JP2003268093A - ポリエステルの製造方法およびその成形体 - Google Patents

ポリエステルの製造方法およびその成形体

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JP2003268093A
JP2003268093A JP2002072473A JP2002072473A JP2003268093A JP 2003268093 A JP2003268093 A JP 2003268093A JP 2002072473 A JP2002072473 A JP 2002072473A JP 2002072473 A JP2002072473 A JP 2002072473A JP 2003268093 A JP2003268093 A JP 2003268093A
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polyester
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aluminum
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Takahiro Nakajima
孝宏 中嶋
Naoki Watanabe
直樹 渡辺
Shoichi Gyobu
祥一 形舞
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来触媒であるアンチモンおよびゲルマニウ
ム以外の金属成分を触媒の主たる金属成分とする重合触
媒であり、固相重縮合速度の点で優れ、かつ溶融成形時
にチタン系触媒のような熱劣化をほとんど起こさず、ア
ンチモン系触媒のような異物や透明性の問題の少ない、
優れた高IVのポリエステルの製造方法およびその成形体
を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性
誘導体とのエステル化反応またはエステル交換反応によ
るオリゴマー形成において、芳香族ポリカルボン酸およ
びその無水物ならびにポリオールからなる群より選ばれ
る少なくとも1種が追加された組成から得られた該オリ
ゴマーに、重縮合触媒としてアルミニウム化合物とリン
化合物を添加し溶融重縮合せしめて固有粘度が0.2〜0.7
dl/gのレジンを得、ペレット化した後固相重縮合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム化合
物とリン化合物系からなる重縮合触媒を用いたポリエス
テルの製造方法において、固相重縮合速度を改善せしめ
た高IVポリエステルの製造方法およびその成形体に関す
る。
【0002】
【従来技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)等に代表されるポリエステル
は、機械的特性、及び化学的特性に優れており、それぞ
れのポリエステルの特性に応じて、例えば衣料用や産業
資材用の繊維、包装用や磁気テープなど工業用のフィル
ムやシート、中空成形品であるボトル、電気・電子部品
のケーシング、その他エンジニアリングプラスチック成
形品等の広範な分野において使用されている。
【0003】従来から、このようなポリエステルの重縮
合時に用いられるポリエステル重縮合触媒としては、ア
ンチモンあるいはゲルマニウム化合物が広く用いられて
いる。三酸化アンチモンは、安価で、かつ優れた固相重
縮合時の触媒活性をもつ触媒であるが、これを主成分、
即ち、実用的な重合速度が発揮される程度の添加量にて
使用すると、重縮合時に金属アンチモンが析出するた
め、ポリエステルに黒ずみや粒状物質が発生し、フィル
ムの表面欠点の原因にもなる。また、中空の成形品等の
原料とした場合には、透明性の優れた中空成形品を得る
ことが困難である。
【0004】アンチモン化合物以外で、固相重縮合時に
おいても優れた触媒活性を有し、かつ上記の問題を有し
ないポリエステルを与える触媒としては、ゲルマニウム
化合物がすでに実用化されているが、この触媒は非常に
高価であるという問題点や、重合中に反応系から系外へ
留出しやすいため反応系の触媒濃度が変化し重合の制御
が困難になるという課題を有しており、触媒主成分とし
て使用することには問題がある。アンチモン系あるいは
ゲルマニウム系触媒に代わる重縮合触媒の検討も行われ
ており、テトラアルコキシチタネートに代表されるチタ
ン化合物がすでに提案されているが、これらを用いた場
合の固相重縮合は、アンチモンおよびゲルマニウム触媒
ほど重縮合活性が得られず、しかもポリエステルの耐熱
性不良により、著しく着色するという問題点を有する。
【0005】その他の触媒として、アルミニウム化合物
にアルカリ金属化合物を添加して十分な触媒活性を有す
るポリエステル重合触媒とする技術も公知である。かか
る公知の触媒を使用すると熱安定性に優れたポリエステ
ルが得られるが、固相重縮合の触媒活性は十分満足でき
るものではなく、上記の問題解決には繋がらない。
【0006】一方、ポリエステルレジンのペレットサイ
ズを小さくし、固相重縮合速度を促進させる方法、チタ
ン/シリカ系化合物を触媒として用いたレジンに、芳香
族ポリカルボン酸無水物を溶融時に添加して固相重縮合
速度を促進させる方法などがUSP 5,714,262、USP 5,66
3,281、 EP 1,013,691, USP 6,239,200などにみられ
る。上記の提案は、新規な装置が必要でありコストアッ
プに繋がるという欠点や、触媒がいずれの場合もアンチ
モンあるいはチタン系重縮合触媒系であることから、固
相重縮合速度は改善されるものの、前述の欠点を解決す
るまでには到っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような経緯で、
従来触媒であるアンチモンおよびゲルマニウム以外の金
属成分を触媒の主たる金属成分とする重合触媒であり、
固相重縮合時の触媒活性に優れ、かつ溶融成形時にチタ
ン系触媒のような熱劣化をほとんど起こさず、アンチモ
ン系触媒のような異物や透明性の問題の少ない、優れた
高IVのポリエステルの製造方法および該方法により製造
されたポリエステルからなる成形体が望まれている。
【0008】本発明の目的は、前記した、欠点を有する
アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物およびチタン化
合物を触媒主成分として含まず、主たる触媒金属成分と
してアルミニウム化合物を用いる場合において、固相重
縮合速度を改善せしめた高IVポリエステルの製造方法お
よび該方法により製造されたポリエステルからなる成形
体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、芳香族
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体およびジ
オールまたはそのエステル形成性誘導体とのエステル化
反応またはエステル交換反応によるオリゴマー形成にお
いて、芳香族ポリカルボン酸およびその無水物ならびに
ポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種が追
加された組成から得られた該オリゴマーに、重縮合触媒
としてアルミニウム化合物とリン化合物を添加し溶融重
縮合せしめてIVが0.2〜0.7dl/gのポリエステルレジンを
得、ペレット化した後、固相重縮合することによって達
成される。
【0010】また本発明のより好ましい態様として、本
発明者らは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性誘
導体とのエステル化反応またはエステル交換反応による
オリゴマー形成において、芳香族ジカルボン酸に対し0.
