JP5947815B2 - Bace阻害剤として有用な縮合アミノジヒドロチアジン誘導体 - Google Patents

Bace阻害剤として有用な縮合アミノジヒドロチアジン誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、縮合アミノジヒドロチアジン誘導体及びその薬剤的使用に関する。より具体的には、本発明は、アミロイドβ(以下、Aβと称する)タンパク質産生阻害効果又はベータサイトアミロイドβ前駆体タンパク質切断酵素1(以下、BACE1又はベータ−セクレターゼと称する)阻害効果を有し、Aβタンパク質によって引き起こされる神経変性疾患、特にアルツハイマー型認知症、ダウン症候群などを治療するのに有効な縮合アミノジヒドロチアジン誘導体に関し、縮合アミノジヒドロチアジン誘導体を活性成分として含む医薬組成物に関する。
アルツハイマー病は、ニューロンの変性及び消失並びに老人斑の生成及び神経原線維変化を特徴とする疾患である。現在、アルツハイマー病の症状はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤に代表される症状改善剤を用いて治療されるだけであり、病気の進行を防ぐための根本的な治療法はまだ開発されていない。アルツハイマー病のための根本的な治療法を生み出すために、病変の発現の原因を制御する方法を開発することが必要である。
アミロイド前駆体タンパク質(以下APPと称する)の分解産物としてのAβ−タンパク質は、ニューロンの変性及び消失並びに認知症の症状の発現に大いに関与していると推測される。Aβ−タンパク質は、主成分として、40個のアミノ酸からなるAβ40及び2個のアミノ酸がそのC末端に付加したAβ42を有する。Aβ40及びAβ42が非常に凝集しがちであり、老人斑の主な成分であることが知られている。さらに、Aβ40及びAβ42が、家族性アルツハイマー病において観察されるAPP及びプレセニリン遺伝子における変異によって増大することが知られている。したがって、Aβ40及びAβ42の産生を低下させる化合物は、アルツハイマー病のための疾患進行の阻害剤又は予防剤であると期待される。
Aβは、ベータ−セクレターゼ(BACE1)、それに続くガンマ−セクレターゼによるAPPの切断によって産生される。こうした理由で、Aβ産生を阻害するために、ガンマ−セクレターゼ及びベータ−セクレターゼ阻害剤を開発する試みがなされている。
公開国際特許出願WO2011/005738(Eli Lilly and Company)は、式(A)の化合物

(式中、R、R、R、X、m、n及びpはそこで定義されている)
及びBACE阻害剤としてのその使用を記載している。
式(B)の縮合アミノジヒドロチアジン化合物

(式中、環AはC6〜14アリール基などを表し;Lは−NRCO−[Rは水素原子などを表す]などを表し;環BはC6〜14アリール基などを表し;XはC1〜3アルキレン基などを表し;Yは単結合などを表し;ZはC1〜3アルキレン基などを表し;R及びRは独立に水素原子などを表し;R、R、R及びRは独立に水素原子、ハロゲン原子などを表す)
は、公開国際特許出願WO2009/091016(Eisai R&D Management Co.,Ltd.)にすでに開示されている。
式(C)のさらなる縮合アミノジヒドロチアジン化合物は公開国際特許出願WO2010/038686(Eisai R&D Management Co.,Ltd.)に開示されている:

(式中、環AはC6〜14アリール基などを表し;Lは−NRCO−[Rは水素原子などを表す]などを表し;その環BはC6〜14アリール基などを表し;XはC1〜3アルキレン基などを表し;Yは単結合などを表し;Zは酸素原子などを表し;R及びRはそれぞれ独立に水素原子などを表し;R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子などを表す)。
本発明は、WO2009/091016に開示されている化合物属からの選択を表す。
本発明の目的は、Aβ産生阻害効果又はBACE1阻害効果を有し、Aβによって引き起こされ、アルツハイマー型認知症に代表される神経変性疾患のための予防剤又は治療剤として有用であるさらなる化合物を提供することであり、この化合物は縮合アミノジヒドロチアジン誘導体である。
したがって、本発明は、式(I)の化合物:

(式中、
Xは水素又はフッ素であり;
AはCH又はNであり;
Yはメチル、エチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル又は−C≡Nである)
及び薬学的に許容されるその塩を提供する。
本発明の1つの実施形態では、Xは水素である。
本発明の別の実施形態では、AはNである。
本発明の別の実施形態では、Yはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又はメトキシである。
本発明の化合物の1つの好ましいグループは式(Ia)の化合物及び薬学的に許容されるその塩:

(式中、Yは上記で定義されている通りである。好ましくは、Yはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、メトキシ、エトキシ又はメトキシメチルである)
である。
一実施形態では、本発明は、Yがメトキシ又はモノフルオロメチルである式(Ia)の化合物を提供する。
本発明の化合物の別の好ましいグループは式(Ib)の化合物:

(式中、Yは上記で定義されている通りである。好ましくは、Yはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル又はメトキシである)
及び薬学的に許容されるその塩である。
本発明の化合物のさらなる好ましいグループは式(Ic)の化合物:

(式中、Yは上記で定義されている通りである。好ましくは、Yはメチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ又は−C≡Nである)
及び薬学的に許容されるその塩である。
本発明の好ましい化合物は:
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチルピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチルピコリンアミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−エチルピコリンアミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピコリンアミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−エトキシピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(1,1−ジフルオロエチル)ピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシメチル)ピラジン−2−カルボキサミド:

N−{3−[(4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5−ジヒドロ−4H−フロ[3,4 d][1,3]チアジン−7a(7H) −イル]−4−フルオロフェニル}−5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−メチルピラジン−2−カルボキサミド:

N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)−ピラジン−2−カルボキサミド:

及び薬学的に許容されるその塩である。
一実施形態では、本発明は、N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミドである化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
別の実施形態では、本発明は、N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミドである化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
化合物1−(20)のキラルHPLC単離による典型的なクロマトグラムである。
本発明の範囲内の特定の化合物には、以下の実施例で挙げられるもの及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
本明細書で用いる「ジフルオロエチル」という用語は、2個の炭素原子を有し、2個のフッ素原子で置換されているアルキル基を指す。この基の例はCH−CF−、CHF−CHF−及びCHF−CH−である。本発明において、この基は好ましくはCH−CF−である。
式(I)の化合物は、特定の異性体に限定されず、可能なすべての異性体(ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体及び回転異性体など)及びそれらの混合物を含む。例えば、式(I)の化合物には以下の互変異性体:

が含まれる。
本発明の化合物は、式(I)内のテトラヒドロフロ−チアジニル環上に位置する3つのキラル中心を含む。これらのキラル中心のそれぞれでの立体化学的配置は好ましくはSである、すなわちそれらは(4aS,5S,7aS)立体異性体である。疑念を避けるためであるが、本発明の(4aS,5S,7aS)立体異性体は、可能な他の立体異性体の1つ又は複数との混合物として、例えばラセミ混合物で存在することができる。
一実施形態では、本発明は、(4aS,5S,7aS)キラル中心で立体化学的に純粋である式(I)の化合物を提供する。本明細書の文脈において、立体化学的に純粋なものという用語は、80重量%以上の(4aS,5S,7aS)立体異性体及び20重量%以下の他の立体異性体を有する化合物を表す。さらなる実施形態では、式(I)の化合物は90重量%以上の(4aS,5S,7aS)立体異性体及び10重量%以下の他の立体異性体を有する。なおさらなる実施形態では、式(I)の化合物は95重量%以上の(4aS,5S,7aS)立体異性体及び5重量%以下の他の立体異性体を有する。いっそうさらなる実施形態では、式(I)の化合物は97重量%以上の(4aS,5S,7aS)立体異性体及び3重量%以下の他の立体異性体を有する。
本明細書において、結晶多形型の化合物が存在してよいが、その化合物は同様にそれに限定されるものではなく、単結晶形態又は単結晶形態の混合物として存在してもよい。化合物は無水物であっても水和物であってもよい。これらの形態のいずれも本明細書の特許請求の範囲に包含される。
本発明は又、1個若しくは複数の原子が、自然界で見られる通常の原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子で置き換えられていること以外は式(I)の化合物と同じである同位体標識した化合物も含む。本発明の化合物に取り込むことができる同位体の例には、H、H、11C、14C、13N、15O、18F、32P、99mTc、123I及び131Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、リン、塩素、テクネチウム及びヨウ素の同位体が含まれる。
上記同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物及び前記化合物の薬学的に許容される誘導体(例えば塩)は本発明の範囲内である。本発明の同位体標識化合物、例えばその中にH及び/又は14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織分布アッセイにおいて有用である。その調製の容易さ及び可検出性のため、H及び14Cが有用であると考えられる。11C、15O及び18F同位体はPET(陽電子放出断層撮影)において有用であると考えられ、99mTc、123I及び131I同位体はSPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)において有用であると考えられ、すべて脳撮像において有用である。Hなどのより重い同位体での置換は、より高い代謝的安定性により得られる特定の治療上の利点、例えばインビボでの半減期の増大又は必要用量の減少をもたらすことができ、したがって状況によっては有用であると考えられる。同位体標識した本発明の式(I)の化合物は一般に、同位体標識していない試薬を容易に入手できる同位体標識した試薬で置き換えて、以下のスキーム及び/又は実施例において開示されている手順を実施することによって調製することができる。
本発明による式(I)の縮合アミノジヒドロチアジン誘導体は、薬学的に許容される塩であってよい。薬学的に許容される塩には、Berge、Bighley及びMonkhouse、J.Pharm.Sci.、1977、766、1〜19に記載されているものが含まれる。薬学的に許容される塩の具体的な例には、無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩及びヨウ化水素酸塩など)、有機カルボン酸塩(酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、マロン酸及び乳酸塩など)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩及びカンファースルホン酸塩など)、アミノ酸塩(アスパラギン酸塩及びグルタミン酸塩など)、四級アミン塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩など)及びアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩及びカルシウム塩など)が含まれる。
本発明による式(I)の化合物は、必要に応じて、慣用的な方法で薬学的に許容される塩に転換させることができる。この塩は、有機合成化学などの分野で典型的に用いられる方法を適切に組み合わせた方法で調製することができる。その方法の具体的な例には、本発明の化合物の遊離溶液の酸溶液での中和滴定が含まれる。
本発明による式(I)の縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又は薬学的に許容される塩はそれらの溶媒和物であってよい。溶媒和物の例には、水和物が含まれる。
本発明による式(I)の化合物は、必要に応じて、その化合物をそれ自体知られている溶媒和物形成反応にかけることによって溶媒和物に転換させることができる。
本発明は、治療において使用するための式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩をさらに提供する。
本発明による縮合アミノジヒドロチアジン誘導体若しくは薬学的に許容されるその塩又はその溶媒和物は優れたAβ産生阻害効果又はBACE1阻害効果を有しており、Aβによって引き起こされ、アルツハイマー型認知症に代表される神経変性疾患のための予防剤又は治療剤として有用である。本発明の化合物はAβ40とAβ42の両方を減少させる。さらに、本発明の化合物はBACE2阻害効果を有することができる。
したがって、別の態様では、本発明は、アミロイドβタンパク質の産生を阻害するための上記で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
さらなる態様では、本発明は、ベータ−サイトアミロイドβ前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害するための上記で定義されている式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
さらなる態様では、本発明は、神経変性疾患を治療するための上記で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。神経変性疾患の例には、アルツハイマー型認知症(AD)、ダウン症候群、脳血管アミロイド血管症(CAA)、軽度認知障害(MCI)、記憶喪失、初老期認知症、老年性認知症、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、並びに他の変性性認知症、例えば混合型の血管及び変性由来(mixed vascular and degenerative origin)の認知症、核上性麻痺に伴う認知症、大脳皮質基底核変性症に伴う認知症、パーキンソン病(PD)に伴う認知症及びびまん性レヴィー小体型のADに伴う認知症が含まれる。一実施形態では、神経変性疾患はアルツハイマー型認知症(AD)である。
別の態様では、神経変性疾患、例えばアルツハイマー型認知症(AD)、ダウン症候群、脳血管アミロイド血管症(CAA)、軽度認知障害(MCI)、記憶喪失、初老期認知症、老年性認知症、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、並びに他の変性性認知症、例えば混合型の血管及び変性由来の認知症、核上性麻痺に伴う認知症、大脳皮質基底核変性症に伴う認知症、パーキンソン病(PD)に伴う認知症及びびまん性レヴィー小体型のADに伴う認知症などの治療又は予防用の医薬の製造のための上記で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。一実施形態では、神経変性疾患はアルツハイマー型認知症(AD)である。
別の態様では、本発明は、アミロイドβタンパク質の産生を阻害する、且つ/又は神経変性疾患、例えばアルツハイマー型認知症(AD)、ダウン症候群、脳血管アミロイド血管症(CAA)、軽度認知障害(MCI)、記憶喪失、初老期認知症、老年性認知症、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、並びに他の変性性認知症、例えば混合型の血管及び変性由来の認知症、核上性麻痺に伴う認知症、大脳皮質基底核変性症に伴う認知症、パーキンソン病(PD)に伴う認知症及びびまん性レヴィー小体型のADに伴う認知症などを治療又は予防する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療上又は予防上有効な量の式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。神経変性疾患の例には上述したものが含まれる。一実施形態では、神経変性疾患はアルツハイマー型認知症(AD)である。「有効な量」とは、対象に利益をもたらす、又は少なくとも対象の状態に変化をもたらすのに十分な量を意味する。
本発明の化合物で治療できるさらなる状態には、2型糖尿病、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、末梢神経損傷、末梢性ニューロパシー、進行性核上麻痺、脳梗塞、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自己免疫疾患、炎症、動脈血栓症、不安症、精神障害、てんかん、発作、けいれん、ストレス障害、血管アミロイドーシス、疼痛、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、スクレイピー、脳症、脊髄小脳運動失調症(spino cerebellar ataxia)、ウィルソン病、グレーブス病、ハンチントン病、ウィップル病、コストマン病、緑内障、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、アミロイドーシスを伴う脳出血、血管アミロイドーシス、脳の炎症、脆弱性X症候群、脳梗塞、トゥレット症候群、封入体筋炎、ストレス障害、うつ病、双極性障害及び強迫性障害が含まれる。
一態様では、本発明は、2型糖尿病を治療するための上記で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩をさらに提供する。さらなる態様では、本発明は、2型糖尿病の治療又は予防用の医薬の製造のための上記で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用をさらに提供する。
なおさらなる態様では、本発明は、アミロイドβタンパク質の産生を阻害する、且つ/又は2型糖尿病を治療又は予防する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療上又は予防上有効な量の式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法をさらに提供する。
本発明のさらなる態様は、上記で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を、活性成分として、薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。この組成物は、意図する投与方法に応じて適切な任意の形態であってよい。それは例えば、経口投与のための錠剤、カプセル剤又は液体の形態であっても、非経口で投与するための液剤又は懸濁剤の形態であってもよい。
本発明による縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又は薬学的に許容されるその塩は、慣用的な方法で処方することができる。その剤形の好ましい例には、錠剤、フィルムコート錠剤及び糖衣錠などのコーティング錠剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤及びローション剤が含まれる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び散剤などのこれらの固体製剤は一般に、0.01〜100wt%、好ましくは0.1〜100wt%の本発明による縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又は薬学的に許容されるその塩を活性成分として含むことができる。
活性成分は、医薬製剤用の材料として一般に使用される成分をブレンドし、典型的に用いられる添加剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤及び矯正剤(corrective)を加え、必要に応じて、例えば慣用的な方法を用いて安定剤、乳化剤、吸収剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤及び酸化防止剤を加えることによって処方することができる。そうした成分の例には、動物油及び植物油、例えば大豆油、牛脂及び合成グリセリド;炭化水素、例えば流動パラフィン、スクアラン及び固形パラフィン;エステル油、例えばオクチルドデシルミリステート及びイソプロピルミリステート;高級アルコール、例えばセトステアリルアルコール及びベヘニルアルコール;シリコーン樹脂;シリコーン油;界面活性剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;水溶性ポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びメチルセルロース;低級アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール;多価アルコール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びソルビトール;糖類、例えばグルコース及びスクロース;無機粉末、例えば無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム及びケイ酸アルミニウム;並びに精製水が含まれる。使用される添加剤の例には、ラクトース、コーンスターチ、サッカロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、結晶セルロース及び二酸化ケイ素が含まれる。使用される結合剤の例には、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガカント、ゼラチン、セラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール−ポリオキシエチレンブロックコポリマー及びメグルミンが含まれる。使用される崩壊剤の例には、デンプン、寒天、ゼラチン粉末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン及びカルボキシメチルセルロースカルシウムが含まれる。使用される滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ及び硬化植物油が含まれる。使用される着色剤の例には、薬剤への添加が許容されるものが含まれる。使用される矯正剤の例には、ココアパウダー、メントール、化粧粉(empasm)、ハッカ油、ボルネオール及びシナモンパウダーが含まれる。成分が上記の添加用成分に限定されないことが明らかである。
例えば、経口製剤は、活性成分としての本発明による縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又は薬学的に許容されるその塩を、添加剤、必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯正剤などを添加し、次いでその混合物を、慣用的な方法で散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、コーティング錠剤、カプセル剤などに形成することによって調製する。明らかに、錠剤又は顆粒剤は必要に応じて、適切にコーティングする、例えば糖コーティングすることができる。
例えば、シロップ剤又は注射用製剤は、慣用的な方法で、pH調整剤、可溶化剤、等張剤などを添加し、必要に応じて溶解補助剤(solubilizing agent)、安定剤などを添加することによって調製される。注射剤は、予め調製された液剤であっても、使用前に溶解される粉末それ自体又は適切な添加物を含む粉末であってもよい。注射剤は、通常0.01〜100wt%、好ましくは0.1〜100wt%の活性成分を含むことができる。さらに、懸濁剤又はシロップ剤などの経口投与用の液体製剤は、通常0.01〜100wt%、好ましくは0.1〜100wt%の活性成分を含むことができる。
例えば、外用製剤は特に制限なく、慣用的な任意の方法で調製することができる。ベース材料として、医薬品、医薬部外品、化粧品などに通常使用される様々な材料のいずれかを使用することができる。ベース材料の例には、動物油及び植物油、鉱油、エステル油、ワックス、高級アルコール、脂肪酸、シリコーン油、界面活性剤、リン脂質、アルコール、多価アルコール、水溶性ポリマー、粘土鉱物及び精製水などの材料が含まれる。必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤、キレート剤、防腐剤及び防かび剤、着色剤、香味剤などを添加することができる。さらに、必要に応じて、分化誘導効果を有する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞活性剤、ビタミン、アミノ酸、保湿剤及び角質溶解剤などの成分をブレンドすることができる。
本発明による縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又は薬学的に許容されるその塩の用量は、例えば症状の程度、年齢、性別、体重、投与方法、塩の種類及び具体的な疾患の種類によって変動する。典型的に、活性成分は、それぞれ1用量又は複数用量で、成人に1日当たり約30μg〜10g、好ましくは100μg〜5g、より好ましくは100μg〜1g経口投与される、又は注射により成人に1日当たり約30μg〜1g、好ましくは100μg〜500mg、より好ましくは100μg〜300mg投与される。
式(I)の化合物は、他の治療剤、例えばアルツハイマー病などの神経変性疾患の予防維持又は対症療法として有用であると主張されている医薬と併用することができる。したがってさらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩である第1の活性成分と、神経変性疾患の治療に有用な少なくとも1つのさらなる活性成分とを組み合わせて含む医薬製品を提供する。本発明の1つの実施形態では、その神経変性疾患はアルツハイマー型認知症(AD)である。そうしたさらなる活性成分の適切な例は、対症療法剤、例えばコリン作動性伝達を修飾することが知られているもの、例えばM1及びM3ムスカリン性受容体アゴニスト又はアロステリック調節因子、M2ムスカリン性アンタゴニスト、M4アゴニスト又は陽性アロステリック調節因子(PAM)、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(テトラヒドロアミノアクリジン、塩酸ドネペジル及びリバスティグミンなど)、ニコチン性受容体アゴニスト又はアロステリック調節因子(α7アゴニスト若しくはアロステリック調節因子又はα4β2アゴニスト若しくはアロステリック調節因子など)、PPARアゴニスト(PPARγアゴニストなど)、5−HT受容体アゴニスト若しくは半アゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、5−HT受容体アンタゴニスト又は5HT1A受容体リガンド及びNMDA受容体アンタゴニスト若しくは調節因子、5−HT2Aアンタゴニスト、5−HTアンタゴニスト、D1アゴニスト又はPAM、D4アゴニスト又はPAM、D5アゴニスト又はPAM、GABA−A α5逆アゴニスト又は陰性アロステリック調節因子(NAM)、GABA−A α2/3アゴニスト又はPAM、mGluR2調節因子(PAM又はNAM)、mGluR3PAM、mGluR5PAM、PDE1阻害剤、PDE2阻害剤、PDE4阻害剤、PDE5阻害剤、PDE9阻害剤、PDE10阻害剤、GlyT1阻害剤、DAAO阻害剤、ASC1阻害剤、AMPA調節因子、SIRT1活性化因子又は阻害剤、AT4アンタゴニスト、GalR1アンタゴニスト、GalR3リガンド、アデノシンA1アンタゴニスト、アデノシンA2aアンタゴニスト、α2Aアンタゴニスト若しくはアゴニスト、選択的及び非選択的ノルエピネフリン再摂取阻害剤(SNRI)或いは潜在的疾患改変剤(potential disease modifying agent)、例えばガンマセクレターゼ阻害剤若しくは調節因子、アルファセクレターゼ活性化因子若しくは調節因子、アミロイド凝集阻害剤、アミロイド抗体、タウ凝集阻害剤若しくはタウ・リン酸化/キナーゼ阻害剤、タウ脱リン酸化/ホスファターゼ活性化因子、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ4(MKK4/MEK4/MAP2K4)阻害剤、c−Jun N末端キナーゼ(JNK)阻害剤、カゼインキナーゼ阻害剤、MK2(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性化タンパク質キナーゼ2)阻害剤、MARK(微小管親和性制御キナーゼ)阻害剤、CDK5(サイクリン依存性キナーゼ5)阻害剤、GSK−3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤及びタウ−チューブリンキナーゼ−1(TTBK1)阻害剤であってよい。そうした他の治療剤のさらなる例は、カルシウムチャネル遮断薬、HMG−CoA(3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−CoA)レダクターゼ阻害剤(スタチン)及び高脂血症治療剤(lipid lowering agent)、NGF(神経成長因子)模倣体、抗酸化剤、GPR3リガンド、プラスミン活性化因子、ネプリライシン(NEP)活性化因子、IDE(インスリン分解酵素)活性化因子、メラトニンMT1及び/又はMT2アゴニスト、TLX/NR2E1(無尾(tailless)X受容体)リガンド、GluR1リガンド、RAGE(終末糖化産物のための受容体)アンタゴニスト、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、FPRL−1(ホルミルペプチド様受容体−1)リガンド、GABAアンタゴニスト及びMICAL(casLと相互作用する分子)阻害剤、例えばオキソレダクターゼ阻害剤、CB1アンタゴニスト/逆アゴニスト、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、抗炎症剤(例えば、神経炎症を増進させるか又は減少させることによって神経炎症を治療するのに使用できる薬剤)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)リガンド、抗アミロイドワクチン及び/又は抗体、アミロイド流出及び/又はクリアランスを促進又は増進させる薬剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、EP2アンタゴニスト、11−β HSD1(ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ)阻害剤、肝臓X受容体(LXR)アゴニスト又はPAM、リポタンパク質受容体関連タンパク質(LRP)模倣体及び/又はリガンド及び/又は増進剤及び/又は阻害剤、ブチリルコリンエステラーゼ阻害剤、キヌレニンアミノトランスフェラーゼ(KAT)のキヌレン酸アンタゴニスト及び/又は阻害剤、オルファニンFQ/ノシセプチン(NOP)/オピオイド様受容体1(ORL1)アンタゴニスト、興奮性アミノ酸トランスポーター(EAAT)リガンド(活性化因子又は阻害剤)及びプラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1(PAI−1)阻害剤、ナイアシン及び/又はコレステロール降下剤と組み合わせたGPR109アゴニスト又はPAM及び/又はHMGCoAレダクターゼ阻害剤(スタチン)、ジメボリン又は類似薬剤、抗ヒスタミン剤、金属結合剤/キレート剤、抗生物質、成長ホルモン分泌促進物質、コレステロール降下剤、ビタミンE、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール流出促進剤及び/又は活性化因子及びインスリン上方調節剤であってよい。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩である第1の活性成分と、
・コリンエステラーゼ阻害剤、例えばドネペジル、ガランタミン、リバスチガミン(rivastigamine)、テトラヒドロアミノアクリジン及び薬学的に許容されるそれらの塩、
・5−HTアンタゴニスト、例えばSB−742457及び薬学的に許容されるその塩、
・HMGCoAレダクターゼ阻害剤、例えばロバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン及び薬学的に許容されるそれらの塩
から選択される少なくとも1つのさらなる活性成分とを組み合わせて含む医薬製品を提供する。
そうした組合せの個々の成分は、別個の又は合わせた医薬処方物で連続的か又は同時に投与することができる。したがって、この医薬製品は、例えば第1の活性成分及びさらなる活性成分を混合して含む医薬組成物であってよい。或いは、医薬製品は例えば、それを必要とする患者に同時、逐次又は別個に投与するのに適した別々の医薬製剤の中に第1の活性成分及びさらなる活性成分を含むことができる。
上記で参照した組合せは、医薬処方物の形態で使用するために好都合に提供することができ、したがって、上記に定義した組合せを薬学的に許容される担体又は添加剤と一緒に含む医薬処方物は本発明のさらなる態様を構成する。
式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を第2の活性治療剤と併用する場合、各化合物の用量は、その化合物を単独で使用する場合と異なっていてよい。当業者は適切な用量を容易に理解するであろう。
したがって、本発明の追加の態様は、少なくとも1つの上記で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を1つ若しくは複数の薬学的に許容される補助剤、賦形剤又は担体、及び/又は1つ若しくは複数の他の治療上又は予防上活性な薬剤と混合するステップを含む、医薬組成物の調製方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩、アルツハイマー病を治療するための1つ若しくは複数の他の薬剤、例えばM1及びM3ムスカリン性受容体アゴニスト又はアロステリック調節因子、M2ムスカリン性アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ニコチン性受容体アゴニスト又はアロステリック調節因子、PPARアゴニスト、5−HT4受容体アゴニスト又は半アゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、5−HT受容体アンタゴニスト、5HT1A受容体リガンド、NMDA受容体アンタゴニスト又は調節因子、5−HT2Aアンタゴニスト、5−HTアンタゴニスト、D1アゴニスト又は陽性アロステリック調節因子(PAM)、D4アゴニスト又はPAM、GABA−A α5逆アゴニスト又は陰性アロステリック調節因子(NAM)、GABA−A α2/3アゴニスト又はPAM、mGluR2調節因子(PAM又はNAM)、mGluR3PAM、mGluR5PAM、PDE1阻害剤、PDE2阻害剤、PDE4阻害剤、PDE5阻害剤、PDE9阻害剤、PDE10阻害剤、GlyT1阻害剤、DAAO阻害剤、ASC1阻害剤、AMPA調節因子、SIRT1活性化因子又は阻害剤、AT4アンタゴニスト、GalR1アンタゴニスト、GalR3リガンド、アデノシンA1アンタゴニスト、アデノシンA2aアンタゴニスト、α2Aアンタゴニストorアゴニスト、選択的及び非選択的ノルエピネフリン再摂取阻害剤(SNRI)、ガンマセクレターゼ阻害剤又は調節因子、アルファセクレターゼ活性化因子又は調節因子、アミロイド凝集阻害剤、アミロイド抗体、タウ凝集阻害剤、タウ・リン酸化阻害剤、MK2(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性化タンパク質キナーゼ2)阻害剤、MARK(微小管親和性制御キナーゼ)阻害剤、CDK5(サイクリン依存性キナーゼ5)阻害剤、GSK−3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、HMG−CoA(3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−CoA)レダクターゼ阻害剤(スタチン)及び高脂血症治療剤、NGF(神経成長因子)模倣体、抗酸化剤、GPR3リガンド、プラスミン活性化因子、ネプリライシン(NEP)活性化因子、IDE(インスリン分解酵素)活性化因子、メラトニンMT1及び/又はMT2アゴニスト、TLX(無尾X受容体)リガンド、GluR1リガンド、RAGE(終末糖化産物のための受容体)アンタゴニスト、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、FPRL−1(ホルミルペプチド様受容体−1)リガンド、GABAアンタゴニスト又はMICAL(casLと相互に作用する分子)阻害剤、例えばオキソレダクターゼ阻害剤を、薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を、別個の又は合わせた医薬処方物で、逐次又は同時投与するための本明細書で上述したさらなる治療剤と一緒に含む組合せを提供する。
さらなる態様では、本発明は、アミロイドβタンパク質の産生を阻害する、且つ/又は神経変性疾患、例えばアルツハイマー型認知症(AD)、ダウン症候群、脳血管アミロイド血管症(CAA)、軽度認知障害(MCI)、記憶喪失、初老期認知症、老年性認知症、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、並びに他の変性性認知症、例えば混合型の血管及び変性由来の認知症、核上性麻痺に伴う認知症、大脳皮質基底核変性症に伴う認知症、パーキンソン病(PD)に伴う認知症及びびまん性レヴィー小体型のADに伴う認知症などを治療又は予防する方法であって、そうした状態に苦しむヒト対象に、治療上若しくは予防上有効な量の上述した医薬組成物、又は上記で定義されている式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。「有効な量」とは、対象に利益をもたらす、又は少なくとも対象の状態に変化をもたらすのに十分な量を意味する。
アルツハイマー病(AD)は、種々の長さ、例えば42アミノ酸(Aβ42)及び40アミノ酸(Aβ40)のアミロイド(Aβ)ペプチドからなる神経原線維変化(NFT)及び斑の存在によって病理学的に特徴づけられる。これらの病理学的マーカーに加えて、脳萎縮も明白である。斑の増加は、Aβペプチドの凝集に起因すると考えられている。Aβペプチドは、β−セクレターゼ(BACE−1)及びγ−セクレターゼによるアミロイド前駆体タンパク質(APP)の逐次的切断によって脳内で形成される。したがって、BACE−1又はγ−セクレターゼの阻害によるアミロイド生成の阻害を目的とした潜在的なAD薬物は、ADに対して効果を発揮するために、脳内での十分な暴露を達成できなければならない。
BACE−1は、アミロイドペプチドの産生を止める又は遅延させるための魅力的な標的を代表するものであるが、様々なグループは、中枢神経系(CNS)を透過できる、したがって作用部位で酵素を阻害することができるBACE−1阻害剤を特定することが困難なものであることを見出している。
脳は、血液脳関門(BBB)及びトランスポーターを含むいくつかの関門によって保護されている(Hitchcock及びPennington、J Med Chem 2006、29、7559;Ueno、Curr.Med.Chem.2007、14、1199;Gloorら、Brain Res.Rev.2001、36、258)。いくつかの流出トランスポーターは、化合物が脳内に入るのを阻止することを特徴とする。生体異物のCNS透過を阻止するのに最も特徴的で最も顕著なものの1つはP−糖タンパク質(Pgp)である(Kusuhara及びSugiyama、Drug Discovery Today、2001、6、150;Mahar Doanら、J.Pharm.Expt.Ther.2002、303、1029;Lin、Drugs of Today 2004、40、5;Lin & Yamazaki、Clin Pharmacokinet.2003、42、59;Schinkel、Adv.Drug Deliv.Rev.1999、36、179)。Pgp流出はBACE−1阻害剤のために重要であることが分かっている(Hussainら、J.Neurochem.2007、100、802)。したがって、Pgp流出を克服することが重要である。
当業者は、インビトロ又はインビボでのCNS透過を測定又は予測するのにはいくつかの方法があることを理解するであろう。CNS透過の可能性は、化合物にPgp流出を受けさせることができるかどうかを判定することによって、すなわち、インビトロでのPgpアッセイを実施することによってインビトロで評価することができる。当業者は、いくつかの細胞系を用いることができ、これらの細胞系はアッセイの結果に影響を及ぼすこともあり、又は及ぼさないこともあることを理解するであろう。そうした1つのアッセイを以下で説明する(Cyprotex UK)。
Pgp流出を評価するために、以下のMDR−1MDCKアッセイを用いた。このアッセイは、Cyprotex Discovery Ltd.15 Beech Lane、Macclesfield、Cheshire、UK、SK10 2DRで実施した。
MDR1−MDCK透過性(双方向;pH7.4/pH7.4)
プロトコール概要
MDCK細胞はイヌ腎臓由来の上皮細胞系である。これらの細胞に遺伝子導入して活性P−糖タンパク質(MDR1−MDCK)を安定的に発現させることができ、これは薬物流出を試験するのに理想的である。テスト化合物をMDR1−MDCK細胞の融合性単層の頂端側か又は基底外側の側面に加え、LC−MS/MSを用いて、膜の反対側上のテスト化合物の出現を監視することによって、透過性を測定した。この見掛けの透過性(Papp)係数から、流出比を測定し/計算した。
目的
MDR1−MDCK細胞を横切って、頂端側から基底外側へ(A−B)及び基底外側から頂端側へ(B−A)の方向でテスト化合物の透過性を測定するため。化合物にP−糖タンパク質流出が施されているかどうかを示すために、B−A透過性とA−B透過性の比を計算した(流出比)。
化合物を、DMSO中の10mMテスト化合物の200μLの溶液として提供した。
実験手順
NIH(Rockville、MD、USA)から入手したMDR1−MDCK細胞を使用した。コンフルエントになるまで培養した後、単層を、37℃で基底外側表面と頂端側表面の両方をpH7.4緩衝液で2回すすいで調製した。次いで細胞を、頂端側コンパートメントと基底外側コンパートメントの両方においてpH7.4緩衝液で40minインキュベートして生理的パラメーターを安定化させた。
次いで、pH7.4で緩衝液を頂端側コンパートメントから取り出し、テスト化合物投与溶液で置き換えた。この溶液は、DMSO中の10mMテスト化合物を緩衝液で希釈して、最終テスト化合物の濃度が10μMとなるように調製した(最終DMSO濃度を1%に調整)。蛍光強度マーカールシファーイエローも投与溶液中に含めた。次いで頂端側コンパートメントインサートをpH7.4の新鮮な緩衝液を含む「コンパニオン」プレートに配置した。投与溶液から分析標準を作製した。
基底外側から頂端側(B−A)への実験のため、インサート中の緩衝液を取り替え、次いでこれらを、投与溶液を含むコンパニオンプレート中に配置して実験を開始させた。インキュベーションを、5%COの雰囲気中、95%の相対湿度、37℃で60分間実施した。
インキュベーション期間の後、コンパニオンプレートを取り出し、頂端側及び基底外側のサンプルを、LC−MS/MSによる分析用に希釈した。テスト化合物の透過性を2連で評価した。各プレートについて、既知の透過特性の化合物を対照として実行した。
テスト化合物及び対照化合物を、適切な希釈度のサンプルでの5点較正を用いてLC−MS/MSカセット分析により定量化した。Cyprotexの一般的分析条件を使用した。出発濃度(C)を、投与溶液並びにC及び頂端側コンパートメント濃度と基底外側コンパートメント濃度の両方から計算された実験の回収率から決定した。
実験を通しての単層の完全性は、蛍光分析を用いてルシファーイエロー透過を監視することによってチェックした。単層が損傷を受けていないと、ルシファーイエロー透過は低い。個々のテスト化合物の1つのウェルにおいて、ルシファーイエローPapp値がQC限界より大きかったら、n=1の結果を記録した。ルシファーイエローPapp値が、テスト化合物について両方の複製ウェルにおいてQC限界より大きかったら、その化合物を再テストした。繰り返して、高いルシファーイエロー透過が両方のウェルで観察されたら、テスト化合物の毒性又は固有蛍光を推測した。この場合さらなる実験は実施しなかった。
データ分析
各化合物(Papp)の透過係数を以下の式:
app=(dQ÷dt)÷(C×A)
から計算した。ここで、dQ/dtは細胞を横切る薬物の透過速度であり、Cは時間ゼロでの供与コンパートメント濃度であり、Aは細胞単層の面積である。Cは、実験の開始時に投与溶液の分析によって得た。
さらに、流出比(ER)は平均のA−B及びB−Aデータから計算した。これは:
ER=((Papp(B−A))÷((Papp(A−B))
から導かれる。
2つの対照化合物を、テスト化合物、プロプラノロール(高度に透過性である)及びプラゾシン(P−糖タンパク質のための基質)と一緒にスクリーニングした。
驚くべきことに、本発明による化合物は、WO2009/091016に例示されている化合物より小さいPgp流出比を示すことが見出された。これは、これらの化合物が、より高いCNS透過を示す可能性を有していることを示唆している。選択された例についてのデータを以下の表1に示す。

