JP5911553B1 - 直流変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力電圧範囲が大きく変動しても、スイッチング損失を低減して高効率な電圧変換が可能となる直流変換装置を提供する。【解決手段】絶縁型共振コンバータであるLLC共振コンバータ回路14の前段には、入力電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路13を備える。共振コンバータ回路14は半導体スイッチング素子5,6の切り替えにより昇圧コンバータ回路13により昇圧された電圧から、出力電圧Voを発生させる。制御部15は、トランス9の励磁電流、半導体スイッチング素子5、6の寄生容量C、平滑コンデンサ4電圧Vcから導出したデッドタイムを確保し、半導体スイッチング素子5、6のオン時間を共振コンデンサ7、共振リアクトル8の直列共振周波数の半周期とし、半導体スイッチング素子のオン時間(直列共振周波数)とデッドタイムから求まるスイッチング周波数で制御する。【選択図】図1

Description

この発明は、直流変換装置に関するものである。
近年、環境に優しい自動車として、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)/PHEV(Plug−in Hybrid Electric Vehicle)等のハイブリッド自動車が開発されている。
このような自動車は、従来の自動車にも搭載されていた、制御回路を動作させる補機用電池に加えて、充電された電力により走行用の電動モータを駆動させる駆動用電池を搭載している。また、このような自動車では、パワーエレクトロニクス技術の進歩を背景に、燃費(または電費)を向上させるために、電動パワートレインコンポーネントの低損失化、高効率化が望まれている。
ここで、走行用の電動モータに電力を供給する駆動用電池から、補機用電池の充電を行うために必要な直流変換装置として、降圧用のコンバータ(以下、「降圧コンバータ」と称する)がある。このような降圧コンバータとして、一般的にフルブリッジのコンバータ回路が使用され、位相シフト制御により、高効率な降圧コンバータを実現している。
しかしながら、フルブリッジのコンバータ回路では、軽負荷動作時にトランス1次側のスイッチング素子におけるゼロボルトスイッチング(ZVS:Zero Voltage switching)の成立が困難になるので、軽負荷動作時の効率が低下するという問題があった。
なお、フルブリッジのコンバータ回路において、軽負荷動作時にZVSを成立させるためには、共振リアクトルのインダクタンス値を増加させる必要があるが、その結果、共振リアクトルのサイズやコストが増加する。また、降圧コンバータは、高電圧を低電圧に電力変換するために、トランスの1次巻線が2次巻線よりも多い。そのため、トランス1次側に流れる電流が小さく、共振リアクトルを用いても、全範囲でのZVSを成立させることは、極めて困難である。
一方、軽負荷動作時においてもZVSが成立するコンバータ回路として、一般的にLLC(two inductors(LL) and a capacitor(C))共振コンバータが知られている。このコンバータ回路は、ブリッジ回路の上下に対向するスイッチング素子のオンとオフとを交互に切り替えて、正弦波状の共振電流を生成させることで電力伝送を行う。所謂LLC電流共振コンバータである(以下、LLC共振コンバータという)。
LLC共振コンバータの特徴は、軽負荷動作時においてもZVSが成立することで、フルブリッジのコンバータ回路に比べて軽負荷動作時における効率が高いことはもちろん、電力伝送経路にコンデンサが直列接続されているので、トランスの偏磁が発生せず、偏磁対策用の回路を別途設ける必要がないことである。また、トランス2次側の整流回路後段に平滑用リアクトルを設ける必要がないとされており安価である。
また、LLC共振コンバータでは、共振リアクトルと共振コンデンサとで構成される直列共振回路の直列共振周波数と、スイッチング周波数とが近い場合に、整流回路に流れる共振電流が0A付近でオフされることになるので、サージ電圧が抑制されるという特徴を有する。
しかしながら、LLC共振コンバータは、出力側の負荷によってゲイン特性が変化し、一般的に、軽負荷動作時にはゲインが低下しづらく、また、重負荷動作時にはゲインが1以上にならないという問題があった。そのため、LLC共振コンバータは、入力電圧範囲が広く、かつ負荷電流範囲の広い対象については適していない。
さらに、LLC共振コンバータは、重負荷動作時には、ゲインを増加させることが困難なので、トランスの巻数比を大きくとることができない。そのため、重負荷動作時には、トランス1次側に流れる電流が大きく、スイッチング素子や共振リアクトル、共振コンデンサ、トランスのサイズが大型化し、大電力を出力する場合には、フルブリッジのコンバータ回路よりも大型化することがある。
ここで、一般的に、駆動用電池は電圧範囲が広く、また、アクセサリの状況、すなわちユーザの使用状況によって、降圧コンバータから補機用電池に流す充電電流が変わるので、降圧コンバータは、入力電圧範囲が広く、かつ負荷電流範囲が広い。
そこで、従来技術として、入力電圧が変動しても、高効率な電圧変換が可能となるスイッチング電源装置として、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。これは、LLC共振コンバータの前段に非絶縁の昇圧コンバータを備え、前段の昇圧コンバータのオンデューティ比を制御して、出力電圧を調整し、LLC共振コンバータはほぼ50%のオンデューティ比で交互にオンオフ制御することで入力電圧が大きく変動してもそれに対応させることが可能となるものである。
特開2013−258860号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
