JP4951756B2 - 耐酸化材料及び耐酸化材料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高耐酸化性を有する耐酸化材料及びそのような耐酸化材料の製造方法に関する。
地球温暖化に伴うCO削減対策として、例えば、乗用車用エンジンのCO排出量抑制のため、燃料消費を低減する技術が、開発されている。
より具体的に説明すると、エンジンの高効率化を図るため、例えば、従来は、ガソリンエンジンの排気ガス温度は、700℃前後であったが、今後は、1050℃程度の排気ガスになることが一般に予測されている。
このため、例えば、排気ガスのエネルギーを回転エネルギーに変換し、吸気圧を向上させることに使用されている、ターボチャージャーの耐熱・耐酸化温度も、排気ガス温度の上昇から、1050℃程度にすることが求められている。
ところで、TiAl金属間化合物は、Ti及びAl単体よりも高比強度で、高温強度が高い特徴を有している。
しかしながら、TiAl金属間化合物は、800℃以上の高温では、剥離し易い酸化物を形成し、耐酸化性が急激に劣化する、という問題がある。
即ち、1050℃程度の高温酸化雰囲気下では、TiAl金属間化合物の表面には、TiOやAl等の酸化物層が形成されるが、TiOやAl等の酸化物層は、TiAl金属間化合物とは、熱膨張率が異なるため、この酸化物層は、TiAl金属間化合物の表面から容易に剥離してしまうことから、TiAl金属間化合物には、耐酸化性を確保できない、という問題がある。
従来、このような問題を解決するための技術としては、例えば、TiAl金属間化合物(母材)の表面に、タングステン、ニオブ、タンタルのいずれかの金属元素の酸化物よりなる酸化物ゾル溶液をコーティングし、次いで、真空雰囲気中において真空加熱し、TiAl金属間化合物(母材)の表面に、高温耐酸化皮膜(この高温耐酸化皮膜は、外表面側からTiAl金属間化合物(母材)に向かって、WO・TiO・Alよりなる第1層と、TiO・Alよりなる第2層と、Alよりなる第3層とから構成され、第1層、第2層及び第3層には、それぞれ金属Wが分散している。)が形成されたTiAl系合金部品や、チタン−アルミニウム系金属間化合物の表面を被膜の密着性がよくなるように表面処理し、この表面処理された表面上に、上層とチタン−アルミニウム系金属間化合物の表面との密着性をよくする下地層を形成し、この下地層上に密着性のよいPtメッキ層を形成し、このPtメッキ層にアルミニウムを拡散させたものや、原子割合で、Nb−(15〜40%)Ti−(5〜20%)Alで表されるNb基固溶金属相を体積割合で10%以上含み、残部が耐酸化性に優れる一種以上の金属間化合物相またはセラミック相より構成される複相合金に、高温酸化雰囲気中で表面に主にMgOにより成る緻密な酸化膜を生成するに必要な微量の金属Mgを添加することにより構成したものが、既に、提案されている。
しかしながら、上記した、従来の耐酸化物材料は、1050℃程度に加熱すると、TiOやAl等の酸化物層が形成し、上述したように、これらは、TiAl金属間化合物とは、熱膨張が異なるため、TiOやAl等の酸化物層が、TiAl金属間化合物の表面から容易に剥離してしまうため、耐酸化性が確保できない、という問題がある。
1050℃程度の高温で、耐酸化に優れた材料としてNbSiがある。
しかしながら、TiAl金属間化合物の熱膨張率が、8.7×10−6(1/K)であり、NbSiの熱膨張率が、11.7×10−6(1/K)であるため、NbSiをTiAl金属間化合物の表面上に、直接、コーティングしても、TiAl金属間化合物の熱膨張率と、NbSiの熱膨張率との熱膨張差が大きいために、NbSiが、TiAl金属間化合物の表面から剥離するという問題があった。
特開平9−125254号 特開平9−268366号 特開2001−140030号 Kazuya Kurokawa,Akira Yamaguchi and Shinya Matsushita,Improvement of Oxidation Resistance of NbSi2 by addition of Boron,Materials Science Forum vol.505,2005,pp243−248
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、TiAl金属間化合物の耐酸化性向上させることと、このような目的のために、TiAl金属間化合物の表面上に設ける皮膜が、TiAl金属間化合物の表面から剥離を起こさない耐酸化材料を提供すること、及び、そのような耐酸化材料の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、TiAlの耐酸化を得るために表層に高温で耐酸化性を有するNbSiを配置し、Nb金属中にSi元素を傾斜濃度分布があるように拡散させ、TiAl金属間化合物表面には、Nb金属単体が接するようにしたものである。