注記:実施例14は意図的に含めていない。
比較例1〜6は公開国際特許出願WO2009/091016にて包含されており;比較例1〜4は、WO2009/091016において、それぞれ実施例32、35、54及び73として具体的に記載されている。
比較例5及び6はそれぞれ、
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(フルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−エトキシピコリンアミド及び
N−(3−((4aS,5R,7aS)−2−アミノ−5−メチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−エトキシピコリンアミドである。
このデータは、上記で確認したCNS透過を評価する方法を用いて、本発明の化合物並びに特定の例1〜13及び15〜18はより低いPgp流出を有しており、したがって、WO2009/091016の代表的な実施例より高いCNS透過を有する可能性があることを実証している。例えば、比較例1〜6は本発明の化合物より高いPgp流出比を有する。さらに、比較例5及び6は近似した類似体、本発明の実施例10より高いPgp流出比を有しており、これは、テトラヒドロフラン環上のトリフルオロメチル基がPgp流出に影響を及ぼす、すなわちトリフルオロメチル基がPgp流出を低下させるという有益な効果を明らかに実証している。
当業者は、上述したインビトロでのPgpアッセイが、インビボでのCNS透過の予測的アッセイであることを理解するであろう。したがって、これは低いPgp媒介流出がインビボでの状況に翻訳される場合にも非常に望ましいことである。当業者は、インビボでの化合物のCNS透過を評価するための多くの方法があることを理解するであろう。例えば、血液又は血漿中及び脳内の化合物濃度を定量化し、脳:血液(Br:Bl)又は脳:血漿(Br:Pl)比を計算することができる。この方法は歴史的に用いられており、CNS透過を判定する方法として広く受け入れられている(Summerfieldら、J Pharmacol.Expt.Ther.2007、322、205)。当業者は、この種のアッセイを定常状態、単一の時点、複数の時点で実施するか、又は曲線下面積(AUC)比を引用することによって行うことができることを理解するであろう。すべての方法は等しく有効であるが、それぞれは、当業者が理解される特定の注意すべき点(caveat)を有している。インビボでの遊離濃度を考慮することが重要であり、脳から流出が起こらない場合、その遊離血漿濃度は遊離脳濃度と同じか又はそれと同等であるはずであると提案する文献が最近公開されている(Kalvass及びMaurer、Biopharmaceutics & Drug Disposition 2002、23、327;Mauerら、Drug Metab.Disposition 2005、33、175;Trainor Expert Opin.Drug Discov.2007、2、51)。したがって、CNSを自由に透過することができ、例えばPgp又は別のトランスポーターによって活発な流出に曝されていない化合物は、約1:1の遊離脳:遊離血漿(Brfr:Plfr)又は非結合脳:非結合血漿(Br:Pl)を示すはずである。当業者は、遊離又は非結合濃度を、合計脳濃度又は合計血漿濃度に、以下で説明するアッセイで測定することができる脳組織又は血漿中の非結合型分率を乗ずることによって計算することができることを理解するであろう。当業者は、非結合型分率が実験的因子、例えば濃度又は温度等によって変化し得ることを理解するであろう。当業者はこれを評価し、最も適した条件一式を選択することができよう。当業者は又、その条件がスクリーニングされた各化合物について同じである限り、アッセイはテストされる化合物の範囲について一貫したデータをもたらし、したがって不一致を最小限にすることになることも理解するであろう。脳から活発に流出しない化合物について、脳脊髄液(CSF)中の薬物濃度が遊離脳濃度と同等であることも提案されている(Heら、Xenobiotica 2009、39、687)。したがって、CNS透過を決定するための別の方法はCSF:遊離血漿(CSF:Plfr)又はCSF:非結合血漿(CSF:Pl)を評価する方法となる。血漿中の遊離薬物がCNS中へ浸透することが可能であり、活発に流入又は流出しない場合、そのCSF:Plfr又はCSF:Plは約1:1となるはずである。当業者は、CSF薬物濃度の決定及びCSFの抽出に関連した問題を理解するであろう。例えばCSFは、抜き出しの方法次第で、血液によって汚染される可能性があり、又、用いられる用量次第で、CSF濃度はより精度の低いものとなる可能性がある。
したがって、低いCNS暴露を有するGlaxoSmithKline(GSK188909)のBACE阻害剤、BACE−1 IC50 5nMは、急性投与で、TASTPMマウス(ヒトAPPsweK595N/M596IとPS−1M146Vの両方を過剰発現する)の脳内でのAβ40産生を低下させるという点で効果がなかったことが示されている(Hussainら、J.Neurochem.2007、100、802〜809)。250mg/kgの経口投与の後、TASTPMマウスにおけるGSK188909の脳濃度は0.62uMであった。GSK188909の経口投与の5時間前にPgp阻害剤(GF120918)を投与すると、250mg/kgの経口投与の後、GSK188909の脳濃度は5.43uMであることが分かった。すなわち、Pgp阻害剤の同時投与はCNS透過のほぼ9倍の増大をもたらし、これは、Pgp流出はBACE阻害剤がCNSを透過するのを防止することにおける重要な機序であることを示している。さらに、Pgp阻害剤が存在しない場合、GSK188909の250mg/kg経口投与はTASTPMマウスの脳Aβ40レベルに対して何ら影響を及ぼさなかったが、Pgp阻害剤を同時投与した場合(GSK188909の投与5時間前)、ビヒクル処理マウスに対して脳Aβ40レベルの68%低下が観察された。
Bristol−Myers Squibbの別の論文により、3つのBACE−1阻害剤での同様の効果が報告されている(Meredithら、J.Pharm.Expt.Ther.2008、326、502〜513)。報告されているこの3つの化合物は、インビトロでPgp基質であることが見出されている。マウスに投与すると、3つの化合物は低いCNS透過を示し、脳内のアミロイドレベルを低下させていなかったが、血漿アミロイドレベルを低下させることはできていた。同じ3つの化合物をPgpノックアウト(KO)マウスに投与した場合、CNS透過のレベルは増大し、これらの化合物は、脳内のアミロイドレベルを低下させることができた。
Schering−Ploughの研究者はまた、そのシリーズ(例えば上記参考文献の実施例11)のBACE−1阻害剤がPgp流出を受け、その結果として化合物はラットにおいて低いBr:Pl(<0.1)を示すことが分かったことを示す論文(Iserlohら、Bioorg.Med.Chem.Lett.2008、18、418)も公開している。
上記で引用した文献は、Pgp流出を受けていないBACE−1阻害剤を特定することの困難さを強調している。そうした阻害剤は非常に望ましく、多くの研究グループがそうした化合物を発見しようと試みているが、まだそれに成功していない。そのため、Pgp基質ではなく、したがってCNSを容易に透過し、脳内のアミロイドを低下させることができるBACE−1阻害剤が望ましい。
つい最近、Wyethの研究者は、一連の環状アシルグアニジンBACE−1阻害剤においてPgp流出を克服する広範な研究を報告している(Malamasら、Bioorg.Med.Chem.Lett.2010、20、6597)。弱いPgp基質であり、1:1に近いBr:Plを有する化合物が発見された。しかし、低いPgp流出を有する2つの主要実施例(上記参考文献の84及び89)は、30mg/kg経口投与後8時間でTg2576マウスの脳内のAβ40を低下させなかった。この効能の欠如は、化合物が高い脳組織結合を示したということに原因があった。したがって、Pgp基質ではないが、脳組織内で妥当な非結合型分率を有し、脳内のアミロイドを低下させることができるBACE−1阻害剤を発見することが重要である。
インビトロでPgp基質ではないBACE阻害剤は、CNSを透過することができ(例えばMerckのTC−1)、APP−YACマウス及びサルの脳内のAβ40レベルを低下させることができることも示されている(Sankaranarayananら、J.Pharmacol.Expt.Ther.2009、328、131〜140)。したがってインビトロでのPgpアッセイは、TC−1がPgp基質ではなく、TC−1をAPP−YACマウス(100mg/kg i.p.)に投与した場合、これは脳濃度及び脳:血漿比で示されるようにCNSを若干透過することができ、この能力は、脳アミロイドの中程度の低下をもたらすことを示した。
別個の実験では、CYP3A4阻害剤(リトナビル)と同時投与した場合、TC−1はサルのCSFを透過できることが示された。これらの実験において、TC−1の平均血漿濃度は2.7uMであったが、CSF濃度は0.025uMであることが分かった。しかし、TC−1は血漿タンパク質と約99%結合しているので、遊離血漿濃度は約0.027nMと算出された。CSF Aβ40レベルは、ビヒクル処理した対照群に対して42%の減少を示したことが分かった。したがって、CNSを自由に透過できるBACE阻害剤は、CNSにおけるアミロイドレベルを低下させることが可能であると期待される。CYP3A4阻害剤と同時に投与する必要がないということは有益なことである。
本発明の化合物は、動物においてAβ産生を低下させるその能力と相関する細胞アッセイで、Aβ産生を低下させることが示されている。したがって、本発明の化合物は、ヒトにおいてAβ産生を低下させるのに有用性があり、したがって、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療において有用であろう。
インビボでのラットCNS透過
オスのスプラーグドーリーラットをCharles River UK Ltd.(Margate、UK)から取得し、UK Home Office指針にしたがって収容した。薬物を0.5%メチルセルロース中で適切な濃度で作製した。動物に、以下の表2〜4に概要を示した用量で強制経口投与した(2mL/kg)。
以下の表2〜4で特定した投与後の時点で、動物に、ペントバルビトンナトリウム(終末麻酔のため約330mg/kg)をi.p.注射して投与した。
ギロチンを用いて動物の首を切りおとし、胴体血液を、100IUヘパリンを含む15ml Falconチューブ中に採取した。血液をボルテックスし、次いで6000rpm、4℃で5分間遠心分離にかけた。DMPK及びELISAアッセイ用に血漿を採取し、使用するときまで−80℃で貯蔵した。脳を切り開き、正中線に沿って分割し、計量して、後で使用するときまで−80℃で貯蔵した。
血漿、脳及びCSFサンプルの分析方法
アセトニトリル希釈標準溶液(Working Solution)の調製
テスト化合物をDMSO中の1mgフリーベース/mL溶液として調製し、ボルテックスし、5min超音波処理した。この1mg/mL DMSO溶液に、それぞれ10μL〜990μLのアセトニトリル及び30μL〜970μLのアセトニトリルを加えて希釈して10及び30μg/mLのアセトニトリルストック液にした。次いで10及び30μg/mLのアセトニトリルストック液を1:9(v/v)(900μLアセトニトリル中に100μLのストック液)で連続希釈して以下の溶液:0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、10及び30μg/mLのアセトニトリルを得た。
血漿標準品、ブランク及びサンプルの調製
対照のオスのスプラーグドーリーラット血漿及び試験血漿サンプルを、それらを室温で解凍する分析当日まで−80℃で貯蔵した。対照血漿を遠心分離にかけ(2,000gで10min)、標準品及びブランクサンプルの調製用にエッペンドルフチューブ中に一定分量(90μL)を取った。血漿を採取した後直ちに、試験サンプルをエッペンドルフチューブ中に予め一定分量(100μL)取った。
一定分量(10μL)の適切なアセトニトリルストック液を対照血漿に加えて(100μLの最終容積になるように)、1〜3000ng/mLの範囲を包含する所要の較正標準品を得た。二重ブランク及びブランクサンプルを、10μLのアセトニトリルを90μLのブランク血漿に加えて調製した。
脳標準品、ブランク及びサンプルの調製
採取した後、対照のオスのスプラーグドーリーラット脳及び試験脳サンプルを計量し、それらを室温で解凍する分析当日まで−80℃で貯蔵した。解凍した脳を水(組織1グラム当たり4mL)で希釈したら、機械的ホモジナイザーを用いてホモジナイズした。一定分量(100μL)の各試験サンプルを分析の準備がなされたMicronicsチューブに取り、十分な分量(90μL)の対照脳ホモジネートを標準品及びブランクの調製用に調製した。
一定分量(10μL)の適切なアセトニトリルストック液を対照脳ホモジネートに加えて(100μLの最終容積になるように)、1.5〜5000ng/gの範囲を包含する所要の較正標準品を得た。二重ブランク及びブランクサンプルを、10μLのアセトニトリルを90μLのブランク脳ホモジネートに加えて調製した。
血漿及び脳サンプル、標準品及びブランクの抽出
各血漿及び脳ホモジネートサンプル、標準品及びブランク(100μL)を、一定分量(300μL)のアセトニトリル(0.1%ギ酸及び100ng/mLの適切な内部標準を含む)で抽出した。二重ブランクを、0.1%ギ酸を含む一定分量(300μL)のアセトニトリルで抽出した)。次いですべてのサンプル、標準品及びブランクをボルテックスで混合させ、遠心分離にかけた(2000gで15min)。次いで得られた上清の一定分量(50μL)を2mLの96ディープウェルプレートに取り、特定のLC−MS/MS法で分析するための準備がなされたアセトニトリル:水(50:50v/v)(150μL)で希釈した。
CSFサンプル、標準品及びブランクの調製
対照のオスのスプラーグドーリーラットCSF及び試験CSFサンプルを、それらを室温で解凍する分析当日まで−80℃で貯蔵した。各試験サンプルの一定分量(50μL)を分析の準備がなされたMicronicsチューブに取り、十分な分量(45μL)の対照CSFを、標準品及びブランクの調製用に調製した。
一定分量(5μL)の適切なアセトニトリルストック液を対照CSFに加えて(50μLの最終容積になるように)、1〜1000ng/mLの範囲を包含する所要の較正標準品を得た。二重ブランク及びブランクサンプルを、5μLのアセトニトリルを45μLのブランクCSFに加えて調製した。
CSFサンプル、標準品及びブランクの抽出
各CSFサンプル、標準品及びブランク(50μL)を、一定分量(150μL)のアセトニトリル(0.1%ギ酸及び100ng/mLの適切な内部標準を含む)で抽出した。二重ブランクを、0.1%ギ酸を含む一定分量(150μL)のアセトニトリルで抽出した。次いですべてのサンプルをボルテックスで混合させ、それぞれの一定分量(50μL)を、LC−MS/MS分析の準備がなされた2mLの96ディープウェルブロック中で、150μLのアセトニトリル:水(50/50v/v)にさら希釈した。
次いですべてのサンプルを、Waters Xevo TQ質量分析計に連結されたWaters Acquity UPLCを用いて分析した。
LC条件:
カラム:Acquity UPLC BEH C18、1.7um、2.1×50mm、40℃に保持
移動相:A=95%水:5%MeOH(0.01M酢酸アンモニウムを含む)
B=5%水:95%MeOH(0.01M酢酸アンモニウムを含む)
勾配:

流量:0.6mL/min;注入量5μL;オートサンプラー温度6℃。
各注入の最初0.3minは、LCの流れを廃棄の方へそらした。
MS/MSトランジションは、Waters QuanOptimiseソフトウェアで自動的に最適化させた。
アミロイド検出
ラット脳からのAβペプチドのDEA/NaCl抽出:
100mlの50mM NaCl(pH10)中、冷却0.2%ジエチルアミン(DEA)を新たに調製し、1ml/25mg脳組織を各半球に加えた(すなわち、40×脳容積)。Polytron PT1200を用いて脳を直ちに1.5分間ホモジナイズし、ホモジナイズ後、サンプルを氷上で1時間インキュベートした。3mlのホモジネートをポリアロマーチューブ(Beckman #362333)に移し、133000×g(55,000rpm)、4℃で45min遠心分離した。次いで、1/10容積の0.5M Tris/HCl、pH6.8を加えて上清をpH8〜8.3に中和した。サンプルは新鮮な状態で使用することも、ドライアイス上で瞬間凍結させ、分析に必要なときまで−80℃で貯蔵することもできる。
ヒト/ラットβアミロイド(40)ELISA(Wakoキット)
Wako Aβ40ELISAキット(コード番号294−62501)は、エピトープAβ(11−28)に対して産生されたモノクローナル抗体BNT77とAβ40のC末端部分を特異的に検出するモノクローナル抗体BA27を使用する。このキットを、ヒト又はラットAβ(1−40)の定量的決定のため、また組織培地、組織ホモジネート、CSF及び血漿などの生体マトリックス中のN末端で切断されたAβ40種(Aβ(x−40))の定量的決定のためにも使用する。
分析のため、血漿及び脳サンプルをキットに含まれている標準希釈剤を用いて1:1で希釈し、CSFサンプルをキットに含まれている標準希釈剤を用いて1:8で希釈する。アッセイを製造業者の取扱説明書にしたがって実施し、サンプルを2連で分析する。データをMicrosoft Excel2003を用いて分析し、統計分析を、Genstat第9版を用いて実施する。
したがって、比較例4を10mg/kgの用量でp.o.で投与し、血漿、脳及びCSFサンプルを投与後2、4、6及び8時間で採取した場合に、以下の濃度が測定された(表2):
上記試験から、比較例4は、それぞれ4時間及び6時間で脳内Aβ40の59%及び64%の減少を示し;それぞれ4時間及び6時間でCSF中のAβ40の76%及び70%の減少を示した。
CNS透過のレベルを実証するために、本発明の特定の化合物を、ラットにおいてインビボで評価した;これらのデータを以下の表に示す。
驚くべきことに、本発明の化合物は、上記で確認したCNS透過の決定方法のいずれによっても、WO2009/091016の化合物と比較してラットにおいて高いCNS透過を示すことが見出された。したがって、本発明の化合物は、それらが作用部位である脳をより簡単に標的とすることができるという点で改善されたプロファイルを示すことができ、したがって、改善された効能又はより低い濃度若しくは用量での効能、又は優先的CNS分配による低い末梢介在副作用、或いはこれらの側面のいずれか又はすべての組合せを示すことができる。
したがって、本発明の実施例8を10mg/kgの用量でp.o.で投与し、血漿、脳及びCSFサンプルを投与後2、4、6及び8時間で採取した場合、以下の濃度が測定された(表3):
上記試験から、実施例8は、それぞれ4時間及び6時間で脳内Aβ40の68%及び72%の減少を示し;それぞれ4時間及び6時間でCSF中のAβ40の82%及び74%の減少を示した。したがって、本発明の化合物は、従来の開示と比較して低いPgp流出を示し、CNSにおける効能を実証している。したがってこの効能は、より低い循環血漿濃度で達成される。
本発明の実施例1を10mg/kgの用量でp.o.で投与し、血漿、脳及びCSFサンプルを投与後2、4、6及び8時間で採取した場合、以下の濃度が測定された(表4):
上記試験から、実施例1は、それぞれ4時間及び6時間で脳内Aβ40の64%及び70%の減少を示し;それぞれ4時間及び6時間でCSF中のAβ40の80%及び85%の減少を示した。したがって、本発明の化合物は、従来の発明と比較して低いPgp流出を示し、CNSにおける効能を実証している。したがってこの効能は、より低い循環血漿濃度で達成される。
血漿タンパク質結合(PPB)及び脳組織結合(BTB)の決定方法
化合物調製
化合物をDMSOに溶解して1mgフリーベース/mL溶液を得、続いてアセトニトリル中に100μg/mLになるようにさらに希釈した(100μLの1mg/mLを900μLアセトニトリル中に)。
マトリックス調製
透析の日の朝に、−80℃で予め貯蔵していた対照のオスのスプラーグドーリーラットの血漿及び脳を室温で解凍した。血漿のpHをチェックし、必要な場合1M HClで7.4に調整した。次いで血漿を遠心分離にかけ(2000gで10min)、脳を組織1グラム当たり2mLのリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)で希釈し、機械的ホモジナイザーでホモジナイズした。次いで一定分量(10μL)の100μg/mLアセトニトリル化合物溶液を1mLの血漿及び脳ホモジネートに加え、ボルテックスで混合させてマトリックス中で1μg/mLの最終化合物濃度を得た。
REDプレート調製
迅速平衡透析(RED)プレート(Thermo Scientific)を製造業者の指針にしたがって調製した。すなわち、ベースプレートを20%(v/v)エタノール中に10min浸漬させ、次いで脱イオン水で2回すすぎ、続いて乾燥させた。次いでベースプレートを適切な数の使い捨て型インサート(化合物当たりn=3)(Thermo Scientific)で満たし、1μg/mLの化合物を含むマトリックスをインサートのマトリックスチャンバー(200μL)に加え、一定分量(350μL)のPBSを緩衝液チャンバーに加えた。次いでプレートを粘着剤で覆い、130rpmで撹拌しながら、空気中、37℃で6hインキュベートした。
サンプリング
6hのインキュベーションに続いて、シールを取り外し、一定分量(50μL)をPBSチャンバーから取り出し、Micronicsチューブに分注した。又、一定分量(50μL)をマトリックスチャンバーから取り出し、別のMicronicsチューブに入れた。次いで血漿及び脳を、50μLの薬物フリーPBSと、及びPBSサンプルを50μLの対応する薬物フリーマトリックスとマトリックス適合させて、等しい最終組成物及び容積(100μL)を得た。
サンプル分析
サンプルをボルテックスで混合させ、0.1%ギ酸及び100ng/mLの適切な内部標準を含む一定分量(300μL)のアセトニトリルを加えた。次いでサンプルを混合し、遠心分離にかけ(2000gで15min)、一定分量の上清(100μL)を96ディープウェルプレートに取り出し、LC−MS/MSによる分析の準備がなされた等容積の水で希釈した。上記アッセイで、以下の化合物について以下のデータを得た(表5)。
本明細書で上記に示したデータから、実施例1及び8の化合物は、比較例4のそれと類似した脳Aβ40の減少を、より低い血漿濃度及び遊離血漿濃度でも達成していることが当業者に明らかであろう。これは、有利なことであり、本発明の化合物が、より低い濃度でWO2009/091016の化合物と同等か又はそれより良好な効能を有しており、その結果、心血管系への影響、リン脂質症、肝臓毒性、腎臓毒性及び胃腸毒性などの望ましくない末梢介在副作用を引き起こす可能性がより低いことを示している。
モルモットにおけるQTc間隔に対する効果の評価
オスのダンキンハートレイモルモットの重さを量り、カルボゲン中の4%イソフルレンを用いて麻酔させた。麻酔を1.5%イソフルレンで維持し、試験の期間中この動物を麻酔下に置いた。2mg/kgのキシラジンを徐脈剤としてi.m.で後肢に投与してソフトウェアによるQTc延長の検出ができるようにした。
頸動脈及び頸静脈に、ヘパリン化生理食塩水を含むラインでカニューレを挿入し、3−リードECGを連結し、LabChart Proソフトウェアを用いて監視した。外科的処置が完了した後、動物を30分間安定化させ、続いてi.v.でのビヒクル(5%DMSO/90%MilliQ/5%0.1N HCl)注入を時間ゼロから開始した(注入速度=0.2ml/kg/min)。10minで、PK分析用に動脈血液サンプルを採取した(150ul;すべての採取用シリンジをヘパリン化した)。12minで、薬物注入を@2.0mg/kg/10minでi.v.でスタートした。用量を、10分間の注入期間でi.v.で6.0mg/kg/10min、次いで20mg/kg/10minに増加させ、各用量で2分間血液サンプリングした。最終投与後、血液サンプルを取り、2回目のビヒクル注入を開始した。8分後、血漿PK分析用に最終血液サンプルを採取し、動物をスケジュール1の方法で殺した。
QTc(Bazettの)変化をLabChart Proソフトウェアを用いて分析した。QTcは、テストした最大の用量/濃度まで変化しなかった。これは、実施例8について9503nM、実施例1について296nMの非結合血漿濃度に相当する。
ビーグル犬におけるQTc間隔に対する効果の評価
オスのビーグル犬の重さを量り、麻酔するためにチオペンタールナトリウムを注射した。1〜1.5%イソフルレンと酸素の混合物で麻酔を維持し、試験の期間中、動物を人工呼吸及びイソフルレンを用いた麻酔の下に置いた。
頸動脈及び伏在静脈に、ヘパリン化生理食塩水を含むラインでカニューレを挿入し、LII ECGを連結し、ポリグラフシステムで監視した。化合物溶液の注入の前に動物を30分間安定化させ、カニューレを通した注入を1mg/kg/10minで時間ゼロからスタートした。用量を3mg/kg/10min、次いで10mg/kg/10minに増加させた。PK分析のために、各投与後に動脈血液サンプルを採取した。
QTcは、テストした最大の用量/濃度まで変化しなかった。これは、実施例8について4128nM、実施例1について1329nMの非結合血漿濃度に相当する。
次に、本発明による式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩の調製方法を説明することとする。
A.基本調製方法A:

