JP5893089B2 - 直流変換装置の制御方法 - Google Patents

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この発明は、2段構成のコンバータを有する直流変換装置の制御方法に関する。
近年、環境に優しい自動車として、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)/PHEV(Plug−in Hybrid Electric Vehicle)等のハイブリッド自動車が開発されている。
このような自動車は、従来の自動車にも搭載されていた、制御回路を動作させる補機用電池に加えて、充電された電力により走行用の電動モータを駆動させる駆動用電池を搭載している。また、このような自動車では、パワーエレクトロニクス技術の進歩を背景に、燃費を向上させるために、電動パワートレインコンポーネントの低損失化、高効率化が望まれている。
ここで、走行用の電動モータに電力を供給する駆動用電池から、補機用電池の充電を行うために必要な直流変換装置として、降圧用のコンバータ(以下、「降圧コンバータ」と称する)がある。このような降圧コンバータとして、一般的にフルブリッジのコンバータ回路が使用され、位相シフト制御により、高効率な降圧コンバータを実現している。
しかしながら、フルブリッジのコンバータ回路では、軽負荷動作時にトランス1次側のスイッチ素子におけるゼロボルトスイッチング(ZVS:Zero Voltage switching)の成立が困難になるので、軽負荷動作時の効率が低下するという問題があった。
なお、フルブリッジのコンバータ回路において、軽負荷動作時にZVSを成立させるためには、共振リアクトルのインダクタンス値を増加させる必要があるが、その結果、共振リアクトルのサイズやコストが増加する。また、降圧コンバータは、高電圧を低電圧に電力変換するために、トランスの1次巻線が2次巻線よりも多い。そのため、トランス1次側に流れる電流が小さく、共振リアクトルを用いても、全範囲でのZVSを成立させることは、極めて困難である。
一方、軽負荷動作時においてもZVSが成立するコンバータ回路として、一般的にLLC(two inductors(LL) and a capacitor(C))共振コンバータが知られている。このコンバータ回路は、ブリッジ回路の上下に対向するスイッチング素子のオンとオフとを交互に切り替えて、正弦波状の共振電流を生成させることで電力伝送を行う。
LLC共振コンバータの特徴は、軽負荷動作時においてもZVSが成立することで、フルブリッジのコンバータ回路に比べて軽負荷動作時における効率が高いことはもちろん、電力伝送経路にコンデンサが直列接続されているので、トランスの偏磁が発生せず、偏磁対策用の回路を別途設ける必要がないことである。また、トランス2次側の整流回路後段に平滑用リアクトルを設ける必要がないので安価である。
なお、トランス2次側に平滑用リアクトルを設ける必要がないのは、フルブリッジのコンバータ回路が、スイッチング周波数を固定した上で、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、デューティを増減させることで、平滑用リアクトルにかかる電圧を制御し、電流を調整しているのに対して、LLC共振コンバータは、デューティをほぼ50%とした上で、周波数制御により、スイッチング周波数を増減させることで、共振コンデンサ、共振用インダクタンスのインピーダンスを調整し、トランス1次側に印加する電圧を制御するためである。
また、LLC共振コンバータでは、共振リアクトルと共振コンデンサとで構成される直列共振回路の直列共振周波数と、スイッチング周波数とが近い場合に、整流回路に流れる共振電流が0A付近でオフされることになるので、サージ電圧が抑制されるという特徴を有する。
しかしながら、LLC共振コンバータは、出力側の負荷によってゲイン特性が変化し、一般的に、軽負荷動作時にはゲインが低下しづらく、また、重負荷動作時にはゲインが1以上にならないという問題があった。そのため、LLC共振コンバータは、入力電圧範囲が広く、かつ負荷電流範囲の広い対象については適していない。
さらに、LLC共振コンバータは、重負荷動作時には、ゲインを増加させることが困難なので、トランスの巻数比を大きくとることができない。そのため、重負荷動作時には、トランス1次側に流れる電流が大きく、スイッチング素子や共振リアクトル、共振コンデンサ、トランスのサイズが大型化し、大電力を出力する場合には、フルブリッジのコンバータ回路よりも大型化することがある。
ここで、一般的に、駆動用電池は電圧範囲が広く、また、アクセサリの状況、すなわちユーザの使用状況によって、降圧コンバータから補機用電池に流す充電電流が変わるので、降圧コンバータは、入力電圧範囲が広く、かつ負荷電流範囲が広い。そのため、全範囲において高効率で充電することは、上述した2つのコンバータでは、実現が困難であるという問題があった。
そこで、上記の問題を解決するために、共振コンバータ回路の前段に昇圧コンバータを設けてコンバータを2段構成とし、前段のコンバータをスイッチング制御することで、後段のコンバータへの入力電圧の変動を制御し、入力電圧範囲を広く設定しても、定常時における高効率な電圧変換を可能としたスイッチング電源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−258860号公報
Feng Lin,外1名,"Reduction of Power Supply EMI Emission by Switching Frequency Modulation",IEEE TRANSACTIONS ON POWER ELECTRONICS,VOL.9,NO.I,JANUARY 1994
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
すなわち、特許文献1のスイッチング電源装置では、定常動作時の動作方法についてのみが記載されており、実際に温度変化や経年劣化により直列共振周波数が変化した場合におけるサージの発生や損失の増加、急激な負荷変動が発生したときの対応、保護動作については考慮されていないので、回路素子の破壊を招く恐れがあるという問題がある。
また、一般的に、一定のスイッチング周波数でスイッチング制御を行う場合には、一定の周波数に起因した高いスイッチングノイズが発生することがあり、そのときには、ノイズ発生源として、他の電子機器に対し、誤動作や機能停止等といった弊害を招く恐れがある。また、特許文献1は、コンバータが2段構成なので、1段構成のコンバータと比べ、スイッチングに起因するノイズが増加し、フィルタ回路の大型化を招くという問題もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コンバータを2段構成とした直流変換装置を実際に適用した際に生ずる問題に対して、特別な回路を用いることなく、各コンバータの半導体スイッチング素子を制御することで、安定した出力の供給、EMCノイズの低減、保護動作を行うことができる直流変換装置の制御方法を得ることを目的とする。
この発明に係る直流変換装置の制御方法は、入力電圧を昇圧して直流電圧を出力する昇圧コンバータと、昇圧コンバータから出力された直流電圧を降圧して直流電圧を出力する絶縁型共振コンバータと、昇圧コンバータは、昇圧リアクトル、ダイオードおよびコンデンサと、昇圧リアクトルへの通電を制御する第1スイッチング素子と、を有し、絶縁型共振コンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、共振コンデンサおよび共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置の制御方法であって、第2スイッチング素子および第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する制御ステップを有し、制御ステップは、絶縁型共振コンバータの出力電流があらかじめ定められた値を超えた場合に、昇圧コンバータから出力される直流電圧を低下させるステップを含むものである。
この発明に係る直流変換装置の制御方法によれば、絶縁型共振コンバータが、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、共振コンデンサおよび共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置において、制御ステップは、第2スイッチング素子および第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する。
そのため、コンバータを2段構成とした直流変換装置を実際に適用した際に生ずる問題に対して、特別な回路を用いることなく、各コンバータの半導体スイッチング素子を制御することで、安定した出力の供給、EMCノイズの低減、保護動作を行うことができる。
