JP5816630B2 - ナフチリジン誘導体 - Google Patents
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Description
(式中、
環Zは置換もしくは非置換のピリジンまたは置換もしくは非置換の炭素環であり、
環Aは置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、
ただし、環Zが置換もしくは非置換の炭素環である場合、環Aは
(式中、環A’および環Bは各々独立して置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、
L1およびL2は各々独立して単結合、置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレンまたは置換もしくは非置換のアルキニレンであり、
R8は水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルである)
であり、
R1は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアシル、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり、
R2aおよびR2bは各々独立して水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり、
R4aおよびR4bは各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアシルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の炭素環式基、置換もしくは非置換の炭素環オキシ、置換もしくは非置換の炭素環チオ、置換もしくは非置換の炭素環アルキル、置換もしくは非置換の炭素環アルコキシ、置換もしくは非置換の炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環オキシ、置換もしくは非置換の複素環チオ、置換もしくは非置換の複素環アルキル、置換もしくは非置換の複素環アルコキシ、置換もしくは非置換の複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環スルフィニルまたは置換もしくは非置換の複素環スルホニルであり、
R4aおよびR4bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環を形成してもよい。)
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(3)環Aが
(式中、環A’および環Bは各々独立して置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、
L1およびL2は各々独立して単結合、置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレンまたは置換もしくは非置換のアルキニレンであり、
R8は水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり、
R9は水素、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり、
Akは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである)
である、上記(1)または(2)記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
である、上記(3)記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(5)L1およびL2が単結合である、上記(3)または(4)記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(6)環A’が置換もしくは非置換のベンゼンまたは置換もしくは非置換のピリジンであり、環Bが置換もしくは非置換のピリジン、置換もしくは非置換のピリミジンまたは置換もしくは非置換のピラジンである、上記(3)または(4)記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(7)R1が炭素数1〜3の非置換アルキルである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(8)R2aおよびR2bが共に水素である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。
(10)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有するBACE1阻害活性を有する医薬組成物。
(12)BACE1の関与する疾患の治療または予防剤を製造するための、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩の使用。
(13)BACE1の関与する疾患を治療または予防するための、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩。
(14)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする、BACE1活性を阻害する方法。
(15)BACE1活性を阻害するために使用する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(16)アミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患の治療のための医薬である上記(9)または(10)記載の医薬組成物。
(17)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする、アミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患の治療方法。
(18)アミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患の治療のために使用する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(19)アルツハイマー症の治療のための医薬である上記(9)または(10)記載の医薬組成物。
(20)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする、アルツハイマー症の治療方法。
(21)アルツハイマー症の治療のために使用する、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(22)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を製造する方法、システム、装置、キット等。
(23)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を調製する方法、システム、装置、キット等。
(24)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を使用する方法、システム、装置、キット等。
本明細書中、「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。
「ハロゲノアルコキシ」、「ハロゲノアルキル」、「ハロゲノアルコキシカルボニル」のハロゲン部分も上記「ハロゲン」と同様である。
Akにおける「置換もしくは非置換のアルケニル」および「置換もしくは非置換のアルキニル」の置換基としては、具体的にはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲノアルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アシルアミノ、アルキルアミノ、イミノ、ヒドロキシイミノ、アルコキシイミノ、アルキルチオ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ヒドロキシアルキルカルバモイル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルアルキルアミノ、アルキルスルホニルイミノ、アルキルスルフィニルアミノ、アルキルスルフィニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニルイミノ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1以上の基が挙げられる。
好ましくはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲノアルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アシルアミノ、アルキルアミノ、アルキルチオ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、シアノおよびニトロからなる群から選択される1以上の基である。より好ましくはアルコキシである。
ここで「芳香族炭素環」とは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンおよびフェナントレン等が挙げらる。
「シクロアルケン」とは炭素数3〜10、例えば、炭素数3〜8、例えば、炭素数4〜8の炭素環中の任意の位置に1以上の二重結合を有している環を包含する。例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、シクロオクテンおよびシクロヘキサジエン等が挙げられる。
「非芳香族縮合炭素環」とは、シクロアルカン、シクロアルケンおよび芳香族炭素環から選択される2個以上の環状基が縮合し、ジヒドロピリジン環との縮合位置において必ず二重結合を有する非芳香族環を包含する。
「シクロアルカン」とはシクロプロパン、シクロブタンシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナンおよびシクロデカン等を包含する。
環Zにおける炭素環の1つの態様としてはベンゼンが挙げられる。
環Z以外の場合における「炭素環」とは、上記シクロアルカン、シクロアルケン、芳香族炭素環および非芳香族炭素環を包含する。
「炭素環オキシ」、「炭素環アルキル」、「炭素環アルコキシ」、「炭素環アルコキシカルボニル」、「炭素環チオ」、「炭素環アミノ」、「炭素環アルキルアミノ」、「炭素環カルボニル」、「炭素環スルファモイル」、「炭素環スルフィニル」、「炭素環スルホニル」、「炭素環カルバモイル」、「炭素環アルキルカルバモイル」および「炭素環オキシカルボニル」の炭素環部分も「炭素環式基」と同様である。
ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキセタニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、テトラヒドロピリダジニル、ジオキソラニル、ジオキサジニル、アジリジニル、ジオキソリニル、オキセパニル、チオラニル、チイニル、チアジニル等の非芳香族複素環式基;
インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリニル、イソインドリニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、チエノピリジル、チエノピロリル、チエノピラゾリル、チエノピラジニル、フロピロリル、チエノチエニル、イミダゾピリジル、イミダゾピラゾリル、ピラゾロピリジル、ピラゾロピラジニル、チアゾロピリジル、ピラゾロピリミジニル、ピラゾロトリアニジル、ピリダゾロピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンズオキサジニル、ジヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキソニル、クロマニル、クロメニル、オクタヒドロクロメニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾオキセジニル、ジヒドロベンゾジオキセピニル、ジヒドロチエノジオキシニル、等の2環の縮合複素環式基;
カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル、イミダゾキノリル、テトラヒドロカルバゾリル、等の3環の縮合複素環式基等を包含する。例えば、5〜6員のヘテロアリールまたは非芳香族複素環式基である。
L1、L2およびL3が各々独立して単結合、置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレンまたは置換もしくは非置換のアルキニレンであり、
=W1は=O、=Sまたは=NR9であり、
W2はO、SまたはNR8であり、
R8は水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり、
R9は水素、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり
Akは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
(i)のとき、L1の構成炭素原子とL2の構成炭素原子、またはW2のN原子とL2の構成炭素原子が、置換もしくは非置換のアルキレンを介して結合して環を形成してもよく、(ii)のとき、L1の構成炭素原子とL2の構成炭素原子、またはL1の構成炭素原子とW2のN原子が、置換もしくは非置換のアルキレンを介して結合して環を形成してもよく、(iii)のとき、2個のW2のN原子が置換もしくは非置換のアルキレンを介して結合して環を形成してもよく、
(vi)のとき、L1の構成炭素原子とL2の構成炭素原子が置換もしくは非置換のアルキレンを介して結合して環を形成してもよく、
pが1または2であり、
複数のL3、複数のW2、複数のR9または複数のR11が存在する場合には、各々独立して異なっていてもよい)
より具体的には、
で示される基が挙げられる。
より具体的には、
で示される基が挙げられる。
置換基群αから選択される基(例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アミノ、シアノ、アルキルアミノおよび/またはアルキルチオ等)、
置換基群α、ヒドロキシイミノおよびアルコキシイミノからなる群から選択される1以上の基で置換されたアルキル(ここで置換基としては例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシおよび/またはアルコキシカルボニル等)、もしくは非置換アルキル、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアミノアルキル(ここで置換基としては例えば、アシル、アルキルおよび/またはアルコキシ等)、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルケニル(ここで置換基としては例えば、アルコキシカルボニル、ハロゲンおよび/またはハロゲノアルコキシカルボニル等)、もしくは非置換アルケニル、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキニル(ここで置換基としては例えば、アルコキシカルボニル等)、もしくは非置換アルキニル、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルコキシ(ここで置換基としては例えば、ハロゲン、カルバモイル、アルキルカルバモイルおよび/またはヒドロキシアルキルカルバモイル等)、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルコキシアルコキシ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルケニルオキシ(ここで置換基として例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノおよび/またはアルキルアミノ等)、もしくは非置換アルケニルオキシ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルコキシアルケニルオキシ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキニルオキシ(ここで置換基として例えば、ハロゲンおよび/またはヒドロキシ等)、もしくは非置換アルキニルオキシ、置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルコキシアルキニルオキシ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキルチオ、もしくは非置換アルキルチオ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルケニルチオ、もしくは非置換アルケニルチオ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキニルチオ、もしくは非置換アルキニルチオ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキルアミノ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルケニルアミノ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキニルアミノ、
置換基群αおよびアルキリデンから選択される1以上の基で置換されたアミノオキシ、もしくは非置換アミノオキシ、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアシル、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキルスルホニル、もしくは非置換アルキルスルホニル、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキルスルフィニル、もしくは非置換アルキルスルフィニル、
置換基群αから選択される1以上の基で置換されたアルキルスルファモイル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環式基(例えばシクロアルキル、アリール等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環式基、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環アルキル(例えばシクロアルキルアルキル、アリールアルキル等)、もしくは非置換炭素環アルキル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環アルキル、もしくは非置換複素環アルキル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環オキシ(例えばシクロアルキルオキシ、アリールオキシ等)、もしくは非置換炭素環オキシ(例えばシクロアルキルオキシ、アリールオキシ等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環オキシ、もしくは非置換複素環オキシ、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環アルコキシ(例えばシクロアルキルアルコキシ、アリールアルコキシ等)、もしくは非置換炭素環アルコキシ(例えばシクロアルキルアルコキシ、アリールアルコキシ等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換されが複素環アルコキシ、もしくは非置換複素環アルコキシ、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環アルコキシカルボニル(例えばシクロアルキルアルコキシカルボニル、アリールアルコキシカルボニル等)、もしくは非置換炭素環アルコキシカルボニル(例えばシクロアルキルアルコキシカルボニル、アリールアルコキシカルボニル等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環アルコキシカルボニル、もしくは非置換複素環アルコキシカルボニル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環チオ(例えばシクロアルキルチオ、アリールチオ等)、もしくは非置換炭素環チオ(例えばシクロアルキルチオ、アリールチオ等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環チオ、もしくは非置換複素環チオ、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環アミノ(例えばシクロアルキルアミノ、アリールアミノ等)、もしくは非置換炭素環アミノ(例えばシクロアルキルアミノ、アリールアミノ等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環アミノ、もしくは非置換複素環アミノ、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環アルキルアミノ(例えばシクロアルキルアルキルアミノ、アリールアルキルアミノ等)、もしくは非置換炭素環アルキルアミノ(例えばシクロアルキルアルキルアミノ、アリールアルキルアミノ等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環アルキルアミノ、もしくは非置換複素環アルキルアミノ、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環スルファモイル(例えばシクロアルキルスルファモイル、アリールスルファモイル等)、もしくは非置換炭素環スルファモイル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環スルファモイル、もしくは非置換複素環スルファモイル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環スルホニル(例えばシクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル等)、もしくは非置換炭素環スルホニル(例えばシクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環スルホニル、もしくは非置換複素環スルホニル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環カルバモイル(例えばシクロアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル等)、もしくは非置換炭素環カルバモイル(例えばシクロアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル等)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環カルバモイル、もしくは非置換複素環カルバモイル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環アルキルカルバモイル(例えばシクロアルキルアルキルカルバモイル、アリールアルキルカルバモイル)、もしくは非置換炭素環アルキルカルバモイル(例えばシクロアルキルアルキルカルバモイル、アリールアルキルカルバモイル)、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環アルキルカルバモイル、もしくは非置換複素環アルキルカルバモイル、
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された炭素環オキシカルボニル(例えばシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル等)、もしくは非置換炭素環オキシカルボニル(例えばシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル等)
