JP5895351B2 - ポリエステル組成物の製造方法およびフィルム - Google Patents
ポリエステル組成物の製造方法およびフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5895351B2 JP5895351B2 JP2011064529A JP2011064529A JP5895351B2 JP 5895351 B2 JP5895351 B2 JP 5895351B2 JP 2011064529 A JP2011064529 A JP 2011064529A JP 2011064529 A JP2011064529 A JP 2011064529A JP 5895351 B2 JP5895351 B2 JP 5895351B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester composition
- polyester
- acid
- producing
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
しかし、ポリエステルは加水分解により機械物性が低下するため、長期にわたって使用する場合、或いは湿気のある状態で使用する場合においては、加水分解を抑制すべく様々な検討がなされてきた。特に、太陽電池用フィルムにおいては、屋外にて20年以上の耐用年数が要求されることから、高い耐加水分解性が要求される。
A.ポリエステル製造時の重縮合反応前、反応中、反応終了直後のいずれかの時期において、化合物Aを含有させてポリエステル組成物のチップを得る方法、
B.ポリエステルと化合物Aとを1軸もしくは2軸エクストルダーにおいて混練してポリエステル組成物のチップを得る方法、
C.前記AおよびB法により、化合物Aを高濃度に含有させたポリエステル組成物としたマスターチップを得る方法などがある。
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
Mauliceの方法によって測定した(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.CHim.Acta,22 363(1960))。
ポリエステルチップを155℃の100%RH下で4時間加熱処理し、処理前後のCOOH末端基量の差(ΔCOOH)が、50eq/t以下であるとき良好な耐加水分解を有していると判断した。
なお、処理はPRESSER COOKER 306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製を用いた。
エチレングリコール100重量部に対して、リン酸/リン酸アルカリ金属塩倍モルを目標値となるように調整し、電位差自動滴定装置AT−510(京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
JIS K2609(施行年 1990/8/1) 石油及び石油製品−窒素分試験方法に記載のケルダール法により測定した。
ポリエステル組成物チップの軸方向にカミソリにて垂直に切断した試料(5mm程度)を、SEM試料台に貼り、導電テープに試料断面がSEM試料台上部と平行になるように貼り、白金-パラジウム合金を1分30秒蒸着(蒸着機:HITACHI社製のE101 ION SPUTTER)し、走査型電子顕微鏡(ニコン社製のE(Environmetal)SEM)で1断面全体を観察し(カミソリ跡のない所)、最大分散径のものを選択し分散面の重心を通る最大径を円の直径としてμm単位で、小数点以下1桁まで求める。この作業を20回繰り返し、20データー中の平均分散径を求め分散径とした。
二軸延伸されたフィルムを用いて、125℃の100%RH下で48時間加熱処理し処理前後のフィルム伸度を測定し、処理前のサンプルに対する処理後の伸度保持率を百分率で計算した。
フィルムの伸度は、ASTM−d882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて、下記条件にて測定した。
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
引張速度:200mm/分
測定環境:23℃、65%RH
太陽電池用途における耐用年数20年以上に相当する伸度保持率50%以上を合格とした。
第一の工程として、テレフタル酸ジメチル(以下.DMT)100重量部、エチレングリコール(以下.EG)64重量部、酢酸マンガン・4水和物(以下.酢酸Mn)0.06重量部、三酸化アンチモン(以下.AO)0.03重量部を140℃、窒素ガス雰囲気下で溶融後、攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノール(以下.MA)を留出させ、エステル交換(以下.EI)反応を終了した。
その後、EI反応物を重縮合反応装置に移行した。
実施例1のリン酸二水素一ナトリウムをリン酸二水素一カリウムに変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、および二軸延伸フィルムを得た。
得られた特性は表1に示すとおり、実施例1とほぼ同等の性能を示した。
実施例1のリン酸とリン酸二水素一ナトリウムの添加量と混合比、リン酸アルカリ金属種およびエステル交換反応触媒種、重縮合触媒種を適宜変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物、および二軸延伸フィルムを得た。得られた特性は、表1、3に示すとおりである。
実施例1のリン酸をリン酸トリメチルに変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物および二軸延伸フィルムを得た。得られた特性は表3に示すとおり、リン酸トリメチルを用いたためリン酸二水素一ナトリウムによるCOOH末端基量の増加抑制効果が弱くなり、ポリエステル組成物のΔCOOHが大きくなった。また、伸度保持率が不足し太陽電池用シートとして不十分であった。
実施例1のカルナウバワックス添加量や高級脂肪族モノカルボン酸および/またはそのエステル化合物の炭素原子数変更を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物および二軸延伸フィルムを得た。得られた特性は、表2、3に示すとおりである。