一般的に、スイッチング素子には寄生の容量があり、例えばスイッチング素子がMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の場合、ドレイン-ソース間に寄生の容量が存在する。このため、従来技術に記載されているように50%のオンデューティ比で交互にオンオフ制御してしまうと、スイッチング素子の寄生容量に電荷が充電されている状態で、ターンオンすることになりハードスイッチングとなってしまう。このため、スイッチング損失が発生し効率が低下する。これを解決するには、一般的に直列共振周波数に対してスイッチング周波数を増加させることでZVSを成立させるが、共振電流を途中でターンオフさせるので、ターンオフ時がハードスイッチングとなってしまい、サージによる回路素子の破壊を招く恐れがある。
この発明の課題は、入力電圧範囲が広く、かつ負荷電流範囲が広い場合においても、スイッチング損失を低減して、安定した電圧を高効率で出力する直流変換装置を提供することにある。
この発明に係る直流変換装置は、LLC電流共振コンバータを構成し、一次巻線及び二次巻線を備えるトランスと、共振用コンデンサと、共振用リアクトルと、一次巻線に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子と、一次巻線との磁界結合により、二次巻線に誘起される電圧を整流して負荷へ出力する整流回路とを有した絶縁型共振コンバータと、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子のオン時間を共振コンデンサと共振用リアクトルとで決まる直列共振周波数の半周期に設定するとともに、固定オンデューティ比、かつ、固定スイッチング周波数で、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子を、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子に電気的に並列な電気容量の電荷を充放電する分のデッドタイムを挟んで交互にオンオフ制御させ、絶縁型共振コンバータを制御する制御部を備えたものである。
この発明に係る直流変換装置によれば、スイッチング素子に電気的に並列な電気容量の電荷を充放電する分のデッドタイムを持たせることで、絶縁型共振コンバータのスイッチング損失をほぼゼロにでき、効率のよい電力変換が可能となる。またターンオンとターンオフの両立を実現させ、効率を改善させることができる。
この発明の実施の形態1に係る直流変換装置を示す回路図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、制御部が昇圧コンバータ回路の半導体スイッチング素子をオンオフさせたときの電流経路を示す説明図である。 共振コンバータ回路の課題について説明した波形図である。 共振コンバータ回路の課題について説明した説明図である。 共振コンバータ回路の課題について説明した波形図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の半導体スイッチング素子がオンオフしているときの電流経路を、図6の各時刻と対応して示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の変形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の変形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態2に係る直流変換装置において、温度変化により、直列共振周波数が変化した場合の各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係る直流変換装置において、スイッチング周期における電力伝送期間の割合(実効デューティ)と共振電流のピーク値との関係について説明した説明図である。 この発明の実施の形態3に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。
以下、この発明における直流変換装置を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置を示す概略構成図である。図1において、この直流変換装置は、絶縁型コンバータを構成する絶縁型のLLC共振コンバータである共振コンバータ回路14の前段に昇圧コンバータを構成する非絶縁型のDC/DCコンバータである昇圧コンバータ回路13を設けた2段構成のコンバータである。昇圧コンバータ回路13および共振コンバータ回路14の動作は、制御部15によって制御される。
この直流変換装置は、入力電圧Vを昇圧コンバータ回路13によって任意の直流電圧に昇圧し、共振コンバータ回路14から出力電圧Vを出力する。ここで、この直流変換装置が電気自動車やハイブリッド自動車に適用された場合には、入力側に駆動用電池が接続され、出力側に補機用電池が接続される。
昇圧コンバータ回路13は、昇圧リアクトル1、ダイオード2、第3のスイッチング素子である半導体スイッチング素子3および平滑コンデンサ4から構成されている。昇圧コンバータ回路13において、ダイオード2のアノード端子は昇圧リアクトル1に接続され、ダイオード2のカソード端子は、昇圧コンバータ回路13の出力部である平滑コンデンサ4に接続されている。
また、昇圧コンバータ回路13において、半導体スイッチング素子3は、ドレイン端子が昇圧リアクトル1とダイオード2との接続点に接続され、ソース端子が入力電圧Vの負側と平滑コンデンサ4の負極側との接続点に接続されている。ここで、制御部15は、半導体スイッチング素子3をオンオフ制御し、平滑コンデンサ4の電圧を任意の値に調整する。
共振コンバータ回路14は、昇圧コンバータ回路13の後段に接続されている。また、共振コンバータ回路14は、それぞれ第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子である半導体スイッチング素子5、6、共振コンデンサ7、並びに共振リアクトル8を、1次巻線および2次巻線を有するトランス9の1次側に備え、整流回路であるダイオード10、11をトランス9の2次側に備えている。
