JP5968489B2 - 放電装置 - Google Patents

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Description

この発明は,室内に浮遊する細菌・かび・ウイルス等を効率よく除去・不活化する放電装置に関するものである。
従来の、放電し、電界を形成する放電装置では,圧力損失を低減するために、筐体の内部に空気流路を形成し、流路を斜めに横切って間隔をおいて複数の導電板を設けているものがある(例えば、特許文献1参照)。
空気清浄性能を向上させるために、位置決め具等を用いて、装置内部に、くの字上に折り曲げた対向電極を複数用いているものがある(例えば、特許文献2参照)。
実公平2−48047号 特開2009−165957号
従来の放電および電界を形成する放電装置では,圧力損失を低減するために、対向電極を空気流路に対して斜めにする場合があるが、いずれも対向電極を1枚1枚ばらばらにして作成しているので、組み立てに時間がかかったり、部品点数が増えたり、複数の対向電極を固定具に固定しにくかったりする、という課題があった。
また、1パーツとして平板から対向電極部を切り起こすと、帯部によって圧力損失が増加するという課題があった。また、樹脂で作成すると任意の形状を作成できるが、金属の代わりとなるカーボンなどを練りこんだ導電性樹脂は、費用が高く、電気の導通が不安定という課題があった。
この発明は、圧力損失の低減を目的とする。また装置のコンパクト化を目的とする。また、この発明は、放電装置の組み立てやすさの向上を目的とする。
この発明の放電装置は、
放電する放電装置において、
略平行に並べられた、長手形状で、かつ、平板状をなす枚以上の平板部であり、それぞれの平板部が前記長手形状の長手方向をそろえて、前記長手方向と直交する方向に並べられた枚以上の平板部を備える対向電極と、
隣接する前記平板部どうしの間に前記長手方向に沿って配置され、前記対向電極よりも電位の高い線状体の放電電極と、
前記対向電極と前記放電電極との上方に配置された上部フレームと、
前記対向電極と前記放電電極との下方に配置された下部フレームと、
前記上部フレームと前記下部フレームとの間で、前記下部フレームの左右方向の左端部と右端部に配置された中間フレームと
備え、
記中間フレームは
上方に起立し、水平断面がU字であり、前記U字の凸の方向が前記左右方向における前記放電装置の外側に向く前記放電電極が折り返される折り返し部を有し、
前記放電装置は、さらに、
前記折り返し部において前記放電電極の上方位置を規制する上側規制部と、前記折り返し部において前記放電電極の下方の位置を規制する下側規制部とを備え、
前記上側規制部と前記下側規制部とは、
前記下部フレームの前記左右方向において、ずらして配置され
前記折り返し部は、
前記左右方向における前記放電装置の外側に向いて鍔形状に突出して上方に形成され、前記鍔形状の下面で前記放電電極の上方の位置決めをする前記上側規制部である傘部を有し、
前記傘部は、
前記左右方向における前記放電装置の外側に円弧形状の円弧部が形成されると共に、前記左右方向における前記放電装置の内側に前記円弧部から続く直線形状の直線部が形成されており、
前記直線部は、
前記左右方向における前記放電装置の内側に向かう前記直線形状の終了部分には前記鍔形状が存在しないことを特徴とする。
この発明によれば、放電装置の組み立てやすさが向上する。
実施の形態1の空気調和機3000の斜視図。 実施の形態1の放電装置1000の空気調和機3000への取付状態を示す図。 実施の形態1の空気調和機3000の断面F−F。 実施の形態1の放電装置1000の分解組立図。 実施の形態1のサポート部アッシー2000の分解組立図。 実施の形態1の放電装置1000からプレフィルター100と上部フレーム200とを除いた状態の放電装置1000の上面図。 図4の断面A−Aに相当する断面。 実施の形態1の対向電極700の斜視図。 図8の断面B−B、断面C−C。 従来の対向電極を斜視図。 図8の断面D−D及び接続部を示す図。 実施の形態1の対向電極700と放電電極300との位置関係を示す図(図6の断面A−Aの相当する断面)。 実施の形態1の右中間フレーム500と左中間フレーム600とを示す斜視図。 実施の形態1の左中間フレーム600と下部フレーム800との組み付け状態を示す図。 実施の形態1のバネ取付部の詳細を示す図。 実施の形態1の下部フレーム800の水抜き穴842a,842bを示す図。 実施の形態1の下部フレーム800の斜視図。 実施の形態1の延出部507を示す図。 実施の形態1の延出部を示す別の図。 実施の形態1の低圧側接続部710と、高圧側給電端子709との沿面距離の関係を示す図。 実施の形態1の放電電極300を示す図。 実施の形態1の、対向電極700とは別の対向電極を示す斜視図。 実施の形態1の対向電極700の接続部733と、上部リブ201及び下部リブ844との関係を示す図。 実施の形態1の放電装置1000(上部フレーム200が外された状態)の斜視図。 実施の形態1の上部フレーム200の裏側の対向電極接触リブ202を示す斜視図。 実施の形態1の対向電極接触リブ202の機能を説明するための断面図。
実施の形態1.
図1〜図26を用いて、実施の形態1の放電装置1000を説明する。放電装置1000は、例えば空気調和機に使用され、空気に含まれる浮遊菌やウイルスを不活性化させる。図1は、放電装置1000が装着される空気調和機3000の斜視図である。図2は、放電装置1000の空気調和機3000への取付状態を示す図である。なお図2は、図1の空気調和機3000からパネル3070を取り外した状態である。図3は、図2の断面F−Fを示す。
図4は実施の形態1における、放電し、電界を生成する放電装置1000の分解斜視図である。図5は、サポート部アッシー2000の分解組立図である。サポート部アッシー2000は、放電装置1000と、サポート部1500、サポート部1500に関連する高圧基板1530、サポート側高圧端子1570、サポート側低圧端子1560及び「高圧基板1530、サポート側高圧端子1570、サポート側低圧端子1560」をサポート部1500に取り付ける高圧基板カバー1540とからなる。図6は、放電装置1000からプレフィルター100と上部フレーム200とを取り外した状態の放電装置1000の上面図である。図7は、図4(あるいは図6)の断面A−Aに相当する断面である。図6、図7に示すように、放電装置1000の長辺側を左右方向(図6のX方向)、短辺側を縦方向(図6のY方向)、上部フレーム200と下部フレーム800が重なる方向が高さ方向(図7のZ方向)である。
(放電装置1000の構成)
図4では、風上側から順(図中上から順)に、放電装置1000は、樹脂枠にネットをインサート成形したプレフィルター100、絶縁性の樹脂で形成された上部フレーム200、金属で形成され高電圧が印加される放電電極300、放電電極300を引っ張る金属で形成されるバネ400、上部フレーム200と下部フレーム800の間にある右中間フレーム500(上側保持フレーム)と左中間フレーム600(上側保持フレーム)、金属で形成されGND電極(0V)となる対向電極700、放電電極300に3〜7kVの高電圧を供給する高圧基板1530に接続される金属製の高圧側給電端子709とGND線(図示せず)に接続される低圧側接続部710、絶縁性の樹脂で形成された下部フレーム800で構成される。
(放電装置1000の機能説明)
図4に示すように、放電装置1000は、放電電極300と対向電極700のみで構成される荷電装置である。放電装置1000は集塵部を備えていない。空気流は、図7のように、上部フレーム200の上方から流入して、放電電極300と対向電極700で形成される「放電空間および電界空間」(図12(b)のワイヤー303の周囲)を通過して下部フレーム800の下方へ抜けていく。浮遊ウイルスや浮遊菌は、これらの空間を通過する時に放電を受けることで不活化する。放電を受けるとは、空気中の成分が高電圧によって励起されてエネルギーを持ちながら衝突することである。また、菌は同時に高い電界を受けると、菌の細胞膜に分極電荷が起こって内部に細孔が生じた後に、修復不可能な穴が空くので、菌は不活化されやすくなる。また、ウイルスも、電界の影響を受けている方が、放電影響を強く受けて不活化されやすい。従って、集塵部を持たない、放電電極300と対向電極700とで構成される荷電装置のみであっても、ホコリを集める力は荷電部と集塵部からなる二段式集塵機に比べて劣るものの、通過するウイルスや菌に対しては強い影響を与える。よって放電装置1000は、通過するウイルスや菌を高効率で不活化する。