この発明の実施の形態1に係る直流変換装置を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、制御部が昇圧コンバータ回路の半導体スイッチング素子をオンオフさせたときの電流経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路のスイッチング周波数とゲインとの関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。 (a)〜(d)は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の半導体スイッチング素子がオンオフしているときの電流経路を、図4の各時刻と対応して示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の半導体スイッチング素子のスイッチング周波数を直列共振回路の直列共振周波数よりも十分に低くした場合の各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の半導体スイッチング素子のスイッチング周波数を直列共振回路の直列共振周波数よりも十分に高くした場合の各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の変形例を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の変形例を示す概略構成図である。 (a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、制御部が昇圧コンバータ回路および共振コンバータ回路の半導体スイッチング素子をオンオフさせたときの電流経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係る直流変換装置を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態3に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係る直流変換装置の変形例を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態4に係る直流変換装置を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態4に係る直流変換装置において、経年変化による劣化や温度変化により、直列共振周波数が変化した場合の各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態4に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態6に係る直流変換装置におけるノイズスペクトルの拡散方法を示す説明図である。 (a)〜(c)は、この発明の実施の形態6に係る直流変換装置において、スペクトル拡散指数の変化によるスペクトル拡散効果を示す説明図である。 この発明の実施の形態6に係る直流変換装置におけるノイズスペクトルの拡散方法の別の例を示す説明図である。 (a)、(b)は、この発明の実施の形態6に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路のスイッチング周波数の変動(ゲインの変動)に伴い、昇圧コンバータ回路の出力電圧を制御することを示す説明図である。
以下、この発明に係る直流変換装置の制御方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置を示す概略構成図である。図1において、この直流変換装置は、絶縁型のLLC共振コンバータである共振コンバータ回路14の前段に昇圧コンバータ回路13を設けた2段構成のコンバータである。昇圧コンバータ回路13および共振コンバータ回路14の動作は、制御部12によって制御される。
この直流変換装置は、入力電圧Vを昇圧コンバータ回路13によって任意の直流電圧に昇圧し、共振コンバータ回路14から出力電圧Vを出力する。ここで、この直流変換装置が電気自動車やハイブリッド自動車に適用された場合には、入力側に駆動用電池が接続され、出力側に補機用電池が接続される。
昇圧コンバータ回路13は、昇圧リアクトル1、ダイオード2、第1スイッチング素子である半導体スイッチング素子3および平滑コンデンサ4から構成されている。昇圧コンバータ回路13において、ダイオード2のアノード端子は昇圧リアクトル1に接続され、ダイオード2のカソード端子は、昇圧コンバータ回路13の出力部である平滑コンデンサ4に接続されている。
また、昇圧コンバータ回路13において、半導体スイッチング素子3は、ドレイン端子が昇圧リアクトル1とダイオード2との接続点に接続され、ソース端子が入力電圧Vの負側と平滑コンデンサ4の負極側との接続点に接続されている。ここで、制御部12は、半導体スイッチング素子3をオンオフ制御し、平滑コンデンサ4の電圧を任意の値に調整する。
共振コンバータ回路14は、昇圧コンバータ回路13の後段に接続されている。また、共振コンバータ回路14は、それぞれ第2スイッチング素子および第3スイッチング素子である半導体スイッチング素子5、6、共振コンデンサ7、並びに共振リアクトル8を、1次巻線および2次巻線を有するトランス9の1次側に備え、整流回路であるダイオード10、11をトランス9の2次側に備えている。
共振コンバータ回路14において、半導体スイッチング素子5のドレイン端子は平滑コンデンサ4の正極側に接続され、半導体スイッチング素子6のソース端子は平滑コンデンサ4の負極側に接続されている。また、半導体スイッチング素子5のソース端子と半導体スイッチング素子6のドレイン端子とは、互いに接続されている。
また、共振コンバータ回路14において、共振コンデンサ7、共振リアクトル8およびトランス9は、半導体スイッチング素子5のソース端子と半導体スイッチング素子6のドレイン端子との接続点と、半導体スイッチング素子6のソース端子との間に直列に接続されている。
なお、図1の直流変換装置では、半導体スイッチング素子5のソース端子と半導体スイッチング素子6のドレイン端子との接続点から順に共振コンデンサ7、共振リアクトル8、トランス9の順に接続されているが、これに限定されず、共振コンデンサ7は、トランス9と半導体スイッチング素子6のソース端子との間に接続されてもよい。
また、共振コンバータ回路14において、トランス9の2次巻線は中間タップを有し、中間タップが出力電圧Vの負側に接続されている。また、トランス9の2次巻線の両端には、それぞれダイオード10、11のアノード端子が接続されている。また、ダイオード10のカソード端子とダイオード11のカソード端子とは、互いに接続されており、この接続点が出力電圧Vの正側に接続されている。
また、入力電圧Vの電圧値を検出するために、入力電圧Vと並列に入力電圧検出回路21が接続され、昇圧コンバータ回路13の出力電圧値を検出するために、平滑コンデンサ4と並列に平滑コンデンサ電圧検出回路22が接続され、出力電圧Vの電圧値を検出するために、出力電圧Vと並列に出力電圧検出回路23が接続されている。また、共振コンバータ回路14の出力部の電流を検出するために、出力電流検出回路24が設けられている。
ここで、制御部12は、制御線30a、30b、30cにより、半導体スイッチング素子3、5、6をそれぞれオンオフ制御するとともに、信号線31a、31b、31c、31dにより、それぞれ入力電圧検出回路21、平滑コンデンサ電圧検出回路22、出力電圧検出回路23、出力電流検出回路24からの電圧、電流検出値をそれぞれ取得する。
以下、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の昇圧コンバータ回路13の動作原理について説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、制御部12が昇圧コンバータ回路13の半導体スイッチング素子3をオンオフさせたときの電流経路を示す説明図である。
図2において、制御部12は、昇圧コンバータ回路13の半導体スイッチング素子3をオンオフさせることにより、昇圧コンバータ回路13の出力電圧を制御し、共振コンバータ回路14の出力電圧Vが目標値に近づくように調整する。
次に、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の共振コンバータ回路14の動作原理について説明する。制御部12は、共振コンバータ回路14の半導体スイッチング素子5、6をそれぞれオンオフ制御する。
具体的には、半導体スイッチング素子5、6は、デッドタイムを挟んでほぼ50%のデューティ比で、かつ共振コンデンサ7と共振リアクトル8とで構成される直列共振回路の直列共振周波数fsrの半周期にデッドタイムを加えた時間を半周期とするスイッチング周波数fswで交互にオンされる。
ここで、周波数とゲインとの関係について説明する。LLC共振コンバータである共振コンバータ回路14は、スイッチング周波数を制御し、直列共振回路のインピーダンスを調整することで、トランス9に印加される電圧を決定する。ここで、ゲインとは、LLC共振コンバータである共振コンバータ回路14の入出力電圧比のことである。