置換基群α、アジド、アルキルおよびハロゲノアルキルからなる群から選択される1以上の基で置換された複素環オキシカルボニル、もしくは非置換複素環オキシカルボニル、
ハロゲンで置換されたアルキレンジオキシ、もしくは非置換アルキレンジオキシ、
オキソ、
アジド等が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
具体的には、置換基としては、例えば、ハロゲンである。
また、式(I)で示される化合物は、不斉炭素原子を有しており、以下のような光学異性体のいずれをも包含する。
好ましくは
である。
式(I)の化合物の光学異性体は、キラルクロマトグラフィー、または光学活性な酸もしくは塩基からのジアステレオマー塩の形成のような、既知の技術によって得ることができる。
ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアシルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の炭素環式基、置換もしくは非置換の炭素環オキシ、置換もしくは非置換の炭素環チオ、置換もしくは非置換の炭素環アルキル、置換もしくは非置換の炭素環アルコキシ、置換もしくは非置換の炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環オキシ、置換もしくは非置換の複素環チオ、置換もしくは非置換の複素環アルキル、置換もしくは非置換の複素環アルコキシ、置換もしくは非置換の複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環スルフィニルまたは置換もしくは非置換の複素環スルホニルであり、mは0〜3の整数であり、nは0〜4の整数であり、その他の記号は前記と同義である。)
本発明の化合物の合成は、当該分野において公知の手法を参酌しながら実施することができる。
1)化合物(I)の合成
(式中、Halはハロゲンであり、その他の記号は前記と同義である)
第一工程
市販または公知の方法により調整できる化合物1をトルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、オキザリルクロリド、塩化チオニル等と触媒量のN,N,−ジメチルホルムアミドの存在下、もしくは非存在下、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜30℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは、0.1時間〜6時間反応させた後、反応液に28%アンモニア水、またはアンモニアジオキサン溶液、またはアンモニアエーテル溶液等のアンモニア源を加え、0.1時間〜24時間、好ましくは、0.1時間〜6時間反応させることにより、化合物2を得ることが出来る。
第二工程
化合物2をトルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜30℃で、トリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン等の塩基とトリフルオロ酢酸無水物などの脱水剤を加え、0.1時間〜24時間、好ましくは、0.1時間〜6時間反応させることにより化合物3を得ることが出来る。
(式中、波線は二重結合に対してシス体およびトランス体を包含し、各記号は前記と同義である)
第三工程
トルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜40℃で、(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウムブロミドとカリウム‐t‐ブトキシドまたはナトリウム‐t‐ブトキシド等の塩基を作用させ、0.1時間〜24時間、好ましくは、0.1時間〜6時間反応させる。反応液に、市販または公知の方法で得られる化合物4のトルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の溶液を加え、0.1時間〜24時間、好ましくは、0.1時間〜6時間反応させることにより化合物5を得ることが出来る。
第四工程
トルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜40℃で、化合物5にビス(ピナコレート)ジボロン等のボロン試薬、酢酸カリウム等の塩基、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(1:1)等の2価パラジウム試薬を順次加え、室温〜溶媒の還流温度、好ましくは室温から80℃にて0.1時間〜24時間反応させることにより化合物6を得ることが出来る。
第五工程
トルエン、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜40℃で、化合物6に、第二工程で得た化合物3、2M 炭酸カリウムまたは2M 炭酸ナトリウム水溶液と[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(1:1)等の2価パラジウム試薬を加え、室温〜溶媒の還流温度にて0.1時間〜24時間反応させることにより化合物7を得ることが出来る。
第六工程
塩化アンモニウムまたは酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム等のアンモニア源をトルエン、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜40℃で、トリメチルアルミニウム等の金属試薬を加え、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜40℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは、0.1時間〜6時間反応させる。反応液に化合物7のトルエン、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶液を加え、室温〜溶媒の還流温度にて1時間〜48時間、好ましくは1時間〜30時間反応させることにより化合物8を得ることが出来る。
第七工程
化合物8を硫酸または塩酸、工業硫酸等の酸に溶解し、0〜60℃、好ましくは0〜40℃で、1時間〜48時間、好ましくは1時間〜30時間反応させる。さらに-10〜40℃で、硝酸を加え、0.1時間〜24時間、好ましくは、0.1時間〜6時間反応させることにより化合物(I)を得ることが出来る。
その他、アミノ基の保護基はProtective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green(John Wiley & Sons)等に記載の方法で脱保護できる。
アミノ基の保護基としてはProtective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green(John Wiley & Sons)等に記載の方法で保護および脱保護できる置換基であればよく、例えば低級アルコキシカルボニル、低級アルケニルオキシカルボニル、トリアルキルシリル、アシル、メタンスルホニル、トリフルオロエタンスルホニル、トルエンスルホニル等が挙げられる。
その他、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メタノール等の溶媒中、アミノ基を保護した化合物(If)に10%パラジウム/炭素等の接触還元触媒を加え、常圧〜5気圧、好ましくは常圧〜2気圧の水素雰囲気下、30℃〜120℃、好ましくは50℃〜80℃で0.5時間〜48時間、好ましくは6時間〜20時間反応させる、または、Comprehensive Organic Transformations, Richard C Larock(Mcgraw-Hill)等記載の方法によってニトロ基の還元を行ない化合物(Ig)を得ることが出来る。
化合物(Ih)にトルエン、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜40℃で、目的物に対応するカルボン酸、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の塩基、O‐(ベンゾトリアゾル‐1‐イル)‐N,N,N′,N′‐テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩またはWSCD、CDI等の縮合剤を加え、-40℃〜溶媒の還流温度、好ましくは-10〜40℃で、0.1時間〜48時間、好ましくは0.5時間〜6時間反応させることにより化合物(Ii)を得ることが出来る。
環Aにハロゲンを有する化合物(Ij)に、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン等の溶媒中、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム、酢酸パラジウム、または系内で調製されるパラジウム(0)等とトリtert−ブチルホスフィン、ジシクロヘキシルビフェニルホスフィン等のホスフィン配位子を加え、-10〜30℃にてリチウムヘキサメチルジシラジド、ベンゾフェノンイミン等の目的とする化合物に対応する置換基を有する試薬を加え、30℃〜溶媒の還流温度、好ましくは50〜100℃で0.5〜48時間、好ましくは3〜20時間、反応させることにより化合物(Ik)を得ることが出来る。
5)化合物(Im)の合成
アミノ基保護化合物(Il)をProtective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Greene(John Wiley & Sons)等に記載の方法で脱保護し、式(Im)で示される化合物を得ることができる。
化合物(In)はA法またはB法を用いて製造することができる。
A法:酸性条件下での縮合
市販品であるか、あるいは公知(Tetrahedron、2009年、第65巻、757〜764頁)の方法ならびにそれらに準ずる方法で合成できるアリールハライドもしくはヘテロアリールハライドと化合物(Im)をメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、酢酸、水などの溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、塩化水素、硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸などの酸を加え、0℃〜溶媒の還流温度、好ましくは20℃〜140℃で、0.1時間〜120時間、好ましくは、0.5時間〜72時間反応させることにより、化合物(In)を得ることができる。
市販品であるか、あるいは公知(Tetrahedron、2009年、第65巻、757〜764頁)の方法ならびにそれらに準ずる方法で合成できるアリールハライドもしくはヘテロアリールハライドと化合物(Im)をトルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、メタノール等の溶媒中、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、n−ブチルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の塩基存在下、0℃〜溶媒の還流温度、好ましくは20℃〜140℃で、0.5時間〜100時間、好ましくは、0.5時間〜72時間反応させることにより化合物(In)を得ることができる。
環Aにカルボキシを有する化合物(Io)に、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の脱水縮合剤存在下に目的とする化合物に対応する置換基を有する第一アミンまたは第二アミン(アニリン、2−アミノピリジン、ジメチルアミン等)と、−80℃〜100℃、好ましくは−20℃〜40℃で0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物(Ip)を得ることができる。
