊飯コース名を表示させ、その中の好みの炊飯コースを選択するといった一連の操作が必要となり、操作が面倒であった。
【0003】
そこで、複数の炊飯コースの中から希望する炊飯コースを選択でき、炊飯コースが変更されるまで前回の炊飯コースを表示するように構成したものが知られている。
【0004】
しかしながら、このような炊飯器においても、炊飯コースを選択するための選択ボタンを操作すると前回の炊飯コースの表示が消えてしまう。このため、電話などの予期しない事態によって炊飯コースの選択操作が中断され、前回の炊飯コースを忘れてしまった場合、前回の炊飯コースを確認するためには、炊飯コースの選択操作を初期段階に戻すなどの操作が必要となり、使い勝手が悪いといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−184458号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、前回選択した炊飯コースの確認を容易にし、使い勝手と商品性を向上させた炊飯器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の炊飯器では、現在よりも前に選択されたメニューを点滅表示することで、メニューの確認を容易にし、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0008】
本発明の請求項2の炊飯器では、メニューが確定するまでメニューを点滅表示することで、メニューを確認しながらメニューを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0009】
本発明の請求項3の炊飯器では、メニューを指標で表示することで、商品性の高い炊飯器を提供することができる。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明における炊飯器の各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0011】
本発明の第1実施例の炊飯器全体の構成を示す図1において、1は炊飯器の外郭となる炊飯器本体で、この炊飯器本体1は、胴部を形成するほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口を覆って設けられた底板3とにより形成されている。炊飯器本体1の上部には、その後部に位置する弾性部材としてのヒンジバネ4により開閉可能な蓋すなわち蓋体5が配設される。また、外枠2の上部内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容上部6と、この鍋収容上部6の下面開口に連なる円筒状の鍋収容側部7と、鍋収容側部7を覆って設けられ、PETなどの合成樹脂で形成した内枠8とにより、後述する鍋11を収容する有底筒状で非磁性材料からなる鍋収容部9が形成される。
【0012】
炊飯器本体1の外観は、上部と側部を一体化した外側枠すなわち外枠2と、この外枠2の底部を覆う底板3で構成されるが、上部を覆う上枠と、側部と底部とを一体化した底側枠とにより炊飯器本体1の外観を構成してもよい。その際、外側枠,底板,上枠,底側枠は、PP(ポリプロピレン)などの合成樹脂で形成する。また、側枠はポリプロピレンンなどの合成樹脂でもよいし、ステンレスなどの金属板でもよい。
【0013】
前記鍋収容部9内には、米や水などの被加熱物を収容する有底筒状の鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした熱伝導体としての鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合され、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。鍋11の側面中央から上部に発熱体13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。
【0014】
前記鍋収容部9の一部を構成する内枠8は、鍋11の発熱体13に対向して位置しているが、この内枠8の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11を電磁誘導により加熱させる加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。また、鍋11の上端部には円環状のコードヒータ17が設けられているとともに、熱伝導性のよい例えばアルミニウム板からなる金属板部18が、コードヒータ17を覆うようにして設けられる。特にコードヒータ17の放熱部となる金属板部18は、冷えやすい部位である蓋体5と炊飯器本体1との隙間に対向する位置に備えてあり、これらのコードヒータ17と金属板部18とにより、鍋11のフランジ部14を加熱するフランジヒータが構成される。
【0015】
金属板部18の上面には、鍋11の上端周囲に延出させたフランジ部14の下面が載置し、鍋11は吊設状態にて鍋収容部9に収容される。したがって、鍋11と鍋収容部9の上端部における隙間がほとんどない構成になる。ただし、鍋11の持ち手部(図示せず)は鍋収容部9に対して非接触になるようにし、鍋収容部9との間に部分的に隙間を形成することで、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯を行なったときに、隙間から上記が排出される構成としてもよい。
【0016】
内枠8の底部中央には、鍋11の底部外面と弾発的に接するように、鍋11の温度検知手段としての鍋温度センサ21が配置され、鍋11の温度を検知するようになっている。この鍋温度センサ21はサーミスタからなり、図示しない防磁用のフェライトとともに非磁性材料からなるフェライトカバー22によって押えられている。そして、フェライトカバー22を内枠8の底部に配置することにより前記加熱コイル16も押えられ、この加熱コイル16に電流が流れたときに、電流によって加熱コイル16が振動することを抑制している。
【0017】