この式において、X、Y及びAは上記に定義した通りである。
基本調製方法Aは、原料としての化合物A−(1)から、ステップA−(i)からステップA−(xiv)の複数のステップを経由して、本発明による化合物(I)に相当する化合物A−(15)を調製する方法である。
化合物A−(1)は市販されている。
ステップA−(i):
このステップは、エポキシドA−(1)をスルホニウムイリドで開環して中間体アリルアルコキシドを生成し、次いでこれをアルキル化して化合物A−(2)を生成することにより、化合物A−(2)を得るステップである。当業者は、この変換を、ワンポットで実施するか又は2つの個別の反応として実施することができることを理解するであろう。当業者は、2つの別個の反応を実施するのと比べたワンポット反応の利点と欠点を理解し、それに応じた要件に対する最良の方法を選択するであろう。
具体的には、エポキシドA−(1)は、トリメチルスルホニウムヨージドのアニオン及び結果としてのジメチルスルフィドの喪失によって開環して対応するアリルアルコキシドを得ることができる。トリメチルスルホニウムヨージドは、適切な塩基、例えばブチルリチウムで脱プロトン化することができる。反応で使用される溶媒は、その反応に干渉しない限りにおいて、特に限定されない。適切な溶媒の例にはTHFが含まれる。当業者は、この場合溶媒という用語は、その中で反応をもたらし、その試薬が溶解されなくてよい液体を表すのに用いられることを理解するであろう。好ましくは、反応は室温以下、好ましくは−30〜20℃で実施すべきである。添加したら、反応物を室温に加温して反応を容易にさせることができる。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜24時間、好ましくは1〜6時間である。
当業者は、この反応により生成したアルコキシドをブロモ酢酸tert−ブチルなどのアルキル化剤と直接反応させ、この反応を追加の溶媒を用いるか又は用いないで進行させることができることを理解するであろう。反応を容易にするために追加の溶媒が必要な場合、DMF又はNMPなどの溶媒が適切である。反応温度は特に限定されない。適切な反応温度は室温〜80℃、好ましくは室温を含む。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜1週間、好ましくは1〜48時間である。
当業者は、中間体アルコキシドをクエンチし、単離して精製し、次いで独立したアルキル化条件にかけることができることを理解するであろう。この反応は、アルコール化合物のO−アルキル化反応において通常使用されるものと同じ条件下(例えばTetrahedron Lett.46(2005)45、7751〜7755に記載されている条件)で実施することができる。この反応では化合物A−(2)は、水素化ナトリウムなどの塩基をTHF中の中間体アルコールの溶液に加えてアルコキシドを調製し、次いでこのアルコキシドを例えばブロモ酢酸tert−ブチルと反応させることによって得ることができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。溶媒の例には、THF、DMF及びジメチルスルホキシドなどの溶媒が含まれる。反応は、そうした溶媒の存在下で1〜3当量の適切な塩基を作用させて実施することができる。使用される塩基の例には、水素化ナトリウム、水素化カリウム及びt−ブトキシカリウムが含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜72時間、好ましくは0.5〜12時間である。反応温度は通常−20℃〜50℃である。
この反応においてテトラブチルアンモニウムヨージドなどの塩を加えることによって、収率の向上などのより好ましい結果を達成することができる。
ステップA−(ii):
このステップは、エステル基を脱保護し、次いでワインレブアミドを生成させることによって、化合物A−(2)から化合物A−(3)を得るための2つのステップの逐次反応である。
具体的には、化合物A−(2)のtert−ブチルエステルは、tert−ブチルエステル化合物の脱保護において一般に使用されるのと同じ条件(例えば、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts、”Protective Groups in Organic Chemistry, Third Edition”、John Wiley & Sons(1999)、p.404〜408などの文献に記載されている条件)下で、脱保護することができる。この反応では、化合物A−(2)を、例えば溶媒及び酸としてのギ酸などの適切な溶媒中で、適切な酸と反応させることができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜72時間、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度は通常氷冷温度〜60℃である。
次いで中間体酸は、標準的なアミド生成条件下でのN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩の反応、すなわち、縮合剤を用いてその中間体酸をN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩と縮合させることによって、ワインレブアミドに変換することができる(Tetrahedron Lett.1981、22、3815)。或いは、このステップは、アシル化反応により、中間体酸をN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩と縮合させることによって化合物A−(3)を得るステップである。
縮合剤を用いた中間体酸のN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩との縮合反応は、通常使用され、以下の文献に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。知られている方法の例には、Rosowskyら;J.Med.Chem.、34(1)、227〜234(1991)、Brzostwskaら;Heterocycles、32(10)、1968〜1972(1991)及びRomeroら;J.Med.Chem.、37(7)、998〜1014(1994)のものが含まれる。
N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩は遊離形態であっても塩であってもよい。
この反応における溶媒は、それが反応を阻害しない限り特に限定されない。溶媒の例には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、アセトニトリル及びキシレンが含まれる。縮合剤の例には、CDI(N,N’−カルボニルジイミダゾール)、Bop(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ(トリ(ジメチルアミノ))ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、WSC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、DCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ジエチルホスホリルシアニド、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)及びEDC・HCl(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)が含まれる。適切な条件には、N,N’−カルボニルジイミダゾールなどの酸を活性化させる薬剤が含まれる。中間体酸に関しては、1当量から大過剰のN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用する。必要に応じて、1当量から大過剰のトリエチルアミンなどの有機塩基を加えることができる。
反応時間は特に限定されず、通常0.5〜72時間、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度は使用する原料、溶媒などに応じて変わるが、特に限定されない。氷冷温度〜溶媒還流温度が許容され、氷冷温度〜室温が好ましい。
ステップA−(iii):
このステップは、Tetrahedron Lett.1981、22、3815に記載されているようにして、有機金属(アリールリチウム試薬又はグリニャール試薬)試薬を化合物A−(3)と反応させることによって化合物A−(4)を得るステップである。
このステップにおける反応は、例えばTetrahedron Lett.1981、22、3815に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。
アリールリチウム試薬(複素環のものを含む)又はグリニャール試薬(複素環のものを含む)は当業者に知られている方法で調製することができる。具体的には、対応するフェニルリチウム試薬又はフェニルマグネシウム(グリニャール)試薬は、ハロゲン化アリール化合物と、市販の有機金属試薬、例えばn−、sec−若しくはtert−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬、イソプロピルマグネシウムブロミドなどのグリニャール試薬又は金属マグネシウムとのハロゲン−金属交換によって調製することができる。
このステップで使用される溶媒は、出発原料及び使用される試薬に応じて変わるが、反応を阻害せず、出発原料がその中にある程度溶解し、反応の間常に不活性である限り、特に限定されない。好ましい溶媒の例には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン及びトルエン並びにそれらの混合溶媒などの有機溶媒が含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜12時間である。反応温度は出発原料、使用する試薬などによって変わるが、好ましくは低温、例えば、−78〜−60℃に保持する。
ステップA−(iv):
このステップは、化合物A−(4)のオキシム化によって化合物A−(5)を得るステップである。
このステップにおける反応は、Org.Lett.9(2007)5、753〜756、Tetrahedron:Asymmetry5(1994)6、1018〜1028及びTetrahedron54(1998)22、5868〜5882に記載されている条件などのカルボニル化合物のオキシム化反応で通常用いられるものと同じ条件下で実施することができる。
具体的には、化合物A−(5)は、化合物A−(4)を、例えば塩基の存在下又は塩基の非存在下で、ヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン塩(ヒドロキシルアミン塩酸塩又はヒドロキシルアミン硫酸塩など)と反応させることによって得ることができる。
この反応で使用する溶媒は、それが反応を阻害しない限り特に限定されない。好ましい溶媒の例には、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン及びジクロロメタンなどの有機溶媒及びこれらの溶媒と水の混合物が含まれる。使用される塩基の例には、酢酸ナトリウム、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム及び2,6−ルチジンが含まれる。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜24時間、好ましくは5分間〜12時間である。反応温度は通常−20℃〜溶媒還流温度、より好ましくは0℃〜溶媒還流温度である。
ステップA−(v):
このステップは、アルケニルオキシムA−(5)の熱的分子内付加環化によって化合物A−(6)を得るステップである。
反応は添加物、例えばハイドロキノンの存在下で実施する。
この反応で使用する溶媒は、それが反応を阻害しない限り特に限定されない。適切な反応溶媒にはキシレンなどの高沸点溶媒が含まれる。反応温度は特に限定されず、通常80〜200℃又は溶媒還流温度である。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜48時間、好ましくは0.5〜24時間である。
ステップA−(vi):
このステップは、化合物A−(6)をN−O結合の還元的切断反応にかけることによって化合物A−(7)を得るステップである。
N−O結合の還元的切断反応は、例えば亜鉛−酢酸、金属触媒例えば水素−酸化白金又は水素化アルミニウムリチウムを用いた条件下で実施することができる。
亜鉛−酢酸などの亜鉛を用いた反応は、例えばJ.Org.Chem.2003、68、1207〜1215及びOrg.Lett.7(2005)25、5741〜5742に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。使用される酸の例には、酢酸、ギ酸及び塩酸が含まれる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。溶媒の例には、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、THF及び水が含まれる。上記酸は溶媒として使用してもよい。反応温度は通常−20℃〜溶媒還流温度、好ましくは氷冷温度〜溶媒還流温度である。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜48時間、好ましくは5分間〜24時間である。
水素−酸化白金などの金属触媒を使用する反応は、例えばTetrahedron:Asymmetry5(1994)6、1018〜1028及びTetrahedron、Vol.53、No.16、pp 5752〜5746、1997に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。化合物A−(7)は、例えばメタノールなどの溶媒中、触媒として酸化白金を用いて化合物A−(6)を水素化することによって得ることができる。
水素化アルミニウムリチウムを用いた反応は、例えばBull.Chem.Soc.Jpn.、66、2730〜2737(1993)に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。化合物A−(7)は、例えばエーテルなどの溶媒中で水素化アルミニウムリチウムを用いて化合物A−(6)を還元することによって得ることができる。
ステップA−(vii):
このステップは、化合物A−(7)から化合物A−(8)を得るステップである。チオ尿素誘導体A−(8)は、当業者に知られている方法で化合物A−(7)から得ることができる。
化合物A−(8)は、このステップにおいて、ジクロロメタン又はトルエンなどの溶媒中で化合物A−(7)をベンゾイルイソチオシアネートと反応させることによって得ることができる。この反応は、例えばJ.Med.Chem.1990、33、2393〜2407に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、1,4−ジオキサン及びTHFが含まれる。反応温度は通常−20℃〜溶媒還流温度、好ましくは氷冷温度〜溶媒還流温度である。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜48時間、好ましくは5分間〜24時間である。
ステップA−(viii):
このステップは、化合物A−(8)を環化することによって化合物A−(9)を得る方法である。
この反応では、化合物A−(8)は、化合物A−(8)のアルコールを活性化することによって、種々の条件下で環化して化合物A−(9)を得ることができる。
例えば、化合物A−(9)は、この反応において、例えば、メタノールなどの溶媒中、濃塩酸などの酸の存在下で化合物A−(8)を加熱することによって得ることができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。溶媒の例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び水、それらの混合溶媒などの溶媒、並びに溶媒として使用される酸が含まれる。反応は、そうした溶媒の存在下又は非存在下で1当量から大過剰の適切な酸を用いて作用させることによって実施することができる。使用される酸の例には、濃塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びそれらの混合物が含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜72時間、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度は通常氷冷温度〜溶媒還流温度である。
或いは、化合物A−(9)は、化合物A−(8)を、ジクロロメタンなどの溶媒中、ピリジンなどの塩基の存在下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させることによって得ることができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。当業者は、溶媒は必ずしも必要とされず、例えば塩基がピリジンである場合、溶媒の非存在下で反応を実施することもできることを理解するであろう。溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、THF、1,2−ジメトキシエタン及びトルエンなどの溶媒並びにそれらの混合溶媒が含まれる。反応は、そうした溶媒中、1〜20当量の適切な塩基を用いて実施することができる。使用される塩基の例には、ピリジン、2,6−ルチジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びそれらの混合物が含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜12時間である。反応温度は通常−78℃〜室温である。
ステップA−(ix):
このステップは、化合物A−(9)の保護基を脱保護することによって化合物A−(10)を得る方法である。化合物A−(10)は、当業者に知られている脱保護条件下で得ることができる。
保護基がベンゾイル基である場合、化合物A−(10)は、この反応において、例えばメタノールなどの溶媒中、DBUなどの塩基の存在下で化合物A−(9)を加熱することによって得ることができる。この反応は、例えばSynth.Commun.32(2)、265〜272(2002)に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。溶媒の例には、メタノール、エタノール及び1−プロパノールなどの溶媒が含まれる。反応は、そうした溶媒中で1〜20当量の適切な塩基を用いて実施することができる。使用される塩基の例にはDBUが含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜12時間である。反応温度は通常室温〜溶媒還流温度である。
或いは、化合物A−(10)は、この反応において、化合物A−(9)を、例えば炭酸カリウムなどの無機塩基と加熱することによって得ることができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。溶媒の例には、メタノール、エタノール及び1−プロパノールなどの溶媒が含まれる。反応は、そうした溶媒中、1〜20当量の適切な塩基を用いて実施することができ、好ましくは、それは若干過剰に使用される。使用される塩基の例には炭酸カリウムが含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜12時間である。反応温度は通常室温〜溶媒還流温度、好ましくは50〜100℃である。当業者は、選択された溶媒が、反応温度をその還流温度によって限定させることになることを理解するであろう。適切な溶媒の例には還流メタノールが含まれる。
ステップA−(x):
このステップは、化合物A−(10)のニトロ化反応によって化合物A−(11)を得るステップである。このニトロ化反応において、化合物A−(11)を、当業者に知られている方法によって化合物A−(10)から得ることができる。反応において使用されるニトロ化剤の例には、硝酸カリウム/濃硫酸、発煙硝酸/濃硫酸及び発煙硝酸/無水酢酸が含まれる。反応に適した溶媒にはトリフルオロ酢酸が含まれる。反応温度は特に限定されず、通常−20℃〜室温であり、好ましい反応温度は0〜10℃を含む。
ステップA−(xi):
このステップは、化合物A−(11)のアミノ基のt−ブトキシカルボニル化によって化合物A−(12)を得るステップである。
反応は、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts、”Protective Groups in Organic Chemistry, Third Edition”、John Wiley & Sons(1999)、P.518〜525などの文献に記載されている条件などのアミノ化合物のt−ブトキシカルボニル化において一般に用いられるのと同じ条件下で実施することができる。化合物A−(12)は、例えばテトラヒドロフランなどの溶媒中で化合物A−(11)をジ−tert−ブチルジカルボネートと反応させることによって得ることができる。代替の溶媒には、アセトニトリル及びDMFが含まれる。当業者は、塩基を反応混合物に加えることもできるが、それが必須ではないことを理解するであろう。適切な塩基の例には、これらに限定されないが、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンが含まれる。反応温度は特に限定されないが、通常室温〜還流、好ましくは室温〜60℃である。
ステップA−(xii):
このステップは、化合物A−(12)から化合物A−(13)を得るステップである。
化合物A−(13)は、当業者に知られている合成方法によりニトロ化合物A−(12)を還元することによって合成される。その方法の例には、ラネーニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウム又は白金などの貴金属触媒を用いた接触水素還元が含まれる。他の還元試薬には、例えば塩化スズが含まれる。溶媒の例には、メタノール、エタノール及び1−プロパノールなどのアルコール系溶媒、好ましくはエタノールが含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜18時間である。反応温度は通常室温である。代替の還元反応条件は、エタノールなどのアルコール系溶媒中、適切な反応温度、例えば65℃での塩化アンモニウム又は塩酸などの添加物を用いた鉄との反応を含む。
ステップA−(xiii):
これは、化合物A−(13)をカルボン酸及び縮合剤で縮合させることによって、化合物A−(13)から化合物A−(14)を得るステップである。縮合反応は、通常使用され、以下の文献に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。その知られている方法の例には、Rosowskyら;J.Med.Chem.、34(1)、227〜234(1991)、Brzostwskaら;Heterocycles、32(10)、1968〜1972(1991)及びRomeroら;J.Med.Chem.、37(7)、998〜1014(1994)のものが含まれる。
化合物A−(13)は遊離形態であっても塩であってもよい。
この反応における溶媒は、それが反応を阻害しない限り特に限定されない。溶媒の例には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、アセトニトリル及びキシレンが含まれる。縮合剤の例には、CDI(N,N’−カルボニルジイミダゾール)、Bop(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ(トリ(ジメチルアミノ))ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、WSC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、DCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ジエチルホスホリルシアニド、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリ(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)及びEDC・HCl(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)が含まれる。適切な条件は、N,N’−カルボニルジイミダゾールなどの酸を活性化する薬剤を含む。化合物A−(13)に関しては、1当量から大過剰の酸を使用することができる。必要に応じて、1当量から大過剰の有機塩基、例えばトリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミンを加えることができる。
反応時間は特に限定されず、通常0.5〜72時間、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度は使用される原料、溶媒などによって変わり、特に限定されない。氷冷温度〜溶媒還流温度が許容され、氷冷温度〜室温が好ましい。
或いは、化合物A−(14)は、所望のカルボン酸を対応する酸クロリドに転換させ、次いでその酸クロリドを化合物A−(13)と反応させることによって得ることができる。酸クロリドは当業者に知られている手段で合成することができる。例えば、所望のカルボン酸を溶媒、例えばジクロロメタン、N,N’−ジメチルイミダゾリン−2−オン、NMP又はDMFの存在下又はその非存在下で塩化チオニルと反応させることによって、対応する酸クロリドに転換させることができる。所望のカルボン酸に関しては、1〜2当量又は大過剰の塩化チオニルを使用することができる。反応温度は−30℃〜還流、好ましくは−10℃〜室温である。酸クロリドは、ジクロロメタンなどの溶媒中、DMFの存在下で酸を塩化オキサリルで処理することによって生成させることもできる。反応温度は−30℃〜室温、好ましくは−10℃〜室温である。
或いは、化合物A−(14)は、所望のカルボン酸を混合酸無水物に転換させ、次いでこの混合酸無水物を化合物A−(13)と反応させることによって得ることができる。混合酸無水物は、当業者に知られている手段で合成することができる。この合成は、例えばトリエチルアミンなどの塩基の存在下で、所望のカルボン酸をエチルクロロホルメートなどのクロロホルメートと反応させることによって実施される。所望のカルボン酸に関しては、1〜2当量のクロロホルメート及び塩基を使用する。反応温度は−30℃〜室温、好ましくは−20℃〜室温である。
混合酸無水物を化合物1−(13)と縮合させるステップは、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、混合酸無水物を化合物1−(13)と反応させることによって実施される。化合物A−(13)に関しては、1当量から大過剰の所望のカルボン酸を使用する。
反応時間は特に限定されず、通常0.5〜48時間、好ましくは0.5〜12時間である。反応温度は−20℃〜50℃、好ましくは−20℃〜室温である。
或いは、化合物A−(14)は、所望のカルボン酸を活性エステルに転換させ、次いでこの活性エステルを化合物A−(13)と反応させることによって得ることができる。活性エステルを得るステップは、例えば、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、DCCなどの縮合剤の存在下で所望のカルボン酸を活性エステル合成試薬と反応させることによって実施される。活性エステル合成試薬の例には、N−ヒドロキシスクシンイミドが含まれる。化合物A−(13)に関しては、1〜1.5当量の活性エステル合成試薬及び縮合剤を使用する。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜48時間、好ましくは0.5〜24時間である。
反応温度は−20℃〜50℃、好ましくは−20℃〜室温である。
活性エステルを化合物A−(13)と縮合するステップは、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、活性エステルを化合物A−(13)と反応させることによって実施される。化合物A−(13)に関しては、1当量から大過剰の活性エステルを使用する。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜48時間、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度は−20℃〜50℃、好ましくは−20℃〜室温である。
ステップA−(xiv):
このステップは、化合物A−(14)のt−ブトキシカルボニル基の脱保護によって化合物A−(15)を得るステップである。
この反応は、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts、”Protective Groups in Organic Chemistry, Third Edition”、John Wiley & Sons(1999)、P.518〜525などの文献に記載されている条件などのt−ブトキシカルボニル基の脱保護反応で一般に使用されるものと同じ条件下で実施することができる。化合物A−(15)は、溶媒の存在下又は非存在下で、化合物1−(14)を強酸、例えばトリフルオロ酢酸と反応させることによって得ることができる。適切な溶媒にはジクロロメタンが含まれる。代替の酸には、例えばジクロロメタン又はジオキサンなどの適切な溶媒中の塩酸が含まれる。
反応温度は通常氷冷〜80℃、好ましくは室温である。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜48時間、好ましくは5分間〜12時間である。
B.基本調製方法B:
式において、X、Y及びAは上記に定義した通りである。
基本調製方法Bは、原料としての化合物A−(11)から、ステップB−(i)〜ステップB−(ii)の複数のステップを経由して、本発明による化合物(I)に相当する化合物A−(15)を調製するための代替の方法である。
化合物A−(11)は、基本調製方法A又は実施例に記載されているようにして調製することができる。
ステップB−(i):
このステップは、化合物A−(11)から化合物A−(16)を得るステップである。
化合物A−(16)は、当業者に知られている合成方法によりニトロ化合物A−(11)を還元することによって合成される。その方法の例は、ラネーニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウム又は白金などの貴金属触媒を用いた接触水素還元を含む。他の還元試薬には、例えば塩化スズが含まれる。溶媒の例には、メタノール、エタノール及び1−プロパノールなどのアルコール系溶媒、好ましくはエタノールが含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜18時間である。反応温度は通常室温である。代替の還元反応条件は、エタノールなどのアルコール系溶媒中、適切な反応温度、例えば65℃での塩化アンモニウム又は塩酸などの添加物を用いた鉄との反応を含む。
ステップB−(ii):
これは、化合物A−(13)をカルボン酸及び縮合剤と縮合させることによって、化合物A−(16)から化合物A−(15)を得るステップである。縮合反応は、通常使用され、以下の文献に記載されているのと同じ条件下で実施することができる。知られている方法の例には、Rosowskyら;J.Med.Chem.、34(1)、227〜234(1991)、Brzostwskaら;Heterocycles、32(10)、1968〜1972(1991)及びRomeroら;J.Med.Chem.、37(7)、998〜1014(1994)のものが含まれる。
化合物A−(15)は、所望のカルボン酸を対応する酸クロリドに転換させ、次いでこの酸クロリドを化合物A−(16)と反応させることによって得ることができる。酸クロリドは当業者に知られている手段で合成することができる。例えば、所望のカルボン酸は、溶媒、例えばジクロロメタン、N,N’−ジメチルイミダゾリン−2−オン、NMP又はDMFの存在下又は非存在下で塩化チオニルと反応させることによって、対応する酸クロリドに転換させることができる。所望のカルボン酸に関しては、1〜2当量又は大過剰の塩化チオニルを使用することができる。当業者は、用いる反応条件の選択が反応の結果に影響を及ぼすことができる、例えばその条件が、酸クロリドがアニリン又はイソチオ尿素部分と反応するかどうかに影響を及ぼすことができることを理解するであろう。当業者は、カルボン酸との塩化チオニルの反応が、所望の酸クロリドの生成に加えて1当量の塩酸の同時生成をもたらすことを理解するであろう。当業者は、現在の条件は、そのように生成した塩酸を除去する方法を用いないことを理解するであろう。この反応で生成した塩酸は反応の選択性に影響を及ぼすこともあり、又は及ぼさないこともあり、これは有益な結果をもたらすこともあり、又はもたらさないこともある。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜48時間、好ましくは0.5〜12時間である。反応温度は−30℃〜還流、好ましくは−10℃〜室温である。酸クロリドは、ジクロロメタンなどの溶媒中、DMFの存在下で、この酸を塩化オキサリルで処理することによって生成させることもできる。反応温度は−30℃〜室温、好ましくは−10℃〜室温である。
C.基本調製方法C:
基本調製方法Cは、原料としての化合物A−(17)から、ステップC−(i)を経由して、本発明による化合物(I)の合成中間体である化合物A−(2)を調製するための代替の方法である。
化合物A−(17)は市販されている。
ステップi:
このステップは、トリフルオロメチルアニオンを化合物A−(17)に加えて中間体アリルアルコキシド又は中間体トリメチルシリルエーテルを生成させ、次いでアルキル化して化合物A−(2a)を得ることによって、A−(17)から化合物A−(2a)を得るステップである。当業者は、この変換を、ワンポットで実施するか又は2つの個別の反応として実施することができることを理解するであろう。当業者は、2つの別個の反応を実施するのと比べたワンポット反応の利点と欠点を理解し、それに応じた要件に対する最良の方法を選択するであろう。
具体的には、アクロレインA−(17)を、(トリフルオロメチル)トリメチルシランなどの試薬に対するフルオリドの作用によって生成できるトリフルオロメチルアニオンと反応させて、対応するアリルアルコキシド又はアリルチメチルシリルエーテル(allylic timethylsilyl ether)を生成することができる。反応で使用される溶媒は、その反応に干渉しない限りにおいて、特に限定されない。適切な溶媒の例にはTHFが含まれる。反応のための許容される温度範囲は−10℃〜溶媒還流、好ましくは室温以下を含む。当業者は、特定の化学反応は発熱的である可能性があり、これらの発熱を制御するために、制御手段を導入すべきであることを理解するであろう。当業者は、反応発熱を、溶媒を還流させることによって制御できることも理解するであろう。トリフルオロメチルアニオンを生成させるための適切な前駆体には、これらに限定されないが、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(Rupertの試薬、Chem Rev 1997、97、757)が含まれ、適切なフッ化物源には、これらに限定されないが、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(TBAT)及びフッ化セシウムが含まれる。初期反応温度は室温より低くてよいが、反応を容易にさせるために、反応の過程で反応温度を溶媒の還流に至るようにすることができる。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜24時間、好ましくは1〜6時間である。
当業者は、この反応により生成したアルコキシドをブロモ酢酸tert−ブチルなどのアルキル化剤と直接反応させ、この反応を追加の溶媒を用いるか又は用いないで進行させることができることを理解するであろう。反応を容易にするために追加の溶媒が必要な場合、DMF又はNMPなどの溶媒が適切である。反応温度は特に限定されない。適切な反応温度は室温〜80℃、好ましくは室温を含む。反応時間は特に限定されず、通常5分間〜1週間、好ましくは1〜48時間である。或いは、塩基水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって、アルキル化反応を相間移動条件下で実施することができる。当業者は、これらの条件を適用する場合、相間移動触媒の使用が必要であることを理解するであろう。適切な相間移動触媒には、これらに限定されないが、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩が含まれる。
当業者は、中間体アルコキシドをクエンチし、単離して精製し、次いで独立したアルキル化条件にかけることができることを理解するであろう。この反応は、アルコール化合物のO−アルキル化反応において通常使用されるものと同じ条件下(例えばTetrahedron Lett.46(2005)45、7751〜7755に記載されている条件)で実施することができる。この反応では化合物A−(2a)は、水素化ナトリウムなどの塩基をTHF中の中間体アルコールの溶液に加えてアルコキシドを調製し、次いでこのアルコキシドを例えばブロモ酢酸tert−ブチルと反応させることによって得ることができる。反応で使用される溶媒は、それが反応を阻害せず、出発原料をその中にある程度溶解させる限り、特に限定されない。溶媒の例には、THF、DMF及びジメチルスルホキシドなどの溶媒が含まれる。反応は、そうした溶媒の存在下で1〜3当量の適切な塩基を作用させて実施することができる。使用される塩基の例には、水素化ナトリウム、水素化カリウム及びt−ブトキシカリウムが含まれる。反応時間は特に限定されず、通常0.5〜72時間、好ましくは0.5〜12時間である。反応温度は通常−20℃〜50℃である。
この反応においてテトラブチルアンモニウムヨージドなどの塩を加えることによって、収率の向上などのより好ましい結果を達成することができる。
当業者は、この反応が化合物A−(2a)において新規なキラル中心を形成させ、化合物A−(2)が鏡像異性的に純粋であり、他方、化合物A−(2a)がラセミ化合物であること以外、化合物A−(2a)は化合物A−(2)と同じであることを理解するであろう。当業者は、鏡像異性的に純粋な化合物A−(2)及びラセミ化合物A−(2a)はNMRや液体クロマトグラフィーなどの分析技術では識別することができないが、これらはキラルHPLCで識別できることを理解するであろう。当業者は、化合物A−(2a)又はより進んだ合成中間体若しくは最終化合物から所望の鏡像異性体を得るための最も適切な方法を理解するであろう。鏡像異性体精製の適切な方法及び適切な段階は、実施例において詳述されるものを含む。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物を調製する方法であって、式A−(16)の化合物(Xは式(I)に定義されている)を式(II)の化合物(A及びYは式(I)に定義されている)又はそのC1〜6アルキルエステル、酸無水物若しくは酸ハライドと反応させて式(I)の化合物を得、任意選択でこの化合物を式(I)のさらなる化合物に転換させる、又は薬学的に許容されるその塩を形成させるステップを含む方法を提供する。
A−(16)と(II)の反応は、溶媒(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、アセトニトリル又はキシレンなど)中、−30℃〜100℃の範囲の温度で好都合に実施することができる。本発明の1つの実施形態では、化合物(II)は、その酸を適切な試薬(例えば塩化チオニル)と反応させることによって調製されるような、酸ハライド(例えばクロリド)の形態を好都合にとることができる。
当業者は、本発明のプロセスにおいて、出発試薬中のヒドロキシル、カルボキシル又はアミノ基などの特定の官能基を、保護基で保護することが必要になることを理解するであろう。したがって、式(I)の化合物の調製は、1つ又は複数の保護基を取り込み、その取り外しを追加的に含むことができる。官能基の保護及び脱保護は、例えばT.W.Greene及びP.G.M.Wuts、”Protective Groups in Organic Chemistry, Third Edition”、John Wiley & Sons(1999)に記載されている。
本発明を、実施例、調製例及びテスト例を参照して、以下により具体的に説明することとする。しかし、本発明はそれらに限定されない。実施例において使用する略語は、当業者に知られている慣用的な略語である。いくつかの略語を以下に示す:
LCMS、LC/MS & LC−MS(液体クロマトグラフィー/質量分析);MS(質量分析);MDAP(質量誘導(mass directed)自動精製);NMR(核磁気共鳴);s、d、t、dd、m、br(一重線、二重線、三重線、二重二重線、多重線、幅広);Ph、Me、Et、Pr、Bu、Bn(フェニル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジル);THF(テトラヒドロフラン);DCM(ジクロロメタン);DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);h、hr、hrs(時間);EDC & EDAC(N−3−(ジメチルアミノプロピル)−N’エチルカルボジイミド塩酸塩);DMAP(4−N,N−ジメチルアミノピリジン);DMSO(ジメチルスルホキシド);UV(紫外線);RT & rt(室温);Rt(保持時間);min & mins(分間);EtOAc(酢酸エチル);EtO(ジエチルエーテル);MeCN(アセトニトリル);EtOH(エタノール);MeOH(メタノール);PhCH & PhMe(トルエン);tlc(薄層クロマトグラフィー);TFA(トリフルオロ酢酸);NaOH(水酸化ナトリウム);HCl(塩酸);NMP(N−メチルピロリジノン又は1−メチル−2−ピロリジノン);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);TBAF(テトラブチルアンモニウムフルオリド);BuLi(n−ブチルリチウム);PyBOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;Pddba:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム;Pd(t−BuP):ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム;TFA:トリフルオロ酢酸;pTLC:分取薄層クロマトグラフィー;HRMS(高分解能質量分析);Tr又はTrt(トリチル又はトリフェニルメチル)。
H NMRスペクトルは、400MHzの(報告されている)周波数で動作するBruker AMシリーズ分光計で記録した。陽子核磁気共鳴スペクトルにおける化学シフトはテトラメチルシランに対するδ単位(ppm)で記録し、結合定数(J)はヘルツ(Hz)で記録する。パターンはs:一重線、d:二重線、t;三重線、br;幅広として指定する。
以下の実施例及び調製例における「室温」は、典型的には約10℃〜約35℃を指す。「%」は別段の指定のない限りwt%を表す。
化学名は、ChemBioDraw Ultra11.0及び12.0を用いた化学構造から得た。
(調製例1)
tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメート1−(13)の合成
1−(2) tert−ブチル{[(2S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル]オキシ}アセテートの合成
THF(500mL)中の−30℃でのトリメチルスルホニウムヨージド(110g)の懸濁液にリチウムヘキサメチルジシラジド(530mL、THF中に1N)を45minかけて分割添加した。−20℃で20min撹拌した後、(S)−2−トリフルオロメチルオキシラン(37.97g)を同じ温度で15minかけて加え、混合物をRTに加温し、3h撹拌した。次いでこのスラリーを、NMP(200mL)中のブロモ酢酸tert−ブチル(105.68g)の氷冷溶液に分割添加した。得られた混合物をRTに加温し、2日間撹拌し、次いでEtOAc(1L)で希釈した。有機層を重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、4×400mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に5%EtOAc)で精製して表題化合物(70.1g)を得た。これを、精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.30(s, 9H) 3.83-3.96(m, 2H) 4.14-4.21(m, 1H) 5.34-5.48(m, 2H) 5.56-5.71(m, 1H)
1−(3) (S)−N−メトキシ−N−メチル−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)アセトアミドの合成
tert−ブチル{[(2S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル]オキシ}アセテート(70.1g、粗製物)を氷冷ギ酸(200mL)に溶解した。混合物をRTに加温し、終夜撹拌した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエン(200mL)を加え、混合物を濃縮し、2回目のトルエン(200mL)を加えて濃縮すると油状物となった。残留物をDCM(600mL)に溶解し、氷浴中で冷却し、N,N’−カルボニルジイミダゾール(35g)を20minかけて分割添加した。45min撹拌した後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(22g)を加え、反応混合物をRTに加温し、終夜撹拌した。次いで飽和NaHCO(500mL)及びブライン(250mL)を加え、混合物をEtOAc(3×750mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に1%〜30%EtOAc)で精製して表題化合物(25.17g)を得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm) 3.21(s, 3H), 3.71(m, 3H), 4.36-4.51(m, 3H), 5.54-5.69(m, 2H), 5.84(ddd, J=17.7, 10.4, 7.3Hz, 1H)
1−(4) (S)−1−(2−フルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノンの合成
ヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(2.50M;90mL)を、N雰囲気下、−78℃でのTHF(250mL)中の2−ブロモフルオロベンゼン(40.35g)の溶液に25minかけて滴下添加した。反応溶液を−60℃に加温し、60min撹拌した。THF(25mL)中の(S)−N−メトキシ−N−メチル−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)アセトアミド(40g)を反応溶液に滴下添加し、−60℃で2h撹拌した後、NHCl水溶液(100mL)を反応溶液に加え、次いでRTに加温した。ブライン(200mL)を反応溶液に加え、混合物をEtOAc(3×400mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に1%〜10%EtOAc)で精製して表題化合物(33.59g)を得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 4.40(五重線, J 6.3Hz, 1H) 4.81-4.87(m, 2H), 5.54-5.69(m, 2H), 5.86(ddd, J 17.4, 10.4, 7.3Hz, 1H) 7.12-7.22(m, 1H) 7.24-7.34(m, 1H) 7.54-7.63(m, 1H) 7.94-8.02(m, 1H).
1−(5) (S)−1−(2−フルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノンオキシムの合成
(S)−1−(2−フルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノン(41.22g)を無水メタノール(400mL)に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(14.0g)及び酢酸ナトリウム(19.0g)を加えた。反応混合物を50℃で90min加熱し、次いでRTに冷却し、真空下で濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中に2%〜15%EtOAc)で精製して表題化合物を幾何異性体の混合物(40.54g)として得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 4.04-4.15(m, 0.8H), 4.18-4.26(m, 0.2H), 4.44-4.57(m, 0.4H) 4.79-4.90(m, 1.6H) 5.37-5.56(m, 2H) 5.64-5.78(m, 1H) 7.03-7.26(m, 2H) 7.33-7.54(m, 2H), 7.90(br s, 0.2H), 8.51(br s, 0.8H).
1−(6) (3aR,4S,6aS)−6a−(2−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
(S)−1−(2−フルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノンオキシム(40.54g)をキシレン(400mL)に溶解し、ハイドロキノン(4.0g)を加えた。反応混合物を22h還流加熱し(加熱ブロック温度140℃)、次いで冷却し、蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に1%〜30%EtOAc)で精製して表題化合物(28.76g)を得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 3.71-3.81(m, 1H), 4.04-4.35(m, 4H), 4.51-4.62(m, 1H), 5.38-5.54(m, 1H), 7.07-7.26(m, 2H), 7.32-7.42(m, 1H), 7.54-7.67(m, 1H).
1−(7) ((2S,3R,4S)−4−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール
(3aR,4S,6aS)−6a−(2−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾール(28.76g)を酢酸(200mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。亜鉛(50g)を加え、反応混合物を加温し、RTで16h撹拌した。次いで反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、celiteでろ過し、さらなる500mLのEtOAcで洗浄した。合わせた有機部分を蒸発させ、クロロホルム(200mL)に溶解し、アンモニア(28%水溶液、250mL)を徐々に加えた。層を分離し、水性部分をクロロホルム(2×250mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出液を無水MgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(31.12g)を得た。これをさらに精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 2.93(ddd, J=7.7, 4.9, 2.5Hz, 1H), 3.84(dd, J=12.4, 4.8Hz, 1H), 4.05(dd, J=9.2, 3.2Hz, 1H), 4.17(dd, J=12.4, 2.3Hz, 1H), 4.31(d, J=9.3Hz, 1H), 4.72(五重線, J=7.3Hz, 1H), 7.13(ddd, J=13.1, 8.8, 1.3Hz, 1H), 7.22(td, J=7.6, 1.3Hz, 1H), 7.31-7.40(m, 1H), 7.51(td, J=8.0, 1.6Hz, 1H)
1−(8) N−(((3S,4R,5S)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミドの合成
ベンゾイルイソチオシアネート(19.0mL)を、DCM(150mL)中に((2S,3R,4S)−4−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール(28.72g)を含む溶液に加え、混合物をRTで18h撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、200mL)を加え、混合物をEtOAc(3×300mL)で抽出し、MgSOで脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に5%〜30%EtOAc)で精製して表題化合物(37.07g)を得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 3.22(dd, J=8.1, 4.5Hz, 1H), 3.31(td, J=8.0, 3.0Hz, 1H), 3.94-4.07(m, 1H), 4.31-4.46(m, 1H), 4.53(d, J=9.9Hz, 1H), 4.83(d, J=9.9Hz, 1H), 6.97-7.14(m, 1H), 7.22(td, J=7.7, 1.3Hz, 1H), 7.31-7.45(m, 1H), 7.49-7.61(m, 2H), 7.61-7.70(m, 1H), 7.75(td, J=8.1, 1.5Hz, 1H), 7.79-7.93(m, 2H), 8.90(s, 1H), 11.85(s, 1H)
1−(9) N−((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミドの合成
N−(((3S,4R,5S)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド(31.1g)をピリジン(150mL)に溶解し、混合物を−20℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(14.0mL)を30minかけて滴下添加し、反応物を0℃に加温した。2h撹拌した後、反応物を、塩化アンモニウム(飽和水溶液、400mL)を加えてクエンチし、EtOAc(3×500mL)で抽出した。合わせた有機抽出液をMgSOで脱水し、真空下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%〜30%EtOAc/hex)で精製して表題化合物(18.50g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.86(dd, J=13.9, 3.5Hz, 1H), 3.25(d, J=13.6Hz, 1H), 3.61(br. s., 1H), 4.00-4.10(m, 1H), 4.66(d, J=8.8Hz, 1H), 4.78-4.87(m, 1H), 7.12-7.60(m, 6H), 7.68-7.73(m, 1H), 7.99-8.16(br. s., 2H), 8.62-8.66(m, 1H)
1−(10) N−((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミドの合成
N−((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミド(21.5g)をメタノール(160mL)に溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(16.29g)を加え、溶液を還流加熱した(加熱ブロック温度80℃)。16h後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に10%〜60%EtOAc)で精製して表題化合物(13.82g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.85(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.14(dd, J=13.5, 3.2Hz, 1H), 3.33-3.45(m, 1H), 3.92(dd, J=8.1, 2.0Hz, 1H), 4.49(br. s., 2H), 4.63-4.76(m, 2H), 7.08(ddd, J=12.6, 8.1, 1.0Hz, 1H), 7.13-7.22(m, 1H), 7.25-7.36(m, 1H), 7.44(td, J=8.0, 1.9Hz, 1H)
1−(11) (4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンの合成
N−((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミド(5.15g)をTFA(75mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。硫酸(濃、20mL)を加え、次いで発煙硝酸(2mL)を20minかけて滴下添加した。0℃で90min撹拌した後、反応混合物を氷(200g)に注加し、6N NaOH(水溶液)でpH12に塩基性化させた。氷を融解させた後、混合物をEtOAc(3×500mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(22.1g、純度約71%)を得た。これを、精製することなく次のステップで使用した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.89(d, J=3.8Hz, 1H), 3.09(br. s., 1H), 3.28-3.54(m, 1H), 3.80-4.03(m, 1H), 4.50-4.70(m, 3H), 4.71-4.86(m, 1H), 7.21-7.30(m, 1H), 8.18-8.28(m, 1H), 8.45(dd, J=6.8, 2.8Hz, 1H)
1−(12) tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメートの合成
(4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(20.6g、粗製物)をTHF(300mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカルボネート(12g)を20minかけて分割添加し、反応混合物を60℃に加熱した。さらなるジ−tert−ブチルジカルボネート(10g)をTLCでみて出発原料が消費されるまで加えた。反応混合物を冷却し、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、200mL)及びブライン(200mL)を加えた。次いで混合物をEtOAc(3×500mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に10%〜25%EtOAc)で精製して表題化合物(16.62g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 1.55(s, 9H), 2.73-2.84(m, 1H), 2.92-3.05(m, 1H), 3.43-3.55(m, 1H), 3.81-3.94(m, 1H), 4.57(d, J=8.3Hz, 1H), 4.73-4.83(m, 1H), 7.19-7.39(m, 2H), 8.20-8.29(m, 1H), 8.32(d, J=6.8Hz, 1H)
1−(13) tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメートの合成
tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメート(16.61g)をエタノール(250mL)に溶解し、塩化スズ二水和物(25.0g)を加えた。RTで18h撹拌した後、溶液をNaOH(2N水溶液、300mL)に注加し、celite(登録商標)(約50g)を加えた。得られた混合物をcelite(登録商標)でさらにろ過し、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(15.52g)を得た。この物質は粗製物で使用できたが、一部をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に20%〜50%EtOAc)で精製して純粋な物質を得た(回収率79%)。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 1.53(s, 9H), 2.77(d, J=14.4Hz, 1H), 3.09(br. s., 1H), 3.46(br. s., 1H), 3.62(br. s., 2H), 3.87(br. s., 1H), 4.61(d, J=8.6Hz, 1H), 4.71(br. s., 1H), 6.61(br. s., 2H), 6.85-6.95(m, 1H)
(調製例2)
tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメート2−(10)の合成

