JP5954297B2 - 軟磁性部材の製造方法および軟磁性部材 - Google Patents

軟磁性部材の製造方法および軟磁性部材 Download PDF

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Description

本発明は、軟磁性部材の製造方法および軟磁性部材に関する。
従来、モータやリアクトル等の磁心(コア)材料に用いられる軟磁性部材の製造方法としては、例えば、鉄系粒子表面にNi等の絶縁被膜を形成した原料粉末を圧粉成形する方法が知られている。
なお、本願に先行する特許文献1には、Ni等の絶縁被膜ではなく、有機成分を含む絶縁被膜を有する軟磁性部材を550℃以上850℃以下で焼鈍し、軟磁性部材を製造する方法が開示されている。
特開2009−16701号公報
しかしながら、従来の軟磁性部材の製造方法は、以下の点で問題がある。すなわち、上記軟磁性部材の製造方法は、鉄系粒子表面にNi等の絶縁被膜を形成した原料粉末を圧粉成形している。そのため、圧粉成形時に原料粉末にかかる高い応力により、絶縁被膜が損傷し、隣接する鉄系粒子同士が導通する。それ故、得られる軟磁性部材は、比抵抗が減少し、その結果、渦損失が増大するという問題がある。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、比抵抗を向上させることが可能な軟磁性部材を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む有機物層とを有する原料粉末を準備する原料粉末準備工程と、
上記原料粉末を圧粉成形し、圧粉体を形成する圧粉体形成工程と、
上記圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱し、上記鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、を有しており、
該絶縁被膜形成工程において、加熱の最高到達温度は、上記元素が酸化反応可能な温度範囲内にあり、
上記絶縁被膜形成工程において、酸化反応可能な雰囲気で加熱することを特徴とする軟磁性部材の製造方法にある。
また、本発明の他の態様は、鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む有機物層とを有する原料粉末を準備する原料粉末準備工程と、
上記原料粉末を圧粉成形し、圧粉体を形成する圧粉体形成工程と、
上記圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱し、上記鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、を有しており、
該絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度が、210℃/秒以下であることを特徴とする軟磁性部材の製造方法にある。
また、本発明のさらに他の態様は、鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む有機物層とを有する原料粉末を準備する原料粉末準備工程と、
上記原料粉末を圧粉成形し、圧粉体を形成する圧粉体形成工程と、
上記圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱し、上記鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、を有しており、
該絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力が、大気圧以下であることを特徴とする軟磁性部材の製造方法にある。
本発明のさらに別の態様は、鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたVを含む酸化物より構成される絶縁被膜とを有する軟磁性粒子より構成されており、
密度が7g/cm以上かつFeの密度以下、比抵抗が1×10μΩ・m以上であることを特徴とする軟磁性部材にある。
上記軟磁性部材の製造方法は、上記各工程を有している。特に、絶縁被膜形成工程では、上記圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱する。そのため、上記軟磁性部材の製造方法は、高周波数での誘導加熱による表皮効果により、圧粉体中の鉄系粒子表面を部分的に加熱することができ、その結果、上記元素が鉄系粒子に拡散するのを抑制しつつ、鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成することができる。上記軟磁性部材の製造方法は、圧粉体形成工程の後に絶縁被膜を形成するので、従来技術のように、圧粉成形時に原料粉末にかかる高い応力によって絶縁被膜が損傷し、隣接する鉄系粒子同士が導通してしまうことがない。それ故、比抵抗が向上された軟磁性部材を製造することが可能となる。