鍋11の上方を覆う蓋体5は、その回転軸であるヒンジ軸23に巻装されたヒンジバネ4の力により開く方向へ付勢されている。また、外枠2の前部上方に設けられたフックボタン24が、蓋体5の前部にあるクランプ25と係合自在に係合することにより、ヒンジバネ4の付勢に抗して、蓋体5を閉じた状態に保持する。
【0018】
蓋体5は、そ炊飯器の上部外観となる外蓋26と、この外蓋26と嵌合し鍋11の開口部上方を覆う外蓋カバー27とを主たる構成要素としている。外蓋26には、この外蓋26とほぼ同一の外観形状をなし、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の放熱板28が設けられている。この放熱板28は、外蓋26に対してインサート成形により一体成形されてもよいし、爪やねじなどによる嵌合構造を採用してもよい。また、放熱板28の裏側には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ29と、蓋温度検出手段としての蓋温度センサ30がそれぞれ設けられる。なお、蓋加熱手段は、コードヒータなどの電熱式ヒータでもよいし、電磁誘導加熱式でもよく、蓋ヒータ29から放熱板28を介して後述する内蓋31を温め、鍋11の内側を加熱する。
【0019】
鍋11の上面開口部は、蓋体5を閉じたときに、その内側に設けられた内蓋31により閉塞されるようになっている。内蓋31は、清掃などの手入れがしやすいように、蓋体5の下面に着脱自在に設けられ、内蓋31の外側すなわち上側には、この内蓋31を外したときに確認できる放熱板28が配置される。さらに、内蓋31の外周部には、鍋11の周囲をその弾性によりシールする、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材たる蓋パッキン32が設けられ、蓋体5を閉じたときに蓋パッキン32が鍋11のフランジ部14の上面に当接するようになっている。とりわけ、蓋パッキン32の当接部は、金属板部18の上面に当接させてあり、鍋11のフランジ部14は、金属板部18を覆うように外形が金属板部18と同等以上の大きさに形成される。さらに、蓋体5の上部には、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気口33が着脱自在に取付けられている。
【0020】
蓋体5の前方部には、使用者が直接指で触れることのできる操作部としての操作パネル35が設けられている。操作パネル35の内方には、炊飯や保温の加熱工程を制御する制御基板36が設けられる。
【0021】
ここで、図2〜図4を参照しがら、操作パネル35と制御基板36周辺の構成を説明する。41は制御基板36に設けられた制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと称する。)であり、これはいずれも図示しないが、周知のマイクロプロセッサを構成する制御装置および演算装置のほかに、計時装置,ROMやRAMなどからなる記憶装置,および入出力装置などを備えて構成される。マイコン41の入力側には、蓋体5または炊飯器本体1に設けられる操作パネル35のボタン部と、これに対応して制御基板36に設けられたスイッチ部とからなる操作手段42が設けられる。この操作手段42のボタンは、炊飯動作の開始を指示する炊飯スイッチ42aと、すべての動作を中止して切状態にする切スイッチ42bと、炊き上がりの硬さを選択する炊飯コーススイッチ42cなどにより構成される。
【0022】
また、マイコン41の入力側には、その他に、鍋温度センサ21と、蓋温度センサ30と、鍋11の有無を検知する負荷検知回路44と、マイコン41へのリセット信号を出力するリセット回路45が各々接続される。さらに、46は電源の停電発生を検知する停電検出回路であり、この停電検出回路46が停電を検知すると、停電バックアップ回路47がマイコン41の記憶装置に記憶された内容を保持するように構成している。なお、負荷検知回路44は、本実施例のようなIH加熱式の場合、加熱コイル16による鍋11の負荷電流によって鍋11の有無を判断しているが、IH加熱式以外の炊飯器では、鍋11の炊飯器本体1への着脱に応じてオン/オフが切り替わる鍋スイッチを利用するのが好ましい。
【0023】
一方、マイコン41の出力側には、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給するIH加熱装置51と、蓋ヒータ29の通断電を制御する蓋加熱装置52と、コードヒータ17の通断電を制御する鍋フランジ加熱装置と、報知手段たる圧電ブザーなどのブザー54と、操作パネル35の表示手段として取り付けられたLCD55およびLED56が各々接続される。このなかで、LED56は、炊飯時に点灯する炊飯ランプとして設けられている。また、LCD55は、メニューとしての炊飯コースを表示する炊飯コース表示部55aを備え、この炊飯コース表示部55aの「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの表示が点灯して、炊飯コーススイッチ42cにより選択された炊飯コースを示すようになっている。そして、炊飯コーススイッチ42cを押すたびに、炊飯コース表示部55aの点灯表示が「やわらか」→「ふつう」→「かたい」→「やわらか」の順に移動するようになっている。また、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コース確定するまで、前回の炊飯時に選択した「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの炊飯コースが点滅表示されるように構成されている。また、炊飯コースの選択時に切スイッチ42bを押すと、炊飯コースの変更が取り消され、前回選択した炊飯コースに戻るようになっている。
【0024】