01〜5モル%の芳香族ポリカルボン酸およびその無水物
ならびにジオールに対し0.01〜5モル%のポリオールか
らなるそれぞれの群より選ばれる少なくとも1種の成分
が追加された組成から得られた該オリゴマーに、特定の
アルミニウム化合物およびリン化合物を添加し、ポリエ
ステルのIVが0.2〜0.7dl/gになるように重縮合し、得ら
れた該溶融重縮合レジンをペレット化した後、固相重縮
合することで、上述の欠点が抑制されたポリエステルが
得られることを見出し本発明に到達した。
【発明の実施の形態】
【0011】本発明で用いられるポリエステルは、従来
公知の製造方法によって製造することができる。すなわ
ち、ポリエステルの場合は、テレフタル酸とエチレング
リコールおよび必要に応じて他の共重合成分を直接反応
させて水を留出しエステル化した後、減圧下に重縮合を
行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチル
とエチレングリコールおよび必要に応じて他の共重合成
分を反応させてメチルアルコールを留出しエステル交換
させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により
製造される。上記の重縮合工程は、IVが0.2〜0.7dl/gの
範囲であればバッチ方式、半連続方式、連続方式何れの
方法でもよい。
【0012】得られたIVが0.2〜0.7dl/gの芳香族ポリカ
ルボン酸共重合ポリエステルレジンペレットは固相重縮
合槽へ移送され、ポリマーのTg以上、融点以下に加熱さ
れ固相重縮合される。この工程は、減圧下または不活性
ガス(例えば窒素ガス)下で実施することで、重縮合反
応中の副生成物が除去される。
【0013】本発明で使用できる固相重縮合促進のため
の芳香族ポリカルボン酸およびその無水物ならびにポリ
オールとしては、とくに限定されないが、例えば、トリ
メリット酸、ピロメリット酸およびそれらの無水物なら
びにトリメチロールメタン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセ
ロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。好まし
くはトリメリット酸、ピロメリット酸およびそれらの無
水物ならびにトリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トールである。
【0014】本発明の固相重縮合促進のために、芳香族
ポリカルボン酸およびその無水物ならびにポリオールの
群から少なくとも1種が選ばれる。芳香族ポリカルボン
酸およびその無水物の場合、上記芳香族ジカルボン酸
(例えばポリエステルの場合のテレフタル酸)に対し0.
01〜5.0モル%の範囲の共重合成分として添加すること
が好ましい。好ましくは同0.1〜3.0モル%であり、より
好ましくは0.2〜2.0モル%である。0.01モル%未満で
は、固相重縮合に多くの時間を要し好ましくない。一
方、5.0モル%を越えると固相重縮合速度は大になる
が、ゲル化の兆候が認められるようになり溶融成形用レ
ジンとしては好ましくない態様である。また、ポリオー
ルの場合、上記ジオール(例えばポリエステルの場合の
エチレングリコール)に対し0.01〜5.0モル%の範囲の
共重合成分として添加することが好ましい。好ましくは
同0.1〜3.0モル%であり、より好ましくは0.2〜2.0モル
%である。0.01モル%未満では、固相重縮合に多くの時
間を要し好ましくない。一方、5.0モル%を越えると固
相重縮合速度は大になるが。ゲル化の兆候が認められる
ようになり溶融成形用レジンとしては好ましくない態様
である。本発明では、芳香族ポリカルボン酸およびその
無水物およびポリオールそれぞれを、上述の0.01〜5モ
ル%の範囲であれば、併用することも可能であり、好ま
しい態様の1つである。
【0015】本発明の固相重縮合促進のための芳香族ポ
リカルボン酸およびその無水物ならびにポリオールの添
加は、モノマー段階あるいは直接エステル化反応および
エステル交換反応の途中段階で行われ、直接エステル化
反応あるいはエステル交換反応することでポリエステル
オリゴマーを形成する。このポリエステルオリゴマー
は、重縮合触媒であるアルミニウム化合物およびリン化
合物により、IV=0.2〜0.7dl/gのポリエステルを得、そ
の後の固相重縮合により高IVポリエステルレジンを得る
ことが可能になる。
【0016】本発明の重縮合触媒を構成するアルミニウ
ムないしアルミニウム化合物としては、金属アルミニウ
ムのほか、公知のアルミニウム化合物は限定なく使用で
きる。
【0017】アルミニウム化合物としては、具体的に
は、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸
アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミ
ニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウ
ム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、
酒石酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、サリチル
酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ポ
リ塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミ
ニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩などが
挙げられる。
【0018】また、アルミニウムメトキサイド、アルミ
ニウムエトキサイド、アルミニウムn-プロポキサイド、
アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブト
キサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニ
ウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネー
ト、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエ
チルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセ
テートジiso-プロポキサイドなどのアルミニウムキレー
ト化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部
分加水分解物などが挙げられる。
【0019】これらのうちカルボン酸塩、無機酸塩およ
びキレート化合物が好ましく、これらの中でもさらに酢
酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、乳酸アルミ
ニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、
ポリ塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセ
トネートが特に好ましい。
【0020】本発明のアルミニウムないしアルミニウム
化合物の使用量としては、得られるポリエステルのジカ
ルボン酸やポリカルボン酸などのカルボン酸成分を構成
する全構成ユニットのモル数に対して0.001〜0.
