JP6132887B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する電力変換装置に関するものである。
近年、環境に優しい自動車として、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)/PHEV(Plug−in Hybrid Electric Vehicle)等のハイブリッド自動車が開発されている。
このような自動車は、従来の自動車にも搭載されていた、制御回路を動作させる補機用電池に加えて、充電された電力により走行用の電動モータを駆動させる駆動用電池を搭載している。また、このような自動車では、パワーエレクトロニクス技術の進歩を背景に、燃費(または電費)を向上させるために、電動パワートレインコンポーネントの低損失化、高効率化が望まれている。
そこで、負荷範囲に依存せずソフトスイッチングが可能な共振型変換回路の従来技術として、特許文献1に記載されたハーフブリッジLLC共振変換回路が知られている。特許文献1の共振変換回路は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを直流電源に直列接続し、スイッチ素子Q2と並列に、漏れインダンクタンスを有するトランスTの1次巻線Npと電流共振コンデンサCriとの直列共振回路を接続し、トランスTの2次巻線NS1、NS2に整流平滑回路を接続している。また、特許文献1の共振変換回路は、電流共振コンデンサCriの両端電圧を、所定の電圧値にクランプするクランプ回路(ダイオードD1、ダイオードD2)を備えている。そして、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオンさせることにより、整流平滑回路に発生する出力電圧Voを電気負荷に供給させるように構成されている。特許文献1の共振変換回路は、整流平滑回路から電気負荷に供給する出力電流Ioが所定の電流値よりも大きい領域において、出力電流Ioが増加するに従って、出力電圧Voが低下する出力特性を有している。
特開2013−27066号公報
しかしながら、従来のハーフブリッジLLC共振変換回路では、以下のような課題がある。すなわち、大電力出力の用途では、トランス二次側の共振電流も大きくなり、出力平滑用コンデンサに流れるリプル電流も大きくなる。そのため、大電力出力時のリプル電流に耐えるため、出力平滑用コンデンサのサイズが大型化し、製造コストが高くなる問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、出力平滑用コンデンサに流れるリプル電流を低減することにより、出力平滑用コンデンサの小型化、低コスト化を図ることができる電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電力変換装置は、入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する絶縁型変換回路と、前記絶縁型変換回路に設けられたスイッチング素子をオンオフ制御する制御部と、を備えた電力変換装置であって、前記絶縁型変換回路は、一次巻線及び二次巻線を有するトランスと、前記一次巻線側に設けられた共振用コンデンサ、共振用リアクトル、第一スイッチング素子、及び第二スイッチング素子と、前記二次巻線側に設けられた整流回路と、前記整流回路の出力側に設けられた出力平滑用コンデンサと、を備えるLLC直列共振変換回路であり、前記制御部は、前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とを、双方をオフさせるデッドタイムを間に設けて、スイッチング周期で交互にオンさせ、
入力電圧に対する出力電圧の電圧変換ゲインが増加するように、前記絶縁型変換回路が出力する出力電流の大きさに応じて前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方を変化させるものである。
スイッチング周期を変化させることにより、出力平滑用コンデンサの放電電荷量を変化させることができ、リプル電流の実効値を変化させることができる。また、デッドタイムを変化させることにより、電力が伝送されなくなる期間を変化させることができ、リプル電流の実効値を変化させることができる。本発明に係る電力変換装置によれば、スイッチング周期及びデッドタイムの一方又は双方を適切に変化させ、リプル電流の実効値を低減させることができる。よって、出力平滑用コンデンサの小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施の形態1、2に係る電力変換装置の構成図である。 本発明の実施の形態1に係る絶縁型変換回路の各電圧電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る絶縁型変換回路のスイッチング素子がオンオフされているときの電流経路を、図2の各時刻と対応して示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る課題を説明するための、軽負荷時の絶縁型変換回路の各電圧電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る課題を説明するための、重負荷時の絶縁型変換回路の各電圧電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る課題を説明するための、絶縁型変換回路の共振電流及びリプル電流を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1の比較例に係る絶縁型変換回路の各電圧電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、スイッチング周期を短縮した時の絶縁型変換回路の各電圧電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、デッドタイムを短縮した時の絶縁型変換回路の各電圧電流波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3に係る電力変換装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態3に係るLLC直列共振変換回路のゲイン−周波数特性図である。 本発明のその他の実施の形態に係る電力変換装置の概略構成図である。 本発明のその他の実施の形態に係るLLC直列共振変換回路のゲイン−周波数特性図である。 本発明のその他の実施の形態に係る電力変換装置の概略構成図である。 本発明のその他の実施の形態に係る電力変換装置の概略構成図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る電力変換装置50について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る電力変換装置50の構成図である。
