JP6132882B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、入力端子と出力端子との間で直流電圧を変換する電力変換装置に関するものである。
近年、環境に優しい自動車として、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)/PHEV(Plug−in Hybrid Electric Vehicle)等のハイブリッド自動車が開発されている。
このような自動車は、従来の自動車にも搭載されていた、制御回路を動作させる補機用電池に加えて、充電された電力により走行用の電動モータを駆動させる駆動用電池を搭載している。また、このような自動車では、パワーエレクトロニクス技術の進歩を背景に、燃費(または電費)を向上させるために、電動パワートレインコンポーネントの低損失化、高効率化が望まれている。
ここで、走行用の電動モータに電力を供給する駆動用電池から、補機用電池の充電を行うために必要な電力変換装置として、降圧変換回路がある。このような降圧変換回路として、一般的にフルブリッジの変換回路が使用され、位相シフト制御により、高効率な降圧変換を実現している。
しかしながら、フルブリッジの変換回路では、軽負荷動作時にトランス一次側のスイッチ素子におけるゼロボルトスイッチング(ZVS:Zero Voltage switching)の成立が困難になるので、軽負荷動作時の効率が低下するという問題があった。
なお、フルブリッジの変換回路において、軽負荷動作時にZVSを成立させるためには、共振用リアクトルのインダクタンス値を増加させる必要があるが、その結果、共振用リアクトルのサイズやコストが増加する。また、降圧変換回路は、高電圧を低電圧に電力変換するために、トランスの一次巻線が二次巻線よりも多い。そのため、トランス一次側に流れる電流が小さく、共振用リアクトルを用いても、全範囲でのZVSを成立させることは、極めて困難である。
一方、軽負荷動作時においてもZVSが成立する変換回路として、一般的にLLC(two inductors(LL) and a capacitor(C))共振変換回路が知られている。この変換回路は、ブリッジ回路の上下に対向するスイッチング素子のオンとオフとを交互に切り替えて、正弦波状の共振電流を生成させることで電力伝送を行う。
LLC共振変換回路の特徴は、軽負荷動作時においてもZVSが成立することで、フルブリッジの変換回路に比べて軽負荷動作時における効率が高いことはもちろん、電力伝送経路にコンデンサが直列接続されているので、トランスの偏磁が発生せず、偏磁対策用の回路を別途設ける必要がないことである。また、トランス二次側の整流回路後段に平滑用リアクトルを設ける必要がないとされており安価である。
また、LLC共振変換回路では、共振用リアクトルと共振用コンデンサとで構成される直列共振回路の直列共振周波数と、スイッチング周波数とが近い場合に、整流回路に流れ
る共振電流が0A付近でオフされることになるので、サージ電圧が抑制されるという特徴を有する。
しかしながら、LLC共振変換回路は、出力側の負荷によってゲイン特性が変化し、一般的に、軽負荷動作時にはゲインが低下しづらく、また、重負荷動作時にはゲインが1以上にならないという問題があった。そのため、LLC共振変換回路は、入力電圧範囲が広く、かつ負荷電流範囲の広い対象については適していない。
さらに、LLC共振変換回路は、重負荷動作時には、ゲインを増加させることが困難なので、トランスの巻数比を大きくとることができない。そのため、重負荷動作時には、トランス一次側に流れる電流が大きく、スイッチング素子や共振用リアクトル、共振用コンデンサ、トランスのサイズが大型化し、大電力を出力する場合には、フルブリッジの変換回路よりも大型化することがある。
ここで、一般的に、駆動用電池は電圧範囲が広く、また、アクセサリの状況、すなわちユーザの使用状況によって、降圧変換回路から補機用電池に流す充電電流が変わるので、降圧変換回路は、入力電圧範囲が広く、かつ負荷電流範囲が広い。
そこで、従来技術として、入力電圧が変動しても、高効率な電圧変換が可能となる電力変換装置として、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。これは、LLC共振変換回路の前段に非絶縁の昇圧変換回路を備え、前段の昇圧変換回路のオンデューティ比を制御して、出力電圧を調整し、LLC共振変換回路はほぼ50%のオンデューティ比で交互にオン/オフ制御することで入力電圧が大きく変動してもそれに対応させることが可能となるものである。
特開2013−258860号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。軽負荷時の効率を上げるためには、LLC共振変換回路だけではなく非絶縁の昇圧変換回路の効率を上げる必要がある。軽負荷時は入出力電流が小さいため、素子の導通損失が小さく、スイッチング素子、例えばMOSFETのスイッチング損失やダイオードのリカバリ損失が効率に大きく影響する。従来技術では、LLC共振変換回路のスイッチング損失を低減させているが、昇圧変換回路のダイオードやスイッチング素子のリカバリ損失は存在するため、昇圧変換回路の効率が低下し、電力変換装置全体の総合効率も低下してしまうという課題を有していた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、軽負荷時において、装置全体の変換効率を向上できる電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電力変換装置は、入力端子と出力端子との間で直流電圧を変換する電力変換装置であって、前記入力端子と前記出力端子との間に直列接続された非絶縁型変換回路及び絶縁型変換回路と、前記非絶縁型変換回路及び前記絶縁型変換回路に備えられたスイッチング素子をオンオフ制御する制御部と、を備え、変換電力が低い軽負荷領域において、前記非絶縁型変換回路に備えられたリアクトルに流れる電流であるリアクトル電流の動作モードが、電流臨界モード又は電流不連続モードとなり、前記軽負荷領域よりも変換電力が高くなる重負荷領域において、前記リアクトル電流の動作モードが電流連続モードとなり、前記電流臨界モードは、前記リアクトル電流がゼロまで減少したときに前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子がオンされる動作モードであり、前記電流不連続モードは、前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子のスイッチング周期において前記リアクトル電流がゼロになる期間がある動作モードであり、前記電流連続モードは、前記スイッチング周期において前記リアクトル電流が常にゼロよりも大きくなる動作モードであるものである。
軽負荷領域では、電力変換装置が変換する電力が少なくなるため、非絶縁型変換回路におけるリカバリ損失及びスイッチング素子のターンオン損失の発生により、電力変換装置の電力変換効率が大きく悪化する。本発明に係る電力変換装置によれば、軽負荷領域では、非絶縁型変換回路のリアクトル電流の動作モードは、リカバリ損失及びターンオン損失の大きくなる電流連続モードではなく、リカバリ損失及びターンオン損失を大幅に低減できる電流臨界モード又は電流不連続モードとなるので、電力変換装置の電力変換効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成図である。 