JP5910040B2 - 感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
画像形成装置を用いた画像形成方法において、画像は、感光体(電子写真感光体、静電潜像担持体、像担持体とも称する)に帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程などの工程を施すことにより形成される。近年では、可とう性、熱安定性、成膜性などの利点から、感光体として有機材料を用いた有機感光体が広く使用されている。
画像形成装置における、フルカラー化や高速化の急速な進行に伴い、有機感光更なる耐久化、高安定化が求められている。有機感光体の耐摩耗性、耐久性を改良する技術として、有機感光体の表面に架橋表面層(架橋樹脂層)を形成させる方法がある。
しかしながら、架橋表面層を有する有機感光体は、繰返し使用した後に長時間放置した場合、帯電器近傍にある表面部の抵抗値が下がることがあった(即ち、電気的安定性が低い)。その場合、再稼働させた時に、帯電電位、露光後電位が低くなり、画像の濃度ムラが発生することがあった。また、例えば架橋密度によっては、有機感光体のガスバリア性が低く、画像ボケを引き起こすことがあった。
そこで、例えば特許文献1では、感光体の表面に架橋表面層を形成させ、かつ、架橋樹脂層中に2種類以上の酸化防止剤を含有させる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の感光体では、前述の異常画像を十分に抑制することができなかった。
そこで、本発明においては、耐摩耗性、耐久性に優れ、画像濃度ムラ、画像ボケを抑制できる感光体を提供することを目的とする。
導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層、架橋表面層とを有する感光体であって、
前記架橋表面層は、重合性化合物を含有する組成物の硬化膜であり、
前記架橋表面層は、下記一般式(1)に示す電荷輸送性化合物と、
下記一般式(2)若しくは下記一般式(3)に示すオキサゾール化合物、又は、ナフトキノン化合物、の少なくとも一方と、
を更に含有する、感光体。
Figure 0005910040
(一般式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基又はアルキル基であり、Rは、水素原子である。また、k、l、m及びnは、それぞれ独立に、1、2、3又は4の整数である。但し、R、R、R及びRが全て水素原子である場合は除く。)

Figure 0005910040
(一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはビニレン基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基、又は、2,5−チオフェンジイル基である。)
Figure 0005910040
(一般式(3)中、Ar及びArは、それぞれ独立に、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基であり、Yは炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。)
が提供される。
本発明によれば、耐摩耗性、耐久性に優れ、画像濃度ムラ、画像ボケを抑制する感光体を提供できる。
図1は、本発明の感光体の層構成の一例の断面図である。 図2は、本発明の感光体の層構成の他の例の断面図である。 図3は、本発明に係る画像形成装置の例を説明するための概略図である。 図4は、本発明に係る画像形成装置の他の例を説明するための概略図である。 図5は、本発明に係る画像形成装置の更に他の例を説明するための概略図である。 図6は、本発明に係る画像形成装置の更に他の例を説明するための概略図である。 図7は、本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図8は、本実施の形態に係るチタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルの例である。
[感光体の簡単な構成]
本発明に係る感光体は、導電性支持体上に感光層を有し、かつ、該感光層の表面は、下記で詳細に説明する架橋表面層を有していれば、特に限定されない。例えば、必要に応じて、保護層、中間層及び/又はその他の層を有しても良い。
≪単層型感光層≫
図1に、本発明に係る感光体の層構成の一例の断面図を示す。図1では、感光体1Aは、導電性支持体101と、導電性支持体101上に電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む感光層102が設けられている。また、感光層102の表面上には、架橋表面層103が設けられている。
≪複層型感光層≫
図2に、本発明に係る感光体の層構成の他の例の断面図を示す。図2では、感光体1Bは、導電性支持体101と、導電性支持体101上に電荷発生物質を含む電荷発生層104及び電荷輸送物質を含む電荷輸送層105と、が積層されている。また、感光体1Bの電荷輸送層105の上には、架橋表面層103が設けられている。つまり、感光層が電荷発生層104及び電荷輸送層105に機能分離されたタイプである。また、感光体1Bは、必要に応じて、下引き層、中間層、その他の層を有しても良い。さらに、電荷発生層及び電荷輸送層は、逆の順番で積層しても良い。
[導電性支持体]
感光体における支持体は、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、特に制限はなく、目的に応じて当業者が適宜選択することができる。
支持体の材料としては、具体的には、Al、Ni、Cr、Cu、Au、Ag、Pt等の金属、またはそれらの合金(例えばニクロム);酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状或いは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの;アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板又はそれらを押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管など等が挙げられる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも使用できる。
この他にも、例えば、厚み50μm〜150μmのニッケル箔でもよく、厚み50μm〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウム蒸着等の導電加工を行ったものも使用できる。さらに、前述の導電性支持体上に、下記で挙げる導電性粉体を結着樹脂に分散して塗工したものを使用しても良い。
導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉;導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体;などが挙げられる。また、結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の、熱可塑性、熱硬化性又は光硬化性樹脂が挙げられる。
導電性粉体を結着樹脂に分散して塗工する方法としては、前述の導電性粉体及び結着樹脂を例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶媒に分散して塗布することにより形成することができる。
他にも、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの円筒基体上に、前述の導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けて、導電性支持体としても良い。
[感光層]
次に、感光層について説明する。感光層は、前述の通り、電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む単層型感光層でも、電荷発生層と電荷輸送層とで構成される複層型感光層でも構わない。ここでは、複層型感光層について先に説明する。
≪電荷発生層》
電荷発生層は、電荷発生物質及びバインダー樹脂を主成分として含有する層であり、その他の成分(例えば、溶媒、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル)を含んでも良い。
電荷発生物質としては、特に限定されないが、有機材料としては例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、等が挙げられる。他にも、無機材料の電荷発生物質を使用しても良く、例えば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル化合物、セレン−テルル−ハロゲン化合物、セレン−ヒ素化合物、等が挙げられる。電荷発生物質は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
電荷発生層は、上述の電荷発生物質を、必要に応じてバインダー樹脂(結着樹脂)と共に、下記に一例を挙げる溶媒中に分散し、分散液を導電性支持体上に塗布、乾燥して形成することができる。分散方法としては、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散することができる。また、分散液の塗布方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビートコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法等の方法を用いることができる。
電荷発生層に含まれるバインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルベンザール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、等が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
バインダー樹脂の含有量としては、電荷発生物質100質量部に対して、通常0〜500質量部、好ましくは10〜300質量部である。なお、バインダー樹脂は、電荷発生物質の分散前に又は分散後に行っても良い。
電荷発生物質を分散するための溶媒としては、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロルベンゼン、ジクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロインなどが挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく使用することができる。なお、上述の溶媒は、1種類単独で使用しても良く、2種類以上を混合して使用しても良い。
光感度などの電子写真特性は、電荷発生層の膜厚に大きく依存する。そのため、電荷発生層の膜厚は、通常、0.01〜5μmであり、好ましくは0.1〜2μmである。
《電荷輸送層》
電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分として含有する層であり、その他の成分(例えば、可塑剤、酸化防止剤)を含んでも良い。
電荷輸送層中の、電荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、30〜200質量部であることが好ましい。電荷輸送物質の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対して30質量部より少ない場合、残留電位が上昇するなどといった、感光体の電気特性が悪化することがある。一方、電荷輸送物質の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対して200質量部を超える場合、感光体の耐磨耗性等の機械特性が悪化することがある。
電荷輸送物質の正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
電荷輸送物質の電子輸送物質としては、例えば、フルオレン系化合物、キノン系化合物を使用することができ、これらは1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用しても良い。
電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂、等が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解又は分散させた塗布液を電荷発生層上に塗布することにより形成することができる。塗布液の塗工方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビートコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法等を使用することができる。
電荷輸送物質を溶解又は分散させるための溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロルメタン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、等が用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
電荷輸送層の膜厚は、通常、50μm以下であり、解像度、応答性などの観点から、好ましくは25μm以下である。なお、電荷輸送層の膜厚の下限は、使用するシステムによっても異なるが、帯電電位等の観点から、通常5μm以上である。
次に、単層型感光層の場合(図1参照)について、説明する。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分として含み、その他の層(例えば、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤)を含んでも良い。
単層型感光層の形成方法としては、電荷発生物質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を、溶媒に溶解又は分散して、これを塗布、乾燥することで形成することができる。なお、電荷発生物質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂としては、複層型感光層で挙げた同様の材料を使用することができる。なお、単層型感光層は、電荷輸送物質として、前述の電子輸送物質を併用することが、感光層の高感度化を達成できるため好ましい。
