JP2005107502A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真感光体ドラムを搭載する画像形成装置において、除電手段を有することなく、紙粉付着が抑制された装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体ドラムの周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段が配置され、除電手段を有しない画像形成装置において、前記単層型電子写真感光体が感光層中に電子輸送剤として一般式(1)〜(3)おいて炭素数が3以上の脂肪族基が少なくとも一つを有するナフトキノン誘導体を用いる。
【化1】
【選択図】なし
【解決手段】電子写真感光体ドラムの周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段が配置され、除電手段を有しない画像形成装置において、前記単層型電子写真感光体が感光層中に電子輸送剤として一般式(1)〜(3)おいて炭素数が3以上の脂肪族基が少なくとも一つを有するナフトキノン誘導体を用いる。
【化1】
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真式複写機、ファクシミリあるいはレーザービームプリンタ等の画像形成装置に関し、より詳細には、電子写真感光体を使用し、除電工程を有さずに、感光体ドラムへの紙粉付着のない画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を利用した画像形成装置は、感光体を帯電し(主帯電工程)、画像露光して静電潜像を形成し(露光工程)、この静電潜像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像し(現像工程)、形成されるトナー像を転写紙に転写し(転写工程)、定着して画像形成を行う。また、感光体上の残留トナーはウレタンブレード等によりクリーニングされ(クリーニング工程)、感光体上の残留電荷はLED等により消去される(除電工程)。
電子写真方式を利用した画像形成工程において、感光体ドラムはプラスに帯電し、転写はマイナス帯電となるように印加されている。一方、画像形成を連続運転するときなどに、被転写体(転写紙)からマイナス帯電した紙粉が発生するが、紙粉は転写のマイナス出力が強いほど感光体ドラムに付着しやすくなる。転写が転写ローラ等でドラムに接触するプロセスでは、紙粉が押し当てられて、ドラム上に残り、紙粉取りブラシ等の紙粉除去手段があっても除去が困難であるという問題がある。紙粉の付着は、画像上、黒点あるいは黒筋となって現れることになり、画質が低下する。
従来、感光体ドラム表面の紙粉を除去するクリーニング手段として紙紛除去ブラシが設けられている。当該紙紛除去ブラシは、感光体ドラムの回転方向における転写ローラの下流側に配置し、感光体ドラムの表面に当接して設けて紙紛を剥がし取るものや、紙紛除去ブラシを導電性ブラシにより構成して、所定のバイアス電圧を印加して、感光ドラムの表面上の紙紛を電気的に捕捉するものが知られている(特許文献1)。
また、感光体ドラムの回転方向において転写ローラの下流側でかつ導電性ブラシの上流側に、除電手段(除電ランプ)を設けて、転写後の感光体ドラムの表面電位を一様に下げることにより、導電性ブラシが接触する感光体ドラムの表面電位を安定させることができる。これによって、導電性ブラシに印加するバイアス電圧と感光体ドラムの表面電位との間の電位の逆転を生じることなく、導電性ブラシによって安定した紙紛の捕捉が可能になる。
最近、画像形成装置の小型化やイニシャルコストダウン等のために、前記工程においてクリーニング工程、除電工程を省略することが試みられている。例えば、特許文献1には、導電性ブラシにダイオードを介して直流電源を接続し、バイアス電圧を付加して、紙粉を物理的に絡め取るとともに電気的に捕捉することにより、除電ランプを設けなくてもよいとされている。また、特許文献2には、感光体に関して、電荷発生剤(フタロシアニン化合物)の含有量、感光層の膜厚、およびプラス極性とマイナス極性の感度の絶対誤差を特定した単層型電子写真感光体を使用し、除電工程を有しない反転現像式デジタル画像形成装置が開示されている。
特開2002−196638号公報(要約、図1)
特開2001−312075号公報(請求項1および7)
上述のように、感光体ドラムに付着する紙粉を除去することが良質な画像形成に不可欠であるが、一方において除電工程を省略して、画像形成装置の小型化やイニシャルコストダウンを図ることが要望されている。従来の方法は、付着した紙粉をブレードやブラシを用いて物理的あるいは電気的に除去することに依存しており、感光体ドラムへの付着そのものを抑制するという観点からの検討が十分になされていない。そこで、本発明の目的は、除電工程を有しないという紙粉が付着しやすい画像形成システムにおいても、感光体ドラムへの紙粉付着を抑制する手段を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意、検討を重ねた結果、以下の画像形成装置の発明を完成したものである。
すなわち、本発明の画像形成装置は、電子写真感光体ドラムの周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段が配置され、除電手段を有しない画像形成装置において、
前記感光体が導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤および電荷輸送剤を含有する結着樹脂よりなる単層型電子写真感光体を形成してなり、当該電荷輸送剤が、
一般式(1):