本発明の実施の形態1に係る非絶縁型変換回路のスイッチング素子がオンオフされたときの電流経路を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る絶縁型変換回路の動作時における各電圧電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る絶縁型変換回路のスイッチング素子がオンオフされているときの電流経路を、図3の各時刻と対応して示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係るリアクトル電流の動作モードが電流連続モードとなっている場合の各素子に流れる電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係るリアクトル電流の動作モードが電流連続モードとなっている場合の各素子の電流電圧波形とスイッチング損失波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係るリアクトル電流の動作モードが電流連続モードとなっている場合のダイオードのリカバリ電流経路を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係るリアクトル電流の動作モードが電流不連続モードとなっている場合の各素子に流れる電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係るリアクトル電流の動作モードが電流不連続モードとなっている場合の各素子の電流電圧波形とスイッチング損失波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係るリアクトル電流の動作モードが電流臨界モードとなっている場合の各素子に流れる電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る平滑用リアクトルのインダクタンスの特性を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る直流重畳特性を有する平滑用リアクトルのインダクタンスの特性を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の構成図である。 本発明の実施の形態2に係る非絶縁型変換回路のスイッチング周波数の設定を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る、スイッチング周波数の低下により電流連続モードから電流不連続モードに切り替わったときの電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明のその他の実施の形態に係る電力変換装置の構成図である。 本発明のその他の実施の形態に係る電力変換装置の構成図である。 本発明のその他の実施の形態に係る電力変換装置の構成図である。 本発明のその他の実施の形態に係る降圧変換回路のスイッチング素子がオンオフされたときの電流経路を示す説明図である。 本発明のその他の実施の形態に係る電力変換装置の構成図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る電力変換装置50について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る電力変換装置50の構成図である。
1−1.電力変換装置50の基本構成
電力変換装置50は、入力端子51と出力端子52との間で直流電圧を変換するDC−DC変換装置である。すなわち、電力変換装置50は、入力端子51に入力された直流電圧(入力電圧Vi)を任意の直流電圧(出力電圧Vo)に変換して出力端子52に出力する。
本実施の形態では、入力端子51には、直流電源55が接続され、出力端子52には負荷56が接続されている。例えば、電力変換装置50が、電気自動車やハイブリッド自動車に適用された場合には、入力端子51に、車輪駆動用モータの電源となる駆動用電池が接続され、出力端子52に補機及び補機用電池が接続される。
電力変換装置50は、入力端子51と出力端子52との間に直列接続された非絶縁型変換回路13及び絶縁型変換回路14を備えている。本実施の形態では、入力端子51、非絶縁型変換回路13、絶縁型変換回路14、出力端子52の順に直列接続されている。すなわち、入力端子51に、非絶縁型変換回路13が接続され、非絶縁型変換回路13に絶縁型変換回路14が接続され、絶縁型変換回路14に出力端子52が接続されている。
本実施の形態では、非絶縁型変換回路13は、平滑用リアクトル1と、平滑用コンデンサ4と、少なくとも一つのスイッチング素子3(本例では一つ)と、少なくとも一つの整流回路2(本例では一つ)と、を備えた昇圧変換回路(以下、昇圧変換回路13と称す)とされている。
絶縁型変換回路14は、一次巻線53及び二次巻線54を有するトランス9と、一次巻線53側に設けられた共振用コンデンサ7、共振用リアクトル8、第一スイッチング素子5、及び第二スイッチング素子6と、二次巻線54側に設けられた整流回路10、11(本例では二つ)と、を備えるLLC直列共振変換回路(以下、共振変換回路14と称す)とされている。ここで、LLCは、Two Inductors(LL) and a Capacitor(C)の略である。トランス9により、一次巻線53側(入力端子51側)の回路と、二次巻線54側(出力端子52側)の回路とが絶縁されている。
昇圧変換回路13の整流回路2には、ダイオード(以下、ダイオード2と称す)が用いられており、スイッチング素子3には、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。昇圧変換回路13では、平滑用リアクトル1の第一端子は、昇圧変換回路13の正極側の入力部(入力端子51)に接続され、平滑用リアクトル1の第二端子は、ダイオード2のアノード端子に接続され、ダイオード2のカソード端子は、昇圧変換回路13の正極側の出力部(共振変換回路14の入力部)に接続されている。
スイッチング素子3のドレイン端子は、平滑用リアクトル1の第二端子とダイオード2のアノード端子との接続線に接続され、スイッチング素子3のソース端子は、昇圧変換回路13の負極側の入力部と出力部とをつなぐ負極接続線に接続されている。平滑用コンデンサ4は、昇圧変換回路13の正極側の出力部と負極側の出力部との間に並列接続されている。
入力端子51の入力電圧Viを検出する入力電圧検出回路21が、入力端子51と並列に接続されている。また、昇圧変換回路13の出力電圧Vcを検出する出力電圧検出回路22が、平滑用コンデンサ4と並列に接続されている。なお、昇圧変換回路13の出力電圧Vcは、平滑用コンデンサ4の端子間電圧に相当する。
共振変換回路14の整流回路10、11には、ダイオード(以下、ダイオード10、11と称す)が用いられており、第一及び第二スイッチング素子5、6には、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。
共振変換回路14において、第一スイッチング素子5のドレイン端子は、共振変換回路14の正極側の入力部(昇圧変換回路13の出力部)に接続され、第一スイッチング素子5のソース端子は、第二スイッチング素子6のドレイン端子に接続され、第二スイッチング素子6のソース端子は、共振変換回路14の負極側の入力部(昇圧変換回路13の出力部)に接続されている。
共振用コンデンサ7及び共振用リアクトル8は、第一スイッチング素子5のソース端子と第二スイッチング素子6のドレイン端子とをつなぐ接続線と、一次巻線53の第一端子との間に直列接続されている。一次巻線53の第二端子は、共振変換回路14の負極側の入力部(昇圧変換回路13の出力部)に接続されている。なお、共振用コンデンサ7及び共振用リアクトル8の一方又は双方は、一次巻線53の第二端子と、共振変換回路14の負極側の入力部との間に接続されてもよい。
二次巻線54は、中間タップを有しており、中間タップが、共振変換回路14の負極側の出力部(出力端子52)に接続されている。また、二次巻線54の第一端子には、ダイオード10のアノード端子が接続され、二次巻線54の第二端子には、ダイオード11のアノード端子が接続されている。また、ダイオード10のカソード端子とダイオード11のカソード端子とは、互いに接続されており、その接続点が、共振変換回路14の正極側の出力部(出力端子52)に接続されている。平滑用コンデンサ32は、共振変換回路14の正極側の出力部と負極側の出力部との間(出力端子52)に並列接続されている。
出力端子52の出力電圧Voを検出する出力電圧検出回路23が、出力端子52と並列に接続されている。
スイッチング素子3、5、6のゲート端子は、それぞれ、制御線30a、30b、30cを介して制御部12に接続されており、スイッチング素子3、5、6は、それぞれ、制御部12の制御信号によりオンオフ制御される。また、電圧検出回路21、22、23は、それぞれ、信号線31a、31b、31cにより、制御部12に接続されており、制御部12は、電圧検出回路21、22、23の出力信号に基づいて、電圧Vi、Vc、Voを検出する。
電力変換装置50は、昇圧変換回路13及び共振変換回路14に備えられたスイッチング素子3、5、6をオンオフ制御する制御部12を備えている。