(放電装置1000の圧力損失)
放電装置1000の構成は、上記のように荷電装置のみであるので、荷電装置と集塵装置とから構成される2段式空気清浄装置とは違い、奥行き厚みが薄く(図7の高さZが低い)、かつ、非常に低圧損に構成できる。放電装置1000では、圧力損失は1m/sの通過風速の時に1Pa程度である。この圧力損失は中程度の性能のフィルターの約1/10であり、HEPAフィルターの約1/30という低圧損体である。
(放電装置1000の効果:省スペースと圧損)
図3に示した空気調和機3000は、吸い込み口3061と、吹き出し口3062と、熱交換器3060と、送風ファン3063とを備えている。空気調和機3000は送風ファン3063として、クロスフローファンを搭載している。空気調和機3000のように、送風ファン3063、とりわけクロスフローファンを搭載した空気調和機は、圧力損失に弱い。よって、熱交換器3060の上流側であって、吸い込み口3061側に設置された目の粗い空気調和機用プレフィルター3064の下流側に、放電装置1000を設置する構成は、圧力損失の改善の点で好適である。図3の矢印で空気の流れを示した。吸い込み口3061と熱交換器3060との間に放電装置1000を設置することで、空気調和機3000の空力性能を大きく阻害することなく、浮遊ウイルスや浮遊菌を不活化し、吹き出し口3062からきれいな空気を吹き出すことができる。
(放電装置1000の効果:熱交換器3060の上流配置)
また、放電装置1000のように荷電装置のみであっても、ホコリを帯電して、後流に備えられて接地された熱交換器3060に吸着させることもできる。また、熱交換器3060の上流に放電装置1000が置かれることで、熱交換器3060を通過した後の相対湿度の高い空気の影響を受けることがないため、水によって異常放電が起こることは無いので安全である。また、プレフィルター100の下流におくことで、大きな埃による高圧と低圧電極間の目詰まりが起こりにくい。
(サポート部1500)
放電装置1000は空気調和機3000に設置される場合は、図2、図5に示すように、熱交換器3060の上流側に設けられたサポート部1500に設置される。サポート部1500は、高圧基板1530、高圧基板1530に接続するサポート側高圧端子1570、高圧基板1530に接続するサポート側低圧端子1560を収納する。サポート部1500には、サポート側高圧端子1570およびサポート側低圧端子1560を介して、放電装置1000が設置される。また、サポート部1500の背面側には、引っ掛け部1514を複数箇所に設けた。引っ掛け部1514を冷媒配管(図示していない)に備えられたパイプにあてる、または、ひっかけることで、サポート部1500は熱交換器3060に固定される。
(サポート部1500とパネル3070との取り付け関係)
図5に示すように、サポート部1500は、右端部にねじ止め部1522を有し、ねじで熱交換器3060の右端に備えられたねじ固定部に固定される。また、サポート部1500の左端部には、空気調和機3000のほぼ中央に位置する(図2)パネル接触部1518を有する。熱交換器3060を覆うパネル3070(図1)の裏側であって、熱交換器3060に対向する面に、パネル接触部1518の形状に合わせた凹み部3071(図示しない)を形成した。そして、パネル接触部1518にパネル凹み部3071を接触させて、パネル3070に形成された凹み部3071でサポート部1500の左端を高さ方向に浮かないように固定する。これによりサポート部1500の右端は、熱交換器3060の右端にねじ止めされ、左端は凹み部3071で固定される。よって、放電装置1000をサポート部1500から取り外しするときに、サポート部1500が熱交換器060からはずれることが無い。また、サポート部1500両側が固定されているため、放電装置1000をサポート部1500から引き抜きやすい。サポート部1500の放電装置1000の設置部分とパネル接触部1518との間は、四角形の開口部1519を設けることで圧力損失を低減している。開口部1519を形成する上リブ1520および下リブ1521は、下部フレーム800に対して斜めに傾斜しており、吸い込み口からの空気流の方向に対してほぼ平行に傾斜している。また、天地方向に対してほぼ平行に傾斜している。このような構成にすることで、上下のリブの圧力損失も低減できる。
(上部フレーム200の取っ手部211)
図4に示すように、上部フレーム200には,放電装置1000を手でつかんでサポート部1500から取り外すための取っ手部211が付けられている。取っ手部211は、上部フレーム200の下端部にU字状に形成される。また、つかみやすく、手が奥まで入りやすく、手の大きい人でも手が入るように、放電装置1000の備える取っ手部211には格子を設けていない。しかし、取っ手部211に格子を設けないことで、放電装置1000を搭載した空気調和機3000においては、放電装置1000の後部にある熱交換器3060に手が触れてしまい、怪我する可能性がある。そこで、放電装置1000を設置するサポート部1500側に縦格子を複数本備えた格子部1512を設けた。こうすることで、熱交換器3060で手を怪我しない。また、取っ手部211に格子を設けた場合に比べて、格子が設けられた部分が低いので(熱交換器側に近いので)、手が奥まで入り着脱がしやすい。また、格子部1512の格子をサポート部1500の下端部高さより少し低く配置することで(熱交換器に近く配置することで)、更に手が奥まで入り着脱がしやすい効果がある。
(引っ掛け部1514)
サポート部1500の格子部1512の背面側には、格子部1512と一体に形成された引っ掛け部1514(図5に2箇所示した)を設けた。引っ掛け部1514を冷媒配管に備えられたパイプにあてる、または、ひっかけることで、組み立て時の目印となり、組み立てが容易となる。特に、サポート部1500の下側に位置する格子部1512の裏に引っ掛け部1514を設けたので、組み立て時に目視がしやすく、前面上部の熱交換器3060の下端に位置する折り曲げ部の手前から上部熱交換器3060の上側に向かってサポート部1500を容易に順序よく装着できる。また、放電装置1000をサポート部1500から引き抜く際にサポート部1500下部が固定されるので、サポート部1500下部が浮き上がることがなく、放電装置1000を着脱しやすくなる。前面上部の熱交換器3060の最も下に位置するパイプに、引っ掛け部1514をあてる、または、ひっかけると組み立てがしやすい。
(プレフィルター100、下部フレーム800)
樹脂枠にネットをインサート成形したプレフィルター100(図4)は、1インチあたり縦横それぞれ30本程度の粗めのネットで粗大な汚れの放電装置1000内への流入を防止する。上部フレーム200には指が入らない程度の複数の格子があけられており、空気を通しながら、ユーザーが上から放電電極300や対向電極700に触れるのを防止する。下部フレーム800にも指が入らない程度の複数の格子があけられており、空気を通す。下部フレーム800には下部リブ844(図17)が設けられている。図4のように下部フレーム800には対向電極700が設置され、下部フレーム800は対向電極700を保持する。また、下部フレーム800には低圧端子保持部840(図16)、高圧端子保持部841(図16)のそれぞれのリブ(図17)が形成されており、高圧側給電端子709や低圧側接続部710を保持する。
(右中間フレーム500、左中間フレーム600)