1−1.電力変換装置50の基本構成
電力変換装置50は、入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する絶縁型変換回路15と、絶縁型変換回路15に設けられたスイッチング素子をオンオフ制御する制御部9と、を備えている。
絶縁型変換回路15は、一次巻線53及び二次巻線54を有するトランス5と、一次巻線53側(トランス5の入力側)に設けられた共振用コンデンサ3、共振用リアクトル4、第一スイッチング素子1、及び第二スイッチング素子2と、二次巻線54側(トランス5の出力側)に設けられた整流回路6、7(本例では二つ)と、整流回路6、7の出力側(後段)に設けられた出力平滑用コンデンサ8と、を備えるLLC直列共振変換回路とされている。ここで、LLCは、Two Inductors(LL) and a Capacitor(C)の略である。トランス5により、一次巻線53側(入力側)の回路と、二次巻線54側(出力側)の回路とが絶縁されている。
本実施の形態では、絶縁型変換回路15は、入力端子51と出力端子52との間に接続されており、入力端子51に入力された直流電圧(入力電圧Vi)を所定の直流電圧(出力電圧Vo)に変換して出力端子52に出力する。入力端子51には、直流電源55が接続されており、出力端子52には電気負荷56が接続されている。例えば、電力変換装置50が、電気自動車やハイブリッド自動車に適用された場合には、入力端子51に、車輪駆動用モータの電源となる駆動用電池が接続され、出力端子52に補機及び補機用電池が接続される。
絶縁型変換回路15の整流回路6、7には、ダイオード(以下、ダイオード6、7と称す)が用いられており、第一及び第二スイッチング素子1、2には、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。第一スイッチング素子1のドレイン端子は、絶縁型変換回路15の正極側の入力部(入力端子51)に接続され、第一スイッチング素子1のソース端子は、第二スイッチング素子2のドレイン端子に接続され、第二スイッチング素子2のソース端子は、絶縁型変換回路15の負極側の入力部(入力端子51)に接続されている。
共振用コンデンサ3及び共振用リアクトル4は、第一スイッチング素子1のソース端子と第二スイッチング素子2のドレイン端子とをつなぐ接続線と、一次巻線53の第一端子との間に直列接続されている。一次巻線53の第二端子は、絶縁型変換回路15の負極側の入力部(入力端子51)、及び第二スイッチング素子2のソース端子に接続されている。なお、共振用コンデンサ3及び共振用リアクトル4の一方又は双方は、一次巻線53の第二端子と、絶縁型変換回路15の負極側の入力部との間に接続されてもよい。
二次巻線54は、中間タップを有しており、中間タップが、絶縁型変換回路15の負極側の出力部(出力端子52)に接続されている。また、二次巻線54の第一端子には、ダイオード6のアノード端子が接続され、二次巻線54の第二端子には、ダイオード7のアノード端子が接続されている。また、ダイオード6のカソード端子とダイオード7のカソード端子とは、互いに接続されており、その接続点が、絶縁型変換回路15の正極側の出力部(出力端子52)に接続されている。出力平滑用コンデンサ8は、絶縁型変換回路15の正極側の出力部と負極側の出力部との間(出力端子52)に並列接続されている。
絶縁型変換回路15に入力される入力電圧Viを検出する入力電圧検出回路20が、絶縁型変換回路15の入力部(入力端子51)と並列に接続されている。絶縁型変換回路15から出力される出力電圧Voを検出する出力電圧検出回路21が、絶縁型変換回路15の出力部(出力端子52)と並列に接続されている。絶縁型変換回路15が出力する出力電流Ioutを検出する出力電流検出回路22が、出力平滑用コンデンサ8の出力側(後段)に設けられた、出力部(出力端子52)に接続される接続線(本例では正極側)に設けられている。
ここで、トランス5の2次側、すなわちダイオード6、7のカソード端子の接続点から出力される共振電流をItr2とし、出力平滑用コンデンサ8に流れるリプル電流をICoutとし、出力電流をIoutとする。
第一及び第二スイッチング素子1、2のゲート端子は、それぞれ、制御線30a、30bを介して制御部9に接続されており、第一及び第二スイッチング素子1、2は、それぞれ、制御部9の制御信号によりオンオフ制御される。また、電圧検出回路20、21は、それぞれ、信号線31a、31bにより、制御部9に接続されており、制御部9は、電圧検出回路20、21の出力信号に基づいて、電圧Vi、Voを検出する。また、出力電流検出回路22は、信号線31cにより、制御部9に接続されており、制御部9は、出力電流検出回路22の出力信号に基づいて、出力電流Ioutを検出する。
制御部9は、絶縁型変換回路15に備えられた第一及び第二スイッチング素子1、2をオンオフ制御する。制御部9は、スイッチング素子のオンオフ制御を行う処理回路を備えている。制御部9の処理回路は、コンパレータ、オペアンプ、差動増幅回路等のアナログ電子回路から構成されてもよいし、演算処理装置、記憶装置等のデジタル電子回路により構成されてもよいし、アナログ電子回路及びデジタル電子回路の双方により構成されてもよい。
1−2.絶縁型変換回路15の動作原理
絶縁型変換回路15の動作原理について説明する。図2のタイムチャートには、絶縁型変換回路15のオンオフ制御時の各電圧・電流波形を示している。図3には、第一及び第二スイッチング素子1、2をオンオフ制御しているときの電流経路を示している。なお、図2には、第一スイッチング素子1の制御信号をVgs1で示し、第二スイッチング素子2の制御信号をVgs2で示している。ここで、スイッチング周期Tswの逆数であるスイッチング周波数をfswとし、1次側電流の共振周波数をfsrとしている。