本実施の形態では、制御部12は、出力端子52の出力電圧Voが、予め設定された目標電圧Votに近づくように、昇圧変換回路13のスイッチング素子3をオンオフする矩形パルス波信号のオンデューティ比D1を変化させるように構成されている。また、制御部12は、共振変換回路14の第一スイッチング素子5と第二スイッチング素子6とを、双方をオフさせる予め設定されたデッドタイムTdを間に設けて、予め設定された周期Tsw2で交互にオンさせるように構成されている。
制御部12は、スイッチング素子のオンオフ制御を行う処理回路を備えている。制御部12の処理回路は、コンパレータ、オペアンプ、差動増幅回路等のアナログ電子回路から構成されてもよいし、演算処理装置、記憶装置等のデジタル電子回路により構成されてもよいし、アナログ電子回路及びデジタル電子回路の双方により構成されてもよい。
1−2.昇圧変換回路13の動作原理
次に、昇圧変換回路13の動作原理について説明する。図2は、制御部12が昇圧変換回路13のスイッチング素子3をオンオフさせたときの電流経路を示す説明図である。実線は、スイッチング素子3をオンさせたときの電流経路を示し、破線はスイッチング素子3をオフさせたときの電流経路を示している。
制御部12は、出力端子52の出力電圧Voが、予め設定された目標電圧Votに近づくように、昇圧変換回路13の目標電圧Vctを変化させ、昇圧変換回路13の出力電圧Vcが、昇圧変換回路13の目標電圧Vctに近づくように、昇圧変換回路13のスイッチング素子3をオンオフする矩形パルス波信号のオンデューティ比D1を変化させるように構成されている。(D1=オン期間/スイッチング周期Tsw)
1−3.共振変換回路14の動作原理
共振変換回路14の動作原理について説明する。
図3のタイムチャートには、共振変換回路14のオンオフ制御時の各電圧電流波形を示している。図4には、第一及び第二スイッチング素子5、6をオンオフ制御しているときの電流経路を示している。なお、図3には、第一スイッチング素子5の制御信号をVgs5で示し、第二スイッチング素子6の制御信号をVgs6で示している。
制御部12は、図3に示すように、共振変換回路14の第一スイッチング素子5と第二スイッチング素子6とを、双方をオフさせる予め設定されたデッドタイムTdを間に設けて、予め設定された周期Tsw2で交互にオンさせるように構成されている。すなわち、制御部12は、第一スイッチング素子5をオフさせた後、デッドタイムTdが経過したときに第二スイッチング素子6をオンさせ、第二スイッチング素子6をオフさせた後、デッドタイムTdが経過したときに第一スイッチング素子5をオンさせるオンオフ制御を、周期Tsw2で繰り返す。
図3の時刻t0〜t1において、図4(a)に示すように、第一スイッチング素子5がオフ、第二スイッチング素子6がオンしている間は、共振電流ILrは、矢印のように一次巻線53→共振用リアクトル8→共振用コンデンサ7→第二スイッチング素子6の経路で流れる。一般的に、第二スイッチング素子6は、共振電流ILrの電流が0A付近でターンオフする。これは、ターンオフ損失の低減(ZCS)および二次側回路に発生するサージを低減するためである。ここで、ZCSは、Zero CurrenTswichingの略である。
図3の時刻t1〜t2において、図4(b)に示すように、第一スイッチング素子5、第二スイッチング素子6は共にオフである。このとき、一次巻線53には励磁電流Imが流れており、第一スイッチング素子5の寄生容量(不図示)に充電されていた(蓄えられていた)電荷は放電され、一方、第二スイッチング素子6の寄生容量(不図示)には電荷が充電される。そのため、時刻t1〜t2の間に、第一スイッチング素子5のドレイン−ソース間の電圧Vds5は減少し、第二スイッチング素子6のドレイン−ソース間の電圧Vds6は増加する。
次に、図3の時刻t2〜t3において、図4(c)に示すように、第一スイッチング素子5をターンオンすると、図3より、第一スイッチング素子5のドレイン−ソース間の電圧Vds5は直前に0Vとなっており、ZVSが成立する。ここで、ZVSは、Zero Voltage Switchingの略である。そして、第一スイッチング素子5を、共振電流ILrの電流が0A付近でターンオフする。これにより、ターンオフ損失の低減(ZCS)および二次側回路に発生するサージを低減させる。
図3の時刻t3〜t4において、図4(d)に示すように、第一スイッチング素子5、第二スイッチング素子6はともにオフである。このとき、トランス9には励磁電流Imが時刻t1〜t2時とは逆向きに流れており、第一スイッチング素子5の寄生容量に充電され、一方、第二スイッチング素子6の寄生容量に充電されていた電荷は放電される。このため、時刻t3〜t4の間に、第一スイッチング素子5のドレイン−ソース間の電圧Vds5は増加し、第二スイッチング素子6のドレイン−ソース間の電圧Vds6は減少する。
次に、図3の時刻t4〜t5において、図4(e)に示すように、第二スイッチング素子6をターンオンすると、図3より、第二スイッチング素子6のドレイン−ソース間の電圧Vds6は直前に0Vになっており、ZVSが成立する。
上述したように、出力端子52の出力電圧Voは、昇圧変換回路13の出力電圧Vcを変化させることにより制御されるように構成されているので、共振変換回路14は、ソフトスイッチングが成立する最適な動作点で動作させることができる。よって、広範囲で高効率な電圧変換が可能となり、入力電圧範囲が広いアプリケーションにも対応することができる。
1−4.電力変換装置50の課題
電力変換装置50の課題について説明する。上記で説明したように、共振変換回路14をソフトスイッチング可能となる最適状態で動作させ、共振変換回路14(出力端子52)の出力電圧Voは、昇圧変換回路13の出力電圧Vcを変化させることにより制御されている。このときの昇圧変換回路13に流れる各素子の電流及び電圧波形について説明する。
<電流連続モード>
図5のタイムチャートに、平滑用リアクトル1に流れる電流であるリアクトル電流iL1が、電流連続モードで動作した場合における、各素子に流れる電流波形を示す。なお、電流連続モードは、スイッチング素子3のスイッチング周期Tswにおいて、リアクトル電流iL1が常にゼロよりも大きくなる動作モードである。
スイッチング周期Tswの間におけるリアクトル電流iL1の平均値IL1(以下、リアクトル平均電流IL1と称す)は、入力端子51の入力電圧Vi、出力端子52の出力電圧Vo、及び出力端子52の出力電流Ioを用いて、式(1)で求められる。
Figure 0006132882
平滑用リアクトル1のインダクタンスL1は、直流重畳特性がある場合は、リアクトル平均電流IL1を用いて、式(2)で表せる。直流重畳特性は、リアクトル電流iL1(リアクトル平均電流IL1)が増加するに従って、インダクタンスL1が減少する特性である。
Figure 0006132882
ここで、aL1は、リアクトル平均電流IL1が0Aの時のインダクタンスL1であり、bL1は、減衰係数であり負の値になる。
リアクトル電流iL1が増加中(スイッチング素子3がオン時)に、平滑用リアクトル1に印加される電圧V1は、式(3)に示すように、入力端子51の入力電圧Viとなる。
Figure 0006132882
リアクトル電流iL1が減少中(スイッチング素子3がオフ時)に、平滑用リアクトル1に印加される電圧V2は、式(4)に示すように、昇圧変換回路13の出力電圧Vcから、入力端子51の入力電圧Viを減算した電圧となる。
Figure 0006132882
スイッチング素子3のスイッチング周波数fswは、式(5)に示すように、スイッチング素子3のスイッチング周期Tswの逆数となる。
Figure 0006132882
リアクトル平均電流IL1は、スイッチング周期Tswの間におけるリアクトル電流iL1の時間平均値であるので、式(6)のように表せる。
Figure 0006132882
また、図5に示すように、リアクトル電流iL1は、平均電流IL1を中心に、電流振幅IL1pp及びスイッチング周期Tswで振動する三角波となる。よって、リアクトル電流iL1は、増加中と減少中とに場合分けを行って、式(7)のように表せる。
Figure 0006132882
ここで、IL1pp/D1/Tswは、リアクトル電流iL1が増加中の傾きであり、
L1pp/(1−D1)/Tswは、リアクトル電流iL1が減少中の傾きである。
また、スイッチング素子3の導通電流isw3は、増加中と減少中とに場合分けを行って、式(8)のように表せる。