また、トランス9の励磁インダクタンスLmと共振リアクトル8のインダクタンスLrとによって決まるインダクタンス比Ln(=Lm/Lr)によって、同じ負荷状態におけるゲインの値が変わる。図3は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路14のスイッチング周波数とゲインとの関係を示す説明図である。図3において、Ln比が大きくなるほどゲインが変化しにくいことが分かる。
通常、LLC共振コンバータは、スイッチング周波数を制御してゲインを調整するので、例えば、共振コンデンサ7の選定においては、周波数毎に変化するtanδが高周波で悪化することに伴う発熱を考慮して、大型化するという問題があった。これに対して、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置の制御部12は、LLC共振コンバータのスイッチング周波数を固定とし、昇圧コンバータ回路13の出力を制御して出力電圧Vを調整することで、共振コンデンサ7のリプル電流耐量を一意に決めることができ、この問題を解決することができる。
また、スイッチング周波数が固定されていることから、負荷状況によっては出力電圧Vが変化するが、制御部12が昇圧コンバータ回路13の出力電圧を調整することにより、出力電圧Vが目標値に近づくように制御する。すなわち、制御部12は、信号線31cを介して取得した出力電圧検出回路23の電圧値が目標値に近づくように、昇圧コンバータ回路13の電圧を調整する。
以下、昇圧コンバータ回路13の出力電圧の制御方法について説明する。まず、昇圧コンバータ回路13の出力部の平滑コンデンサ4の電圧をV、トランス9の巻数比をN:1:1とすると、次式(1)が成り立つ。
Figure 0005893089
式(1)において、出力電圧Vの目標値をV とすると、昇圧コンバータ回路13の出力部の平滑コンデンサ4の電圧の制御目標値V は、次式(2)のようになる。
Figure 0005893089
以上から、昇圧コンバータ回路13の出力部の平滑コンデンサ4の電圧Vを、式(2)で求めた制御目標値V に近づくように制御する。ここで、平滑コンデンサ電圧検出回路22によって取得した電圧値をVc_monとすると、平滑コンデンサ4の電圧Vの制御目標値までの差分ΔVは、次式(3)で表される。
Figure 0005893089
また、平滑コンデンサ4の容量をCとすると、電圧ΔVを増加または低下させるために必要な平滑コンデンサ4の充電電流値ΔIは、オームの法則から次式(4)で表わされる。
Figure 0005893089
以上から、昇圧リアクトル1に必要な電流値ΔIは、電力の関係から、次式(5)で表される。
Figure 0005893089
ここで、インダクタンスの関係式である次式(6)より、昇圧リアクトル1にかかる電圧VLを求めることができる。この電圧VLは、誘導起電力に相当する。なお、式(6)において、VLは誘導起電力を示し、Iは電流を示し、Lはインダクタンスを示している。
Figure 0005893089
次に、図2に示した各電流経路における電圧の関係式は、次式(7)で表すことができる。式(7)において、dutyは、スイッチングのデューティ比(0〜1)を示している。
Figure 0005893089
また、昇圧コンバータ回路13は、半導体スイッチング素子3の前段にかかる電圧(=V−V)をVへ昇圧するよう動作するので、スイッチングのオフデューティをduty(OFF)(=1−duty)とすると、このときの昇圧比は、次式(8)により求められる。
Figure 0005893089
すなわち、式(3)からスイッチング素子3をスイッチング動作させる際のオフデューティduty(OFF)を決定することにより、次式(9)で表されるように、オンデューティdutyを演算することができる。このオンデューティdutyで操作することで、昇圧リアクトル電流を制御する。
Figure 0005893089
以上から、制御部12は、出力電圧Vが目標値V に追従するように、半導体スイッチング素子3のデューティを制御し、平滑コンデンサ4の電圧とほぼ等しい昇圧コンバータ回路13の出力電圧を調整する。
上述した内容が、昇圧コンバータ回路13の出力電圧の制御方法である。実際には、共振コンバータ回路14の各回路素子の電圧降下や各電圧検出回路21〜23のセンサ誤差等により、昇圧コンバータ回路13の出力電圧を制御しても、共振コンバータ回路14の出力電圧Vが目標値V よりも低くなるか、または高くなる場合がある。
このときは、出力電圧Vの目標値をV 、出力電圧検出回路23によって取得した電圧値をVo_monとすると、次式(10)によって決まる出力電圧Vの目標値までの差分ΔVに対して、比例ゲインや積分ゲインを加えたものを、昇圧コンバータ回路13の制御目標値V に加えることで、最終的に共振コンバータ回路14の出力電圧Vが目標値V となるように制御する。これにより、共振コンバータ回路14の出力側の負荷状況によらず、安定した電圧Vを出力することができる。
Figure 0005893089
次に、共振コンバータ回路14の基本的な動作について、波形を用いて説明する。図4は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路14の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。
図4において、横軸は時間軸を示している。また、図4の縦軸は、半導体スイッチング素子5、6のゲート・ソース間に印加されるゲート電圧Vgs5、Vgs6、半導体スイッチング素子5、6のドレイン・ソース間に印加される電圧Vds5、Vds6、トランス9の1次側に印加される電圧Vtr1、共振コンデンサ7や共振リアクトル8に流れる電流(以下、「共振電流」と称する)ILr、トランス9の励磁インダクタンスLmに流れる励磁電流ILm、およびトランス2次側の整流用ダイオード10、11に流れる電流ID10、ID11の波形をそれぞれ示している。
また、図4において、時刻t、tは、半導体スイッチング素子5がターンオン、時刻t、tは、半導体スイッチング素子5がターンオフするタイミングを示している。また、時刻t、tは、半導体スイッチング素子6がターンオフ、時刻t、tは、半導体スイッチング素子6がターンオンするタイミングを示している。なお、半導体スイッチング素子5、6がそれぞれターンオフ、ターンオンする間には、デッドタイム(t)が設けられている。また、1次側に流れる電流は、共振コンデンサ7からトランス9に流れる方向を正としている。
図5(a)〜(d)は、この発明の実施の形態1に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路14の半導体スイッチング素子5、6がオンオフしているときの電流経路を、図4の各時刻と対応して示す説明図である。
図5(a)に示した時刻t〜tにおいて、半導体スイッチング素子6がターンオフした直後は、共振電流ILrは、トランス9(共振リアクトル8を含む)→共振コンデンサ7→半導体スイッチング素子5のボディダイオードの経路で流れる。
また、図5(b)に示した時刻t〜tにおいて、半導体スイッチング素子5のボディダイオードには、直前まで電流が流れているので、ドレイン・ソース間電圧Vdsはゼロである。そのため、半導体スイッチング素子5は、ZVSが成立する。なお、図中の実線は時刻t〜tのときの電流経路であり、点線は直前まで流れていた共振電流ILrの電流経路である。
また、図5(c)に示した時刻t〜tにおいて、半導体スイッチング素子5がターンオフした直後は、共振電流ILrは、共振コンデンサ7→トランス9(共振リアクトル8を含む)→半導体スイッチング素子6のボディダイオードの経路で流れる。
また、図5(d)で示した時刻t〜tにおいて、半導体スイッチング素子6のボディダイオードには、直前まで電流が流れているので、ドレイン・ソース間電圧Vdsはゼロである。そのため、半導体スイッチング素子6は、ZVSが成立する。なお、図中の実線は時刻t〜tのときの電流経路であり、点線は直前まで流れていた共振電流ILrの電流経路である。
また、図5には示していないが、共振電流ILrと励磁電流ILmとの差分電流がトランス9の2次側に流れ、ILr>ILmの場合にダイオード10に電流ID10が流れ、ILm>ILrの場合にダイオード11に電流ID11が流れる。
この実施の形態1では、スイッチング周波数fswと、共振コンデンサ7と共振リアクトル8とで構成される直列共振回路の直列共振周波数fsrにデッドタイムを加えた周波数とが等しくなるように制御している。一般的に、スイッチング周波数fswと直列共振周波数fsrとが等しくなるように制御することが推奨されているが、実際には、デッドタイム分だけ先に半導体スイッチング素子がターンオフするので、ターンオフ損失が発生する。
そこで、この実施の形態1では、次式(11)で表されるように、スイッチング周波数の半周期と、直列共振周波数の半周期にデッドタイムを加えた時間とが等しくなるように、スイッチング周波数を決定する。これは、後述するが、2次側整流回路が同期整流の場合に最も効果を発揮する。
Figure 0005893089