図4のように、上部フレーム200と下部フレーム800の間には、右中間フレーム500と左中間フレーム600を設けた。右中間フレーム500と左中間フレーム600とは、下部フレーム800上に設置された対向電極700の接続部733(図4、後述する)を上から押さえて固定する。以下では、両者の中間フレームを意味するときは単に中間フレームと記載し、区別するときは個別に右中間フレーム500、左中間フレーム600のように区別して記載する。中間フレームは、ワイヤー状の放電電極300が折り返すための折り返し部680(図4、後述する)を備えており、ワイヤー状の放電電極300をひっかけて180度方向転換させている。
図6は、放電装置1000の上視図である。また、図7は、図6のA−A断面を示す。対向電極700は、放電電極300に対向して所定の距離を保って放電電極300に平行に配置される。下部フレーム800に備えられたリブ(高圧端子保持部841、図16)に高圧側給電端子709を固定する。高圧側給電端子709は1箇所の高圧電源側との接点部と、2箇所のバネ固定部を有する。高圧側給電端子709は、0.5t程度の厚めのステンレスなどで作成され、V字状に切り欠いた引っ掛け部709a(図4)に、バネ400の端部が引っ掛けられる(図6)。高圧側給電端子709(図4)は中間フレーム裏面によって、下部フレーム800側に押し付けられて固定される。引っ掛け部709aは、中間フレームの切り欠き部分から、放電装置1000の高さ方向に露出される。
図4及び図21に示す放電電極300は、断面が円形または長方形(矩形)のワイヤー(線状体)である。図21に示すように、放電電極300は、端子301と、チューブ302と、ワイヤー303とを備えている。図21のように、端子301とチューブ302とは、ワイヤー303の両端に設けられている。放電電極300は、図6、図14のように、ワイヤー303が中間フレームの折り返し部680(図14)で折り返され、図6のように、両端の端子301がそれぞれバネ400を介して高圧側給電端子709の引っ掛け部709aに取りつけられる。放電電極300の各端子301には、高圧基板1530からの高圧線が高圧側給電端子709を介して接続される。図6のように、折り返しによってワイヤー303は、放電装置1000の左右方向に複数列をなす。図6は、4列である。放電電極300の材料は、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄、モリブデン等の金属、あるいはこれらの金属を主成分とする合金、もしくはこれらの金属に、銀、金、白金などの貴金属を表面にメッキしたものを使って形成されている。
(放電電極300の端部)
上記のように、放電電極300の端部には、バネ400にひっかけるためのリング状の端子301が取り付けられており(図6、図21)、バネ400によりテンションがかかって垂れ下がらない。端子301は、図21のように、放電電極300のワイヤー303を端子301ではさんだ後に圧力をかけて行うかしめ工法や、印加した電流によって端子301を溶かすスポット溶接などで、図6を構成するワイヤー303と接合または保持される。更に、放電電極300は、左中間フレーム600、または、右中間フレーム500を介して、図6、図14に示すように、線が1列増えるごとに1回程度、全部で複数回折り返されて取り付けられ、左中間フレーム600および右中間フレーム500の折り返し部680で、折り返し時に支持される。
放電電極300のワイヤー303の材料は、引っ張り強度が強いため、電球のフィラメント同様にタングステン(元素記号:W)が用いられることが多い。また、端子301の材料は、汎用性からステンレスが用いられることが多い。その中でも、最も汎用的なSUS304を材料として用いることが多い。ワイヤー303と端子301は、かしめ工法、またはスポット溶接等でバネ等で引っ張っても切断しないように固定される。しかし、タングステンとSUS304の電位差は+0.36ボルト以上あるため、高湿度な環境や特異な加速因子が加わった場合に、異種金属接触腐食が生じる可能性がある。この材料の組み合わせでは、タングステン側が、低い電位(マイナス電位)となるため、異種金属接触腐食が生じると、タングステン側がWO4(2−)等の酸化物を形成して溶解していき、最後には断線して機能が失われてしまう。また、WO4(2−)の溶解度は非常に大きいため、ワイヤー303の表面に付着した水分に溶解して、ワイヤー303の表面のイオン電流が増加させて(導電率を増加させて)、タングステンの腐食を加速させる。
そこで、本実施の形態の放電電極300では、端子301の材料を、スズ(元素記号:Sn)、ニッケル(元素記号:Ni)、または、ステンレス等で作成した端子301の表面をスズメッキしたもの、ニッケルメッキしたものを用いた。このようにすることで、タングステンと端子301の異種金属間における電位差は+0.36ボルトから、端子301にスズまたはスズメッキを用いた場合は−0.11ボルトに縮小する。また、端子301にニッケルまたはニッケルメッキを用いた場合は、−0.01ボルトに縮小する。いずれも電位差が非常に小さく腐食が限りなく起こりがたい電位となる。また、端子301側が低い電位(マイナス電位)となるので、端子301が犠牲電極となり、タングステン側で腐食が進むことは無い。スズやニッケルの酸化物は水の溶解度も小さいため、腐食を環境因子や水分共存下においても促進させることは無い。ワイヤー303をタングステン、端子301をスズ、ニッケル、スズメッキした金属、ニッケルメッキした金属、の組み合わせとすることで、断線が起こる確率を低減でき、長期に渡って安心して放電電極300を使用できる。
更に、本実施の形態の放電電極300においては、図21に示すように、内面接着型チューブを用いて、タングステンと端子301の接合部全体とをチューブ302で密着して覆った。内面接着型チューブとは、外層と内層の裏表2層構造になっており、例えば、外層を軟質ポリオレフィン樹脂等で作成し、内層に熱溶着性接着剤層を有している。塩化ビニルなどイオン成分が混入している材料は、イオン電流抑制の観点から使用しないことが望ましい。また、100℃で60%以上縮む熱収縮材料を用いることで密着固定させることができる。タングステンと端子301の接合部を覆った位置で、熱を加えてチューブ302を固定した。チューブ302の長さをタングステンと端子301との接合部よりも長くすることで、チューブ302で確実に接合部を覆うことができる。
チューブ302の内層にはシリコンやエポキシなど防水成分が混ざった接着剤を用いることで、腐食等の加速因子である水分進入を防止できるため、腐食に非常に強くなる。内層に接着剤を用いることで、仮に、ワイヤー303が腐食しかかり、端子301からはずれかかるとしても、接着剤により位置ずれが起きることなく、断線して離れることなく、長期にわたってワイヤー303を端子301に規定の位置で保持させることができる。
また、チューブ302で端子301を覆うことで、組み立て時にチューブ302を持ってワイヤー303を装置に組み付ける作業が容易になる。また、かしめ、またはスポット等で接続された端子301の近傍では、ワイヤー303の曲げ強度は低く、任意方向への曲げやねじり等で切断するリスクがある。チューブ302で端子301を覆うことで、曲げ強度が向上して、任意の方向にワイヤー303を何度か曲げても切断することがなくなる。
チューブ302が内面接着型で無い場合には防水作用は無いが、曲げ強度の改善が見込まれる。この場合には、同様に熱収縮材料を用いて、ワイヤー303よりも十分に幅の大きい端子301側を熱収縮でチューブ302と固定する。両側を熱収縮しても良いが、ワイヤー303側は熱収縮させないことで、片面が固定端とならずに曲げ強度の改善効果が得られやすい。
以上のように、ワイヤー303にタングステンを用い、端子301にスズ、あるいはニッケル、あるいはスズメッキした金属、あるいはニッケルメッキした金属を用い、端子301をチューブ302で覆う。この構成によって、放電電極300に断線が起こる確率を低減でき、長期に渡って安心して放電電極300として使用ができる。
(対向電極700の材質等)