上記軟磁性部材は、上記構成を有している。上記軟磁性部材は、上記軟磁性部材の製造方法を実施することによって得ることができる。よって、上記軟磁性部材は、比抵抗が向上されており、渦損失の低減を図るうえで有利である。
誘導加熱時の周波数と軟磁性部材の比抵抗との関係を示す説明図である。 昇温速度と軟磁性部材の比抵抗との関係を示す説明図である。 加熱雰囲気の圧力と軟磁性部材の比抵抗との関係を示す説明図である。 脱ガス温度と軟磁性部材の比抵抗との関係を示す説明図である。
上記原料粉末準備工程において、鉄系粒子としては、具体的には、純鉄粒子、Fe基合金粒子を用いることができる。上記元素を含む有機物層は、具体的には、上記元素を含む有機化合物を用いることができ、より具体的には、シリコーンレジン等の含Si有機化合物、酢酸マグネシウム等の含Mg有機化合物、チタンオクチレングリコレート等の含Ti有機化合物、バナジウムアルコキシド等の含V有機化合物などを例示することができる。上記元素としては、汎用性等の観点から、Si、Mgなどを好適に用いることができる。上記原料粉末は、例えば、上記元素を含む有機化合物を適当な溶媒に溶解または分散させた後、鉄系粒子の粉末に噴霧混合する手順を経ることなどによって準備することができる。なお、上記鉄系粒子の平均粒径は、具体的には、磁気特性、生産性等の観点から、50〜100μm程度とすることができる。上記平均粒径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である。
上記圧粉体形成工程において、圧粉成形時の圧力は、具体的には、400〜1300MPa程度、好ましくは1200〜1300MPa程度とすることができる。また、圧粉体の密度は、具体的には、7.0〜7.7g/cm程度、好ましくは7.3〜7.7g/cm程度、より好ましくは7.6〜7.7g/cm程度とすることができる。上記圧粉成形により形成される圧粉体は、具体的には、圧粉体中における各鉄系粒子同士の間に上記元素を含む有機物層が介在した状態を有する構成とすることができる。なお、圧粉体の成形は、具体的には、金型成形によることができる。
上記絶縁被膜形成工程において、誘導加熱時の周波数は、得られる軟磁性部材の比抵抗を大きくしやすい観点から、好ましくは100kHz超、より好ましくは150kHz以上、さらに好ましくは200kHz以上、さらにより好ましくは400kHz以上とすることができる。一方、誘導加熱時の周波数は、比抵抗の向上効果が飽和する傾向がある、電源の小型化などの観点から、900kHz以下とすることができる。
上述した一態様では、上記絶縁被膜形成工程において、加熱の最高到達温度は、上記元素が酸化反応可能な温度範囲内とされる。また、上述した他の態様およびさらに他の態様では、上記絶縁被膜形成工程において、加熱の最高到達温度は、上記元素が酸化反応可能な温度範囲内とすることができる。なお、上記元素が酸化反応可能な温度範囲は、Si−O2元系状態図、Mg−O2元系状態図、Ti−O2元系状態図、V−O2元系状態図を用いてそれぞれ決定することができる。もっとも、加熱の最高到達温度は、鉄の融点である1538℃以下から選択する。また、上記温度範囲内の雰囲気は、大気雰囲気とすることができる。上記絶縁被膜形成工程において、加熱の最高到達温度は、具体的には、例えば、上記元素がSiの場合、800℃以上1400℃以下の範囲内とすることができる。
この場合は、上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜の形成を確実なものとしやすくなる。また、大気雰囲気で酸化反応可能であるなどの利点もある。
上記加熱の最高到達温度は、上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜の形成を確実なものとしやすくなる、大気雰囲気で酸化反応可能などの観点から、好ましくは850℃超、より好ましくは875℃以上、さらに好ましくは900℃以上とすることができる。また、上記加熱の最高到達温度は、生産性などの観点から、好ましくは1300℃以下、より好ましくは1200℃以下、さらに好ましくは1100℃以下とすることができる。なお、均一加熱等の観点から、上記加熱の最高到達温度にて誘導加熱を停止し、5〜300秒程度、その温度で保持することができる。