単層型感光層において、電荷発生物質の含有量は、感光層全体の質量に対して、通常0.1〜30質量%であり、好ましくは0.5〜5質量%である。電荷発生物質の含有量が、感光層全体の質量に対して0.1質量%未満の場合、感光体の感度が低下することがある。一方、電荷発生物質の含有量が、感光層全体の質量に対して30質量%を超える場合、感光体の帯電性や、感光体の各種膜強度が低下することがある。
また、電荷輸送物質(電子輸送物質)の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、30〜200質量部であることが好ましい。
単層型感光層の膜厚は、通常、50μm以下であり、解像度、応答性などの観点から、好ましくは25μm以下である。なお、電荷輸送層の膜厚の下限は、使用するシステムによっても異なるが、帯電電位等の観点から、通常5μm以上である。
[架橋表面層]
本発明の架橋表面層は、重合性化合物を含む組成物を、架橋硬化などを施すことにより形成した硬化膜である。また、本発明の架橋表面層は、電荷輸送性化合物(好ましい一般式については後述する)と、オキサゾール化合物(好ましい一般式については後述する)又はナフトキノン化合物(好ましい一般式については後述する)と、を更に含有する。電荷輸送性化合物、オキサゾール化合物、ナフトキノン化合物、重合性化合物を含む組成物などの具体的な構造などは後述する。
重合性化合物を含む組成物(好ましくは、後述する電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と、後述する電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物と、を含む組成物)を、架橋硬化などを施すことにより形成した硬化膜は、3次元網目構造となり、十分な機械的強度を有する。特に、後述する電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と、後述する電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物と、を含む組成物により形成された硬化膜の場合、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物は、3次元網目構造の中にペンダント型にぶら下がった構造を形成する。そのため、2官能以上のラジカル重合性化合物を使用した場合と比較して、重合後の化合物の自由度が大きくなる。それにより、化合物の立体ひずみが緩和され、さらに、良好な静電特性を達成することができる。
しかしながら、3次元網目構造は、使用される組成物などによっては、架橋密度が低下し、3次元網目構造内部に空隙が生じることがある。生じた空隙は、架橋膜のガス透過性を高める、即ち、架橋膜のガスバリア性が悪化することがある。そこで本発明では、架橋表面層に、後述する電荷輸送性化合物を含有させる。後述する電荷輸送性化合物は、架橋膜の空隙を減少させ、ガスバリア性を向上させることができる。
後述する電荷輸送性化合物を添加した架橋表面層は、例えば電子線や放射線などの光照射時に、化合物が分解し、ガスバリア性や電気的安定性が低下することがある。そこで、本発明では、架橋表面層に更に、後述するオキサゾール化合物又はナフトキノン化合物を含有させる。後述するオキサゾール化合物又はナフトキノン化合物は、架橋表面層の他の化合物の分解を抑制し、かつ、架橋表面層の電荷トラップを低減することができる。後述するオキサゾール化合物又はナフトキノン化合物による、架橋表面層のガスバリア性の改良により、印刷経時での感光体への放電生成物の蓄積量を小さくすることができる。また、画像流れなどの異常画像が低減される。さらに、電気的安定性の改良により、印刷経時での電位変動や印刷物面内の電位変動をより小さくすることができ、印刷経時での画像濃度変動や印刷物の面内濃度ムラの少ない高画質な画像出力が可能になる。即ち、耐摩耗性、耐久性に優れ、画像濃度ムラ、画像ボケを抑制する感光体を得ることができる。
次に、電荷輸送性化合物、オキサゾール化合物、ナフトキノン化合物、重合性化合物を含む組成物の構造などについて説明する。
《電荷輸送性化合物》
本発明の架橋表面層に含有される電荷輸送性化合物としては、下記一般式(1)で示される電荷輸送性化合物が挙げられる。
Figure 0005910040
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換基により置換されていても良いアルキル基、又は、置換基により置換されていても良いアリール基であり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又は置換基により置換されていても良いアルキル基である。また、k、l、m及びnは、それぞれ独立に、1、2、3又は4の整数である。但し、R、R、R及びRが全て水素原子である場合は除く。)
一般式(1)で示される電荷輸送性化合物の具体例を、表1に示す。
Figure 0005910040
一般式(1)より明らかであるように、一般式(1)で示される電荷輸送性化合物は、架橋反応を示す官能基を有さない。また、一般式(1)で示される電荷輸送性化合物は、後述する電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物(好ましくは、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物)と同様に、トリアリールアミン構造を有する。そのため、架橋膜との相溶性が良く、3次元網目構造となる架橋表面層中に分散される。光架橋などによって形成される架橋膜は、その架橋形成反応の速度が速いため、一般的に、3次元網目構造に多くの空隙が生じ、膜密度が低くなる傾向がある。しかしながら、トリアリールアミン構造を有する電荷輸送機能を有する化合物が、3次元網目構造の空隙を埋めるため、ガス透過性が減少し、架橋表面層のガスバリア性を向上させることができる。
《オキサゾール化合物》
本発明の架橋表面層に含有されても良いオキサゾール化合物としては、下記一般式(2)又は一般式(3)で示されるオキサゾール化合物が挙げられる。
Figure 0005910040
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはビニレン基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基、又は、2,5−チオフェンジイル基である。)
ここで、R及びRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、等を挙げることができる。Xの炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基としては、o−フェニレン基、p−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、1,4−アントラセンジイル基、4,4'−ビフェニルジイル基、4,4'−スチルベンジイル基、等を挙げることができる。
Figure 0005910040
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立に、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基であり、Yは炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。)
ここで、Ar及びArの、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等の芳香族炭化水素基、等を挙げることができる。また、Yの炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基としては、o−フェニレン基、p−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、1,4−アントラセンジイル基、4,4'−ビフェニルジイル基、4,4'−スチルベンジイル基、等を挙げることができる。
本発明で使用できるオキサゾール化合物の具体例を表2に示すが、本発明はこれらの化合物に限定されない。
Figure 0005910040
オキサゾール化合物の含有量は、架橋表面層中の電荷輸送物質(前述の《電荷輸送性化合物》及び後述する<電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物>)に対して、質量比で0.005以上0.1以下であることが好ましい。オキサゾール化合物の含有量が、架橋表面層中の電荷輸送物質に対して、質量比で0.005未満の場合、電荷輸送物質の紫外線劣化を抑制する効果が低下することがある。一方、オキサゾール化合物の含有量が、架橋表面層中の電荷輸送物質に対して、質量比で0.1を超える場合、感光体の感度特性が悪化することがある。より具体的に説明すると、オキサゾール化合物は、電荷輸送機能を有さないため、架橋表面層中に過剰に添加すると、相対的に電荷輸送物質の含有量が低下する。そのため、架橋表面層中の電荷輸送機能が低下し、感光体の感度が低下することがある。また、オキサゾール化合物の過剰添加は、架橋密度を低下させることにもなるため、感光体の機械的強度が低下し、耐摩耗性が悪化することがある。したがって、オキサゾール化合物の含有量は、架橋表面層中の電荷輸送物質に対して、質量比で0.005以上0.1以下、好ましくは0.01以上0.08以下の範囲で添加することが、電荷トラップの発生を抑制する効果と、耐摩耗性とを両立できるため、好ましい。
《ナフトキノン化合物》
本発明の架橋表面層に含有されても良いナフトキノン化合物としては、特に限定されない。
ナフトキノン化合物は、酸化クロムなどの酸化剤によるナフタレンの酸化反応、ナフトール又はナフチルアミンの酸化反応、ベンゾキノンとブタジエン誘導体とのDiels−Alder反応などの公知の方法により、合成することができる。また、ハロゲン化ナフトキノンは、塩素や臭素により、キノン環に導入することができる。さらに、ナフトキノン化合物のキノン環に、エーテル基やチオエーテル基が置換した化合物は、例えば、特開平10−251194号公報などに記載された方法で合成することができる。
他にも、特開平10−251206号公報、特開平10−324658号公報、特開2001−13701号公報、特開2002−121167号公報、特開2006−36647号公報、特開2006−36677号公報などに記載された、ナフトキノン構造が複数個結合された化合物を好ましく使用することができる。
本発明で使用できるナフトキノン化合物の具体例を表3及び表4に示す。
Figure 0005910040
Figure 0005910040
この中でも、下記一般式(4)で示されるナフトキノン化合物を使用することが好ましい。一般式(4)で示されるナフトキノン化合物を使用することにより、有機材料の結晶化、LUMOレベル及びLUMO/HOMOのバンドギャップを容易に制御することができる。一般式(4)で示されるナフトキノン化合物は、例えば、特開平9−151157号公報に記載の方法により、効率よく合成することができる。
Figure 0005910040
(式中、Rは、置換基により置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基又は置換基により置換されていても良いフェニル基であり、R10は、置換基により置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基、置換基により置換されていても良いフェニル基、−O−R11で表される基であり、R11は、置換基により置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基、置換基により置換されていても良いベンジル基、置換基により置換されていても良いフェネチル基、置換基により置換されていても良いフェニル基である。)
ナフトキノン化合物の含有量は、架橋表面層中の電荷輸送物質(前述の《電荷輸送性化合物》及び後述する<電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物>)に対して、質量比で0.005以上0.1以下であることが好ましい。ナフトキノン化合物の含有量が、架橋表面層中の電荷輸送物質に対して、質量比で0.005未満の場合、電荷輸送物質の紫外線劣化を抑制する効果が低下することがある。一方、ナフトキノン化合物の含有量が、架橋表面層中の電荷輸送物質に対して、質量比で0.1を超える場合、感光体の感度特性が悪化することがある。より具体的に説明すると、ナフトキノン化合物は、電荷輸送機能を有さないため、架橋表面層中に過剰に添加すると、相対的に電荷輸送物質の含有量が低下する。そのため、架橋表面層中の電荷輸送機能が低下し、感光体の感度が低下することがある。また、ナフトキノン化合物の過剰添加は、架橋密度を低下させることにもなるため、感光体の機械的強度が低下し、耐摩耗性が悪化することがある。したがって、ナフトキノン化合物の含有量は、架橋表面層中の電荷輸送物質に対して、質量比で0.005以上0.1以下、好ましくは0.01以上0.08以下の範囲で添加することが、電荷トラップの発生を抑制する効果と、耐摩耗性とを両立できるため、好ましい。
《重合性化合物を含む組成物》
本発明の架橋表面層は、重合性化合物を含む組成物を、架橋硬化などを施すことにより形成した硬化膜である。
重合性化合物を含む組成物としては、電荷輸送機能を有さないラジカル重合性化合物と、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物と、を含む組成物であることが好ましく、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物と、を含む組成物であることがより好ましい。
<電荷輸送機能を有さないラジカル重合性化合物>
電荷輸送機能を有さないラジカル重合性化合物としては、架橋表面層の成膜性、感光体の耐摩耗性などの観点から、3官能以上のラジカル重合性化合物であることが好ましい。
電荷輸送性を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物とは、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造又は縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等の電子吸引性基により置換されている芳香族環等の電子輸送性構造を有しておらず、ラジカル重合性官能基を3個以上有する化合物を意味する。また、ラジカル重合性基とは、炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合することが可能な基を意味する。
ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基などが挙げられる。
1−置換エチレン官能基としては、例えば、一般式
CH=CH−X
(式中、Xは、置換基により置換されていてもよいアリーレン基、置換基により置換されていてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、一般式
−CON(R12)−基
(式中、R12は、水素原子、アルキル基、アラルキル基又はアリール基である。)
で表される基又はチオ基である。)
で表される基が挙げられる。
におけるアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。また、Xにおけるアルケニレン基としては、ビニレン基等が挙げられる。
また、R12におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。また、R12におけるアラルキル基としてはベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等が挙げられる。さらに、R12におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
1−置換エチレン官能基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
1,1−置換エチレン官能基としては、下記一般式
CH=C(Y)−X
(式中、Xは、上記Xに記載されている基、単結合又はアルキレン基であり、Yは、置換基により置換されていてもよいアルキル基、置換基により置換されていてもよいアラルキル基、置換基により置換されていてもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、一般式
−COOR13
(式中、R13は、水素原子、置換基により置換されていてもよいアルキル基、置換基により置換されていてもよいアラルキル基、置換基により置換されていてもよいアリール基)
で表される基、又は、一般式
−CONR1415
(式中、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基により置換されていてもよいアルキル基、置換基により置換されていてもよいアラルキル基、又は、置換基により置換されていてもよいアリール基)
で表される基である。)
この時、Y、Xのいずれか一方が、オキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、又は芳香族環であることが好ましい。
1,1−置換エチレン官能基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。また、アルコキシ基としてはメトキシ基又はエトキシ基等が挙げられ、アラルキル基としてはベンジル、ナフチルメチル基、又はフェネチル基等が挙げられる。さらに、アルキル基としてはメチル基、エチル基等が挙げられる。
1,1−置換エチレン官能基の具体例としては、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、X、X、Y、R13、R14及びR15における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性基において、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を有することが好ましい。3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば、水酸基がその分子中に3個以上ある化合物、アクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。
電荷輸送性を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−ヘトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート、等が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用しても使用しても良い。
電荷輸送性を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物は、官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が250以下であることが好ましい。官能基数に対する分子量の割合を250以下とすることにより、架橋表面層中に緻密な架橋結合を形成することができる。一方、官能基数に対する分子量の割合が250を超える場合、架橋表面層が柔らかくなり、耐摩耗性が悪化することがある。即ち、上述した具体的な化合物においては、HPA、EO又はPO等の変性基を有する化合物においては、官能基数に対する分子量の割合が250以下となるように、変性基を選択する。
また、架橋表面層に用いられる電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の、電荷輸送物質(《電荷輸送性化合物》及び(電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物))に対する質量比が0.25以上0.4以下、好ましくは0.5以上2.0以下である。モノマー成分が0.25未満の場合、架橋表面層の3次元架橋結合密度が少なく、耐摩耗性向上の効果が十分に達成されないことがある。また、電荷輸送物質に対する質量比が4.0を超える場合、電荷輸送性化合物の含有量が相対的に低下するため、電気的特性が悪化することがある。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるが、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の、電荷輸送物質に対する質量比が0.5以上2.0以下とすることにより、耐磨耗性と電気的特性を両立できるため好ましい。
<電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物>
電荷輸送性機能を有するラジカル重合性化合物とは、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、又は、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基などの電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有し、かつ、ラジカル重合性官能基を有する化合物を意味する。ラジカル重合性官能基としては、前述のラジカル重合性化合物で挙げたものと同様であるが、アクリロイルオキシ基、メタクリロイウオキシ基であることが好ましい。
本発明の電荷輸送性機能を有するラジカル重合性化合物は、感光体の電気的安定性の観点から、電荷輸送性構造を有する一官能のラジカル重合性化合物であることが好ましい。なかでも、静電特性などの観点から、トリアリールアミン構造を有し、かつ、1個のラジカル重合性官能基を有する化合物が好ましい。
ラジカル重合性官能基としては、下記一般式(5)で示される化合物を使用することが、感光体の感度及び残留電位等の電気的特性が良好となり、好ましい。
Figure 0005910040
(式中、o、p及びqは、それぞれ独立に、0、1又は2の整数であり、Raは水素原子又はメチル基であり、Rb及びRcは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、複数の場合は各々が異なるアルキル基で良く、s及びtは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、−CHCHO−で表される基、−CH(CH)CHO−で表される基、一般式(6)
Figure 0005910040
で表される基である。)
また、本発明で一般式(5)に示す電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物は、3官能以上のラジカル重合性化合物と重合する際に、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合する。そのため、重合後の炭素−炭素間の単結合は末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれる。また、前記単結合は、重合により架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ、主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在する。なお、この架橋鎖には、1つの高分子と他の高分子間との分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋された分子内架橋鎖と、がある。また、主鎖中に存在する場合及び架橋鎖中に存在する場合のいずれの場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基が分岐状となる。これは、トリアリールアミン構造が、主鎖部分に直接結合しておらず、鎖部分からカルボニル基などを介して懸下しているためである。そのため、トリアリールアミン構造は、立体的位置取りに融通性を有する状態で固定され、分子内の構造的歪みが少なくなる。さらに、感光体の架橋表面層として使用された場合、電荷輸送経路を実質的に断絶させることない分子内構造を採りうると推測されるため、好ましい。
本発明の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物の具体例を、表5に示す。
Figure 0005910040
本発明の《電荷輸送性化合物》及び<電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物>で説明した電荷輸送物質は、架橋表面層に電荷輸送機能を付与する役割を果たす。そのため、これらの電荷輸送物質の含有量は、ラジカル重合性化合物に対して、質量比で0.25以上4.0以下であり、好ましくは0.5以上2.0以下である。電荷輸送物質の含有量が、ラジカル重合性化合物に対して、質量比で0.25未満の場合、架橋表面層の電荷輸送性能が充分でない。そのため、感光体の繰り返し使用により、感光体の感度、残留電位上昇などといった、電気特性が低下することがある。また、電荷輸送物質の含有量が、ラジカル重合性化合物に対して、質量比で4.0を超える場合、電荷輸送機能を有さないラジカル重合性化合物(好ましくは、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物)の含有量が低下するため、架橋結合密度が低下し、感光体の耐摩耗性が低下することがある。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるが、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の、電荷輸送物質に対する質量比を0.5以上2.0以下とすることにより、耐磨耗性と電気的特性を両立できるため好ましい。
さらに、《電荷輸送性化合物》で説明した電荷輸送性化合物の含有量は、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物に対して、質量比で0.25以上4.0以下であり、好ましくは0.5以上2.0以下である。電荷輸送性化合物の含有量が、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物に対して、質量比で0.25未満の場合、電荷輸送性化合物の、架橋膜の空隙を埋める効果が十分でなく、感光体のガスバリア性を向上させる効果が十分発揮されないことがある。一方、電荷輸送性化合物の含有量が、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物に対して、質量比で4.0を超える場合、架橋結合密度が低下し、感光体の耐摩耗性が低下することがある。使用されるプロセスによって要求されるガスバリア性や耐摩耗性が異なるが、電荷輸送性化合物の、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物に対する質量比を0.5以上2.0以下とすることにより、ガスバリア性と耐摩耗性を両立できるため好ましい。
《その他の成分》
本発明の架橋表面層は、必要に応じて、その他の成分を含有しても良い。例えば、本発明においては、電荷輸送機能を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物を硬化した架橋表面層が好適に用いられることを説明した。しかしながら、塗工時の粘度調整、架橋表面層の応力緩和、低表面エネルギー化、摩擦係数低減などの機能を付与する目的で、結着樹脂、1官能及び2官能のラジカル重合性化合物及びラジカル重合性オリゴマーなどを併用して使用しても良い。
上記結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂等が挙げられる。
1官能のラジカル重合性化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマー、等が挙げられる。
2官能のラジカル重合性化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート
、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、等が挙げられる。
他の機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレート、等のフッ素原子を置換したモノマー、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報などに記載されたシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレート、等が挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、上述したエポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。但し、1官能及び2官能のラジカル重合性化合物及びラジカル重合性オリゴマーの含有量が多い場合、架橋表面層の3次元架橋結合密度が低下し、感光体の耐摩耗性が低下することがある。そのため、前述のモノマー及びオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性化合物に対して、質量比で0.5以下、好ましくは0.3以下とする。