TiAl金属間化合物の熱膨張率は、8.7×10−6(1/K)であり、Nbの熱膨張率は、7.3×10−6(1/K)であり、また、NbSiの熱膨張率は、11.7×10−6(1/K)である。
通常、母材と、母材の表面にコーティングされる材料との熱膨張差が、約2×10−6(1/K)以下であれば、母材と、母材の表面にコーティングされる材料との熱膨張差により、母材の表面にコーティングされた材料は、母材の表面から剥離を起こさない。
本発明では、更に、Nb層とNbSi層との間に、Si濃度を傾斜分布させることで、熱膨張率を緩和して、母材の表面にコーティングされる材料の母材の表面からの剥離を起こさないようにしている。
本発明は、TiAl金属間化合物表面に、酸素を透過しない緻密なコーティング膜(NbSi層)を形成し、且つ、酸素を透過しない緻密なコーティング膜(NbSi層)が、TiAl金属間化合物の表面から剥離しないようにすることを可能とした耐酸化材料、及び、そのような耐酸化材料の製造方法に関する。
即ち、請求項1に記載の耐酸化材料は、TiAl金属間化合物と、TiAl金属間化合物の表面上に設けられたNb層と、Nb層上に設けられたNbSi層とを備え、且つ、NbSi層とNb層との間に、NbSi層側からNb層に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層を有する。
請求項2に記載の耐酸化材料は、請求項1に記載の耐酸化材料の、TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を、3μm以上200μm以下の範囲の厚さで有する。
請求項3に記載の耐酸化材料は、請求項1又は請求項2に記載の耐酸化材料の、Siが拡散したNbSi層を、2μm以上100μm以下の範囲の厚さで有する。
請求項4に耐酸化材料の製造方法は、TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を形成し、Nb層の表面上にSi層を形成した後、Si層のSiをNb層に拡散し、TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を有し、Nb層上に、NbSi層を有し、且つ、NbSi層とNb層との間に、NbSi層側からNb層に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層を形成する。
請求項5に記載の耐酸化材料の製造方法は、TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を形成し、Nb層が表面に形成されたTiAl金属間化合物を、Siを含む溶融塩に浸漬し、TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を有し、Nb層上に、NbSi層を有し、且つ、NbSi層とNb層との間に、前記NbSi層側から前記Nb層に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層を形成する。
請求項6に記載の耐酸化材料の製造方法は、請求項4又は請求項5に記載の耐酸化材料の製造方法において、TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を、3μm以上200μm以下の範囲の厚さで形成した。
請求項7に記載の耐酸化材料の製造方法は、請求項4〜6のいずれかに記載の耐酸化材料の製造方法において、Siが拡散したNbSi層が、2μm以上100μm以下の範囲の厚さで形成されている。
本発明に係る耐酸化材料は、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れているので、例えば、乗用車用ターボチャージャーの排気タービン側の部品や、ジェットエンジンのブレード等の、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れていることが要求される、部品などに幅広く、利用することができる。
また、本発明に係る耐酸化材料の製造方法を用いれば、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れた、耐酸化材料を製造することができる。
以下、本発明に係る耐酸化材料及び耐酸化材料の製造方法を、図面を参照しながら、例示的に、更に、詳しく説明する。
(実施例1)
図1は、本発明に係る耐酸化材料の製造方法の一例を概略的に示すフローチャートである。
図1を参照しながら説明すると、まず、ステップS1において、円筒形状の金型2にワックスを射出成型注入し、円筒形状の造型ワックスを得る。
次に、ステップS2において、ステップS1において造型した円筒形状の造型ワックスの表面に、Nb層のコーティングを行う。
より具体的には、以下の場合に特に限定されることはないが、例えば、平均粒子径10μm以下のNb金属粉末(20wt%)を水(78wt%)及びポリビニルアルコール(2wt%)に混合し、粘性を有し、均一に分散したスラリーを得る。