マイコン41は、自身の保有するプログラムの機能的な構成として、鍋11内の被加熱物を炊き上げる炊飯動作を制御する炊飯制御手段61と、鍋11内の飯を一定温度に保持する保温動作を制御する保温制御手段62などを備えている。そして、操作手段42に各入力信号と、鍋温度センサ21および蓋温度センサ30からの各温度データ信号と、負荷検知回路44からの負荷検知信号と、リセット回路45からのリセット信号と、停電検知回路46からの停電検知信号とをマイコン41に入力し、予めマイコン41の記憶装置にプログラムされた制御シーケンスにしたがって、炊飯制御手段61や保温制御手段62がIH加熱装置51や、蓋加熱装置52や、鍋フランジ加熱装置53や、ブザー54や、LCD55およびLED56を制御しつつ、炊飯から保温に至る一連の動作と、予約炊飯などを行なう構成となっている。その際、マイコン41は、鍋温度センサ21を介して加熱コイル16による鍋11の底部の加熱温度を管理するとともに、サーミスタ式の蓋温度センサ30を介して蓋ヒータ29による内蓋31の加熱温度を管理している。
【0025】
そのほかに、炊飯器本体1の後部には、各種電子部品を搭載した加熱制御手段としての加熱制御基板65が設けられる。加熱制御基板65には加熱コイル16を駆動させる素子(駆動素子)が備えられている。この駆動素子には使用に適した温度条件があって、一定温度以下で駆動させる必要がある。そのために、駆動素子にはアルミニウムのような熱伝導性のよい材料で構成された放熱器66が取付けられ、冷却手段である冷却ファン67から発する風により冷却されて一定温度以下に保たれるようになっている。
【0026】
冷却ファン67は放熱器66の下方または側部に配置され、放熱器66により温かくなった風を外部へ排出する孔68が底板3に設けられている。加熱制御基板65は炊飯器本体1内に収容されるが、鍋11に対してどの位置に設けてもよく、底板3に設けた孔68も、炊飯器本体1のどの位置に設けてもよい。しかし、近年は製品の小型化が求められており、加熱制御基板65や冷却ファン67と、風を排出する孔68とは、鍋11をはさんで炊飯器本体1の略反対位置に設けられている。
【0027】
つぎに、上記構成についてその作用を説明する。炊飯コーススイッチ42cにより「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの好みの炊き上がりを選択し、炊飯スイッチ42aにより炊飯を開始すると、炊飯制御手段61は鍋温度センサ21からの検知温度を基にして、加熱コイル16により鍋11の底部や側面下部を加熱する。そして、鍋11内の水温を約45〜60℃の状態で15〜20分保持するひたし炊き工程を行なう。所定時間のひたし炊きが終了すると沸騰加熱工程に移行し、鍋11内が沸騰状態に至るまで鍋11を強加熱する。この沸騰加熱時において、鍋温度センサ21による鍋11の底部温度が90℃以上になり、しかも蓋温度センサ30による蓋体5の温度が90℃以上で安定(温度上昇率の検知による)したら沸騰を検知し、鍋11への加熱量を低減した沸騰継続加熱に移行する。このように沸騰検知では、鍋11の底部および蓋体5がすべて90℃以上になったことが確認でき、鍋11内が完全に沸騰したことを精度よく検知可能になる。また、鍋11の底部もしくは蓋体5のいずれかが、例えば120℃以上の通常ではありえない温度になったら以上と判断し、炊飯加熱を低減して切状態にするか、さもなければむらしにするか保温にし、鍋11への異常加熱を防止する。また、鍋11の底部もしくは蓋体5の一方が90℃以上になって所定時間(例えば5分)経過しているのに、他方が90℃未満の低い温度の場合、鍋温度センサ21または蓋温度センサ30のいずれかが、何らかの理由で温度検知精度が悪化している(センサの汚れ,傾き,接触不良など)と判断し、同様に炊飯加熱を低減して切状態にするか、さもなければむらしにするか保温にし、鍋11への異常加熱を防止する。
【0028】
沸騰継続工程になると、蓋体5への加熱を開始する。この蓋体5への加熱は、蓋温度センサ30による蓋体5の温度が100〜110℃になるように、蓋温度センサ30の検知温度に基づき温度管理される。そして、鍋11の底部温度が所定の温度に達したら炊き上げを検知して、むらしに移行する。むらし中は蓋体5を温度管理して露付きを防止し、鍋11の底部または鍋11の側面温度が焦げない程度に高温(98〜100℃)を保持する温度管理を行なう。所定時間のむらしが終了したら、保温制御手段62による保温に移行する。
【0029】
保温では、加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱する。また、鍋11内のご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように、ご飯の温度よりも蓋体5の温度が僅かに高くなるように、蓋ヒータ29により蓋体5を加熱するとともに、コードヒータ17により鍋11の側面を加熱する温度管理を行なう。鍋11内のご飯は、70〜76℃に温度保持するが、ここでも鍋温度センサ21または蓋温度センサ30の検出温度が異常に高かったり、低かったりした場合は異常として検知し、異常加熱を防止するようにする。
【0030】
炊飯後、ご飯の温度が保温温度に低下するまで(約100〜73℃)と保温安定期(約73℃)に、コードヒータ17を発熱させて、蓋体5と炊飯器本体1との隙間空間に金属板部18から熱を放射する。これにより、隙間からの外気の侵入による冷えを抑制するとともに、鍋11のフランジ部14を加熱する。また、保温時にご飯を再加熱している期間にも、コードヒータ17により鍋11のフランジ部14を加熱し、鍋11の加熱に伴い発生する水分の鍋11の上部内面への結露を防止する。
【0031】
次回の炊飯を行なう場合、炊飯コース表示部55aは前回の炊飯時に選択した「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの炊飯コースは点滅表示されている。例えば前回「ふつう」を選択した場合は、図3に示すように「ふつう」の表示が点滅表示される。この点滅表示は、炊飯スイッチ42aが押されて炊飯コースが確定するまで継続する。つぎに、硬めのご飯を炊きたい場合は、炊飯コーススイッチ42cにより「かたい」を選択する。そして、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コースを確定し、炊飯を開始する。
【0032】
さらに、そのつぎの炊飯時に軟らかめのご飯が炊きたい場合は、スイッチ42cにより「やわらか」を選択する。この時は、図4に示すように、前回の「かたい」の表示が点滅表示される。
【0033】
