JP6293242B1 - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
Description
PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等のハイブリッド車では燃費向上のため
に、電動パワートレインコンポーネントの低損失化、高効率化が望まれている。例えば、電気自動車の電動モータに電力を供給する駆動用電池から補機用電池の充電を行うために必要な直流変換装置として降圧DC−DCコンバータがある。
S:Zero Voltage Switching)動作を行わせることができ、制御相のレグ3のスイッチ素子S3、S4のスイッチング損失を低減できるとしている。なお、符号は特許文献1における符号を示している。
そのため、軽負荷で高効率となるコンバータが求められるが、図6に示す構成ではハードスイッチングとなるため効率を高めることができない。
複数の半導体スイッチング素子から成る1次側フルブリッジ回路と、上記1次側フルブリッジ回路の出力側に接続されたトランスと、上記トランスの2次側巻線に接続された整流回路と、上記整流回路の出力側に接続された平滑リアクトルと、を備え、
上記1次側フルブリッジ回路を構成するアクティブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量が、上記1次側フルブリッジ回路を構成するパッシブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量より大きいことを特徴とする。
とにより、小型で軽負荷において高変換効率の電力変換装置を実現することが出来る。
図1は、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置のシステム構成を説明するブロック図であり、高圧バッテリ100の電力によって低圧バッテリ200を充電する電源装置としての実施形態を示している。
電力変換装置300は、電力変換回路400と制御部500から構成されている。電力変換回路400はスイッチングにより電力変換を行う回路であり、高圧バッテリ100からの入力電力を受け、出力に接続されている低圧バッテリ200を充電する。また、電力変換回路400に設けられている検出回路(図示せず)は、検出した電流及び電圧を制御部500へ伝える。
電力変換回路400は、高圧バッテリ100の後段から低圧バッテリ200の前段までの要素で構成されている。ここでは1次側フルブリッジ構成の絶縁型コンバータ回路を用いている。
ース・ドレイン間にダイオードが内蔵されたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)から構成されている。
図3において、時間t1までは、第1スイッチング素子Q1、第4スイッチング素子Q4が「オン」、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3が「オフ」の状態にある。トランス14の1次側巻線N1に流れる電流は、高圧バッテリ100→第1スイッチング素子Q1→トランス14(1次側巻線N1)→第4スイッチング素子Q4→高圧バッテリ100の経路で流れる。ここでトランス14は1次側から2次側に電力を伝達し、トランス14の2次側巻線N21に流れる電流は、トランス14(2次側巻線N21)→第1ダイオード15a→平滑リアクトル16→低圧バッテリ200→トランス14(2次側巻線N21)の経路で流れる。
アクティブ遷移]
時間t1で第1スイッチング素子Q1がオフすると、第1スナバコンデンサC1及び第2スナバコンデンサC2は、漏れインダクタンスLr及び平滑リアクトル16と共振回路を形成し、高圧バッテリ100→第1スナバコンデンサC1→漏れインダクタンスLr→トランス14の1次側巻線N1→第4スイッチング素子Q4→高圧バッテリ100の経路で充電され、第1スイッチング素子Q1の電圧が入力電圧に向かって上昇する。
ネルギーは、高圧バッテリ100、漏れインダクタンスLr、及び平滑リアクトル16から供給される。平滑リアクトル16が十分大きい場合、第1スイッチング素子Q1の印加電圧Vq1は線形的に増加する。
(1)t1<t3<t1+Δt1aの場合、第2スナバコンデンサC2のエネルギー遷移が終了しておらず、第2スナバコンデンサC2に電圧が残っているため、ターンオン損失が発生する(ZVS不成立)。
(2)t3≧t1+Δt1aの場合、第2スイッチング素子Q2の電圧≒0でスイッチングするためターンオン損失は発生しない(ZVS成立)。
の電荷が放電される例を示す。時間t2の後、漏れインダクタンスLrと平滑リアクトル16のエネルギーによって、第2スイッチング素子Q2のMOSFETのダイオードが導通し、順方向電流Iq2が流れる。
時間t1までは第1スイッチング素子Q1がターンオンしており、第1スイッチング素子Q1のチャネルに電流Iq1が流れている。第1スイッチング素子Q1をターンオフし始めると、チャネルに流れていた電流が減少するとともに、第1スナバコンデンサC1に電流Ic1が流れる。第1スイッチング素子Q1がターンオフするまでの時間Δt1b間
