JP2017108037A - 磁性体粒子および磁性体粒子の製造方法ならびにインダクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に酸化膜を形成した磁性粒子及びその磁性体粉子を用いた高性能な圧粉インダクタを提供する。【解決手段】磁性体粒子に、絶縁被覆された導線を巻回した巻線を埋設して、加圧することにより、成型されたインダクタにおいて、磁性体粒子は、鉄合金からなる磁性体粒子を、熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成する。【選択図】なし
Description
本発明は、磁性体粒子と、この磁性体粒子を用いたインダクタに関する。
近年、DC/DCコンバータ等に用いるパワーインダクタとして、鉄合金等の磁性体粒子とエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂との混合材料に、絶縁被覆された導線を巻回した巻線を埋設して一体に成型した圧粉インダクタが用いられている。
圧粉インダクタは、構造が単純で、容易に小型化できるため、携帯機器端末をはじめとする小型化が求められている種々の機器に多く採用されている。
磁性体粒子は、渦電流による損失を低減するため、個々の粒子の表面が絶縁被覆されている。絶縁被覆を設けるための方法として、たとえば、磁性体粒子にシリカなどの粉末をを混合して機械的摩擦を与えることによりガラス被膜を形成する方法が知られている。
圧粉インダクタにおいて、巻線は巻線の絶縁被覆により、また、磁性体粒子の間は磁性体粒子の絶縁被覆および絶縁樹脂により絶縁されている。
しかし、以下の(1)〜(3)の条件が重なって、巻線の途中または端末の間の経路等で絶縁抵抗の低い経路が形成され、インダクタの絶縁抵抗の低下が生じる場合がある。
(1)磁性体粒子の絶縁被覆は、機械的摩擦により絶縁膜を形成する方法は粒子の表面を完全に被覆することが困難なので被覆が不完全な場合や、成型時の圧力により磁性体粒子が変形して被覆が破れたり場合がある。
(2)磁性体粒子は、平均粒径が数10μmであるのに対して、巻線の絶縁被覆の厚みは数μmなので、成型時に磁性体粒子が巻線の絶縁被覆を破壊してしまう場合や、もともとの巻線の絶縁被覆の欠陥部がある場合や、巻回時の変形により巻線の絶縁被覆に亀裂が生じている場合などがあり、磁性体粉末と巻線の導体とが直接接触してしまう場合がある。
(3)磁性体粒子の間の絶縁樹脂の厚みが不十分だと、絶縁抵抗が不足する場合がある。この問題は、2点間の距離が短く少ない粒子数で経路が形成可能な場合に生じ易い。
一般的に、磁性体粒子の密度が高ければ比透磁率が高くなり、高性能なインダクタとするこができる。しかし、成型時の圧力が高いと(1)〜(3)の問題が生じ易くなるため、余裕を見込んだ圧力で成型する必要がある。そのため、比透磁率を大きくすることができず、その結果、高性能なインダクタとすることができなかった。
本発明の磁性体粒子は、鉄合金からなる磁性体粒子を、
熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成したことを特徴とする。
熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成したことを特徴とする。
本発明の磁性体粒子の製造方法は、鉄合金からなる磁性体粒子を、
熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成することを特徴とする。
熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成することを特徴とする。
本発明のインダクタは、本発明磁性体粒子に、絶縁被覆された導線を巻回した巻線を埋設して、加圧することにより、成型されたインダクタにおいて、前記磁性体粒子は、鉄合金からなる磁性体粒子を、熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成したことを特徴とする。
本発明によれば、表面に酸化膜膜が形成された磁性体粒子を得ることができる。
また、その磁性体分を圧粉インダクタに用いることにより、高性能なインダクタを得ることができる。
また、その磁性体分を圧粉インダクタに用いることにより、高性能なインダクタを得ることができる。
最初に、本発明のインダクタの製造方法について説明する。
まず、絶縁被覆された導線を巻線する。
そして、巻線を絶縁被覆された磁性体粒子に埋設し、