前記感光体が導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤および電荷輸送剤を含有する結着樹脂よりなる単層型電子写真感光体を形成してなり、当該電荷輸送剤が、
一般式(1):
[式中、R11は脂肪族基、または脂肪族基で置換されていてもよいフェニル基を、R12は脂肪族基、脂肪族基で置換されていてもよいフェニル基、または基:−O−R13(式中、R13は脂肪族基、または脂肪族基で置換されていてもよいフェニル基、または脂肪族基で置換されていてもよいアラルキル基を表す。)、R14は脂肪族基を、nは1〜4の整数を表し、かつR11、R12、R13およびR14における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも一つが炭素数3以上である。]で表されるナフトキノン誘導体、
一般式(2):
一般式(2):
(式中、R21およびR22は同一または異なって脂肪族基、または脂肪族基で置換されていてもよいフェニル基を、R23は脂肪族基を、nは1〜4の整数を表し、かつR21、R22およびR23における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも一つが炭素数3以上である。)で表されるナフトキノン誘導体、または、
一般式(3):
(式中、XはOまたはSを、R31およびR32は同一または異なって脂肪族基を、mは1または2を、nは1〜4の整数を表し、かつR31およびR32における脂肪族基のうち少なくとも一つが炭素数3以上である。)で表されるナフトキノン誘導体、
を電子輸送剤として含有することを特徴とする。
(式中、XはOまたはSを、R31およびR32は同一または異なって脂肪族基を、mは1または2を、nは1〜4の整数を表し、かつR31およびR32における脂肪族基のうち少なくとも一つが炭素数3以上である。)で表されるナフトキノン誘導体、
を電子輸送剤として含有することを特徴とする。
本発明の画像形成装置の実施形態の一つは、前記一般式(1)で表わされるナフトキノン誘導体のR11、R12、R13およびR14における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも1つが、炭素数5または6の置換または非置換のアルキル基、あるいは炭素数5または6の置換または非置換のアルコキシ基である化合物を電子輸送剤として含有することを特徴とする。
また本発明の画像形成装置の実施形態の一つは、前記一般式(2)で表わされるナフトキノン誘導体のR21、R22およびR23における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも1つが、炭素数5または6の置換または非置換のアルキル基、あるいは炭素数5または6の置換または非置換のアルコキシ基である化合物を電子輸送剤として含有することを特徴とする。
また本発明の画像形成装置の実施形態の一つは、前記一般式(3)で表わされるナフトキノン誘導体のR31およびR32のうち少なくとも1つが、炭素数5または6の置換または非置換のアルキル基、あるいは炭素数5または6の置換または非置換のアルコキシ基である化合物を電子輸送剤として含有することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置の他の実施形態は、前記単層型電子写真感光体において、結着樹脂100重量部に対して一般式(1)〜(3)で表されるナフトキノン誘導体を10〜90重量部の割合で含有することを特徴とする。
本発明の画像形成装置によると、接触転写および除電レスという通常は紙粉が感光体ドラムに付着しやすいシステムであるにもかかわらず、紙粉の付着がよく抑制されており、紙粉に起因する黒点の発生防止にきわめて有効である。接触転写は、オゾンやNOxガスの発生が少なくドラム表面が侵されない面では有利であるが、感光体ドラムにクリーニング部材以外の部材が接触することは異物付着の原因となりやすく、また除電手段は前述のように紙粉を除去しやすくする機能を有する。従って、本発明によると、除電手段を有しなくてもよいことから、画像形成装置の小型化やイニシャルコストダウンを図ることができる。
本発明において用いる単層型電子写真感光体は、一般式(1)〜(3)で表されるナフトキノン誘導体を電子輸送剤として含有することに特徴を有するものである。すなわち、この一般式(1)〜(3)のナフトキノン誘導体は、少なくとも一個の、炭素数3以上の脂肪族基を置換基として有するかあるいは炭素数3以上の脂肪族基で置換されたフェニル基を有するものであってり有機性が高められており、かかる化合物を電子輸送剤として使用することにより意外にも紙粉の付着が抑制されるのである。
本発明によると、電子写真感光体を利用し、除電工程を有しない画像形成システムにおいて、紙粉の付着がきわめてよく抑制された画像形成装置が提供される。
本発明の画像形成装置10の構成例を図1の概略図で説明する。すなわち、回転可動な像担持体(感光体ドラム1)の周囲に、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5およびクリーニング手段6の各プロセスを順次有する。
従来は前述のように、感光体ドラムに付着する紙粉の除去は、クリーニング手段と除電手段との併用によりなされており、クリーニング手段のみでは十分ではない。クリーニング手段は、例えば図1の画像形成装置に示されているように、感光体ドラム1の表面に当接された弾性ブレード6がよく用いられる。別のクリーニング手段として、給紙部から前記転写プロセスへ至る転写紙搬送経路上に一対の紙搬送用ローラが設置され、前記一対の紙搬送ローラのうち被転写面側の搬送ローラが吸着した紙粉を該ローラから取り除く、紙搬送用ローラを設けることもできる。