このように、炊飯コースの表示が点滅することによって、前回選択した炊飯コースが分かりやすくなる。
【0034】
以上のように、本実施例では、選択された炊飯コースを表示する表示手段としてのLCD55を備え、このLCD55は、前回選択された炊飯コースを点滅表示する。
【0035】
このように構成したことによって、前回選択した炊飯コースの確認を容易にし、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0036】
また、LCD55は、炊飯コースが確定するまで前回選択された炊飯コースを点滅表示する。
【0037】
こうすると、前回選択した炊飯コースを確認しながら炊飯コースを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0038】
つぎに、本発明の第2実施例を図5〜図7に基づき説明する。なお、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。この第2実施例は、LCD55の表示形態に特徴を有しており、したがってそれ以外の箇所は第1実施例と共通している。本実施例のLCD55は、炊飯コースを炊上がりの硬さの指標で表示する炊飯コース指標表示部55bを備えている。この炊飯コース指標表示部55bは、「やわらか」〜「ふつう」〜「かたい」を例えば図5に示すように19段階の指標で示し、炊飯コーススイッチ42cにより選択された炊上がりの硬さの指標が点灯するようになっている。そして、炊飯コーススイッチ42cを押すたびに、炊飯コース指標表示部55bの炊上がりの硬さの指標が「やわらか」→「ふつう」→「かたい」→「やわらか」の順に移動して点灯するようになっている。また、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コース確定するまで、前回の炊飯時に選択した炊上がりの硬さの指標が点滅表示されるように構成されている。また、炊飯コースの選択時に切スイッチ42bを押すと、炊飯コースの変更が取り消され、前回選択した炊飯コースに戻るようになっている。
【0039】
初めて炊飯を行なう場合は、図5に示すように炊飯コース指標表示部55bの炊上がりの硬さの指標は、その中央部を表示するようになっており、炊上がりの硬さの指標をこの位置として炊飯を行なった後は、この位置で炊上がりの硬さの指標が点滅表示される。この点滅表示は、炊飯スイッチ42aが押されて炊飯コースが確定するまで継続する。
【0040】
つぎに、硬めのご飯を炊きたい場合は、炊飯コーススイッチ42cにより炊上がりの硬さの指標を「かたい」の方向へ移動させる。例えば、炊飯コーススイッチ42cを3回押した場合、図6に示すように、炊飯コース指標表示部55bにおける前回選択した炊上がりの硬さの指標は点滅表示し、この点滅表示よりも3段階「かたい」方向の今回選択した炊上がりの硬さの指標は点灯表示する。そして、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コースを確定し、炊飯を開始する。
【0041】
さらに、そのつぎの炊飯時にもっと硬めのご飯が炊きたい場合は、炊飯コーススイッチ42cにより炊飯コース指標表示部55bの炊上がりの硬さの指標を「かたい」の方向へ移動させる。この時は、図7示すように、前回の炊上がりの硬さの指標の表示が点滅表示される。
【0042】
このように、炊上がりの硬さの指標の表示が点滅することによって、前回選択した炊飯コースが分かりやすくなり、どの程度炊上がりの硬さの指標の位置を移動させれば好みの炊上がりの硬さになるのかが分かりやすくなる。
【0043】
以上のように、本実施例では、LCD55は、炊飯コースを炊上がりの硬さの指標で表示する。
【0044】
このような構成により、どの程度炊上がりの硬さの指標の位置を移動させれば好みの炊上がりの硬さになるのかが分かりやすくなり、商品性の高い炊飯器を提供することができる。
【0045】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば、おかゆ,玄米などのメニューを選択できるように構成し、炊飯コースと同様、前回選択したメニューの表示を点滅表示するように構成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明の請求項1の炊飯器によれば、現在よりも前に選択されたメニューの確認を容易にし、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0047】
本発明の請求項2の炊飯器によれば、メニューを確認しながらメニューを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0048】
本発明の請求項3の炊飯器によれば、商品性の高い炊飯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における炊飯器の全体断面図である。
【図2】同上電気的構成および制御系統を示すブロック図である。
【図3】同上操作パネルの正面図である。
【図4】同上操作パネルの正面図である。
【図5】本発明の第2実施例における操作パネルの正面図である。
【図6】同上操作パネルの正面図である。
【図7】同上操作パネルの正面図である。
【符号の説明】
55 LCD
【発明の属する技術分野】
本発明は、被炊飯物を収容する鍋を加熱手段により加熱する炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の炊飯コース中から希望する炊飯コース、例えば炊上がりをやわらかめ、かためにするなどを選択できるようにした炊飯器は、前回の炊飯時に選択した炊飯コースが表示されないため、いつも選択する炊飯メニューが同じであっても、各炊飯時に複数の炊飯コース名を表示させ、その中の好みの炊飯コースを選択するといった一連の操作が必要となり、操作が面倒であった。
【0003】
そこで、複数の炊飯コースの中から希望する炊飯コースを選択でき、炊飯コースが変更されるまで前回の炊飯コースを表示するように構成したものが知られている。
【0004】
