JP2006272352A - アルミニウム鋳造用仕切り板及びその製造方法 - Google Patents
アルミニウム鋳造用仕切り板及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006272352A JP2006272352A JP2005091202A JP2005091202A JP2006272352A JP 2006272352 A JP2006272352 A JP 2006272352A JP 2005091202 A JP2005091202 A JP 2005091202A JP 2005091202 A JP2005091202 A JP 2005091202A JP 2006272352 A JP2006272352 A JP 2006272352A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- casting
- carbon
- partition plate
- aluminum
- oxide layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】 表層に微細な凹凸のある酸化物層を介し、カーボン塗膜がステンレス鋼板表面に設けられた仕切り板であり、鋳造金型にセットされ内部を所定サイズのキャビティに区画する。酸化物層は、Al2O3,SiO2,ZrO2,Cr2O3,TiO2から選ばれた一種又は二種以上の酸化物からなり、カーボン塗膜の密着性を改善すると共に高温加熱時にカーボンの分解を抑え、優れた離型性を維持する。
【選択図】 なし
Description
アルミニウム鋳物を仕切り板から分離する際、アルミニウム合金鋳造用仕切り板に変形や大きな応力を発生させることなく容易に分離できること。
〔溶湯の流動性〕
鋳造金型に注入されたアルミニウム溶湯が仕切り板に焼き付くことなく仕切り板で区画されたキャビティの隅々にまで送り込まれるように、アルミニウム溶湯の流動性を阻害せず、アルミニウム合金の付着を防止する表面であること。
注入後の凝固過程にある溶湯と反応してアルミニウム鋳物に表面欠陥を生じさせたり、アルミニウム鋳物の表面仕上げを困難にする表面変質層が生じないように、アルミニウム鋳物に対して不活性な表面層をもつこと。また、アルミニウム鋳物の表面層の多孔質化や気密性の低下がないように、高温のアルミニウム溶湯との接触によってガスを発生しない表面層が望まれる。仮にガス,反応生成物,残渣等が生じる場合でも、毒性のないことが必要である。
本発明は、かかる知見をベースに開発された仕切り板であり、優れた離型性が確保されることは勿論、アルミニウム鋳物の鋳肌や耐食性に悪影響を及ぼす反応生成物,残渣,表面変質層等がなく、安定した品質のアルミニウム鋳物を製造するのに適したアルミニウム合金鋳造用仕切り板を提供することを目的とする。
ステンレス鋼板を脱脂及び/又は酸洗で清浄化し、酸化物前駆体の水性分散液をステンレス鋼板に塗布・焼成することにより酸化物層を形成し、次いでカーボン分散液を塗布し乾燥してカーボン塗膜を形成することにより製造される。
該仕切り板を用いて製造されるアルミニウム鋳物には、内部,表層共に金属アルミニウム又はアルミニウム合金からなる鋳物は勿論,セラミックスや異種金属を内包する複合鋳物等がある。
実際、Tg-DTAによる熱分析結果は、カーボン単独の分解温度:574℃に対し、SiO2−ZrO2が共存する系では592℃に、Al2O3が共存する系では610℃に分解温度がシフトすることを示している。
水性分散液は、Al,Si,Zr,Cr,Tiの水酸化物やアルコキシドの加水分解物,水和酸化物等の酸化物前駆体を主成分とし、好ましくは乾燥膜厚が0.01〜1.0μmとなる割合でステンレス鋼板に塗布される。酸化物層が薄すぎると、ステンレス鋼板の全表面を覆う均一皮膜になり難く、カーボン塗装後の焼成過程でカーボンの残存が不足して離型性の低下が懸念される。逆に厚すぎる酸化物層では、膜厚変動や凝集破壊が生じやすくなる。
目標の酸化物層をステンレス鋼板表面に形成させるためには、100℃以上の加熱で水分(溶媒)を飛ばす必要がある。しかし、過度の高温加熱ではゲル内の付着水や結晶水が消失し膜質も緻密化するので、400℃以下の温度で加熱することにより焼き付ける。
カーボン分散液は、好ましくは膜厚:1〜10μmのカーボン塗膜が形成される割合で塗布され、100〜480℃で乾燥される。離型性を付与する上で1μm以上の膜厚が必要であるが、過度に厚膜のカーボン塗膜では乾燥時に割れが入り酸化物層界面からの剥離が懸念される。また、カーボン塗膜を脱水し酸化物層と強固に結合させる上で乾燥温度を100℃以上に設定するが、480℃を超える高温加熱ではカーボンの熱分解が促進される。
前処理後のステンレス鋼板にベイマイト分散タイプのアルミナゾル-520(日産化学株式会社製)をスプレーコートし、200℃で20分焼成することにより乾燥膜厚:0.8μmのアルミナ皮膜を形成した。
更に、カーボン分散液(ヒタゾル-GA-242B:日立粉末冶金株式会社製)をスプレーコートし、常温で1時間乾燥することにより乾燥膜厚:5μmのカーボン塗膜を形成した。