上述した一態様およびさらに他の態様では、上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度は、210℃/秒以下とすることができる。また、上述した他の態様では、上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度は、210℃/秒以下とされる。
加熱時に有機物層の熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜け難く、残存ガスによる内部ポアが軟磁性部材に多く含まれる場合、軟磁性部材の使用温度が高くなると、鉄系粒子の膨張によって内部ポアが埋まり、鉄系粒子同士が導通しやすくなる。そのため、渦損失の低減の観点から、内部ポアは好ましいものではない。しかし、上記の場合は、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度を210℃/秒以下とするため、急速な昇温が回避され、上記熱分解で生じたガスや滞留ガスが外部へ抜けやすくなり、残存ガスによる内部ポアの少ない軟磁性部材を得ることができる。それ故、この場合は、得られる軟磁性部材の比抵抗の向上、渦損失の低減に有利である。
上記昇温速度は、上記効果を大きくする観点から、好ましくは175℃/秒以下、より好ましくは150℃/秒以下、さらに好ましくは125℃/秒以下とすることができる。なお、上記昇温速度の下限は、生産性向上等の観点から、好ましくは10℃/秒以上、より好ましくは20℃/秒以上、さらに好ましくは30℃/秒以上とすることができる。なお、上記絶縁被膜形成工程において、加熱開始温度は、例えば、室温(25℃)程度とすることができる(以下、同様である。)。また、残存ガスによる内部ポアを抑制した状態で、比抵抗を大きくしやすくなる観点から、好ましくは475℃以下、より好ましくは450℃以下、さらに好ましくは425℃以下、さらにより好ましくは400℃以下の加熱温度範囲における昇温速度を、上記範囲にするとよい。
上述した一態様および他の態様では、上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力は、大気圧以下とすることができる。また、上述したさらに他の態様では、上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力は、大気圧以下とされる。
この場合は、加熱雰囲気の圧力を大気圧以下に減圧することにより、加熱時に有機物層の熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜けやすくなる。そのため、この場合も、残存ガスによる内部ポアの少ない軟磁性部材を得ることができ、軟磁性部材の比抵抗の向上、渦損失の低減に有利である。
上記加熱雰囲気の圧力は、上記効果を大きくする観点から、好ましくは90kPa abs以下、より好ましくは80kPa abs以下、さらに好ましくは70kPa abs以下、さらにより好ましくは60kPa abs以下とすることができる。なお、上記加熱雰囲気の圧力の下限は、設備小型化などの観点から、好ましくは5kPa abs以上、より好ましくは10kPa abs以上とすることができる。また、残存ガスによる内部ポアを抑制した状態で、比抵抗を大きくしやすくなる観点から、好ましくは475℃以下、より好ましくは450℃以下、さらに好ましくは425℃以下、さらにより好ましくは400℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力を、上記範囲にするとよい。
上記絶縁被膜形成工程において、圧粉体を加圧状態に保持することができる。
この場合は、圧粉体が加圧状態に保持されることにより、加熱時に有機物層の熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜けやすくなる。そのため、この場合も、残存ガスによる内部ポアの少ない軟磁性部材を得ることができ、軟磁性部材の比抵抗の向上、渦損失の低減に有利である。
上記加圧状態に保持する方法としては、例えば、圧粉体形成工程において圧粉体を形成した後、圧粉時の圧力以下の圧力、好ましくは圧粉時の圧力にて加圧状態を保持したまま、絶縁被膜形成工程へ移行する方法を例示することができる。他にも、圧粉体形成工程にて圧粉体を形成した際の加圧状態を一旦解消し、その後、絶縁被膜形成工程へ移行した後、再び、圧粉時の圧力以下の圧力、好ましくは圧粉時の圧力にて圧粉体を加圧状態に保持する方法を例示することもできる。とりわけ、前者の場合は、圧粉体形成工程から絶縁被膜形成工程への移行の連続性に優れる。そのため、生産性向上に有利である。