また、本発明においては、電荷輸送機能を有さないラジカル重合性化合物(好ましくは、3官能以上のラジカル重合性化合物)を架橋重合させたものが使用されるが、架橋反応を効率良く進行させる目的などで、(光)重合開始剤を使用しても良い。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、等のチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、等が挙げられる。これらは1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用しても良い。
また、光重合促進効果を有する化合物を、上述の光重合開始剤と併用して使用しても良い。光重合促進効果を有する化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、等が挙げられる。これらは1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用しても良い。
光重合開始剤及び光重合促進効果を有する化合物の含有量は、ラジカル重合性を有する含有物の総量に対して、質量比で0.005以上0.4以下であり、好ましくは0.01以上0.2以下である。
架橋表面層は、下記で挙げる有機フィラー又は無機フィラーをさらに含むことが好ましい。架橋表面層がフィラーを含むことにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。また、フィラーを含むことにより、架橋表面層の表面に、微細な凹凸が形成される。そのため感光体に潤滑剤が付与されやすくなるため、好ましい。
有機フィラーとしては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アモルファスカーボン等を使用することができる。これらは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。
無機フィラーとしては、特に限定されないが、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の金属酸化物、チタン酸カリウム等を使用することができる。これらは1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用してもよい。
上述のフィラーは、硬度の点から、無機フィラーを使用することが好ましく、無機フィラーの中でも、静電特性の点から、金属酸化物を使用することが好ましい。さらに、金属酸化物の中でも、酸化ケイ素(コロイダルシリカ)、酸化アルミニウム(コロイダルアルミナ)、酸化チタンを使用することが好ましい。
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合、感光体の耐摩耗性や、分散液の分散性が低下することがある。一方、フィラーの平均一次粒径が0.5μmを超える場合、分散液中でフィラーが沈降したり、画像形成装置中での感光体表面へのトナーのフィルミングが発生することがある。
架橋表面層におけるフィラーの含有量は、通常、5〜50質量%であり、5〜30質量%であることが好ましい。架橋表面層中のフィラーの含有量が5質量%未満の場合、感光体の耐摩耗性が低下することがある。一方、架橋表面層におけるフィラーの含有量が30質量%を超える場合、静電特性が低下することがある。また、架橋表面層の光の透過率が低下することがある。
なお、フィラーは、表面処理剤により表面処理されていてもよい。これにより、架橋表面層中のフィラーの分散性を向上させることができる。表面処理剤としては、特に限定されないが、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、シリコーン樹脂、ステアリン酸アルミニウム等を使用することができる。これらは、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用して使用することができる。
表面処理剤の含有量は、通常、フィラーに対して、3〜30質量%であり、5〜20質量%であることが好ましい。表面処理剤の含有量が、フィラーに対して、3質量%未満の場合、架橋表面層中のフィラーの分散性が悪化することがある。一方、表面処理剤の含有量が、フィラーに対して30質量%を超える場合、感光体の静電特性が低下することがある。
[架橋表面層の形成方法]
架橋表面層の形成方法としては、まず、上述した化合物を、下記で詳述する溶媒に溶解乃至分散して塗布液を作成し、これを下地となる層上に塗布、乾燥する。その後、熱や光照射等の外部エネルギーにより、硬化(架橋)反応を開始することにより架橋表面層が形成される。
塗布液は、可塑剤(応力緩和や接着性向上などの目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有さない低分子電荷輸送物質、溶媒等をさらに含んでいても良い。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等が挙げられる。可塑剤の添加量は、通常、塗布液の固形分に対して、20質量%以下であり、10質量%以下であることが好ましい。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマー等が挙げられる。レベリング剤の添加量は、通常、塗布液の固形分に対して、3質量%以下である。
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒等を使用することができる。上述の溶媒は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。ラジカル重合性化合物が液体である場合、これに他の成分を溶解又は分散して塗布しても良いが、必要に応じて上記溶媒で希釈して塗布される。このときの、溶媒による希釈率は、溶解又は分散する組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚などに依存し、当業者が適宜選択することができる。
塗布液を塗布する方法としては、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法又はリングコート法、等が挙げられる。
架橋表面層を架橋する際には、光を照射することが好ましい。光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の紫外光を照射する光源を用いることができるが、可視光を照射する光源を用いてもよい。また、光を照射する際の、ラジカル重合性化合物を含む塗膜の表面の温度は、20〜170℃であることが好ましい。塗膜の表面の温度は、熱媒体を用いて制御することが好ましい。
以下、具体的な化合物の例を挙げて、架橋表面層の形成方法を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、電荷輸送性構造を有さない3官能のラジカル重合性化合物として3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーを、電荷輸送性構造を有する一官能のラジカル重合性化合物として1つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、これらの使用割合は、総質量の比で、例えば3/7〜7/3とすることができる。また、重合開始剤を、上述のアクリレート化合物全量に対して、質量比で例えば0.03以上0.2以下で添加して、さらに溶媒を加えて塗工液を調製する。架橋表面層の下層に、例えば、電荷輸送層としてトリアリールアミン系ドナーを使用し、バインダー樹脂としてポリカーボネートを使用し、架橋表面層をスプレー塗工により形成する場合、塗布液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましく使用することができる。塗布液の溶媒の使用割合は、アクリレート化合物全量に対し、3倍量〜10倍量であることが好ましい。
アルミシリンダー等の支持体上に、例えば、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した塗布液を塗布し、指触乾燥を経て、光照射などにより硬化反応を進行させる。
硬化方法として紫外線照射を行う場合、メタルハライドランプ等を用いることができる。紫外線照射の照度は、50mW/cm以上、1000mW/cm以下であることが好ましい。例えば、700mW/cmの紫外線光を照射する場合、ドラムを回転して全ての面を均一に2分程度照射する。この時、熱媒体等を用いて、表面温度が高くなりすぎないように制御する。
硬化終了後は、残留溶媒を低減するために、100〜150℃で10分〜30分加熱して、感光体を得ることができる。
硬化反応のための加熱又は光照射は、周囲雰囲気の酸素濃度を低くすることが、架橋を促進できるため好ましい。周囲雰囲気の酸素濃度を低くすることにより、酸素によるラジカル重合の阻害を低減できるため、架橋密度が高い架橋表面層を形成することができる。また、スプレーコート法により塗布液を塗布する際及び、指触乾燥する際に、窒素で置換することにより、周囲雰囲気の酸素濃度を低下させることも好ましい。
本発明の感光体における、架橋表面層の厚みは、1〜30μmであることが好ましく、2〜20μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。架橋表面層の厚みが1μmより薄い場合、キャリアが付着する際の、感光体表面へのめりこみ量に対して、架橋表面層膜厚が小さい。そのため、感光体が十分な耐久性を有さないことがある。一方、架橋表面層の厚みが30μmよりも厚い場合、残留電位が上昇することがある。架橋表面層の厚みが1〜30μmの場合、摩耗や傷に対して耐久性を有し、かつ、残留電位の発生が少なくなるため好ましい。
[中間層]
本発明の感光体においては、感光層と架橋表面層との間に中間層を設け手も良い。中間層の主成分は、通常、バインダー樹脂である。中間層に使用できるバインダー樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
中間層の形成法としては、前述で挙げた各種塗布法を使用することができる。
中間層の膜厚としては、通常、0.05〜2μmである。
[下引き層]
下引き層は、接着性の向上、モアレなどの防止、上層の塗工性改良、残留電位の低減などを目的として設けられる。
下引き層は、電荷発生層又は感光層を形成する際に、塗布液が塗布されることを考慮すると、有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが好ましい。例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えても良い。
下引き層は、塗工法などによって形成することができる。
また、下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を用いて、ゾル−ゲル法により形成されている金属酸化物、陽極酸化により形成されている酸化アルミニウム、ポリパラキシリレン(パリレン)、真空薄膜作製法により形成されている酸化スズ(IV)、二酸化チタン、ITO、酸化セリウム等であってもよい。
下引き層の厚さは、通常、0〜5μmである。
[その他の成分]
本発明の感光体において、感度低下、残留電位の上昇の防止などの目的で、電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層、下引き層、中間層などの各層に、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤などを添加しても良い。
≪酸化防止剤≫
酸化防止剤としては、一例として下記のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
(a)フェノ−ル系化合物:
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類、等が挙げられる。
(b)パラフェニレンジアミン類:
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、等が挙げられる。
(c)ハイドロキノン類:
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン、等が挙げられる。
(d)有機硫黄化合物類:
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、等が挙げられる。
(e)有機燐化合物類:
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、等が挙げられる。
≪可塑剤≫
可塑剤としては、一例として下記のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
(a)リン酸エステル系可塑剤:
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、等が挙げられる。
(b)フタル酸エステル系可塑剤:
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、等が挙げられる。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤:
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチル、等が挙げられる。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤:
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチル、等が挙げられる。
(e)脂肪酸エステル誘導体:
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリン、等が挙げられる。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤:
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル、等が挙げられる。
(g)エポキシ可塑剤:
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシル、等が挙げられる。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤:
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート、等が挙げられる。