2−(1) (S)−1−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノンの合成
ヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(2.50M、13.5mL)を、N雰囲気下、−78℃で20minかけてEtO(50mL)中に1−ブロモ−2,3−ジフルオロベンゼン(6.50g)を含む溶液に滴下添加した。反応溶液を60min撹拌した。次いでEtO(10mL)中の(S)−N−メトキシ−N−メチル−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)アセトアミド)(5.20g)を反応溶液に滴下添加し、−78℃で1h撹拌した後、NHCl水溶液(50mL)を反応溶液に加え、続いてRTに加温した。NaHCO(飽和水溶液、100mL)を反応溶液に加え、混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に1%〜10%EtOAc)で精製して表題化合物(3.91g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm: 4.33-4.43(m, 1H), 4.80-4.84(m, 2H), 5.55-5.67(m, 2H), 5.76-5.94(m, 1H), 7.18-7.28(m, 1H), 7.37-7.47(m, 1H), 7.70(ddt, J=7.9, 6.0, 1.7Hz, 1H)
2−(2) (S)−1−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノンオキシムの合成
(S)−1−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノン(3.91g)を無水メタノール(40mL)に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.25g)及び酢酸ナトリウム(1.68g)を加えた。反応混合物を50℃で90min加熱し、次いでRTに冷却し、真空下で濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中に2%〜20%EtOAc)で精製して表題化合物を幾何異性体の混合物(4.10g)として得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 4.04-4.26(m 1H), 4.43-4.55(m, 0.4H) 4.80-4.89(m, 1.6H) 5.39-5.55(m, 2H) 5.64-5.80(m, 1H) 7.05-7.30(m, 3H), 7.76(br s, 0.2H), 8.30(br s, 0.8H).
2−(3) (4S)−6a−(2,3−ジフルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
(S)−1−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−((1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)オキシ)エタノンオキシム(4.10g)をキシレン(40mL)に溶解し、ハイドロキノン(380mg)を加えた。反応混合物を20h還流加熱し(加熱ブロック温度140℃)、次いで冷却し、蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に1%〜25%EtOAc)で精製して表題化合物(3.16g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 3.77(br. s., 1H), 3.99-4.16(m, 1H), 4.16-4.22(m, 1H), 4.22-4.44(m, 2H), 4.51(d, J=9.9Hz, 1H), 5.44(s, 1H), 7.07-7.24(m, 2H), 7.38(br. s., 1H)
2−(4) ((2S,3R,4S)−4−アミノ−4−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノールの合成
(4S)−6a−(2,3−ジフルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾール(3.16g)を酢酸(20mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却した。亜鉛(5.0g)を加え、反応物を加温し、RTで20h撹拌した。次いで反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、celite(登録商標)でろ過し、さらなる100mLのEtOAcで洗浄した。合わせた有機部分を蒸発させ、CHCl(20mL)に溶解し、アンモニア(28%水溶液、25mL)を徐々に加えた。層を分離し、水性部分をCHCl(2×25mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出液を無水MgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(3.12g)を得た。これをさらに精製することなく次のステップで使用した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.93(ddd, J=7.8, 5.1, 2.8Hz, 1H), 3.85(dd, J=12.4, 5.1Hz, 1H), 4.03(dd, J=9.1, 2.8Hz, 1H), 4.14(dd, J=12.3, 2.7Hz, 1H), 4.35(d, J=9.1Hz, 1H), 4.68(五重線, J=7.3Hz, 1H), 7.09-7.25(m, 2H), 7.25-7.34(m, 1H)
2−(5) N−(((3S,4R,5S)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミドの合成
ベンゾイルイソチオシアネート(2.0mL)を、DCM(20mL)中に((2S,3R,4S)−4−アミノ−4−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール(3.12g)を含む溶液に加え、混合物をRTで18h撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、50mL)を加え、混合物をEtOAc(3×75mL)で抽出し、MgSOで脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に5%〜40%EtOAc)で精製して表題化合物(4.18g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 3.12(dd, J=7.6, 4.3Hz, 1H), 3.18-3.29(m, 1H), 4.03(ddd, J=12.3, 7.2, 4.5Hz, 1H), 4.35-4.49(m, 1H), 4.59(d, J=9.9Hz, 1H), 4.81(d, J=9.6Hz, 1H), 7.07-7.23(m, 2H), 7.49(t, J=7.2Hz, 1H), 7.56(t, J=7.7Hz, 2H), 7.67(t, J=7.5Hz, 1H), 7.88(d, J=7.1Hz, 2H), 8.92(s, 1H), 11.89(s, 1H)
2−(6) N−((4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミドの合成
N−(((3S,4R,5S)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド(2.99g)をピリジン(14mL)に溶解し、混合物を−20℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.55mL)を10minかけて滴下添加し、反応混合物を−10℃に加温した。2h撹拌した後、さらなるトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.0mL)を10minかけて滴下添加し、反応物をさらに2h撹拌し、次いで塩化アンモニウム(飽和水溶液、50mL)を加えてクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出液をMgSOで脱水し、真空下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%〜20%EtOAc/hex)で精製して表題化合物(1.20g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.86(d, J=10.6Hz, 1H), 3.20(br. s., 1H), 3.55(br. s., 1H), 4.04(br. s., 1H), 4.65(d, J=8.8Hz, 1H), 4.81(br. s., 1H), 7.06-7.24(m, 3H), 7.40-7.64(m, 3H), 7.82-8.21(m, 2H)
2−(7) (4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンの合成
N−((4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミド(2.00g)をメタノール(250mL)に溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.53g)を加え、溶液を還流加熱した(加熱ブロック温度80℃)。3h後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に0%〜50%EtOAc)で精製して表題化合物(1.42g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.86(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.15(dd, J=13.8, 3.2Hz, 1H), 3.27-3.42(m, 1H), 3.93(dd, J=8.2, 1.9Hz, 1H), 4.39-4.78(m, 4H), 6.96-7.25(m, 3H)
2−(8) (4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンの合成
(4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(1.42g)をTFA(6mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。硫酸(濃、1mL)を加え、続いて発煙硝酸(0.30mL)を20minかけて滴下添加した。0℃で1h撹拌した後、反応混合物を氷(50g)に注加し、2N NaOH(水溶液)でpH12に塩基性化させた。氷を融解させた後、混合物をEtOAc(3×75mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(1.91g、純度約80%)を得た。これを、精製することなく次のステップで使用した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.88(dd, J=13.8, 3.9Hz, 1H), 3.11(dd, J=13.6, 2.8Hz, 1H), 3.37(dt, J=7.4, 3.5Hz, 1H), 3.93(d, J=7.8Hz, 1H), 4.53-4.83(m, 4H), 8.09(ddd, J=9.0, 6.3, 2.9Hz, 1H), 8.27(dt, J=5.2, 2.6Hz, 1H)
2−(9) tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメートの合成
(4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(1.91g、粗製物)をTHF(10mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカルボネート(1.3g)を20minかけて分割添加し、反応混合物を65℃に加熱した。3h後、反応混合物を冷却し、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、50mL)を加えた。次いで混合物をEtOAc(3×750mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に0%〜20%EtOAc)で精製して表題化合物(1.43g粗製物、bis−bocバージョンとの混合物で)を得た。
2−(10) tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2,3−ジフルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメートの合成
tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(2,3−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメート)(1.43g)を含む調製例2−(9)で得られた粗製混合物をエタノール(25mL)に溶解し、塩化スズ二水和物(2.50g)を加えた。18h撹拌した後、溶液をNaOH(2N水溶液、100mL)に注加し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に0%〜30%EtOAc)で精製して、最初にbis−boc生成物(730mg)を得、次に表題化合物(300mg)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 1.53(s, 9H), 2.76(dd, J=13.9, 3.8Hz, 1H), 3.08(d, J=13.6Hz, 1H), 3.36-3.45(m, 1H), 3.71(br. s., 2H), 3.90(d, J=8.3Hz, 1H), 4.57(d, J=8.6Hz, 1H), 4.68-4.79(m, 1H), 6.30-6.37(m, 1H), 6.42-6.49(m, 1H)
(調製例3)
5−エトキシピラジン−2−カルボン酸(3−(2))の合成