式(I)において、環Zとしては、置換もしくは非置換のピリジンまたは置換もしくは非置換のベンゼンが挙げられる。
環Zは、例えば各々独立して選択される0〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジン(ここで置換基はハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアシルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の炭素環式基、置換もしくは非置換の炭素環オキシ、置換もしくは非置換の炭素環チオ、置換もしくは非置換の炭素環アルキル、置換もしくは非置換の炭素環アルコキシ、置換もしくは非置換の炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環オキシ、置換もしくは非置換の複素環チオ、置換もしくは非置換の複素環アルキル、置換もしくは非置換の複素環アルコキシ、置換もしくは非置換の複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環スルフィニルまたは置換もしくは非置換の複素環スルホニルである)が挙げられる。
において、各記号が以下のものである化合物が挙げられる。
環Aとしては、
(式中、各記号は前記と同義である)
が挙げられる。
環Aは、例えば
(式中、各記号は前記と同義である)
である。
環Aは、例えば
(式中、各記号は前記と同義である)
である。
環A’としては、置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環が挙げられる。
環A’は、例えば置換もしくは非置換のベンゼンまたは置換もしくは非置換のピリジンである。ここで置換基は、例えばハロゲン、シアノ、アルキルおよびアルコキシからなる群から選択される1以上の基である。
環A’は、例えば置換もしくは非置換のベンゼンである。ここで置換基は、例えばハロゲン、シアノ、アルキルおよびアルコキシからなる群から選択される1以上の基である。
環Bとしては、置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環が挙げられる。
環Bは、例えば置換もしくは非置換のピリジン、置換もしくは非置換のピリミジンまたは置換もしくは非置換のピラジンである。ここで置換基は、例えばハロゲン、シアノ、アルキル、ハロゲノアルキル、アルコキシおよびアルキニルオキシからなる群から選択される1以上の基である。
環Bは、例えば置換もしくは非置換のピリジンまたは置換もしくは非置換のピラジンである。ここで置換基は、例えばハロゲン、シアノ、アルキル、ハロゲノアルキル、アルコキシおよびアルキニルオキシからなる群から選択される1以上の基である。
L1およびL2は、例えば各々独立して単結合、置換もしくは非置換のアルキレンが挙げられる。
L1およびL2は、例えばともに単結合が挙げられる。
Rは、例えば、
ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアシルオキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のアミノであり、mまたはnは0〜2の整数である。
Rは、例えば、
ハロゲン、ヒドロキシ、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキル、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアルコキシ、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアシル、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアシルオキシ、シアノ、カルボキシ、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアルコキシカルボニルまたは置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアミノであり、mまたはnは0〜2の整数である。
Rは、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニルまたはアミノであり、mまたはnは1である。
R1は、例えば、置換もしくは非置換のアルキルである。
R1は、例えば、炭素数1〜3の非置換アルキルである。
R2aおよびR2bは、例えば、共に水素である。
R4aおよびR4bは、例えば、水素である。
1)環Zが置換もしくは非置換のピリジンであり、
環Aが
(式中、環A’および環Bは各々独立して置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、
L1およびL2は各々独立して単結合、置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレンまたは置換もしくは非置換のアルキニレンであり、
R8は水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり、
R9は水素、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり、
Akは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである)
であり、
R1は置換もしくは非置換のアルキルであり、
R2a、R2b、R4aおよびR4bは水素である)
で示される化合物、
環Aが
(式中、環A’および環Bは各々独立して置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、
L1およびL2は各々独立して単結合、置換もしくは非置換のアルキレンまたは置換もしくは非置換のアルケニレンであり、
R8は水素である)
であり、
R1は置換もしくは非置換のアルキルであり、
R2a、R2b、R4aおよびR4bは水素である)
で示される化合物、
環Aが
(式中、環A’および環Bは各々独立して置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、R8は水素である)
であり、
R1は置換もしくは非置換のアルキルであり、
R2a、R2b、R4aおよびR4bは水素である)
で示される化合物、
環Aが
(式中、環A’は置換もしくは非置換のベンゼンまたは置換もしくは非置換のピリジンであり、環Bは置換もしくは非置換のピリジン、置換もしくは非置換のピリミジンまたは置換もしくは非置換のピラジンであり、R8は水素である)
であり、
R1は置換もしくは非置換のアルキルであり、
R2a、R2b、R4aおよびR4bは水素である)
で示される化合物、
ハロゲン、ヒドロキシ、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキル、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアルコキシ、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアシル、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアシルオキシ、シアノ、カルボキシ、置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアルコキシカルボニルまたは置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよいアミノであり、
環Aが
(式中、環A’は置換もしくは非置換のベンゼンまたは置換もしくは非置換のピリジンであり、ここで置換基は、ハロゲン、シアノ、アルキルおよびアルコキシからなる群から選択される1以上の基であり、
環Bは置換もしくは非置換のピリジン、置換もしくは非置換のピリミジンまたは置換もしくは非置換のピラジンであり、ここで置換基はハロゲン、シアノ、アルキル、ハロゲノアルキル、アルコキシおよびアルキニルオキシからなる群から選択される1以上の基であり、
R8は水素である)
であり、
R1は置換もしくは非置換のアルキルであり、
R2a、R2b、R4aおよびR4bは水素である)
で示される化合物、
環Aが
(式中、環A’はハロゲンで置換されていてもよいベンゼンであり、
環Bは置換もしくは非置換のピリジンまたは置換もしくは非置換のピラジンであり、ここで置換基はハロゲン、シアノ、アルキル、ハロゲノアルキル、アルコキシおよびアルキニルオキシからなる群から選択される1以上の基であり、
R8は水素である)
であり、
R1は非置換のアルキルであり、
R2a、R2b、R4aおよびR4bは水素である)
で示される化合物。
a)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。
b)高いバイオアベイラビリティー、適度なクリアランス等良好な薬物動態を示す。
c)代謝安定性が高い。
d)CYP酵素(例えば、CYP3A4)に対し、本明細書に記載する測定条件の濃度範囲内で不可逆的阻害作用を示さない。
e)変異原性を有さない。
f)心血管系のリスクが低い。
g)高い溶解性を示す。
h)脳移行性が高い。
i)経口吸収性が高い。
j)半減期が長い。
k)非タンパク結合率が高い。
l)Ames試験が陰性である。
本発明化合物は、BACE1に対する阻害活性が高い、および/または他の酵素に対する選択性が高いため、副作用が軽減された医薬品となりうる。さらに細胞系でのアミロイドβ産生抑制効果が高い、とりわけ脳内でのアミロイドβ産生抑制効果が高いため、優れた医薬品となりうる。また、適切な立体化学を有する光学活性体とすることで、副作用に対するより安全マージンの広い医薬品となりうる。
また、本明細書中で用いる略号は以下の意味を表す。
Me メチル
Et エチル
Bz ベンゾイル
Boc t−ブトキシカルボニル
THF テトラヒドロフラン
また、1H-NMRは重クロロホルム(CDCl3)溶媒中、テトラメチルシランを内部標準として測定した。δ値はppmで、結合定数(J)はHzで標記した。データ中、sは一重線、dは二重線、tは三重線、mは多重線、brは幅広線、brsは幅広一重線を意味する。
化合物(I−1)〜(I−10)、(I−27)〜(I−34)
カラム:XBridge C18(5μm、i.d.4.6x50mm)(Waters)
流速:3mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3分間で10%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、1分間、100%溶媒[B]を維持した。
化合物(I−11)〜(I−26)
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm) (Waters)
流速:0.8 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3.5分間で10%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した
(式中、波線は二重結合に対してシス体およびトランス体を包含する)
第一工程
3-ブロモイソニコチン酸(1)(4.0 g)をテトラヒドロフラン(40 ml)に懸濁し、0度にて二塩化オキサリル(1.82 ml)とジメチルホルムアミド(一滴)を加え、1時間半攪拌した。反応液に28%アンモニア水(40 ml)を加えて40分撹拌した。その後、酢酸エチルを加え、食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して化合物(2)(3.38 g)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.44 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.83 (1H, s), 8.08 (1H, s), 8.60 (1H, d, J = 4.5 Hz), 8.79 (1H, s).