対向電極700の材料は、ステンレス等の金属を使って形成される。また、カーボンなどを含有して抵抗値を10Ω/cm程度まで下げた導電樹脂を用いても良い。対向電極700は、溶接、かしめ等によって接続されるか、あるいは一体に形成された低圧側接続部710(図4)を介して、接地線(GND)が接続される。対向電極700は、別々に作成した複数の平板を平行に配置して、それぞれを金属板等に接続してもよいが、多くの固定部が必要であり、また組み立てに時間を要する。このため、対向電極700は、特に薄くコンパクトに作成したい場合や、量産性よく安価に作成したい場合には、1つのパーツ(一枚の部材)で構成することが好ましい。導電樹脂は、接地不良の問題やコストの問題があるため、金属(一枚の金属板)で作成することが好ましい。
(対向電極700の構成)
対向電極700は、図8のように平板部731と、帯部732と、接続部733とからなる。図8のように、平板部731は破線999で囲んだ部分であり、帯部732は破線998で囲んだ部分であり、接続部733は破線997で囲んだ部分である。帯部732は、図10(後述する)の対向電極との相違を明確にするために記載したが、実質は平板部731の一部である。対向電極700は、図8のように、複数の平板部731を平板部731の左右方向の両側で縦方向につないでいる接続部733から成る。つまり、平板部731は、略平行に並べられた、長手形状で、かつ、平板形状をなす。接続部733は、複数の平板部の長手形状における一方の端部どうしをつなぐ第1接続部733Rと、複数の平板部の長手形状における他方の端部どうしをつなぐ第2接続部733Lとからなる。第1接続部733Rと第2接続部733Lの両者を含めて接続部733と呼ぶ。
第1接続部733Rは、それぞれの平板部731の長手形状における一方の端部の下方から長手方向に突き出した、平板部731ごとの第1突出部735と、隣接する平板部731どうしのうち、複数の平板部が順次並ぶ整列方向742(図8)の手前側の第1突出部735の上端から、隣の平板部731における第1突出部735の下端に接続する、隣接する平板部731どうしごとの第1接続片707を備える。第2接続部733Lも、第1接続部733Rと同様に、第2突出部736と、第2接続片708とを備える。
図12(b)に示すように、少なくとも一つの第1接続片707は、第1突出部735の上端から、隣の第1突出部735の下端に接続する途中に、下方の側に凸となる折り曲げ部741を有する。同様に、少なくとも一つの第2接続片708も下方の側に凸となる折り曲げ部741を有する。図12(a)は折り曲げ部741の無い場合を示している。図12(a)に対して図12(b)のように、放電電極300と接続部733との距離を遠ざけることで、放電電極300と接続部733との間の異常な放電、不要な放電を回避して、安定した放電、電界を形成できる。なお、図12(b)の構成が好ましいが、図12(a)でも使用可能である。
図12(b)のように、対向電極700の接続部733は、断面において、上部フレーム200側(上方側)に凸となった上部折り曲げ部751と、下方の側に凸となる折り曲げ部741を有する。
図10に示す、従来の平板部931(平板部731に対応)を大きな板から切り起こす構成では、金属板から平板部931を切り起した残りの部分であって、平板部931と縦方向につながっていて、接続部933(接続部733に対応)と水平方向につながっている帯部932(図11)がある。
従来の帯部932は、図11のように風の流入角度に対して壁となってしまうため、大きな圧力損失が生じ、空気調和機の消費電力を増加させてしまう。圧力損失低減の観点から帯部932は無い方が好ましい。しかし、1つのパーツ(一枚の金属板)で対向電極700を作成すると製造上帯部932が発生してしまうという課題があった。そこで本願では図8、図9の形状とした。
(対向電極700)
加えて、放電装置1000では、平板部731の圧力損失を低減するために、風の流入方向を考慮して、対向電極700の平板部731を下部フレーム800の面に対して角度θだけ斜めに形成した(図7)。上部フレーム200および下部フレーム800の開口面に対し、一定の角度θを持って平板部731を傾斜させることで、下部フレーム800に取り付けられる対向電極700の平板部731の傾斜は、流れる風を阻害しない。風の流入角度θ(w)に対して、対向電極700の平板部731の角度θは、平行(θ(w)=θ)なことが最も望ましい。風の流入角度θ(w)に対して、対向電極700の平板部731の角度θの相違を、0°(平行)以上30°以下とすることで、圧力損失の影響を無視できるレベルにすることができる。逆に、風の流入角度θ(w)に対して、平板部731の角度θが30°より大きいと、空気調和機3000の消費電力を明らかに増加させる。具体的には、製品搭載時の風の流れ阻害による消費電力の増加が最大風量発揮時に1W以下に抑制できれば、影響が小さいと考えてよい。
(放電電極300の形状)
放電電極300は、ワイヤー断面が円形の場合には、断面直径がφ0.05〜0.10mm程度である。放電電極300は、高電圧が印加されると、局所的な電界強度が10kV/cmを越えたあたりで、360度方向の放射状に放電及び電界が生成される。ワイヤー303の直径が小さいほど、電界強度が高まって容易に放電、電界が生成されるが、断面積が小さくなるため、引っ張り強度が弱くなって切れやすいというおそれがある。
(ワイヤー303が矩形断面の場合)
それに対して、ワイヤー断面が長辺と短辺とからなる矩形形状の放電電極300を用いる場合、長辺は0.1〜1.0mm、短辺は0.01〜0.2mmである。断面が矩形のワイヤー303の場合、短辺の方が長辺より短いために短辺に電界が集中して、放電の多くは短辺近傍から発生する。短辺は2箇所のため、2箇所から放電が発生する。
(ワイヤー303の長辺/短辺の比)
長辺と短辺の比(長辺/短辺)は、1〜10程度である。この比を大きくすることで、短辺が小さいまま(放電がしやすいまま)、断面積を大きくすることがきるので、放電を維持しながら、引っ張り強度が高くなり、切断しにくくなるという効果を有する。 また、この比を大きくすることで、短辺が小さいまま(放電がしやすいまま)、断面積を大きくすることができるので、電界発生部分が広くなり、より電界が広がるという効果や、放電電極300から対向電極700までの平均電界強度が高まるという効果が得られる。従って、電界空間を通過する際の浮遊ウイルスや浮遊菌の不活化効果が高まる。
対向電極700に対する放電電極300のワイヤー303の配置は以下の様である。図12(b)のように、矩形の長辺が下部フレーム800と垂直(図12(b)のZ方向)になり、短辺が下部フレーム800と水平(図12(b)のx方向)になるように、ワイヤー303を配置する。つまり平板部731は下部フレーム800に対して角度θだけ斜めに傾斜して形成されるが、放電電極300は下部フレーム800に対して斜めに設置しないで略垂直(平行に)に設置する。
平板部は、整列方向742を法線方向とする仮想の面と直行する仮想の基準面752(図7)に対して、所定の角度θ傾斜している。そして、図12(b)のように放電電極のワイヤー303は、矩形の短辺が仮想の基準面752にほぼ平行に配置される。このようなワイヤー303の配置により、ワイヤー303が切断しにくくなり、また電界強度が高まるという効果がある。
(ワイヤー303の寸法)
また、ワイヤー303の断面積が大きい方が、放電電極300の線を手で持ちやすく、引っ張りや折り曲げの組み立ての際に容易である。具体的には、長辺/短辺を3以上とし、長辺を0.2mm以上として、短辺を0.03mm以上として、断面積を0.01mm以上とすると、切れにくく、組み立てがしやすく、短辺2bで放電が生成されやすい効果が得られる。長辺/短辺を6以上とし、長辺を0.3mm以上として、短辺を0.04mm以上として、断面積を0.015mm以上とすると、従来の断面が円形の放電電極に比べて明らかに切れにくく、組み立てがしやすく、短辺2bで放電が生成されやすい効果が得られる。この時に、短辺は0.1mm以下にしないと、短辺に電界が集中しないため、短辺は0.04mm以上0.1mm以下が好ましい。長辺は0.6mm以下にしないと、短辺に電界が集中せず、同じ放電電流を得るのに7kV以上といった大きな電圧が必要となるため、長辺は0.3mm以上0.6mm以下が好ましい。このような条件では、6kV以下で放電することができて、高圧電源を安価に構成することができる。従来の一般的な断面が円形の放電電極の半径は0.1mmであり、断面積が0.0076mmなので、前述の板状の放電電極は約2倍の断面積を保有している。従って、引っ張り強度が大きくなり、断線がしにくい。