円筒形状の造型ワックスを、このスラリーに浸漬(ディッピング)と乾燥とを繰り返し、円筒形状の造型ワックスの表面に、所定の厚さのNb層を得る。
次に、ステップS3において、ステップS2で得られた、Nb層付きの円筒形状の造型ワックスに、Si層のコーティングを行う。
より具体的には、以下の場合に特に限定されることはないが、例えば、平均粒径10μm以下のSi金属粉末(20wt%)を水(78wt%)及びポリビニルアルコール(2wt%)に混合し、粘性を有し、均一に分散したスラリーを得る。
円筒形状の造型ワックスを、このスラリーに浸漬(ディッピング)と乾燥とを繰り返し行い、円筒形状の造型ワックスのNb層の上に所定のSi層を得る。
次に、ステップS4において、Si層がコーティングされた円筒形状の造型ワックスの上に、ZrOをベースとしたスラリーを塗布と乾燥とを繰り返し行って、形状が保持できるだけの構造強度を持つ、セラミックス消失金型を得る。
次に、ステップS5において、セラミックス金型から加熱することで、造型ワックスを除去する。
ここで、Nbの酸化開始温度が450℃であることを考慮し、440℃以下の温度で、セラミックス消失金型を加熱することで、ワックスを溶融し、TiAl金属間化合物湯口を重力下向きに傾けることで、ワックスをセラミックス消失金型から完全に除去する。
次に、ステップS6において、セラミックス消失金型にTiAl金属間化合物の溶湯を流し込み、鋳造を行う。
図2は、ロストワックス法によるTiAl金属間化合物鋳造方法の概念図を示す断面図である。
尚、セラミックス消失金型に設ける鋳型の形状は、ロストワックス法では、ニアネットシェイプの部品を得ることが出来るため、例えば、ターボチャージャーの部品形状にしても良いが、本発明に係る耐酸化材料の効果は、鋳造品の形状による差異は見られないため、説明を容易とするため、図2では、セラミックス消失金型に設ける鋳型の形状とし、円筒形状の鋳造を行った場合を例にとって説明する。
図2を参照しながら説明すると、セラミックス消失金型10では、セラミックス消失金型10の鋳型表面に、Si層12が形成され、Si層12の表面上に、Nb層11が形成されている。
このセラミックス消失金型10に、TiAl金属間化合物13の溶湯を流し込むことで鋳造を行った。
尚、参考のために説明すると、実施例1では、TiAl金属間化合物の組成は、30wt%Al、15wt%Nb、0.09wt%C、残部Tiであった。
高温の溶融したTiAl金属間化合物13の溶湯を、セラミックス消失金型10に流し込むと、相互拡散が起こり、Nb層とSi層とが、TiAl金属間化合物を包む形となり、TiAl金属間化合物の表面へのNb層とSi層とのコーティングが完了する。
更に、Nb層には、Siが拡散により、Si層とNb層との間に、Si層側からNb層に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層が形成される。
次に、ステップS7において、セラミックス消失金型10を除去する。
尚、参考のために説明すると、実施例1では、セラミックス消失金型10は、#60gridのサンドブラストにより除去した。
ただし、表層のNbSi層がTiAl金属間化合物の表面に残留するようにブラスト強度を調整した。
次に、ステップS8において、TiAl金属間化合物を鋳造時に発生する欠陥を除去するために、熱間静水圧プレスを行った。
尚、参考のために説明すると、実施例1では、ガスとしては、アルゴン(Ar)ガスを用い、1000気圧、1250℃で2時間保持することにより、TiAl金属間化合物内部の欠陥を除去した。
図3は、以上の工程により製造した、耐酸化材料を模式的に示す断面図である。
この耐酸化材料は、TiAl金属間化合物31の表面上に、Nb層32を有し、Nb層32の上に、NbSi層34を有し、且つ、NbSi層34とNb層32との間に、NbSi層34側からNb層32に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層33を有する。
TiAl金属間化合物の表面にNb層があり、さらにNb層内にSi元素濃度が傾斜して表層には、NbSi層が形成されている。
実際に、各厚みを、元素濃度分布が測定可能なEPMA(X線マイクロアナライザー、日本電子製JXM−8600MX)計測したところ、Nb層32が100μm、その中のNbSi層33が50μmであった。さらに、表面をX線回折(リガク電機製:RINT2500HD/PC)で分析したところ、NbSiのみが検出され、表層には、NbSi層34が形成されていることがわかった。
また、外表面において、TiAl金属間化合物の存在を示す、γ−Tiは検出することは困難であり、この耐酸化コーティングが緻密で、TiAl金属間化合物が露出していないことが判明した。
(実施例2)
図4は、本発明に係る耐酸化材料の製造方法の他の一例を概略的に示すフローチャートである。
図4を参照しながら説明すると、まず、ステップS21において、TiAl金属間化合物として、通常のロストワックス法で得られた材料を使用する。