しかしながら、このような炊飯器においても、炊飯コースを選択するための選択ボタンを操作すると前回の炊飯コースの表示が消えてしまう。このため、電話などの予期しない事態によって炊飯コースの選択操作が中断され、前回の炊飯コースを忘れてしまった場合、前回の炊飯コースを確認するためには、炊飯コースの選択操作を初期段階に戻すなどの操作が必要となり、使い勝手が悪いといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−184458号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、前回選択した炊飯コースの確認を容易にし、使い勝手と商品性を向上させた炊飯器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の炊飯器では、現在よりも前に選択されたメニューを点滅表示することで、メニューの確認を容易にし、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0008】
本発明の請求項2の炊飯器では、メニューが確定するまでメニューを点滅表示することで、メニューを確認しながらメニューを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0009】
本発明の請求項3の炊飯器では、メニューを指標で表示することで、商品性の高い炊飯器を提供することができる。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明における炊飯器の各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0011】
本発明の第1実施例の炊飯器全体の構成を示す図1において、1は炊飯器の外郭となる炊飯器本体で、この炊飯器本体1は、胴部を形成するほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口を覆って設けられた底板3とにより形成されている。炊飯器本体1の上部には、その後部に位置する弾性部材としてのヒンジバネ4により開閉可能な蓋すなわち蓋体5が配設される。また、外枠2の上部内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容上部6と、この鍋収容上部6の下面開口に連なる円筒状の鍋収容側部7と、鍋収容側部7を覆って設けられ、PETなどの合成樹脂で形成した内枠8とにより、後述する鍋11を収容する有底筒状で非磁性材料からなる鍋収容部9が形成される。
【0012】
炊飯器本体1の外観は、上部と側部を一体化した外側枠すなわち外枠2と、この外枠2の底部を覆う底板3で構成されるが、上部を覆う上枠と、側部と底部とを一体化した底側枠とにより炊飯器本体1の外観を構成してもよい。その際、外側枠,底板,上枠,底側枠は、PP(ポリプロピレン)などの合成樹脂で形成する。また、側枠はポリプロピレンンなどの合成樹脂でもよいし、ステンレスなどの金属板でもよい。
【0013】
前記鍋収容部9内には、米や水などの被加熱物を収容する有底筒状の鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした熱伝導体としての鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合され、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。鍋11の側面中央から上部に発熱体13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。
【0014】
前記鍋収容部9の一部を構成する内枠8は、鍋11の発熱体13に対向して位置しているが、この内枠8の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11を電磁誘導により加熱させる加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。また、鍋11の上端部には円環状のコードヒータ17が設けられているとともに、熱伝導性のよい例えばアルミニウム板からなる金属板部18が、コードヒータ17を覆うようにして設けられる。特にコードヒータ17の放熱部となる金属板部18は、冷えやすい部位である蓋体5と炊飯器本体1との隙間に対向する位置に備えてあり、これらのコードヒータ17と金属板部18とにより、鍋11のフランジ部14を加熱するフランジヒータが構成される。
【0015】
金属板部18の上面には、鍋11の上端周囲に延出させたフランジ部14の下面が載置し、鍋11は吊設状態にて鍋収容部9に収容される。したがって、鍋11と鍋収容部9の上端部における隙間がほとんどない構成になる。ただし、鍋11の持ち手部(図示せず)は鍋収容部9に対して非接触になるようにし、鍋収容部9との間に部分的に隙間を形成することで、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯を行なったときに、隙間から上記が排出される構成としてもよい。
【0016】
内枠8の底部中央には、鍋11の底部外面と弾発的に接するように、鍋11の温度検知手段としての鍋温度センサ21が配置され、鍋11の温度を検知するようになっている。この鍋温度センサ21はサーミスタからなり、図示しない防磁用のフェライトとともに非磁性材料からなるフェライトカバー22によって押えられている。そして、フェライトカバー22を内枠8の底部に配置することにより前記加熱コイル16も押えられ、この加熱コイル16に電流が流れたときに、電流によって加熱コイル16が振動することを抑制している。
【0017】
鍋11の上方を覆う蓋体5は、その回転軸であるヒンジ軸23に巻装されたヒンジバネ4の力により開く方向へ付勢されている。また、外枠2の前部上方に設けられたフックボタン24が、蓋体5の前部にあるクランプ25と係合自在に係合することにより、ヒンジバネ4の付勢に抗して、蓋体5を閉じた状態に保持する。
【0018】