制御部9は、図2に示すように、第一スイッチング素子1と第二スイッチング素子2とを、双方をオフさせるデッドタイムtdを間に設けて、スイッチング周期Tswで交互にオンさせるように構成されている。すなわち、制御部9は、第一スイッチング素子1をオフさせた後、デッドタイムtdが経過したときに第二スイッチング素子2をオンさせ、第二スイッチング素子2をオフさせた後、デッドタイムtdが経過したときに第一スイッチング素子1をオンさせるオンオフ制御を、スイッチング周期Tswで繰り返す。
図2の時刻t1〜t2において、図3(a)に示すように、第一スイッチング素子1及び第二スイッチング素子2は共にオフである。このとき、一次巻線53には励磁電流Imが流れており、第一スイッチング素子1の寄生容量(不図示)に充電されていた(蓄えられていた)電荷は放電され、一方、第二スイッチング素子2の寄生容量(不図示)には電荷が充電される。そのため、時刻t1〜t2の間に、第一スイッチング素子1のドレイン−ソース間の電圧Vds1は減少し、第二スイッチング素子2のドレイン−ソース間の電圧Vds2は増加する。
次に、図2の時刻t2〜t3において、図3(b)に示すように、第一スイッチング素子1をターンオンすると、図2より、第一スイッチング素子1のドレイン−ソース間の電圧Vds1は直前に0Vとなっており、ZVSが成立する。ここで、ZVSは、Zero Voltage Switchingの略である。そして、第一スイッチング素子1を、共振電流Itr2の電流が0A付近でターンオフする。これにより、ターンオフ損失の低減(ZCS)および二次側回路に発生するサージを低減させる。ここで、ZCSは、Zero Current Swichingの略である。
図2の時刻t3〜t4において、図3(c)に示すように、第一スイッチング素子1及び第二スイッチング素子2は共にオフである。このとき、トランス5には励磁電流Imが時刻t1〜t2時とは逆向きに流れており、第一スイッチング素子1の寄生容量に充電され、一方、第二スイッチング素子2の寄生容量に充電されていた電荷は放電される。このため、時刻t3〜t4の間に、第一スイッチング素子1のドレイン−ソース間の電圧Vds1は増加し、第二スイッチング素子2のドレイン−ソース間の電圧Vds2は減少する。
次に、図2の時刻t4〜t5において、図3(d)に示すように、第二スイッチング素子2をターンオンすると、図2より、第二スイッチング素子2のドレイン−ソース間の電圧Vds2は直前に0Vになっており、ZVSが成立する。
このように、絶縁型変換回路15は、ターンオン時及びターンオフ時において、ソフトスイッチングが成立するように動作させることで軽負荷時の電圧変換効率を向上させることができる。
1−3.絶縁型変換回路15に係る課題
絶縁型変換回路15に係る課題について説明する。図4のタイムチャートには、出力電流Ioutが小さい軽負荷における、各電圧・電流波形を示している。図5のタイムチャートには、出力電流Ioutが大きい重負荷における、各電圧・電流波形を示している。ここでは、説明のため、スイッチング周波数fsw<共振周波数fsrとしている。
図4及び図5より、出力電流Iout(負荷)が増加しても、トランス5後段の整流回路6、7から出力される共振電流Itr2、及び出力平滑用コンデンサ8に流れるリプル電流ICoutの波形は変化しておらず、振幅が大きくなっていることがわかる。
次に、定常動作時では、出力電圧Voは一定のため、出力平滑用コンデンサ8に充電されるリプル電流ICoutの充電量(図4及び図5の(+)で示された面積)と、出力平滑用コンデンサ8から放電されるリプル電流ICoutの放電量(図4及び図5の(−)で示された面積)とは釣り合い、プラスマイナスゼロになる。また、図4及び図5より、2次側に電力伝送されていない期間では、出力平滑用コンデンサ8から出力側にリプル電流ICoutが流れていることがわかる。また、出力電流Iout(負荷)が増加するほど、電力伝送されていない期間に出力平滑用コンデンサ8から出力側に流れる電流が増加していることがわかる。そのため、放電量とつりあうために、出力平滑用コンデンサ8を充電する充電電流も増加し、結果として、出力平滑用コンデンサ8に流れる充放電電流(リプル電流ICout)の実効値は大幅に増加する。通常、出力平滑用コンデンサ8は、このリプル電流ICoutに耐えうるだけのサイズが必要とされ、大型化し、コストが増加する。
このように、重負荷時のリプル電流ICoutの大きさが、出力平滑用コンデンサ8のサイズを決めているため、重負荷時のリプル電流ICoutを低減することにより、出力平滑用コンデンサ8の小型化、低コスト化を図ることができる。
以下で、リプル電流ICoutの低減について、理論的に詳細に説明する。図6に示すように、図4及び図5の電流波形を取り出して、スイッチング周波数をfswとし、スイッチング周期をTswとし、共振周波数をfsrとし、共振周期をTsrとし、共振角周波数をωsrとし、共振電流Itr2のピーク値(振幅)をIpとすると、整流回路の共振電流Itr2、出力平滑用コンデンサ8のリプル電流ICoutは、式(1)、式(2)のように表せる。
上述したように、定常動作時は、出力平滑用コンデンサ8に流れるリプル電流ICoutの充電電荷量と放電電荷量とは釣り合うため、式(3)が成り立つ。
式(3)に式(2)を代入して解くと、式(4)を得る。
式(4)より、電力伝送期間となる共振周期Tsrに対して、スイッチング周期Tswが短くなるに従って、共振電流Itr2のピーク値Ipが減少することがわかる。また、出力電流Ioutが増加するに従って、共振電流Itr2のピーク値Ipが増加することがわかる。なお、共振周期Tsrは、共振用コンデンサ3の静電容量と共振用リアクトル4のインダクタンスとに基づいて定まる所定値(固定値)となる。
出力平滑用コンデンサ8に流れるリプル電流ICoutの実効値ICoutrmsは式(5)で表される。
式(5)に式(2)及び式(4)を代入して解くと、式(6)を得る。
式(6)より、電力伝送期間となる共振周期Tsrに対して、スイッチング周期Tswが短くなるに従って、リプル電流の実効値ICoutrmsが減少することがわかる。これは、上述したように、共振周期Tsrに対してスイッチング周期Tswが短くなるに従って、出力平滑用コンデンサ8から出力側に流れる放電電荷量が減少するためである。また、式(6)より、出力電流Ioutが増加するに従ってリプル電流の実効値ICoutrmsが増加することがわかる。
なお、スイッチング周波数fsw<共振周波数fsrの場合(Tsw>Tsr)について説明したが、スイッチング周波数fsw≧共振周波数fsrの場合(Tsw≦Tsr)についても同様のことが成り立つ。すなわち、共振周期Tsrに対してスイッチング周期Tswが短くなるに従って、出力平滑用コンデンサ8の放電電荷量が減少し、リプル電流の実効値ICoutrmsが減少する。