共振コンバータ回路14において、半導体スイッチング素子5のドレイン端子は平滑コンデンサ4の正極側に接続され、半導体スイッチング素子6のソース端子は平滑コンデンサ4の負極側に接続されている。また、半導体スイッチング素子5のソース端子と半導体スイッチング素子6のドレイン端子とは、互いに接続されている。
また、共振コンバータ回路14において、共振コンデンサ7、共振リアクトル8およびトランス9は、半導体スイッチング素子5のソース端子と半導体スイッチング素子6のドレイン端子との接続点と、半導体スイッチング素子6のソース端子との間に直列に接続されている。
なお、図1の直流変換装置では、半導体スイッチング素子5のソース端子と半導体スイッチング素子6のドレイン端子との接続点から順に共振コンデンサ7、共振リアクトル8、トランス9の順に接続されているが、これに限定されず、共振コンデンサ7は、トランス9と半導体スイッチング素子6のソース端子との間に接続されてもよい。
また、共振コンバータ回路14において、トランス9の2次巻線は中間タップを有し、中間タップが出力電圧Vの負側に接続されている。また、トランス9の2次巻線の両端には、それぞれダイオード10、11のアノード端子が接続されている。また、ダイオード10のカソード端子とダイオード11のカソード端子とは、互いに接続されており、この接続点が出力電圧Vの正側に接続されている。平滑コンデンサ12が出力電圧Voの正側と負側と並列に接続されている。なお、このダイオード10、11は、半導体スイッチング素子であってもよい。
また、入力電圧Vの電圧値を検出するために、入力電圧Vと並列に入力電圧検出回路21が接続され、昇圧コンバータ回路13の出力電圧値を検出するために、平滑コンデンサ4と並列に平滑コンデンサ電圧検出回路22が接続され、出力電圧Vの電圧値を検出するために、出力電圧Vと並列に出力電圧検出回路23が接続されている。また、共振コンバータ回路14の出力部の電流を検出するために、出力電流検出回路24が設けら
れている。
ここで、制御部15は、制御線30a、30b、30cにより、半導体スイッチング素子3、5、6をそれぞれオンオフ制御するとともに、信号線31a、31b、31c、31dにより、それぞれ入力電圧検出回路21、平滑コンデンサ電圧検出回路22、出力電圧検出回路23、出力電流検出回路(電流センサ)24からの電圧、電流検出値をそれぞれ取得する。
以下、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の昇圧コンバータ回路13の動作原理について説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、制御部15が昇圧コンバータ回路13の半導体スイッチング素子3をオンオフさせたときの電流経路を示す説明図である。実線は半導体スイッチング素子3をオンさせたときの電流経路を示し、破線は半導体スイッチング素子3をオフさせたときの電流経路を示している。
図1において、制御部15は、昇圧コンバータ回路13の半導体スイッチング素子3をオンオフさせることにより、昇圧コンバータ回路13の出力電圧を制御し、共振コンバータ回路14の出力電圧Vが目標値に近づくように調整する。
次に、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の共振コンバータ回路14の動作原理について説明する。図1に示す制御部15は、共振コンバータ回路14の半導体スイッチング素子5、6をあらかじめ定められたデッドタイムを挟んでそれぞれオンオフ制御する。
ここで、前述の「発明が解決しようとする課題」においてでも説明した、スイッチング素子を、ほぼ50%のオンデューティ比で交互にオンオフ制御することの問題点ついて図3、図4、図5を用いて説明する。
図4に示すように、一般的に、スイッチング素子には寄生の容量が存在し、半導体スイッチング素子5、6にMOSFETを使用する場合、ドレイン‐ソース間に寄生の容量が存在する(半導体スイッチング素子5の寄生容量を5C、半導体スイッチング素子6の寄生
容量を6Cとする)。
図3は、横軸を時間軸としている。時刻t2,t6は半導体スイッチング素子5がターンオン、時刻t3,t7は、半導体スイッチング素子5がターンオフするタイミングである。また、時刻t1,t5は半導体スイッチング素子6がターンオフ、時刻t4,t8は半導体スイッチング素子6がターンオンするタイミングである。また、半導体スイッチング素子5、6がそれぞれターンオフ・ターンオンする間にはデッドタイム(td)が設けられている。
また、図3は、半導体スイッチング素子5、6のゲート‐ソース間に印加されるゲート電圧Vgs5、Vgs6、半導体スイッチング素子5、6のドレイン‐ソース間に印加される電圧Vds5、Vds6、半導体スイッチング素子5、6のドレイン‐ソース間に流れるドレイン電流をId5、Id6、共振リアクトル8に流れる電流ILr、トランス9の一次側に印加される電圧Vtr1、トランス2次側の整流用のダイオード10、11に流れる電流iD10、iD11それぞれの波形を示す。なお、一次側に流れる電流は、共振コンデンサ7からトランス9に流れる方向を正としている。
図4は、各時刻における電流の経路を示している。時刻t0〜t1において、同図の(a)に示すように、半導体スイッチング素子5がオフ、半導体スイッチング素子6がオンしている間は、共振電流ILrは、矢印のように、トランス9→共振リアクトル8→共振コンデンサ7→半導体スイッチング素子6の経路で電流が流れる。一般的に、半導体スイッチング素子6は、共振電流ILrの電流が0A付近でターンオフする。これは、ターンオフ損失の低減(ZCS)および2次側回路に発生するサージを低減するためである。このとき、半導体スイッチング素子5のドレイン-ソース間の寄生容量5Cには電荷(Q=CVc)が充電されている。