蓋体5は、そ炊飯器の上部外観となる外蓋26と、この外蓋26と嵌合し鍋11の開口部上方を覆う外蓋カバー27とを主たる構成要素としている。外蓋26には、この外蓋26とほぼ同一の外観形状をなし、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の放熱板28が設けられている。この放熱板28は、外蓋26に対してインサート成形により一体成形されてもよいし、爪やねじなどによる嵌合構造を採用してもよい。また、放熱板28の裏側には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ29と、蓋温度検出手段としての蓋温度センサ30がそれぞれ設けられる。なお、蓋加熱手段は、コードヒータなどの電熱式ヒータでもよいし、電磁誘導加熱式でもよく、蓋ヒータ29から放熱板28を介して後述する内蓋31を温め、鍋11の内側を加熱する。
【0019】
鍋11の上面開口部は、蓋体5を閉じたときに、その内側に設けられた内蓋31により閉塞されるようになっている。内蓋31は、清掃などの手入れがしやすいように、蓋体5の下面に着脱自在に設けられ、内蓋31の外側すなわち上側には、この内蓋31を外したときに確認できる放熱板28が配置される。さらに、内蓋31の外周部には、鍋11の周囲をその弾性によりシールする、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材たる蓋パッキン32が設けられ、蓋体5を閉じたときに蓋パッキン32が鍋11のフランジ部14の上面に当接するようになっている。とりわけ、蓋パッキン32の当接部は、金属板部18の上面に当接させてあり、鍋11のフランジ部14は、金属板部18を覆うように外形が金属板部18と同等以上の大きさに形成される。さらに、蓋体5の上部には、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気口33が着脱自在に取付けられている。
【0020】
蓋体5の前方部には、使用者が直接指で触れることのできる操作部としての操作パネル35が設けられている。操作パネル35の内方には、炊飯や保温の加熱工程を制御する制御基板36が設けられる。
【0021】
ここで、図2〜図4を参照しがら、操作パネル35と制御基板36周辺の構成を説明する。41は制御基板36に設けられた制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと称する。)であり、これはいずれも図示しないが、周知のマイクロプロセッサを構成する制御装置および演算装置のほかに、計時装置,ROMやRAMなどからなる記憶装置,および入出力装置などを備えて構成される。マイコン41の入力側には、蓋体5または炊飯器本体1に設けられる操作パネル35のボタン部と、これに対応して制御基板36に設けられたスイッチ部とからなる操作手段42が設けられる。この操作手段42のボタンは、炊飯動作の開始を指示する炊飯スイッチ42aと、すべての動作を中止して切状態にする切スイッチ42bと、炊き上がりの硬さを選択する炊飯コーススイッチ42cなどにより構成される。
【0022】
また、マイコン41の入力側には、その他に、鍋温度センサ21と、蓋温度センサ30と、鍋11の有無を検知する負荷検知回路44と、マイコン41へのリセット信号を出力するリセット回路45が各々接続される。さらに、46は電源の停電発生を検知する停電検出回路であり、この停電検出回路46が停電を検知すると、停電バックアップ回路47がマイコン41の記憶装置に記憶された内容を保持するように構成している。なお、負荷検知回路44は、本実施例のようなIH加熱式の場合、加熱コイル16による鍋11の負荷電流によって鍋11の有無を判断しているが、IH加熱式以外の炊飯器では、鍋11の炊飯器本体1への着脱に応じてオン/オフが切り替わる鍋スイッチを利用するのが好ましい。
【0023】
一方、マイコン41の出力側には、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給するIH加熱装置51と、蓋ヒータ29の通断電を制御する蓋加熱装置52と、コードヒータ17の通断電を制御する鍋フランジ加熱装置と、報知手段たる圧電ブザーなどのブザー54と、操作パネル35の表示手段として取り付けられたLCD55およびLED56が各々接続される。このなかで、LED56は、炊飯時に点灯する炊飯ランプとして設けられている。また、LCD55は、メニューとしての炊飯コースを表示する炊飯コース表示部55aを備え、この炊飯コース表示部55aの「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの表示が点灯して、炊飯コーススイッチ42cにより選択された炊飯コースを示すようになっている。そして、炊飯コーススイッチ42cを押すたびに、炊飯コース表示部55aの点灯表示が「やわらか」→「ふつう」→「かたい」→「やわらか」の順に移動するようになっている。また、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コース確定するまで、前回の炊飯時に選択した「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの炊飯コースが点滅表示されるように構成されている。また、炊飯コースの選択時に切スイッチ42bを押すと、炊飯コースの変更が取り消され、前回選択した炊飯コースに戻るようになっている。
【0024】
マイコン41は、自身の保有するプログラムの機能的な構成として、鍋11内の被加熱物を炊き上げる炊飯動作を制御する炊飯制御手段61と、鍋11内の飯を一定温度に保持する保温動作を制御する保温制御手段62などを備えている。そして、操作手段42に各入力信号と、鍋温度センサ21および蓋温度センサ30からの各温度データ信号と、負荷検知回路44からの負荷検知信号と、リセット回路45からのリセット信号と、停電検知回路46からの停電検知信号とをマイコン41に入力し、予めマイコン41の記憶装置にプログラムされた制御シーケンスにしたがって、炊飯制御手段61や保温制御手段62がIH加熱装置51や、蓋加熱装置52や、鍋フランジ加熱装置53や、ブザー54や、LCD55およびLED56を制御しつつ、炊飯から保温に至る一連の動作と、予約炊飯などを行なう構成となっている。その際、マイコン41は、鍋温度センサ21を介して加熱コイル16による鍋11の底部の加熱温度を管理するとともに、サーミスタ式の蓋温度センサ30を介して蓋ヒータ29による内蓋31の加熱温度を管理している。