ここで、後述する、ステップS24で実施する欠陥除去の熱間静水圧プレスにより、TiAl金属間化合物中の内部欠陥を除去したものを用いてもよい。
その場合は、ステップS24は、省略できる。
尚、参考のために説明すると、実施例2では、熱間静水圧プレスにおいて、ガスとしては、アルゴン(Ar)ガスを用い、1000気圧、1250℃の各々の温度で2時間ずつ保持することにより、TiAl金属間化合物内部の欠陥を除去した。
次に、ステップS22において、TiAl金属間化合物の表面に、Nb粉体をプラズマ溶射することで、TiAl金属間化合物の表面に、Nb金属コーティングを行った。
尚、参考のために説明すると、実施例2では、表面の油脂をアセトンで除去した後に、下地処理として、昭和電工製褐色アルミナ(品名:A43)粒度#20で表面のブラスト処理を行い、その後、Nb粉体のプラズマ溶射を行った。
尚、参考のために説明すると、実施例2では、具体的には、Nb金属粉は、正栄商会製純度99.9%以上平均粒径30μmを用いた。
溶射装置として、スルザーメテコ社製F−4プラズマ溶射装置を用い、アルゴン(Ar)ガス流量:40Liter/min、水素ガス流量:10Liter/min、電流:600Aで、Nb金属層の厚みが200μmとなるように、TiAl金属間化合物表面に、Nb粉体のプラズマ溶射を行った。
次に、ステップS23において、Nb金属層を表面にコーティングしたTiAl金属間化合物を溶融塩に浸漬させて、NbSi層を得た。
尚、参考のために説明すると、実施例2では、具体的には、溶融塩は、まず、29.2wt%NaCl、37.3wt%KCl、12.5wt%NaF、12.6wt%NaSiFを均等に混ぜ合わせ、粉末塩とした。
そこに、8.4wt%のSi粉末を入れ混ぜ合わせた。これらをムライト製のるつぼに入れ、試料を粉末に埋めた。続いて、大気中で熱処理を処理温度900℃、処理時間0.5時間と10時間で行った。熱処理後のるつぼの中には塩が固まっており、その中から、Nb金属層をコーティングしたTiAl金属間化合物を取り出した。
次に、ステップS24において、TiAl金属間化合物を鋳造時に発生する欠陥を除去するために、熱間静水圧プレスを行った。
尚、参考のために説明すると、実施例1では、ガスとしては、アルゴン(Ar)ガスを用い、1000気圧、1250℃で2時間保持することにより、TiAl金属間化合物内部の欠陥を除去した。
EPMA装置による元素分布の測定により、以上の工程により製造された耐酸化材料は、それぞれの処理時間に係わらず、図3と同様の、TiAl金属間化合物31の表面上に、Nb層32を有し、Nb層32の上に、NbSi層34を有し、且つ、NbSi層34とNb層32との間に、NbSi層34側からNb層32に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層33を有することを、確認した。
尚、0.5時間処理したものは、NbSi層の厚みが2μmであり、10時間処理したものは、NbSi層の厚みが100μmであった。
(酸化試験)
図5は、実施例1及び実施例2において得られた耐酸化材料の酸化試験の結果を示す図である。
尚、比較例として、耐酸化コーティングを施工していないものを用いも同様な酸化試験を実施した。
各材料について、大気中で、1050℃で、400時間加熱するという酸化試験をした。
図5中、試料1は、比較例を、試料2は、実施例1で得た耐酸化材料を、試料3は、実施例2において、Nbプラズマ溶射後、溶融塩処理を0.5時間行った耐酸化材料を、また、試料4は、実施例2において、Nbプラズマ溶射後、溶融塩処理を10時間行った耐酸化材料である。
酸化試験前後で、EPMAによる酸化濃度分布測定では、比較例の試料1(耐酸化コーティング無し。)では、200μm程度の酸化層と隔離した酸化物が観察されるのに対して、実施例1で得た試料1では、20μm程度の酸化層が観察された。
また、X線回折では、実施例1で得た試料1では、その表面に、NbSiとNbのみが検出され、TiAl金属間化合物の酸化が見られないのに対し、比較例の試料1では、TiO、AlなどのTiAl金属間化合物の酸化物が確認された。
このことにより、本発明に係る耐酸化材料は、耐酸化に対して、有効であることが判明した。
また、酸化試験前後で、EPMAによる酸素濃度分布測定では、比較例の試料1では、200μm程度の酸化物と隔離した酸化物が観察されるのに対し、実施例2の試料3では、NbSiとNbのみが検出され、実施例2の試料4では、20μm程度の酸化層が観察された。
実施例2の試料3及び試料4では、NbSi層が、酸化試験後でも残留しており、1050℃の高温でも、Nb層深部に拡散してNbSi層を保持している、ということが判った。
また、X線回折では、実施例2の試料4では、その表面に、NbSiとNbのみ検出され、TiAl金属間化合物の酸化物が見られないのに対し、比較例の試料1では、TiO、AlO3などのTiAl金属間化合物の酸化物が確認された。