また、特に、スイッチング周波数fsw≧共振周波数fsrの場合において、スイッチング周期Tswを変化させなくても、デッドタイムtdを短くすることで、デッドタイムtdにより強制的に電力が伝送されなくなる期間(厳密には、伝送される電力が強制的に低下する期間)を短縮することができ、リプル電流の実効値ICoutrmsを減少させることができる。なお、スイッチング周期Tswを変化させずに、デッドタイムtdを短くする場合は、第一及び第二スイッチング素子1、2のオン期間が長くなる。
1−4.制御部9の構成
そこで、本実施の形態に係る制御部9は、出力平滑用コンデンサ8に流れるリプル電流ICoutが減少するように、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるリプル電流低減制御を実行するように構成されている。上述したように、スイッチング周期Tswを変化させることにより、出力平滑用コンデンサ8の放電電荷量を変化させることができ、リプル電流の実効値ICoutrmsを変化させることができる。また、デッドタイムtdを変化させることにより、電力が伝送されなくなる期間を変化させることができ、リプル電流の実効値ICoutrmsを変化させることができる。上記の構成によれば、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を適切に変化させ、リプル電流の実効値ICoutrmsを低減させることができる。よって、出力平滑用コンデンサ8の小型化、低コスト化を図ることができる。なお、スイッチング周期Tswのみを変化させる場合は、デッドタイムtdを変化させず、第一及び第二スイッチング素子1、2のオン期間を変化させる。デッドタイムtdのみを変化させる場合は、スイッチング周期Tswが変化しないように、第一及び第二スイッチング素子1、2のオン期間を変化させる。スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの双方を変化させる場合は、第一及び第二スイッチング素子1、2のオン期間、及びデッドタイムtdを変化させる。
上述したように、出力電流Ioutの大きさに応じて、リプル電流の実効値ICoutrmsが変化する。よって、本実施の形態では、制御部9は、絶縁型変換回路15が出力する出力電流Ioutの大きさに応じて、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるように構成されている。この構成によれば、出力電流Ioutの大きさに応じて、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を適切に変化させることにより、リプル電流の実効値ICoutrmsを効果的に低減させ、出力平滑用コンデンサ8の小型化、低コスト化を効果的に図ることができる。
具体的には、上述したように、出力電流Ioutが増加するに従って、リプル電流の実効値ICoutrmsが増加する。また、共振周期Tsrに対して、スイッチング周期Tswが短くなるに従って、リプル電流の実効値ICoutrmsが減少する。制御部9は、スイッチング周期Tswを変化させる場合は、出力電流Ioutが増加するに従って、スイッチング周期Tswを短くするように構成されている。また、制御部9は、デッドタイムtdを変化させる場合は、出力電流Ioutが増加するに従って、デッドタイムtdを短くするように構成されている。この構成によれば、出力電流Ioutが増加するに従って増加するリプル電流の実効値ICoutrmsを低減することができる。すなわち、リプル電流の実効値ICoutrmsの最大値を低減することができ、出力平滑用コンデンサ8の小型化、低コスト化を図ることができる。
本実施の形態では、制御部9は、出力電流Ioutが予め設定された重負荷判定閾値以上である場合に、リプル電流低減制御を実行するように構成されている。よって、リプル電流の実効値ICoutrmsが大きくなる重負荷において、リプル電流低減制御により、リプル電流の実効値ICoutrmsを低減することができる。一方、制御部9は、出力電流Ioutが重負荷判定閾値未満である場合は、リプル電流低減制御を行わず、ZVS及びZCSとなるように、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdを設定するように構成されている。具体的には、スイッチング周期Tswは、ZCSとなるように、共振周期Tsrよりも長く設定され、デッドタイムtdはZVSとなるように、十分長く設定される。よって、リプル電流の実効値ICoutrmsが比較的小さくなる軽負荷において、ソフトスイッチングにより絶縁型変換回路15の電圧変換効率を向上させることができる。
次に、リプル電流低減制御の制御挙動を、図7から図9のタイムチャートを用いて説明する。図7は、図5と同様のタイムチャートであり、出力電流Ioutが重負荷判定閾値以上である重負荷の場合において、リプル電流低減制御が実行されていない場合の比較例であり、ZVS及びZCSとなるように、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdが設定されている。その結果、スイッチング周波数fsw<共振周波数fsr(Tsw>Tsr)に設定されている。
図8では、出力電流Ioutが図7と同じ重負荷の状態で、リプル電流低減制御が実行され、図7の場合よりも、スイッチング周期Tswが短くされている。その結果、スイッチング周波数fsw>共振周波数fsr(Tsw<Tsr)に設定されている。なお、デッドタイムtdは、図7と同じに設定されている。図7の場合に比べて、出力平滑用コンデンサ8から出力側に電流が流れる放電期間が短くなっており、放電電化量(図の(−)で示された面積)が減少しており、放電電化量と釣り合う充電電化量(図の(+)で示された面積)も減少している。その結果、図7の場合に比べて、出力平滑用コンデンサ8に流れるリプル電流の実効値ICoutrmsを減少させることができている。