なお、上記加圧状態の保持は、絶縁被膜形成工程における加熱時に部分的に行ってもよいし、上記加熱時の全てにわたって行うこともできる。上記加圧状態の保持は、例えば、500℃以下、好ましくは475℃以下、より好ましくは450℃以下、さらに好ましくは425℃以下、さらにより好ましくは400℃以下の加熱温度範囲にて行うとよい。上記加熱温度範囲は、有機物層の熱分解によるガスが生じやすいので、上記加圧状態の保持による脱ガス促進効果が大きくなるからである。
上記絶縁被膜形成工程では、誘導加熱を1回または複数回行うことが可能である。上記誘導加熱は、加熱開始温度から加熱途中温度(加熱開始温度<加熱途中温度<最高到達温度)までの間、ある誘導加熱条件で誘導加熱した後、圧粉体を冷却することなく、上記と同じあるいは上記と異なる誘導加熱条件で最高到達温度まで誘導加熱を行うことができる。また、上記誘導加熱は、加熱開始温度から加熱途中温度までの間、ある誘導加熱条件で誘導加熱した後、圧粉体を一旦冷却し、その後、上記と同じあるいは上記と異なる誘導加熱条件で冷却後温度から最高到達温度まで誘導加熱を行うことができる。前者の場合は、省エネルギー、生産性向上などに有利である。後者の場合は、加熱雰囲気の条件を変更しやすいなどの利点がある。
上記軟磁性部材において、密度は、磁束密度などの観点から、好ましくは7.4g/cm以上、より好ましくは7.6g/cm以上、さらに好ましくは7.7g/cm以上とすることができる。なお、上記密度は、アルキメデス法により測定される値である。また、上記にいうFeの密度は、室温における値である。
上記軟磁性部材において、比抵抗は、高絶縁性などの観点から、好ましくは1×10μΩ・m以上、より好ましくは1×10μΩ・m以上、さらに好ましくは1×10μΩ・m以上とすることができる。また、比抵抗は、磁束密度を小さくするなどの観点から、好ましくは1×10μΩ・m以下程度とすることができる。なお、上記比抵抗は、円柱形状のサンプルの両端面に電線を設置し、一定電圧を負荷することによって算出することができる。
上記軟磁性部材において、絶縁被膜の厚みは40nm以上とすることができる。
この場合は、比抵抗の向上効果を確実なものとするのに有利である。なお、上記絶縁被膜の厚みの好ましい下限値40nmは、用いる鉄系粒子の平均粒径を100μm(均一)とした場合に、空孔率0%(理想状態)において密度7.8g/cm(該部材最高使用域)を達成するときの膜厚に相当する。絶縁被膜の厚みは、高絶縁性などの観点から、好ましくは50nm以上、より好ましくは60nm以上、さらに好ましくは70nm以上、さらにより好ましくは80nm以上とすることができる。また、絶縁被膜の厚みは、磁束密度を小さくするなどの観点から、好ましくは566nm以下、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは400nm以下、さらにより好ましくは300nm以下とすることができる。なお、上記絶縁被膜の厚みの好ましい上限値566nmは、用いる鉄系粒子の平均粒径を100μm(均一)とした場合に、空孔率0%(理想状態)において密度7.0g/cm(該部材最低使用域)を達成するときの膜厚に相当する。絶縁被膜の厚みは、TEMによる観察、EDS分析による成分同定によって測定することができる。
上記軟磁性部材において、鉄系粒子の平均粒子径は、磁気特性などの観点から、好ましくは80μm以上、より好ましくは90μm以上、さらに好ましくは100μm以上とすることができる。また、鉄系粒子の平均粒子径は、生産性などの観点から、好ましくは150μm以下、より好ましくは140μm以下、さらに好ましくは130μm以下とすることができる。なお、上記鉄系粒子の平均粒子径は、TEM観察により測定される鉄系粒子の粒子径の平均値である。
上記軟磁性部材は、具体的には、例えば、モータ、リアクトル、電磁アクチュエータなどにおけるコア材料として好適に用いることができる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の軟磁性部材の製造方法および軟磁性部材について説明する。
(実施例1)
本例の軟磁性部材の製造方法は、鉄系粒子と、鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む有機物層とを有する原料粉末を準備する原料粉末準備工程と、原料粉末を圧粉成形し、圧粉体を形成する圧粉体形成工程と、圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱し、鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程とを有している。以下、これを詳説する。