エチル5−エトキシピラジン−2−カルボキシレート 3−(1)の合成
エタノール(10mL)中のメチル5−クロロピラジン−2−カルボキシレート(0.50g)の撹拌溶液を0℃に冷却し、ナトリウムエトキシド(エタノール中の21%w/w溶液、1mL)を10minかけて加えた。RTに加温させた後、2h撹拌し、水(100mL)を加え、混合物をEtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(0.65g、純度約85%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 1.45(t, J=7.1Hz, 3H), 1.46(t, J=7.1Hz, 3H), 4.48(q, J=7.1Hz, 2H), 4.49(q, J=7.1Hz, 2H), 8.28(d, J=1.3Hz, 1H), 8.88(d, J=1.3Hz, 1H)
5−エトキシピラジン−2−カルボン酸 3−(2)の合成
エチル5−エトキシピラジン−2−カルボキシレート(0.65g、約純度85%)をジオキサン(3mL)に溶解し、水(3mL)を加え、続いて水酸化リチウム一水和物を加えた(255mg、10minかけて分割して)。RTで24h撹拌した後、EtO(25mL)及びNaHCO(飽和水溶液、25mL)を加えた。層を分離し、有機層をNaOH(1N、水溶液、25mL)で抽出した。合わせた水性部分を6N HClでpH2に酸性化し、混合物をEtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物を灰白色粉末として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 1.47(t, J=7.1Hz, 3H), 4.53(q, J=7.1Hz, 2H), 8.16(d, J=1.2Hz, 1H), 8.98(d, J=1.2Hz, 1H)
(調製例4)
5−エトキシピラジン−2−カルボン酸(4−(3))の合成

メチル5−アセチルピラジン−2−カルボキシレート 4−(1)
5−アセチルピラジン−2−カルボキサミド(3.275g)をメタノール性HCl(1.25N、150mL)に溶解し、反応混合物を還流加熱し、終夜撹拌した。冷却後、重炭酸ナトリウムを加え、混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc層をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(3.79g、約純度90%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.78(s, 3H), 4.10(s, 3H), 9.33(d, J=1.5Hz, 1H), 9.36(d, J=1.5Hz, 1H)
メチル5−(1,1−ジフルオロエチル)ピラジン−2−カルボキシレート 4−(2)
メチル5−アセチルピラジン−2−カルボキシレート(300mg、約純度90%)をDCM(15mL)に溶解し、窒素下で0℃に冷却した。ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.61mL)を滴下添加し、反応混合物をRTに加温し、終夜撹拌した。重炭酸ナトリウム(飽和水溶液)を注意深く加え、混合物をDCMで抽出した。有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中に35%EtOAc)で精製して表題化合物(155mg)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.00(t, J=18.8Hz, 3H), 4.01(s, 3H), 8.98(d, J=1.5Hz, 1H), 9.24(d, J=1.5Hz, 1H)
5−(1,1−ジフルオロエチル)ピラジン−2−カルボン酸 4−(3)
メチル5−(1,1−ジフルオロエチル)ピラジン−2−カルボキシレート(0.65g、約純度85%)をジオキサン(2mL)に溶解し、水(2mL)を加え、続いて水酸化リチウム一水和物(54mg、分割して)を加えた。RTで90min撹拌した後、混合物を2mLまで濃縮し、EtO(20mL)を加えた。次いで混合物をNaOH(1N、水溶液、20mL)で抽出し、水性部分を6N HClでpH2に酸性化した。次いで水性部分をEtOAcで抽出し、MgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物を白色固体(119mg)として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.11(t, J=18.8Hz, 3H), 9.01(d, J=1.3Hz, 1H), 9.47(d, J=1.3Hz, 1H)
(調製例5)
5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸(5−(3))の合成

メチル5−(ヒドロキシメチル)ピラジン−2−カルボキシレート5−(1)
THF(20mL)中のメチル5−ホルミルピラジン−2−カルボキシレート(2.47g)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(170mg)を10minかけて分割添加した。1h撹拌した後、メタノール(10mL)を加えた。反応混合物をさらに20min撹拌し、次いでHCl(1N、水溶液、20mL)及びブライン(20mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×40mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(1.31g)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 4.07(s, 3H), 4.98(br. s., 2H), 8.80(s, 1H), 9.27(s, 1H)
メチル5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキシレート 5−(2)
THF(20mL)中のメチル5−(ヒドロキシメチル)ピラジン−2−カルボキシレート(0.64g)の溶液にトリエチルアミン(2.30g)を加え、溶液を0℃に冷却した。次いでトリエチルアミントリヒドロフルオリド(1.22g)を加え、続いてノナフルオロブタンスルホニルフルオリド(2.28g)を5minかけて滴下添加した。RTに加温した後、2h撹拌し、NaHCO(飽和水溶液、100mL)を加え、混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中に5%〜50%EtOAc)で精製して表題化合物(94mg)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 4.07(s, 3H), 5.67(d, J=46.5Hz, 2H), 8.89(s, 1H), 9.28(s, 1H)
5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸 5−(3)
メチル5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキシレート(94mg)をジオキサン(1mL)に溶解し、水(1mL)を加え、続いて水酸化リチウム一水和物(60mg)を加えた。RTで18h撹拌した後、EtO(20mL)を加え、次いで混合物をNaOH(1N、水溶液、2×20mL)で抽出した。水性部分を6N HClでpH1に酸性化し、EtOAc(2×40mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物を白色固体(71mg)として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 5.70(d, J=46.2Hz, 2H), 8.85(s, 1H), 9.40(s, 1H)
(調製例6)
5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸(6−(5)の合成

t−ブチル5−メチルピラジン−2−カルボキシレート 6−(1)の合成
三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(91.7μL)を、氷冷下でのTHF(20mL)中の2−メチルピラジン−5−カルボン酸(1g)及びtert−ブチル2,2,2−トリクロロアセトイミデート(4.75g)の懸濁液に滴下添加した。反応溶液をRTに加温し、続いて2hで撹拌した。飽和NaCl溶液及びEtOAcを反応溶液に加え、有機層を分離した。有機層を無水MgSOで脱水し、不溶物をろ別した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(1.4g)を得た。1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 1.65(s, 9H), 2.65(s, 3H), 8.57(d, J=1.2Hz, 1H), 9.10(d, J=1.6Hz, 1H).
t−ブチル5−((E)−2−ジメチルアミノ−ビニル)−ピラジン−2−カルボキシレート 6−(2)の合成
t−ブチル5−メチルピラジン−2−カルボキシレート(1.35g)、DMF(25mL)及びN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(25mL)の混合物を130℃で5h撹拌した。反応溶液をRTに冷却し、EtOAcで希釈した。混合物を飽和NaCl溶液で3回洗浄した。有機層を無水MgSOで脱水し、不溶物をろ別した。ろ液を濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(648mg)を得た。1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 1.63(s, 9H), 3.00(s, 6H), 5.16(d, J=12.8Hz, 1H), 7.72(d, J=12.8Hz, 1H), 8.16(d, J=1.2Hz, 1H), 8.81(d, J=1.6Hz, 1H).
t−ブチル5−ホルミルピラジン−2−カルボキシレート 6−(3)の合成
過ヨウ素酸ナトリウム(1.67g)を、50%THF−水(26mL)の中のt−ブチル5−((E)−2−ジメチルアミノ−ビニル)−ピラジン−2−カルボキシレート(645mg)の溶液に加え、混合物をRTで4h撹拌した。飽和NaHCO溶液及びEtOAcを反応溶液に加え、有機層を分離した。有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水MgSOで脱水した。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(249mg)を得た。1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 1.68(s, 9H), 9.25(d, J=1.2Hz, 1H), 9.36(d, J=1.6Hz, 1H), 10.2(s, 1H).
t−ブチル5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキシレート 6−(4)の合成
[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリド(662μL)を、N雰囲気下で、氷冷下のCHCl(12mL)中のt−ブチル5−ホルミルピラジン−2−カルボキシレート(249mg)の溶液に滴下添加した。RTに徐々に戻しながら、反応溶液を2h撹拌した。飽和NaHCO溶液及びEtOAcを反応溶液に加え、有機層を分離した。有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水MgSOで脱水した。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(175mg)を得た。1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 1.67(s, 9H), 6.75(t, J=54.4Hz, 1H), 9.02(d, J=0.8Hz, 1H), 9.25(d, J=0.8Hz, 1H).
5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸 6−(5)の合成
トリフルオロ酢酸(1mL)を、ジクロロメタン(1mL)中のt−ブチル5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキシレート(175mg)の溶液に加え、混合物をRTで5h撹拌した。エーテル及び5N NaOHを反応溶液に加えた。水層を分離し、5N塩酸で酸性にした。EtOAcを水層に加え、有機層を分離した。有機層を無水MgSOで脱水し、不溶物をろ別した。ろ液を濃縮して表題化合物(100mg)を得た。1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 6.80(t, J=54.4Hz, 1H), 9.02(s, 1H), 9.47(s, 1H).
(調製例7)
5−シアノピリジン−2−カルボン酸(7−(2))の合成

メチル5−シアノピリジン−2−カルボキシレート 7(1)の合成
NMP(30mL)中のメチル5−ブロモピリジン−2−カルボキシレート(2.8g)とシアン化銅(3.6g)の混合物を撹拌しながら170℃で1.5h加熱した。水をRTで反応溶液に加え、不溶物をろ別した。ろ液をEtOAcで抽出した。抽出物を飽和NaCl溶液で洗浄し、次いで無水MgSOで脱水した。脱水剤をろ過により除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc−ヘプタン系)で精製して表題化合物(920mg)を得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 4.06(s, 3H), 8.16(dd, J=2.0, 8.0Hz, 1H), 8.27(d, J=8.0Hz, 1H), 9.01(d, J=2.0Hz, 1H).
5−シアノピリジン−2−カルボン酸 7−(2)の合成
エタノール(30mL)中の調製例13−(1)の化合物(920mg)及び5N NaOH溶液(2.26mL)の溶液をRTで10min撹拌した。5N塩酸(5.2mL)をRTで反応溶液に加え、次いでEtOAcで抽出した。抽出物を無水MgSOで脱水した。脱水剤をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物(800mg)を得た。1H-NMR(400MHz, DMSOd6) δ(ppm): 8.18(d, J=8.0Hz, 1H), 8.51(dd, J=2.0, 8.0Hz, 1H), 9.12-9.18(m, 1H).
(調製例8)
5−(メトキシメチル)ピラジン−2−カルボン酸(8−(2))の合成

メチル5−(メトキシメチル)ピラジン−2−カルボキシレート 8−(1)の合成
調製例5−(1)(279mg)で得た化合物をDMFに溶解し、溶液を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中に60%、70mg)を加え、続いてヨードメタン(250mg)を加えた。2日後、水(25mL)を加え、溶液をEtOAc(100mL)で抽出した。水層をNaClで飽和させ、EtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中に30%〜50%EtOAc)で精製して表題化合物(55mg、約純度65%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 3.55(s, 3H), 4.05(s, 3H), 4.72(s, 2H), 8.84(d, J=1.0Hz, 1H), 9.25(d, J=1.0Hz, 1H)
5−(メトキシメチル)ピラジン−2−カルボン酸 8−(2)の合成
メチル5−(メトキシメチル)ピラジン−2−カルボキシレート、8−(1)(55mg、粗製物)を1,4−ジオキサン(1mL)に溶解し、水(1mL)を加え、続いて水酸化リチウム一水和物(50mg)を加えた。RTで1h撹拌した後、水(20mL)を加え、混合物をエーテル(20mL)で抽出した。水性部分をpH2に酸性化し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせたEtOAc層をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(19mg)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 3.58(s, 3H), 4.77(s, 2H), 8.80(br. s., 1H), 9.38(br. s., 1H)
(調製例9)
5−メトキシピラジン−2−カルボン酸

5−クロロピラジン−2−カルボン酸(5.0g、0.032mol)を、熱電対、オーバーヘッドスターラー及び還流凝縮器を備えた丸底フラスコに入れた。メタノール(37.5mL、0.926mol)を入れ、続いて濃硫酸(0.2mL、0.004mol)を入れた。三ッ口フラスコに加熱マントルを取り付け、次いで反応混合物を約65.0℃(内部T)に加熱した。反応混合物を、約65.0℃(内部T)で約4h撹拌を続行した。反応混合物を約25.8℃(内部T)に冷却した。窒素雰囲気下で、メタノール(12mL、0.31mol)を入れ、スラリーを、約22.3℃(内部T)で約15min撹拌続行し、次いで約10.0℃(内部T)に冷却した。温度を30.0℃(内部T)以下に保持しながら、メタノール中の25%ナトリウムメトキシド(1:3、ナトリウムメトキシド:メタノール、7.7mL)をフラスコに入れた。反応混合物を20.4℃(内部T)に調節した。30min後、水酸化ナトリウム(2.0g、0.04mol)と水(37.5mL、2.08mol)を合わせて溶液を形成させ、次いでこの溶液を反応混合物に入れた。水(50.0mL、2.78mol)を入れ、次いで反応混合物を40.0℃(内部T)で約60min加熱した。加熱マントルを取り外し、次いで反応混合物を約25.4℃(内部T)に冷却した。38%HCl水溶液(38:62、塩化水素:水、4.0mL)を、温度が30.0℃(内部T)に保持されるような速度で添加した(約5min)。濃厚スラリーを約21.4℃(内部T)で1h撹拌し、次いで焼結漏斗でろ過した。固体を水(10.0mL、0.555mol)ですすぎ、真空下で終夜乾燥して5−メトキシピラジン−2−カルボン酸(3.59g)を得た。1H NMR(500MHz, DMSO) δ 13.24(1H, br s), 8.79(1H, d, J=1.2Hz), 8.37(1H, d, J=1.2Hz), 3.98(s, 3H); 13C NMR(125MHz, DMSO) δ 165.36, 161.88, 143.88, 136.82, 135.55, 54.69.
調製例1−(13)及び2−(10)で調製したアニリンとアリールカルボン酸のカップリングのための基本手順:N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド(実施例1)の調製

tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメート(調製例1、56mg)をDCM(2mL)に溶解し、5−メトキシピラジン−2−カルボン酸(40mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(80mg)及び(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジン−1−イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(135mg)を加えた。反応混合物をRTで18h撹拌し、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、25mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×40mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製してアミド(40mg)を白色固体として得た。このアミドをDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を加えた。RTで2h撹拌した後、反応混合物を蒸発させ、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、25mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物を白色固体(34mg)として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.78-2.87(m, 1H), 3.11-3.21(m, 1H), 3.38-3.48(m, 1H), 3.82-4.06(m, 4H), 4.48-4.72(m, 2H), 6.96-7.10(m, 1H), 7.52(d, J=4.8Hz, 1H), 7.87(d, J=8.8Hz, 1H), 8.09(s, 1H), 8.95(s, 1H), 9.46(br. s., 1H)
(実施例2)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−シアノピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.82(dd, J=13.6, 3.5Hz, 1H), 3.14-3.21(m, 1H), 3.37-3.45(m, 1H), 3.91(d, J=9.1Hz, 1H), 4.50-4.71(m, 2H), 7.08(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.46-7.57(m, 1H), 7.92(dt, J=8.8, 3.4Hz, 1H), 8.17(dd, J=8.3, 2.0Hz, 1H), 8.34(d, J=8.1Hz, 1H), 8.81-8.92(m, 1H)
(実施例3)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−ジフルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.80(dd, J=13.8, 3.7Hz, 1H), 3.11(dd, J=13.6, 2.8Hz, 1H), 3.31-3.41(m, 1H), 3.86(d, J=8.3Hz, 1H), 4.57(d, J=8.3Hz, 1H), 4.64(dt, J=14.7, 7.1Hz, 1H), 4.75(br s, 2H), 6.69(t, J=56.3Hz, 1H), 7.07(dd, J=11.6, 8.8Hz, 1H), 7.57(dd, J=7.1, 2.8Hz, 1H), 7.87(dt, J=8.5, 3.6Hz, 1H), 8.85(s, 1H), 9.45(s, 1H), 9.58(br. s., 1H)
(実施例4)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.88(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.20(dd, J=13.6, 3.0Hz, 1H), 3.37-3.53(m, 1H), 3.94(dd, J=8.3, 2.3Hz, 1H), 4.40-4.89(m, 4H), 7.14(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.66(dd, J=6.8, 2.8Hz, 1H), 7.98(ddd, J=8.8, 4.0, 3.0Hz, 1H), 8.20(dd, J=8.2, 1.6Hz, 1H), 8.45(d, J=8.3Hz, 1H), 8.90(s, 1H), 9.95(s, 1H)
(実施例5)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチルピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.72(s, 3H), 2.88(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.21(dd, J=13.6, 3.0Hz, 1H), 3.42-3.49(m, 1H), 3.94(d, J=8.3Hz, 1H), 4.39-4.80(m, 4H), 7.14(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.62(dd, J=7.1, 2.8Hz, 1H), 7.93-7.99(m, 1H), 8.46(d, J=1.0Hz, 1H), 9.39(d, J=1.3Hz, 1H), 9.65(s, 1H)
(実施例6)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチルピコリンアミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−メチル−ピリジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.37(s, 3H), 2.78(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.12(dd, J=13.6, 2.8Hz, 1H), 3.28-3.40(m, 1H), 3.87(d, J=8.1Hz, 1H), 4.28-5.02(m, 4H), 7.02(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.55(dd, J=7.1, 2.8Hz, 1H), 7.63(dd, J=8.0, 1.4Hz, 1H), 7.88(ddd, J=8.8, 4.0, 2.9Hz, 1H), 8.10(d, J=8.1Hz, 1H), 8.31-8.40(m, 1H), 9.90(s, 1H)
(実施例7)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−エチルピコリンアミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−エチル−ピリジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 1.33(t, J=7.6Hz, 3H), 2.78(q, J=7.6Hz, 2H), 2.88(dd, J=13.5, 3.7Hz, 1H), 3.22(dd, J=13.6, 2.8Hz, 1H), 3.42-3.48(m, 1H), 3.96(d, J=7.3Hz, 1H), 4.44-4.95(m, 4H), 7.12(dd, J=11.6, 8.8Hz, 1H), 7.62(dd, J=6.9, 2.7Hz, 1H), 7.74(dd, J=8.1, 1.8Hz, 1H), 7.98(dt, J=8.7, 3.5Hz, 1H), 8.21(d, J=8.1Hz, 1H), 8.44-8.48(m, 1H), 10.00(s, 1H)
(実施例8)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−フルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸から合成した。実際の調製の詳細は以下の通りである:−tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメート(500mg)をDCM(10mL)に溶解し、5−フルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸(223mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(521mg)及び(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジン−1−イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(750mg)を加えた。反応混合物をRTで1h撹拌し、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、50mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×75mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0%〜30%EtOAc/ヘキサン勾配)で精製してアミド(613mg)を白色固体として得た。このアミドをDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を加えた。RTで2h撹拌した後、反応混合物を蒸発させ、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、25mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×25mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物を白色固体として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.89(dd, J=13.8, 3.7Hz, 1H), 3.21(dd, J=13.9, 2.5Hz, 1H), 3.40-3.51(m, 1H), 3.96(d, J=7.3Hz, 1H), 4.42-4.85(m, 4H), 5.69(d, J=46.5Hz, 2H), 7.15(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.64(dd, J=7.1, 2.8Hz, 1H), 7.94-8.00(m, 1H), 8.77(s, 1H), 9.47(s, 1H), 9.68(s, 1H)
(実施例9)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピコリンアミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−メトキシピリジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.88(dd, J=13.8, 3.7Hz, 1H), 3.23(dd, J=13.8, 2.4Hz, 1H), 3.46(d, J=7.3Hz, 1H), 3.89-4.02(m, 4H), 4.54-5.00(m, 4H), 7.11(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.36(dd, J=8.8, 2.8Hz, 1H), 7.61(dd, J=7.1, 2.8Hz, 1H), 7.97(dt, J=8.5, 3.6Hz, 1H), 8.23-8.30(m, 2H), 9.86(s, 1H)
(実施例10)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−エトキシピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−エトキシピリミジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 1.47(t, J=7.1Hz, 3H), 2.87(dd, J=13.6, 3.5Hz, 1H), 3.20(d, J=13.6Hz, 1H), 3.40-3.50(m, 1H), 3.94(d, J=7.8Hz, 1H), 4.46-4.95(m, 6H), 7.11(dd, J=11.5, 9.0Hz, 1H), 7.54-7.63(m, 1H), 7.90-8.01(m, 1H), 8.13(s, 1H), 9.00(s, 1H), 9.52(br. s., 1H)
(実施例11)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(1,1−ジフルオロエチル)ピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−(1,1−ジフルオロエチル)ピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(600MHz, CDCl3) δ ppm 2.03(t, J=18.8Hz, 3H), 2.82(d, J=12.0Hz, 1H), 3.14(d, J=12.4Hz, 1H), 3.35-3.46(m, 1H), 3.77-4.07(m, 1H), 4.20-4.93(m, 4H), 7.08(dd, J=11.7, 9.0Hz, 1H), 7.56(d, J=4.5Hz, 1H), 7.80-7.93(m, 1H), 8.87(s, 1H), 9.43(s, 1H), 9.59(br. s., 1H)
(実施例12)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.80(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.11(dd, J=13.8, 2.9Hz, 1H), 3.30-3.44(m, 1H), 3.87(d, J=8.3Hz, 1H), 4.25-5.14(m, 4H), 7.07(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.57(dd, J=6.8, 2.8Hz, 1H), 7.86(dt, J=8.4, 3.6Hz, 1H), 8.89(s, 1H), 9.53(s, 2H)
(実施例13)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシメチル)ピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−(メトキシメチル)ピリミジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.79(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.11(dd, J=13.6, 2.8Hz, 1H), 3.32-3.39(m, 1H), 3.49(s, 3H), 3.84(d, J=8.3Hz, 1H), 4.34-4.73(m, 6H), 7.05(dd, J=11.6, 8.8Hz, 1H), 7.55(dd, J=6.8, 2.8Hz, 1H), 7.88(dt, J=8.4, 3.6Hz, 1H), 8.63(s, 1H), 9.34(d, J=1.0Hz, 1H), 9.60(s, 1H)
(実施例14)
N−{3−[(4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5−ジヒドロ−4H−フロ[3,4d][1,3]チアジン−7a(7H)−イル]−4−フルオロフェニル}−5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボキサミド
14−(2) 5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボン酸の合成

