JP5908014B2 - 鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造 - Google Patents
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なお、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
請求項2に記載した発明は、前記燃料タンク(18)と接続されて前記内燃機関(8)に燃料を含んだ混合気を供給可能とする吸気系部品のスロットル部(22)を備え、前記スロットル部(22)は、前記メインフレーム(5)に対して前記キャニスタ(40)と同側に配置され、前記キャニスタ(40)には、前記キャニスタ(40)で吸着されている蒸発燃料を前記スロットル部(22)へ導くパージ管(62)が接続され、前記パージ管(62)は、前記キャニスタ(40)から上方に延び、前記シートレール(16)に沿うように前方へ湾曲して延びた後、前記スロットル部(22)に接続されるとともに、前記シートレール(16)を側方から覆うカウル部材(19)を備え、前記カウル部材(19)で前記パージ管(62)の側面を覆うことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記カウル部材(19)の下面部(19a)には、カウル内外を連通する切り欠き部(19b)が設けられ、前記パージ管(62)は、前記キャニスタ(40)から上方に延び、前記切り欠き部(19b)から前記カウル部材(19)の内側に進入した後、前記シートレール(16)に沿うように配管されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記シートレール(16)の下方に配置されるエアクリーナ(24)を備え、前記パージ管(62)の途中には弁部材(62a)が設けられ、前記パージ管(62)は、前記エアクリーナ(24)の上方を通るとともに、前記エアクリーナ(24)の上方に前記弁部材(62a)が配置され、前記カウル部材(19)は、前記弁部材(62a)の側方まで覆うことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記キャニスタ(40)を保持する支持ブラケット(66)を備え、前記支持ブラケット(66)は、前記シートレール(16)に設けた前記クッションユニット(29)の取付部(38)に取り付けられ、前記カウル部材(19)の下面部(19a)には、前記キャニスタ(40)の取付部と前記クッションユニット(29)の取付部とに跨る切り欠き部(19b)が形成されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記足置部(56)の前方には、前記車体フレーム(F)に連結されて同乗者用のピリオンステップ(44)を支持するステップフレーム(43)が設けられ、前記足置部(56)は、一端が前記ガード部材(55)に連結して支持され、この一端から前方へ前記クッションユニット(29)よりも前方の前記キャニスタ(40)の下方まで延出し、他端が前記ステップフレーム(43)に連結して支持されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、キャニスタとスロットル部とを同じ側に配置し、シートレールに沿わせてパージ管を配管したので、キャニスタから気化器に至るパージ管の経路を単純化し、さらにシートレールを側方から覆うカウル部材でパージ管の側面を覆ったので、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。
請求項3に記載した発明によれば、カウル部材の切り欠き部からパージ管をカウル内側に導入してシートレールに沿わせるので、カウル部材によりパージ管を効率よく隠蔽して外観性を向上できる。
請求項4に記載した発明によれば、シートレールとエアクリーナとで囲まれる空間にパージ管の弁部材を配置して弁部材を保護できるとともに、エアクリーナのケース等を利用して逆止弁を効率よく支持できるとともに、カウル部材により効率よく遮蔽して外観性を向上できる。
請求項5に記載した発明によれば、カウル部材の下面部にシートレールに設けたクッションユニットの取付部とキャニスタの取付部に跨る切り欠き部を設けたので、キャニスタを上方から保護することができ、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。
請求項6に記載した発明によれば、足置部によってキャニスタを下方から保護できるととともに、ガード部材の下部と車体フレームとをステップフレームを介して連結できる。
まず、図1、図2を参照し、本実施形態における自動二輪車Bは、前輪1が左右一対のフロントフォーク2の下端部間に支持される。左右フロントフォーク2は、上部をヘッドパイプ3に回動自在に支持される。前輪1は、ハンドル4を回動することで操舵される。
エンジン8は、クランクケース9の前部上にシリンダ10Aを起立させる。シリンダ10Aは、シリンダブロック10、シリンダヘッド11及びヘッドカバー12を備える。エンジン8は、ダウンフレーム6の下端に設けられたエンジンハンガーブラケット13と、井桁フレーム7の上下に設けられた上下エンジンハンガー14,15とに支持される。
シリンダヘッド11の後面には、燃料と燃焼用空気との混合気を供給するための吸気口が開口する。この吸気口には、インシュレータ21を介して気化器(キャブレター、スロットル部)22が接続される。気化器22の吸気上流側には、コネクティングチューブ23を介してエアクリーナ24が接続される。エアクリーナ24は、気化器22の後方に配置されている。
エンジン8の駆動力は、エンジン8の出力スプロケット8a、後輪27のドリブンスプロケット30及びこれらに巻き掛けられたドライブチェーン31により、エンジン8から後輪27へと伝達される。
リヤステイ17の前部とピボットフレーム34の下部とには、側面視で前方へ拡開する略V字状をなすステップホルダ43の上下前端部が、それぞれ溶接により結合される。ステップホルダ43の後部には、ピリオンステップ44が折り畳み可能に支持される(図2参照)。符号43aはステップホルダ43の後部上に固設されたステップガードを示す。
上クロスパイプ35の左右両側には、上エンジンハンガー14が左右一対に設けられ、下クロスパイプ36の左右両側には、下エンジンハンガー15が左右一対に設けられる。これら上下エンジンハンガー14,15、並びにダウンフレーム6下端のエンジンハンガーブラケット13により、エンジン8のクランクケース9の前後端が支持される。
このため、バックボーンフレームであるメインフレーム5を従来同様に配置しても、例えば気化器22のような整備や調節の頻度の高い部品や、比較的大型の部品であるエアクリーナ24やバッテリ41等を、後部メインフレーム部5bの周辺に集中配置することが可能になる。
図2を併せて参照し、気化器22は、後部メインフレーム部5bの左側に配置される。これにより、右手でアクセル操作する形式の車両においては、ライダーがシート20に跨りアクセルを右手で操作しながら左手で気化器22のチョーク22a等を操作できるので、利便性が高くなる。エアクリーナ24は、気化器22の後方で後部メインフレーム部5bに近接して配置される。
図10を併せて参照し、左右リヤサイドカウル19は、左右シートレール16に沿うように前後に延び、その延び方向と交差する断面で車幅方向に凸の膨出形状をなしている。左右リヤサイドカウル19は、左右シートレール16を外側方から覆うとともに、左右シートレール16の下方に向けて折り返す下面部19aを形成する。
左右リヤサイドカウル19の前方には、空間42の前部から吸気系部品にかけてこれらを外側方から覆う左右センターサイドカウル46が設けられる。
燃料タンク18の左下端部には、燃料コック50が設けられる。燃料コック50は、燃料ホース51を介して気化器22に接続される。
ドレスガード55は、小径の鋼管を主に構成され、側面視で前方に開放する門形をなす枠部55aを有し、その内側に上下に延びるクロス部及びU字形状をなす線材を配して格子状に形成される。ドレスガード55は、側面視で上下辺を前下がりに傾斜させた台形状の外観をなし、枠部55aの後縁部55bを垂直方向に対して大きく前傾させる。
枠部55aの上端部には、ドレスガード55の上端部を左シートレール16の後部に連結するための連結プレート55dが固設される。連結プレート55dは、左シートレール16から下方に突出する前後一対のブラケット16aに、それぞれボルト締結により結合される。
足置部56は、ドレスガード55同様、小径の鋼管を主に構成され、上面視(平面視)で車幅方向内側に開放するハット形状をなす足置枠部56aを有し、その内側に前後に延びるクロス部を配して形成される。
ドレスガード55及び足置部56は、左シートレール16から下方に延びて下端部で同乗者の足を支持する足置部材54を構成する。
キャニスタ40は、円筒状に形成されたケース内に活性炭などの吸着剤を収納し、燃料タンク18内で発生する蒸発燃料を吸着(チャージ)する一方、吸着した蒸発燃料をエンジン8の吸気系に導入(パージ)する蒸発燃料処理装置の要部を構成する。
本実施形態では、キャニスタ40は、その軸方向(長手方向)を上下方向に対して前傾させてクッションユニット29の軸方向(長手方向)と略平行にして配置される。これにより、クッションユニット29の周辺にキャニスタ40がコンパクトに配置されるとともに、クッションユニット29とキャニスタ40とが並列に並んで均整のとれた外観となる。なお、キャニスタ40の軸方向を上下方向と略平行にした配置としてもよい。
リヤサイドカウル19の下面部19aには、クッションユニット29の上部を避けるための切り欠き部19bが形成される。この切り欠き部19bを利用して、チャージ管61及びパージ管62がリヤサイドカウル19の下方からカウル内に進入する。
この構成によれば、シートレール16にスイングアーム28を懸架するクッションユニット29の前後にキャニスタ40とドレスガード55とを振り分けて配置したので、クッションユニット29周辺の空間を有効活用でき、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。また、上面視でキャニスタ40が足置部56よりも車幅方向内側に配置されることで、足置部56によってキャニスタ40を下方から保護することができる。
この構成によれば、キャニスタ40と気化器22とを同じ側に配置したので、キャニスタ40から気化器22に至るパージ管62の経路を単純化し、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。
この構成によれば、リヤサイドカウル19の切り欠き部19bからパージ管62をカウル内側に導入してシートレール16に沿わせるので、パージ管62を効率よく隠蔽して外観性を向上できる。
この構成によれば、シートレール16とエアクリーナ24とで囲まれる空間にパージ管62の逆止弁62aを配置して逆止弁62aを保護できるとともに、エアクリーナ24のケース等を利用して逆止弁62aを効率よく支持できる。
この構成によれば、チャージ管61をシートレール16に沿って前方へ延ばした後、メインフレーム5上方の燃料タンク18に接続するので、チャージ管61の撓みを抑制するとともに経路を単純化し、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。
この構成によれば、リヤサイドカウル19の切り欠き部19bからチャージ管61をカウル内側に導入してシートレール16に沿わせるので、チャージ管61を効率よく隠蔽して外観性を向上できる。
この構成によれば、足置部56によってキャニスタ40を下方から保護できるととともに、ドレスガード55の下部と車体フレームFとをステップホルダ43を介して連結できる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
F 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
5 メインフレーム
8 エンジン(内燃機関)
16 シートレール
18 燃料タンク
19 リヤサイドカウル(カウル部材)
19a 下面部
19b 切り欠き部
22 気化器(スロットル部)
24 エアクリーナ
27 後輪
28 スイングアーム
29 クッションユニット
40 キャニスタ
43 ステップホルダ(ステップフレーム)
44 ピリオンステップ
55 ドレスガード(ガード部材)
56 足置部
61 チャージ管
62 パージ管
62a 逆止弁
63 ドレン管
64 大気導入管
Claims (6)
- ヘッドパイプ(3)と、前記ヘッドパイプ(3)から後方へ延出するメインフレーム(5)と、前記メインフレーム(5)の後部から後方へ延出するシートレール(16)と、を含む車体フレーム(F)と、
前記メインフレーム(5)の下方に配置される内燃機関(8)と、
後輪(27)を懸架するとともに前記車体フレーム(F)に揺動可能に支持されるスイングアーム(28)と、
一端が前記シートレール(16)に連結されるとともに他端が前記スイングアーム(28)に連結されるクッションユニット(29)と、
前記クッションユニット(29)の後方で前記シートレール(16)の下方に取り付けられ、車体一側方で枠状に設けられるガード部材(55)と、
前記メインフレーム(5)の上方に配設される燃料タンク(18)の蒸発燃料を回収するキャニスタ(40)と、を備える鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造において、
前記キャニスタ(40)は、前記ガード部材(55)と同側に配置されるとともに、前記クッションユニット(29)の前方で前記スイングアーム(28)側よりも前記シートレール(16)側に配置され、
前記ガード部材(55)の下方で前記クッションユニット(29)の後方には、同乗者の足を乗せる枠状の足置部(56)が設けられ、前記足置部(56)は、前記キャニスタ(40)の下方を通るように配置され、
上面視で、前記キャニスタ(40)は、前記足置部(56)よりも車幅方向内側に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記燃料タンク(18)と接続されて前記内燃機関(8)に燃料を含んだ混合気を供給可能とする吸気系部品のスロットル部(22)を備え、
前記スロットル部(22)は、前記メインフレーム(5)に対して前記キャニスタ(40)と同側に配置され、
前記キャニスタ(40)には、前記キャニスタ(40)で吸着されている蒸発燃料を前記スロットル部(22)へ導くパージ管(62)が接続され、
前記パージ管(62)は、前記キャニスタ(40)から上方に延び、前記シートレール(16)に沿うように前方へ湾曲して延びた後、前記スロットル部(22)に接続されるとともに、
前記シートレール(16)を側方から覆うカウル部材(19)を備え、
前記カウル部材(19)で前記パージ管(62)の側面を覆うことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記カウル部材(19)の下面部(19a)には、カウル内外を連通する切り欠き部(19b)が設けられ、
前記パージ管(62)は、前記キャニスタ(40)から上方に延び、前記切り欠き部(19b)から前記カウル部材(19)の内側に進入した後、前記シートレール(16)に沿うように配管されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記シートレール(16)の下方に配置されるエアクリーナ(24)を備え、
前記パージ管(62)の途中には弁部材(62a)が設けられ、
前記パージ管(62)は、前記エアクリーナ(24)の上方を通るとともに、前記エアクリーナ(24)の上方に前記弁部材(62a)が配置され、
前記カウル部材(19)は、前記弁部材(62a)の側方まで覆うことを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記キャニスタ(40)を保持する支持ブラケット(66)を備え、
前記支持ブラケット(66)は、前記シートレール(16)に設けた前記クッションユニット(29)の取付部(38)に取り付けられ、
前記カウル部材(19)の下面部(19a)には、前記キャニスタ(40)の取付部と前記クッションユニット(29)の取付部とに跨る切り欠き部(19b)が形成されることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記足置部(56)の前方には、前記車体フレーム(F)に連結されて同乗者用のピリオンステップ(44)を支持するステップフレーム(43)が設けられ、
前記足置部(56)は、一端が前記ガード部材(55)に連結して支持され、この一端から前方へ前記クッションユニット(29)よりも前方の前記キャニスタ(40)の下方まで延出し、他端が前記ステップフレーム(43)に連結して支持されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。
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