本例では、原料粉末準備工程において、具体的には、有機物層を形成するための含Si有機化合物を有機溶媒に溶解してなる溶液を鉄系粒子の粉末に噴霧混合し、有機溶媒を気化させることにより、原料粉末を準備する。
また、圧粉体成形工程において、具体的には、上記原料粉末を所定の形状を成形可能な金型内に充填後、400〜1300MPaの圧力にて圧粉成形し、圧粉体を形成する。
また、絶縁被膜形成工程において、具体的には、加熱の最高到達温度が800℃以上1400℃以下の範囲となるように100kHz以上の周波数で上記圧粉体を誘導加熱し、上記絶縁被膜を形成する。本例では、圧粉体形成工程において圧粉体を形成した後、圧粉時の圧力にて加圧状態を保持したまま、絶縁被膜形成工程へ移行する。そして、金型内で上記誘導加熱を行う。そして、加熱の最高到達温度において5〜300秒程度の間、その温度を保持した後、放冷を行う。
この誘導加熱の際、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度は210℃/秒以下とする。また、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力は、大気圧以下とする。また、500℃以下の加熱温度範囲にて圧粉体を加圧状態に保持する。
本例では、上記により、鉄系粒子の表面にて上記元素を含む有機物層を酸化させ、上記元素を含む酸化物としてのSi酸化物より構成される絶縁被膜を形成し、軟磁性部材を製造する。
次に、本例の軟磁性部材の製造方法の作用効果について説明する。
本例の軟磁性部材の製造方法は、上記各工程を有している。特に、絶縁被膜形成工程では、圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱する。そのため、本例の軟磁性部材の製造方法は、高周波数での誘導加熱による表皮効果により、圧粉体中の鉄系粒子表面を部分的に加熱することができ、その結果、上記元素が鉄系粒子に拡散するのを抑制しつつ、鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成することができる。本例の軟磁性部材の製造方法は、圧粉体形成工程の後に絶縁被膜を形成するので、従来技術のように、圧粉成形時に原料粉末にかかる高い応力によって絶縁被膜が損傷し、隣接する鉄系粒子同士が導通してしまうことがない。それ故、比抵抗が向上された軟磁性部材を製造することができる。
また、本例の軟磁性部材の製造方法は、絶縁被膜形成工程における加熱の最高到達温度が800℃以上1400℃以下の範囲内とされる。そのため、上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜の形成を確実なものとしやすくなる。また、大気雰囲気で反応可能などの利点もある。
また、本例の軟磁性部材の製造方法は、絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度が210℃/秒以下とされる。そのため、急速な昇温が回避され、加熱時に熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜けやすくなり、残存ガスによる内部ポアの少ない軟磁性部材を得ることができる。それ故、本例の軟磁性部材の製造方法は、得られる軟磁性部材の比抵抗の向上、渦損失の低減に有利である。
また、本例の軟磁性部材の製造方法は、絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力が大気圧以下とされる。そのため、加熱雰囲気の圧力の減圧により、加熱時に熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜けやすくなり、残存ガスによる内部ポアの少ない軟磁性部材を得ることができる。それ故、本例の軟磁性部材の製造方法は、得られる軟磁性部材の比抵抗の向上、渦損失の低減に有利である。
また、本例の軟磁性部材の製造方法は、絶縁被膜形成工程において、圧粉体を加圧状態に保持する。そのため、上記加圧により、加熱時に熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜けやすくなり、残存ガスによる内部ポアの少ない軟磁性部材を得ることができる。それ故、本例の軟磁性部材の製造方法は、得られる軟磁性部材の比抵抗の向上、渦損失の低減に有利である。この際、本例では、圧粉体形成工程において圧粉体を形成した際の加圧状態を保持したまま、絶縁被膜形成工程へ移行するよう構成しているので、圧粉体形成工程から絶縁被膜形成工程への移行の連続性に優れる。それ故、本例の軟磁性部材の製造方法は、生産性向上に有利である。
