JP5890801B2 - ダイカスト金型用表面処理被膜およびダイカスト金型部材への表面処理被膜の形成方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ダイカスト金型部材の表面に被覆され、ケイ素酸化物と、ケイ素よりも酸化物形成能の高い金属である第2金属の酸化物、水酸化物、および炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種とを含むガラス層により構成される、ダイカスト金型用表面処理被膜において、ガラス層中に含まれる第2金属の酸化物、水酸化物、及び炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種が、バインダーとしてのケイ素酸化物と結合している、ダイカスト金型用表面処理被膜を提供する。この場合、第2金属が、Mg、Ca、Al、Ti、Ba、およびZrからなる群より選択される少なくとも一種であるのがよい。また、第2金属の酸化物、水酸化物、および炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種は、MgO、Al2O3、TiO2、BaO、ZrO2、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Al(OH)3、Ba(OH)2、MgCO3、CaCO3、およびBaCO3からなる群より選択される少なくとも一種であるのがよい。さらに、表面処理被膜中におけるケイ素の原子組成百分率が5at%以上50at%以下であるのがよい。
本発明に係る表面処理被膜は、ケイ素酸化物と、第2金属の酸化物、水酸化物、および炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種とを含むガラス層により構成される。ケイ素酸化物はガラス層の主成分をなすとともに、ガラス層中で第2金属の酸化物、水酸化物、あるいは炭酸塩のバインダーとして機能する。
本発明に係る表面処理被膜は、以下に説明する第1工程、第2工程、および第3工程を経て形成される。
まず、熱間ダイス鋼(SKD61)で形成されたダイカストピンを用意した。また、市販の水溶性離型剤(ユシロ化学製)に最大粒径が0.1μm以下の水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)粉末を約1mass%入れて溶解、混合することにより混合液(ガラス層前駆物質)を調整した(第1工程)。なお、使用した水溶性離型剤には、水、有機変性シリコーン(ケイ素酸化物)、合成エステル、ノニオン界面活性剤が含まれる。
熱間ダイス鋼(SKD61)からなるダイカストピンを用意した。また、第1実施例と同じ水溶性離型剤に最大粒径が0.1μm以下の水酸化アルミニウム(Al(OH)3)粉末を約1mass%入れて溶解、混合することにより混合液(ガラス層前駆物質)を調整した(第1工程)。
熱間ダイス鋼(SKD61)からなるダイカストピンを用意した。また、第1実施例と同じ水溶性離型剤に最大粒径が0.1μm以下の炭酸カルシウム(CaCO3)粉末を約1mass%入れて溶解、混合することにより混合液(ガラス層前駆物質)を調整した(第1工程)。
まず、PVD法でTiAlN膜が表面にコーティングされたダイカストピン(以下、TiAlNコーティングダイカストピン)を用意した。また、市販のテトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)とチタンアルコキシド(TiAlO)を、エタノール溶媒を用いて所定量混合した。次いで、混合液をゾルゲル法により加水分解するとともに加熱することによって、SiO2:TiO2が1:1となる、厚さ0.15μmのゲル状のガラス層前駆物質を形成した(第1工程)。
比較例1として、ガラス層が被覆されていないSKD61からなるダイカストピン(サンプル5)を用意した。また、比較例2として、ガラス層が被覆されていないTiAlNコーティングダイカストピン(サンプル6)を用意した。
サンプル1〜6を、それぞれダイカスト金型のキャビティ内にセットし、500tのダイカストマシンを使用してキャビティ内にアルミニウム溶湯(ADC12)を繰り返し射出し鋳造を行った。なお、型開きして鋳物を取り出した後には、通常の水溶性離型剤を塗布した。そして、アルミニウム溶湯のショット数と、各サンプルへのアルミニウム金属の焼き付き状況(凝着状況)を調査した。
Claims (8)
- ダイカスト金型部材の表面に被覆され、ケイ素酸化物と、ケイ素よりも酸化物形成能の高い金属である第2金属の酸化物、水酸化物、および炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種とを含むガラス層により構成される、ダイカスト金型用表面処理被膜において、
前記ガラス層中に含まれる前記第2金属の酸化物、水酸化物、及び炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種が、バインダーとしての前記ケイ素酸化物と結合している、ダイカスト金型用表面処理被膜。 - 請求項1に記載のダイカスト金型用表面処理被膜において、
前記ガラス層のビッカース硬度が70以上である、ダイカスト金型用表面処理被膜。 - 請求項1または2に記載のダイカスト金型用表面処理被膜において、
前記ダイカスト金型用表面処理被膜が被覆される前記ダイカスト金型部材の表面は、アルミダイカスト金型部材の表面である、ダイカスト金型用表面処理被膜。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダイカスト金型用表面処理被膜において、
前記第2金属が、Mg、Ca、Al、Ti、Ba、およびZrからなる群より選択される少なくとも一種である、ダイカスト金型用表面処理被膜。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のダイカスト金型用表面処理被膜において、
前記第2金属の酸化物、水酸化物、および炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種は、MgO、Al2O3、TiO2、BaO、ZrO2、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Al(OH)3、Ba(OH)2、MgCO3、CaCO3、およびBaCO3からなる群より選択される少なくとも一種である、ダイカスト金型用表面処理被膜。 - ケイ素酸化物と、ケイ素よりも酸化物形成能の高い金属である第2金属の酸化物、水酸化物、および炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種とを、溶媒に混合させることによりガラス層前駆物質を生成する第1工程と、
前記ガラス層前駆物質をダイカスト金型部材に被覆する第2工程と、
前記ガラス層前駆物質が被覆されたダイカスト金型部材を300℃以上で加熱してガラス層を形成する第3工程と、
を含む、ダイカスト金型部材への表面処理被膜の形成方法。 - 請求項6に記載のダイカスト金型部材への表面処理被膜の形成方法において、
前記第2金属が、Mg、Ca、Al、Ti、Ba、およびZrからなる群より選択される少なくとも一種である、ダイカスト金型部材への表面処理被膜の形成方法。 - 請求項6または7に記載のダイカスト金型部材への表面処理被膜の形成方法において、
前記第2金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種は、MgO、Al2O3、TiO2、BaO、ZrO2、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Al(OH)3、Ba(OH)2、MgCO3、CaCO3、およびBaCO3からなる群より選択される少なくとも一種である、ダイカスト金型部材への表面処理被膜の形成方法。
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