以下、対比のために、半導体スイッチング素子5、6のスイッチング周波数fswを直列共振周波数fsrよりも十分に低くした場合の各電圧電流波形を図6に示し、半導体スイッチング素子5、6のスイッチング周波数fswを直列共振周波数fsrよりも十分に高くした場合の各電圧電流波形を図7に示す。
以上が、制御部12による昇圧コンバータ回路13および共振コンバータ回路14の制御方法である。この実施の形態1で説明した直流変換装置は、共振コンバータ回路14がほぼ一定のゲインで出力できるように、昇圧コンバータ回路13により、入力電圧Vをあらかじめ定められた電圧まで昇圧させる。そのため、一般的に、昇圧率が小さい場合ほど効率がよくなる。
また、高効率化のために、制御部12は、入力電圧Vと昇圧コンバータ回路13が出力する電圧とが近く、入力電圧Vがあらかじめ定められた電圧よりも高い場合には、半導体スイッチング素子3のスイッチングを停止、すなわち、昇圧コンバータ回路13の昇圧動作を停止して、共振コンバータ回路14のみを動作させる。これにより、余計なスイッチング損失を防ぐことができ、高効率化を実現することができる。
また、制御部12は、入力電圧Vがあらかじめ定められた電圧よりも高く、昇圧コンバータ回路13の出力電圧が制御目標値を超える場合には、昇圧コンバータ回路13は降圧できないので、半導体スイッチング素子3のスイッチングを停止、すなわち、昇圧コンバータ回路13の昇圧動作を停止する。
しかしながら、このままでは、共振コンバータ回路14の出力電圧Vも入力電圧Vに合わせて上昇するので、共振コンバータ回路14のゲインを下げる必要がある。そのため、制御部12は、半導体スイッチング素子5、6のオンオフ間に設けられているデッドタイムを増加させるように制御する。デッドタイムを増加させることにより、同じ周期において、トランス9による電力伝送の時間を短縮させることができ、出力電圧Vが低下する。
ここまで、この実施の形態1における直流変換装置の基本的な動作について説明した。次に、動作中の負荷変動時における制御方法について説明する。動作中の負荷電流が過電流閾値に達した場合、直流変換装置は、垂下特性等の保護動作(フェールセーフ)を行う必要がある。
この実施の形態1では、出力電流検出回路24で検出された共振コンバータ回路14の出力部の電流値があらかじめ定められた値を超えた場合に、昇圧コンバータ回路13の出力電圧を低下させる。これにより、共振コンバータ回路14の出力電圧も低下する。
また、この実施の形態1における直流変換装置の保護動作としては、上述した方法の他に、共振コンバータ回路14の出力電圧Vを低下させる手段として、出力電流検出回路24で検出された共振コンバータ回路14の出力部の電流値があらかじめ定められた値を超えた場合に、制御部12が共振コンバータ回路14のゲインを低下させてもよく、例えば、制御部12が半導体スイッチング素子5、6のスイッチング周波数を増加させることで出力電圧Vを低下させてもよい。
また、共振コンバータ回路14の出力電圧Vを低下させる手段として、制御部12が、半導体スイッチング素子5、6のオンオフ間に設けられているデッドタイムを増加させることで、共振コンバータ回路14の出力電圧Vを低下させてもよい。
以上のように、実施の形態1によれば、入力電圧を昇圧して直流電圧を出力する昇圧コンバータと、昇圧コンバータから出力された直流電圧を降圧して直流電圧を出力する絶縁型共振コンバータと、昇圧コンバータは、昇圧リアクトル、ダイオードおよびコンデンサと、昇圧リアクトルへの通電を制御する第1スイッチング素子と、を有し、絶縁型共振コンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、共振コンデンサおよび共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置の制御方法であって、第2スイッチング素子および第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する制御ステップを有するものである。
この発明に係る直流変換装置の制御方法によれば、絶縁型共振コンバータが、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、共振コンデンサおよび共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置において、制御ステップは、第2スイッチング素子および第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する。
そのため、コンバータを2段構成とした直流変換装置を実際に適用した際に生ずる問題に対して、特別な回路を用いることなく、各コンバータの半導体スイッチング素子を制御することで、安定した出力の供給、EMCノイズの低減、保護動作を行うことができる。
すなわち、LLC共振コンバータの特徴を活かすために、LLC共振コンバータの前段に昇圧コンバータを備えた回路構成とし、前段の昇圧コンバータをスイッチング制御することで、後段のコンバータへの入力電圧変動を制御できるので、入力電圧の範囲を大きく設定しても、LLC共振コンバータは、ゲイン一定で動作することができ、定常時での高効率な電圧変換を実現することができる。
また、実際に適用した際に発生する急激な負荷変動に対する保護動作や温度変化や経年変化によって素子の特性が変わった場合においても、安定した電圧を出力することができ、かつ、他の電子機器の誤動作や機能停止等といった弊害を招く恐れがあるスイッチングに起因するノイズにおいても、低減することができる。
なお、上記実施の形態1では、図1に示したように、トランス9の2次巻線の中間タップが出力電圧Vの負側に接続され、トランス9の2次巻線の両側には、それぞれダイオード10、11のアノード端子が接続されていた。しかしながら、これに限定されず、図8に示されるように、中間タップが出力電圧Vの正側に接続され、トランス9の2次巻線の両端に、それぞれダイオード10、11のカソード端子が接続されていてもよい。
また、上記実施の形態1では、共振コンバータ回路12の出力電流を取得するために、出力電流検出回路24をトランス9の2次側に接続させていた。しかしながら、これに限定されず、例えば、図9に示されるように、トランス9の1次側(共振コンバータ回路14の入力側)に出力電流検出回路24を配置して、出力電流を推定してもよい。この場合には、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができるだけでなく、電流センサに流れる電流が少ないので、小型のものを使用でき、半導体スイッチング素子5、6のショート故障についても検出することができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る直流変換装置は、上記実施の形態1で説明した直流変換装置と同じ回路構成を有している。この実施の形態2では、制御部12が半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6とのオンまたはオフタイミングを同期させることで、平滑コンデンサ4に流れる電流量を減らすことができる。
図10(a)、(b)は、この発明の実施の形態2に係る直流変換装置において、制御部が昇圧コンバータ回路および共振コンバータ回路の半導体スイッチング素子をオンオフさせたときの電流経路を示す説明図である。図10(a)、(b)では、半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6とのスイッチングタイミングが完全に同期している。
図10(a)に示したように、半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6とがオンしている場合には、昇圧コンバータ回路13において、入力電圧Vによる入力電流は、昇圧リアクトル1→半導体スイッチング素子3の経路で流れる。また、共振コンバータ回路14の共振電流は、半導体スイッチング素子6→トランス9(共振リアクトル8を含む)→共振コンデンサ7の経路で流れる。このとき、平滑コンデンサ4には、電流が流れない。
一方、図10(b)に示したように、半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6とがターンオフし、半導体スイッチング素子6と対となる半導体スイッチング素子5がオンしている場合には、入力電流は、昇圧リアクトル1→ダイオード2の経路で流れ、平滑コンデンサ4に向かう。また、共振電流は、平滑コンデンサ4から、半導体スイッチング素子5→共振コンデンサ7→トランス9(共振リアクトル8を含む)の経路で流れる。このとき、入力電流と共振電流とが等しければ、図10(b)に示されるように、平滑コンデンサ4には、電流が流れないか、または流れにくくなる。
これにより、平滑コンデンサ4のリプル電流を低減することができる。すなわち、制御部12が、半導体スイッチング素子3と半導体スイッチング素子6とのオンオフのタイミングを同期させて制御することで、平滑コンデンサ4のリプル電流を低減できる。そのため、直流変換装置の小型化および長寿命化を実現することができる。
実施の形態3.