実施例1と同様に行い固有粘度を0.60に低下させたポリエステルチップを第四の工程において、真空度133Pa下で常温から160℃まで5時間かけて昇温し、160℃で6時間乾燥結晶化させた後、220℃まで5時間かけ昇温し、220℃で8時間固相重縮合を行い、固有粘度0.88、COOH末端基5.0eq/tのポリエステルチップを得た。次いで、実施例1と同様に混練した後、二軸延伸フィルムを得た。得られた特性は表2に示すとおり、実施例1よりも、ポリエステル組成物のΔCOOHが減少する傾向にあり、伸度保持率は大きく、太陽電池用シートとして満足なものであった。
実施例1の第一の工程でのDMT99重量部、EG63重量部に変更し、第二の工程、第三の工程(重縮合反応)が終了した時点(目標トルク達成)で、減圧を停機し、反応装置内を窒素ガスにて常圧に戻した。窒素ガス下で減圧乾燥を施したカルナウバワックス1重量部を前記重縮合反応装置内に添加し、10分攪拌した後、窒素ガスを停機し、次いで30分かけて常圧から133Pa以下に減圧して、攪拌トルクが所定の値に達した時点で重縮合反応を終了し、実施例1と同様にチップ化した。このようにして得られた、ポリエステル組成物チップの固有粘度は0.69、COOH末端基量は12.3eq/tonであった。該チップの耐加水分解性を評価した結果、ポリエステル組成物のΔCOOHがやや大きく、また伸度保持率もやや低下したものの太陽電池用シートとして満足するものであった。得られた特性は、表2に示すとおりである。
第一の工程において、予めエステル化反応装置にビスヒドロキシエチルテレフタレート105重量部(ポリエステル100重量部相当)を貯留した反応系内の温度を235〜245℃に保ちつつ、テレフタル酸(以下.TPA)86.5重量部とEG37.7重量部からなるスラリーをスネークポンプにて反応系内に供給し、エステル化反応を進め、エステル化反応が終了した段階で、得られたエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)を重縮合反応装置に移行した。EG添加し、EG/TPAモル比の合計が1.5倍モルとなるようにした。また、酢酸Mn0.06重量部/EG1.5重量部の溶液を添加し5分攪拌し、またその後、AO0.03重量部/EG1.5重量部のスラリーを添加し、さらに5分攪拌した。その後は、実施例1の第二の工程であるリン酸とリン酸二水素一ナトリウムのEG溶液を添加し、第三の工程へと順次行い、得られたポリエステルチップの固有粘度は0.72、COOH末端基量は12.8eq/tonであった。実施例1と同様にカルナウバワックスを混練したポリエステル組成物のΔCOOHが若干大きく、また伸度保持率がやや低下したものの太陽電池用シートとして満足するものであった。得られた特性は、表2に示すとおりである。
Claims (9)
- ジカルボン酸成分とグリコール成分を用い、エステル化反応またはエステル交換反応させた後重縮合反応してポリエステルを製造する、その際エステル化反応またはエステル交換反応が終了した後にリン酸アルカリ金属塩を0.1〜4.0mol/ton、かつリン酸をリン酸アルカリ金属塩に対して0.4〜4.0倍モル添加してなるポリエステルであって、さらに得られるポリエステル組成物100重量部に対して、炭素原子数34〜65の高級脂肪族モノカルボン酸エステル化合物を0.01〜10.0重量部含有してなるポリエステル組成物の製造方法。
- リン酸アルカリ金属塩のアルカリ金属がNaまたはKであることを特徴とする請求項1記載のポリエステル組成物の製造方法。
- リン酸アルカリ金属塩およびリン酸をアルキレングリコールの混合溶液として添加し、かつ混合溶液のpHが2.0〜6.0であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル組成物の製造方法。
- 炭素原子数34〜65の高級脂肪族モノカルボン酸エステル化合物が、天然性植物由来のワックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- エステル交換反応の触媒としてアルカリ土類金属、Mn、Coから選ばれる金属元素の少なくとも1種の化合物、および重縮合反応の触媒としてSb、Ti、Geから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む化合物を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- ポリエステルに炭素原子数34〜65の高級脂肪族モノカルボン酸エステル化合物を溶融混練してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- 得られたポリエステル組成物の固有粘度が0.55〜1.00、COOH末端基量が20eq/ton以下、かつ炭素原子数34〜65の高級脂肪族モノカルボン酸エステル化合物が、ポリエステル組成物からなるチップの軸方向に垂直な断面において10μm以下の分散径で分散していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- 得られたポリエステル組成物は、155℃の100%RH下で4時間の加熱処理における、処理前後のCOOH増加量が50eq/ton以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011064529A JP5895351B2 (ja) | 2011-03-23 | 2011-03-23 | ポリエステル組成物の製造方法およびフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011064529A JP5895351B2 (ja) | 2011-03-23 | 2011-03-23 | ポリエステル組成物の製造方法およびフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012201697A JP2012201697A (ja) | 2012-10-22 |
JP5895351B2 true JP5895351B2 (ja) | 2016-03-30 |
Family
ID=47183038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011064529A Expired - Fee Related JP5895351B2 (ja) | 2011-03-23 | 2011-03-23 | ポリエステル組成物の製造方法およびフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5895351B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6146039B2 (ja) * | 2013-02-15 | 2017-06-14 | 東レ株式会社 | ポリエステル組成物の製造方法 |