図9では、図8の状態から、更に、リプル電流低減制御によりデッドタイムtdが短くされている。なお、スイッチング周期Tswは、図8と同じに設定され、第一及び第二スイッチング素子1、2のオン期間が、図8よりも長くされている。図8の場合に比べて、伝送される電力が強制的に低下する期間が短くなっており、放電電化量(図の(−)で示された面積)が更に減少し、放電電化量と釣り合う充電電化量(図の(+)で示された面積)も更に減少している。その結果、図8の場合に比べて、更に、出力平滑用コンデンサ8に流れるリプル電流の実効値ICoutrmsを減少させることができている。よって、重負荷において、スイッチング周期Tswを短くし、デッドタイムtdを短くすることで、リプル電流の実効値ICoutrmsの最大値を低減することができ、出力平滑用コンデンサ8の小型化、低コスト化を図ることができる。
なお、制御部9は、リプル電流低減制御によりスイッチング周期Tswのみを短くするように構成されてもよい。例えば、短絡保護のために、デッドタイムtdの短縮の制約がある場合に好適である。
或いは、制御部9は、リプル電流低減制御によりデッドタイムtdのみを短くするように構成されてもよい。例えば、デッドタイムtdの短縮の制約がなく、スイッチング周期Tswの短縮による発熱や、制御電源による制約がある場合に好適である。
また、制御部9は、重負荷判定閾値を用いた判定により、リプル電流低減制御の実行又は不実行を段階的に切り替えず、出力電流Ioutに応じて連続的にスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるように構成されてもよい。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る電力変換装置50について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。実施の形態2の電力変換装置50の回路構成は、図1に示す実施の形態1と同じである。
本実施の形態では、制御部9は、出力電流Ioutの大きさに応じて、絶縁型変換回路15の電力変換効率が最も高くなるように、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるように構成されている。このように構成することによっても、重負荷において、リプル電流ICoutを低減することができると共に、軽負荷において、ソフトスイッチングにより絶縁型変換回路15の電圧変換効率を向上させることができる。以下で詳細に説明する。
軽負荷においては、絶縁型変換回路15の各素子を流れる電流による導通損失よりも、第一及び第二スイッチング素子1、2のオンオフによるスイッチング損失の方が、損失量が大きい。そのため、制御部9は、出力電流Ioutが小さい軽負荷において、ZVS及びZCSの実現により、絶縁型変換回路15の電力変換効率が最大になるように、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を設定する。具体的には、スイッチング周期Tswは、ZCSとなるように、共振周期Tsrよりも長く設定され、デッドタイムtdは、ZVSとなるように、十分長く設定される。
重負荷においては、スイッチング損失よりも導通損失の方が支配的になる。そのため、ため、制御部9は、出力電流Ioutが大きい重負荷において、導通損失の低減により、絶縁型変換回路15の電力変換効率が最大になるように、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を設定する。具体的には、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方が、導通損失を低減するため、軽負荷の場合よりも短く設定される。その結果、リプル電流の実効値ICoutrmsが低減される。
このことは、例えば、整流回路6、7から出力される共振電流Itr2の実効値Itr2_rmsにより説明できる。共振電流の実効値Itr2_rmsは、式(1)及び式(4)から式(7)のように求まる。
式(7)より、電力伝送期間となる共振周期Tsrに対して、スイッチング周期Tswが短くなるに従って、共振電流の実効値Itr2_rmsが減少することがわかる。また、出力電流Ioutが増加するに従って、共振電流の実効値Itr2_rmsが増加することがわかる。よって、スイッチング周期Tswを短くすることにより、リプル電流の実効値ICoutrmsと同様に、共振電流の実効値Itr2_rmsを低下させることができ、各素子の導通損失を低下させることができる。
しかし、スイッチング周期Tswを短くし過ぎると、スイッチング損失が無視でないほど増加し、出力電圧Voが低下してしまう(詳細は、実施の形態3で説明)。そこで、本実施の形態では、制御部9は、重負荷領域において、出力電圧Voが低下しない範囲で、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を短くするように構成されている。この構成によれば、共振電流の実効値Itr2_rmsを低下させて導通損失を低下させつつ、スイッチング損失の増加を抑制して、絶縁型変換回路15の電力変換効率を最大にすることができる。また、それと共に、リプル電流の実効値ICoutrmsの最大値を低減することができ、出力平滑用コンデンサ8の小型化、低コスト化を図ることができる。
制御部9は、出力電流Ioutが中程度の中負荷においては、スイッチング損失と導通損失とをバランスさせて、絶縁型変換回路15の電力変換効率が最大になるように、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を設定する。具体的には、制御部9は、軽負荷の場合よりも、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を短くする。しかし、スイッチング周期Tswを短縮させ過ぎると、ZCSとならずターンオフ損失が増加し、デッドタイムtdを短縮させ過ぎると、ZVSでターンオンできず、スイッチング損失が増加する。そのため、制御部9は、重負荷の場合ほど、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を短縮させないようにすることで、スイッチング損失と導通損失とをバランスさせて、高効率を維持させる。
本実施の形態では、制御部9は、出力電流Ioutと、絶縁型変換回路15の電力変換効率が最も高くなるスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方との関係が予め設定された効率マップデータを備え、効率マップデータに従い、出力電流Ioutに応じてスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるように構成されている。なお、効率マップデータは、制御部9が備えた記憶装置に予め記憶されている。