時刻t1〜t2において、図4(b)に示すように、半導体スイッチング素子5、半導体スイッチング素子6はともにオフである。このとき、寄生容量5Cに蓄えられている電荷は残り続ける。このため、時刻t1〜t2の間、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間には、平滑コンデンサ4と同じ電圧Vcが印加されており、反対に半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間の電圧は0Vのままである。
次に、時刻t2〜t3において、図4(c)に示すように、半導体スイッチング素子5をターンオンすると、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間の電圧は0Vとなるため、直前まで寄生容量5Cに充電されていた、即ち蓄えられていた電荷は、半導体スイッチング素子5の内部で消費される(図4(c)の点線参照)。一方、半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間電圧は平滑コンデンサ4の電圧まで上昇するため、寄生容量6Cを充電するために図4(c)点線の電流が流れる。このため、時刻t2において、半導体スイッチング素子5、6のドレイン電流Id5、Id6は図3のような突入電流が流れる。また、このとき、半導体スイッチング素子5のドレイン-ソース間の電圧は0Vであり、半導体スイッチング素子6のドレイン-ソース間電圧はVcであり、寄生容量6Cには電荷(Q=CVc)が充電されている。
時刻t3〜t4において、図4の(d)に示すように、半導体スイッチング素子5、半導体スイッチング素子6はともにオフである。このとき、寄生容量6Cに蓄えられている電荷は残り続ける。このため、時刻t3〜t4の間、導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間には、平滑コンデンサ4と同じ電圧Vcが印加されており、反対に半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間の電圧は0Vのままである。
次に、時刻t4〜t5において、図4の(e)に示すように、半導体スイッチング素子6をターンオンすると、半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間の電圧は0Vとなるため、直前まで寄生容量6Cに蓄えられていた電荷は、半導体スイッチング素子6の内部で消費される(図4(e)の点線参照)。一方、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間電圧は平滑コンデンサ4の電圧まで上昇するため、寄生容量5Cを充電するために図4(e)の点線の電流が流れる。このため、時刻t4において、半導体スイッチング素子5、6のドレイン電流Id5、Id6は,図3のような突入電流が流れる。また、このとき、半導体スイッチング素子6のドレイン-ソース間の電圧は0Vであり、半導体スイッチング素子5のドレイン-ソース間電圧はVcであり、寄生容量5Cには電荷(Q=CVc)が充電されている。
このため、一般的にデューティをほぼ50%でスイッチングした状態で、ZCSが成立するように共振電流が0A付近でターンオフすると、デッドタイム期間中に電荷が移動せず残り続けるため、ターンオン時に図3や図で示すようなドレイン電流Id5、Id6に過大な電流が流れ、ターンオン損失が発生し、効率の低下、素子の発熱の原因となる。
これを回避する方法として、一般的に、半導体スイッチング素子5、6を駆動する、スイッチング周波数(fsw)を直列共振周波数(fsr=1/2π√LrCr)に比べて十分大きくすると、ターンオン時はZVSが成立する。このときの、図3に対応する各電圧・電流波形を図5に示す。しかし、図5に示すように、共振電流ILrを半周期の途中でターンオフするため、ターンオフ損失が発生するだけでなく、図5に示すようにドレイン電流Id5、Id6にサージも発生する。また、スイッチング周波数を増加させているため、スイッチング損失はスイッチング周波数に比例して増加してしまい。結果、効率が悪化する。
以上が、従来の共振コンバータ回路が抱える課題である。
そこで、本実施の形態1において制御部15は、各半導体スイッチング素子のオン時間を直列共振周波数の半周期となるよう設定するとともに、トランスの励磁電流で、半導体スイッチング素子5,6の寄生容量の電荷を充放電する分デッドタイムを確保することで、ZVS(ターンオン)とZCS(ターンオフ)の両立を実現させ、効率を改善させることができる。
本実施の形態1において制御部15は、各半導体スイッチング素子5、6のオン時間(ton)は共振コンデンサ7、共振リアクトル8で求まる直列共振周波数(fsr)の半周期となるよう設定するため、以下の式(1)で表される。
これにより、共振電流が0A付近でターンオフできるため、ZCSが成立する。
次に、制御部15が確保する所定のデッドタイム(td)について説明する。電力伝送期間中(=ton)はトランスには一定の電圧が印加されるため、励磁電流Imは以下の式(2)で表される
この励磁電流がデッドタイム期間中一定とすると、半導体スイッチング素子5、6の寄生容量をC、平滑コンデンサ4の電圧をVcとすると、確保するデッドタイム(td)は以下の式(3)で表される。
式(3)で導出したデッドタイムを制御部15が確保することで、デッドタイム期間中に電荷の充放電が行われ、次にターンオンする半導体スイッチング素子のドレイン-ソース間電圧が0VとなりZVSが成立する。これにより、ZVS(ターンオン)とZCS(ターンオフ)の両立を実現させ、効率を改善させることができる。
最後に、スイッチング周波数(fsw)は、デッドタイム(td)、直列共振周波数(fsr)より以下の式(4)で導出される値とする。
本実施の形態1における共振コンバータ回路14の動作時における各電圧電流波形を図6に示し、半導体スイッチング素子5、6がオンオフしているときの電流経路を図7に示している。