更に、断面円形に比べて矩形断面の断面積を大きくすると、同一電圧では、電荷量が増えて、空間での平均電界強度が2割〜4割高くなり、ウイルス、菌への不活化効果が高まる。
また、従来の円形断面ワイヤーの電極は、放電、埃、水分、環境因子による劣化により、周囲全面から侵食が進む。しかし、長辺/短辺を3以上とすることで、応力が働き放電が集中する短辺近傍から侵食が進む。短辺側から侵食が進んでも、長辺側からは侵食が進まないので、断面が円形に比べて、断線がしにくい。従って、長期に渡って、環境耐力が高く、安定して使用することができる。
(ワイヤー303の角R)
放電電極300の角部、つまり短辺と長辺とが交わる角のRである角部R1は、
半径が0.001mm〜0.1mmである。
つまり、
0.001mm≦R1≦0.1mm
である。なお、R1は小さい方が、短辺に電界が集中するので、R1は0.01mm以内が好適である。
つまり、
0.001mm≦R1≦0.01mm
が好適である。
(上部フレーム200の上部リブ201、下部フレーム800の下部リブ844)
図7は、対向電極700の平板部731が、下部フレーム800の面に対して角度θ傾斜している場合の対向電極700の詳細図を示す。この場合の圧力損失を低減する方法と固定方法について、説明する。図23は、対向電極700の平板部731と、上部リブ201及び下部リブ844との関係を示す図である。上部フレーム200には、上部フレーム200に一体で取り付けられて対向電極700を支持する上部リブ201(図示していない)が備えられている。上部リブ201は上部フレーム200から高さ方向の下に向かって上部フレーム200から垂直に伸びている。下部フレーム800は、下部フレーム800に一体で取り付けられて対向電極700を支持する下部リブ844(図16、図17)が形成されている。下部リブ844は下部フレーム800から高さ方向の上に向かって下部フレーム800から垂直に伸びている。
また、対向電極700の接続部733の下部に位置する下部フレーム800には、接続部733の折り曲げ形状と略同一の、折り曲げ形状に対応する形状(下側保持部801、図4)が形成されている。具体的には下部フレーム800は、接続部733(第1接続部733R、第2接続部733L)の形状に対応する形状の下側保持部801(図4)が形成され、対向電極700の接続部733(第1接続部733R、第2接続部733R)を、下側から、下側保持部801によって支持する。
(平板部731の押さえ方)
前述のように、対向電極700の平板部731は、下部フレーム800の面に対して、所定の角度θで配置される(図7)。図23のように、平板部731は、上部フレーム200の上部リブ201と、下部フレーム800の下部リブ844との2つのリブで挟み込まれて固定されている。なお、図23は、例えば図17の矢印Y上における、平板部731と、上部リブ201及び下部リブ844との関係を示す図である。上部リブ201は図23以外には具体的に図示はしていないが、下部フィン84と類似の形状である。従って、平板部731が成形誤差や組み立て時の接触等で、平板部731の下部フレーム800に対する角度θがずれた場合であっても、平板部731を「所定の角度θ」に矯正することができる。また、経年的にも角度が垂れることがないという効果がある。対向電極700は、平板部731と帯部732と接続部733とが下部フレーム800上に設置されている。このとき左右両端の接続部733(図8)を下部フレーム800によく接触させて、上から右中間フレーム500,左中間フレーム600で押さえる。なお、下部リブ844(図16、図17)は、下部フレーム800に備えられた格子上(図17)に設けられているので、圧力損失にはならない。
(対向電極700の形状)
図8に示すように、対向電極700は、平板部731と同じ高さ、もしくは、高さ方向の平板部731より下部に位置する接続部733で折り曲げて平板部731を切り起こし、縦方向の最も上部にある平板部731は縦方向の上部から下部に向かう方向に折り曲げ、縦方向の最も下部にある平板部731は縦方向の下部から上部に向かう方向に折り曲げた。こうすることで、縦方向の両端側で、帯部732がなくなって、圧力損失が減少する。よって、空力性能がよくなって、室内送風ファンの消費電力が低下する。
(対向電極700:偶数)
平板部731の枚数が偶数である場合には、縦方向の上部から下部に向かう方向に折り曲げる平板と縦方向の下部から上部に向かう方向に折り曲げる平板を1対として、複数対を接続部733に接続して形成する。このように形成すると、縦方向の両端側で、帯部732がなくなって、圧力損失が減少する。よって、空力性能がよくなって、室内送風ファンの消費電力が低下する。
(対向電極700:奇数)
一方、平板部731の枚数が奇数である場合には、縦方向の上部から下部に向かう方向に折り曲げる平板と縦方向の下部から上部に向かう方向に折り曲げる平板を1対として、複数対を接続部733に接続して形成し、縦方向の最も上部にある平板部731が対をなさない1枚として縦方向の上部から下部に向かう方向に折り曲げをするか、または、縦方向の最も下部にある平板部731が対をなさない1枚として縦方向の下部から上部に向かう方向に折り曲げる。このように形成することで、縦方向の両端側で、帯部732がなくなって、圧力損失が減少する。よって、空力性能がよくなって、室内送風ファンの消費電力が低下する。
(対向電極700)
平板部731と同じ高さ、もしくは、高さ方向の平板部731より下部に位置する接続部733で折り曲げて平板部731を切り起こさずに、平板部731の途中で折り曲げる場合は、帯部732が発生してしまう。また、縦方向の最も上部にある平板部731は縦方向の上部から下部に向かう方向に折り曲げない場合、縦方向の最も下部にある平板部731は縦方向の下部から上部に向かう方向に折り曲げない場合も、同様に帯部732が発生してしまうので、圧力損失が増加するともに、帯部732の分だけ縦方向の長さ寸法が増加して、スペース性が悪くなってしまう。また、平板部731を接続せずに複数のパーツに分けると生産コストが増加してしまう。
(対向電極700)
また、対向電極700は、下部フレーム800上に設置されて保持されるが、高さ方向の上方向から対向電極700の上部に位置するフレーム(中間フレームまたは上部フレーム200)の下面で対向電極700を押さえることで、対向電極700が上下方向に動かなくなり固定ができる。このとき、中間フレームまたは上部フレーム200は、対向電極700の左右方向両端近傍を押さえることで、中間フレームまたは上部フレーム200自身が、風の通りを阻害しない。
図4のように、図13に示した右中間フレーム500、左中間フレーム600で、対向電極700の接続部733(第1接続部733R、第2接続部733L)が露出しないように覆って絶縁する。接続部733は、下部フレーム800上に設置される。
対向電極700の接続部733の上部に位置する右中間フレーム500、左中間フレーム600にも下部フレーム800と同様に、接続部733(第1接続部733R、第2接続部733L)の形状に対応する形状を有する上側保持部501,601(図4)が形成され、対向電極700の接続部733(第1接続部733R、第2接続部733L)を、図4に示すように上側から上側保持部501,601によって保持する。このように、右中間フレーム500、左中間フレーム600と、下部フレーム800とで、接続部733の折り曲げ形状を上下から挟み込んで固定する。
(1)このように接続部733を固定することで、平板部731の角度のずれや、経年的なだれを防止し、平板部731の角度を強制して固定できる。従って、放電電極300と、対向電極700の平板部731との距離を一定に保って、安定した放電、電界が形成できる。
(2)また、中間フレームで対向電極700の接続部733を覆って放電電極300と、接続部733との間を絶縁するので、放電電極300と、中間フレームで覆われた状態の接続部733との距離は短くても、不要な放電は起こらない。このように、中間フレームで接続部733を覆うことで、放電電極300と対向電極700との距離を短くできるので、放電装置1000全体の厚みを薄くできる。