効率マップデータは、軽負荷、中負荷、及び重負荷等の複数の負荷領域毎に、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方が設定されたものであってもよい。この場合は、各負荷領域の代表点で、絶縁型変換回路15の電力変換効率が最大になる、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方が設定される。制御部9は、出力電流Ioutに基づいて、いずれの負荷領域であるかを判定し、効率マップデータから、判定した負荷領域に対応するスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を抽出して設定するように構成されてもよい。
なお、制御部9は、出力電流Ioutの大きさに応じて、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を、連続的に変化させてもよいし、段階的に変化させてもよい。
なお、制御部9は、入力電圧Viに対する出力電圧Voの入出力電圧変換ゲイン(Vo/Vi)が増加するように、出力電流Ioutの大きさに応じてスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるように構成されてもよい。
具体的には、制御部9は、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を所定値だけ短縮又は延長させた後、入力電圧検出回路20により検出した入力電圧Viに対する、出力電圧検出回路21により検出した出力電圧Voの入出力電圧変換ゲインが増加した場合は、絶縁型変換回路15の電力変換効率が向上したと判定し、今回短縮又は延長させたスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を保持する。そして、制御部9は、電圧変化ゲインが減少したと判定するまで、前回と同じ側に、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を所定値だけ短縮又は延長させ、同様の処理を繰り返す。一方、制御部9は、電圧変化ゲインが減少したと判定した場合は、今回短縮又は延長させる前のスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方に戻す。そして、制御部9は、前回とは反対側に、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を所定値だけ短縮又は延長させ、同様の処理を繰り返す。すなわち、制御部9は、フィードバック制御により、入出力電圧変換ゲインが増加する短縮側又は延長側に、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させる。
また、制御部9は、このようにフィードバック的に変化させたスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を、出力電流Ioutの動作点毎又は負荷領域毎に学習値として記憶するように構成されてもよい。そして、制御部9は、現在の出力電流Ioutに対応する学習値を読み出し、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方のフィードフォワード値として設定するように構成されてもよい。
3.実施の形態3
次に、実施の形態3に係る電力変換装置50について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る電力変換装置50は、図10に示すように、実施の形態1、2とは異なり、絶縁型変換回路15の前段(入力側)に、入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する非絶縁型変換回路14を備えている。すなわち、入力端子51と絶縁型変換回路15との間に、非絶縁型変換回路14が直列接続されている。なお、絶縁型変換回路15は、実施の形態1と同様の回路構成とされている。
非絶縁型変換回路14は、平滑用リアクトル10と、平滑用コンデンサ13と、スイッチング素子11と、整流回路12と、を備えた、昇圧機能を有する昇圧変換回路とされている。整流回路12には、ダイオード(以下、ダイオード12と称す)が用いられており、スイッチング素子11には、パワーMOSFETが用いられている。非絶縁型変換回路14では、平滑用リアクトル10の第一端子は、非絶縁型変換回路14の正極側の入力部(入力端子51)に接続され、平滑用リアクトル10の第二端子は、ダイオード12のアノード端子に接続され、ダイオード12のカソード端子は、非絶縁型変換回路14の正極側の出力部(絶縁型変換回路15の入力部)に接続されている。
スイッチング素子11のドレイン端子は、平滑用リアクトル10の第二端子とダイオード12のアノード端子との接続線に接続され、スイッチング素子11のソース端子は、非絶縁型変換回路14の負極側の入力部と出力部とをつなぐ負極接続線に接続されている。平滑用コンデンサ13は、非絶縁型変換回路14の正極側の出力部と負極側の出力部との間に並列接続されている。
非絶縁型変換回路14に入力される入力電圧Vcを検出する入力電圧検出回路23が、入力端子51と並列に接続されている。また、非絶縁型変換回路14から出力される出力電圧は、絶縁型変換回路15に入力される入力電圧Viと同じであり、入力電圧検出回路20により検出される。入力電圧検出回路20は、実施の形態1、2とは異なり、非絶縁型変換回路14と絶縁型変換回路15とを接続する正極接続線及び負極接続線に並列に接続されている。
スイッチング素子11のゲート端子は、制御線30cを介して制御部9に接続されており、スイッチング素子11は、制御部9の制御信号によりオンオフ制御される。また、入力電圧検出回路23は、信号線31dにより、制御部9に接続されており、制御部9は、入力電圧検出回路23の出力信号に基づいて、非絶縁型変換回路14の入力電圧Vcを検出する。
制御部9は、絶縁型変換回路15のスイッチング素子1、2に加えて、非絶縁型変換回路14に備えられたスイッチング素子11をオンオフ制御する。本実施の形態では、制御部9は、出力端子52の出力電圧Voが、予め設定された目標電圧Votに近づくように、非絶縁型変換回路14のスイッチング素子11をオンオフする矩形パルス波信号のオンデューティ比を変化させるように構成されている。なお、制御部9は、実施の形態1又は2のように、リプル電流が減少するようにスイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるリプル電流低減制御を実行するように構成されている。