05モル%が好ましく、さらに好ましくは、0.005
〜0.02モル%である。使用量が0.001モル%未
満であると触媒活性が十分に発揮されない場合があり、
使用量が0.05モル%以上になると、熱安定性や熱酸
化安定性の低下、アルミニウムに起因する異物の発生や
着色の増加が問題になる場合が発生する。
【0021】本発明のアルミニウム化合物と共存して用
いられるリン化合物としては、特に限定はされないが、
リン酸ならびにトリメチルリン酸、トリエチルリン酸、
フェニルリン酸、トリフェニルリン酸等のリン酸エステ
ル、亜リン酸ならびにトリメチルホスファイト、トリエ
チルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス
(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ
キス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4'-ビフェニレ
ンジホスファイト等の亜リン酸エステルなどが挙げられ
る。
【0022】本発明のより好ましいリン化合物は、ホス
ホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオ
キサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィ
ン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ば
れる少なくとも一種のリン化合物である。これらのリン
化合物を含有することでポリエステルの熱安定性等の物
性が改善する効果に加えて、ポリエステルの重合時に、
これらのリン化合物を本発明のアルミニウム化合物と共
存して用いることで触媒活性の向上効果が見られる。こ
れらの中でも、ホスホン酸系化合物を用いると物性改善
効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。上記した
リン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用い
ると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好まし
い。
【0023】本発明で言うホスホン酸系化合物、ホスフ
ィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホ
スホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィ
ン系化合物とは、それぞれ下記式(化1)〜(化6)で
表される構造を有する化合物のことを言う。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】本発明のホスホン酸系化合物としては、例
えば、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジ
フェニル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホス
ホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベン
ジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル
などが挙げられる。本発明のホスフィン酸系化合物とし
ては、例えば、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、
フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、
フェニルホスフィン酸フェニルなどが挙げられる。本発
明のホスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、
ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホ
スフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイ
ドなどが挙げられる。
【0031】ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサ
イド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸
系化合物、ホスフィン系化合物の中では、本発明のリン
化合物としては、下記式(化7)〜(化12)で表され
る化合物が好ましい。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向
上効果が大きく好ましい。
【0039】また、本発明のリン化合物としては、下記
一般式(化13)〜(化15)で表される化合物を用い
ると物性改善効果や触媒活性の向上効果が特に大きく好
ましい。
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】(式(化13)〜(化15)中、R1
4、R5、R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50
の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキ
シル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素
基を表す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜
50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む
炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素
基はシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル
等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0044】本発明のリン化合物としては、上記式(化
13)〜(化15)中、R1、R4、R5、R6が芳香環構
造を有する基である化合物がとくに好ましい。
【0045】本発明のリン化合物としては、例えば、メ
チルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニ
ル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸
ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホ
スホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、ジフ
ェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、
ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン
酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン
酸フェニル、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチル
ジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフ
ィンオキサイドなどが挙げられる。これらのうちで、フ
ェニルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチ
ルがとくに好ましい。
【0046】上述したリン化合物の中でも、本発明で
は、リン化合物としてリンの金属塩化合物がとくに好ま
しい。リンの金属塩化合物とは、リン化合物の金属塩で
あれば特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物の金
属塩を用いると本発明の課題であるポリエステルの物性
改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン
化合物の金属塩としては、モノ金属塩、ジ金属塩、トリ
金属塩などが含まれる。
【0047】また、上記したリン化合物の中でも、金属
塩の金属部分が、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、
Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用
いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらの
うち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
【0048】本発明のリンの金属塩化合物としては、下
記一般式(化16)で表される化合物から選択される少
なくとも一種を用いると物性改善効果や触媒活性の向上
効果が大きく好ましい。
【0049】
【化16】
【0050】(式(化16)中、R1は水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはア
ルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭
化水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜5
0の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカ
ルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。l
は1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+m
は4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。n
は1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等
の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環
構造を含んでいてもよい。)
【0051】上記のR1としては、例えば、フェニル、
1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビ
フェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR
2としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル
基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、
−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。R3
-としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイ
オン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなど
が挙げられる。
【0052】上記一般式(化16)で表される化合物の
中でも、下記一般式(化17)で表される化合物から選
択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0053】
【化17】
【0054】(式(化17)中、R1は水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはア
ルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭
化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニル
を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上
の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以下
である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。炭化水素
基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニル
やナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0055】上記のR1としては、例えば、フェニル、
1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビ
フェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。R3-
しては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、
アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げ
られる。
【0056】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向
上効果が大きく好ましい。
【0057】上記式(化17)の中でも、Mが、Li,
Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、C
u、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上
効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、M
gがとくに好ましい。
【0058】本発明のリンの金属塩化合物としては、リ
チウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、
ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチ
ル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホス
ホン酸エチル]、カリウム[(2−ナフチル)メチルホ
スホン酸エチル]、マグネシウムビス[(2−ナフチ
ル)メチルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホ
スホン酸エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エ
チル]、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチ
ル]、ベリリウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、
ストロンチウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、マ
ンガンビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホ
スホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホス
ホン酸]、ナトリウム[(9−アンスリル)メチルホス
ホン酸エチル]、マグネシウムビス[(9−アンスリ
ル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−ヒド
ロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス
[4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリ
ウム[4−クロロベンジルホスホン酸フェニル]、マグ
ネシウムビス[4−クロロベンジルホスホン酸エチ
ル]、ナトリウム[4−アミノベンジルホスホン酸メチ
ル]、マグネシウムビス[4−アミノベンジルホスホン
酸メチル]、フェニルホスホン酸ナトリウム、マグネシ
ウムビス[フェニルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[フ
ェニルホスホン酸エチル]などが挙げられる。これらの
中で、リチウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エ
チル]、ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン
酸エチル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチ
ルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸
エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、
マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベン
ジルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジ
ルホスホン酸]がとくに好ましい。
【0059】上述したリン化合物の中でも、本発明で
は、リン化合物としてP-OH結合を少なくとも一つ有する
リン化合物がとくに好ましい。これらのリン化合物を含
有することでポリエステルの物性改善効果がとくに高ま
ることに加えて、ポリエステルの重合時に、これらのリ
ン化合物を本発明のアルミニウム化合物と共存して用い
ることで触媒活性の向上効果が大きく見られる。P-OH結
合を少なくとも一つ有するリン化合物とは、分子内にP-
OHを少なくとも一つ有するリン化合物であれば特に限定
はされない。これらのリン化合物の中でも、P-OH結合を
少なくとも一つ有するホスホン酸系化合物を用いるとポ
リエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大き
く好ましい。
【0060】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向
上効果が大きく好ましい。
【0061】本発明のP-OH結合を少なくとも一つ有する
リン化合物としては、下記一般式(化18)で表される
化合物から選択される少なくとも一種を用いると物性改
善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0062】
【化18】
【0063】(式(化18)中、R1は水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはア
ルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭
化水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭
化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフ
ェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよ
い。)
【0064】上記のR1としては、例えば、フェニル、
1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビ
フェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR
2としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル
基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、
−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。
【0065】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向
上効果が大きく好ましい。
【0066】本発明のP−OH結合を少なくとも一つ有
するリン化合物としては、(1−ナフチル)メチルホス
ホン酸エチル、(1−ナフチル)メチルホスホン酸、
(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホ
スホン酸エチル、ベンジルホスホン酸、(9−アンスリ
ル)メチルホスホン酸エチル、4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチ
ル、4−クロロベンジルホスホン酸フェニル、4−アミ
ノベンジルホスホン酸メチル、4−メトキシベンジルホ
スホン酸エチルなどが挙げられる。これらの中で、(1
−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホ
ン酸エチルがとくに好ましい。
【0067】本発明の好ましいリン化合物としては、化
学式(化19)であらわされるリン化合物が挙げられ
る。
【0068】
【化19】
【0069】(式(化19)中、R1は炭素数1〜49の
炭化水素基、または水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜49の炭化
水素基を表し、R2,R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂
環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0070】また、更に好ましくは、化学式(化19)
中のR1,R2,R3の少なくとも一つが芳香環構造を含む化合
物である。
【0071】これらのリン化合物の具体例を以下に示
す。
【0072】
【化20】
【0073】
【化21】
【0074】
【化22】
【0075】
【化23】
【0076】
【化24】
【0077】
【化25】
【0078】また、本発明のリン化合物は、分子量が大
きいものの方が重合時に留去されにくいため効果が大き
く好ましい。
【0079】本発明のリン化合物は、フェノール部を同
一分子内に有するリン化合物であることが好ましい。フ
ェノール部を同一分子内に有するリン化合物を含有する
ことでポリエステルの物性改善効果が高まることに加え
て、ポリエステルの重合時にフェノール部を同一分子内
に有するリン化合物を用いることで触媒活性を高める効
果がより大きく、従ってポリエステルの生産性に優れ
る。
【0080】フェノール部を同一分子内に有するリン化
合物としては、フェノール構造を有するリン化合物であ
れば特に限定はされないが、フェノール部を同一分子内
に有する、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合
物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化
合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物か
らなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用
いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効
果が大きく好ましい。これらの中でも、一種または二種
以上のフェノール部を同一分子内に有するホスホン酸系
化合物を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活
性の向上効果がとくに大きく好ましい。
【0081】本発明のフェノール部を同一分子内に有す
るリン化合物としては、下記一般式(化26)〜(化2
8)で表される化合物が好ましい。
【0082】
【化26】
【0083】
【化27】
【0084】
【化28】
【0085】(式(化26)〜(化28)中、R1はフェ
ノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基ま
たはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基な
どの置換基およびフェノール部を含む炭素数1〜50の
炭化水素基を表す。R4,R5,R6はそれぞれ独立に水素、炭
素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基ま
たはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基を含む
炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2,R3はそれぞれ
独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基また
はアルコキシル基などの置換基を含む炭素数1〜50の
炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐構造やシ
クロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳
香環構造を含んでいてもよい。R2とR4の末端どうしは結
合していてもよい。)
【0086】本発明のフェノール部を同一分子内に有す
るリン化合物としては、例えば、p−ヒドロキシフェニ
ルホスホン酸、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメ
チル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジエチル、p
−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p
−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)ホスフィン酸メチル、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)ホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキ
シフェニルフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェ
ニルフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェ
ニルフェニルホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフ
ェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィ
ン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェ
ニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキ
サイド、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン
オキサイド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホ
スフィンオキサイド、および下記式(化29)〜(化3
2)で表される化合物などが挙げられる。これらのうち
で、下記式(化31)で表される化合物およびp−ヒド
ロキシフェニルホスホン酸ジメチルがとくに好ましい。
【0087】
【化29】
【0088】
【化30】
【0089】
【化31】
【0090】
【化32】
【0091】上記の式(化31)にて示される化合物と
しては、SANKO-220(三光株式会社製)があり、使用可
能である。
【0092】本発明のフェノール部を同一分子内に有す
るリン化合物の中でも、下記一般式(化33)で表され
る特定のリンの金属塩化合物から選択される少なくとも
一種がとくに好ましい。
【0093】
【化33】
【0094】((式(化33)中、R1、R2はそれぞれ
独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3
は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基または
アルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表
す。R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸
基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数
1〜50の炭化水素基を表す。R4-としては例えば、
水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオ
ンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。lは1
以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4
以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。nは1
以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂
環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造
を含んでいてもよい。)
【0095】これらの中でも、下記一般式(化34)で
表される化合物から選択される少なくとも一種が好まし
い。
【0096】
【化34】
【0097】(式(化34)中、Mn+はn価の金属カチ
オンを表す。nは1,2,3または4を表す。)
【0098】上記式(化33)または(化34)の中で
も、Mが、Li,Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、
Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると
触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、
Li、Na、Mgがとくに好ましい。
【0099】本発明の特定のリンの金属塩化合物として
は、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸]、カリウム[3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウム
ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸]、ベリリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル]、スト
ロンチウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルホスホン酸エチル]、バリウムビス[3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸
フェニル]、マンガンビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ニッケルビ
ス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸エチル]、銅ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス
[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホス
ホン酸エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチ
ウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マ
グネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルホスホン酸エチル]がとくに好ましい。
【0100】本発明のフェノール部を同一分子内に有す
るリン化合物の中でも、下記一般式(化35)で表され
るP-OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物か
ら選択される少なくとも一種がとくに好ましい。
【0101】
【化35】
【0102】((式(化35)中、R1、R2はそれぞれ
独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3
は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基または
アルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表
す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキ
シル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の
芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0103】これらの中でも、下記一般式(化36)で
表される化合物から選択される少なくとも一種が好まし
い。
【0104】
【化36】
【0105】(式(化36)中、R3は、水素、炭素数
1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を
含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基は
シキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナ
フチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0106】上記のR3としては例えば、水素、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の
脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニ
ル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基など
が挙げられる。
【0107】本発明のP−OH結合を少なくとも一つ有
する特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メ
チル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸イソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル、3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデ
シル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸などが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エ
チル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸メチルがとくに好ましい。
【0108】本発明のフェノール部を同一分子内に有す
るリン化合物の中でも、下記一般式(化37)で表され
る特定のリン化合物から選ばれる少なくとも一種のリン
化合物が好ましい。
【0109】
【化37】
【0110】(上記式(化37)中、R1、R2はそれぞ
れ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R
3、R4はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜5
0の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化
水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェ
ニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0111】上記一般式(化37)の中でも、下記一般
式(化38)で表される化合物から選択される少なくと
も一種を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活
性の向上効果が高く好ましい。
【0112】
【化38】
【0113】(上記式(化38)中、R3、R4はそれぞ
れ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基ま
たはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基
を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分
岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでい
てもよい。)
【0114】上記のR3、R4としては例えば、水素、メ
チル基、ブチル基等の短鎖の脂肪族基、オクタデシル等
の長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換され
たフェニル基やナフチル基等の芳香族基、−CH2CH2
OHで表される基などが挙げられる。
【0115】本発明の特定のリン化合物としては、3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン
酸ジイソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸ジ−n−ブチル、3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタ
デシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸ジフェニルなどが挙げられる。これらの中
で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェニルがとくに好ま
しい。
【0116】本発明のフェノール部を同一分子内に有す
るリン化合物の中でも、本発明でとくに望ましい化合物
は、化学式(化39)、(化40)で表される化合物か
ら選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。
【0117】
【化39】
【0118】
【化40】
【0119】上記の化学式(化39)にて示される化合
物としては、Irganox1222(チバ・スペシャ
ルティーケミカルズ社製)が市販されており、また化学
式(化40)にて示される化合物としてはIrgano
x1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)
が市販されており、使用可能である。
【0120】リン化合物は、ポリエステルの熱安定剤と
しては知られていたが、これらの化合物を従来の金属含
有ポリエステル重合触媒と組み合わせて使用しても、溶
融重合を大きく促進することはこれまで知られていなか
った。実際に、ポリエステル重合の代表的な触媒である
アンチモン化合物、チタン化合物、スズ化合物あるいは
ゲルマニウム化合物を重合触媒としてポリエステルを溶
融重合する際に、本発明のリン化合物を添加しても、実
質的に有用なレベルまで重合が促進されることは認めら
れない。
【0121】本発明の方法に従ってポリエステルを製造
する際のリン化合物の使用量としては、得られるポリエ
ステルのポリカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数
に対して0.0001〜0.1モル%が好ましく、0.
005〜0.05モル%であることがさらに好ましい。
【0122】本発明のリン化合物を併用することによ
り、ポリエステル重合触媒中のアルミニウムとしての添
加量が少量でも十分な触媒効果を発揮する触媒が得られ
る。リン化合物の添加量が0.0001モル%未満の場
合には添加効果が発揮されない場合があり、また0.1
モル%を超えて添加すると逆にポリエステル重合触媒と
しての触媒活性が低下する場合があり、その低下の傾向
は、アルミニウムの使用量等により変化する。
【0123】本発明の触媒は、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、もしくはこれらの化合物を含有していないも
のであることが好ましい。 また一方で、本発明におい
てアルミニウムもしくはその化合物に加えて少量のアル
カリ金属、アルカリ土類金属並びにその化合物から選択
される少なくとも1種を第2金属含有成分として共存さ
せることが好ましい態様である。かかる第2金属含有成
分を触媒系に共存させることは、ジエチレングリコール
の生成を抑制する効果に加えて触媒活性を高め、従って
反応速度をより高めた触媒成分が得られ、生産性向上に
有効である。アルミニウム化合物にアルカリ金属化合物
又はアルカリ土類金属化合物を添加して十分な触媒活性
を有する触媒とする技術は公知である。かかる公知の触
媒を使用すると熱安定性に優れたポリエステルが得られ
るが、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物
を併用した公知の触媒は、実用的な触媒活性を得ようと
するとそれらの添加量が多く必要であり、アルカリ金属
化合物を使用したときは得られるポリエステルの耐加水
分解性が低下すると共にアルカリ金属化合物に起因する
異物量が多くなり、繊維に使用したときには製糸性や糸
物性が、またフィルムに使用したときはフィルム物性な
どが悪化する。またアルカリ土類金属化合物を併用した
場合には、実用的な活性を得ようとすると得られたポリ
エステルの熱安定性が低下し、加熱による着色が大き
く、異物の発生量も多くなり、耐加水分解性も低下す
る。
【0124】アルカリ金属、アルカリ土類金属並びにそ
の化合物を添加する場合、その使用量M(モル%)は、
ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ユニットのモ
ル数に対して、1×10-6以上0.1モル%未満である
ことが好ましく、より好ましくは5×10-6〜0.05
モル%であり、さらに好ましくは1×10-5〜0.03
モル%であり、特に好ましくは、1×10-5〜0.01
モル%である。アルカリ金属、アルカリ土類金属の添加
量が少量であるため、熱安定性低下、異物の発生、着
色、耐加水分解性の低下等の問題を発生させることな
く、反応速度を高めることが可能である。アルカリ金
属、アルカリ土類金属並びにその化合物の使用量Mが
0.1モル%以上になると熱安定性の低下、異物発生や
着色の増加、並びに耐加水分解性の低下が製品加工上問
題となる場合が発生する。Mが1×10-6未満では、添
加してもその効果が明確ではない。
【0125】本発明においてアルミニウムもしくはその
化合物に加えて使用することが好ましい第2金属含有成
分を構成するアルカリ金属、アルカリ土類金属として
は、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,
Sr,Baから選択される少なくとも1種であることが
好ましく、このうちLi,Na,Mgないしその化合物
から選択される少なくとも1種の使用がより好ましい。
アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては、例
えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタ
クリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸な
どの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲ
ン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸など
のヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン
酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜
硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸な
どの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタン
スルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン
酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エト
キシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブト
キシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセ
チルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、
酸化物、水酸化物などが挙げられる。
【0126】これらのアルカリ金属、アルカリ土類金属
またはそれらの化合物のうち、水酸化物等のアルカリ性
の強いものを用いる場合、これらはエチレングリコール
等のジオールもしくはアルコール等の有機溶媒に溶解し
にくい傾向があるため、水溶液で重合系に添加しなけれ
ばならず重合工程上問題となる場合が有る。さらに、水
酸化物等のアルカリ性の強いものを用いた場合、重合時
にポリエステルが加水分解等の副反応を受け易くなると
ともに、重合したポリエステルは着色し易くなる傾向が
あり、耐加水分解性も低下する傾向がある。従って、本
発明のアルカリ金属またはそれらの化合物あるいはアル
カリ土類金属またはそれらの化合物として好適なもの
は、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の飽和脂肪
族カルボン酸塩、不飽和脂肪族カルボン酸塩、芳香族カ
ルボン塩、ハロゲン含有カルボン酸塩、ヒドロキシカル
ボン酸塩、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、リン酸水
素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、
塩素酸、臭素酸から選ばれる無機酸塩、有機スルホン酸
塩、有機硫酸塩、キレート化合物、及び酸化物である。
これらの中でもさらに、取り扱い易さや入手のし易さ等
の観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の
飽和脂肪族カルボン酸塩、特に酢酸塩の使用が好まし
い。
【0127】本発明の重縮合触媒は、アンチモン化合
物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物などの他の重縮
合触媒を、これらの成分の添加が前述のようなポリエス
テルの特性、加工性、色調等製品に問題を生じない添加
量の範囲内において共存させて用いることは、重合時間
の短縮による生産性を向上させる際に有効であり、好ま
しい。アンチモン化合物は、重合して得られるポリエス
テルに対してアンチモン原子として50ppm以下の量
で添加することが好ましい。より好ましい添加量は、3
0ppm以下である。アンチモンの添加量を50ppm
以上にすると、金属アンチモンの析出が起こり、ポリエ
ステルに黒ずみや異物が発生するため好ましくない。ゲ
ルマニウム化合物は、重合して得られるポリエステルに
対してゲルマニウム原子として20ppm以下の量で添
加することが好ましい。より好ましい添加量は10pp
m以下である。ゲルマニウムの添加量を20ppm以上
にすると、コスト的に不利になるため好ましくない。
【0128】チタン化合物は、重合して得られるポリエ
ステルに対してチタン原子として5ppm以下の量で添
加することが好ましい。より好ましい添加量は3ppm
以下であり、さらに好ましくは1ppm以下である。チ
タンの添加量を5ppm以上にすると、得られるポリエ
ステルの着色が顕著になり、さらに熱安定性が顕著に低
下するため好ましくない。本発明において使用可能なア
ンチモン化合物としては、特に限定はされないが、好適
な化合物として三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、
酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドなどが挙げ
られ、特に三酸化アンチモンの使用が好ましい。また、
ゲルマニウム化合物としては、特に限定はされないが、
二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが挙げら
れ、特に二酸化ゲルマニウムが好ましい。二酸化ゲルマ
ニウムとしては結晶性のものと非晶性のものの両方が使
用できる。
【0129】本発明において使用可能なチタン化合物と
しては特に限定はされないが、テトラ−n−プロピルチ
タネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n
−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テ
トラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキ
シルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベ
ンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウム、蓚酸チタン
酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、
チタンとケイ素やジルコニウムやアルカリ金属やアルカ
リ土類金属などとの複合酸化物、チタンのオルトエステ
ルまたは縮合オルトエステル、チタンのオルトエステル
または縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸から
なる反応生成物、チタンのオルトエステルまたは縮合オ
ルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物から
なる反応生成物、チタンのオルトエステルまたは縮合オ
ルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有す
る多価アルコール、2−ヒドロキシカルボン酸および塩
基からなる反応生成物などが挙げられ、このうちチタン
とケイ素の複合酸化物、チタンとマグネシウムの複合酸
化物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステ
ルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生
成物が好ましい。
【0130】またスズ化合物としては、ジブチルスズオ
キサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチ
ルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルス
ズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキ
サイド、トリイソブチルスズアセテート、ジフェニルス
ズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブ
チルスズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキサ
イド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸などが
挙げられ、特にモノブチルヒドロキシスズオキサイドの
使用が好ましい。
【0131】本発明の重縮合触媒は、重合反応の任意の
段階で反応系に添加することができる。例えばエステル
化反応もしくはエステル交換反応の開始前及び反応途中
の任意の段階もしくは重縮合反応の開始直前あるいは反
応途中に反応系へ添加することができる。特に、アルミ
ニウムないしその化合物は重縮合反応の開始直前に添加
することが好ましい。本発明の重縮合触媒の添加方法
は、粉末状ないしはニート状での添加であってもよい
し、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状もしく
は溶液状での添加であってもよく、特に限定されない。
また、アルミニウム金属もしくはその化合物と他の成
分、例えば本発明のリン化合物とを予め混合した混合物
として添加してもよいし、これらを別々に添加してもよ
い。またアルミニウム金属もしくはその化合物と他の成
分、例えばリン化合物とを同じ添加時期に重合系に添加
してもよく、それぞれの成分を別々の添加時期に添加し
てもよい。また、触媒の全量を一度に添加しても、複数
回に分けて添加してもよい。
【0132】本発明のポリエステルの色調を改善するた
め、コバルト化合物をコバルト原子としてポリエステル
に対して10ppm未満の量で添加することが好ましい
態様である。より好ましくは5ppm以下であり、さら
に好ましくは3ppm以下である。本発明におけるコバ
ルト化合物は、着色の消去が目的であり、添加時期は重
合のどの段階であってもよく、重合反応終了後であって
も構わなく、重合反応終了後から成形時までのどの段階
であってもかまわない。コバルト化合物としては特に限
定はないが、具体的には例えば、酢酸コバルト、硝酸コ
バルト、塩化コバルト、コバルトアセチルアセトネー
ト、ナフテン酸コバルトおよびそれらの水和物等が挙げ
られる。その中でも特に酢酸コバルト四水和物が好まし
い。
【0133】本発明のポリエステル中には、有機系、無
機系、及び有機金属系のトナー、ならびに蛍光増白剤な
どを含むことができ、これらを一種もしくは二種以上含
有することによって、ポリエステルの黄み等の着色をさ
らに優れたレベルにまで抑えることができる。また他の
任意の重合体や制電剤、消泡剤、染色性改良剤、染料、
顔料、艶消剤、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、その
他の添加剤が含有されていてもよい。酸化防止剤として
は、芳香族アミン系、フェノール系等の酸化防止剤が使
用可能であり、安定剤としては、リン酸やリン酸エステ
ル系等のリン系、硫黄系、アミン系等の安定剤が使用可
能である。これらの添加剤は、ポリエステルの重合時も
しくは重合後、あるいはポリエステル成形時の任意の段
階で添加することが可能であり、どの段階が好適かは化
合物の特性やポリエステル成形体の要求性能に応じてそ
れぞれ異なる。
【0134】本発明に言うポリエステルとは、ジカルボ
ン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成
性誘導体から選ばれる一種または二種以上とグリコール
を含む多価アルコールから選ばれる一種または二種以上
とから成るもの、またはヒドロキシカルボン酸およびこ
れらのエステル形成性誘導体から成るもの、または環状
エステルから成るものをいう。
【0135】ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン
酸、ドデカンジカルボン酸、 テトラデカンジカルボン
酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3ーシクロブタン
ジカルボン酸、1,3ーシクロペンタンジカルボン酸、
1,2ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,3ーシクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン
酸、2,5ーノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸な
どに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらの
エステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸または
これらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、5ー(アルカリ金属)スルホ
イソフタル酸、ジフェニン酸、1,3ーナフタレンジカ
ルボン酸、1,4ーナフタレンジカルボン酸、1,5ーナ
フタレンジカルボン酸、2,6ーナフタレンジカルボン
酸、2,7ーナフタレンジカルボン酸、4、4'ービフェ
ニルジカルボン酸、4、4'ービフェニルスルホンジカ
ルボン酸、4、4'ービフェニルエーテルジカルボン
酸、1,2ービス(フェノキシ)エタンーp,p'ージカ
ルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸など
に例示される芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステ
ル形成性誘導体が挙げられる。
【0136】これらのジカルボン酸のうちテレフタル酸
およびナフタレンジカルボン酸とくに2,6ーナフタレ
ンジカルボン酸が、得られるポリエステルの物性等の点
で好ましく、必要に応じて他のジカルボン酸を構成成分
とする。
【0137】これらジカルボン酸以外のポリカルボン酸
として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン
酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメ
リット酸、トリメシン酸、3、4、3'、4'ービフェニ
ルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘
導体などが挙げられる。この内、固相重合速度を高める
ため共重合成分として少量用いられる芳香族ポリカルボ
ン酸およびその誘導体としては、トリメリット酸無水
物、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。
【0138】グリコールとしてはエチレングリコール、
1、2ープロピレングリコール、1、3ープロピレング
リコール、ジエチレングリ コール、トリエチレングリ
コール、1、2ーブチレングリコール、1、3ーブチレ
ングリコール、2、3ーブチレングリコール、1,4ー
ブチレングリコール、1、5ーペンタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオー ル、1,
2ーシクロヘキサンジオール、1,3ーシクロヘキサン
ジオール、1,4ーシクロヘキサンジオール、1,2ーシ
クロヘキサンジメタノール、1,3ーシクロヘキサンジ
メタノール、1,4ーシクロヘキサンジメタノール、1,
4ーシクロヘキサンジエタノール、1,10ーデカメチ
レングリコール、1、12ードデカンジオール、ポリエ
チレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリ
コール、ヒドロキノン、4, 4'ージヒドロキシビスフ
ェノール、1,4ービス(βーヒドロキシエトキシ)ベ
ン ゼン、1,4ービス(βーヒドロキシエトキシフェニ
ル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1、2ービス(p
−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビ
スフェノールC、2,5ーナフタレンジオール、これら
のグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコー
ル、などに例示される芳香族グリコールが挙げられる。
【0139】これらのグリコールのうちエチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが
好ましい。
【0140】これらグリコール以外の多価アルコールと
して、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリ
セロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
【0141】ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、ク
エン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3ーヒド
ロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、pー( 2ーヒ
ドロキシエトキシ)安息香酸、4ーヒドロキシシクロヘ
キサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導
体などが挙げられる。
【0142】環状エステルとしては、ε-カプロラクト
ン、β-プロピオラクトン、β-メチル-β-プロピオラク
トン、δ-バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなど
が挙げられる。
【0143】多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボ
ン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキ
ルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられ
る。
【0144】本発明で用いられるポリエステルは主たる
酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体
もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体であり、主たるグリコール成分がアルキレン
グリコールであるポリエステルが好ましい。
【0145】主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエ
ステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルと
は、全酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル
形成性誘導体とナフタレンジカルボン酸またはそのエス
テル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリ
エステルであることが好ましく、より好ましくは80モル
%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは
90モル%以上含有するポリエステルである。
【0146】主たるグリコール成分がアルキレングリコ
ールであるポリエステルとは、全グリコール成分に対し
てアルキレングリコールを合計して70モル%以上含有す
るポリエステルであることが好ましく、より好ましくは
80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ま
しくは90モル%以上含有するポリエステルである。ここ
で言うアルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂
環構造を含んでいても良い。
【0147】本発明で用いられるナフタレンジカルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体としては、1,3ー
ナフタレンジカルボン酸、1,4ーナフタレンジカルボ
ン酸、1,5ーナフタレンジカルボン酸、2,6ーナフタ
レンジカルボン酸、2,7ーナフタレンジカルボン酸、
またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
【0148】本発明で用いられるアルキレングリコール
としては、エチレングリコール、1、2ープロピレング
リコール、1、3ープロピレングリコール、1、2ーブ
チレングリコール、1、3ーブチレングリコール、2、
3ーブチレングリコール、1,4ーブチレングリコー
ル、1、5ーペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6ーヘキサンジオー ル、1,2ーシクロヘキサ
ンジオール、1,3ーシクロヘキサンジオール、1,4ー
シクロヘキサンジオール、1,2ーシクロヘキサンジメ
タノール、1,3ーシクロヘキサンジメタノール、1,4
ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサ
ンジエタノール、1,10ーデカメチレングリコール、
1、12ードデカンジオール等があげられる。これらは
同時に2種以上を使用しても良い。
【0149】本発明のポリエステルとしてはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
プロピレンテレフタレート、ポリ(1,4ーシクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフ
タレートおよびこれらの共重合体が好ましく、これらの
うちポリエチレンテレフタレートおよびこの共重合体が
特に好ましい。本発明の製造方法により得られたポリエ
ステルは、ボトル等の中空成形体、各種シート衣料用繊
維、産業資材用繊維、各種フィルム、エンジニアリング
プラスチックなどの各種成形体への応用が可能である。
【0150】以下、実施例によって本発明を詳細に説明
する。なお、特性評価は以下の方法で実施した。 固有粘度(IV:dl/g) 溶融重縮合および固相重縮合で得られたそれぞれのポリ
エステルレジンペレット(長さ約3mm、直径約2m
m、シリンダー状)を、予め下記方法で粉砕した後、1
30℃で12時間以上真空乾燥したものを、p−クロロ
フェノール/1,1,2,2−テロラクロロエタンの3/1
(重量比)混合溶媒に80〜100℃で数時間かけて溶解
し、ウベローデ粘度計を用いて、温度30℃で測定した。
濃度は、4g/lを中心にして何点か測定し、常法に従っ
てIVを決定した。(粉砕方法)粉砕にはフリーザーミル
(米国スペックス社製6750型)を用いた。専用セルに約
2gのレジンペレットと専用のインパクターを入れた後、
セルを装置にセットし液体窒素を装置に充填して約10 m
in間保持し、その後、RATE10(インパクターが約20回/
秒前後する)で5 min間粉砕した。
【0151】ポリエステルレジン酸価(AV)の測定 ポリエステルレジンペレットを130℃で12時間以上
真空乾燥する。試料0.1gを試験管に精秤し、ベンジ
ルアルコール10mlを加え、溶解させる。溶解後、水
浴で冷却する。10mlのクロロホルムを加え、フェノ
ールフタレインを指示薬として、0.1NのNaOHのメタ
ノール/ベンジルアルコール=1/9(容量比)の溶液
を使用して滴定して、酸価を求めた。
【0152】(3)ポリエステルレジンの色相 溶融重縮合および固相重縮合で得られたポリエステルレ
ジンペレット(長さ約3mm、直径約2mm、シリンダ
ー状)が25℃、R.H.65%下で一昼夜放置後、カラー測
定に用いられた。測定は、色差計(東京電色(株)製MO
DEL TC−1500MC-88)を使用し、ハンターのL値、a値、
およびb値として測定した。
【0153】固相重縮合用共重合ポリエステルレジンの
製造 (Al/P系)攪拌機付き熱媒循環式2リッターステンレス
製オートクレーブに高純度テレフタル酸とその2倍モル
量のエチレングリコールおよびトリエチルアミンを酸成
分に対して0.3 mol%加え、0.25MPaの加圧下
245℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を120
min間行いオリゴマー混合物を得た。このオリゴマー混