時刻t0〜t1において、図7(a)に示すように、半導体スイッチング素子5がオフ、半導体スイッチング素子6がオンしている間は、共振電流ILrは矢印のようにトランス9→共振リアクトル8→共振コンデンサ7→半導体スイッチング素子5の経路で電流が流れる。一般的に、半導体スイッチング素子6は、共振電流ILrの電流が0A付近でターンオフする。これは、ターンオフ損失の低減(ZCS)および2次側回路に発生するサージを低減するためである。このとき、半導体スイッチング素子5のドレイン-ソース間の寄生容量5Cには電荷(Q=CVc)が充電されている。
時刻t1〜t2において、図7(b)に示すように、半導体スイッチング素子5、半導体スイッチング素子6はともにオフである。このとき、トランス9には励磁電流が流れており、寄生容量5Cに充電されている、即ち蓄えられている電荷は放電され、一方、寄生容量6Cには電荷が充電される。このため、時刻t1〜t2の間に、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間の電圧は減少し、半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間電圧は増加する。制御部15は、式(3)により求められたデッドタイム(td)を確保しているため、図6に示すように、時刻t2において、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間の電圧Vds5は0Vまで低下し、半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間電圧Vds6はVcまで増加する。
次に、時刻t2〜t3において、図7(c)に示すように、半導体スイッチング素子5をターンオンすると、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間の電圧は直前まで0Vであり、ZVSが成立する。また、半導体スイッチング素子6の電圧も直前まで平滑コンデンサ4の電圧Vcであったので、図4(c)で説明した寄生容量6Cを充電するための電流も流れない。
時刻t3〜t4において、図7(d)に示すように、半導体スイッチング素子5、半導体スイッチング素子6はともにオフである。このとき、トランス9には励磁電流が時刻t1〜t2時とは逆向きに流れており、寄生容量5Cは充電され、一方、寄生容量6Cに充電されている、即ち蓄えらている電荷は放電される。このため、時刻t3〜t4の間に、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間電圧は増加し、半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間の電圧は減少する。制御部15は、式(3)により求められたデッドタイム(td)を確保しているため、図6に示すように、時刻t4において、半導体スイッチング素子5のドレイン‐ソース間電圧Vds5はVcまで増加し、半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間の電圧は0Vまで低下する。
次に、時刻t4〜t5において、図7(e)に示すように、半導体スイッチング素子6をターンオンすると、半導体スイッチング素子6のドレイン‐ソース間の電圧は直前まで0Vであり、ZVSが成立する。また、半導体スイッチング素子5の電圧も直前まで平滑コンデンサ4の電圧Vcであったので、図4(e)で説明した寄生容量5Cを充電するための電流も
流れない。
このように、本実施の形態1では、共振コンバータ回路14は、制御部15は式(2)、式(3)により、トランス9の励磁電流、半導体スイッチング素子5、6の寄生容量C、平滑コンデンサ4電圧Vcから導出した所定のデッドタイムtdを確保し、半導体スイッチング素子5、6のオン時間を共振コンデンサ7、共振リアクトル8の直列共振周波数の半周期とし(式(1)参照)、半導体スイッチング素子のオン時間(直列共振周波数の半周期)とデッドタイム(td)を用いて式(4)から求まるスイッチング周波数とすることで、スイッチング損失をほぼ0とするだけでなくサージの発生も抑制できる。
また、本実施の形態1では、共振コンバータ回路14の前段に昇圧コンバータ回路13を接続することで前段の昇圧コンバータ回路13をスイッチング制御することで、後段の共振コンバータ回路14への入力電圧変動を制御できるため、入力電圧の範囲を大きく設定しても、高効率な電圧変換が可能となり、入力電圧範囲が広いアプリケーションにも対応することができる。
上記実施の形態1で説明した共振コンバータ回路14の共振コンデンサ7の挿入位置を半導体スイッチング素子5のソース端子と半導体スイッチング素子6のドレイン端子との接続点と、共振リアクトル8との間に配置されているが、これに限るものではなく、例えば図8のように、半導体スイッチング素子6のソース端子とトランス9との間に配置してもよく、また図9のように、コンデンサ容量を分割(=Cr/2)して共振コンデンサ7a、7bとして2箇所に配置しても同等の効果が得られる。
本実施の形態1では共振リアクトルは外付け部品としたが、これに限るものではなく、例えば、トランスのリーケージインダクタンスであってもよい。トランスのリーケージインダクタンスを用いることで部品点数減による小型化、低コスト化が図れる。
本実施の形態1では、トランス9の二次巻線の中間タップが出力電圧Voの負側に接続、トランス二次側巻線の両端にはそれぞれダイオード10、11のアノード端子が接続されていたが、これに限るものではなく。例えば、中間タップが出力電圧Voの正側に接続され、トランス二次側巻線の両端にはそれぞれダイオード10、11のカソード端子が接続され、ダイオード10、11のアノード端子が出力電圧Voの負側に接続されている構成でもよい。
本実施の形態1では、トランス2次側の整流回路をダイオード整流回路としたが、これに限るものではなく、例えば同期整流回路でもよい。
実施の形態2.