(i)含塩素可塑剤:
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチル、等が挙げられる。
(j)ポリエステル系可塑剤:
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステル、等が挙げられる。
(k)スルホン酸誘導体:
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミド、等が挙げられる。
(l)クエン酸誘導体:
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシル、等が挙げられる。
(m)その他の可塑剤:
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチル、等が挙げられる。
≪滑剤≫
滑剤としては、一例として下記のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
(a)炭化水素系化合物:
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレン、等が挙げられる。
(b)脂肪酸系化合物:
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、等が挙げられる。
(c)脂肪酸アミド系化合物:
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、等が挙げられる。
(d)エステル系化合物:
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、等が挙げられる。
(e)アルコール系化合物:
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール、等が挙げられる。
(f)金属石けん:
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、等が挙げられる。
(g)天然ワックス:
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウ、等が挙げられる。
(h)その他の滑剤:
シリコーン化合物、フッ素化合物、等が挙げられる。
≪紫外線吸収剤≫
紫外線吸収剤としては、一例として下記のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
(a)ベンゾフェノン系:
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
(b)サルシレート系:
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、等が挙げられる。
(c)ベンゾトリアゾール系:
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
(d)シアノアクリレート系:
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレート、等が挙げられる。
(e)クエンチャー(金属錯塩系):
ニッケル(2,2'チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート、等が挙げられる。
(f)HALS(ヒンダードアミン):
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、等が挙げられる。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置について、図を参照して説明する。本発明の画像形成装置は感光体、感光体を帯電する帯電手段、帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段、感光体に形成されたトナー像を記録媒体に転写させる転写手段を有する。また、本発明の画像形成装置は、必要に応じて、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段といった、その他の手段を有しても良い。
≪第1の実施形態≫
図3に、本発明に係る画像形成装置の感光体周辺の構成を説明するための概略図を示す。本発明の画像形成装置100は、感光体1Cを有する。感光体1は、上述した本発明に係る感光体である。感光体1は、図1においてドラム状の形状をしているが、シート状、エンドレスベルト状などの他の形状であっても良い。
図3に示す実施形態においては、ドラム状の感光体1Cが、不図示の駆動手段により、図中反時計周りに回転させられ、感光体1周辺に設けられた各手段により、画像が形成される。以下、画像が形成される、電子写真方法の各工程及び各手段について、説明する。
<帯電手段、帯電工程>
帯電工程では、帯電手段として帯電チャージャ3により、感光体1C表面が一様に帯電される。帯電チャージャ3は、感光体1Cや現像用のトナーの特性に応じて、従来公知のものを使用することができ、感光体1C表面を所定の極性(正帯電又は負帯電)の所定の電位に帯電する。
帯電チャージャ3の具体例としては、例えば、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ、等が挙げられる。
<画像露光手段、画像露光工程>
画像露光工程では、画像露光手段として画像露光部5により、一様に帯電した感光体1Cの表面に静電潜像が形成される。
画像露光部5の具体例としては例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)、等が挙げられ、この中でも、発光ダイオード又は半導体レーザを用いることが好ましい。また、画像露光の際には、所望の波長域の光を照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター、等の各種フィルターを感光体1Cと画像露光部5との間に配置することが好ましい。
<現像手段、現像工程>
現像工程では、現像手段として現像ユニット6により、感光体1Cの表面に形成された静電潜像が現像される。即ち、現像ユニット6により、静電潜像が現像されて可視像であるトナー画像が形成される。
現像ユニット6は、使用するトナーに応じて、従来公知のものの中から当業者が適宜選択することができる。また、一成分現像方式、二成分現像方式の現像ユニットを使用することができ、さらに、いずれの方式においても、磁性トナー用、非磁性トナー用、のものが使用できる。
<転写手段、転写工程>
転写工程では、感光体1C上に担持されたトナー画像が、感光体1Cの回転に伴い、転写手段として転写チャージャ10にまで搬送される。
転写チャージャ10としては、前述の帯電チャージャ3と同様のものを使用することができるが、図3に示すように、転写チャージャ10と分離チャージャ11を併用したものが好ましい。
また、転写効率を向上させるために、転写チャージャ10の上流側(感光体1Cの回転方向に対して)に、トナー画像をプレチャージする転写前チャージャ7を設けることが好ましい。
転写チャージャ7としては、前述の帯電チャージャ3と同様のものを使用することができる。
一方、感光体1Cと転写チャージャ10とが対向する位置には、記録材としての転写紙9が、レジストローラ8等により、搬送される。これにより、転写紙9の所望の位置に、トナー画像が転写される。そして、感光体1C上のトナー画像と転写紙9とが対向した位置で、転写チャージャ10により、トナー画像が転写紙9に転写される。
なお、トナー画像が転写された転写紙9は、感光体1Cに伴って回転することで、分離爪12に到達する。分離爪12において、感光体1Cの表面から転写紙9が分離され、搬送、定着の工程を経て、画像形成装置外に排出される。なお、搬送、定着などの工程は、従来の工程を使用できるため、ここでは説明しない。
<クリーニング手段、クリーニング工程>
クリーニング工程では、転写チャージャ10による転写及び分離爪12による転写紙9の分離の後の、感光体1Cの表面を、クリーニング手段によりクリーニングする。具体的には、転写紙9に転写しきれなかったトナー画像(転写残トナー及び紙粉の付着物など)をクリーニングする。
クリーニング手段としては、ファーブラシ14、クリーニングブレード15等を使用できる。他にも、マグファーブラシ等の、従来公知のクリーニング手段を使用することができる。
なお、クリーニング効率を向上させるために、クリーニング手段に供する前にクリーニング前チャージャ13によりプレチャージしても良い。クリーニング前チャージャ13としては、前述の帯電チャージャ3と同様のものを使用することができる。
<除電手段、除電工程>
除電工程では、クリーニング手段により表面から付着物が取り除かれた感光体1Cの表面を、除電手段として除電ランプ2の光照射により、除電する。
この一連の電子写真方法による画像形成プロセスを繰り返すことで、複数の記録材に画像形成することができる。
除電手段としては従来公知のものを適用可能であり、例えば、前述の画像露光部5と同様のものを使用することができる。
以上説明した一連の電子写真方法による画像形成プロセスでは、感光体1Cに正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体1C表面上に正(負)の静電潜像が形成される場合について説明した。この場合、負(正)極性のトナー(検電微粒子)を用いて現像することでポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーを用いて現像することで、ネガ画像が得られる。感光体1Cの帯電極性や、現像に用いられるトナーの極性は、当業者が適宜選択することができるものである。
また、画像露光部5で使用される光源は、転写工程、除電工程、クリーニング工程又は前露光などの、他の工程でも使用することができる。
≪第2の実施形態≫
図4に、本発明に係る画像形成装置の他の例を説明するための概略図を示す。
感光体1Dは、上述した本発明に係る感光体である。感光体1Dは、駆動ローラ22a,22bにより駆動され、帯電手段として帯電器23による帯電、画像露光手段として光源24による画像露光、図示しない現像手段による現像、転写手段として転写チャージャ25による転写、光源26によるクリーニング前露光、クリーニング手段としてクリーニングブラシ27によるクリーニング、除電手段として光源28による除電、が繰返し行われる。各々の手段は、図4に図示したものに限らず、上述した他の手段を使用することができる。
図4においては、感光体1Dの図示しない導電性支持体側から、クリーニング前露光、画像露光、除電光、等の、光照射が行われても良く、図示しない感光層側から光照射が行われても良い。前者の場合、導電性支持体は、透光性の材料から構成される。
≪第3の実施形態≫
図5に、本発明に係る画像形成装置の更に他の例を説明するための概略図を示す。図5の画像形成装置100は、上述した本発明に係る感光体1Eを有する。図5において、感光体1Eは、ドラム状であり、例えば図5中、反時計回りに回転駆動される。感光体1Eの表面は、帯電手段として帯電チャージャ53によって一様帯電された後、図示しない画像露光手段からのレーザ光Lの走査を受け、静電潜像を担持する。
画像露光手段からのレーザ光Lの走査は、フルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した、単色の画像情報に基づいて行われる。そのため、感光体ドラム1E上には、イエロー、マゼンタ、シアン又はブラックの、単色の静電潜像が形成される。
また、感光体1Eの、図5中左側には、リボルバ現像ユニット50が配設されている。リボルバ現像ユニット50は、回転するドラム状の筺体の中に、現像手段であるイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有する。そして、リボルバ現像ユニット50の回転によって、各現像器を感光体ドラム56に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを有し、静電潜像を現像する。
感光体ドラム1E上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成される。さらに、リボルバ現像ユニット50の各現像器によって、各々の静電潜像が順次現像されて、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
現像位置に対して感光体1Eの回転下流側には、中間転写ユニットが配設される。中間転写ユニットは、張架ローラ59a、転写手段として中間転写バイアスローラ57、二次転写バックアップローラ59b、ベルト駆動ローラ59cによって張架している中間転写ベルト58を、ベルト駆動ローラ59cの回転駆動によって図5中時計回りに無端移動させる。感光体ドラム1E上で現像されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像は、感光体1Eと中間転写ベルト58とが接触する中間転写ニップに進入する。そして、中間転写バイアスローラ57からのバイアスの影響を受けながら、中間転写ベルト58上に重ね合わせて中間転写(一次転写)され、4色重ね合わせトナー像となる。
回転に伴って中間転写ニップを通過した感光体1Eの表面は、クリーニング手段としてドラムクリーニングユニット55によって転写残トナーがクリーニングされる。
ドラムクリーニングユニット55は、前述のクリーニング手段で挙げた、ファーブラシ、マグファーブラシ等からなるクリーニングブラシや、クリーニングブレード、等を使用しても良い。
転写残トナーがクリーニングされた感光体ドラム56表面は、除電手段である除電ランプ54によって除電される。除電ランプ54には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等が用いられている。
また、例えばレーザ光学装置の光源から発せられる光は、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター、等の各種フィルターにより、所望の波長域だけを用いる構成であっても良い。
図示しない給紙カセットから送られてきた記録材である転写紙60を、2つのローラ間に挟み込んでいるレジストローラ対61は、転写紙60を、中間転写ベルト58上の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせるよう、中間転写ベルト58と転写ベルト62とが接触する二次転写ニップに向けて送り込む。中間転写ベルト58上の4色重ね合わせトナー像は、二次転写ニップ内で二次転写手段である紙転写バイアスローラ63からの二次転写バイアスの影響を受けて、転写紙60上に一括して二次転写される。二次転写により、転写紙60上には、フルカラー画像が形成される。
