JP2005023160A - ポリエステル用重縮合触媒 - Google Patents

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Takahiro Nakajima
孝宏 中嶋
Kenichi Tsukamoto
健一 塚本
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Abstract

【課題】本発明の目的は、欠点を有するアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物およびコバルト化合物を触媒主成分として含まず、ハイドロタルサイト類化合物およびリン化合物を主たる重縮合触媒として用いることで、重縮合活性に優れ、耐熱老化性に優れ、異物が少なく透明性にも優れるポリエステル成形品を与えるポリエステル重合触媒を提供することにある。
【解決手段】マグネシウムとアルミニウムのモル比が特定の関係を満足することを特徴するハイドロタルサイト類化合物とリン化合物からなるポリエステル用重縮合触媒。また、さらに、ハイドロタルサイト類化合物とリン化合物の重量比が特定の関係を満足することを特徴とする前記のポリエステル用重縮合触媒。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル用重縮合触媒に関する。さらには、触媒活性および耐熱老化性に優れ、異物が少ないポリエステル成形物を与えるポリエステル用重縮合触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等に代表されるポリエステルは、機械的特性、及び化学的特性に優れており、それぞれのポリエステルの特性に応じて、例えば衣料用や産業資材用の繊維、包装用や磁気テープ用などのフィルムやシート、中空成形品であるボトル、電気・電子部品のケーシング、その他エンジニアリングプラスチック成形品等の広範な分野において使用されている。
【0003】
代表的なポリエステルである芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを主構成成分とするポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の場合には、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル化反応もしくはエステル交換反応によってビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのオリゴマー混合物を製造し、これを高温、真空下で触媒を用いて液相重縮合させ、粒状化する。その後、例えばボトルの場合などは、固相重縮合し成形用ペレットが製造される。こうして製造されたポリエステルペレットは射出成形してプリフォームを製造し、次いでこのプリフォームをブロー成形するなどして二軸延伸し、ボトル状に成形される。
【0004】
従来から、このようなポリエステルの重縮合時に用いられるポリエステル重縮合触媒としては、アンチモンあるいはゲルマニウム化合物が広く用いられている。三酸化アンチモンは、安価で、かつ優れた触媒活性をもつ触媒であるが、これを主成分、即ち、実用的な重合速度が発揮される程度の添加量にて使用すると、重縮合時に金属アンチモンが析出するため、ポリエステルに黒ずみや異物が発生し、フィルムの表面欠点の原因にもなる。また、中空の成形品等の原料とした場合には、透明性の優れた中空成形品を得ることが困難である。このような経緯で、アンチモンを全く含まないか或いはアンチモンを触媒主成分として含まないポリエステルが望まれている。
【0005】
アンチモン化合物以外で優れた触媒活性を有し、かつ上記の問題を有しないポリエステルを与える触媒としては、ゲルマニウム化合物がすでに実用化されているが、この触媒は非常に高価であるという問題点や、重合中に反応系から系外へ留出しやすいため反応系の触媒濃度が変化し重合の制御が困難になるという課題を有しており、触媒主成分として使用することには問題がある。
【0006】
アンチモン系あるいはゲルマニウム系触媒に代わる重縮合触媒の検討も行われており、テトラアルコキシチタネートに代表されるチタン化合物がすでに提案されているが、これらを用いて製造されたポリエステルは溶融成形時に熱劣化を受けやすく、またポリエステルが著しく着色するという問題点を有する。また、コバルト系触媒についても種々検討された経緯があるが、重縮合触媒としての活性度が十分ではなく、黄変防止のための着色改良剤の効果しか期待されていない。
【0007】
また、従来のアンチモン、ゲルマニウム、チタンおよびコバルト系触媒以外のポリエステル用重縮合触媒として新しくハイドロタルサイト類化合物/リン系熱安定剤の併用系が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。この方法は、工業生産時の長時間に亘る滞留時間によるポリエステルの熱安定性を、ヒンダードフェノール基を有するリン系熱安定剤で、分子量低下あるいは着色の問題を改善するものである。また、ハイドロタルサイト類化合物/リン系熱安定剤の添加重量比は0.25から2が好ましい範囲であると記述されている。しかしながら、重縮合触媒としてのハイドロタルサイト類化合物とこれら熱安定剤であるリン化合物との併用は、ハイドロタルサイト類化合物単独に比べ、同じ重縮合条件ではポリエステルのIVが低下する結果を得ている。すなわち、リン化合物の添加は、単に抗酸化剤による熱劣化防止効果しか得られておらず、重合活性が低下することを意味し工業生産性の上で大きな問題点を抱えている。
【0008】
【特許文献1】
WO01/42335
【特許文献2】
WO03/4547
【0009】
以上のような経緯で、アンチモン、ゲルマニウム、チタンおよびコバルト系以外の金属成分を触媒の主たる金属成分とする重合触媒であり、触媒活性および耐熱老化性に優れ、透明性に優れ、異物の少ないポリエステル用重縮合触媒が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記した、欠点を有するアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物およびコバルト化合物を触媒主成分として含まず、ハイドロタルサイト類化合物およびリン化合物を主たる重縮合触媒として用いることで、重縮合活性に優れ、耐熱老化性に優れ、異物が少なく透明性にも優れるポリエステル成形品を与えるポリエステル用重縮合触媒を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記ハイドロタルサイト類化合物/リン化合物系での重縮合触媒活性が低下するという欠点を改善すべく鋭意研究した結果、驚くべきことには、下記式(3)で表されるハイドロタルサイト類化合物とリン化合物からなるポリエステル用重縮合触媒において、ハイドロタルサイト類化合物が、式(1)および式(2)を満足することで重縮合活性が向上しかつ異物低減に優れることを見出し本発明に到達した。
[M(II)1−XM(III)(OH)X+(An− X/n)・mHO (3)
(ここで、M(II)はMg,Mn,Zn,Fe(II),Co,Ni,Cuなどの2価金属を示す。ただし、Mgが必須成分であるものとする。M(III)はAl,Fe(III)、Cr,Co,Inなどの3価金属を示す。ただし、Alが必須成分であるものとする。AはA―がOH、F,Cl,Br,NO−,CO 2−、SO 2−,Fe(CN) 3−,CHCOO、シュウ酸アニオン,ホウ酸アニオン、チタネートなどのn価のアニオンを示す。)
0.1≦ Mg/Al(モル比)≦ 1.5 (1)
0.1 ≦ H/P(重量比)≦ 0.24 (2)
【0012】
すなわち、本発明の課題である従来触媒と少なくても同等の品質を示すために、ハイドロタルサイト類化合物の重縮合触媒活性を向上せしめ、耐熱劣化性を改善し、しかも異物を低減する手段は、ハイドロタルサイト類化合物のMg/Alモル比およびハイドロタルサイト類化合物(H)と特定のリン系化合物(P)のH/P重量比をそれぞれ特定の範囲内でポリエステル用重縮合触媒として用いるところにある。
【0013】
本発明で使用できるハイドロタルサイト類は、焼成しなくても使用可能である。焼成する場合は、焼成温度が200−900℃、好ましくは400−700℃で処理される。また、ハイドロタルサイトの粒子径は、0.05−30μmの範囲が使用可能であり、好ましくは0.1−5.0μmである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のハイドロタルサイト類化合物は、式(1)を満足することが好ましい態様である。
0.1 ≦ Mg/Al(モル比) ≦1.5 (1)
ハイドロタルサイト類化合物が、0.1未満では、触媒活性は優れるが異物の問題が残り好ましくない態様である。1.5を超えると触媒活性は著しく低下し好ましくない態様である。
【0015】
本発明のハイドロタルサイト類化合物(H)とリン化合物(P)の添加の場合のH/P重量比は、結果として式(2)を満足することが好ましい態様である。
0.1 ≦ H/P(重量比)≦ 0.24 (2)
すなわち、H/P重量比が0.1よりも小さくなると触媒活性が低下し好ましくない態様である。また、H/P重量比が0.25を超えるとこれも触媒活性が低下し好ましくない態様である。すなわち、触媒活性の上で好ましい領域が存在する。
【0016】
本発明で使用できるリン化合物は、ホスホン酸系化合物からなる群より選ばれることが好ましく、さらに好ましくは芳香環構造を有する化合物である。具体的には、上記触媒の構成成分であるリン化合物は、下記一般式(化4)〜(化6)で表される化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上である。
【化4】
Figure 2005023160
【化5】
Figure 2005023160
【化6】
Figure 2005023160
(式(化4)〜(化6)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基、ハロゲン基、アルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構造や芳香環構造を含んでいても良い。)
ここで、上記式(化4)〜(化6)中のR、R、R、Rが芳香環構造を有する基であることがさらに好ましい。
【0017】
本発明では、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびそれらの化合物が使用できるが、Li、Na、Kなどのアルカリ金属およびそれらの化合物が好ましい態様である。
【0018】
本発明の重縮合触媒を構成するハイドロタルサイト類化合物は、マグネシウムの酸化物およびアルミニウムの酸化物が主たる構成成分である。たとえば、PURAL MG30(MgO /Al=30/70)、PURAL MG50(MgO /Al=50/50)、PURAL MG61HT(MgO /Al=61/39)、PURAL MG70(MgO /Al=70/30)、以上はいずれもSasol社製ハイドロタルサイト類化合物、また、DHT−4A(MgO /Al=34/19)、DHT−6(MgO /Al=39/16)、以上は、いずれも協和化学工業(株)製ハイドロタルサイト類化合物などが使用できる。これらハイドロタルサイト類化合物は、2種以上を配合して使用することも可能である。
【0019】
本発明のリン化合物としては、特に限定はされないが、リン酸ならびにトリメチルリン酸、トリエチルリン酸、フェニルリン酸、トリフェニルリン酸等のリン酸エステル、亜リン酸ならびにトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスファイト等の亜リン酸エステルなどが挙げられる。
【0020】
本発明のより好ましいリン化合物は、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。これらのリン化合物を含有することでポリエステルの熱安定性等の物性が改善する効果に加えて、ポリエステルの重合時に、これらのリン化合物を本発明のアルミニウム化合物と共存して用いることで触媒活性の向上効果が見られる。これらの中でも、ホスホン酸系化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0021】
本発明で言うホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物とは、それぞれ下記式(化7)〜(化12)で表される構造を有する化合物のことを言う。
【0022】
【化7】
Figure 2005023160
【0023】
【化8】
Figure 2005023160
【0024】
【化9】
Figure 2005023160
【0025】
【化10】
Figure 2005023160
【0026】
【化11】
Figure 2005023160
【0027】
【化12】
Figure 2005023160
【0028】
本発明のホスホン酸系化合物としては、例えば、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルなどが挙げられる。本発明のホスフィン酸系化合物としては、例えば、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニルなどが挙げられる。本発明のホスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0029】
ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物の中では、本発明のリン化合物としては、下記式(化13)〜(化18)で表される化合物が好ましい。
【0030】
【化13】
Figure 2005023160
【0031】
【化14】
Figure 2005023160
【0032】
【化15】
Figure 2005023160
【0033】
【化16】
Figure 2005023160
【0034】
【化17】
Figure 2005023160
【0035】
【化18】
Figure 2005023160
【0036】
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0037】
また、本発明のリン化合物としては、下記一般式(化19)〜(化21)で表される化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が特に大きく好ましい。
【0038】
【化19】
Figure 2005023160
【0039】
【化20】
Figure 2005023160
【0040】
【化21】
Figure 2005023160
【0041】
(式(化19)〜(化21)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0042】
本発明のリン化合物としては、上記式(化19)〜(化21)中、R、R、R、Rが芳香環構造を有する基である化合物がとくに好ましい。
【0043】
本発明のリン化合物としては、例えば、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらのうちで、フェニルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルがとくに好ましい。
【0044】
上述したリン化合物の中でも、本発明では、リン化合物としてリンの金属塩化合物がとくに好ましい。リンの金属塩化合物とは、リン化合物の金属塩であれば特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物の金属塩を用いると本発明の課題であるポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物の金属塩としては、モノ金属塩、ジ金属塩、トリ金属塩などが含まれる。
【0045】
また、上記したリン化合物の中でも、金属塩の金属部分が、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
【0046】
本発明のリンの金属塩化合物としては、下記一般式(化22)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0047】
【化22】
Figure 2005023160
【0048】
(式(化22)中、Rは水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0049】
上記のRとしては、例えば、フェニル、1―ナフチル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のRとしては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CHCHOHで表される基などが挙げられる。Rとしては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0050】
上記一般式(化22)で表される化合物の中でも、下記一般式(化23)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0051】
【化23】
Figure 2005023160
【0052】
(式(化23)中、Rは水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0053】
上記のRとしては、例えば、フェニル、1―ナフチル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。Rとしては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0054】
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0055】
上記式(化23)の中でも、Mが、Li,Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
【0056】
本発明のリンの金属塩化合物としては、リチウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、カリウム[(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベリリウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ストロンチウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、マンガンビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]、ナトリウム[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−クロロベンジルホスホン酸フェニル]、マグネシウムビス[4−クロロベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、マグネシウムビス[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、フェニルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[フェニルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[フェニルホスホン酸エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]がとくに好ましい。
【0057】
上述したリン化合物の中でも、本発明では、リン化合物としてP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物がとくに好ましい。これらのリン化合物を含有することでポリエステルの物性改善効果がとくに高まることに加えて、ポリエステルの重合時に、これらのリン化合物を本発明のハイドロタルサイト類化合物と共存して用いることで触媒活性の向上効果が大きく見られる。
P−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物とは、分子内にP−OHを少なくとも一つ有するリン化合物であれば特に限定はされない。これらのリン化合物の中でも、P−OH結合を少なくとも一つ有するホスホン酸系化合物を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0058】
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0059】
本発明のP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物としては、下記一般式(化24)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0060】
【化24】
Figure 2005023160
【0061】
(式(化24)中、Rは水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0062】
上記のRとしては、例えば、フェニル、1―ナフチル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のRとしては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CHCHOHで表される基などが挙げられる。
【0063】
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0064】
本発明のP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物としては、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、(1−ナフチル)メチルホスホン酸、(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸、(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチル、4−クロロベンジルホスホン酸フェニル、4−アミノベンジルホスホン酸メチル、4−メトキシベンジルホスホン酸エチルなどが挙げられる。これらの中で、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸エチルがとくに好ましい。
【0065】
本発明の好ましいリン化合物としては、化学式(化25)であらわされるリン化合物が挙げられる。
【0066】
【化25】
Figure 2005023160
【0067】
(式(化25)中、Rは炭素数1〜49の炭化水素基、または水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜49の炭化水素基を表し、R,Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0068】
また、更に好ましくは、化学式(化25)中のR,R,Rの少なくとも一つが芳香環構造を含む化合物である。
【0069】
これらのリン化合物の具体例を以下に示す。
【0070】
【化26】
Figure 2005023160
【0071】
【化27】
Figure 2005023160
【0072】
【化28】
Figure 2005023160
【0073】
【化29】
Figure 2005023160
【0074】
【化30】
Figure 2005023160
【0075】
【化31】
Figure 2005023160
【0076】
また、本発明のリン化合物は、分子量が大きいものの方が重合時に留去されにくいため効果が大きく好ましい。
【0077】
本発明のリン化合物は、フェノール部を同一分子内に有するリン化合物であることが好ましい。フェノール部を同一分子内に有するリン化合物を含有することでポリエステルの物性改善効果が高まることに加えて、ポリエステルの重合時にフェノール部を同一分子内に有するリン化合物を用いることで触媒活性を高める効果がより大きく、従ってポリエステルの生産性に優れる。
【0078】
フェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、フェノール構造を有するリン化合物であれば特に限定はされないが、フェノール部を同一分子内に有する、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらの中でも、一種または二種以上のフェノール部を同一分子内に有するホスホン酸系化合物を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果がとくに大きく好ましい。
【0079】
本発明のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、下記一般式(化32)〜(化34)で表される化合物が好ましい。
【0080】
【化32】
Figure 2005023160
【0081】
【化33】
Figure 2005023160
【0082】
【化34】
Figure 2005023160
【0083】
(式(化32)〜(化34)中、Rはフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基およびフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R,R,Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R,Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基などの置換基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐構造やシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。RとRの末端どうしは結合していてもよい。)
【0084】
本発明のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、例えば、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジエチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸メチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホスフィンオキサイド、および下記式(化35)〜(化38)で表される化合物などが挙げられる。これらのうちで、下記式(化37)で表される化合物およびp−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチルがとくに好ましい。
【0085】
【化35】
Figure 2005023160
【0086】
【化36】
Figure 2005023160
【0087】
【化37】
Figure 2005023160
【0088】
【化38】
Figure 2005023160
【0089】
上記の式(化37)にて示される化合物としては、SANKO−220(三光株式会社製)があり、使用可能である。
【0090】
本発明のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、下記一般式(化39)で表される特定のリンの金属塩化合物から選択される少なくとも一種がとくに好ましい。
【0091】
【化39】
Figure 2005023160
【0092】
(式(化39)中、R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。Rとしては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0093】
これらの中でも、下記一般式(化40)で表される化合物から選択される少なくとも一種が好ましい。
【0094】
【化40】
Figure 2005023160
【0095】
(式(化40)中、Mn+はn価の金属カチオンを表す。nは1,2,3または4を表す。)
【0096】
上記式(化39)または(化40)の中でも、Mが、Li,Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
【0097】
本発明の特定のリンの金属塩化合物としては、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、カリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、ベリリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル]、ストロンチウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、バリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル]、マンガンビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ニッケルビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、銅ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]がとくに好ましい。
【0098】
本発明のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、下記一般式(化41)で表されるP−OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物から選択される少なくとも一種がとくに好ましい。
【0099】
【化41】
Figure 2005023160
【0100】
(式(化41)中、R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0101】
これらの中でも、下記一般式(化42)で表される化合物から選択される少なくとも一種が好ましい。
【0102】
【化42】
Figure 2005023160
【0103】
(式(化42)中、Rは、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0104】
上記のRとしては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CHCHOHで表される基などが挙げられる。
【0105】
本発明のP−OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸などが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチルがとくに好ましい。
【0106】
本発明のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、下記一般式(化43)で表される特定のリン化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物が好ましい。
【0107】
【化43】
Figure 2005023160
【0108】
(上記式(化43)中、R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0109】
上記一般式(化43)の中でも、下記一般式(化44)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が高く好ましい。
【0110】
【化44】
Figure 2005023160
【0111】
(上記式(化44)中、R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0112】
上記のR、Rとしては例えば、水素、メチル基、ブチル基等の短鎖の脂肪族基、オクタデシル等の長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基等の芳香族基、−CHCHOHで表される基などが挙げられる。
【0113】
本発明の特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジイソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジ−n−ブチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェニルなどが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェニルがとくに好ましい。
【0114】
本発明のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、本発明でとくに望ましい化合物は、化学式(化45)、(化46)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。
【0115】
【化45】
Figure 2005023160
【0116】
【化46】
Figure 2005023160
【0117】
上記の化学式(化45)にて示される化合物としては、Irganox1222(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)が、また、化学式(化46)にて示される化合物としてはIrganox1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)が市販されており使用可能である。
【0118】
リン化合物は、ポリエステルの熱安定剤としては知られていたが、これらの化合物を従来の金属含有ポリエステル重合触媒と組み合わせて使用しても、溶融重合を大きく促進することはこれまで知られていなかった。実際に、ポリエステル重合の代表的な触媒であるアンチモン化合物、チタン化合物、スズ化合物あるいはゲルマニウム化合物を重合触媒としてポリエステルを溶融重合する際に、本発明のリン化合物を添加しても、実質的に有用なレベルまで重合が促進されることは認められない。
【0119】
本発明の方法に従ってポリエステルを製造する際のリン化合物の使用量としては、得られるポリエステルのポリカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して0.0001〜0.1モル%が好ましく、0.005〜0.05モル%であることがさらに好ましい。
【0120】
本発明のリン化合物を併用することにより、ポリエステル重合触媒中のハイドロタルサイト類化合物の添加量が少量でも十分な触媒効果を発揮する触媒が得られる。リン化合物の添加量が0.0001モル%未満の場合には添加効果が発揮されない場合があり、また0.1モル%を超えて添加すると逆にポリエステル重合触媒としての触媒活性が低下する場合があり、その低下の傾向は、ハイドロタルサイト類化合物中のアルミニウム成分の量等により変化する。
【0121】
本発明では、基本的には金属触媒としてハイドロタルサイト類化合物を使用するが、第2金属元素として、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、スズ、マンガン、亜鉛、ニオブ、タンタル、タングステン、インジウム、ジルコニウム、ハフニウム、珪素、鉄、ニッケル、ガリウムおよびそれらの化合物などを使用してもかまわない。この際、好ましい触媒としては、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、マグネシウム化合物などがある。
【0122】
これらの成分の添加が前述のようなポリエステルの特性、加工性、色調など製品に問題を生じない添加量の範囲内において共存させて用いることは、重縮合時間の短縮による生産性を向上させる際に有効であり、好ましい。
【0123】
本発明に言うポリエステルとは、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種または二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種または二種以上とから成るもの、またはヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から成るもの、または環状エステルから成るものをいう。
【0124】
ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、 テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3ーシクロブタンジカルボン酸、1,3ーシクロペンタンジカルボン酸、1,2ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,3ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン酸、2,5ーノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5ー(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3ーナフタレンジカルボン酸、1,4ーナフタレンジカルボン酸、1,5ーナフタレンジカルボン酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、2,7ーナフタレンジカルボン酸、4、4’ービフェニルジカルボン酸、4、4’ービフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ービフェニルエーテルジカルボン酸、1,2ービス(フェノキシ)エタンーp,p’ージカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0125】
これらのジカルボン酸のうちテレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸とくに2,6ーナフタレンジカルボン酸が、得られるポリエステルの物性等の点で好ましく、必要に応じて他のジカルボン酸を構成成分とする。
【0126】
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3、4、3’、4’ービフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0127】
グリコールとしてはエチレングリコール、1、2ープロピレングリコール、1、3ープロピレングリコール、ジエチレングリ コール、トリエチレングリコール、1、2ーブチレングリコール、1、3ーブチレングリコール、2、3ーブチレングリコール、1,4ーブチレングリコール、1、5ーペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオー ル、1,2ーシクロヘキサンジオール、1,3ーシクロヘキサンジオール、1,4ーシクロヘキサンジオール、1,2ーシクロヘキサンジメタノール、1,3ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジエタノール、1,10ーデカメチレングリコール、1、12ードデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコールが挙げられる。
【0128】
また、ヒドロキノン、4, 4’ージヒドロキシビスフェノール、1,4ービス(βーヒドロキシエトキシ)ベン ゼン、1,4ービス(βーヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1、2ービス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5ーナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられる。
【0129】
これらのグリコールのうちエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
【0130】
これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
【0131】
ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3ーヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、pー( 2ーヒドロキシエトキシ)安息香酸、4ーヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0132】
環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
【0133】
多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられる。
【0134】
本発明で用いられるポリエステルは主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であり、主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルが好ましい。
【0135】
主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルとは、全酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。
【0136】
主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルとは、全グリコール成分に対してアルキレングリコールを合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。ここで言うアルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいても良い。
【0137】
本発明で用いられるナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、1,3ーナフタレンジカルボン酸、1,4ーナフタレンジカルボン酸、1,5ーナフタレンジカルボン酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、2,7ーナフタレンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
【0138】
本発明で用いられるアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1、2ープロピレングリコール、1、3ープロピレングリコール、1、2ーブチレングリコール、1、3ーブチレングリコール、2、3ーブチレングリコール、1,4ーブチレングリコール、1、5ーペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオー ル、1,2ーシクロヘキサンジオール、1,3ーシクロヘキサンジオール、1,4ーシクロヘキサンジオール、1,2ーシクロヘキサンジメタノール、1,3ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジエタノール、1,10ーデカメチレングリコール、1、12ードデカンジオール等があげられる。これらは同時に2種以上を使用しても良い。
【0139】
本発明のポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ(1,4ーシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートおよびこれらの共重合体が好ましく、これらのうちポリエチレンテレフタレートおよびこの共重合体が特に好ましい。
【0140】
本発明のポリエステル中には、有機系、無機系、及び有機金属系のトナー、ならびに蛍光増白剤などを含むことができ、これらを一種もしくは二種以上含有することによって、ポリエステルの黄み等の着色をさらに優れたレベルにまで抑えることができる。また他の任意の重合体や制電剤、消泡剤、染色性改良剤、染料、顔料、艶消剤、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、その他の添加剤が含有されていてもよい。酸化防止剤としては、芳香族アミン系、フェノール系等の酸化防止剤が使用可能であり、安定剤としては、リン酸やリン酸エステル系等のリン系、硫黄系、アミン系等の安定剤が使用可能である。
これらの添加剤は、ポリエステルの重合時もしくは重合後、あるいはポリエステルの成形時の任意の段階で添加することが可能であり、どの段階が好適かは化合物の特性やポリエステル成形体の要求性能に応じてそれぞれ異なる。
【0141】
本発明の液相重縮合工程は、従来公知の液相重合工程である。すなわち、PETの場合は、テレフタル酸とエチレングリコールおよび必要に応じて他の共重合成分を直接反応させて水を留出しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールおよび必要に応じて他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留出しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。
【0142】
本発明の重縮合触媒は、重合反応の任意の段階で反応系に添加することができる。例えばエステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前及び反応途中の任意の段階もしくは重縮合反応の開始直前あるいは反応途中に反応系へ添加することができる。特に、ハイドロタルサイト類化合物およびリン化合物は重縮合反応の開始直前に添加することが好ましい。
本発明の重縮合触媒の添加方法は、粉末状ないしはニート状での添加であってもよいし、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状もしくは溶液状での添加であってもよく、特に限定されない。また、ハイドロタルサイト類化合物と他の成分、例えば本発明のリン化合物とを予め混合した混合物として添加してもよく、これらを別々に添加してもよい。またハイドロタルサイト類化合物と他の成分、例えばリン化合物とを同じ添加時期に重合系に添加してもよく、それぞれの成分を別々の添加時期に添加してもよい。また、触媒の全量を一度に添加しても、複数回に分けて添加してもよい。
【0143】
上記の液相重縮合工程は、バッチ方式、半連続方式、連続方式何れかの方法でもよく。得られたポリエステルレジンは、粒状(ペレット)化される。
【0144】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、評価法は以下の方法で実施した。
【0145】
固有粘度(IV:dl/g)
溶融重縮合および固相重縮合で得られたそれぞれのポリエステルペレット(長さ約3mm、直径約2mm、シリンダー状)を、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒に80〜100℃で数時間かけ溶解し、ウベローデ粘度計を用いて、温度30℃で測定した。濃度は、4g/lを中心にして何点か測定し、常法に従ってIVを決定した。
【0146】
異物
異物の判定手段として紡糸時の濾圧上昇の程度を用いた。
○:濾圧上昇ほとんどなし。
△:やや濾圧上昇あり。
×:濾圧上昇あり。
【0147】
(実施例1)
攪拌機付き熱媒循環式50リッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3モル%加え、0.25MPaの加圧下245℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を120分行いエステル化率が95%のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。最終的に得られるポリエステルレジンに対して重縮合触媒としてPURAL MG30(Sasol社製ハイドロタルサイト類化合物:MgO/Al=30/70重量比)が230ppmおよびo−エチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ハイドロキシベンジルホスホン酸が1200ppmになるようにそれぞれのエチレングリコール溶液を上記オリゴマーの混合物に加え、次いで、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに275℃、13.3PaでIVが約0.6dl/gになるまで溶融重縮合反応を実施した。触媒活性の目安として、目標IV値=0.6dl/gへ到達するのに必要な重縮合時間および異物の評価としての紡糸時の濾圧上昇の程度を表1に示す。
【0148】
(実施例2〜5)
実施例1において、ハイドロタルサイト類化合物およびリン化合物をそれぞれ表1に示すような組成に変更する以外は、実施例1と同様に実施した。触媒活性の目安として、目標IV値=0.6dl/gへ到達するのに必要な重縮合時間および異物の評価としての紡糸時の濾圧上昇の程度を表1に示す。
【0149】
(実施例6〜9)
実施例1において、ハイドロタルサイト類化合物、リン化合物の変更および従来触媒の追加を表1に示すような組成にする以外は、実施例1と同様に実施した。触媒活性の目安として、目標IV値=0.6dl/gへ到達するのに必要な重縮合時間および異物の評価としての紡糸時の濾圧上昇の程度を表1に示す。
【0150】
(比較例1〜3)
実施例1において、ハイドロタルサイト類化合物およびリン化合物をそれぞれ表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に実施した。触媒活性の目安として、目標IV値=0.6dl/gへ到達するのに必要な重縮合時間および異物の評価としての紡糸時の濾圧上昇の程度を表1に示す。
【0151】
【表1】
Figure 2005023160
【0152】
【発明の効果】
本発明によると、ハイドロタルサイト類化合物のMg/Alモル比およびハイドロタルサイト類化合物(H)と特定のリン系化合物(P)のH/P重量比をそれぞれ特定の範囲内でポリエステルの重縮合触媒として用いることで、本発明の課題である従来触媒と少なくても同等の品質を示し、ハイドロタルサイト類化合物の重縮合触媒活性を向上せしめ、しかも異物を低減することが可能になる。

Claims (17)

  1. 下記式(1)を満足することを特徴するハイドロタルサイト類化合物(H)とリン化合物(P)からなるポリエステル用重縮合触媒。
    0.1 ≦ Mg/Al(モル比) ≦ 1.5 (1)
  2. さらに下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1記載のポリエステル用重縮合触媒。
    0.1 ≦ H/P(重量比)≦ 0.24 (2)
  3. 上記リン化合物が、ホスホン酸系化合物からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル用重縮合触媒。
  4. 上記リン化合物が、芳香環構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  5. 上記触媒の構成成分であるリン化合物が、下記一般式(化1)〜(化5)で表される化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
    Figure 2005023160
    Figure 2005023160
    Figure 2005023160
    (式(化1)〜(化3)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基、ハロゲン基、アルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R、Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構造や芳香環構造を含んでいても良い。)
  6. 上記式(化1)〜(化3)中のR、R、R、Rが芳香環構造を有する基であることを特徴とする請求項5に記載のポリエステル用重縮合触媒。
  7. ハイドロタルサイト類化合物の焼成温度が200−900℃、好ましくは400−700℃で処理されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  8. 使用されるハイドロタルサイトの粒子径が0.05−30μm好ましくは0.1−5.0μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  9. アルカリ金属、アルカリ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を共存させることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  10. 上記アルカリ金属がLi、Na、K、およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を共存させることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  11. ポリエステルを構成する全カルボン酸成分に対する前記成分の添加量が0.05mol%以下であるさせることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  12. コバルトまたはその化合物を共存させることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  13. アンチモンおよびその化合物、ゲルマニウムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を共存させることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒。
  14. 上記アンチモンおよびその化合物の添加量が、アンチモン原子としてポリエステルに対して50ppm以下の量であることを特徴とする請求項13に記載のポリエステル用重縮合触媒。
  15. 上記ゲルマニウムおよびその化合物の添加量が、ゲルマニウム原子としてポリエステルに対して20ppm以下の量であることを特徴とする請求項13に記載のポリエステル用重縮合触媒。
  16. 上記請求項1〜15のいずれかに記載のポリエステル用重縮合触媒を用いて製造されたポリエステル。
  17. 成型品がボトル、シート、フィルムあるいは繊維であることを特徴とする請求項16に記載のポリエステル。
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