本実施の形態1で説明した回路構成および制御方法により、入力電圧範囲が広範囲においても安定した電圧を高効率で出力できる。しかし、温度変化により、共振コンデンサ7の容量や、共振リアクトル8のインダクタンスの変化により、直列共振周波数fsrは変化する。このため、図6で説明した動作波形は図10のように変化する。図10の実線は温度変化により、共振コンデンサ7の容量または共振リアクトル8のインダクタンス値が増加した場合の動作波形である(破線は温度変化を考慮しない場合の動作波形であって、図6の動作波形に相当する)。
図10より、制御部15は半導体スイッチング素子5、6のオン時間を実施の形態1と同じように設定すると、温度変化により、直列共振周波数fsrが減少すると、共振電流ILrが0Aに達する前に、ターンオフされてしまう。これにより、ターンオフ時ではスイッチング損失が発生してしまうだけでなく、サージが増大してしまう。
これを解決するために、本実施の形態2における直流変換装置はその内部に装置内部の温度を検出する温度センサ(図示なし)を備えており、制御部15は、温度変化に伴う共振リアクトル8のインダクタンスの温度特性と、共振コンデンサ7の容量の温度特性をそれぞれ関数として記憶させておき、温度センサの検出値であるモニタ値(Tmon)によって、直列共振周波数の変化を随時計算する。計算式は以下の式(15)の通りである。
上式(5)により、温度センサのモニタ値ごとに、半導体スイッチング素子5、6のオン時間が変わるため、式(2)〜式(4)により、半導体スイッチング素子5、6のオンデューティ比、スイッチング周波数も変更される。図11に本実施の形態2における動作波形を示す。図11の点線は図10の動作波形である。なお、t30, t40, t50, t60は、t3, t4, t5, t6に対応している。図11より、その時の周囲温度における直列共振周波数の半周期≒スイッチのオン時間となるよう設定することで、ターンオフ時にハードスイッチングとなることを抑制できる。結果的に、温度変化が影響しない図(6)と同様の動作特性となる。
実施の形態3.
本実施の形態3について説明する。実施の形態3に係る直流変換装置の概略構成は上記実施の形態1、2と同じである。上記、実施の形態1、2で説明した直流変換装置の共振コンバータ回路14は、半導体スイッチング素子5、6のスイッチオン時間(ton)を共振コンデンサ7と共振リアクトル8から成る直列共振周波数の半周期とすることで、負荷電流が0Aでターンオフすることが可能となり、トランス9の励磁電流時で半導体スイッチング素子5、6の寄生容量5C、6Cの充放電が完了する時間デッドタイム(td)を確保し、直列共振周波数の半周期にデッドタイムを加えたものがスイッチング周波数の半周期(式4参照)となるよう制御部15が制御することで、ZVS、ZCSが可能となり高効率な電力変換を可能とした。しかし、半導体スイッチング素子5,6、例えばMOSFETの寄生容量が大きく、また、デバイスの関係上、トランスの励磁インダクタンスも大きくなってしまう場合、確保するデッドタイムが大きくなってしまい、電力伝送期間の割合(以下「実効デューティ」と称する)が小さくなってしまう。 実効デューティが小さくなると、共振電流波形のピーク値が増加するため素子の定格を超えてしまう恐れが生じる。このことについて説明する
図12は、実施の形態1において、同じ、共振コンデンサ7、共振リアクトル8にて、励磁インダクタンスを変化させた場合における出力段の平滑コンデンサ12入にる直前の整流用のダイオード10、11に流れる電流iD10、iD11の合成波形である。図12(a)はトランス9の励磁インダクタンスが小の場合、図12(b)はトランス9の励磁インダクタンスが大の場合を表してている。
図12より、直列共振周波数(fsr)はどちらも同じなため、半導体スイッチング素子のオン時間は等しい(式(1)参照)、一方、トランス9の励磁インダクタンスが異なるため、インダクタンス値が増加すると、確保するデッドタイムも増加する(式(2)、式(3)参照)。このため、制御部15は、半導体スイッチング素子5、6のスイッチング周波数は低下する(式(4)参照)。
電力伝送期間≒共振周波数(fsr)の周期とおくと、スイッチング周期における実効デューティは、図12の動作波形により、共振周波数(fsr)とスイッチング周波数(fsw)で次式(6)のように表せる。
しかし、実効デューティによらず出力される負荷電流は一定のため、共振電流をi(t)とおくと以下の式(7)が成り立つ。
これは、共振電流の平均値は負荷電流であること示す。式(4)より、共振電流i(t)を式(5)のようにおくと、次式(8)となる。
これにより、次式(9)のように展開することができる。
式(6)、式(7)、式(10))より、次式(11)となる。
式(11)より、実行デューティ(D)が小さいほど共振電流のピーク値(Ip)が大きくなることがわかる。以上から、トランス9の励磁インダクタンスや半導体スイッチング素子の寄生容量が大きすぎると、確保するデッドタイムが長くなり、スイッチング周波数における実効デューティ(D)が低下、共振電流のピーク値が増加し結果、半導体スイッチング素子、2次側整流素子の定格を超える恐れがある。また、ピーク電流値が大きくなるほど電流の実効値も大きくなり、導通損失も増加する。これにより、効率も低下する。
そこで、本実施の形態3の直流変換装置では、上記の課題にのみ着目し、トランス9の励磁インダクタンスが大きく、または、半導体スイッチング素子5,6の寄生容量が大きく、確保するデッドタイムがあらかじめ定められた値を超える場合、制御部15は共振コンバータ回路14のトランス9に流れている共振電流があらかじめ定められた値に達した(±Ith)ところ(0Aに達する前の値)で、ターンオフするように制御する。これにより、残った負荷電流で半導体スイッチング素子5,6の寄生容量(5C、6C)に充電されている電荷の放電(または充電)を行う。これにより、ターンオン時にZVS成立させることでスイッチング損失を抑制する。