パート(I):()メチル5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボキシレート
新たに切り出したナトリウム金属(160mg)を10minかけて()メタン(H)オール(5mL)に分割して加え、溶液をナトリウムが溶解するまで撹拌した。次いでこの溶液を()メタン(H)オール(5mL)中のメチル5−クロロピラジン−2−カルボキシレート(1.02g)に加え、溶液をRTで1hr撹拌させた。次いで溶液を減圧下で濃縮して約2mLの容積にし、水(50mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物(745mg)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 8.30(d, J=1.3Hz, 1H), 8.91(d, J=1.3Hz, 1H)
パート(II):5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボン酸
1,4−ジオキサン(5mL)中の()メチル5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボキシレートの撹拌溶液に水(5mL)を加え、続いて水酸化リチウム一水和物(300mg)を加えた。1hr撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮して約5mLにし、ジエチルエーテル(25mL)で抽出した。有機層を1N NaOH(水溶液、10mL)で抽出し、合わせた水性部分を6N塩酸でpH2に酸性化した。冷蔵庫の中で冷却した後、混合物をろ過して表題化合物を薄茶色粉末(660mg)として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 8.21(d, J=1.3Hz, 1H), 9.01(d, J=1.3Hz, 1H), 10.12(br s., 1H)
パート(III):N−{3−[(4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5−ジヒドロ−4H−フロ[3,4d][1,3]チアジン−7a(7H)−イル]−4−フルオロフェニル}−5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボキサミド

tert−ブチル((4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)カルバメート(100mg)をDCM(2mL)に溶解し、5−[()メチルオキシ]ピラジン−2−カルボン酸(55mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(112mg)及び(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジン−1−イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(180mg)を加えた。反応混合物をRTで18h撹拌し、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、25mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×40mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中に2%〜25%EtOAc)で精製してアミド(127mg)を白色固体として得た。このアミドをDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を加えた。RTで2h撹拌した後、反応混合物を蒸発させ、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液、25mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×40mL)で抽出し、合わせた有機部分をMgSOで脱水し、蒸発させて表題化合物を白色固体(104mg)として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.87(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.21(dd, J=13.6, 2.8Hz, 1H), 3.39-3.53(m, 1H), 3.95(d, J=8.3Hz, 1H), 4.65(d, J=8.3Hz, 1H), 4.72(五重線, J=7.2Hz, 1H), 4.87(br s, 2H), 7.12(dd, J=11.9, 8.8Hz, 1H), 7.60(dd, J=6.9, 2.7Hz, 1H), 7.95(dt, J=8.5, 3.6Hz, 1H), 8.16(d, J=1.0Hz, 1H), 9.02(d, J=1.0Hz, 1H), 9.52(s, 1H)
(実施例15)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2,3−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−ジフルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.90(dd, J=13.8, 3.7Hz, 1H), 3.19(dd, J=13.8, 2.7Hz, 1H), 3.31-3.49(m, 1H), 3.95(d, J=7.6Hz, 1H), 4.44-5.15(m, 4H), 6.81(t, J=55.8Hz, 4H), 7.22-7.35(m, 1H), 8.08(ddd, J=11.2, 6.8, 2.7Hz, 1H), 8.94(s, 1H), 9.53(s, 1H), 9.67(s, 1H)
(実施例16)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2,3−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−メトキシピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3 + MeOD) δ ppm 2.83(dd, J=13.9, 3.8Hz, 1H), 3.14(dd, J=13.9, 3.0Hz, 1H), 3.29-3.39(m, 1H), 3.87(d, J=8.3Hz, 1H), 4.04(s, 3H), 4.60(d, J=8.3Hz, 1H), 4.67(五重線, J=6.3Hz, 1H), 7.11-7.21(m, 1H), 8.03(ddd, J=11.6, 6.9, 2.7Hz, 1H), 8.15(d, J=1.3Hz, 1H), 8.96(d, J=1.3Hz, 1H)
(実施例17)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−メチルピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2,3−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−メチルピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3 + MeOD) δ ppm 2.68(s, 3H), 2.84(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.15(dd, J=13.9, 3.0Hz, 1H), 3.30-3.42(m, 1H), 3.88(d, J=10.4Hz, 1H), 4.61(d, J=8.6Hz, 1H), 4.68(五重線, J=7.2Hz, 1H), 7.13-7.25(m, 1H), 8.05(ddd, J=11.6, 6.8, 2.8Hz, 1H), 8.46(s, 1H), 9.30(d, J=1.3Hz, 1H)
(実施例18)
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4,5−ジフルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)−ピラジン−2−カルボキサミド

基本手順にしたがって、tert−ブチル[(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2,3−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]カルバメート及び5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸から合成した。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.89(dd, J=13.6, 3.8Hz, 1H), 3.19(dd, J=13.6, 3.0Hz, 1H), 3.43(dd, J=7.5, 3.4Hz, 1H), 3.86-3.99(m, 1H), 4.39-4.67(m, 3H), 4.74(五重線, J=7.1Hz, 1H), 5.76(d, J=45.5Hz, 2H), 8.10(ddd, J=11.4, 6.8, 2.8Hz, 1H), 8.77(s, 1H), 9.46(s, 1H), 9.69(s, 1H)
実施例1及び8の化合物の代替の調製法を本明細書で以下に説明する。これらの代替の調製法のため、H NMR及び13C NMRスペクトルを、vNMR 6.1Cソフトウェアを備えたVarian400MHz又は500MHz装置で記録した。
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド(実施例1)の代替の調製法
1−(14) tert−ブチル2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)アセテートの合成

反応容器に、トルエン(3.2L)、THF(0.60L)及びアクロレイン(0.40L、5.985mol)を窒素下、rtで入れた。(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(1.003kg、7.059mol)を17℃で加えた。反応混合物を2.5℃に冷却し、TBAF(THF中に0.01M、0.400L、0.004mol)を2hかけて加えた。TBAFの添加の間、反応混合物の温度は65℃に上昇した。反応混合物を0℃に冷却し、2h後、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩(0.171kg、0.503mol)を加え、続いてブロモ酢酸tert−ブチル(0.987kg、5.064mol)を加えた。温度を10℃以下に保持しながら、水酸化ナトリウム(水の中に50%wt、4.2kg、52.6mol)を2hかけて加えた。0〜5℃で2h後、反応混合物に水(2.9L)及びメチルtert−ブチルエーテル(6.0L)を加えた。水相(aq.phase)をメチルtert−ブチルエーテル(6.0L)でもう一度抽出した。有機相を合わせ、14%水溶液NaCl(3×1.6L)で洗浄した。有機分を真空下で濃縮して表題化合物を油状物(1.150kg、94.5%)として得た。これを、さらに精製することなく次の段階で使用した。1H NMR(500MHz, CDCl3) δ ppm 5.86-5.74(m, 1H), 5.59(d, J=17.5Hz, 1H), 5.56(d, J=10.9Hz, 1H), 4.37-4.30(m, 1H), 4.11(d, J=16.5Hz, 1H), 4.06(d, J=16.4Hz, 1H), 1.40(s, 9H); 13C NMR(125MHz, CDCl3) δ ppm 168.51, 128.49(d, J=1.7Hz), 123.86, 123.71(q, J=281.8Hz), 82.22, 78.67(q, J=31.5Hz), 66.60, 28.02.
1−(15)N−メトキシ−N−メチル−2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)アセトアミドの合成

tert−ブチル2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)アセテート(1.150kg、4.788mol)を入れた反応器に、rtでギ酸(6.2kg)を加えた。反応混合物を55〜60℃で4〜5h加熱した。ギ酸を真空下で蒸発させ(T=40〜45℃)、トルエン(2×3.0L)でチェースした(chased)。この残留物にCHCl(2.0L)を加え、真空下でさらに濃縮した。得られた残留物にCHCl(4.6L)を加え、溶液を0℃に冷却し、続いてN,N−カルボニルジイミダゾール(1.05kg、6.49mol)を5分割して加えた。混合物を30min撹拌し、温度を10℃以下に保持しながら、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.67kg、6.72mol)を分割して加えた。反応混合物をrtに加温し、14h撹拌した。反応混合物を3.2℃に冷却し、イミダゾール(100.7g、1.48mol)を2分割して入れた。反応混合物をrtに加温し、水(1.4kg)を加え、続いてメチルtert−ブチルエーテル(14.0L)を加えた。有機相を2.0N HCl水溶液(1.0L及び0.7L)で洗浄し、続いてNaHCO飽和水溶液(1.2L)及びNaCl飽和水溶液(1.20L)で洗浄した。有機分を濃縮して表題化合物を油状物(0.95kg、87.2%)として得た。1H NMR(500MHz, CDCl3) δ ppm 5.85-5.76(m, 1H), 5.62(d, J=17.2Hz, 1H), 5.56(d, J=10.4Hz, 1H), 4.49-4.34(m, 3H), 3.68(s, 3H), 3.67(s, 1H), 3.18(s, 3H), 3.08(s, 1H); 13C NMR(126MHz, cdcl3) δ ppm 169.9*, 163.4*, 128.61, 123.87(d, J=282.0Hz), 123.82, 78.54(q, J=31.3Hz), 66.12, 61.52, 60.56, 36.20, 32.24.
注記:この化合物は、アミド結合回転異性体の3:1の混合物である。カルボニル化学シフトは、H−13C HMBC(ヘテロ核多重結合相関)により間接的に推定した。
HRMS C12NO [M+H]についての計算値228.0848;実験値228.0836。
1−(16) 1−(2−フルオロフェニル)−2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)エタノンの合成

THF(6.2L)中の1−ブロモ−2−フルオロベンゼン(0.967kg、5.527mol)の−75℃での溶液に、温度を−65℃(約100min)以下に保持しながら、n−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.50M、2.09L、5.22mol)を加えた。15min後、温度を−65℃(約70min)以下に保持しながらTHF(1.6L)中のN−メトキシ−N−メチル−2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)アセトアミド(0.949kg、4.178mol)の溶液を加えた。−78℃で2.5h後、反応物を、NHCl飽和水溶液(3.0L)及びメチルtert−ブチルエーテル(9.0L)を加えてクエンチした。反応混合物をrtに加温し、水相をメチルtert−ブチルエーテル(2.5L)で再度抽出した。有機相を合わせ、NaCl飽和水溶液(2×0.3L)で洗浄し、真空下で濃縮して表題化合物を油状物(1.007kg、80.0%)として得た。1H NMR(500MHz, CDCl3) δ ppm 7.96(td, J=7.6, 1.8Hz, 1H), 7.62-7.54(m, 1H), 7.33-7.25(m, 1H), 7.20-7.12(m, 1H), 5.86(ddd, J=17.5, 10.4, 7.3Hz, 1H), 5.60(dd, J=20.5, 13.8Hz, 2H), 4.91-4.76(m, 2H), 4.39(dq, J=12.8, 6.4Hz, 1H); 13C NMR(125MHz, CDCl3) δ ppm 193.55, 162.14(d, JCF=254.1Hz), 135.36(d, JCF=9.2Hz), 130.62(d, JCF=3.2Hz), 128.49, 124.85(d, JCF=3.3Hz), 123.89, 122.93, 122.72(d, JCF=24.5Hz), 116.50(d, JCF=23.7Hz), 78.97(q, JCF=31.4Hz), 74.56(d, JCF=12.4Hz).
HRMS C1210 [M+H]についての計算値263.0695;実験値263.0709。
1−(17) 1−(2−フルオロフェニル)−2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)エタノンオキシムの合成

反応器に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.34kg、4.95mol)、酢酸ナトリウム(0.47kg、5.70mol)及びMeOH(2.68L)を加えた。この懸濁液に、MeOH(1.8L)中の1−(2−フルオロフェニル)−2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)エタノン(0.998kg、3.806mol)の溶液を入れ、反応混合物を40〜50℃に加熱した。それが完了したら(約2h)、反応混合物をrtに冷却し、Celite(0.5wt)でろ過し、EtOAc(3.0L)ですすいだ。ろ液を真空下で濃縮し、得られた残留物に、メチルtert−ブチルエーテル(6.3L)、水(0.94L)及びNaHCO飽和水溶液(2.5L)を加えた。有機相を水(1.6L)及びNaCl飽和水溶液(0.1L)で1回洗浄した。有機相を真空下で濃縮して表題化合物を油状物(1.03kg、95.0%)として得た。1H NMR(500MHz, CDCl3) δ ppm 7.49-7.35(m, 2H), 7.24-7.06(m, 2H), 5.78-5.65(m, 1H), 5.54-5.40(m, 2H), 4.89-4.81(m, 1H), 4.53(d, J=12.6Hz, 1H), 4.47(d, J=12.6Hz, 0.5H), 4.27-4.18(m, 1H), 4.13-4.05(m, 0.5H).
HRMS C1211NO [M+H]についての計算値278.0804;実験値278.0780。
注記:1−(2−フルオロフェニル)−2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)エタノンオキシムは構造異性体の平衡物として存在し、これは、整数値未満(the less-than-whole-number integral value)を構成する。
1−(18)(3aR,4S,6aS)−6a−(2−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾールの合成

キシレン(6.9L)中の1−(2−フルオロフェニル)−2−(1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イルオキシ)エタノンオキシム(1.085kg、3.328mol)の溶液にハイドロキノン(86.2g、0.8mol)をrtで加えた。この溶液を128℃(内温)で18h加熱した。溶液をrtに冷却し、ヘキサン(7.0L)を加え、続いて4.0M HCl水溶液(2.4L)を加えた。反応混合物を1h撹拌し、ろ過した。この固体に水(2.0L)、メチルtert−ブチルエーテル(7.0L)及び25%wt.NaOH水溶液(0.4L)を加えた。水層をメチルtert−ブチルエーテル(7.0L)で1回抽出し、有機分を合わせ、27%NaCl水溶液(2.0L)で洗浄し、真空下で濃縮して黒色油状物(512.0g、56%)を得た。1H NMR(500MHz, CDCl3) δ ppm 7.64-7.52(m, 1H), 7.39-7.31(m, 1H), 7.19(td, J=7.7, 1,2Hz, 1H), 7.11(ddd, J=11.9, 8.2, 1.0Hz, 1H), 4.54(d, J=10.1Hz, 1H), 4.34-4.23(m, 1H), 4.26-4.17(m, 1H), 4.16(d, J=10.2Hz, 1H), 4.10(d, J=8.5Hz, 1H), 3.71(d, J=20.2Hz, 1H); 13C NMR(125MHz, CDCl3) δ ppm 160.59(d, JCF=247.0Hz), 130.50(d, JCF=8.7Hz), 128.72, 124.69(d, JCF=3.3Hz), 124.45(q, JCF=281.8Hz), 124.43(d, JCF=11.9Hz), 116.66(d, JCF=22.7Hz), 83.70(q, JCF=32.1Hz), 78.17(d, JCF=3.1Hz), 77.63. 54.53.
HRMS C1211NO [M+H]についての計算値278.0804;実験値278.0802。
1−(19) ((2S,3R,4S)−4−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノールの合成

亜鉛(389.2g、5.95mol)を反応容器に入れ、水を加えた(893mL)。温度を10℃以下に保持しながら、酢酸(135mL、2.38mol)を加えた。15min後、6a−(2−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾール(550.0g、1.98mol)をTHF(665mL)中の溶液として加えた。反応混合物をrtで16hにわたって撹拌した。温度を30℃以下に保持しながら、塩化メチレン(1.89L)を加え、続いて28%NHOH水溶液(552mL)を加えた。混合物を30min撹拌し、次いで塩化メチレン(378mL)ですすぎながらCelite(80g)でろ過した。水層を塩化メチレン(1.89L)で抽出した。有機分を合わせ、NaCl飽和水溶液(1.0L)で洗浄し、真空下で濃縮して油状物(502g、90.6%)を得た。粗製残留物を、さらに精製することなく以下のステップで使用した。
HRMS C1213NO [M+H]についての計算値280.0961;実験値280.0972。
1−(20) ((2S,3R,4S)−4−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)スクシネートの合成

エタノール(4.865L)中の4−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール(0.502kg、1.798mol)の溶液にジベンゾイル−D−酒石酸(0.642kg、1.798mol)を加えた。得られた懸濁液を67℃に加熱した。温度を66℃超に保持しながら、水(94.0mL、5.2mol)を15minかけて加えた。得られた溶液を45℃に冷却した。その間に沈澱が生じた。スラリーを60℃に再加熱し、次いで5℃/時間で周囲温度に冷却した。スラリーをろ過し、予め混合したエタノール(950mL)と水(20mL)の冷却溶液で固体をすすいだ。固体を、恒量になるまで真空下で乾燥した(370g、97.6%ee)。1H NMR(500MHz, CD3OD) δ ppm 8.13(d, J=7.2Hz, 4H), 7.66-7.58(m, 3H), 7.54-7.45(m, 5H), 7.36-7.20(m, 2H), 5.92(s, 2H), 4.79-4.66(m, 1H), 4.40-4.28(m, 1H), 4.04(dd, J=12.1, 3.4Hz, 1H), 3.92(dd, J=12.1, 5.4Hz, 1H), 3.30-3.24(m, 1H); 13C NMR(125MHz, DMSO) δ ppm 169.61, 165.81, 160.23(d, J=246.1Hz), 133.00, 131.34(d, J=9.1Hz), 129.65, 129.55, 128.08, 127.97(d, J=3.5Hz), 124.95(d, J=3.3Hz), 116.56(d, J=23.5Hz), 77.48(q, JCF=31.0Hz), 76.33, 73.20, 65.61(d, J=3.1Hz), 57.11.
HRMS C1213NO [M+H]についての計算値280.0961;実験値280.0967(アミノアルコールについて)。
表題化合物の絶対立体化学は、エナンチオ濃縮された(S)−2−(トリフルオロメチル)オキシランから出発して調製されたサンプルと比較して特定した。
キラルHPLCパラメーター:
装置、試薬及び移動相:
装置:
試薬:
移動相:
70mLの2−プロパノール及び930mLのヘプタン(100mL及び1000mLメスシリンダーで別々に測定)並びに1.0mLのトリエチルアミン(ガラス製メスピペットで測定)を適切なフラスコに加え、混合する。使用の間にインラインで脱ガスをする。
希釈液:2−プロパノール
HPLCパラメーター:
分析物及び不純物のための保持時間:
化合物1−(20)のキラルHPLC単離による典型的なクロマトグラムを図1に示す。
1−(21) N−((3S,4R,5S)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−テトラヒドロフラン−3−イルカルバモチオイル)ベンズアミドの合成