本発明の画像形成装置において、前記感光体ドラムにおける感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤および電荷輸送剤を含有する結着樹脂よりなる単層型電子写真感光体を形成する。当該感光体は有機感光体であり、従来の無機感光体に比べて製造が容易であり、コストが安く、電荷輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂等の感光体材料の選択肢が多様で、機能設計の自由度が高いという利点を有する。有機感光体には、電荷輸送剤(ホール輸送剤、電子輸送剤)を電荷発生剤とともに同一の感光層中に分散させた単層型感光体と、電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光体とがあり、単層型感光体は層構成が簡単で生産性に優れている、層間の界面が少ないので光学的特性を向上できる。
以下に、本発明において使用する単層型電子写真感光体について説明する。
<電子輸送剤>
本発明における単層型電子写真感光体は、電子輸送剤として一般式(1)〜(3)で示されるナフトキノン誘導体を含有するものである。
本発明における単層型電子写真感光体は、電子輸送剤として一般式(1)〜(3)で示されるナフトキノン誘導体を含有するものである。
一般式(1)〜(3)における脂肪族基としては、アルキル基あるいはアルコキシ基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等の炭素数が1〜6のアルキル基があげられる。
前記アルキル基は置換基を有していてもよく、具体的にはヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキル基などがあげられる。
とりわけ、一般式(1)〜(3)においては、電荷移動度を高めるという観点から、置換基としてアルコキシ基、モノアルキルアミノ基、アミノ基、ジアルキルアミノ基などの電子供与性基を有するアルキル基が好ましい。上記ヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシルなどの、アルキル部分の炭素数が1〜6のヒドロキシアルキル基があげられる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えばメトキシメチル、メトキシエチル、メトキシブチル、エトキシヘキシル、エトキシメチル、ブトキシエチル、t−ブトキシヘキシル、ヘキシルオキシメチルなどの、アルキル部分およびアルコキシ部分の炭素数がいずれも1〜6であるアルコキシアルキル基があげられる。
前記モノアルキルアミノアルキル基としては、例えばメチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ヘキシルアミノメチル、エチルアミノエチル、ヘキシルアミノエチル、メチルアミノプロピル、ブチルアミノプロピル、メチルアミノブチル、エチルアミノブチル、ヘキシルアミノブチル、メチルアミノヘキシル、エチルアミノヘキシル、ブチルアミノヘキシル、ヘキシルアミノヘキシルなどの、アルキル部分の炭素数が1〜6であるアルキルアミノアルキル基があげられる。
前記ジアルキルアミノアルキル基としては、例えばジメチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、ジヘキシルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、ジヘキシルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジブチルアミノプロピル、ジメチルアミノブチル、ジエチルアミノブチル、ジヘキシルアミノブチル、ジメチルアミノヘキシル、ジエチルアミノヘキシル、ジブチルアミノヘキシル、ジヘキシルアミノヘキシルなどの、アルキル部分の炭素数が1〜6であるジアルキルアミノアルキル基があげられる。
上記アルコキシカルボニルアルキル基としては、例えばメトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、メトキシカルボニルヘキシル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、プロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、ペンチルオキシカルボニルメチル、ヘキシルカルボニルメチル、ヘキシルカルボニルブチル、ヘキシルカルボニルヘキシルなどの、アルキル部分およびアルコキシ部分のいずれも炭素数が1〜6であるアルコキシカルボニルアルキル基があげられる。
上記カルボキシアルキル基としては、例えばカルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシブチル、カルボキシヘキシル、1−メチル−2−カルボキシエチルなどの、アルキル部分の炭素数が1〜6であるカルボキシアルキル基があげられる。上記ハロゲン置換アルキル基としては、例えばモノクロルメチル、モノブロモメチル、モノヨードメチル、モノフルオロメチル、ジクロルメチル、ジブロモメチル、ジヨードメチル、ジフルオロメチル、トリクロルメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、トリフルオロメチル、モノクロルエチル、モノブロモエチル、モノヨードエチル、モノフルオロエチル、ジブロモブチル、ジヨードブチル、ジフルオロブチル、クロルヘキシル、ブロモヘキシル、ヨードヘキシル、フルオロヘキシルなどの、1〜3個のハロゲン原子が置換された炭素数1〜6のアルキル基があげられる。
前記アルカノイルオキシアルキル基としては、アセトキシメチル、2−アセトキシエチル、プロピオニルオキシメチル、1−ヘキサノイルオキシ−2−メチルペンチルなどの、炭素数2〜6のアルカノイル部分と、炭素数1〜6のアルキル部分とを有するアルカノイルオキシ基があげられる。上記アミノアルキル基としては、例えばアミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノヘキシルなどの、アルキル部分の炭素数が1〜6であるアミノアルキル基があげられる。
一般式(1)〜(3)において、脂肪族基に相当するアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭素数が1〜6のアルコキシ基があげられる。また、当該アルコキシ基は置換基を有していてもよく、その置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルカノイルオキシ基などの、前述のアルキル基と同様の置換基があげられる。
一般式(1)〜(3)における炭素数3以上の脂肪族基および置換基としての炭素数3以上の脂肪族基としては、前記の脂肪族基のうち炭素数3以上のものがあげられる。とりわけ、炭素数3〜6の脂肪族基であることが好ましい。
前述のように、本発明において、一般式(1)中R11、R12、R13およびR14における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも一つが炭素数3以上の脂肪族基であるか、または一般式(2)中R21、R22およびR23における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも一つが炭素数3以上の脂肪族基であるか、または一般式(3)中、R31およびR32のうち少なくとも一つが炭素数3以上の脂肪族基である。
前記炭素数3以上の脂肪族基としては、前述した脂肪族基において炭素数が3以上のものが挙げられるが、特に炭素数5または6のものが好ましい。中でも、炭素数5以上のアルキル基またはアルコキシ基が好ましく、とりわけ炭素数5または6のアルキル基が最も好ましい。
この理由としては、炭素数5または6のアルキル基を有する、一般式(1)〜(3)で表わされる電子輸送剤であれば、感光体の感度や膜強度を維持しつつ、感光体の最表面層にアルキル基が存在する確率が高くなり、結果として感光体の最表面性の有機性が高められ、無機性が高い紙粉が付着しにくくなると考えられる。
また、炭素数が5または6のアルキル基であれば製造方法が容易であり、生産性を高めることができる。
有機性は、例えばKUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN、第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725頁(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111頁(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82頁(1981年);などの文献に詳細に説明されているように、炭素が増加する程、有機性が増加する。
本発明において電子輸送剤として用いられる一般式(1)〜(3)で表されるナフトキノン誘導体について、好ましい具体的化合物を以下に列挙する。各式中のRは、いずれも炭素数3〜6のアルキル基を表す。
一般式(1)で表される化合物例:
一般式(2)で表される化合物例:
一般式(3)で表される化合物例:
前記の一般式(1)で表される化合物は、例えば特開9-151157号公報に、一般式(2)で表される化合物は特開10-251194号公報に、一般式(3)で表される化合物は特開平9−77763号公報、特開平10−251252号公報などの公報に記載されており、これら公報に開示された製造方法によって得られる。
前記一般式(1)〜(3)で表される化合物の含有量は、結合樹脂100重量部に対して10〜90重量部であることが好ましく、15〜50重量部であることがより好ましい。
<電荷発生剤>
画像形成装置において、レーザを光源とする場合、小型・安価・簡便さ等の点から、多くは半導体レーザ、LEDが使用される。従って、少なくとも700〜850nmの波長領域に感度を有する有機感光体が必要である。前記要求を満たす、有機感光体に使用される電荷発生剤として、例えば、多環キノン化合物、ピリリウム化合物、スクエアリウム化合物、フタロシアニン系化合物、アゾ化合物等が提案または実用化されているが、本発明に使用する単層型電子写真感光体には、種々のフタロシアニン系化合物が使用される。
画像形成装置において、レーザを光源とする場合、小型・安価・簡便さ等の点から、多くは半導体レーザ、LEDが使用される。従って、少なくとも700〜850nmの波長領域に感度を有する有機感光体が必要である。前記要求を満たす、有機感光体に使用される電荷発生剤として、例えば、多環キノン化合物、ピリリウム化合物、スクエアリウム化合物、フタロシアニン系化合物、アゾ化合物等が提案または実用化されているが、本発明に使用する単層型電子写真感光体には、種々のフタロシアニン系化合物が使用される。
一般的にフタロシニン系化合物には、中心金属を有さないメタルフリーフタロシアニン(CGM−1)と、近年研究開発が活発に行われている中心金属を有する金属フタロシアニンとに大別される。後者の例としては、チタニルフタロシアニン(CGM−2)、及び、アルミニウムフタロシアニン、バナジウムフタロシアニン、カドミウムフタロシアニン、アンチモンフタロシアニン、クロムフタロシアニン、銅4−フタロシアニン、ゲルマニウムフタロシアニン、鉄フタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、ジアルキルフタロシアニン、テトラメチルフタロシアニンあるいはテトラフェニルフタロシアニン等が挙げられる。またフタロシアニン系化合物には、α型、β型、γ型、δ型、ε型、σ型、x型またはτ型等の結晶型のものがある。