Figure 0006132882
また、ダイオード2の導通電流iD2は、増加中と減少中とに場合分けを行って、式(9)のように表せる。
Figure 0006132882
電流振幅IL1ppは、式(10)で表せる。
Figure 0006132882
オンデューティ比D1は、式(10)、式(3)、式(4)より、入力端子51の入力電圧Vi、昇圧変換回路13の出力電圧Vcを用いて、式(11)で求められる。
Figure 0006132882
振動しているリアクトル電流iL1の最大電流値IL1p及び最小電流値IL1nは、リアクトル平均電流IL1、電流振幅IL1ppを用いて、式(12)、式(13)で求められる。
Figure 0006132882
Figure 0006132882
リアクトル平均電流IL1は、最大電流値IL1p及び最小電流値IL1nを用いて、式(14)で求められる。
Figure 0006132882
次に、図5の電流連続モードにおける各半導体素子の電流及び電圧波形とスイッチング損失波形を図6に示す。なお、スイッチング素子3には、MOSFETが用いられている。なお、図6は、図5よりも時間軸を拡大して表示している。
図6に示すように、ダイオード2には、スイッチング素子3のターンオン(Tsw_on)直前まで、順方向電流が流れていたため、ターンオン(Tsw_on)時に、リカバリ電流が発生し、リカバリ損失が発生している。ダイオード2のリカバリ電流は、スイッチング素子3も通る。このときの電流経路について説明したものを図7に示す。
図7に示すように、スイッチング素子3のオン時に発生するダイオード2のリカバリ電流は、スイッチング素子3を経由するため、スイッチング素子3を流れる電流は、リカバリ電流分増加する(図6参照)。また、ダイオード2のリカバリ電流がピーク点(Irr)に達するまでは、ダイオード2は導通しているため、スイッチング素子3のドレイン−ソース間電圧は、昇圧変換回路13の出力電圧Vcに一致している。そのため、スイッチング素子3のターンオン損失は通常より増加する。なお、順方向電流が流れているダイオード2に逆バイアス電圧を与えたとき、外部電圧によってダイオード2のpn接合近傍に蓄積された少数キャリアの電荷が引き出されるため、リカバリ電流として逆方向に電流が流れる。その後、リカバリ電流のピーク点(Irr)において、少数キャリアの電荷が完全に抜き出され、空乏層が生じるため、ダイオード2が逆電圧を阻止し、スイッチング素子3のドレイン−ソース間電圧が低下する。
以上のように、リアクトル電流iL1が電流連続モードで動作した場合は、昇圧変換回路13のスイッチング素子3のターンオン損失が増加し、ダイオード2のリカバリ損失が増加する。よって、特に、電力変換装置50が変換する電力が低い軽負荷領域において、電力変換装置50の変換効率が大きく低下する。
<電流不連続モード>
図8のタイムチャートに、リアクトル電流iL1が、電流不連続モードで動作した場合における、各素子に流れる電流波形を示す。なお、電流不連続モードは、スイッチング素子3のスイッチング周期Tswにおいてリアクトル電流iL1がゼロになる期間がある動作モードである。
図8に示す各素子の電流波形より、リアクトル電流iL1、スイッチング素子3の導通電流isw3、ダイオード2の導通電流iD2は、それぞれ、式(15)、式(16)、式(17)のように表せる。
Figure 0006132882
Figure 0006132882
Figure 0006132882
図8に示すリアクトル電流iL1の波形より、リアクトル平均電流IL1は、式(18)で表せる。
Figure 0006132882
また、リアクトル電流iL1の電流振幅IL1ppは、リアクトル電流iL1の増加中又は減少中の波形から、式(19)で表せる。
Figure 0006132882
式(19)を、リアクトル電流iL1が減少している期間に対応するデューティ比D2(以下、電流減少デューティ比D2と称す)について整理すると、式(20)を得る。(D2=リアクトル電流減少期間/スイッチング周期Tsw)
Figure 0006132882
式(19)、式(20)を、式(18)に代入し、電流減少デューティ比D2及び電流振幅IL1ppを消去すると、オンデューティ比D1は式(21)で表せる。
Figure 0006132882
また、振動しているリアクトル電流iL1の最大電流値IL1p、及び最小電流値IL1nは、それぞれ、式(22)、式(23)で表せる。
Figure 0006132882
Figure 0006132882
次に、図8の電流不連続モードにおける各半導体素子の電流及び電圧波形とスイッチング損失波形を図9に示す。なお、図9は、図8よりも時間軸を拡大して表示している。電流不連続モードでは、電流連続モードと違い、スイッチング素子3のターンオン(Tsw_on)時に、ダイオード2にリカバリ電流が流れていないことがわかる。このことについて、以下で説明する。スイッチング素子3がターンオフ(Tsw_off)直後、ダイオード2に平滑用リアクトル1の電流が流れ始める。その後、スイッチング素子3のターンオフ中に、ダイオード2に流れていた電流が減少し、0Aとなる。図8に示すように、0Aになる時のダイオード2の電流の減少速度は、平滑用リアクトル1のインダクタンスL1と平滑用リアクトル1の印加電圧V2で制限される傾きとなる。そのため、図5及び図6に示す電流連続モードにおける、0Aになる時のダイオード2の電流の減少速度に比べ、十分速度が遅いため、リカバリ電流はほとんど発生しない。そのため、電流不連続モードにおいて、リカバリ損失は発生しない。
その後、スイッチング素子3がターンオン(Tsw_on)したとき、リカバリ電流がないため、スイッチング素子3に流れる電流は平滑用リアクトル1に流れる電流となり、0Aから徐々に立ち上がる。このとき、図8に示すように、スイッチング素子3の電流の立ち上がり速度は、平滑用リアクトル1のインダクタンスL1で制限されるため、スイッチング素子3のドレイン‐ソース間電圧が立ち下がる期間において、スイッチング素子3に流れる電流は0Aに近いため、ターンオン損失はほとんど発生しない。
以上のように、リアクトル電流iL1が電流不連続モードで動作した場合は、ダイオード2のリカバリ損失、スイッチング素子3のターンオン損失がほとんど発生しない。よって、特に、電力変換装置50が変換する電力が低い軽負荷領域において、電流連続モードよりも、電流不連続モードで動作させた方が、電力変換装置50の変換効率を向上させることができる。
リアクトル電流iL1が電流臨界モードで動作した場合も、電流不連続モードと同様に、ダイオード2のリカバリ損失、及びスイッチング素子3のターンオン損失の発生を抑制できる。よって、電力変換装置50が変換する電力が低い軽負荷領域において、電流臨界モードで動作させると、電流不連続モードと同様に、電力変換装置50の変換効率を向上させることができる。電流臨界モードは、後述する図10に示すように、リアクトル電流iL1がゼロまで減少したときに非絶縁型変換回路13のスイッチング素子3がオンされる動作モードである。よって、電流臨界モードのリアクトル電流iL1は、0Aと最大電流値IL1pとの間を振動する三角波となる。なお、電流臨界モードは、電流連続モードと電流不連続モードとの境界の動作モードである。
1−5.電力変換装置50の構成
そこで、本実施の形態に係る電力変換装置50は、電力変換装置50が変換する変換電力が低い軽負荷領域において、リアクトル電流iL1の動作モードが、電流臨界モード又は電流不連続モードとなるように構成されている。上記のように、電流臨界モードは、リアクトル電流iL1がゼロまで減少したときにスイッチング素子3がオンされる動作モードであり、電流不連続モードは、スイッチング素子3のスイッチング周期Tswにおいてリアクトル電流iL1がゼロになる期間がある動作モードである。
軽負荷領域では、電力変換装置50が変換する電力が少なくなるため、ダイオード2のリカバリ損失及びスイッチング素子3のターンオン損失の発生により、電力変換装置50の電力変換効率が大きく悪化する。上記の構成によれば、軽負荷領域では、リカバリ損失及びターンオン損失の大きくなる電流連続モードではなく、リカバリ損失及びターンオン損失を大幅に低減できる電流臨界モード又は電流不連続モードで動作するので、電力変換装置50の電力変換効率を向上させることができる。