これは、上記で説明した、直列共振周波数に対してスイッチング周波数を増加させることでZVSを成立させる方法と異なり、スイッチング周波数を増加させる必要がないため、ターンオフ時のスイッチング損失が増加することもない。
また、一般的に、寄生容量に電荷が残っている状態でターンオンすると、図3、図4で説明した共振電流ILrに突入電流が流れるため、ターンオン損失の方が、ターンオフ損失より大きい。このため、負荷電流をある程度残して、ターンオフさせることで、ターンオフのスイッチング損失は少し発生してしまうが、ターンオン時の損失を抑えることができ、結果、コンバータ全体の効率改善に効果がある。ここで、半導体スイッチング素子5,6の寄生容量をC、共振リアクトル8のインダクタンスをLr、共振リアクトル8に流れる(トランス9の一次側電流)をILrとおくと、ターンオフ直前に共振リアクトル8に蓄えられているエネルギーが寄生容量Cを充放電に必要なエネルギーより大きければよいので、ZVSに必要な共振リアクトル電流をIthとおくと、共振電流I Lr は以下の式(12)により導出される。
これにより、式(12)で導出された電流値以上でターンオフすれば、寄生容量の充放電が可能となる。
ここで、出力段の負荷電流が大きい場合、共振電流の振幅も増加する。半導体スイッチング素子のオン時間が同じであれば、負荷電流が大きいと、ターンオフ時の電流値も大きいことになってしまい、ターンオフ時のサージによる回路素子の破壊を招く恐れがある。そこで、実施の形態3に係る直流変換装置は、負荷電流によって、デッドタイムを調整(≒ターンオンする時間を調整)し、負荷電流が変化してもターンオフ時の共振リアクトル8に流れる電流をほぼ一定とすることで上記の問題を解決する。本実施の形態3における負荷電流によりデッドタイムを変更した場合の各素子の電圧・電流波形を図13に示す。なお、t20, t40は、t, t4に対応している。
ここで、スイッチング素子のオン時間を負荷電流によって、調整する方法について説明する。式(11)より、負荷電流から、トランス2次側の共振電流のピーク値(ここでは、Ip2とおく)を求めることができる。また、負荷電流によらず、直列共振周波数は変わらないので、トランス1次側の共振電流のピーク値をIp1, トランス二次側の共振電流のピーク値をIp2とし、トランス9の巻き数比をN(トランスの一次巻線:トランスの二次巻線=N:1:1)とおくと、次式(13)となる。
これにより、制御部15は、まず出力電流検出回路24により、負荷電流の値(Iout)をセンシングし、トランス1次側の共振電流のピーク値を計算する。次に、共振コンデンサ7、共振リアクトル8の容量値、インダクタンス値より共振周波数(ωsr=2π×fsr)が求まるので、式(13)より、ターンオフする時間(≒オン時間)tを求める。図13より、負荷電流が大きいとき、デッドタイムを短くし、ターンオフ時の共振電流値(ILr=Ith)がほぼ一致するように制御する。便宜上、負荷電流が小さい時を破線、負荷電流が大きい時を実線で示している。
上記各実施の形態では、半導体スイッチング素子の寄生容量の電荷を充放電するデッドタイムを挟んで半導体スイッチング素子を交互にオンオフ制御させるものについて説明したが、半導体スイッチング素子によっては、寄生容量は電圧によって変化するため不安定であり、半導体スイッチング素子に外付にコンデンサを電気的に並列接続されるよう追加して構成することで容量を安定させることがある。このように構成されたものにおいては、電気容量であるこの外付けコンデンサの電荷の充放電も考慮して、上記デットタイムを確保することが望ましい。即ち、半導体スイッチング素子5及び半導体スイッチング素子6は、半導体スイッチング素子5及び半導体スイッチング素子6に電気的に並列な電気容量(寄生容量、外付けコンデンサ等)の電荷を充放電するデッドタイムを挟んで交互にオンオフされる。
上記各実施の形態では、共振コンバータ回路は半導体スイッチング素子を2つ用いたハーフブリッジ構成としたが、これに限るものではなく例えばフルブリッジ構成でもよい。
上記各実施の形態では、基本的には、デッドタイムを確保するため、スイッチング周波数より直列共振周波数の方が高くなるよう設計する。即ち、制御部は固定スイッチング周波数を共振用コンデンサと共振用リアクトルとで決まる直列共振周波数より低く制御する。
上記各実施の形態において,直流変換装置に使用する半導体スイッチング素子は、シリコン(Si)半導体から成る半導体スイッチング素子が用いられるが、これに限るものではなく、例えば、半導体スイッチング素子は,Si半導体よりもバンドギャップが広い非Si半導体材料から成るものでもよい。非Si半導体材料であるワイドバンドギャップ半導体としては、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドがある。
ワイドバンドギャップ半導体から成る半導体スイッチング素子は,Si半導体ではユニポーラ動作が困難な高電圧領域で使用可能であり、スイッチング時に発生するスイッチング損失を大きく低減でき,電力損失の大きな低減が可能になる。また、電力損失が小さく,耐熱性も高いため、冷却部を備えてパワーモジュールを構成した場合、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化が可能であるので、半導体モジュールの一層の小型化が可能になる。また、ワイドバンドギャップ半導体から成る半導体スイッチング素子は,高周波スイッチング動作に適しており,高周波化の要求が大きいコンバータ回路に適用すると,スイッチング周波数の高周波化によって、コンバータ回路に接続されるリアクトルやコンデンサなどを小型化することもできる。よって、上記各実施の形態における半導体スイッチング素子は、炭化珪素などワイドギャップ半導体から成る半導体スイッチング素子となる場合にも、同様な効果が得られる。