図11は、この発明の実施の形態3に係る直流変換装置を示す概略構成図である。図11において、この直流変換装置は、昇圧コンバータ回路13と共振コンバータ回路14とを備え、昇圧コンバータ回路13は、上記実施の形態1と同じ回路構成である。一方、共振コンバータ回路14のトランス9の2次側整流回路は、半導体スイッチング素子10、11を用いた同期整流の回路構成を有している。
これにより、軽負荷動作時における直流変換装置の変換効率を高めることができる。これは、ダイオード整流回路では、ダイオードに流れる電流が小さくてもV分の損失が発生している(W=V×I)のに対して、同期整流回路では、MOSFETの損失が電流の2乗に比例するので(W=Ron×I )、導通損失を抑制することができるためである。
次に、この実施の形態3における共振コンバータ回路14の基本的な動作について、波形を用いて説明する。図12は、この発明の実施の形態3に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路14の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。
図12において、縦軸は、半導体スイッチング素子5、6のゲート・ソース間に印加されるゲート電圧Vgs5、Vgs6、半導体スイッチング素子5、6のドレイン・ソース間に印加される電圧Vds5、Vds6、トランス9の1次側に印加される電圧Vtr1、共振コンデンサ7や共振リアクトル8に流れる共振電流ILr、トランス9の励磁インダクタンスLmに流れる励磁電流ILm、半導体スイッチング素子10、11のゲート・ソース間に印加されるゲート電圧Vgs10、Vgs11、および半導体スイッチング素子10、11に流れる電流ID10、ID11の波形をそれぞれ示している。なお、1次側に流れる電流は、共振コンデンサ7からトランス9に流れる方向を正としている。
ここで、制御部12は、半導体スイッチング素子5と半導体スイッチング素子10とのオンオフ制御の同期をとっており、半導体スイッチング素子6と半導体スイッチング素子11とのオンオフ制御の同期をとっている。また、この実施の形態3では、上述したように、スイッチング周波数fswの半周期(Tsw/2)と、共振コンデンサ7と共振リアクトル8とで構成される直列共振回路の直列共振周波数fsrの半周期(Tsr/2)にデッドタイムを加えた時間とが等しくなるように制御している。
一般的に、スイッチング周波数fswと直列共振周波数fsrとが等しくなるように制御することが推奨されているが、実際には、デッドタイム分だけ先に半導体スイッチング素子がターンオフするので、ターンオフ損失が発生する。これは、効率が悪化する原因となる。
そこで、この実施の形態3の共振コンバータ回路14では、制御部12がデットタイムを考慮したスイッチング周波数とすることにより、2次側整流回路の半導体スイッチング素子10、11をほぼ0Aでターンオフすることができ、ターンオフ損失を低減できるだけでなく、ターンオフ時に発生するサージを抑制できるので、サージ抑制スナバ回路を削減することができる。
また、図12に示されるように、導体スイッチング素子10、11のボディダイオードには、直前まで電流が流れているので、ドレイン・ソース間電圧Vdsはゼロである。そのため、半導体スイッチング素子10、11は、ZVSが成立する。
次に、この実施の形態3における直流変換装置において、負荷電圧が増加した場合の制御部12の保護動作について説明する。この実施の形態3における直流変換装置では、共振コンバータ回路14が同期整流の回路構成を有している。そのため、出力電圧Vの電圧が増加した場合に、半導体スイッチング素子10、11のスイッチングよってトランス9の1次側に発生する電圧が昇圧コンバータ回路13の出力電圧より大きくなるので、出力側から入力側に電流が流れる逆流現象が発生する。
そこで、この逆流現象を防止するために、制御部12は、負荷電圧が増加した場合、すなわち、共振コンバータ回路14の出力電圧があらかじめ定められた値を超えた場合に、昇圧コンバータ回路13の出力電力が増加するように制御する。これにより、出力電圧V側から入力電圧V側に電流が逆流することを防止することができる。
なお、上記実施の形態3では、図11に示したように、トランス9の2次巻線の中間タップが出力電圧Vの負側に接続され、トランス9の2次巻線の両端には、それぞれ半導体スイッチング素子(MOSFET)のソース端子が接続されていた。しかしながら、これに限定されず、図13に示されるように、中間タップが出力電圧Vの正側に接続され、トランス9の2次巻線の両端に、それぞれ半導体スイッチング素子(MOSFET)のドレイン端子が接続されていてもよい。
実施の形態4.
図14は、この発明の実施の形態4に係る直流変換装置を示す概略構成図である。図14において、この直流変換装置は、図11に示した直流変換装置に加えて、トランス9の2次巻線に流れる電流値を取得する出力電流検出回路24を有している。
上記実施の形態1〜3に示した制御方法により、入力電圧範囲が広い場合であっても、安定した電圧を高効率で出力することができる。しかしながら、経年変化による劣化や温度変化により、共振コンデンサ7の容量や共振リアクトル8のインダクタンスが変化し、直列共振周波数fsrは変化する。
そのため、図12に示した動作波形は、図15のように変化する。図15は、この発明の実施の形態4に係る直流変換装置において、経年変化による劣化や温度変化により、直列共振周波数が変化した場合の各電圧電流波形を示す説明図であり、半導体スイッチング素子10、11のゲート・ソース間に印加されるゲート電圧Vgs10、Vgs11、および半導体スイッチング素子10、11に流れる電流ID10、ID11の波形を示している。
図15は、例えば共振コンデンサ7の容量の低下、共振リアクトル8のインダクタンスの低下、またはその両方により、直列共振周波数fsrが増加した場合を示している。図15のID10、ID11より、同期整流においては、直列共振周波数fsrが増加すると、共振電流が反転、すなわちドレインからソースに流れることが分かる。これにより、ターンオフ時では、スイッチング損失が発生するだけでなく、サージが増大する。
そこで、この実施の形態4では、制御部12が、半導体スイッチング素子10、11のオンオフタイミングを半導体スイッチング素子5、6のオンオフタイミングとそれぞれ同期させるだけでなく、出力電流検出回路24で検出された電流値が0Aをクロスした瞬間に、半導体スイッチング素子10または半導体スイッチング素子11をターンオフするように制御する。
これにより、半導体スイッチング素子10、11は、0Aでターンオフできるので、スイッチング損失が発生せず、サージも抑制することができる。図15に示した動作波形に対して、上述した制御を適用した場合の動作波形を図16に示す。図16は、この発明の実施の形態4に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路の動作時における各電圧電流波形を示す説明図である。
図16において、実線は、この実施の形態4において、制御部12が、出力電流検出回路24で検出された電流値が0Aをクロスしたタイミングで、半導体スイッチング素子10、11をターンオフした場合の動作波形を示している。一方、図16において、点線は、図15に示した動作波形である。
なお、上記実施の形態4では、出力電流検出回路24の電流値をモニタして、制御部12が半導体スイッチング素子10、11をターンオフすると説明した。しかしながら、これに限定されず、例えばコンパレータを用いて、出力電流検出回路24の電流値が正→負に変換された瞬間に、半導体スイッチング素子10、11をターンオフするようにハードウェアで制御してもよい。
また、上記実施の形態4では、半導体スイッチング素子10、11に流れる電流をモニタするために、出力電流検出回路24である電流センサをトランス9の2次側に配置した。しかしながら、これに限定されず、例えばトランス9の1次側に電流センサを配置し、トランス1次側に流れる共振電流から、トランス9の2次側電流を推定してもよい。