キラル塩((2S,3R,4S)−4−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)スクシネート(0.361kg、0.556mol)にEtOAc(1.08L)を加え、この懸濁液を−3℃に冷却した。T<5℃に保持しながら、1.0N NaOH水溶液(1.30L)を20minかけて加えた。5min後、T<5℃に保持しながらベンゾイルイソチオシアネート(80.0mL、594mmol)を8minかけて加えた。1h後、EtOAc(722mL)を入れた。水層を除去し、有機分をNaHCO飽和水溶液(361mL)及びNaCl飽和水溶液(361mL)で洗浄した。有機分をcelite(90g)でろ過し、EtOAc(360mL)ですすいだ。有機分を真空下で濃縮して残留物を得た。これをCHCl(1.1L)に再溶解し、濃縮して表題化合物を黄色泡状物(261g、残留溶媒を計上して99%収率)として得た。これを以下のステップで使用した。1H NMR(500MHz, DMSO) δ ppm 12.04(s, 2H), 11.20(s, 2H), 7.95(d, J=7.4Hz, 2H), 7.69-7.60(m, 1H), 7.56-7.42(m, 2H), 7.37-7.28(m, 1H), 7.24-7.12(m, 2H). 5.59(t, J=4.5Hz, 1H), 5.03(d, J=9.7Hz, 1H), 4.92(d, J=9.7Hz, 1H), 4.75-4.63(m, 1H), 3.92-3.74(m, 2H), 2.77-2.66(m, 1H); 13C NMR(125MHz, DMSO) δ ppm 179.98, 167.85, 159.75(d, JCF=245.0Hz), 133.44, 132.58, 129.88, 129.81, 129.04, 128.85, 126.31(d, JCF=9.8Hz), 124.36, 116.83(d, JCF=23.4Hz), 76.11(q, JCF=31.0Hz). 74.37(d, JCF=6.1Hz), 68.77(d, JCF=3.4Hz), 57.03, 52.23.
HRMS C2018S [M+H]についての計算値441.0896;実験値441.0818。
1−(22) N−((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミドの合成

CHCl(1.55L)中のN−((3S,4R,5S)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−テトラヒドロフラン−3−イルカルバモチオイル)ベンズアミド(258.3g、583.8mmol)の溶液を−19.4℃に冷却した。温度を−20℃に保持しながらピリジン(118mL、1.46mol)を加え、次いで反応混合物を−24℃に冷却した。窒素パージされている別の容器にCHCl(258mL)を加え、続いてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(108.0mL、642.2mmol)を加えた。得られた溶液を、温度を<−19.7℃に保持しながら30minかけて上記反応混合物に加えた。添加が完了したら、反応混合物を−20℃〜−15℃で30min撹拌し、次いで20minかけて−11℃に加温した。NHCl飽和水溶液(646mL)及び水(390mL)を加えた。混合物を周囲温度に加温し、水層を分離した。有機分を、予め混合したNHCl(646mL)飽和水溶液及び水(390mL)で洗浄した。水層を合わせ、CHCl(520mL)で1回抽出した。有機分を合わせ、真空下で濃縮して淡いオレンジ色泡状物(250g、100%)を得た。この残留物を精製することなく次の段階で使用した。1H NMR(500MHz, CDCl3) δ ppm 8.03(d, J=6.7Hz, 2H), 7.52(t, J=7.0Hz, 1H), 7.48-7.31(m, 4H), 7.20(t, J=7.4Hz, 1H), 7.12(dd, J=12.0, 8.4Hz, 1H), 4.82-4.73(m, 1H), 4.60(d, J=8.9Hz, 1H), 4.03(d, J=8.3Hz, 1H), 3.57(d, J=2.7Hz, 1H), 3.20(d, J=13.6Hz, 1H), 2.81(dd, J=13.8, 2.5Hz, 1H); 13C NMR(125MHz, CDCl3) δ ppm 171.50, 159.57(d, JCF=247.2Hz), 134.62, 132.49, 130.65(d, JCF J=8.8Hz), 129.77, 128.51, 128.45, 125.14(q, JCF=281.8Hz), 124.97(d, JCF=3.0Hz), 124.66(d, JCF=10.3Hz), 117.05(d, JCF=23.5Hz), 66.81(d, JCF=5.2Hz), 38.90, 23.20.
HRMS C2016S [M+H]についての計算値425.0947;実験値425.0945。
1−(23) (4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンの合成

メタノール(1.25L)中のN−((4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミド(250.2g、589.5mmol)の溶液にKCO(81.5g、590.0mmol)を加えた。懸濁液を65℃で6h加熱した。周囲温度に冷却されたら、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残留物に1.0N NaOH水溶液(1.18L)及びTHF(502mL)を加えた。不均一混合物を45℃で1h加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、EtOAc(1.38L)を加えた。水層をEtOAc(0.75L)で抽出した。有機分を合わせ、NaHCO飽和水溶液(500mL)及びNaCl飽和水溶液(500mL)で洗浄した。有機分を真空下で濃縮して表題化合物を褐色油状物(184.1g、残留溶媒を計上して91.6%収率)を得た。1H NMR(500MHz, DMSO) δ ppm 7.49-7.42(m, 1H), 7.40-7.33(m, 1H), 7.26-7.15(m, 2H), 6.26(s, 2H), 4.77-4.54(m, 1H), 4.40(d, J=8.0Hz, 1H). 3.80(dd, J=7.9, 2.3Hz, 1H), 3.24-3.17(m, 1H), 3.00(dd, J=13.9, 3.2Hz, 1H), 2.85(dd, J=13.9, 3.9Hz, 1H); 13C NMR(125MHz, DMSO) δ ppm 159.75(d, JCF=245.1Hz), 149.51, 131.31(d, JCF=3.9Hz), 130.13(d, JCF=8.8Hz), 128.08(d, JCF=10.4Hz), 128.28(q, JCF=282.1Hz). 124.87(d, JCF=3.0Hz), 116.80(d, J=23.8Hz). 78.77, 76.80(q, JCF=30.8Hz), 66.31, 36.37, 23.27.
HRMS C1312OS [M+H]についての計算値321.0685;実験値321.0677。
1−(24) (4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩の合成

(4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(184.1g、574.8mmol)を含む冷却容器に、温度を20℃以下に保持しながら、トリフルオロ酢酸(0.954kg)を分割添加した。混合物を3.5℃に冷却し、温度を5℃以下に保持しながら、硫酸(146mL、2.73mol)を20minかけて加えた。温度を10℃以下に保持しながら、発煙硝酸(39.8mL、0.948mol)を30minかけて加えた。0〜10℃で1.5h後、反応混合物を、5℃に冷却した水(4.6L)の中のNaOH(575g、14.4mol)の水溶液に移して徐々にクエンチした。得られた懸濁液を21℃で1h撹拌した。次いで懸濁液をろ過し、固体を冷水(920mL)ですすいだ。固体を真空下で恒量になるまで乾燥し、次いでエタノール(1.05L)に溶解した。溶液を35℃に加熱し、温度を40℃以下に保持しながら、濃HCl(55.6mL、0.690mol)を加えた。次いで懸濁液を−5℃に冷却し、1hr保持し、ろ過した。固体を冷エタノール(420mL)ですすぎ、恒量になるまで乾燥して表題化合物(185.0g、87.3%)を得た。1H NMR(500MHz, DMSO) δ ppm 11.80(s, 2H), 8.45-8.36(m, 1H), 8.31(dd, J=6.6, 2.5Hz, 1H), 7.66(dd, J=11.1, 9.3Hz, 1H), 4.96-4.72(m, 1H), 4.58(d, J=10.0Hz, 1H), 4.27(d, J=9.9Hz, 1H), 3.76-3.66(m, 1H), 3.39(dd, J=14.9, 3.6Hz, 1H), 3.24(dd, J=14.3, 4.6Hz, 1H); 13C NMR(125MHz, DMSO) δ ppm 168.34, 163.33(d, JCF=257.8Hz), 144.58, 127.61(d, JCF=11.6Hz), 125.84, 124.10, 119.28(d, JCF=26.5Hz), 77.38(q, JCF=31.5Hz), 75.99, 65.88(d, JCF=4.8Hz), 40.36, 23.98.
HRMS C1311S [M+H]についての計算値366.0536;実験値366.0523。
1−(25) (4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンの合成

エタノール(0.975L)を窒素雰囲気下で鉄粉(62.5g、1.12mol)に加えた。濃HCl(9.03mL)を周囲温度で加え、懸濁液を65℃で1.5h加熱した。次いで懸濁液を50℃に冷却し、NHCl飽和水溶液(299g)を加えた。反応混合物の温度を50℃に到達させ、温度を68℃以下に保持しながら(4aS,5S,7aS)−7a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(75.0g、187.0mol)を分割添加した。30min後、エタノール(0.45L)を加え、反応混合物を1hかけて20〜25℃に冷却した。懸濁液を2h撹拌し、エタノール(0.972L)ですすぎながらCelite(75g)でろ過した。溶液を真空下で濃縮して褐色固体を得た。温度を35℃以下に保持しながら、水(0.9L)を加え、続いて3.0N NaOH(0.187L、560mmol)を加えた。得られた懸濁液を20〜25℃で1h撹拌した。懸濁液をろ過し、固体を冷水(0.38L)ですすいだ。固体を真空下、40〜45℃で24hかけて乾燥して表題化合物(57.7g、95.5%)を得た。1H NMR(500MHz, DMSO) δ ppm 6.81(dd, J=12.5, 8.6Hz, 1H), 6.62(dd, J=7.0, 2.9Hz, 1H), 6.50-6.42(m, 1H), 6.16(s, 2H), 4.96(s, 2H), 4.72-4.54(m, 1H), 4.35(d, J=7.8Hz, 1H), 3.74(dd, J=7.8, 2.5Hz, 1H), 3.18-3.08(m, 1H), 3.01(dd, J=13.9, 3.0Hz, 1H). 2.84(dd, J=13.8, 3.8Hz, 1H); 13C NMR(125MHz, DMSO) δ ppm 156.20(d, JCF=243.0Hz), 148.73, 145.49, 127.86(d, JCF=11.0Hz), 116.79(d, JCF=24.8Hz), 116.10(d, JCF=3.3Hz), 114.10(d, JCF=8.0Hz), 78.89, 76.57(q, JCF=31.0Hz), 66.35, 36.35, 23.11.
HRMS C1313OS [M+H]についての計算値336.0794;実験値336.0789。
表題化合物を、ラット肝臓S9の存在下及び非存在下で、エームス試験(ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)試験株TA98、TA100、TA1535及びTA1537並びに大腸菌(Escherichia coli)試験株WP2uv.Mutation Research1975、31、347;Mutation Research1976、38、3;Proc.Nat.Acad.Sci.USA1976、73、950;Proc.Nat.Acad.Sci.USA1975、72、5135)にかけた。化合物は、試験した最高用量/濃度(5000ug/プレート)までで陰性であった。
1−(26) N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミドの合成

N,N’−ジメチルイミダゾリン−2−オン(160mL)中の5−メトキシピラジン−2−カルボン酸(26.29g、0.17mol)の懸濁液を周囲温度で15min撹拌し、次いで2.2℃に冷却した。温度を5℃に保持しながら塩化チオニル(14.7mL、0.202mol)を加えた。得られた懸濁液を0〜10℃で2h撹拌した。その間に、透明な溶液に変化した。別の容器中で、(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(52.0g、0.155mol)をN,N’−ジメチルイミダゾリン−2−オン(160mL)に溶解した。温度を10℃以下に保持しながら、得られた溶液を塩化アシルの溶液に加えた。反応混合物を30min撹拌した。温度を30℃以下に保持しながら、水(780mL)を入れた。得られた混合物を30min撹拌し、次いでEtOAc(780mL)を加えた。この混合物に、水層のpHが11に達するまで50%NaOH水溶液(84.8g)を加えた。水層をEtOAc(260mL)で抽出した。有機分を合わせ、NaCl飽和水溶液(260mL)及び水(260mL)で洗浄した。有機分をCeliteパッド(26g)でろ過し、EtOAc(260mL)ですすいだ。有機分を真空下で濃縮して固体を得た。この固体に1−プロパノール(728mL)を加え、懸濁液を、透明溶液が形成されるまで75℃で加熱した。溶液を−10℃に冷却し、1h保持した。固体をろ過し、冷却1−プロパノール(104mL)ですすぎ、真空下(35℃)で恒量になるまで乾燥して表題化合物(62.1g、84.9%)を得た。1H NMR(500MHz, DMSO) δ ppm 10.56(s, 2H), 8.88(d, J=1.2Hz, 1H), 8.39(d, J=1.2Hz, 1H), 7.95-7.83(m, 2H), 7.18(dd, J=12.0, 8.8Hz, 1H), 6.25(s, 2H), 4.76-4.60(m, 1H), 4.36(d, J=8.1Hz, 1H), 4.01(s, 3H), 3.88(dd, J=7.9, 2.3Hz, 1H), 3.23-3.11(m, 2H), 2.91(dd, J=13.8, 3.6Hz, 1H); 13C NMR(125MHz, DMSO) δ ppm 162.11, 161.93, 156.13(d, JCF=242.9Hz), 149.38, 142.01, 138.35, 135.09, 133.98, 128.53(d, JCF=11.6Hz), 126.06(q, JCF=282.0Hz), 123.32, 121.93(d, JCF=8.6Hz), 116.76(d, JCF=25.1Hz), 78.86(d, JCF=6.9Hz), 76.94(q, JCF=30.5Hz), 66.37, 54.75, 36.44, 23.53.
HRMS C1917S [M+H]についての計算値472.1066;実験値472.1052。
比旋光度[α]+110.5(c0.519、MeOH)
比旋光度パラメーター:
装置:
偏光計:Perkin Elmer、モデル341又は同等物。
セル:マイクロガラスセル、100mm光路長、1.0mL容量、Perkin−Elmer カタログ# B001−7047。
てんびん:±0.1mgで計量可能な較正された分析用てんびん
水浴:NESLAB RTE 1121冷却装置又は同等物。
測容ガラス器具:クラスA。
クオーツ標準 ID番号098799又は同等物。
偏光計:Perkin Elmer、モデル341又は同等物。
試薬:
メタノール:HPLCグレード、Baker(カタログ番号9093−03)又は同等物
装置パラメーター:
ランプ:Na/Hal、Perkin−Elmer カタログ# B000−8754。
セル:マイクロセル(100mm)、Perkin−Elmer カタログ#B004−1693。
セル光路長(Cell Path):100mm(1デシメートル)
モード:OROT
波長:589nm
セル温度:20℃
積分時間:2秒間
口径(Aperture):MICRO
水浴温度:20±1℃
N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド(実施例8)の代替調製

5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸(32.6g、1.05当量)及び(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(70.0g、1.0当量)を反応器に入れ、酢酸エチル(EtOAc、630mL)をその混合物に加えて懸濁液を得た。n−プロパンホスホン酸無水物(T3P、146g、1.10当量、EtOAc中に50wt%)の溶液を、内温を30℃以下に制御しながら周囲温度で加えた。反応混合物を40〜45℃で3時間超撹拌し、HPLCで監視した。反応混合物を15〜20℃に冷却し、水(140mL)を入れた。10〜15分間後、30℃以下に制御しながら28%水酸化アンモニウム(175mL)を入れた。EtOAc(245mL0を加え、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。水相を分離し、EtOAc(490mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、15%NaCl水溶液(140mL)及び水(140mL)で洗浄した。有機層をCelite(1.0Wt)でろ過し、EtOAc(140mL)ですすいだ。溶液を真空下で濃縮してベージュ色固体を得た(定量的な粗収率)。これを1−プロパノールから再結晶化させてN−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミドを白色固体(70.0g)として得た。1H NMR(500MHz, DMSO) δ 10.89(s, 1H), 9.30(s, 1H), 8.89(s, 1H), 7.95(dd, J=7.3, 2.7Hz, 1H), 7.94-7.89(m, 1H), 7.21(dd, J=12.0, 8.8Hz, 1H), 6.22(s, 2H), 5.71(d, J=46.3Hz, 2H), 4.77-4.61(m, 1H), 4.37(d, J=8.1Hz, 1H), 3.87(dd, J=8.0, 2.7Hz, 1H), 3.20(dt, J=7.0, 3.5Hz, 1H), 3.15(dd, J=13.9, 3.1Hz, 1H), 2.91(dd, J=13.8, 3.8Hz, 1H).13C NMR(126MHz, DMSO) δ161.32(s), 155.82(d, J=243.4Hz), 153.71(d, J=18.7Hz), 148.77(s), 144.71(d, J=1.9Hz), 143.30(s), 141.01(d, J=5.6Hz), 134.36(d, J=2.0Hz), 128.20(d, J=12.1Hz), 125.57(q, J=283.0Hz), 123.12(d, J=3.6Hz), 121.64(d, J=8.6Hz), 116.35(d, J=25.2Hz), 82.55(d, J=165.8Hz), 78.37(s), 76.44(q, J=30.6Hz), 65.89(d, J=5.3Hz), 35.89(s), 23.01(s).
HRMS C1917S [M+H]についての計算値474.1023;実験値474.1032。
比旋光度:[α] 20=+102.4
(4aS,5S,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンの調製は、N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド(実施例1)の代替調製におけるステップ1−(25)において、本明細書で上記に説明されている。
インビトロでの細胞アッセイ:
ラット胎児脳のニューロンの培養物におけるAβペプチドの定量化
(1)ラット初代神経培養物
初代神経培養物を、胎生18日目のウィスター系ラット(Charles River、UK)の大脳皮質から調製した。具体的には、胎仔を、エーテル麻酔下で妊娠ラットから無菌状態で取り出した。脳を胎仔から分離し、10mM HEPES(Gibco #15630−056)を含むHBSS(Sigma Aldrich #H9269)中に浸漬させた。大脳皮質を、実体顕微鏡下で、分離した脳から採取した。採取した大脳皮質の断片を、0.05%トリプシン−EDTA溶液(GIBCO、#25300)を含む酵素溶液中、37℃で20分間酵素的に処理して細胞を分散させた。次いで細胞を2回洗浄し、次いで2%B27サプリメント(GIBCO #17504−044)、0.5mM L−グルタミン(GIBCO #25030)、1xN2(GIBCO #17502−048)、100ug/ml Pen/Strep(GIBCO15140−122)及び5%加熱不活性化FCS(PAA #A15−701)を補足した神経細胞用基礎培地(Neurobasal medium)(Gibco #21103)中に緩やかに再懸濁させた。細胞分散液を40μmナイロンメッシュ(BD Falcon #352340)でろ過して残留する細胞マスを除去し、神経細胞懸濁液を得た。この神経細胞懸濁液を上記培地で希釈し、次いで、ポリ−D−リシンコーティングした96ウェル培養プレート(Greiner #655940)中に3.25×10細胞/mlの初期細胞密度で、100μL/ウェルの容積で播種した。播種した細胞を、培養プレート中、5%CO−95%空気下、37℃で24hr培養した。培地の全量を「アッセイ用神経細胞基礎培地」(上記した加熱不活性FCSを除く)で置き換え、次いで細胞をさらに5日間培養した。
(2)化合物の添加
培養の6日目に、薬物を培養プレートに以下の通り加えた。8点の化合物連続希釈液をDMSO中、最終アッセイ濃度(FAC)の×1000の濃度で作製した。次いで化合物溶液を、999ulの「アッセイ用神経細胞基礎培地」(上記の節に記載したような)を1ulのDMSO化合物ストック液に加えることによって調製した。培地の全量を細胞プレートウェルのそれぞれから取り出し、140μL/ウェルの「アッセイ用神経細胞基礎培地」を加え、続いて60ulの化合物溶液を加えた。最終DMSO濃度は0.1%であった。
(3)サンプリング
それぞれABx−40及びABx−42アッセイ用化合物を添加した後、細胞を1日間又は3日間培養した。150μlのサンプル培地を採取し、ELISAサンプルとして使用した。
(4)細胞生存率の評価
細胞生存率を、アラマーアッセイを用いて以下の手順にしたがって評価した。ELISAアッセイにおいて使用するサンプルを採取した後、アッセイ用神経細胞基礎培地中の50μlの20%アラマーブルー溶液(Invitrogen #DAL1100)を、各ウェル内の50μlの残留サンプルに加えた。次いで細胞を5%CO−95%空気中、37℃で1hrインキュベートした。
各ウェルについての蛍光強度の測定を、Pherastar plusプレートリーダー(BMG labtech)を用いて540/590nmで実施した。測定にあたって、細胞が播種されておらず培地及びアラマー溶液だけを含むウェルを、バックグラウンド(bkg)としてセットした。
(5)Aβ ELISA
Wako Pure Chemical Industries, Ltd.のヒト/ラットβアミロイド(42)ELISAキットWako(#290−62601)及びヒト/ラットβアミロイド(40)ELISAキットWako(#294−62501)をAβ ELISA用に使用した。Aβ ELISAを、そのキットの付属資料に記載されている製造業者の推奨プロトコールにしたがって実施した。結果を対照群のパーセンテージとして示し、各化合物についてのIC50値を、XLFIT5ソフトウェアパッケージ(IDBS)を使用して4パラメーターのロジスティック当てはめモデルを用いて決定した。
本発明の化合物は、Aβ42産生低減効果を有している。
本発明による一般式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩はAβ42産生低減効果を有している。したがって、本発明は特に、アルツハイマー型認知症又はダウン症候群などのAβによって引き起こされる神経変性疾患のための予防剤又は治療剤を提供する。
上記インビトロでのアッセイで測定して、表5:

に示すように、化合物実施例1〜18は0.1μM未満のIC50値を示した。

Claims (9)

  1. N−(3−((4aS,5S,7aS)−2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(フルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミドである化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  2. 治療において使用するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  3. ベータサイトアミロイドβ前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  4. アルツハイマー型認知症(AD)を治療するのに使用するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  5. アルツハイマー型認知症(AD)の治療又は予防用の医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用。
  6. 2型糖尿病を治療するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  7. 2型糖尿病の治療又は予防用の医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用。
  8. 請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を、活性成分として、薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物。
  9. 請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩である第1の活性成分と、神経変性疾患を治療するのに有用な少なくとも1つのさらなる活性成分とを組み合わせて含む医薬製品。
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