第二工程
化合物(2)(3.05 g)をジクロロメタン(60 ml)に懸濁し、0度にてトリエチルアミン(6.31 ml)とトリフルオロ酢酸無水物(2.57 ml)を加え、1時間撹拌した。その後、水、ジクロロメタンを加え、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製し、化合物(3)(2.61 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.55 (1H, d, J = 4.5 Hz), 8.71 (1H, d, J = 4.5 Hz), 8.94 (1H, s).
第三工程
(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(7.58 g)をテトラヒドロフラン(20 ml)に懸濁し、0度にてカリウム‐t‐ブトキシド(17.4 ml、1.0 M テトラヒドロフラン溶液)を加え、10分間撹拌した。0度にて反応液に2-フルオロアセトフェノン(2)(1.79 ml)のテトラヒドロフラン(20 ml)溶液を加え、1時間半撹拌した。その後、飽和塩化アンモニア水、エーテルを加え、水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製し、化合物(5)(1.57 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.10 (d, J = 1.5 Hz) and 2.19 (t, J = 1.4 Hz) (3H), 6.32 (q, J = 1.5 Hz) and 6.39 (q, J = 1.4 Hz) (1H), 7.01-7.34 (4H, m).
第四工程
化合物(5)(2.24 g)をジオキサン(45 ml)に溶解し、室温下ビス(ピナコレート)ジボロン(3.97g)、酢酸カリウム(3.07 g)と[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(1:1) (425 mg)を加え、65度にて18時間撹拌した。その後、ろ過して減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製し、化合物(6)(2.15 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.09 (s) and 1.31 (s) (12H), 2.18 (br s) and 2.37 (t, J = 1.2 Hz) (3H), 5.53 (s) and 5.61 (q, J = 1.2 Hz) (1H), 6.95-7.09 (2H, m), 7.14-7.30 (2H, m).
第五工程
化合物(6)(267 mg)をテトラヒドロフラン(8.0 ml)に溶解し、室温にて化合物(3)(205 mg)、2M 炭酸カリウム水溶液(1.53 ml)と[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(1:1) (41.6 mg)を加え、70度にて14時間撹拌した。その後、水、次いで酢酸エチルを加え、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製し、化合物(7)(203 mg)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.26 (t, J = 1.2 Hz) and 2.32 (d, J = 1.5 Hz) (3H), 6.75 (1H, br s), 6.97-7.56 (5H, m), 8.17 (s) and 8.88 (s) (1H), 8.42 (d, J = 5.0 Hz) and 8.66 (d, J = 5.0 Hz) (1H).
第六工程
塩化アンモニウム(1.44 g)をトルエン(2.0 ml)に懸濁し、0度にてトリメチルアルミニウム(13.5 ml、2.0 M トルエン溶液)を加え、室温下1時間撹拌した。反応液に化合物(7)(184 mg)のトルエン(4.0 ml)溶液を加え、100度にて26時間撹拌した。その後、0度にて(+)-酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(10.1 g)と2 M水酸化ナトリウム水溶液(15.4 ml)を加え、室温下1時間撹拌した。クロロホルムを加え、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製し、化合物(8)(190 mg)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.22 (t, J = 1.3 Hz) and 2.26 (d, J = 1.5 Hz) (3H), 6.65-6.66 (1H, m), 6.87-7.40 (5H, m), 8.01 (s) and 8.71 (s) (1H), 8.35 (J = 5.0 Hz) and 8.58 (d, J = 4.9 Hz) (1H).
第七工程
化合物(8)(179 mg)を硫酸(1.0 ml)に溶解し、室温下14時間半撹拌した。さらに0度にて硝酸(62 μl)を加え、1時間撹拌した。その後、反応液を氷に注いだ後に2 M水酸化ナトリウム水溶液(18.0 ml)を加えた。飽和炭酸水素ナトリウム水、次いで酢酸エチルを加え、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製し、化合物(9)(181 mg)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.53 (3H, s), 3.18 (1H, d, J = 15.9 Hz), 3.30 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.15 (1H, dd, J = 10.9, 8.9 Hz), 7.31 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.10 (1H, ddd, J = 8.9, 4.0, 3.0 Hz), 8.55 (1H, s), 8.63 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.68 (1H, dd, J = 7.0, 3.0 Hz).
第八工程
化合物(9)(156 mg)をテトラヒドロフラン(2.3 ml)に懸濁し、室温にて二炭酸ジ‐t‐ブチル(120 μl)を加え、15時間撹拌した。室温下、反応液にメタノール(1.5 ml)、蒸留水(0.6 ml)、鉄(162 mg)と塩化アンモニウム(125 mg)を加え、70度にて1時間半撹拌した。反応液をろ過後、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで酢酸エチルを加え、水および食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、化合物(10) (228 mg)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.60 (9H, s), 1.84 (3H, s), 3.19 (1H, d, J = 16.0 Hz), 3.47 (2H, br s), 3.69 (1H, d, J = 16.0 Hz), 6.32 (1H, dd, J = 6.9, 2.7 Hz), 6.40-6.45 (1H, m), 6.78 (1H, dd, J = 11.9, 8.5 Hz), 8.00 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.42 (1H, s), 8.53 (1H, d, J = 5.0 Hz), 10.55 (1H, br s).
第九工程
化合物(10)(68.8 mg)をテトラヒドロフラン(1.4 ml)に溶解し、0度にて5-シアノピコリン酸一水和物(37.0 mg)、トリエチルアミン(67 μl)、O‐(ベンゾトリアゾル‐1‐イル)‐N,N,N′,N′,‐テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(92.0 mg)を加え、室温下、1時間半撹拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで酢酸エチルを加え、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製し、化合物(11)(90.3 mg)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.63 (9H, s), 1.89 (3H, s), 3.27 (1H, d, J = 15.9 Hz), 3.77 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.07 (1H, dd, J = 11.6, 8.9 Hz), 7.39 (1H, dd, J = 7.2, 2.5 Hz), 7.73-7.79 (1H, m), 8.02 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.19 (1H, dd, J = 8.2, 2.0 Hz), 8.37 (1H, dd, J = 8.2, 0.8 Hz), 8.50 (1H, s), 8.54 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.88 (1H, dd, J = 2.0, 0.8 Hz), 9.70 (1H, s), 10.72 (1H, s).