図11に、LLC直列共振変換回路とされた絶縁型変換回路15に係る一般的な出力電圧Voのゲイン−周波数特性を示す。LLC直列共振変換回路は、スイッチング周波数fswの変化によって、入出力変換ゲインが変化するが、出力電流Ioutによってゲイン−周波数特性が変動する。出力電流Ioutが小さい軽負荷においては、スイッチング周波数fswの増加に対して、ゲインが低下し難いゲイン−周波数特性を有する。重負荷においては、スイッチング周波数fswの増加に対して、ゲインが低下し易いゲイン−周波数特性を有する。そのため、実施の形態1、2のように、重負荷において、リプル電流を低減させるためにスイッチング周波数fswを増加させると出力電圧Voが低下してしまう。
本実施の形態では、昇圧変換回路とされた非絶縁型変換回路14が設けられているので、リプル電流の低減のために出力電圧Voが低下する分を、非絶縁型変換回路14により昇圧させて、出力電圧Voの低下を抑制することができる。つまり、本実施の形態では、実施の形態1、2と同様に、リプル電流を低減することができる効果を奏すると共に、入力端子51に入力される入力電圧の変化範囲が広く、且つ出力端子52から出力される出力電流Ioutの変化範囲が広い場合においても、安定した出力電圧Voを出力することができる。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態においては、共振用コンデンサ3は、第一スイッチング素子1のソース端子と第二スイッチング素子2のドレイン端子とをつなぐ接続線と、共振用リアクトル4との間に直列接続されている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、図12に示すように、共振用コンデンサ3は、第二スイッチング素子2のソース端子と一次巻線53の第二端子との間、又は第一スイッチング素子1のドレイン端子と一次巻線53の第一端子との間に直列接続されてもよい。或いは、共振用コンデンサ3は、第二スイッチング素子2のソース端子と一次巻線53の第二端子との間、及び第一スイッチング素子1のドレイン端子と一次巻線53の第一端子との間の双方に、コンデンサ容量が均等分割されて直列接続されてもよい。
(2)上記の各実施の形態においては、共振用リアクトル4が、トランス5の外部部品とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、共振用リアクトル4は、二次巻線54に結合していない一次巻線53の部分である漏れインダクタンスからなるように構成されてもよい。これにより、部品点数減による小型化、低コスト化が図れる。ここで、LLC直列共振変換回路のゲイン−周波数特性について説明する。LLC直列共振変換回路は、スイッチング周波数fswを変化させ、直列共振回路のインピーダンスを調整することで、トランス5に印加される電圧が決まる。また、図13に示すように、トランス5の励磁インダクタンスLmと共振用リアクトル4のインダクタンスLrとのインダクタンス比Ln(=Lm/Lr)の変化によって、同じ負荷状態におけるゲイン−周波数特性が変化する。図13に示すように、インダクタンス比Lnが大きくなるに従って、スイッチング周波数fswの増加に対して、LLC直列共振変換回路の入出力電圧変換ゲイン(2N・Vo/Vi)が低下し難くなる。すなわち、インダクタンス比Lnを大きく設定すると、リプル電流を減少させるために、スイッチング周波数fswを増加させても、出力電圧Voが低下し難くなる利点がある。共振用リアクトル4が、漏れインダクタンスからなる場合は、インダクタンス比Lnが大きくなるので、この利点を得ることができる。
(3)上記の各実施の形態においては、トランス5の二次巻線54の中間タップが負極側の出力部(出力端子52)に接続され、トランス5の二次巻線54の両側端子にはそれぞれダイオード6、7のアノード端子が接続されている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、図14に示すように、二次巻線54の中間タップが、正極側の出力部(出力端子52)に接続され、二次巻線54の両側端子には、それぞれダイオード6、7のカソード端子が接続され、ダイオード6のアノード端子とダイオード7のアノード端子とが互いに接続され、その接続点が、負極側の出力部(出力端子52)に接続されるように構成されてもよい。
(4)上記の各実施の形態においては、絶縁型変換回路15の整流回路6、7は、ダイオード6、7によるダイオード整流回路とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、図15に示すように、絶縁型変換回路15の整流回路6、7は、スイッチング素子6、7により構成される同期整流回路とされてもよい。これにより、導通損失がダイオードの場合よりも低減し、効率が向上する。
(5)上記の各実施の形態においては、制御部9が、出力電流Ioutの大きさに応じて、スイッチング周期Tsw及びデッドタイムtdの一方又は双方を変化させるために、絶縁型変換回路15の出力側に出力電流検出回路22が設けられ、出力電流Ioutが検出されるように構成されている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、絶縁型変換回路15の入力側に電流検出回路が設けられ、制御部9は、絶縁型変換回路15に入力される入力電流を検出し、入力電流に基づいて出力電流Ioutを推定するように構成されてもよい。
(6)上記の実施の形態3においては、非絶縁型変換回路14は、昇圧変換回路とされており、制御部9は、昇圧変換回路の昇圧率を変化させることで、出力電圧Voの調整を行う場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、非絶縁型変換回路14は、昇圧機能及び降圧機能を有する昇降圧変換回路や、降圧機能を有する降圧変換回路とされてもよく、制御部9は、変換回路の昇圧率及び降圧率を変化させる、又は降圧率を変化させることで、出力電圧Voの調整を行うように構成されてもよい。