【0025】
そのほかに、炊飯器本体1の後部には、各種電子部品を搭載した加熱制御手段としての加熱制御基板65が設けられる。加熱制御基板65には加熱コイル16を駆動させる素子(駆動素子)が備えられている。この駆動素子には使用に適した温度条件があって、一定温度以下で駆動させる必要がある。そのために、駆動素子にはアルミニウムのような熱伝導性のよい材料で構成された放熱器66が取付けられ、冷却手段である冷却ファン67から発する風により冷却されて一定温度以下に保たれるようになっている。
【0026】
冷却ファン67は放熱器66の下方または側部に配置され、放熱器66により温かくなった風を外部へ排出する孔68が底板3に設けられている。加熱制御基板65は炊飯器本体1内に収容されるが、鍋11に対してどの位置に設けてもよく、底板3に設けた孔68も、炊飯器本体1のどの位置に設けてもよい。しかし、近年は製品の小型化が求められており、加熱制御基板65や冷却ファン67と、風を排出する孔68とは、鍋11をはさんで炊飯器本体1の略反対位置に設けられている。
【0027】
つぎに、上記構成についてその作用を説明する。炊飯コーススイッチ42cにより「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの好みの炊き上がりを選択し、炊飯スイッチ42aにより炊飯を開始すると、炊飯制御手段61は鍋温度センサ21からの検知温度を基にして、加熱コイル16により鍋11の底部や側面下部を加熱する。そして、鍋11内の水温を約45〜60℃の状態で15〜20分保持するひたし炊き工程を行なう。所定時間のひたし炊きが終了すると沸騰加熱工程に移行し、鍋11内が沸騰状態に至るまで鍋11を強加熱する。この沸騰加熱時において、鍋温度センサ21による鍋11の底部温度が90℃以上になり、しかも蓋温度センサ30による蓋体5の温度が90℃以上で安定(温度上昇率の検知による)したら沸騰を検知し、鍋11への加熱量を低減した沸騰継続加熱に移行する。このように沸騰検知では、鍋11の底部および蓋体5がすべて90℃以上になったことが確認でき、鍋11内が完全に沸騰したことを精度よく検知可能になる。また、鍋11の底部もしくは蓋体5のいずれかが、例えば120℃以上の通常ではありえない温度になったら以上と判断し、炊飯加熱を低減して切状態にするか、さもなければむらしにするか保温にし、鍋11への異常加熱を防止する。また、鍋11の底部もしくは蓋体5の一方が90℃以上になって所定時間(例えば5分)経過しているのに、他方が90℃未満の低い温度の場合、鍋温度センサ21または蓋温度センサ30のいずれかが、何らかの理由で温度検知精度が悪化している(センサの汚れ,傾き,接触不良など)と判断し、同様に炊飯加熱を低減して切状態にするか、さもなければむらしにするか保温にし、鍋11への異常加熱を防止する。
【0028】
沸騰継続工程になると、蓋体5への加熱を開始する。この蓋体5への加熱は、蓋温度センサ30による蓋体5の温度が100〜110℃になるように、蓋温度センサ30の検知温度に基づき温度管理される。そして、鍋11の底部温度が所定の温度に達したら炊き上げを検知して、むらしに移行する。むらし中は蓋体5を温度管理して露付きを防止し、鍋11の底部または鍋11の側面温度が焦げない程度に高温(98〜100℃)を保持する温度管理を行なう。所定時間のむらしが終了したら、保温制御手段62による保温に移行する。
【0029】
保温では、加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱する。また、鍋11内のご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように、ご飯の温度よりも蓋体5の温度が僅かに高くなるように、蓋ヒータ29により蓋体5を加熱するとともに、コードヒータ17により鍋11の側面を加熱する温度管理を行なう。鍋11内のご飯は、70〜76℃に温度保持するが、ここでも鍋温度センサ21または蓋温度センサ30の検出温度が異常に高かったり、低かったりした場合は異常として検知し、異常加熱を防止するようにする。
【0030】
炊飯後、ご飯の温度が保温温度に低下するまで(約100〜73℃)と保温安定期(約73℃)に、コードヒータ17を発熱させて、蓋体5と炊飯器本体1との隙間空間に金属板部18から熱を放射する。これにより、隙間からの外気の侵入による冷えを抑制するとともに、鍋11のフランジ部14を加熱する。また、保温時にご飯を再加熱している期間にも、コードヒータ17により鍋11のフランジ部14を加熱し、鍋11の加熱に伴い発生する水分の鍋11の上部内面への結露を防止する。
【0031】
次回の炊飯を行なう場合、炊飯コース表示部55aは前回の炊飯時に選択した「やわらか」、「ふつう」、「かたい」のいずれかの炊飯コースは点滅表示されている。例えば前回「ふつう」を選択した場合は、図3に示すように「ふつう」の表示が点滅表示される。この点滅表示は、炊飯スイッチ42aが押されて炊飯コースが確定するまで継続する。つぎに、硬めのご飯を炊きたい場合は、炊飯コーススイッチ42cにより「かたい」を選択する。そして、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コースを確定し、炊飯を開始する。
【0032】
さらに、そのつぎの炊飯時に軟らかめのご飯が炊きたい場合は、スイッチ42cにより「やわらか」を選択する。この時は、図4に示すように、前回の「かたい」の表示が点滅表示される。
【0033】
このように、炊飯コースの表示が点滅することによって、前回選択した炊飯コースが分かりやすくなる。
【0034】
以上のように、本実施例では、選択された炊飯コースを表示する表示手段としてのLCD55を備え、このLCD55は、前回選択された炊飯コースを点滅表示する。
【0035】
このように構成したことによって、前回選択した炊飯コースの確認を容易にし、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0036】