JP6402441B2 (ja) * | 2013-10-31 | 2018-10-10 | 東レ株式会社 | ポリエステルの製造方法 |
JP2015155182A (ja) * | 2014-02-21 | 2015-08-27 | 三菱樹脂株式会社 | ポリエステル多層成形体 |
WO2017149464A1 (en) * | 2016-02-29 | 2017-09-08 | Toray Plastics (America), Inc. | Polyester film incorporating silicone for release of canned meat products |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH062864B2 (ja) * | 1984-10-11 | 1994-01-12 | 東レ株式会社 | プリント回路基板用二軸配向ポリエステルフイルム |
JP3419109B2 (ja) * | 1994-09-12 | 2003-06-23 | 株式会社ブリヂストン | 高分子ブレンド材料及び高分子材料の変性方法 |
JP2001323142A (ja) * | 2000-05-16 | 2001-11-20 | Toray Ind Inc | ポリエステル組成物およびフィルム |
JP2002187963A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-05 | Toray Ind Inc | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
US8889819B2 (en) * | 2009-03-09 | 2014-11-18 | Toray Industries, Inc. | Polyester resin composition, process for production of same, and film |
JP5565020B2 (ja) * | 2009-03-27 | 2014-08-06 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルム、およびそれを用いた太陽電池 |
-
2011
- 2011-03-23 JP JP2011064529A patent/JP5895351B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012201697A (ja) | 2012-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5761423B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 | |
JP6907605B2 (ja) | ポリエステル樹脂 | |
JP5251829B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物、その製造方法、およびフィルム | |
JP2008007750A (ja) | ポリエチレンテレフタレート組成物とその製造方法およびフィルム | |
JP5895351B2 (ja) | ポリエステル組成物の製造方法およびフィルム | |
KR102299987B1 (ko) | 공중합 폴리에스테르 수지, 성형품 및 열수축성 필름 | |
JP2011046860A (ja) | 共重合ポリエステル | |
JP2017500380A (ja) | 生分解性ポリエステル樹脂製造用組成物、及び生分解性ポリエステル樹脂の製造方法 | |
JP2013072075A (ja) | ポリエステル組成物の製造方法およびフィルム | |
JPWO2017183550A1 (ja) | ポリブチレンテレフタレート樹脂 | |
JP2003268093A (ja) | ポリエステルの製造方法およびその成形体 | |
JP2011088972A (ja) | ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる成形体 | |
JP2005239940A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム | |
JP4710260B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム | |
JP2006028482A (ja) | ポリエステル樹脂及びその製造方法 | |
JP2007277305A (ja) | 熱可塑性ポリエステルおよびその製造方法並びにフィルム | |
JP5405772B2 (ja) | ポリブチレンナフタレート樹脂チップの製造方法 | |
JP4527927B2 (ja) | フィルム用ポリエステル組成物の製造方法 | |
WO2013140947A1 (ja) | 難燃性ポリエステルの製造方法および難燃性マスターバッチ | |
JP4764046B2 (ja) | 軟質共重合ポリエステル | |
JP4331030B2 (ja) | ポリエステル樹脂の製造方法ならびにそれよりなる成形品 | |
JP2011042778A (ja) | ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法 | |
WO2014101980A1 (en) | Process for manufacturing polyethylene terephthalate | |
JP2007254534A (ja) | ポリエステル | |
JP2012062380A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140311 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140819 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141003 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150811 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160215 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5895351 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |