JP5908012B2 - 鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造 - Google Patents
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Description
前記キャニスタ(40)には、前記燃料タンク(18)で発生する蒸発燃料を前記キャニスタ(40)へ導くチャージ管(61)と、前記キャニスタ(40)で吸着されている蒸発燃料を前記スロットル部(22)へ導くパージ管(62)と、が接続され、前記パージ管(62)は、前記燃料タンク(18)と前記メインフレーム(5)との間の空間を通過した後に前記スロットル部(22)に接続されるとともに、前記内燃機関(8)の点火プラグ(71)と接続される点火コイル(73)を備え、前記キャニスタ(40)及び前記点火コイル(73)は、車両左右方向で互いに同側に配置され、前記チャージ管(61)は、車両前方を指向しつつ前記点火コイル(73)の上方を通過するように配管され、前記燃料タンク(18)の底部でタンク外方に開口する前記燃料タンク(18)の蒸発燃料を回収する回収管(52)に接続するとともに、前記点火コイル(73)から前記点火プラグ(71)に延びる電線(74)とは車両上下方向に離間するように配管されることを特徴とする。
なお、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
請求項2に記載した発明は、前記キャニスタ(40)が前傾して配置され、前記パージ管(62)は、前記キャニスタ(40)から車両前方を指向して延び、前記燃料タンク(18)のタンク内収容部品(76)の下面部(76a)よりも前方で、前記メインフレーム(5)の上方を左右に跨いだ後、車両後方を指向して延びて、前記スロットル部(22)に接続されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記パージ管(62)の途中に逆止弁(62a)を有し、前記逆止弁(62a)は、前記タンク内収容部品(76)の下面部(76a)よりも前方で前記メインフレーム(5)の上方に配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記車体フレーム(F)の下部の車両左右方向一側には、管路部材を係合するためのクランプ部(39c)を有するサイドスタンドブラケット(39b)が設けられ、前記スロットル部(22)は、車両左右方向で前記サイドスタンドブラケット(39b)と同側に設けられ、前記キャニスタ(40)には、キャニスタ(40)内の不要液をキャニスタ(40)外へ排出するドレン管(63)が接続され、前記ドレン管(63)は、前記キャニスタ(40)から下方に延出し、前記メインフレーム(5)の後方を左右に横切った後に、前記クランプ部(39c)に係合されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記メインフレーム(5)の後方から前記燃料タンク(18)の下方にかけての範囲を外側方から覆うカウル部材(46)を備え、前記カウル部材(46)によって前記キャニスタ(40)の少なくとも一部が覆われることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記キャニスタ(40)には、キャニスタ(40)内に新気を導入する大気導入管(64)が接続され、前記大気導入管(64)の開口端(64a)は、前記メインフレーム(5)の後方で前記カウル部材(46)によって覆われた空間に開口することを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記内燃機関(8)と駆動輪との間の動力伝達を断接するクラッチ操作力を伝達するための操作力伝達部材(47)を備え、前記操作力伝達部材(47)の少なくとも一部の外側方に前記キャニスタ(40)が配置されることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記シートレール(16)は、前記メインフレーム(5)の後部から後方に向けて外側方に広がりながら延出し、前記キャニスタ(40)は、前記メインフレーム(5)と前記シートレール(16)との結合部の側部下方に支持され、前記点火コイル(73)は、前記メインフレーム(5)にその外側方に張り出して支持され、前記パージ管(62)及び前記チャージ管(61)は、前記点火コイル(73)及び前記シートレール(16)の間に配置されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、メインフレームの上方を左右に跨ぐパージ管を、タンク内収容部品の下面部の前方を迂回するように配管したので、タンク内収容部品の下面部に配管や電線の接続部が突設されても、これらを避けてパージ管を配管することができる。
請求項3に記載した発明によれば、メインフレームの上方に弁部材を配置する際にも、タンク内収容部品の下面部を避けて配置することで、タンク内収容部品の下面部を避けて弁部材を固定支持でき、パージ管のレイアウト自由度を確保できる。
請求項4に記載した発明によれば、クランプ部を有するサイドスタンドブラケットに対し、車両左右方向で反対側に位置するキャニスタから延びるドレン管を、メインフレームとの干渉を避けつつ至らしめることができる。また、サイドスタンドブラケット側にドレン管の末端(開口部)が配置されるので、車両停止後のサイドスタンドによる車体傾斜側へドレン管の開口部を指向させ、排液の促進に寄与できる。
請求項5に記載した発明によれば、カウル部材によってキャニスタを外側方から保護できるとともに、配管部材を隠して外観性を向上できる。
請求項6に記載した発明によれば、車体フレームとカウル部材とによって保護された空間を形成して、大気導入管に安定して大気を導入することができる。
請求項7に記載した発明によれば、キャニスタによって操作力伝達部材を外側方から保護できるとともに、操作力伝達部材を隠して外観性を向上できる。
請求項8に記載した発明によれば、パージ管及びチャージ管を点火コイルとシートレールとの間のデッドスペースを有効活用して配管できるとともに、点火コイル及びシートレールによってパージ管及びチャージ管を前後方向から保護できる。
まず、図1、図2を参照し、本実施形態における自動二輪車Bは、前輪1が左右一対のフロントフォーク2の下端部間に支持される。左右フロントフォーク2は、上部をヘッドパイプ3に回動自在に支持される。前輪1は、ハンドル4を回動することで操舵される。
エンジン8は、クランクケース9の前部上にシリンダ10Aを起立させる。シリンダ10Aは、シリンダブロック10、シリンダヘッド11及びヘッドカバー12を備える。エンジン8は、ダウンフレーム6の下端に設けられたエンジンハンガーブラケット13と、井桁フレーム7の上下に設けられた上下エンジンハンガー14,15とに支持される。
シリンダヘッド11の後面には、燃料と燃焼用空気との混合気を供給するための吸気口が開口する。この吸気口には、インシュレータ21を介して気化器(キャブレター、スロットル部)22が接続される。気化器22の吸気上流側には、コネクティングチューブ23を介してエアクリーナ24が接続される。エアクリーナ24は、気化器22の後方に配置されている。
エンジン8の駆動力は、エンジン8の出力スプロケット8a、後輪27のドリブンスプロケット30及びこれらに巻き掛けられたドライブチェーン31により、エンジン8から後輪27へと伝達される。
リアステイ17の前部とピボットフレーム34の下部とには、側面視で前方へ拡開する略V字状をなすステップホルダ43の上下前端部が、それぞれ溶接により結合される。ステップホルダ43の後部には、ピリオンステップ44が折り畳み可能に支持される(図2参照)。符号43aはステップホルダ43の後部上に固設されたステップガードを示す。
上クロスパイプ35の左右両側には、上エンジンハンガー14が左右一対に設けられ、下クロスパイプ36の左右両側には、下エンジンハンガー15が左右一対に設けられる。これら上下エンジンハンガー14,15、並びにダウンフレーム6下端のエンジンハンガーブラケット13により、エンジン8のクランクケース9の前後端が支持される。
このため、バックボーンフレームであるメインフレーム5を従来同様に配置しても、例えば気化器22のような整備や調節の頻度の高い部品や、比較的大型の部品であるエアクリーナ24やバッテリ41等を、後部メインフレーム部5bの周辺に集中配置することが可能になる。
図2を併せて参照し、気化器22は、後部メインフレーム部5bの左側に配置される。これにより、右手でアクセル操作する形式の車両においては、ライダーがシート20に跨りアクセルを右手で操作しながら左手で気化器22のチョーク22a等を操作できるので、利便性が高くなる。エアクリーナ24は、気化器22の後方で後部メインフレーム部5bに近接して配置される。
燃料タンク18の左下端部には、燃料コック50が設けられる。燃料コック50は、燃料ホース51を介して気化器22に接続される。
ドレスガード55は、その上端部が左シートレール16から下方に突出する前後一対のブラケット16a(図3参照)にボルト締結により結合される。
足置部56は、その前端部が左ステップホルダ43の後端部43bにボルト締結により連結されるとともに、後端部がドレスガード55の後下端部にボルト締結により連結される。この足置部56を介して、ドレスガード55の下端部が左ステップホルダ43の後端部43bに支持される。尚、右ステップホルダ43の後端部43bにはマフラー26が支持される。
ドレスガード55及び足置部56は、左シートレール16から下方に延びて下端部で同乗者の足を支持する足置部材54を構成する。
本実施形態では、キャニスタ40は、その軸方向を後部メインフレーム部5bと略平行にし、かつ車両側面視で後部メインフレーム部5bと少なくとも一部が重なるように配置される。
点火コイル73は筒状をなし、その軸方向を前部メインフレーム部5aと略平行にして配置される。点火コイル73は、前部メインフレーム部5aの前後中間部の右側(キャニスタ40と同側)に位置し、前部メインフレーム部5aの右側方及び下方に張り出した状態で前部メインフレーム部5aに支持される。
プラグコード74は、点火コイル73の前端からメインフレーム5の右側面に沿うように前方に延びた後に下方に湾曲し、その先端を点火プラグ71の上端に装着する。
この構成によれば、吸気系部品の気化器22及びキャニスタ40がメインフレーム5の左右に振り分けて配置され、かつキャニスタ40と点火コイル73とがメインフレーム5の左右同側に配置される構成において、パージ管62の配管経路を燃料タンク18とメインフレーム5との間としてこれらの間の空間を有効活用するとともに、チャージ管61の配管経路と点火コイル73の配線経路とを互いに離間するようにレイアウトすることで、これらの配管及び配線経路の単純化を図ることができる。
この構成によれば、メインフレーム5の上方を左右に跨ぐパージ管62を、タンク内収容部品76の下面部76aの前方を迂回するように配管したので、タンク内収容部品76の下面部76aに配管や電線の接続部が突設されても、これらを避けてパージ管62を配管することができる。
この構成によれば、メインフレーム5の上方に弁部材を配置する際にも、タンク内収容部品76の下面部76aを避けて配置することで、タンク内収容部品76の下面部76aを避けて弁部材を固定支持でき、パージ管62のレイアウト自由度を確保できる。
この構成によれば、クランプ部39cを有するサイドスタンドブラケット39bに対し、車両左右方向で反対側に位置するキャニスタ40から延びるドレン管63を、メインフレーム5との干渉を避けつつ至らしめることができる。また、サイドスタンドブラケット39b側にドレン管63の末端(開口部)が配置されるので、車両停止後のサイドスタンド39aによる車体傾斜側へドレン管63の開口部を指向させ、排液の促進に寄与できる。
この構成によれば、車体フレームFとセンターサイドカウル46とによって保護された空間を形成して、大気導入管64に安定して大気を導入することができる。
この構成によれば、センターサイドカウル46によってキャニスタ40を外側方から保護できるとともに、配管部材を隠して外観性を向上できる。
この構成によれば、キャニスタ40によってクラッチケーブル47を外側方から保護できるとともに、ケーブル類を隠して外観性を向上できる。
この構成によれば、パージ管62及びチャージ管61を点火コイル73とシートレール16との間のデッドスペースを有効活用して配管できるとともに、点火コイル73及びシートレール16によってパージ管62及びチャージ管61を前後方向から保護できる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
F 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
5 メインフレーム
8 エンジン(内燃機関)
16 シートレール
18 燃料タンク
22 気化器(スロットル部)
24 エアクリーナ
39b サイドスタンドブラケット
39c クランプ部
40 キャニスタ
46 センターサイドカウル(カウル部材)
47 クラッチケーブル(操作力伝達部材)
61 チャージ管
62 パージ管
62a 逆止弁
63 ドレン管
64 大気導入管
64a 開口端
71 点火プラグ
73 点火コイル
74 プラグコード(電線)
76 タンク内収容部品
76a 下面部
Claims (8)
- ヘッドパイプ(3)と、前記ヘッドパイプ(3)から後方へ延出するメインフレーム(5)と、前記メインフレーム(5)の後部から後方へ延出するシートレール(16)と、を含む車体フレーム(F)と、
前記メインフレーム(5)の下方に配置される内燃機関(8)と、
前記メインフレーム(5)の上方に配置される燃料タンク(18)と、
前記燃料タンク(18)と接続されて前記内燃機関(8)に燃料を含んだ混合気を供給可能とする吸気系部品のスロットル部(22)と、
前記燃料タンク(18)の蒸発燃料を回収するキャニスタ(40)と、を備え、
前記メインフレーム(5)は車体中央に設けられ、
前記スロットル部(22)及び前記キャニスタ(40)は、平面視で前記メインフレーム(5)を車両左右方向で挟むように配置される鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造において、
前記キャニスタ(40)には、前記燃料タンク(18)で発生する蒸発燃料を前記キャニスタ(40)へ導くチャージ管(61)と、前記キャニスタ(40)で吸着されている蒸発燃料を前記スロットル部(22)へ導くパージ管(62)と、が接続され、
前記パージ管(62)は、前記燃料タンク(18)と前記メインフレーム(5)との間の空間を通過した後に前記スロットル部(22)に接続されるとともに、
前記内燃機関(8)の点火プラグ(71)と接続される点火コイル(73)を備え、
前記キャニスタ(40)及び前記点火コイル(73)は、車両左右方向で互いに同側に配置され、
前記チャージ管(61)は、車両前方を指向しつつ前記点火コイル(73)の上方を通過するように配管され、前記燃料タンク(18)の底部でタンク外方に開口する前記燃料タンク(18)の蒸発燃料を回収する回収管(52)に接続するとともに、前記点火コイル(73)から前記点火プラグ(71)に延びる電線(74)とは車両上下方向に離間するように配管されることを特徴とする鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記キャニスタ(40)が前傾して配置され、前記パージ管(62)は、前記キャニスタ(40)から車両前方を指向して延び、前記燃料タンク(18)のタンク内収容部品(76)の下面部(76a)よりも前方で、前記メインフレーム(5)の上方を左右に跨いだ後、車両後方を指向して延びて、前記スロットル部(22)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。
- 前記パージ管(62)の途中に逆止弁(62a)を有し、前記逆止弁(62a)は、前記タンク内収容部品(76)の下面部(76a)よりも前方で前記メインフレーム(5)の上方に配置されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。
- 前記車体フレーム(F)の下部の車両左右方向一側には、管路部材を係合するためのクランプ部(39c)を有するサイドスタンドブラケット(39b)が設けられ、
前記スロットル部(22)は、車両左右方向で前記サイドスタンドブラケット(39b)と同側に設けられ、
前記キャニスタ(40)には、キャニスタ(40)内の不要液をキャニスタ(40)外へ排出するドレン管(63)が接続され、
前記ドレン管(63)は、前記キャニスタ(40)から下方に延出し、前記メインフレーム(5)の後方を左右に横切った後に、前記クランプ部(39c)に係合されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記メインフレーム(5)の後方から前記燃料タンク(18)の下方にかけての範囲を外側方から覆うカウル部材(46)を備え、
前記カウル部材(46)によって前記キャニスタ(40)の少なくとも一部が覆われることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記キャニスタ(40)には、キャニスタ(40)内に新気を導入する大気導入管(64)が接続され、
前記大気導入管(64)の開口端(64a)は、前記メインフレーム(5)の後方で前記カウル部材(46)によって覆われた空間に開口することを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記内燃機関(8)と駆動輪との間の動力伝達を断接するクラッチ操作力を伝達するための操作力伝達部材(47)を備え、
前記操作力伝達部材(47)の少なくとも一部の外側方に前記キャニスタ(40)が配置されることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。 - 前記シートレール(16)は、前記メインフレーム(5)の後部から後方に向けて外側方に広がりながら延出し、
前記キャニスタ(40)は、前記メインフレーム(5)と前記シートレール(16)との結合部の側部下方に支持され、
前記点火コイル(73)は、前記メインフレーム(5)にその外側方に張り出して支持され、
前記パージ管(62)及び前記チャージ管(61)は、前記点火コイル(73)及び前記シートレール(16)の間に配置されることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。
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