合物に、重縮合触媒として塩基性酢酸アルミニウム(Al
drich製)水溶液にエチレングリコールを加えて環留
し、結果として15g/l塩基性酢酸アルミニウムのエチレ
ングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してア
ルミニウム原子として0.014 mol%とリン化合物としてI
rganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ製)
の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrga
nox 1425として0.02 mol%を加え、ついで、窒素雰囲気
下、常圧にて245℃で10分間攪拌した。その後、60分間
をかけて275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下
げて13.3 Pa(0.1Torr)として、さらに275℃、13.3 Pa
でIVが約0.6 dl/gになるまで重縮合反応を実施した。所
定の攪拌トルクに到達した時点でオートクレーブに窒素
を導入し常圧に戻し重縮合反応を停止させた後、微加圧
下、溶融ポリマーを連続的に反応缶下部の吐出ノズルよ
り冷水中にストランド状に押し出して急冷し、その後20
秒間冷水中で保持した後、カッティングして長さ約3m
m、直径約2mmのシリンダー形状のペレットを得た。
得られたポリエステルレジンの特性を表1に示す。さら
に、このポリエステルレジンペレットを、固相重縮合用
ポリエステルレジンペレットとし、静置固相重合塔で窒
素気流下、約160〜170℃で結晶化後、205℃で固相重縮
合した。固相重合(SSP)に要した時間とIV評価結果を
(比較例1)として、表2に示す。
【0154】(Sb系)上述のAl/P系において塩基性酢酸
アルミニウムおよびIrganox 1425の替わりに触媒として
Sb2O3のエチレングリコール溶液をSb原子として200 ppm
相当量を添加する以外はAl/P系の溶融重縮合と同様に実
施しIVが約0.6 dl/gのポリエステルレジンペレットを得
た。レジンペレットの特性を表1に示す。
【0155】(Ti系)上述のAl/P系において塩基性酢酸ア
ルミニウムおよびIrganox 1425の替わりに触媒としてK2
TiO(C2O4)2・2H2O(キシダ化学製)の10g/lエチレン
グリコール溶液をTi原子として10 ppm相当量を添加する
以外はAl/P系の溶融重縮合と同様に実施し、IVが約0.6
dl/gのポリエステルレジンペレットを得た。レジンペレ
ットの特性を表1に示す。
【0156】(実施例1〜6)上述の(Al/P系)「固相
重縮合用共重合ポリエステルレジンの製造法」におい
て、芳香族ジカルボン酸成分およびジオール成分に加え
て、表2に記載の芳香族ポリカルボン酸無水物および/
またはポリオールを添加する以外は同様にして、それぞ
れの固相重縮合用ポリエステルレジンペレットを得た。
これらのポリエステルレジンペレットを、静置固相重合
塔で窒素気流下、約160〜170℃で結晶化後、205℃で固
相重縮合した。固相重縮合(SSP)に要した時間とIV評
価結果を表2に示す。
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【発明の効果】芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性
誘導体とのエステル化反応またはエステル交換反応によ
るオリゴマー形成において、芳香族ポリカルボン酸およ
びその無水物ならびにポリオールからなる群より選ばれ
る少なくとも1種が追加された組成から得られた該オリ
ゴマーに、重縮合触媒としてアルミニウム化合物とリン
化合物を添加し溶融重縮合せしめて固有粘度(IV)が0.
2〜0.7dl/gのポリエステルレジンを得、ペレット化した
後、固相重縮合することによって、チタン系触媒のよう
に溶融成形時の熱劣化をほとんど起こさず、アンチモン
系触媒のような異物や透明性の問題の少ない、また、ゲ
ルマニウム系触媒のコストアップの問題が抑制された、
優れた固相重合速度有する、高IVのポリエステルの製造
方法およびその成形体を提供することが可能となる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AA05 AB05 AC02 AD01 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA09 BA10 BB05A BB06A BB12A BB13A BD03A BD04A BD06A BD07A BF09 BF16 BF18 BF25 BF28 BH02 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CB04A CB05A CB06A CB10A CC05A CC06A CD03 CF08 DB13 EA02 EG02 EG05 EG07 EG09 EH02 EH03 FC02 FC03 FC04 FC05 FC08 FC12 FC14 FC35 FC36 GA13 GA14 GA17 JA061 JA091 JB151 JB171 JC541 JC561 JC571 JC581 JC641 JF221 KE02 KE03 KE05 KE12 KE15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形
    成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性誘
    導体とのエステル化反応またはエステル交換反応による
    オリゴマー形成において、芳香族ポリカルボン酸および
    その無水物ならびにポリオールからなる群より選ばれる
    少なくとも1種が追加された組成から得られた該オリゴ
    マーに、重縮合触媒としてアルミニウム化合物とリン化
    合物を添加し溶融重縮合せしめて固有粘度(IV)が0.2
    〜0.7dl/gのポリエステルレジンを得、ペレット化した
    後、固相重縮合することを特徴とする高IVポリエステル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】芳香族ポリカルボン酸およびその無水物
    が、トリメリット酸およびその無水物あるいはピロメリ
    ット酸およびその2無水物であり、組成の成分量が上記
    芳香族ジカルボン酸に対し0.01〜5モル%である請求項
    1記載のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】ポリオールがトリメチロールプロパンおよ
    びペンタエリスリトールであり、組成の成分量が上記ジ
    オールに対し0.01〜5 モル%である請求項1記載のポリ
    エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】上記触媒の構成成分であるアルミニウム化
    合物が酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、乳
    酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミ
    ニウム、ポリ塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセ
    チルアセトネートから選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
    ステルの製造方法。
  5. 【請求項5】上記触媒の構成成分であるリン化合物がホ
    スホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィン
    オキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフ
    ィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】上記ジカルボン酸またはそのエステル形成
    誘導体が、テレフタル酸(ジメチル)、イソフタル酸
    (ジメチル)、ナフタレンジカルボン酸(ジメチル)お
    よびこれらの混合物からなる群から選ばれ、ジオールが
    C2〜C10のアルキレンジオールであることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の共重合ポリエステルの
    製造方法。
  7. 【請求項7】上記リン化合物がフェノール基含有ホスホ
    ン酸誘導体あるいはその金属塩である請求項1〜6のい
    ずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】前記ポリエステルの固相重縮合後の固有粘
    度が0.7〜1.5 dl/gであることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8に記載の製造方法により製造
    されたポリエステルからなる成形体。
  10. 【請求項10】成形体が中空成形体あるいはシート物質
    であることを特徴とする請求項9に記載のポリエステル
    成形体。
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