アルミニウム鋳物は、別段の力を加える必要なく仕切り板から容易に分離した。仕切り板の表面を観察すると、鋳造前と同様に仕切り板の全表面がカーボン塗膜で覆われていた。アルミニウム鋳物は、焼付きや変質等の欠陥がない健全な鋳肌をもっていた。
冷却後、金型からアルミニウム鋳物,仕切り板を一体的に取り出し、離型性を調査した。比較例の仕切り板にはアルミニウム鋳物が強固に結合しており、バールを用いて強引に仕切り板を剥がしたところ、焼付きに起因する欠陥がアルミニウム鋳物の表面に発生していた。剥離した仕切り板の表面もカーボン塗膜が部分的に散在しているに留まり、カーボン塗膜のない表面部にはアルミニウム鋳物から欠落したアルミニウム片の付着が検出された。
Claims (3)
- 表面に微細な凹凸をもつ酸化物層を介しカーボン塗膜がステンレス鋼板の表面に設けられていることを特徴とするアルミニウム鋳造用仕切り板。
- 酸化物層がAl2O3,SiO2,ZrO2,Cr2O3,TiO2から選ばれた一種又は二種以上である請求項1記載のアルミニウム鋳造用仕切り板。
- 脱脂及び/又は酸洗で表面を清浄化したステンレス鋼板を用意し、
Al2O3,SiO2,ZrO2,Cr2O3,TiO2から選ばれた一種又は二種以上の酸化物の前駆体を分散させた水性分散液をステンレス鋼板に塗布・焼成することにより酸化物層を形成し、
次いで、カーボン分散液を塗布し乾燥することによりカーボン塗膜を形成することを特徴とするアルミニウム鋳造用仕切り板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005091202A JP2006272352A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | アルミニウム鋳造用仕切り板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005091202A JP2006272352A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | アルミニウム鋳造用仕切り板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006272352A true JP2006272352A (ja) | 2006-10-12 |
Family
ID=37207587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005091202A Withdrawn JP2006272352A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | アルミニウム鋳造用仕切り板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006272352A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007144499A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-14 | Toyota Motor Corp | 鋳造方法と鋳造型の製造方法 |
WO2008041675A1 (en) | 2006-10-03 | 2008-04-10 | Ntt Docomo, Inc. | User device, base station device, and method |
JP2009143058A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Nisshin Steel Co Ltd | 無機塗膜を有する塗装鋼板 |
JP2009142878A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 金属鋳造用鋳型およびこれを用いた鋳造方法 |
CN104889364A (zh) * | 2015-06-03 | 2015-09-09 | 天津市航宇金属加工有限公司 | 一种高压电器配件大气室产品模具 |
CN105246619A (zh) * | 2013-03-07 | 2016-01-13 | 斯奈克玛 | 用于制造涡轮机的转子叶片的方法 |
CN105537516A (zh) * | 2015-12-30 | 2016-05-04 | 青岛博泰美联化工技术有限公司 | 一种柴油发动机壳砂型铸造方法 |
-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005091202A patent/JP2006272352A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007144499A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-14 | Toyota Motor Corp | 鋳造方法と鋳造型の製造方法 |
JP4694358B2 (ja) * | 2005-11-30 | 2011-06-08 | トヨタ自動車株式会社 | 鋳造方法と鋳造型の製造方法 |
WO2008041675A1 (en) | 2006-10-03 | 2008-04-10 | Ntt Docomo, Inc. | User device, base station device, and method |
JP2009143058A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Nisshin Steel Co Ltd | 無機塗膜を有する塗装鋼板 |
JP2009142878A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 金属鋳造用鋳型およびこれを用いた鋳造方法 |
CN105246619A (zh) * | 2013-03-07 | 2016-01-13 | 斯奈克玛 | 用于制造涡轮机的转子叶片的方法 |
CN105246619B (zh) * | 2013-03-07 | 2017-03-22 | 斯奈克玛 | 用于制造涡轮机的转子叶片的方法 |
CN104889364A (zh) * | 2015-06-03 | 2015-09-09 | 天津市航宇金属加工有限公司 | 一种高压电器配件大气室产品模具 |
CN105537516A (zh) * | 2015-12-30 | 2016-05-04 | 青岛博泰美联化工技术有限公司 | 一种柴油发动机壳砂型铸造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006272352A (ja) | アルミニウム鋳造用仕切り板及びその製造方法 | |
KR100865431B1 (ko) | 열린 기공 금속 발포체 및 그 제조 방법 | |
US4425411A (en) | Mold with thermally insulating, protective coating | |
TW200540130A (en) | Crucible for the crystallization of silicon | |
JP6182146B2 (ja) | 排気系部品用塗料及び排気系部品 | |
US20090169415A1 (en) | Mold and manufacturing method thereof, and molded article using the mold | |
JP2012167543A (ja) | 構造体、及び、構造体の製造方法 | |
JP2010133021A (ja) | 溶射用粒子 | |
KR20210038425A (ko) | 금속 발포체 보디들 및 그 제조 방법 | |
CN104888616B (zh) | 一种大孔金属表面制备微孔金属层的方法 | |
JP2008514816A (ja) | 溶射法を用いた気密結晶性ムライト層の製造法 | |
CH643472A5 (fr) | Procede de realisation d'un moule carapace refractaire de ceramique et moule obtenu selon ce procede. | |
JP2011021211A (ja) | アルミニウム系親水性部材 | |
RU2297300C1 (ru) | Защитно-разделительное покрытие и способ его нанесения | |
FR3009973A1 (fr) | Materiau de pre-revetement d’un substrat metallique d’un materiau catalytique a base de ceramique | |
JP6285684B2 (ja) | 構造体及び表面被覆層形成用塗料 | |
JP2008137860A (ja) | 電子部品用セラミックス焼成用道具材 | |
JP6563422B2 (ja) | セラミックコート層付きエンジン部材及びセラミックコート層付きエンジン部材の製造方法 | |
WO2013046370A1 (ja) | 鋳造用部材及び鋳造方法、並びに、それに用いる潤滑剤の製造方法 | |
JPS64877B2 (ja) | ||
JP2000087206A (ja) | 溶融金属用容器およびその表面処理方法 | |
JP5890801B2 (ja) | ダイカスト金型用表面処理被膜およびダイカスト金型部材への表面処理被膜の形成方法 | |
JP3853085B2 (ja) | 溶融金属用容器およびその表面処理方法 | |
WO2013035351A1 (ja) | アルミニウムダイキャスト金型用合金組成物およびその製造方法 | |
WO2023136285A1 (ja) | アルミニウム粉末製品、その製造方法、および積層造形物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20070330 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070416 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070416 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070330 |
|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080603 |