本実施の形態では、軽負荷領域は、出力端子52を流れる出力電流Ioが予め定められた境界電流Io_max以下になる領域とされる。また、制御部12は、昇圧変換回路13のスイッチング素子3を、予め設定された固定のスイッチング周波数fsw(スイッチング周期Tsw)でオンオフ制御するように構成されている。そして、平滑用リアクトル1は、軽負荷領域において、インダクタンスL1が、予め定まる臨界インダクタンスL1_th以下になる特性を有するように構成されている。ここで、臨界インダクタンスL1_thは、リアクトル電流iL1の動作モードが電流臨界モードとなる平滑用リアクトル1のインダクタンスである。すなわち、軽負荷領域において、インダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_th以下になる特性を有する平滑用リアクトル1が用いられている。
上記のように、昇圧変換回路13のスイッチング素子3は、固定のスイッチング周波数fswでオンオフ制御されるように構成されており、スイッチング周波数fswを変化させることにより、リアクトル電流iL1の動作モードを変化させることができない。このような構成であっても、平滑用リアクトル1のインダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_thであるときに、リアクトル電流iL1は、丁度、電流臨界モードで動作する。平滑用リアクトル1のインダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_thよりも小さいと、リアクトル電流iL1は電流不連続モードで動作する。すなわち、軽負荷領域において、平滑用リアクトル1のインダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_th未満であれば、リアクトル電流iL1は電流不連続モードで動作する。よって、軽負荷領域において、インダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_th以下になる特性を有する平滑用リアクトル1を用いることにより、スイッチング素子3が固定のスイッチング周波数fswでオンオフ制御される構成でも、リアクトル電流iL1を、結果的に、電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させることができる。
以下で、臨界インダクタンスL1_thの理論的な説明を行う。
図10に、リアクトル電流iL1が電流臨界モードで動作するときの電流波形を示す。
図10に示すリアクトル電流iL1の波形より、出力端子52の出力電流Ioが境界電流Io_max以下になる軽負荷領域において、リアクトル電流iL1を電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させるためには、出力端子52の出力電流Ioが境界電流Io_maxである場合に、電流臨界モードで動作する条件を基準に設計すればよい。以下で、電流臨界モードで動作する条件について説明する。
電流臨界モードで動作している場合の、リアクトル平均電流IL1とリアクトル電流iL1の電流振幅IL1ppとの関係は、式(24)となる。
Figure 0006132882
入力端子51の入力電力と出力端子52の出力電力とが等しいと仮定し、入力端子51の入力電流の代わりにリアクトル平均電流IL1を用いると、上記の式(1)と同様に、リアクトル平均電流IL1は、入力端子51の入力電圧Vi、出力端子52の出力電圧Vo、及び出力端子52の出力電流Ioを用いて、式(25)で求められる。
Figure 0006132882
また、電流振幅IL1ppについて、電流連続モードの式(10)、式(11)と同じ関係が成り立つ。よって、式(10)、式(11)、及び式(5)から、式(26)を得る。すなわち、電流振幅IL1ppは、入力端子51の入力電圧Vi、インダクタンスL1、スイッチング周波数fsw、昇圧変換回路13の出力電圧Vcを用いて、式(26)で求められる。
Figure 0006132882
式(24)に、式(25)、式(26)を代入し、インダクタンスL1について解くと、式(27)を得る。
平滑用リアクトル1のインダクタンスL1は、入力端子51の入力電圧Vi、出力端子52の出力電圧Vo、出力端子52の出力電流Io、スイッチング周波数fsw、昇圧変換回路13の出力電圧Vcを用いて、式(27)で求められる。
Figure 0006132882
昇圧変換回路13の出力電圧Vc、共振変換回路14のトランス9の巻き数比をN:1:1とすると、出力端子52の出力電圧Voと、昇圧変換回路13の出力電圧Vcとの間には、式(28)の関係式が成り立つ。
Figure 0006132882
式(27)のVcに、式(28)式を代入すると、式(29)のように、リアクトル電流iL1の動作モードが、電流臨界モードとなる臨界インダクタンスL1_thを算出する式が求められる。
すなわち、臨界インダクタンスL1_thは、式(29)を用い、入力端子51の入力電圧Vi、出力端子52の出力電圧Vo、固定のスイッチング周波数fsw、及び出力端子52の出力電流Ioに基づいて求められるインダクタンスである。
Figure 0006132882
出力端子52の目標電圧Votが固定値とされる場合は、式(29)の出力電圧Voとして、目標電圧Votの固定値を用い、出力端子52の目標電圧Votが可変値とされる場合は、式(29)の出力電圧Voとして、目標電圧Votの可変範囲の最大値を用いる。また、入力端子51の入力電圧Viが可変である場合は、式(29)の入力電圧Viとして、入力電圧Viの可変範囲の最小値を用いる。
従って、図11に示すように、出力端子52の出力電流Ioが境界電流Io_max以下になる軽負荷領域において、インダクタンスL1が、式(30)のように、臨界インダクタンスL1_th以下になる特性を有する平滑用リアクトル1を用いれば、出力端子52の出力電流Ioが境界電流Io_max以下で変化しても、リアクトル電流iL1を電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させることができる。
Figure 0006132882
図11、式(29)、式(30)に示すように、臨界インダクタンスL1_thは、出力端子52の出力電流Ioに反比例する。よって、出力端子52の出力電流Ioが減少するに従って、臨界インダクタンスL1_thが増加する。よって、境界電流Io_max以下の軽負荷領域において、リアクトル電流iL1を電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させるためには、例えば、図11の破線及び一点鎖線のように、インダクタンスL1が、出力端子52の出力電流Ioが境界電流Io_maxである場合の臨界インダクタンスL1_th以下になる特性を有する平滑用リアクトル1を用いればよい。
本実施の形態に係る平滑用リアクトル1は、リアクトル電流iL1(リアクトル平均電流IL1)が増加するに従って、インダクタンスL1が減少する予め定まる直流重畳特性を有している。図12に示すように、平滑用リアクトル1は、軽負荷領域において、インダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_th以下になる直流重畳特性を有するように構成されている。すなわち、軽負荷領域において、インダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_th以下になる直流重畳特性を有する平滑用リアクトル1が用いられている。なお、式(25)に示すように、出力端子52の出力電流Ioに比例してリアクトル平均電流IL1が変化し、インダクタンスL1が変化する。よって、図12に、破線及び一点鎖線で示すように、出力端子52の出力電流Ioが増加するに従って、平滑用リアクトル1のインダクタンスL1が減少する。境界電流Io_max以下の軽負荷領域において出力端子52の出力電流Ioが変化しても、例えば、図12の破線及び一点鎖線のように、インダクタンスL1が臨界インダクタンスL1_th以下になる直流重畳特性を有する平滑用リアクトル1が用いられる。