第十工程
化合物(11)(64.3 mg)をギ酸(0.5 ml)に溶解し、室温下14時間撹拌した。その後、0度にて2 M水酸化ナトリウム水溶液(6.49 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで酢酸エチルを加え、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製した後、メタノール、酢酸エチル、n-ヘキサンで固体を析出させろ取し、化合物(12)(26.5 mg)を得た。
1H-NMR (MeOD) δ: 1.75 (3H, s), 3.13 (1H, d, J = 16.2 Hz), 3.62 (1H, d, J = 16.2 Hz), 7.08 (1H, dd, J = 11.9, 8.9 Hz), 7.64-7.70 (2H, m), 7.77 (1H, dd, J = 7.4, 2.8 Hz), 8.34 (1H, dd, J = 8.1, 1.0 Hz), 8.42 (1H, dd, J = 8.1, 2.0 Hz), 8.46 (1H, s), 8.50 (1H, d, J = 5.1 Hz), 9.04 (1H, d, J = 1.5 Hz).
96穴ハーフエリアプレート(黒色プレート;コースター社製)の各ウェルに48.5μlの基質ペプチド(ビオチン-XSEVNLDAEFRHDSGC-Eu:X=ε-アミノ-n-カプロン酸、Eu=ユーロピウムクリプテート)溶液を入れ、0.5μlの本発明化合物(N,N'-ジメチルホルムアルデヒド溶液)および1μlの組み替えヒトBACE1(R&D systems社製)をそれぞれ添加した後30℃にて3時間反応した。基質ペプチドはビオチン-XSEVNLDAEFRHDSGC(ペプチド研究所製)にクリプテート TBPCOOH mono SMP(CIS bio international社製)を反応させることにより合成した。基質ペプチドの最終濃度は18 nmol/L、組み替えヒトBACE1の最終濃度は7.4nmol/Lとし、反応バッファーには酢酸ナトリウム緩衝液(50 mmol/L 酢酸ナトリウムpH 5.0、0.008% Triton X-100)を用いた。反応終了後、リン酸緩衝液(150 mmol/L K2HPO4-KH2PO4 pH 7.0、0.008 % Triton X-100、0.8 mol/L KF)に溶解した8.0 μg/ml のストレプトアビジン-XL665(CIS bio international社製)を各ウェルに50μlずつ添加し、30℃にて1時間静置した。その後、蛍光強度(励起波長 320nm、測定波長 620nmおよび665nm)をワラック1420マルチラベルカウンター(Perkin Elmer life sciences社製)を用いて測定した。酵素活性は各測定波長のカウント率(10000 x カウント 665/カウント 620)から求め、酵素活性を50%阻害する用量(IC50)を算出した。
化合物I−1 :IC50値 0.054μmol/L
化合物I−27:IC50値 0.308μmol/L
化合物I−30:IC50値 0.147μmol/L
化合物I−2〜26、33、34はIC50が1μmol/L以下、I−28、29、31、32は3μmol/L以下であった。
ヒト野生型βAPPを過剰発現させた神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞(SH/APPwt)を8×105セル/mLに調整し、1ウェルあたり150μlずつ96ウェル培養プレート(Falcon社製)に蒔き、37℃、5%炭酸ガスインキュベータ内で2時間培養した。その後、本発明化合物(DMSO:ジメチルスルホキシド溶液)を2μl/50μl培地となるようにあらかじめ添加・懸濁した溶液を細胞液に添加した。すなわち、最終DMSO濃度が1%、細胞培養液は200μlとなった。被検化合物添加から24時間インキュベートした後、培養上清を100μlずつ回収し、その中に含まれるAβ量を測定した。
Aβ量の測定方法は、384ウェルハーフエリアプレート(黒色プレート;コースター社製)に、均一系時間分解蛍光(HTRF)測定試薬(Amyloidβ1-40ペプチド;IBA Molecular Holding,S.A.)を10μlと、培養上清10μlを入れて混ぜ合わせ、遮光して4℃一晩静置した。その後、蛍光強度(励起波長337nm、測定波長620nmおよび665nm)をワラック1420マルチラベルカウンター(Perkin Elmer life sciences社製)を用いて測定した。Aβ量は各測定波長のカウント率(10000xカウント665/カウント620)から求め、Aβ産生を50%阻害する用量(IC50)を少なくとも異なる6用量から算出した。
化合物I−7 :IC50値 0.002μmol/L
化合物I−30:IC50値 0.046μmol/L
化合物I−34:IC50値 0.020μmol/L
化合物I−1〜6、8〜21、23〜27、29〜34はIC50が1μmol/L以下、I−28は3μmol/L以下であった。
本発明化合物を0.5%メチルセルロースに懸濁させ、最終濃度2mg/mLとなるように調製し、雄性Crj:SDラット(7〜9週齢)に対し、10mg/kgとなるように経口投与する。基剤対照群は0.5%メチルセルロースのみを投与し、各群3〜8匹で投与試験を実施する。投与3時間後に脳を摘出し、大脳半球を単離し、重量を測定した後、速やかに液体窒素中にて凍結させ、抽出日まで−80℃にて保存する。凍結した大脳半球を氷冷下テフロン(登録商標)製ホモゲナイザーに移し、重量の5倍容量の抽出バッファー(1%CHAPS({3−〔(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパンスルホネート})、20mmol/L Tris−HCl(pH8.0)、150 mmol/L NaCl、Complete(Roche社製)プロテアーゼ阻害剤含有)を加え、上下動を繰り返し2分間ホモゲナイズし可溶化する。懸濁液を遠心用のチューブに移し、3時間以上氷上にて放置し、その後、100,000xg、4℃、20分遠心する。遠心後、上清をβアミロイド40測定用のELISAプレート(和光純薬工業製:製品番号294−62501)に移す。ELISA測定は添付の説明書に従い行う。減少作用は各試験の基剤対照群の脳内βアミロイド40に対する割合として算出する。
CYP3A4蛍光MBI試験は、代謝反応による本発明化合物のCYP3A4阻害の増強を調べる試験である。CYP3A4酵素(大腸菌発現酵素)により7-ベンジルオキシトリフルオロメチルクマリン(7−BFC)が脱ベンジル化されて、蛍光を発する代謝物7-ハイドロキシトリフルオロメチルクマリン(7−HFC)が生じる。7−HFC生成反応を指標として行う。
反応条件は以下のとおり:基質、5.6μmol/L 7−BFC;プレ反応時間、0または30分;反応時間、15分;反応温度、25℃(室温);CYP3A4含量(大腸菌発現酵素)、プレ反応時62.5pmol/mL、反応時6.25pmol/mL(10倍希釈時);本発明化合物濃度、0.625、1.25、2.5、5、10、20μmol/L(6点)。
96穴プレートにプレ反応液としてK−Pi緩衝液(pH7.4)中に酵素、本発明化合物溶液を上記のプレ反応の組成で加え、別の96穴プレートに基質とK−Pi緩衝液で1/10希釈されるようにその一部を移行し、補酵素であるNADPHを添加して指標とする反応を開始し(プレ反応無)、所定の時間反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1を加えることによって反応を停止した。また残りのプレ反応液にもNADPHを添加しプレ反応を開始し(プレ反応有)、所定時間プレ反応後、別のプレートに基質とK−Pi緩衝液で1/10希釈されるように一部を移行し指標とする反応を開始した。所定の時間反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1を加えることによって反応を停止した。それぞれの指標反応を行ったプレートを蛍光プレートリーダーで代謝物である7−HFCの蛍光値を測定した(Ex=420nm、Em=535nm)。
本発明化合物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、本発明化合物溶液を加えたそれぞれの濃度での残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。IC50値の差が5μM以上の場合を(+)とし、3μM以下の場合を(−)とした。
化合物I−1:(−)