<CGM−1>
<CGM−2>
本発明で使用する単層型電子写真感光体には、フタロシアニン系化合物として、メタルフリーフタロシアニン、またはチタニルフタロシニンが好適に使用される。また、フタロシアニン系化合物は、結合樹脂重量に対して1〜4wt%含有することが好ましい。
<ホール輸送剤>本発明の単層型電子写真感光体において、ホール輸送剤としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。
ホール輸送剤の含有量は、結合樹脂100重量部に対して10〜100重量部であることが好ましく、30〜80重量部であることがさらに好ましい。
<結合樹脂>
前記各成分を分散させるための結合樹脂は、従来から感光層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。
前記各成分を分散させるための結合樹脂は、従来から感光層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。
例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。これらのバインダー樹脂は単独または二種類以上をブレンドして使用できる。
特に好適な樹脂としては、帝人化成(株)社製パンライト、三菱瓦斯化学(株)社製PCZ等のビスフェノールZ型モノマーとホスゲンとから誘導されるビスフェノールZ型ポリカーボネートが挙げられる。
前記例のバインダー樹脂の重量平均分子量は5,000〜200,000、更には15,000〜100,000が好ましい。
本発明で使用する単層型電子写真感光体には、前記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、例えば、テルフェニル、ハロナフトナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
前記単層型電子写真感光体においては、導電性基体と感光層との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。
単層型電子写真感光体は、導電性基体上に単一の感光層を設けたものである。この感光層は、電荷発生剤、ホール輸送剤、電子輸送剤、結合樹脂等を適当な溶媒に溶解または分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることで形成される。
上記感光層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
前記感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示のホール輸送剤、電荷発生剤、電子受容体、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
上記分散液を作製するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独で、または2種以上混合して用いられる。
更に、ホール輸送剤、電荷発生剤、電子受容体の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために、界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
次に、本発明の画像形成装置は、前記の単層型電子写真感光体を使用し、該感光体の進行方向に沿って、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段が配置されており、除電手段を有しないものであって、前記転写手段は前記感光体に接触配置されていることを特徴とする。当該画像形成装置としては、複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等が挙げられる。
本発明の単層型電子写真感光体は、転写・露光メモリーが非常に小さいため、除電工程を有さない前記画像形成装置に使用してもメモリー画像が発生することはない。
また前述のように、画像形成装置の小型化やイニシャルコストダウン等のために、除電工程は省略される。
以下、実施例、比較例をあげて本発明を説明する。なお、以下の実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<比較例1、2および実施例1〜8>
電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(CGM−1)2.5重量部、一般式(1−1')で示される電子輸送剤をそれぞれ65重量部、ホール輸送剤として前記のHTM−1を35重量部、および結着樹脂として重量平均分子量30,000のbis−Z型ポリカーボネート樹脂100重量部、およびテトラヒドロフラン800重量部を、ボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、125℃、30分間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。
電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(CGM−1)2.5重量部、一般式(1−1')で示される電子輸送剤をそれぞれ65重量部、ホール輸送剤として前記のHTM−1を35重量部、および結着樹脂として重量平均分子量30,000のbis−Z型ポリカーボネート樹脂100重量部、およびテトラヒドロフラン800重量部を、ボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、125℃、30分間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。