また、上記実施の形態4では、図14に示したように、トランス9の2次巻線の中間タップが出力電圧Vの負側に接続され、トランス9の2次巻線の両端には、それぞれ半導体スイッチング素子(MOSFET)のソース端子が接続されていた。しかしながら、これに限定されず、例えば、中間タップが出力電圧Vの正側に接続され、トランス9の2次巻線の両端に、それぞれ半導体スイッチング素子(MOSFET)のドレイン端子が接続されていてもよい。
また、上記実施の形態4では、トランス9の2次巻線の中間タップの位置に出力電流検出回路24を設けた。しかしながら、これに限定されず、半導体スイッチング素子10、11と直列に、それぞれ電流センサを設けてもよい。
また、上記実施の形態4では、トランス9が1個で構成されていた。しかしながら、これに限定されず、上述した実施の形態4のように、複数個のトランス9を用いてもよく、電力に応じて適切なサイズや冷却能力を実現することができる。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る直流変換装置は、上記実施の形態4で説明した直流変換装置と同じ回路構成を有している。この実施の形態5では、上記実施の形態4と同様に、経年変化による劣化や温度変化により、共振コンデンサ7の容量や共振リアクトル8のインダクタンスが変化し、直列共振周波数fsrが変化した場合に、半導体スイッチング素子10、11のターンオフ時に発生するスイッチング損失の発生およびサージの増大に対する課題を対象とする。
上記実施の形態4では、出力電流検出回路24で検出された電流値が0Aをクロスした瞬間に、半導体スイッチング素子10、11がターンオフするように制御したが、この実施の形態5では、共振コンバータ回路14の半導体スイッチング素子10、11のスイッチング周波数を増減することで、半導体スイッチング素子10、11が0A付近でターンオフするように制御する。
ここで、直列共振周波数fsrが変化することによって、直流変換装置の動作波形は、図15に示されたように変化する。制御部12は、半導体スイッチング素子10、11がターンオフするタイミングで出力電流検出回路24の値を取得する。このとき、制御部12は、取得された電流値が0Aからあらかじめ定められた範囲を逸脱している場合に、スイッチング周波数を増減させる。
例えば、図15に示された電流波形の場合には、制御部12は、スイッチング周波数を増加させる。これにより、スイッチング周波数fswが直列共振周波数fsrに近づくので、0A付近で半導体スイッチング素子10、11をターンオフすることができる。また、反対に、半導体スイッチング素子10、11の電流が0Aに達する前にターンオフした場合には、制御部12は、スイッチング周波数を低下させる。これにより、上記実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態5では、半導体スイッチング素子10、11のスイッチング損失を低減させ、サージを抑制するために、出力電流検出回路24を設け、スイッチング周波数を増減させることにより、半導体スイッチング素子10、11が0A付近でオフするような回路とした。
しかしながら、これに限定されず、例えば、直流変換装置が内部に図示しない温度センサを備え、制御部12が、温度変化によって変化する直列共振周波数fsrの値を関数として記憶しておき、温度センサのモニタ値によって、スイッチング周波数fswを変化させてもよい。
実施の形態6.
一般的に、一定のスイッチング周波数でスイッチング制御を行う場合には、一定の周波数に起因した高いスイッチングノイズが発生することがあり、そのときには、ノイズ発生源として、他の電子機器に対し、誤動作や機能停止等といった弊害を招く恐れがある。
上記各実施の形態1〜5で示した直流変換装置では、コンバータを2段構成としているので、一般的に、昇圧コンバータ回路13および共振コンバータ回路14のスイッチングに起因するノイズについて、1段構成のコンバータ回路と比べて、より考慮する必要がある。
実際に、こういったスイッチングノイズについて、特に各国の規格に一定の整合性を持たせる必要があることから、国際規格CISPRが各分野の電子機器や自動車のEMC(Electromagnetic Compatibility)規格を制定、発行している。
このようなスイッチングノイズを抑制するために、一般的には、スナバ回路やノイズフィルタ等の部品やノイズ対策部品を備えることも考えられるが、コストアップや装置の大型化が避けられない。そこで、この実施の形態8では、制御部12が電力変換中の共振コンバータ回路14のスイッチング周波数を変化させ続けることで、スイッチングノイズのスペクトル拡散を図り、所望の帯域におけるスイッチングノイズのピーク値を低減する。
まず、スイッチングの拡散効果について説明する。スイッチング周波数を変化させることによるスイッチングノイズのスペクトル拡散効果は、非特許文献1に示されている。すなわち、次式(12)で示されるように、スイッチング周波数が繰り返し性をもって変化する際の、繰り返し周波数fが低いほど、また、スイッチング周波数を変化させる際の最大周波数と最小周波数との差Δfが大きいほど、スペクトル拡散指数βが大きく、好適にスイッチングノイズのピーク値が低減される。
Figure 0005893089
上述したノイズスペクトルの拡散方法について、図17を用いて説明する。図17は、この発明の実施の形態6に係る直流変換装置におけるノイズスペクトルの拡散方法を示す説明図であり、制御部12が、共振コンバータ回路14の半導体スイッチング素子5、6のスイッチング周波数を、時間によって変化させている様子を示している。図17において、制御部12は、一定の周期Tの間に周波数をf(第1スイッチング周波数)〜f(第2スイッチング周波数)まで変化させている。また、上述した繰り返し周波数fは1/Tであり、Δfはf−fである。
すなわち、式(12)より、好適なスイッチングノイズのピーク値低減効果を得るためには、周波数変換の周期Tが大きく、つまり繰り返し周波数fが小さく、スイッチング周波数の変化幅Δfが大きいほどよいことがわかる。
ここで、スイッチング周波数を変化させることによるスペクトル拡散効果は、上記式(12)で表されたスペクトル拡散指数βの値によって確認することができる。図18(a)〜(c)は、この発明の実施の形態6に係る直流変換装置において、スペクトル拡散指数βの変化によるスペクトル拡散効果を示す説明図である。
図18(a)は、β=0の場合を示し、図18(b)は、β=1の場合を示し、図18(c)は、β=5の場合を示している。図18から、スイッチング周波数を一定値fcとしてスイッチング制御する場合に比べて、スペクトル拡散指数βを大きくするほど、本来のノイズピークが低減し、広帯域にスペクトルを拡散することができることが分かる。
すなわち、処理負荷の増加を最低限に抑えるために、スイッチング周波数の最大周波数と最小周波数との差Δfを制限した場合に、スペクトル拡散指数βを大きくするためには、繰り返し周波数fを小さくする必要がある。
しかしながら、上述したEMC規格では、装置が発生させるノイズをスペクトルアナライザで測定する際のRBW(Resolution Band Width:分解能帯域幅)が規定されている。また、非特許文献1によれば、スイッチングノイズのスペクトルは、繰り返し周波数f毎にピークをもって分散する。
そのため、スペクトルアナライザでスイッチングノイズのスペクトルを測定した場合に、上述したスペクトル拡散効果を得るためには、繰り返し周波数fを、スペクトルアナライザのRBW以上の値に設定する必要がある。
そのため、この発明の実施の形態6に係る直流変換装置の共振コンバータ回路14において、制御部12は、半導体スイッチング素子5、6のスイッチング周波数の繰り返し周波数fを、スペクトルアナライザのRBW以上の値に設定する。
また、上記式(12)より、スイッチング周波数の変化幅Δfはが大きいほど、ノイズ拡散効果がある。そのため、fは小さく、fは大きくする必要がある。しかしながら、一般的に、これらの値は、ハードウェアの要素で決まる。
すなわち、fは大きいほどよいが、一般的には、これらを制御するマイコンやICのスペックで決まる。一方、fは小さいほどよいが、fが小さいほど、トランス9の電圧印加時間が大きくなり、磁束飽和が起こってしまう。なお、磁束飽和が起こると、トランス9に流れる電流が急激に増加する。また、この急激な電流増加は、ノイズが増加する原因となる。そのため、トランス9の磁束飽和が起こらないように、周波数変化パターンの最小周波数を設定する必要がある。
ここで、スイッチング周波数とトランス9の磁束密度の変化ΔBは、次式(13)で与えられる。なお、式(13)において、Vはトランス9の1次側端子間電圧を示し、dtは電圧印加時間(スイッチング周波数fswに反比例)を示し、Nはトランス1次側巻数を示し、Aeはトランスコアの有効断面積を示し、dはスイッチングのオン比を示し、fswはスイッチング周波数を示している。
Figure 0005893089
また、トランス9の磁束密度の変化ΔBは、トランス9の飽和磁束密度Bsによって規定した値以下となる必要があり、この実施の形態8の共振コンバータ回路14では、ΔB≦2Bsを満たす必要がある。すなわち、ΔB≦2Bsを満たすスイッチング周波数fswを周波数変化パターンの最小周波数とする。これにより、トランス9の磁束飽和に起因するノイズの発生を抑制することができ、所望の帯域におけるスイッチングノイズのピーク値を低減することができる。
なお、上記実施の形態6で説明したノイズスペクトルの拡散方法について、図17を参照して説明したが、制御部12のマイコンやICによっては、図17のようにスイッチング周波数をスイープさせる機能を有していない場合がある。この場合には、制御部12は、スイッチング周波数としていくつかのパターンf(1)、f(2)・・・f(k)を用意し、スイッチング周波数を順次切り替えていくことで同様の効果を得ることができる。
以下、図19を参照しながら、この場合における制御方法について説明する。図19は、この発明の実施の形態6に係る直流変換装置におけるノイズスペクトルの拡散方法の別の例を示す説明図であり、制御部12が制御する半導体スイッチング素子5、6のスイッチング周波数を示している。
この実施の形態6においては、図19に示されるように、制御部12は、一定の周期Tの間に、周波数値f(1)からk回目に出力する周波数値f(k)までのスイッチング周波数を、f(1)→f(2)→・・・・・→f(k)の順に出力するとき、このf(1)からf(k)までの周波数値を、f(1)≦f(2)≦・・・≦f(k)またはf(1)≧f(2)≧・・・≧f(k)が満たされるように設定する。
また、制御部12は、f(1)からf(k)までのスイッチング周波数でスイッチング制御するときの合計時間(1/f(1))+(1/f(2))+・・・・・+(1/f(k))が、演算周期Tcと一致するように、f(1)からf(k)までの周波数値を設定する。
以上が、この実施の形態6の直流変換装置におけるノイズスペクトルの拡散方法である。しかしながら、一般的に、LLC共振コンバータは、スイッチング周波数が変動するとゲインも変化することから、スイッチング周波数を変化させながらスイッチングノイズのスペクトル拡散を図ると、併せて出力電圧Vも変化する。
つまり、この実施の形態6の直流変換装置の共振コンバータ回路14は、周波数を変化させることでゲインも変化してしまい、その結果、安定した出力電圧Vを供給することができなくなる。そこで、この実施の形態6の直流変換装置では、共振コンバータ回路14のスイッチング周波数の変動(ゲインの変動)に伴い、昇圧コンバータ回路13の出力電圧を制御することで、安定した出力電圧Vを供給する。
この制御のイメージを図20に示す。図20(a)、(b)は、この発明の実施の形態6に係る直流変換装置において、共振コンバータ回路のスイッチング周波数の変動(ゲインの変動)に伴い、昇圧コンバータ回路の出力電圧を制御することを示す説明図である。
図20において、従来の制御を示す図20(a)では、共振コンバータ回路14の周波数を変化させることでゲインが変動し、共振コンバータ回路14の出力電圧Vも変動することが分かる。これに対して、この実施の形態6に係る直流変換装置の制御を示す図20(b)では、制御部12が、共振コンバータ回路14の周波数の変動に合わせて、昇圧コンバータ回路13の出力電圧を、共振コンバータ回路14のゲイン変動を打ち消し合う方向に変動させることにより、共振コンバータ回路14の出力電圧Vの変動を抑制し、安定した電圧を出力できることが分かる。
なお、上記実施の形態6では、制御部12が、出力電圧検出回路23の電圧値をモニタして、出力電圧Vの変動幅を所定の電圧範囲内に抑えるように昇圧コンバータ回路13の出力電圧を変動させるフィードバック制御を想定している。しかしながら、これに限定されず、例えば、制御ICやマイコンの能力が低いか、またはセンサ回路の遅延が大きく、追従できない場合には、制御部12は、共振コンバータ回路14の負荷状態とスイッチング周波数とで決まる共振コンバータ回路14のゲイン特性の情報をあらかじめインプットしておき、その情報に合わせて、昇圧コンバータ回路13の出力電圧を変動させるように、フィードフォワード制御を実行してもよい。
また、上記各実施の形態1〜6では、半導体スイッチング素子がMOSETとした。しかしながら、これに限定されず、半導体スイッチング素子は、例えば、IGBTであってもよい。
また、上記各実施の形態1〜6では、トランス2次側の整流回路後段から出力電圧Vまでの間に平滑用のコンデンサが並列接続されていない。しかしながら、これに限定されず、例えば、フィルムコンデンサやアルミ電解コンデンサ等のコンデンサが、整流回路後段に接続されてもよく、また、共振コンバータ回路14の出力部に鉛バッテリ等の大きな容量成分となるものが接続されている場合には、コンデンサを接続しなくてもよい。
また、上記各実施の形態1〜6では、共振コンバータ回路14は、半導体スイッチング素子を2つ用いたハーフブリッジ構成とした。しかしながら、これに限定されず、共振コンバータ回路14は、例えばフルブリッジ構成であってもよい。
1 昇圧リアクトル、2 ダイオード、3 半導体スイッチング素子、4 平滑コンデンサ、5、6 半導体スイッチング素子、7 共振コンデンサ、8 共振リアクトル、9 トランス、10、11 整流用ダイオードまたは半導体スイッチング素子、12 制御部、13 昇圧コンバータ回路(昇圧コンバータ)、14 共振コンバータ回路(絶縁型共振コンバータ)、22 平滑コンデンサ電圧検出回路、23 出力電圧検出回路、24 出力電流検出回路、30a〜30e 制御線、31a〜31c 信号線、V 入力電圧、V 出力電圧。

Claims (18)

  1. 入力電圧を昇圧して直流電圧を出力する昇圧コンバータと、
    前記昇圧コンバータから出力された直流電圧を降圧して直流電圧を出力する絶縁型共振コンバータと、
    前記昇圧コンバータは、昇圧リアクトル、ダイオードおよびコンデンサと、前記昇圧リアクトルへの通電を制御する第1スイッチング素子と、を有し、
    前記絶縁型共振コンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、前記トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、前記共振コンデンサおよび前記共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、前記トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置の制御方法であって、
    前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する制御ステップを有し、
    前記制御ステップは、前記絶縁型共振コンバータの出力電流があらかじめ定められた値を超えた場合に、前記昇圧コンバータから出力される直流電圧を低下させるステップを含む
    直流変換装置の制御方法。
  2. 前記制御ステップは、前記入力電圧があらかじめ定められた電圧よりも高い場合には、前記第1スイッチング素子のスイッチングを停止するとともに、前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子のデッドタイムを増加させて、前記絶縁型共振コンバータの出力電圧を低下させるステップを含む
    請求項1に記載の直流変換装置の制御方法。
  3. 前記制御ステップは、前記絶縁型共振コンバータの出力電流があらかじめ定められた値を超えた場合に、前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子のスイッチング周波数を増加させるステップを含む
    請求項1または請求項2に記載の直流変換装置の制御方法。
  4. 前記制御ステップは、前記絶縁型共振コンバータの出力電流があらかじめ定められた値を超えた場合に、前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子のデッドタイムを増加させるステップを含む
    請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の直流変換装置の制御方法。
  5. 前記制御ステップは、前記第1スイッチング素子と前記昇圧コンバータから出力される直流電圧の負側に接続されている前記第3スイッチング素子とのオンオフタイミングを同期させるステップを含む
    請求項1から請求項までの何れか1項に記載の直流変換装置の制御方法。
  6. 前記整流回路は、同期整流回路である
    請求項1から請求項までの何れか1項に記載の直流変換装置の制御方法。
  7. 前記制御ステップは、スイッチング周波数の半周期と、前記共振コンデンサと前記共振リアクトルとで構成される直列共振回路の直列共振周波数の半周期に、デッドタイムを加えた時間とが等しくなるように制御するステップを含む
    請求項に記載の直流変換装置の制御方法。
  8. 前記制御ステップは、前記絶縁型共振コンバータの出力電圧があらかじめ定められた値を超えた場合に、前記昇圧コンバータから出力される直流電圧を増加させるステップを含む
    請求項に記載の直流変換装置の制御方法。
  9. 前記絶縁型共振コンバータは、前記トランスの2次巻線に流れる電流値を取得する出力電流検出回路をさらに有し、
    前記制御ステップは、前記出力電流検出回路から取得した電流値が0Aとなるタイミングで、前記同期整流回路のスイッチング素子をオフするステップを含む
    請求項に記載の直流変換装置の制御方法。
  10. 前記制御ステップは、前記出力電流検出回路から取得した電流値に応じて、前記絶縁型共振コンバータのスイッチング周波数を制御するステップを含む
    請求項に記載の直流変換装置の制御方法。
  11. 前記直流変換装置は、温度センサをさらに備え、
    前記制御ステップは、前記温度センサで検出された温度に応じて、前記絶縁型共振コンバータのスイッチング周波数を制御するステップを含む
    請求項に記載の直流変換装置の制御方法。
  12. 前記制御ステップは、前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子のスイッチング周波数を、第1スイッチング周波数から前記第1スイッチング周波数よりも高い第2スイッチング周波数の間まで、あらかじめ定められた周期で増減させ、この周期毎にスイッチング周波数の増減を繰り返すステップを含む
    請求項1から請求項までの何れか1項に記載の直流変換装置の制御方法。
  13. 前記制御ステップは、前記あらかじめ定められた周期毎に前記昇圧コンバータから出力される前記直流電圧を増減させるステップを含む
    請求項12に記載の直流変換装置の制御方法。
  14. 前記制御ステップは、前記あらかじめ定められた周期の逆数が、前記スイッチング素子のオンオフにより発生するノイズを測定する受信機の分解能帯域幅以上となるように、前記あらかじめ定められた周期を設定するステップを含む
    請求項12に記載の直流変換装置の制御方法。
  15. 前記制御ステップは、前記第1スイッチング周波数を、前記トランスが磁束飽和に至らない周波数となるように設定するステップを含む
    請求項12に記載の直流変換装置の制御方法。
  16. 入力電圧を昇圧して直流電圧を出力する昇圧コンバータと、
    前記昇圧コンバータから出力された直流電圧を降圧して直流電圧を出力する絶縁型共振コンバータと、
    前記昇圧コンバータは、昇圧リアクトル、ダイオードおよびコンデンサと、前記昇圧リアクトルへの通電を制御する第1スイッチング素子と、を有し、
    前記絶縁型共振コンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、前記トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、前記共振コンデンサおよび前記共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、前記トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置の制御方法であって、
    前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する制御ステップを有し、
    前記制御ステップは、前記入力電圧があらかじめ定められた電圧よりも高い場合には、前記第1スイッチング素子のスイッチングを停止するとともに、前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子のデッドタイムを増加させて、前記絶縁型共振コンバータの出力電圧を低下させるステップを含む
    直流変換装置の制御方法。
  17. 入力電圧を昇圧して直流電圧を出力する昇圧コンバータと、
    前記昇圧コンバータから出力された直流電圧を降圧して直流電圧を出力する絶縁型共振コンバータと、
    前記昇圧コンバータは、昇圧リアクトル、ダイオードおよびコンデンサと、前記昇圧リアクトルへの通電を制御する第1スイッチング素子と、を有し、
    前記絶縁型共振コンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、前記トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、前記共振コンデンサおよび前記共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、前記トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置の制御方法であって、
    前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する制御ステップを有し、
    前記制御ステップは、前記絶縁型共振コンバータの出力電流があらかじめ定められた値を超えた場合に、前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子のデッドタイムを増加させるステップを含む
    直流変換装置の制御方法。
  18. 入力電圧を昇圧して直流電圧を出力する昇圧コンバータと、
    前記昇圧コンバータから出力された直流電圧を降圧して直流電圧を出力する絶縁型共振コンバータと、
    前記昇圧コンバータは、昇圧リアクトル、ダイオードおよびコンデンサと、前記昇圧リアクトルへの通電を制御する第1スイッチング素子と、を有し、
    前記絶縁型共振コンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、前記トランスの1次側に接続された共振コンデンサおよび共振リアクトルと、前記共振コンデンサおよび前記共振リアクトルへの通電を制御する、互いに直列に接続された第2スイッチング素子および第3スイッチング素子と、前記トランスの2次側に接続された整流回路と、を有する直流変換装置の制御方法であって、
    前記第2スイッチング素子および前記第3スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで、固定オンデューティ比で交互にオンオフ制御する制御ステップを有し、
    前記制御ステップは、スイッチング周波数の半周期と、前記共振コンデンサと前記共振リアクトルとで構成される直列共振回路の直列共振周波数の半周期に、デッドタイムを加えた時間とが等しくなるように制御するステップを含む
    直流変換装置の制御方法。
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