市販のプールドヒト肝ミクロソームを用いて、ヒト主要CYP5分子種(CYP1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)の典型的基質代謝反応として7−エトキシレゾルフィンのO−脱エチル化(CYP1A2)、トルブタミドのメチル−水酸化(CYP2C9)、メフェニトインの4’−水酸化(CYP2C19)、デキストロメトルファンのO脱メチル化(CYP2D6)、テルフェナジンの水酸化(CYP3A4)を指標とし、それぞれの代謝物生成量が本発明化合物によって阻害される程度を評価した。
反応条件は以下のとおり:基質、0.5μmol/L エトキシレゾルフィン(CYP1A2)、100μmol/L トルブタミド(CYP2C9)、50 μmol/L S−メフェニトイン(CYP2C19)、5μmol/L デキストロメトルファン(CYP2D6)、1 μmol/L テルフェナジン(CYP3A4);反応時間、15分;反応温度、37℃;酵素、プールドヒト肝ミクロソーム 0.2mg タンパク質/mL;本発明化合物濃度、1、5、10、20 μmol/L(4点)。
96穴プレートに反応溶液として、50mmol/L Hepes緩衝液中に各5種の基質、ヒト肝ミクロソーム、本発明化合物を上記組成で加え、補酵素であるNADPHを添加して、指標とする代謝反応を開始した。37℃、15分間反応した後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液を添加することで反応を停止した。3000rpm、15分間の遠心操作後、遠心上清中のレゾルフィン(CYP1A2代謝物)を蛍光マルチラベルカウンタで、トルブタミド水酸化体 (CYP2C9代謝物)、メフェニトイン4’水酸化体(CYP2C19代謝物)、デキストロルファン(CYP2D6代謝物)、テルフェナジンアルコール体(CYP3A4代謝物)をLC/MS/MSで定量した。
薬物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。
化合物I−2:5種>20μM
凍結保存しているネズミチフス菌(Salmonella typhimurium TA98株、TA100株)20μLを10mL液体栄養培地(2.5% Oxoid nutrient broth No.2)に接種し37℃にて10時間、振盪前培養する。TA98株は9mLの菌液を遠心(2000×g、10分間)して培養液を除去する。9mLのMicroF緩衝液(K2HPO4:3.5g/L、KH2PO4:1g/L、(NH4)2SO4:1g/L、クエン酸三ナトリウム二水和物:0.25g/L、MgSO4・7H20:0.1g/L)に菌を懸濁し、110mLのExposure培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mLを含むMicroF緩衝液)に添加し、TA100株は3.16mL菌液に対しExposure培地120mLに添加し試験菌液を調製する。本発明化合物DMSO溶液(最高用量50mg/mLから2〜3倍公比で数段階希釈)、陰性対照としてDMSO、陽性対照として非代謝活性化条件ではTA98株に対しては50μg/mLの4−ニトロキノリン−1−オキシドDMSO溶液、TA100株に対しては0.25μg/mLの2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミドDMSO溶液、代謝活性化条件ではTA98株に対して40μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液、TA100株に対しては20μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液それぞれ12μLと試験菌液588μL(代謝活性化条件では試験菌液498μLとS9 mix 90μLの混合液)を混和し、37℃にて90分間、振盪培養する。本発明化合物を暴露した菌液460μLを、Indicator培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mL、ブロモクレゾールパープル:37.5μg/mLを含むMicroF緩衝液)2300μLに混和し50μLずつマイクロプレート48ウェル/用量に分注し、37℃にて3日間、静置培養する。アミノ酸(ヒスチジン)合成酵素遺伝子の突然変異によって増殖能を獲得した菌を含むウェルは、pH変化により紫色から黄色に変色するため、1用量あたり48ウェル中の黄色に変色した菌増殖ウェルを計数し、陰性対照群と比較して評価する。変異原性が陰性のものを(−)、陽性のものを(+)として示す。
本発明化合物の10mM DMSO溶液の2倍希釈系列(12 points)を媒体(JP−I,JP−II)に添加(2%)し、4時間後の濁度(晶析情報)から、溶解性を3段階評価(High;>40μM,Medium;3〜40μM,Low;<3μM)した。
化合物I−9:High(JP−I、JP−II)
(試験例7−2:溶解性試験)
本発明化合物の溶解度は、1%DMSO添加条件下で決定する。DMSOにて10mmol/L化合物溶液を調製し、本発明化合物溶液6μLをpH6.8人工腸液(0.2mol/L リン酸二水素カリウム試液 250mLに0.2mol/L NaOH試液118mL、水を加えて1000mLとする)594μLに添加する。25℃で16時間静置させた後、混液を吸引濾過する。濾液をメタノール/水=1/1(V/V)にて2倍希釈し、絶対検量線法によりHPLCまたはLC/MS/MSを用いて濾液中濃度を測定する。
市販のプールドヒト肝ミクロソームと本発明化合物を一定時間反応させ、反応サンプルと未反応サンプルの比較により残存率を算出し、本発明化合物が肝で代謝される程度を評価する。
ヒト肝ミクロソーム0.5mg タンパク質/mLを含む0.2mLの緩衝液(50mmol/L Tris−HCl pH7.4、150mmol/L塩化カリウム、10 mmol/L 塩化マグネシウム)中で、1mmol/L NADPH存在下で37℃、0分あるいは30分間反応させる(酸化的反応)。反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液の100μLに反応液50μLを添加、混合し、3000rpmで15分間遠心する。その遠心上清中の本発明化合物をLC/MS/MSにて定量し、反応後の本発明化合物の残存量を0分反応時の化合物量を100%として計算する。
化合物I−5:88%
心電図QT間隔延長のリスク評価を目的として、human ether−a−go−go related gene (hERG) チャンネルを発現させたHEK293細胞を用いて、心室再分極過程に重要な役割を果たす遅延整流K+電流(IKr)への本発明化合物の作用を検討した。
全自動パッチクランプシステム(PatchXpress 7000A,Axon Instruments Inc.)を用い、ホールセルパッチクランプ法により、細胞を−80mVの膜電位に保持し、−50mVのリーク電位を与えた後、+40mVの脱分極刺激を2秒間、さらに−50mVの再分極刺激を2秒間与えた際に誘発されるIKrを記録する。発生する電流が安定した後、本発明化合物を目的の濃度で溶解させた細胞外液(NaCl:135mmol/L、KCl:5.4mmol/L、NaH2PO4:0.3mmol/L、CaCl2・2H2O:1.8mmol/L、MgCl2・6H2O:1mmol/L、グルコース:10mmol/L、HEPES(4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸):10mmol/L、pH=7.4)を室温条件下で、10分間細胞に適用させる。得られたIKrから、解析ソフト(DataXpress ver.1、Molecular Devices Corporation)を使用して、保持膜電位における電流値を基準に最大テール電流の絶対値を計測する。さらに、本発明化合物適用前の最大テール電流に対する阻害率を算出し、媒体適用群(0.1%ジメチルスルホキシド溶液)と比較して、本発明化合物のIKrへの影響を評価する。
適当な容器に本発明化合物を適量入れ、各容器にJP−1液(塩化ナトリウム2.0g、塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとする)、JP−2液(pH6.8のリン酸塩緩衝液500mLに水500mLを加える)、20mmol/L タウロコール酸ナトリウム(TCA)/JP−2液(TCA 1.08gに水を加え100mLとする)を200μLずつ添加する。試験液添加後に溶解した場合には、適宜本発明化合物を追加する。密閉し37℃で1時間振とう後に濾過し、各濾液100μLにメタノール100μLを添加して2倍希釈を行う。希釈倍率は、必要に応じて変更する。気泡および析出物がないかを確認し、密閉して振とうする。絶対検量線法によりHPLCを用いて本発明化合物を定量する。
経口吸収性の検討実験材料と方法
(1)使用動物:マウスまたはSDラットを使用する。
(2)飼育条件:マウスまたはSDラットは、固形飼料および滅菌水道水を自由摂取させる。
(3)投与量、群分けの設定:経口投与、静脈内投与を所定の投与量により投与する。以下のように群を設定する(化合物ごとで投与量は変更有)。