一般式(1−1'):
(式中、R15は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基またはtert-ブチル基である。)
一般式(1−1')の各化合物は、特開9-151157号公報公報に記載されている。
一般式(1−1')の各化合物は、特開9-151157号公報公報に記載されている。
比較例1、2および実施例1〜8で得られた単層型電子写真感光体を、除電ランプを除いた京セラミタ製のプリンタ(プリンタDP−560)に装着した。
転写紙として、普通紙(A4サイズ)を使用し、主帯電電位を+850V、現像バイアス電圧を+400Vに設定して、転写紙を通して反転現像による画像形成サイクルを繰り返し行い、感光体ドラムに異物回収ブラシを使用して、10万枚印字したときの感光体ドラムの紙粉付着個数(1mm2当たり)を測定した。それらの結果を表1に示す。R15のアルキルの炭素数と紙粉付着数との関係を図2に示す。
また、同時に画像評価を行った。
××は黒点が非常に多く発生した、
×は黒点が発生した、
○は黒点が発生したが、目立たないレベルである、
◎は黒点がほとんど発生しなかった、を示す。
また、同時に画像評価を行った。
××は黒点が非常に多く発生した、
×は黒点が発生した、
○は黒点が発生したが、目立たないレベルである、
◎は黒点がほとんど発生しなかった、を示す。
この結果、一般式(1−1')において、R15が炭素数3以上のアルキル基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載したプリンタは、除電手段を有していないにもかかわらず、長時間の運転後も感光体ドラムへの紙粉付着が抑制されていて画質も良好であった。中でも炭素数5以上の直鎖のアルキル基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載したプリンタは感光体ドラムへの紙粉付着が特に抑制されていた。
<比較例3〜5および実施例9〜12>
電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(CGM−1)2.5重量部、一般式(2−2')で示される電子輸送剤をそれぞれ35重量部、ホール輸送剤として前記のHTM−1を65重量部、および結着樹脂として重量平均分子量30,000のbis−Z型ポリカーボネート樹脂100重量部、およびテトラヒドロフラン800重量部を、ボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、125℃、30分間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。
電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(CGM−1)2.5重量部、一般式(2−2')で示される電子輸送剤をそれぞれ35重量部、ホール輸送剤として前記のHTM−1を65重量部、および結着樹脂として重量平均分子量30,000のbis−Z型ポリカーボネート樹脂100重量部、およびテトラヒドロフラン800重量部を、ボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、125℃、30分間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。
(式中、R24は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基であることを示す。)
上記の一般式(2−2')で示される各化合物は、特開10-251194号公報に記載されている。
上記の一般式(2−2')で示される各化合物は、特開10-251194号公報に記載されている。
比較例3〜5および実施例9〜12で得られた単層型電子写真感光体を、除電ランプを除いた京セラミタ製のプリンタ(プリンタDP−560)に装着した。
転写紙として、普通紙(A4サイズ)を使用し、主帯電電位を+850V、現像バイアス電圧を+400Vに設定して、転写紙を通して反転現像による画像形成サイクルを繰り返し行い、感光体ドラムに異物回収ブラシを使用しない状態で、10万枚印字したときの感光体ドラムの紙粉付着個数(1mm2当たり)を測定した。それらの結果を表2に示す。
また、同時に画像評価を行った。
××は黒点が非常に多く発生した、
×は黒点が発生した、
○は黒点が発生したが、目立たないレベルである、
◎は黒点がほとんど発生しなかった、を示す。
また、R24のアルキルの炭素数と紙粉付着数との関係を図3に示す。
また、同時に画像評価を行った。
××は黒点が非常に多く発生した、
×は黒点が発生した、
○は黒点が発生したが、目立たないレベルである、
◎は黒点がほとんど発生しなかった、を示す。
また、R24のアルキルの炭素数と紙粉付着数との関係を図3に示す。
この結果、一般式(2−2')において、R24が炭素数3以上のアルキル基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載した複写機は、除電手段を有していないにもかかわらず、長時間の運転後も感光体ドラムへの紙粉付着が抑制されていて、画質も良好であった。中でも炭素数5以上の直鎖のアルキル基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載したプリンタは感光体ドラムへの紙粉付着が特に抑制されていた。
<比較例6、7および実施例13〜16>