また、放電電極300と接続部733との不要な放電が抑制されるので、安定した放電場、電界を形成できる。また、接続部733と、放電電極300の保持部である中間フレームを重ねて装置の端部に設置するので、幅方向の開口面積を大きくとることができる。
また、下部フレーム800には、高圧端子保持部841(図17)に、放電電極300に給電する高圧側給電端子709(高圧給電部)が配置される。図4のように、右中間フレーム500は、高圧側給電端子709の少なくとも一部を覆う構成である。なお、高圧端子保持部841は、左中間フレーム600が覆う側に設けて、左中間フレーム600によって高圧側給電端子709を覆ってもよい。
図13、図18に示すように、右中間フレーム500の装置の中央側(左中間フレーム600側)の側面に、右中間フレーム500の底面から垂直に起立する絶縁壁505が形成されている。
(切り欠き506,606)
つまり右中間フレーム500は、略平行に並べられた複数の平板部731の端部に沿って上方に起立すると共に、放電電極300を通す切り欠き506が形成された、絶縁材料からなる絶縁壁505を有する。左中間フレーム600も同様に絶縁壁605、切り欠き606を有する(図14)。このように、絶縁壁を中間フレームに設けることで、放電電極300と接続部733との空間距離、および縁面距離を広げることができる。よって、不要な放電を防止できるので、装置の薄型化を達成できる。右中間フレーム500、左中間フレーム600のそれぞれに備えられた、放電電極300を通す切り欠き506、切り欠き606は、放電電極300を通すために、U字状またはV字状をしており、図13に示すように上部が開口していて、下部が閉じられている。図13はV字状の切り欠きの場合を示している。U字状の場合、切り欠き506,切り欠き606の横幅は上部から下部まで略同じ幅である。V字状の場合、切り欠きの横幅は上部(上部フレーム方向)から下部(下部フレーム方向)に向かって段々と狭くなっている。このようにすることで、組み立てするときに、放電電極300が所定の高さより高い位置で絶縁壁にひっかかることがない。また、開口が目安となって組み立てが容易となり、絶縁壁505,605で確実に対向電極700との異常放電を防止できる。
なお、図13のように、右中間フレーム500(第1上側フレーム)と左中間フレーム600(第2上側フレーム)とは、それぞれ、絶縁壁505、605から離れる方向で、かつ、平板部731の長手方向における端部が、平坦な平坦部508,608である。つまり、右中間フレーム500の右側端部、左中間フレーム600の左側端部は平坦な平坦部508,608である(図13)。このように、右中間フレーム500の右側端部、左中間フレーム600の左側端部を平坦にすることで、放電電極300(おもにワイヤー303)を中間フレームに通す組み立て作業をする際に、壁やリブに邪魔されることなく、給電部に端子をはめ込む等の組み立て作業しやすくなる。図13のように、右中間フレーム500の右側端部、左中間フレーム600の左側端部の平坦部508,608の高さは、装置に張られた状態の放電電極のワイヤー303の高さよりも低い(図14、図18)。このようにすることで、指で掴んで放電電極300を張る作業をする際に、中間フレームが手の邪魔にならないため、組み立て作業が容易になる。また、下部フレーム800の右側端部および左側端部の高さも、装置に張られた状態のワイヤー303の高さよりも低い。このようにすることで、指で掴んで放電電極300を張る作業をする際に、下部フレーム800が手の邪魔にならないため組み立て作業が容易になる。中間フレームは、下部フレーム800の右側端部および左側端部に設けられた爪851〜854(図16、図17)に、はめ込んで固定するため、中間フレームの端部の高さは、下部フレーム800の端部の高さより低い。下部フレーム800では装置の横側面は作成できないので、上部フレーム200(図25(後述する)に示す上部フレーム200の側面部207,208)で装置の横側面を形成して、放電電極300を張った後に、最後に上部フレーム200を上から下部フレーム800にはめ込んで固定する。
(延出部507)
右中間フレーム500では、図18、図19に示すように、絶縁壁505に、接続部733の下部よりも下部フレーム800側に飛び出している延出部507を設けた。図18、図19に示すように、延出部507は、絶縁壁505の根元から下部フレーム800の方向へ延びて、下部フレーム800の下部フレーム凸部846と共に、接続部733を放電電極300から隔離する。なお、左中間フレーム600にも同様の延出部607が形成されており、左中間フレーム600側にも下部フレーム凸部846が形成されている。このように、絶縁壁505、605を延長して延出部507、607を設けることで、放電電極300と平板部731との空間距離および沿面距離を広げることができる。よって、より確実に、不要な放電を防止でき、また、装置を薄型化できる。
図20は、低圧側接続部710と高圧側給電端子709との間の空間距離および沿面距離を広げることで、不要な放電を防止でき、また、装置の薄型化を可能とする構成である。機能は、上記の延出部507と同様であるが、図20に示すように、下部フレーム800には下部フレーム凸部847を設け、右中間フレーム500には、中間フレーム凸547を設けた。絶縁材料である下部フレーム凸部847と中間フレーム凸547とが組み合うことで、低圧側接続部710と高圧側給電端子709とを絶縁し、これらの間の空間距離および沿面距離を広げることができる。
(折り返し部680)
図14に示すように、左中間フレーム600は、放電電極300(ワイヤー303)が折り返す折り返し部680を有する。折り返し部680は、上方に起立し水平断面が略U字である起立部681が、左側(X方向かつ装置外側の方向)に向く。なお、起立部681におけるU字の始まりと、終わりの領域683は、略直線(U字断面)であり、その方向は、平板部731の長手方向(X方向)である。また、折り返し部680は、起立部の上方に先端が円弧形状で鍔形状に突き出した傘部682を有する。折り返し部680によって、以下の(1)〜(3)等の理由により、放電電極300の組み付け時に、円滑に放電電極300を組み付けることができる。
以下に(1)〜(3)を説明する。
(1)折り返し部680は、ワイヤー303に対して、上側を傘部682で位置決めし、下側をワイヤー出口にあるリブ(起立壁685)で規制することで、上側と下側の規制部分をX方向においてずらして、ワイヤー303の上下の位置決め行う。
図14に示すように、折り返し部680は、左中間フレーム600から起立し、その水平断面が略U字形状の起立部681と、起立部681の上端に、先端が鍔状に突き出す傘形状の傘部682とを有する。傘部682の先端形状(鍔の先端形状)は、図6の左中間フレーム600に示すように、X方向における装置外側は円弧形状の円弧部682−1が形成され、X方向における装置内側は直線形状の直線部682−2が形成されている。図6の傘部682に破線でワイヤー303を示しているが、傘部682の円弧部682−1は、起立部681の側面に対して、X方向の装置外側に突き出た鍔形状をなす(図14)。また直線部682−2の終了部分は、起立部681における平面部(直線部)とほとんど一致し、この部分に鍔形状は存在しない。また、図14に示すように、X方向における装置内側の起立部681の端部には、左中間フレーム600から起立する板状の起立壁685が形成されている。図14に示すように、起立壁685は、高さ方向(Z方向)における上端位置が、高さ方向(Z方向)における傘部682の円弧部682−1の下面よりも下側に位置する(低い)。また、図14のように、円弧部682−1(鍔形状の存在する部分)と、起立壁685とは左右方向(X方向)で左右の関係になる。