以上で説明したように、本実施の形態に係る電力変換装置50は、出力端子52(共振変換回路14)の出力電圧Voを昇圧変換回路13の出力電圧Vcで制御するため、共振変換回路14は、ソフトスイッチングが成立する、入出力ゲイン一定の高効率な動作点で動作させることができ、且つ、軽負荷領域において、昇圧変換回路13のリアクトル電流iL1の動作モードを、電流臨界モード又は電流不連続モードにすることで、スイッチング素子3のターンオン損失、ダイオード2のリカバリ損失を低減し、軽負荷領域において、電力変換装置50全体の電力変換効率を高めることができる。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る電力変換装置50について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。
図13に本実施の形態2に係る電力変換装置50の変換回路部分を示す。
本実施の形態に係る電力変換装置50は、上記の実施の形態1の昇圧変換回路13及び共振変換回路14と同様の回路構成を有している。ただし、本実施の形態に係る電力変換装置50は、入力端子51の入力電流(リアクトル平均電流IL1)を検出するための入力電流検出回路24、出力端子52の出力電流Ioを検出するための出力電流検出回路25を備えている。入力電流検出回路24は、正極側の入力端子51と平滑用リアクトル1とを接続する電線に設けられている。出力電流検出回路25は、正極側の出力端子52とダイオード10、11のカソード端子とを接続する電線に設けられている。入力電流検出回路24及び出力電流検出回路25は、それぞれ、信号線により制御部12に接続されており(不図示)、制御部12は、入力電流検出回路24及び出力電流検出回路25の出力信号に基づいて、それぞれ、入力端子51の入力電流(リアクトル平均電流IL1)及び出力端子52の出力電流Ioを検出する。
本実施の形態では、上記の実施の形態1とは異なり、制御部12は、軽負荷領域において、リアクトル電流iL1の動作モードが、電流臨界モード又は電流不連続モードとなるように、出力端子52の出力電流Ioに応じて、昇圧変換回路13のスイッチング素子3のスイッチング周波数fswを変化させるように構成されている。
この構成によれば、軽負荷領域において、スイッチング素子3のスイッチング周波数fswを変化させて、能動的に、リアクトル電流iL1を電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させることができる。よって、軽負荷領域の電力変換装置50の電力変換効率
を向上させることができる。
本実施の形態では、制御部12は、軽負荷領域において、昇圧変換回路13のスイッチング素子3のスイッチング周波数fswを、出力端子52の出力電流Ioに応じて定まる臨界周波数fsw_th以下に設定するように構成されている。臨界周波数fsw_thは、出力端子52の出力電流Ioの条件下で、リアクトル電流iL1の動作モードが電流臨界モードとなるスイッチング素子3のスイッチング周波数fswである。
スイッチング素子3のスイッチング周波数fswが臨界周波数fsw_thであるときに、リアクトル電流iL1は、丁度、電流臨界モードで動作する。スイッチング周波数fswを、臨界周波数fsw_thよりも低下させると、リアクトル電流iL1は電流不連続モードで動作する。すなわち、軽負荷領域において、スイッチング素子3のスイッチング周波数fswが臨界周波数fsw_th未満であれば、リアクトル電流iL1は電流不連続モードで動作する。よって、軽負荷領域において、スイッチング周波数fswを、出力端子52の出力電流Ioに応じて定まる臨界周波数fsw_th以下に設定するように構成することで、リアクトル電流iL1の動作モードを、能動的に、電流臨界モード又は電流不連続モードにすることができる。
以下で、臨界周波数fsw_thの理論的な説明を行う。
式(27)を、スイッチング周波数fswについて解くと、式(31)を得る。
Figure 0006132882
式(31)のVcに、式(28)式を代入すると、式(32)のように、リアクトル電流iL1の動作モードが電流臨界モードとなる臨界周波数fsw_thを算出する式が求められる。
すなわち、臨界周波数fsw_thは、式(32)を用い、出力端子52の出力電流Io、入力端子51の入力電圧Vi、出力端子52の出力電圧Vo、及び平滑用リアクトル1のインダクタンスL1に基づいて求まるスイッチング周波数である。
Figure 0006132882
従って、図14に示すように、制御部12は、出力端子52の出力電流Ioが境界電流Io_max以下になる軽負荷領域において、スイッチング素子3のスイッチング周波数fswを、式(33)のように、臨界周波数fsw_th以下に設定すれば、軽負荷領域において、リアクトル電流iL1を電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させることができる。
Figure 0006132882
図14、式(32)、式(33)に示すように、臨界周波数fsw_thは、出力端子52の出力電流Ioに反比例する。よって、出力端子52の出力電流Ioが増加するに従って、臨界周波数fsw_thが減少する。
よって、制御部12は、図14の破線に示すように、軽負荷領域において、出力端子52の出力電流Ioの増加に従って、スイッチング素子3のスイッチング周波数fswを低下させるように構成されている。
例えば、制御部12は、軽負荷領域において、式(32)を用い、出力端子52の出力電流Ioの検出値、入力端子51の入力電圧Viの検出値、出力端子52の出力電圧Voの検出値、及び予め設定された平滑用リアクトル1のインダクタンスL1に基づいて臨界周波数fsw_thを算出する。そして、制御部12は、式(34)に示すように、算出した臨界周波数fsw_thに、1以下に予め設定された周波数算出係数Kfを乗算した値を、スイッチング素子3のスイッチング周波数fswに設定するように構成することができる。なお、平滑用リアクトル1が直流重畳特性を有する場合は、制御部12は、リアクトル平均電流IL1と平滑用リアクトル1のインダクタンスL1との関係が予め設定された式(2)のような関係特性を用い、リアクトル平均電流IL1に基づいて、インダクタンスL1を算出する。リアクトル平均電流IL1は、入力電流検出回路24により検出した値、又は入力電流検出回路24が備えられていない場合は、式(25)を用い、出力電流検出回路25により検出した出力端子52の出力電流Ioに基づいて算出した値が用いられる。
Figure 0006132882
或いは、制御部12は、出力端子52の出力電流Ioとスイッチング周波数fswとの関係が予め設定された周期数設定マップを用い、出力端子52の出力電流Ioの検出値に基づいて、スイッチング周波数fswを算出するように構成することができる。
出力端子52の目標電圧Votが可変値とされる場合は、出力電圧Voとして、目標電圧Votの可変範囲の最大値を用いて、式(32)により算出した臨界周波数fsw_th以下になるように、周期数設定マップを予め設定する。また、入力端子51の入力電圧Viが可変である場合は、入力電圧Viとして、入力電圧Viの可変範囲の最小値を用いて、式(32)により算出した臨界周波数fsw_th以下になるように、周期数設定マップを予め設定する。
ここで、軽負荷領域において、リアクトル電流iL1が電流連続モードで動作している状態から、スイッチング周波数fswを低下させて、電流不連続モードに動作させるように切り替えたときの各素子の電流波形を図15に示す。図15から、スイッチング周波数fswを低下させることで、リアクトル電流iL1の電流振幅IL1ppが増加していることがわかる。しかし、臨界周波数fsw_thに近いスイッチング周波数fswを設定することで、電流振幅IL1ppの増加を抑制できる。本実施の形態では、出力端子52
の出力電流Ioに応じてスイッチング周波数fswを設定するように構成されているので、臨界周波数fsw_thに近いスイッチング周波数fswを精度よく設定することができ、リアクトル電流iL1の電流振幅IL1ppの増加を抑制できる。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態においては、トランス9の二次巻線54の中間タップが負極側の出力端子52に接続され、トランス9の二次巻線54の両側端子にはそれぞれダイオード10、11のアノード端子が接続されている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、図16に示すように、二次巻線54の中間タップが、正極側の出力端子52に接続され、二次巻線54の両側端子には、それぞれダイオード10、11のカソード端子が接続され、ダイオード10のアノード端子とダイオード11のアノード端子とが互いに接続され、その接続点が、負極側の出力端子52に接続されるように構成されてもよい。