経口投与 1〜30mg/kg(n=2〜3)
静脈内投与 0.5〜10mg/kg(n=2〜3)
(4)投与液の調製:経口投与は溶液または懸濁液として投与する。静脈内投与は可溶化して投与する。
(5)投与方法:経口投与は、経口ゾンデにより強制的に胃内に投与する。静脈内投与は、注射針を付けたシリンジにより尾静脈から投与する。
(6)評価項目:経時的に採血し、血漿中本発明化合物濃度をLC/MS/MSを用いて測定する。(7)統計解析:血漿中本発明化合物濃度推移について、非線形最小二乗法プログラムWinNonlin(登録商標)を用いて血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUC)を算出し、経口投与群と静脈内投与群のAUCから本発明化合物バイオアベイラビリティ(BA)を算出する。
ラットに0.5mg/mL/kgの用量で本発明化合物を静脈内投与し、30分後にイソフルラン麻酔下で下大動脈より全採血により放血死させる。
その後、脳を摘出し、蒸留水で20−25%のホモジネートを調製する。
一方、得られた血液は遠心処理後、血漿にする。その後、脳サンプルにはコントロール血漿を、血漿サンプルにはコントロール脳を1:1で添加し、それぞれのサンプルをLC/MS/MSを用いて測定する。得られた測定時のエリア比(脳/血漿)を脳Kp値とする。
(試験例13:Ames試験)
サルモネラ菌(Salmonella typhimurium)TA98、TA100、TA1535、1537および大腸菌(Escherichia coli)WP2uvrAを試験菌株として用い、プレインキュベーション法による非代謝活性化条件下および代謝活性化条件下においてAmes試験を実施し、本発明化合物の遺伝子突然変異誘発性の有無を調べる。
(試験例14:P−gp基質試験)
ヒトMDR1発現細胞または親細胞を単層培養したトランスウェルの片側に本発明化合物を添加し、一定時間反応させる。Apical側からBasal側方向(A→B)とBasal側からApical側方向(B→A)の膜透過係数を算出し、MDR1発現細胞と親細胞のEfflux Ratio(ER;B→AとA→Bの膜透過係数の比)値を算出した後、MDR1発現細胞と親細胞のER値を比較し、P−gp基質を判断する。
以下に示す製剤例は例示にすぎないものであり、発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
製剤例1 錠剤
本発明化合物 15mg
乳糖 15mg
ステアリン酸カルシウム 3mg
ステアリン酸カルシウム以外の成分を均一に混合し、破砕造粒して乾燥し、適当な大きさの顆粒剤とする。次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形して錠剤とする。
本発明化合物 10mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
乳糖 80mg
を均一に混合して粉末又は細粒状として散剤をつくる。それをカプセル容器に充填してカプセル剤とする。
本発明化合物 30g
乳糖 265g
ステアリン酸マグネシウム 5g
よく混合し、圧縮成型した後、粉砕、整粒し、篩別して適当な大きさの顆粒剤とする。
Claims (12)
- 式(I):
(式中、
環Zは置換もしくは非置換のピリジンであり、
環Aは置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、
R 1は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアシル、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり、
R2aおよびR2bは各々独立して水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり、
R4aおよびR4bは各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアシルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の炭素環式基、置換もしくは非置換の炭素環オキシ、置換もしくは非置換の炭素環チオ、置換もしくは非置換の炭素環アルキル、置換もしくは非置換の炭素環アルコキシ、置換もしくは非置換の炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環オキシ、置換もしくは非置換の複素環チオ、置換もしくは非置換の複素環アルキル、置換もしくは非置換の複素環アルコキシ、置換もしくは非置換の複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環スルフィニルまたは置換もしくは非置換の複素環スルホニルであり、
R4aおよびR4bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環を形成してもよい。)
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。 -
ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアシルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の炭素環式基、置換もしくは非置換の炭素環オキシ、置換もしくは非置換の炭素環チオ、置換もしくは非置換の炭素環アルキル、置換もしくは非置換の炭素環アルコキシ、置換もしくは非置換の炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環オキシ、置換もしくは非置換の複素環チオ、置換もしくは非置換の複素環アルキル、置換もしくは非置換の複素環アルコキシ、置換もしくは非置換の複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環スルフィニルまたは置換もしくは非置換の複素環スルホニルであり、mは0〜3の整数である)
である、請求項1記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。 - 環Aが
L1およびL2は各々独立して単結合、置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレンまたは置換もしくは非置換のアルキニレンであり、
R8は水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり、
R9は水素、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルまたは置換もしくは非置換のアシルであり、
Akは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである)
である、請求項1または2記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。 - L1およびL2が単結合である、請求項3〜5のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- 環A’が置換もしくは非置換のベンゼンまたは置換もしくは非置換のピリジンであり、環Bが置換もしくは非置換のピリジン、置換もしくは非置換のピリミジンまたは置換もしくは非置換のピラジンである、請求項3〜5のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- R1が炭素数1〜3の非置換アルキルである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- R2aおよびR2bが共に水素である、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有するBACE1阻害活性を有する医薬組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する、アルツハイマー型認知症、ダウン症、記憶障害、プリオン病、軽度認知障害、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管障害、他の変性認知症、血管性変性混合型認知症、パーキンソン病に随伴する認知症、進行性核上麻痺に随伴する認知症、皮質基底核変性症に随伴する認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、加齢黄斑変性症、パーキンソン病、および/またはアミロイドアンジオパシーの治療、予防、および/または症状改善のための医薬組成物。
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