このことにより、高温における耐酸化に対しては、NbSi層が2μm以上あれば、有効であることが判明した。
以上、詳細に説明したように、本発明により、1050℃付近の高温中でも、TiAl金属間化合物からのTiOやAl等の酸化層が形成することを防止することが可能となり、TiAl金属間化合物の耐酸化性を向上することが可能となった。
即ち、本発明に係る耐酸化材料は、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れているので、例えば、乗用車用ターボチャージャーの排気タービン側の部品や、ジェットエンジンのブレード等の、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れていることが要求される、部品などに幅広く、利用することができる。
また、本発明に係る耐酸化材料の製造方法を用いれば、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れた、耐酸化材料を製造することができる。
本発明に係る耐酸化材料は、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れているので、例えば、乗用車用ターボチャージャーの排気タービン側の部品や、ジェットエンジンのブレード等の、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れていることが要求される、部品などに幅広く、利用することができる。
また、本発明に係る耐酸化材料の製造方法を用いれば、高比強度で、高温強度が高く、耐酸化性に優れた、耐酸化材料を製造することができる。
本発明に係る耐酸化材料の製造方法の一例を概略的に示すフローチャートである。 ロストワックス法によるTiAl金属間化合物鋳造方法の概念図を示す断面図である。 本発明に係る耐酸化材料を模式的に示す断面図である。 本発明に係る耐酸化材料の製造方法の他の一例を概略的に示すフローチャートである。 実施例1及び実施例2において得られた耐酸化材料の酸化試験の結果を示す図である。
符号の説明
10 セラミックス消失金型
11、32 Nb層
12 Si層
13、31 TiAl金属間化合物
33 NbSi層
34 NbSi

Claims (7)

  1. TiAl金属間化合物と、
    前記TiAl金属間化合物の表面上に設けられたNb層と、
    前記Nb層上に設けられたNbSi層とを備え、且つ、
    前記NbSi層と前記Nb層との間に、前記NbSi層側から前記Nb層に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層を有する、耐酸化材料。
  2. 前記TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を、3μm以上200μm以下の範囲の厚さで有する、請求項1に記載の耐酸化材料。
  3. 前記Siが拡散したNbSi層を、2μm以上100μm以下の範囲の厚さで有する、請求項1又は請求項2に記載の耐酸化材料。
  4. TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を形成し、
    前記Nb層の表面上にSi層を形成した後、
    前記Si層のSiを前記Nb層に拡散し、
    前記TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を有し、
    前記Nb層上に、NbSi層を有し、且つ、
    前記NbSi層と前記Nb層との間に、前記NbSi層側から前記Nb層に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層を形成する、耐酸化材料の製造方法。
  5. TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を形成し、
    前記Nb層が表面に形成されたTiAl金属間化合物を、Siを含む溶融塩に浸漬し、
    前記TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を有し、
    前記Nb層上に、NbSi層を有し、且つ、
    前記NbSi層と前記Nb層との間に、前記NbSi層側から前記Nb層に向かって、Siを、高い濃度から低い濃度に傾斜させたSiの濃度勾配を有する、Siが拡散したNbSi層を形成する、耐酸化材料の製造方法。
  6. 前記TiAl金属間化合物の表面上に、Nb層を、3μm以上200μm以下の範囲の厚さで形成した、請求項4又は請求項5に記載の耐酸化材料の製造方法。
  7. 前記Siが拡散したNbSiが、2μm以上100μm以下の範囲の厚さで形成されている、請求項4〜6のいずれかに記載の耐酸化材料の製造方法。
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