(7)上記の実施の形態3においては、電力変換装置50は、LLC直列共振変換回路とされた絶縁型変換回路15の前段に非絶縁型変換回路14を備えている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、電力変換装置50は、LLC直列共振変換回路とされた絶縁型変換回路15の後段(出力側)に非絶縁型変換回路14を備え、非絶縁型変換回路14により、電力変換装置50の出力電圧の調整を行うように構成されてもよい。この場合は、出力電圧を、より精度よく調整できる。
(8)上記の各実施の形態においては、絶縁型変換回路15は、第一及び第二スイッチング素子1、2を備えたハーフブリッジ回路のLLC直列共振変換回路とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、絶縁型変換回路15は、第一及び第二スイッチング素子1、2に加えて、第三スイッチング素子及び第四スイッチング素子を備えたフルブリッジ回路のLLC直列共振変換回路とされていてもよい。具体的には、第三及び第四スイッチング素子は、第一及び第二スイッチング素子1,2と同様に、絶縁型変換回路15の正極側の入力部と負極側の入力部との間に直列接続され、一次巻線53の第二端子は、上記の各実施の形態とは異なり、第二スイッチング素子2のソース端子ではなく、第三スイッチング素子のソース端子と第四スイッチング素子のドレイン端子とをつなぐ接続線に接続されてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
この発明は、入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する電力変換装置に好適に利用することができる。
1 第一スイッチング素子、2 第二スイッチング素子、3 共振用コンデンサ、4 共振用リアクトル、5 トランス、6、7 整流回路、8 出力平滑用コンデンサ、9 制御部、14 非絶縁型変換回路、15 絶縁型変換回路、20 入力電圧検出回路、21 出力電圧検出回路、22 出力電流検出回路、50 電力変換装置、51 入力端子、52 出力端子、53 一次巻線、54 二次巻線、55 直流電源、56 電気負荷、Im 励磁電流、Ip 共振電流のピーク値、Vi 入力電圧、Vo 出力電圧、td デッドタイム、Tsr 共振周期、Tsw スイッチング周期、fsr 共振周波数、fsw スイッチング周波数、Iout 出力電流、Itr2_rms 共振電流の実効値、ICout リプル電流、ICoutrms リプル電流の実効値

Claims (9)

  1. 入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する絶縁型変換回路と、前記絶縁型変換回路に設けられたスイッチング素子をオンオフ制御する制御部と、を備えた電力変換装置であって、
    前記絶縁型変換回路は、一次巻線及び二次巻線を有するトランスと、前記一次巻線側に設けられた共振用コンデンサ、共振用リアクトル、第一スイッチング素子、及び第二スイッチング素子と、前記二次巻線側に設けられた整流回路と、前記整流回路の出力側に設けられた出力平滑用コンデンサと、を備えるLLC直列共振変換回路であり、
    前記制御部は、前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とを、双方をオフさせるデッドタイムを間に設けて、スイッチング周期で交互にオンさせ、
    入力電圧に対する出力電圧の電圧変換ゲインが増加するように、前記絶縁型変換回路が出力する出力電流の大きさに応じて前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方を変化させる電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方を短縮又は延長させた後、前記電圧変換ゲインが増加した場合は、短縮又は延長した同じ側に前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方を変化させ、前記電圧変換ゲインが減少した場合は、短縮又は延長した反対側に前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方を変化させるフィードバック制御を行う請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記フィードバック制御により変化させた前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方を、前記出力電流の動作点毎に学習値として記憶し、
    現在の前記出力電流に対応する前記学習値を読み出し、前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方のフィードフォワード値として設定する請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記スイッチング周期を変化させる場合は、前記出力電流が増加するに従って、前記スイッチング周期を短くする請求項1から3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、前記デッドタイムを変化させる場合は、前記出力電流が増加するに従って、前記デッドタイムを短くする請求項1から4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記出力電流の大きさに応じて、前記スイッチング周期及び前記デッドタイムの一方又は双方を、連続的又は段階的に変化させる請求項からのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  7. 前記絶縁型変換回路の前段又は後段に、入力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する非絶縁型変換回路を備え、
    前記制御部は、前記非絶縁型変換回路に設けられたスイッチング素子をオンオフ制御する請求項1からのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  8. 前記非絶縁型変換回路は、昇圧機能を有する請求項に記載の電力変換装置。
  9. 前記共振用リアクトルは、前記二次巻線に結合していない前記一次巻線の部分である漏れインダクタンスからなる請求項1からのいずれか一項に記載の電力変換装置。
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