フルカラー画像が形成された転写紙60は、転写ベルト62によって搬送ベルト64に送られる。搬送ベルト64は、転写ユニットから受け取った転写紙60を、定着ユニット65内に送り込む。定着ユニット65は、送り込まれた転写紙60を加熱ローラとバックアップローラとの当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。転写紙60上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受け、転写紙60上に定着される。
図5では図示を省略しているが、転写ベルト62及び搬送ベルト64には、転写紙60を吸着させるためのバイアスが印加されている。また、転写紙60を除電する紙除電チャージャや、各ベルト(中間転写ベルト58、転写ベルト62、搬送ベルト64)を除電する3つのベルト除電チャージャが配設されている。また、中間転写ユニットは、ドラムクリーニングユニット55と同様の構成のベルトクリーニングユニットを備えている。ベルトクリーニングユニットにより、中間転写ベルト58上の転写残トナーをクリーニングする。
つまり、本実施の形態では、中間転写体に転写する転写手段に加えて、中間転写手段を備える。転写手段により、前記感光体上に形成されたトナー画像を、前記中間転写体に一次転写する。続けて、中間転写手段により、中間転写体上の画像を記録材上に二次転写する。また、記録材上に二次転写される画像が、複数色のトナーからなるカラー画像である場合、転写手段により、中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて、画像を形成し、続けて、中間転写手段により、中間転写体上の画像を記録材上に一括で二次転写する。
≪第4の実施形態≫
図6に、本発明に係る画像形成装置の更に他の例を説明するための概略図を示す。
本実施の形態は、中間転写ベルと87を有するダンデム方式の画像形成装置である。図6の画像形成装置100は、上述した本発明の感光体1Fを有する。ドラム状の感光体1Fは、各色用の感光体1F、1F、1F、1Fを備えている。また、現像手段82、クリーニング手段85、除電手段83、感光体1Fを、一様帯電させる帯電手段84、バイアスローラ86も、各々、各色用のものを備えている。
なお、前述した実施形態の画像形成装置では、ドラムを一様に帯電する帯電手段として、帯電チャージャ53を設けていたが、本実施の形態では帯電ローラ84を設けている。また、中間転写ベルト87をクリーニングするためのベルトクリーニングユニットとして、ファーブラシ94が配設されている。
さらに、レジストローラ対88、記録材としての紙89、二次転写手段としての紙転写バイアスローラ90、転写ベルト91、搬送ベルト92及び定着ユニット93が配設されている。これらは各々、前述した実施形態で使用したものを、同様に使用することができる。
タンデム方式の画像形成装置を使用することで、各色の潜像形成(画像露光工程)や現像を並行して行うことができるため、前述したリボルバ方式の画像形成装置を使用した場合と比して、画像形成速度を高速化できるため好ましい。
[プロセスカートリッジ]
以上に示した画像形成装置は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込んで使用する構成であっても良いし、プロセスカートリッジの形で、上述の装置内に組み込む構成であっても良い。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の感光体を内蔵し、更に、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段の少なくとも1つの手段を含む。
図7に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジの形状等は、多種多様であり、図7に示す形状に限定されない。
図7に示すプロセスカートリッジは、一例として、感光体1Gと、帯電手段としての帯電チャージャ17と、画像露光手段としての画像露光部19と、現像手段としての現像ローラ20と、クリーニング手段としてのクリーニングブラシ18と、を備える。
本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置は、本発明の感光体を備えるため、長期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有する。また、画像濃度低下、画像ボケなどの発生による画像劣化を抑制することができる。さらに、露光部電位の日内変動のみならず、Job内変動を抑制することができ、高画質画像が安定に得られる。したがって、電子写真複写機、レーザビームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザ製版等の電子写真応用分野にも広く適用することができる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、実施例で示される部は全て質量部を指す。
[実施例1]
≪下引き層用塗布液Aの調製≫
下記に示す材料を混合することで、下引き層用塗布液Aを調製した。
二酸化チタン粉末タイベークCR−EL(石原産業社製) 400部、
メラミン樹脂スーパーベッカミンG821−60(DIC社製) 65部、
アルキッド樹脂ベッコライトM6401−50(DIC社製) 120部、
2−ブタノン 400部、
を使用した。
≪電荷発生層用塗布液Bの調製≫
下記に示す材料を混合することで、電荷発生層用塗布液Bを調製した。
チタニルフタロシアニン 8部、
ポリビニルブチラールのエスレックBX−1(積水化学工業社製) 5部、
2−ブタノン 400部、
を使用した。
なお、図8に、使用したチタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルの例を示す。
≪電荷輸送層用塗布液Cの調製≫
下記に示す材料を混合することで、電荷輸送層用塗布液Cを調製した。
ポリカーボネートのZポリカ(帝人化成社製) 10部、
構造式(1)に示す電荷輸送物質 9部、
Figure 0005910040
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
≪架橋表面層用塗布液Dの調製≫
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液Dを調製した。
構造式(2)に示す電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物(SR355 サートマー社製) 10部、
Figure 0005910040
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.1の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.12の例示化合物 5部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(6)の化合物 0.5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
≪感光体の製造≫
アルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗布液A、電荷発生層用塗布液B及び電荷輸送層用塗布液Cを、浸漬塗工法により順次塗布した後、乾燥した。これにより、厚さ3.5μmの下引き層、厚さ0.2μmの電荷発生層及び厚さ23μmの電荷輸送層を積層できた。
次に、得られた積層物に対して、架橋表面層用塗布液Dを窒素気流中でスプレー塗工後、10分間窒素気流中に放置して、指触乾燥した。
その後、酸素濃度が2%以下となるようにブース内を窒素ガスで置換した紫外線光照射ブースにて、
メタルハライドランプ:160W/cm、
照射距離:120mm、
照射強度:700mW/cm
照射時間:60秒、
の条件で光照射を行った。
さらに、130度で20分乾燥することで、5μmの表面架橋層を設け、実施例1の感光体を得た。
[実施例2]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の感光体を得た。
構造式(3)に示す電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物(KAYARAD DPCA−120 日本化薬社製) 10部、
Figure 0005910040
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.3の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.12の例示化合物 5部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(4)の化合物 1部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例3]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の感光体を得た。
構造式(4)に示す電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物(KAYARAD TMPTA 日本化薬社製) 10部、
Figure 0005910040
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.2の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 5部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(12)の化合物 5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例4]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(3)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.1の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.13の例示化合物 5部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(7)の化合物 8部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例5]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5の感光体を得た。
構造式(3)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(4)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.2の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.12の例示化合物 5部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(10)の化合物 10部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例6]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例6の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(4)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.2の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.13の例示化合物 5部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(1)の化合物 0.5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例7]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例7の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 16部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.3の例示化合物 1部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 4部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(6)の化合物 0.5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化チタン微粒子(CR97:石原産業製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例8]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例8の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 12部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.3の例示化合物 3.2部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.13の例示化合物 4.8部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(6)の化合物 0.5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、フッ素樹脂粒子(MPE−056、三井デュポンフロロケミカル社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例9]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例9の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 8部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.1の例示化合物 7.2部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.12の例示化合物 4.8部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(6)の化合物 0.5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例10]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例10の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 4部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.1の例示化合物 12.8部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 3.2部、