また、LCD55は、炊飯コースが確定するまで前回選択された炊飯コースを点滅表示する。
【0037】
こうすると、前回選択した炊飯コースを確認しながら炊飯コースを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0038】
つぎに、本発明の第2実施例を図5〜図7に基づき説明する。なお、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。この第2実施例は、LCD55の表示形態に特徴を有しており、したがってそれ以外の箇所は第1実施例と共通している。本実施例のLCD55は、炊飯コースを炊上がりの硬さの指標で表示する炊飯コース指標表示部55bを備えている。この炊飯コース指標表示部55bは、「やわらか」〜「ふつう」〜「かたい」を例えば図5に示すように19段階の指標で示し、炊飯コーススイッチ42cにより選択された炊上がりの硬さの指標が点灯するようになっている。そして、炊飯コーススイッチ42cを押すたびに、炊飯コース指標表示部55bの炊上がりの硬さの指標が「やわらか」→「ふつう」→「かたい」→「やわらか」の順に移動して点灯するようになっている。また、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コース確定するまで、前回の炊飯時に選択した炊上がりの硬さの指標が点滅表示されるように構成されている。また、炊飯コースの選択時に切スイッチ42bを押すと、炊飯コースの変更が取り消され、前回選択した炊飯コースに戻るようになっている。
【0039】
初めて炊飯を行なう場合は、図5に示すように炊飯コース指標表示部55bの炊上がりの硬さの指標は、その中央部を表示するようになっており、炊上がりの硬さの指標をこの位置として炊飯を行なった後は、この位置で炊上がりの硬さの指標が点滅表示される。この点滅表示は、炊飯スイッチ42aが押されて炊飯コースが確定するまで継続する。
【0040】
つぎに、硬めのご飯を炊きたい場合は、炊飯コーススイッチ42cにより炊上がりの硬さの指標を「かたい」の方向へ移動させる。例えば、炊飯コーススイッチ42cを3回押した場合、図6に示すように、炊飯コース指標表示部55bにおける前回選択した炊上がりの硬さの指標は点滅表示し、この点滅表示よりも3段階「かたい」方向の今回選択した炊上がりの硬さの指標は点灯表示する。そして、炊飯スイッチ42aを押して炊飯コースを確定し、炊飯を開始する。
【0041】
さらに、そのつぎの炊飯時にもっと硬めのご飯が炊きたい場合は、炊飯コーススイッチ42cにより炊飯コース指標表示部55bの炊上がりの硬さの指標を「かたい」の方向へ移動させる。この時は、図7示すように、前回の炊上がりの硬さの指標の表示が点滅表示される。
【0042】
このように、炊上がりの硬さの指標の表示が点滅することによって、前回選択した炊飯コースが分かりやすくなり、どの程度炊上がりの硬さの指標の位置を移動させれば好みの炊上がりの硬さになるのかが分かりやすくなる。
【0043】
以上のように、本実施例では、LCD55は、炊飯コースを炊上がりの硬さの指標で表示する。
【0044】
このような構成により、どの程度炊上がりの硬さの指標の位置を移動させれば好みの炊上がりの硬さになるのかが分かりやすくなり、商品性の高い炊飯器を提供することができる。
【0045】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば、おかゆ,玄米などのメニューを選択できるように構成し、炊飯コースと同様、前回選択したメニューの表示を点滅表示するように構成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明の請求項1の炊飯器によれば、現在よりも前に選択されたメニューの確認を容易にし、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0047】
本発明の請求項2の炊飯器によれば、メニューを確認しながらメニューを変更することができ、使い勝手を向上させた炊飯器を提供することができる。
【0048】
本発明の請求項3の炊飯器によれば、商品性の高い炊飯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における炊飯器の全体断面図である。
【図2】同上電気的構成および制御系統を示すブロック図である。
【図3】同上操作パネルの正面図である。
【図4】同上操作パネルの正面図である。
【図5】本発明の第2実施例における操作パネルの正面図である。
【図6】同上操作パネルの正面図である。
【図7】同上操作パネルの正面図である。
【符号の説明】
55 LCD
Claims (3)
- 表示する表示手段を備え、この表示手段は、現在よりも前に選択されたメニューを点滅表示することを特徴とする炊飯器。
- 前記表示手段は、メニューが確定するまでメニューを点滅表示することを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
- 前記表示手段は、メニューを指標で表示することを特徴とする請求項2記載の炊飯器。
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Cited By (2)
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JP2010004912A (ja) * | 2008-06-24 | 2010-01-14 | Panasonic Corp | 自動製パン機 |
JP2013123612A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-24 | Mitsubishi Electric Corp | 炊飯器 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003175390A patent/JP2005006972A/ja active Pending
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