参考例2)
本例の軟磁性部材は、鉄系粒子と、鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜とを有する軟磁性粒子より構成されており、密度が7g/cm以上かつFeの密度以下、比抵抗が1×10μΩ・m以上である。
本例の軟磁性部材は、実施例1の軟磁性部材の製造方法によって得られるものであり、上記元素を含む酸化物は、具体的には、Si酸化物であるSiOである。
本例の軟磁性部材は、上記構成を有しているので、比抵抗が向上されており、渦損失の低減を図るうえで有利である。
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
<実験例1>
シリコーンレジン(信越化学工業社製、「KR−220L」)4.51gをイソプロピルアルコール(IPA)溶液343gに溶解した後、これを6.0g/分の速度で鉄系粒子の粉末(平均粒径75μmの純鉄粉:ヘガネスジャパン社製、「ABC100.30」)1500gに噴霧混合した。その後、IPAを気化させ、鉄系粒子とシリコーンレジンとの界面をなじませるために225℃で1時間保持した。これにより、原料粉末を準備した。
次に、円柱形状を成形可能な金型内に準備した原料粉末を充填した後、大気雰囲気中、1500MPaの圧力にて圧粉成形し、密度7.60g/cmの圧粉体を得た。
次に、上記圧粉体を以下のように誘導加熱した。具体的には、周波数:400kHz、昇温速度:200℃/秒、加熱雰囲気の圧力:14Pa absという誘導加熱条件で、室温〜400℃まで上記圧粉体を誘導加熱し、400℃で30秒間保持した後、放冷した。その後、周波数:400kHz、昇温速度:200℃/秒、加熱雰囲気の圧力:大気圧という誘導加熱条件で、室温〜1000℃まで上記圧粉体を誘導加熱し、1000℃で60秒間保持した後、放冷した。上記誘導加熱における最高到達温度は、1000℃である。なお、本例では、上記金型成形後、金型から圧粉体を取り出し、圧粉体を加圧保持することなく上記誘導加熱を行った。以上により、試料1の軟磁性部材を得た。
得られた試料1の軟磁性部材をTEM観察するとともに、EDS分析した。その結果、試料1の軟磁性部材は、鉄系粒子の表面にSiOより構成される絶縁被膜が形成されていることが確認された。したがって、試料1の軟磁性部材は、鉄系粒子と、鉄系粒子の表面に形成された上記絶縁被膜とを有する軟磁性粒子より構成されていることが確認された。また、絶縁被膜の厚みは、40〜50nmであった。また、得られた試料1の軟磁性部材につき、上述した測定方法にて密度、比抵抗を測定した結果、密度は7.55g/cm、比抵抗は6.1×10μΩ・mであった。
<実験例2>
実験例1と同様にして、原料粉末を準備した。
次に、実験例1と同様にして、密度7.60g/cmの圧粉体を得た。
次に、上記圧粉体を以下のように誘導加熱した。具体的には、周波数:400kHz、昇温速度:50℃/秒、加熱雰囲気の圧力:大気圧という誘導加熱条件で、室温〜400℃まで上記圧粉体を誘導加熱した。その後、放冷することなく、周波数:400kHz、昇温速度:200℃/秒、加熱雰囲気の圧力:大気圧という誘導加熱条件で、400℃〜1000℃まで上記圧粉体を誘導加熱し、1000℃で60秒間保持した後、放冷した。上記誘導加熱における最高到達温度は、1000℃である。なお、本例では、上記金型成形後、金型から圧粉体を取り出し、圧粉体を加圧保持することなく上記誘導加熱を行った。以上により、試料2の軟磁性部材を得た。
得られた試料2の軟磁性部材について、実験例1と同様の観察、測定を行った。その結果、試料2の軟磁性部材も、試料1の軟磁性部材と同様の微構造を有していることが確認された。また、絶縁被膜の厚みは40〜50nm、密度は7.58g/cm、比抵抗は4.1×10μΩ・mであった。
<実験例3>
実験例2において、室温〜400℃までの加熱温度範囲における昇温速度:210℃/秒、400℃〜1000℃までの加熱温度範囲における昇温速度:210℃/秒とした点、誘導加熱時の周波数を変化させた点以外は同様にして、複数の軟磁性部材の試料を作製した。そして、各試料について比抵抗を測定し、誘導加熱時の周波数と軟磁性部材の比抵抗との関係を求めた。
図1に示すように、誘導加熱時の周波数を100kHz以上と大きくするほど、得られる軟磁性部材の比抵抗を大きくしやすくなることが確認された。また、誘導加熱時の周波数を過度に大きくしても、比抵抗の向上効果が飽和する傾向があることが確認された。
<実験例4>
実験例2において、室温〜400℃までの加熱温度範囲における昇温速度を変化させた点以外は同様にして、複数の軟磁性部材の試料を作製した。そして、各試料について比抵抗を測定し、室温〜400℃までの加熱温度範囲における昇温速度と軟磁性部材の比抵抗との関係を求めた。
図2に示すように、絶縁被膜形成工程において、上記温度範囲における昇温速度を210℃/秒以下とすることにより、得られる軟磁性部材の比抵抗が向上しやすいことがわかる。これは、上記温度範囲における急速な昇温が回避されることにより、加熱時に熱分解で生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜けやすくなくなり、残存ガスによる内部ポアが少なくなるためである。そのため、この場合は、得られる軟磁性部材の渦損失の低減に有利であるといえる。なお、上記昇温速度を遅くするほど、比抵抗の向上効果が大きくなる。上記昇温速度の下限は、生産性などを考慮して最適な値を選択することができる。
<実験例5>
実験例1において、室温〜400℃までの加熱温度範囲における昇温速度:210℃/秒、室温〜1000℃までの加熱温度範囲における昇温速度:210℃/秒とした点、1回目の誘導加熱時における加熱雰囲気の圧力を変化させた点以外は同様にして、複数の軟磁性部材の試料を作製した。そして、各試料について比抵抗を測定し、室温〜400℃までの加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力と軟磁性部材の比抵抗との関係を求めた。
図3に示すように、絶縁被膜形成工程において、上記温度範囲における加熱雰囲気の圧力を大気圧以下(100kPa abs以下)に減圧することにより、得られる軟磁性部材の比抵抗が向上しやすいことがわかる。これは、上記減圧により、圧粉体中で加熱時に熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスが外部へ抜けやすくなり、残存ガスによる内部ポアが少なくなるためである。そのため、この場合は、得られる軟磁性部材の渦損失の低減に有利であるといえる。
<実験例6>
実験例1では、1回目の誘導加熱を400℃以下で実施した。本例では、この1回目の誘導加熱における到達温度を変化させた点、1回目の誘導加熱における加熱雰囲気の圧力:大気圧とした点、室温〜上記到達温度までの加熱温度範囲における昇温速度:210℃/秒、室温〜1000℃までの加熱温度範囲における昇温速度:210℃/秒とした点以外は同様にして、複数の軟磁性部材の試料を作製した。そして、各試料について比抵抗を測定し、加熱時に熱分解により生じたガスや圧粉体中の滞留ガスの脱ガスを促進するのに有利な脱ガス温度と得られる軟磁性部材の比抵抗との関係を求めた。
図4に示すように、1回目の誘導加熱における到達温度を500℃以下とした場合に、得られる軟磁性部材の比抵抗が向上しやすいことがわかる。このことから、絶縁被膜形成工程において、加熱開始温度から500℃以下の加熱温度範囲にて、昇温速度を210℃/秒以下としたり、加熱雰囲気の圧力を大気圧以下の減圧雰囲気としたり、圧粉体を加圧状態に保持したりすることが、残存ガスによる内部ポアを低減しつつ、比抵抗をより向上させるのに有効であることがわかる。また、これらを組み合わせることにより、相乗効果が得られるといえる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。

Claims (18)

  1. 鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む有機物層とを有する原料粉末を準備する原料粉末準備工程と、
    上記原料粉末を圧粉成形し、圧粉体を形成する圧粉体形成工程と、
    上記圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱し、上記鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、を有しており、
    該絶縁被膜形成工程において、加熱の最高到達温度は、上記元素が酸化反応可能な温度範囲内にあり、
    上記絶縁被膜形成工程において、酸化反応可能な雰囲気で加熱することを特徴とする軟磁性部材の製造方法。
  2. 上記酸化反応可能な雰囲気は、大気雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性部材の製造方法。
  3. 上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度が、210℃/秒以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の軟磁性部材の製造方法。