オキサゾール化合物として、表2に示す(6)の化合物 0.5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例11]
架橋表面層用塗布液Dにおける、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物、電荷輸送性化合物を下記の材料に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例11の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(5)に示す電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物(SR349 サートマー社製) 5部、
Figure 0005910040
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 5部、
に変更した。
[実施例12]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、無機微粒子を含有しない以外は、実施例1と同様の方法により、実施例12の感光体を得た。
[実施例13]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物の含有量を0.3部に変更した以外は、実施例12と同様の方法により、実施例13の感光体を得た。
[実施例14]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物の含有量を12部に変更した以外は、実施例12と同様の方法により、実施例14の感光体を得た。
[実施例15]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を1部、電荷輸送性化合物の含有量を9部に変更した以外は、実施例13と同様の方法により、実施例15の感光体を得た。
[実施例16]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を9部、電荷輸送性化合物の含有量を1部に変更した以外は、実施例13と同様の方法により、実施例16の感光体を得た。
[実施例17]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の含有量を2部、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を16.2部、電荷輸送性化合物の含有量を1.8部に変更した以外は、実施例13と同様の方法により、実施例17の感光体を得た。
[実施例18]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の含有量を18部、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を1.8部、電荷輸送性化合物の含有量を0.2部に変更した以外は、実施例13と同様の方法により、実施例18の感光体を得た。
[実施例19]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物として、表2に示す(2)の化合物に変更した以外は、実施例18と同様の方法により、実施例19の感光体を得た。
[実施例20]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物として、表2に示す(9)の化合物に変更した以外は、実施例18と同様の方法により、実施例20の感光体を得た。
[実施例21]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送性化合物を、構造式(6)に示す電荷輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例21の感光体を得た。
Figure 0005910040
[実施例22]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物を、下記構造式(7)のラジカル重合性化合物(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 和光純薬製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例22の感光体を得た。
Figure 0005910040
[実施例23]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物を、構造式(5)に示したラジカル重合性化合物に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例23の感光体を得た。
[実施例24]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 5部を使用し、
オキサゾール化合物を含有せず、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−1の化合物(和光純薬工業製) 0.5部、
を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例24の感光体を得た。
[実施例25]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例25の感光体を得た。
構造式(3)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物(KAYARAD DPCA−120 日本化薬社製) 10部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.3の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 5部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−3の化合物(和光純薬工業製) 1部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例26]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例26の感光体を得た。
構造式(4)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物(KAYARAD DPCA−120 日本化薬社製) 10部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.2の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.12の例示化合物 5部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−4の化合物(和光純薬工業製) 5部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例27]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例27の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(3)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.1の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.13の例示化合物 5部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−7の化合物 8部、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例28]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例28の感光体を得た。
構造式(3)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(4)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.2の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 5部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−9の化合物 10部(特開平9−151157号公報の合成例6に準じて合成した)、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例29]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例29の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(4)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.2の例示化合物 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.13の例示化合物 5部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−12の化合物 0.5部(特開平9−151157号公報の合成例2に準じて合成した)、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例30]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例30の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 16部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.3の例示化合物 1部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.12の例示化合物 4部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−12の化合物 0.5部(特開平9−151157号公報の合成例2に準じて合成した)、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化チタン微粒子(CR97 石原産業製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例31]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例31の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 12部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.3の例示化合物 3.2部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.13の例示化合物 4.8部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−12の化合物 0.5部(特開平9−151157号公報の合成例2に準じて合成した)、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、フッ素樹脂粒子(MPE−056 三井デュポンフロロケミカル社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例32]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例32の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 8部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.1の例示化合物 7.2部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 4.8部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−12の化合物 0.5部(特開平9−151157号公報の合成例2に準じて合成した)、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例33]
架橋表面層用塗布液Dを、下記の材料を用いて調製した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例33の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 4部、
電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物として、表5に示すNO.1の例示化合物 12.8部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.12の例示化合物 3.2部、
ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−12の化合物 0.5部(特開平9−151157号公報の合成例2に準じて合成した)、
光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、
無機微粒子として、酸化アルミナ(AA05 住友化学社製) 2部、
テトラヒドロフラン 100部、
を使用した。
[実施例34]