は第1スイッチング素子Q1のチャネルに電流Iq1が流れているため、第1スイッチング素子Q1の印加電圧とチャネル電流の積でターンオフ損失が発生する。
第2スイッチング素子Q2のターンオンの際にスナバコンデンサの電荷が残存していればターンオン損失になるが、アクティブレグ11の場合は漏れインダクタンスLrに加え、平滑リアクトル16のエネルギーによって電荷を引き抜けるため式(3)が成立する。そのため、電荷の放電が早く、ターンオン時に電荷が残存することはない。よってスナバコンデンサを付加してもターンオン損失は発生しない。
パッシブレグ12にはスナバコンデンサが接続されていないため、第3スイッチング素子Q3の静電容量(図示せず)=Cq3、第4スイッチング素子Q4の静電容量(図示せず)=Cq4である。
時間t4において第4スイッチング素子Q4がターンオフすると、第3スイッチング素子Q3の静電容量Cq3及び第4スイッチング素子Q4の静電容量Cq4と漏れインダクタンスLrとで共振回路を形成し、第4スイッチング素子Q4の電圧が入力電圧に向かって上昇し始める。このとき、第1ダイオード15a、第2ダイオード15bが導通するため、平滑リアクトル16は第1ダイオード15a、トランス14の2次側巻線N21及びN22、第2ダイオード15bによって短絡され、第3スイッチング素子Q3、第4スイッチング素子Q4の遷移を行うためのエネルギーは、漏れインダクタンスLrから供給される。
漏れインダクタンスLrに蓄積される誘導性エネルギーが、第3スイッチング素子Q3の静電容量及び第4スイッチング素子Q4の静電容量に蓄積される容量性エネルギーより大きく、次式(7)が成立する。
上記式(7)が不成立の状態で、ωrLr・ILrがDC電圧より小さい(ωrLr・ILr<Vi)場合、第3スイッチング素子Q3の静電容量Cq3が十分に放電されず、電圧が印加された状態で第3スイッチング素子Q3がターンオンする。そのため、第3スイッチング素子Q3の静電容量Cq3は、第3スイッチング素子Q3がターンオンすると、上記MOSFETのチャネルで短絡され、ターンオン損失が発生する。
トランス14の1次側巻線N1の巻数をN1、2次側巻線N21、N22の巻数をN2、2次側回路へ電力を伝送している期間(第1スイッチング素子Q1と第4スイッチング素子Q4が導通している期間t14と、第2スイッチング素子Q2と第3スイッチング素子Q3が導通している期間t24の和)をton、アクティブレグ11及びパッシブレグ12のスイッチング周期をTとすると、電力変換回路400の出力電圧Voutは以下の
式で表せる。
にすると、最も損失の大きいアクティブレグ11のターンオフ損失を低減することができるので、軽負荷効率を改善しつつ小型化が可能となり、更に有効である。
ワイドバンドギャップ半導体から成る電力用半導体素子は、Si半導体ではユニポーラ動作が困難な高電圧領域で使用可能であり、スイッチング時に発生するスイッチング損失を大きく低減でき、電力損失の大きな低減が可能になる。
また、電力損失が小さく、耐熱性も高いため、冷却部を備えてパワーモジュールを構成した場合、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化が可能であるので、半導体モジュールの一層の小型化が可能になる。また、ワイドバンドギャップ半導体から成る電力用半導体素子は、高周波スイッチング動作に適しており、高周波化の要求が大きいDC/DCコンバータやインバータに適用すると、スイッチング周波数の高周波化によって、DC/DCコンバータやインバータに接続されるリアクトルやコンデンサなどを小型化できる。よって、実施の形態1に係る電力変換装置300は、ワイドバンドギャップ半導体から成る半導体スイッチング素子を用いる場合にも有効に作用する。
12、52 パッシブレグ、13 入力電圧検出回路、14、54 トランス、
15a、55a 第1ダイオード、15b、55b 第2ダイオード、
16、56 平滑リアクトル、17 出力電流検出回路、18、57 平滑コンデンサ、19 出力電圧検出回路、53 コンデンサ、58、59 DC−DCコンバータ、
100 高圧バッテリ、200 低圧バッテリ、300 電力変換装置、
400 電力変換回路、500 制御部、600 電子制御装置、700 通信線、
Q1 第1半導体スイッチング素子(第1スイッチング素子)、
Q2 第2半導体スイッチング素子(第2スイッチング素子)、
Q3 第3半導体スイッチング素子(第3スイッチング素子)、
Q4 第4半導体スイッチング素子(第4スイッチング素子)、
C1 第1スナバコンデンサ、C2 第2スナバコンデンサ、
a、b、c、d、e ノード、N1 トランスの1次側巻線、
N21、N22 トランスの2次側巻線、Lr 漏れインダクタンス、
Lm 励磁インダクタンス、Vq1、Vq2、Vq3、Vq4 印加電圧、
Iq1、Iq2、Iq3、Iq4 電流。
Claims (15)
- 直流電源からの直流電力を上記直流電源の電圧とは異なる電圧の直流電力に電力変換する電力変換装置において、