放電装置1000では、折り返し部680は、ワイヤー303の位置決めを、X方向左側の円弧部682−1下面と、X方向右側の起立壁685上端とで規制しておこなう。このように、ワイヤー303の規制部分を左右(X方向)でずらして行うことで、例えば、起立部681の側面に溝を切ってワイヤー303を案内する場合に比べて、ワイヤー303の取り付けやすさが向上する。また、放電電極300の高さが上下方向で一定に保たれるので、安定的に、放電空間および電界空間を形成することができる。
(2)折り返し部分の傘部682は、複数の曲面だけからなっており、ワイヤー303が這うところのRが大きく膨らんでいる。このためワイヤー303がひっかからない。
つまり、放電装置1000では、傘部682の円弧部682−1は、円筒の一部とみた場合、側面の形状が複数の曲面(図14のR1、R2等の複数の側面)だけからなっていて、ワイヤー303が這う領域の起立部681表面よりもRが大きく膨らんでいる。このよう円弧部682−1の外縁Rは起立部681表面よりも大きいので、円弧部682−1にワイヤー303がひっかからない。たとえ、組み立て時に円弧部682−1に放電電極300のワイヤー303がひっかかりそうになっても、円弧部682−1は曲面だけから成り、平坦部が無いため、円弧部682−1にワイヤー303がとどまることなく、ワイヤー303が滑り落ちて、ワイヤー303が折れ曲がったり、所望の位置ではないところにとどまることが無い。
(3)更に、傘部682の出口部分(直線部682−2)はカットされてまっすぐになっている。このため、ワイヤー303がひっかからずに、スムーズにワイヤー303を装着できる。
つまり、放電装置1000では、図14のように直線部682−2の装置内側における終了部分は、起立部681における平面部(直線部)とほとんど一致し、この部分に鍔部存在しないことを述べた。図13に示すように、この部分の端部、すなわち、直線部682−2の装置内側における終了部分の端部端面682−2−1(図13)は、起立壁685の装置内側の側面685−1(図13)に連続してつながる。つまり、端部端面682−2−1と側面685−1とは、同一の平面を形成する。直線部682−2の装置内側における終了部分は、起立部681における平面部(直線部)とほとんど一致し、この部分に鍔部は存在しないことで、終了部分で放電電極300(ワイヤー303)を左右方向に向けるときに、鍔部(鍔形状)をよけて取り回す必要が無く、鍔部にひっかかることもないため、組み付け性が向上する。
(中間フレームの連結)
以上の実施の形態では、右中間フレーム500、左中間フレーム600は、別個の部品を想定した。しかし、右中間フレーム500と左中間フレーム600とをつなぐアームを設けて、右中間フレーム500と左中間フレーム600とを一体に形成してもよい。つまり、左右の中間フレームをつなぐアームを装置の長辺方向と平行に左右の中間フレームに一体化して設ける。そして、放電電極300を一体化した中間フレームに配置した状態で、放電電極300の配置された中間フレームを対向電極700の上部に組み込む。対向電極700が有る状態で放電電極300を取りまわして組み込む場合は、対向電極700が邪魔になって組み立てにくい。しかし、上記の構成では中間フレームのみの状態で放電電極300(ワイヤー303)を取りまわして中間フレームに設置できる。放電電極300と中間フレームとが一体になった状態で装置に組み込むことで、組み立て性が向上する。
図15は、放電電極300の端子301に取り付けられるバネ400の取り付け回りを示す図である。断面E−Eとして示すようにバネ400の下側となる右中間フレーム500には凹部590が形成されている。バネの下側にあたる右中間フレーム500を一段低くした凹部590を設けることで、放電電極300よりも高さ(Z方向寸法)及び幅(Y方向寸法)の大きなバネ400(コイルバネ)を、高さ方向(Z方向)の低い側に沈めることができる。この結果として、放電電極300の高さを低く配置することができる。これによって、バネ400が、中間フレームと接触しないので、放電電極300の高さ位置がずれることがなく、安定した放電を得ることができる。また、バネ400の高さを下げた分、装置の高さ方向(Z方向)の全体厚みが薄くなり、放電装置1000がコンパクトになる。中間フレームがなくて、下部フレーム800しかない場合には、下部フレーム800を一段低くして、バネ400の下部に凹部590を設ける。また、図15に示すように、凹部590には、目印線591が設けられている。目印線591は、凹部590よりも更に1段下げた新たな凹部でもよく、1本または2本の線でもよい。目印線591は凹部590になくとも、バネ近傍のフレーム部分に刻印された目印マーク592でもよい。目印線591は、バネ400の端部の適正位置を表す目印となる。バネ400の端部が凹部590または2本の線の間に来るようにする。または、バネ400の端部が1本の線より越えるように目印にする。この目印線591を用いて、バネ400を左右方向(図15のx方向)に動かして調整しながら、放電電極300の張り具合を容易に調整することができる。なお、バネ400の取り付け部はもう一箇所あるが(図6)、他方のバネ400の取り付け回りについても同様である。
(対向電極700)
上述のように下部フレーム800に対する平板部731の角度を平板部731の傾斜角度θとした。例えば、中間フレームまたは上部フレーム200の下面に、平板部731の傾斜角度θと同様の角度を持った切込みをいれる。平板部731の端部が、この切り込みに挿入されるように、平板部731の端部を高さ方向の上から押さえる。これにより、平板部731の傾斜角度θが、成形誤差や組み立て時の接触等で所望の方向からずれた場合であっても、平板部731を所望の角度に矯正することができる。また、経年的にも角度が垂れることがないという効果がある。従って、放電電極300と平板部731の極間距離が変化しないので、所望の放電(放電電流)や電界が安定して形成される。下部フレーム800に対して垂直に平板部731が形成されている場合には、上部に位置するフレームの下面側に、切り込みを垂直にいれて挿入する。
この時、平板部731の端部を中間フレームで押さえる場合には、平板部731の端部を平板部731に比べて、1段下げて高さを低くする。こうすることで、平板部731よりも低い位置で端部を中間フレームで支持することができる。よって平板部731と略同じ高さの位置に中間フレームの切り込みが入っていない部分が位置するので、中間フレームの高さが平板部731より過度に上方向に飛び出すことがなくなり、放電装置1000の全体厚みを小さくすることができるという効果がある。
(放電電極300の振動防止)
図24を参照して、放電電極300の振動防止の構成を説明する。図24は、右中間フレーム500、左中間フレーム600、対向電極700、下部フレーム800、及び放電電極300が装着された状態を示す。放電電極300は、高電圧を加えて放電させるので、放電状態や高電圧のかかりかた、周波数によっては、微振動を起こす場合がある。また、空気調和機の圧縮機や室内機の振動によっても、この振動が伝わって、放電電極300が微振動を起こす場合がある。また、このような微振動が共鳴音となって、異音を発する可能性がある。また、微振動自体が異音を発する場合もある。そこで、放電電極300の曲げ強度を強くするためのチューブ302の位置を、放電電極300を通す切り欠き506の上とした。更に、チューブ302と同じ高さにある、放電電極300を通す切り欠き506の横幅(Y方向の幅)は、チューブ302の太さ(外径)よりも狭くした。チューブ302が熱収縮する仕様である場合には、熱収縮後のチューブ302の外径を、チューブ302と同じ高さにある放電電極300を通す切り欠き506の横幅より大きくする。つまり、チューブ302は切り欠き506の横幅の部分で挟まれることとなる。このように、チューブ302の外径を切り欠き506で挟むので、チューブ302の一部が放電電極300を通す切り欠き506に接する。チューブ302の一部が放電電極300を通す切り欠き506に接することで、放電電極300の微振動を抑制できる。放電電極300の振動を抑制することで、異音が確実に発生しなくなる効果がある。また、放電電極300の振動を防止することで、放電電極300と対向電極700の距離が一定に保たれるので、安定的に、放電空間および電界空間を形成することができる。放電電極300のワイヤー303は非常に細いので、切り欠き506に当てることは難しいが、チューブ302を切り欠き506に当てることで、確実に放電電極300の振動を防止する。そのために、図24、図6等に示すように、チューブ302の位置を、放電電極300を通す切り欠き506の下端上として、チューブ302を風路(絶縁壁505の絶縁壁605側の面よりも絶縁壁605側)まで出す。