巻線と磁性粉を加圧して成型品を作成する。
その後、成型品に金属端子や導電性樹脂で端子を形成する。
まず、絶縁被覆された導線を巻線する。
そして、巻線を絶縁被覆された磁性体粒子に埋設し、
巻線と磁性粉を加圧して成型品を作成する。
その後、成型品に金属端子や導電性樹脂で端子を形成する。
導線には、たとえば、ポリウレタン等で被膜された導線を用いる。
磁性体粒子は、熱プラズマ装置のプラズマ焔中に鉄合金粉を落下させて表面のみを酸化させたものを用いる。以下、この処理を熱プラズマ処理という。
以下、磁性体粒子の熱プラズマ処理について説明する。
熱プラズマ装置は、高周波加熱コイル中に発生した熱プラズマに、ガスとともに原料を投入して熱プラズマ焔中を落下させて反応させるものである。
熱プラズマ装置は、高周波加熱コイル中に発生した熱プラズマに、ガスとともに原料を投入して熱プラズマ焔中を落下させて反応させるものである。
磁性体粒子として、平均粒径略15μmのFe−Si−Cr合金を用い、
ガスとして、アルゴンと酸素の混合ガスを用いた。
アルゴンの流量は30L/min、酸素の流量は3L/min、圧力は80kPa、磁性体粒子の投入量は8g/min、プラズマ出力は6kWである。
ガスとして、アルゴンと酸素の混合ガスを用いた。
アルゴンの流量は30L/min、酸素の流量は3L/min、圧力は80kPa、磁性体粒子の投入量は8g/min、プラズマ出力は6kWである。
表1は、熱プラズマ処理の前および後の磁性体粒子のみで、それぞれペレットを作成して抵抗値を測定した結果と、熱プラズマ処理の前および後の磁性体粒子に、結合剤としてPVAを1.5wt%添加してトロイダルコアを作成して密度および比透磁率を測定した結果を、従来の磁性体粒子とともに示す。なお、トロイダルコアは内径8mm、外形13m、厚さ4mmであり、ペレットは直径8mm、厚さ2mmである。
表1の結果から、磁性体粒子を熱プラズマ処理したことにより、絶縁抵抗が著しく向上していることがわかる。
図1は、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の表面のSEM写真を示し、図2は熱プラズマ処理後の磁性体粒子のSEM写真を示す。
図1(a)、図2(a)は倍率2千倍、
図1(b)、図2(b)は倍率1万倍である。
図1(a)、図2(a)は倍率2千倍、
図1(b)、図2(b)は倍率1万倍である。
図3は、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の断面のSEM写真を示し、図4は、熱プラズマ処理後の磁性体粒子の断面のSEM写真を示す。
図3(a)、図4(a)は倍率5百倍、
図3(b)、図4(b)は倍率2千倍、
図3(c)、図4(c)は倍率1万倍である。
図3(a)、図4(a)は倍率5百倍、
図3(b)、図4(b)は倍率2千倍、
図3(c)、図4(c)は倍率1万倍である。
図1〜図4から、磁性体粒子の表面が蒸発し、磁性体粒子の表面にナノ粒子として再付着して凹凸を形成していることが分かり、このナノ粒子もまた絶縁被覆として機能していると推測される。
表2は、ESD(エネルギー分散型分光計画像)観察結果を示し、
Aは、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の表面の全体、
Bは、熱プラズマ処理後の磁性体粒子の表面の全体、
Cは、熱プラズマ処理後の磁性体粒子の表面のナノ粒子部、
Dは、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の断面、
Eは、熱プラズマ処理後の磁性体粒子の断面
を示す。
Aは、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の表面の全体、
Bは、熱プラズマ処理後の磁性体粒子の表面の全体、
Cは、熱プラズマ処理後の磁性体粒子の表面のナノ粒子部、
Dは、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の断面、
Eは、熱プラズマ処理後の磁性体粒子の断面
を示す。
表2より、磁性体粒子の断面部では、酸素は観察されなかったが、磁性体粒子の表面部では観測された。
磁性体粒子の表面部とナノ粒子部で酸素が増加し、一方、鉄の割合が減少している。これは、ナノ粒子部では鉄が酸化されて酸素の割合が増え、相対的に鉄の割合が減少したと考えられる。なお、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の表面全体において酸素が観測されたのは、保存中に大気中の酸素で酸化された結果と考えられる。
磁性体粒子の表面部とナノ粒子部で酸素が増加し、一方、鉄の割合が減少している。これは、ナノ粒子部では鉄が酸化されて酸素の割合が増え、相対的に鉄の割合が減少したと考えられる。なお、熱プラズマ処理前の磁性体粒子の表面全体において酸素が観測されたのは、保存中に大気中の酸素で酸化された結果と考えられる。
つぎに、磁性体粒子の表面をXRD(X線回折)分析した。
図5は、磁性体粒子の表面のXRD分析の結果を示す。図5において、Aは熱プラズマ処理前、Bは熱プラズマ処理後であり、横軸は回折角度(2θ)、縦軸は回折強度である。
図5は、磁性体粒子の表面のXRD分析の結果を示す。図5において、Aは熱プラズマ処理前、Bは熱プラズマ処理後であり、横軸は回折角度(2θ)、縦軸は回折強度である。
図5の結果からは、熱プラズマ処理後でも、鉄のピークである2θ=44.78°、65.14°以外のピーク(たとえば、FeCr2O4のピークである2θ=35.5°など)を観測することができなかった。
したがって、磁性体粒子は、熱プラズマ処理により、XRDでは検出不可能な程度のごく表面のみに、酸化膜が形成されていると推測される。
したがって、磁性体粒子は、熱プラズマ処理により、XRDでは検出不可能な程度のごく表面のみに、酸化膜が形成されていると推測される。
なお、たとえば、磁性体粒子が熱プラズマ装置のチャンバー内に滞留して、プラズマ焔中に長時間晒された場合には、磁性体粒子の内部まで酸化されて、磁性が失われてしまう。そのため、磁性体粒子の表面のみが酸化される程度に処理することが望ましい。
上記した磁性体粒子は絶縁樹脂がなくても抵抗が高いので、高い圧力で成型して磁性体粒子の密度を高めることができる。その結果、比透磁率を高めることができ、より高性能なインダクタとすることができる。
Claims (3)
- 鉄合金からなる磁性体粒子を、
熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、
前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成した
ことを特徴とする磁性体粒子。 - 鉄合金からなる磁性体粒子を、
熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、
前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成した
ことを特徴とする磁性体粒子の製造方法。 - 磁性体粒子に、絶縁被覆された導線を巻回した巻線を埋設して、加圧することにより、形成されたインダクタにおいて、
前記磁性体粒子は、
鉄合金からなる磁性体粒子を、
熱プラズマ装置を用いた熱プラズマ焔中を落下させ、
前記磁性体粒子の表面にのみ酸化膜を形成した
ことを特徴とするインダクタ。
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---|---|---|---|
JP2015241847A JP2017108037A (ja) | 2015-12-11 | 2015-12-11 | 磁性体粒子および磁性体粒子の製造方法ならびにインダクタ |
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JP2015241847A Pending JP2017108037A (ja) | 2015-12-11 | 2015-12-11 | 磁性体粒子および磁性体粒子の製造方法ならびにインダクタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107516568A (zh) * | 2017-10-19 | 2017-12-26 | 广东工业大学 | 一种金属复合磁粉和金属磁粉芯 |
JP2019016777A (ja) * | 2017-07-05 | 2019-01-31 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 軟磁性粉末とその製造方法、およびそれを用いた圧粉磁心 |
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2015
- 2015-12-11 JP JP2015241847A patent/JP2017108037A/ja active Pending
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