  4. 上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力が、大気圧以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軟磁性部材の製造方法。
  5. 上記元素はSiであり、上記加熱の最高到達温度は、800℃以上1400℃以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の軟磁性部材の製造方法。
  6. 上記絶縁被膜形成工程において、上記圧粉体を加圧状態に保持することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の軟磁性部材の製造方法。
  7. 鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む有機物層とを有する原料粉末を準備する原料粉末準備工程と、
    上記原料粉末を圧粉成形し、圧粉体を形成する圧粉体形成工程と、
    上記圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱し、上記鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、を有しており、
    該絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度が、210℃/秒以下であることを特徴とする軟磁性部材の製造方法。
  8. 上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力が、大気圧以下であることを特徴とする請求項に記載の軟磁性部材の製造方法。
  9. 上記絶縁被膜形成工程において、加熱の最高到達温度は、上記元素が酸化反応可能な温度範囲内にあることを特徴とする請求項またはに記載の軟磁性部材の製造方法。
  10. 上記元素はSiであり、上記加熱の最高到達温度は、800℃以上1400℃以下の範囲内にあることを特徴とする請求項に記載の軟磁性部材の製造方法。
  11. 上記絶縁被膜形成工程において、上記圧粉体を加圧状態に保持することを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載の軟磁性部材の製造方法。
  12. 鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたSi、Mg、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む有機物層とを有する原料粉末を準備する原料粉末準備工程と、
    上記原料粉末を圧粉成形し、圧粉体を形成する圧粉体形成工程と、
    上記圧粉体を100kHz以上の周波数で誘導加熱し、上記鉄系粒子の表面に上記元素を含む酸化物より構成される絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、を有しており、
    該絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における加熱雰囲気の圧力が、大気圧以下であることを特徴とする軟磁性部材の製造方法。
  13. 上記絶縁被膜形成工程において、500℃以下の加熱温度範囲における昇温速度が、210℃/秒以下であることを特徴とする請求項12に記載の軟磁性部材の製造方法。
  14. 上記絶縁被膜形成工程において、加熱の最高到達温度は、上記元素が酸化反応可能な温度範囲内にあることを特徴とする請求項12または13に記載の軟磁性部材の製造方法。
  15. 上記元素はSiであり、上記加熱の最高到達温度は、800℃以上1400℃以下の範囲内にあることを特徴とする請求項14に記載の軟磁性部材の製造方法。
  16. 上記絶縁被膜形成工程において、上記圧粉体を加圧状態に保持することを特徴とする請求項1215のいずれか1項に記載の軟磁性部材の製造方法。
  17. 鉄系粒子と、該鉄系粒子の表面に形成されたVを含む酸化物より構成される絶縁被膜とを有する軟磁性粒子より構成されており、
    密度が7g/cm以上かつFeの密度以下、比抵抗が1×10μΩ・m以上であることを特徴とする軟磁性部材。
  18. 上記絶縁被膜の厚みが40nm以上であることを特徴とする請求項17に記載の軟磁性部材。
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