(2)上記の各実施の形態においては、共振変換回路14の整流回路10、11は、ダイオード10、11によるダイオード整流回路とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、図17に示すように、共振変換回路14の整流回路10、11は、スイッチング素子10、11により構成される同期整流回路とされてもよい。
(3)上記の各実施の形態においては、非絶縁型変換回路13は、昇圧変換回路13とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、図18に示すように、非絶縁型変換回路13は、平滑用リアクトル1と、平滑用コンデンサ4と、少なくとも一つのスイッチング素子3(本例では一つ)と、少なくとも一つの整流回路2(本例では一つ)と、を備えた降圧変換回路13とされてもよい。降圧変換回路13にすることで、入力端子51の入力電圧Viが高いアプリケーションにおいて、出力端子52の出力電圧Voを任意の電圧まで下げることができ、且つ、スイッチング素子3をオフすることで、フェール発生時に入力からの電力の供給を遮断できる。
降圧動作はスイッチング素子3をオンオフさせることにより、図19に示す電流経路を通る。また、上記の各実施の形態と同様に、制御部12は、降圧変換回路13の出力電圧Vcを制御し、共振変換回路14の出力電圧Voが目標電圧Votに近づくように調整する。このとき、スイッチング素子3のオンオフにより各素子に流れる電流は、図5、図8で説明した電流波形と同じになる。ただし、リアクトル電流iL1が増加中(スイッチング素子3のオン時)に平滑用リアクトル1に印加される電圧V1は、式(3)ではなく式(35)のようになる。
Figure 0006132882
また、リアクトル電流iL1が減少中(スイッチング素子3のオフ時)に平滑用リアクトル1に印加される電圧V2は、式(4)ではなく式(36)のようになる。
Figure 0006132882
このように、昇圧変換回路13を用いた場合も、上記の実施の形態1のように、平滑用リアクトル1のインダクタンスL1が、軽負荷領域において、予め定まる臨界インダクタンスL1_th以下になる特性を有するように構成する、又は上記の実施の形態2のように、制御部12は、軽負荷領域において、昇圧変換回路13のスイッチング素子3のスイッチング周波数fswを、臨界周波数fsw_th以下に設定するように構成すれば、昇圧変換回路13のリアクトル電流iL1を電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させることができる。
(4)上記の各実施の形態においては、非絶縁型変換回路13は、昇圧変換回路13とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、図20に示すように、非絶縁型変換回路13は、降圧及び昇圧兼用の平滑用リアクトル1と、平滑用コンデンサ4と、降圧用及び昇圧用の二つのスイッチング素子3a、3bと、降圧用及び昇圧用の二つの整流回路2a、2b(ダイオード2a、2b)と、を備えた昇降圧変換回路13とされてもよい。昇降圧変換回路13とされることにより、昇圧動作、降圧動作を行え、広範囲の入力電圧Viの範囲となるアプリケーションにおいても、出力電圧Voを調整できると共に軽負荷領域において電流臨界モード又は電流不連続モードで動作させることができる。
(5)上記の各実施の形態においては、共振用リアクトル8が、トランス9の外部部品とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、共振用リアクトル8は、二次巻線54に結合していない一次巻線53の部分である漏れインダクタンスからなるように構成されてもよい。これにより、部品点数減による小型化、低コスト化が図れる。
(6)上記の各実施の形態においては、入力端子51、非絶縁型変換回路13、絶縁型変換回路14、出力端子52の順に直列接続されている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、入力端子51、絶縁型変換回路14、非絶縁型変換回路13、出力端子52の順に直列接続されていてもよい。この構成でも、前段の絶縁型変換回路14として共振変換回路14を備え、共振変換回路14を入出力ゲイン一定で動作させ、後段の非絶縁型変換回路13として昇圧変換回路13を備え、昇圧変換回路13により出力端子52の出力電圧Voを調整する回路構成でもよい。本構成とすることで、上記の各実施の形態と同様の効果を奏することができるとともに、負荷電流の調整をより精度よく行うことが可能となる。
(7)上記の各実施の形態においては、共振変換回路14はスイッチング素子を2つ用いたハーフブリッジ構成としたが、これに限るものではなく例えばフルブリッジ構成でもよい。
(8)上記の各実施の形態においては、電力変換装置50に用いられるスイッチング素子は、シリコン(Si)半導体から成る半導体スイッチング素子が用いられている場合を例に説明した。しかし、これに限られるものではなく、例えば、電力変換装置50に用いられるスイッチング素子の一部又は全部は、シリコン(Si)よりもバンドギャップが広い非Si半導体材料を用いてもよい。非Si半導体材料は、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドを用いてもよい。
ワイドバンドギャップ半導体から成るスイッチング素子は,Si半導体ではユニポーラ動作が困難な高電圧領域で使用可能であり、スイッチング時に発生するスイッチング損失を大きく低減でき、電力損失の大きな低減が可能になる。また、電力損失が小さく,耐熱性も高いため、冷却部を備えてパワーモジュールを構成した場合、ヒートシンクの放熱フ
ィンの小型化や,水冷部の空冷化が可能であるので,半導体モジュールの一層の小型化が可能になる。また、ワイドバンドギャップ半導体から成るスイッチング素子は、高周波スイッチング動作に適しており、高周波化の要求が大きい変換回路に適用すると、スイッチング周波数の高周波化によって,変換回路に接続されるリアクトルやコンデンサなどを小型化することもできる。よって、上記各実施の形態におけるスイッチング素子は、炭化珪素などのワイドギャップ半導体から成るスイッチング素子となる場合にも同様な効果が得られる。
また、ワイドギャップ半導体のなかでも窒化ガリウム系を材料としたトランジスタ、例えばGANHEMTの場合、ゲート‐ソース間容量(一般的にCissと呼ばれている)は、Si半導体に比べ十分小さく、これを使用することで高周波駆動に対しても駆動するために必要な消費電流は十分小さくなり省エネ化につながる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
この発明は、入力端子と出力端子との間で直流電圧を変換する電力変換装置に好適に利用することができる。
1 平滑用リアクトル、2 ダイオード(整流回路)、3 スイッチング素子、4 平滑用コンデンサ、5 第一スイッチング素子、6 第二スイッチング素子、7 共振用コンデンサ、8 共振用リアクトル、9 トランス、10 ダイオード(整流回路)、11 ダイオード(整流回路)、12 制御部、13 昇圧変換回路(非絶縁型変換回路)、14 共振変換回路(絶縁型変換回路)、21 入力電圧検出回路、22 出力電圧検出回路、23 出力電圧検出回路、24 入力電流検出回路、25 出力電流検出回路、50
電力変換装置、51 入力端子、52 出力端子、53 一次巻線、54 二次巻線、55 直流電源、56 負荷、D1 オンデューティ比、Io 出力端子の出力電流、Io_max 境界電流、L1 平滑用リアクトルのインダクタンス、L1_th 臨界インダクタンス、Td デッドタイム、V1 オン時リアクトル印加電圧、V2 オフ時リアクトル印加電圧、Vc 昇圧変換回路の出力電圧、Vi 入力端子の入力電圧、Vo 出力端子の出力電圧、Vot 出力端子の目標電圧、IL1 リアクトル平均電流、Tsw スイッチング周期、fsw スイッチング周波数、fsw_th 臨界周波数、iL1 リアクトル電流

Claims (18)

  1. 入力端子と出力端子との間で直流電圧を変換する電力変換装置であって、
    前記入力端子と前記出力端子との間に直列接続された非絶縁型変換回路及び絶縁型変換回路と、