架橋表面層用塗布液Dにおける、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物、電荷輸送性化合物を下記の材料に変更した以外は、実施例24と同様の方法により、実施例34の感光体を得た。
構造式(2)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物 5部、
構造式(5)に示した電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物(SR349 サートマー社製) 5部、
電荷輸送性化合物として、表1に示すNO.11の例示化合物 5部、
に変更した。
[実施例35]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、無機微粒子を含有しない以外は、実施例24と同様の方法により、実施例35の感光体を得た。
[実施例36]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、ナフトキノン化合物の含有量を0.3部に変更した以外は、実施例35と同様の方法により、実施例36の感光体を得た。
[実施例37]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、ナフトキノン化合物の含有量を12部に変更した以外は、実施例35と同様の方法により、実施例37の感光体を得た。
[実施例38]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を1部、電荷輸送性化合物の含有量を9部に変更した以外は、実施例36と同様の方法により、実施例38の感光体を得た。
[実施例39]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を9部、電荷輸送性化合物の含有量を1部に変更した以外は、実施例36と同様の方法により、実施例39の感光体を得た。
[実施例40]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の含有量を2部、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を16.2部、電荷輸送性化合物の含有量を1.8部に変更した以外は、実施例36と同様の方法により、実施例40の感光体を得た。
[実施例41]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の含有量を18部、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を1.8部、電荷輸送性化合物の含有量を0.2部に変更した以外は、実施例36と同様の方法により、実施例41の感光体を得た。
[実施例42]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、ナフトキノン化合物として、表3又は表4に示すNQ−1の化合物に変更した以外は、実施例41と同様の方法により、実施例42の感光体を得た。
[実施例43]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物として、表3又は表4に示すNA−7の化合物に変更した以外は、実施例41と同様の方法により、実施例43の感光体を得た。
[比較例1]
架橋表面層を設けず(架橋表面層用塗布液Dを混合せず)、電荷輸送層の厚さを23μmから28μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の感光体を得た。
[比較例2]
架橋表面層用塗布液Dの電荷輸送性化合物を使用せず、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を10部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2の感光体を得た。
[比較例3]
架橋表面層用塗布液Dの電荷輸送性化合物として、構造式(8)の電荷輸送性化合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3の感光体を得た。
Figure 0005910040
[比較例4]
架橋表面層用塗布液Dの電荷輸送性化合物として、構造式(9)の電荷輸送性化合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例4の感光体を得た。
Figure 0005910040
[比較例5]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物を含有させなかった以外は、実施例1と同様の方法により、比較例5の感光体を得た。
[比較例6]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、更にZ−ポリカ(TS2020 帝人製)2部を添加した以外は、比較例5と同様の方法により、比較例6の感光体を得た。
[比較例7]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物を含有させなかった以外は、
比較例2と同様の方法により、比較例7の感光体を得た。
[比較例8]
架橋表面層用塗布液Dの電荷輸送性化合物を使用せず、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量を10部に変更した以外は、実施例24と同様の方法により、比較例8の感光体を得た。
[比較例9]
架橋表面層用塗布液Dの電荷輸送性化合物として、構造式(8)に示した電荷輸送性化合物を用いた以外は、実施例24と同様の方法により、比較例9の感光体を得た。
[比較例10]
架橋表面層用塗布液Dの電荷輸送性化合物として、構造式(9)に示した電荷輸送性化合物を用いた以外は、実施例24と同様の方法により、比較例10の感光体を得た。
[比較例11]
架橋表面層用塗布液Dの電荷輸送性化合物として、構造式(10)に示す電荷輸送性化合物を用いた以外は、実施例24と同様の方法により、比較例11の感光体を得た。
Figure 0005910040
[比較例12]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、ナフトキノン化合物を含有させなかった以外は、実施例24と同様の方法により、比較例12の感光体を得た。
[比較例13]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、更にZ−ポリカ(TS2020 帝人製)2部を添加した以外は、比較例12と同様の方法により、比較例13の感光体を得た。
[比較例14]
架橋表面層用塗布液Dにおいて、ナフトキノン化合物を含有させなかった以外は、
比較例8と同様の方法により、比較例14の感光体を得た。
[評価]
各実施例及び各比較例の感光体に対して、以下の評価を実施した。
≪濃度ムラ評価≫
15℃20%RH環境下で、リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C900 改造機(帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに感光体を搭載した。画像評価は下記の条件で実施した。
ブラック単色のテストチャートを250000枚連続出力し、その後、画像形成装置本体の電源を切る。24時間経過した後、画像形成装置本体の電源を投入し、1200dpi 2by2のブラック単色の全面ハーフトーン画像を出力し、帯電器の幅に相当する濃度ムラの有無を評価した。
評価基準は、
◎:濃度ムラ発生せず、
○:わずかに濃度ムラが発生したが実用上許容できるレベル、
×:帯電器幅の濃度ムラが顕著に発生し、許容できないレベル、
とした。
≪ガスバリア性評価≫
NOx暴露試験機(ダイレック製)を用い、NO/NO=50/50ppm、湿度20%の雰囲気下で72時間感光体を暴露した後、リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C900 改造機のブラックステーションに搭載し、画像ボケの発生の有無を評価した。
評価基準は、
◎:画像ボケ発生せず、
○:わずかに画像ボケが発生したが実用上許容できるレベル、
×:暴露した部分が画像ボケを発生し、許容できないレベル、
とした。
≪耐久性(耐磨耗性)評価≫
感光体を、常温常湿環境下でリコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C900 改造機のブラックステーションに搭載し、ブラック単色のテストチャートを20万枚連続出力した。連続出力前後の感光体の膜厚から、表面層の摩耗量を算出した。また、表面のキズと、20万枚連続出力後のベタ画像の画像濃度を、目視により評価した。
各評価の評価結果を表6及び表7に示す。
Figure 0005910040
Figure 0005910040
表6及び表7から、本発明の感光体(感光体)は、濃度ムラ、ボケの発生が抑えられ、かつ十分な機械的耐久性を有する。また、長期間の繰返し使用に置いても、良好な画像を出力し続けられることがわかった。
1 感光体
101 導電性支持体
102 感光層
103 架橋表面層
104 電荷発生層
105 電荷輸送層
特開2006−099028号公報

Claims (10)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層、架橋表面層とを有する感光体であって、
    前記架橋表面層は、重合性化合物を含有する組成物の硬化膜であり、
    前記架橋表面層は、下記一般式(1)に示す電荷輸送性化合物と、
    下記一般式(2)若しくは下記一般式(3)に示すオキサゾール化合物、又は、ナフトキノン化合物、の少なくとも一方と、
    を更に含有する、感光体。
    Figure 0005910040
    (一般式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基又はアルキル基であり、Rは、水素原子である。また、k、l、m及びnは、それぞれ独立に、1、2、3又は4の整数である。但し、R、R、R及びRが全て水素原子である場合は除く。)
    Figure 0005910040
    (一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはビニレン基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基、又は、2,5−チオフェンジイル基である。)
    Figure 0005910040
    (一般式(3)中、Ar及びArは、それぞれ独立に、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基であり、Yは炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。)
  2. 前記ナフトキノン化合物は、下記一般式(4)に示す化合物である、
    請求項1に記載の感光体。
    Figure 0005910040
    (一般式(4)中、Rは、置換基により置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基又は置換基により置換されていても良いフェニル基であり、R10は、置換基により置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基、置換基により置換されていても良いフェニル基、−O−R11で表される基であり、R11は、置換基により置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基、置換基により置換されていても良いベンジル基、置換基により置換されていても良いフェネチル基、置換基により置換されていても良いフェニル基である。)
  3. 前記重合性化合物を含有する組成物の硬化膜は、
    電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と、
    下記一般式(5)に示す電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物と、
    を含む硬化膜である、請求項1又は2に記載の感光体。
    Figure 0005910040
    (一般式(5)中、o、p及びqは、それぞれ独立に、0、1又は2の整数であり、Raは水素原子又はメチル基であり、Rb及びRcは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、Rb及びRcが複数存在する場合は各々が異なるアルキル基で良く、s及びtは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、−CHCHO−で表される基、−CH(CH)CHO−で表される基、又は下記一般式(6)で表される基である。)
    Figure 0005910040
  4. 前記3官能以上のラジカル重合性化合物に対する、前記1官能のラジカル重合性化合物と前記電荷輸送性化合物との合計、の質量比が、0.25以上4.0以下である、請求項3に記載の感光体。
  5. 前記1官能のラジカル重合性化合物に対する、前記電荷輸送性化合物の質量比が、0.25以上4.0以下である、請求項3又は4に記載の感光体。
  6. 前記前記1官能のラジカル重合性化合物と前記電荷輸送性化合物との合計に対する、前記オキサゾール化合物又は前記ナフトキノン化合物、の質量比が、0.005以上0.1以下である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の感光体。
  7. 前記架橋表面層は更に、無機微粒子又は有機微粒子を含有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感光体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光体と、
    帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段の少なくとも1つの手段と、
    が一体に形成され、画像形成装置に着脱可能である、プロセスカートリッジ。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、
    を有する、画像形成装置。
  10. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光体を用いて、
    少なくとも帯電、画像露光、現像及び転写を行う、
    画像形成方法。
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