電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(CGM−1)2.5重量部、一般式(3−1')で示される電子輸送剤をそれぞれ65重量部、ホール輸送剤として前記のHTM−1を65重量部、および結着樹脂として重量平均分子量30,000のbis−Z型ポリカーボネート樹脂100重量部、およびテトラヒドロフラン800重量部を、ボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、125℃、30分間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。
電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(CGM−1)2.5重量部、一般式(3−1')で示される電子輸送剤をそれぞれ65重量部、ホール輸送剤として前記のHTM−1を65重量部、および結着樹脂として重量平均分子量30,000のbis−Z型ポリカーボネート樹脂100重量部、およびテトラヒドロフラン800重量部を、ボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、125℃、30分間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。
一般式(3−1'):
(式中、R33は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基であることを示す。)
上記の一般式(3−1')で示される各化合物は、特開9-77763号公報に記載されている。
上記の一般式(3−1')で示される各化合物は、特開9-77763号公報に記載されている。
比較例6、7および実施例13〜16で得られた単層型電子写真感光体を、除電ランプを除いた京セラミタ製のプリンタ(プリンタDP−560)に装着した。
転写紙として、普通紙(A4サイズ)を使用し、主帯電電位を+850V、現像バイアス電圧を+400Vに設定して、転写紙を通して反転現像による画像形成サイクルを繰り返し行い、感光体ドラムに異物回収ブラシを使用して、10万枚印字したときの感光体ドラムの紙粉付着個数(1mm2当たり)を測定した。それらの結果を表3に示す。また、同時に画像評価を行った。
××は黒点が非常に多く発生した、
×は黒点が発生した、
○は黒点が発生したが、目立たないレベルである、
◎は黒点がほとんど発生しなかった、を示す。
また、R33のアルキルの炭素数と紙粉付着数との関係を図4に示す。
××は黒点が非常に多く発生した、
×は黒点が発生した、
○は黒点が発生したが、目立たないレベルである、
◎は黒点がほとんど発生しなかった、を示す。
また、R33のアルキルの炭素数と紙粉付着数との関係を図4に示す。
この結果、一般式(3−1')において、R33が炭素数3以上のアルキル基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載したプリンタは、除電手段を有していないにもかかわらず、長時間の運転後も感光体ドラムへの紙粉付着が抑制されていて画質も良好であった。中でも炭素数5以上の直鎖のアルキル基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載したプリンタは感光体ドラムへの紙粉付着が特に抑制されていた。
<比較例8および実施例17〜20>
上記一般式(1−1')においてR15がエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはヘキシロキシ基である以外は比較例2及び実施例1〜4と同様に行った。結果を表4に示す。
<比較例8および実施例17〜20>
上記一般式(1−1')においてR15がエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはヘキシロキシ基である以外は比較例2及び実施例1〜4と同様に行った。結果を表4に示す。
<比較例9および実施例21〜24>
上記一般式(2−2')においてR24がエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはヘキシロキシ基である以外は比較例5及び実施例9〜12と同様に行った。結果を表5に示す。
上記一般式(2−2')においてR24がエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはヘキシロキシ基である以外は比較例5及び実施例9〜12と同様に行った。結果を表5に示す。
<比較例10および実施例25〜28>
上記一般式(3−1')においてR33がエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはヘキシロキシ基である以外は比較例7及び実施例13〜16と同様に行った。結果を表6に示す。
上記一般式(3−1')においてR33がエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはヘキシロキシ基である以外は比較例7及び実施例13〜16と同様に行った。結果を表6に示す。
この結果、一般式(1−1')、一般式(2−2')および一般式(3−1')において、R15、R24、R33が炭素数3以上のアルコキシ基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載したプリンタは、除電手段を有していないにもかかわらず、長時間の運転後も感光体ドラムへの紙粉付着が抑制されている、また、画質も良好であった。中でも炭素数5以上の直鎖のアルコキシ基を有する化合物を電子輸送剤として用いた単層型電子写真感光体を搭載したプリンタは感光体ドラムへの紙粉付着が特に抑制されていた
<実施例29〜32>