複数の半導体スイッチング素子から成る1次側フルブリッジ回路と、
上記1次側フルブリッジ回路の出力側に接続されたトランスと、
上記トランスの2次側巻線に接続された整流回路と、
上記整流回路の出力側に接続された平滑リアクトルと、を備え、
上記1次側フルブリッジ回路を構成するアクティブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量が、上記1次側フルブリッジ回路を構成するパッシブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量より大きいことを特徴とする電力変換装置。 - 上記アクティブレグの半導体スイッチング素子と並列にコンデンサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 上記コンデンサは、上記アクティブレグの半導体スイッチング素子のみに並列に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 上記静電容量は、定格出力時に上記静電容量のエネルギーを全て半導体スイッチング素子で消費した場合にも熱成立可能な値であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 上記アクティブレグの半導体スイッチング素子は、スイッチ動作をする主端子間の静電容量が上記パッシブレグの半導体スイッチング素子のスイッチ動作をする主端子間の静電容量より大きい半導体スイッチング素子であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 上記アクティブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量は、生涯稼働時間が最も長い出力電流において1次側フルブリッジ回路が位相シフト動作した際に、ゼロ電圧スイッチングとなる値であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 上記パッシブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量は、生涯稼働時間が最も長い出力電流において1次側フルブリッジ回路が位相シフト動作した際に、ゼロ電圧スイッチングとなる値であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 上記1次側フルブリッジ回路と上記トランスとの間の配線インダクタンスによってソフトスイッチングを行うことを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
- 上記配線インダクタンスは、生涯稼働時間が最も長い出力電流において1次側フルブリッジ回路が位相シフト動作した際に、ゼロ電圧スイッチングとなる値であることを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
- 直流電源からの直流電力を上記直流電源の電圧とは異なる電圧の直流電力に電力変換する電力変換装置において、
複数の半導体スイッチング素子から成る1次側フルブリッジ回路と、
上記1次側フルブリッジ回路の出力側に接続されたトランスと、
上記トランスの2次側巻線に接続された整流回路と、
上記整流回路の出力側に接続された平滑リアクトルと、を備え、
上記1次側フルブリッジ回路を構成するアクティブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量が、上記1次側フルブリッジ回路を構成するパッシブレグの半導体スイッチング素子端子間の静電容量より大きく、上記トランスと上記1次側フルブリッジ回路との間にリアクトルを接続しないことを特徴とする電力変換装置。 - 上記アクティブレグの半導体スイッチング素子と並列にコンデンサを設け、上記トランスの漏れインダクタンスによってソフトスイッチングを行うことを特徴とする請求項10に記載の電力変換装置。
- 上記漏れインダクタンスは生涯稼働時間が最も長い出力電流において1次側フルブリッジ回路が位相シフト動作した際に、ゼロ電圧スイッチングとなる値であることを特徴とする請求項11に記載の電力変換装置。
- 上記生涯稼働時間が最も長い出力電流とは30A以下であり、車載の補機用バッテリを充電することを特徴とする請求項6、7、9、12の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 上記半導体スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体にて形成される素子であることを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 上記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドを用いた半導体であることを特徴とする請求項14に記載の電力変換装置。
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