(対向電極700の振動防止)
図25、図26を参照して、対向電極700の振動を防止する構成を説明する。図25は、上部フレーム200の裏側の構造を示す斜視図である。図26は、放電装置1000の断面構造を示す図である。対向電極700は、金属でできている。物体はそれぞれ固有の振動を持っているので、空気調和機の圧縮機の周波数が連続的に変化した場合、ある特定の圧縮機の周波数によって、対向電極700の振動が起こる可能性がある。空気調和機の圧縮機以外にも、室内機の振動等によっても、対向電極700が振動する可能性がある。対向電極700が振動すると、金属がビビリ音や共鳴音と呼ばれる異音が発生する場合がある。異音はユーザーにとっては不快である。そこで、図25に示すように上部フレーム200の縦格子205の裏に、対向電極接触リブ202を設けて、対向電極最上部731−1(平板部731の上端)に接触させた(図26)。対向電極最上部731−1とは、対向電極700の最も上部フレーム200に近い部分であり、対向電極700の端部、つまり平板部731の上端である。図26のように、接し方は、対向電極接触リブ202を対向電極最上部731−1にわずかにラップさせて上から押し付けているので、反力が働いている。つまり、対向電極接触リブ202と対向電極最上部731−1とがわずかに組み付け寸法においてラップすることで、対向電極700がわずかに弾性変形して反力(弾性力)が生じる。対向電極接触リブ202が、対向電極最上部731−1に押し当てられて接することで、対向電極700が固定される。これにより、金属でできた対向電極700の微振動を抑制できる。対向電極700の振動を抑制することで、異音が確実に発生しなくなる効果がある。また、対向電極700の振動を防止することで、放電電極300と対向電極700の距離が一定に保たれるので、安定的に、放電空間および電界空間を形成することができる。図25に示すように、対向電極接触リブ202は、横格子206を複数本横断して、上部フレーム開口の短辺方向の上から下まで、縦方向(Y方向)に伸びている。上部フレーム開口の短辺方向の上から下まで、縦方向に伸ばすことで、複数列ある対向電極700のすべてに対向電極接触リブ202を接触させることができる。また、対向電極接触リブ202は、上部フレーム開口の長辺方向に複数本設けた(図25では4本の例を示した)。対向電極接触リブ202は、1本でもよいが、複数本あることで、対向電極最上部731−1との接触点数が増えて、確実に振動を抑制できる。対向電極接触リブ202は上部フレーム200の縦格子205と平行で、対向電極700は上部フレーム200の横格子206と平行にあるので、対向電極接触リブ202と対向電極最上部731−1は90度方向が異なり、クロスしている。対向電極接触リブ202は、上部フレーム200の縦格子205の裏面につけることで、空気調和機の空気流と平行になるので、圧力損失にならず空気調和機の性能を損なわない。また、縦格子205の裏面であるので、対向電極接触リブ202が、直接圧力損失になることはない。
以上の実施の形態では、図8、図12(b)のように、接続部733を折り曲げた構成を説明したが、図22のように、接続部733を折り曲げない構成でも構わない。
本発明の活用例として、ルームエアコン,パッケージエアコン,クリーナー,ハンドドライヤー、空気清浄機、加湿機、除湿機、換気扇、エレベーター、冷蔵庫、車、電車等の製品に組み込み使用することが可能である。これらに搭載することで,放電装置1000を通過する室内に浮遊する細菌・かび・ウイルス等は,生成した放電,電界により効率よく除去・不活化され,空気がきれいになり、使用者の快適性が向上する。
100 プレフィルター、200 上部フレーム、201 上部リブ、202 対向電極接触リブ、205 縦格子、206 横格子、207,208 側面部、211 取っ手部、300 放電電極、301 端子、302 チューブ、303 ワイヤー、400 バネ、400a バネ端部、500 右中間フレーム、505 絶縁壁、506 切り欠き、507 延出部、508 平坦部、590 凹部、591 目印線、592 目印マーク、600 左中間フレーム、605 絶縁壁、606 切り欠き、607 延出部、608 平坦部、680 折り返し部、681 起立部、682 傘部、682−1 円弧部、682−2 直線部、683 領域、685 起立壁、700 対向電極、707 第1接続片、708 第2接続片、709 高圧側給電端子、709a 引っ掛け部、710 低圧側接続部、731 平板部、731−1 対向電極最上部、732 帯部、733 接続部、733R 第1接続部、733L 第2接続部、735 第1突出部、736 第2突出部、741 折り曲げ部、742 整列方向、800 下部フレーム、840 低圧端子保持部、841 高圧端子保持部、842a,842b 水抜き穴、843 対向電極保持部、844 下部リブ、846,847 下部フレーム凸部、851〜854 爪、931 平板部、932 帯部、933 接続部、1000 放電装置、1500 サポート部、1512 格子部、1530 高圧基板、1514 引っ掛け部、1518 パネル接触部、1519 開口部、1520 上リブ、1521 下リブ、1522 ねじ止め部、1540 高圧基板カバー、1560 サポート側低圧端子、1570 サポート側高圧端子、2000 サポート部アッシー、3000 空気調和機、3060 熱交換器、3061 吸い込み口、3062 吹き出し口、3063 送風ファン、3064 空気調和機用プレフィルター、3070 パネル。

Claims (2)

  1. 放電する放電装置において、
    略平行に並べられた、長手形状で、かつ、平板状をなす3枚以上の平板部であり、それぞれの平板部が前記長手形状の長手方向をそろえて、前記長手方向と直交する方向に並べられた3枚以上の平板部を備える対向電極と、
    隣接する前記平板部どうしの間に前記長手方向に沿って配置され、前記対向電極よりも電位の高い線状体の放電電極と、
    前記対向電極と前記放電電極との上方に配置された上部フレームと、
    前記対向電極と前記放電電極との下方に配置された下部フレームと、
    前記上部フレームと前記下部フレームとの間で、前記下部フレームの左右方向の左端部と右端部に配置された中間フレームと
    を備え、
    前記中間フレームは、
    上方に起立し、水平断面がU字であり、前記U字の凸の方向が前記左右方向における前記放電装置の外側に向く前記放電電極が折り返される折り返し部を有し、
    前記放電装置は、さらに、
    前記折り返し部において前記放電電極の上方位置を規制する上側規制部と、前記折り返し部において前記放電電極の下方の位置を規制する下側規制部とを備え、
    前記上側規制部と前記下側規制部とは、
    前記下部フレームの前記左右方向において、ずらして配置され、
    前記折り返し部は、
    前記左右方向における前記放電装置の外側に向いて鍔形状に突出して上方に形成され、前記鍔形状の下面で前記放電電極の上方の位置決めをする前記上側規制部である傘部を有し、
    前記傘部は、
    前記左右方向における前記放電装置の外側に円弧形状の円弧部が形成されると共に、前記左右方向における前記放電装置の内側に前記円弧部から続く直線形状の直線部が形成されており、
    前記直線部は、
    前記左右方向における前記放電装置の内側に向かう前記直線形状の終了部分には前記鍔形状が存在しない放電装置。
  2. 前記傘部は、
    曲面のみからなる円弧形状をなすと共に前記放電電極が這う領域の前記折り返し部の表面よりも径が大きく膨らんでいる円弧部を有する請求項1に記載の放電装置。
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