また、ワイドギャップ半導体のなかでも窒化ガリウム系を材料としたトランジスタ、例えばGANHEMTの場合、ドレイン‐ソース間の寄生容量(一般的にCossと呼ばれている)はSi半導体のに比べ十分小さく、これを使用することで確保するデッドタイムを短縮でき(式(3)、(4)参照)、引いては実効デューティの改善、高周波化に繋がる。
この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することができる。
1 昇圧リアクトル、3 半導体スイッチング素子(第3のスイッチング素子)、4 平滑コンデンサ、5 半導体スイッチング素子(第1のスイッチング素子)、6 半導体スイッチング素子(第2のスイッチング素子)、7 共振コンデンサ、8 共振リアクトル、9 トランス、13 昇圧コンバータ回路、14 共振コンバータ回路、15 制御部、22 平滑コンデンサ電圧検出回路、23 出力電圧検出回路、24 出力電流検出回路。

Claims (10)

  1. LLC電流共振コンバータを構成し、一次巻線及び二次巻線を備えるトランスと、共振用コンデンサと、共振用リアクトルと、前記一次巻線に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子と、前記一次巻線との磁界結合により、前記二次巻線に誘起される電圧を整流して負荷へ出力する整流回路とを有した絶縁型共振コンバータと、
    前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子のオン時間を前記共振用コンデンサと前記共振用リアクトルとで決まる直列共振周波数の半周期に設定するとともに、固定オンデューティ比、かつ、固定スイッチング周波数で、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子を、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子に電気的に並列な電気容量の電荷を充放電する分のデッドタイムを挟んで交互にオンオフ制御させ、前記絶縁型共振コンバータを制御する制御部を備えたことを特徴とする直流変換装置。
  2. LLC電流共振コンバータを構成し、一次巻線及び二次巻線を備えるトランスと、共振用コンデンサと、共振用リアクトルと、前記一次巻線に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子と、前記一次巻線との磁界結合により、前記二次巻線に誘起される電圧を整流して負荷へ出力する整流回路とを有した絶縁型共振コンバータと、
    前記負荷へ出力される電流を検出する出力電流検出回路と、
    前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子のオン時間を前記共振用コンデンサと前記共振用リアクトルとで決まる直列共振周波数の半周期に設定するとともに、固定スイッチング周波数で、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子を、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子に電気的に並列な電気容量の電荷を充放電する分のデッドタイムを挟んで交互にオンオフ制御させ、かつ、前記出力電流検出回路で検出された電流値によって、前記デッドタイムを変更して、前記絶縁型共振コンバータを制御する制御部を備えたことを特徴とする直流変換装置。
  3. 前記制御部は、前記絶縁型共振コンバータの入力電圧と前記トランスの励磁電流と、前記共振用コンデンサと前記共振用リアクトルとで決まる直列共振周波数と、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の寄生容量により前記デッドタイムを設定することを特徴とする請求項1に記載の直流変換装置。
  4. 装置内部の温度を検出する温度センサを備え、前記制御部は、前記温度センサの検出値によって、前記固定オンデューティ比、前記固定スイッチング周波数を変更することを特徴とする請求項1に記載の直流変換装置。
  5. 前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子に電気的に並列な電気容量は、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の寄生容量であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直流変換装置。
  6. 前記絶縁型共振コンバータの前段に非絶縁型のDC/DCコンバータを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直流変換装置。
  7. 前記共振用リアクトルは、前記トランスの一次巻線と二次巻線間のリーケージインダクタンスからなることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の直流変換装置。
  8. 前記制御部は前記固定スイッチング周波数を前記共振用コンデンサと前記共振用リアクトルとで決まる直列共振周波数より低くすることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の直流変換装置。
  9. 前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体にて形成される素子であることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の直流変換装置。
  10. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料または、ダイヤモンドを用いた半導体であることを特徴とする請求項9に記載の直流変換装置。
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