電子輸送剤の添加部数を5、10、90、100部としたこと以外は実施例3と同様に行った。
<実施例33〜36>
電子輸送剤の添加部数を5、10、90、100部としたこと以外は実施例11と同様に行った。
<実施例37〜40>
電子輸送剤の添加部数を5、10、90、100部としたこと以外は実施例15と同様に行った。得られた結果を表7に示す。
<実施例29〜32>
電子輸送剤の添加部数を5、10、90、100部としたこと以外は実施例3と同様に行った。
<実施例33〜36>
電子輸送剤の添加部数を5、10、90、100部としたこと以外は実施例11と同様に行った。
<実施例37〜40>
電子輸送剤の添加部数を5、10、90、100部としたこと以外は実施例15と同様に行った。得られた結果を表7に示す。
本発明の画像形成装置は、感光体ドラムへの紙粉付着が抑制されており、除電工程を有さなくてもよいことから、電子写真式複写機、ファクシミリあるいはレーザービームプリンタ等に実用上、有利に使用できる。
10 画像形成装置
1 電子写真感光体(単層型)ドラム
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
1 電子写真感光体(単層型)ドラム
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
Claims (5)
- 電子写真感光体ドラムの周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段が配置され、除電手段を有しない画像形成装置において、
前記感光体が導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤および電荷輸送剤を含有する結着樹脂よりなる単層型電子写真感光体を形成してなり、当該電荷輸送剤が、
一般式(1):
一般式(2):
(式中、XはOまたはSを、R31およびR32は同一または異なって脂肪族基を、mは1または2を、nは1〜4の整数を表し、かつR31およびR32における脂肪族基のうち少なくとも一つが炭素数3以上である。)で表されるナフトキノン誘導体、
を電子輸送剤として含有することを特徴とする画像形成装置。 - 一般式(1)で表されるナフトキノン誘導体中のR11、R12、R13およびR14における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも1つが、炭素数5または6の置換または非置換のアルキル基、あるいは炭素数5または6の置換または非置換のアルコキシ基である化合物を電子輸送剤として含有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 一般式(2)で表されるナフトキノン誘導体中のR21、R22およびR23における脂肪族基または置換基としての脂肪族基のうち少なくとも1つが、炭素数5または6の置換または非置換のアルキル基、あるいは炭素数5または6の置換または非置換のアルコキシ基で置換された化合物を電子輸送剤として含有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 一般式(3)で表されるナフトキノン誘導体中のR31およびR32のうち少なくとも1つが、炭素数5または6の置換または非置換のアルキル基、あるいは炭素数5または6の置換または非置換のアルコキシ基である化合物を電子輸送剤として含有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記単層型電子写真感光体において、結着樹脂100重量部に対して一般式(1)〜(3)で表されるナフトキノン誘導体を10〜90重量部の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004252855A JP2005107502A (ja) | 2003-09-11 | 2004-08-31 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2003320171 | 2003-09-11 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005107502A true JP2005107502A (ja) | 2005-04-21 |
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ID=34554339
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JP2004252855A Pending JP2005107502A (ja) | 2003-09-11 | 2004-08-31 | 画像形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012150164A (ja) * | 2011-01-17 | 2012-08-09 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ |
JP2013117572A (ja) * | 2011-12-01 | 2013-06-13 | Ricoh Co Ltd | 感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 |
-
2004
- 2004-08-31 JP JP2004252855A patent/JP2005107502A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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