    前記非絶縁型変換回路及び前記絶縁型変換回路に備えられたスイッチング素子をオンオフ制御する制御部と、を備え、
    変換電力が低い軽負荷領域において、前記非絶縁型変換回路に備えられたリアクトルに流れる電流であるリアクトル電流の動作モードが、電流臨界モード又は電流不連続モードとなり、
    前記軽負荷領域よりも変換電力が高くなる重負荷領域において、前記リアクトル電流の動作モードが電流連続モードとなり、
    前記電流臨界モードは、前記リアクトル電流がゼロまで減少したときに前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子がオンされる動作モードであり、
    前記電流不連続モードは、前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子のスイッチング周期において前記リアクトル電流がゼロになる期間がある動作モードであり、
    前記電流連続モードは、前記スイッチング周期において前記リアクトル電流が常にゼロよりも大きくなる動作モードである電力変換装置。
  2. 前記絶縁型変換回路は、一次巻線及び二次巻線を有するトランスと、前記一次巻線側に設けられた共振用コンデンサ、共振用リアクトル、第一スイッチング素子、及び第二スイッチング素子と、前記二次巻線側に設けられた整流回路と、を備えるLLC直列共振変換回路とされ、
    前記非絶縁型変換回路は、平滑用の前記リアクトルと、平滑用コンデンサと、少なくとも一つのスイッチング素子と、少なくとも一つの整流回路と、を備える昇圧変換回路、降圧変換回路、又は昇降圧変換回路とされる請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とを、双方をオフさせる予め設定されたデッドタイムを間に設けて、予め設定された周期で交互にオンさせ、
    前記出力端子の出力電圧が、予め設定された目標電圧に近づくように、前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子をオンオフする矩形パルス波信号のオンデューティ比を変化させる請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子を、予め設定された固定のスイッチング周波数でオンオフ制御し、
    前記リアクトルは、前記出力端子に流れる出力電流が予め定められた境界電流以下になる前記軽負荷領域において、インダクタンスが、前記電流臨界モードとなる予め定まるインダクタンスである臨界インダクタンス以下になる特性を有し、前記境界電流よりも高くなる前記出力電流の範囲になる前記重負荷領域において、インダクタンスが、前記臨界インダクタンスよりも大きくなる特性を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記臨界インダクタンスは、前記入力端子の入力電圧、前記出力端子の出力電圧、前記固定のスイッチング周波数、及び前記出力電流に基づいて求められる前記リアクトルのインダクタンスである請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記絶縁型変換回路は、一次巻線及び二次巻線を有するトランスを備え、
    前記臨界インダクタンスであるL1_thは、前記入力端子の入力電圧をViとし、前記出力端子の出力電圧をVoとし、前記固定のスイッチング周波数をfswとし、前記出力端子に流れる出力電流をIoとし、前記トランスの巻き数比をNとして、
    L1_th=Vi/Vo×Vi/(2×Io)×(1−Vi/(2×N×Vo))/fsw
    の算出式により算出される値である請求項4又は5に記載の電力変換装置。
  7. 前記出力端子の出力電圧であるVoとして、前記出力端子の出力電圧の可変範囲の最大値を用い、前記入力端子の入力電圧であるViとして、前記入力端子の入力電圧の可変範囲の最小値を用いる請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 前記リアクトルは、前記リアクトル電流が増加するに従って、インダクタンスが減少する予め定まる直流重畳特性を有し、
    前記リアクトルは、前記軽負荷領域において、インダクタンスが、前記臨界インダクタンス以下になり、前記重負荷領域において、インダクタンスが、前記臨界インダクタンスよりも大きくなる前記直流重畳特性を有する請求項4から7のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御部は、前記軽負荷領域において、前記リアクトル電流の動作モードが前記電流臨界モード又は前記電流不連続モードとなるように、前記出力端子に流れる出力電流に応じて、前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子のスイッチング周期数を変化させ、前記重負荷領域において、前記リアクトル電流の動作モードが前記電流連続モードとなる前記スイッチング周期数に設定する請求項1から3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御部は、前記出力電流の増加に従って、前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子のスイッチング周期数を低下させる請求項9に記載の電力変換装置。
  11. 前記制御部は、前記軽負荷領域において、前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子のスイッチング周期数を、前記出力電流に応じて定まる臨界周波数以下に設定し、
    前記臨界周波数は、前記出力電流の条件下で前記電流臨界モードとなる前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子のスイッチング周期数である請求項9又は10に記載の電力変換装置。
  12. 前記臨界周波数は、前記出力端子の出力電流、前記入力端子の入力電圧、前記出力端子の出力電圧、及び前記リアクトルのインダクタンスにより求まる前記非絶縁型変換回路のスイッチング素子のスイッチング周期数である請求項11に記載の電力変換装置。
  13. 前記絶縁型変換回路は、一次巻線及び二次巻線を有するトランスを備え、
    前記制御部は、前記電流臨界モードとなる前記スイッチング周期数である臨界周波数fsw_thとし、前記入力端子の入力電圧をViとし、前記出力端子の出力電圧をVoとし、前記出力端子に流れる出力電流をIoとし、前記リアクトルのインダクタンスをL1とし、前記トランスの巻き数比をNとして、前記臨界周波数を、
    fsw_th=Vi/Vo×Vi/(2×Io)×(1−Vi/(2×N×Vo))/L1
    の算出式により算出し、
    前記軽負荷領域において、前記スイッチング周期数を前記臨界周波数以下の値に設定し、前記重負荷領域において、前記スイッチング周期数を前記臨界周波数よりも大きい値に設定する請求項9から12のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  14. 前記制御部は、前記軽負荷領域において、算出した前記臨界周波数に対して、1以下に予め設定された周波数算出係数を乗算した値を前記スイッチング周期数に設定する請求項13に記載の電力変換装置。
  15. 前記入力端子、前記非絶縁型変換回路、前記絶縁型変換回路、前記出力端子の順に直列接続されている、又は前記入力端子、前記絶縁型変換回路、前記非絶縁型変換回路、前記出力端子の順に直列接続されている請求項1から14までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  16. 前記共振用リアクトルは、前記二次巻線に結合していない前記一次巻線の部分である漏れインダクタンスからなる請求項2に記載の電力変換装置。
  17. 前記スイッチング素子は、シリコンよりもバンドギャップが広い非Si半導体材料を用いている請求項1から16のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  18. 前記非Si半導体材料は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドを用いている請求項17に記載の電力変換装置。
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